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講義資料(pdf) - Nuclear Physics Experiment Group, University of Tokyo

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高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた<br />

極 限 状 態 の 実 験 的 探 究<br />

志 垣 賢 太 ( )<br />

原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 2013<br />

2013 年 8 月 8 日<br />

愛 知 県 蒲 郡 市 ホテルたつき


講 義 内 容<br />

• 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 = 実 験 クォーク 物 理 学<br />

– 物 理 的 意 義 , 興 味<br />

– 非 閉 込 高 温 パートン 物 質 “クォーク・グルーオン・プラズマ”<br />

– 最 新 状 況 と 展 望<br />

• BNL–RHIC 加 速 器 PHENIX 実 験<br />

• CERN–LHC 加 速 器 ALICE 実 験<br />

• 極 限 状 態 の 探 究 – 最 近 の 話 題 から –<br />

– 人 類 による 最 高 到 達 温 度<br />

– 低 粘 性 極 限 “ 完 全 流 体 ”<br />

– 宇 宙 最 高 強 度 磁 場<br />

• カイラル 対 称 性 回 復 とハドロン 質 量<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 1


GeV/TeV 原 子 核 衝 突 の 物 理 的 興 味<br />

• 強 場 中 の 素 粒 子 多 体 系 の 挙 動 と 相 構 造<br />

– 極 限 条 件 における 非 摂 動 的 量 子 色 力 学<br />

• cf. 素 粒 子 単 体 , 素 粒 子 間 素 過 程<br />

• 宇 宙 開 闢 後 ~ 10 −5 秒 間 の 状 態 ; 宇 宙 創 成 シナリオ<br />

– クォークの 閉 込 と 解 放<br />

• cf. 宇 宙 開 闢 後 ~ 10 −12 秒 間 の 粒 子 生 成 と 相 互 作 用<br />

• クォーク 閉 込 に 伴 うハドロン 質 量 発 現 機 構<br />

– カイラル 対 称 性 の 自 発 的 破 れ<br />

• cf. ヒッグス 機 構 による 素 粒 子 質 量 発 現 機 構<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 2


宇 宙 の 歴 史 とクォーク 物 理 学<br />

14 by<br />

生 命 誕 生 : 現 在<br />

1 by<br />

10 12 s<br />

10 2 s<br />

10 -6 s<br />

銀 河 ・ 天 体 の 生 成<br />

原 子 の 生 成<br />

原 子 核 の 生 成<br />

クォークの 閉 込<br />

反 クォークの 消 滅<br />

クォークの 生 成<br />

0.00 s<br />

宇 宙 開 闢 (ビッグバン)<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 3


クォーク‐ハドロン 描 像<br />

• ハドロン = 「 色 」 を 持 つクォークの 「 白 色 」 複 合 体<br />

– 強 い 相 互 作 用 : 量 子 色 力 学 (QCD) により 記 述<br />

• 色 価 間 の 距 離 → ∞ : 位 置 エネルギー → ∞<br />

– qqq ( 例 : 赤 + 緑 + 青 ) = バリオン<br />

– qqq ( 例 : 反 赤 + 反 緑 + 反 青 ) = 反 バリオン<br />

– qq ( 例 : 赤 + 反 赤 ) = 中 間 子<br />

– qqqqqq, qqqq, qqqqq, …?<br />

• バリオンの 例 :<br />

– 陽 子 (uud), 中 性 子 (udd)<br />

• 中 間 子 の 例 :<br />

– π + (ud), π 0 ((uu-dd)/√2), π − (du)<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 4


クォークの 閉 込 /( 再 ) 開 放 の 機 構<br />

• 基 本 的 素 粒 子 クォークは 単 独 で 取 出 せない<br />

– 現 象 論 的 説 明 : ポテンシャル<br />

– クォークと 反 クォークにエネルギーを 与 え 引 離 す<br />

→ 新 たなクォーク・ 反 クォーク 対 生 成 がより 安 定<br />

• 高 温 あるいは 高 密 度 状 態 では 単 独 存 在 可 能 ?<br />

– 強 い 相 互 作 用 の 漸 近 的 自 由 性<br />

– 物 性 系 類 似 の 相 転 移 の 予 言<br />

V = − 4α<br />

s<br />

( r)<br />

3r<br />

+ kr<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 5


物 質 質 量 の 主 要 部 分 の 起 源<br />

• ハドロン 質 量 ( 非 暗 黒 物 質 質 量 の 98 %) の 起 源<br />

– カイラル 対 称 性 の 自 発 的 破 れ (1960 年 南 部 陽 一 郎 )<br />

• クォークの 開 放 と 同 時 にカイラル 対 称 性 回 復<br />

– パートン 非 閉 込 相 ではハドロンは 軽 くなる?<br />

– 原 子 核 物 質 中 でもハドロンは 軽 くなる?<br />

– クォーク 対 凝 縮 (クォーク・ 反 クォーク 対 の 海 ) で 説 明<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 6


クォークの 閉 込 / 開 放 の 物 理 的 意 義<br />

• 極 初 期 宇 宙 状 態 (リトルバン)<br />

– 宇 宙 開 闢 (ビッグバン) から 10 −5 秒 以 内 の 物 質 状 態<br />

• パートンと 強 い 相 互 作 用 の 基 本 的 性 質<br />

– 極 限 状 態 の 量 子 色 力 学<br />

• 高 エネルギー 密 度 ( 温 度 ) 極 限<br />

• 高 原 子 核 物 質 密 度 極 限<br />

– 閉 込 から 開 放 されたパートン 物 質 の 探 索 と 性 質 探 求<br />

• 量 子 色 力 学 相 転 移<br />

→ クォーク・グルーオン・プラズマ (QGP) 相<br />

• 物 質 質 量 の 起 源<br />

– カイラル 対 称 性 の 破 れによるハドロン 質 量<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 7


理 論 基 盤 : 量 子 色 力 学 計 算<br />

• 摂 動 論 的 量 子 色 力 学 (pQCD)<br />

– 高 温 状 態 におけるハドロン 物 質<br />

• T < T c ~ m π では π 粒 子 生 成 にエネルギー 分 配<br />

• T > T c では π 粒 子 密 度 上 昇 により 色 デバイ 遮 蔽<br />

• 格 子 量 子 色 力 学 ( 離 散 的 数 値 計 算 )<br />

– クォーク 自 由 度 が 顕 在 化 する 物 質 相 への 転 移 を 予 言<br />

F. Karsch,<br />

Lect. Notes Phys. 583 (2002) 209<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 8


量 子 色 力 学 相 図 とクォーク 物 性<br />

• クォーク, グルーオン 非 閉 込 相 へ<br />

• 格 子 初 期 量 宇 子 宙 色 力 学 による 相 境 界 の 予 言<br />

臨 界 温 度 ~ 170 MeV<br />

– 臨 界 温 度 ~ 170 MeV ~ 2×10 12 °C<br />

エネルギー 密 度 ( 温 度 )<br />

– 臨 界 エネルギー 密 度 ~ 1 GeV/fm 3<br />

臨 界 点<br />

原 子 核<br />

高 エネルギー 原 子 核 衝 突<br />

ハドロン 気 体<br />

クォーク, グルーオン 非 閉 込 相<br />

(クォーク・グルーオン・プラズマ)<br />

色 超 流 動 ?<br />

中 性 子 星<br />

??<br />

バリオン 密 度<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 9


高 エネルギー 原 子 核 衝 突<br />

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クォーク 解 放 の 実 験 的 探 究<br />

• 1980 年 代 : 動 的 過 程 による 生 成 試 行 の 黎 明<br />

– 中 高 エネルギー 中 重 原 子 核<br />

• 米 LBL–BEVALAC (0.2 – 2.5 A GeV)<br />

• 1990 年 代 : 高 密 度 領 域<br />

– 高 エネルギー 重 原 子 核 ( 金 , 鉛 など)<br />

• 米 BNL–AGS (11 A GeV 197 Au + 固 定 標 的 ; 終 了 )<br />

• 欧 CERN–SPS (200 A GeV 208 Pb + 固 定 標 的 ; 終 了 )<br />

• 2000 年 代 : 高 温 (エネルギー 密 度 ) 領 域<br />

– 正 面 衝 突 型 重 原 子 核 加 速 器 によるクォーク 再 解 放<br />

• 米 BNL–RHIC (100 + 100 A GeV 197 Au + 197 Au; 稼 働 中 )<br />

• 欧 CERN–LHC (2.8 + 2.8 A TeV 208 Pb + 208 Pb; 稼 働 中 )<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 11


衝 突 型 加 速 器 の 利 点 (と 難 点 )<br />

• 終 状 態 の 内 部 エネルギーの 飛 躍 的 向 上<br />

– 衝 突 系 の 静 止 質 量 ( 内 部 エネルギー) √s<br />

• 固 定 標 的 実 験 では √s ~ √E beam で 増 加<br />

• 衝 突 型 実 験 では √s ~ E beam で 増 加<br />

– 衝 突 系 の 重 心 運 動 エネルギーは 利 用 不 能<br />

• 固 定 標 的 実 験 に 比 べた 困 難<br />

– 衝 突 頻 度 ( 輝 度 ) を 高 めるための 加 速 器 技 術 的 困 難<br />

– 原 則 として 安 定 粒 子 のみ 利 用 可 能<br />

– 実 験 の 自 由 度 に 制 約<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 12


米 国 ブルックヘブン 国 立 研 究 所<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 13


相 対 論 的 重 イオン 衝 突 型 加 速 器 RHIC<br />

• 超 伝 導 シンクロトロン; 周 長 3.8 km; 両 方 向 独 立<br />

• 重 原 子 核 100 A GeV, ( 偏 極 ) 陽 子 250 GeV<br />

– Au+Au/Cu+Cu/U+U/Cu+Au/d+Au/p+p/(p+Au/)…<br />

• 4 つ ( 内 2 つは 終 了 ) の 相 補 的 実 験<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 14


Pioneering High Energy Nucl. Int. eXp.<br />

• 多 様 な 測 定 により 多 数 の 物 理 過 程 を 測 定<br />

– ハドロン, レプトン, 光 子 の 同 時 測 定<br />

– 希 事 象 の 測 定 に 重 点<br />

• 高 頻 度 データ 測 定 ・ 収 集 能 力<br />

• 多 段 階 の 事 象 選 択 トリガ<br />

• 高 精 度 測 定<br />

– 高 精 度 の 粒 子 識 別<br />

– 高 分 解 能 4 元 運 動 量 測 定<br />

– 広 範 囲 の 運 動 学 領 域 を 網 羅<br />

• 2000 年 夏 実 験 開 始 ; データ 収 集 運 転 13 回 ( 年 )<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 15


PHENIX が 観 測 する 衝 突 事 象 の 様 子<br />

Au+Au at √s NN = 200 GeV<br />

d+Au at √s NN = 200 GeV<br />

• √s NN<br />

= 200 GeV の Au+Au 中 心 衝 突 事 象 における<br />

荷 電 粒 子 生 成 数 ~ 5,000<br />

– 衝 突 初 期 の 情 報 を 伝 える 粒 子 はごく 一 部<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 16


PHENIX 検 出 器 系<br />

• 衝 突 反 応 検 出 系<br />

– ビーム/ビーム 検 出 器 , 前 方 カロリメータ, 他<br />

• 荷 電 粒 子 飛 跡 検 出 系<br />

– ドリフト・チェンバ, パッド・チェンバ, 他<br />

– µ 飛 跡 チェンバ<br />

• 電 磁 エネルギー 計 測 / 電 磁 粒 子 識 別 系<br />

– 電 磁 カロリメータ<br />

• 粒 子 識 別 系<br />

– 飛 行 時 間 検 出 器 , リング・イメージング 型 チェレンコフ<br />

– µ 同 定 チェンバ<br />

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Universidade de São Paulo, Instituto de Física, Caixa Postal 66318, São Paulo CEP05315-970, Brazil<br />

Institute <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, Academia Sinica, Taipei 11529, Taiwan<br />

China Institute <strong>of</strong> Atomic Energy (CIAE), Beijing, People's Republic <strong>of</strong> China<br />

Peking <strong>University</strong>, Beijing, People's Republic <strong>of</strong> China<br />

Charles <strong>University</strong>, Ovocnytrh 5, Praha 1, 116 36, Prague, Czech Republic<br />

Czech Technical <strong>University</strong>, Zikova 4, 166 36 Prague 6, Czech Republic<br />

Institute <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, Academy <strong>of</strong> Sciences <strong>of</strong> the Czech Republic, Na Slovance 2,<br />

182 21 Prague 8, Czech Republic<br />

Helsinki Institute <strong>of</strong> <strong>Physics</strong> and <strong>University</strong> <strong>of</strong> Jyväskylä, P.O.Box 35, FI-40014 Jyväskylä, Finland<br />

Dapnia, CEA Saclay, F-91191, Gif-sur-Yvette, France<br />

Laboratoire Leprince-Ringuet, Ecole Polytechnique, CNRS-IN2P3, Route de Saclay,<br />

F-91128, Palaiseau, France<br />

Laboratoire de Physique Corpusculaire (LPC), Université Blaise Pascal, CNRS-IN2P3,<br />

Clermont-Fd, 63177 Aubiere Cedex, France<br />

IPN-Orsay, Universite Paris Sud, CNRS-IN2P3, BP1, F-91406, Orsay, France<br />

SUBATECH (Ecole des Mines de Nantes, CNRS-IN2P3, Université de Nantes)<br />

BP 20722 - 44307, Nantes, France<br />

Institut für Kernphysik, <strong>University</strong> <strong>of</strong> Münster, D-48149 Münster, Germany<br />

Debrecen <strong>University</strong>, H-4010 Debrecen, Egyetem tér 1, Hungary<br />

ELTE, Eötvös Loránd <strong>University</strong>, H - 1117 Budapest, Pázmány P. s. 1/A, Hungary<br />

KFKI Research Institute for Particle and <strong>Nuclear</strong> <strong>Physics</strong> <strong>of</strong> the Hungarian Academy <strong>of</strong> Sciences (MTA KFKI RMKI),<br />

H-1525 Budapest 114, POBox 49, Budapest, Hungary<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, Banaras Hindu <strong>University</strong>, Varanasi 221005, India<br />

Bhabha Atomic Research Centre, Bombay 400 085, India<br />

Weizmann Institute, Rehovot 76100, Israel<br />

Jan 2010<br />

Center for <strong>Nuclear</strong> Study, Graduate School <strong>of</strong> Science, <strong>University</strong> <strong>of</strong> <strong>Tokyo</strong>, 7-3-1 Hongo, Bunkyo,<br />

<strong>Tokyo</strong> 113-0033, Japan<br />

Hiroshima <strong>University</strong>, Kagamiyama, Higashi-Hiroshima 739-8526, Japan<br />

Abilene Christian <strong>University</strong>, Abilene, TX 79699, U.S.<br />

KEK, High Energy Accelerator Research Organization, Tsukuba, Ibaraki 305-0801, Japan<br />

Baruch College, CUNY, New York City, NY 10010-5518, U.S.<br />

Kyoto <strong>University</strong>, Kyoto 606-8502, Japan<br />

Collider-Accelerator Department, Brookhaven National Laboratory, Upton, NY 11973-5000, U.S.<br />

Nagasaki Institute <strong>of</strong> Applied Science, Nagasaki-shi, Nagasaki 851-0193, Japan<br />

<strong>Physics</strong> Department, Brookhaven National Laboratory, Upton, NY 11973-5000, U.S.<br />

RIKEN, The Institute <strong>of</strong> Physical and Chemical Research, Wako, Saitama 351-0198, Japan<br />

<strong>University</strong> <strong>of</strong> California - Riverside, Riverside, CA 92521, U.S.<br />

<strong>Physics</strong> Department, Rikkyo <strong>University</strong>, 3-34-1 Nishi-Ikebukuro, Toshima, <strong>Tokyo</strong> 171-8501, Japan<br />

<strong>University</strong> <strong>of</strong> Colorado, Boulder, CO 80309, U.S.<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, <strong>Tokyo</strong> Institute <strong>of</strong> Technology, Oh-okayama, Meguro, <strong>Tokyo</strong> 152-8551, Japan<br />

Columbia <strong>University</strong>, New York, NY 10027 and Nevis Laboratories, Irvington, NY 10533, U.S.<br />

Institute <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, <strong>University</strong> <strong>of</strong> Tsukuba, Tsukuba, Ibaraki 305, Japan<br />

Florida Institute <strong>of</strong> Technology, Melbourne, FL 32901, U.S.<br />

Chonbuk National <strong>University</strong>, Jeonju, Korea<br />

Florida State <strong>University</strong>, Tallahassee, FL 32306, U.S.<br />

Ewha Womans <strong>University</strong>, Seoul 120-750, Korea<br />

Georgia State <strong>University</strong>, Atlanta, GA 30303, U.S.<br />

Hanyang <strong>University</strong>, Seoul 133-792, Korea<br />

<strong>University</strong> <strong>of</strong> Illinois at Urbana-Champaign, Urbana, IL 61801, U.S.<br />

KAERI, Cyclotron Application Laboratory, Seoul, South Korea<br />

Iowa State <strong>University</strong>, Ames, IA 50011, U.S.<br />

Korea <strong>University</strong>, Seoul, 136-701, Korea<br />

Lawrence Livermore National Laboratory, Livermore, CA 94550, U.S.<br />

Myongji <strong>University</strong>, Yongin, Kyonggido 449-728, Korea<br />

Los Alamos National Laboratory, Los Alamos, NM 87545, U.S.<br />

Department <strong>of</strong> Physocs and Astronomy, Seoul National <strong>University</strong>, Seoul, South Korea<br />

<strong>University</strong> <strong>of</strong> Maryland, College Park, MD 20742, U.S.<br />

Yonsei <strong>University</strong>, IPAP, Seoul 120-749, Korea<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, <strong>University</strong> <strong>of</strong> Massachusetts, Amherst, MA 01003-9337, U.S.<br />

IHEP Protvino, State Research Center <strong>of</strong> Russian Federation, Institute for High Energy <strong>Physics</strong>,<br />

Morgan State <strong>University</strong>, Baltimore, MD 21251, U.S.<br />

Protvino, 142281, Russia<br />

Muhlenberg College, Allentown, PA 18104-5586, U.S.<br />

Joint Institute for <strong>Nuclear</strong> Research, 141980 Dubna, Moscow Region, Russia<br />

<strong>University</strong> <strong>of</strong> New Mexico, Albuquerque, NM 87131, U.S.<br />

Russian Research Center "Kurchatov Institute", Moscow, Russia<br />

New Mexico State <strong>University</strong>, Las Cruces, NM 88003, U.S.<br />

PNPI, Petersburg <strong>Nuclear</strong> <strong>Physics</strong> Institute, Gatchina, Leningrad region, 188300, Russia<br />

Oak Ridge National Laboratory, Oak Ridge, TN 37831, U.S.<br />

Saint Petersburg State Polytechnic <strong>University</strong>, St. Petersburg, Russia<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong> and Astronomy, Ohio <strong>University</strong>, Athens, OH 45701, U.S.<br />

Skobeltsyn Institute <strong>of</strong> <strong>Nuclear</strong> <strong>Physics</strong>, Lomonosov Moscow State <strong>University</strong>, Vorob'evy Gory,<br />

RIKEN BNL Research Center, Brookhaven National Laboratory, Upton, NY 11973-5000, U.S.<br />

Moscow 119992, Russia<br />

Chemistry Department, Stony Brook <strong>University</strong>,SUNY, Stony Brook, NY 11794-3400, U.S.<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong>, Lund <strong>University</strong>, Box 118, SE-221 00 Lund, Sweden<br />

Department <strong>of</strong> <strong>Physics</strong> and Astronomy, Stony Brook <strong>University</strong>, SUNY, Stony Brook, NY 11794, U.S.<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 <strong>University</strong> 核 衝 突 <strong>of</strong> Tennessee, を 用 いた Knoxville, 極 限 状 TN 態 37996, の 実 験 U.S. 的 探 究 / 志 垣 賢 太 18<br />

Vanderbilt <strong>University</strong>, Nashville, TN 37235, U.S.<br />

14 Countries; 71 Institutions


新 たな 物 質 相 の 発 見<br />

• パートン 由 来 : クォーク 自 由 度 顕 在 化 , 色 価 遮 蔽<br />

– 構 成 クォーク 数 スケーリング 則<br />

– J/Ψ 収 量 抑 制<br />

• 稠 密 : クォークのエネルギー 損 失<br />

– ジェット ( 高 横 運 動 量 ハドロン) 収 量 抑 制<br />

– ジェット 形 状 変 化<br />

• 強 結 合 : 完 全 流 体<br />

– 流 体 力 学 で 記 述 される 集 団 運 動<br />

• 高 エネルギー 密 度 : 高 温 熱 輻 射<br />

– 熱 輻 射 ( 仮 想 ) 光 子<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 19


反 応 平 面 と 集 団 的 運 動<br />

• 反 応 平 面 : 衝 突 軸 と 衝 突 径 数 ベクトルで 定 義<br />

– 方 位 角 非 等 方 性 をフーリエ 展 開<br />

dN<br />

( p , ϕ;<br />

b)<br />

•<br />

t<br />

ptdptdyd<br />

dN<br />

=<br />

0 t 1 t<br />

2 t<br />

b ϕ<br />

ϕ 2π<br />

p dp dy<br />

• (0 次 : 動 径 流 (radial flow))<br />

• 1 次 : 偏 向 流 (directed flow)<br />

• 2 次 : 楕 円 流 (elliptic flow)<br />

• ⋮ ⋮<br />

t<br />

t<br />

( v ( p ; b) + v ( p ; b) cosϕ<br />

+ v ( p ; ) cos( 2 ) +)<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 20


楕 円 的 方 位 角 異 方 性 (v 2 )<br />

• 低 エネルギー 衝 突 では 反 応 平 面 垂 直 方 向 が 優 勢<br />

– “スクイーズ・アウト”<br />

– 原 子 核 による 吸 収 効 果<br />

• 高 エネルギー 衝 突 では 反 応 平 面 内 が 優 勢<br />

– 特 に 高 横 運 動 量 領 域 で 顕 著<br />

– 座 標 空 間 の 圧 力 勾 配 が 運 動 量 空 間 に 転 化<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 21


クォーク 自 由 度 の 顕 在 化<br />

• 構 成 クォーク 数 スケーリング<br />

– バリオン (qqq) = 3, 中 間 子 (qq) = 2<br />

PHENIX (A. Adare et al.),<br />

PRL 98, 162301 (2007)<br />

Au+Au 200 GeV<br />

• “クォーク 1 個 あたり” の 非 等 方 性 / 集 団 運 動<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 22


クォーク 再 結 合 模 型<br />

• 高 横 運 動 量 ハドロン 生 成 機 構<br />

– 真 空 中 の 色 場 破 砕 ( 既 知 )<br />

– パートン 媒 質 中 のクォーク 再 結 合 ( 新 規 !)<br />

• 集 団 的 運 動 ( 楕 円 流 ) の 横 運 動 量 依 存 性 を 説 明<br />

• 原 子 核 効 果 係 数 R AA ( 後 述 ) の 横 運 動 量 依 存 性 も 説 明<br />

• クォーク 自 由 度 が 顕 在 化 した 物 質 相<br />

2013/8/08 原 子 核 三 者 若 手 夏 の 学 校 / 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 を 用 いた 極 限 状 態 の 実 験 的 探 究 / 志 垣 賢 太 23


ハドロンジェットの 抑 制<br />

• ジェット = 高 い 横 運 動 量 を 持 つハドロン 群<br />

– 初 期 衝 突 で 強 く 弾 かれたパートンが 起 源<br />

– パートン 非 閉 込 相 中 では:<br />

• パートンの 大 きなエネルギー 損 失<br />

→ 高 横 運 動 量 ハドロン/ジェットの 抑 制 ・ 消 失<br />

ハドロン 群 (ジェット)<br />

高 い 横 方 向 運 動 量 を 持 つハドロン<br />

→ 高 横 運 動 量 ハドロン/ジェットの 角 相 関 の 変 化<br />

クォーク<br />

( 反 )クォーク<br />

高 い 横 方 向 運 動 量 を 持 つハドロン<br />

ハドロン 群 (ジェット)<br />

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中 心 ( 正 面 ) 衝 突 と 周 辺 (かすり) 衝 突<br />

• 衝 突 中 心 度 の 指 標<br />

– 衝 突 径 数<br />

– 反 応 関 与 核 子 数<br />

• 関 与 / 傍 観 模 型<br />

• p+p 衝 突 では 2; Au+Au 衝 突 では 最 大 2×197<br />

– 核 子 間 二 体 衝 突 数<br />

• p+p 衝 突 では 1; Au+Au 衝 突 では 最 大 ~ 1,100<br />

• 衝 突 中 心 度 の 観 測 可 能 な 指 標<br />

– 生 成 粒 子 数 /エネルギー<br />

– 前 方 ( 反 応 不 関 与 ) 粒 子 数 /エネルギー<br />

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RHIC 1 年 め (2000) の 主 要 成 果<br />

binary collision scaling<br />

based on extrapolated<br />

UA1 p+p -- data<br />

Au+Au at √s NN = 130 GeV<br />

PHENIX PRL 88, 022301 (2002)<br />

• Au+Au 中 心 衝 突 事 象 で 高 横 運 動 量 ハドロン 抑 制<br />

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原 子 核 効 果 係 数 R AB<br />

R<br />

AB<br />

=<br />

N<br />

coll<br />

dN<br />

inel<br />

/ σ<br />

NN<br />

AB<br />

/ dpTdy<br />

⋅ dσ<br />

/ dp<br />

pp<br />

T<br />

dy<br />

• 原 子 核 効 果 がなければ:<br />

– 低 横 運 動 量 (= ソフトな) 領 域 では R AB < 1<br />

– 高 横 運 動 量 (= ハードな) 領 域 では R AB = 1<br />

• “ 抑 制 ” ( 増 加 ):<br />

– 高 横 運 動 量 領 域 で R AB < 1 (> 1)<br />

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二 核 子 衝 突 スケーリングからのずれ<br />

• 周 辺 衝 突 ( 関 与 核 子 少 ) ~ 核 子 間 衝 突 の 重 合 せ<br />

• 中 心 衝 突 ( 関 与 核 子 多 ) → QGP 相 生 成 の 期 待<br />

PHENIX<br />

PHENIX<br />

p+p 衝 突 重 合<br />

Au+Au 周 辺 衝 突<br />

p+p 衝 突 重 合<br />

Au+Au 中 心 衝 突<br />

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Au+Au 衝 突 と d+Au 衝 突 の 対 照 的 振 舞<br />

Au+Au at √s NN = 200 GeV<br />

PHENIX<br />

d+Au→h ± +X at √s NN = 200 GeV<br />

PHENIX<br />

• Au+Au 衝 突 ( 左 )で 中 心 度 に 従 い 「ジェット」 抑 制<br />

– パートン 非 閉 込 相 生 成 の 最 初 の 証 左 (!) の 一 つ<br />

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PRL の 表 紙 を ( 再 び) 飾 る d+Au 測 定<br />

PHENIX<br />

BRAHMS<br />

PHOBOS<br />

STAR<br />

PRL 91 (August, 2003)<br />

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「ジェット」 対 の 抑 制<br />

• ジェットは 衝 突 軸 から 見 て 反 対 方 向 に 対 で 生 成<br />

ジェット 観 測 方 向<br />

対 のジェットが 期 待 される 方 向<br />

• Au+Au 中 心 衝 突 (↑ 青 )でジェット 対 の 一 方 が 消 滅<br />

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ジェット 抑 制 の 観 測 意 義<br />

• 強 い 終 状 態 相 互 作 用 を 伴 う 高 温 高 密 度 物 質 の 生 成<br />

– 終 状 態 における ( 軽 い) クォークのエネルギー 損 失<br />

• 支 配 的 機 構 : グルーオン 制 動 放 射<br />

• クォーク 物 質 の 性 質 探 求 に 向 けて:<br />

– グルーオン 密 度 と 温 度 の 定 量 的 理 解<br />

• “ジェット・トモグラフィ”<br />

– エネルギーの 再 分 配<br />

• e.g. ジェット – 光 子 相 関<br />

– 重 いクォークのエネルギー 損 失<br />

• e.g. 重 いクォークを 含 む 中 間 子 の 運 動 量 分 布<br />

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更 なる 高 エネルギー 領 域 へ: LHC<br />

• ALICE 実 験 (+ ATLAS, CMS 実 験 )<br />

– 量 子 色 力 学 相 転 移 とクォーク 非 閉 込 相 の 探 求<br />

• 極 初 期 宇 宙 状 態 の 性 質<br />

• 素 粒 子 と 相 互 作 用 の 基 本 性 質<br />

• ハドロン 質 量 の 起 源<br />

• ATLAS 実 験 , CMS 実 験<br />

– ヒッグス 粒 子 (+ …) 探 索<br />

• 素 粒 子 質 量 の 起 源<br />

• LHCb 実 験<br />

– CP 対 称 性 の 破 れの 精 密 検 証<br />

• 物 質 と 反 物 質 の 差 異 の 起 源<br />

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A Large Ion Collider <strong>Experiment</strong> at LHC<br />

• LHC 唯 一 の 原 子 核 衝 突 に 特 化 した 実 験<br />

• 36 か 国 , 129 機 関 , > 1,000 人<br />

• (2013 年 3 月 現 在 )<br />

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ALICE (L3) 電 磁 石 + 検 出 器 架 台<br />

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タイム・プロジェクション・チェンバ TPC<br />

• 主 飛 跡 検 出 器<br />

– |η| < 0.9, 全 方 位 角<br />

• 史 上 最 大<br />

– 88 m 3 , 長 さ 10 m, 直 径 5.6 m, 570 k 読 出 チャンネル<br />

– 3 % X 0 , Ne (86)/CO 2 (9.5)/ N 2 (4.5), O 2 ~ 1 ppm<br />

– 最 大 80 MB/ 事 象 (データ 圧 縮 後 )<br />

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衝 突 点 近 傍 飛 跡 検 出 器 ITS<br />

• 飛 跡 検 出 (|η|< 1) + 粒 子 多 重 度 (|η|< 2)<br />

• Si ピクセル/ドリフト/ストリップ; 各 2 層<br />

– rφ 分 解 能 : 12, 38, 20 µm<br />

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遷 移 輻 射 検 出 器 TRD<br />

• 飛 跡 検 出 と 粒 子 識 別<br />

– |η| < 0.9, 全 方 位 角<br />

– 分 解 能 400 – 600 µm (rφ), 23 mm (z)<br />

– e/π 分 離 識 別 > 100 (p T > 3 GeV/c)<br />

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飛 行 時 間 測 定 器 TOF<br />

• ハドロン 識 別<br />

– |η| < 0.9, 全 方 位 角 ; 飛 行 距 離 3.7 m<br />

• MRPC<br />

– 時 間 分 解 能 ~ 50 ps, 160 k 読 出 チャンネル<br />

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高 横 運 動 量 粒 子 識 別 HMPID<br />

• CsI 光 カソードを 用 いたリング 集 光 チェレンコフ<br />

– γ th = 1.57, |η| < 0.6, ∆φ = 58°;<br />

11 m 2 , 16.1 k 読 出 チャンネル<br />

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光 子 スペクトロメータ PHOS<br />

• 高 位 置 /エネルギー 分 解 能 電 磁 カロリメータ<br />

• 広 島 大 学 : 開 発 ・ 建 設 ・ 運 用 ・ 解 析 に 参 画<br />

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前 方 ミューオン ( 対 ) スペクトロメータ<br />

• 前 方 領 域 のクォーコニア, 重 フレーバ<br />

– 2.4 < η < 4.0<br />

– 質 量 分 解 能 : < 70 MeV (J/Ψ), < 100 MeV (ϒ)<br />

– 運 動 量 カットオフ: 4 GeV/c<br />

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ALICE 実 験 2009 年 11 月 23 日<br />

~ 16:35<br />

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ALICE 実 験 最 初 の 衝 突 事 象<br />

~ 16:41<br />

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衝 突 ! 衝 突 !! 衝 突 !!!<br />

~ 16:42<br />

初 衝 突 から<br />

数 時 間 以 内 で<br />

事 象 再 構 成<br />

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LHC – クォーク 非 閉 込 相 の 深 部 探 査<br />

• RHIC 以 上 の 高 エネルギー 密 度 , 大 容 積 , 長 寿 命<br />

– エネルギー 密 度 ~ 3 倍 , 容 積 ~ 2 倍 , 寿 命 ~ 20–30% 増<br />

• ~ 16 GeV/fm 3 ( 熱 化 時 間 ~ 1 fm/c を 仮 定 )<br />

• ~ 300 fm 3 , ~ 10 fm/c<br />

ALICE (K. Aamodt et al.),<br />

PRL 105, 072002 (2010)<br />

ALICE (K. Aamodt et al.),<br />

PLB 696, 328 (2011)<br />

• 正 味 のクォーク 密 度 ~ 0<br />

– 反 陽 子 / 陽 子 比 ( 中 間 ラピディティ 領 域 )<br />

• 陽 子 + 陽 子 900 GeV: 0.957 ± 0.006 (stat) ± 0.014 (sys)<br />

• 陽 子 + 陽 子 7 TeV: 0.990 ± 0.006 (stat) ± 0.014 (sys)<br />

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より 高 エネルギーで 有 用 性 を 増 す 探 針<br />

• 高 横 運 動 量 現 象 , e.g. ジェット<br />

• 重 フレーバ (c, b)<br />

• ALICE/ATLAS/CMS において 有 用 性 顕 示<br />

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LHC 原 子 核 衝 突 からの 知 見<br />

• ジェットなど 高 横 運 動 量 プローブの 重 要 性 再 認 識<br />

パートン 初 期 エネルギー 測 定<br />

エネルギー 非 対 称 性<br />

相 対 方 位 角<br />

エネルギー 再 分 配<br />

エネルギー 損 失 による 衝 突 位 置 依 存 バイアス<br />

– 硬 散 乱 クォークのエネルギー 損 失 → 再 分 配<br />

– 光 子 –ジェット 相 関 : パートン 初 期 エネルギー 基 準 測 定<br />

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LHC 加 速 器 におけるジェット 測 定<br />

• 非 対 称 横 運 動 量 ジェット 対 , 単 ジェット(!)<br />

• 広 範 囲 にエネルギー 再 分 配<br />

ATLAS<br />

ΔR>0.8<br />

CMS<br />

– ∆R > 0.8 ~ π/4<br />

– 低 横 運 動 量 領 域 の 粒 子 数 増 加<br />

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ジェットエネルギー 損 失 と 再 分 配<br />

PHENIX<br />

yield in Au+Au<br />

I AA =<br />

yield in p+p<br />

ξ = ln(1/z T )<br />

z T = p<br />

hadron<br />

T /p<br />

photon<br />

T<br />

high z T low z T<br />

• 狭 いジェット 半 径 → 高 横 運 動 量 粒 子 の 抑 制<br />

– 対 応 する 低 横 運 動 量 粒 子 の 増 加 なし<br />

|Δφ-π| < π/6 |Δφ-π| < π/3 |Δφ-π| < π/2<br />

• 広 いジェット 半 径 → 低 横 運 動 量 粒 子 の 増 加<br />

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生 存 ジェットの 形 状 は 不 変 (?)<br />

• エネルギー 損 失 後 のジェット 形 状 は 真 空 中 と 一 致<br />

– 異 なるジェット 半 径 内 のエネルギー 比 σ(R=0.2)/σ(R=0.3)<br />

– 周 辺 衝 突 , 中 心 衝 突 とも<br />

• ジェット 自 身 の 広 範 囲 化 は 認 められず<br />

• エネルギー 損 失 を 考 慮 した 理 論 模 型 とよい 一 致<br />

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クォーク・フレーバによる 微 分 的 測 定<br />

• RHIC と LHC で 重 フレーバの R AA 測 定 結 果 一 致<br />

– PHENIX 実 験 , ALICE 実 験<br />

– c/b クォークを 含 む 中 間 子 の 崩 壊 から 生 成 する 単 電 子<br />

• 課 題 : c/b 分 離 ; 衝 突 点 近 傍 検 出 器 が 鍵<br />

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質 量 による 階 層 性 の 予 兆 (?)<br />

• ほぼ 等 しい 平 均 横 運 動 量 を 持 つ c/b 中 間 子 の 比 較<br />

– c を 含 む 中 間 子 (D 0 , D + , D ∗+ の 平 均 ), ALICE<br />

– b を 含 む 中 間 子 (B) の 崩 壊 から 二 次 生 成 する J/Ψ, CMS<br />

• より 重 い b クォークのエネルギー 損 失 効 果 低 減 ?<br />

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実 験 クォーク 物 理 学 の 現 状 まとめ<br />

• 高 温 非 閉 込 パートン 物 質 の 存 在 確 立<br />

– 2000 年 RHIC 加 速 器 稼 働<br />

– 積 年 の 量 子 色 力 学 相 転 移 探 索 に 終 止 符<br />

• パートン 物 質 の 性 質 探 究 へ<br />

– 2009 年 LHC 加 速 器 稼 働<br />

– 既 に 様 々な 興 味 深 い 性 質 が 明 らかに<br />

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光 子 = 温 度 計<br />

• 熱 平 衡 ならば 熱 ( 黒 体 ) 輻 射<br />

• 輻 射 光 子 スペクトル ↔ 温 度<br />

• 実 光 子 と 同 様 に 仮 想 光 子 も<br />

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高 エネルギー 原 子 核 衝 突 からの 光 子<br />

Hadronization<br />

(Freeze-out) +<br />

Expansion<br />

Mixed phase<br />

QGP phase?<br />

Thermalization<br />

Pre-equilibrium<br />

熱 光 子<br />

パートン 相 熱 輻 射<br />

ハドロン 相 熱 輻 射<br />

ジェット– 媒 質 相 互 作 用<br />

ジェット– 光 子 転 換<br />

ジェット 制 動 放 射<br />

初 期 光 子<br />

コンプトン 散 乱 , 対 消 滅<br />

色 場 破 砕<br />

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熱 輻 射 光 子 の 探 索<br />

π<br />

ρ<br />

π<br />

γ<br />

ハドロン<br />

崩 壊 光 子<br />

g<br />

q<br />

q<br />

γ<br />

• 高 横 運 動 量 : 摂 動<br />

的 量 子 色 力 学 過 程<br />

からの 光 子<br />

• 低 横 運 動 量 :ハドロ<br />

ン 気 体 からの 光 子<br />

• 中 間 横 運 動 量 : QGP<br />

からの 熱 輻 射 光 子 が<br />

支 配 的 !<br />

S.Turbide et al., PRC 69 014903<br />

• 他 の 起 源 からの 光 子<br />

• 全 領 域 に 亘 りハドロ<br />

ン 崩 壊 光 子<br />

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自 明 な 手 法 : 直 接 生 成 実 光 子<br />

• ハドロン 崩 壊 光 子 を 超 える “ 余 剰 成 分 ” を 測 定<br />

– Au+Au 衝 突 で pQCD× 二 対 衝 突 数 スケーリングと 一 致<br />

• 熱 輻 射 光 子 領 域 では 信 号 対 背 景 雑 音 比 が 低 く 困 難<br />

PRL 94, 232301 (2005)<br />

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新 規 提 案 : “ほとんど 実 ” な 仮 想 光 子<br />

• 低 不 変 質 量 の 電 子 ・ 陽 電 子 対<br />

• p+p: ハドロン 崩 壊 成 分 + 高 横 運 動 量 pQCD 成 分<br />

• Au+Au: ~ 135 MeV 以 上 の 不 変 質 量 領 域 に 余 剰 成 分<br />

– π 0 質 量 以 上 では π 0 崩 壊 からの 仮 想 光 子 が 存 在 しない<br />

A. Adare et al., PRL accepted<br />

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直 接 生 成 光 子 スペクトル<br />

• 両 測 定 手 法 の 結 果 一 致<br />

• 金 原 子 核 相 互 衝 突 :<br />

– “ 熱 輻 射 ” 成 分 を 検 出<br />

– 勾 配 ~ 221 ± 19 ± 19 MeV<br />

• cf. 陽 子 相 互 衝 突 :<br />

– 量 子 色 力 学 計 算 と 一 致<br />

PHENIX (A. Adare et al.), PRL 104, 132301 (2010)<br />

NLO pQCD (W. Vogelsang)<br />

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最 高 到 達 温 度 の 見 積<br />

• 初 期 温 度 > 時 間 平 均 温 度 ~ 勾 配 ~ 221 MeV<br />

• 300–600 MeV ( 模 型 依 存 だが 2 倍 以 内 で 一 致 )<br />

– 流 体 力 学 模 型 による 記 述<br />

• 熱 化 時 間 0.15–0.6 fm/c<br />

• LHC–ALICE では 輻 射 勾 配 ~ 304 ± 51 MeV<br />

• cf. 相 境 界 温 度 ~ 170 MeV<br />

ALICE (M. Wilde et al.),<br />

arXiv:1210.5958v2 [hep-ex] (2012)<br />

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量 子 色 力 学 相 図 の 探 査<br />

RHIC → LHC<br />

“ 自 由 気 体 ”?<br />

“ 完 全 流 体 ”<br />

RHIC → LHC<br />

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強 結 合 パートン 物 質<br />

• 生 成 粒 子 の 集 団 運 動 ; 楕 円 的 方 位 角 異 方 性<br />

• 大 きな 異 方 性 → 強 結 合 , 強 相 関 系 描 像<br />

– パートン 間 相 互 作 用 断 面 積 : 大<br />

– 平 均 自 由 行 程 λ


既 知 物 質 中 で 粘 性 最 低 : “ 完 全 流 体 ”<br />

• QGP: 人 類 が 観 測 した 史 上 最 も 完 全 な 流 体<br />

– パートン 輸 送 模 型 → 非 常 に 大 きな 散 乱 断 面 積<br />

– 粘 性 を 考 慮 した 流 体 模 型 → 非 常 に 小 さな 粘 性<br />

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宇 宙 最 高 強 度 磁 場 の 生 成<br />

• 高 エネルギー 原 子 核 相 互 の 非 中 心 衝 突<br />

– 荷 電 粒 子 の 運 動 による 自 然 な 帰 結<br />

– LHC エネルギー 領 域 で 10 14 – 10 15 T<br />

高 強 度 磁 場<br />

• >> 宇 宙 最 高 強 度 とされる 強 磁 場 中 性 子 星 表 面 ~ 10 11 T<br />

• >> 電 子 の 臨 界 磁 場 m e2 /e ~ 4×10 9 T<br />

• 様 々な 物 理 現 象 の 議 論<br />

– カイラル 磁 気 効 果 (ref. K.Fukushima, D.Khazeev, …)<br />

– シンクロトロン 放 射 (ref. K.Tuchin, K.Itakura, Y.Hidaka, …)<br />

– 量 子 電 磁 力 学 の 非 線 形 挙 動 (ref. K.Itakura, …)<br />

– 量 子 色 力 学 臨 界 温 度 の 低 下<br />

• 高 強 度 磁 場 自 身 は 未 検 出<br />

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臨 界 磁 場<br />

• 電 子 の 臨 界 電 場 / 磁 場<br />

– コンプトン 半 径 スケールのエネルギー ≈ 自 身 の 静 止 質 量<br />

– eE c h/m e c = m e c 2 ; E c = m e2 c 3 /eh ~ 10 17 V/m<br />

– eB c h/m e c = m e c ; B c = m e2 c 2 /eh ~ 10 9 T<br />

• 電 場 の 場 合 : シュヴィンガー 機 構<br />

– e + e − 対 生 成<br />

– E > E c の 状 況 考 慮 は (おそらく) 無 意 味<br />

• 磁 場 の 場 合 : 非 線 形 QED 効 果<br />

– e.g. γ → γ γ, γ → e + e − , 複 屈 折 , …<br />

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衝 突 非 関 与 陽 子 の 寄 与<br />

• カスケード 模 型 計 算<br />

– 衝 突 非 関 与 部 の 陽 子 の 寄 与 が 支 配 的<br />

• 10 14 – 10 15 T at LHC<br />

• ローレンツ 収 縮 のため 短 寿 命 < 1 fm/c<br />

• 臨 界 磁 場 m e2 /e は 数 fm/c 以 上 持 続<br />

JAM; Au+Au 200 GeV<br />

(A.Tsuji)<br />

URQMD; Au+Au 200 GeV<br />

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衝 突 関 与 核 子 の 寄 与 ?<br />

• 完 全 流 体 中 では 長 寿 命 磁 場 維 持 ?<br />

– グラウバー 模 型 を 用 いた “ 静 磁 場 ” 近 似<br />

• 有 限 の 原 子 核 阻 止 能 を 考 慮<br />

• 10 13 – 10 14 T at LHC<br />

10 14 T<br />

(A.Tsuji)<br />

Pb+Pb 5.5 TeV<br />

Pb+Pb 2.76 TeV<br />

Au+Au 200 GeV<br />

baryon stopping power<br />

from net baryon distribution<br />

10 13 T<br />

• 局 所 速 度 場 を 取 入 れた 流 体 模 型 の 必 要<br />

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高 強 度 磁 場 の “ 直 接 ” 検 出 手 段<br />

• 必 要 条 件 1: 衝 突 初 期 段 階 起 源 のプローブ<br />

– 生 成 磁 場 の 寿 命 ~ 0.1 fm/c<br />

• 必 要 条 件 2: 電 磁 的 プローブ<br />

• 理 想 的 候 補 : pQCD 過 程 からの 直 接 生 成 γ/γ ∗<br />

• 遅 い 段 階 からの γ/γ ∗ は 対 照 過 程 として 好 適<br />

– e.g. π 0 崩 壊 光 子 /ダリツ 崩 壊 電 子 対<br />

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仮 想 光 子 ( 低 質 量 電 子 対 ) 偏 光 測 定<br />

• 高 強 度 磁 場 による 偏 光 の 可 能 性 を 提 唱<br />

– 実 光 子 偏 光 は 測 定 困 難<br />

• ハドロン 崩 壊 光 子 による 低 い 信 号 / 背 景 雑 音 比<br />

• 高 エネルギー 原 子 核 実 験 における 偏 光 検 出 器 設 置 例 なし<br />

– 熱 光 子 探 索 で 有 用 性 を 示 した 仮 想 光 子 に 着 目<br />

• 理 論 計 算 による 検 出 実 現 性 の 見 積<br />

– 偏 光 度 o(10 −1 ) → 検 出 可 能 性<br />

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仮 想 光 子 偏 光 測 定 に 用 いる 検 出 器 群<br />

Inner Tracking System<br />

飛 跡 検 出 / 衝 突 点 測 定<br />

( 粒 子 識 別 )<br />

Time Projection Chamber<br />

飛 跡 検 出 / 粒 子 識 別<br />

VZERO A&C<br />

衝 突 中 心 度 / 反 応 平 面<br />

Time Of Flight<br />

粒 子 識 別<br />

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高 強 度 磁 場 検 出 に 向 けた 現 状<br />

• 偏 光 が 期 待 される/されない 質 量 領 域<br />

– e.g. 低 質 量 領 域 ではダリツ 崩 壊 起 源 仮 想 光 子 が 支 配 的<br />

Pb-Pb √S NN = 2.76 TeV<br />

ALICE work in progress 22/03/2013<br />

EP resolution not corrected<br />

0 < M ee < 30 MeV/c 2<br />

120 < M ee < 300 MeV/c 2 300 < M ee < 500 MeV/c 2<br />

• 課 題 : ハドロン 起 源 仮 想 光 子 など 背 景 成 分 の 差 引<br />

• RHIC–PHENIX 実 験 , LHC–ALICE 実 験 で 推 進 中<br />

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カイラル 対 称 性 と 質 量 発 現<br />

• カイラル 対 称 性 が 成 立 する 世 界 では 粒 子 は 質 量 0<br />

• 質 量 発 現 の 必 要 条 件 : カイラル 対 称 性 の 破 れ<br />

– 注 意 ! 十 分 性 は 全 くの 別 問 題 ; 誰 が 質 量 を 持 つのか?<br />

• カイラル 対 称 性 の 破 れの 程 度 指 標 : クォーク 対 凝 縮<br />

– クォーク 物 質 の 温 度 , 密 度 に 依 存<br />

– 超 伝 導 体 中 の 電 子 対 (クーパー 対 ) に 対 応<br />

• 南 部 陽 一 郎 1961 年<br />

• 質 量 発 現 といえばヒッグス 機 構 が 有 名 だが:<br />

– ヒッグス 機 構 も 対 称 性 の 自 発 的 破 れの 一 つ<br />

• 南 部 理 論 の 応 用<br />

– ヒッグス 機 構 による 素 粒 子 質 量 は 物 質 質 量 の 2% 以 下<br />

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カイラル 相 転 移 の 特 筆 すべき 意 義<br />

• 物 質 質 量 発 現 の 本 質 (> 98%)<br />

• 極 初 期 宇 宙 (~ 10 −5 秒 ) が 経 験 した 相 転 移<br />

• 宇 宙 の 歴 史 上 ( 唯 一 ) 実 証 ( 反 証 ) 可 能 な 相 転 移<br />

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カイラル 対 称 性 の 回 復 実 現<br />

• クォーク 閉 込 からの ( 再 ) 解 放<br />

– 高 温 または 高 クォーク 密 度<br />

• Tc ~ 170 MeV ~ 2 兆 度 ( 太 陽 表 面 の 3 億 倍 , 中 心 の 10 万 倍 )<br />

– 極 初 期 宇 宙 (~ 10 −5 秒 ), 中 性 子 星 , クォーク 星 , …<br />

– クォーク・グルーオン・プラズマ: 高 温 クォーク 物 質<br />

• クォーク 凝 縮 の 消 失 = カイラル 対 称 性 の 回 復<br />

– “ 超 伝 導 ” から “ 常 伝 導 ” へ<br />

• 閉 込 相 転 移 ↔ カイラル 相 転 移 (?)<br />

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カイラル 対 称 性 回 復 と 質 量 変 化 探 索<br />

• クォークの 有 効 質 量 低 下 = ハドロン 質 量 低 下<br />

• 特 に 軽 いベクトル 中 間 子 で 顕 著 な 影 響 の 予 言<br />

– 短 寿 命 でレプトン 対 へ 崩 壊 するチャンネルが 最 適<br />

• ハドロンのままパートン 閉 込 相 へ → 質 量 獲 得<br />

• 非 閉 込 相 中 でレプトン・ 光 子 へ 崩 壊 → 質 量 情 報 維 持<br />

• e.g. φ (ss) → e + e − (0.03 %)<br />

• レプトン・ 反 レプトン 対 の 不 変 質 量 分 布 測 定<br />

• 実 験 的 探 索 の 歴 史<br />

– CERN SPS–CERES/NA45 実 験 による 予 兆 観 測 ?<br />

– KEK PS–E325 実 験 (p+Cu) による 予 兆 観 測 ?<br />

– BNL RHIC–PHENIX 実 験 , 新 型 電 子 検 出 器 (2009 年 )<br />

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質 量 変 化 探 索 実 験<br />

• 高 温 方 向 (クォーク・グルーオン・プラズマ)<br />

– PHENIX 実 験 ( 広 島 大 学 , 東 京 大 学 , 筑 波 大 学 , 他 )<br />

• Au+Au 衝 突 で φ/ω 中 間 子 の 電 子 対 崩 壊 検 出 成 功<br />

• 高 クォーク 密 度 方 向 ( 通 常 原 子 核 中 )<br />

– KEK E325 実 験 ( 京 都 大 学 , 他 )<br />

• p+Cu 衝 突 で 低 運 動 量 φ 中 間 子 の 質 量 変 化 検 出 (?)<br />

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カイラル 対 称 性 の 自 発 的 破 れ<br />

• カイラル 相 転 移<br />

– 物 質 質 量 (の 大 半 ) の 発 現 機 構 : クォーク 対 凝 縮<br />

– 宇 宙 の 歴 史 上 ( 唯 一 ) 実 証 (または 反 証 ) 可 能 な 相 転 移<br />

• 近 年 の 成 果 : クォークの 閉 込 からの ( 再 ) 解 放<br />

– カイラル 対 称 性 の ( 部 分 的 ) 回 復 条 件 は 整 った<br />

– クォークの 有 効 質 量 変 化 探 索 進 行 中<br />

• 南 部 陽 一 郎 氏 の 理 論 の 物 理 的 意 義 の 実 験 的 検 証<br />

– 南 部 氏 が 40 年 以 上 を 経 てついに 受 賞 した 理 由 かも 知 れない<br />

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まとめ (1)<br />

• 高 エネルギー 原 子 核 衝 突 = 実 験 クォーク 物 理 学<br />

– RHIC–PHENIX 実 験 , LHC–ALICE 実 験 などから 相 補 的 成 果<br />

• 多 様 な 物 理 意 義<br />

– 強 い 相 互 作 用 が 支 配 する 素 粒 子 多 体 系 の 挙 動 と 相 構 造<br />

– 宇 宙 開 闢 後 ~ 10 −5 秒 間 の 状 態 ; 宇 宙 創 成 シナリオ<br />

– クォーク 閉 込 に 伴 うハドロン 質 量 発 現 機 構<br />

• 積 年 の 課 題 に 終 止 符 :<br />

高 温 非 閉 込 パートン 物 質 の 存 在 確 立<br />

– 生 成 粒 子 集 団 運 動 の 構 成 クォーク 数 スケーリング<br />

– ジェット/ 高 横 運 動 量 粒 子 のエネルギー 損 失 による 抑 制<br />

– 量 子 色 力 学 の 臨 界 温 度 予 言 を 超 える 到 達 温 度<br />

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まとめ (2)<br />

• パートン 物 質 の 性 質 探 究 へ 重 点 移 行 中<br />

– 強 結 合 QGP = 低 粘 性 極 限 “ 完 全 流 体 ”<br />

– 非 閉 込 クォーク 挙 動 解 明 へ<br />

• e.g. エネルギー 損 失 / 再 分 配 機 構 , フレーバ 依 存 性<br />

– クォーコニア 温 度 計<br />

• 未 解 決 課 題 も<br />

– e.g. カイラル 対 称 性 回 復 とハドロン 質 量 起 源 解 明<br />

• 高 度 化 計 画 / 将 来 計 画<br />

– LHC/RHIC 加 速 器 高 輝 度 化<br />

– ALICE 実 験 高 速 化 (2019 年 頃 , 50 倍 速 )<br />

– PHENIX 実 験 先 鋭 化 (sPHENIX 計 画 , 2019 年 頃 )<br />

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