第 124 回 日 本 森 林 学 会 大 会 プログラム

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第 124 回 日 本 森 林 学 会 大 会 プログラム

T3:気環境変化にともなうの生産性と分布の予測―対流圏オゾンの影響を中心に―

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コーディネーター:北尾光俊(総合研究所)

3月26(13:45~17:45) G

近年,急激な勢いで対流圏(地表面~高度 10 数 km)のオゾン濃度が上昇している。西や中部地方の一部では,顕在化

する衰退と高濃度オゾンとの関連が指摘されてきた。最近では北海道の比較的標高の高い地域においてもダケカンバを中心

に顕著な衰退が報じられ,生育開始時期における高濃度のオゾンの影響が指摘されている。木材生産に 50 年以上の長い期間が

必要とされる樹木の育成と環境資源としてのの持続的利用のためには,野外モニタリングと実験的な研究成果に基礎を

おく予測的な研究が求められている。2007 年の Nature 誌上では,オゾン濃度の上昇によりの CO2 吸収量が最 30%程度

(1900 年~2100 年)も抑制されるという衝撃的な予測がなされ,ドイツで行われた 8 年間にわたる低濃度オゾン付加実験からは,

欧州ブナの成木で梢殺が生じ,樹幹成長量が約 40%も低下していたことが指摘された。

このような背景の元に,衰退地域での野外モニタリング,タワー観測によるレベルのオゾン影響評価,成木や苗木を使

ったオゾン付加実験による生理生化的応答など,これまで行われてきた対流圏オゾンに関する研究を一堂にして現状と展望

を述べる。特筆すべきは,気 CO2 濃度の上昇との複合影響の評価も進んできた点である。高 CO2 条件では気孔は閉鎖気味に

なるので,気孔からのオゾン取り込み量が制限されて,オゾンの影響は軽減されると考えられている。実験的に CO2とオゾンを付加

した研究から,将来予測される高 CO2 環境下でのオゾン濃度上昇が樹木に与える複合影響の評価を試みる。

T4:生物多様性の保全を促進する企業・経済活動

コーディネーター:山浦悠一(北海道院農研究院)・尾崎研一(総合研究所北海道支所)

3月26(13:45~17:45) H

21 世紀は環境の世紀といわれ,資源の搾取から持続可能な利用へと転換が進みつつある。2010 年に 10 生物多様性締

結国議(COP10)が名古屋で開かれ,「生物多様性」という単語の知名度も上がってきた。生物多様性の喪失は人間活動によっ

てもたらされたものであり,人間活動の多くを支える企業等の経済活動は生物多様性の危機にきく関係している。一方で,生物

多様性の喪失がもたらす生態系サービスの劣化は経済活動に影響を及ぼす重なリスクでもある。そのため生物多様性の保全に

は法的な規制や理念だけでなく,企業の取り組みを含む社経済的な活動様式の変更が不可欠であると国際的に認識されてき

ている。環境省も COP10 にあわせて「生物多様性民間参画ガイドライン」を策定し,民間企業による取り組みを促している。しかし,

企業等の取り組みが当に生物多様性の保全につながるのか,生物多様性の保全で経済的な利益は得られるのかといった基

的な点についてもまだまだ不明な点が多い。また,これらについての研究者と現場との議論の場も少ない。民間企業の動向が国

連,中央政府,地方行政の政策と連動しているケースが多いため,枠組みの設定やルールなど,官民の役割分担についての議

論が必要となっている。そこでシンポジウムでは,生物多様性の保全を促進する経済的な仕組みとその動向について政策,経

,生態の立場から研究者の発表を聞くとともに,企業等の現場の取り組みについて発表をお願いする。それらの結果を受

けて,の生物多様性の保全に,企業を含む多くの人々が参加するにはどうすれば良いのかを議論したい。

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