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製薬用水に関する各条と 参考情報の改正点 - 医薬品医療機器総合機構

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日 局 の 製 薬 用 水 各 条 の 改 正 が求 められている現 行 の 日 局 製 薬 用 水 各 条 に 規 定 された 試 験 項 目 が現 在 の 科 学 技 術 水 準 に 見 合 ったものとなっていない.‣ USPやEPは、 現 在 の 水 質 管 理 技 術 を 踏 まえて、 水 各 条 を 導電 率 と 有 機 体 炭 素 (TOC)を 基 本 としたシンプルなものとしている.‣ これに 対 して、 日 局 の 水 各 条 は、 旧 来 の 化 学 試 験 を 主 体 とした 非 常 に 試 験 項 目 の 多 い 煩 雑 なもののままとなっている.‣ このため、 日 局 の 水 各 条 の 改 正 が、 国 内 からも、 国 外 からも強 く 要 望 されている.日 局 15では、 製 薬 用 水 各 条 については、 新 しく 収 載 された 参 考 情 報 との 整 合 を 図 る 上 で 必 要 となった 点 だけの 改 正 にとどめられた.‣ これは、 日 局 15では、 参 考 情 報 に 製 薬 用 水 の 水 質 確 保 に 関する 考 え 方 をまとまった 形 で 示 した 規 定 を 新 しく 設 けることが先 決 の 課 題 とされたためである.‣ 水 各 条 の 本 格 的 な 改 正 は、 日 局 16に 向 けての 課 題 とされた.


日 米 欧 3 薬 局 方 に 収 載 された 水 の 比 較JP15 USP31 EP6.0常 水 ( 飲 料 水 )精 製 水〔バルク 水 と 容 器 入 りの 水 が1つの 規 格 で扱 われている〕精 製 水( 飲 料 水 )精 製 水 (バルク)ファミリーモノグラフ滅 菌 精 製 水注 射 用 水蒸 留 法 および 超 ろ過 法 ( 膜 法 )による 水〔バルク 水 と 容 器 入 りの 水 が1つの 規 格 で扱 われている〕滅 菌 精 製 水透 析 用 水注 射 用 水蒸 留 法 による 水 、およびそれと 同等 な 品 質 の 水滅 菌 注 射 用 水注 射 用 水 (bacteriostatic)灌 注 用 水吸 入 用 水精 製 水 ( 容 器 入 り)高 度 精 製 水超 ろ 過 法 ( 膜 法 )による 水注 射 用 水 (バルク)蒸 留 法 による 水注 射 用 水 ( 容 器 入 り)ファミリーモノグラフ注 ) 青 : バルク 水 ( 製 薬 用 )赤 : 容 器 入 りの 水


厚 生 労 働 科 学 研 究 による 提 言 と製 薬 用 水 委 員 会 の 設 置こうした 状 況 を 踏 まえて、 平 成 14 年 度 に 厚 生 労 働 科学 研 究 「 日 本 薬 局 方 「 製 薬 用 水 」の 在 り 方 に 関 する 研究 」 が 行 われ、 次 のような 提 言 を 行 った.‣ 日 局 の 製 薬 用 水 各 条 を 国 際 的 に 整 合 したものとすること‣ 参 考 情 報 に「 製 薬 用 水 の 製 造 管 理 と 品 質 管 理 」の 規 定 を 導 入すべきことこの 厚 生 労 働 科 学 研 究 による 提 言 を 承 けて、 平 成 15年 10 月 に 日 本 薬 局 方 に 製 薬 用 水 委 員 会 が 設 けられた.


日 局 15において 参 考 情 報 に「 製 薬 用 水 の 品 質 管 理 」を 収 載本 参 考 情 報 収 載 の 意 義‣ 製 薬 用 水 の 水 質 確 保 に 関 する 考 え 方 をまとまった 形で 示 した 規 定 が 参 考 情 報 に 収 載 されることによって、日 局 として 製 薬 用 水 に 関 する 国 際 調 和 を 促 進 するための 足 掛 かりを 築 くことができた.‣ 議 論 の 過 程 で、 国 際 調 和 の 上 でどのような 点 が 障 害となっているかを 明 確 に 認 識 できたことは、これからの国 際 調 和 の 促 進 に 資 するものと 思 われる.


日 局 16において 製 薬 用 水 各 条の 改 正 を 予 定製 薬 用 水 委 員 会 では、 日 局 16での 改 正 を 目指 して、 製 薬 用 水 各 条 の 見 直 しを 進 めてきており、 業 界 への 意 見 聴 取 を 経 て、このほどその 改 正 案 がまとまった.参 考 情 報 についても、 製 薬 用 水 各 条 と 整 合 し、かつ内 容 的 にも 充 実 したものとすべく 見 直 しが 進 められ、改 正 案 がまとまった.これらの 改 正 案 については、3 月 末 に 内 示 されて 意見 募 集 中 の 段 階 にある.


改 正 案 作 成 上 でキーとなったポイント123精 製 水 及 び 注 射 用 水 の 各 条 規 格 を、それぞれバルク水 と 容 器 入 りの 水 の2つの 規 格 に 切 り 分 けられないか?精 製 水 及 び 注 射 用 水 の 純 度 試 験 の 規 格 を、 現 行 の 無機 塩 類 や 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 に 代 えて、導 電 率 および 有 機 体 炭 素 (TOC)で 規 定 できないか?注 射 用 水 の 製 造 方 法 は、どのように 規 定 すべきか?


精 製 水バルク 水 と 容 器 入 りの 水 の規 格 の 切 り 分 け -2‣ 精 製 水 についても、 注 射 用 水 と 同 様 の 観 点 から 切 り 分けを 行 った.‣ 容 器 入 りの 精 製 水 の 規 格 としては、 使 用 の 実 態 から 見て• “ 滅 菌 ”を 標 榜 できるまでのバリデーションは 行 っていないが、微 生 物 が 一 定 水 準 以 下 となるように 管 理 されたタイプのもの→ 精 製 水 ( 容 器 入 り) *• 滅 菌 タイプのもの → 滅 菌 精 製 水 ( 容 器 入 り)の2つの 規 格 を 設 定 する 必 要 があると 考 えられた.--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------*業 界 への 意 見 聴 取 の 段 階 では、“ 小 分 け 精 製 水 ”の 名 称 とされていたが、その 後 の 検 討 の 中 で “ 精 製 水 ( 容 器 入 り)”とすることに 落 ち 着 いた.


日 局 15と 改 正 案 における 製 薬 用 水 各 条の 枠 組 みの 比 較精 製 水日 局 15常 水滅 菌 精 製 水 ( 容 器 入 り)注 射 用 水(バルク&容 器 入 り)(バルク&容 器 入 り)精 製 水精 製 水( 容 器 入 り)滅 菌 精 製 水( 容 器 入 り)注 射 用 水注 射 用 水( 容 器 入 り)改 正 案常 水(バルク)( 容 器 入 り)( 容 器 入 り)(バルク)( 容 器 入 り)


改 正 後 の 名 称 の 扱 い -1バルク 水 と 容 器 入 りの 水 の 切 り 分 けと 各 条 の名 称‣ バルク 水 は、 自 社 内 の 製 薬 用 水 製 造 システムで 製 造 され、 医 薬 品 の 製 造 設 備 に 配 管 により 供 給 されるもの( 製 薬 用 水 製 造 システムから 一 旦 容 器 に 入 れて 一 時 的 に 保 存 した後 に 医 薬 品 の 製 造 に 供 されるものを 含 む)⇒ バルクの 精 製 水 及 び 注 射 用 水 を、それぞれのレベルでの 基本 的 な 水 と 位 置 づけ、「 精 製 水 」 及 び「 注 射 用 水 」とした.‣ 容 器 入 りの 水 は、 容 器 に 入 れられて 市 販 されるもの⇒ 容 器 入 りの 精 製 水 及 び 注 射 用 水 は、「 精 製 水 」 及 び「 注 射 用水 」を 容 器 に 充 てんしたものとの 位 置 づけから、それぞれ「 精 製水 ( 容 器 入 り)」 及 び「 注 射 用 水 ( 容 器 入 り)」とした.


改 正 後 の 名 称 の 扱 い -2改 正 による 負 担 の 軽 減‣ 今 回 の 改 正 は、 製 薬 用 水 に 関 する 日 局 の 規 定 の 整 備の 一 環 として 行 われるものであり、バルク 水 と 容 器 入 りの 水 が1つの 各 条 規 格 の 中 で 扱 われることによって、医 薬 品 の 有 効 性 、 安 全 性 、 品 質 を 確 保 する 上 で 問 題があったために 行 われるものではない.‣ このため、バルク 水 を 用 いている 業 者 にも、 容 器 入 りの水 を 用 いている 業 者 にも、 改 正 による 負 担 ができるだけかからないようにするための 配 慮 が 払 われている.• 容 器 入 りの 水 の 場 合 、 日 局 での 正 名 は「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」および「 注 射 用 水 ( 容 器 入 り)」であるが、 各 条 に『ただし、( 容器 入 り)を 省 略 して 表 示 することができる.』との 記 載 が 加 えられて、 従 来 と 同 じラベル 表 示 でよいことが 示 されている.• また、 承 認 申 請 書 にも、バルク 水 か 容 器 入 りの 水 かを 区 別 して 記 載 する 必 要 はないとされる 見 込 みである.


純 度 試 験 規 格 の 見 直 しにおける基 本 的 方 針基 本 的 方 針 :‣ 旧 来 の 化 学 試 験 を 主 体 とした 試 験 項 目 の 多 い 煩 雑な 規 格 を、 現 在 の 水 質 管 理 技 術 を 踏 まえて、 導 電率 と 有 機 体 炭 素 (TOC)を 基 本 としたシンプルな 規格 に 改 める.⇒ バルク 水 と 容 器 入 りの 水 のそれぞれについて、この 方 針 の 適 用 が 可 能 かどうか 検 討 する.


何 故 、 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 試 験 に換 えてTOC 試 験 を 採 用 するのか?過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 試 験 の 問 題 点有 機 物 の 種 類 によって 過 マンガン 酸 カリウムに 対 する 感 受 性 が 大 きく 異 なる.• アセトニトリル >5000• メタノール 2500• フタル 酸 水 素 カリウム 500• ブドウ 糖 5• ショ 糖 2.5• ドデシルベンゼンスルホン 酸 ナトリウム 1有 機 不 純 物 だけでなく、 亜 硝 酸 塩 、 鉄 (Ⅱ) 塩 、 硫 化 物 なども 酸 化 される.‣ このように、 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 試 験 では、 水 中 に 混 在する 有 機 性 不 純 物 の 量 を 正 しく 評 価 できない.‣ 水 中 に 混 在 する 有 機 性 不 純 物 の 量 は、 有 機 体 炭 素 (TOC) 試 験 により正 しく 評 価 することが 可 能 である.このため、 水 道 水 質 基 準 では、 既 に 過 マンガン 酸 カリウム 消 費 量 試 験 を廃 止 して、TOC 試 験 を 採 用 している(2005.4.).日 局 でも、 超 ろ 過 法 により 製 造 した 注 射 用 水 には、 過 マンガン 酸 カリウム還 元 性 物 質 試 験 でなく、TOC 試 験 を 適 用 した( 日 局 11 追 補 ,1988).


バルク 水 及 び 容 器 入 りの 水 の 導 電 率及 びTOCレベルの 実 態 調 査実 態 調 査‣ 平 成 18 年 度 に 東 薬 工 ・ 大 薬 協 の 協 力 で 厚 生 労 働 科 学研 究 「 容 器 入 りの 精 製 水 及 び 注 射 用 水 の 水 質 実 態 調査 」( 以 下 、 実 態 調 査 )が 行 われた.*⇒ 製 薬 会 社 におけるバルク 水 及 び 容 器 入 りの 水 の 導 電 率 及 びTOCがどのようなレベルにあるか、その 実 態 を 明 らかにすることができた.‣ 本 実 態 調 査 の 結 果 に 基 づいて、バルク 水 ならびに 容 器入 りの 水 の 純 度 試 験 を 導 電 率 とTOCにより 設 定 可 能かどうか 検 討 した.---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------* 美 濃 部 敏 , 大 久 保 恒 夫 , 森 田 収 , 岡 田 敏 史 , 小 嶋 茂 雄 , 日 局 「 精 製水 」 及 び「 注 射 用 水 」の 導 電 率 及 び 有 機 体 炭 素 (TOC)による 水 質 評価 , 医 薬 品 研 究 ,2008, 39: 223-241.


純 度 試 験 規 格 の 見 直 し -1バルク 水‣ バルク 水 については、 導 電 率 及 び 有 機 体 炭 素 (TOC)を 指 標 とすることにより、 無 機 性 不 純 物 ( 無 機 塩 類 ) 及 び 有 機 性 不 純 物 をそれぞれの 総 量 として 管 理 することが 可 能 と 考 えられた.⇒ 純 度 試 験 にこれら2つの 試 験 項 目 〔 限 度 値 : 導 電 率2.1μS・cm -1 (25℃)*1 ,TOC: 0.50mg/L 〕を 設 定 する 代 わりに、 従 来 の 古 典 的 な 化 学 試 験 項 目 をすべて*2 削 除 することとした.*1 業 界 意 見 聴 取 案 の1.3μS・cm -1 では 厳 しいとの 意 見 により、 参 考 情 報 のオフライン 測 定 での 許 容 導 電 率 と 整 合 した 2.1μS・cm -1 に 改 めた.*2 業 界 意 見 聴 取 案 にあった 重 金 属 の 項 目 は、 導 電 率 でカバーしうるとの 報 告があること、また、USPにはなく、EPも 削 除 の 方 向 にあることから 削 除 した.‣ これによって、バルクの 精 製 水 および 注 射 用 水 の 規 格 ( 「 精 製 水 」および「 注 射 用 水 」 )を、 以 下 のスライドに 示 すように、 非 常 にシンプルなものとすることができた.• これは、EPやUSPにおける 製 薬 用 水 各 条 規 格 の 設 定 方 針 とも 合 致するものである.


日 局 15と 改 正 案 の「 精 製 水 」 各 条 の 比 較精 製 水 ( 日 局 15)Purified Water本 品 は「 常 水 」を 超 ろ 過 ( 逆 浸 透 , 限 外 ろ 過 ),イオン 交 換 ,蒸 留 又 はそれらの 組 み 合 わせにより 精 製 した 水 である. 本品 を 製 造 する 場 合 には, 微 生 物 による 汚 染 に 注 意 を 払 う 必要 がある.本 品 は 精 製 した 後 , 速 やかに 用 いる.ただし, 本 品 を 適 当な 容 器 に 入 れ, 微 生 物 の 増 殖 抑 制 が 図 られる 場 合 , 一 定 期間 保 存 することができる.性 状本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,におい 及 び 味 はない.純 度 試 験 ( 項 目 名 のみを 挙 げる)(1) 酸 又 はアルカリ(2) 塩 化 物(3) 硫 酸 塩(4) 硝 酸 性 窒 素(5) 亜 硝 酸 性 窒 素(6)アンモニウム〈1.02〉(7) 重 金 属(8) 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質(9) 蒸 発 残 留 物貯 法 容 器 気 密 容 器 .注 ) 緑 字 の 記 載 は 容 器 入 りの 水 に 関 するもの精 製 水 ( 改 正 案 )Purified Water本 品 は,イオン 交 換 , 蒸 留 , 逆 浸 透 又 は 限 外 ろ 過 などを 単 独 あるいは 組 み 合 わせたシステムにより,「 常 水 」より 製 したものである.本 品 は, 製 造 後 , 速 やかに 用 いる.ただし, 微 生 物 の 増 殖 抑 制が 図 られる 場 合 , 一 時 的 にこれを 保 存 することができる.性 状本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 有 機 体 炭 素 〈2.59〉 試 験 を 行 うとき,0.50 mg/L 以 下 である.導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 本 品 の 導 電 率 (25℃)は 2.1μS・cm -1 以 下 である.本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 ) =導 電 率 (T) x{1 + 0.021(25 -T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値(μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃)


精 製 水Purified Water本 品 は,イオン 交 換 , 蒸 留 , 逆 浸 透 又 は 限 外 ろ 過 などを 単 独 あるいは 組 み 合 わせたシステムにより,「 常 水 」より 製 したものである.本 品 は, 製 造 後 , 速 やかに 用 いる.ただし, 微 生 物 の 増 殖 抑 制が 図 られる 場 合 , 一 時 的 にこれを 保 存 することができる.*1性 状本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 有 機 体 炭 素 〈2.59〉 試 験 を 行 うとき,0.50 mg/L 以 下 である.*2、3導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 本 品 の 導 電 率 (25℃)は 2.1μS・cm -1 以 下 である.*4本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 ) =導 電 率 (T) x{1 + 0.021(25 -T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値(μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃)注 ) *1、3、4 注 射 用 水 の*2、3、4 参 照*2 業 界 意 見 聴 取 において、 精 製 水 の水 質 管 理 のために 高 価 なTOC 装 置 を 購入 するのは 負 担 が 重 いので、EPのようにTOCと 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質のいずれの 試 験 でもよいようにして 欲 しいとの 要 望 が 出 されたが、 次 の 理 由 から 採用 しなかった:水 道 水 の 水 質 がすでに 2005 年 からTOC 試 験 により 管 理 されるようになっている 状 況 にあることを 考 えると、 医 薬 品 製 造用 の 水 についても、バルク 水 の 場 合 には、 今 後 、TOC 試 験 に 基 づいて 水 質 管 理 が行 われるようにする 必 要 がある.容 器 入 りの 水 に 過 マンガン 酸 カリウム 還元 性 物 質 試 験 を 残 したのは、 溶 出 物 の 問題 があり、 TOCによる 水 質 管 理 の 一 律 的な 適 用 が 難 しいためのやむを 得 ざる 措 置である.


日 局 15と 改 正 案 の「 注 射 用 水 」 各 条 の 比 較注 射 用 水 ( 日 局 15)Water for Injection本 品 は,「 常 水 」 又 は「 精 製 水 」の 蒸 留 , 又 は「 精 製 水 」の 超 ろ 過( 逆 浸 透 膜 , 限 外 ろ 過 膜 又 はこれらの 膜 を 組 み 合 わせた 製 造 システム)により 製 して 注 射 剤 の 調 製 に 用 いるもの, 又 はこれを 容器 に 入 れて 滅 菌 したものである.本 品 を 超 ろ 過 法 により 製 する 場 合 , 微 生 物 による 製 造 システムの 汚 染 に 特 に 注 意 し, 蒸 留 により 製 したものと 同 等 の 品 質 をもつ必 要 がある. 本 品 を 注 射 剤 の 調 製 に 用 いる 場 合 , 製 造 後 , 速 やかに 用 いる.ただし, 汚 染 を 避 け,かつ 微 生 物 の 増 殖 が 抑 制 されるシステムが 構 築 されている 場 合 , 一 定 時 間 ( 期 間 ) 保 存 することができる.本 品 を 容 器 に 入 れて 滅 菌 したものは, 主 として 用 時 溶 解 又 は 懸濁 して 用 いる 注 射 剤 の 溶 解 剤 に 用 いる.本 品 を 蒸 留 法 により 製 した 場 合 ,その 容 器 入 り 滅 菌 製 品 に 対 しては, 別 名 として 注 射 用 蒸 留 水 と 表 示 することができる.純 度 試 験 ( 項 目 名 のみを 挙 げる) (1) 酸 又 はアルカリ、(2) 塩 化 物 、(3) 硫 酸 塩 、(4) 硝 酸 性 窒 素 、(5) 亜 硝 酸 性 窒 素 、(6)アンモニウム 〈1.02〉、(7) 重 金 属 、(8) 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 、(9) 蒸 発 残 留 物ただし, 超 ろ 過 により 製 して 注 射 剤 の 調 製 に 用 いるものについては、(8) 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 を 次 の(8) 有 機 体 炭素 に 代 える.また, 容 器 に 入 れて 滅 菌 したものの(1) 酸 又 はアルカリ,(2) 塩 化 物 ,(6)アンモニウム 及 び(9) 蒸 発 残 留 物 は、 次 の(1),(2),(6) 及 び(9)による.(1) 酸 又 はアルカリ、(2) 塩 化 物 、(6)アンモニウム〈1.02〉、(8)有 機 体 炭 素 〈2.59〉、(9) 蒸 発 残 留 物エンドトキシン〈4.01〉 0.25EU/mL 未 満 .採 取 容 量 〈6.05〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.無 菌 〈4.06〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.ただし, 本 試 験 は 容 器入 り 滅 菌 製 品 に 対 して 適 用 する.貯 法 容 器 ( 省 略 )注 ) 緑 字 の 記 載 は 容 器 入 りの 水 に 関 するもの注 射 用 水 ( 改 正 案 )Water for Injection本 品 は,「 常 水 」にイオン 交 換 , 逆 浸 透 等 による 適 切 な 前 処 理 を行 った 水 又 は「 精 製 水 」の, 蒸 留 又 は 超 ろ 過 により 製 したものである.本 品 を 超 ろ 過 法 ( 逆 浸 透 膜 , 分 子 量 約 6000 以 上 の 物 質 を 除 去できる 限 外 ろ 過 膜 , 又 はこれらの 膜 を 組 み 合 わせた 製 造 システムにより 水 を 精 製 する 方 法 )により 製 する 場 合 , 微 生 物 による 製造 システムの 汚 染 に 特 に 注 意 し, 蒸 留 法 により 製 したものと 同 等の 水 質 をもつものとする.本 品 は, 製 造 後 , 速 やかに 用 いる.ただし, 高 温 循 環 させるなど, 微 生 物 の 増 殖 が 抑 制 されるシステムが 構 築 されている 場 合 ,一 時 的 にこれを 保 存 することができる.性 状 本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 有 機 体 炭 素 〈2.59〉 試 験 を 行 うとき,0.50 mg/L 以 下である.導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 本 品 の 導 電 率 (25℃)は 2.1μS・cm -1 以 下 である.本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 ) =導 電 率 (T) x{1 + 0.021(25 -T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値(μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃ )エンドトキシン 〈4.01〉 0.25 EU/mL 未 満


注 射 用 水 の 製 法 に 関 する 記 載 について注 射 用 水 は、 日 局 15では、 “「 常 水 」 又 は「 精 製 水 」の 蒸 留 , 又 は「 精 製水 」の 超 ろ 過 により 製 する”こととされていた.• この 記 載 では、 蒸 留 法 による 注 射 用 水 の 製 造 には、 「 常 水 」を 直 接 前 処 理 なしで 使 ってもよいが、 超 ろ 過 法 による 注 射 用 水 の 製 造 には、 製 薬 用 水 製 造 システムの 中 で「 常 水 」に 前 処 理 を 加 えて 水 質 を 向 上 させたものでも、「 精 製 水 」の規 格 に 適 合 することが 示 されない 限 り 使 えないとの 解 釈 が 可 能 である.• ところが、「 常 水 」を 直 接 前 処 理 なしで 蒸 留 して 注 射 用 水 を 製 造 することには 問題 がある: 1) 水 道 水 には 遊 離 塩 素 が 含 まれているため、それを 除 去 する 必要 がある、2) 直 接 蒸 留 することにより、「 常 水 」 中 に 含 まれる 物 質 による 負 荷がすべて 蒸 留 装 置 にかかってしまい、 長 期 的 に 見 て 装 置 に 支 障 を 来 すおそれがある. 通 常 は、「 常 水 」 に 一 定 の 前 処 理 を 加 えて 「 精 製 水 」に 近 い 水 質 にした 水 が 蒸 留 に 供 されているものと 思 われる.• 製 薬 用 水 製 造 システムの 中 で「 常 水 」に 前 処 理 を 加 えて 「 精 製 水 」に 近 い 水 質にした 水 であれば、 超 ろ 過 法 による 注 射 用 水 の 製 造 に 使 っても 問 題 はないと考 えられる.‣ そこで、 改 正 案 では、 注 射 用 水 は、“ 「 常 水 」にイオン 交 換 , 逆 浸 透 等 による 適 切 な 前 処 理 を 行 った 水 又 は「 精 製 水 」の, 蒸 留 又 は 超 ろ 過 により 製 する”ことと 改 めた.• この 記 載 では、 「 常 水 」にイオン 交 換 , 逆 浸 透 等 による 適 切 な 前 処 理 を 行 って「 精 製 水 」に 近 い 水 質 とした 水 及 び「 精 製 水 」は、いずれも 蒸 留 法 による 注 射 用水 の 製 造 にも、 超 ろ 過 法 による 注 射 用 水 の 製 造 にも 使 えることになる.


純 度 試 験 規 格 の 見 直 し -2容 器 入 りの 水 (その1)‣ 容 器 入 りの 水 については、 実 態 調 査 により 得 られた 容 器 入 りの水 の 実 測 データに 基 づいて、 導 電 率 およびTOCによる 規 格 設定 の 可 能 性 について 検 討 した.1) 無 機 性 の 不 純 物‣ 調 査 結 果 から、バルク 水 と 同 様 に、 導 電 率 を 指 標 として 無 機 塩類 の 総 量 を 管 理 することが 可 能 と 判 断 し、 純 度 試 験 に 導 電 率の 規 格 を 設 定 する 代 わりに、 従 来 の 無 機 塩 類 の 試 験 項 目 のほとんどを 削 除 した.• 導 電 率 の 限 度 値 については、 容 器 入 り 注 射 用 水 の 国 際 調 和 案 において 提 案 された 値 をそのまま 採 用 した:内 容 量 が10mL 以 下 の 製 品 : 25.0μS・cm -1 以 下 (25℃)内 容 量 が10mLを 超 える 製 品 : 5.0μS・cm -1 以 下 (25℃)‣ これによって、 容 器 入 りの 注 射 用 水 および 精 製 水 (「 滅 菌 注 射用 水 」、「 小 分 け 精 製 水 」および「 滅 菌 精 製 水 」)の 規 格 も、 後 でスライドに 示 すようにかなりシンプルなものとすることができた.


純 度 試 験 規 格 の 見 直 し -3容 器 入 りの 水 (その2)2) 有 機 性 の 不 純 物‣ 調 査 結 果 から、 容 器 からの 溶 出 物 によりTOCレベルがかなり上 昇 することが 認 められたため、TOCを 指 標 として 管 理 するのは 難 しいと 判 断 し、 容 器 入 りの 水 の 規 格 には、 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 の 項 目 を 日 局 15のまま 残 すこととした.• 仮 にTOCの 規 格 への 切 り 替 えることにした 場 合 、これまで 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 の 規 格 に 適 合 して 流 通 してきた 製 品 をカバーする 必 要 があることから、「3000ppb 以 下 」のような 高 い 限度 値 を 設 けざるを 得 なくなる.⇒ これでは、バルク 水 のTOC 規 格 (0.50mg/L = 500ppb 以 下 )との 乖 離 が 大 きくなりすぎて、 設 定 した 限 度 値 の 妥 当 性 を 説 明 することができない.‣ USPやEPも、 容 器 入 りの 水 については、 過 マンガン 酸 カリウム還 元 性 物 質 の 規 格 を 残 している. 容 器 入 り 注 射 用 水 の 国 際 調和 案 においても 同 様 である.


注 射 用 水 ( 容 器 入 り)*1Sterile Water for Injection in Containers本 品 は「 注 射 用 水 」を 密 封 容 器 に 入 れ, 滅 菌 して 製 したもの, 又はあらかじめ 滅 菌 した「 注 射 用 水 」を 無 菌 的 な 手 法 により 無 菌 の容 器 に 入 れた 後 , 密 封 して 製 したものである.*2ただし,( 容 器 入 り)を 省 略 して 表 示 することができる.*3なお, 蒸 留 法 により 製 した「 注 射 用 水 」を 用 いて 本 品 を 製 造 した場 合 , 別 名 として 注 射 用 蒸 留 水 と 表 示 することができる.性 状 本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 *4 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 本 品 100 mLに希 硫 酸 10 mLを 加 えて 煮 沸 し,0.02 mol/L 過 マンガン 酸 カリウム 液0.10 mLを 加 え, 更 に10 分 間 煮 沸 するとき, 液 の 赤 色 は 消 えない.導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 内 容 量 が10 mL以 下 の 製 品 の 場 合 ,その 導 電 率 (25℃)は 25.0μS・cm -1 以 下 であり, 内 容 量 が10 mLを 超 える 製 品 の 場 合 は,5.0μS・cm -1 以 下 である.本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を 25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 )= 導 電 率 (T)×{1 + 0.021(25-T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値 (μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃)エンドトキシン〈4.01〉 0.25 EU/mL 未 満 .採 取 容 量 〈6.05〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.*5不 溶 性 異 物 〈6.06〉 第 1 法 により 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.*5不 溶 性 微 粒 子 〈6.07〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.*5無 菌 〈4.06〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.貯 法 容 器 密 封 容 器 .ただし,プラスチック 製 水 性 注 射 剤容 器 を 使 用 することができる.容 器 入 り 注 射 用 水 の各 条 案注 ) *1 業 界 意 見 聴 取 案 では、“ 滅 菌 注 射用 水 ”の 名 称 であったが、その 後 の 検 討 により、 容 器 入 りの 水 は、いずれも“○○○( 容 器入 り)”と 容 器 入 りの 水 であることを 明 示 した各 条 とすることとされた.*2 容 器 入 りの 注 射 用 水 の 製 法 として、「 注射 用 水 」を 容 器 に 入 れて 密 封 した 後 に 滅 菌 する 方 法 と「 注 射 用 水 」をあらかじめ 滅 菌 し、 無菌 的 に 容 器 に 入 れた 後 、 密 封 する 方 法 のいずれも 許 容 されることを 示 した.*3 この 記 載 により、これまでのラベル 表 示(“ 注 射 用 水 ”)のままでもよいことになる.*4 業 界 意 見 聴 取 案 にあった 蒸 発 残 留 物 の項 目 を 削 除 した 理 由 については、 精 製 水 ( 容器 入 り)の*3 参 照*5 いずれも 本 品 が 用 時 溶 解 型 の 注 射 剤に 溶 剤 として 添 付 されることから 必 要 とされる製 剤 試 験 であり、 日 局 15の 注 射 用 水 において 既 に 設 定 されていた 項 目 である.


容 器 入 りの 注 射 用 水 の 国 際 調 和 案 (2009.2.28 Stage3 Rev.1 Draft)Sterile Water for InjectionDEFINITION *1Sterile Water for Injection is prepared from Water for Injection that is suitably packaged and sterilized. It contains noantimicrobial agent or other added substance.Bacterial endotoxinsIt contains less than 0.25 EU/mL. See PDG Harmonized chapter for Bacterial Endotoxins.Sterility meets the requirements. See PDG Harmonized chapter for Sterility.Particulate mattermeets the requirements. See PDG Harmonized chapter for Particulate matter.Residue on Evaporation*2 Evaporate 100mL of Sterile Water for Injection. Dry the residue at 100-105℃ for 1 hr.The residue weighs not more than 4.0mg for containers with a nominal volume of 10mL or less. The residue weighsnot more than 3.0 mg for containers with a nominal volume greater than 10mL.Oxidizable substances To 100mL add 10mL of 2N sulfuric acid, and heat to boiling. Add 0.1mL of 0.02Mpotassium permanganate, and boil for 5 minutes. If a precipitate forms, cool in an ice bath to room temperature, andpass through a sintered-glass filter: the pink color does not completely disappear.Water Conductivity, Packaged WaterTransfer a sufficient amount of water to a suitable container, and stir the test specimen. Adjust the temperature, ifnecessary, and, while maintaining it at 25±1℃*1, begin vigorously agitating the test specimen while periodicallyobserving the conductivity. When the change in conductivity (due to uptake of ambient carbon dioxide) is less than anet of 0.1µS/cm per 5 minutes, note the conductivity. For containers with a nominal volume of 10mL or less, if theconductivity is not greater than 25µS/cm, the water meets the requirements. For containers with a nominal volumegreater than 10mL, if the conductivity is not greater than 5µS/cm, the water meets the requirements.注 ) *1 日 局 改 正 案 と 異 なる 規 定 ;*2 日 局 改 正 案 には 規 定 していない 項 目 ; 日 局 改 正 案 には、この 案 にない 採 取 容 量 、 不 溶 性 異 物 、 貯 法 の 項 目 がある.いずれも 調 和 に 向 けての 検 討 課 題 である.


精 製 水 ( 容 器 入 り) *1Purified Water in Containers本 品 は「 精 製 水 」を 気 密 容 器 に 入 れたものである.ただし,( 容 器 入 り)を 省 略 して 表 示 することができる.*2性 状 本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 *3 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 本 品 100mLに 希 硫 酸 10 mLを 加 えて 煮 沸 し,0.02 mol/L 過 マンガン酸 カリウム 液 0.10 mLを 加 え, 更 に 10 分 間 煮 沸 するとき, 液の 赤 色 は 消 えない.導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 内 容 量 が10mL 以 下 の 製 品 の 場 合 ,その 導 電 率 (25℃)は 25.0μS・cm -1以 下 であり, 内 容 量 が10 mLを 超 える 製 品 の 場 合 は,5.0μS・cm -1 以 下 である.本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの液 の 導 電 率 の 測 定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある 温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導 電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 )=導 電 率 (T)×{1 + 0.021(25 - T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値(μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃)微 生 物 限 度 〈4.05〉 試 験 を 行 うとき, 本 品 1 mL 当 たり, 総 好気 性 微 生 物 数 の 許 容 基 準 は10 2 CFUである.ただし,ソイビーン・カゼイン・ダイジェストカンテン 培 地 を 用 いる.*4貯 法 容 器 気 密 容 器 .容 器 入 り 精 製 水 の 各 条 案注 ) *1 業 界 意 見 聴 取 案 では、“ 小 分 け 精 製 水”の 名 称 であったが、その 後 の 検 討 により、 容 器入 りの 水 は、いずれも“○○○( 容 器 入 り)”と 容器 入 りの 水 であることを 明 示 した 各 条 名 称 とすることとされた.*2 この 記 載 によって、これまでのラベル 表 示 (“ 精 製 水 ”)のままでもよいことになる.*3 業 界 意 見 聴 取 案 にあった 蒸 発 残 留 物 の 項目 については、 次 の 理 由 から 削 除 した: 1 回 の試 験 の 試 料 量 が100mLであるため、 特 に5-10mL 入 りのような 小 容 量 の 製 品 の 場 合 に 多 数 の製 品 を 必 要 とするにもかかわらず、 製 品 の 安 全性 を 確 保 する 上 での 本 試 験 の 意 義 が 必 ずしも 明確 でないこと、また、 蒸 発 残 留 物 の 元 となるのは容 器 からの 溶 出 物 であり、プラスチック 製 医 薬 品容 器 試 験 法 の 溶 出 物 試 験 で 対 応 可 能 と 思 われること.なお、 容 器 入 り 注 射 用 水 の 国 際 調 和 案 にはこの 項 目 が 設 定 されており、 日 局 からその 必 要 性についてコメントを 提 出 する 予 定 である.*4 微 生 物 限 度 に 対 する 意 見 への 対 応 については、 次 のスライドで 説 明 する.


微 生 物 限 度 の 規 定 について業 界 意 見 聴 取 案 に 対 して 微 生 物 限 度 の 規 定 を 削 除 して 欲 しいとの 意 見 が 寄 せられたが、“ 滅 菌 ”を 標 榜 していないタイプの 容器 入 り 精 製 水 についても、 微 生 物 数 の 管 理 が 必 要 であるとの立 場 から 本 項 目 は 削 除 せず 残 した.‣ この 点 に 関 して、 参 考 情 報 改 正 案 の5 項 に、 次 のような 品 質 管理 上 の 留 意 事 項 を 記 載 した:『5.2.3. 微 生 物 限 度 ( 総 好 気 性 微 生 物 数 )滅 菌 した 容 器 入 りの 水 (「 滅 菌 精 製 水 ( 容 器 入 り)」 及 び「 注 射用 水 ( 容 器 入 り)」)について, 保 存 期 間 中 を 通 して, 無 菌 性 が保 証 されなければならないのは 当 然 のことであるが,「 精 製 水( 容 器 入 り)」については, 無 菌 性 が 求 められているわけではない.保 存 期 間 中 を 通 して 総 好 気 性 微 生 物 数 の 許 容 基 準 「1mL 当 たり 10 2 CFU」に 適 合 することが 要 求 されているが, 無 菌 的 な 製造 が 行 われない 限 り, 保 存 品 について, 長 期 間 にわたってこの許 容 基 準 に 適 合 させることは 困 難 であるため, 低 温 に 保 存 するなどにより 微 生 物 の 増 殖 を 抑 制 するとともに, 開 封 後 できるだけ 短 期 間 に 使 いきるように 努 めることが 望 ましい.』


滅 菌 精 製 水 の 各 条 案 滅 菌 精 製 水 ( 容 器 入 り) ( 改 正 案 )Sterile Purified Water in Containers滅 菌 精 製 水 ( 日 局 15)Sterile Purified Water本 品 は「 精 製 水 」を 滅 菌 したものである滅 菌 精 製 水 *1本 品 は「 精 製 水 」を 密 封 容 器 に 入 れ, 滅 菌 して 製 したもの, 又 はあらかじめ 滅 菌 した「 精 製 水 」を 無 菌 的 な 手 法 により 無 菌 の 容 器に 入 れた 後 , 密 封 して 製 したものである.*2性 状 本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,におい 及 び 味 はない.純 度 試 験(1) 酸 又 はアルカリ(2) 塩 化 物(3) 硫 酸 塩(4) 硝 酸 性 窒 素(5) 亜 硝 酸 性 窒 素(6)アンモニウム〈1.02〉(7) 重 金 属(8) 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質(9) 蒸 発 残 留 物無 菌 〈4.06〉 本 品 500mLをとり,メンブランフィルター 法 により 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.貯 法 容 器 密 封 容 器 .ただし,プラスチック 製 水 性 注射 剤 容 器 を 使 用 することができる注 ) *1 各 条 名 は 変 更 されたが、 日 局 15の各 条 名 である“ 滅 菌 精 製 水 ”は、 別 名 として 残されたので、これまでのラベル 表 示 ( “ 滅 菌 精製 水 ” )のままでもよいことになる.*2、3 注 射 用 水 ( 容 器 入 り)の*2、4 と 同 じ性 状 本 品 は 無 色 澄 明 の 液 で,においはない.純 度 試 験 *3 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 本 品 100mLに希 硫 酸 10mLを 加 えて 煮 沸 し,0.02 mol/L 過 マンガン 酸 カリウム 液0.10mLを 加 え, 更 に10 分 間 煮 沸 するとき, 液 の 赤 色 は 消 えない.導 電 率 〈2.51〉 次 の 方 法 により 試 験 を 行 うとき, 内 容 量 が10mL以 下 の 製 品 の 場 合 ,その 導 電 率 (25℃)は 25.0μS・cm -1 以 下 であり, 内 容 量 が10mLを 超 える 製 品 の 場 合 は,5.0μS・cm -1 以 下 である.本 品 の 適 当 量 をビーカーにとり,かき 混 ぜる. 温 度 を25±0.1℃に 調 節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 導 電 率 の 測 定 が25℃ではなく,15 ~ 30℃の 範 囲 にある温 度 Tで 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて25℃における 導電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 )=導 電 率 (T)×{1 + 0.021(25 - T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値(μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃)無 菌 〈4.06〉 試 験 を 行 うとき, 適 合 する.貯 法 容 器 密 封 容 器 .ただし,プラスチック 製 水 性 注 射 剤容 器 を 使 用 することができる.


「 常 水 」 各 条 の 改 正常 水 ( 日 局 15)Water常 水 ( 改 正 案 )WaterH 2 O: 18.02本 品 は, 水 道 法 第 4 条 に 基 づく 水 質 基 準 ( 平 成 15 年 厚 生 労働 省 令 第 101 号 )に 適 合 するほか, 次 の 試 験 に 適 合 する.純 度 試 験 アンモニウム〈1.02〉 本 品 30mLを 検 液 とし, 試 験を 行 う. 比 較 液 は,アンモニウム 標 準 液 0.15mLにアンモニウム 試 験 用 精 製 水 を 加 えて30mLとする (0.05mg/L 以 下 ).H 2 O:18.02本 品 は, 水 道 法 第 4 条 に 基 づく 水 質 基 準 ( 平 成 15 年 厚 生 労働 省 令 第 101 号 )に 適 合 する.なお, 本 品 を 井 水 , 工 業 用 水 等から 各 施 設 において 製 造 する 場 合 は, 当 該 基 準 によるほか,次 の 試 験 に 適 合 する 水 とする.*純 度 試 験 アンモニウム〈1.02〉 本 品 30mLを 検 液 とし, 試 験を 行 う. 比 較 液 はアンモニウム 標 準 液 0.15mLにアンモニウム試 験 用 精 製 水 を 加 えて30mLとする (0.05mg/L 以 下 ).注 ) * 業 界 意 見 聴 取 の 段 階 では、「 常 水 」 各 条 の 改 定 は 予 定 していなかったが、 「 常 水」を 精 製 水 製 造 の 原 水 と 規 定 していたことから、「USPやEPが 水 道 水 をそのまま 精 製 水製 造 の 原 水 としているのに 対 して、 日 局 はアンモニウムの 試 験 を 追 加 の 要 求 事 項 としているのは、 国 際 調 和 の 点 から 適 切 でない.」との 意 見 が 出 された.日 局 がアンモニウムの 試 験 を 追 加 の 要 求 事 項 としたのは、 各 施 設 で 井 水 などから 常 水を 製 造 する 場 合 、 井 水 がし 尿 汚 染 されている 可 能 性 があるが、 水 道 水 質 基 準 にアンモニウムの 項 目 がないためであるので、 改 正 案 のように 追 加 要 求 事 項 の 適 用 対 象 を 井 水 ,工 業 用 水 等 に 限 定 することとした.


参 考 情 報 の 改 正 案 について


参 考 情 報 の 主 要 な 改 正 点1) 超 ろ 過 法 による 注 射 用 水 の 製 造 に 関 する 記 載 を充 実 させたこと2) 一 般 試 験 法 「〈8.01〉 滅 菌 法 及 び 無 菌 操 作 法 並びに 超 ろ 過 法 」から 超 ろ 過 法 の 項 を 削 除 し、 一 部修 正 の 上 で、 本 参 考 情 報 に 取 り 込 んだこと3) 導 電 率 を 指 標 としたモニタリングの 項 の 記 載 をバルク 水 の 各 条 における 導 電 率 の 規 定 と 整 合 したものに 改 めたこと4) 容 器 入 りの 水 の 品 質 管 理 に 関 する 留 意 事 項 の項 を 追 加 記 載 したこと


超 ろ 過 法 による 注 射 用 水 の 製 法 に 関 する 記 載‣ 日 局 15 参 考 情 報 1. 製 薬 用 水 の 種 類 4 注 射 用 水 における 製 法 に 関 する 記載 :注 射 用 水 は, 原 水 として 常 水 又 は 精 製 水 を 用 い, 蒸 留 , 逆 浸 透 , 分 子 量 6000 以 上 の 物 質 を 除 去 できる 限 外 ろ 過 又 はこれらの 組 合 せによる 処 理 を 経 て, 最 終 的 に 蒸 留 法 , 又 は 長 期 間 にわたるバリデ-ションと 綿 密 な 日 常 管 理 により, 蒸 留 法 により 製 した 水 と 同 等 の 品 質 が 恒 常 的 に 実 現 できることを 保 証された 超 ろ 過 法 により 製 造 する.‣ 参 考 情 報 改 正 案 1. 製 薬 用 水 の 種 類 4 注 射 用 水 における 製 法 に 関 する 記載 :「 注 射 用 水 」は,「 常 水 」にイオン 交 換 , 逆 浸 透 等 による 適 切 な 前 処 理 を 行 った 水 又 は「 精 製 水 」の, 蒸留 又 は 超 ろ 過 (RO/UF: Reverse Osmosis and/or Ultrafiltration)により 製 造 する.蒸 留 法 により 製 造 する 場 合 , 飛 沫 同 伴 による 汚 染 が 起 こらないように 留 意 する.超 ろ 過 法 により 製 造 する 場 合 , 長 期 間 にわたるバリデーションと 綿 密 な 日 常 管 理 により, 蒸 留 法 により製 造 した 水 と 同 等 の 品 質 の 水 が 恒 常 的 に 製 造 されることが 保 証 される 必 要 がある. 逆 浸 透 膜 又 は 限外 ろ 過 膜 を 単 独 であるいは 組 み 合 わせて 用 いた 注 射 用 水 製 造 システムのいずれにおいても, 注 射 用水 に 適 した 水 が 安 定 して 製 造 されることが, 前 処 理 装 置 を 含 む 製 造 システム 全 体 によって 保 証 されることが 肝 要 である. 製 造 システムに 供 給 される 水 に 関 しては, 適 切 なバリデーションと 日 常 管 理 により,原 水 として 適 切 な 水 質 が 維 持 されていることを 担 保 する. 超 ろ 過 法 による 製 造 システムに 関 しては, 水質 分 析 , 計 器 によるモニタリング 及 び 透 過 水 量 監 視 等 の 日 常 管 理 を 行 うとともに, 定 期 的 な 膜 の 外 観検 査 及 びエアリーク 試 験 を 実 施 し, 併 せて 使 用 した 膜 の 引 張 り 強 度 ,リークの 有 無 や 程 度 について 試験 を 行 って 膜 の 劣 化 の 度 合 いを 診 断 し, 膜 交 換 の 指 標 あるいは 膜 の 破 断 の 予 知 方 法 とするなど, 膜の 管 理 手 法 を 確 立 しておくことが 望 ましい.また,これらに 加 えて, 膜 の 使 用 条 件 に 見 合 った 適 切 な 交換 頻 度 を 定 めておくことが 望 ましい.


2. 超 ろ 過 法超 ろ 過 法 に 関 する 記 載 の 取 り 込 み超 ろ 過 法 は,「 精 製 水 」 又 は「 注 射 用 水 」の 製 造 において, 逆 浸 透 膜 又 は 限外 ろ 過 膜 を 単 独 であるいは 組 み 合 わせて 用 いた 製 造 システムにより 水 を 精製 する 方 法 であり, 蒸 留 法 に 替 わり 得 る 製 造 方 法 として 用 いられる.超 ろ 過 法 により「 注 射 用 水 」を 製 造 するときは, 通 例 , 前 処 理 設 備 , 注 射 用水 製 造 設 備 及 び 注 射 用 水 供 給 設 備 を 備 えた 製 造 システムを 用 いる. 前 処 理設 備 は, 原 水 から 固 形 物 , 溶 存 塩 類 及 びコロイド 状 物 質 などを 除 去 し, 注 射用 水 製 造 設 備 の 負 荷 を 軽 減 させるために, 注 射 用 水 製 造 設 備 の 前 に 設 置する. 本 設 備 は, 凝 集 装 置 , 沈 降 分 離 装 置 ,ろ 過 装 置 , 塩 素 殺 菌 装 置 , 酸化 ・ 還 元 装 置 , 残 留 塩 素 除 去 装 置 , 精 密 ろ 過 装 置 , 逆 浸 透 装 置 , 限 外 ろ 過装 置 及 びイオン 交 換 装 置 などを 原 水 の 水 質 に 応 じて 適 切 に 組 み 合 わせて 構成 される. 注 射 用 水 製 造 設 備 は, 前 処 理 水 供 給 装 置 , 紫 外 線 殺 菌 装 置 , 熱交 換 装 置 , 膜 モジュール, 洗 浄 ・ 殺 菌 用 装 置 などから 構 成 される. 注 射 用 水供 給 設 備 は,「 注 射 用 水 」を 一 時 的 に 保 存 するための 貯 水 タンク, 配 管 系 ,熱 交 換 装 置 , 循 環 ポンプ, 調 圧 装 置 などから 構 成 される.「 注 射 用 水 」を 一時 的 に 保 存 するためには, 通 例 ,80℃ 以 上 の 高 温 で 熱 循 環 させることにより微 生 物 の 増 殖 を 阻 止 する.なお, 超 ろ 過 法 により「 精 製 水 」を 製 造 する 場 合においても, 製 造 システムの 基 本 的 構 成 は「 注 射 用 水 」の 場 合 と 同 様 である.超 ろ 過 法 においては, 原 水 の 水 質 及 び 目 標 とする 水 質 を 考 慮 して, 膜 の 最適 な 組 み 合 わせを 選 択 する. 限 外 ろ 過 膜 を「 精 製 水 」 及 び「 注 射 用 水 」の 製造 に 用 いるときは, 微 生 物 及 び 分 子 量 約 6000 以 上 の 物 質 を 除 去 できる 膜 モジュールを 用 いる.( 茶 色 は 修 正 された 部 分 )


4.5.1 導 電 率 を 指 標 とするモニタリングの 項 の 記 載‣ 日 局 15における 記 載(2) 標 準 温 度 以 外 の 温 度 でモニタリングを 行 う 場 合標 準 温 度 以 外 の 温 度 での 導 電 率 測 定 により 水 質 をモニターしようとする 場合 , 下 記 の3 段 階 法 を 適 用 する.なお, 下 記 に 示 す 方 法 は 米 国 薬 局 方 (USP27,2004)のGeneral Chapter WATER CONDUCTIVITY に 整 合 させたものであり, 導 電 率 測 定 の 温 度 及 び 試 料 のpHにより 異 なる 許 容 導 電 率 を 定 め,3 段 階 ( 第 一 段 階 ~ 第 三 段 階 )の 対 応 を 求 めることとしている.‣ 参 考 情 報 改 正 案 における 記 載(2) 米 国 薬 局 方 の WATER CONDUCTIVITYによりモニタリングを 行 う 場 合インラインでの 導 電 率 モニタリングでは, 通 常 , 測 定 温 度 の 制 御 は 困 難 である.したがって, 標 準 温 度 以 外 の 温 度 でモニタリングしようとする 場 合 には, 下記 の 方 法 を 適 用 する.なお,この 方 法 は 米 国 薬 局 方 の WATERCONDUCTIVITY に 記 載 されている3 段 階 法 のうち, 第 一 段 階 及 び 第 二 段 階を 採 用 したものである.第 一 段 階1. 非 温 度 補 償 型 の 導 電 率 測 定 装 置 を 用 いる 場 合 , 導 電 率 の 他 に 水 の 温 度 も測 定 する.2. 表 3から, 測 定 温 度 又 は 表 にあるその 直 ぐ 下 の 温 度 における 導 電 率 を 求 め,その 値 を 測 定 温 度 における 許 容 導 電 率 とする. ( 表 3は 省 略 )3. 測 定 された 導 電 率 が, 許 容 導 電 率 以 下 であれば, 導 電 率 試 験 適 合 とする.もし 許 容 導 電 率 を 超 えるようであれば, 第 二 段 階 に 進 む.第 二 段 階1. 十 分 な 量 の 試 料 を 適 当 な 容 器 にとり,かき 混 ぜる. 温 度 を 調 節 し(25±1℃), 試 料 を 激 しくかき 混 ぜながら, 経 時 的 に 導 電 率 測 定 を 行 う. 大 気 中 の 二 酸化 炭 素 の 吸 収 による5 分 間 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS/cm 以 下 であれば,その 値 を( 大 気 と 平 衡 状 態 にある 試 料 の) 導 電 率 とする.試 験 法 を 理 解 しやすい 記 載 に 改 めるとともに、 導 電 率 の測 定 が 25℃でできなかったときの 補 正 式 を 導 入 した.2.( 大 気 と 平 衡 状 態 にある 試 料 の) 25℃における 導 電 率 が 2.1μS/cm 以 下 であれば, 導 電 率 試 験 適 合 とし,それ 以 上 であれば, 第 三 段 階 へと 進 む.第 三 段 階1. 試 料 温 度 を 25±1℃ に 維 持 しながら, 第 二 段 階 の1による 導 電 率 測 定 を 5分 以 内 に 終 了 する.その 試 料 100mLにつき, 飽 和 塩 化 カリウム 水 溶 液 0.3mLを 加 えた 後 ,0.1 pH 単 位 までのpH 測 定 を 行 う.2. 表 4から, 測 定 されたpHにおける 許 容 導 電 率 を 求 める. 測 定 された 導 電 率が,この 許 容 導 電 率 より 小 さければ,その 水 は 導 電 率 試 験 適 合 とする. 許 容導 電 率 より 大 きいか 又 は 試 料 のpHが 5.0 ~ 7.0の 範 囲 から 外 れる 場 合 には,その 水 は 導 電 率 試 験 不 適 合 と 判 定 する. ( 表 4は 省 略 )削 除第 一 段 階 (インラインでの 測 定 )1. 温 度 非 補 償 方 式 により 試 料 水 の 温 度 および 導 電 率 を 測 定 する.2. 表 3から, 測 定 された 温 度 における 許 容 導 電 率 を 求 める. 測 定 された 温 度が 表 3に 記 載 されている 温 度 の 間 にある 場 合 は, 測 定 された 温 度 の 直 ぐ 下 の温 度 における 値 を 許 容 導 電 率 とする. ( 表 3は 省 略 )3. 測 定 された 導 電 率 が, 許 容 導 電 率 以 下 であれば, 導 電 率 試 験 適 合 とする.許 容 導 電 率 を 超 える 場 合 には, 第 二 段 階 に 進 む.第 二 段 階 (オフラインでの 測 定 )1. 下 記 の 方 法 により, 容 器 に 採 水 後 ,かき 混 ぜることによって, 大 気 中 から 二酸 化 炭 素 を 平 衡 状 態 になるまで 吸 収 させ、 大 気 と 平 衡 状 態 になった 試 料 の 導電 率 を 測 定 する.2. 十 分 な 量 の 試 料 を 適 当 な 容 器 にとり,かき 混 ぜる. 温 度 を 25±0.1℃に 調節 し,かき 混 ぜながら, 一 定 時 間 ごとにこの 液 の 導 電 率 の 測 定 を 行 う.5 分 あたりの 導 電 率 変 化 が 0.1μS・cm -1 以 下 となったときの 導 電 率 を 本 品 の 導 電 率 (25℃)とする.なお, 温 度 が 25±0.1℃に 調 節 できず,15 ~ 30℃の 範 囲 にある 25℃ 以 外 の温 度 Tで 導 電 率 の 測 定 が 行 われた 場 合 は, 次 の 補 正 式 を 用 いて 25℃における 導 電 率 に 換 算 する.導 電 率 (25℃) (μS・cm -1 ) = 導 電 率 (T) x {1 + 0.021(25 - T)}導 電 率 (T): 温 度 T(℃)における 導 電 率 の 実 測 値 (μS・cm -1 )T : 測 定 温 度 (℃ )製 薬 用 水 各 条 の 導 電 率 の 試 験 方 法 と 限 度 値 をこれと 整 合 したものに 改 めた.3. 測 定 された 導 電 率 (25℃)が 2.1mS・cm -1 以 下 であれば, 導 電 率 試 験 適 合 とし,それを 超 える 場 合 は 不 適 合 と 判 定 する.


容 器 入 りの 水 の 品 質 管 理 に 関 する 留 意 事 項製 品 として 流 通 する 容 器 入 りの 水 (「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」,「 滅 菌 精 製 水 ( 容 器 入 り)」 及 び「 注 射 用 水 ( 容 器 入 り)」)の 品 質 管 理 に 関 しては, 容 器 入 りであることに 由 来 する特 有 の 留 意 事 項 がいくつかあることから、 本 項 に 記 載 した. 以 下 に 項 目 名 を 列 挙 する:5. 容 器 入 りの 水 の 品 質 管 理 に 関 する 留 意 事 項5.1 滅 菌 した 容 器 入 りの 水 の 製 法 について5.2 容 器 中 での 保 存 に 伴 う 水 質 変 化5.2.1. 無 機 性 不 純 物 ( 導 電 率 を 指 標 として 管 理 )5.2.2. 有 機 性 不 純 物 ( 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 又は 有 機 体 炭 素 (TOC)を 指 標 として 管 理 )5.2.3. 微 生 物 限 度 ( 総 好 気 性 微 生 物 数 )5.3 他 社 製 品 を 購 入 し, 医 薬 品 の 製 造 や 試 験 に 用 いる 場 合 の注 意 事 項


5.2.2. 有 機 性 不 純 物 の 項 の 記 載 ( 抜 粋 )日 本 薬 局 方 では, 容 器 入 りの 水 中 の 有 機 性 不 純 物 に 対 しては, 古典 的 な 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 による 管 理 を 求 めている.• これは, 容 器 中 での 保 存 により,TOC 量 が 著 しく 増 加 する 事 例 があり,バルク 水 に 整 合 させてTOCにより 規 格 を 設 定 することが 困 難 と 判 断 されたことによるものである. 特 に, 小 容 量 のプラスチック 製 容 器 入 りの 水については, 保 存 中 における 容 器 からの 溶 出 物 の 増 加 に 十 分 注 意 する必 要 がある.• 容 器 入 りの 水 において, 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性 物 質 による 有 機性 不 純 物 の 管 理 を 求 めているのは, 容 器 の 材 質 (ガラス,ポリエチレン,ポリプロピレン)やサイズ(0.5 ~ 2000mL) 及 び 保 存 期 間 の 如 何 によらず, 同 一 の 試 験 法 を 用 いて 試 験 できるようにするための 止 むを 得 ない措 置 としてとられたものであり, 溶 存 する 有 機 性 不 純 物 の 限 度 試 験 として 最 適 なものとして 規 定 されているわけではない.‣ 医 薬 品 の 製 造 業 者 の 責 任 において, 過 マンガン 酸 カリウム 還 元 性物 質 試 験 の 代 替 法 として 有 機 体 炭 素 試 験 を 採 用 し,TOCにより 品質 管 理 を 行 うことが 望 ましい.• TOCにより 品 質 管 理 を 行 う 場 合 , 下 記 のような 目 標 値 により 管 理 することが 望 ましい.内 容 量 が10mL 以 下 のもの: TOC 1500 ppb 以 下内 容 量 が10mL を 超 えるもの: TOC 1000 ppb 以 下


残 された 検 討 課 題


残 された 検 討 事 項 -1試 験 に 用 いる 水 をどう 記 載 するか?‣ 日 局 15における 記 載 ( 通 則 20 項 )「 医 薬 品 の 試 験 に 用 いる 水 は, 別 に 規 定 するもののほか,「 精 製 水 」とする.」⇒ 精 製 水 の 各 条 をバルク 水 と 容 器 入 りの 水 に 切 り 分 けたことに 伴 い、 上記 の 規 定 を 改 める 必 要 がある.‣ どのように 改 めるか、 日 局 委 員 会 内 で 検 討 中 である1) 単 に「 精 製 水 」 → 「 精 製 水 」 又 は「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」 とする.試 験 機 関 の 研 究 室 で 小 型 の 蒸 留 装 置 で 製 造 し、 装 置 のタンクに 保存 された 水 は、 「 精 製 水 」 又 は「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」に 該 当 するかといった 問 題 がある.2) 通 則 20 項 を「 医 薬 品 の 試 験 に 用 いる 水 は, 別 に 規 定 するもののほか, 試 験 用 水 する.」のように 改 め、 試 薬 ・ 試 液 の 項 に 新 たに“ 試 験 用 水 ”を 試 験 の 目 的 に 適 う 水 として 規 定 する.• “ 試 験 用 水 ”の 規 定 ( 検 討 中 の 案 ): 「 試 験 を 妨 害 する 物 質 を 含 まないなど、 試 験 を 行 うのに 適 した 水 . 通 例 ,「 精 製 水 」 又 は「 精 製 水( 容 器 入 り)」を 用 いる.ただし,「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」の 微 生 物 限 度は, 微 生 物 の 試 験 に 用 いる 場 合 など、 必 要 な 場 合 に 適 用 する.」


残 された 検 討 事 項 -2製 剤 総 則 、 一 般 試 験 法 等 における 精 製 水 、 注 射 用 水 の記 載 をどう 改 めるか?‣ 原 薬 や 製 剤 の 製 造 や 処 方 に 関 する 事 項 の 中 での 記 載 については、基 本 的 に精 製 水 → 「 精 製 水 」 又 は「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」注 射 用 水 → 「 注 射 用 水 」 又 は「 注 射 用 水 ( 容 器 入 り)」と 改 めればよいと 思 われる.‣ 一 般 試 験 法 の 中 の 試 験 操 作 に 関 する 事 項 の 中 での 記 載 については、 前 述 の 通 則 の 試 験 に 用 いる 水 の 規 定 での 対 応 に 沿 って 改 める必 要 がある.1) 精 製 水 → 「 精 製 水 」 又 は「 精 製 水 ( 容 器 入 り)」?あるいは2) 精 製 水 → “ 試 験 用 水 ” + 試 薬 ・ 試 液 に“ 試 験 用 水 ”の 規 定 を 設 ける?注 ) 日 局 15には、すでに“エンドトキシン 試 験 用 水 ”の 記 載 がある.また、“アンモニア 試 験 用 精 製 水 ” 及 び“ 微 粒 子 試 験 用 精 製 水 ”などの 記 載 も、それぞれ“アンモニア 試 験 用 水 ” 及 び“ 微 粒 子 試 験 用 水 ”としてよいのではないか?


残 された 検 討 事 項 -3モニタリングデータの 適 否 の 判 定 への 活 用‣ 業 界 意 見 聴 取 案 に 対 して、 導 電 率 及 びTOCのインラインモニタリングデータを 当 該 製 薬 用 水 の 適 否 の 判 定 に 利用 できるようにして 欲 しいとの 要 望 が 出 された.⇒ 製 薬 用 水 委 員 会 では、この 要 望 に 基 づいて、 活 用 の 可 能 性 について 検 討 を 重 ねてきているが、GMPの 運 用 とも 絡 む 問 題 であり、今 後 も 継 続 して 議 論 すべき 課 題 の 一 つとなっている.‣ 現 在 、 GMPにおいては、 各 ユースポイントにおいて 採 取 された 水 試料 の 試 験 結 果 により 製 造 される 水 の 適 否 を 確 認 しているため、インラインモニタリングの 測 定 データがユースポイントでの 試 験 データと見 なせるかどうかが 問 題 となる.‣ ところが、 各 施 設 の 製 薬 用 水 製 造 システムを 見 てみると、 必 ずしもインラインモニタリングの 測 定 ポイント=ユースポイントと 言 えない 状況 にあり、 現 時 点 では、 一 律 にインラインでの 測 定 データをユースポイントでの 試 験 データとして 用 いてよいとするのは 難 しいと 考 えられる.


おわりに日 局 の 製 薬 用 水 各 条 が 導 電 率 とTOCをベースとしたものに 改 められると、これら2つの 指 標 により 製 造 される 水の 品 質 を 管 理 することができるため、 品 質 管 理 にかかる経 費 と 人 員 を 大 幅 に 削 減 することができる.また、 EPやUSPの 水 各 条 との 違 いの 一 つが 解 消 されることになり、 国 際 調 和 の 推 進 に 大 きく 寄 与 することになると 思 われる.おわりに 当 たって、 改 正 案 の 作 成 にご 協 力 いただいた 製薬 用 水 委 員 会 、 東 西 局 方 / 技 術 研 究 委 員 会 をはじめとする 関 係 者 の 方 々に 感 謝 の 意 を 表 したい.


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