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CEReSニュース9月号 - 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター

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CEReSNewsletter No. 82Center for Environmental RemoteSensing,, Chiba University, Japan千 葉 大 学 環 境 リモートセンシング研 究 センターニュース 2012 年 9 月( 本 号 の 編 集 担 当 : 齋 藤 尚 子 )発 行 : 環 境 リモートセンシング 研 究 センター住 所 :〒263-8522 千 葉 市 稲 毛 区 弥 生 町 1-33Tel: 043-290-3832 Fax: 043-290-3857URL: http://www.cr.chiba-u.jp/CEReS 共 同 利 用 研 究 集 会 「 衛 星 観 測 を 最 大 限 に 活 用 した 食 糧 収 量 推 定 の可 能 性 および 問 題 点 」に 関 するワークショップを 開 催 (9 月 3-4 日 )上 記 ワークショップを 2012 年 9 月 3 日 ~4 日 にかけて CEReS 共 用 棟 1F 会 議 室 で 開 催 しました.ワークショップの 趣 旨 はタイトルが 示 すように“ 地 球 衛 星 観 測 の 高 度 化 に 伴 い, 従 来 型 の 光 学 センサによる 植 生 モニタリングに 基 づく 食 糧 収 量 推 定 より 一 歩 進 んだ 収 量 推 定 の 可 能 性 がでてきている. 本ワークショップでは, 収 量 予 測 に 関 連 するモデリング, 衛 星 観 測 計 画 等 について 話 題 提 供 および 情 報共 有 を 行 い, 新 たな 手 法 による 食 糧 収 量 推 定 の 可 能 性 ,および 問 題 点 について, 知 見 を 整 理 する”ことを 目 的 として 実 施 しました. 参 加 者 は 30 名 であり,2 日 目 にはエアコンが 壊 れたこともあり, 非常 に 密 度 の 濃 く, 熱 いワークショップとなりました. 話 題 提 供 の 後 (プログラムは 下 記 に 表 記 ), 総合 討 論 で 以 下 の 取 り 纏 めを 行 いました.• モデリング: 水 文 モデル( 陸 面 過 程 モデル)を 中 核 とした 方 が 良 い. 灌 漑 等 の 影 響 を 正 攻 法 で解 いていかないと 結 局 上 手 く 行 かない 可 能 性 が 大 きい.‣ 生 育 モデルでは 稲 の 生 態 モデルである SIMRIW の 例 が 中 川 博 士 より 提 示 された. 他 の 主 要穀 物 についてはどう 扱 うかは 今 後 議 論 が 必 要 である.‣ 大 気 化 学 モデルは 短 期 的 には 収 量 予 測 には 直 結 しないが, 研 究 の 幅 を 広 げる 上 で 重 要 な 役 割がある. 例 えば 対 流 圏 オゾンは 生 育 障 害 をもたらすが, 同 気 体 は 衛 星 計 測 が 困 難 である.しかし, 前 駆 体 を 衛 星 で 推 定 し, 同 化 技 術 等 を 用 いて 大 気 化 学 モデル, 生 育 モデル 等 にフィードバックできればユニークな 研 究 成 果 となる 可 能 性 がある.• 衛 星 プロダクト:‣ 降 水 量 は 過 去 分 (2002~)も GSMaP で 公 開 予 定 であり, 雨 量 計 データも 含 んだバージョン 公 開 も 検 討 中 である. 長 期 的 にはマイクロ 波 放 射 計 による 推 定 で 陸 面 の background 問題 が 常 につきまとうことを 留 意 する 必 要 がある.‣ 日 射 量 : 東 大 竹 中 氏 開 発 の 日 射 推 定 スキーム(EXAM system)による 過 去 解 析 データが 計算 予 定 .リアルタイム 処 置 では 水 蒸 気 予 報 値 と 幾 何 補 正 精 度 に 現 状 では 問 題 がある.‣ 次 世 代 静 止 気 象 衛 星 ひまわり 8,9 号 :10- 分 フルディスクスキャン, 多 波 長 観 測 が 実 現 する.2015 年 より 8 号 運 用 予 定 ,9 号 は 2022 年 より 運 用 で 計 14 年 の 運 用 計 画 . 年 間 1.3PB の大 量 データをどうハンドリングするかが 大 きな 課 題 である. 先 行 研 究 として rapid scanの 有 効 活 用 が 必 要 である.‣ GCOM-W, -C: -W は 試 験 中 , 近 日 運 用 .-C は 2015 打 ち 上 げ 予 定 .SGLI による 紫 外 線 ~中 間 赤 外 モニタリング,および 250m, 500m 熱 赤 外 バンドが 有 効 である.‣ 土 壌 水 分 :AMSR-E~AMSR-2 での 成 果 , 過 去 分 解 析 値 は JAXA 公 開 分 のみならず 他 機 関でのプロダクト ESA も 有 効 .JAXA アルゴリズムでは 副 産 物 として 地 温 が 出 てくるが 取 り扱 いに 注 意 が 必 要 である.1


‣ GOSAT, GOSAT-2: 現 状 のサンプリングでは 直 接 利 用 は 難 しいと 言 えるが, 同 化 等 も 視 野 に入 れて 利 用 推 進 を 考 えておくべき. 最 近 の 研 究 例 として 蛍 光 観 測 データがユニーク. 得 られた 結 果 の 解 釈 が 分 かれるところであるが,モデル 結 果 , 他 の 光 学 センサ 結 果 との 比 較 検討 が 必 要 である.本 ワークショップを 踏 まえ,CEReS では 新 たな 研 究 軸 としてこのテーマを 扱 っていくべきか 議 論をしていきたいと 思 います.なお, 本 WS では CEReS 共 同 利 用 ( 研 究 集 会 )の 支 援 を 受 け,ワークショップ 開 催 の 細 々とした 部 分 に 関 してはセンター 支 援 グループの 前 面 的 な 支 援 を 受 けました.話 題 提 供 をする 中 川 博 視 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 気 象 — 作 物 モデル 開 発 プロジェクト プロジェクトリーダー[ワークショッププログラム( 敬 称 略 ; 急 遽 プレゼンをお 願 いした 分 は 含 まない)]9 月 3 日 ( 月 )・「 食 糧 安 全 保 障 パッケージ」について( 樋 口 篤 志 千 葉 大 CEReS)第 1 部 モデリング・ 水 文 ・ 灌 漑 等 陸 面 過 程 モデリング( 田 中 賢 治 京 都 大 学 防 災 研 )・ 作 物 収 量 モデリング( 中 川 博 視 中 央 農 業 総 合 研 究 センター)・ 大 気 化 学 モデリング( 須 藤 健 悟 名 大 環 境 学 研 究 科 )第 2 部 衛 星 観 測・GSMaP および GPM の 現 状 ( 久 保 田 拓 志 JAXA/EORC)9 月 4 日 ( 火 )第 2 部 衛 星 観 測 (つづき)・ 静 止 気 象 衛 星 データを 用 いた 短 波 放 射 量 推 定 ( 竹 中 栄 晶 東 大 AORI)・ 次 世 代 静 止 気 象 衛 星 「ひまわり 8 号 」の 概 要 およびその 応 用 について( 國 松 洋 JMA/MSC)・ 第 1 期 気 候 変 動 観 測 衛 星 GCOM-C1 による 陸 域 観 測 ( 堀 雅 浩 JAXA/EORC)・GOSAT-2 について( 松 永 恒 雄 NIES)・ 陸 域 衛 星 リモセン 観 測 の 高 精 度 化 を 目 的 とした ground truth による 普 遍 性 や 特 異 性 検 証 及 び、それらを 基 にした 衛 星 リモセン 観 測 へのフィードバック( 永 井 信 JAMSTEC)総 合 討 論( 文 責 : 樋 口 篤 志 )2


第 6 回 VL 講 習 会 開 催 (9 月 18-19 日 )平 成 24 年 9 月 18、19 日 の 二 日 間 にわたって、 第 6 回 「 地 球 気 候 系 の 診 断 に 関 わるバーチャルラボラトリーの 形 成 」 講 習 会 が 当 校 にて 開 催 されました。 文 部 科 学 省 ・ 特 別 教 育 研 究 経 費 「 地 球 気 候 系の 診 断 に 関 わるバーチャルラボラトリーの 形 成 」は、 平 成 19 年 度 より、 東 北 大 学 大 気 海 洋 変 動 観 測研 究 センター、 千 葉 大 学 環 境 リモートセンシング 研 究 センター、 東 京 大 学 気 候 システム 研 究 センター( 現 大 気 海 洋 研 究 所 )、 名 古 屋 大 学 地 球 水 循 環 研 究 センターの 共 同 プロジェクトとして 開 始 され、4大 学 センターが 協 力 してバーチャルラボラトリー(VL)を 形 成 し、 各 センターの 研 究 資 産 を 活 かした 研 究 ・ 教 育 を 行 っています。VL の 活 動 の 一 環 として、 大 学 院 生 や 若 手 研 究 者 を 対 象 に 連 携 研 究 を促 進 するための 講 習 会 を 毎 年 実 施 しており、 本 年 は 千 葉 大 学 が 2 回 目 の 主 幹 校 となって 講 習 会 を 主 催しました。今 回 は「エアロゾルと 大 気 補 正 」というテーマを 掲 げ、 当 センターのエアロゾル 観 測 センサー(スカイラジオメーター、ライダーなど)の 見 学 をしてもらうとともに、エアロゾル 観 測 ネットワークSKYNET のデータを 用 いてエアロゾルパラメータの 導 出 方 法 を 学 び、さらに、 導 出 されたエアロゾルパラメータを 用 いて 衛 星 画 像 の 大 気 補 正 を 行 って 大 気 補 正 の 効 果 を 実 感 してもらうという 趣 旨 のコンピュータ 演 習 を 実 施 しました。また、 演 習 の 内 容 の 理 論 を 学 んでもらうために、 高 村 教 授 、 久 世教 授 、 入 江 特 任 准 教 授 にエアロゾル 観 測 や 大 気 放 射 に 関 する 講 義 をしていただきました。講 習 会 には、 学 部 4 年 生 から 大 学 教 員 まで 幅 広 い 層 の 計 37 名 の 方 ( 学 生 24 名 、 社 会 人 13 名 )が参 加 されました。 事 前 に 気 象 学 会 など 複 数 の 学 会 関 係 のメーリングリストに 案 内 を 流 して 周 知 したために、4 大 学 以 外 の 大 学 ・ 研 究 所 からも 多 くの 参 加 者 がありました。コンピュータ 演 習 の 課 題 は 眞 子特 任 助 教 とプラディープ 特 任 助 教 がそれぞれ 作 成 下 さいましたが、 各 3 時 間 という 限 られた 演 習 時 間内 で 高 度 な 内 容 を 幅 広 い 層 の 参 加 者 に 理 解 してもらうために、 相 当 な 時 間 を 割 いて 資 料 をご 準 備 下 さいました。その 甲 斐 あって、 演 習 後 に 実 施 したアンケートでは、ほぼ 全 員 が 演 習 の 内 容 はやや 難 しく進 度 も 速 いものの「 今 後 の 研 究 に(おおいに) 役 立 つ」と 回 答 して 下 さっていました。2 日 間 という短 い 時 間 でかなり“ 盛 りだくさん”な 内 容 でしたが、 参 加 者 には 概 ね 満 足 していただける 講 習 会 となったのではないかと 思 います。また、1 日 目 の 夕 方 にけやき 会 館 のレストランコルザで 実 施 した 情 報 交換 会 は、 普 段 はあまり 会 う 機 会 のない 他 大 学 の 学 生 さん 同 士 の 交 流 の 場 となり、 特 に 若 い 学 生 さんにとってはいい 刺 激 となったようです。講 習 会 当 日 の 様 子3


アンケート 集 計 結 果【 講 習 会 プログラム:1 日 目 】9 月 18 日 ( 火 曜 日 ) 13:00~17:3013:00~ : 受 付 ・ 班 分 け(A 班 ・B 班 )13:30~13:40 : 開 会 の 挨 拶 ( 久 世 センター 長 )13:50~14:30 :レクチャー1( 講 師 : 高 村 教 授 )14:40~15:10 :センター 施 設 見 学 (A・B 共 通 )15:30~17:30 : 演 習 ( 講 師 :A=プラディープ 特 任 助 教 ・B= 眞 子 特 任 助 教 )18:00~ : 情 報 交 換 会 (けやき 会 館 コルザ)【 講 習 会 プログラム:2 日 目 】9 月 19 日 ( 水 曜 日 ) 9:30~16:309:30~10:10 :レクチャー2( 講 師 : 久 世 教 授 )10:30~12:30 : 演 習 ( 講 師 :A= 眞 子 特 任 助 教 ・B=プラディープ 特 任 助 教 )12:30~13:30 : 昼 食13:30~14:10 :レクチャー3( 講 師 : 入 江 特 任 准 教 授 )14:30~15:30 : 演 習 ( 講 師 :A=プラディープ 特 任 助 教 ・B= 眞 子 特 任 助 教 )15:30~16:30 : 演 習 ( 講 師 :A= 眞 子 特 任 助 教 ・B=プラディープ 特 任 助 教 )今 回 の 講 習 会 では、 事 務 の 大 和 田 さん、 鈴 木 さん、 松 江 さんに、 参 加 者 の 出 張 手 続 きや 諸 々の 講 習会 の 準 備 をしていただきました。また、 久 世 ・ 齋 藤 研 、 高 村 研 、 樋 口 研 の 学 生 さんたちには、センター 内 の 案 内 や 当 日 の 演 習 のチューターの 担 当 以 外 に、 眞 子 特 任 助 教 、プラディープ 特 任 助 教 の 指 導 のもと 演 習 資 料 作 成 のための 事 前 チェック 作 業 にも 参 加 してもらいました。この 場 をお 借 りして 関 係 者の 皆 様 にお 礼 申 し 上 げたいと 思 います。( 文 責 : 齋 藤 尚 子 )4


第 10 回 VL 協 議 会 開 催 (9 月 18 日 )9 月 18~19 日 の VL 講 習 会 開 催 に 合 わせて、18 日 午 後 に 本 校 で 第 10 回 VL 協 議 会 が 開 催 されました。 東 北 大 学 大 気 海 洋 変 動 観 測 研 究 センターから 青 木 先 生 、 中 澤 先 生 、 早 坂 先 生 、 片 桐 先 生 、 東 京大 学 大 気 海 洋 研 究 所 から 中 島 先 生 、 今 須 先 生 、 井 上 先 生 、 竹 中 先 生 、 名 古 屋 大 学 地 球 水 循 環 研 究 センターから 上 田 先 生 、 篠 田 先 生 、 大 東 先 生 が 出 席 されました(CEReS の 参 加 者 は 久 世 、 高 村 、 樋 口 、入 江 、 齋 藤 の 諸 先 生 )。まず、 司 会 進 行 の 久 世 先 生 から、これまでの VL プロジェクトの 経 緯 と 今 回の 千 葉 大 主 催 の VL 講 習 会 について 説 明 があった 後 、 各 大 学 の 今 年 度 の 活 動 について 報 告 がありました。また、VL プロジェクトの 最 終 年 度 である 平 成 25 年 度 に 向 けて、 各 大 学 がどのような 形 で 成 果 (データやプロダクトを 含 め)を 共 有 するか、VL を 軸 に 活 動 を 広 げてきた 成 果 を 対 外 的 にどのようにアピールしていくかということについて 議 論 が 行 われました。さらに、ポスト VL の 活 動 と 方 向 性 についての 議 論 にも 多 くの 時 間 が 費 やされました。( 文 責 : 齋 藤 尚 子 )5

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