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選好データを用いた生活環境質に対する住民意識の分析*1 - 名古屋大学

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加 知 ・ 岑 ・ 山 本 ・ 加 藤 ・ 林 第 34 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会*1選 好 データを 用 いた 生 活 環 境 質 に 対 する 住 民 意 識 の 分 析- 性 別 ・ 年 齢 ・ 居 住 地 の 違 いに 着 目 して-QOL Perceptions Considering Gender, Age and Residence Based on Preference Data *1加 知 範 康 *2 ・ 岑 貴 志 *3 ・ 山 本曓 哲 平 *3 ・ 加 藤 博 和 *4 ・ 林 良 嗣*5By Noriyasu KACHI *2 ・Takashi MINE *3 ・Teppei YAMAMOTO *3 ・Hirokazu KATO *4 ・Yoshitsugu HAYASHI *51. はじめに日 本曓 は 成 熟 社 会 をを 迎 え, 都 市 計 画 をを 進 めていく 上 で 居住 地 の 生 活 環 境 質 が 年 々 重 要 になってきている 1) . 居 住地 の 生 活 環 境 質 は, 生 活 環 境 をを 構 成 する 各 種 イ゜ンルネラの整 備 量 だけでなく,それをを 享 受 する 居 住 者 の 生 活 環 境 に対 する 価 値 意 識 ( 選 好 )に 大 きく 依 存 することにも 留 意が 必 要 である.2)国 土 形 成 計 画 では, 少 子 高 齢 化 ・ 経 済 低 成 長 時昷 代 において, 既 存 イ゜ンルネラケトッセェをを 有暼 効 利 用 していく 必 要性 がうたわわれている.その 方 向 性 として, 人 口 構 成 の 変化 をを 考 慮 した 上 で, 居 住 地 の 生 活 環 境 と 居 住 者 の 生 活 環境 に 対 する 価 値 意 識 ( 選 好 )のマブッセチスンルエをを 行 い, 生 活環 境 質 をを 向 上 させるように 人 口 分 布 をを 誘 導 していくことが 考 えられる.そのためには, 生 活 環 境 に 対 する 価 値 意識 ( 選 好 )が 個 人 属 性 によってどのように 異 なるかをを 明らかにしておく 必 要 がある.そこで 本曓 研 究 では, 愛 知 県 名 古 屋 市 と 新 潟 県 上 越 市 の住 民 をを 対 象 に 実 施 した「 生 活 環 境 に 対 する 意 識 調 査 」に関 するア゚ンルォヴト 結 果 をを 用 いて, 生 活 環 境 に 対 する 価 値意 識 ( 選 好 )の 個 人 属 性 による 違 いをを 定 量 的 に 明 らかにすることをを 目 的 とする.2. 生 活 環 境 質 評 価 モデルとそのパラメータ 推 定 法(1) 生 活 環 境 質 評 価 モデルの 概 要本曓 研 究 では 既 報3) に 従 い, 生 活 環 境 質 (QOL:QualityOf Life)は 生 活 環 境 質 向 上 の 機 会 (Life Prospects:LPs)と 生 活 環 境 に 対 する 価 値 意 識 によって 算 出 され,その 値は 余 命 指 標 QALY(Quality Adjusted Life Year)で 表 されるものとする.仮 定 する LPs の 階 層 構 造 と 評 価 指 標 をを 表 -1 に 示 す.これは,QOL が 交 通 利 便 性 (Accessibility:AC), 居 住快 適 性 (Amenity:AM), 災 害 危 険 性 (Hazard:H)からなる 上 位 ペデャと, 各 項 目 の 構 成 要 素 をを 詳 細 に 分 類 し*1 キゥヴワョヴゲ: 意 識 調 査 分 析 , 都 市 計 画 , 住 宅 立 地 ,QALY(〒464-8603 名 古 屋 市 千 種 区 不 老 町 ,TEL052-789-2773,FAX052-789-3837)*2 学 生 会 員 , 修 ( 環 境 ), 名 古 屋 大 学 大 学 院 環 境 学 研 究 科 都 市 環 境 学 専 攻*3 学 生 会 員 , 学 ( 工 ), 名 古 屋 大 学 大 学 院 環 境 学 研 究 科 都 市 環 境 学 専 攻*4 正 会 員 , 博 ( 工 ), 名 古 屋 大 学 大 学 院 環 境 学 研 究 科 都 市 環 境 学 専 攻*5 ネェよりロュヴ, 工 博 , 名 古 屋 大 学 大 学 院 環 境 学 研 究 科 都 市 環 境 学 専 攻交 通利 便 性(AC)居 住快 適 性(AM)災 害危 険 性(H)AC1AC2AC3AC4表 -1 LPs 階 層 構 造 と 評 価 指 標評 価 要 素就 業 利 便 性教 育 ・ 文 化利 便 性健 康 ・ 医 療利 便 性買 物 ・サービス利 便 性評 価 指 標企 業 へのアクセシビリティ( 魅 力 度 : 従 業 者 数 )学 校 へのアクセシビリティ( 魅 力 度 : 学 校 )病 院 へのアクセシビリティ( 魅 力 度 : 病 床 数 )ショッピングセンターへのアクセシビリティ( 魅 力 度 : 延 べ 床 面 積 )AM1 居 住 空 間 使 用 性 1 人 当 たり 住 居 床 面 積AM2 建 物 景 観 調 和 性 建 物 高 さばらつきAM3 周 辺 自 然 環 境 性 緑 地 面 積AM4 局 地 環 境 負 荷 性 交 通 騒 音 レベルH1 地 震 危 険 性 大 地 震 発 生 時 の 死 亡 率H2洪 水 ・ 豪 雪 ( 名 古 屋 ) 洪 水 による 浸 水 深危 険 性 ( 上 越 ) 年 間 最暷 大 積 雪 量H3 犯 罪 危 険 性 年 間 窃 盗 発 生 件 数H4 交 通 事 故 危 険 性 年 間 人 身 事 故 発 生 件 数た 下 位 ペデャから 構 成 されることをを 意 味 している.(2) 居 住 地 選 択 モデルを 用 いたパラメータ 推 定 法式 (1),(2)に 示 すように,ある 居 住 地 の 選 択 確 率 は,表 -1 の LPs 各 要 素 をを 説 明 変 数 にしたロュグッセトペデャで表 すことができるとする.{ }XP ( i 1,..., I ) =UnX Xexp( β LPs )I∑i=1X X T Xin=in+ εinTTinX Xexp( β LPs )in(1)β LPs (2){ }P ( i 1,..., I ) : 個 人 n が 評 価 要 素 X によって 居 住 地 i をを 選Xn択 する 確 率 , β X : 評 価 要 素 X の 係 数 ベパェトャ, LPs :評 価 要 素 X の 評 価 指 標 ベパェトャ,I: 地 区 数 , UXinX in: 個 人n の 評 価 要 素 X による 居 住 地 i に 対 する 好 ましさQALYX { AC, AM , H,QALY}LPsin≡ AC , AM , H≡ , { }4 1 1居 住 地 選 択 に 関 する 部 分 効 用 をを 表 す 式 (2)のパドラメヴタシをを, 最暷 尤 推 定 法 をを 用 いて 推 定 する.このパドラメヴタシが 生活 環 境 に 対 する 価 値 意 識 をを 表 していると 考 える.3. 個 人 属 性 による 生 活 環 境 に 対 する 価 値 意 識 の 違 いとその 検 証 方 法本曓 研 究 では, 価 値 意 識 が 表 -2 に 示 す 個 人 属 性 によっ


加 知 ・ 岑 ・ 山 本 ・ 加 藤 ・ 林 第 34 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会て 異 なるという 仮 説 をを 設 定 し, 個 人 属 性 に 応 じて 以 下 の2 つをを 用 いて 統 計 学 的 検 定 をを 行 う.a) 仮 説 1~3 の 検 証 方 法デヴタシをを 個 人 属 性 により 分 けた 場 合 と 分 けなかった 場合 のそれぞれで 式 (2)の 係 数 ベパェトャをを 推 定 する.そして,その 2 つの 係 数 ベパェトャが 異 なるかどうか,つまり,H 0 :β 1 =β 2 の 検 定 によって 判 断 する.2 つのデヴタシコッセトをを 結 合 したデヴタシから 1 つの 係 数ベパェトャをを 推 定 した 時昷 が H 0 の 制 約 条曵 件 下 ペデャであり,2 つのデヴタシコッセトから 別 々に 係 数 をを 推 定 した 場 合 が 非制 約 条曵 件 下 ペデャである.この 時昷 , 非 制 約 条曵 件 下 ペデャの 対 数 尤 度 値 は 個 人 属 性 別 に 推 定 したペデャの 対 数 尤 度の 和 で 与 えられ, 式 (3)の 検 定 統 計 量 をを 用 いて 尤 度 比 検 定をを 行 うことができる.( L L )2χ = −2 R−U(3)L R : 制 約 条曵 件 下 ペデャの 対 数 尤 度 値L u : 非 制 約 条曵 件 下 ペデャの 対 数 尤 度 値b) 仮 説 4 の 検 証 方 法都 市 間 ではア゚ンルォヴトの 設 問 で 用 いた 単 位 が 異 なっているため,a)の 方 法 をを 適 用 するのは 困 難 である.そこで, 各 LPs 1 単 位 から 生 み 出 される 余 命 に 換 算 し,その値 をを 比 較 する.以 下 に 余 命 への 換 算 方 法 をを 述 べる.まず,LPs のうちH 1 より 地 震 による 損 失 余 命 (Lost of Life Expectancy:LLE)をを 算 出 する. 次 に, 式 (2)において, 効 用 U jn が 変化 しないとき, 他 の 要 素 が 一 定 で LLE と AC 1 のみ 変 化することをを 考 えると,AC 1 の 余 命 に 対 する 限 界 代 替暶 率 Cをを 式 (4)のように 導 くことができる.CAC∂U∂UdLLE ∂AC= = − ⋅1 4AC1AC QALYdAC1∂U ∂U∂AC4∂LLEβAC β1= − ⋅β βAC4ACLLEQALY∂AC式 (4)は,AC 1 1 単 位 の 余 命 換 算 値 と 考 えることができる. 同 様 の 導 出 は 他 の LPs においても 行 うことができる.4. 仮 説 検 証 の 結 果(1) 仮 説 検 証 に 用 いたアンケート 調 査 の 概 要愛 知 県 名 古 屋 市 , 新 潟 県 上 越 市 をを 対 象 に 行 った「 生 活環 境 に 対 する 意 識 調 査 」に 関 するア゚ンルォヴト 調 査 の 概 要 ,LPs 各 項 目 間 の 水 準 の 設 定 , 回 収 状 況 をを 表 -3,4,5 に示 す.表 -4 で LPs の 評 価 指 標 と 異 なる 設 問 があるが,これは 回 答 がしやすいようにするための 配 慮 である.しかし(4)表 -2 価 値 意 識 の 違 いを 検 定 する 個 人 属 性 と 分 類番 号 個 人 属 性 分 類仮 説 1 性 別 男 性 , 女 性仮 説 2 年 齢 10 代 ~70 代仮 説 3 居 住 地 ( 都 市 内 ) 中 心 , 近 郊 , 郊 外仮 説 4 居 住 地 ( 都 市 間 ) 名 古 屋 市 , 上 越 市表 -3 アンケートの 概 要愛 知 県 名 古 屋 市人 口 :221 万 人 (2006)新 潟 県 上 越 市人 口 :21 万 人 (2006)・ 生 活 環 境 質 要 素 の 重 要 度 ( 順 位 付 け)調 査 項 目・ 複 数 代 替 案 の 望 ましさ( 二 項 選 択 )・ 個 人 属 性 ( 性 別 , 年 齢 , 居 住 地 など)調 査 対 象 名 古 屋 市 民 上 越 市 民対 象 者 数1000 人設 問QALYACAMH抽 出 方 法調 査 方 法調 査 期 間実 際 の 性 ・ 年 齢 ・ 居 住 地 別 人 口 を 反 映 するように傾 斜 を 掛 けて 無 作 為 抽 出発 送 :2006 年 4 月 25 日回 収 :2006 年 5 月 25 日~ 同 年 5 月 12 日( 葉 書 による 督 促 1 回 )郵 送 法発 送 :2006 年 4 月 26 日回 収 :2006 年 5 月 2 日~ 同 年 5 月 12 日( 葉 書 による 督 促 1 回 )表 -4 アンケートにおける 各 項 目 の 水 準 の 設 定項 目名 古 屋上 越設 問 水 準 1 水 準 2 水 準 1 水 準 2ACショッピングセンターまでの 所 要 時 間15 分 45 分 10 分 30 分AM 一 人 当 たり 住 居 床 面 積 20m2 50m2 20m2 50m2H 大 地 震 発 生 時 の 死 亡 率100 人 1 万 人 100 人 1 万 人に1 人 に1 人 に1 人 に1 人AC1就 業 地 までの所 要 時 間15 分 45 分 10 分 30 分AC2小 中 学 校 までの所 要 時 間15 分 45 分 10 分 30 分AC3病 院 までの所 要 時 間15 分 45 分 10 分 30 分AC4ショッピングセンターまでの 所 要 時 間15 分 45 分 10 分 30 分AM1 1 人 当 たり 住 居 床 面 積 20m2 50m2 20m2 50m2AM2 街 並 みのきれいさきれいできれいきれいでないないきれいAM3 近 隣 の 緑 地 面 積 5m2/ 人 50m2/ 人 10% 50%AM4 交 通 騒 音エアコンの 電 話 の エアコンの 電 話 の音 程 度 ベル 程 度 音 程 度 ベル 程 度H1大 地 震 発 生 時 の 死 亡 率100 人に1 人1 万 人に1 人100 人に1 人1 万 人に1 人H2( 名 古 屋 ) 洪 水 浸 水 深( 上 越 ) 年 間 最 大 積 雪 量0.2m 2m 1.5m 3mH3 年 間 窃 盗 発 生 件 数 65 件 520 件 5 件 15 件H4 年 間 人 身 事 故 発 生 件 数 65 件 520 件 3 件 9 件表 -5 アンケートの 回 収 状 況名 古 屋上 越発 送 数 回 収 数有 効有 効発 送 数 回 収 数回 収 数回 収 数全 体 合 計 1000 324 218 1000 359 263性 別年 齢居 住 地個 人 属 性発 送 数名 古 屋有 効回 収 数有 効回 収 率(%)発 送 数上 越有 効回 収 数有 効回 収 率(%)男 性 494 100 20.2 487 124 25.5女 性 506 118 23.3 513 139 27.1合 計 1000 218 21.8 1000 263 26.310 代 0 0 0.0 197 47 23.920 代 326 47 14.4 111 28 25.230 代 160 37 23.1 124 34 27.440 代 124 41 33.1 120 38 31.750 代 141 45 31.9 152 48 31.660 代 124 25 20.2 121 39 32.270 代 以 上 125 23 18.4 175 29 16.6合 計 1000 218 21.8 1000 263 26.3中 心 121 23 19.0 285 133 46.7近 郊 154 104 67.5 350 35 10.0郊 外 159 91 57.2 365 95 26.0合 計 1000 218 21.8 1000 263 26.3


加 知 ・ 岑 ・ 山 本 ・ 加 藤 ・ 林 第 34 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会表 -6 全 データによるパラメータ 推 定 結 果変 数推 定 値 (t 値 )名 古 屋上 越AC1 -2.12E-02 (-10.2) -2.09E-03 (-0.8)AC2 -2.65E-02 (-12.1) -4.20E-02 (-13.8)AC3 -2.73E-02 (-12.5) -4.47E-02 (-14.6)AC4 -2.60E-02 (-12.1) -4.24E-02 (-14.0)サンプルサイズ 1526 1841ρ 20.185 0.194AM1 2.90E-02 (13.3) 2.25E-02 (11.8)AM2 6.81E-01 (10.7) 6.55E-01 (11.5)AM3 9.67E-03 (7.2) 1.72E-02 (12.2)AM4 -5.33E-02 (-12.5) -5.01E-02 (-13.3)サンプルサイズ 1526 1841ρ 20.172 0.159H1 -6.97E+01 (-10.4) -1.07E+02 (-16.4)H2 -3.21E-01 (-8.9) -5.79E-01 (-13.9)H3 -2.71E-03 (-17.6) -9.04E-02 (-14.5)H4 -1.24E-03 (-8.8) -5.59E-02 (-6.0)サンプルサイズ 1526 1841ρ 20.220 0.221AC -3.07E-02 (-9.0) -4.57E-02 (-9.0)AM 3.43E-02 (9.8) 2.31E-02 (7.3)H -1.29E+02 (-11.8) -1.29E+02 (-12.0)サンプルサイズ 872 7892 市 ともに 高 齢 者 の 回 収 率 が 低 くなっており, 設 問 の 複雑 さは 完 全 には 解 消 できていない.(2) モデルの 有 意 性 の 分 析各 都 市 で 調 査 デヴタシをを 用 いて 式 (2)の 係 数 ベパェトャの推 定 をを 行 った 結 果 をを 表 -6 に 示 す.それぞれの 都 市 ・ペデャで 尤 度 比 が 0.2 前 後 となっており,ペデャの 有暼 意 性 をを 示 している.また 各 パドラメヴタシの t 値 は, 上 越 の 就 業 利 便 性 (AC1)のみ 5% 有暼 意 ではないものの,その 他 は 5% 有暼 意 となった.このことから,推 定 されたペデャはおおむね 有暼 意 なペデャであると 考 えられる.(3) 仮 説 1~3 の 検 証 結 果性 別 ・ 年 齢 ・ 居 住 地 ( 都 市 内 )に 関 する 仮 説 1~3 について 係 数 ベパェトャの 等 価 性 の 検 定 をを 行 った 結 果 をを 表 -7 に 示 す.年 齢 に 関 しては 下 位 ペデャ(AC,AM,H)の 多 くで帰 無 仮 説 が 棄 却 された.これは, 異 なる 年 齢 エャヴプハをを含 むデヴタシには 式 (1),(2)のペデャは 適 用 できないことをを 示 している. 特 に AC と H については 両 都 市 ともに 有暼意 である.このことから, 居 住 地 選 択 の 際 の 交 通 利 便 性や 災 害 危 険 性 に 対 する 価 値 意 識 は 年 齢 によって 変 わわると考 えられ, 分 析 やペデモンルエの 際 に 配 慮 が 必 要 である.一 方 , 性 別 に 関 しては 上 越 市 の AC ペデャをを 除 くすべてで 帰 無 仮 説 が 採 択 された.これは, 式 (1),(2)のペデャは 異 なる 性 別 をを 含 むデヴタシに 適 用 できることをを 示 して表 -7 係 数 ベクトルの 等 価 性 の 検 定名 古 屋モデル 名 Case 検 定 統 計 量 自 由 度 P 値 Χ 2 0.05 5% 有 意QALYACAMH性 別 6.53 3 0.0885 7.81年 齢 7.90 15 0.9277 25.00居 住 地 4.13 4 0.3892 9.49性 別 0.19 4 0.9957 9.49年 齢 54.34 20 0.0001 31.41 *居 住 地 14.63 8 0.0667 15.51性 別 8.65 4 0.0704 9.49年 齢 27.59 20 0.1194 31.41居 住 地 7.08 8 0.5276 15.51性 別 1.20 4 0.8788 9.49年 齢 33.28 20 0.0314 31.41 *居 住 地 21.21 8 0.0066 15.51 *モデル 名 Case 検 定 統 計 量 自 由 度 P 値 Χ 2 0.05 5% 有 意QALYACAMH上 越性 別 4.49 3 0.2128 7.81年 齢 25.00 18 0.1249 28.87居 住 地 1.85 4 0.7637 9.49性 別 18.87 4 0.0008 9.49 *年 齢 101.82 24 0.0000 36.42 *居 住 地 4.53 8 0.8068 15.51性 別 3.32 4 0.5051 9.49年 齢 82.98 24 0.0000 36.42 *居 住 地 7.46 8 0.4875 15.51性 別 3.53 4 0.4733 9.49年 齢 49.76 24 0.0015 36.42 *居 住 地 16.32 8 0.0380 15.51 *いる.また, 居 住 地 選 択 の 際 の 価 値 意 識 は 性 別 によらないと 考 えられる.居 住 地 に 関 しては,H ペデャで 両 都 市 とも 帰 無 仮 説 が棄 却 された.このことから, 居 住 地 選 択 の 際 の 災 害 危 険性 に 対 する 価 値 意 識 は 従 前 の 居 住 地 に 影 響 をを 受 けるといえる.以 上 の 3 種 の 個 人 属 性 で 比 較 すると, 有暼 意 に 係 数 ベパェトャが 独 立 なペデャが 最暷 も 多 いのは 年 齢 で, 次 いで 居 住地 , 性 別 である.このことから, 個 人 属 性 で 分 割 してペデモンルエをを 行 う 際 にはまず 年 齢 をを 考 慮 すべきだといえる.また, 下 位 ペデャでは 有暼 意 なペデャや 個 人 属 性 が 多 い一 方 で,QALY ペデャでは,どの 個 人 属 性 についても 帰無 仮 説 が 棄 却 されなかった.このことから, 居 住 地 選 択の 際 の 価 値 意 識 は, 交 通 ・ 居 住 ・ 災 害 という 大 枠 に 関 しては 個 人 属 性 によって 有暼 意 に 差 はないが,それぞれのカィテゴモヴの 詳 細 に 関 しては 有暼 意 差 が 見 られる 傾 向 があることが 明 らかになった.(4) 仮 説 4 の 検 証 結 果次 に, 居 住 地 ( 都 市 間 )に 関 する 仮 説 4 について 検 討する.ア゚ンルォヴトの 水 準 ( 表 -4)をを LPs の 評 価 指 標( 表 -1)に 読 み 替暶 え, 式 (4)により 余 命 に 換 算 し 比 較 する. 余 命 換 算 値 をを 表 -8 に 示 す.例 えば, 名 古 屋 市 において, 平 均 的 なショミッセヌンルエコンルタシヴ( 延 べ 床 面 積 :14525 m2)が 居 住 地 近 辺 に 1 店 舗立 地 することは 余 命 が 90.9 日 増 加 することに 相 当 し,1


加 知 ・ 岑 ・ 山 本 ・ 加 藤 ・ 林 第 34 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会人 あたり 住 居 床 面 積 が 27 m2 増 加 することと 等 価 であることがわわかる. 同 様 に, 上 越 市 で 年 間 最暷 大 積 雪 量 が 1m減 少 することは 余 命 が 73.2 日 増 加 することに 相 当 し,交 通 騒 音 が 13.6dB 減 少 することと 等 価 である. 交 通 騒音 13.6dB の 減 少 は, 幹 線 国 道 沿 いで 感 じる 騒 音 が 住 宅街 内 の 生 活 道 路 で 感 じる 騒 音 程 度 に 抑 えられたことに 相当 する.ここで, 上 越 市 の H4( 交 通 事 故 危 険 性 )に 着 目 して余 命 換 算 値 の 妥 当 性 をを 検 討 する. 式 (5)によって 交 通 事 故1 件 で 損 失 する 余 命 をを 実 デヴタシから 概 算 した.( 交 通 事 故 死 亡 者 数 )( 損 失 余 命 ) = × ( 平 均 余 命 ) (5)( 人 口 )この 結 果 93 日 と 算 出 された.ペデャによる 換 算 値(88.7 日 )はこの 値 に 近 く, 妥 当 な 値 といえる.都 市 間 の 比 較 のためには, 両 都 市 で LPs 各 要 素 のデヴタシ 項 目 が 一 致 していなければならないことから,AC1,AM2 については 比 較 ができない.そこで,その 他 のLPs について 比 較 する.比 較 をを 行 うと, 項 目 にはほぼ 値 が 同 じものから 1000倍 以 上 の 差 があるものまであることが 分 かる. 特 に 値 に大 きな 差 があるものとして,AC3( 健 康 ・ 医 療 利 便 性 ),AC4( 買 物 ・キヴビケ 利 便 性 ),AM3( 周 辺 自 然 環 境性 ),H3( 犯 罪 危 険 性 ),H4( 交 通 事 故 危 険 性 )が 挙げられる.このことから, 異 なる 都 市 に 住 む 人 は 特 にこれらの 項 目 に 異 なる 価 値 意 識 をを 持 っていると 考 えられる.一 方 で,AC2( 教 育 ・ 文 化 利 便 性 ),AM1( 居 住 空 間 使用 性 ),AM4( 局 地 環 境 負 荷 性 ),H2( 洪 水 ・ 豪 雪 危険 性 )の 値 の 差 は 小 さく,これらの 項 目 に 関 しては 異 なる 都 市 の 人 の 価 値 意 識 に 大 きく 差 がないと 考 えられる.また, 余 命 換 算 値 の 両 市 の 差 に 着 目 すると, 主 に AM( 居 住 快 適 性 )で 大 きく,AC( 交 通 利 便 性 )と H( 災害 危 険 性 )で 小 さいことがわわかる.このことから, 名 古屋 市 民 は 上 越 市 民 より AM( 居 住 環 境 )に 対 する 価 値 意識 が 高 く, 一 方 で 上 越 市 民 は 名 古 屋 市 民 より AC( 交 通環 境 )や H( 災 害 環 境 )に 対 する 価 値 意 識 が 高 いことが明 らかになった.以 上 の 結 果 は, 良 い 環 境 が 容 易昒 に 得 がたい 項 目 に 対 して 価 値 意 識 が 高 いという 傾 向 をを 示 唆 している. 名 古 屋 は大 都 市 であり 交 通 の 便 に 優 れるが, 良 好 な 居 住 環 境 は 得にくい. 一 方 で 上 越 は 名 古 屋 と 比 較 して 交 通 の 便 が 悪 いが, 居 住 環 境 は 良 好 なものが 比 較 的 得 やすいと 予 想 される.また, 上 越 における 災 害 危 険 性 への 価 値 意 識 の 高 さは 2004 年 に 近 辺 で 発 生 した 中 越 地 震 をを 反 映昚 してのことだと 考 えられる.5. おわりに本曓 研 究 では,SP デヴタシをを 用 いて, 生 活 環 境 質 に 対 すLPs名 古 屋余 命 換 算 値 余 命[ 日 / 測 定 単 位 ] 測 定 単 位表 -8 余 命 換 算 値 の 比 較上 越余 命 換 算 値[ 日 / 測 定 単 位 ]余 命測 定 単 位余 命 換 算 値 比( 名 古 屋/ 上 越 )AC1 4.75E-01 人 2.60E-02 ヶ 所 -AC2 3.06E+02 校 2.61E+02 校 1.17E+00AC3 3.34E-01 床 6.96E-01 床 4.80E-01AC4 6.26E-03 m2 3.18E-02 m2 1.97E-01AM1 3.33E+00 m2/ 人 2.41E+00 m2/ 人 1.38E+00AM2 -1.26E+02 m 7.03E+01 ダミー -AM3 1.11E+00 m2/ 人 9.15E-02 m2/ 人 1.21E+01AM4 -6.13E+00 dB -5.38E+00 dB 1.14E+00H1 -1.00E+00 日 -1.00E+00 日 -H2 -5.76E+01 m -7.32E+01 m 7.88E-01H3 -4.87E-01 件 / 年 -1.43E+02 件 / 年 3.39E-03H4 -2.23E-01 件 / 年 -8.87E+01 件 / 年 2.51E-03る 価 値 意 識 が 性 別 ・ 年 齢 ・ 居 住 地 のどの 個 人 属 性 によってどのように 異 なるかをを 明 らかにした. 得 られた 主 な 知見 として, 以 下 のことが 挙 げられる.・ 年 齢 によって 交 通 利 便 性 と 災 害 危 険 性 への 価 値 意 識が 異 なり, 居 住 地 によって 災 害 危 険 性 への 価 値 意 識が 異 なることが 分 かった. 一 方 , 生 活 環 境 質 への 価値 意 識 は 性 別 によって 異 ならないことが 分 かった.・ 総 じて 個 人 属 性 によって 価 値 意 識 が 異 なるのは 交通 ・ 居 住 ・ 災 害 の 各 大 項 目 をを 構 成 する 細 項 目 に 関 してであり, 大 項 目 間 に 対 する 価 値 意 識 の 差 は 見 られなかった.・ 都 市 間 の 比 較 から, 良 い 環 境 が 得 がたい 項 目 に 対 して 価 値 意 識 が 高 い 傾 向 が 見 られ, 名 古 屋 では 居 住 快適 性 に, 上 越 では 交 通 利 便 性 と 災 害 利 便 性 に 対 して相 対 的 に 価 値 意 識 が 高 いことが 分 かった.・ 生 活 環 境 質 向 上 機 会 (LPs)が 大 きく 異 なる 集 団 をを含 むデヴタシでペデャのパドラメヴタシ 推 定 をを 行 うことで,推 定 結 果 の 信 頼 性 をを 大 きく 損 なう 可 能 性 があることが 示 唆 された.謝 辞本曓 研 究 は, 平 成 16~18 年 度 科 学 研 究 費 補 助 金 ・ 基 盤 研 究 (A)「 人 口 減 少 ・ 少 子 高 齢 化 時昷 代 における 地 方 都 市 の 双 対 型 都 市 戦 略 に関 する 研 究 ~ 郊 外 からの 計 画 的 撤 退 と 中 心 市 街 地 の 再 構 築 ~」,および 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 の「 土 地 関 係 研 究 者 育 成 支 援 事 業 」の助 成 をを 受 けて 実 施 している.ここに 感 謝 の 意 をを 表 -する.参 考 文 献1) 林 良 嗣 ・ 土 井 健 司 ・ 杉曥 山 郁 夫 : 生 活 質 の 定 量 化 に 基 づく 社 会 資 本曓整 備 の 評 価 に 関 する 研 究 , 土 木曐 学 会 論 文 集 ,No.751/IV-62,55-70,2004.2) 国 土 交 通 省 :イ゜ンルタシヴネヅッセトでつくる 国 土 計 画 ,http://www.kokudokeikaku.go.jp/index.html3) 加 知 範 康 ・ 大 島 茂 ・ 岑 貴 志 ・ 加 藤 博 和 ・ 林 良 嗣 : 余 命 換 算 型 の 生活 環 境 質 指 標 をを 用 いた 居 住 地 評 価 ペデャの 構 築 , 土 木曐 計 画 学 研究 ・ 講 演 集 ,No.31,CD-ROM,2005

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