WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...
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表 A.6.2 患 者 安 全 教 育 と 従 来 の 医 学 / 看 護 学 履 修 科 目 との 関 連 づけ<br />
患 者 安 全 の 特 定 のトピックに 関 する 職 務 能 力 (competency)は, 習 得 すべき 知 識 と 実 践 内 容 に 分 けて 考 えることができ, 学 習<br />
はこの 両 側 面 から 行 っていくのが 理 想 的 である.( 例 : 正 しい 患 者 の 同 定 ).<br />
領 域<br />
基 礎 知 識<br />
応 用 知 識<br />
患 者 安 全 の 具 体 例<br />
患 者 間 違 いは 起 こる 可 能 性 があり, 実 際 に 起 こっているということ,そして 特 にチーム 医 療 では 多 く 起 こる<br />
ことを 理 解 し,どのような 状 況 で 患 者 間 違 いが 起 こりやすくなるのかを 学 ぶ.たとえば, 同 じ 病 状 の 患 者 が<br />
二 人 いる, 患 者 が 自 分 で 意 思 を 伝 えられない, 医 療 従 事 者 が 業 務 を 中 断 する 必 要 が 生 じた,などの 状 況 では<br />
患 者 間 違 いが 起 こりやすい.<br />
交 差 適 合 試 験 のために 採 血 を 行 う 際 には 患 者 を 正 しく 確 認 するのが 重 要 であることを 認 識 する.この 業 務<br />
中 になぜエラーが 起 こるのかを 理 解 し,そのような 状 況 でエラーを 予 防 するための 戦 略 を 学 ぶ.<br />
実 践<br />
「ジョン・スミスさんですか」のように「はい」や「いいえ」で 答 えられる 質 問 ではなく,「お 名 前 は」のよう<br />
に 開 放 型 の 質 問 をすることで, 患 者 を 正 しく 確 認 する 方 法 を 実 践 する.<br />
患 者 安 全 が 包 括 する 領 域 は 大 変 広 く,また 患 者 安<br />
全 の 原 則 は 個 々の 環 境 ごとに 調 整 する 必 要 がある<br />
ため, 既 存 の 授 業 にも 効 果 的 に 患 者 安 全 教 育 を 組<br />
み 込 める 余 地 は 豊 富 にあるであろう.しかしながら,<br />
患 者 安 全 の 学 習 領 域 の 中 には, 医 療 従 事 者 にとって<br />
比 較 的 新 しく, 既 存 の 授 業 に 組 み 込 むのが 難 しい 領<br />
域 もある.そのような 場 合 には, 独 立 した 領 域 とし<br />
て 新 たにカリキュラムに 加 える 必 要 があるかもしれ<br />
ない.たとえば,トピック2「 患 者 安 全 におけるヒュー<br />
マンファクターズの 重 要 性 」は, 既 存 の 科 目 と 統 合<br />
したり 組 み 込 んだりするのが 困 難 となる 可 能 性 が<br />
ある.このトピックに 対 するアプローチの 一 つとし<br />
て, 工 学 や 心 理 学 分 野 の 専 門 家 を 招 いて 講 義 をし<br />
てもらう 時 間 を 設 け, 学 生 に 小 グループ 討 論 を 行 わ<br />
せるのもよいであろう.<br />
一 般 的 なカリキュラム 構 成 に 患 者 安 全 を 組 み<br />
込 む 最 善 の 方 法<br />
まず 既 存 のカリキュラムを 見 直 して,すでに 教 え<br />
ている 患 者 安 全 の 領 域 を 特 定 し, 教 えていきたいト<br />
ピックを 決 定 する.そこで 初 めて 新 しい 内 容 をどの<br />
ようにしてカリキュラムに 組 み 込 むかを 考 えること<br />
になる.<br />
既 存 のカリキュラムについて 検 討 する 際 には, 以 下<br />
について 考 えること:<br />
◦カリキュラム 全 体 の 構 成 はどうなっているか.<br />
◦ 患 者 安 全 の 内 容 を 盛 り 込 みやすい 科 目 やト<br />
ピックはカリキュラムのどの 段 階 のどの 部 分 に<br />
あるか.<br />
◦ 学 習 目 標 , 教 授 法 および 評 価 方 法 の 観 点 から<br />
見 て, 個 々のトピックはどのように 構 成 されて<br />
いるか.<br />
◦カリキュラムはどのように 遂 行 されているか.<br />
◦ カリキュラムの 遂 行 にあたって 誰 が 責 任 を 負 っ<br />
ているか.<br />
このような 問 いについて 考 えておけば, 既 存 のカ<br />
リキュラムのどの 部 分 に,どのようにして 患 者 安 全 を<br />
組 み 込 むべきかがより 明 らかとなってくるであろう.<br />
カリキュラム 全 体 の 構 成 はどうなっているか<br />
◦ 大 人 数 の 学 生 への 講 義 をベースとした 伝 統 的 カ<br />
リキュラム(traditional curriculum)であれ<br />
ば, 学 生 はまず 基 礎 科 学 と 行 動 科 学 を 学 んでか<br />
ら, 目 指 す 職 種 に 関 連 した 特 定 の 領 域 を 集 中 的 に<br />
学 習 する. 教 育 は 統 合 されておらず, 各 領 域 を 単<br />
位 としたカリキュラムが 構 成 されている 場 合 が 多<br />
い.<br />
このような 場 合 , 患 者 安 全 の 知 識 の 応 用 と 実 践 に<br />
ついては, 課 程 の 後 半 に 導 入 するのが 最 も 適 切 とな<br />
りうる.しかし, 基 礎 的 な 患 者 安 全 の 知 識 は 課 程 の<br />
前 半 にも 効 果 的 に 組 み 込 むことができる.<br />
◦ 統 合 型 カリキュラム(integrated curriculum)<br />
であれば, 全 教 育 課 程 を 通 じて 基 礎 科 学 , 行 動 科<br />
学 および 臨 床 科 学 と 各 種 の 技 能 を 並 行 して 学 ば<br />
せ, 総 合 的 な 学 習 とする.<br />
この 場 合 , 患 者 安 全 教 育 の 知 識 , 応 用 , 実 践 の 要<br />
素 をカリキュラム 全 体 を 糖 して 縦 断 的 に 統 合 ( 垂 直<br />
統 合 :vertical integration)できるという 利 点 が<br />
ある.<br />
患 者 安 全 について 習 得 すべき 知 識 と 実 践 内 容<br />
◦ 学 習 は 実 際 の 職 場 環 境 で 行 われるのが 理 想 で<br />
ある.つまり 実 際 にどのように 医 療 が 行 われる<br />
<strong>WHO</strong> 患 者 安 全 カリキュラムガイド 多 職 種 版 42