報告書参照 - JAIF 日本原子力産業協会

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報告書参照 - JAIF 日本原子力産業協会

量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会

活 動 報 告 書 ( 第 2 期 )

平 成 22 年 12 月

社 団 法 人

日 本 原 子 力 産 業 協 会

量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会




Ⅰ. 協 議 会 設 置 について ........................................................................... 1

1. 設 置 趣 旨 ...................................................................................... 1

2. 構 成 員 ......................................................................................... 1

Ⅱ. 活 動 実 績 .......................................................................................... 3

1. 活 動 実 績 一 覧 ................................................................................ 3

2. 活 動 の 概 要 ................................................................................... 6

1 第 8 回 会 合 .................................................................................... 6

2 第 9 回 会 合 ................................................................................... 11

3 第 10 回 会 合 .................................................................................. 16

4 第 11 回 会 合 .................................................................................. 22

5 原 子 力 委 員 会 ・ 定 例 会 議 にて 報 告 ...................................................... 29


Ⅰ. 協 議 会 設 置 について

1. 設 置 趣 旨

量 子 放 射 線 利 用 に 係 る 普 及 活 動 については、 一 般 市 民 、マスメディア、ユーザー 業 界 な

どに 対 する 情 報 提 供 が 量 的 、 質 的 に 不 足 していることが 旧 来 より 指 摘 されており、 国 をはじ

め 関 係 機 関 でその 対 策 が 進 められているにもかかわらず、 依 然 十 分 な 効 果 が 上 がっている

とは 言 い 難 い。 関 係 各 機 関 の 実 施 している 事 業 には、 例 えばシンポジウムやセミナー、ある

いは 技 術 相 談 会 などが 挙 げられるが、 限 られた 予 算 で 小 規 模 にそれぞれ 個 別 に 実 施 され

ており、それらが 国 内 全 体 として 関 係 機 関 の 意 思 疎 通 が 図 られた 上 で 体 系 的 にプログラム

された 状 態 にはない。このことは、 各 機 関 の 活 動 が 類 似 した 同 様 のイベントに 集 中 化 してし

まい、 社 会 全 体 の 大 局 的 な 視 点 で 必 要 と 思 われる 活 動 が 見 逃 されがちな 状 態 を 作 り 出 して

いるといえる。 例 えば 大 規 模 な 資 金 や 組 織 力 を 要 するもの、 定 量 的 な 統 計 データ 調 査 など、

全 体 としては 必 要 性 が 認 識 されているもののなかなか 実 施 に 至 らない、あるいは 実 施 主 体

が 現 れない、といった 活 動 にもっと 目 を 向 けていくことが 肝 要 である。

このため、 関 係 機 関 が 問 題 意 識 を 共 有 し、 協 力 ・ 協 調 して、それぞれが 戦 略 的 に 事 業 に

取 組 み、 限 られた 社 会 的 経 済 資 源 でより 効 果 的 に 普 及 活 動 を 展 開 させることを 目 的 に、

( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 に「 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 」を 設 置 し、 相 互 の 情 報 交

流 、 連 携 ・ 協 力 を 促 進 することとした。

設 置 期 間 平 成 18 年 8 月 4 日 ~ 平 成 20 年 8 月 31 日 ( 第 1 期 )

平 成 20 年 12 月 1 日 ~ 平 成 22 年 11 月 30 日 ( 第 2 期 )

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1. 構 成 員

( 敬 称 略 ・ 順 不 同 ( 所 属 は 就 任 時 ))

< 座 長 >

勝 村 庸 介 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 国 際 専 攻 教 授

< 構 成 員 >

大 嶋 隆 一 郎 ( 社 ) 大 阪 ニュークリアサイエンス 協 会 専 務 理 事

桑 原 政 昭 ( 財 ) 日 本 原 子 力 文 化 振 興 財 団 事 務 局 次 長

白 川 芳 幸 ( 独 ) 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 企 画 部 企 画 課 長 兼 人 材 育 成 ・ 交 流 課 長

高 倉 吉 久 東 北 原 子 力 懇 談 会 技 術 部 長

竹 内 宣 博 ( 株 ) 千 代 田 テクノル 常 務 取 締 役 ・ 営 業 推 進 本 部 長

田 中 隆 一 NPO 法 人 放 射 線 教 育 フォーラム 理 事

東 ヶ 崎 邦 夫 ( 社 ) 日 本 アイソトープ 協 会 理 事

長 島 章 ( 財 ) 放 射 線 利 用 振 興 協 会 高 崎 事 業 所 長

中 村 清 一 放 射 線 照 射 利 用 促 進 協 議 会 協 議 員

南 波 秀 樹 ( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 高 崎 量 子 応 用 研 究 所 長

量 子 ビーム 応 用 研 究 部 門 副 部 門 長

日 本 放 射 線 化 学 会 会 長

西 村 健 関 西 原 子 力 懇 談 会 副 部 長

野 村 啓 市 北 陸 原 子 力 懇 談 会 技 術 部 次 長

橋 本 武 次 ( 社 ) 茨 城 原 子 力 協 議 会 常 務 理 事

早 川 一 精 中 部 原 子 力 懇 談 会 技 術 部 長

武 藤 利 雄 ( 独 ) 東 京 都 立 産 業 技 術 研 究 センター 駒 沢 支 所 長

本 林 透 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 仁 科 加 速 器 研 究 センター 本 林 重 イオン 核 物 理 研 究 室

主 任 研 究 員 兼 共 用 促 進 ・ 産 業 連 携 部 部 長

渡 辺 宏 ラジエ 工 業 ( 株 ) 常 務 取 締 役

綿 貫 宏 樹 ( 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 原 子 力 部

上 野 山 直 樹 ( 財 ) 医 用 原 子 力 技 術 研 究 振 興 財 団 総 務 部 長


浅 田 浄 江 ウィメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN) 代 表

中 島 達 雄 読 売 新 聞 東 京 本 社 編 集 局 科 学 部 記 者

中 村 雅 人 内 閣 府 政 策 統 括 官 ( 科 学 技 術 政 策 ・イノベーション 担 当 ) 付

参 事 官 ( 原 子 力 担 当 )

髙 谷 浩 樹 文 部 科 学 省 研 究 振 興 局 量 子 放 射 線 研 究 推 進 室 長

以 上 24 名

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Ⅱ. 活 動 実 績

1. 活 動 実 績 一 覧 ( 敬 称 略 )

【 定 例 会 】

1 平 成 20 年 12 月 16 日 ( 火 )13:30~16:30 第 8 回 会 合

「ベンチャー 企 業 の 勧 め

~ 放 射 線 を 利 用 したベンチャー 企 業 設 立 ・ 運 営 の 課 題 と 将 来 展 望 ~」

講 演 者 :( 株 ) 環 境 浄 化 研 究 所 社 長 須 郷 高 信

「 先 端 技 術 だけではベンチャーは 成 功 しない~ベンチャー 支 援 とは 何 か?~」

講 演 者 :( 株 ) 大 和 総 研 経 営 コンサルティング 部 次 長 シニアコンサルタント 土 屋 秀 文

配 布 資 料 :

(1) 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 第 8 回 会 合 議 事 次 第

(2)「ベンチャー 企 業 の 勧 め~ 放 射 線 を 利 用 したベンチャー 企 業 設 立 ・ 運 営 の 課 題 と 将 来 展

望 ~」 講 演 資 料

(3)「 先 端 技 術 だけではベンチャーは 成 功 しない~ベンチャー 支 援 とは 何 か?~」 講 演 資 料

(4)「 量 子 放 射 線 協 議 会 での 次 回 以 降 の 会 合 の 議 題 テーマ( 案 )」

・ 「 第 18 回 放 射 線 利 用 総 合 シンポジウム」 案 内 (ONSA)

・ 「JAPI 平 成 20 年 度 第 2 回 大 会 のご 案 内 」、「JAPI 機 関 紙 10 月 号 、12 月 号 」(JAPI)

・ 「 社 会 に 役 立 つ 加 速 器 」(JEMA)

・ 第 44 回 RI・ 放 射 線 利 用 促 進 セミナー 開 催 のご 案 内 ( 中 原 懇 )

・ 原 子 力 文 化 10 月 号

・ 放 射 線 教 育 フォーラムニュースレターNo.42

・ 医 用 原 子 力 だより 第 8 号

2 平 成 21 年 6 月 8 日 ( 月 )13:30~16:30 第 9 回 会 合

「 一 般 市 民 への 放 射 線 啓 蒙 活 動 の 経 験 を 踏 まえて」

講 演 者 : 医 学 博 士 田 邉 裕 ( 日 本 原 燃 ( 株 ) 安 全 技 術 室 部 長 )

配 布 資 料 :

(1) 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 第 9 回 会 合 議 事 次 第

(2) 量 子 放 射 線 協 議 会 での 次 回 以 降 の 会 合 の 議 題 テーマ( 案 )

・ 平 成 21 年 度 の 研 究 会 等 企 画 (ONSA)

・ 「JAPI 平 成 21 年 度 第 1 回 大 会 のご 案 内 」、「JAPI 機 関 紙 4 月 号 、6 月 号 」(JAPI)

・ 平 成 21 年 度 近 畿 大 学 原 子 炉 実 験 ・ 研 修 会 について(JAIF)

・ News Release「 加 速 器 に 関 する 教 育 関 係 者 の 意 識 とメーカの 人 材 確 保 に 関 する 調 査 報

告 書 」 発 行 について、 同 報 告 書 概 要 版 (JEMA)

・ 平 成 21 年 度 「エネルギー・ 環 境 研 究 会 」について( 中 原 懇 )

・ 学 習 指 導 要 領 に 基 づいた 放 射 線 等 の 取 り 扱 いに 関 する 考 察 ( 放 射 線 教 育 フォーラム・ 田 中

隆 一 )

3


3 平 成 21 年 11 月 17 日 ( 火 )13:30~16:30 第 10 回 会 合

「 大 洗 町 の 原 子 力 ・エネルギー 教 育 への 取 り 組 み」について

講 演 者 : 大 洗 町 立 磯 浜 小 学 校 校 長 森 保

大 洗 町 立 夏 海 小 学 校 教 諭 田 山 淳 子

大 洗 町 教 育 委 員 会 教 育 次 長 兼 学 校 教 育 課 長 藤 本 弘 幸

配 布 資 料 :

(1) 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 第 10 回 会 合 議 事 次 第

(2) 大 洗 町 の 原 子 力 ・エネルギー 教 育 への 取 り 組 み

(3) 量 子 放 射 線 協 議 会 での 次 回 以 降 の 会 合 の 議 題 テーマ( 案 )

・ 「 第 26 回 みんなの 暮 らしと 放 射 線 展 」 報 告 (ONSA)

・ 第 19 回 放 射 線 利 用 総 合 シンポジウム(ONSA)

・ 「JAPI 機 関 紙 8 月 号 、10 月 号 」(JAPI)

・ 原 子 力 文 化 ( 原 文 振 )

・ 第 4 回 放 射 線 教 育 セミナー・ 実 施 結 果 ( 関 原 懇 )

・ ( 独 ) 東 京 都 立 産 業 技 術 研 究 センター 平 成 23 年 度 移 転 ( 都 産 技 研 )

・ 第 6 回 医 用 原 子 力 技 術 振 興 財 団 講 演 会 ( 医 用 財 団 )

・ ガッテン! 食 品 照 射 (JAIF)

4 平 成 22 年 6 月 15 日 ( 火 )13:30~16:30 第 11 回 会 合

「 医 療 用 アイソトープ 原 料 の 安 定 供 給 にかかる 現 状 と 取 り 組 むべき 対 応 」

講 演 者 :( 社 ) 日 本 アイソトープ 協 会 常 務 理 事 井 戸 達 雄

「 材 料 試 験 炉 JMTRを 用 いたモリブデン99の 国 産 化 検 討 」

講 演 者 :( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 大 洗 研 究 開 発 センター 長 河 村 弘

「テクネチウム 製 品 供 給 問 題 の 現 状 と 解 決 に 向 けた 方 向 性 について」

講 演 者 : 横 浜 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 放 射 線 医 学 教 授 井 上 登 美 夫

配 布 資 料 :

(1) 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 第 11 回 会 合 議 事 次 第

(2) 医 療 用 アイソトープ 原 料 の 安 定 供 給 にかかる 現 状 と 取 り 組 むべき 対 応

(3) 材 料 試 験 炉 (JMTR)を 用 いたモリブデン‐99 の 国 産 化 に 向 けた 検 討

(4) 量 子 放 射 線 利 用 普 及 連 絡 協 議 会 の 今 後 の 活 動 ・ 議 題 テーマ( 案 )

・ 平 成 22 年 度 の 研 究 会 等 企 画 、 第 42 回 放 射 線 科 学 研 究 会 ・ 開 催 案 内 (ONSA)

・ 平 成 22 年 度 第 1 回 講 演 会 開 催 案 内 (JAPI)、JAPI ニューズレター(4・6 月 号 )

・ 平 成 22 年 度 「エネルギー・ 環 境 研 究 会 」 開 催 案 内 ( 中 原 懇 )

・ 原 子 力 eye【 特 集 : 放 射 性 同 位 元 素 の 安 定 供 給 に 向 けた 現 状 と 課 題 】(2009.7 月 号 )

・ Living and Radiation (WEN)

・ 原 子 力 科 学 館 パンフレット( 茨 原 協 )

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・ 「お 得 !なっ 得 !トークパーティ」プログラム、ルミナス2010 年 3 月 ( 関 原 懇 )

・ ( 独 ) 東 京 都 立 産 業 技 術 研 究 センター 新 本 部 平 成 23 年 度 ・ 開 設 案 内 ( 都 産 技 研 )

【その 他 】

5 平 成 22 年 2 月 23 日 ( 火 )9:45~12:00 原 子 力 委 員 会 ( 第 8 回 会 合 )にて 報 告

※ 第 8 回 原 子 力 委 員 会 定 例 会 議 の 議 題 (3)として、 原 子 力 政 策 大 綱 の 政 策 評 価 「 放 射 線 利

用 」に 係 る 関 係 機 関 ヒアリング(( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 ) 対 応 として、「 放 射 線 利 用 に 関

する 産 業 界 の 現 状 と 課 題 」について 本 協 議 会 メンバーを 中 心 に 意 見 を 募 集 ・ 収 集 を 実 施 し、

報 告 した。

「( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 における 放 射 線 利 用 に 関 する 活 動 について」

「 放 射 線 利 用 に 関 する 産 業 界 の 現 状 と 課 題 」

・ 勝 村 庸 介 本 協 議 会 ・ 座 長 、 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 国 際 専 攻 教 授

・ 渡 辺 宏 ラジエ 工 業 ( 株 ) 常 務 取 締 役

・ 芦 澤 和 浩 ( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 政 策 推 進 部 マネージャー

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2. 活 動 の 概 要

1 第 8 回 会 合

(1)「ベンチャー 企 業 の 勧 め

~ 放 射 線 を 利 用 したベンチャー 企 業 設 立 ・ 運 営 の 課 題 と 将 来 展 望 ~」

( 株 ) 環 境 浄 化 研 究 所 社 長 須 郷 高 信 氏

ベンチャーに 従 事 する 前 は 大 企 業 への 技 術 移 転 を 経 験 していた。 例 えば、 時 計 用 のボ

タン 電 池 の 超 寿 命 化 のための 技 術 移 転 、 半 導 体 製 造 用 の 超 クリーンルーム 化 のための 技

術 、 半 導 体 洗 浄 用 の 超 純 水 製 造 技 術 などである。

自 らがベンチャー 企 業 を 立 ち 上 げるときに、 放 射 線 グラフト 重 合 技 術 を「 暮 らしに 役 立 つ

放 射 線 」というキーワードで 使 えないかを 探 り、 高 齢 化 社 会 に 適 応 した 生 活 福 祉 関 係 製 品 に

適 用 することとした。 最 初 に 老 人 ホーム 向 けの 消 臭 カーテンと 消 臭 シーツに 適 用 し、その 後

各 種 の 介 護 関 係 の 製 品 を 製 造 し、 大 手 デパートの 介 護 コーナーにて 販 売 している。このほ

かにも、 消 臭 効 果 が 必 要 なタオル、シャツ、パンツ、マフラー、レオタードなどの 繊 維 製 品 、

各 種 用 途 別 の 消 臭 スプレー、 料 理 業 界 向 けにハンドソープ、 室 内 消 臭 器 など 多 種 用 途 の

製 品 を 販 売 している。 別 の 用 途 として、 放 射 線 グラフト 重 合 技 術 を 応 用 しての 細 菌 やウイル

スに 対 して 殺 菌 効 果 があるヨウ 素 錯 体 をフィルタ 素 材 に 固 定 化 し、 風 邪 対 策 マスクとして 有

効 な 製 品 として 実 用 化 している。 大 手 企 業 が 手 を 出 さないニッチな 分 野 で 多 種 用 途 の 製 品

を 出 している。ベンチャー 企 業 の 利 点 は 小 回 りが 利 くために、 直 ぐに 対 応 できることである。

製 造 については 協 力 工 場 に 製 造 委 託 をしている。 最 初 の 原 糸 製 造 では、 群 馬 桐 生 市 で

使 用 されていなかった 染 色 用 機 械 を 改 造 して、 製 造 を 開 始 した。 退 職 していた 従 業 員 に 再

度 製 造 に 従 事 してもらい、 染 色 技 術 と 放 射 線 グラフト 重 合 を 組 み 合 わせて、 大 資 本 を 投 入

することなく 製 造 設 備 を 準 備 し、 大 量 生 産 に 適 用 できるようにした。 現 在 、 協 力 会 社 との 関 係

で 製 造 してもらっている。 不 良 品 を 出 したら、 製 造 企 業 側 で 納 期 に 間 に 合 うように 製 造 しても

らい、 不 良 品 に 対 しての 支 払 いはしないことにしているため、 各 製 造 会 社 の 社 長 は、 不 良 品

を 出 さないように 検 査 を 厳 しくしており、その 結 果 製 品 として 今 まで 不 良 品 は 出 していない。

店 頭 販 売 の 経 験 で、 奥 様 方 は 放 射 線 に 対 する 認 識 度 が 極 めて 低 い。 測 定 器 による 照 射

後 繊 維 に 残 留 放 射 能 がないことを 実 演 し、 放 射 線 照 射 の 原 理 や 作 用 を 根 気 よく 説 明 するこ

とによって、 害 がないことが 解 ると 消 臭 機 能 が 優 れた 製 品 として 購 入 されていく。 大 手 ランジ

ェリーメーカに 対 しても、 動 物 実 験 結 果 データを 提 示 することによって、 安 全 性 を 理 解 しても

らい 製 品 化 につなげることができた。 放 射 線 理 解 活 動 には、 時 間 をかけて 理 解 されるように

説 明 をしていくこと、 理 論 的 な 広 報 ではなく、 実 感 できる 広 報 が 必 要 ではないか。 原 子 力 広

報 などでボールペンなどを 記 念 品 として 渡 すのではなく、 放 射 線 を 利 用 した 消 臭 剤 を 渡 して

使 ってもらうことも、 放 射 線 理 解 活 動 に 繋 がるのではないか。

ベンチャーの 生 き 方 としてあまり 大 きくする 必 要 はない。ベンチャーは 自 分 の 考 えで 動 け

るようにする。 大 きくするときに 大 手 企 業 に 買 収 されてしまう。 銀 行 からの 融 資 は 発 言 権 のな

いように 10% 以 下 にしている。また、ドイツの 会 社 が 会 社 を 買 いに 来 たが 税 金 で 作 った 会 社

なので 売 れないと 断 った。 身 の 丈 を 忘 れないように、 柔 軟 性 を 忘 れないようにすることがベン

チャーの 生 き 残 り 術 である。 生 き 延 びることがベンチャーの 基 礎 と 思 う。 生 き 残 ってからゆっく

り 考 えればいい。

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今 後 は 放 射 線 グラフト 重 合 技 術 の 応 用 として、 工 業 廃 水 や 汚 染 土 壌 、 鉱 山 廃 水 中 の 重

金 属 分 離 など、 環 境 浄 化 技 術 に 寄 与 していく。

【 主 な 質 疑 応 答 】

Q: 通 販 生 活 に 出 されているとのことですが、 通 販 生 活 は 反 原 発 ではないですか。

A: 通 販 生 活 の 今 月 号 は 反 原 発 で 六 ヶ 所 のことを 掲 載 している。 通 販 生 活 No.2の 人 との 個

人 的 付 き 合 いがある。その 人 と 話 しをとことんして、 理 解 してもらっている。 時 間 ですからこ

れで 説 明 を 終 わりますではいけない。 原 子 力 が 反 対 であっても 有 効 なものは 有 効 である

と 理 解 してもらえるのではないか。 原 発 と 放 射 線 有 効 利 用 とは 違 うのか。ものを 見 ることか

ら 理 解 が 得 られるのか。 見 えないものは 怖 いから 反 対 するのか。その 辺 の 心 理 を 原 子 力

発 電 所 関 係 者 は 分 析 する 必 要 があるのではないか。 放 射 線 が 残 っていなくてこんなに 効

用 があると 説 明 して 納 得 してもらい、 通 販 生 活 で 販 売 している。

Q: 企 業 が 物 を 売 るときの 宣 伝 の 中 には 放 射 線 を 入 れないのではないか。

A:グラフト 重 合 は 入 っている。 原 子 力 研 究 所 の 基 礎 研 究 技 術 を 利 用 していることは 入 れて

いる。

C: 放 射 線 の 工 業 利 用 はほとんど 知 られていない。このような 技 術 が 知 られることによって 大

きな 宣 伝 になる。

A: 店 頭 販 売 時 に 放 射 線 を 利 用 していても 放 射 線 測 定 装 置 で 放 射 線 が 残 っていないことを

見 せ、 他 の 製 品 との 性 能 比 較 を 見 せることによって、 主 婦 の 方 々に 製 品 として 受 け 入 れら

れている。 一 部 の 反 対 者 も、 皆 がいるところでは 説 明 を 受 け 入 れることは 難 しいが、 個 別

に 説 明 することによって 受 け 入 れられる。 実 感 するよりほかに 手 はないのではないか、ア

カデミックな 話 をするのではなく。 理 論 的 な 広 報 ではなく、 実 感 できる 広 報 が 必 要 ではな

いか。

Q: 製 品 化 は 自 分 からの 提 案 と 他 からの 提 案 とどちらが 多 いですか。

A:アンテナを 広 くしてひらめいたアイデアをピンポイントに 絞 って 売 り 込 んだ 製 品 の 方 が 多

いです。

Q:JAEA のベンチャー 制 度 は 今 も 残 っているのですか。どういう 発 想 でどうゆう 風 に 作 られた

のですか。

A: 国 として、ベンチャーを 立 ち 上 げていくことが 重 要 であるという 状 況 下 でベンチャー 支 援

制 度 を 作 り、ベンチャー 企 業 を 起 こしたい 研 究 者 を 支 援 するとの 意 図 であった。 他 の 研

究 機 関 は 特 許 のライセンス 契 約 を 目 指 していくところが 多 かった。

(2)「 先 端 技 術 だけではベンチャーは 成 功 しない~ベンチャー 支 援 とは 何 か?~」

( 株 ) 大 和 総 研 経 営 コンサルティング 部 次 長 ・シニアコンサルタント 土 屋 秀 文 氏

文 科 省 や 経 産 省 は 大 学 や 研 究 所 の 近 くに 立 派 なインキュベーション 施 設 を 多 く 作 ったが、

株 式 公 開 (IPO)が 可 能 な 水 準 まで 成 長 したベンチャーはほとんど 見 られない。ベンチャーを

起 業 したサイエンティストやエンジニアの 多 くは、 経 営 に 関 する 経 験 や 知 識 に 乏 しい。 投 資

家 は、 優 れた 技 術 であってもリスクに 見 合 うリターンがあるとの 判 断 ができないと 投 資 しない。

投 資 の 判 断 の 材 料 として、 事 業 計 画 書 や 試 作 品 は 必 須 である。また、 投 資 家 は、 研 究 型 大

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学 や 有 力 公 的 研 究 機 関 など 多 額 の 研 究 費 で 研 究 を 行 っているところから、 先 端 技 術 、 革 新

的 技 術 が 誕 生 すると 考 え、 日 頃 から 注 目 している。また、 近 年 、 文 科 省 も 優 れた 研 究 実 績 の

ある 有 力 研 究 機 関 に 対 して 重 点 的 に 研 究 費 を 付 けているが、 米 国 では 研 究 成 果 の 効 果 を

明 確 に 説 明 できないと 研 究 費 が 集 まらず、 優 れた 技 術 を 持 った 人 でもプレゼンテーション 能

力 がないと 評 価 されにくい。このため、 一 般 的 に 米 国 の 研 究 者 のほうが 第 三 者 に 対 する 説

明 能 力 が 高 いと 考 えられる。

日 本 では、ほとんどのベンチャーが、 数 年 もすると 企 業 として 成 立 していない 状 態 になっ

ている。 例 えば、ホームページが 1 年 以 上 も 更 新 されず 放 置 されるなど 経 営 が 放 棄 されてい

るような 休 眠 状 態 のベンチャーが 多 数 ある。 先 端 技 術 を 利 用 したベンチャーであっても、そ

の 多 くは、マーケットニーズを 把 握 せず、 収 益 を 考 えないで、 独 りよがりの 商 品 を 作 るなどし、

利 益 が 出 ず、 従 業 員 を 雇 えなくなり、 事 業 が 存 続 できなくなっている。 先 端 技 術 だけではベ

ンチャーは 成 功 しないのである。 弁 理 士 ( 特 許 事 務 所 )の 中 には、 優 秀 な 技 術 は 特 許 さえ 取

れればお 金 になると 言 っている 人 がいるが、そうではない。せっかく、 特 許 を 取 得 しても 誰 に

も 使 われず、 死 蔵 することになりがちである。また、 技 術 は 利 用 するひとによってその 価 値 が

大 きく 異 なるため 一 物 一 価 が 成 立 しないことが 多 く、 優 れた 技 術 だから 高 額 のライセンス 料

を 設 定 できると 考 えても、 利 用 者 側 との 折 り 合 いがつかないことも 多 い。

日 本 では 株 式 公 開 (IPO) 可 能 な 水 準 まで 成 長 するベンチャーは 少 ない。 例 えば、 厳 密

にはベンチャーではないが 日 本 の 大 企 業 が 中 心 となって 人 工 衛 星 を 利 用 した 移 動 体 向 け

の 放 送 事 業 を 運 営 していた。 技 術 的 には 先 端 の 優 れたものであったが 市 場 ニーズを 捉 える

ことに 失 敗 し、 事 業 撤 退 となった。また、 大 手 メーカー 出 身 者 が 動 画 配 信 のための 圧 縮 技 術

を 利 用 したオンデマンドTV 事 業 のベンチャーを 始 めた。 画 像 圧 縮 および 配 信 の 技 術 は 優

れたものであったため、 技 術 提 携 を 望 む 大 手 企 業 が 多 数 登 場 したものの、 自 社 で 独 自 に 事

業 拡 大 する 路 線 に 固 執 する 間 に、 大 手 企 業 が 他 の 技 術 を 開 発 して 同 分 野 に 参 入 し、 失 敗

した 例 もある。ベンチャーを 存 続 させるための1つの 方 法 として、 自 分 で 全 部 をやるのではな

く、 業 務 の 一 部 を 外 部 に 委 託 することも 必 要 である。

公 的 研 究 機 関 の 中 には、お 役 所 的 な 発 想 で、「 税 金 を 使 った 研 究 成 果 を、 特 定 企 業 の

利 益 のために 使 うのはいかがなものか? 特 定 のベンチャーを 設 けるのはいかがなものか?」

との 話 をされるところもあるが、そうなると 営 利 を 目 的 とする 民 間 企 業 からの 投 資 は 難 しい。

民 間 企 業 は 可 能 な 限 り 独 占 して 利 益 を 確 保 しようとするものである。 民 間 企 業 は、 優 れた 商

品 やサービスを 提 供 することや、そこから 得 られた 適 正 な 利 益 から 税 金 を 払 うことで 社 会 に

貢 献 している。また、 投 資 ファンドなどの 機 関 投 資 家 には 社 内 の 投 資 審 査 機 関 として 投 資 委

員 会 がある。そこで、 事 業 の 成 長 性 が 評 価 されないと 投 資 できない。 銀 行 からの 融 資 や 機

関 投 資 家 からの 投 資 を 受 けようとするときには、 技 術 ・ノウハウが 優 れているかの 説 明 だけで

なく、 消 費 者 のニーズ 予 測 や、 客 観 的 な 事 業 計 画 書 が 必 要 である。 機 関 投 資 家 は 投 資 した

資 金 とリスクに 見 合 う 利 益 を 獲 得 することが 必 要 となるため、5 年 、10 年 先 に 上 場 や 企 業 売

却 などによって 投 資 したお 金 が 戻 ってくるスキームが 入 った 事 業 計 画 が 必 要 となる。

投 資 家 がベンチャーを 評 価 する 際 の 重 要 ポイントとして、1ひと( 人 材 )、2もの(コア 技

術 )、3お 金 ( 資 金 )が 挙 げられる。 投 資 家 は、 資 金 が 不 足 していても 人 材 と 技 術 が 優 れて

いると 判 断 した 場 合 は 何 とかしようとする。 現 時 点 で 赤 字 経 営 か 否 かは 必 ずしも 問 題 とはな

らない。 例 えば、5 年 後 とかに 黒 字 になるスキームがあれば 問 題 ない。どうすれば 上 手 く 行 く

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かが 解 る 会 社 に 投 資 する。 有 力 な 大 学 や 研 究 所 での 研 究 は、そうでないところの 研 究 より、

ベンチャーの 起 業 につながる 研 究 成 果 となる 可 能 性 が 高 いと 考 えられる。 優 れた 技 術 があ

れば、 投 資 家 から 企 業 化 に 向 けた 勧 誘 をすることもあるが、ベンチャーに 対 して 投 資 をして

もらうには、 少 なくとも5 年 、10 年 先 にはキャッシュフローを 生 み 出 して、リスクに 見 合 うリター

ンの 回 収 が 期 待 できることが 必 要 である。

急 成 長 が 期 待 できるベンチャーのビジネスモデルとして、 高 い 市 場 ニーズがある( 又 は 見

込 まれる) 商 品 かサービスであることを 前 提 に、1ベンチャーの 限 られたリソースを 有 効 活 用

した 事 業 であって、2 技 術 やノウハウの 独 自 性 が 高 く 真 似 をされにくく、3 大 手 企 業 から 見

て 市 場 規 模 が 小 さい 隙 間 市 場 (ニッチ 市 場 )への 参 入 が 挙 げられる。 銀 行 からの 融 資 では、

安 全 ・ 確 実 な 回 収 が 求 められる 資 金 という 性 格 上 、マーケットに 関 する 統 計 データなどが 存

在 することが 求 められるが、そもそもマーケットの 統 計 データがある 分 野 は、 既 に 市 場 に 参

入 する 大 手 企 業 が 存 在 し、ベンチャーの 新 規 参 入 の 余 地 は 少 ないことが 多 い(ベンチャー

が 参 入 する 新 しい 分 野 では、そもそもマーケットに 関 する 統 計 データなどがないことが 多 い)。

投 資 ファンドや 証 券 会 社 系 の 機 関 投 資 家 は、リスクマネーの 提 供 に 馴 れているため、マーケ

ットに 関 する 統 計 データがなくても、マーケットニーズがあることを 予 測 できれば 投 資 する 可

能 性 はある。ベンチャーでは 全 てがそろっているとは 限 らない。アウトソーシング( 製 造 委 託 、

ライセンス 契 約 等 )することで、 何 でもかんでも 自 分 でやるようなことはしないことである。また、

市 場 規 模 が 大 きい 産 業 では、 技 術 で 先 行 していても 大 手 企 業 がキャッチアップして 来 る 可

能 性 が 高 く、 対 抗 することも 難 しい。そこで、( 大 手 企 業 が 参 入 しにくい) 市 場 規 模 が 小 さいニ

ッチ 分 野 のビジネスを 始 めることも 一 手 である。

アメリカと 日 本 のベンチャーの 起 業 数 の 違 いは、 社 会 環 境 の 相 違 がその 一 因 である。 例

えば、アメリカでは、プロフェッショナルの 人 材 が 転 職 することはあたり 前 の 社 会 である。これ

に 対 して、 日 本 では、 一 流 大 学 出 身 の 技 術 者 は 大 手 企 業 に 入 り、ベンチャーには 目 を 向 け

ない。 大 手 企 業 に 就 職 すれば 生 涯 賃 金 の 推 定 ができる。また、アメリカではベンチャーで 失

敗 しても 大 手 企 業 に 戻 ることもできるが、 日 本 では 一 度 大 手 企 業 を 辞 めると 大 手 企 業 に 戻 る

ことは 困 難 である。さらに、アメリカでは 税 金 を 使 った 研 究 成 果 は 社 会 に 還 元 するとの 考 えが

あるが、 日 本 の 研 究 者 は、 研 究 費 は 国 が 支 給 してくれるものとの 考 えているものの、 税 金 を

使 った 研 究 成 果 を 社 会 還 元 する 意 識 は 相 対 的 に 低 いレベルにある。

米 国 で 放 射 線 ベンチャーの 起 業 が 盛 んなのに 対 して、 日 本 ではそうなっていない 理 由 は

不 明 である。ただ、アメリカで 医 療 系 のベンチャーが 盛 んな 要 因 の 一 つとして、アメリカが 訴

訟 社 会 であることが 考 えられる。 例 えば、 米 国 では 医 療 事 故 があると 莫 大 な 賠 償 を 求 められ

るため、 多 くの 大 手 製 薬 会 社 がベンチャーに 医 薬 品 開 発 をさせるなど、 損 害 賠 償 リスクを 軽

減 する 仕 組 みにベンチャーを 利 用 している。さらに、アメリカの 医 師 養 成 システムは 日 本 と 異

なり、 一 般 大 学 ( 学 士 課 程 )を 卒 業 した 後 に、 大 学 院 相 当 のメディカルスクール( 医 学 校 )に 進

学 する 仕 組 みとなっている。このため、 工 学 や 理 学 など 様 々なバックグラウンドを 持 った 人 が

集 まっており、ベンチャーを 起 業 しやすい 環 境 になっていることも 考 えられる。

客 観 的 なデータに 基 づく 事 業 計 画 と 試 作 品 がないと、 投 資 家 はベンチャーの 事 業 の 成

長 性 に 関 する 判 断 ができず、ベンチャーに 必 要 な 資 金 調 達 は 難 しいであろう。 投 資 家 に 評

価 されるベンチャーになることで、 資 金 を 集 め、 商 品 やサービスを 提 供 することで、 人 びとの

生 活 を 豊 かにするなどし、 研 究 成 果 を 社 会 に 還 元 することが 必 要 である。 公 的 研 究 機 関 の

9


研 究 成 果 を 利 用 したベンチャーを 活 性 化 するには、 投 資 するベンチャーの 数 を 競 うのでは

なく、 特 定 の 伸 びそうなベンチャーに 集 中 投 資 するほうが 効 果 的 ではないだろうか。また、 一

般 論 としてサイエンティストやエンジニアがベンチャーを 経 営 するのは 難 しく、そこを 補 うよう

な 仕 組 みも 必 要 である。 研 究 成 果 を 社 会 に 還 元 するには、 株 式 公 開 が 可 能 な 水 準 まで 成

長 が 期 待 できる 有 望 なベンチャーを 作 っていくことが 望 まれる。このため、ベンチャーに 必 要

なリソースを 十 分 に 投 入 できる 体 制 を 構 築 することが 大 切 である。

【 主 な 質 疑 応 答 】

Q:ベンチャーを 立 ち 上 げていく 段 階 で、アメリカのエンジェルのような 人 が 日 本 にはいない

ので、 公 的 な 銀 行 や 証 券 会 社 がエンジェルの 代 わりになることしかないのでしょうか。

A 金 融 機 関 は 融 資 や 投 資 するときに 社 内 の 審 査 を 経 る 必 要 がある。 特 に、 上 場 している 銀

行 や 証 券 会 社 系 の 投 資 会 社 は 自 社 の 株 主 などステークホルダーに 対 する 説 明 責 任 が

大 きく、 投 資 の 審 査 規 準 が 厳 しい。わけのわからないベンチャーへ 投 資 する 事 は 不 可 能

な 状 況 である。また、 米 国 ではよくわからないベンチャーに 多 額 の 資 金 を 投 資 する 個 人

のスーパー 金 持 ちが 存 在 するが、 日 本 では 累 進 課 税 が 厳 しいことなどからスーパー 金 持

ちはほとんど 存 在 せず、スーパー 金 持 ちによる 個 人 投 資 の 可 能 性 はないに 等 しい。この

ため、 国 が 政 策 を 実 施 して 投 資 しやすい 環 境 を 整 えないと、ベンチャーへの 投 資 は 増 え

ないであろう。

C: 一 般 論 であるが、 銀 行 系 の 投 資 会 社 はベンチャーへの 投 資 においても 融 資 と 同 様 の 考

えが 強 く、 安 全 ・ 確 実 な 投 資 先 にしか 投 資 しない 傾 向 にある。また、 証 券 会 社 系 の 投 資

会 社 は、 銀 行 系 よりもある 程 度 の 投 資 リスクがあっても 大 きなキャピタルゲインが 期 待 でき

るハイリターンの 投 資 を 好 む 傾 向 がある。このため、リスクに 見 合 うリターンの 回 収 をより 確

実 にするため、 投 資 先 に 資 金 提 供 するだけでなく、 人 材 も 派 遣 するなど、より 深 く 関 与 す

る 形 でベンチャーへ 投 資 する 傾 向 がある。

Q: 日 本 は 客 観 的 な 評 価 ができるような 社 会 ではないのではないか。 個 人 として 評 価 ができ

る 人 が 投 資 しないといけないのではないか。

A:ベンチャーの 起 業 数 を 競 うのではなく、 研 究 成 果 を 社 会 に 還 元 できたと 言 える 有 望 なベ

ンチャー( 株 式 公 開 が 可 能 な 水 準 まで 成 長 )をいかに 作 り 出 したのかをという 観 点 からの

評 価 が 必 要 ではないかと 思 う。

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2 第 9 回 会 合

「 一 般 市 民 への 放 射 線 啓 蒙 活 動 の 経 験 を 踏 まえて」

医 学 博 士 田 邉 裕 氏 ( 日 本 原 燃 ( 株 ) 放 射 線 管 理 部 部 長 )

【 講 演 概 要 】

これまでの 原 子 力 広 報 は、「 原 子 力 発 電 」の 話 に 偏 りすぎていた。 原 子 力 のエネルギー 利 用 よ

りも、 放 射 線 利 用 の 方 が、 多 岐 にわたって 身 近 に 存 在 するが、 一 般 の 人 には、あまり 知 られて

いない。また、 今 まで 原 子 力 産 業 界 は、 発 電 所 や 再 処 理 工 場 の 安 全 性 についてのみ 熱 心 に

説 明 していたが、 事 業 者 が 自 身 の 発 電 所 や 再 処 理 工 場 について「 安 全 」と 言 えば 言 うほど、 住

民 からは 怪 しまれる。もっと、 違 う 切 り 口 から 入 っていかないと、 一 般 の 人 には 受 け 入 れられな

いと 考 え、 独 自 に 戦 略 を 立 て、 様 々な 視 点 からのアプローチにより、「 放 射 線 」に 対 する 嫌 悪 感

をなくし、「 原 子 力 」や「 放 射 線 」がこんなにも 身 近 に 役 に 立 っている 天 使 のような 存 在 と 理 解 し

てもらえるような 啓 蒙 活 動 をしている。 一 般 の 方 に 話 す 際 に 重 要 な 点 は、 主 に 以 下 の3 点 。1

切 り 口 は、 聴 衆 の 興 味 深 い 話 や 地 域 に 密 着 した 話 題 を 取 り 上 げる。2どんな 物 にも「 適 量 」が

あり、「 適 量 」がどの 程 度 であるかを 理 解 してもらう。3 放 射 線 測 定 器 で 実 際 に「 測 る」ことが 理

解 への 最 も 近 道 である。 今 後 は、このような 活 動 を 原 子 力 関 係 施 設 の 立 地 地 域 のみではなく

全 国 版 で 広 げていくことが 重 要 であり、 呼 んでいただければ、どこにでも 行 き 講 演 したい、との

こと。

【 講 演 内 容 】

日 本 原 燃 では、 再 処 理 工 場 の 円 滑 な 操 業 のためには、 青 森 県 民 の「 放 射 線 」に 対 する 理 解 が

必 要 不 可 欠 と 考 えている。 地 元 では、ほとんどの 人 が 地 方 版 の 新 聞 を 読 んでおり、ちょっとした

トラブルでも 大 きく 取 り 上 げられる。 日 本 原 燃 では、 再 処 理 工 場 のアクティブ 試 験 開 始 に 備 え

て 4~5 年 前 くらいから、「くらしと 放 射 線 」や「エネルギー」の 話 を 県 内 各 地 で 大 々 的 にしてい

る。

先 ず、 現 在 、 私 が 直 接 講 師 として 実 施 しているイベントの 主 旨 や 目 的 、 内 容 などとともに、 参 加

者 のアンケート 調 査 結 果 を 紹 介 する。「げんねんECOスクール」では、 第 1 部 として「 放 射 線 」

の 分 野 について 毎 回 テーマを 変 えて、 第 2 部 はカルチャー 講 座 として 一 般 公 募 で 実 施 してお

り、 私 は 第 1 部 の「 放 射 線 」の 分 野 を 担 当 している。 平 成 20 年 度 分 の 演 題 名 (12 テーマ)とそれ

ぞれの 訴 求 点 を 紹 介 後 、 毎 月 使 用 したパワーポイントをお 見 せしながら 話 のポイントを 順 次 紹

介 する。

なお、パワーポイントの 中 身 はほとんど 活 字 のない 写 真 ( 一 部 、 図 表 を 含 む)で、 話 を 聞 くだけ

で 理 解 できなければ 一 般 の 方 々には 難 しすぎて 理 解 できない 講 話 だと 考 え、 基 本 的 には 参 加

者 に 資 料 は 配 布 していない。

「げんねんECOスクール」はリピーターも 結 構 多 いので、 毎 回 テーマを 変 えて 実 施 しているが、

放 射 線 の 一 般 の 方 々への 理 解 に 最 も 効 果 的 な 方 法 は、 参 加 者 各 人 にて 実 際 に 身 の 回 りにあ

る 放 射 線 を 測 定 してもらい、 肌 で 感 じてもらうことであることが、これまでの 経 験 で 分 かっている。

したがって、 毎 回 、 与 えられた1 時 間 のうち 10~15 分 は 放 射 線 の 測 定 に 当 てるようにしている。

「 悪 魔 の 放 射 線 」の 第 6 章 のような 内 容 にすると1 時 間 でも 不 足 するので、 年 に1 回 は 測 定 のみ

の 講 座 にしている。

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「げんねんECOスクール」のねらいは、1 日 頃 「 原 子 力 」や「 放 射 線 」に 関 心 の 薄 い 女 性 層 をタ

ーゲットに、2「 放 射 線 」は 特 別 なものではなく、 身 近 なものと 感 じてもらうために、3また、それ

をもって、 原 子 燃 料 サイクル 事 業 の 重 要 性 や 様 々な 環 境 問 題 への 関 心 を 深 めてもらうことであ

る。 話 は、 主 に「 原 子 力 」とは 関 係 ない 話 をすべきであり、( 再 処 理 ) 工 場 の 事 業 者 が「( 再 処 理 )

工 場 は 安 全 」というのは、 逆 効 果 になることもある。 講 話 とともに、 女 性 向 けのカルチャー 講 座 を

開 設 している。 最 初 は、カルチャー 講 座 目 当 てに 参 加 する 受 講 者 も 多 いようだが、 参 加 者 から

講 話 が 面 白 かったので、 自 分 の 娘 や 友 人 に 参 加 を 勧 めたというケースが 結 構 あった。 参 加 費

は 無 料 で、 託 児 所 も 用 意 している。 開 催 頻 度 は、50 回 / 年 で、 各 回 30 名 程 度 の 参 加 者 である。

東 奥 日 報 の 折 込 みや 当 社 かわら 版 、 当 社 HPやチラシで 公 募 している。 参 加 者 の 平 均 年 齢 は、

50 歳 。20 代 ~40 代 の 参 加 者 も 多 い。 参 加 者 のアンケートでは、 講 習 開 始 前 は、 参 加 者 の 半

分 以 上 が「 放 射 線 は 恐 い、 身 体 に 悪 い、 危 険 である」、30%が「 使 い 方 によっては 有 用 」との 回

答 であったが、 受 講 後 は、「 使 い 方 次 第 では 有 用 」が8 割 強 となった。アンケートの 中 では「 人

体 への 影 響 ( 危 険 度 )が 知 りたい」という 意 見 が 多 くあった。また、「 有 用 な 点 のみではなく、 負

の 面 も 教 えてほしい」「(どんなに 施 設 が 安 全 に 設 計 されていても) 最 後 は 人 間 のやることだか

ら、 不 安 は 払 拭 できない」という 意 見 もあった。

※ 講 演 の 最 後 に 一 般 の 方 々が 簡 便 に 使 用 できる 放 射 線 測 定 器 「アルファちゃん、ベータちゃ

ん」を 協 議 会 のメンバーの 方 々に 使 っていただき、で 実 効 線 量 当 量 ( 単 位 ;シーベルト)がはか

れる「はかるくん」との 比 較 も 行 った。

【 主 な 質 疑 応 答 】

Q: 岩 手 県 では、 再 処 理 工 場 からトリチウムが 放 出 されることについて、 問 題 になっている。トリ

チウムが 放 出 されても 大 丈 夫 ということは、どのように 説 明 されているのか?

A:トリチウムは、 水 の 形 で 放 出 され 除 去 できない。 放 出 された 様 々な 放 射 性 物 質 による 全 ての

被 ばく 経 路 ( 食 物 連 鎖 等 )を 考 え、 同 一 人 物 が 年 間 0.022mSv 以 下 の 被 ばくに 抑 えられるように

している。トリチウムは、この 0.022mSv の 極 一 部 の 部 分 を 占 めているにすぎないと 説 明 してい

る。

Q: 漁 業 関 係 者 から、1 放 射 性 物 質 は 減 衰 しないし、2 拡 散 しないということを、たくさんのハ

ガキを 流 し、「 拡 散 しない」ということを 主 張 している 人 がいるが、これにはどう 対 応 したらよい

か?

A:ハガキは、 固 形 物 であるが、トリチウムは 液 体 であり、 必 ず 拡 散 する。 濃 度 は 薄 まっていく。

自 然 界 にあるレベルと 比 較 して 理 解 してもらうしかない。

Q: 広 報 の 問 題 であるが、 原 子 力 発 電 所 の 立 地 地 域 の 住 民 は、「 電 気 を 発 電 している」という 観

点 から、「 自 分 たちの 使 う 電 気 を 作 ってもらっている」という 恩 恵 を 感 じると 思 うが、 燃 料 サイクル

施 設 の 場 合 、 発 電 過 程 の 一 部 であり、 発 電 と 比 べると 恩 恵 を 受 けている 印 象 が 強 く 感 じられな

いので、 広 報 するのは 大 変 ではないか?

A:その 考 え 方 には、 異 論 がある。 新 潟 や 福 島 で 原 子 力 発 電 をしていても、ほとんどの 電 力 は

東 京 に 流 れて 使 われている。 青 森 でも、 東 通 原 子 力 発 電 所 ができる 前 は、 他 の 県 から 電 力 を

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いただいていた。 今 では、 原 子 力 発 電 所 ができたおかげで、 県 内 のみではなく、 他 の 県 にも 電

力 を 供 給 することが 出 来 るようになった。また、 原 子 燃 料 サイクルの 場 合 、 再 処 理 工 場 というの

は、 全 国 に1つ、 青 森 にしかない。 日 本 で 商 業 用 として 使 用 済 み 燃 料 のリサイクルができる 施

設 は、 青 森 の 六 ヶ 所 村 にしかない。 六 ヶ 所 村 は「 青 森 県 の 誇 り」であるといって、 県 民 の 自 尊 心

を 高 めている。

Q: 現 在 は、「 放 射 線 」に 対 する 正 しい 知 識 の 理 解 普 及 を 全 面 的 に 行 われていると 思 うが、 今

後 は 再 処 理 工 場 の 安 全 性 等 に 関 することを 広 報 していく 必 要 があると 思 う。 今 後 、 戦 略 を 変 え

ていくことは 考 えているのか?

A: 以 前 行 っていたのが「 再 処 理 工 場 は、このように 安 全 です」という 工 場 の 説 明 を 一 生 懸 命 行

うやり 方 であった。しかし、それでは、 住 民 に 理 解 されないということで、 戦 略 を 変 えて 今 、「 悪

魔 の 放 射 線 ~ 逆 手 にとって 生 き 生 き 生 活 術 」にも 記 載 したような 内 容 で、「 放 射 線 」が 非 常 に

身 近 で 特 別 なものではなく 役 に 立 っているということを 理 解 してもらうことで、 六 ヶ 所 もウランの

再 利 用 によって、 役 に 立 っているという 理 解 を 深 めてほしいと 思 って 活 動 している。 私 は、 原 子

核 工 学 科 を 卒 業 し、 放 射 線 安 全 が 専 門 であったが、 放 射 線 影 響 の 研 究 の 際 に、 医 学 部 の 先

生 方 とも 知 り 合 い、 医 学 博 士 を 取 得 した。 日 本 原 燃 の 社 員 というよりも、 医 学 博 士 として 講 話 を

している。 一 般 の 方 も、 医 学 博 士 という 肩 書 きがあるから、 安 心 し 信 頼 して 話 を 聞 いてもらえて

いると 思 う。

Q: 背 後 に、 再 処 理 事 業 に 反 対 する 音 楽 家 等 もいて、 反 対 派 の 対 応 は 大 変 ではないか?

A: 当 初 、このような 講 習 をすると 反 対 派 に 荒 らされるのではないかという 懸 念 もあった。しかし、

実 際 は、そんな 状 況 はあまりなかった。 少 数 の 反 対 の 意 見 をお 持 ちの 方 がいらしたが、 丁 寧 に

説 明 すれば 特 に 大 騒 ぎするようなことはなかった。

Q:「ロッカショ」というグループは、 今 ではあまり 大 騒 ぎしていないということか?

A:( 青 森 ) 県 内 では、 今 はそれほど 大 きな 活 動 はしていない。

Q:1このような 地 道 な 活 動 が 全 国 的 に 行 われると 良 いと 思 う。2 若 田 さんのような 宇 宙 飛 行 士

は、かなりの 被 ばくをすると 思 うが、 被 ばく 線 量 はどの 程 度 か?また、 宇 宙 飛 行 士 の 被 ばくは、

「 職 業 被 ばく」に 分 類 されるのか?

A: 被 ばく 線 量 は、1 年 間 宇 宙 にいたら、300~500mSv になると 思 う。しかし、 法 律 では、 自 然 放

射 線 は 規 制 対 象 外 としている。

C: 米 国 のNCRPでは、 核 テロ 等 の 際 には、( 緊 急 時 被 ばくとして) 上 限 を 500mSv としている。

Q:1950 年 代 の 核 実 験 が 行 われていた 時 代 と 現 在 の 放 射 性 物 質 の 比 較 データを 基 に、 再 処

理 工 場 から 排 出 される 放 射 性 物 質 による 変 動 を 比 較 して、 量 としては 過 去 の 千 分 の1とか、1

万 分 の1であり、 大 したことはないというような 説 明 をされているが、1950 年 代 に 生 きていた 人 に

はその 説 明 で 納 得 すると 思 うが、その 時 代 に 生 きていなかった 若 い 人 たちは、 同 じような 説 明

で 納 得 するのか?

A:トリチウムの 場 合 は、データでの 説 明 が 難 しいかもしれないが、セシウム 等 の 核 分 裂 生 成 物

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の 場 合 は、 先 ほど 示 したデータで 説 明 できると 思 う。 量 に 関 しては、「( 基 準 や 自 然 界 にある 量

の) 何 倍 だから 危 ない」とか、「 測 定 器 の 針 が 振 り 切 れたから 危 ない」という 考 え 方 はおかしい、

と 説 明 している。 量 の 概 念 を 説 明 し、 例 えば、 塩 であれば、260gが 致 死 量 である。1Kgの 塩 が

家 に 置 いてあるということは、4 人 分 の 致 死 量 の 塩 が 置 かれていることと 同 じ。しかし、 塩 は 一 気

に 食 べれば 死 ぬが、 毎 日 9gは 摂 取 しないといけないものである。このたった 30 倍 が 致 死 量 で

ある。 私 は、たばこは 別 として、 全 ての 物 には「ホルミシス 効 果 」があると 信 じている。お 酒 に 関

しても、 一 気 に 飲 めばアルコール 中 毒 で 死 亡 するが、 適 量 であれば 身 体 によい。 熱 湯 を 浴 び

れば 死 ぬが、40 度 のお 風 呂 につかることは 身 体 にとって 良 いことである。お 湯 の 場 合 は、 丁 度

良 い 程 度 の2 倍 で 死 亡 してしまう。 様 々な 物 質 の 量 と 取 り 方 が 重 要 であると 説 明 している。

Q:LNT 仮 説 を 利 用 して、その 被 ばくの 母 集 団 を 多 くとって、 年 1mSv 以 上 の 被 ばくした 分 の+

αの 部 分 を 掛 けて、 低 線 量 の 放 射 線 によるがん 死 亡 者 の 計 算 がなされたりして、 自 然 レベル

の 放 射 線 ですら 悪 者 にされるが、そのようなことには、どう 対 応 しているか?

A:がんになる 要 因 は、ほとんどが 活 性 酸 素 による 影 響 である。まず、 要 因 のうち、たばこが1/

3を 占 め、 次 に 大 きな 要 因 は 食 事 である。 自 然 放 射 線 や「 医 療 被 ばく( 患 者 の 診 断 や 治 療 によ

る 被 ばく)」も 含 めて、 放 射 線 による 影 響 は、 全 体 の 要 因 の 中 では、 放 射 線 の「ホ」の 字 も 出 てこ

ない。また、 放 射 線 の 人 体 への 影 響 に 関 しては、 広 島 ・ 長 崎 の 原 爆 被 爆 者 の 疫 学 調 査 により、

「200mSv(/1 回 ) 以 下 では、がんの 死 亡 率 の 増 加 は 認 められていない」という 結 果 が 出 ており、

一 般 の 人 には、これさえ 理 解 していただければよいと 思 う。それ 以 上 の 説 明 をすると、 余 計 に

混 乱 する。

C:ランセット 論 文 のようなものが 医 学 雑 誌 に 出 たが、「 医 療 被 ばく」に 関 しても、 医 療 の 分 野 の

人 に 放 射 線 のことをよく 理 解 してもらいたいと 思 う。

Q: 田 邉 先 生 の 話 は、 非 常 にたとえが 上 手 だと 思 った。 対 象 の 人 の 目 線 に 立 つことが 重 要 と 言

うことが 良 く 理 解 できた。 放 射 線 と 暮 らす1 日 のパワーポイントの 資 料 でも、こんなに 放 射 線 が

利 用 されているのかと 改 めて 痛 感 した。ところで、 講 習 では、 女 性 を 対 象 にしていて、 託 児 所 も

準 備 しているとのことであるが、なぜ 女 性 を 対 象 にしているのか?また、30 代 や 40 代 の 方 々も

参 加 されているとのことであるが、 今 後 、 中 学 生 や 高 校 生 にこの 啓 蒙 活 動 が 展 開 されていくの

か?

A: 女 性 を 対 象 にしたのは、( 平 日 の) 昼 間 にやっていることもあり、 男 性 は、 自 分 の 仕 事 のこと

で 頭 が 一 杯 でなかなか 講 習 に 参 加 する 人 はいない。また、 人 口 の 半 分 以 上 は 女 性 であり、 何

かあったときの 女 性 のパワーはすごいので、 女 性 に 理 解 してもらうことは 重 要 と 認 識 している。

昔 は、 原 子 力 のことを 口 にすることは、 原 燃 の 回 し 者 と 疑 われ、 皆 「 原 子 力 」や「エネルギー」

「 環 境 問 題 」について 口 にしなかった。しかし、 今 は、 環 境 問 題 も 社 会 的 に 大 きな 問 題 となって

おり、このようなエネルギーや 環 境 問 題 について 知 っていないと 恥 ずかしいと 思 っている 人 が

多 い。

中 学 ・ 高 校 への 啓 蒙 活 動 は、 東 北 原 懇 さんでやってくれている。( 六 ヶ 所 村 と 周 辺 市 町 村 の)

小 学 校 は、 一 通 り 終 わった。 中 学 に 関 しては、 今 後 取 組 みたい。 今 後 は、 放 射 線 測 定 を 中 心

に、 県 内 全 域 に、また、 社 会 科 の 授 業 や 高 等 学 校 等 、 若 い 人 たちへのアプローチをしていき

たい。

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Q: 私 たちも 女 性 を 対 象 に「 放 射 線 」の 啓 蒙 活 動 を 行 っている。1 託 児 所 の 稼 働 率 はどの 程 度

か?2また、このような 活 動 を 全 国 版 で 行 ってほしい。3 女 性 の 場 合 、 医 療 や 食 品 を 入 り 口 に

するとすっと 話 に 入 っていけると 思 う。

A:1 託 児 所 は、 事 前 に 申 し 込 みを 受 け 付 けていて、 依 頼 があれば 保 育 士 を 手 配 している。 一

回 の 講 演 に1~2 組 あるかないか 程 度 。2 活 動 は、 今 後 全 国 展 開 したい。3 消 費 者 団 体 の

方 々とも 話 をするが、やはり、 健 康 のことや 食 べ 物 のことを 中 心 に 話 すと 受 け 入 れやすい。

Q: 暮 らしに 役 立 つ 放 射 線 ということで「 放 射 線 」は、 悪 魔 ではなく 天 使 のような 印 象 を 受 けたが、

「 原 子 力 」はいつも「 悪 魔 のエネルギー」の 象 徴 のように 受 け 取 られる。これをなんとか、 原 子 力

も「 天 使 のエネルギー」と 認 識 してもらえるようにはどうしたら 良 いのか?

A: 私 は、このような「 放 射 線 」の 話 をすることで、「 原 子 力 」に 関 しても「 天 使 のエネルギー」とい

う 印 象 を 持 ってもらうようにするために、この 啓 蒙 活 動 をしている。 今 までの 広 報 は、「 原 子 力 」

の 話 ばかりをし 過 ぎた。また、 原 子 力 云 々の 話 以 前 の 問 題 として、 日 本 のエネルギー 事 情 の 教

育 が 重 要 。 日 本 のエネルギーは、96%を 海 外 に 依 存 している。 怠 け 者 のウランを 活 用 しないと、

約 40 年 後 には、 燃 料 がなくなる。ウランも 勿 論 輸 入 しているが、リサイクルができる。 怠 け 者 の

ウランを 働 き 者 のウランにして 利 用 すれば、 理 論 的 には 60 年 の 60 倍 の 3600 年 分 のエネルギ

ーになる。 原 子 力 に 頼 らざるを 得 ないし、これらをうまく 活 用 することが 重 要 ということを 説 明 す

る。

中 学 の 社 会 科 の 授 業 にも 講 師 として 招 かれたことがあったが、その 際 に「 石 油 は 約 40 年 後 に

は 枯 渇 する」というと、 中 学 生 は 自 身 が 54 歳 になったときのことを 想 像 し、 深 刻 に 考 える。ここに

いる 人 たちは、もはや 40 年 先 のことは 考 える 必 要 がないかもしれないと 思 うが( 笑 )。

Q: 地 域 に 密 着 した 話 題 を 取 り 上 げているのはなぜか?

A: 地 域 性 を 持 たせているのは、そのほうが 地 域 の 人 々の 関 心 を 引 くからである。 今 までは、 主

に 青 森 の 人 を 対 象 に 話 をしていたので、なんとか 努 力 して、 青 森 特 有 のものを 探 して 話 をして

いた。

Q: 原 子 力 の 話 をする 際 に、 新 エネルギーの 話 を 抜 きにはできない。 新 エネルギーに 関 しては、

風 力 にしても 太 陽 光 発 電 にしても 限 界 があるのに、マスコミでは、 新 エネルギーをばら 色 のエ

ネルギーのようにもてはやしている。 受 講 後 に、「でも、 新 エネルギーがあるではないか」と 思 わ

れてはいけないと 思 うが、このような 懸 念 にはどう 対 応 しているのか?

A: 同 感 である。 新 エネルギーの 役 割 と 限 界 についてはきちんと 話 すべきと 思 っている。 例 えば、

100 万 kW 級 の 原 子 力 発 電 所 ( 建 設 費 3000 億 円 )の 代 わりを 風 力 発 電 でまかなうとすると、 建

設 費 のみで 何 兆 円 になるとか、 山 手 線 の 内 側 の4 倍 くらいの 土 地 が 必 要 となる( 青 森 では、 十

和 田 湖 の4 倍 と 説 明 する)、という 説 明 をしている。

Q: 最 後 に 質 問 であるが、「 悪 魔 の 放 射 線 」のパートⅡは、いつ 発 売 されるのか?

A:パートⅡの 原 稿 ネタはそろっているので、パートⅠの 販 売 数 次 第 で、パートⅡの 発 行 が 可

能 となる。 皆 さんにも、 本 の 宣 伝 等 ご 協 力 をお 願 いする。

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3 第 10 回 会 合

「 大 洗 町 の 原 子 力 ・エネルギー 教 育 への 取 り 組 み」について

大 洗 町 立 磯 浜 小 学 校 校 長 森 保 氏

大 洗 町 立 夏 海 小 学 校 教 諭 田 山 淳 子 氏

大 洗 町 教 育 委 員 会 教 育 次 長 兼 学 校 教 育 課 長 藤 本 弘 幸 氏

【 講 演 概 要 】

大 洗 町 教 育 委 員 会 の 藤 本 氏 、 大 洗 町 の 小 学 校 校 長 の 森 氏 、 大 洗 町 小 学 校 教 諭 の 田 山 氏 3

名 から、

1 大 洗 町 の 概 要 、2 大 洗 町 の 特 色 ある 教 育 、3 大 洗 町 原 子 力 教 育 推 進 研 究 委 員 会 「 原 推

研 」の 目 的 ・ 経 緯 、4「 原 推 研 」の 活 動 内 容 、5「 原 推 研 」の 活 動 を 通 じた 児 童 生 徒 の 反 応

について、 講 演 がなされた。

大 洗 町 では、「 小 さくてもキラリと 光 る 町 」をキャッチフレーズとして、 様 々な 特 色 ある 取 り 組 みを

行 っている。その 一 環 として、「 子 どもたちの 科 学 する 心 」を 育 てるために、 大 洗 町 原 子 力 教 育

推 進 研 究 委 員 会 を 平 成 16 年 に 設 置 し、 学 校 教 育 を 通 して 原 子 力 ・エネルギーの 活 用 や 防 災

に 関 する 理 解 を 深 めるために、 地 域 型 の 原 子 力 教 育 推 進 計 画 を 作 成 し、 実 践 研 究 を 行 ってい

る。 具 体 的 な 活 動 としては、1 大 洗 町 の 原 子 力 事 業 所 との 連 携 により、 原 子 力 施 設 の 見 学 、

2 大 洗 わくわく 科 学 館 での 理 科 授 業 、3 茨 城 県 から 全 校 児 童 に 配 布 されている「 原 子 力 ブッ

ク」を 大 洗 町 の 原 子 力 教 育 計 画 で 単 元 に 位 置 づけ 活 用 することにより、 理 科 ・ 社 会 の 授 業 で 適

宜 原 子 力 ・エネルギーの 教 育 、4 原 子 力 に 関 する 学 習 教 材 の 開 発 (サイエンスネット)5 転 入

教 職 員 に 対 しての 研 修 (1 原 子 力 の 基 礎 知 識 、2 大 洗 町 の 原 子 力 防 災 、3 防 災 ・ 原 子 炉 施

設 の 見 学 、4 放 射 線 の 測 定 )がある。これらの 活 動 により、 児 童 らが 楽 しそうに 実 験 する 様 子 の

写 真 と 共 に、 児 童 らの 実 験 や 出 前 事 業 での 感 想 が 紹 介 された。 教 育 を 受 けた 児 童 たちは、 実

験 の 楽 しさを 身 をもって 体 験 し、エネルギーや 電 気 の 大 切 さを 学 んでいる。

大 洗 町 では、 原 子 力 との 共 存 共 栄 を 目 指 し、 大 洗 町 民 憲 章 では、「わたくしたちは この 海 を

ひらき 原 子 の 火 を 育 て 水 と 緑 を 愛 する 健 康 で 明 るい 大 洗 の 町 民 です」と 謳 っている。 今 後

も 文 部 科 学 省 、 茨 城 県 の 支 援 を 受 けながら、 原 子 力 ・エネルギーの 教 育 の 推 進 に 努 め、このよ

うな 取 り 組 みについて、 大 洗 町 から 全 国 各 地 への 水 平 展 開 を 望 む。

【 講 演 内 容 】

1 大 洗 町 の 概 要 、2 大 洗 町 の 特 色 ある 教 育 、3 大 洗 町 原 子 力 教 育 推 進 研 究 委 員 会 「 原 推

研 」の 目 的 ・ 経 緯 、4「 原 推 研 」の 活 動 内 容 、5「 原 推 研 」の 活 動 を 通 じた 児 童 生 徒 の 反 応

について、 講 師 3 名 ( 藤 本 氏 、 森 氏 、 田 山 氏 ) 講 演 がなされた。 内 容 は 以 下 の 通 り。

( 藤 本 氏 )1 大 洗 町 の 概 要 、2 大 洗 町 の 特 色 ある 教 育 :

大 洗 町 は、 人 口 約 1 万 8 千 人 で、 面 積 は 約 24 平 方 キロメートルと 茨 城 県 内 で 2 番 目 に 面 積

が 小 さい 町 であるが、「 小 さくてもキラリと 光 る 町 」をキャッチフレーズとして、 様 々な 取 り 組 みを

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している。その 取 り 組 みの 1 つに「 大 洗 町 原 子 力 教 育 推 進 研 究 委 員 会 」があり、「 子 どもたちの

科 学 する 心 」を 育 てるために、 平 成 16 年 に 設 置 され、 組 織 は、「 原 推 研 」 委 員 会 ( 委 員 長 の 大

洗 町 教 育 長 他 15 名 )、 学 習 専 門 部 ( 部 長 ( 校 長 会 長 ) 他 理 科 主 任 7 名 )、 防 災 専 門 部 ( 部 長

( 生 活 環 境 課 主 査 ) 他 教 務 主 任 7 名 )で 構 成 されている。 大 洗 町 では、 原 子 力 教 育 シンポジウ

ム( 文 部 科 学 省 主 催 )、 大 洗 町 原 子 力 教 育 講 演 会 ( 大 洗 町 主 催 )が 開 催 された。 大 洗 町 と 原 子

力 の 共 存 共 栄 を 目 指 し、 大 洗 町 民 憲 章 では、「わたくしたちは この 海 をひらき 原 子 の 火 を

育 て 水 と 緑 を 愛 する 健 康 で 明 るい 大 洗 の 町 民 です」と 謳 っている。 今 後 も 原 子 力 ・エネルギ

ーの 教 育 の 推 進 に 努 めたい。

( 森 氏 )3 大 洗 町 原 子 力 教 育 推 進 研 究 委 員 会 「 原 推 研 」の 目 的 ・ 経 緯 、4「 原 推 研 」の 活 動 内

容 : 大 洗 町 には、 多 くの 原 子 力 関 連 施 設 があるので、 原 子 力 事 業 所 との 連 携 により、 原 子 力 施

設 の 見 学 を 実 施 、 大 洗 わくわく 科 学 館 での 理 科 授 業 、 茨 城 県 から 全 校 児 童 に 配 布 されている

「 原 子 力 ブック」を 大 洗 町 の 原 子 力 教 育 計 画 で 単 元 に 位 置 づけ 活 用 することにより 理 科 ・ 社 会

の 授 業 で 適 宜 原 子 力 ・エネルギーの 教 育 を 行 っている。また、 原 子 力 に 関 する 学 習 教 材 の 開

発 (サイエンスネット)も 行 っている。 転 入 教 職 員 に 対 して、1 原 子 力 の 基 礎 知 識 、2 大 洗 町 の

原 子 力 防 災 、3 防 災 ・ 原 子 炉 施 設 の 見 学 、4 放 射 線 の 測 定 の 研 修 を 行 っている。 今 後 は、 文

部 科 学 省 、 茨 城 県 の 支 援 を 受 けながら、「 原 推 研 」を 発 展 させ、 大 洗 町 から 全 国 各 地 への 水 平

展 開 を 望 む。

( 田 山 氏 )5「 原 推 研 」の 活 動 を 通 じた 児 童 生 徒 の 反 応 について:

児 童 生 徒 には、わくわく 科 学 館 との 連 携 事 業 として、 小 学 校 2・3・4、 中 学 2 年 の 理 科 実 験 教 室

で、100 人 で 手 をつないで 自 分 たちの 身 体 の 中 に 電 気 を 通 す 実 験 を 行 ったりしながら、 電 気 や

エネルギーについての 教 育 をしている。 生 徒 が 楽 しそうに 実 験 をしている 様 子 の 写 真 と 共 に、

児 童 からの 感 想 として、「( 電 力 供 給 に) 静 電 気 をうまく 利 用 することはできないかと 思 った」「リ

サイクルの 大 切 さを 改 めて 感 じた」 等 の 意 見 の 紹 介 があった。また、 原 子 力 施 設 の 見 学 を 実 施

しており、 児 童 からは「 電 気 がなくなると 不 便 と 分 かった」 等 の 感 想 が 寄 せられた。 特 別 活 動

( 学 級 活 動 ・ 学 校 行 事 )での 取 り 組 みとして、 避 難 訓 練 ( 原 子 力 事 故 )の 実 施 がなされており、

「 放 射 線 ってなあに?」( 日 本 原 子 力 発 電 ㈱ 企 画 )ビデオ 視 聴 と「はかるくん」による 放 射 線 測

定 を 行 っている。また、 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 大 洗 研 究 開 発 センター「シュガーズ」の 方 々

の 協 力 により、 原 子 力 ・ 放 射 線 についての 教 育 を 支 援 していただいている。また、「 原 子 力 ブッ

ク」( 茨 城 県 発 行 )の 活 用 として、a) 原 子 力 教 育 計 画 の 中 で、 教 科 ・ 領 域 の 中 での 活 用 (1 社 会

科 2 理 科 3 生 活 科 4 技 術 ・ 家 庭 科 5 特 別 活 動 )と b) 茨 城 原 子 力 体 験 フェアの「ウルトラクイズ

大 会 」がなされている。1 社 会 科 での 活 用 では、4 年 生 「わたしたちの 茨 城 県 」の 中 で、「 原 子

力 関 連 施 設 を 白 地 図 にまとめる」。2 理 科 での 活 用 では、6 年 生 の「 電 磁 石 の 性 質 」の 中 で、

自 然 界 にも 放 射 線 があることを 教 え、 身 の 周 りの 放 射 線 を 測 定 する。3 学 級 活 動 の 中 では、 原

子 力 発 電 のよいところと 心 配 なところを 話 し 合 う( 原 子 力 ブックでの 記 載 : 原 子 力 の 良 いところ

は、「 少 しの 燃 料 でたくさんの 電 気 がつくれる」「 燃 料 の 心 配 が 少 ない」「 空 気 をよごさない」 心

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配 なところは、「 事 故 があったとき、 大 きな 被 害 が 出 る 心 配 がある」「 放 射 性 廃 棄 物 という 危 険 な

ゴミが 出 る」)5 学 校 行 事 ( 避 難 訓 練 )でも 活 用 されている。 地 元 の 方 々には、 大 洗 町 には、

「 海 」がある、というのと 同 じく、 大 洗 町 には、「「 原 子 力 」がある!」と 胸 を 張 って 自 慢 できるよう

になればと 思 う。

【 主 な 質 疑 応 答 】

Q: 大 洗 町 の 原 子 力 ・エネルギー 教 育 への 取 組 は、 素 晴 らしいと 思 った。そこで、 質 問 であるが、

1 原 子 力 教 育 を 行 っているが、「 原 子 力 」 関 係 に 進 みたいと 考 えている 人 はどの 程 度 か?2

茨 城 県 では、JCO 事 故 の 影 響 で、 原 子 力 に 対 する 抵 抗 があったと 思 うが、それはどのようであ

ったか?3なぜ、 放 射 線 測 定 に「はかるくん」を 使 用 したのか?ガンマ 線 ではなく、ベータ 線 を

測 ったほうが、 値 の 変 化 があり、 勉 強 になると 思 うが。4 原 子 力 は、 主 に「 原 子 力 エネルギーの

利 用 ( 原 子 力 発 電 )」と「 放 射 線 利 用 」の 分 野 に 分 けられ、 大 洗 町 の 取 組 としては、 原 子 力 エネ

ルギーを 主 にされているようであるが、 放 射 線 利 用 に 関 しても 教 育 されているか?

A1: 平 成 16 年 からの 取 組 なので、まだ、 評 価 はできていない。 取 組 から 約 6 年 経 ち、 当 時 小

学 校 の 児 童 も 大 学 に 進 学 する 頃 。 一 人 でも 多 くの 子 どもが、これらの 取 組 により、 原 子 力 や 放

射 線 に 興 味 を 持 ち、それらの 分 野 で 活 躍 してくれることを 期 待 している。

A2:JCOから 10 周 年 ということであるが、 大 洗 町 では、 元 々 原 子 力 に 対 する 理 解 があり、 原 子

力 施 設 の 誘 致 にも 積 極 的 である。JCO 事 故 の 影 響 で、 風 評 被 害 はあったが、 今 は 特 に 大 きな

問 題 は 起 こっていない。

A3:「はかるくん」を 使 用 した 理 由 は、FAXを1 枚 送 信 するだけで、 郵 送 料 の 負 担 もなく 使 用

できる 便 利 さからである。また、 子 どもたちにとっては、 放 射 線 が 身 近 にあることを 分 かってもら

うことが 一 番 の 目 的 なので、 最 も 簡 単 に 操 作 でき、 目 盛 りが 変 化 することを 目 で 見 ることが 重 要 。

また、 教 える 側 の 知 識 も 乏 しいので、 最 も 簡 単 な 操 作 で 使 えるものが 良 いと 思 った。

A4: 放 射 線 利 用 に 関 しては、ビデオでの 紹 介 が 主 であり、 教 員 として 活 用 する 側 としても 便 利 。

放 射 線 に 関 しては、 言 葉 で 説 明 し 理 解 してもらうことは、 非 常 に 困 難 。 映 像 による 説 明 が 効 果

的 。ビデオでは、ジャガイモにも 放 射 線 が 照 射 されていることを 子 どもたちが 知 って、 驚 いてい

た。 原 子 力 の 説 明 からすると 身 近 に 感 じられないので、このような 食 品 への 放 射 線 の 利 用 につ

いて 知 ると 興 味 を 持 ち、 身 近 な 存 在 に 感 じるようである。

C: 原 子 力 ・エネルギーの 教 育 に 特 化 したことではないが、 教 育 、 人 材 育 成 には、 教 える 側 の

知 識 、 技 術 、 時 間 、 費 用 がネックになっている。よって、 現 在 は、 教 師 の 知 識 向 上 のみに 頼 る

のではなく、 原 子 力 事 業 所 や 科 学 館 等 の 方 々にご 協 力 いただきながら、 教 育 しているのが 現

状 。

Q: 大 洗 町 には、 原 子 力 ・ 放 射 線 関 連 施 設 がたくさんあるので、 原 子 力 ・エネルギー 教 育 がな

されやすい 環 境 にあると 思 う。PTAを 活 用 して、 原 子 力 施 設 に 勤 務 している 親 に 支 援 してもら

うことは 考 えていないのか?

A: 原 子 力 機 構 さんからは、「 我 々の 組 織 の 中 には、 子 どもたちに 教 育 できる 人 材 がたくさんい

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るので、 活 用 して 欲 しい」と 言 われている。 我 々としても、わくわく 科 学 館 の 方 々や、 原 子 力 機

構 の 方 々に 支 援 いただきながら、 本 取 組 を 推 進 していきたいと 思 っている。 文 部 科 学 省 が 取 り

組 んでいる 放 課 後 を 利 用 した「 放 課 後 子 ども 教 室 」において、ボランティア 活 動 として、 原 子

力 ・ 放 射 線 について 教 えることも 可 能 。

C: 日 立 市 においては、 原 子 力 関 係 のOBが 総 合 学 習 で、 原 子 力 ・エネルギーに 関 して 教 える

という 活 動 をしている。

Q: 原 子 力 ・エネルギーに 関 する 教 育 が、 教 科 教 育 の 中 でできるのか? 学 校 の 先 生 からは、そ

れではなくとも、 教 えることが 多 くて、 原 子 力 ・エネルギーに 関 する 教 育 を 教 科 の 中 で 教 える 時

間 を 確 保 することは 難 しいと 聞 いているが。

A: 現 在 行 っている 原 子 力 ・エネルギー 教 育 も、1 単 元 (45 分 )を 全 て 使 って 行 っているわけで

はない。たとえば、 理 科 の 授 業 では、 電 磁 石 の 説 明 の 中 で、ちょっと+αとして、 放 射 線 の 話

を 茨 城 県 発 行 の「 原 子 力 ブック」を 活 用 して 説 明 するだけなので、 特 に 授 業 時 間 に 大 きく 影 響

はしない。

C: 我 々は、 出 前 事 業 をさせてもらえないかと 学 校 側 に 申 し 入 れても、そのためには、1 事 前

打 ち 合 わせ2 指 導 内 容 の 作 成 等 々、 先 生 方 には 負 担 が 大 きいようである。 大 洗 町 の 取 組 方

法 であれば、 他 の 地 域 の 先 生 方 も 負 担 なく 行 えると 思 った。

Q: 理 科 や 社 会 の 教 科 の 中 で+αとして 教 育 しているということであるが、そのやり 方 はどのよう

に 周 知 し、ノウハウを 伝 えているのか? 教 員 の 研 修 では、どのような 研 修 を 行 っているのか?

A:(この 授 業 の 際 に、このように 原 子 力 ブックを 活 用 して 教 えるということは、) 配 布 資 料 により

周 知 されている。( 教 員 の 研 修 は) 主 に 原 子 力 事 業 所 の 方 々のご 協 力 を 得 ながら 行 っている。

C: 教 員 の 知 識 の 向 上 にとってのネックは、 教 職 員 の 異 動 である。

Q: 健 康 影 響 に 関 する 位 置 づけは?

A:( 放 射 線 に 被 ばくすることによる) 健 康 影 響 に 関 して、 小 学 生 に 説 明 するのは 困 難 。 小 学 校

では、「 放 射 線 は 自 然 界 にあるもの」ということを 分 かってもらうことに 絞 っている。たくさん 浴 び

ると 健 康 に 害 があるという 程 度 にしか 説 明 していない。( 放 射 線 に 関 して 説 明 するのであれば)

ビデオ 等 の 活 用 が 便 利 かと 思 う。

Q: 医 療 現 場 での 被 ばくに 関 してはどうか?

A( 田 山 氏 ): 例 えば、 健 康 診 断 の 際 に 胸 部 X 線 検 査 をするが、そのような 検 査 も、 年 に 何 回 も

することはないので、 大 丈 夫 と 説 明 している。

C:「 年 に1~2 回 であれば、 大 丈 夫 」という 説 明 をした 場 合 、「それ 以 上 浴 びたら、 危 険 」という

ふうに 思 われてしまうと 困 る。 歯 医 者 でX 線 検 査 をする 際 も、 本 当 は 鉛 のエプロンなんて 必 要 な

いのに、 鉛 のエプロンをさせているし、 妊 娠 中 であってもX 線 検 査 程 度 の 被 ばくであれば、 胎

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児 への 影 響 もないのに、いちいち「 妊 娠 はしていませんか?」と 聞 いている。このような 過 剰 防

護 が、 余 計 に 心 配 する 気 持 ちを 増 幅 させてしまっていると 思 う。

Q: 皆 さん、いろんな 意 見 があると 思 うが、 大 洗 町 の 取 組 に 関 しては、これだけのことをやられて

いることは、 非 常 に 素 晴 らしいことである。 子 どもに 教 育 すると、 子 どもというのは、 習 ったことを

すぐに 親 に 話 すと 思 う。そういう 観 点 から、 親 にも 変 化 が 現 れているのではないかと 思 うが、そ

こらへんは、いかがか?

A: 親 への 影 響 は、 調 べていないので、 現 状 ではわからない。 今 後 、 機 会 があれば 調 べてみた

いと 思 う。

Q: 教 師 の 方 々からは、よく「これ 以 上 忙 しくするようなことは、 勘 弁 して 欲 しい」という 声 を 聞 くが、

その 点 は、いかがか?

A: 大 洗 町 では、「 原 推 研 」という 組 織 があり、そこで 具 体 的 な 活 動 をしてくれているので、 教 師

への 負 担 は 感 じていない。また、 大 洗 町 は、 原 子 力 施 設 がたくさんあるからこのような 原 子 力 ・

エネルギー 教 育 への 取 組 がなされやすいという 意 見 があったが、 原 子 力 施 設 がない 地 域 でも、

放 射 線 利 用 の 分 野 の 話 から 入 れば、 子 どもたちの 受 けも 良 く 入 っていきやすいと 思 う。

C: 私 自 身 、 理 科 の 実 験 が 楽 しかったので、 理 科 系 に 進 んだということもあり、 子 どもたちにも、

実 験 を 通 して 楽 しみながら 知 識 の 向 上 ができればと 思 っているし、 学 校 教 育 の 中 で、 原 子 力 ・

エネルギーについての 教 育 をすることは 非 常 に 重 要 と 認 識 しているが、 今 まで、 我 々も 学 校 教

育 の 中 で 出 前 事 業 等 をさせて 欲 しいと 申 し 出 る 働 きをしているが、なかなか 受 け 入 れてもらえ

ない。その 大 きな 理 由 の 一 つは、 先 生 方 が 忙 しすぎて、 時 間 がないということであった。 大 洗 町

の「 原 推 研 」の 取 組 のノウハウを 他 の 地 域 にも 広 めてもらえたら 良 いと 思 う。 美 浜 町 の 取 組 も 参

考 になると 思 う。

Q:このような 取 組 は、 大 洗 町 と 美 浜 町 以 外 には、ないのか?

A: 自 治 体 としてこのような 取 り 組 みをしているのは、 大 洗 町 と 美 浜 町 以 外 にないと 思 う。 外 部

支 援 に 関 しては、 原 子 力 関 係 者 からの 話 だと、どうしても 原 子 力 のメリットの 部 分 が 強 調 されて

しまう。メリットとデメリットの 両 方 をバランス 良 く 説 明 して 欲 しいと 言 われるが、なかなか 難 しい。

C: 若 いうちに 正 確 な 情 報 を 得 ることがとても 大 切 である。WENの 活 動 でも、よく「デメリットを 教

えて 欲 しい」と 言 われるが、 日 本 の 場 合 、 既 に 広 島 ・ 長 崎 に 原 爆 が 投 下 されたことにより、( 原

子 力 ・ 放 射 線 の)デメリットばかりが、クローズアップされてしまっている。よって、 私 たちの 活 動

の 中 では、( 原 子 力 ・ 放 射 線 の)メリットの 部 分 を 説 明 し、バランスとして 正 確 な 情 報 を 提 供 して

いると 主 張 している。

Q: 大 洗 町 の 取 組 を 他 の 町 に 水 平 展 開 することは、 考 えていないのか?

A: 特 に、 今 のところ、 他 の 町 からの 問 い 合 わせもないのだが、 今 後 は、 外 部 へのPRも 行 って

いきたい。

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C: 大 洗 町 での 取 組 に 関 して、 大 洗 町 の 方 が、 直 接 、 美 浜 町 の 方 にアプローチし、 協 力 して 活

動 を 拡 げていくというのは、ちょっと 難 しいのではないかと 思 う。どこか 適 当 な 組 織 が 仲 介 をす

るような 形 でこの 取 組 を 支 援 できれば 良 いと 思 う。

○ 勝 村 座 長 : 茨 城 原 子 力 協 議 会 から、 原 子 力 教 育 に 関 する 教 員 研 修 という 資 料 をいただい

ているので、 説 明 をお 願 いしたい。

・ 茨 城 県 教 育 委 員 会 では、 平 成 21 年 度 から 25 年 度 に 分 けて( 平 成 20 年 度 までは 2 年 で 全

県 域 )、 県 内 の 公 立 小 中 学 校 及 び 特 別 支 援 学 校 822 校 を 対 象 とし、 教 員 が 原 子 力 について

正 しく 理 解 し、 副 読 本 等 を 活 用 して 効 果 的 な 指 導 ができるよう 教 員 研 修 を 行 っている。 研 修 内

容 は、1 原 子 力 ブックの 活 用 について、2 学 校 における 原 子 力 防 災 マニュアルについて、3

協 議 及 び 施 設 見 学 である。 年 度 末 には、 原 子 力 教 育 に 関 する 実 施 状 況 調 査 を 実 施 する。ま

た、 副 読 本 については、 教 科 ごと、 学 年 ごとに 進 め 方 や 活 用 例 を 示 し、 効 果 的 な 指 導 のため

の 一 助 としている。(21 年 度 の) 成 果 としては、「 原 子 力 に 関 する 興 味 、 関 心 が 高 まった」「 原 子

力 や 放 射 線 が 身 近 な 生 活 に 役 立 っていることが 理 解 できた」「 原 子 力 ブック 等 を 活 用 すること

により、 原 子 力 の 安 全 性 や 危 険 性 について 理 解 させることができた」「エネルギー 問 題 につい

て 感 心 が 高 まり、 環 境 問 題 に 対 しても 発 展 的 に 考 えることができた」という 意 見 が 得 られた。ま

た、 今 後 の 課 題 としては、「 原 子 力 そのものが 児 童 生 徒 には 難 しい 内 容 なので、どのように 分

かり 易 く 指 導 していくか 研 修 を 進 めたい。」「 低 学 年 向 けの 指 導 資 料 やビデオ 等 があると 良 い」

「 原 子 力 は 目 に 見 えないものなので、 児 童 生 徒 が 理 解 することが 難 しい」「 原 子 力 教 育 の 教 科

及 び 領 域 等 の 年 間 指 導 計 画 への 位 置 付 けを 明 確 にし、 児 童 生 徒 の 発 達 段 階 に 応 じた 効 果

的 な 指 導 のための 工 夫 を 進 める 必 要 がある。「 授 業 時 数 に 余 裕 がなく、 十 分 に 時 間 を 確 保 す

ることが 難 しい」「 身 近 に 原 子 力 施 設 がない 地 域 での 関 心 を 高 める 工 夫 が 必 要 である。」が 挙

げられた。

C: 低 学 年 向 けのビデオがあると 良 いという 話 があったが、どこかで 作 成 できれば 良 いと 思 う。

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4 第 11 回 会 合

1)「 医 療 用 アイソトープ 原 料 の 安 定 供 給 にかかる 現 状 と 取 り 組 むべき 対 応 」

( 社 ) 日 本 アイソトープ 協 会 常 務 理 事 井 戸 達 雄 氏

2)「 材 料 試 験 炉 (JMTR)を 用 いたモリブデン‐99 の 国 産 化 に 向 けた 検 討 」

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 大 洗 研 究 開 発 センター 副 所 長 河 村 弘 氏

3)「 核 医 学 検 査 の 医 療 の 中 での 役 割 と Mo 供 給 問 題 」

横 浜 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 放 射 線 医 学 教 授 井 上 登 美 夫 氏

【 講 演 内 容 】

1)「 医 療 用 アイソトープ 原 料 の 安 定 供 給 にかかる 現 状 と 取 り 組 むべき 対 応 」

( 社 ) 日 本 アイソトープ 協 会 常 務 理 事 井 戸 達 雄 氏

・ モリブデン 99 は、 主 に、5 つの 原 子 炉 (カナダの NRU、オランダの HFR、ベルギーの BR2、

フランスの OSIRIS、 南 アフリカの SAFARI-1)で 製 造 されているが、いずれも 稼 動 年 数 は、42

~52 年 で 経 年 変 化 が 深 刻 となっている。

・ 昨 年 の 5 月 に 世 界 への 供 給 量 の 30% 以 上 を 占 めているカナダの NRU が 重 水 漏 れにより 停

止 し、 現 在 修 理 中 。 平 成 22 年 6 月 2 日 現 在 で、98%の 修 理 が 進 み、7 月 末 ごろに 修 理 完 了

予 定 。 日 本 は、 日 本 国 内 の 需 要 の 70%をカナダからの 輸 入 に 依 存 していたため、モリブデ

ン 99 の 供 給 不 足 が 大 きな 問 題 となった。

・ 生 体 内 に 放 射 性 医 薬 品 を 投 与 して 診 断 するインビボ 核 医 学 検 査 は、 日 本 では、 年 間 約 140

万 件 実 施 されている(PET 検 査 を 除 く)。このうち、 約 90 万 件 の 検 査 が、モリブデン 99 を 原 料

として 製 造 したテクネチウム‐99m 標 識 薬 剤 によるものである。 日 本 では、モリブデン 99 を 原

料 として 薬 剤 を 製 造 している 製 薬 会 社 は、 日 本 メジフィジックスと 富 士 フイルム RI ファーマの

2 社 である。

・ モリブデン 99 の 半 減 期 は、 約 66 時 間 で、テクネチウム 99m の 半 減 期 は、 約 6 時 間 である。

・ 2009 年 にカナダの 炉 が 止 まって、モリブデン 99 の 輸 入 量 は、 通 常 の 40% 程 度 に 減 ったが、

製 薬 会 社 から 病 院 への 供 給 の 方 法 を 工 夫 (テクネチウム 99m ジェネレータの 供 給 を 抑 え、で

きるだけ、テクネチウム 99m 製 剤 を 病 院 に 届 ける 等 )することにより、 総 放 射 能 としては 2008

年 の 供 給 量 とほぼ 同 程 度 の 供 給 ができ、 現 場 での 検 査 件 数 は、 通 常 時 の 90%という 数 字 を

得 られた。

・ カナダは、NRU の 経 年 変 化 に 伴 い、 新 たに RI 製 造 の 専 用 炉 の MAPLE 炉 を2 基 建 設 予 定

だったが、 設 計 ミスによる 出 力 反 応 度 係 数 の 問 題 を 克 服 できず、 稼 働 を 断 念 した。 今 後 カナ

ダは NRU の 後 継 原 子 炉 の 建 設 計 画 はなく、カナダ 国 内 の 需 要 に 対 応 するための 加 速 器 に

よる 製 造 の 検 討 を 開 始 した。また、 最 大 の 市 場 である 米 国 も 国 内 生 産 の 検 討 を 開 始 してい

る。

・ 海 外 の 主 要 原 子 炉 の 更 新 ・ 新 規 計 画 等 があるが、 新 規 製 造 炉 等 の 建 設 や 改 修 費 用 がかか

るため、モリブデン 99 原 料 の 高 騰 化 が 懸 念 されている。

・ アジアでは、 韓 国 が RI 製 造 用 の 新 規 原 子 炉 の 建 設 を 決 定 した。サイトはまだ 決 まっていな

いが、2016 年 頃 に 稼 動 を 開 始 する 計 画 である。

・ モリブデン 99 の 輸 送 に 関 しては、これまで JAL 貨 物 便 で 行 っていたが、JAL は 今 年 ( 平 成

22 年 )の 10 月 に 全 貨 物 便 の 運 行 を 中 止 することを 決 定 したため、 今 後 、 航 空 旅 客 機 による

輸 送 ルートの 確 保 を 検 討 している。

・ モリブデン 99 の 安 定 供 給 の 問 題 は、 世 界 的 な 問 題 であり、OECD/NEA も 旗 振 りをして、 安

定 供 給 のための 検 討 をしている。 今 までに 2 回 会 議 を 開 催 し、 現 状 の 共 通 認 識 、 世 界 的 ・ 地

域 的 ネットワーク 構 築 の 必 要 性 、 各 国 の 現 状 と 取 り 組 み 状 況 の 把 握 、ターゲット 輸 送 による

22


原 料 製 造 の 実 現 化 等 々の 検 討 がなされた。 第 3 回 目 は、 平 成 22 年 6 月 24 日 ~25 日 に 開

催 予 定 で、 原 料 価 格 にもつながる 経 済 的 な 検 討 を 行 う 予 定 である。

・ モリブデン 99 の 供 給 不 足 に 対 応 するために、アジア・オセアニア 圏 におけるネットワーク 構

想 がある。アジア・オセアニア 圏 において、モリブデン 99 を 製 造 し、 少 量 ではあるが 日 本 に

輸 出 しているのは、インドネシアとオーストラリアのみである。 今 後 、 韓 国 、 中 国 も 製 造 を 計 画

している。 日 本 は、JMTR での 製 造 と 加 速 器 による 製 造 の 研 究 開 発 が 進 められている。

・ 日 本 は、 現 在 100% 輸 入 に 頼 っているが、 今 後 は、モリブデン 99 の 安 定 供 給 のために、 国

産 化 を 目 標 とした 安 定 供 給 の 方 法 も 模 索 していきたい。

2)「 材 料 試 験 炉 (JMTR)を 用 いたモリブデン‐99 の 国 産 化 に 向 けた 検 討 」

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 大 洗 研 究 開 発 センター 副 所 長 河 村 弘 氏

・ 現 在 、 材 料 試 験 炉 (JMTR)では、 平 成 23 年 度 からの 再 稼 動 を 目 指 して、 平 成 19 年 度 から

今 年 度 までの 予 定 で 原 子 炉 機 器 の 一 部 更 新 を 行 っている。

・ JMTR 再 稼 動 後 の 主 な 役 割 の 一 つとして「 産 業 利 用 の 拡 大 」が 位 置 づけられており、JMTR

を 用 いた「 中 性 子 放 射 化 (n,γ) 反 応 」によるモリブデン 99 製 造 の 国 産 化 について、 平 成 20

年 10 月 から、 医 ・ 薬 学 界 、 医 薬 品 業 界 、 関 連 団 体 などの 有 識 者 で 構 成 される「 99 Mo 国 産 化

検 討 分 科 会 」を 設 置 し、 技 術 的 検 討 を 行 っている。さらに、 分 科 会 で 摘 出 された 課 題 につい

て、インドネシア 原 子 力 庁 (BATAN)と 共 同 研 究 を 行 い、 課 題 解 決 のための 活 動 も 行 ってい

る。

・ 新 JMTR に 期 待 される 役 割 は、1 軽 水 炉 利 用 の 長 期 化 対 策 ( 現 行 軽 水 炉 の 高 経 年 化 対 策

等 )、2 科 学 技 術 の 向 上 ( 核 融 合 炉 用 材 料 、 機 器 等 の 開 発 等 )、3 産 業 利 用 の 拡 大 (シリコ

ン 半 導 体 製 造 、 医 療 診 断 薬 の 99m Tc 製 造 等 )、4 原 子 力 人 材 育 成 の 4 点 である。

・ 照 射 設 備 整 備 の 内 、 安 全 規 制 に 係 る 照 射 データを 取 得 するための 設 備 に 関 しては、 原 子

力 安 全 ・ 保 安 院 からの 予 算 で、 順 調 に 整 備 を 進 めている。

・ シリコン 製 造 やモリブデン 99 の 製 造 のための 照 射 設 備 に 関 しては、 民 間 が 金 儲 けのために

利 用 するとの 考 えから、 国 の 予 算 ではなく、 民 間 負 担 で 行 うこととなっている。モリブデン 99

製 造 に 関 する 照 射 設 備 の 整 備 に 関 しては、 利 用 者 の 資 金 負 担 が 明 確 になっておらず、 進

んでいない。

・ 日 本 は、 世 界 から 見 ると、 製 造 もしないでただ 飯 を 食 っているという 状 況 。 日 本 のモリブデン

99 製 造 の 国 産 化 目 標 は、 日 本 の 需 要 の 20%に 相 当 する 1,000Ci/ 週 の 製 造 である。JMTR

と JRR-3 の 2 基 で 連 携 して、 一 方 の 炉 の 定 期 検 査 等 にも 対 応 し、 安 定 的 に 供 給 するという 計

画 である。

・ 日 本 におけるモリブデン 99 の 製 造 ・ 供 給 に 係 る 役 割 の 中 で、 資 料 では 日 本 原 子 力 研 究 開

発 機 構 が 大 きく 出 ているが、 実 際 、RI の 製 造 は 千 代 田 テクノルなどの 線 源 製 造 メーカーが 行

うことになるのであり、 我 々は 提 供 された 試 料 に 中 性 子 を 照 射 しているにすぎない。モリブデ

ン 99 の 国 内 製 造 に 関 しても、 我 々が 中 心 となって 動 くのは 多 少 違 和 感 を 感 じるが、 誰 もやら

ないので、 我 々が 技 術 的 な 検 討 会 を 立 ち 上 げて 検 討 しているというのが、 現 状 である。

・ 照 射 装 置 の 検 討 なども、 製 薬 会 社 からお 金 をもらうことなく、 行 っている。モリブデン 99 の 製

造 方 法 は、 核 不 拡 散 性 にも 優 れ、 廃 棄 物 の 量 も 少 ない 中 性 子 放 射 化 (n,γ) 法 を 考 えている。

この 製 造 方 法 における 課 題 は、 比 放 射 能 が 低 いことである。PZC に 関 しては、インドネシア

BATAN での 試 験 を 実 施 し、 明 るい 見 通 しが 得 られている。 今 後 、BATAN での 試 験 結 果 を

受 けて、 利 用 者 との 製 造 契 約 などの 具 体 的 な 計 画 等 の 検 討 が 開 始 される。

・ 参 考 として、モリブデン 99 の 供 給 不 足 による 損 失 を 試 算 した。モリブデン 99 が 供 給 されなか

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った 場 合 、1 検 査 装 置 の 使 用 低 下 による 損 失 は、 約 3,000 億 円 と 試 算 、2 国 民 が 検 査 を 受

けられないことによる 損 失 は、 約 100 万 人 以 上 の 国 民 のがん 診 断 に 影 響 が 出 ると 予 想 され

た。

3)「 核 医 学 検 査 の 医 療 の 中 での 役 割 と Mo 供 給 問 題 」

横 浜 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 放 射 線 医 学 教 授 井 上 登 美 夫 氏

・ テクネチウム 製 剤 に 関 しては、ユーザーの 立 場 から 安 定 供 給 のお 願 いをしたい。

・ 講 演 の 課 題 としていただいた1 核 医 学 検 査 の 医 療 の 中 での 役 割 、2テクネチウムの 供 給

が 不 安 定 であると 臨 床 現 場 でどのような 事 態 になるのか?、3テクネチウム 検 査 に 代 わる

診 断 方 法 でカバーできないのか?、4 安 定 供 給 に 向 けた 国 への 要 望 の 4 点 について 説 明

する。


・ 非 侵 襲 的 な 画 像 診 断 の 主 な 検 査 法 は、 超 音 波 検 査 、X 線 CT、 核 磁 気 共 鳴 画 像 (MRI)、

核 医 学 検 査 である。

・ 画 像 診 断 は、1 放 射 線 診 断 (X 線 診 断 (CT)、 核 医 学 診 断 (PET、SPECT))、2 磁 気 共 鳴

診 断 (MRI)、3 超 音 波 診 断 に 分 類 される。

・ 医 療 費 の 中 で 放 射 線 の 画 像 診 断 の 占 める 割 合 は、 平 成 18 年 度 の 医 療 の 総 額 32 兆 円 の

中 で、5%(MRI を 含 む)を 占 めている。 医 療 費 に 関 する 考 え 方 は、 平 成 22 年 4 月 から 考 え

方 が 大 きく 変 わり、 医 療 費 は 上 がる 傾 向 にある。

・ 日 本 の 年 間 推 定 検 査 数 は、 全 国 統 計 ( 推 計 )で CT 検 査 は 2,850 万 件 / 年 、MRI 検 査 は

1,800 万 件 / 年 、 核 医 学 検 査 (PET 検 査 を 含 む)は 180 万 件 、ちなみに、 横 浜 市 大 では、

CT 検 査 は 20,000 名 / 年 、MRI 検 査 は 10,000 名 / 年 、 核 医 学 検 査 は 4,500 名 / 年 であ

る。CT や MRI に 比 べて、 相 対 的 には 核 医 学 検 査 の 数 は 少 ないが、CT や MRI の 検 査 で

は 診 断 できない 場 合 に 検 査 しているので、 絶 対 数 としては 多 いと 思 う。

・ 核 医 学 検 査 ( 別 名 シンチグラフィ 検 査 )は、ガンマ 線 を 出 す RI がついた 診 断 用 薬 剤 を 静 脈

から 注 射 し、ガンマカメラという 投 影 装 置 でイメージを 投 影 し 病 気 の 診 断 をする 検 査 法 であ

る。

・ テクネチウムという 放 射 性 同 位 元 素 を 使 う 検 査 が 最 も 多 く 利 用 されている。

・ テクネチウムにつける 薬 を 変 えることで、 例 えば、 乳 がんや 前 立 腺 がんの 骨 転 移 、 心 筋 梗

塞 、 認 知 症 などの 病 気 の 診 断 に 使 われる。

・ 画 像 診 断 の 医 療 の 中 の 役 割 は、1 形 を 観 て 診 断 する 他 の 非 侵 襲 的 画 像 診 断 (CT 検 査 、

MRI 検 査 、 超 音 波 検 査 )の 診 断 能 力 を 補 足 する 役 割 で、CT や MRI のような「 形 態 画 像 診

断 」に 対 して、 核 医 学 検 査 は、 臓 器 の 機 能 までが 診 断 できる「 機 能 画 像 診 断 」である。また、

2 副 作 用 が 極 めて 少 ない 安 全 度 の 高 い 検 査 で、CT 造 影 検 査 ができない(ヨード 造 影 剤 が

使 えない) 患 者 さんや、MRI ができない( 心 臓 ペースメーカを 使 用 している) 患 者 さんも、 検

査 することができる。CT や MRI は、 造 影 剤 による 副 作 用 が 無 視 できない 程 度 起 きている。

・ 骨 の 核 医 学 検 査 は、 骨 のエックス 線 写 真 よりも 早 期 に、しかも 簡 単 にがんの 全 身 の 骨 の 転

移 があるかどうか 知 ることができる。 骨 の 核 医 学 検 査 は、 年 間 全 国 で 約 50 万 人 の 方 が 検 査

を 受 けている。 乳 がんや 前 立 腺 がんは、 骨 に 転 移 しやすい。

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・ テクネチウム 核 医 学 検 査 は、 核 医 学 検 査 の 年 間 検 査 件 数 ・ 約 140 万 件 (PET 検 査 を 除 く)

に 対 し、 約 90 万 件 である。

・ テクネチウムが 何 故 そんなに 多 く 使 われるかは、 以 下 の 4 点 の 理 由 による。1ガンマ 線 エ

ネルギーがガンマカメラの 検 出 効 率 にあっているため、 画 質 が 良 い。2 様 々な 薬 剤 と 結 合

しやすく、がん、 脳 神 経 疾 患 、 心 筋 梗 塞 の3 大 成 人 病 の 診 断 に 役 立 つ、3ジェネレータシ

ステムが 入 手 できるため、 緊 急 検 査 に 対 応 できる、4 放 射 能 の 半 減 期 が 6 時 間 で、かつベ

ータ 線 を 出 さないため 患 者 さんへの 放 射 線 被 ばくが 少 ない。


・ 講 演 の 課 題 である、テクネチウム 代 替 え 検 査 については、1テクネチウム 以 外 の 放 射 性 同

位 元 素 を 用 いた 放 射 性 医 薬 品 を 用 いた 核 医 学 検 査 と2 核 医 学 検 査 以 外 の CT、MRI、 超

音 波 検 査 などに 分 けて 考 える 必 要 がある。

・ 1のテクネチウム 以 外 の 放 射 性 同 位 元 素 を 用 いた 放 射 性 医 薬 品 を 用 いた 核 医 学 検 査 で

代 替 えできないかについては、ジェネレータが 供 給 されないことによる 緊 急 検 査 に 対 応 で

きないことや、 診 断 医 が(テクネチウム 製 剤 以 外 による) 画 像 に 慣 れていないため、 診 断 精

度 の 低 下 ・ 誤 診 の 可 能 性 が 高 くなる、 数 値 データをもとに 継 続 的 に 治 療 経 過 をみている 場

合 、 過 去 のデータとの 比 較 判 断 ができなくなる 等 々の 理 由 で、 患 者 さんへの 不 利 益 が 生 じ

る 可 能 性 があり、 診 療 上 基 本 的 に 好 ましくない。

・ 2の 核 医 学 検 査 以 外 の CT、MRI、 超 音 波 検 査 で 代 替 えできないかについては、もともと、

CT、MRI、 超 音 波 検 査 などが 行 われた 上 で、 診 療 上 の 必 要 性 から 核 医 学 検 査 が 行 われて

いるため、 基 本 的 には CT、MRI、 超 音 波 検 査 が 代 替 え 検 査 とはなりえない。また、 仮 に 骨

シンチグラフィの 代 替 え 検 査 として、MRI の 全 身 拡 散 強 調 画 像 撮 影 など 行 うことが 可 能 であ

る 施 設 でも、 現 状 の CT、MRI 検 査 をさらに 予 約 待 ちを 増 やすことになり、 非 常 に 難 しい。 今

まで 核 医 学 検 査 で 行 っていたものを、MRI にしたいと 言 ったら、 現 場 ではかなりクレームが

出 る。 現 在 あるインフラを 効 率 的 に 活 用 するには、 今 後 もテクネチウムが 必 要 である。

・ 主 なテクネチウム 検 査 と 代 替 え 検 査 とその 問 題 点 については、 以 下 の 通 り。1 脳 血 流 イメ

ージングの 検 査 では、 脳 造 影 CT に 代 替 え 可 能 ではあるが、 代 替 えできるのは、 高 性 能

CT に 限 定 される。2 心 筋 血 流 シンチグラフィの 検 査 では、タリウムという RI に 代 替 え 可 能

であるが、 画 質 の 低 下 、 定 量 データの 違 いが 生 じてしまう。3 骨 シンチグラフィの 検 査 では、

MRI に 代 替 えした 場 合 、 全 身 像 を 取 りにくいし、 骨 単 純 X 線 検 査 に 代 替 えした 場 合 、 診 断

能 が 低 くなる。

・ アイスランドの 火 山 噴 火 が、 日 本 の 核 医 学 検 査 を 窮 地 に 追 いやった。 核 医 学 検 査 は、 基

本 的 には 予 約 制 であるので、この 噴 火 で 横 浜 市 大 では、13 名 の 予 約 変 更 を 行 った。 全 国

レベルでは、 非 常 に 多 くの 患 者 さんたちが 影 響 を 受 けたと 思 う。まさか、アイスランドの 噴 火

が、 自 分 の 病 院 の 診 療 に 影 響 を 及 ぼすとは 考 えてもみなかったので、 非 常 にショックを 受

けた。


・ これまでは、 画 像 診 断 において、CT 検 査 、MRI 検 査 、 核 医 学 検 査 が、 非 常 に 良 いバランス

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を 保 ち、 診 断 の 質 を 保 っているが、モリブデンの 供 給 が 不 足 することにより、 患 者 さんには

見 えにくい 形 ではあるが、 画 像 診 断 の 崩 壊 を 引 き 起 こすと 思 う。

・ モリブデンの 安 定 供 給 は、 非 常 に 労 力 のかかることであり、 今 まで、 輸 入 量 が 減 っても、 病

院 の 現 場 では、あまり 大 きな 問 題 になっていなかったのは、RI 協 会 さんや 製 薬 会 社 の 方 々

のご 尽 力 のおかげであり、 大 変 感 謝 している。

・ 今 後 のモリブデン 99 の 安 定 供 給 に 向 けた 国 への 要 望 としては、 今 年 の 3 月 に 文 部 科 学 大

臣 と 厚 生 労 働 大 臣 に 宛 てた 関 連 2 学 会 ( 日 本 核 医 学 会 、 日 本 医 学 放 射 線 学 会 )から、「 国

家 的 観 点 からの 今 後 10~20 年 までの 安 価 でかつ 安 定 したモリブデンの 国 内 供 給 体 制 の

確 立 を 目 指 し、その 方 向 性 を 議 論 していただける 省 庁 横 断 的 な 産 官 学 の 枠 組 みを 作 って

いただきたい」との 要 望 を 提 出 した。

【 主 な 質 疑 応 答 】

Q:カナダは、 加 速 器 でモリブデンを 製 造 することに 方 針 を 変 えたようであるが、 今 後 、カナダ

は、 世 界 中 にモリブデンを 供 給 することは 断 念 したということか?

A(RI 協 会 ・ 井 戸 氏 ):カナダは、 加 速 器 での 製 造 に 方 針 転 換 したことにより、 世 界 中 のモリブ

デンの 需 要 に 応 え 製 造 することは 断 念 した。 国 内 の 需 要 に 応 える 量 であれば、 加 速 器 で 対 応

できると 考 えているようである。サイクロトロンによる、(p,2n) 反 応 で 1,500Ci/ 週 の 製 造 を 計 画 し

ている。 日 本 でも 加 速 器 での 製 造 も 検 討 されている。たとえ、 国 内 需 要 の 10%でも、いろんな

状 況 に 対 応 するために 製 造 し、 安 定 供 給 を 可 能 にできると 良 いと 思 う。

Q: 井 上 先 生 からご 紹 介 のあった 核 医 学 会 ・ 医 学 放 射 線 学 会 から 出 された 国 への 要 望 は、ど

のような 経 緯 で 出 されたのか?

A( 横 浜 市 大 ・ 井 上 氏 ):モリブデンの 安 定 供 給 に 関 しては、ユーザーの 立 場 から 意 思 表 明 を

すべきと 思 い、 要 望 を 出 すこととした。

C( 原 子 力 機 構 ・ 河 村 氏 ): 核 医 学 会 ・ 医 学 放 射 線 学 会 から 国 への 要 望 が 出 されたことは、 非 常

に 重 要 なことである。 今 まで、 我 々は「 誰 のためにモリブデンの 国 内 製 造 を 検 討 しているのか」

ということをよく 聞 かれ、 我 々は、「 国 民 のため」と 答 えてきた。 一 方 、 閣 議 決 定 で、 原 子 力 機 構

の 前 身 である 原 研 は RI の 製 造 ・ 頒 布 はしないということが 決 定 されている。 原 子 力 機 構 にとっ

ても、このような 要 望 が 最 終 ユーザーの 近 くの 医 療 現 場 からでていることにより、モリブデン 99

製 造 の 公 共 性 ・ 公 益 性 が 明 確 になり、 我 々もやりやすくなる。しかしながら、これらの 要 望 が 出

されていたことを、 我 々が 知 らなかったことは、 非 常 に 残 念 なことであった( 笑 )。

Q: 本 件 について、 原 子 力 機 構 ・ 理 研 ・ 放 医 研 が 共 同 して 何 かプロジェクトを 立 ち 上 げて 取 り 組

んではどうかと 思 うが、いかがか?

A( 原 子 力 機 構 ・ 河 村 氏 ): 勿 論 、 放 医 研 ・ 理 研 の 方 々とも 協 力 していけたらと 思 う。モリブデン

の 供 給 不 足 の 問 題 は、 以 前 から 問 題 になっているのに、 誰 も 解 決 するために 動 かないし、 国

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民 もトイレットペーパーが 無 くなると 大 騒 ぎするのに、テクネチウム 製 剤 が 無 くなっても、 騒 ぎに

ならない。 医 療 現 場 からの 問 題 提 起 は 非 常 に 重 要 である。

C( 文 科 省 ・ 石 川 氏 ): 本 日 は、 医 療 の 現 場 での 状 況 についてご 講 演 を 頂 き、 非 常 に 勉 強 にな

った。 厚 生 労 働 省 では、 病 院 の 状 況 等 よく 把 握 されていると 思 うが、 文 科 省 では、なかなか 病

院 の 状 況 について 把 握 できていなかったこともあり、 現 場 の 先 生 の 声 が 聞 けてよかった。 文 部

科 学 省 も、 大 臣 宛 に 要 望 もいただいている。 今 後 は、 原 子 力 機 構 と 相 談 しながらこの 問 題 につ

いて 取 り 組 んでいきたい。

C(RI 協 会 ・ 井 戸 氏 ): 現 在 、100% 輸 入 に 頼 っているので、 国 内 製 造 をすべきと 思 われるが、

製 造 場 所 は、 日 本 に 限 定 しなくても 良 いと 思 う。アジア 圏 から 輸 送 できるのであれば、 特 に 国

内 製 造 にこだわらなくても 良 いと 思 う。 例 えば、 韓 国 の 計 画 を 支 援 するということを 検 討 しても

良 いと 思 っている。

Q:モリブデンの 供 給 不 足 に 関 しては、 知 っていたが、 本 日 の 会 合 でよりよく 理 解 できた。 本 日

の 話 を 聞 くと、モリブデンの 供 給 不 足 により、 死 亡 者 が 出 ていない、そんなに 供 給 量 も 減 って

いない。そこで、 本 当 に 国 産 化 すべきか、ということだが、 私 は、 国 産 化 すべきと 思 う。なぜなら、

いつ 天 変 地 異 が 起 こるかわからないし、テロが 起 こるかわからない。よって、1 国 産 化 した 場 合 、

コストはどうなるのかと2アジア 圏 での 製 造 において、 他 の 国 の 製 造 を 待 つのではなく、 日 本

が 率 先 して 製 造 して 輸 出 してはどうかと 思 うが、いかがかについて、 本 日 ご 出 席 いただいてい

る 製 薬 会 社 の 方 々や RI 協 会 の 井 戸 常 務 に 伺 いたい。

A:テクネチウム 製 剤 の 原 料 として 用 いるモリブデン 99 は、 製 剤 製 造 時 で1Ci/ml の 放 射 能 濃

度 を 必 要 とする。 現 在 検 討 されている 国 産 化 により、このような 濃 度 のものが 得 られるかが 重 要

な 点 である。また、モリブデンの 輸 送 に 関 しては、JAL 貨 物 便 でのみ 輸 送 可 能 であったが、JAL

の 貨 物 便 が 今 年 10 月 から 運 行 中 止 になる 予 定 なので、 旅 客 便 での 輸 送 ルートの 確 保 につい

て、 国 土 交 通 省 と 交 渉 中 である。

A(RI 協 会 ・ 井 戸 氏 ):「 日 本 が 輸 出 国 になって」という 構 想 に 関 しては、 現 状 では 非 常 に 難 しい。

世 界 でモリブデンを 製 造 している 炉 は、 全 て 減 価 償 却 された 炉 であって、モリブデンを 製 造 す

るための 費 用 に、( 原 子 炉 等 の) 金 物 の 値 段 は 入 っていない。 日 本 は、 専 用 炉 を 造 って、その

建 設 費 も 負 担 して、モリブデンの 価 格 に 金 物 の 値 段 も 上 乗 せして 輸 出 するということは、 市 場

価 格 より 高 額 となり 現 実 的 には 実 現 不 可 能 であろう。インフラ 整 備 を 国 が 負 担 して 計 画 を 進 め

ることができれば 可 能 である。

C( 原 子 力 機 構 ・ 河 村 氏 ):そのような 観 点 からも、 井 上 先 生 らが、 医 師 の 立 場 から、「 国 民 のた

めに 必 要 」と 国 民 である 患 者 の 声 を 代 弁 して、 意 見 表 明 してくれたことは、 非 常 に 重 要 なことで

ある。 産 業 界 の 金 儲 けのために 必 要 という 視 点 からは、 国 費 を 投 入 してモリブデン 99 の 国 産

化 を 行 う 仕 組 みは 生 まれにくい。

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Q( 勝 村 座 長 ):1 世 界 の 診 断 の 動 向 と2 他 の RI の 供 給 状 況 について、お 伺 いしたい。

A1( 横 浜 市 大 ・ 井 上 氏 ):テクネチウム 薬 剤 は、 世 界 の 中 では、 米 国 が 第 1 位 、 日 本 は 第 2 位

の 使 用 量 である。 核 医 学 の 中 で、PET の 分 野 も 大 きな 部 分 を 占 めているが、PET で 今 のテクネ

チウム 検 査 が 全 て 置 き 換 えられるかというと、それは 難 しいと 思 う。また、 米 国 では、PET は 非

常 に 検 査 費 が 高 く、テクネチウム 薬 剤 を 使 う SPECT 検 査 費 用 は、(PET 検 査 に 比 べて) 非 常 に

安 価 である。PET は PET で 普 及 すると 思 うが、そのような 価 格 的 な 面 からも 普 及 の 動 向 には 影

響 を 及 ぼすであろうし、アジアにおいては、テクネチウムによる SPECT 検 査 が、より 普 及 すると

思 われる。SPECT 検 査 において、「 今 後 、テクネチウムに 代 わる 薬 剤 が 出 てくるか」という 問 い

に 関 しては、なかなか「 出 て 来 ないであろう」というのが、 私 のこれまでの 経 験 を 踏 まえた 答 えで

ある。また、 日 本 では、 放 射 性 医 薬 品 の 値 段 が 高 い。 今 回 、 良 い 機 会 であるので、どういうメカ

ニズムで 高 い 価 格 になっているのかについても、 解 明 したい。

A2(RI 協 会 ・ 井 戸 氏 ):モリブデン 以 外 の RI に 関 しても、 日 本 だけの 閉 じた 系 で 考 えるのでな

く、 世 界 各 国 と 協 力 ・ 協 調 して 安 定 供 給 に 向 けた 取 り 組 みをしていきたい。

C( 文 科 省 ・ 石 川 氏 ): 広 い 意 味 で、 医 療 用 RI の 安 定 供 給 について、 日 本 の 原 子 炉 ですぐに 生

産 できるかは、 不 明 である。 国 産 化 に 関 しては、 中 長 期 的 な 視 野 では 検 討 が 必 要 と 思 われる。

また、 海 外 に 輸 入 源 の 拠 点 を 持 ち、ベストミックスを 考 えることが 重 要 。 海 外 へのリスクヘッジや

将 来 的 な 供 給 源 のベストミックスに 関 する 検 討 は、 文 部 科 学 省 のみでできることではないので、

原 子 力 委 員 会 、 厚 生 労 働 省 、 国 土 交 通 省 、 関 係 機 関 と 連 携 して 進 めていきたい。

C: 今 後 、コバルト 60 の 安 定 供 給 に 関 しても、 検 討 していただきたい。

C: 一 般 市 民 と 専 門 家 の 間 のパイプ 役 をしている WEN の 浅 田 です。「 国 民 の 声 が 必 要 だ」「 国

民 のためにやっている」というこの 言 葉 が、 本 日 の 会 合 で 一 番 心 に 響 いた。 今 まで 研 究 機 関 で

ある 原 子 力 機 構 さんが、 研 究 だけで 終 わっているというのが、 今 まで 自 分 の 中 では 不 満 であっ

た。その 前 に、 私 たちはアクションが 必 要 であったと 思 うが、その 中 間 の 医 師 の 立 場 の 方 が、そ

の 部 分 を 負 って 下 さっていることが 分 かった。この 問 題 の 解 決 には、 関 係 者 の 方 々の 連 携 こそ

が 最 も 必 要 であると 痛 感 した。

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5 原 子 力 委 員 会 ・ 定 例 会 議 にて 報 告

第 8 回 原 子 力 委 員 会 定 例 会 議

日 時 :2010 年 2 月 23 日 ( 火 ) 09:45~12:00

場 所 : 中 央 合 同 庁 舎 4 号 館 10 階 1015 会 議 室

議 題 :

(3) 原 子 力 政 策 大 綱 の 政 策 評 価 「 放 射 線 利 用 」に 係 る 関 係 機 関 ヒアリング(( 社 ) 日 本 原 子 力

産 業 協 会 )

「( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 における 放 射 線 利 用 に 関 する 活 動 について」

「 放 射 線 利 用 に 関 する 産 業 界 の 現 状 と 課 題 」

勝 村 庸 介 本 協 議 会 ・ 座 長 、 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 国 際 専 攻 教 授

渡 辺 宏 ラジエ 工 業 ( 株 ) 常 務 取 締 役

芦 澤 和 浩 ( 社 ) 日 本 原 子 力 産 業 協 会 政 策 推 進 部 マネージャー

【 概 要 】

< 資 料 3-1、3-2につき 原 産 協 会 より 説 明 >

○ 一 連 の 放 射 線 利 用 に 係 るヒアリングとして、 今 回 、 原 産 協 会 から 報 告 を 実 施 。

○ 原 産 協 会 としての 事 業 概 要 を 紹 介 した 上 で、 原 産 協 会 が 運 営 している「 量 子 放 射 線 利 用

普 及 連 絡 協 議 会 ( 東 大 勝 村 教 授 座 長 )」を 中 心 に、アンケート 調 査 を 行 った 内 容 について 報

告 。

○ 食 品 照 射 の 理 解 普 及 に 対 する 期 待 感 、 多 様 なRI に 対 する 安 定 供 給 体 制 の 構 築 、 学 校 教

育 の 充 実 などの 意 見 を 紹 介 。

【 主 な 質 疑 応 答 】

( 質 疑 応 答 では、 同 席 していただいた 勝 村 先 生 及 び、ラジエ 工 業 渡 辺 常 務 も 対 応 。)

Q( 秋 庭 委 員 ):RIの 国 産 化 について、 技 術 や 設 備 の 面 での 見 通 しはあるのか。

A( 勝 村 先 生 ): 普 通 に 考 えられる 方 法 としては、 日 本 ではJMTRを 利 用 する。 動 力 炉 を 使 う 発

想 も 米 国 にはある。 投 資 とメリットのバランスを 考 える。

Q( 大 庭 委 員 ): 国 産 化 には 何 が 障 害 になっているのか。 規 制 面 の 障 害 はないのか。

A( 原 産 協 会 ): 資 料 3-2 の9ページにあるように、 費 用 負 担 が 課 題 。

A( 勝 村 先 生 ):RI については、 原 子 力 委 員 会 で 過 去 に 国 産 ではなく 輸 入 でまかなう 決 定 をし

た。その 決 定 (ポリシー)に 立 ち 返 る 必 要 がある。 従 って、 従 来 、 装 置 関 係 のケアはしていない。

Q( 尾 本 委 員 ):1 社 では 難 しいかもしれないが、 業 界 全 体 であれば 負 担 できるのではないか。

鈴 木 委 員 長 代 理 :インフラ 整 備 と 運 転 費 用 で 分 担 は 考 えられるのではないか。

A( 原 産 協 会 ): 工 業 規 模 は 大 きいが、 個 々の 企 業 規 模 は 小 さい。 業 界 全 体 で 取 組 む 体 制 も

未 整 備 。 国 に 全 て 依 存 するわけではないが、 連 携 した 取 組 を 期 待 。

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Q( 大 庭 委 員 ): 食 品 照 射 パンフレットは、 例 えばスーパーに 置 くなど、 一 般 に 届 くようにしては

どうか。

A( 渡 辺 常 務 ):スーパー 側 からすると、 置 く 必 要 が 見 えない。

A( 原 産 協 会 ): 会 員 等 を 通 した 配 布 をしている。 知 ってほしい 相 手 に 届 く 工 夫 は 必 要 であり、

今 後 検 討 する。 食 品 照 射 に 対 する 期 待 は 産 業 界 として 非 常 に 大 きいので、 原 産 協 会 としても、

届 けるために 努 力 する。

C( 秋 庭 委 員 ):スーパー 側 も、なぜ 置 いているのかを 問 われたときに 答 えがない。 一 般 への 普

及 をはかるには、いきなり 食 品 照 射 ではなく、 放 射 線 の 基 礎 から 段 階 を 踏 む 必 要 がある。まず

は、 放 射 線 利 用 している 企 業 が 商 品 に 表 示 するなど、 身 近 で 利 用 されていることを 知 らしめる

ことが 大 事 。

C( 秋 庭 委 員 ): パンフレットは、 旧 版 は 押 し 付 けがましい 内 容 であったが、 最 新 版 はうまく 修 正

されている。 是 非 、 広 く 知 ってもらいたい。いきなり 食 品 照 射 では、 飛 びつきにくい。 放 射 線 とは、

基 本 的 な 知 識 を 提 供 する 努 力 が 必 要 。

C( 渡 辺 常 務 ):じゃがいもに 照 射 した 旨 の 表 示 をしたところ 売 り 上 げが 下 がった 事 例 もある。 表

示 には、 照 射 をしたというだけではなく、 国 が 安 全 性 を 確 認 したというニュアンス・ 配 慮 が 必 要 。

Q( 尾 本 委 員 ): 食 品 照 射 拡 大 については、 原 子 力 委 員 会 に 何 を 期 待 しているのか。センシテ

ィブな 問 題 であるが、 業 界 は 現 実 に 希 望 しているのか。 何 がボトルネックなのか。

A( 勝 村 先 生 ): 世 界 的 には 食 品 照 射 が 当 たり 前 。 日 本 は1970 年 代 に 先 頭 を 走 っていたが、

その 後 ストップし、 進 んでいない。 世 界 で 照 射 食 品 が 流 通 しており、 日 本 向 け 輸 入 品 は 別 途 の

対 応 が 必 要 な 状 況 。

C( 勝 村 先 生 ):10 年 ほど 前 に、 文 部 科 学 省 ・ 厚 生 労 働 省 へスパイス 協 会 が 検 討 を 要 望 したが、

その 後 具 体 的 なアクションがとられていない。 国 も 保 守 的 。

C( 勝 村 先 生 ):ラジアルタイヤ 等 工 業 利 用 もいろいろ 使 っているが、 企 業 はオープンにしたがら

ない。オープンにすることで 買 い 控 えの 懸 念 など、 余 計 な 心 配 を 抱 えたくない。 長 期 的 には、

主 婦 や 若 年 層 等 への 教 育 から 進 めていく 必 要 がある。 教 員 も 含 めて 理 解 が 不 足 している。

Q( 鈴 木 委 員 長 代 理 ): 消 費 者 の 選 択 を 増 やすとは? 原 子 力 委 員 会 への 具 体 的 な 期 待 は?

A( 原 産 協 会 ): 原 子 力 委 員 会 の 食 品 照 射 専 門 部 会 で 検 討 をしていただいた 経 緯 がある。その

後 、 食 品 安 全 委 員 会 へ 働 きかけを 行 っていたが、 引 き 続 きフォローと、 安 全 性 の 消 費 者 への

説 明 を 行 っていただけることを 期 待 している。

A( 勝 村 先 生 ): 食 品 安 全 委 員 会 で 一 度 議 論 されたようだが、その 後 どうなっているのか、 外 部

からは 見 えない、 聞 こえてこない。 原 子 力 委 員 会 としてもフォローすることは 自 然 な 流 れ。

C( 渡 辺 常 務 ): 食 品 照 射 に 関 して、 原 子 力 委 員 会 が 前 面 に 出 ると、 一 般 からは「なぜ 原 子 力 」

と 思 われてしまう。 農 水 省 や 厚 労 省 と 共 同 でやってほしい。 海 外 でもIAEAは 単 独 ではなく、W

HOやFAOと 共 同 してやっている。

また、メーカは 国 に 要 望 したいと 思 っていても、 買 い 控 えなどの 影 響 を 考 慮 して 公 表 できない

でいる。 国 は、 業 界 のニーズが 示 されないと、 進 められない。 三 つ 巴 の 状 況 になっている。これ

が 現 状 。

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C( 渡 辺 常 務 ): 食 品 安 全 委 員 会 には、 個 別 の 食 品 ではなく、 食 品 照 射 の 安 全 性 についての 方

向 性 を 示 してほしい。 食 のコミュニケーション 円 卓 会 議 など、 自 主 的 に 勉 強 をしている 活 動 に

対 して、 後 方 で 支 援 いただきたい。

以 上

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