「看取りの文化」を 考える - 国際長寿センター

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大 事 に 思 っていたからだと 思 う。メールでのやり 取 りが 母 の 転 倒 骨 折 から 亡 くなるまでの10ヵ 月 で600 通 になった。辻 ● 治 療 方 針 でもめる 家 族 もある 一 方 で、介 護 や 看 取 りの 問 題 を 通 じて 一 つにまとまったり、 和 解 する 家 族 もいる。 結 局 、 病 院 であれ 自 宅 であれ、 本 人 も 家 族 も 満 足 して 最 期 のときを 迎 えられれば、 溝 のあった 家 族 も 和 解 できるような 気 がする。 遺 族 が 亡 くなった 後 の数 時 間 を 穏 やかに 過 ごし、そこでこのような最 期 でよかったねと 意 見 が 一 致 するのに 立ち 会 うと、 本 当 によかったなと 思 う。高 見 澤 ● 私 も 夫 の 介 護 にあたっては、2 人 の子 どもの 力 を 借 りてなんとかやってきたし、 辛い 経 験 も 共 有 したことで 家 族 の 絆 が 強 くなったことは、ありがたかった。しかし、 介 護 経 験を 通 じて 仲 のよかったはずの 家 族 がバラバラになった、という 話 はよく 耳 にするしそうなるのも 理 解 できる。極 論 になるかもしれないが、 子 どもと 同 居 をしていて 家 族 関 係 が 濃 密 であることと、 家 族関 係 がうまくいっているということとは、まったく別 な 話 ではないかという 気 がしている。ベルギーやオランダなどの 友 人 は、 子 どもは 一 緒に 住 んでいなくても 定 期 的 に 顔 を 出 して、 庭や 畑 の 手 入 れまでして 親 をサポートしている。高 齢 者 の 独 り 暮 らしでも、 近 くに 住 む 子 どもは毎 日 仕 事 帰 りに 寄 るとか、 遠 くに 住 んでいる 子どもは 毎 朝 電 話 をかけるとか、 何 らかのコミュニケーションをとっている。アメリカでも、 感 謝 祭 やクリスマスなど 行 事は 必 ず 家 族 揃 ってという 意 識 が 強 くて、 形 だけでも 家 族 が 結 束 しようと 皆 で 努 力 をしているという 印 象 を 受 ける *7 。それに 反 して、 日 本 人 の 場 合 は、まったく 断絶 状 態 という 例 が 少 なくない。 同 居 するとかえって 寂 しさが 募 るので、 同 居 したくないと 言う 人 も 増 えているくらいだ。 同 じ 家 の 上 下 階で 住 んでいても、 子 ども 世 帯 は 出 かけるときに声 をかけられるのが 煩 わしいから、 音 を 立 てずにそっと 出 かけてしまうとか、あるいは 半 年も 一 年 も 言 葉 を 交 わさないとか、 親 子 関 係 というより、 他 者 とのコミュニケーションがとれない人 たちがワーッと 溢 れてきたという 不 気 味 さを感 じている。こうした 現 象 は、 当 然 介 護 の 問題 が 生 じたときにも 影 響 しないわけはない。辻 ● ソーシャルワーカーからも 同 様 の 話 を 聞くことがある。 最 近 老 人 ホームに 入 居 した 方の 動 機 が、「 同 居 している 寂 しさに 耐 えられない」ということだった。 入 居 してしまったら 遠いし 訪 ねて 来 なくても 納 得 がいく。ところが 一緒 にいるのに、 声 も 掛 けてくれないし、だれも来 ない、そのほうがよほど 寂 しい。同 居 内 孤 独 とでもいうのだろうか。キャンベル ● 一 概 に 国 の 違 いとは 言 えないかもしれないが、 日 本 では 同 居 している 家 族の 心 のつながりが、 逆 に 弱 いように 思 う 場 合がある。ただこれからは、 独 居 や 夫 婦 のみといういわゆる 高 齢 者 のみの 世 帯 のほうが 増 えていき、 二 世 帯 、 三 世 帯 同 居 のケースは、 少 なくなってくると 思 う。ところが 矛 盾 するようだが、 逆 にこれからは在 宅 の 看 取 りは 増 えると 私 は 考 えている。 日本 福 祉 大 学 の 在 宅 ターミナルケア 研 究 会 が行 った 全 国 調 査 *8 によると、 独 り 暮 らしや 配 偶者 と2 人 で 暮 らしている 人 のほうが 在 宅 死 が 多く、 家 族 と 同 居 している 人 のほうが 病 院 で 亡 くなる 傾 向 が 強 い。それを 分 析 すれば、 子 世 帯との 同 居 だと 老 親 の 具 合 が 悪 くなると 子 どもの負 担 になるし、 若 い 孫 がいるような 家 族 構 成 だとさらにじゃまにされるかもしれない。でも 老 夫婦 なら、どちらかの 具 合 が 悪 くて 元 気 なほうが面 倒 を 見 るのは、 非 常 に 自 然 なのだと 思 う。辻 ● その 仮 説 が 現 実 となれば 非 常 に 興 味 深い。 日 本 では 同 居 していると、まず 家 族 の 迷惑 になりたくないと 考 えて 病 院 に 入 ってしまう。キャンベル ● 「 迷 惑 」ですか。それは 非 常に 日 本 的 な 発 想 だと 思 う。【*9】 自 宅 以 外 の 場 所 で 最 後 まで療 養 したい 理 由問 100これから 高 齢 者 のみの 世 帯 のほうが 増 えていき、 在 宅 の 看 取 りは 増 えると 私 は 考 えている。辻 ● 日 本 では「 最 後 までの 自 宅 療 養 が 困 難だと 考 える 理 由 」として「 家 族 に 負 担 がかかる」がトップにあげられていて、 自 分 の 意 思 よりも 家 族 の 迷 惑 を 考 えて、 生 活 の 場 を 選 んでいる 傾 向 にある *9 。欧 米 の 人 と 一 括 りにするのは 乱 暴 かもしれないが、 彼 らが 同 居 を 選 ぶにはその 根 っこにはお 互 いへの 愛 があるように 思 う。 日 本 の 場 合は、 住 宅 事 情 もあって 仕 方 なく 一 緒 に 住 んでいるケースも 多 い。 住 居 の 狭 さが、「 迷 惑 」という 考 えにも 大 きく 影 響 しているのではないか。独 り 暮 らし、 夫 婦 2 人 暮 らしになれば 確 かに755025083.611.525.218.51.645.716.92.62.520047

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