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我が国におけるウェブアーカイブ構築の意義および諸課題 - 日本学術会議

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では「トピックス」「 過 去 ニュース 提 供 」などの 情 報 を 深 堀 するサービスへのニーズが高 いことが、また30 代 の 子 育 て 世 代 で「キッズサイト」へのニーズが 高 くこの 世 代 を 通じて、 子 供 世 代 でのアーカイブの 利 活 用 が 進 む 可 能 性 を 示 している。3.3 学 術 としての 意 義ウェブ 上 には 様 々な 事 象 に 対 する 人 々の 経 験 、 感 想 、 意 見 、および 評 価 が 現 出 し、 変化 を 続 けている。ウェブアーカイブに 蓄 積 されるこれらの 情 報 は、 人 々の 意 識 の 歴 史 的変 遷 ともみなせることから、 言 語 学 、 社 会 学 、 政 治 学 等 、 多 様 な 学 術 分 野 においてこれまでにない 新 たな 研 究 調 査 の 対 象 および 情 報 源 として 幅 広 く 利 用 可 能 である。言 語 学 の 観 点 からは、 継 続 的 なウェブアーカイブは 貴 重 な 言 語 資 源 とみなせる。 例 えば、ブログ、 掲 示 板 等 のメディアに 既 存 の 辞 書 にはない 新 しい 造 語 が 頻 繁 に 用 いられることから、ウェブアーカイブを 用 いて 新 造 語 の 時 間 的 な 普 及 の 度 合 いを 調 査 し、 一 過 性の 流 行 で 終 わるか、 定 着 していくかなどを 観 測 することができる。また、 既 存 の 語 彙 に関 しても、 時 間 の 経 過 とともにその 使 われ 方 が 変 化 していくことから、 重 要 な 言 語 学 的調 査 の 対 象 となる。社 会 学 、 社 会 心 理 学 の 観 点 からは、ウェブアーカイブは 人 々の 社 会 活 動 、および 社 会的 概 念 に 関 する 意 識 の 履 歴 とみなせ、またウェブ 上 での 人 々の 活 動 そのものが 新 たな 社会 現 象 とも 捉 えられ、 調 査 対 象 として 注 目 を 集 めている。 米 国 コーネル 大 においては、2006 年 より 米 国 インターネット・アーカイブより 一 部 データの 提 供 を 受 けて、Web Labなる 社 会 科 学 への 応 用 を 目 的 としたウェブ 分 析 基 盤 が 構 築 されており、 社 会 科 学 者 との共 同 研 究 によりイノベーションの 普 及 過 程 等 の 調 査 が 行 われている。政 治 学 の 観 点 からは、ウェブアーカイブはその 時 々の 世 論 を 反 映 したものとみなせ、選 挙 、 政 府 の 施 策 、 政 治 家 の 発 言 等 に 対 する 人 々の 反 響 や 意 見 を 調 査 することが 可 能 となる。 近 年 、 政 治 家 および 政 党 はホームページや 動 画 サイト 等 で 情 報 発 信 を 行 っており、ウェブ 上 の 情 報 も 政 治 活 動 を 観 測 するうえで 重 要 な 情 報 源 となっている。 米 国 議 会 図 書館 のMINERVAプロジェクトにおいては、 大 統 領 選 挙 に 関 して、 候 補 者 、 政 党 、 評 論 家 等のホームページやブログ、および 関 連 する 情 報 を 選 別 して 収 集 、 蓄 積 しており、 同 様 に、米 国 政 府 、 上 院 、 議 会 に 関 係 するホームページや、 先 の 教 皇 選 挙 に 関 係 するホームページ 等 、 重 要 な 政 治 的 イベントに 関 するアーカイブを 作 成 して 研 究 者 に 提 供 を 行 っている。ウェブ 情 報 を 用 いた 政 治 学 的 研 究 としては、ブログネットワークの 構 造 を 用 いた 支 持 政党 による 意 見 対 立 分 析 などが 行 われている。こうした 様 々な 学 術 調 査 のみならず、 論 文 、 学 会 発 表 など 学 術 成 果 の 影 響 力 をいち 早く 知 るためにもウェブアーカイブを 利 用 することが 可 能 である。 通 常 、 論 文 の 影 響 力 の評 価 は 他 の 論 文 からどの 程 度 参 照 されたかを 基 準 とするインパクトファクタ―を 用 いて 行 われるが、 論 文 出 版 のスピードを 考 慮 すると 評 価 に 必 要 な 参 照 数 を 得 るまでには 数年 の 時 間 を 必 要 とする。しかし、ウェブ 上 では 論 文 が 発 表 された 直 後 からその 内 容 につ7

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