第 124 回 日 本 森 林 学 会 大 会 プログラム

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第 124 回 日 本 森 林 学 会 大 会 プログラム

T13:東震災の津波によって被災した海岸の再生に向けて

コーディネーター:田光祐(山形部)・坂知己(総合研究所)

3月27(9:00~12:00) I

平成 23 年 3 月 11 の東北地方太平洋沖地震で発生した規模な津波によって,東北・関東地方の太平洋側の多くの海岸

がこれまでに例のない甚な被害を受けた。昨年のテーマ別シンポジウムでは,青県から千葉県までの広範囲にわたる様々な

条件での被災海岸を対象に行った調査結果を紹介してもらい,海岸の被害実態と要因の関係や住宅地等の被害を軽減する

効果について整理し,海岸の耐性ならびに被害軽減機能を強化する方策について議論した(田・坂,技術 2012 年 5

月号)。震災から 2 年が経過し,被災地では海岸の再生事業が始まっている。今のシンポジウムでは昨年の議論をふまえ,被

災海岸を再生していく際に課題となっている生残したマツの立ち枯れやマツ材線虫病問題,新植する際の塩害の問題,さらに

のシンポジウムでも論点となった地下水位とマツの根系発達の問題をとりあげて議論を深めたい。さらに,海岸の再生にあ

たっては広葉樹の利用も求められている。そこで,多様な広葉樹のなかでどのような樹種が津波に対して耐性があったのか,広葉

樹類の津波被害の解析や,これまでの海岸域での広葉樹造の実態と課題を整理し,海岸での広葉樹類の活用のあり方を議

論する予定である。

T14:山地流域の水・溶質移動に多な影響を及ぼす山体地下水の実態解明

(31)

コーディネーター:小杉賢一朗(京都院農研究科)

3月27(9:00~12:00) J

従来の水文では,雨水の土層内における浸透や貯留と,それに伴う溶質移動に重きをおいた研究が精力的に行われて

きた。その一方で,雨水の一部が土層-基岩境界面を通過して山体内部に深部浸透することも指摘されてきたが,この成分は単

に水収支上の損失項として扱われ,山地小流域の降雨流出プロセスにおいてそれ以上の影響は及ぼさない,と考えられることが

多かった。しかしながらここ 10 年程の期間に,各地の山地小流域で実施された詳細な水文・水質観測によって,実際の基岩

浸透量はかなり多く,さらに一端基岩浸透した成分が流域内部で土層内に湧出し,ハイドログラフの形状や水質形成に多な影

響を及ぼすことが明らかにされてきている。また,より面積の山地流域からの流出を扱った水文研究でも,降雨流出特性は基

的に基岩地質によって決まっていることや,地形が急峻な山地ほど安定的な基底流出が存在することが指摘されており,山体地下

水の重要性が示されている。しかしながらこれまでの研究は,流出ハイドログラフ,水温,水質,同位体等のデータを基に,山体地

下水の寄与のきさを推定した段階にあり,山体地下水の涵養・貯留・流出プロセスと,それに伴う溶存物質移動の定量化には至

っていない。これは,山体地下水の賦存量,動態,水質等を直接計測した研究が,国内外を問わず,極めて限られているためであ

る。

近年,豪雨や地震に伴う深層崩壊の発生や,山地における湧水の水資源利用に社的な関心が高まるにつれ,急峻な地形を

有する山地流域においても,水文現象の把握を目的としたボーリング調査が実施され始めている。そこでシンポジウムでは,

調査ボーリング孔を用いた山体地下水の水文・水質動態解明に関する最新の研究成果を報告した上で,流出ハイドログラフや水

質の予測手法や,山体地下水の調査手法を含めた,今後の水文研究の方向性について議論を行いたい。

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