日中相互依存関係の展望 - 株式会社コングレ

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日中相互依存関係の展望 - 株式会社コングレ

2005.1025Tue.26Wed.大 阪 国 际 会 议 场 大 阪 丽 佳 皇 家 酒 店 报 告 书日 中 相 互 依 存 关 系 的 展 望 历 史 转 变 期 下 的 深 入 对 话 与 商 务 合 作 主 办 单 位 日 中 经 济 研 讨 会 召 开 委 员 会 ( 会 长 : 秋 山 喜 久 关 西 经 济 连 合 会 会 长 ) 构 成 团 体 关 西 经 济 连 合 会 、 经 济 产 业 省 、 日 本 贸 易 振 兴 机 构 (JETRO)、 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所 、 日 中 经 济 协 会 、大 阪 商 工 会 议 所 、 京 都 商 工 会 议 所 、 神 户 商 工 会 议 所 、 关 西 经 济 同 友 会 、 近 畿 经 济 产 业 局 后 援 大 阪 府 、 大 阪 市 、 日 中 经 济 贸 易 中 心 、 日 中 投 资 促 进 机 构


20 Japan-China Econom


赞 助 企 业 、 团 体日 中 经 济 研 讨 会05关 西 电 力 株 式 会 社松 下 电 器 产 业 株 式 会 社大 阪 煤 气 株 式 会 社大 金 工 业 株 式 会 社丰 田 汽 车 公 司欧 姆 龙 株 式 会 社日 本 三 得 利 公 司三 洋 电 机 株 式 会 社日 联 银 行伊 藤 忠 商 事 株 式 会 社株 式 会 社 大 林 组株 式 会 社 钟 渊 化 学株 式 会 社 神 户 制 钢 所住 友 金 属 工 业 株 式 会 社株 式 会 社 大 丸大 和 房 屋 工 业 股 份 公 司日 本 可 乐 丽 株 式 会 社东 洋 证 券 株 式 会 社东 洋 纺 织 株 式 会 社西 日 本 电 信 电 话 株 式 会 社日 本 航 空 公 司日 本 生 命 保 险 公 司松 下 电 工 株 式 会 社丸 红 株 式 会 社三 菱 商 事 株 式 会 社明 治 安 田 生 命 保 险 相 互 会 社株 式 会 社 理 光联 合 株 式 会 社ARTCORPORATION爱 必 洒 集 团株 式 会 社 三 利 得 产 业腾 龙 计 算 机 ( 上 海 ) 有 限 公 司苏 州 华 裔 天 合 实 业 有 限 公 司烟 台 市 投 资 促 进 局武 田 药 品 工 业 株 式 会 社ic Conference 2005


日 中 经 济 研 讨 会Japan-China Economic Conference2005 报 告 书日 中 相 互 依 存 关 系 的 展 望 历 史 转 变 期 下 的 深 入 对 话 与 商 务 合 作 0203 会 议 宗 旨0408 日 程1212 开 会 情 景2181 报 告145146 研 讨 会 顾 问 委 员


Japan-China Econ2005Japan-China Economic Conference 2005


2005.1025Tue.26Wed.大 阪 国 际 会 议 场 大 阪 丽 佳 皇 家 酒 店日 中 经 济 研 讨 会 2005会 议 宗 旨日 中 相 互 依 存 关 系 的 展 望 历 史 转 变 期 下 的 深 入 对 话 与 商 务 合 作 在 经 济 全 球 化 的 进 程 中 , 崛 起 的 中 国 和 以 位 居 世 界 第 二 的 日 本 , 对 世 界 的 影响 无 可 估 量 。 我 们 之 间 不 仅 有 着 竞 争 关 系 , 同 时 两 国 有 自 己 的 独 自 强 项 优 势 , 只要 优 势 互 补 就 能 实 现 可 持 续 发 展 。 随 着 经 济 全 球 化 的 进 展 及 中 国 经 济 的 发 展 , 日 中 两 国 的 相 互 依 存 关 系 不 断 深 化 。以 往 主 要 面 向 美 国 的 日 本 贸 易 和 投 资 , 在 急 速 转 向 东 亚 , 年 日 本 出 口 中 东 亚占 %, 而 中 国 占 %, 达 到 约 兆 日 元 的 规 模 , 中 国 的 份 量 与 日 俱 增 , 日 中 经 济 关系 如 此 在 不 断 深 化 。 中 国 为 了 实 现 可 持 续 发 展 , 建 设 小 康 社 会 的 目 标 , 需 要 日 本提 供 资 金 、 技 术 以 提 升 经 济 产 业 基 础 , 或 作 为 其 出 口 和 海 外 投 资 的 有 利 对 象 需 要和 日 本 合 作 。 而 日 本 为 持 续 发 展 本 国 经 济 , 需 要 有 活 力 的 中 国 市 场 和 人 力 资 源 。 另 一 方 面 , 由 于 对 历 史 见 解 的 认 识 不 同 , 两 国 之 间 显 现 了 种 种 问 题 , 日 中 关 系 正要 进 入 一 个 历 史 性 的 转 折 期 。 要 渡 过 这 一 转 折 期 , 我 们 必 须 着 眼 于 共 同 利 益 在 不断 扩 大 的 事 实 , 进 一 步 加 深 相 互 理 解 。 为 此 , 承 担 着 两 国 合 作 的 核 心 作 用 的 两 国商 界 头 脑 之 间 , 就 今 后 日 中 关 系 的 应 有 面 貌 展 开 讨 论 是 最 有 效 的 。 特 别 是 围 绕 约 占 东 亚 % 的 日 中 两 国 怎 样 实 现 共 荣 共 存 的 双 赢 等 的 问 题 ,放 眼 未 来 , 进 行 有 建 设 性 的 讨 论 , 相 信 这 将 对 亚 洲 的 繁 荣 乃 至 世 界 经 济 的 发 展 都是 有 益 的 。 举 办 “ 日 中 经 济 研 讨 会 ” 旨 在 这 样 转 折 期 中 , 提 供 快 速 增 长 的 中 国 经 济 原 动 力的 中 国 商 界 头 脑 , 和 全 球 经 济 的 竞 争 中 取 胜 的 日 本 商 界 头 脑 相 聚 , 通 过 热 烈 的 讨论 加 深 相 互 理 解 , 谋 求 共 同 利 益 的 机 会 。 研 讨 会 还 准 备 项 目 对 接 , 积 极 创 造 新 的 商务 机 会 。omic Conference


200508:3016:3009:00 09:10 09:1011:15 11:1512:15 12:2013:2013:3015:15


2005.10.25Tue.26Wed.Japan-China Economic Conference2005 200508:3016:3009:0009:1009:1011:1511:1512:1512:2013:2013:3015:15


200515:3017:15 Crisis Management in Chinese Business 18:30 09:0010:45 11:0012:00


2005.10.25Tue.26Wed.Japan-China Economic Conference2005 200515:3017:15 18:30 2005 09:0010:4511:0012:00


2005日 程 星 期 二 08:3016:30签 到 大 阪 国 际 会 议 场 层 09:00 09:10开 幕 式 1003 秋 山 喜 久 关 西 经 济 连 合 会 会 长 、 日 中 经 济 研 讨 会 召 开 委 员 会 委 员 长 09:1011:1511:1512:15专 题 讨 论 日 中 相 互 依 存 关 系 的 展 望 历 史 转 变 期 下 的 深 入 对 话 与 商 务 合 作 少 德 敬 雄 松 下 电 器 产 业 株 式 会 社 顾 问 濑 户 雄 三 朝 日 啤 酒 株 式 会 社 顾 问 孔 丹 中 国 中 信 集 团 公 司 副 董 事 长 总 经 理 樊 纲 中 国 改 革 基 金 会 国 民 经 济 研 究 所 所 长 宋 军 清 华 控 股 有 限 公 司 总 裁 主 持 人 渡 边 修 日 本 贸 易 振 兴 机 构 理 事 长 经 济 产 业 研 究 所 讨 论 会 东 亚 经 济 共 同 体 和 日 中 关 系 吉 富 胜 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所 所 长 张 蕴 岭 社 会 科 学 院 亚 太 研 究 所 所 长 主 持 人 田 边 靖 雄 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所 副 所 长 1003100312:2013:2013:3015:15午 餐 5 层 餐 饮 厅 第 一 分 组 讨 论 会1003 特 别 讨 论 会 从 在 华 跨 国 企 业 的 失 败 实 例 学 习 在 中 国 经 商 的 成 功 秘 诀 何 富 民 (W. John Hoffmann)优 异 资 源 集 团(XRG - Exceptional Resources Group)Principal白 仁 (Tibor Baranski Jr.)君 合 法 律 事 务 所 法 律 顾 问 郭 德 (Douglas R. Gerber) Focus One Limited 合 伙 人 主 持 人 藤 原 弘 日 中 经 济 协 会 调 查 部 长1001 中 国 企 业 的 经 营 能 力 清 家 彰 敏 严 义 明 上 海 严 义 明 法 律 事 务 所 主 任陈 小 洪 国 务 院 发 展 研 究 中 心企 业 研 究 所 所 长 田 原 真 司 株 式 会 社 日 经 BP 北 京 支 局 长主 持 人 张 维 炯 中 欧 工 商 国 际 学 院 副 院 长


2005.10.25Tue.26Wed.Japan-China Economic Conference2005日 中 经 济 研 讨 会 200508:3016:3009:0009:1009:1011:1511:1512:1512:2013:2013:3015:151002 1009 环 境 产 业 日 中 环 境 商 务 的 多 方 面 发 展 管 原 正 孝 大 阪 产 业 大 学 人 间 环 境 学 部 长 横 山 隆 JFE 工 程 株 式 会 社 环 境 技 术 部 部 长 周 玮 生 立 命 馆 大 学 政 策 科 学 部 教 授 刘 炳 义 日 本 太 比 雅 株 式 会 社 总 经 理主 持 人 桥 本 城 二 株 式 会 社 田 熊 执 行 董 事 日 中 企 业 的 国 际 化 - 市 场 策 略 斋 藤 忠 胜 株 式 会 社 资 生 堂 执 行 常 务 董 事 中 国 总 代 表 ,资 生 堂 ( 中 国 ) 投 资 有 限 公 司 董 事 长浦 上 清 浦 上 亚 洲 经 营 研 究 所 代 表 ( 原 日 立亚 洲 ( 香 港 ) 有 限 公 司 董 事 总 经 理 )夏 斌 国 务 院 发 展 研 究 中 心 金 融 研 究 所 所 长 汤 士 明 侨 兴 集 团 有 限 公 司董 事 长 首 席 高 级 助 理 对 外 合 作 事 业 部 门 总 经 理 主 持 人 桑 原 哲 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所上 席 研 究 员


2005日 程 星 期 二 15:3017:15第 二 分 组 讨 论 会 骨 干 中 小 企 业 的 商 务 交 流 村 尾 龙 雄 律 师 法 人 加 施 德 糸 代 表 律 师 生 田 泰 宏 生 田 产 机 工 业 株 式 会 社 董 事 长 郑 剑 豪 剑 豪 集 团 有 限 公 司 董 事 长 主 持 人 西 田 健 一 丸 红 株 式 会 社 理 事1003 1001 对 华 商 务 活 动 中 的 危 机 管 理 Crisis Management in Chinese Business野 中 利 明 野 村 总 研 ( 上 海 ) 咨 询 有 限 公 司副 总 经 理 潘 建 新 蓝 色 光 标 公 共 关 系 机 构 副 总 裁 主 持 人 陶 景 洲 DLA PIPER RUDNICK GRAY CARY,SHANGHAI 合 伙 人18:30晚 餐 会 致 词 渡 边 修 日 本 贸 易 振 兴 机 构 理 事 长 福 水 健 文 近 畿 经 济 产 业 局 局 长日 程 星 期 三 09:0010:45第 三 分 组 讨 论 会 经 营 的 本 土 化 田 中 弘 司 松 下 工 株 式 会 社 常 役 松 下 工 ( 中 国 ) 有 限 公 司 董 事 长 王 丽 律 师 事 务 所 伙 人 、 律 师 、 律 师 长 伴 子 株 式 会 社 保 圣 那 全 球 总 经 理 主 持 人 杉 田 俊 明 甲 南 大 学 经 营 学 部 教 授 1003 1001 中 国 企 业 宣 传 详 情 请 参 照 11:0012:00闭 幕 式 纪 念 讲 演 苏 巴 猜 (Supachai Panitchpakdi) UNCTAD 秘 书 长 马 云 阿 里 巴 巴 ( 中 国 ) 网 络 技 术 有 限 公 司 首 席 执 行 官 (CEO)产 业 视 察 访 问 环 境 再 生 利 用 产 业 路 线 大 阪 国 际 会 场 出 发 到 达 ( 株 )REVERSE 工 厂 参 观 及 意 见 交 流 ( 株 )REVERSE 出 发 到 达 丽 佳 皇 家 饭 店


2005.10.25Tue.26Wed.Japan-China Economic Conference2005日 中 经 济 研 讨 会 200515:3017:151002 日 本 金 融 危 机 的 分 析 以 及 对 中 国 的 启 示 小 林 庆 一 郎 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所研 究 员 王 京 滨 东 京 大 学 社 会 科 学 研 究 所客 座 研 究 员 主 持 人 植 村 修 一 独 立 行 政 法 人 经 济 产 业 研 究 所上 级 研 究 员1009 日 中 企 业 的 国 际 化 - M&A胡 舒 立 『 财 经 』 杂 志 主 编 杨 淦 北 京 产 权 交 易 所 常 务 副 总 裁 须 田 成 人 野 村 证 券 株 式 会 社 企 业 情 报 部( 企 画 课 中 国 组 ) 上 级 专 任 职 刘 登 清 北 京 中 企 华 资 产 评 估 有 限 公 司 副 总 裁 射 手 矢 好 雄 森 滨 田 松 本 法 律 事 务 所 合 伙 人 岩 永 守 幸 东 京 证 券 交 易 所 资 本 市 场 推 广 部新 上 市 支 援 部 海 外 企 业 主 管 主 持 人 布 井 千 博 一 桥 大 学 大 学 院 国 际 企 业 战 略 研 究 科 教 授司 仪 住 吉 邦 夫 日 本 贸 易 振 兴 机 构 理 事大 阪 丽 佳 皇 家 酒 店 2 层 山 乐18:30日 中 经 济 研 讨 会 200509:0010:4510021009 第 129 页 中 国 企 业 宣 传 节 能 问 题 日 中 之 间 在 政 策 制 度 架 构 上 的 合 作 与 中 国 节 能 市 场 的 潜 力 宫 川 正 源 能 源 节 能 新 能 源 部 政 策 课 长 中 上 英 俊 ESCO 推 进 协 议 会 副 会 长株 式 会 社 住 环 境 计 划 研 究 所 总 经 理 西 村 聪 新 日 本 制 铁 株 式 会 社 工 程 事 业 本 部机 械 设 备 环 境 事 业 部 制 铁 机 械 设 备 第 一 部 长 周 凤 起 中 国 节 能 协 会 副 理 事 长 吴 道 洪 北 京 神 雾 热 能 技 术 有 限 公 司 董 事 长 主 持 人 田 中 茂 明 日 本 贸 易 振 兴 机 构 上 海 中 心 次 长 主 持 人 后 藤 康 浩 日 本 经 济 新 闻 社 产 业 部 编 辑 委 员 兼 播 报 员 、 论 说 委 员 100311:0012:00 关 西 文 化 学 术 研 究 都 市 研 究 所 路 线 大 阪 国 际 会 场 出 发 到 达 关 西 文 化 学 术 研 究 都 市1ATR(( 株 ) 国 际 电 气 通 信 基 础 技 术 研 究 所 )2 欧 姆 龙 ( 株 ) 京 阪 奈 技 术 革 新 中 心 3( 株 ) 岛 津 制 作 所 基 础 技 术 研 究 所 ( 京 阪 奈 ) 关 西 文 化 学 术 研 究 都 市 出 发 到 达 丽 佳 皇 家 饭 店


開 会 挨 拶 >日 時 : 2005 年 10 月 25 日 ( 火 ) 9:00~9:10秋 山 喜 久 ( 社 団 法 人 関 西 経 済 連 合 会 会 長 、 日 中 経 済 討 論 会 開 催 委 員 会 委 員 長 )( 司 会 ) 皆 様 、おはようございます。ただいまより「 日 中 経 済 討 論 会 2005」を 開 催 いたします。 本 日 はわざわざ 中 国 から、また 日 本 国 内 から 多 数 の 皆 様 にご 参 集 いただきましてまことにありがとうございます。また、この 討 論 会 の 開 催 に 当 たりましてご 協 力 を 頂 きました 協 賛 企 業 をはじめとした 数 多 くの 関 係 者 の 皆 様 、 大 変 ありがとうございます。 心 より 御 礼 を 申 し 上 げます。 私 は 本 日 午 前 のセッションの 進 行 役 を 務 めさせていただきます 日 本 貿 易振 興 機 構 JETRO の 理 事 の 住 吉 でございます。よろしくお 願 いいたします。それではまず 初 めに 主 催 者 を 代 表 いたしまして、 社 団 法 人 関 西 経 済 連 合 会 会 長 であり、 日 中 経 済 討 論 会 開 催 委 員長 でございます 秋 山 喜 久 様 よりごあいさつをちょうだいいたします。それでは 秋 山 様 よろしくお 願 いいたします。( 秋 山 ) 皆 さん、おはようございます。「 日 中 経 済 討 論 会 2005」の 開 会 に 当 たり、 主 催 者 を 代 表 いたしまして 一 言 ごあいさつ 申 し 上 げます。まず 初 めに、 中 国 からお 越 しいただいた 多 くのお 客 様 を 心 から 歓 迎 申 し 上 げます。また、 日 本 の 各 地 からご 参 加 いただきました 関 係 者 のかたにも、 厚 く 御 礼 申 し 上 げます。この 討 論 会 も、 今 年 で 5 回 目 を 数 えることになりました。 今 年 は 中 国からの 参 加 者 が 過 去 最 高 となり、 回 を 重 ねるごとに 関 心 が 広 がっていることを 大 変 心 強 く 思 っております。さて、 世 界 は 今 アジア 地 域 を 中 心 として 順 調 な 成 長 を 続 けておりますが、 一 方 では 深 刻 な 地 球 規 模 の 課 題 に 直 面 しつつあることも 否 定 できません。 言 うまでもなく、その 一 つは 地 球 温 暖 化 を 含 む 環 境 問 題 であります。さまざまな 環 境 の 悪化 がこのまま 進 めば、 各 国 の 経 済 発 展 の 大 きなボトルネックとなるだけではなく、 人 々の 安 全 や 健 康 にまで 深 刻 な 影 響 を及 ぼすことになりかねません。もう 一 つは 経 済 のグローバル 化 に 伴 って 世 界 各 国 、 地 域 間 の 宗 教 、 文 化 、 政 治 的 な 立 場 の 違 いによる 摩 擦 が 広 がっていることであります。 現 在 、 今 まで 以 上 に 国 際 的 社 会 の 相 互 理 解 が 求 められていることは 言 うまでもありません。そうした点 で、 我 々 日 本 と 中 国 はただお 互 いに Win-Win の 関 係 を 築 くだけでなく、 日 中 のより 深 い 交 流 と 連 携 を 通 じて、 世 界 の持 続 的 発 展 や 安 定 に 大 きく 貢 献 する 道 を 目 指 すべき 時 に 来 ているのではないでしょうか。これまで 日 中 両 国 は、 主 にものづくりの 分 野 での 投 資 交 流 から 始 まり、 共 同 での 市 場 開 発 やビジネス 開 発 へと、 連 携 の段 階 を 進 めてまいりました。こうした 連 携 をさらに 発 展 させ、 世 界 が 直 面 する 課 題 の 解 決 の 道 を 両 国 の 力 で 切 り 開 かねばなりません。まず、 環 境 問 題 については、 日 本 と 中 国 はそのかぎを 握 る 国 であります。 省 エネルギーやリサイクルなど、 環 境 技 術 面で 日 本 と 中 国 が 協 力 し、そこから 生 まれる 先 進 的 な 取 り 組 みを、アジア、さらには 世 界 に 拡 大 していくことが 世 界 の 環 境問 題 解 決 に 大 きく 貢 献 する 道 ではないでしょうか。また、 国 家 間 の 相 互 理 解 や 価 値 観 の 共 有 という 点 でも、 日 本 と 中 国 は 古 くからお 互 いの 文 化 を 尊 重 しながら 学 び 合 い高 め 合 ってまいりました。 今 後 もこの 日 中 交 流 をさらに 深 く 推 し 進 めることで、 世 界 各 国 の 友 好 と 交 流 の 模 範 となることができるのではないかと 思 います。 世 界 が 歴 史 的 な 転 換 期 に 差 しかかりつつある 今 、このように 日 中 の 企 業 が 集 まり、 自 由闊 達 な 議 論 を 繰 り 広 げることは、 日 本 、 中 国 が 先 頭 に 立 って、 世 界 の 安 定 と 繁 栄 を 築 き 上 げる 礎 となるものだと 確 信 しております。さらに、 本 日 お 集 まりの 日 中 の 企 業 家 の 皆 さんが、 豊 かな 発 想 力 と 行 動 力 を 発 揮 していただくことで、 素 晴 らしい 企 業連 携 や 新 しいビジネスの 形 が 生 まれることを 願 ってやみません。最 後 に、 孟 子 の 言 葉 に「 天 の 時 は 地 の 利 に 如 かず。 地 の 利 は 人 の 和 に 如 かず」というものがあります。 今 の 日 中 には、アジアの 時 代 という「 天 の 時 」、 隣 国 どうしであるという「 地 の 利 」が 備 わっております。しかし、 何 よりも「 人 の 和 」、すなわち1


両 国 の 団 結 が 重 要 であることは 言 うまでもありません。 本 討 論 会 を 通 じて 日 中 のきずながさらに 深 まり、 両 国 と 世 界 の 発 展につながることを 祈 念 いたしまして、 開 会 のあいさつといたします。 本 日 はご 参 加 いただきまして、まことにありがとうございました。( 司 会 ) 秋 山 様 、ありがとうございました。それでは 引 き 続 きましてパネルセッションに 移 ります。 恐 縮 ではございますが、演 台 を 移 動 する 間 、 少 々お 待 ちください。パネルセッションのモデレータおよびパネラーの 皆 様 、どうぞ 壇 上 にお 上 がりください。2


日 時 : 2005 年 10 月 25 日 ( 火 ) 9:10~11:15「 日 中 相 互 依 存 関 係 の 展 望 」─ 歴 史 的 転 換 期 における 対 話 の 深 化 とビジネスの 取 り 組 み─パネラー: 孔 丹 ( 中 国 中 信 集 団 公 司 CITIC 副 董 事 長 総 経 理 )樊 綱 ( 中 国 経 済 改 革 研 究 基 金 会 国 民 経 済 研 究 所 所 長 )宋 軍 ( 清 華 ホールディングス 総 裁 )少 德 敬 雄 ( 松 下 電 器 産 業 株 式 会 社 顧 問 )瀬 戸 雄 三 (アサヒビール 株 式 会 社 相 談 役 )モデレータ: 渡 辺 修 ( 日 本 貿 易 振 興 機 構 理 事 長 )( 司 会 ) それでは 準 備 が 整 いましたようですので、パネルセッション「 日 中 相 互 依 存 関 係 の 展 望 」に 入 らせていただきます。ここでこのセッションのモデレータでございます、 独 立 行 政 法 人 日 本 貿 易 振 興 機 構 の 渡 辺 理 事 長 にバトンタッチをさせていただきます。 渡 辺 理 事 長 、よろしくお 願 いいたします。( 渡 辺 ) JETRO の 理 事 長 の 渡 辺 でございます。おはようございます。よろしくお 願 いします( 拍 手 )。それではただいまから、 本 セミナーの 最 初 のパネルディスカッション「 日 中 相 互 依 存 関 係 の 展 望 」について、2 日 間 にわたるセミナーを 通 じた 共 通 のテーマですが、これについて 自 由 にかつ 幅 広 く、パネルディスカッションを 展 開 していきたいと 思 います。まず 最 初 に、この 記 念 すべき 最 初 のセッションに、パネラーとしてご 参 加 いただきます 皆 様 がたをご 紹 介 させていただきたいと 思 います。 皆 様 から 向 かって 左 から、 最 初 に 中 国 からはるばるお 越 しいただきましたパネラーをご 紹 介 させていただきます。中 国 を 代 表 する 投 資 会 社 CITIC のトップでいらっしゃいます 孔 丹 (コウ・タン) 総 経 理 でございます。その 右 側 におられますかたは、もうよくご 承 知 と 思 います。 中 国 を 代 表 するエコノミストで、 経 済 改 革 研 究 基 金 会 の 樊 綱(ファン・ガン) 所 長 でいらっしゃいます。その 右 側 が、 中 国 をこれまた 代 表 する 清 華 大 学 の 傘 下 で、 企 業 を 統 括 しておられます 清 華 ホールディングスの 宋 軍(ソウ・グン) 総 裁 でいらっしゃいます。続 きまして 日 本 側 のパネラーでございます。もう 皆 様 、よくご 承 知 の 松 下 電 器 の 少 德 顧 問 でいらっしゃいます。その 右 側 ですが、 中 国 で 10 年 以 上 ビジネスの 実 績 を 持 っておられます、アサヒビールの 瀬 戸 相 談 役 でいらっしゃいます。以 上 の 5 人 のかたがたに、 本 日 はパネラーとしてご 参 加 いただきます。それでは 私 のほうから、 冒 頭 に 幾 つかご 紹 介 申 し 上 げたいと 思 います。 今 年 は5 回 めですが、 実 は 昨 年 も 冒 頭 のパネルディスカッションを、 私 がモデレータをさせていただきました。そのときのテーマは、 東 アジアの FTA についての 問 題 でしたが、 本 日 はよりビジネスに 密 着 した 形 で、 日 中 間 のビジネス 交 流 について 取 り 上 げさせていただきます。ご 存 知 のようにこの 1 年 間 、いちいち 中 身 は 申 しませんが、 日 本 、 中 国 、さらには 日 中 間 、いろいろな 問 題 が 起 こりました。ここにお 越 しの 皆 様 がたも、それぞれご 自 分 のビジネス、あるいは 研 究 のうえで、いろいろな 困 難 に 直 面 されたことが想 起 されると 思 います。そうした 中 で、しかしながらここにおられますパネラーの5 人 のかたがたは、いずれも 日 本 もしくは 中国 を 代 表 する 企 業 あるいは 研 究 者 として、 日 中 間 の 産 業 連 携 、ビジネス 交 流 に 大 変 ご 努 力 をし、 邁 進 しておられるかたがたでございます。そうした 現 在 の 取 り 組 みの 状 況 、さらにはそれを 推 進 していくうえでの 幾 つかの 大 きな 直 面 する 課 題 をご 紹 介 いただき、3


それらを 乗 り 越 えて、どういう 工 夫 をしながら 未 来 にチャレンジをしていくのかという 観 点 で、それぞれ 5 人 のかたがたから、冒 頭 まず1 人 10 分 ということでご 発 言 を 頂 き、その 中 から 浮 かび 上 がりました 問 題 点 について、さらに 突 っ 込 んだ 議 論 をしていただきます。 時 間 の 許 す 範 囲 で、フロアの 皆 様 がたにご 参 加 いただき、ご 質 問 を 頂 きまして、 自 由 で 楽 しいファーストセッションにしたいと 考 えております。それでは 早 速 、パネルディスカッションに 入 っていきたいと 思 います。まず 最 初 に、 中 国 の 孔 丹 総 経 理 からお 話 を 頂 きたいと 思 います。 孔 丹 総 経 理 は 中 国 の 江 西 省 のご 出 身 でいらっしゃいまして、 中 国 社 会 科 学 院 大 学 院 で 経 済 学 修 士 をお 取 りになりました。しばらく 社 会 科 学 院 経 済 研 究 所 でお 働 きでいらっしゃいましたが、その 後 、 中 国 中 信 集 団 (CITIC)のほうにお 入 りになり、 香 港 に 長 らくご 在 任 でしたが、やがて 中 国 のほうに 戻 られまして、2000 年 7 月 から 現 在 まで、CITIC 副董 事 長 兼 総 経 理 としてご 活 躍 でございます。 大 変 有 名 な 会 社 で、 皆 様 よくご 承 知 と 思 います。それでは 早 速 マイクを 孔 丹 先 生 にお 譲 りしたいと 思 います。よろしくお 願 い 申 し 上 げます。( 孔 丹 ) 尊 敬 する 渡 辺 修 理 事 長 、 秋 山 喜 久 会 長 、 皆 様 、こんにちは。 皆 様 とこうして 一 堂 に 会 することができ、 大 変 うれしく 思 います。日 中 経 済 討 論 会 は 発 足 してから、 中 国 と 日 本 の 経 済 界 の 交 流 と 提 携 を 促 進 するため 積 極 的 な 役 割 を 果 たしてこられました。 討 論 会 の 主 催 者 と 参 加 者 の 方 々がなされてきた 努 力 に 対 して 敬 意 を 表 します。この 機 会 をお 借 りして、 中 日 の 経済 貿 易 関 係 の 発 展 について 個 人 的 な 意 見 を 述 べさせていただきたいと 思 います。中 日 の 経 済 貿 易 関 係 は、 両 国 に 幅 広 く 存 在 する 重 要 な 共 通 利 益 、 確 かな 信 頼 関 係 、 巨 大 な 経 済 的 補 完 性 と 明 らかな 地 縁 優 位 性 などのファクターに 基 づき、これらのファクターの 改 善 に 伴 い、 急 速 に 発 展 してきました。 中 日 両 国 は、それぞれ 優 位 性 を 有 しながら、お 互 いに 相 手 を 必 要 としています。 中 国 経 済 は 持 続 的 に 力 強 く 成 長 しており、マーケットの 潜在 力 も 大 きく、 労 働 力 も 豊 富 であり、 投 資 環 境 も 不 断 に 改 善 されております。 言 い 換 えれば、 日 本 企 業 にとってますます魅 力 的 な 発 展 のチャンスを 提 供 しており、 日 本 の 経 済 成 長 にとって 必 要 な 存 在 であります。また、 日 本 の 持 っている 豊 富な 資 本 、 先 進 的 な 技 術 、 豊 かな 経 営 管 理 の 経 験 と 強 い 創 造 の 精 神 は 中 国 の 経 済 発 展 に 必 要 なものです。現 在 、 中 国 と 日 本 はお 互 いに 重 要 なビジネスパートナーであり、 投 資 や 資 本 の 面 では 良 好 な 協 力 関 係 を 展 開 しています。 中 日 の 経 済 及 び 貿 易 の 分 野 での 相 互 依 存 度 は 非 常 に 高 く、 緊 密 になっています。このお 互 いに 補 完 し 合 い、 互 いに利 となる 協 力 関 係 は、 両 国 の 経 済 成 長 の 重 要 な 動 力 となり、 両 国 を 結 ぶ 重 要 な 架 け 橋 となっています。 中 日 経 済 貿 易関 係 の 健 全 な 持 続 的 発 展 は、 両 方 の 根 本 的 な 利 益 と 発 展 に 合 致 すると 共 に、 他 の 国 もその 恩 恵 を 受 けることとなります。近 年 、 中 日 関 係 にはいくつかの 変 化 が 生 じ、 両 国 の 経 済 貿 易 関 係 の 未 来 にある 種 の 不 安 定 さをもたらしています。たくさんの 人 が、 今 の 状 況 を 憂 慮 し、 十 分 に 自 信 が 持 てずにいますが、こういった 状 況 はだれ 一 人 として 望 むものではありません。 両 国 関 係 を 更 に 安 定 、 発 展 させ、 健 全 で 活 力 にみちたものにすることは、 両 国 及 び 両 国 の 国 民 に 幸 福 をもたらすものであり、 中 日 経 済 の 重 要 な 果 たすべき 責 任 であります。 中 国 と 日 本 の 大 企 業 のリーダーとして、 我 々は 中 日 経 済 貿 易における 重 要 な 参 加 者 、 推 進 者 、そして 維 持 者 であり、 両 国 の 経 済 貿 易 関 係 の 維 持 と 発 展 、 両 国 の 人 民 の 長 い 歴 史 をもつ 友 好 関 係 を 出 発 点 とし、お 互 いの 長 所 を 見 習 い、 共 通 の 利 益 と 協 力 分 野 を 求 め、 各 企 業 の 優 勢 を 十 分 に 発 揮 し、両 国 経 済 貿 易 発 展 に 尽 力 すべきであると 思 っております。中 信 グループは 中 央 政 府 が 管 理 する 国 有 重 要 企 業 の 一 つです。1979 年 に 中 国 改 革 の 父 、 鄧 小 平 氏 の 提 唱 と 支 持の 下 、 元 国 家 副 主 席 の 栄 毅 仁 氏 により 設 立 されました。 現 在 は 中 国 政 府 から 投 資 を 授 権 された 機 構 となり、 大 きな 成 長性 と 高 い 信 頼 性 、 強 い 競 争 力 を 有 する 企 業 に 発 展 しました。 鄧 小 平 氏 と 江 沢 民 氏 からも、 中 信 の 貢 献 と 業 績 に 表 彰 の言 葉 を 頂 いております。 中 信 グループは 金 融 を 主 力 事 業 とし、 中 国 で 初 めての 代 表 的 な 金 融 持 ち 株 会 社 です。 中 信 グループは、 傘 下 に 二 行 の 商 業 銀 行 を 有 するほか、グループ 会 社 の 中 信 証 券 は 中 国 初 の 上 場 証 券 会 社 であり、 買 収 、 合4


併 、 整 合 によって、 現 在 は、 中 国 でも 最 大 規 模 を 誇 る、 最 も 強 い 投 資 銀 行 に 発 展 しております。 中 信 信 託 投 資 会 社 の 総合 力 は、 中 国 国 内 の 同 業 者 の 中 でもトップに 位 置 し、イギリスのプルデンシャルグループとの 共 同 出 資 の 信 誠 生 命 保 険会 社 は 現 在 中 国 で 最 も 成 長 力 のある 合 弁 保 険 会 社 の 一 つです。そのほか、 香 港 の 中 信 国 際 金 融 ホールディングスは 中信 金 融 の 海 外 における 重 要 なプラットフォームであります。 中 信 は 完 備 した 金 融 サービスを 提 供 し、 金 融 資 源 も 豊 かであり、 総 合 力 の 優 勢 は 明 らかであります。また、 中 信 グループも 総 合 的 な 企 業 グループとして、IT 産 業 のインフラ 工 事 の 請負 から、 建 設 、 原 材 料 、 不 動 産 、ハイテク、エネルギー、 資 源 などの 分 野 において 多 くの 投 資 をしております。 中 信 グループは、 国 際 化 の 進 んだ 多 国 籍 企 業 として、 長 年 中 国 の 対 外 開 放 における 窓 口 をつとめてきました。 現 在 に 至 るまで、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、 及 び 中 国 の 香 港 とマカオにおいて、 航 空 、 金 融 、インフラ、 原 材 料 、エネルギー、 資 源 、 通 信 、 不 動 産 などの 分 野 で 重 要 な 投 資 を 行 い、 傘 下 に 複 数 の 影 響 力 を 持 つ 上 場 会 社 を 有 しています。近 年 、わが 社 は 外 部 環 境 の 激 しい 変 化 によりもたらされたチャンスと 挑 戦 に 積 極 的 に 対 応 し、 多 くの 分 野 において 持 続 的に 効 果 的 な 改 革 と 調 整 を 行 い、 収 益 力 、 競 争 力 と 共 に、 持 続 的 な 発 展 力 が 一 層 向 上 し、 発 展 の 基 盤 も 更 に 強 固 なものとなりました。 中 信 は 長 期 的 に 日 本 の 経 済 界 とよい 協 力 関 係 を 築 いており、その 歴 史 の 長 さ、 領 域 の 広 さ、 関 わりの 深 さ、互 いの 信 頼 関 係 及 び 効 果 の 大 きさから 見 て、 中 国 の 企 業 の 中 では 格 別 な 存 在 だと 思 っております。1982 年 1 月 、 中 信 は、 日 本 の 野 村 證 券 と 提 携 し、 初 めて 日 本 で 100 億 円 の 円 建 て 社 債 を 発 行 しました。これは 中 華人 民 共 和 国 が 成 立 してから 初 の 国 際 資 本 市 場 での 資 金 調 達 でした。その 後 、 中 信 は、 日 本 の 大 手 証 券 会 社 を 通 じて、合 計 10 回 の 円 建 て 社 債 と 2 回 の US ドル 建 て 社 債 を 発 行 し、 大 量 の 資 金 を 調 達 しました。 現 在 の 残 額 は、100 億 円 で、償 還 期 限 は 2016 年 となります。 近 年 、 中 信 の 海 外 の 国 際 投 資 銀 行 である 中 信 資 本 有 限 会 社 は、 日 本 の 企 業 数 社 と 協力 し、 中 信 日 本 投 資 パートナーファンドを 設 立 し、 中 国 に 進 出 している 日 本 の 中 小 企 業 をターゲットに 投 資 を 行 っています。 日 本 政 策 投 資 銀 行 、 住 友 信 託 銀 行 、 新 生 銀 行 、 商 社 の 丸 紅 、あおぞら 銀 行 などがファンドの 出 資 者 です。ファンドが 設 立 して 以 来 、マーケットの 大 きな 反 響 を 呼 び、 広 く 好 評 を 得 ています。また、 現 在 、 中 信 資 本 有 限 会 社 は 日 本 で 募集 金 額 2 億 ドルの 中 国 国 有 企 業 民 営 化 の 私 募 株 に 投 資 するファンドの 募 金 に 大 きな 力 を 入 れています。中 信 は、 現 在 に 至 る 発 展 の 歴 史 において、 日 本 企 業 と 数 多 くの 合 弁 企 業 を 創 設 してきました。このうち、サントリーとは中 国 江 蘇 サントリー 食 品 を、 資 生 堂 とは 上 海 の 卓 多 姿 中 信 化 粧 品 を 設 立 し、また、 日 産 自 動 車 と 共 同 出 資 し、 鄭 州 日産 自 動 車 を、ジェイティービーとは 中 日 合 弁 の 旅 行 会 社 などを 設 立 しました。今 年 は 三 菱 化 学 をはじめとする 日 本 寧 波 PTA 投 資 株 式 会 社 と 共 同 で 投 資 し、 世 界 最 大 規 模 の PTA 生 産 ラインを建 設 中 ですが、これも 中 国 石 油 化 学 産 業 において 日 本 の 投 資 した 唯 一 の 大 型 プロジェクトです。これらの 企 業 は 順 調 な発 展 が 期 待 され、 良 い 影 響 を 及 ぼしています。中 信 は 1984 年 から 現 在 に 至 るまで、 日 本 の R&I などの 格 付 け 会 社 と 密 接 な 協 力 関 係 を 持 っております。また、 日 本商 工 会 議 所 と 中 日 経 済 協 力 の 拡 大 会 議 を 8 回 ほど 共 同 主 催 する 等 、 日 本 とは 様 々なレベルとチャンネルを 通 じて 交 流活 動 を 展 開 しております。わが 社 はまた、 多 くの 日 本 企 業 に 中 国 のパートナー 企 業 や 投 資 案 件 を 紹 介 し、 日 本 企 業 の 中国 への 理 解 と 進 出 をお 手 伝 いしてまいりました。 中 信 のリーダーと 日 本 の 経 済 界 の 多 くの 方 々とビジネス 及 びプライベートの 面 において 友 好 的 な 関 係 を 築 いてまいりました。 日 本 の 友 人 もおっしゃった 通 り、 中 信 は 中 国 市 場 への 理 解 と 進 出 の良 いチャンネルであり、 中 日 経 済 貿 易 関 係 上 の 良 きパートナーでありガイドです。 日 本 との 協 力 関 係 を 深 めるため、 中 信は 対 日 の 窓 口 として、1982 年 に 東 京 に 日 本 代 表 事 務 所 を 設 立 し、 日 本 企 業 、 政 府 各 部 門 との 連 絡 などグループ 会 社 の対 日 業 務 のサポートを 担 当 しております。中 信 は 日 本 経 済 界 との 協 力 関 係 に 満 足 しております。 今 後 も 引 き 続 き 日 本 の 経 済 界 との 協 力 を 深 め、 拡 大 していきたいと 考 えております。 特 に、 資 産 管 理 、 投 資 銀 行 、 国 際 的 M&A、 事 業 投 資 などの 重 点 事 業 の 協 力 を 通 して 共 通 の 利益 、Win-Win の 共 同 発 展 関 係 の 実 現 を 願 っております。5


中 国 がこれからどのような 発 展 を 求 めるのかという 思 考 を 確 立 することは、 中 国 自 身 の 発 展 に 影 響 するだけではなく、世 界 中 に 重 要 な 影 響 を 及 ぼします。 私 は 中 国 国 有 大 企 業 の 責 任 者 として、 先 日 北 京 で 開 かれた 中 国 共 産 党 16 回 五中 全 会 に 出 席 しました。 今 回 の 会 議 では、 新 しい 発 展 理 念 と 政 策 主 張 が 提 出 され、2006 年 から 2010 年 の 国 民 経 済 と 社会 発 展 の 目 標 および 主 要 任 務 を 明 確 化 しました。 今 後 の 5 年 間 、 中 国 は 科 学 的 発 展 観 をもって 経 済 及 び 社 会 の 発 展を 全 局 的 にリードし、 人 を 基 本 とし、 発 展 の 観 念 を 転 換 して、 発 展 モデルを 革 新 します。そして 発 展 の 質 を 向 上 させ、 資源 節 約 型 の 環 境 にやさしい 社 会 と、 学 習 、 創 造 型 の 国 を 建 設 していきます。 経 済 社 会 発 展 を 適 切 にバランスのとれた 持続 的 な 軌 道 へ 導 入 し、 調 和 のとれた 社 会 の 構 築 に 力 を 注 ぎます。 経 済 成 長 、 質 的 な 効 果 と 利 益 、 社 会 発 展 、 改 革 開 放 、教 育 科 学 、 資 源 環 境 、 人 民 の 生 活 と 民 主 的 法 制 度 といった 面 から、 全 面 的 にまずまずの 豊 かな 社 会 を 達 成 するという 重要 な 段 階 的 進 展 を 実 現 します。これは、 中 国 だけではなく、 世 界 に 利 益 をもたらすものであり、 中 信 の 投 資 経 営 範 囲 の 重点 業 種 や 領 域 に 関 しても、 国 の 新 しい 5 ケ 年 計 画 の 原 則 に 基 づいて、 自 らの 発 展 要 求 に 従 い、 発 展 戦 略 を 定 め、 新 しい発 展 目 標 を 確 定 します。中 信 グループは 国 に 定 められたリーダーとして、 自 社 の 改 革 発 展 を 速 めて、 優 勢 を 発 揮 し、 金 融 業 の 総 合 経 営 を 安 定的 に 推 進 し、 主 力 事 業 と 他 の 重 要 業 務 のそれぞれの 業 界 における 地 位 、 競 争 力 、 影 響 力 を 高 め、 営 業 力 と 持 続 的 発 展能 力 を 強 化 します。 中 国 の 第 11 回 の 5 ケ 年 計 画 に 貢 献 し、 中 日 の 経 済 貿 易 関 係 の 長 期 的 発 展 に 寄 与 できるよう 尽 力いたします。以 上 簡 単 に 申 し 上 げました。ご 静 聴 ありがとうございました。( 渡 辺 ) 孔 丹 先 生 、 幅 広 いご 活 動 の 中 身 その 他 のご 紹 介 ありがとうございました。それでは 次 に 松 下 電 器 の 少 德 顧 問 のほうからお 話 を 頂 きたいと 思 います。 少 德 顧 問 は、 松 下 電 器 に 昭 和 38 年 にご 入社 になりまして、アメリカ、さらにはマレーシア、 中 国 と 大 変 幅 広 い 海 外 での 事 業 展 開 に 参 加 されました。 特 に 中 国 との 関係 は 大 変 深 いおつきあいを 経 験 されたと 伺 っております。 平 成 15 年 (2003 年 )に 松 下 電 器 の 代 表 取 締 役 副 社 長 にご 就任 されました。 今 年 6 月 、 同 社 の 顧 問 にご 就 任 されたということで、 文 字 どおりグローバルな 事 業 展 開 のご 経 験 者 でいらっしゃいます。それでは 少 德 さん、よろしくお 願 いいたします。( 少 德 ) ありがとうございます。ただいまご 紹 介 いただきました 松 下 電 器 産 業 の 少 德 でございます。このたびの 日 中 経 済討 論 会 でお 話 をさせていただく 機 会 をいただきまして、 大 変 ありがたく 思 っております。本 日 は「 松 下 電 器 の 中 国 事 業 の 課 題 と 今 後 の 展 望 」につきまして、お 話 をさせていただきます。( 以 下 スライド 併 用 )○ 時 間 が 限 られておりますので、この 三 つのパートに 分 けて 説 明 をいたします。まず 1 番 目 が、 松 下 電 器 の 中 国 事 業 の 今 日 までの 歩 みです。○ 当 社 におけます 中 国 事 業 のスタートは 1978 年 であります。 当 時 、 中 国 の 副 総 理 でいらっしゃいました 鄧 小 平 氏 が、 日中 平 和 友 好 条 約 批 准 書 交 換 のために 来 日 され、 松 下 電 器 を 視 察 されたことから 始 まっております。その 際 、 鄧 小 平 氏 は 当 社 のテレビ 事 業 部 門 をご 訪 問 なさって、 松 下 電 器 に 対 して、「 中 国 の 電 子 、 電 気 産 業 の 近 代化 にぜひとも 協 力 をしてほしい」と 要 請 をされ、 松 下 幸 之 助 創 業 者 は「 大 いに 協 力 しましょう」と 快 諾 をしたわけです。そして 翌 1979 年 と 80 年 に 松 下 幸 之 助 が 鄧 小 平 氏 のお 招 きを 受 け、 中 国 を 訪 問 しました。 訪 問 の 結 果 、「21 世 紀 はアジアの 時 代 、 特 に 日 本 と 中 国 が 手 を 携 えて 世 界 の 発 展 に 貢 献 をしなければならない」との 認 識 を 強 めました。以 後 25 年 間 、 松 下 電 器 は 中 国 の 電 子 工 業 の 発 展 に 貢 献 する、 中 国 の 人 々の 生 活 向 上 に 役 立 つという 基 本 的 な 考6


えに 基 づき、 一 貫 して 事 業 を 展 開 してまいりました。○ 当 社 の 事 業 は 初 めは「 技 術 協 力 」という 形 でスタートし、1979 年 、 上 海 白 黒 ブラウン 管 の 技 術 援 助 プロジェクトを 第 1 号とし、 今 日 まで 150 件 以 上 の 技 術 合 作 事 業 を 展 開 してまいっております。それが、その 後 の 当 社 の 中 国 への 直 接 投 資 への 強 い 基 盤 となり、1987 年 に 第 1 号 の 合 弁 会 社 である 北 京 松 下 彩 色 顕 像 管 有 限 公 司 を 設 立 し、 中 国 各 地 に 合 弁 事 業を 急 速 に 展 開 してまいりました。 現 在 では 合 計 59 社 、うち 製 造 会 社 45 社 の 松 下 グループが 中 国 で 事 業 活 動 をさせていただいております。○ 次 に、2004 年 度 の 当 社 の 事 業 全 体 から 中 国 事 業 の 規 模 を 見 てまいります。松 下 グループ 全 体 としては、 約 8 兆 7000 億 円 、 人 民 元 換 算 で 6700 億 元 の 売 上 高 で、そのうち 海 外 は 4 兆 1000 億円 、 中 国 だけで 見 ますと 6700 億 円 、 人 民 元 換 算 で 約 520 億 元 となっております。それぞれの 比 率 は 下 のグラフで 見 ていただきますと、 海 外 の 売 上 比 率 は47%で、そのうち 中 国 の 構 成 比 は16%でございます。この 数 字 から、 中 国 が 非 常 に 大 きなウエイトを 占 めていることがお 分 かりいただけると 思 います。○ 今 日 まで 展 開 してきた 中 国 事 業 ですが、 基 本 的 に 二 つの 側 面 からとらえております。 一 つは 世 界 最 大 の 生 産 、 輸 出 拠点 の 側 面 、もう 一 つは 世 界 最 大 の 市 場 としての 側 面 です。この 両 面 に 対 応 するためには、グローバル 視 点 からの 中 国 戦 略 の 構 築 と 実 践 が 重 要 です。グローバルで 事 業 に 勝 ち残 るためには、 中 国 を 脅 威 の 存 在 としてとらえるのではなく、 中 国 の 強 みであるさまざまな 競 争 力 を、いかに 事 業 に 生 かしていくかという 考 え 方 が 大 事 であると 考 えております。例 えば 中 国 の 強 みとは、 豊 富 で 優 秀 なヒューマンリソース、 経 営 のスピード、 競 争 力 のある 投 資 環 境 等 々です。そのために、 当 社 は 中 国 で 徹 底 した「 現 地 化 」「 集 約 化 」「 協 業 化 」「IT 化 」を 推 進 し、2006 年 には 中 国 国 内 での 販 売 約 1 兆 円の 達 成 を 目 指 している 段 階 です。○ 次 に、 現 在 の 具 体 的 な 中 国 事 業 の 強 化 の 施 策 と 考 え 方 について 説 明 をいたします。○まず、 最 初 が 展 開 している 製 造 拠 点 の 競 争 力 強 化 に 向 けた 拠 点 の 集 約 による、 規 模 の 拡 大 と 経 営 の 現 地 化 促 進 であります。21 世 紀 のグローバル 競 争 の 激 化 により、 過 去 の 事 業 競 争 力 パターンでは 勝 ち 残 ることが 難 しくなっています。 今 までは、展 開 した 市 場 に 根 ざした 製 造 展 開 そのものが 競 争 力 の 源 泉 でありました。それは 展 開 国 での 関 税 、 非 関 税 等 の 障 壁 があったからでもあります。しかし、グローバル 化 が 進 展 することにより、 事 実 上 経 済 的 国 境 はなくなっており、その 中 にあって、 規 模 の 経 済 、 他 社の 追 随 を 許 さない 先 端 技 術 、ブランド 力 が 大 きな 競 争 力 の 源 泉 となっております。当 社 の 中 国 事 業 強 化 に 関 しても、このグローバル 競 争 でいかに 勝 ち 抜 くかという 観 点 から、 拠 点 の 集 約 と 共 に 経 営 の現 地 化 を 加 速 させることが 極 めて 重 要 な 課 題 となっています。○ 中 国 事 業 強 化 の 二 つめのポイントが、R&D の 機 能 強 化 と 現 地 化 です。 当 社 は 2001 年 から、 中 国 における 開 発 拠 点 の充 実 強 化 を 図 ってまいりました。これには、 三 つの 側 面 があります。 第 1 に、もっと 市 場 に 根 ざした 商 品 開 発 を 現 地 で 強 化 すること。 第 2 に、グローバルな R&D 拠 点 の 重 要 なネットワークハブとしての 中 国 リソースを 生 かし、 開 発 コスト 面 や 人 材 の 活 用 を 図 ること。 第 3 に、 中国 の 大 学 や 政 府 研 究 機 関 との 連 携 した 開 発 プログラムを 推 進 し、 将 来 の 市 場 創 造 につなげていくことです。つまり、 当 社 の 事 業 強 化 戦 略 の 重 要 施 策 の 一 つとして、 中 国 の 優 秀 な 人 材 をフルに 活 用 し、 当 社 の 経 営 資 源 として依 存 するだけでなく、 中 国 にとっても 技 術 、ノウハウの 導 入 につながるという、まさしく 相 互 依 存 関 係 の 拡 大 が 典 型 的 に 現7


れる 分 野 であると 思 っています。○ 第 3 の 強 化 ポイントが 協 業 化 の 推 進 であります。 過 去 は 単 に 合 弁 製 造 会 社 を 設 立 していくことが、 中 国 との 協 業 展 開であったと 思 っております。しかし 21 世 紀 に 入 り、 協 業 の 在 り 方 も 大 きく 変 遷 を 遂 げようとしております。 一 つはデジタル 化の 進 展 に 伴 い、 日 中 間 で 共 同 開 発 、 新 規 格 の 策 定 の 取 り 組 みなどが 進 んでいます。 最 近 では、 永 新 同 方 社 との 合 弁 による、ハイデフィニションのセットトップボックスの 開 発 などを 行 い、 中 央 電 視 台 、CCTV のハイデフィニション TV ケーブルの 仕 様 策 定 に 参 画 した 実 例 があります。また 二 つめが、 中 国 の 有 力 企 業 との 相 互 補 完 による Win-Win の 協 業 です。 例 えば、 当 社 とTCLとの 協 業 が 挙 げられます。ただ、 基 本 的 に 市 場 で 競 合 関 係 にありますので、 具 体 的 な 協 業 の 成 果 としてはなかなか 難 しいのですが、 一 つずつ 地 道 に 協 業 できる 分 野 を 見 つける 努 力 が 必 要 と 考 えております。三 つめの 協 業 化 は、 日 中 間 の 委 託 生 産 の 拡 大 です。 日 中 企 業 のそれぞれの 強 みを 生 かし、すべて 自 社 投 資 で 行 うのでなく、 互 いに 経 営 資 源 を 活 用 した 委 託 生 産 が 拡 大 しております。まさしく、 事 業 戦 略 パートナーとして 相 互 依 存 関 係が 深 まっている 分 野 でもあります。○ 最 後 に、2010 年 に 向 けての 展 望 をお 話 ししたいと 思 います。○2010 年 に 向 けた 中 国 市 場 の 位 置 づけを 見 た 場 合 、 今 後 は 2008 年 の 北 京 オリンピックや 2010 年 の 上 海 万 博 等 、 国 際的 なビッグイベントが 続 き、 中 国 市 場 は 今 後 も 高 度 成 長 を 続 けるものと 予 測 しております。真 ん 中 の 円 グラフは、エレクトロニクスの 既 存 主 要 製 品 の 需 要 推 移 を 地 域 的 に 示 したものでありますが、 中 国 の 構 成比 は 急 速 に 増 加 し、2010 年 には 日 本 、アメリカ、ヨーロッパに 匹 敵 する 市 場 規 模 になると 考 えられております。当 社 では、 生 産 拠 点 は、ASEAN プラス 中 国 、 中 国 プラス ASEAN という 2 拠 点 政 策 を 取 っております。 今 後 、 中 国 とASEAN という「 世 界 の 工 場 」は、FTA ネットワークの 進 展 により、エレクトロニクス 業 界 にも 大 きなインパクトをもたらすに 違いありません。こうした 動 きを 見 据 えた 機 能 別 の 分 業 体 制 を、しっかりと 作 っていく 必 要 があると 考 えております。つまり、 中 国 だけに 焦 点 を 当 てた 戦 略 でなく、グローバル 視 点 からの 中 国 事 業 の 役 割 が 強 化 ・ 進 化 していくことであろうと 思 います。○ 次 は 非 常 に 複 雑 な 図 でありますが、これはいかに 全 世 界 で FTA が 進 展 し、 二 国 間 、 地 域 間 のブロック 化 、ボーダレス化 が 進 んでいるかを 示 したものです。 中 長 期 の 中 国 戦 略 も、 中 国 、 日 本 、また 当 社 の 生 産 拠 点 のある 国 ・ 地 域 で、どんな 形 で FTA ネットワークが 構 築 されるか。こういったグローバル 視 点 から、 最 適 地 生 産 、 最 適 地 販 売 という 海 外 事 業 戦 略を 進 めていくことが 当 社 の 基 本 スタンスであります。○2010 年 に 向 けてグローバル 経 営 環 境 の 変 化 が 加 速 していくことを 考 えますと、これからの 日 中 の 相 互 依 存 関 係 も、さらに 形 を 変 えて 発 展 していくものと 考 えます。90 年 代 に 大 きく 拡 大 した 日 中 間 の 合 弁 製 造 事 業 は、 今 や 新 たな 段 階 を 迎 え、 日 本 にとっては 中 国 事 業 拠 点 は 戦 略的 グローバル 拠 点 に 急 速 に 変 化 する 一 方 、 中 国 が 求 める 提 携 も、よりハイテク 分 野 にシフトしております。今 後 は、 単 に 合 弁 事 業 分 野 の 技 術 レベルを 上 げるだけでなく、より 日 中 相 互 の 戦 略 的 提 携 そのものが 高 度 化 すると 考えております。お 互 いに 経 営 リソースとして、よりパートナーとしての 重 要 度 が 高 まるのは 間 違 いありません。それに 向 けて 経 済 的 にも、 戦 略 的 にも、また 政 治 的 にも、 日 中 間 が、より 信 頼 できる 存 在 にならなくてはならないと 考 えております。以 上 で、 松 下 電 器 の 中 国 事 業 についての 説 明 を 終 わらせていただきます。ご 清 聴 ありがとうございました。( 渡 辺 ) 少 德 顧 問 、 大 変 ありがとうございました。8


それでは 次 に 樊 綱 所 長 のプレゼンテーションに 入 りたいと 思 います。 樊 綱 所 長 は 北 京 市 のご 出 身 でございまして、 華北 大 学 経 済 学 部 政 治 学 科 を 専 攻 され、その 後 、 中 国 社 会 科 学 院 大 学 院 経 済 研 究 科 で 西 洋 経 済 学 を 専 攻 になり、その後 、ハーバード 大 学 にご 留 学 、さらには 博 士 号 を 取 得 されたということです。1988 年 に 中 国 社 会 科 学 院 経 済 研 究 所 で 勤 務 され、その 後 幅 広 いご 活 動 をされましたあと、1995 年 から 中 国 改 革 経済 研 究 基 金 会 の 国 民 経 済 研 究 所 所 長 として、まさに 中 国 を 代 表 する、そしてまた 世 界 的 なエコノミストとしてご 活 躍 中 です。それでは 樊 綱 先 生 、どうぞよろしくお 願 い 申 し 上 げます。( 樊 綱 ) まず、 日 中 経 済 討 論 会 に 再 び 参 加 できたことをたいへん 光 栄 に 思 っています。また、このような 発 言 の 機 会 を 与えていただいてとても 感 謝 しております。 私 は 二 つの 問 題 についてお 話 ししたいと 思 います。 一 つ 目 の 問 題 は、 我 々のこのパートのテーマである、 中 日 両 国 経 済 の 相 互 依 存 についてです。この 相 互 依 存 関 係 は、ここ 数 年 政 治 上 の 問 題 はあったものの、 全 体 的 に 言 って、 経 済 の 角 度 から 見 ると、 両 国 の 経 済 関 係 はますます 密 接 になっており、 整 合 が 進 んだと 思 います。この 関 係 は、 両 国 間 の 貿 易 と 投 資 の 発 展 に 関 するデータからわかるだけではありません。JETRO の 皆 様 が 会 議 で配 られた、 日 中 の 経 済 貿 易 関 係 に 関 するデータも、この 点 について 十 分 に 説 明 していると 思 います。 私 が 申 し 上 げたいのは、こういうことです。 全 世 界 の 競 争 力 の 角 度 から、あるいはアジアと 世 界 の 経 済 に 起 こっている 変 化 から 中 日 の 経 済関 係 の 重 要 性 を 見 るなら、みなさんご 存 知 のとおり、 最 近 中 国 とアメリカや EU との 間 に 貿 易 摩 擦 が 起 こっていますが、その 大 きな 原 因 は、 中 国 はアメリカとの 貿 易 において 大 量 の 黒 字 があるということです。しかしながら 中 国 の 貿 易 はこれまでずっと 基 本 的 にバランスが 取 れております。このバランス 関 係 はどこから 来 ているのでしょうか? 我 々はアメリカに 対 して 大量 の 黒 字 がありますが、アジア 各 国 に 対 しては 大 量 の 赤 字 があるというところから 来 ているのです。アジア 各 国 とオーストラリア、これらの 国 や 地 域 に 対 する 我 々の 貿 易 赤 字 の 合 計 は、ちょうどアメリカやヨーロッパに 対 する 貿 易 黒 字 の 合 計 にほぼ 等 しいと 言 えるでしょう。このような 関 係 から 何 がわかるでしょう?それは、 実 際 のところ 現 在 アメリカやヨーロッパが、やっかいな「メイド・イン・チャイナ」の 商 品 、 現 実 には「メイド・イン・アジア」の 商 品 に 遭 遇 していると 感 じているということです。中 国 の 輸 出 という 角 度 から 見 ると、 我 々は 日 本 から 大 量 の 技 術 や 設 備 を 輸 入 し、 日 本 、 韓 国 、 台 湾 、それからアセアン各 国 から 大 量 の 半 製 品 や 原 材 料 を 輸 入 し、 香 港 やシンガポールの 貿 易 サービスを 利 用 し、 中 国 で 製 造 し、 加 工 して、中 国 の 輸 出 が 形 成 されているのです。そしてこのような 輸 出 において、 実 際 には 我 々アジア 全 体 の 競 争 力 が 発 揮 され、アジア 各 国 の 企 業 がグローバルな 競 争 力 をさらに 強 めているということが、アジア 経 済 の 整 合 性 と 相 互 関 係 が 日 々 密 接になり、 新 しい 生 産 ラインが 形 成 されるという 大 きな 趨 勢 の 中 に 体 現 されているのです。先 ほど 松 下 電 器 産 業 の 少 德 さんがお 話 しされましたが、 松 下 電 器 の 中 国 における 発 展 戦 略 も、 正 にこうした 発 展 の 趨勢 を 体 現 しているのです。アジアの 企 業 はアジアの 整 合 を 通 じて 共 に 自 己 の 競 争 力 を 高 め、グローバル 市 場 に 占 める 地位 を 共 に 高 めているのです。この 角 度 から 日 中 の 経 済 関 係 とアジアの 経 済 関 係 とわれわれの 企 業 競 争 力 の 発 展 を 見 ることが、アジアの 企 業 を 市 場 においてますます 発 展 させ、アジア 経 済 をますます 発 展 させていく 重 要 な 考 え 方 だと 思 います。また、こうした 考 え 方 は、 将 来 起 こりうる 多 くの 経 済 問 題 を 理 解 するのに 役 立 ちます。 例 えば 今 みなさんは 人 民 元 がさらに 切 り 上 げられると、 各 国 に 対 してどんな 影 響 があるかを 考 えていらっしゃいますね?しかし、 私 には 伺 いたいことがあります。それは、 人 民 元 が 切 り 上 げられると、アジア 各 国 の 貨 幣 はどのような 方 向 に 向 かうかということです。なぜなら、 過 去数 年 間 に 重 要 な 現 象 が 起 こりました。それは、アジア 各 国 が 中 国 との 貿 易 で 大 きな 黒 字 を 得 て、しかもアジア 各 国 の 貨幣 が 中 国 の 貨 幣 に 対 してある 程 度 の 価 値 上 昇 を 起 こしたということです。もし 人 民 元 が 米 ドルに 対 してさらに 切 り 上 げを 行なったら、アジア 各 国 の 貨 幣 の 変 化 する 方 向 は、 非 常 に 複 雑 な 局 面 となる 可 能 性 があり、アジア 経 済 の 世 界 全 体 における 購 買 力 とその 貿 易 関 係 において 占 める 地 位 が、 一 連 の 変 化 を 起 こす 可 能 性 があります。こうしたことを 踏 まえて、アジア 経 済 の 整 合 と 経 済 関 係 のさらなる 緊 密 化 という 角 度 から、アジア 経 済 のグローバルな 競 争 力 と 貨 幣 関 係 における 地 位について 考 える 必 要 があります。私 が 述 べたい 二 つ 目 の 問 題 は、アジアの 経 済 発 展 についてです。その 大 きな 発 展 は、 中 国 経 済 が 持 続 的 に 発 展 することができるかどうかにかかっているのは 確 かです。このことについては、 充 分 議 論 する 価 値 があります。 特 に、 中 国 の 経9


済 学 者 として 我 々が 大 いに 議 論 しているのは、 中 国 がさらに 改 革 と 開 放 を 進 め、 中 国 の 様 々な 事 柄 をうまく 行 なって、 持続 的 成 長 を 維 持 するにはどうしたらいいかということです。また 同 時 に、 我 々は 中 国 の 経 済 成 長 の 特 徴 への 認 識 を 深 めて、いくつかの 問 題 に 対 する 誤 解 を 解 く 必 要 があります。 例 えば、 最 近 で 中 国 とアメリカ、および 中 国 とヨーロッパの 間 に 貿 易摩 擦 が 生 じたとき 国 際 社 会 で 盛 んに 言 われたのは、 中 国 経 済 は 輸 出 に 依 存 しすぎていて、 国 内 の 消 費 成 長 水 準 が 低すぎるから 中 国 の 成 長 の 持 続 は 不 可 能 であり、それは 国 内 消 費 の 成 長 が 緩 慢 だからだということでした。ここには、 多 くの 誤 解 が 含 まれていると 思 います。第 一 に、 中 国 の 消 費 の 成 長 速 度 は 決 して 緩 慢 ではなく、 毎 年 10-12%の 実 質 成 長 で 発 展 しています。 最 近 発 表 されたばかりの 新 しい 統 計 データでは、 中 国 の 第 三 四 半 期 の 消 費 成 長 は、 実 質 成 長 から 価 格 的 要 素 を 差 し 引 いたもので12.2%でした。これはかなり 高 い 水 準 です。これが 第 一 点 です。第 二 に、みなさんは、 中 国 は 主 に 投 資 の 増 加 で 経 済 を 引 っ 張 っているとおっしゃいますが、 投 資 の 増 加 のうち、 現 在30% 近 くは 住 宅 産 業 や 不 動 産 業 における 増 加 であり、それは 消 費 の 増 加 と 見 ることもできるのです。そして、この 部 分 が投 資 全 体 に 占 める 割 合 は 次 第 に 増 加 しており、1988 年 以 後 はたいへん 速 い 速 度 で 成 長 しています。現 在 の 中 国 の 投 資 は、30%がインフラへの 投 資 で、 特 に 都 市 化 建 設 におけるインフラへの 投 資 です。みなさんご 存 知のとおり、 都 市 化 建 設 におけるインフラへの 投 資 の 中 の 多 くの 部 分 は 生 産 的 投 資 ではなく、 公 共 性 のある 消 費 的 投 資 に属 します。それは、 今 後 何 十 年 かの 中 国 の 都 市 化 の 過 程 において、 公 共 物 の 消 費 が 絶 え 間 なく 上 昇 することを 示 しており、 今 後 の 消 費 の 増 加 のための 基 礎 を 打 ち 立 てているのです。これが 第 二 の 点 です。第 三 に、 中 国 の 現 在 の 一 人 当 たり GDP はわずか 1400 米 ドルです。しかも 中 国 には 大 きな 収 入 不 平 等 の 問 題 があり、このような 状 況 下 、このような 発 展 段 階 においては、 大 多 数 の 人 の 収 入 はまだ 非 常 に 低 く、 労 働 の 80%を 担 う 人 々の 収入 は1000 米 ドル 以 下 です。このような 状 況 下 で、 消 費 の 増 加 を 速 めると 言 っても、 現 在 すでに10-12%になっていますが、もっと 速 い 成 長 をある 程 度 行 なうことは 非 現 実 的 です。 発 展 途 上 国 の 中 国 に、アメリカや 日 本 のような 高 水 準 の 消 費 を 望むのは 無 理 なのです。そして、このような 段 階 、 中 国 の 都 市 化 、 工 業 化 、 近 代 化 の 発 展 の 重 要 な 段 階 においては、 比 較的 大 規 模 な 投 資 で 経 済 成 長 を 支 え、 次 の 段 階 の 都 市 化 と 近 代 化 のための 基 礎 を 固 めることが 恐 らく 必 要 でしょう。つまり、現 在 の 段 階 は、まさに 日 本 が 60 年 代 、70 年 代 に 経 てきた 段 階 であって、 比 較 的 高 い 貯 蓄 と 投 資 が 必 要 な 成 長 段 階 なのです。従 って、この3 つの 角 度 から 言 うと、 中 国 の 現 在 の 経 済 成 長 モデルは、 貯 蓄 と 消 費 が 35%-38%を 占 め、 消 費 が 60%以 上 を 占 めるという 構 造 であり、 現 段 階 の 中 国 の 経 済 成 長 の 実 情 です。また、この 構 造 は 次 の 段 階 の 中 国 の 経 済 成 長で 必 要 になると 考 えられます。それは 持 続 不 可 能 なものではなく、しかもその 中 にはたくさんのビジネスチャンスがあります。我 々はこう 考 えることができます。 中 国 の 都 市 化 は 今 始 まったばかりです。40%に 満 たない 人 々しか 都 市 には 住 んでおらず、 今 後 さらに 8、9 億 の 人 口 が 少 しずつ 都 市 に 入 ってきて、200~300 の 大 規 模 な 都 市 が 発 展 し、その 中 の 大 量 のインフラと 大 量 の 都 市 化 が 様 々な 建 設 を 必 要 とし、 我 々 中 国 の 企 業 や 日 本 の 企 業 、およびアジアの 企 業 に 大 きなビジネスチャンスをもたらすのです。ですから、このような 討 論 会 を 通 じて、 我 々 両 国 の 経 済 界 の 人 々や 企 業 の 人 々がさらに 緊 密 に、さらに 広 範 に 議 論 を 行 い、 様 々な 問 題 をもっと 深 く 認 識 し、それによってこのビジネスチャンスを 開 発 し、 我 々 両 国 の 経 済と 企 業 がますます 発 展 し、 競 争 力 がますます 高 まることを 願 っています。ありがとうございました。( 渡 辺 ) 大 変 ありがとうございました。 貿 易 摩 擦 の 問 題 、さらには 中 国 がこれから 抱 える 大 きな 国 内 建 設 に 伴 う 各 種 の 課題 について、 問 題 提 起 をしていただきました。それでは 次 に、 同 じく 中 国 からお 越 しいただきました 宋 軍 先 生 にご 発 言 いただきたいと 思 います。 宋 軍 先 生 は 北 京 のご出 身 でございまして、 清 華 大 学 工 学 部 をご 卒 業 になりました。 清 華 大 学 で 博 士 号 を 取 得 され、 併 せて 清 華 ホールディングス 董 事 および 総 裁 ということで、 大 学 の 先 生 であり、かつまたビジネスに 携 わっているというご 経 歴 です。また、2005 年 1月 からは 日 本 大 学 の 客 員 教 授 もしていただいております。それでは 宋 軍 先 生 、よろしくお 願 いいたします。10


( 宋 軍 ) まず 始 めに 大 会 を 組 織 された 皆 様 が 私 達 にこのような、 本 日 ここで 我 々の 企 業 の 実 践 経 験 を 皆 様 にご 紹 介 させていただける 機 会 を 与 えてくださったことに 感 謝 を 申 し 上 げます。 我 々の 企 業 は 主 に 科 学 技 術 成 果 のインキュベータ運 営 会 社 で、 大 学 または 研 究 所 で 研 究 した 成 果 を、うまく 産 業 化 させ、 企 業 とうまく 結 び 付 けることを 行 なっております。中 国 では、 特 にこれまでは、 一 部 の 大 企 業 自 身 の 研 究 開 発 能 力 、とりわけハイテクに 対 する 研 究 開 発 能 力 はそれほど 高くはありませんでした。そして、 研 究 者 の 多 くは 大 学 や 研 究 所 に 集 中 しており、その 間 には、 大 学 や 研 究 所 では 素 晴 しい研 究 プロジェクトがあったとしても、 製 品 に 転 化 することができても、まだかなり 大 きな 距 離 がありました。ですから、 研 究 の成 果 を 産 業 化 の 主 な 対 象 とし、 会 社 を 設 立 させて、これを 孵 化 させ 大 企 業 に 育 ててあげて、 社 会 に 引 き 渡 して 運 営 させていくということが、 我 々の 重 要 な 仕 事 となります。我 々のこの 企 業 は、だいたい 20 年 の 歴 史 を 持 っていますが、 主 な 発 展 は、やはりここ 10 年 間 であります。 我 々が 投 資している 企 業 は 80 社 余 りあり、そのうち 30 社 近 くが 我 々の 持 株 企 業 で、すでに 6 社 が 中 国 の 株 式 市 場 に 上 場 しています。最 初 に 上 場 した 企 業 は、 我 々の 孔 丹 総 経 理 の 指 導 下 にある 中 信 証 券 という 我 々の 委 託 販 売 企 業 であり、ここ 数 年 企 業は 大 きく 発 展 して、 売 上 高 と 利 益 は 急 速 な 成 長 を 遂 げてきました。いくつか 例 を 挙 げて、 我 々がどのように 企 業 を 作 っているのかを 見 てみましょう。まずコンテナ 検 査 システムを 例 に 挙 げますと、この 技 術 は 清 華 大 学 の 工 程 物 理 学 が 専 門 の 教 授 が、おおよそ 10 年 近 く 研 究 した 結 果 、1996 年 に 産 業 化 を 始 めました。 実 際 に 係 わった 大 学 教 授 は 1 つの 学 部 には 留 まらず、1997 年 に 清 華 同 方 社 が 中 国 市 場 で 上 場 してから、 資 金を 募 集 し、3000 万 が 集 まってこの 企 業 の 開 発 チームに 投 資 されました。 当 然 我 々は 市 場 のその 他 の 投 資 パートナーからもその 他 の 資 金 を 集 めましたので、この 会 社 は 合 計 1 億 1000 万 で 登 録 し、 現 金 はだいたい 8000 万 余 り 投 資 されました。当 然 この 会 社 が 設 立 されるまでに、 学 校 は 科 学 研 究 に 3000 万 余 り 投 資 しています。 私 がここでお 話 している 単 位 はすべて 人 民 元 です。 数 年 にわたって 産 業 を 育 て 上 げてきた 結 果 、 我 々は 会 社 設 立 2 年 目 に、 大 型 コンテナ 検 査 システムというプロジェクトを 天 津 税 関 に 設 置 しました。 主 に 大 型 コンテナの 検 査 に 応 用 し、 密 輸 を 防 止 するというプロジェクトです。また 昨 年 には 我 々の 売 上 総 額 は 10 億 元 を 超 し、 年 間 利 益 は 1 億 1000 万 を 超 し、1997 年 の 初 回 投 資 コスト 総 額 を 上 回りました。 現 在 、この 専 門 設 備 においては、すでに 世 界 でも 最 も 大 きな 製 品 供 給 企 業 となり、 他 の 数 社 を 追 い 抜 いています。 製 品 は 28 カ 国 に 供 給 され、すでに 100 台 余 りが 使 用 されています。これは 比 較 的 成 功 を 収 めた 例 でありますが、我 々はこのように 学 校 または 研 究 所 の 研 究 成 果 を、 投 資 を 通 じ、 産 業 化 を 通 じ、 市 場 への 適 用 を 通 じて 社 会 に 押 し 出 し、専 門 的 な 大 企 業 へと 変 えて 行 きます。似 たような 会 社 にバイオチップを 生 産 している 会 社 があります。この 会 社 は 我 々が 設 立 したばかりの 会 社 で、ちょうどこの 様 なパターンを 歩 んでいます。この 研 究 開 発 チームで 重 要 なことは、 清 華 大 学 の 人 材 に 依 存 していることであり、 我 々は 清 華 大 学 を 企 業 のバーチャルアカデミーとしております。さらに 我 々は 太 陽 エネルギーを 利 用 して 熱 供 給 を 行 なっており、ガラス 管 にコーティングや 真 空 を 行 った 技 術 を 使 用 して 太 陽 エネルギー 熱 収 集 管 プロジェクトを 作 り 上 げ、すでに 生産 も 開 始 しました。さきほど 松 下 の 少 德 顧 問 も 永 新 同 方 について 触 れられましたが、 永 新 同 方 も 我 々が 投 資 してインキュベータをはかった 企 業 であり、 清 華 永 新 同 方 と 呼 んでいますが、 発 起 人 や 技 術 者 のほとんどが 清 華 大 学 の 卒 業 生 で、 現在 は 非 常 に 幸 いなことに 松 下 と 提 携 しており、これは 我 々の 産 業 のインキュベータをはかった 成 功 例 であると 思 っています。また 我 々 清 華 大 学 の 持 株 会 社 は 清 華 サイエンスパークも 作 っております。これは 比 較 的 大 きいサイエンス・インキュベータ・パークで、ここには 全 世 界 から 集 まっており、 当 然 中 国 の 若 い 創 業 者 がここで 彼 らの 企 業 を 孵 化 させることを 主 としておりますが、 彼 らが 頼 りにしているのは 清 華 大 学 の 各 方 面 での 総 合 的 な 実 力 です。このパークは 清 華 大 学 の 隣 、 東 南角 にあります。 現 在 おおよそ 30 ヘクタール 近 くの 建 設 が 間 もなく 終 了 し、 建 築 建 物 は 70 万 平 方 メートルとなります。これは中 国 の 大 学 のサイエンスパークの 中 でも 最 もよいサイエンスパークです。現 在 すでに400 社 余 りの 企 業 が 入 っています。その 中 には 大 企 業 の 研 究 開 発 センターや 本 社 もあり、 日 本 の 一 部 の 企業 も 清 華 サイエンスパークに 入 る 予 定 となっており、より 幅 広 く、より 多 くの 科 学 技 術 や 企 業 面 での 提 携 や 発 展 が 追 及 されています。我 々が 主 に 支 えとしているのはやはり 清 華 大 学 です。 清 華 大 学 は 中 国 の 最 も 優 秀 な 2 大 学 のうちの 1 つですので、11


我 々には 比 較 的 豊 かな 教 師 陣 と 研 究 開 発 力 があり、 優 秀 な 学 生 資 源 もあります。 具 体 的 なデータについてはこれ 以 上申 し 上 げませんが、 我 々はさらに 国 が 投 資 している 実 験 室 を 沢 山 持 っており、 数 多 くの 特 許 や 国 の 賞 も 受 けています。 潜在 的 な 産 業 化 できる 製 品 要 素 もあります。さらに 図 に 記 入 されている 原 子 力 発 電 所 もあり、これは 将 来 我 々が 重 点 的 に投 資 していきたいと 考 えているプロジェクトです。清 華 大 学 も 清 華 大 学 の 企 業 も、 日 本 企 業 と 日 本 の 大 学 とはとてもよい 協 力 関 係 を 結 んでいます。 我 々のおおまかな統 計 によりますと、 有 名 な 東 京 大 学 、 京 都 大 学 、 早 稲 田 大 学 といった 学 校 18 校 と、とてもよい 協 力 関 係 が 結 ばれております。 日 本 の 企 業 も 清 華 企 業 合 作 委 員 会 の 重 要 なメンバーとなっています。 日 本 の 企 業 と 清 華 大 学 のこのような 提 携 は、我 々が 統 計 したところ、 清 華 大 学 と 海 外 企 業 の 提 携 に 対 し、 日 本 の 企 業 と 清 華 大 学 の 提 携 はおおよそ 4 分 の 1 を 占 めており、 協 力 研 究 室 も 清 華 大 学 の 中 にあります。 経 費 の 面 では 日 本 企 業 は 海 外 企 業 全 体 の 約 10% 前 後 を 占 めています。当 然 我 々の 企 業 は、ハイビジョンテレビ、ハイビジョンの DVD、ならびにその 他 いろいろな 面 でも 日 本 企 業 と 様 々な 協 力関 係 を 結 んでいます。大 学 が 設 立 する 企 業 としては、 中 国 では 少 々 特 殊 でありますが、 中 国 にはおおよそ 600 校 余 りの 学 校 が 企 業 を 持 っており、 我 々の 企 業 は 大 学 企 業 の 全 体 数 では 1%に 及 びませんが、 我 々の 売 上 総 収 入 と 利 益 は 企 業 全 体 の 20% 近 くを 占めており、 大 学 の 中 では 第 2 位 となっています。 我 々は 学 校 に 大 きな 利 益 を 与 えており、このように 学 校 と 相 互 に 協 力 し 合っています。 学 校 が 我 々に 投 資 してくれた 現 金 および 無 形 資 産 は、おおよそ 合 計 2000 万 ドルとなります。 我 々の 資 産 増加 額 ですが、 我 々の 会 社 の 正 味 資 産 の 増 加 額 は、おおよそ 7 から 8 倍 となり、 全 部 の 会 社 を 併 せた 正 味 資 産 増 加 額 は22 倍 、 資 産 総 額 はすでに 従 来 の 投 資 額 の 50 倍 近 くとなっています。 同 時 にこの 他 に 我 々はさらに 学 校 に 現 金 の 利 益 を与 えており、だいたい 現 金 は 1000 万 ドルであるという、このような 状 況 となっています。 当 然 我 々は 学 校 の 技 術 成 果 を 産業 化 しています。この 産 業 化 率 は 比 較 的 低 いですが、 中 国 においてはかなり 高 い 数 字 となっています。私 がここで 状 況 を 紹 介 して、 中 国 の 企 業 も、 日 本 の 企 業 も、 企 業 の 前 線 、つまり 研 究 開 発 面 での 協 力 に 注 目 していただけたら 幸 いです。 科 学 技 術 の 協 力 面 で、 製 品 開 発 のオリジナルな 技 術 面 で、できるだけ 早 く 企 業 や 研 究 所 そして 大 学と 幅 広 く 効 果 的 な 協 力 関 係 が 結 べますよう 願 っております。 中 国 には 労 働 力 市 場 があるとか、また 大 きな 消 費 市 場 があるといった 単 純 な 見 方 をしないでください。 実 際 、 中 国 にはこの 他 に 非 常 に 優 れた 研 究 開 発 能 力 も 持 っています。とりわけ新 世 代 の 若 者 は 数 も 資 質 も 充 分 そろっており、 成 功 経 験 も 豊 富 です。皆 様 どうもありがとうございました。( 渡 辺 ) 宋 軍 先 生 、 具 体 的 な 清 華 大 学 の 実 例 を 引 きながらのお 話 、 大 変 ありがとうございました。それでは、 冒 頭 のプレゼンテーションの 最 後 になりますが、アサヒビールの 瀬 戸 相 談 役 からお 話 を 頂 きたいと 思 います。瀬 戸 相 談 役 は、 昭 和 28 年 にアサヒビールにご 入 社 になりまして、 数 々のご 要 職 を 歴 任 の 後 、1992 年 、 代 表 取 締 役 社 長にご 就 任 されました。7 年 間 社 長 をされまして、99 年 、 代 表 取 締 役 会 長 としてご 活 躍 になりました。 平 成 14 年 ですから2002 年 になりますか、 同 社 の 相 談 役 になられました。 中 国 での 幅 広 いご 経 験 とともに 現 在 、 日 韓 経 済 協 会 の 会 長 としてご活 躍 中 でございます。それでは、 瀬 戸 相 談 役 、よろしくお 願 いいたします。( 瀬 戸 ) ご 指 名 をいただきまして、ありがとうございます。アサヒビールの 相 談 役 の 瀬 戸 でございます。 冒 頭 に 当 たりまして、一 言 申 し 上 げます。今 、 日 中 間 では 相 互 理 解 と 信 頼 形 成 が 重 要 であることは 申 すまでもありません。そのためには、マクロ、ミクロを 問 わず、両 国 が 乗 り 越 えていくべき 問 題 点 を 明 らかにして、それを 解 決 するために、 本 音 の 対 話 を 重 ねていかなければならないと思 っております。そこで 冒 頭 に 当 たりまして、 我 々の 実 体 験 を 紹 介 しながら、 経 済 人 の 立 場 から、 両 国 の 親 密 な 関 係 づくりに 向 けた 意 見を 率 直 に 申 し 上 げたいと 思 います。12


アサヒビールが 中 国 でビジネスを 始 めましたのは、1993 年 の 末 でございます。12 年 がたちます。 現 在 の 事 業 体 制 は、旧 国 営 であった 北 京 ビールなど 三 つの 現 地 企 業 、 青 島 ビールとの 合 弁 で 新 設 をした 深 圳 青 島 朝 日 ビール 有 限 公 司 、それに 上 海 にございます 独 資 の 販 売 会 社 、さらには 青 島 ビールと 合 弁 で 新 設 した 青 島 朝 日 飲 料 という 会 社 があります。もう一 つは 中 国 有 数 の 康 師 傅 (カンシーフー)との 合 弁 によります 康 師 傅 飲 料 の、 二 つの 飲 料 事 業 会 社 があります。2004 年 の 中 国 事 業 のトータルの 売 上 金 額 は 630 億 円 でありますので、 先 ほどの 少 德 さんの 松 下 電 器 の 売 上 に 比 べますと 約 10 分 の1、 一 けた 違 いまして 残 念 でございます。ビール 事 業 の 販 売 量 ですが、 昨 年 は 54 万 トンです。 中 国 のビール 会 社 は 約 400 社 ありますが、その 中 で 私 どもは 第 9位 のランキングにあると 思 っております。こうした 中 国 事 業 の 中 で、 今 日 は 北 京 ビールについて 簡 単 に 触 れてみたいと 思 います。 北 京 ビールは 1941 年 に 創 業 して、 工 場 は 北 京 の 中 心 部 にありました。 以 前 は 国 賓 用 のブランドとして 高 いシェアを 誇 っておりましたが、 老 朽 化 した 設 備や 国 営 時 代 からの 非 効 率 な 生 産 性 といった 問 題 を 抱 えて、 業 績 は 急 速 に 低 落 していったのです。そこで2008 年 の 北 京 オリンピックに 向 けた 市 の 再 開 発 計 画 に 合 わせて、 工 場 を 郊 外 に 移 転 しました。 新 しい 工 場 建 設に 当 たりまして、これには 当 局 から 多 くのご 協 力 を 頂 いたのです。これを 契 機 に、 国 営 企 業 の 経 営 体 質 を 抜 本 的 に 改 革するために、 人 心 を 一 新 して、 若 くて 活 気 あふれる 新 工 場 として 再 出 発 を 図 りました。この 新 工 場 は 最 新 鋭 の 設 備 に 加 えて、 今 中 国 で 大 きな 問 題 となっております 環 境 保 護 のモデル 工 場 といたすべく、 完全 ノンフロン 化 や 高 度 廃 水 処 理 といった、アサヒビールが 日 本 で 培 ってきた 省 エネルギーと 環 境 保 全 技 術 をすべて 導 入したグリーン 工 場 としました。昨 年 8 月 に 新 工 場 の 竣 工 式 を 行 いましたが、 日 本 からは 小 池 環 境 大 臣 が 出 席 されました。また、 中 国 からは 陳 錦 華 ・中 国 企 業 連 合 会 会 長 をはじめ、 市 ・ 政 府 要 人 のかたがた 多 数 にご 出 席 いただき、 高 い 評 価 をちょうだいすることができたのです。このように 北 京 ビールの 再 建 に 当 たっては、 中 国 で 事 業 を 行 う 企 業 の 役 割 や 責 任 といった 観 点 から、 当 局 やパートナーと 協 力 をして 環 境 保 護 や 地 域 共 生 に 積 極 的 に 取 り 組 みながら、 商 品 のみならず 企 業 全 体 のクオリティを 引 き 上 げていこうと 考 えているのです。しかし、こうした 企 業 の 努 力 も 善 意 も、 一 瞬 にして 吹 っ 飛 び、 損 なわれるということが 中 国 ビジネスのリスクであることも 付け 加 えておきたいと 思 います。 今 年 の 3 月 に 歴 史 教 科 書 の 問 題 に 派 生 して、 強 烈 な 反 日 運 動 、 反 日 デモが 起 きたことは記 憶 に 新 しいのです。 残 念 ながらアサヒビールも、その 犠 牲 になりました。「アサヒビールが 新 しい 歴 史 教 科 書 を 作 る 会 に協 賛 している」という、ねつ 造 された 報 道 が 一 部 のローカル 紙 に 流 され、 事 実 確 認 が 全 くないままに、 他 のメディアやインターネットで 風 評 が 拡 大 しました。そしてその 風 評 により、スーパーマーケットなどの 小 売 店 の 店 頭 から、アサヒブランドの製 品 が 撤 去 されたのです。メディアの 絡 んだ 風 評 被 害 は、もちろんこれまでに 経 験 したことがありません。 私 は 王 毅 駐 日 大 使 をはじめ、 中 国 の 要職 のかたがたとその 対 応 方 法 について 相 談 しました。そして「ネットによる 風 評 被 害 はネットで 解 決 すべき」という 知 見 をちょうだいして、 直 ちにネット 上 に、「 報 道 は 事 実 無 根 である」という 声 明 を 発 表 したのです。この 適 切 なアドバイスのおかげで、 風 評 の 拡 大 は 初 期 的 な 段 階 でほぼ 沈 静 化 することができました。しかし、 一 度 被 ったマイナスイメージは 簡 単 に 払 拭 、 回 復 できるものではありません。 現 地 の 社 員 が 説 明 のために 得 意 先 を 駆 けずり 回 っているときに、 今 度 は 中 国 のライバル 企 業 がアサヒの 風 評 を 格 好 の 材 料 にして、 猛 烈 に 攻 勢 をかけてきたのであります。ビール 事 業 全 体 で 見 れば、 我 々は 現 地 メーカーのブランドを 中 心 に 展 開 していることもあり、 影 響 は 限 定 的 でした。しかし、 日 本 製 品 と 分 かるアサヒブランドは、 反 日 運 動 の 影 響 やライバル 攻 勢 により、 大 きなダメージを 受 けたのです。 今 は随 分 と 持 ち 直 しましたが、 以 前 の 勢 いは、いまだ 取 り 戻 せない 状 況 にあります。また、この 反 日 運 動 で、 現 地 で 働 く 中 国 人 の 社 員 は「なぜそんな 日 系 の 会 社 に 勤 めているのか」と 親 類 縁 者 や 友 人 から 非 難 を 浴 びました。 中 国 にいる 日 方 、 中 方 のマネジャーたちは、 中 国 人 の 社 員 やその 家 族 にメッセージを 送 り 続 けました。「 風 評 は 事 実 無 根 であるから、 恥 じることは 何 一 つない。10 年 余 りにわたる 真 摯 な 営 業 活 動 に 自 信 を 持 って 全 員 が力 を 合 わせて 乗 り 切 ろう」という 内 容 のメッセージです。 結 果 として、 現 地 の 中 国 人 の 社 員 には1 人 の 落 伍 者 も 出 ませんで13


した。 改 めて、 社 員 どうしの 結 束 の 強 さを 確 認 することができたのです。また、 逆 境 をばねにして、 北 京 や 上 海 といった 競争 の 激 しい 市 場 で、 新 しい 取 引 先 を 獲 得 したという、うれしい 話 も 数 多 く 聞 くことができました。私 は 先 週 の 金 曜 日 に 上 海 から 帰 ってまいりましたが、 上 海 の 販 売 会 社 の 幹 部 の 諸 君 と 一 晩 話 をしました。 彼 らは 大 変な 苦 難 を 乗 り 越 えて、 社 員 全 員 をまとめて、この 危 機 を 乗 り 越 えたのです。 彼 らの 言 葉 を 私 が 申 し 上 げるならば、 企 業 の生 活 も 人 生 も 同 じだ。 人 生 にもいろいろな 壁 がある。 企 業 の 動 きにも 大 きな 壁 がある。 私 はこのアサヒビールの 販 社 にいて、 大 きな 壁 を 乗 り 越 えたことによって、 人 生 に 大 きな 体 験 をすることができました。 大 きな 自 信 を 持 った。 中 国 人 社 員 が全 員 で 感 動 したという 話 を 聞 きまして、 私 も 大 いに 感 動 したのです。今 回 の 件 を 振 り 返 って、あえて 申 し 上 げたいことは、 日 本 も 中 国 もお 互 いに 色 眼 鏡 や 虫 眼 鏡 をかけたおつきあいは、やめようということです。 色 眼 鏡 というのは、 何 かにつけて 疑 心 暗 鬼 に 物 事 を 見 るということです。また、 虫 眼 鏡 というのは、 些細 なマイナス 情 報 をことさらに 大 きく 喧 伝 するということです。こうしたことが、 事 実 無 根 の 風 評 や 噂 の 原 因 になるのです。色 眼 鏡 や 虫 眼 鏡 をかけていては、 企 業 の 努 力 や 市 場 との 信 頼 関 係 といったことは、 絵 空 事 に 過 ぎなくなってまいります。特 に、 今 回 我 々が 受 けたような 風 評 被 害 に 関 しては、メディアを 含 めて、 中 国 側 にも 是 正 を 考 えていただきたいと 思 います。またこの 際 、 日 本 側 も、 自 らの 態 度 や 行 動 に 問 題 がないかを 見 直 すことが 必 要 であると 思 います。中 国 人 を 通 じて 思 いますのは、やはりビジネスの 原 点 は 人 にあり、 特 に 中 国 のように 和 や 礼 を 重 んじる 国 では、 人 と 人 との 交 流 から 生 まれる 信 頼 関 係 を 作 っていくことが、 最 も 大 切 なことではないかと 思 います。 私 自 身 、 現 場 を 歩 き 回 り、 中 国の 人 たちとのおつきあいの 中 で、このことを 切 実 に 感 じてまいりました。また、お 互 いに 相 手 を 知 って、 立 場 を 尊 重 したうえで、 率 直 な 対 話 を 重 ねていかなければなりません。 特 に、 日 本 人 のあいまいな 物 の 言 い 方 が、 誤 解 やすれ 違 いの 原 因 になることも 考 えられます。もっとストレートに 意 見 や 要 求 をぶつけていくべきです。また、 同 時 に 相 手 の 言 うことにも、もっと 耳 を 傾 けるべきであると 思 います。 一 人 一 人 のつきあいの 深 さや 率 直な 対 話 は、 未 来 に 向 けた 日 中 両 国 の 協 力 関 係 や 信 頼 関 係 の 源 泉 であることを 忘 れてはなりません。我 々が 実 際 に 直 面 した 問 題 として、 冒 頭 でお 話 をさせていただいた 次 第 です。ありがとうございました。( 渡 辺 ) 瀬 戸 相 談 役 、ごく 最 近 ご 経 験 された 具 体 例 に 基 づきまして、 極 めて 率 直 な 問 題 提 起 をしていただきました。まことにありがとうございました。これで 冒 頭 のパネラー5 人 のかたがたのお 話 がひととおり 終 わりました。それぞれの 分 野 で、いろいろな 困 難 に 直 面 しながらも、 極 めて 前 向 きな 日 中 間 の 相 互 依 存 関 係 の 発 展 のためにご 努 力 されている 姿 が 浮 き 彫 りになったと 思 います。お 話 を 伺 いながら、それぞれのご 努 力 に 心 から 敬 意 を 表 する 次 第 です。今 のお 話 をずっと 伺 っておりまして、かつ、またこの 場 におられます 皆 様 がたのこれからのビジネス 展 開 のうえでのご 関心 も 含 めて 考 えますと、 幾 つかの 問 題 点 が 浮 かび 上 がってきたような 気 がします。 以 下 の 4 つか 5 つくらい、 私 のほうからご 紹 介 させていただきまして、そんなことも 適 宜 頭 に 浮 かべながら、パネラーの 先 生 がたに 再 度 お 話 を 伺 いたいと 思 います。まず 1 点 めは 中 国 の、 現 在 極 めて 好 調 に 成 長 しております、このマクロ 経 済 の 動 向 がどうなっていくのかという、 足 元 および 中 期 の 見 通 しだと 思 うのです。 先 ほど 少 德 さんは、2008 年 、2010 年 を 目 指 して、ますます 経 済 は 発 展 していくでしょうと、その 市 場 、 高 度 成 長 の 予 測 のもとに 事 業 展 開 だと、こういうお 話 をされました。 他 方 また、 供 給 過 剰 に 陥 るのではないかといったことも 言 われております。 特 にそういう 意 味 で、この 中 国 の 2008 年 、2010 年 、さらにはそれ 以 降 の 中 期 的 なマクロ 経 済 動 向 がどうなるかというのは、 恐 らく、 特 にここにおられます 日 本 のビジネスマンのかたにとっては、 大 きな 関 心 の 一つだと 思 います。これは 樊 綱 先 生 のご 専 門 でもございますし、ぜひこの 問 題 についてのご 討 議 が 要 るかと 思 います。2 点 めが、 中 国 の 投 資 環 境 の 問 題 だと 思 います。 先 ほどから 孔 丹 先 生 、 以 下 皆 さんのお 話 を 伺 っておりますと、 相 互 依存 関 係 はますます 拡 大 している。かつ、 今 後 の 中 期 的 な 都 市 建 設 その 他 の 話 を 総 合 すると、ますますビジネスチャンスは 増 えていくであろうし、そういう 意 味 で、ASEAN および 日 本 の 企 業 の、 中 国 での 事 業 、ビジネスチャンスは 拡 大 していくであろう。したがって、どんどん 投 資 が 進 むのではないかという 見 通 しが 一 方 にありました。しかし、 他 方 、 瀬 戸 さんがご 提案 されたことも 含 めまして、ビジネスの 安 全 性 の 問 題 、あるいは 透 明 性 の 問 題 という 意 味 で、 各 種 の 不 安 が 伴 うのではな14


いか。あるいはコストの 上 昇 、 人 件 費 もどんどん 上 がってきているし、さらには 内 陸 部 と 沿 海 部 の 所 得 格 差 が、ますます 広がってきている。そういうある 種 の 不 安 定 さがあるのではないかと、こういう 両 方 の 見 方 がございます。特 に 最 近 の 日 本 では 4 月 、5 月 に 見 られました 反 日 デモ 等 の 影 響 もありまして、 我 々の 調 査 によりますと、 中 国 への 今 までの 熱 狂 ぶりに、 少 し 慎 重 なビジネスマンが 多 くなっているようです。「チャイナ+1」と、 中 国 にすべて 乗 っかるのではなくて、もう 一 方 の 足 で、 他 にしっかりと 投 資 地 点 を 見 つけて、むしろバランスを 取 るべきなのではないかという 風 潮 が 出 てきております。こういう、 今 後 の 中 国 の 投 資 環 境 、 抱 える 問 題 、あるいは 成 長 性 、これが 第 2の、どう 見 るかという 問 題 であるかと 思 います。3 点 めが、 今 お 話 を 伺 っておりまして、 対 米 摩 擦 を 中 心 とする 貿 易 摩 擦 の 問 題 に 中 国 がいよいよこれから 直 面 するのではないかという 問 題 提 起 がありました。ただ、 樊 綱 先 生 のお 話 を 伺 っておりますと、 私 も 全 く 同 感 ですが、メイド・イン・チャイナ、 中 国 からの 輸 出 に、 黒 字 はどんどんたまっていくように 見 えるけれども、それは ASEAN、 日 本 、 韓 国 それぞれの 工 程間 分 業 の 結 果 の 最 終 製 品 が 出 ていくということであって、 決 して 中 国 だけの 黒 字 ではないのだと。 恐 らく、それはそのとおりだと 思 うのです。そういうことについて、 一 体 これからどういう 形 で 貿 易 摩 擦 を 乗 り 切 られていくのかという 問 題 があると 思います。他 方 そういうファクツ(facts)はファクツとしながら、しかしながら、 例 えば 中 国 の 海 洋 石 油 会 社 がユノカルを 買 収 しようとして 摩 擦 が 起 こる。あるいはその 他 、 資 源 開 発 を 目 指 して、 海 外 投 資 を 急 速 な 規 模 とスピードで 展 開 していますが、それがある 種 、 諸 外 国 に 一 種 の 恐 怖 感 を 与 えることが、この 貿 易 摩 擦 をますますパーセプションとして 大 きくしていくという 問題 があるのかもしれないと 思 うのです。こういう 貿 易 摩 擦 、ならびに 中 国 のこれからの 海 外 投 資 、あるいは 海 外 会 社 買 収 の 問 題 は 今 後 どうなっていくのだろうか。これが 3 つめの 問 題 であるかと 思 います。4 点 めに、 先 ほど 孔 丹 先 生 の 発 言 の 中 にありましたが、 第 11 次 5 ヵ 年 規 画 、 先 般 の 五 中 全 会 で 決 定 された 資 源 節 約型 経 済 、さらにはクリエイティブな 産 業 を 行 って、 量 もさることながら 質 の 充 実 を 図 っていきたい。さらには、 人 材 開 発 をもっと 進 めていかなければいけないといった 問 題 提 起 がありました。これについて 一 体 、これからの 課 題 で 中 国 がどのように取 り 組 み、またその 面 において 日 本 にどういう 貢 献 ができるのか、あるいは 力 を 合 わせられるのか。こういう 点 があると 思 います。5 点 めですが、 日 本 経 済 は 十 数 年 にわたる 不 況 を 乗 り 切 って、 何 とか 今 、 再 活 性 化 が 図 られていますが、 少 子 高 齢 化に 直 面 する 日 本 が、 本 当 に 今 の 形 で 力 を 持 ち 続 けられていくのだろうか。この 問 題 は、 中 国 からお 越 しの 皆 さんのご 関 心でもあるだろうと 思 うのです。そういう 中 で、 日 本 が 恐 らくこれから 人 口 が 減 っていく 中 で、ますますこれから 発 展 していこうとすれば、おのずと 若 い 人 のたくさんいる 中 国 や 東 アジアの 若 人 の 力 をどんどん 借 りながら、したがって、 東 アジアに 事 業 展 開 しながら、かつ 国 内 を 大きく 構 造 改 革 しながらやっていかなければいけない。こういう 大 きな 課 題 を 抱 えているような 気 がします。こういう 問 題 について、 我 々は 一 体 どのような 東 アジア 経 済 等 の 中 での 将 来 像 を 見 いだしていけるのだろうか。以 上 、 私 のほうで 5 つくらいの 問 題 意 識 を 見 ながら、お 話 を 伺 った 次 第 でございます。 大 変 漠 とした 問 題 ですが、このようなことも 頭 に 置 きながら、5 人 のパネラーのかたから、 相 互 に 各 人 のお 話 も 伺 ったことですし、1 人 5 分 間 ということで、 今言 ったような 問 題 の 中 で、 再 度 、あるいは 先 ほどお 話 の 中 で 意 を 尽 くせなかった 点 の 補 充 でもけっこうです。 第 2 ラウンドとして、ご 発 言 いただければと 思 っております。それでは 先 生 がたの 中 で、まず 樊 綱 先 生 に 最 初 にご 発 言 いただき、 以 下 、 孔 丹 先 生 、 少 德 先 生 、 宋 軍 先 生 、それから 瀬 戸 先 生 という 順 序 でお 話 しいただければと 思 います。よろしくお 願 いします。( 樊 綱 ) ありがとうございます。 私 は、マクロ 経 済 問 題 の 点 から 簡 単 に 少 々お 話 ししようと 思 います。 中 国 経 済 は 発 展 途 上の 経 済 であり、 国 内 の 体 制 においても 構 造 においてもまだたくさんの 問 題 をかかえています。そのため、 常 にいくらかの 経済 の 動 揺 が 生 じるのは 免 れません。しかし 私 が 思 うに、 今 までのところ 中 国 のマクロ 経 済 の 動 揺 は、 発 展 途 上 国 全 体 の中 では 比 較 的 小 さく、しかも 中 国 は 幸 運 なことに、 日 本 も 含 むアジア 各 国 や 周 辺 の 国 々の 過 去 数 十 年 の 発 展 における15


多 くの 経 験 や 教 訓 を 吸 収 して、 自 己 のマクロ 経 済 政 策 を 決 定 することができ、そのようにすることで 経 済 の 大 きな 動 揺 を防 止 することができます。 例 えば、ここ 2 年 間 とってきた 経 済 の 過 熱 防 止 や 不 動 産 市 場 のバブル 防 止 などの 一 連 の 政 策は、 今 後 の 中 長 期 的 経 済 発 展 の 安 定 に 対 して 貢 献 するでしょう。ここで 強 調 しておきたいことがあります。それは、さっき 渡 辺 さんがおっしゃった2008 年 のオリンピックと2010 年 の 上 海 万博 の 中 国 経 済 における 作 用 と 地 位 についてです。この 2 つのイベントが、 中 国 経 済 の 発 展 に 対 し、 制 度 の 改 革 や 構 造 調整 や、 特 にこの 2 つの 都 市 自 体 の 都 市 化 の 発 展 などに、 重 要 な 促 進 作 用 を 発 揮 することは 疑 う 余 地 がありません。さらなる 対 外 開 放 と 社 会 全 体 の 構 造 転 換 などにも、 重 要 な 貢 献 があるでしょう。 従 って、これが 非 常 に 大 きな 積 極 的 要 素 であるのは 間 違 いありません。しかし、この 大 きな 積 極 的 要 素 は、 中 国 の 経 済 体 において 一 体 どのぐらい 大 きなものでしょうか? 我 々はその 作 用 を 過 大 に 誇 張 するべきではありません。 最 近 モルガンスタンレーが 分 析 を 行 い、この 2 つの 都 市 がオリンピックと 万 博 を 行 うために 投 資 する 建 設 費 用 を 研 究 し、この 2 つの 都 市 が 占 める 比 重 がどのぐらいであるかを 見 るために、 両 者 を 足 してみました。 一 方 の 都 市 である 北 京 がオリンピック 会 場 の 建 設 に 投 資 する 資 金 は、 北 京 の 今 後 数 年 間の 投 資 全 体 の 3%で、 上 海 の 方 も 3%でした。もちろんこの 3%には、この 期 間 の 都 市 化 の 発 展 、つまり 地 下 鉄 の 修 理 、道 路 の 修 理 、その 他 の 施 設 の 修 理 などは 含 んでいませんし、こうしたものも 2 つのイベントと 関 連 するかもしれません。しかし、いずれにしてもこの 数 字 から 見 るとその 比 重 はそれほど 大 きくありません。しかも、これは 北 京 と 上 海 の 2 つの 都 市 だけの 話 で、もしみなさんが 中 国 にいらして 視 察 されたならば、 中 国 は 現 在 どこもかしこも 建 設 中 なのがおわかりになると 思 いますが、 中 国 が 今 後 数 十 年 の 都 市 化 建 設 で 必 要 な 投 資 は 非 常 に 大 きいのです。ですから、この 2 つのイベントは 大 きいものではありますが、 中 国 の 発 展 建 設 全 体 の 中 では、その 比 重 は 決 して 大 きくなく、この2つのイベントは 中 国 経 済 の 発 展の 進 展 を 左 右 するものではないのです。このことは、2008 年 以 降 、2010 年 以 降 に、この 2 つのイベントの 影 響 を 受 けて 不 景 気 に 陥 ることはないということに 関 連します。それらの 占 める 比 重 はとても 小 さいからです。それは、かつて 韓 国 でオリンピックが 行 われたときの 比 重 、つまりソウルが 韓 国 経 済 に 占 める 比 重 とは 違 うのです。これが 第 1 の 点 です。第 2 の 点 は、 現 在 国 際 的 に 1 つの 考 え 方 があります。2010 年 以 前 は 中 国 では 何 も 問 題 は 生 じない。 各 方 面 は 安 定 して 問 題 が 生 じることはない。2010 年 以 後 に 問 題 は 出 てくるのだというのです。 私 は、この 考 え 方 はちょっと 理 屈 に 合 わないと 思 います。どこが 理 屈 に 合 わないのでしょうか?もし 我 々が、 北 京 オリンピックと 上 海 万 博 という 2 つのイベントは 中 国 経済 の 発 展 、 構 造 、 調 整 、 制 度 の 改 革 に 対 してすばらしい 促 進 作 用 を 及 ぼすと 信 じるのなら、なぜ 現 在 問 題 が 出 ていないのでしょう?すばらしい 促 進 作 用 があって、 改 革 が 進 み、 調 整 が 進 み、 開 放 が 進 んだときになって、なぜ 問 題 が 生 じるというのでしょう。 私 はそれは 理 屈 に 合 わないと 思 います。この 2 つのイベントは 中 国 経 済 に 良 好 な 促 進 作 用 をもたらします。従 って、その 頃 には 中 国 の 経 済 構 造 、 制 度 、 文 化 などの 面 で 変 革 が 起 こり、その 頃 には 中 国 経 済 がさらに 発 展 するのに有 利 になっているでしょう。もちろん、これは 中 国 が 真 にこの 過 程 において、あるいは 2010 年 以 後 の 長 期 的 過 程 において、さらに 改 革 、 開 放 、 調 整 を 行 えるかどうかにかかっており、もちろん 中 国 内 部 の 多 くの 発 展 問 題 にかかっています。もちろん、それはこの 2 つのイベントとも 関 わっていますが、 決 してこの 2 つのイベントだけが 中 国 の 発 展 の 分 岐 点 を 決 定 するわけではありません。この 2 つのイベントの 後 、 中 国 の 経 済 が 衰 退 していくと 考 えることは、あまり 論 理 的 ではないと 思 います。国 際 政 治 の 上 でいくつかの 問 題 があるので、みなさんはこの 問 題 を 論 じるときにこのような 考 え 方 をするのかもしれません。しかし、 国 際 的 政 治 問 題 について 言 うならば、2008 年 以 前 にも 発 生 するかもしれないし、2010 年 以 後 にならなければ 発生 しないというわけでもない。もし 必 ず 発 生 するのならば、 遅 かれ 早 かれ 発 生 するのでしょうが、これらの 2 つのイベントの前 だからとか 後 だからとかいう 形 で 発 生 するわけではありません。 従 って、 我 々はこれら 2 つのイベントの 作 用 を 重 視 しなければならないとは 言 っても、それが 中 国 の 経 済 発 展 全 体 において 与 えうる 影 響 についてはあまり 過 大 に 考 えない 方 がいいと 私 は 思 います。簡 単 にご 説 明 いたしました。ありがとうございました。( 渡 辺 ) ありがとうございました。 大 変 説 得 的 なお 話 でした。それでは 次 に、 孔 丹 先 生 にお 願 い 申 し 上 げます。16


( 孔 丹 ) お 一 人 に 5 分 間 の 発 言 時 間 があります。 先 ほど 渡 辺 理 事 長 が 言 及 された 五 つの 問 題 点 についてですが、 先 ほど 私 は 中 国 共 産 党 の 第 16 回 五 中 全 会 に 出 席 したと 申 し 上 げました。ここで 一 つの 提 案 があります。この 問 題 点 について、中 日 の 企 業 リーダーは 五 中 全 会 の 要 求 と 考 えを 最 も 重 要 な 背 景 として 考 えなければいけません。 五 中 全 会 の 要 求 と 考えは 中 国 共 産 党 中 央 が 政 府 に 対 して 将 来 提 出 する 提 案 であり、それは 計 画 そのものではなく、 単 なる 政 治 宣 言 でもありません。 中 国 の 発 展 改 革 委 員 会 の 責 任 者 である 馬 凱 氏 は、 私 にこういいました。 委 員 会 で 100 件 の 調 査 ・ 検 討 が 行 われ、その 調 査 ・ 検 討 に 基 づいてこのような 基 本 的 な 指 導 思 想 、 指 導 原 則 が 提 出 されます。この 中 には、 色 々な 新 しい 構 想 があり、 資 源 節 約 型 社 会 、 環 境 にやさしい 社 会 も 含 まれます。これは 外 来 語 ですが、 中 国 のリーダーから 一 般 市 民 まで 皆 この 言 葉 の 意 味 を 理 解 しています。これはすべての 企 業 の、 言 わば 投 資 指 南 というべき 色 々な 面 の 問 題 点 を 含 み、 企 業 として 真 剣 に 取 り 組 まなければいけない 問 題 がたくさんあります。 例 えば、ある 企 業 が 中 国 に 行 きたいとしましょう。もし 日 本の 企 業 が 中 国 である 産 業 に 投 資 したいと 思 う 場 合 、この 産 業 に 関 わる 政 策 を 研 究 しなければいけません。 中 国 では 多 くの 産 業 政 策 がとられていますが、わが 国 の 産 業 政 策 は 指 導 的 な 性 質 があることは 周 知 の 通 りです。 強 い 政 府 の 介 入 がある 産 業 政 策 もあります。 例 えば、 先 ほど 三 菱 化 学 が 寧 波 に PTA の 生 産 ラインを 建 設 したことをお 話 しました。 単 体 生 産規 模 が 最 大 で、 一 つのラインに 60 万 トンの 生 産 量 というものです。もう 一 社 PTA 生 産 ラインに 投 資 したいというヨーロッパの 会 社 から 話 を 受 け、 我 々が 発 展 改 革 委 員 会 に 確 認 したところ、 華 東 地 域 は 中 国 ポリエステル 生 産 量 が 最 も 高 い 地 域であり、 将 来 この 地 域 の 発 展 が 期 待 できます。しかし、 発 展 改 革 委 員 会 は、この 地 域 の PTA 生 産 ラインの 建 設 はすでに十 分 であり、もうこれ 以 上 建 設 しないといいました。もし 投 資 の 方 向 が 中 国 の 産 業 政 策 指 導 と 一 致 しない 場 合 は、 許 可 が下 りなかったり、 様 々な 難 題 に 直 面 したりするかもしれません。よって、 色 々な 面 から 考 えると、 中 国 の 五 中 全 会 の 指 導 思想 の 調 整 は 我 々の 次 の 段 階 の 投 資 の 重 要 指 標 といえます。中 国 の 都 市 化 発 展 にしても、 先 ほどお 話 したコストの 増 加 にしても、 沿 海 と 内 地 などの 収 入 格 差 の 形 成 、また 多 くの 発展 の 不 均 衡 にしても、 投 資 する 際 に、 背 景 として 研 究 し、 進 出 する 際 に 考 慮 に 入 れなければいけません。個 人 的 な 提 案 ですが、 中 国 におけるこれからの 需 要 は 次 の 段 階 の 発 展 的 要 求 から 見 えてくると 思 います。 例 えば 資 源節 約 の 問 題 、 環 境 にやさしいこと、いわゆる 環 境 保 護 の 問 題 等 です。 確 かに 中 国 の 今 までの20 年 間 の 発 展 はこれらの 面 、つまりエネルギーの 消 費 、 材 料 の 消 費 は、 国 際 的 な 基 準 を 何 倍 も 超 えていました。 様 々な 経 済 発 展 は 環 境 を 犠 牲 にして得 たものです。 日 本 は 色 々な 面 で 中 国 の 先 を 行 っており、 我 々に 色 々なことを 教 えてくれます。 教 訓 も 経 験 も 含 めてです。このようなことは 日 本 の 企 業 リーダーが 真 剣 に 考 慮 すべきことであると 考 えております。( 渡 辺 ) ありがとうございました。それでは、 少 德 先 生 お 願 いいたします。( 少 德 ) いろいろたくさんイシューがありますので、2 つほどに 絞 ってコメントしたいと 思 います。1 つめが 製 造 拠 点 戦 略 であります。 当 社 はかなり 前 から 中 国 事 業 を 強 化 するに 当 たっても、ASEAN にもう 1 つ 強 い 輸 出競 争 力 を 持 っている 拠 点 を 1 つ 確 保 しつつ、 中 国 で 事 業 を 展 開 するというスタンスを 取 っております。 中 国 からも 輸 出 ができる、ASEAN からも 輸 出 ができる、こういうスタンスを 引 き 続 き 取 っております。いちばんこれが 助 かったのは、 北 京 にカラーブラウン 管 の 工 場 がありますが、 感 染 症 SARS の 発 生 で、このころ、 工 場 にも 従 業 員 の SARS の 患 者 が 出 ましたので、 工 場を 2 週 間 ほど 閉 じると。2 週 間 で 終 わるかどうか 分 からなかったので、お 客 様 のほうにしますと、ブラウン 管 の 供 給 が 受 けられない、したがってカラーテレビが 作 れないことになるわけです。お 客 様 のほうに、すぐに「この 同 じタイプのブラウン 管 がタイの 工 場 にありますので、 切 れましたら、 必 ずここから 出 しますから」と、こういった 答 えができました。2 週 間 で 終 わりましたから、タイの 工 場 から 出 さずにすんだわけですが、2 拠 点 の 戦 略 というのは、 例 えば 中 国 がこれから 輸 出 先 と 起 こしうる 貿 易 摩 擦 、 通 商 摩 擦 等 を 考 えても、 非 常 に 重 要 かなと 思 っております。中 国 国 内 の 拠 点 は、 当 初 1990 年 代 はやはり 輸 出 ということで 拠 点 を 作 ったわけですが、2000 年 代 になりまして、 中 国国 内 の 市 場 が 拡 大 し、 輸 出 よりも 中 国 国 内 市 場 へ 供 給 するという 役 割 が 大 きくなってきており、 今 後 その 役 割 がさらに 大17


きくなると 思 います。先 ほど、 渡 辺 理 事 長 がおっしゃいましたが、 中 国 市 場 で 過 剰 参 入 、 過 剰 供 給 、 過 当 競 争 、 過 当 価 格 競 争 をどう 見 ているかということです。これは 非 常 に 難 しい 問 題 で、 当 社 にとっても 大 変 なリスクです。やはり 答 えは、ただいま 7000 万 人 といわれ、そのうち 1 億 になるのだろうと 思 いますが、 年 収 5 万 元 以 上 の 富 裕 層 が 拡 大 してきており、これをターゲットにした商 品 の 差 別 化 、これはブラックボックス 技 術 、 他 社 にまねができない、 他 にまねができない 技 術 を 具 現 化 した 商 品 を 出 していくということです。それとブランド「Panasonic」を 徹 底 的 に 差 別 化 していく。この 2 つの 戦 略 で 進 めていきたいと 思 っております。また、 日 本 と 中 国 、 中 国 と ASEAN、ASEAN と 中 国 、ASEAN と 韓 国 、こういった FTA のネットワークが、どんな 形 で 展開 されるかによって、 中 国 での 事 業 展 開 が 単 に 中 国 で 物 を 作 って 中 国 で 売 るということではなくて、 日 本 から 輸 出 もする、ASEAN からも 輸 出 もする。 特 に、 中 国 からも 日 本 に 輸 出 し、ASEAN にも 輸 出 すると、いろいろな 可 能 性 ができてきております。この FTA のネットワークがどんな 形 で、またどんな 強 い FTA で 出 てくるかによって、これからの 展 開 が 大 きく 変 わってくると 思 います。 中 国 が 非 常 に 熱 心 に FTA のネットワークづくりをなさっており、これが 中 国 でのこれからの 当 社 の 事 業 、 製造 拠 点 の 位 置 づけ、それをサポートする R&D 事 業 の 強 化 、さらには 経 営 のトップまで 中 国 人 にやっていただくといった 取 り組 みを、 加 速 化 していかなければならないかと 思 っております。( 渡 辺 ) ありがとうございました。それでは 次 に 宋 軍 先 生 、よろしくお 願 いします。( 宋 軍 ) 中 国 はこの 25 年 間 急 速 に 発 展 してきました。 私 は 幸 い 若 者 の 1 人 として、ちょうどこの 発 展 過 程 の 恩 恵 を 受 けることができました。 人 口 13 億 の 大 国 として、 我 々の 現 在 の 1 人 当 たりの 平 均 GDP は 1400 ドルに 達 しています。 前 の 段 階においては、 実 際 のところ 中 国 経 済 で 最 も 主 要 であったのは、おなかいっぱい 食 べるという 問 題 を 解 決 することでしたが、今 はいかに 美 味 しいものを 食 べるかということが 問 題 となっています。 中 国 と 中 国 政 府 はこの 問 題 に 対 してもよく 理 解 をしています。 我 々は 一 部 分 の 仕 事 に 携 わっていますので、 樊 教 授 のようにマクロ 的 な 仕 事 をしているわけではありませんが、教 育 と 科 学 技 術 の 面 から、 確 かに 政 府 の 素 晴 しい 制 御 力 を 感 じています。 我 々は 中 国 のマクロ 経 済 の 今 後 の 発 展 に 対して 十 分 自 信 を 持 っています。 但 し、その 中 で 1 つ、 私 の 体 験 から 皆 様 と 一 緒 に 注 意 して 見 守 っていかなければならないことは、 国 がより 一 層 持 続 的 な 発 展 をし 続 けることができ、さらに 国 を 発 展 させる 政 策 に 合 わせて、 実 際 に 科 学 技 術 に 投資 して、ハイテクな 製 品 や 手 段 で 現 在 の 消 費 が 高 く 効 率 が 比 較 的 悪 いこのような 社 会 現 象 を 解 決 し、 多 くの 資 源 を 浪 費して 急 速 な GDP の 成 長 を 手 に 入 れる 面 、つまり 科 学 技 術 の 投 資 の 面 で、 国 は 大 きく 変 化 、あるいは 向 上 するだろうということであります。 教 育 面 でも 好 ましい 投 資 があるでしょうし、そうすれば 国 民 の 資 質 も 向 上 し、 国 民 は 発 展 に 対 し 正 確 かつ全 体 的 に 認 識 できるようになります。 持 続 可 能 な 発 展 に 対 してや、 将 来 的 な 社 会 に 対 しては、 中 国 の 後 世 に 社 会 的 な 幸福 をもたらすだけでなく、さらに 世 界 中 の 社 会 に 中 国 人 が 貢 献 できます。この 面 については、いろいろな 構 想 や 具 体 的 な実 施 提 案 があると 思 いますので、 我 々の 学 校 や 学 校 の 企 業 にとって 見 れば、 非 常 に 好 ましい 発 展 の 機 会 であると 考 えています。ここで、 私 達 も 世 界 的 にすでに 発 展 している 国 の 経 験 を、とりわけ 我 々の 隣 国 の 日 本 や 韓 国 は、どのようにしてこのような 時 期 を 乗 り 越 えてきたのかということを 是 非 学 びたいと 思 っています。私 が 理 解 しているところによりますと、 京 都 は 以 前 汚 染 がかなり 深 刻 でありましたが、15 年 間 整 備 した 結 果 、 現 在 では空 がこのように 青 くなった、ということです。 北 京 市 の 天 気 がオリンピックに 影 響 を 及 ぼすのではないか、 世 界 の 代 表 者 達に 本 日 の 京 都 のような 美 しい 空 を 見 せることができるのか、と 論 議 されているようですが、 私 は 科 学 技 術 が 進 歩 して、 民 族全 体 の 資 質 とわが 国 の 制 御 力 が 向 上 し、 海 外 の 先 進 的 な 経 験 に 学 べば 必 ずや 好 ましい 結 果 が 得 られると 信 じております。 我 々は 将 来 に 対 して 十 分 自 信 を 持 っています。 私 はここで 日 本 企 業 との 協 力 の 機 会 がより 広 がり、 相 手 から 多 くのことが 学 べると 考 えています。皆 様 どうもありがとうございました。18


( 渡 辺 ) ありがとうございました。それでは 瀬 戸 相 談 役 、お 願 い 申 し 上 げます。( 瀬 戸 ) 中 国 の 経 済 の 拡 大 というのは、 先 ほどからいろいろお 話 ししておりますように、これから 続 いていくことは 間 違 いないと 思 います。 渡 辺 さんが 先 ほどおっしゃったように、 拡 大 というのは、 量 は 拡 大 していきますが、これから 質 の 向 上 を 図 っていかなければいけないという 気 がしております。そこで、 私 はいつも「 企 業 は 人 なり」ということを 言 っているのであります。この 私 どもの 体 験 したことで 考 えますと、 企 業 の中 で 生 産 現 場 の 質 の 問 題 と、 営 業 や 管 理 といった 全 体 の 社 員 の 質 の 問 題 について、ちょっと 意 見 を 申 し 上 げたいと 思 います。先 ほど 宋 さんからも 教 育 の 問 題 というお 話 がありましたが、 極 めて 同 感 です。 企 業 に 入 ってからは、 今 度 は 企 業 の 中 で人 の 質 をどう 上 げていくかを 考 えていかなければいけないと 思 います。私 どものやっております 生 産 現 場 の 質 については、 先 ほどもちょっと 触 れましたが、 深 圳 で 開 業 しました、 青 島 と 合 弁 した 工 場 があり、それは 1999 年 です。それから 北 京 で 開 きました 工 場 が 昨 年 2004 年 です。その 二 つの 新 鋭 工 場 はすべて省 エネルギーと 環 境 対 策 を 講 じております。ビール 会 社 のやっている 省 エネルギーとはどういうことかと 申 しますと、ビールの 製 造 工 程 で 発 生 する 蒸 気 、 炭 酸 ガス、二 酸 化 炭 素 を 回 収 して 再 利 用 する 仕 組 みです。さらに 今 度 は、 高 度 の 排 水 処 理 があります。これは 環 境 の 問 題 にも 関 係してきますが、バクテリアを 使 った 浄 化 装 置 を 使 っており、これは 中 国 の 排 水 基 準 をはるかに 上 回 った 基 準 です。そういった、 企 業 が 独 自 に 持 っている 技 術 で 環 境 対 策 をきちんとやっていくことを、まずもって 示 さなければいけないのではないか。それが 大 きくほかにも 影 響 してきて、 中 国 全 体 の 環 境 対 策 についての 関 心 を 巻 き 起 こすのではないのかという 気 がしております。さらに 今 度 は 人 の 質 ということになりますと、 私 どもの 中 国 の 企 業 は 約 3000 名 の 中 国 人 の 社 員 と 40 名 の 日 本 人 社 員 で構 成 されております。そこで、 私 どもが 中 国 のビール 事 業 に 最 初 に 参 入 したとき、1993 年 ですが、 中 国 のこの 事 業 に 参 画するときに 何 が 必 要 かという 調 査 をしたときに、ポイントを 2 つ 挙 げました。従 業 員 の 質 がいいか。これが 1 つです。2 つめは、その 中 国 のビール 工 場 でいい 水 が 取 れるか。ビール 会 社 は 水 が 生命 ですので、その 2 つだけです。それ 以 外 のこまごましたことは 何 ら 言 っておりません。そこでよい 従 業 員 がいるということで、先 ほど 申 したような 中 国 事 業 を 始 めたのです。そこで 私 どもが 最 初 にやったのは、 日 本 から 派 遣 した 技 術 者 を 現 場 に 行 かせることでした。 長 靴 を 履 いて、ビールを 発酵 させるタンクの 中 に 入 って、 一 緒 になって 苦 労 するということです。 中 国 の 生 産 現 場 では、 技 術 者 はなかなか 現 場 に 行かない。 技 能 者 は 現 場 で 働 くだけと、こういった 体 制 の 中 で、 日 本 人 が 現 場 まで 下 りて 行 って 泥 にまみれてやってくれたということで、すごく 一 体 感 が 出 てきたのです。そういったことで、 私 どもの 会 社 は 今 、できるだけ 中 国 の 社 員 のかたがたと 日 本 人 の 社 員 が 一 体 感 を 持 つ、 一 線 を 画 さないということをやっております。いろいろな 待 遇 面 でも、それからふだんのおつきあいでも、 一 緒 になってやっていくことをしているのです。先 ほど 冒 頭 でお 話 しいたしました、 非 常 な 困 難 に 立 ち 向 かった 上 海 の 販 売 会 社 でしたが、そういった 困 難 に 立 ち 向 かったときに、 決 然 と 立 って 従 業 員 一 体 となってこれに 対 処 できたということは、そういった 一 体 感 が 大 きなパワーになっていると 思 います。( 渡 辺 ) どうもありがとうございました。それでは 今 、5 人 の 先 生 がたに 大 変 ご 協 力 いただきまして、 第 1 ラウンドまで 終 了 したところで、 時 間 が 約 15 分 残 っております。それで、ここで 会 場 におられる 皆 様 がたから 直 接 、 質 問 を 受 け 付 けたいと 思 います。どうぞご 質 問 をされますかたは 手 を 挙 げていただき、まず 最 初 に 所 属 企 業 名 とお 名 前 をおっしゃっていただいて、5 人 の 先 生 がたのどなたにお 聞 きしたいかということをおっしゃっていただいて、ご 質 問 いただければと 思 います。ご 自 由 にご 質 問 、どうぞ 会 場 のほうに 回 しますのでよろしくお 願 いします。19


(Q) AFP 通 信 社 の 小 沢 といいます。 樊 綱 所 長 と 瀬 戸 相 談 役 に 伺 いたいと 思 います。中 国 との 経 済 的 な 相 互 関 係 がこれから 発 展 していこうというときに、 経 済 以 外 の 問 題 で 大 きな 障 害 というか、 特 に 先 ほど SARS の 問 題 も 出 て、 反 日 の 運 動 のことも 出 ました。 特 に 外 交 面 で 最 近 、 障 壁 が 大 きいと 思 うのですが、このことについてコメントをそれぞれお 願 いできましたらと 思 います。( 渡 辺 ) ありがとうございました。それでは 樊 綱 先 生 と、それから 瀬 戸 先 生 、お 願 いいたします。( 樊 綱 ) ご 質 問 、ありがとうございます。もちろん 私 は 主 に 経 済 を 研 究 しているので、この 問 題 に 対 しては 必 ずしも 多 くの答 を 持 っておりませんが、まず 私 はこう 申 し 上 げたいと 思 います。たとえここ 数 年 、 政 治 の 上 で 多 くの 問 題 があったにしても、経 済 の 上 では 絶 え 間 なく 発 展 を 続 けています。 恐 らくは、 短 い 期 間 であることを 祈 りますが、 今 後 しばらくの 間 、 現 実 的 な状 況 として 政 治 の 上 でいくらかの 問 題 があると 予 測 されます。 一 方 、 経 済 の 上 では 依 然 としてさらなる 発 展 があり、さらに整 合 が 進 み、 両 国 の 経 済 関 係 はますます 密 接 になると 信 じています。なぜなら、これは 我 々みんなにとってチャンスだからです。さっき 申 し 上 げたように、 中 国 の 市 場 競 争 はますます 熾 烈 になっており、グローバル 市 場 の 競 争 も 熾 烈 になっています。 我 々の 企 業 が 発 展 する 場 合 、 我 々のこの 地 域 が、 現 在 は 最 もすばらしい 発 展 地 域 であり、 我 々 両 国 間 の 貿 易 と 投資 において、これは 我 々の 企 業 が 発 展 する 最 もよいチャンスなのです。 政 治 家 が 何 を 言 おうと、 何 をしようと、 我 々の 企 業に 貿 易 と 投 資 を 行 わせる 限 り、これが 我 々の 現 実 であり、 我 々の 競 争 力 であり、 中 国 の 企 業 の 競 争 力 が 向 上 しているという 現 実 であり、 日 本 が 自 己 の 競 争 力 を 発 揮 し、 全 世 界 においてさらに 発 展 していく 現 実 のチャンスだと 信 じています。ですから、 経 済 学 者 として、 私 は 経 済 上 の 論 理 を 信 じ、 市 場 の 力 を 信 じ、 市 場 によって 我 々はみな 共 に 前 進 し、 中 日両 国 の 経 済 は 共 に 発 展 し、 我 々が 現 在 相 対 しているアジアや 中 国 のたくさんのビジネスチャンスを 開 発 できると 信 じています。ですから 私 は、 我 々 経 済 学 者 、 特 に 我 々 企 業 家 が 政 治 家 たちに 向 かって、どのようにしてよりよい 政 治 と 社 会 の 環境 、および 国 際 関 係 の 環 境 を 作 り 出 して、 我 々の 企 業 がもっとよくこのビジネスチャンスを 利 用 できるようにし、 我 々みんながもっと 発 展 し、 両 国 の 国 民 の 経 済 的 利 益 がもっと 向 上 するようにしてくれるのかと 呼 びかけてほしいと 願 っています。 私は、これが 政 治 家 の 方 々も 最 終 的 には 願 っていることだと 思 います。ありがとうございました。( 渡 辺 ) ありがとうございます。それでは 瀬 戸 先 生 お 願 いします。( 瀬 戸 ) ご 質 問 にお 答 えします。SARS の 問 題 がちょっと 出 ましたので、 私 どもが SARS のときにどう 対 処 したかについてお話 をいたします。一 昨 年 、 私 どもは 先 ほどからお 話 ししております 北 京 ビールの 起 工 式 を 4 月 半 ばにやろうと 決 定 しました。そのときに、今 までの 私 たちの 得 ている 情 報 では、SARS はいわゆる 南 の 方 、 香 港 、 広 東 省 を 中 心 に 猖 獗 を 極 めているということでした。 北 京 のほうはほとんどないと、 我 々は 情 報 を 知 らされておりました。そこで 私 は 香 港 に 知 人 がおりますので、 香 港 の 知 人 に 聞 きましたら「いや、 実 はもう 南 の 方 はもう 終 わりかかっている。いちばん 問 題 なのは 今 や 北 京 なのだ」という 話 を 聞 きました。 急 きょ、 起 工 式 を 取 りやめることにいたしました。そういった 意 味 では、 先 ほど 少 徳 さんが 2 つのポイントを 置 くということですが、 私 どもの 体 験 では、 情 報 はやはり 二 元 化しておいたほうが 安 全 性 があるといえるのではないかと 思 います。その 後 、 中 国 の 当 局 も 情 報 に 透 明 性 が 出 てまいりまして、そういったことについて 外 部 に 情 報 をどんどん 流 すことに 転換 されましたので、このことについては 多 としたいと 思 います。そういった 意 味 で、 私 は 特 に 情 報 の 透 明 性 を 強 調 していきたいと 思 います。さらに 私 は 先 週 上 海 に 行 ったと 申 しましたが、 上 海 に 行 く 前 に 若 干 政 治 の 問 題 でごたごたしたので、 周 りの 人 から「 今 、 上海 に 行 っていいのか」という 話 がありました。 私 は「そんなことは 問 題 がない」「 行 けば 分 かる」と 言 ったことです。20


実 は 昨 年 、 韓 国 のソウルで 日 韓 経 済 人 会 議 がありましたときも、 同 じような 騒 動 の 中 で 行 ったのですが、 行 けば 何 もないということです。 若 干 、マスコミの 報 道 が 過 熱 化 している。 先 ほど 虫 眼 鏡 と 申 しましたが、 悪 い 話 を 大 きく 拡 大 して 報 道するということがあって、いたずらにこの 危 険 感 と 申 しますか、 危 機 感 をあおるような 情 報 があることは、1 つの 問 題 点 ではなかろうかと 思 います。 以 上 、お 答 えいたします。( 渡 辺 ) ありがとうございます。今 の 樊 綱 先 生 、 瀬 戸 先 生 以 外 の 先 生 でぜひ 答 えたいというかたがおられましたら、 今 の 小 沢 さんの 質 問 にマイクを 向けます。よろしゅうございますか。ありがとうございました。それでは、 会 場 にまた 戻 します。ご 質 問 のあるかたどうぞ、お 手 を 挙 げてください。(Q) 私 は 文 芸 映 画 制 作 の 仕 事 をしており、 日 本 との 映 画 制 作 にすでに 20 年 余 り 従 事 しています。「 未 完 の 対 局 」と「 敦煌 」は 我 々の 作 品 です。この 会 議 に 参 加 して、 私 は 1 つ 質 問 をしたいと 思 います。さっきアサヒビールの 瀬 戸 相 談 役 が、 中 日 間 に 突 発 的 事 件が 発 生 すると、 我 々の 経 済 的 往 来 に 影 響 を 与 えるとおっしゃいました。そこで、 我 々 経 済 界 から 1 つ 質 問 をしたいと 思 います。 中 日 の 間 は、 私 の 認 識 では、 相 互 理 念 と 相 互 認 識 において、ひいては 相 互 の 気 持 ちの 交 流 において、 相 対 的 にやはり 脆 弱 なのではないかと 思 います。この 脆 弱 な 点 をどうしたらいいか。 我 々の 企 業 は、 企 業 間 の 交 流 ばかり 行 い、 企 業間 の 発 展 にばかり 力 を 入 れています。 私 は 少 し 前 に、 中 国 国 務 院 新 聞 弁 公 室 の 趙 啓 正 主 任 に 会 いました。 趙 主 任 は、かつて 日 本 の 有 名 な 人 物 と 交 流 があり、 経 済 の 熱 と 文 化 の 熱 を 用 いて 政 治 の 冷 たさを 阻 止 しようというスローガンを 提 出しました。 私 と 何 人 かの 日 本 人 の 友 人 たちがこのようなスローガンを 提 出 したわけです。 我 々の 経 済 界 の 友 人 たち、 産 業界 の 友 人 たちが 中 日 間 の 文 化 と 友 好 の 交 流 において 何 かを 行 なうことができないでしょうか。 実 際 、 中 国 と 日 本 の 間 の友 好 交 流 の 物 語 は、 他 のどの 国 のものより 感 動 的 であり、 歴 史 もあり、 両 国 国 民 の 心 を 動 かすものであり、 中 国 国 民 の 感情 の 礼 節 が 作 り 出 す 脆 弱 さを 変 えることができるのです。 私 は、ここにおられる 実 力 ある 経 済 界 のみなさんが、 文 化 や 経済 的 友 好 において、 中 日 経 済 の 友 好 を 推 し 進 める 上 で 何 かを 行 なってくださること、さらにはひとつの 組 織 を 作 ってくださることを 提 案 いたします。 以 上 です。( 渡 辺 ) お 名 前 は 何 とおっしゃいましたか。(Q) マーです。( 渡 辺 ) マーさんから 大 変 重 要 なご 提 言 がございました。 相 互 理 解 、 感 情 交 流 の 脆 弱 性 を 克 服 するためには、もっと 幅広 い 文 化 の 交 流 、 根 っこのところの 交 流 が 要 るのではないかというご 意 見 でした。まことに 傾 聴 に 値 する 話 だったと 思 います。先 生 がたの 中 で、 特 にコメントを 求 めるかたがあれば。 瀬 戸 先 生 、どうぞ。( 瀬 戸 ) 中 国 の 人 で 日 本 を 非 難 されるかた、それから 日 本 の 人 で 中 国 を 批 判 されるかた、 共 通 の 事 象 があると 思 います。まず 日 本 のことで 申 しますと、 中 国 を 批 判 する 人 は、 中 国 に 行 ったことがない。それから、 中 国 人 の 友 達 がいないということです。 同 様 のことが 中 国 でも 言 えるのではないでしょうか。 日 本 に 行 ったことがない。 日 本 の 友 達 がいない。そういった基 本 のことを 一 遍 やってみて、お 互 いの 国 へ 行 って、お 互 いの 国 の 人 を 知 れば「やっぱりいいやつがいるな」ということになるのではないでしょうか。私 どもが 最 初 、 中 国 でビジネスをやりましたときに、 中 国 人 の 社 員 が 言 いました。「 日 本 人 は、きばをむいて 角 を 出 して怒 るやつばかりかと 思 っていたけれども、 日 本 から 来 た 人 はこんなに 優 しいとは 知 らなかった」ということであります。21


( 渡 辺 ) ありがとうございます。それでは、 会 場 のほうでいかがでしょうか。それではいちばん 後 ろの、 今 手 を 挙 げられたかた、どうぞ。(Q) JALセールスの 小 西 と 申 します。もしこの 場 で、この 資 料 についてご 質 問 させていただいてもよろしゅうございましたら、 今 お 伺 いしたいのです。できれば、渡 辺 理 事 長 に 伺 いたいのですが、よろしいでしょうか。( 渡 辺 ) はい。(Q) 『 中 国 の 経 済 情 勢 と 日 中 の 経 済 関 係 』という 資 料 です。これを 拝 見 させていただきまして、 中 日 間 の 経 済 の 緊 密 なようすがよく 分 かりました。5 ページと 6 ページのことでお 伺 いしたいのです。5 ページには 国 、 地 域 別 貿 易 動 向 で、 中 国 から 日 本 への 輸 出 が 735 億 ドルぐらいで、 輸 入 が 943 億 ドルぐらいということで、コメントに「 赤 字 相 手 国 ・ 地 域 は 台 湾 が 第 1 位 で、 日 本 、 韓 国 をはじめ、アジア 各 国 地 域 に 対 しては 軒 並 み 赤 字 となっている」と 記 載 されております。一 方 では 6 ページの 方 を 見 ましたら、「 日 韓 では 日 本 、 中 韓 では 韓 国 がそれぞれ 大 幅 な 貿 易 黒 字 を 計 上 しているが、日 中 はほぼ 均 衡 している」となっています。その 下 の 数 字 を 見 ましても、 中 国 から 日 本 への 輸 出 が 944 億 ドルぐらいで、 日本 から 中 国 への 輸 出 が 941 億 ドルぐらいとなっております。どうして、この 数 字 にこんなに 違 いがあって、 輸 出 入 が 逆 転 しているのかと 感 じましたので、 教 えていただければと 思 います。( 渡 辺 ) ありがとうございます。 私 、 資 料 をもう 一 回 眺 めますので、その 間 、もう 一 方 ご 質 問 を、どうぞ。(Q) 愛 知 県 から 参 りました 三 光 製 作 所 、 藤 原 と 申 します。樊 綱 先 生 に 聞 きたいのです。 少 し 今 日 のテーマと 違 うかもしれませんが、3 年 近 く 前 に 飛 行 機 の 中 で、カメルーンのジーパン 商 人 の 男 性 と 席 が 横 で、 聞 きましたところ「カメルーンの 工 業 団 地 には 相 当 、 中 国 企 業 が 来 ている。15 分 の1のレイバー・コストを 求 めてばんばん 来 ているよ」という 話 を 聞 きました。中 国 政 府 も、 目 まぐるしく 税 制 を 変 えていく 中 で、やはりローテク、ハイテクと 言 ったら 申 し 訳 ありませんが、 付 加 価 値 の高 いほうに 優 遇 税 制 を 取 り 入 れていっていることは、 過 去 、ほかの 国 でも 同 じだと 思 います。 実 際 に 中 国 国 内 で 賃 金 が 合わなくて 他 国 に、 日 本 でいう 空 洞 化 といった 動 きは、そろそろあるのでしょうか。そうだとしたら、どんな 国 を 求 めて 行 っているのか。ASEAN 地 域 だと、 一 部 ではベトナムとかインドとか、 進 出 しているところはあるかと 思 いますが、 相 互 関 係 という 意 味 以 外 で 行 っているとしたら、どんな 所 へか、そういう 情 報 があるのか 確 認したい。( 樊 綱 ) ありがとうございました。JETROが 提 供 してくださったこの 資 料 でも、 中 国 の 現 在 の 対 外 投 資 について 紹 介 してありますが、 基 本 的 な 結 論 はかなりはっきりしており、 今 までのところ 対 外 投 資 は 少 ないのです。しかも、 対 外 投 資 を 行 う 生産 企 業 や 外 に 出 て 行 って 生 産 を 行 なう 企 業 はまだまだ 少 ない。さっきカメルーンの 話 が 出 ましたが、アフリカに 行 く 企 業 は確 かに 少 しあり、ベトナムに 行 く 企 業 も 少 しありますが、ベトナムは 減 ってきています。アフリカは 少 しあるかもしれません。というのは、アフリカの 労 働 コスト、あちらの 製 造 業 のコストは 中 国 国 内 より 低 いのです。 現 在 中 国 企 業 の 対 外 投 資 の 主 な内 容 は 資 源 業 界 で、たぶん 孔 さんがこの 点 についてもっとお 詳 しいと 思 いますが、 主 なものは 資 源 業 界 なのです。というのは、 中 国 は 資 源 が 不 足 しており、しかもますます 足 りなくなっている。しかも、 現 在 は 中 国 政 府 が 奨 励 政 策 を 行 なっている 上 に、 企 業 自 身 がこの 方 面 に 利 益 が 多 いことに 目 を 向 けています。 例 えば、10 年 前 に 中 国 では 国 内 の 森 林 伐 採 を 禁じました。そのため、 中 国 は 木 材 やパルプなどの 供 給 をますます 国 外 に 依 存 しており、ますます 多 くの 中 国 企 業 が 国 外 に行 って 森 林 に 投 資 しています。これは 今 の 重 要 な 傾 向 であると 私 は 思 います。また、 私 が 見 るところ、 今 後 かなり 長 期 の22


間 、 中 国 の 労 働 力 コストはあまり 大 きく 上 がらないため、 短 期 間 には 中 国 企 業 が 外 に 出 て 行 って 大 きな 投 資 をして 生 産 を行 なうという 傾 向 はないと 思 われ、 販 売 部 門 が 外 国 に 会 社 を 作 るということはあるかもしれませんが、 生 産 は 依 然 として 国内 生 産 が 中 心 です。 中 国 のハイテク 企 業 は 国 外 の 先 進 国 のハイテクの 能 力 や 開 発 能 力 を 利 用 するために 外 国 でいくらか 投 資 を 行 うこともあるかもしれませんが、それが 全 投 資 に 占 める 比 重 は 小 さなものです。 私 が 承 知 している 状 況 はこのぐらいです。ありがとうございました。( 渡 辺 ) ありがとうございます。先 ほどのJALの 小 西 さんから 大 変 緻 密 なご 質 問 を 頂 きまして、 今 、 急 きょ 資 料 を 眺 めていたのですが、まず、ご 質 問 にありました5ページの 数 字 は、 中 国 の 統 計 による 数 字 です。 中 国 から 見 れば 日 本 への 輸 出 が735 億 ドル、 日 本 からの 輸 入が 944 億 ドルという、 中 国 の 統 計 ベースで 見 ればこういうことになるのです。6 ページの 数 字 、 中 国 と 日 本 との 矢 印 の 数 字 、これは 中 国 の 輸 入 941 というのは 中 国 の 輸 入 の 数 字 です。 他 方 、944 億 ドル、 中 国 から 日 本 の 輸 入 というのは、これは 日本 の 統 計 による 数 字 なのです。したがって、 統 計 の 主 体 によってこれだけ 数 字 が 違 ってくるということになります。他 方 、7 ページの 数 表 の 2004 年 のところを 見 ていただきますと、(これは 輸 出 入 を 書 いてなくて 恐 縮 ですが、) 日 本 の統 計 によりますと、2004 年 の 中 国 への 輸 出 が 738 億 ドル、 中 国 からの 輸 入 が 942 億 ドル、 差 し 引 き 204 億 ドルの 赤 と。 日本 の 統 計 ではそういうことになるのです。したがって、これはそれぞれの 国 の 統 計 によりまして、 大 きく 数 字 は 違 います。それから、 恐 らくこれは 資 料 がラフにできていますが、 香 港 の 取 り 扱 いがまた 相 当 、 今 の 誤 差 の 中 に 違 って 入 ってきているのではないかと 思 います。とりあえず、 私へのご 質 問 なので、そのような 回 答 をさせていただきまして、もし 詳 細 が 必 要 であれば、 事 務 局 のほうからまたコンタクトをさせていただきます。それでは、 時 間 が 大 体 来 たようでございますので、フロアの 質 問 もこれで 締 め 切 らせていただきたいと 思 います。今 回 のこのパネルディスカッションですが、FTA の 問 題 はこの 次 のセッションがあります。 人 民 元 その 他 、 金 融 の 問 題は 他 のセッションがあるので、 意 図 的 にここでは 省 かせていただきました。それ 以 外 の 分 野 に 大 変 ご 協 力 いただきまして、ありがとうございます。 今 後 の2 日 間 の 議 論 の 中 身 で、 十 分 これをまた 反 映 させていただければと 思 います。最 後 になりますが、お 話 にありましたように 日 本 と 中 国 というのは、 私 はもうすでに 東 アジアという、 一 つの 経 済 統 合 という大 きな 同 じ 船 に 乗 っているような 気 がいたします。したがって、いろいろ 政 治 も 含 めてぎくしゃくした 摩 擦 はもちろんあるでしょうけれども、 基 本 は 同 じ 船 に 乗 っている 者 どうしということに 変 わりはないわけでありますから、お 互 いに 知 恵 を 出 しながら、その 船 が 安 定 して 一 定 の 方 向 に 流 れて 行 くように、 互 いに 協 力 することが 基 本 であろうと 思 います。つい 先 日 ですが、アメリカでアーミテージさんのスピーチを 見 ておりましたら「 近 世 になって 日 本 と 中 国 が、 共 に 強 い 両国 が、 共 存 したことはない」と、こういうスピーチをしておられました。「どちらかの 国 が 強 ければ、どちらかの 国 は 弱 くなっている。そういう 歴 史 の 繰 り 返 しだった」「 今 見 られる 日 中 間 のある 種 の 緊 張 というのは、21 世 紀 、 日 中 が、 強 い 両 国 が、 東アジアで 共 存 する 生 みの 苦 しみではないかと 思 って、 自 分 は 眺 めている」と、こういう 発 言 がございました。 私 は 大 変 含 蓄ある 言 葉 だなと 思 って、そのスピーチを 読 んだわけでございます。そういうことで 同 じ 船 に 乗 っているということをもう 一 度 かみしめて、これからお 互 いに 協 力 していきたいと 思 います。 本 日は、パネルディスカッションのパネラーの 先 生 がたも 含 めまして、 大 変 ありがとうございました。これで 終 わらせていただきます。 心 より 御 礼 を 申 し 上 げます。( 司 会 ) パネルセッションの 皆 様 大 変 ありがとうございました。お 疲 れさまでございました。それではここで、 次 のセッションに 移 る 前 に 座 席 を 若 干 変 えていただきます。23


独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 セッション>日 時 : 2005 年 10 月 25 日 ( 火 ) 11:15~12:15テーマ: 「 東 アジア 経 済 共 同 体 と 日 中 関 係 」講 演 者 : 吉 冨 勝 ( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 所 長 )張 蘊 嶺 ( 中 国 社 会 科 学 院 アジア 太 平 洋 研 究 所 所 長 )モデレータ: 田 辺 靖 雄 ( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 副 所 長 )モデレータの 経 済 産 業 研 究 所 副 所 長 田 辺 靖 雄 氏 から、 東 アジアという 地 域 の 脈 絡 において、 今 後 持 続 的 に 経 済 成長 を 進 めていく 上 で、どのような 制 度 的 なフレームワークが 求 められるか、その 中 でどのような 日 中 間 の 協 力 関 係 が 求 められるのかというセッションの 趣 旨 説 明 がなされたあと、 経 済 産 業 研 究 所 所 長 の 吉 冨 勝 氏 と 中 国 社 会 科 学 院 アジア 太 平洋 研 究 所 所 長 の 張 蘊 嶺 氏 が 各 々 発 表 し 議 論 が 行 われた。( 吉 冨 )東 アジア 統 合 の 経 済 的 基 盤 - 貿 易 と 通 貨 のリンク:統 合 の 経 済 的 基 盤 として、 貿 易 面 では、155%となった 域 内 貿 易 比 率 が 今 後 も 上 昇 すると 予 想 されること、2 中 国 の 加工 貿 易 ( 高 度 な 中 間 財 を 東 アジア 諸 国 の 多 国 籍 企 業 から 輸 入 し、 最 終 製 品 を 世 界 に 輸 出 する 三 角 貿 易 構 造 を)が 一翼 を 担 う 東 アジアの「 世 界 の 工 場 化 」という 特 徴 が 挙 げられる。 通 貨 面 では、97 年 の 金 融 危 機 ( 資 本 収 支 危 機 ) 後 東 アジア 諸 国 に 膨 大 な 外 貨 準 備 蓄 積 がある。 米 国 の 経 常 収 支 赤 字 を 背 景 に 米 ドルが 下 落 するとしても、 世 界 の 工 場 の 運 営のためにはアジア 通 貨 同 士 の 変 動 は 安 定 している 方 が 望 ましい。 東 アジアにおいては 複 数 主 要 通 貨 バスケット( 中 心 レート)とバンド±5%~10%の 設 定 という 中 間 的 為 替 レート 制 度 が 望 ましく、そのためにはマクロ 経 済 政 策 や 制 度 インフラ 作 りも 含 めた 政 策 対 話 が 必 要 である。東 アジアと EU の 根 本 的 な 違 い:EU の 場 合 は 一 人 当 たりの 所 得 格 差 が 2 倍 程 度 だが、 東 アジアでは 50 倍 ( 日 本 とミャンマー)まで 広 がる。 東 アジアにおいては、 市 場 を 支 える 制 度 としての 法 律 、 規 制 、 情 報 開 示 などのの 制 度 的 基 盤 の 成 熟 度 の 格 差 も 大 きい。EUのように 財 、サービス、 人 の 自 由 な 移 動 を 可 能 にする 単 一 市 場 、 通 貨 統 合 の 単 一 通 貨 を 達 成 するために harmonize された 制 度 作 りがアジアにも 必 要 である。 発 展 モデルを 見 ると、 東 アジアでは 専 制 国 家 に 経 済 成 長 主 義 が 結 びつき、 貧 困 の 撲 滅 、 中間 所 得 層 の 形 成 に 貢 献 し、 民 主 主 義 の 経 済 的 基 盤 を 成 立 させたと 言 う 意 味 でも 欧 州 とは 違 う。東 アジア 共 同 体 の 理 念 をどこにおくか-Evolution としてとらえる-:EU との 根 本 的 相 違 を 踏 まえ 東 アジアでは 共 同 体 の 形 成 は 進 化 の 過 程 として 捉 えるべき。その 過 程 には 3 つの「P」というものがあり、Prosperity( 成 長 )が Progress( 民 主 化 )につながり、ひいては Peace( 平 和 )をもたらす。 東 アジアでは、 市 場 先 導の 貿 易 関 係 から 見 る 経 済 的 統 合 の 実 態 は 整 いつつあり、 現 在 交 渉 中 の 数 々の FTA/EPA の 形 成 、 質 の 高 い 投 資 協 定 が重 要 である。また 東 アジアの 新 しい 為 替 制 度 が 必 要 である。さらに 個 別 の FTA から 地 域 大 の FTA、 関 税 同 盟 、 単 一 市 場 、単 一 通 貨 へと 発 展 を 遂 げていき、その 過 程 で 制 度 インフラの 改 革 が 必 要 になる。Prosperity( 成 長 )の 観 点 からは、 現 在の 東 アジアの 経 済 格 差 を 縮 めるのには 時 間 がかかる。 中 国 が 日 本 の 三 分 の 一 になるのに 30 年 以 上 かかるがこの 時 初 めて 制 度 上 のインフラ、 政 治 的 成 熟 度 が 高 まり、 中 間 所 得 層 をつくり 民 主 化 を 促 して、 域 内 が 成 熟 した 民 主 国 家 になり、 戦争 が 起 きなくなる。このような Evolution 的 な 考 え 方 をしていくのがアジア 共 同 体 の 理 念 のあり 方 ではないか。24


( 張 )東 アジア 経 済 共 同 体 :この 地 域 の 経 済 は 一 体 化 が 高 まっていて、 二 つの 特 徴 がある:120 数 年 の 発 展 、3 回 の 波 (80 年 代 の 円 高 を 受 けた 日本 の 対 アジア 投 資 、90 年 代 の 4 ドラゴンズの 台 頭 、97-98 年 のアジア 危 機 )を 通 して 経 済 関 係 の 緊 密 度 が 増 している。一 体 化 の 推 進 力 の 一 つ 目 は 市 場 の 力 、 二 つ 目 は 政 府 による 市 場 開 放 の 機 能 。ヨーロッパではまず 制 度 が 作 られ、 政 府が 市 場 のルールを 統 一 したが、 東 アジアでは 市 場 のメカニズムを 発 展 させ、それから 制 度 化 に 進 んでいく。 東 アジアの特 色 をもった 統 合 を 進 める 必 要 がある。FTA:東 アジア 共 同 体 の 中 心 には 経 済 共 同 体 で 自 由 貿 易 が 重 要 な 役 割 を 果 たす。 現 在 は 域 内 、 域 外 を 含 む 多 様 なアプローチが 混 在 している。それらを 組 み 合 わせるためのルールが 必 要 であり、 歩 みを 速 める 必 要 もある。そのためにはタイムテーブルが 必 要 。 東 アジアの FTA は 2008 年 までに 始 めて、2020 年 までには 実 現 すべき。エネルギーなどの Early Harvest分 野 を 決 めるべき。2020 年 にはAPECも 含 めた 目 標 を 掲 げている。 東 アジアを 先 行 しなければいけない。 企 業 は 緊 張感 を 持 っているが、 政 府 にはなく、 具 体 的 なモデルについてのコンセンサスも 無 い。中 日 の 協 力 :中 日 経 済 は 補 完 性 の 高 い 経 済 。 相 互 補 完 は 今 後 も 長 く 続 く。 中 日 関 係 は Win-Win の 関 係 であるが 制 度 的 な 調 整 メカニズムが 無 いことが 問 題 。 双 方 とも 積 極 的 ではあるが、 必 ずしも 中 日 間 の 案 件 を 優 先 させてはいない。 中 日 関 係 は「 涼 しい」から「 寒 い」「 凍 てつく」 状 態 になることは 避 けなければいけない。25


第 1 分 科 会 >日 時 : 2005 年 10 月 25 日 ( 火 ) 13:30~15:15テーマ: 「 中 国 進 出 多 国 籍 企 業 の 失 敗 例 から 学 ぶ 中 国 ビジネスの 成 功 の 秘 訣 」講 演 者 : ジョン・ホフマン (XRG(エクセプショナル・リソーシズ・グループ 共 同 設 立 者 /プリンシパル))テイボール・バランスキー Jr. ( 君 合 法 律 事 務 所 法 律 顧 問 )ダグラス・ガーバー (FOCUS One Limited パートナー/ 元 イーストマンコダック 中 国 責 任 者 )モデレータ: 藤 原 弘 ( 日 中 経 済 協 会 調 査 部 長 )1. 講 演 内 容 のポイント(ダグラス・ガーバー)・ イーストマンコダックは 86 年 に、 中 国 企 業 にフィルムの 技 術 を 供 与 し、1 億 ドルの 一 時 金 と 毎 年 ライセンスフィーを 受領 という 契 約 を 締 結 した。 当 初 は 非 常 に 順 調 だったが、2 年 後 から 徐 々にライセンスフィーの 支 払 いが 遅 れ、さらに、技 術 供 与 先 がコダックブランドのフィルムを、 低 価 格 で 輸 出 先 の 東 欧 から 西 欧 に 再 輸 出 するという 事 態 が 生 じた。・ そのため、 中 国 側 に 再 三 改 善 を 要 求 したが、 受 け 入 れられなかった。さらに、89 年 には 天 安 門 事 件 が 発 生 し、 中 国ビジネスは 新 規 投 資 をストップすることになった。 当 時 、イーストマンコダックは 対 中 フィルム 輸 出 では 利 益 を 出 していたが、 中 国 側 から 輸 入 を 停 止 される 恐 れも 出 ていた。・ そこで、90 年 にコンサルタント 会 社 の XRG に 助 けを 求 めた。XRG が 入 手 した 中 国 企 業 のインサイダー 情 報 によると、当 該 企 業 の 株 主 が 銀 行 、 地 方 政 府 など 5 社 ・ 組 織 あるなど 権 利 関 係 が 複 雑 で、さらに 技 術 供 与 当 初 のライセンスフィー 支 払 いが 多 額 であったことから、 赤 字 体 質 改 善 のめどが 立 たず、 責 任 を 誰 も 取 りたがらない 状 況 に 陥 っていることが 原 因 であることが 判 明 した。・ 事 実 確 認 を 基 に、 時 間 をかけて 利 害 関 係 者 との 人 間 関 係 作 りを 行 ったうえで、 同 社 との 交 渉 を 株 主 である 地 方 政府 と 中 央 政 府 との 交 渉 に 変 更 し、 北 京 で 調 停 を 行 うことにした。・ イーストマンコダックは 中 国 側 の 業 界 再 編 まで 視 野 に 入 れた 投 資 と 技 術 供 与 を 約 束 する 代 わりに、ライセンスフィーの 支 払 いと 輸 出 停 止 を 求 めることを 政 府 に 要 求 した。 結 果 的 に、トラブル 発 生 から 5 年 後 の 93 年 に、 中 国 政 府 から5 年 間 の 対 中 投 資 のフィルム 分 野 での 独 占 権 を 得 ることができた。これによって、 中 国 でのシェアは 3 位 から 1 位 になった。・ 当 時 、 日 系 フィルムメーカーはイーストマンコダックの 中 国 における 動 向 を 注 視 していた。しかし、 具 体 的 に 動 かなかったことで、ナンバーワンになるチャンスを 失 ったといえるだろう。 中 国 では 何 事 も 前 倒 しに 動 き、 中 国 式 のゲームをやり、どこを 動 かせば 物 事 が 前 に 進 むか、という 権 力 構 成 を 把 握 することが 重 要 だ。(ジョン・ホフマン)・ 中 国 ビジネスが 直 面 する 問 題 は、 日 本 企 業 だけが 直 面 しているわけではない。 多 くの 多 国 籍 企 業 は、 中 国 は 謎 めいた 国 だと 考 えている。・ そのため、 中 国 的 な 特 別 なやり 方 が 必 要 だとの 声 がある。しかし、 中 国 では 市 場 競 争 、コスト 上 昇 、 為 替 レートなど、すべてが 常 に 流 動 的 だ。むしろ、タイムリーかつ 効 率 的 に 戦 略 的 な 手 を 打 つことが 重 要 だ。・ 中 国 でリスク 増 大 の 原 因 になりやすいミスとしては 以 下 が 挙 げられる。 1. 中 国 政 府 との 折 衝 の 見 落 とし 2. 外 国 人 ・現 地 人 管 理 者 の 選 択 ミス 3. 不 適 切 な 人 事 制 度 4. 追 随 的 なアプローチ 5. 価 格 設 定 ミス 6.リスク 管 理 計 画 の 欠 如26


・ イーストマンコダックの 提 携 相 手 になった 中 国 企 業 は、 国 際 的 なビジネスは 初 めてで、プロジェクトに 失 敗 することは面 子 の 丸 潰 れという 意 識 があったようだ。 一 方 で、 当 時 はコダックの 技 術 を 必 要 としていた。・ そこで、 中 国 政 府 に 働 きかけることにしつつも、 中 国 企 業 側 の 面 子 が 立 つことを 考 えた。 当 社 は 中 国 古 代 からの 伝統 的 な「 兵 法 三 十 六 計 」のステップからなる 解 決 戦 略 を 提 唱 している。イーストマンコダックの 件 では、 以 下 のようなステップを 踏 んだ。1. 痴 を 偽 るも 転 せず( 愚 かなふりをして 相 手 を 油 断 させた)2. 客 を 反 して 主 となす( 交 渉 の 焦 点 を 中 国 企 業 の 資 金 不 足 に 絞 った)3. 刀 を 借 りて 殺 す( 中 央 政 府 の 力 を 借 りて、 行 き 詰 まりを 解 消 した)4. 草 を 打 って 蛇 を 驚 かす( 中 国 企 業 がイーストマンコダックの 要 求 を 呑 むように、 監 督 官 庁 を 奨 励 した)5. とらえんと 欲 すれば、しばらく 放 つ( 中 国 企 業 の 有 利 な 返 済 条 件 に 譲 歩 することで、 最 終 的 な 目 標 を 達 成 した)6. 無 の 中 に 有 を 生 ず( 米 中 の「ウイン・ウイン」の 解 決 を 求 めた)(ティボール・バランスキー Jr.)・ 中 国 は、 法 律 そのものは 整 備 されてきているが、 三 権 分 立 にはなっていない。そのため、 法 的 な 問 題 はより 複 雑 になってきているともいえる。 一 方 で、 中 国 は 通 達 が 頻 繁 に 変 わるが、 外 資 系 企 業 は 逆 に、 変 化 する 通 達 を 活 用 するという 発 想 があってよいと 思 う。・ なお、 日 系 企 業 はトラブルを 予 防 するという 観 点 で、 欧 米 企 業 には 遅 れている 印 象 がある。 外 部 のコンサルタントや弁 護 士 を 使 うという 割 り 切 りがないことも、 予 防 が 遅 れる 要 因 になる。 結 果 的 に、 損 をしなくてもよい 場 面 で 損 をするケースが 目 立 っている。2. モデレータ 総 括・ 日 本 企 業 が、 中 国 で 直 面 している 課 題 は 少 なくないが、これは 日 本 企 業 だけではないことがわかっていただけたと思 う。イーストマンコダックの 成 功 は、 豊 富 なノウハウを 持 つコンサルタントを 活 用 して 真 の 交 渉 相 手 を 見 つけることができたことと、 非 常 に 粘 り 強 く 交 渉 を 行 ったことにある。・ 日 系 企 業 は 弁 護 士 なども 含 めたコンサルタントといった 専 門 家 の 活 用 が、 欧 米 企 業 に 比 べ 遅 れている。トラブル 防止 の 観 点 からも、 中 国 の 理 解 を 深 める 一 方 で、 専 門 家 の 活 用 は 重 要 性 を 増 す 可 能 性 があるだろう。 最 初 にコンサルタント、 弁 護 士 といった 専 門 家 のコストを 負 担 しておく 方 が、その 後 トラブルに 直 面 して 負 担 するコストよりも 少 ないということである。27


テーマ: 「 中 国 企 業 の 経 営 力 」講 演 者 : 清 家 彰 敏 ( 富 山 大 学 経 営 学 研 究 科 企 業 経 営 学 専 攻 教 授 )厳 義 明 ( 上 海 厳 義 明 法 律 事 務 所 代 表 )陳 小 洪 ( 国 務 院 発 展 研 究 センター 企 業 研 究 所 所 長 )コメンテータ: 田 原 真 司 ( 株 式 会 社 日 経 BP 北 京 支 局 長 )モデレータ: 張 維 炯 ( 中 欧 工 商 国 際 学 院 (CEBIS) 副 院 長 )1. 講 演 内 容 のポイント( 陳 ) 中 国 における 企 業 改 革 は 80~90 年 代 に 始 まった。 企 業 構 造 の 変 化 は 工 業 分 野 において 顕 著 で、 国 有 企 業 の 割合 が 低 下 している。サービス 業 においても 運 輸 業 などには 外 資 の 参 入 が 増 加 傾 向 にある。 現 在 は 国 家 持 ち 株 企 業 ではシノペック、ペトロチャイナ、 宝 山 鋼 鉄 、マルチ 所 有 制 企 業 ではレノボ、TCL、ハイアール、 私 有 企 業 では 華 為 、 比 亜 迪(BYD)など 競 争 力 の 高 い 企 業 が 誕 生 している。国 有 企 業 のコーポレートガバナンス 改 革 は、(1) 会 社 法 の 改 正 、(2) 資 本 市 場 の 改 善 、(3) 国 有 企 業 構 造 の 改 革 により 進 められている。 会 社 法 は 100 条 にもおよぶ 大 規 模 な 改 正 が 次 回 の 全 人 代 で 決 定 される 予 定 だ。 国 有 企 業 構 造 改 革は、 国 有 企 業 のうち 上 場 企 業 は 国 有 持 株 会 社 へ、 非 上 場 企 業 は 管 理 会 社 が 管 理 するという 方 向 で 進 んでいる。 政 府 人員 が 多 かった 董 事 会 も、 外 部 の 人 材 を 多 く 登 用 し 株 主 によって 運 営 されるように 改 革 されつつある。 一 方 改 革 中 とはいえ、国 有 企 業 による 上 場 企 業 資 金 不 正 流 用 など 不 正 行 為 がいまだに 多 いという 問 題 点 もある。( 厳 ) 中 国 企 業 のコーポレートガバナンスの 問 題 点 は、(1) 資 金 の 不 正 流 用 、(2) 虚 偽 情 報 の 開 示 、(3)インサイダー 取引 である。 特 に 資 金 の 不 正 流 用 について、2005 年 上 半 期 の 被 害 額 は 846 億 元 に 達 し、 上 場 企 業 の 約 半 数 が 被 害 にあっていると 言 われている。 原 因 は 国 有 企 業 の 歴 史 的 性 格 にある。70 年 代 は 国 家 予 算 、80 年 代 は 銀 行 融 資 によって 資 金が 投 入 され 続 けてきた。 現 在 は 上 場 により 資 金 調 達 を 行 っているが、 赤 字 である 国 有 企 業 を 上 場 させるため、 優 良 資 産部 門 と 赤 字 部 門 をそれぞれ 子 会 社 に 分 割 し、 優 良 資 産 部 門 を 上 場 させた 資 金 で 赤 字 部 門 を 穴 埋 めするという 手 法 がとられている。このやり 方 に 対 して 従 業 員 の 間 で 不 満 が 高 まっている。解 決 方 法 としては、(1) 株 主 の 法 的 権 利 の 整 備 、(2) 独 立 董 事 制 度 ( 社 外 取 締 役 制 度 )の 強 化 が 考 えられる。 株 主 の法 的 権 利 の 整 備 は 2002 年 から 裁 判 所 が 虚 偽 情 報 の 公 開 について 提 訴 の 受 理 を 開 始 するなど 徐 々に 進 展 している。( 清 家 ) 中 国 企 業 は 世 界 の 企 業 に 比 べ 収 益 を R&D にまわす 割 合 が 低 い。 中 国 企 業 が 発 展 するには 融 合 開 発 戦 略 が有 効 だと 考 える。 融 合 開 発 戦 略 とは、 他 社 の 技 術 を 組 み 合 わせて 模 倣 にとどまらない 技 術 を 開 発 することである。 家 電 メーカー 大 手 の 長 虹 は、 初 期 は 模 倣 にとどまっていたが、 松 下 と 三 菱 の 半 導 体 を 組 み 合 わせるなどして 新 しい 技 術 を 生 み出 せば 競 争 力 を 高 めていくことができるのではないか。 第 一 汽 車 は、トヨタ、GE との 技 術 格 差 は 大 きいが、これらの 世 界企 業 が 競 争 して 生 み 出 した 技 術 の 中 から 生 き 残 りうるものを 選 択 していけば 今 後 発 展 の 余 地 がある。2. ディスカッションのポイント( 田 原 ) コーポレートガバナンスは 何 のために 確 立 する 必 要 があるのかについて 中 国 企 業 の 意 識 はそれほど 高 くないように 思 われる。 中 国 におけるコーポレートガバナンスはいまだ 国 家 主 導 による 啓 蒙 の 段 階 で、 競 争 力 をつけるといった 自 発的 なものではない。 今 後 、「 市 場 経 済 におけるコーポレートガバナンス= 企 業 の 競 争 力 」といった 捕 らえ 方 がいつ 企 業 自身 から 生 まれるかは 注 目 すべきポイントである。28


3. モデレータ 総 括( 張 ) 講 演 の 通 り、 中 国 企 業 のコーポレートガバナンスの 発 展 段 階 は 一 様 ではない。 自 社 の 合 作 相 手 が 発 展 の 殿 段 階にあるのかをしっかり 見 極 めることが 大 切 。テーマ: 「 環 境 産 業 ~ 日 中 環 境 ビジネスの 多 面 的 展 開 に 向 けて~」講 演 者 : 菅 原 正 孝 ( 大 阪 産 業 大 学 人 間 環 境 学 部 長 )横 山 隆 (JFEエンジニアリング 株 式 会 社 環 境 技 術 部 長 )周 瑋 生 ( 立 命 館 大 学 政 策 科 学 部 教 授 )劉 炳 義 ( 日 本 テピア 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 )モデレータ: 橋 本 城 二 ( 株 式 会 社 タクマ 執 行 役 員 )講 演 内 容 のポイント( 菅 原 ) これまで 水 の 浄 化 、 特 に 土 壌 を 使 った 浄 化 技 術 研 究 に 注 力 してきた。 日 本 の 水 関 連 法 整 備 の 歴 史 を 見 ると、環 境 基 準 が 年 を 追 って 厳 しくなっている。これらの 基 準 をクリアするために 技 術 も 発 展 してきた。 今 中 国 では 有 機 汚 染 、特 に 湖 沼 の 環 境 基 準 達 成 率 が 低 く 日 中 双 方 にとってビジネスチャンス。 水 処 理 技 術 分 野 は 地 域 特 性 = 現 地 の 自 然 浄化 機 能 を 反 映 させることが 重 要 。 日 本 の 技 術 をそのまま 移 転 させても 不 十 分 である。 今 後 は 語 学 と 技 術 または 経 営 の 知識 を 学 んだ 人 材 を 育 成 するプログラムを 充 実 させていきたい。( 周 ) 中 国 における 環 境 産 業 は 東 南 沿 海 の 経 済 発 展 地 域 に 集 中 しており、 中 西 部 地 区 など 貧 困 地 域 においてはほぼ皆 無 。 中 国 全 土 でのバランスが 取 れていない 状 態 といえる。中 国 政 府 は 環 境 規 制 を 強 化 するべき。 規 制 強 化 は 活 力 を 減 退 させると 思 われがちだが、 環 境 産 業 においては 新 しい技 術 開 発 へつながる。また 日 中 協 力 のためには 技 術 移 転 リスクを 軽 減 する 対 策 が 重 要 。そこで 日 本 政 府 が 補 助 金 ・ 税制 優 遇 で 民 間 企 業 の 対 中 進 出 を 支 援 する 仕 組 み( 合 弁 企 業 方 式 )を 提 案 したい。これからは 企 業 の 利 益 だけでなく、「 環 境 利 益 」( 世 界 のCO2 量 削 減 効 果 等 )を 目 指 すべきだ。 誠 意 ある 対 応 ・ルールある 競 争 ・WIN-WIN 関 係 の 構 築 が今 後 の 日 中 間 の 環 境 産 業 において 重 要 である。( 横 山 ) JFE 社 はNKKと 川 崎 製 鉄 が02 年 統 合 後 03 年 に 再 編 され 設 立 された。 約 10 億 ドルが 環 境 本 部 の 売 上 である。環 境 設 備 の 設 計 から 施 工 管 理 までトータルサービスを 提 供 している。リサイクル 関 連 の 事 業 では、 日 本 の 廃 棄 物 処 理 に関 する 法 整 備 に 対 応 する 形 で 技 術 開 発 を 進 めてきた。 使 用 済 みプラスチックを 高 炉 の 燃 料 にする、 使 用 済 みの 蛍 光 管や 建 築 木 材 のリサイクルなど 資 源 循 環 型 社 会 のために 幅 広 い 事 業 を 手 がけている。( 劉 ) 日 本 テピア 社 を6 年 前 に 日 本 で 創 業 。 創 業 時 は 中 国 脅 威 論 もあったがここ2~3 年 はチャンス 論 へ 移 行 。 中 国 は国 土 も 人 口 も 規 模 が 大 きく 環 境 ビジネスの 発 展 の 余 地 があり、すでに 対 中 進 出 した 日 系 企 業 は 一 部 黒 字 を 出 している。仏 ・ 英 は 水 処 理 部 門 に 既 に 進 出 済 み。 日 本 企 業 はブランド 力 、 市 場 感 覚 を 持 っており、 製 造 技 術 ・ 品 質 管 理 の 優 位 性に 定 評 がある 点 が 強 みといえる。だが 日 本 の 中 小 企 業 が 中 国 で 成 功 した 事 例 は 比 較 的 少 ない。 原 因 は 情 報 収 集 ・ 交 流の 不 足 にあるのではないか。 日 本 企 業 の 対 中 進 出 の 障 壁 には 知 的 財 産 ・コスト 競 争 ・ハイテクへの 過 信 ・ 人 材 管 理 の 文化 的 差 異 などがある。これらリスク 解 決 のためには、 現 地 パートナーを 取 り 込 み 現 地 のノウハウを 積 極 的 に 活 用 することが大 切 である。29


モデレータ 総 括1 日 本 の 中 国 における 価 格 競 争 力 強 化 のためには、 設 計 基 準 を 弾 力 的 に 考 えることが 必 要 。 常 に 最 先 端 の 技 術 が 求められているわけではない。2 日 中 がWIN-WINの 関 係 になるためには、 技 術 移 転 に 伴 うリスク( 模 倣 品 等 )を 軽 減 させる 対 策 が 必 要 。3 中 国 国 内 の 法 規 制 は 不 十 分 ではないか?との 批 判 があるが、 近 年 は 法 令 の 制 定 も 進 み 拘 束 力 が 高 まっているので日 本 は 積 極 的 に 情 報 収 集 ・ 対 応 していくべき。4 日 中 間 の 橋 渡 しとなる 人 材 を 育 成 するためには、 留 学 生 を 受 け 入 れる 大 学 の 役 割 が 重 要 となってくる。5 日 中 相 互 の 中 小 企 業 の 役 割 も 重 要 だがまだ 協 力 は 不 十 分 。どのような 協 力 ができるか 今 後 さらに 検 討 が 必 要 であるディスカッションのポイント○ 技 術 レベルとコスト 対 策中 国 向 け 商 品 は 高 技 術 ・ 高 価 格 では 価 格 競 争 に 負 けるので 設 計 技 術 を 下 げてもコスト 対 策 をすべきという 点 で 劉 氏 、周 氏 に 同 じ 問 題 意 識 が 見 られた( 橋 本 氏 )。ただ 中 国 は 常 に 世 界 最 先 端 の 技 術 を 要 求 してくるので、 交 渉 が 難 しい( 劉氏 ・ 横 山 )。 中 国 国 内 でも 要 求 される 技 術 のレベルは 地 域 毎 に 異 なる。 情 報 収 集 が 大 切 である( 周 氏 )。JFEでは 顧 客ニーズに 合 わせてスペックを 変 え 対 応 している。 低 い 技 術 の 商 品 を 供 給 することに 技 術 者 側 からの 抵 抗 も 特 にない( 横山 氏 )。○ 技 術 移 転 と 模 倣 対 策技 術 移 転 は 模 倣 されるリスクを 伴 うがいかにリスクを 軽 減 させるべきか。 特 許 を 取 る、 裁 判 をするといっても 時 間 がかかるし 効 果 が 薄 いのではないか( 橋 本 氏 )。 確 かに 中 国 で 法 的 に 技 術 を 守 ることはお 金 も 時 間 もかかって 大 変 だが、 事 業 を続 けていく 以 上 現 地 の 人 と 協 力 体 制 を 作 って 法 的 措 置 をとるしかない( 劉 氏 )。テーマ: 日 中 企 業 の 国 際 化 - 市 場 戦 略モデレータ: 桑 原 哲( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 上 席 研 究 員 ( 前 経 済 産 業 省 大 臣 官 房 審 議 官 ))1330-1340 モデレータ 導 入 発 言1340-1355 日 本 企 業 の 国 際 化 と 中 国 ビジネス― 電 子 産 業 を 中 心 として(PC、 携 帯 、 半 導 体 )浦 上 清 ( 浦 上 アジア 経 営 研 究 所 代 表 ( 元 日 立 亜 洲 ( 香 港 ) 有 限 公 司 董 事 総 経 理 ))1355-1410 中 国 の 改 革 開 放 と 中 国 企 業 の 国 際 化 戦 略夏 斌 ( 国 務 院 発 展 研 究 中 心 金 融 研 究 所 所 長 ・ 中 華 全 国 工 商 聯 M&A 公 会 副 会 長 )1410-1425 資 生 堂 の 中 国 戦 略斎 藤 忠 勝 ( 株 式 会 社 資 生 堂 執 行 役 員 専 務 中 国 総 代 表 )1425-1440 日 中 企 業 の 国 際 化 ‐ 市 場 戦 略湯 士 明 ( 僑 興 集 団 有 限 公 司 董 事 長 首 席 高 級 助 理 ・ 対 外 合 作 事 業 部 門 総 経 理 )1440-1510 ディスカッション、 質 疑 応 答1510-1515 モデレータ 総 括30


■ 桑 原 哲 ( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 上 席 研 究 員 ( 前 経 済 産 業 省 大 臣 官 房 審 議 官 ))アジア 地 域 におけるサプライチェーンの 重 要 性 が 向 上 している。 製 品 のモジュール 化 、 生 産 工 程 のモジュール 化 と 分散 により、アジア 地 域 が 生 産 拠 点 に 組 み 込 まれていっている。 更 に、 市 場 としての 重 要 性 も 向 上 している。中 国 市 場 は 特 殊 地 域 の 問 題 ではなく、グローバルな 主 要 問 題 となりつつある。 中 国 市 場 への 参 入 、サプライサイドへの 切 込 みを、 今 日 的 な 視 野 で 改 めて 見 ていく 必 要 がある。中 国 国 内 では 企 業 慣 行 が 変 化 している。 国 際 的 企 業 はモジュール 化 のメリットを 活 用 し 始 めている。ハイアール、TCLなどがその 好 例 。また、 中 国 企 業 が 国 際 化 の 課 題 を 乗 り 越 え、 国 際 市 場 に 出 て 行 く 動 きも 始 まっている。M&A を 手 段 として、 製 品 のマーケットとして 海 外 へ 出 て 行 く。 最 近 のレノボのIBMのPC 部 門 買 収 、 南 京 汽 車 によるローバーの 買 収 などが 代 表 例 。これらの 動 きをどうとらえていくかが 新 しい 課 題 。■ 浦 上 清 ( 浦 上 アジア 経 営 研 究 所 代 表 ・ 元 日 立 亜 洲 ( 香 港 ) 社 長 )日 本 企 業 の 国 際 化 と 中 国 ビジネス― 電 子 産 業 を 中 心 として ―1. 電 子 産 業 の 世 界 においては、 欧 米 に 産 業 の 起 点 を 持 つ 製 品 が、 技 術 移 転 と 産 業 立 地 の 転 換 を 遂 げる 中 で、アジア 地 域 に 産 業 シフトをしており、アジアの 重 要 性 が 飛 躍 的 に 増 大 している。2. 電 子 産 業 のアジア 移 転 の 中 で、それぞれの 国 や 地 域 に 産 業 が 集 積 され、 特 有 のビジネスモデルが 形 成 された。日 本 企 業 は 世 界 的 な 技 術 開 発 とモノづくりの 力 で 世 界 ブランドを 構 築 した。 台 湾 企 業 はパソコン 分 野 で 世 界 に冠 たる OEM 大 国 を 築 いた。 中 国 企 業 は 持 ち 前 の 製 造 力 と 国 内 市 場 における 販 売 を 中 心 に 成 長 しており、 国 際的 な 活 動 がこれからの 課 題 である。ビジネスモデルと 国 際 化 の 進 展 の 経 路 はひとつではない。3. 日 本 のエレクトロニクス 企 業 は、 世 界 的 な 技 術 力 をベースに 先 端 市 場 志 向 の 経 営 で 国 際 化 を 実 現 してきた。アジア・ 中 国 は 生 産 の 拠 点 であった。 日 本 のエレクトロニクス 企 業 の 問 題 点 は、 全 体 の 事 業 規 模 に 占 めるアジア 市場 販 売 の 比 率 が、 米 国 企 業 等 に 比 べて 低 いこと、 企 業 経 営 の 現 地 化 で 立 ち 遅 れていることなどである。4. IT 産 業 においては、グローバル 先 端 企 業 側 は、ハードウェアの 設 計 開 発 と 生 産 をアジア 企 業 に 委 ね、 自 らはシステムやサービス 事 業 の 強 化 に 努 めている。5. このような 分 業 と 協 業 の 中 で、アジア 企 業 はモノづくりからエンジニアリングへと 能 力 を 高 めている。また、 中 国 の台 頭 によりアジア 市 場 が 重 要 性 を 増 している。6. 日 本 のエレクトロニクス 企 業 の 中 国 ビジネスにおける 課 題 は、(1) 合 弁 から 独 資 への 潮 流 変 化 の 中 で、 中 国 事 業 環 境 への 適 切 な 対 応 を 如 何 にして 実 現 するか、(2) 中 国 市 場 に 適 応 した 事 業 戦 略 の 立 案 と 実 行 をどのように 行 うのかなどである。ここにおいては、 中 国 の 専 門 家 、 有 識 人 及 び 企 業 人 との 協 働 が 大 切 である。 中 国 とアジア 地 域 におけるビジネスの 発 展 のため、 日 本 企 業 は、 事 業 と 技 術 を 戦 略 的 にレビューし、 中 国 やアジア 地 域 の 企 業 との 連 携行 動 を 高 度 化 すべきである。■ 夏 斌 ( 国 務 院 発 展 研 究 中 心 金 融 研 究 所 長 ・ 中 華 全 国 工 商 聯 合 会 M&A 公 会 副 会 長 )テーマ: 中 国 の 改 革 開 放 と 中 国 企 業 の 国 際 化 戦 略1. WTO 加 盟 のチャンスとチャレンジ中 国 の 経 済 発 展 モデルは 輸 出 牽 引 型 戦 略 では 日 本 、 韓 国 と 共 通 する 一 方 、 加 工 貿 易 中 心 に 大 量 かつ 継 続 的な FDI( 外 国 直 接 投 資 )の 導 入 をはかり、 外 国 企 業 の 中 国 進 出 、 生 産 基 地 の 移 転 をはかった 点 で 異 なっている。流 入 外 資 は 累 計 4000 億 ドル 超 、50 万 社 にのぼる 外 資 系 企 業 が 輸 出 向 けの 製 品 を 加 工 ・ 組 み 立 て。 結 果 、 日 本 、韓 国 と 異 なる 中 継 貿 易 をメインとする 特 徴 。1 輸 出 志 向 = 加 工 ・ 中 継 貿 易 の 功 罪メイド・イン・チャイナの 現 実 は、「( 多 国 籍 企 業 によるブランドの) 中 国 国 内 での 製 造 」であり「 中 国 ( 企 業 )による 製31


造 」でない。 中 国 企 業 の 国 際 化 はまだ 道 遠 く、 世 界 市 場 に 通 用 するブランドの 確 立 にはまだ 大 きな 課 題 。2 輸 出 志 向 の 国 際 化 : 多 国 籍 企 業 の 国 際 化 戦 略 への 組 み 込 み輸 出 志 向 の 国 際 化 戦 略 は 中 国 企 業 の 国 際 市 場 競 争 力 強 化 にも 貢 献 するも、 中 継 貿 易 の 結 果 は、 中 国 の 低 廉な 労 働 力 と 生 産 手 段 が 多 国 籍 企 業 の 国 際 化 戦 略 の 中 に 組 み 込 まれる 結 果 となっている。3 貿 易 量 の 大 部 分 は 海 外 企 業 の 輸 出 入 のため、GNP が GDP を 下 回 っている1981 年 ~2002 年 の 22 年 間 中 、14 年 は GNP


1965 年 アメリカでの 販 売 開 始1968 年 ヨーロッパ(イタリア)での 販 売 開 始1980 年 海 外 専 用 品 を 開 発 、イメージ 統 一 → 海 外 本 格 化1981 年 中 国 での 販 売 開 始現 在 72 の 国 ・ 地 域 で 販 売 ( 生 産 11・ 研 究 3)(2) 海 外 売 上 高 比 率 ・・27.5% (05/3 期 )中 国 市 場 での 資 生 堂 の 歩 み1981 年 「 友 誼 商 店 」「 北 京 飯 店 」 等 で 販 売 開 始1983 年 北 京 市 と「 第 一 次 生 産 技 術 協 力 」、 以 降 、 第 4 次 まで 実 施1991 年 北 京 市 との 合 弁 会 社 設 立 :「 資 生 堂 麗 源 化 粧 品 有 限 公 司 」1994 年 中 国 専 用 化 粧 品 「AUPRES・ 欧 珀 莱 」 発 売1998 年 華 東 CITIC と 合 弁 会 社 設 立 ( 上 海 ):「 上 海 卓 多 姿 中 信 化 粧 品 有 限 公 司 」2004 年 上 海 に 100% 子 会 社 の 持 株 会 社 設 立 :「 資 生 堂 ( 中 国 ) 投 資 有 限 公 司 」専 売 店 事 業 開 始海 外 市 場 進 出 の 基 本 理 念自 社 のオリジナリティを 大 切 にする現 地 のリソースを 最 大 限 に 生 かすよき 企 業 市 民 として 現 地 に 根 付 くマーケティングポリシー: 三 高 市 場 戦 略High Quality 高 品 質High Service 高 服 務High Image 高 形 象中 国 市 場 拡 大 に 伴 う 新 展 開 ―チャネル 別 ブランドマーケティング―チャネルデパート専 売 店( 路 面 単 独 店 )その 他基 本 的 な 考 え 方プレステージ 方 のグローバル 競 争・ 地 域 密 着・ 化 粧 品 販 売 の 原 点 を 求 めたビジネスモデルづくりハイパー、 薬 局 ・ドラッグ、その 他 への進 出 拡 大中 国 事 業 成 長 の 要 因最 適 パートナーの 選 定 と 信 頼 関 係 づくり最 も 初 期 の 進 出 =「 井 戸 を 掘 った 人 」現 地 生 産 ブランド「AUPRES・ 欧 珀 莱 」の 開 発直 販 体 制 づくりとカウンセリング 対 応33


市 場 成 長 に 合 わせた 熟 成 マーケティング1%マーケティング→ 広 がる 中 流 階 層持 続 的 成 長 に 向 けての 課 題(1) 世 界 中 の 企 業 によるグローバル 大 競 争 市 場(2)リスクマネジメントの 重 要 性 (カントリーリスク)(3) 知 的 財 産 権 の 問 題(4) 人 材 ・ 人 事 労 務 問 題(5)ブランディングとコミュニケーション■ 湯 士 明 ( 僑 興 集 団 董 事 長 首 席 高 級 アシスタント)テーマ: 日 本 企 業 の 恵 州 での 成 長 、 発 展 からの 啓 示1 恵 州 日 系 企 業 の 基 本 情 況恵 州 と 日 本 両 地 の 経 済 補 完 性 は 強 く、 通 信 設 備 、 自 動 車 、 石 油 化 学 、 機 械 、IC、 電 気 回 路 などの 企 業 が 会 社 、 研究 ・ 開 発 機 関 、 仕 入 れセンターを 設 立 。ソニー: ソニー 精 密 部 品 ( 広 東 恵 州 ) 有 限 会 社 : 恵 州 IT 産 業 の 部 品 供 給 能 力 は 高 く、 必 要 部 品 は 数 十 キロメートル 以 内 で 調 達 。 投 資 の 最 も 重 要 な 動 機 。ソニー 恵 州 への 供 給 企 業 は 40 数 社 。松 下 電 器 産 業 : 家 電 メーカーTCL グループと 投 資 交 渉 。 将 来 株 式 持 ちあいも 視 野 に。 今 年 4 月 、 家 電 領 域 で 全面 的 協 力 展 開 で 一 致 。三 洋 電 機 : 2000 万 ドルを 投 資 、 同 社 が 大 亜 湾 で 投 資 する 3 社 目 の 企 業 。 更 に 5000 万 ドルの 三 洋 光 部 品 ( 恵 州 )有 限 公 司 も 加 速 。恵 州 政 府 によると、 大 亜 湾 区 の 日 本 企 業 は 7 社 、 総 投 資 約 2.15 億 ドル。 三 洋 電 機 ( 光 ヘッド、レーザー 関 係 製 品 )、三 洋 三 維 光 電 部 品 ( 恵 州 ) 有 限 公 司 ( 光 学 レンズ)、 住 友 金 属 ・ 住 友 商 事 ( 恵 州 住 金 鍛 造 有 限 会 社 )、 東 風 本 田 自動 車 部 品 ( 自 動 車 エンジン 部 品 ) 等 。広 東 恵 州 南 シナ 海 石 油 基 地 : 日 揮 、 千 代 田 化 工 、 横 河 電 機 が 参 画 。広 州 鋼 鉄 グループと JFE スチール:ブリキ 板惠 州 惠 菱 化 学 工 業 有 限 会 社恵 州 の 日 系 企 業 の 経 営 は 順 調 。 反 日 情 緒 ・ 行 動 も、 日 本 製 品 排 斥 もみられず、また 電 力 供 給 がよく 保 証 され、 停電 なし。2 恵 州 日 系 企 業 の 成 功 経 験 と 分 析1 核 心 技 術 、 独 自 の 知 的 財 産 権 の 強 み。医 薬 ・バイオ 領 域 、 半 導 体 技 術 、DVD、PDP、LCD など 独 自 の 知 財 技 術 を 保 有 。2 新 技 術 開 発 力 の 強 み。3 両 国 間 の 貿 易 ・ 経 済 協 力 は 歴 史 上 に 最 も 緊 密 。 中 国 は 遠 からず 日 本 の 最 大 輸 出 相 手 国 に。 大 部 分 の 中 国 の 都市 家 庭 中 に 必 ずある 日 本 製 品 の 現 実 。4 日 本 経 済 界 は 政 治 問 題 を 回 避 する 傾 向 。5 日 本 では 中 国 の 高 質 安 価 な 商 品 の 競 争 圧 力 に 直 面 、 保 護 主 義 台 頭 のおそれ。 一 方 、 対 中 投 資 と 中 国 製 品 輸入 意 欲 は 減 退 せず。34


3 日 中 協 力 発 展 の 思 考中 国 は 平 和 的 な 発 展 の 道 を 歩 み、 国 際 化 に 積 極 的 に 取 り 組 み、 国 際 競 争 に 平 等 に 参 加 し、 対 外 開 放 の 水 準 、 総合 的 国 力 、 競 争 力 を 向 上 しつつ、 責 任 ある 大 国 を 指 向 。世 界 の 文 明 が 互 いに 認 め 合 い、 共 通 点 を 見 つけ 出 し、 相 違 点 を 残 しながらも 共 に 発 展 するよう 呼 びかけ。 日 中 の 幅広 い 分 野 での 交 流 と 協 力 を 強 化 し、 民 間 の 友 好 往 来 を 強 化 し、 相 互 理 解 を 促 進 し、 共 通 の 利 益 を 拡 大 し、 両 国 関 係を 健 全 かつ 安 定 的 に、 前 向 きに 発 展 させたい。両 国 経 済 関 係 の 強 化 は、グローバル 化 と 地 域 的 経 済 協 力 の 流 れに 合 致 。21 世 紀 のアジア 太 平 洋 地 域 は 世 界 で最 も 活 力 ある 地 域 であり、アジア 太 平 洋 諸 國 の 経 済 の 急 速 発 展 に 伴 い、 早 期 に 経 済 共 同 体 構 築 実 現 の 声 。客 観 的 な 態 度 で、 歴 史 問 題 に 正 しく 対 処 し、 有 言 実 行 あれば、 両 国 経 済 関 係 には 幅 広 い 発 展 の 可 能 性 。 対 外 開放 の 基 本 的 国 策 は 人 民 に 実 益 をもたらし、 全 国 人 民 の 支 持 を 受 け、 世 界 の 経 済 史 における 奇 跡 も 生 み 出 した。 鄧 小平 はかつて、「 中 国 の 対 外 開 放 は 100 年 にわたり 揺 らぐことはない」と 明 言 。 中 国 は 対 外 開 放 の 良 好 な 局 面 を 大 切 に、開 放 の 中 で 世 界 各 国 との 共 同 発 展 を 模 索 。 対 話 と 対 等 な 交 渉 を 通 じ、 対 立 点 を 適 切 に 処 理 し、 解 決 方 法 を 積 極 的に 模 索 し、 両 国 関 係 の 大 局 にマイナスの 障 害 が 起 きないようしなければならない。 双 方 の 対 話 が 問 題 の 踏 み 込 んだ 検討 と、 今 後 の 両 国 関 係 の 健 全 かつスムーズな 発 展 に 役 立 つことを 期 待 。■ 桑 原 哲 ( 経 済 産 業 研 究 所 上 席 研 究 員 ( 前 経 済 産 業 省 大 臣 官 房 審 議 官 ))総 括中 国 市 場 と 中 国 企 業 のグローバル 経 済 へのインパクトについては 常 に 評 価 が 分 かれる。 興 味 深 いのは 中 国 国 内 の有 識 者 の 評 価 の 方 が、 国 外 の 有 識 者 の 評 価 より 控 えめなことが 多 いことである。 本 日 もそうした 傾 向 が 会 ったのではないか。こうしたパーセプションの 違 いは、 中 国 の 経 済 状 況 の 多 面 性 、すなわち 非 常 に 先 進 的 な 側 面 と 著 しく 後 進 的 な側 面 をあわせもった 状 況 を 反 映 したものであり、「 今 中 国 がどこにいるのかを 端 的 に 認 識 することを 難 しくしている。」こうしたなかで 従 来 の 座 標 軸 とは 異 なる 座 標 軸 による 評 価 といった 試 みも 含 めて、 中 国 経 済 のもたらすインパクトの 評 価 について 様 々なアプローチから 冷 静 な 評 価 を 行 うことが、 両 国 のビジネス 関 係 にとっても、 政 治 関 係 にとっても 有 意 義 ではないか。35


第 2 分 科 会 >日 時 : 2005 年 10 月 25 日 ( 火 ) 15:30~17:15テーマ: 「 中 堅 ・ 中 小 企 業 のビジネス 交 流 」講 演 者 : 村 尾 龍 雄 ( 弁 護 士 法 人 キャスト 代 表 弁 護 士 )生 田 泰 宏 ( 生 田 産 機 工 業 株 式 会 社 代 表 取 締 役 )鄭 剣 豪 ( 剣 豪 集 団 株 式 会 社 代 表 取 締 役 )モデレータ: 西 田 健 一 ( 丸 紅 株 式 会 社 理 事 )1. 講 演 内 容 のポイント( 村 尾 ) 日 本 の 中 小 企 業 の 中 国 進 出 には2パターンあり。1 受 け 身 での 進 出 。 大 企 業 の 中 国 進 出 に 伴 い、 取 引 維 持 のために 一 緒 に 進 出 せざるを 得 ない 部 品 メーカー。 現 地 での 競 争 の 中 で 取 引 を 停 止 されて 撤 退 するケースもある。2能 動 的 な 進 出 。 中 国 で 製 造 し 世 界 へ 輸 出 、 或 いは 中 国 市 場 を 狙 って 進 出 するパターン。 中 国 での2001 年 12 月 以 降の 製 造 業 以 外 のプロジェクトの 規 制 緩 和 により、この 種 の 中 小 企 業 進 出 が 増 加 。中 国 で 成 功 している 中 小 企 業 の 要 素 は3 点 に 集 約 できる。1 経 営 者 の 必 ず 成 功 させるという 明 確 な 意 思 。2 中 国企 業 や 中 国 人 で 信 頼 できるパートナーがいる。3 誰 もまねできないスキームがある。( 鄭 ) 日 中 ビジネスの 橋 渡 し 役 として、 日 本 の 中 小 製 造 業 の 中 国 からの 部 品 材 料 仕 入 れのサポートを 行 っている。 部 品でみると 日 本 企 業 と 中 国 企 業 で 相 互 補 完 の 余 地 あり。 中 国 は 経 済 発 展 が 早 く 世 界 から 注 目 されているが、 製 造 技 術はまだ 日 本 より 遅 れている。 中 国 企 業 が 日 本 から 技 術 を 買 う 際 のサポートも 手 がけたい。( 生 田 ) 京 都 で 創 業 53 年 目 になる 産 業 設 備 機 械 メーカー。 中 国 ・ 蘇 州 へ100% 独 資 で 自 主 的 に 進 出 し、 今 年 で4 年 目になるが 初 年 度 から 黒 字 決 算 。 中 国 進 出 が 本 社 業 績 にも 好 影 響 。自 身 が 米 国 に 留 学 した 経 験 もあり、 京 都 の 留 学 生 との 交 流 を 望 んでいた。10 年 前 からの 中 国 人 留 学 生 との 家 族 ぐるみの 付 き 合 いを 発 端 に、8 年 前 工 学 博 士 を 取 得 した 中 国 人 留 学 生 を 採 用 。 中 小 企 業 に 工 学 博 士 が 来 てくれることはめったにない。 今 までに 留 学 生 を5 名 採 用 し、この 内 のやる 気 のある1 名 と 共 に 中 国 企 業 訪 問 を 行 うと、 以 前 商 社 を通 してでは 得 られなかったチャンスを 得 、 優 秀 な 中 国 人 を 通 じて、 人 ・もの・ 金 がない 中 小 企 業 でも 中 国 でやれることがわかり 進 出 することができた。中 国 では、その 留 学 生 と 勤 続 45 年 のベテラン 技 術 者 の 製 造 部 長 の2 名 で、 工 場 地 選 択 から、 従 業 員 集 め、 教 育 ・訓 練 等 を 苦 労 してやってくれた。 売 上 は 中 国 ローカル 企 業 と 日 系 中 国 進 出 企 業 との 半 々。2.ディスカッションのポイント○ 日 本 から 中 国 へ 進 出 した 中 小 企 業 での 失 敗 ケースの 紹 介 と 問 題 点( 村 尾 ) 日 本 人 の 総 経 理 と 中 国 人 労 働 者 とのコミュニケーションギャップが 原 因 の 労 働 争 議 が 起 こったことがあった。 普段 から 従 業 員 とのコミュニケーションをとれているところなら、 生 産 拠 点 変 更 で 従 業 員 を8 割 減 らすことになっても 労 働争 議 は 起 こらなかった。( 鄭 氏 ) 中 国 で 失 敗 する 日 本 企 業 は、 日 本 でも 失 敗 する 場 合 が 多 いと 思 われる。 技 術 がありまじめな 気 持 ちで 中 国 に投 資 しようとする 人 はうまくいっている。 日 本 の 小 さな 企 業 が 中 国 で 上 場 している 例 があるのでこれをよく 研 究 する 必 要がある。○ 現 地 の 雇 用 関 係( 生 田 ) ものづくりは 先 輩 の 職 人 が 若 手 にきっちりと 伝 承 しないと 成 り 立 たない。 蘇 州 では 叩 き 上 げの 製 造 部 長 が、 早 朝36


から 夜 遅 くまで 若 い 中 国 人 従 業 員 と 同 じ 目 線 で 教 えたので、 日 本 語 がわからなくても、 従 業 員 にもものづくりの 何 たるかがわかってきた。 大 手 企 業 では 構 築 できないような 信 頼 関 係 でものづくりの 伝 承 を 行 っている。○ 知 的 所 有 権 侵 害( 村 尾 ) 90 年 代 半 ばは 単 純 な 商 標 の 侵 害 であったが、 最 近 は 高 度 化 されている。 中 国 当 局 も 現 在 では 偽 物 の 製 造 業者 が 特 定 できれば 早 いスピードで 対 応 している。 他 方 、 中 国 における 特 許 権 の 申 請 が 急 増 しており、 日 本 企 業 が 中 国へ 進 出 した 際 に 特 許 権 、 商 標 権 が 未 登 録 であったため、 模 倣 品 を 登 録 した 中 国 企 業 から 反 対 に 特 許 権 侵 害 で 訴 えられるケースが 急 増 している。 模 倣 品 の 被 害 をいう 前 に 日 本 企 業 の 中 国 における 権 利 の 管 理 が 不 可 欠 。( 鄭 ) 日 本 企 業 は 自 分 たちの 技 術 が 商 売 になると 考 えていない。POSシステムのような 技 術 は 需 要 が 多 く 中 国 企 業 は技 術 を 買 いたいが、 日 本 企 業 が 技 術 を 渡 そうとしないので 模 倣 することになる。 日 本 企 業 には 技 術 という 知 的 財 産 権を 有 償 の 商 品 として 市 場 で 取 引 していただきたい。 中 国 企 業 同 士 の 模 倣 も 多 く、 政 府 は 知 財 の 侵 害 に 厳 重 に 対 処 しているので、 当 面 は 混 乱 が 続 くも 改 善 していくと 思 う。( 生 田 ) 中 小 企 業 にとって 知 財 は 最 も 放 置 しがちな 分 野 。 以 前 、 中 国 企 業 のHPで 当 社 の 機 械 の100%コピー 製 品 を製 造 可 能 と 明 記 しているものがあり、 世 界 ブランドになったことを 喜 んだものだ。 当 社 の 機 械 は 心 臓 部 を 日 本 で 生 産 して 中 国 へ 輸 出 しているので 簡 単 には 模 倣 できないと 自 負 はあるが、 悠 長 にはしていられないと 反 省 。○ 中 国 での 代 金 決 済( 生 田 氏 ) 特 殊 な 機 械 なので 取 引 先 が 規 模 の 大 きい 国 際 商 慣 習 を 採 用 した 企 業 に 特 定 されており、 検 収 までの5~10% 保 証 金 制 度 以 外 では、 代 金 回 収 自 体 には 不 安 はない。3.モデレータ 総 括(1) 日 本 の 中 小 企 業 の 中 国 ビジネスの 成 功 要 因 は 以 下 の3つ。1 経 営 者 の 明 確 な 意 思 。2 優 秀 な 中 国 の 人 材 との 信 頼 関 係 構 築 。3 中 国 語 の 能 力 にかかわらず、 日 頃 の 従 業 員との 意 思 の 疎 通 。(2) 日 中 の 工 業 製 品 は 補 完 関 係 にある。( 部 品 など)(3) 知 的 財 産 権 問 題 は、 中 国 当 局 も 厳 しく 対 応 し 改 善 しつつあるが 完 全 解 消 は 難 しい。 日 本 企 業 の 中 国 での 知 財 登 録もきちんとする 必 要 がある。最 後 に 中 堅 ・ 中 小 企 業 の 交 流 で 一 番 大 事 なことは 人 の 交 流 、 相 互 理 解 である。テーマ: 「 中 国 ビジネスにおける 危 機 管 理 」講 演 者 : 野 中 利 明 ( 野 村 総 合 研 究 所 ( 上 海 ) 諮 詢 有 限 公 司 副 総 経 理 )潘 建 新 ( 藍 色 光 標 公 共 関 係 機 構 副 総 裁 )モデレータ: 陶 景 洲 (DLA PIPER RUDNICK GRAY CARY,SHANGHAI パートナー)1. 講 演 内 容 のポイント( 潘 ) ビジネスリスクを 避 けることはできないが、コントロールすることはできる。 実 際 に、トラブルが 発 生 した 際 PR 会 社 を使 っていなかった 日 系 企 業 の 関 連 報 道 が 2 週 間 で 2 万 7,000 件 に 上 ったのに 対 し、 藍 色 光 標 公 共 関 係 機 構 が 対 処 したケースでは、 同 程 度 の 時 間 で 関 連 報 道 を 5,900 件 に 抑 えることができた。メディアが 関 連 するトラブルが 発 生 したときに、a. 紙 面 を 買 って 謝 罪 広 告 を 出 す、b. 金 銭 で 解 決 を 図 ろうとする、c. 政 府に 訴 える、d.メディアを 締 め 出 す、などの 対 処 法 がよくみられる。37


しかし、これらはすべて 逆 効 果 である。 消 費 者 の 広 告 に 対 する 信 用 度 は 非 常 に 低 いため、トラブル 発 生 時 の 対 処 法 としては 適 切 ではない。それよりもむしろ、 日 常 的 にメディアとコミュニケーションを 取 り 合 うべきである。PR 会 社 は、 広 告 のようにクライアントの 自 社 製 品 をほめるのではなく、マスコミという 第 三 者 を 通 じて 自 社 のイメージ 形 成 に 有 効 な 情 報 を 発信 してもらう、という 点 が 最 大 の 強 みであり、 中 国 ビジネスではよりメディア 対 応 に 力 を 入 れる 必 要 がある。( 野 中 ) 増 大 する 対 中 投 資 とは 裏 腹 に、 日 本 企 業 のコーポレートブランドは 一 向 に 根 付 いていない。 日 本 企 業 は 製 品 のPRには 力 をいれるが、コーポレートブランド 作 りは 出 遅 れている 感 がある。リスク 管 理 のために 社 内 広 報 は 非 常 に 重 要 である。 社 内 広 報 を 単 なる 社 内 情 報 の 発 行 ととらえている 日 系 企 業 も 少なくない。 社 員 への 企 業 ビジョンの 伝 達 、 社 員 のメディア 化 、ロイヤルティー 向 上 など、 戦 略 的 に 社 内 広 報 に 取 り 組 むことで、リスク 管 理 を 強 化 することができる。 企 業 ビジョンを 分 かりやすく 伝 え、 経 営 理 念 に 共 鳴 する 人 材 を 多 く 育 てることで、社 員 のロイヤルティー 向 上 が 期 待 できる。そのために、 現 地 の 社 員 にトップの 顔 が 見 えるような 経 営 をすることが 大 切 だ。 社 員 のメディア 化 とは、 人 材 のある 程 度の 流 出 を 前 提 に、 辞 めた 後 、 外 部 で 自 社 についていいイメージを 発 信 してもらえるようにすることだ。こうしたことができているハイアールなどは、 就 職 の 人 気 ランキングで 上 位 である。 就 職 ランキング 上 位 の 韓 国 サムスンは、a. 社 名 を「 三 星 中 国 」ではなく「 中 国 三 星 」として 中 国 へ 根 付 く 意 思 を 表 明 、b.「 中 国 人 に 敬 愛 される 企 業 、 中 国 社会 に 貢 献 する 企 業 」を 前 面 に 押 し 出 し、 外 資 が 中 国 における 現 地 化 を 試 みるなか、 中 国 企 業 になると 宣 言 している。リスク 管 理 については、 企 業 トップによる 訪 中 や、 日 本 人 駐 在 員 への 歴 史 教 育 といった 対 応 が 増 えている。その 際 、 中 国人 も 取 り 込 んでリスク 管 理 体 制 を 構 築 することが 大 切 だ。( 陶 ) 中 国 でビジネスを 展 開 する 際 に 注 意 すべき 点 は、 法 制 度 がまだ 未 整 備 だということである。 例 えばニュースの 乱 用 、無 断 転 載 を 禁 止 する「 新 聞 法 」がまだない。 また、 中 央 と 地 方 で 法 律 の 運 用 が 異 なる、 管 轄 官 庁 がまたがる 行 政 における 多 重 管 理 などの 問 題 がある。 中 国 の 関 連 法 律 を 熟 知 することでこれらの 法 的 リスクを 回 避 することができる。また、 弁護 士 などの 専 門 家 と 協 力 しながら 法 的 手 段 を 活 用 して 積 極 的 な 利 益 保 護 、 権 利 の 主 張 をしていくことが 大 切 である。2.ディスカッションのポイント( 潘 ) ・ 危 機 が 発 生 してメディアを 締 め 出 すのではなく、 日 常 的 にメディアとコミュニケーションを 取 り 合 うべきである。・ 中 国 ビジネスではよりメディア 対 応 に 力 を 入 れる 必 要 がある( 野 村 ) ・ 現 地 で「 企 業 市 民 」として 認 識 されるには、 社 内 広 報 のより 積 極 的 な 活 用 が 求 められる。・ 日 系 企 業 はコーポレートブランド 作 りにもっと 力 を 注 ぐ 必 要 がある。( 陶 ) ・ 法 制 度 が 未 整 備 だが、 関 連 法 律 の 熟 知 、 情 報 収 集 は 重 要 。38


テーマ: 「 日 本 の 金 融 危 機 の 分 析 と 中 国 にとっての 含 意 」講 演 者 : 小 林 慶 一 郎 ( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 研 究 員 )王 京 濱 ( 東 京 大 学 社 会 科 学 研 究 所 客 員 研 究 員 )モデレータ: 植 村 修 一 ( 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 上 席 研 究 員 )( 植 村 ) ドル 高 是 正 行 った 1985 年 9 月 のプラザ 合 意 、2 年 後 のドル 相 場 安 定 を 目 的 としたルーブル 合 意 を 経 て、80 年 代の 日 本 経 済 は 資 産 価 格 が 上 昇 するバブル 経 済 に 突 入 した。90 年 代 に 入 ると、 状 況 が 一 転 して、バブルが 崩 壊 し、その後 日 本 経 済 は 長 い 停 滞 期 に 入 った。 景 気 が 低 迷 、 物 価 が 下 落 するといういわゆるデフレ 経 済 に 突 入 し、 不 良 債 権 問 題を 抱 えた 日 本 の 金 融 システムは 大 きく 動 揺 した。 一 方 海 外 に 目 を 向 けると、90 年 代 後 半 に 入 り、2つの 大 きな 国 が 高 い成 長 を 遂 げた。1つがIT 革 命 をきっかけとして、 持 続 的 な 高 成 長 を 遂 げたアメリカでありもう 一 方 が 改 革 開 放 政 策 路 線 の恩 恵 をこうむった 中 国 である。このような 世 界 の 情 勢 と 日 本 の 歩 みを 踏 まえて、 中 国 の 経 済 政 策 運 営 にとっての 示 唆 を 得るのが 本 セッションの 趣 旨 である。( 王 ) バブルの 発 生 とその 特 徴 として、 地 価 の 上 昇 については 過 去 (60 年 代 、70 年 代 )の 事 例 との 比 較 を 通 してその 特徴 が1 商 業 地 価 格 の 上 昇 、2 地 価 の 暴 沸 の 地 域 格 差 、3 地 価 の 上 昇 が 東 京 、 大 阪 、 名 古 屋 と 推 移 して 行 ったことが挙 げられた。 株 価 の 上 昇 の 特 徴 については、185 年 から 89 年 という 短 期 間 で 日 経 平 均 株 価 指 数 は 3 倍 、TOPIXは 2-3 倍 に 上 昇 するなど、 短 期 間 に 上 昇 したこと、2 競 争 力 の 高 い 製 造 業 における 株 価 はサービス 業 に 比 べて 早 い 時 期 に上 昇 し、 上 昇 幅 は 小 さく、 下 落 の 時 期 が 遅 く、 下 落 幅 が 小 さいことが 紹 介 された。バブルが 発 生 した 原 因 としては、1 円 高 に 対 応 するための 低 金 利 政 策 、 金 融 自 由 化 、 企 業 の 財 テクから 来 る 資 金 循環 、 金 融 構 造 の 変 化 、2 日 本 経 済 の 成 長 期 待 の 強 化 、3 土 地 評 価 価 格 の 不 明 確 さ、 低 い 実 質 土 地 税 率 、 土 地 資 産の 税 テク 化 、 土 地 の 短 期 保 有 に 対 する 差 別 課 税 などを 含 む 土 地 政 策 における 総 合 性 の 欠 如 から 来 る 土 地 の 供 給 の 阻害 と 超 過 需 要 の 深 刻 化 、が 列 挙 された。これら 資 産 価 格 バブルのもたらした 悪 影 響 として、1キャピタルゲインの 利 益 が 低 所 得 者 に 行 き 届 かず、2 富 める 人 がますます 富 み、3 勤 労 者 世 帯 の 住 宅 取 得 困 難 を 引 き 起 こし、4 外 資 、および 新 興 企 業 の 業 務 展 開 難 、の 4 点 が 示 された。1990 年 に 大 蔵 省 が 銀 行 に 対 して 出 した 融 資 規 模 の 規 制 指 令 に 伴 い 日 本 のバブルが 崩 壊 し、その 影 響 として1 企 業の 過 剰 設 備 と 過 剰 雇 用 ( 現 在 の 中 国 の 現 在 と 同 じような 状 況 )、2 不 良 債 権 の 大 量 発 生 (GDP の 10 から 17%)3 金 融 システムの 長 期 不 安 定 化 、4「 失 われた 10 年 」と 呼 ばれることになる 長 期 にわたる 経 済 低 迷 、が 明 示 された。最 後 にこの 一 連 の 歩 みから 得 られる 教 訓 として、1バブルを 発 生 させない、2 一 旦 バブルが 発 生 したら、 秩 序 あるソフトランディングの 実 現 、3 政 府 がバブルの 悪 影 響 を 認 識 し、 早 急 に 措 置 をとる、4 金 融 政 策 上 、 物 価 だけではなく 資 産価 格 の 変 化 の 変 動 にも 注 目 、5 銀 行 融 資 の 部 門 別 配 分 に 注 意 、の 5 つの 点 が 挙 げられた。( 小 林 ) 景 気 循 環 会 計 1 という 手 法 を 使 った 分 析 では、1 財 政 支 出 の 変 化 の 効 果 、2 生 産 性 の 変 化 の 効 果 、3 設 備 投資 のゆがみの 効 果 、4 労 働 投 入 のゆがみの 効 果 についてそれぞれ、それ 以 外 のゆがみが 無 かった 場 合 、 経 済 はどのようになっていたかについてシミュレーションを 行 った。その 結 果 、1 財 政 支 出 については、 景 気 を 拡 大 させる 効 果 があった、2 生 産 性 の 変 化 は 98 年 以 前 は 経 済 を 上 に 持 ち 上 げるような 効 果 があった、3 設 備 投 資 の 効 果 は 景 気 を 押 し 下 げる 効1景 気 循 環 会 計 とは 経 済 のゆがみを、 労 働 や 投 資 などに 対 する 仮 想 的 な「 税 」と 仮 定 して、その 税 の 大 きさをデータから 推 計 し、その「 税 」があった 場 合 と 無 かった 場 合 で 経 済 パフォーマンスがどのように 違 うかをシミュレートする 手 法 。39


果 はなかった、4 労 働 投 入 のゆがみが、90 年 代 以 降 深 く 景 気 を 下 に 押 していることが 挙 げられた。以 上 の 結 果 から、1 労 働 投 入 のゆがみ、2 生 産 性 の 低 下 が 不 況 の 大 きな 原 因 であり、3 設 備 投 資 のゆがみは 見 られなく、4 財 政 政 策 の 失 敗 が 必 ずしも 不 況 を 悪 化 させた 訳 ではないことが 確 認 された。次 いで、 労 働 投 入 のゆがみがなぜ 拡 大 したかについて、180 年 代 以 降 の 長 期 的 な 傾 向 である 可 能 性 、290 年 代 初頭 の 土 地 融 資 に 対 する 引 き 締 め、 金 融 引 き 締 めなどのデフレショックが 実 質 賃 金 を 上 昇 させた、3 不 良 債 権 の 重 圧 と 資産 価 格 の 下 落 による 担 保 制 約 の 強 まりからくる 運 転 資 金 の 調 達 難 が 雇 用 を 圧 縮 させた 点 が 挙 げられた。以 上 の 分 析 を 基 に、 日 本 の 経 験 からの 教 訓 として、1 迅 速 な 不 良 債 権 処 理 ( 先 送 りは 経 済 停 滞 を 起 こす 可 能 性 )、2担 保 制 約 に 対 しては 財 政 金 融 政 策 の 果 たせる 役 割 が 少 ない、3 適 切 な 銀 行 規 制 による 経 済 全 体 の 信 用 秩 序 の 保 持 、の 3 点 が 提 示 された。テーマ: 日 中 企 業 の 国 際 化 -M&Aモデレータ: 布 井 千 博 ( 一 橋 大 学 大 学 院 国 際 企 業 戦 略 研 究 科 教 授 )◆ 中 国 企 業 の M&A 環 境 と 資 産 市 場胡 舒 立 (『 財 経 』 雑 誌 主 編 )中 国 海 洋 石 油 によるユノカル 買 収 事 件 から 見 た 海 外 M&A の 得 失楊 淦 ( 北 京 産 権 交 易 所 常 務 副 総 裁 )M&A リストラクチャリングと 中 国 の 資 産 市 場須 田 成 人 ( 野 村 證 券 株 式 会 社 企 業 情 報 部 上 級 専 任 職 )コメント◆ 中 国 での M&A の 資 産 評 価 ・デューディリジェンス劉 登 清 ( 北 京 中 企 華 資 産 評 価 有 限 公 司 副 総 裁 )企 業 の M&A における 資 産 評 価射 手 矢 好 雄 ( 弁 護 士 森 ・ 濱 田 松 本 法 律 事 務 所 パートナー( 上 海 事 務 所 長 ))コメント◆ 中 国 企 業 の「 走 出 去 」と 日 本 進 出 - 商 法 改 正 後 の 展 望岩 永 守 幸 ( 東 京 證 券 取 引 所 資 本 市 場 プロモーション 部 門 新 規 上 場 サポート 部 海 外 統 括 役 )中 国 企 業 の 東 証 上 場■ 布 井 : 本 セッションの 狙 い中 国 国 内 における 外 国 企 業 によるM&Aがこれまでと 同 様 に 活 況 を 示 すと 同 時 に、レノボ( 聯 想 )の IBM パソコン 部 門買 収 、 中 国 海 洋 石 油 によるユノカル 買 収 の 試 みなど、 中 国 企 業 による 海 外 M&A も 活 発 化 しつつある。本 セッションでは、 中 国 側 からみた OUT-IN 型 の M&A と IN-OUT 型 の M&A の 双 方 について、 近 時 の 動 向 を 探 ることを 目 的 とする。40


◆ 中 国 企 業 の M&A 環 境 と 資 産 市 場■ 胡 舒 立 (『 財 経 』 雑 誌 主 編 )中 国 海 洋 石 油 ユノカル 買 収 事 件 から 見 た 海 外 M&A の 得 失中 国 海 洋 石 油 (CNOOC)のユノカル 買 収 は 内 外 で 注 目 され、 政 治 、 経 済 的 に 大 きな 影 響 。1. 中 国 の M&A の 新 段 階 :2004 年 から 活 発 化中 国 海 外 M&A の 特 徴 的 変 化 :1 取 引 規 模 の 大 型 化 、2 対 象 業 種 、 範 囲 の 拡 大 、3 総 合 型 M&A への 目 標 転 換 、4 取 引 構 造 の 複 雑 化 。中 国 企 業 の 海 外 M&A 2003~2005年 月 買 収 側 被 買 収 側 買 収 金 額 情 況 備 考03/11 TCLトムソン( 仏 )カラーテレビ04/04 TCLアルカテル( 仏 )携 帯 電 話04/09 五 鉱 集 団カナダ、ノランダ 鉱 業04/10 上 汽 集 団韓 国 双 龍 自 動車資 産 5.22 億 ドル。TCL 国 際 ホー2004 年 7 月 、 合 弁 会 社 TTEルディングスが 合 弁 会 社 の 成 功設 立67%、トムソンが 33%を 保 有TCL 通 信 が 合 弁 会 社 に 5500 2005 年 5 月 、TCL はアルカテ万 ユーロを 出 資 し 55%の 株 式 ルから T&A 社 45%の 株 式 買成 功を 保 有 。アルカテルは 4500 万 い 戻 し 同 社 を 全 額 出 資 子 会ユーロ、45%を 保 有 。社 に五 鉱 側 40 億 ~50 億 ドルの 出 資撤 退を 持 ちかけ藍 星 集 団 、03 年 12 月 に 優 先5.52 億 ドル、48.92%の 株 式 を 取成 功 交 渉 権 獲 得 、 発 改 委 不 認 可得で 撤 退04/12 聯 想 IBM PC 事 業 12.5 億 ドル( 現 金 ・ 株 式 ) 成 功05/01 中 国 網 通電 訊 盈 科 ( 香港 )10.16 億 ドル( 現 金 )、20% 株 式 成 功中 海 油 カナダ MEG エ05/04CNOOC ネルギー中 海 油 ユノカル( 米 国 905/06CNOOC 大 石 油 会 社 )ハイアー 米 、 家 電 大 手05/06ル Maytag( 美 泰 )中 国 移 動05/06 ChinaMo パキスタン 通 信bile南 京 汽 車05/07ローバー( 英 )集 団CNPC 全カザフスタン 石05/08 額 子 会 社油 会 社中 油 国 際このほか、 表 にはまだ 入 っていないが 中 国 通 信 の 華 潤 買 収 も。1.23 億 ドル( 現 金 、 株 式 )、16.69% 権 益成 功提 示 額 185 億 ドル( 全 額 現 金 )撤 退提 示 額 12.8 億 ドル( 現 金 ) 撤 退05 年 8 月 、HP が 27 億 ドルで買 収14.09 億 ドル、26% 株 式 取 得 を UAE 電 信 、 最 終 提 示 額 25.5撤 退提 示億 ドルで 資 本 参 加ライバル 上 海 汽 車 は 以 前 取約 5078 万 ポンド(8700 万 米 ド 得 したローバー25、75 シリー成 功ル)ズ 乗 用 車 と 全 エンジンの 知的 財 産 権 をなお 保 有達 成41.8 億 ドル間 近41


2. 中 国 海 洋 石 油 の 進 退特 に 資 源 産 業 など 重 要 部 門 が 対 象 になったり、 当 事 者 が 国 有 企 業 であったりする 場 合 、 外 国 側 からは 中 国 政 府 の意 図 が 背 景 にあるととられる 傾 向 が 強 い。中 国 海 洋 石 油 M&A の 歩 み(2005 年 )1 月 7 日 フィナンシャルタイムズ、 中 海 油 のユノカル 買 収 意 向 をスクープ。3 月 7 日 中 海 油 、ユノカルに 買 収 条 件 提 示4 月 4 日 シェブロン、ユノカル 買 収 意 向 を 正 式 表 明6 月 22 日 185 億 ドルを 提 示 、 以 後 米 国 議 会 などの 強 烈 な 反 対 に 遭 遇 。買 収 失 敗 の 原 因 分 析技 術 面タイミング: 中 国 海 洋 石 油 がもし 4 月 4 日 以 前 の 初 回 入 札 に 直 接 参 加 できていれば、 圧 力 を 軽 減 できた 可 能 性 。戦 術 : 仮 に 米 国 の 会 社 に 共 同 行 動 を 依 頼 し(ホワイトナイト)、 米 国 資 産 を 消 化 していればどうだったか。選 択 : 買 収 前 に 外 国 の 戦 略 投 資 家 の 投 資 を 受 け 入 れ、 中 国 国 有 持 ち 株 比 率 を 低 めていればどうだったか。基 本 面米 国 人 の 中 国 企 業 (CHINA INC.)、 石 油 リスク、 中 国 経 済 の 急 速 な 台 頭 などに 対 する 警 戒 感 が 集 中 的 に 発 現 した結 果 。 政 治 的 な 理 由 により 撤 退 に 追 い 込 まれた 結 末 は 不 合 理 であり、 米 国 は 過 ちを 犯 した。3. 買 収 は 政 治 ではない買 収 は 政 府 行 為 でなく 企 業 行 為 。“ 我 々がこうする(IBM の PC 部 門 買 収 )のは 世 界 中 を 驚 かすためでは 絶 対 にない。この 企 業 は 我 々の 命 であり、これで 生 きていくのだからこそ、 多 くの 問 題 について 徹 底 的 に 検 討 したのだ。” - 柳伝 志 ( 聯 想 )4.“ 走 出 去 ” 政 策 の 2 面 性正 しい 政 策 方 向 は 規 制 緩 和 。 国 有 商 業 銀 行 による 融 資 優 遇 政 策 については 議 論 あり。優 遇 政 策 は 海 外 からの 敵 意 を 呼 ぶ 要 素 。■ 楊 淦 ( 北 京 産 権 交 易 所 常 務 副 総 裁 )M&A リストラクチャリングと 中 国 の 資 産 市 場1. 中 国 の 財 産 権 市 場 と 海 外 M&A財 産 権 市 場 の 生 起 :グローバル 化 、 市 場 化 、 国 有 企 業 改 革 、 現 代 企 業 制 度 の 流 れ80 年 代 後 期 ~90 年 代 初 期 に 誕 生 、92~99 年 の 模 索 ・ 調 整 を 経 て 2000 年 より 本 格 発 展現 在 全 国 で 200 余 の 財 産 権 取 引 所 あり。法 的 根 拠 :「 国 有 企 業 制 度 改 革 工 作 についての 意 見 」( 国 務 院 辧 公 室 2003 年 96 号 )、「 企 業 国 有 財 産 権 譲 渡 管理 暫 定 辧 法 」( 国 有 資 産 監 督 管 理 委 員 会 、 財 政 部 令 第 3 号 )。基 本 : 公 開 と 競 争 により 国 有 資 産 の 流 失 を 防 ぎ、 国 有 資 産 移 転 の 中 で 価 値 保 持 ・ 増 加 確 保国 有 企 業 と 外 資 、 民 営 企 業 とのマッチングのプラットフォーム2. 国 有 企 業 の M&A、リストラクチャリングのニーズ国 有 企 業 改 革 の 核 心 は 財 産 権 制 度 改 革 :「 株 式 制 を 我 が 国 公 有 制 の 主 要 な 実 現 形 式 に」( 第 16 期 3 中 全 会 )42


3. 北 京 財 産 権 取 引 所 は 海 外 投 資 者 の 中 国 市 場 進 出 の 窓 口外 資 にとって、 中 国 企 業 買 収 ・ 資 本 参 加 の 情 報 入 手 手 段 、サポートの 場 の 不 足 を 補 うもの・ 投 資 案 件 、 資 産 譲 渡 情 報 の 入 手 、M&A 全 プロセスのサービス 提 供 ( 仲 介 機 構 制 度 )7の 専 門 市 場 プラットフォーム1 金 融 資 産 マーケット、2 越 境 融 資 サービスのプラットフォーム、3 実 物 資 産 のマーケット、4 中 央 企 業 のメイン・サブ 分 離 サービスセンター、5 国 有 企 業 破 産 作 業 プラットフォーム、6 中 関 村 科 技 パーク 投 融 資 促 進 センター、7他 地 区 との 財 産 権 取 引 プラットフォーム■ 須 田 成 人 ( 野 村 證 券 株 式 会 社 企 業 情 報 部 上 級 専 任 職 )国 境 を 越 えた M&A: 基 本 は 買 収 、 資 本 参 加 ( 合 併 はない)。3 つの 類 型 。1) 会 社 、 対 象 企 業 の 買 収 を 通 じた 資 産 の 買 収 。ユノカルのように、 資 産 が 当 事 国 にとり 重 要 な 場 合 、 反 発 も。2) 対 象 会 社 のマジョリティの 買 収 を 通 じて、 生 産 販 売 の 事 業 を 買 収 。オーナーが 変 わるので、 買 う 側 にも 現 地 での 経 営 力 が 必 要 。 地 域 、 産 業 からの 反 発 可 能 性 。3)マイノリティーの 出 資 比 率 に 留 め、 対 象 会 社 とのアライアンスを 買 うもの。「 合 作 関 係 を 買 う」もの。 現 地 市 場 アクセス 志 向 。 経 営 権 は 部 分 的 。ブランドの 対 立 も 予 想 。 業 務 提 携 をしっかりやる 必 要 。日 本 の 対 米 投 資 経 験 (1と2)から 言 えば、 大 きな 反 発 に 対 し 長 い 時 間 をかけ、 現 地 雇 用 、 技 術 移 転 への 貢 献 で 今日 に。 中 国 企 業 も 参 考 にすべし。中 国 → 日 本 への 投 資日 本 の 会 社 リストラの 過 程 で、 買 い 手 がたまたま 中 国 企 業 の 事 例 。 心 理 的 反 発 ( 旧 経 営 陣 、 従 業 員 )。レノボジャパンによる IBM PC の 例 などを 通 じた 成 功 実 績 による 信 用 確 立 を。日 本 から 中 国 へのM&A は、 方 法 としては 第 3のアライアンスを 買 う 方 法 が 最 適 。 市 場 目 的 の 場 合 は 資 本 参 加 が 有効 。ブランドのコンフリクトは 想 定 内 。 初 期 は 対 象 会 社 のブランド 中 心 に、いずれ 自 社 ブランドも 投 入 。ブランドの 調 整は 後 々 必 要 。財 産 権 取 引 について国 有 企 業 の 持 分 譲 渡 。 公 開 、 競 争 入 札 は 本 来 歓 迎 。 市 場 価 格 、デュープロセス 形 成 効 果 あり。ただ 現 実 、 産 権 取引 所 には 形 式 的 側 面 あり。 取 引 所 のない 地 域 、 国 有 企 業 リストラの 場 合 、 取 引 所 に 出 さない 事 例 も。 産 権 取 引 所 での公 示 が 法 定 義 務 となると 問 題 。 本 来 、 第 三 者 による 適 切 な 企 業 評 価 をもとにした 交 渉 であれば、 合 理 的 合 意 形 成 として 認 められるべき。◆ 中 国 での M&A の 資 産 評 価 ・デューディリジェンス■ 劉 登 清 ( 北 京 中 企 華 資 産 評 価 有 限 公 司 副 総 裁 )企 業 の M&A における 資 産 評 価1. 外 国 企 業 による 中 国 国 内 での M&A の 資 産 評 価 についての 規 定43


「 外 国 投 資 者 による 中 国 国 内 企 業 買 収 についての 暫 定 規 定 」: 資 産 評 価 機 構 による 評 価 価 格 は、 取 引 の 最 終 価格 ではないが、 取 引 価 格 は 評 価 価 格 を 根 拠 にし、 当 事 者 双 方 が 交 渉 により 決 定 可 能 。ただし 政 府 には 交 渉 結 果 に 対する 審 査 権 がある。「 外 資 利 用 による 国 有 企 業 リストラクチャリング( 改 組 )の 暫 定 規 定 」「 外 国 企 業 に 上 場 会 社 の 国 有 株 と 法 人 株 を 譲 渡 することについての 通 知 」: 原 則 競 争 方 式 採 用「 国 有 資 産 の 評 価 管 理 に 関 する 若 干 の 問 題 についての 規 定 」「 金 融 類 企 業 国 有 資 産 管 理 に 関 る 事 項 を 引 き 続 き 良 く 行 なうことに 関 する 財 政 部 の 通 知 」「 企 業 国 有 資 産 評 価 管 理 暫 定 辧 法 」「 企 業 国 有 財 産 権 譲 渡 管 理 暫 定 辧 法 」2. 中 国 企 業 M&A の 資 産 評 価 の 現 状 と 問 題 点(1) 現 状 : 国 有 企 業 間 の 買 収 例 が 最 多 。 資 産 評 価 も 国 有 資 産 流 失 の 防 止 の 役 割 が 大 。 成 長 過 程 にある 市 場 と、研 究 ・ 発 展 段 階 にある 理 論 研 究 。(2) 問 題 点・ 評 価 方 法 上 の 制 約 → 科 学 的 、 合 理 性 に 影 響 。 現 状 では「コスト 法 」が 大 勢 で、「 市 場 法 」、「 収 益 法 」の 採 用 は 僅少 。・ 買 収 の 決 算 方 式 の 相 違 ( 債 務 負 担 方 式 、 現 金 買 収 方 式 、 株 式 保 有 方 式 )による 評 価 値 への 影 響 の 研 究 と 認 識の 不 足 。 今 後 の 充 実 課 題 。・ 資 産 評 価 の 方 法 選 択 についての 関 連 規 定「 資 産 評 価 準 則 ― 基 本 準 則 」: 評 価 対 象 、 価 値 類 型 、 収 集 資 料 情 況 に 基 き 適 切 な 方 法 を 選 択 し 合 理 的 な 評 価結 果 を 形 成 すべし「 企 業 価 値 評 価 指 導 意 見 ( 試 行 )」: 持 続 経 営 を 前 提 に 企 業 の 評 価 を 行 なう 場 合 、コスト 法 は 通 常 唯 一 の 評 価 方法 とすべきでない( 第 34 条 )市 場 経 済 の 発 展 で M&A は 今 後 更 に 活 発 化 、 一 般 化 の 方 向 。 一 方 、 買 収 方 式 は 更 に 複 雑 化 し、 資 産 評 価 のレベルアップニーズが 益 々 向 上 、 資 産 評 価 会 社 の 役 割 は 重 大 。■ 射 手 矢 好 雄 ( 弁 護 士 森 ・ 濱 田 松 本 法 律 事 務 所 パートナー)中 国 特 有 の 問 題 点 :1 国 の 機 関 が 資 産 を 評 価 し、かつ 取 引 価 格 は 評 価 額 の 90% 以 上 でなければならないこと2 取 引 は 産 権 交 易 所 を 通 じて 行 なわなければならないこと。資 産 評 価 : 適 切 に 行 なわれること、 誰 が、どう 評 価 するかが 重 要 。評 価 主 体 : 国 有 資 産 評 価 機 関 。 劉 氏 は 評 価 会 社 の 代 表 。 一 方 地 方 政 府 などの 介 入 は 是 非 排 除 して、 評 価 の 独立 を 確 保 いただきたい。評 価 方 法 :コスト 法 、 収 益 法 、 市 場 法 の3つ。 中 国 の 現 状 はコスト 法 中 心 で 純 資 産 額 、 又 は 再 取 得 の 原 価 を 計 算 。日 本 の 主 流 は 収 益 法 。 今 後 、 中 国 での 収 益 法 の 役 割 拡 大 に 注 目 。日 本 企 業 として 評 価 にどう 関 与 : 必 要 な 資 料 、 情 報 を 提 供 し 評 価 会 社 に 協 力 姿 勢 。また 信 頼 する 会 計 事 務 所 に 依頼 し、 協 力 して 適 切 な 評 価 をやってもらうようアプローチも。 他 社 への 再 評 価 依 頼 は 困 難 。1 回 で 適 切 な 評 価 確 保 が鍵 。中 国 での M&A はハイリスク、ハイリターン。リスク 回 避 方 法 は1デュー・ディリジェンスの 確 実 な 実 施 。2 適 切 な 方法 で、 適 切 な 評 価 機 関 による 資 産 評 価 。 今 後 中 国 市 場 への 進 出 手 段 として M&A の 重 要 性 は 拡 大 。44


■ 布 井 : 次 は 中 国 企 業 の 日 本 進 出 について。日 本 でも 商 法 改 正 で 三 角 合 併 ( 日 本 上 場 企 業 の 株 と、 外 国 企 業 の 株 式 の 交 換 による、 外 国 企 業 による 日 本 企 業の 買 収 )が 2 年 後 に 可 能 に。 中 国 企 業 が 中 国 株 を 利 用 して 日 本 企 業 を 買 収 する 可 能 性 あり。■ 岩 永 守 幸 ( 東 京 證 券 取 引 所 資 本 市 場 プロモーション 部 門 新 規 上 場 サポート 部 海 外 統 括 役 )外 国 企 業 による 東 証 上 場 と、 外 国 企 業 誘 致 の 基 本 的 スタンス1973 年 、 外 国 企 業 上 場 に 門 戸 開 放 。80 年 代 後 半 以 降 急 増 し、ピークは 91 年 の 127 社 。バブル 後 、 徐 々に 減 り、27社 に(100 社 減 )。東 証 外 国 株 式 市 場 の 再 構 築 :ここ 数 年 積 極 的 に 誘 致 に 取 り 組 み。1 株 式 会 社 東 証 の 中 期 経 営 計 画 に、アジアにおける 有 力 取 引 所 としての 地 位 の 確 立 を 志 向 。ニューヨーク、ロンドン、 香 港 、シンガポールなどとは 異 なる、 東 証 の 特色 を 志 向 。2 日 本 経 済 にも 復 調 の 兆 し。今 後 はアジアの 有 力 企 業 、 特 に 日 本 とのビジネス 往 来 ある 中 国 企 業 の 上 場 実 現 を 志 向 。中 国 での 取 り 組 み: 日 本 市 場 、 東 証 の 紹 介 に 力 。 個 別 の 企 業 訪 問 、 上 場 セミナ 展 開 など。また 日 中 両 国 政 府 と 共催 セミナも 4 回 、 当 局 にもアピール。 個 別 企 業 往 訪 、 記 事 掲 載 も。東 京 市 場 の 位 置 づけ: 現 在 2325 社 上 場 、9 月 末 で 時 価 総 額 444 兆 円 、 世 界 第 二 、アジアの 中 では 図 抜 けた 存 在 。東 証 には3つの 市 場 あり、いずれも 外 国 企 業 が 上 場 可 能 。 一 部 と 二 部 がメインボード、そしてベンチャー 企 業 対 象 のマザーズ。今 年 2 月 、 外 国 部 を 廃 止 し、3 市 場 とも、 外 国 企 業 を 日 本 国 内 企 業 と 同 様 の 市 場 カテゴリにし 上 場 可 能 に。 新 聞 の株 価 欄 でも、 外 国 企 業 と 日 本 企 業 を 分 けず 掲 載 。中 国 企 業 への 付 言1) 国 内 で 上 場 できない 代 りの 海 外 上 場 は 歓 迎 せず。 情 報 開 示 が 第 一 条 件 。2) 日 本 の 投 資 家 の 中 国 株 に 対 する 意 識 変 化 。「 孫 に 持 たせたい」と 長 期 ・ 将 来 的 期 待 傾 向 。■ 布 井本 セッションでは、 中 国 M&Aの 専 門 家 および 実 務 家 の 方 から、 実 践 的 なお 話 を 聞 くことができ、 我 々の 理 解 も 深 まった。 日 中 がそれぞれの 立 場 で、 国 内 への 外 資 誘 致 と 海 外 進 出 を 積 極 的 に 推 し 進 めており、 今 後 はその 両 者 が 交 わって、 一 つの 大 きな 流 れとなることが 期 待 される。 東 アジア 共 同 体 の 実 現 に 向 け、 投 資 や 資 本 の 相 互 交 流 がますます拡 大 することを 祈 念 して、 本 セッションを 終 えることとしたい。45


第 3 分 科 会 >日 時 : 2005 年 10 月 26 日 ( 水 ) 9:00~10:45テーマ: 「 経 営 の 現 地 化 」スピーカー: 田 中 弘 司 ( 松 下 電 工 株 式 会 社 海 外 事 業 統 括 担 当 常 務 取 締 役 )王 麗 ( 徳 恒 弁 護 士 事 務 所 弁 護 士 ・ 主 任 ・ 首 席 グローバルマネージングパートナー)畑 伴 子 ( 株 式 会 社 パソナグローバル 代 表 取 締 役 社 長 )モデレータ: 杉 田 俊 明 ( 甲 南 大 学 経 営 学 部 教 授 )講 演 内 容 のポイント( 田 中 ) 松 下 電 工 では、1997 年 に 統 括 会 社 、 傘 型 企 業 である 松 下 電 工 中 国 有 限 公 司 を 設 立 。2001 年 にEPRシステムを 稼 動 し、02 年 にはものの 現 地 化 として 統 括 会 社 の 中 に 商 品 開 発 センターを 設 置 。04 年 には 製 販 開 一 体 となった 事業 拡 大 加 速 のため 事 業 集 団 制 を 導 入 。統 括 会 社 の 経 営 範 囲 は、 設 立 当 初 は 行 えることが 少 なかったが、 政 府 の 規 制 緩 和 により、 現 時 点 ではほとんどのことが 定 款 上 できる。 見 逃 しがちだが、 定 款 については 常 にトレンドをつかみながら 見 直 していくことが 必 要 。松 下 電 工 中 国 有 限 公 司 では、 傘 下 の 製 造 会 社 に 投 資 する 一 方 で 販 売 の 委 託 を 受 ける。またグループとしてのガバナンスを 高 めていくために、 財 務 、 人 事 、 法 務 、 知 財 、 物 流 などのサービスを 有 料 で 製 造 会 社 に 提 供 している。これによりグループ 経 営 の 効 率 化 を 図 っている。いかに 現 地 で 必 要 な 機 能 を 強 化 し、 最 終 的 に 中 国 で 完 結 できるかが 課 題 。そのためには 中 国 式 オペレーションに 対 応 し、 現 地 のマネージメント 層 の 方 に 担 当 していただく。中 国 では 各 社 へのERPシステム 導 入 を 推 進 しており、データ・ 情 報 の 一 元 管 理 を 図 っている。 経 営 情 報 の 可 視 化 が必 要 。これは 一 般 には 財 務 で 管 理 することが 多 いが、これは 結 果 論 であり、プロセスを 管 理 していく 必 要 があり、KPI(Key Performance Indicator)が 重 要 になってくる。 人 事 部 門 の 管 理 もデータベース 化 しながら 進 めている。オペレーションの 現 地 化 について、 従 来 日 本 人 のマネージャーがいて 階 層 別 に 現 地 人 がいたが、 情 報 が 上 がってくるのが 遅 い、 意 思 決 定 遅 い、 情 報 が 曲 がる、などの 弊 害 がある。フラット 化 するために、マーケットに 近 い 形 でフラットな 営業 組 織 にしている10 月 1 日 から 現 地 人 の 中 から 経 営 執 行 役 制 度 を 導 入 した。できるものは 権 限 を 委 譲 し、ダイレクトに 現 地 の 声 が 反 映する 仕 組 みをつくっていきたい。これが 進 むと 総 裁 ポストも 現 地 の 人 に 任 せることができる。( 王 ) 日 本 企 業 の 経 営 の 現 地 化 が 提 唱 される 背 景 には、 消 費 者 の 要 求 への 対 応 、コスト 低 減 、 企 業 及 びブランドのイメージアップ、 中 国 文 化 への 融 合 、などの 必 要 が 生 じている 事 が 挙 げられる。経 営 の 現 地 化 には 二 つ 課 題 がある。 一 つ 目 は 経 営 管 理 の 現 地 化 、 即 ち 人 材 の 現 地 化 であるが、 日 本 企 業 はこの 点やや 遅 れている。ただし、コマツ 製 作 所 の 様 に 改 善 の 見 られる 企 業 もある。 人 材 の 現 地 化 は 日 中 文 化 の 融 合 であり、 双方 の 良 い 部 分 の 融 合 を 希 望 している。 日 本 人 には 長 所 の 多 い 民 族 性 や 経 済 力 などの 強 みがあるが、 反 面 、 自 己 主 張が 苦 手 という 弱 点 もある。この 問 題 について、 管 理 職 を 含 む 中 国 人 従 業 員 との 労 働 協 力 関 係 の 確 立 と、 中 国 語 の 習 得をお 勧 めする。二 つ 目 は 商 品 の 現 地 化 、 即 ちブランド 文 化 の 現 地 化 である。 名 訳 を 得 て 中 国 全 土 への 浸 透 に 成 功 したコカコーラ 及びペプシの 成 功 例 が 参 考 になるだろう。また、 商 品 現 地 化 に 関 しては、 法 律 従 事 者 として、 知 的 所 有 権 の 強 化 もお 勧 めしたい。( 畑 ) 中 国 社 会 科 学 院 の 調 査 によると、 企 業 のトップマネジメントの 中 国 籍 / 華 人 比 率 はフランス 系 企 業 で 26%、 米46


国 系 67%、 日 系 9%。この 背 景 には 欧 米 企 業 では、 中 国 人 がグリーンカードを 取 得 し 欧 米 企 業 に 就 職 し 中 国 に 戻 ってトップになっている 例 も 多 くあり、 何 を「 現 地 」とするかを 考 える 必 要 がある。むしろ「 現 地 化 」から「グローバル 化 」の 時 代 にいっているのではないか。 日 本 企 業 は、そこが 遅 れているのではと 感 じる。高 度 人 材 の 不 足 、 外 国 語 能 力 を 持 つ 優 れた 人 材 の 地 域 格 差 、 欧 米 企 業 との 給 与 格 差 などがある 中 で、 日 本 企 業 が経 営 現 地 化 を 考 えるためには 在 日 中 国 人 など 広 域 からの 人 材 確 保 、 香 港 人 ・ 台 湾 人 などの 活 用 、 在 中 国 の 日 本 人 スペシャリストの 採 用 などを 考 えていく 必 要 がある。働 く 側 の 視 点 に 立 って、 転 職 しながらキャリアアップをめざす 中 国 人 からすると、 人 を 育 成 してくれる 企 業 が 魅 力 。そのためにはその 企 業 に 在 籍 することが 外 部 より 魅 力 があることを 示 す 必 要 がある。グローバルな 人 事 交 流 、 日 本 本 社 へ 籍を 移 すなどグローバルな 視 点 で 人 事 を 考 える 必 要 がある。モデレータ 総 括中 国 における 日 本 企 業 の 経 営 形 態 は、 現 在 では 独 資 企 業 が6 割 以 上 を 占 める。これは 現 地 経 営 が 強 化 されていることを 示 している。 独 資 企 業 の7 割 前 後 は 原 材 料 を 海 外 から 中 国 に 持 ち 込 んで 生 産 ・ 加 工 し、 再 度 海 外 市 場 に 輸 出 している。 部 材 メーカーの 中 国 進 出 も 進 む 中 、この 部 分 の 現 地 化 の 余 地 がある。経 営 現 地 化 を 進 めていく 上 で、 日 本 本 社 の 統 括 強 化 と 現 地 のオペレーション 強 化 のバランスが 課 題 。 日 本 企 業 の 現状 として、コア・カンパニーを 独 資 として、それを 中 心 とした 独 資 ・ 合 弁 企 業 のグループ 展 開 を 行 っている。「 独 資 」、「 合 弁 」といった 企 業 形 態 が 論 じ 競 れるのは、 中 国 への 投 資 が 初 期 段 階 であるから。 次 の 段 階 としては、 現 地資 本 の 活 用 、M&Aの 活 用 等 による 市 場 参 入 チャネル 確 保 、 水 平 的 な 企 業 連 携 =アライアンスを 考 えていく 必 要 がある。 中 国 企 業 にとってもアライアンスの 部 分 で 多 くの 機 会 がうまれてくる。中 国 進 出 している 日 本 企 業 現 地 法 人 は、 日 本 型 をそのまま 持 ち 込 んだり、 現 地 迎 合 ではないハイブリッド 型 の 経 営 システムを 構 築 する 必 要 がある。それによりグローバル 展 開 が 可 能 となる。現 地 化 を 進 めていく 中 で、 日 本 の 本 社 、 経 営 者 が 何 をするかが 問 われる。 本 社 は、グローバル 戦 略 の 構 築 、マネージメント・コントロールシステムの 構 築 が 必 要 であるし、 現 地 駐 在 員 にとっては、マネージメント、コミュニケーションなどより 高い 能 力 が 求 められる。( 文 責 : 事 務 局 )テーマ: 「 省 エネルギー」- 日 中 間 の 政 策 制 度 構 築 協 力 と 中 国 省 エネ 市 場 の 大 きな 可 能 性 -講 演 者 : 宮 川 正 ( 資 源 エネルギー 庁 省 エネルギー・ 新 エネルギー 部 政 策 課 長 )中 上 英 俊 (ESCO 推 進 協 議 会 副 会 長 、 株 式 会 社 住 環 境 計 画 研 究 所 代 表 取 締 役 )西 村 聡 ( 新 日 本 製 鉄 株 式 会 社 エンジニアリング 事 業 本 部 プラント 環 境 事 業 部製 鉄 プラント 第 一 部 長 )周 鳳 起 ( 中 国 省 エネ 協 会 副 理 事 長 )呉 道 洪 ( 北 京 神 霧 熱 能 技 術 有 限 公 司 董 事 長 )モデレータ: 田 中 茂 明 ( 日 本 貿 易 振 興 機 構 上 海 センター 次 長 )1. 講 演 内 容 のポイント( 周 ) 現 在 、 中 国 のエネルギーは 石 炭 が 中 心 で、エネルギー 効 率 はまだまだ 低 いレベルにとどまっている。しかし、既 に 省 エネ 法 が 施 行 され、 実 施 可 能 なものから 取 り 組 みがスタートしている。 今 後 、 国 家 は 発 展 改 革 委 員 会 と 財 政部 とで、 優 遇 政 策 などについて 協 議 する 予 定 だ。47


( 呉 ) 当 社 は 1995 年 に 北 京 の 中 関 村 科 学 パークで 設 立 。その 後 10 年 にわたって 高 効 率 、 省 エネ、 汚 染 の 低 いガス 燃 料 、 液 体 燃 料 、 固 体 燃 料 の 燃 焼 システムと 工 業 炉 の 研 究 ・ 製 造 ・ 開 発 を 進 めてきた。その 結 果 、 中 国 で 最 も大 きな 省 エネ 工 業 炉 プラント 設 備 と 工 事 総 請 負 会 社 の 1 つになった。中 国 の 省 エネマーケットは 発 展 途 上 だが、 最 も 大 事 なのは 価 格 設 定 と、 早 期 に 資 金 回 収 できるスキームである。中 国 では 一 般 に 事 業 資 金 の 回 収 が 早 い 点 に、 留 意 すべきだ。( 宮 川 ) 日 本 では 70 年 代 から、 本 格 的 な 省 エネ 対 策 がスタートした。 政 府 は、 厳 格 な 規 制 ではなく「 企 業 の 自 主努 力 を 求 めるシステム」の 構 築 を 図 ってきた。 具 体 的 には、 国 家 資 格 として 専 門 のエネルギー 管 理 士 を 設 置 し、 事業 所 別 エネルギー 使 用 量 と 省 エネ 設 備 投 資 計 画 の 国 への 定 期 報 告 を 行 った。また 省 エネ 設 備 導 入 補 助 や、 省 エネ 設 備 導 入 に 関 する 税 制 優 遇 を 行 った。このような 日 本 の 経 験 は、 中 国 の 省 エネ 対 策 にも 役 立 つと 考 える。( 西 村 ) 当 社 は 中 国 で 省 エネ 設 備 を 販 売 している。コークス 乾 式 消 火 設 備 (Coke Dry Quenching equipment、以 下 CDQ)もその 1 つだ。 日 本 では、ほとんどの 製 鉄 所 に 設 置 されているが、 中 国 では 粗 鋼 生 産 高 年 間 1,000 万 トン 以 上 の 製 鉄 所 の 76%、500 万 トン 以 上 1,000 万 トン 未 満 の 製 鉄 所 の 35%、500 万 トン 未 満 では 3%しか 設 置 されていない。小 規 模 製 鉄 所 では 大 半 が、 水 を 使 って 冷 却 しているのが 現 状 だ。中 国 企 業 との 合 弁 で 進 出 しており、 既 に 現 地 調 達 比 率 は 9 割 に 達 している。 知 的 財 産 保 護 や、CDM(クリーン 開 発 メカニズム)の 適 用 基 準 が 厳 格 過 ぎるなどの 課 題 はあるが、 今 後 も 成 長 が 期 待 できる 分 野 だと 考 えている。( 中 上 ) ESCO とは 省 エネコンサル 事 業 で、 日 本 ではここ 数 年 大 きく 伸 びているが、 回 収 までに 8~9 年 の 時 間 がかかるなど、 利 益 が 出 るまでに 中 長 期 間 を 要 する 点 が 特 徴 だ。 日 本 の 省 エネ 技 術 は 世 界 のトップ 水 準 にあるが、 日本 のコストは 高 い。 対 中 ESCO 事 業 では、まずはユーザーの 理 解 が 必 要 だが、 世 界 銀 行 やアジア 開 発 銀 行 の 融 資を 活 用 できるようなスキームも 必 要 だ。2. ディスカッションのポイント( 周 ) ・ 省 エネ 法 は 施 行 済 み、 政 策 はこれから。( 呉 ) ・ 中 国 の 省 エネビジネスでは、 価 格 設 定 と 短 期 資 金 回 収 が 重 要 。( 宮 川 ) ・ 日 本 の 省 エネ 政 策 は、 中 国 の 参 考 になる。( 西 村 ) ・ 中 国 に 日 本 式 の 設 備 を 販 売 、 中 小 規 模 製 鉄 所 にビジネスチャンスあり。( 中 上 ) ・ESCO 事 業 を 後 押 しするスキームが 必 要 。3. モデレータ 総 括( 田 中 ) 中 国 の 電 力 不 足 の 原 因 の 1 つは、 非 効 率 なエアコンの 普 及 にある。 中 国 は 家 庭 用 の 電 気 の 方 が 産 業 用 よりも安 く、インバータ 付 きのエアコンは 高 価 なため 普 及 が 遅 れていることが 背 景 にある。 一 方 で、 各 地 方 に 省 エネ 観 測 センターが 設 置 されており、 基 準 を 満 たした 家 電 製 品 には 省 エネラベルが 張 られるなど、 当 局 は 取 り 組 みを 積 極 化 している。この 数 年 で 省 エネ 関 連 の 中 国 企 業 は 200~300 社 設 立 されたようだ。 日 本 企 業 は 現 地 調 達 比 率 を 上 げて、 価 格 競 争力 を 高 めることも 必 要 だ。48


中 国 企 業 プレゼンテーション参 加 企 業 :煙 台 国 際 経 済 技 術 合 作 有 限 責 任 公 司魯 能 電 気 公 司広 州 市 華 智 科 技 有 限 公 司杭 州 恒 生 電 子 株 式 会 社深 圳 市 宇 声 工 貿 有 限 公 司上 海 豊 瀚 輸 出 入 有 限 公 司上 海 潤 凱 国 際 貿 易 有 限 公 司麦 科 特 光 電 股 份 有 限 公 司標 準 微 型 摩 打 有 限 公 司上 海 精 申 連 国 際 貿 易 有 限 会 社上 海 華 朋 実 業 発 展 有 限 公 司北 京 欧 迅 体 育 文 化 伝 播 有 限 公 司北 京 帕 斯 菲 投 資 コンサルティングセンター珠 海 江 龍 船 舶 製 造 有 限 公 司ビジネスマッチング実 施 日 時 :2005 年 10 月 25 日 ( 火 )~26 日 ( 水 )○ 結 果 報 告 (2006 年 1 月 1 日 現 在 )(1) 中 国 企 業 によるプレゼンテーション 企 業 :14 社(2) 商 談 件 数 :59 件 (10 月 25 日 :4 件 、10 月 26 日 :55 件 )(3) 合 意 案 件 :4 件- 契 約 見 通 し 額 : 約 66 億 円 ( 技 術 移 転 :10 億 円 、 投 資 :54 億 円 、 貿 易 :2 億 円 )(4) 商 談 が 進 行 中 の 案 件 :6 件- 成 立 した 場 合 の 契 約 見 通 し 額 : 約 40 億 円 ( 貿 易 )○ 合 意 案 件 の 内 容(1) 中 国 企 業 A 社 は、 日 本 の 中 小 企 業 が 開 発 し 特 許 を 有 する 環 境 技 術 に 着 目 し、この 技 術 を 中 国 に 導 入 。さらにこの 日 本 企 業 と 中 国 に 合 弁 会 社 を 設 立 し、 関 連 製 品 の 現 地 生 産 および 販 売 を 行 う 計 画 である。(2) 中 国 企 業 B 社 は、 省 エネ 効 果 の 技 術 を 求 め 来 日 。 日 本 メーカーとともに 初 年 度 に 10 億 円 を 投 資 して 中 国 に 合 弁49


会 社 を 設 立 し、 関 連 製 品 の 製 造 販 売 を 行 う 計 画 が 進 行 中 。(3) 中 国 企 業 C 社 は、 日 本 のソフトウェア 開 発 企 業 に 数 億 円 を 出 資 、さらに 同 社 と 合 弁 で 10 億 円 を 投 資 して 中 国 に会 社 を 設 立 する 予 定 。(4) 中 国 企 業 D 社 は、 日 本 の 貿 易 会 社 と 相 互 に 総 代 理 店 契 約 を 交 わし、 製 品 を 日 本 から 輸 入 し 中 国 で 販 売 する。また、 中 国 側 が 扱 う 製 品 を 当 該 日 本 企 業 を 通 じて 日 本 市 場 に 販 売 する 意 向 もある。○ 進 行 中 の 案 件(1) 日 本 メーカーが 自 社 製 品 を 現 地 生 産 してくれる 中 国 メーカーと 商 談 中 。(2) 省 エネ 技 術 を 持 つ 日 本 企 業 が 自 社 技 術 を 応 用 して 中 国 の 国 内 市 場 で 販 売 する 中 国 企 業 と 商 談 中 。(3) 中 国 の 商 社 が 自 社 製 品 を 輸 入 する 日 本 の 商 社 と 商 談 中 。50


閉 会 ・ 記 念 講 演 会 >日 時 : 2005 年 10 月 26 日 ( 水 ) 11:00~12:00講 演 者 : スパチャイ・パニットチャパック (UNCTAD 事 務 局 長 )ジャック・マー (アリババ・ドット・コム 創 立 者 、CEO)モデレータ: 後 藤 康 浩 ( 日 本 経 済 新 聞 社 産 業 部 編 集 委 員 兼 キャスター、 論 説 委 員 )( 司 会 ) ただいまから「 日 中 経 済 討 論 会 2005」 閉 会 ・ 記 念 講 演 会 を 開 催 させていただきます。 講 演 いただくお 2 人 のかた、モデレータをしていただく 後 藤 先 生 、 壇 上 にお 上 がりいただきたいと 思 います。よろしくお 願 いいたします。この 記 念 講 演 会 のモデレータは、 日 本 経 済 新 聞 編 集 委 員 兼 論 説 委 員 の 後 藤 康 浩 様 にお 願 い 申 し 上 げます。 後 藤 様 、よろしくお 願 い 申 し 上 げます。( 後 藤 ) 皆 さん、おはようございます。この 日 中 経 済 討 論 会 は 第 5 回 目 になります。 最 後 のセッションに 入 ってまいりました。最 後 のセッションは、2 人 の 大 物 をお 招 きしております。 皆 様 から 向 かって 左 側 、 言 うまでもなく 前 WTO 事 務 局 長 、 現在 は UNCTAD の 事 務 局 長 をされておりますスパチャイ 様 でいらっしゃいます。 右 側 は、 中 国 で 最 も 有 名 な IT 企 業 といっても 過 言 ではないと 思 います、アリババ・ドット・コムのジャック・マーさんです。このセッションは、お 二 方 からそれぞれの 日 中 関 係 、あるいはアジア 全 体 についてのお 考 えをプレゼンテーション、それぞれ 20~25 分 程 度 頂 き、その 後 、 私 から 少 し 質 問 などをお 二 かたにさせていただきたいと 思 います。最 初 に、スパイチャイ 様 からプレゼンテーションをお 願 いしたいと 思 います。スパチャイ 様 、どうぞよろしくお 願 いいたします。(スパチャイ) 後 藤 さん、 有 り 難 うございます。お 集 まりの 皆 さん、 日 中 の 経 済 界 にとってたいへんに 意 義 のあるこの 討 論会 のまとめのセッションで 話 をする 機 会 を 与 えていただきましたことを 非 常 に 光 栄 に 思 います。アジアにおける 2 つの 経 済大 国 の 結 び 付 きを 更 に 強 化 するためのこのような 会 議 の 開 催 はたいへんに 有 意 義 なことであると 信 じております。これから 私 は 日 中 の 経 済 関 係 の 3 つの 側 面 についてお 話 していこうと 思 います。まず、この 経 済 関 係 をグローバルな 視 点 でどう 捉 えるべきかについてお 話 します。 次 に、 日 中 貿 易 の 急 速 な 発 展 を 物語 る 幾 つかの 詳 細 情 報 、 統 計 、 数 字 などをご 紹 介 します。そして 最 後 に、ドーハ・アジェンダに 基 づく 多 国 間 交 渉 の 行 方とも 関 係 して、 中 国 と 日 本 それぞれの 国 内 でどのような 調 整 が 続 けられるべきかという 将 来 の 展 望 を 述 べて、 私 の 話 を 締めくくろうと 思 います。このような 3 段 階 で 話 を 進 めてゆきます。グローバルな 視 点 で 日 中 関 係 を 捉 えるとき、5 つの 注 目 点 があると 思 います。 第 1 に、 日 中 の 経 済 構 造 は 互 いに 大 いに 補 完 し 合 う 関 係 にあります。 中 国 と 日 本 は 同 じ 分 野 で 競 争 していると 言 う 人 たちもいますが、グローバルな 視 点 に 立 つとき、 日 本 はすでに「 製 造 」という 梯 子 の 上 段 を 昇 っており、 中 国 は 同 じ 梯 子 の 上 で 素 早 く 日 本 を 追 いかけている 様 子 が 見えます。 補 完 の 度 合 いが 大 きいので、 両 国 経 済 の 民 間 部 門 が 密 接 に 協 力 すればするほど、 両 国 が 進 めている 改 革 に 良い 影 響 と 弾 みを 与 えるものと 思 われます。 両 経 済 の 補 完 性 のお 陰 で 付 加 価 値 が 産 まれるのです。第 2 の 注 目 点 は、 私 が 責 任 者 を 務 める 機 関 である UNCTAD が 教 えてくれます。UNCTAD の 代 表 的 な 出 版 物 であるワールド・トレード・レポートの 最 新 号 で 我 々は「new geography of trade( 貿 易 の 新 しい 地 理 的 分 布 )」という 言 葉 を 造 りました。この 言 葉 によって 我 々は、 世 界 経 済 の 主 要 原 動 力 はもはや 米 国 だけではないということを 示 すつもりでおります。ヨーロッパは 世 界 経 済 の 牽 引 に 充 分 な 役 割 を 果 たしていません。 米 国 は、その 巨 大 な 国 内 需 要 と 巨 額 な 貿 易 赤 字 により、これまで 世 界 経 済 拡 大 の 効 果 的 な 触 媒 となってきました。51


しかしながら、この 数 年 間 で、 中 国 は 輸 出 入 の 両 面 において 高 成 長 を 続 け、 世 界 の 経 済 成 長 に 対 して、ヨーロッパや米 国 を 合 わせたよりも 大 きな 影 響 を 及 ぼすようになりました。この 現 状 に 基 づいて、 私 たちは「new geography of trade」という 語 を 造 ったのです。 今 や、より 多 くの 通 商 が「 東 」へ 向 かい、その 中 でも 東 アジアに 集 中 して 行 く 様 子 が 観 察 されます。そして、インドの 参 加 により 南 アジアもこの「new geography of trade」に 含 まれようとしています。この「new geography oftrade」は、 拡 大 ・ 分 散 してゆくことが 大 切 です。 今 のところ、「new geography of trade」はアジア、 中 でも 日 本 、 韓 国 、 中国 などの 東 アジアに 集 中 しており、わずかに 南 アジアに 及 んでいるといったところです。いまだ、 他 の 国 々を 巻 き 込 むことはなく、 東 アジアに 集 中 していると 言 えるでしょう。第 3 の 注 目 点 として、 南 対 南 の 経 済 協 力 パターンの 出 現 を 挙 げることができます。このパターンの 経 済 協 力 には、 発展 途 上 国 の 相 互 の 貿 易 ばかりでなく、 日 本 、 中 国 、と、 米 国 またはヨーロッパとの 間 で 行 われる「 三 角 貿 易 」も 含 まれます。これはいわゆる 統 合 製 造 ネットワークとも 呼 ぶべきものの 1 つで、 一 連 の 製 造 工 程 の 中 の 独 立 の 製 造 部 門 を 世 界 各 地 、特 に 人 件 費 の 安 い 発 展 途 上 国 に 設 置 する 方 法 です。そのような 独 立 製 造 部 門 で 作 られた 物 の 中 には、 製 造 本 部 がある国 へ 輸 出 され、そこで 組 み 立 てられて 西 欧 またはその 他 の 先 進 諸 国 の 市 場 へと 再 輸 出 される 物 もあります。ここで 日 中 の経 済 関 係 は、この 南 対 南 の 三 角 貿 易 システムの 一 部 分 、それもとても 強 い 部 分 を 構 成 します。この 南 対 南 貿 易 の 世 界市 場 に 占 める 割 合 は、10 年 前 のわずか 20%から 今 やおよそ 30%にまで 増 加 しています。これには、 日 中 経 済 協 力 に 基 づく統 合 製 造 ネットワークの 存 在 が 大 きく 貢 献 しています。三 角 貿 易 は、 中 国 、 日 本 、そして 米 国 またはヨーロッパで 構 成 されます。ということは、 南 、ここでは 発 展 途 上 国 を 指 しますが、が 好 調 であるからと 言 っても、それは 必 ずしも 南 の 国 々の 市 場 が 好 調 であるとかそれらの 国 々の 製 造 ネットワークがうまく 機 能 しているということにはならないのです。 三 角 システムなのですから。 我 々は 同 時 に 北 側 、すなわち 先 進 諸 国と 協 力 して、 先 進 諸 国 に 頼 って 貿 易 を 進 めていかなければならない 訳 です。第 4 点 はたいへんに 重 要 です。ただいま 述 べたような 日 中 間 の 貿 易 が 増 えていると 同 時 に、その 増 加 に 伴 って 日 中 相互 の 投 資 も 増 えているのです。 勿 論 、 中 国 側 は 対 外 直 接 投 資 の 受 け 手 としての 立 場 が 顕 著 でした。 昨 年 、 中 国 は 約 600億 ドルの 直 接 投 資 を 外 国 から 受 け 入 れました。これは 1100 億 ドルから 1200 億 ドルの 直 接 投 資 を 受 けた 米 国 に 次 いで 世界 第 2 位 でした。 発 展 途 上 国 としては 中 国 が 世 界 一 の 受 入 国 でした。ここで 問 題 なのは 直 接 投 資 の 金 額 ばかりではありません。その 質 に 変 化 が 現 れたのです。 中 国 は 単 に 直 接 投 資 の 受 け入 れを 増 やそうとしているばかりではありません。それどころか、 中 国 経 済 にあまりにも 多 くの 条 件 を 付 けてくるような 直 接投 資 は 減 らす 傾 向 にあるようです。 中 国 が 目 指 しているのは、 直 接 投 資 と 技 術 移 転 とを 結 びつけることです。 次 に 述 べることも UNCTAD の 調 査 部 門 が 調 べたことですが、UNCTAD には 非 常 に 強 力 な 投 資 調 査 部 門 があるのです。その 調 査部 門 によれば、 中 国 では 今 、 調 査 研 究 機 関 (R&D)の 設 立 に 関 連 する 対 外 直 接 投 資 を 受 け 入 れており、ここ 数 年 で 700を 超 える R&D 機 関 が 出 現 したとのことです。ここで 注 目 すべきことは、これらの R&D 機 関 は 技 術 を 受 け 入 れて 地 元 の 現 状 に 合 わせることを 目 的 とするものではないということです。そうではなくて、 技 術 の 最 先 端 分 野 の 研 究 を 行 い 新 しいものを 発 明 することを 目 指 しているのです。それは、 発 展 途 上 国 、 特 に 中 国 では 質 の 高 い 研 究 が 安 い 人 件 費 で 行 われることを 先 進 諸 国 の R&D 機 関 が 知 るようになった 結 果 です。このように、 通 商 における 中 国 と 日 本 との 関 係 は、この 投 資 関 係 にも 反 映 されています。我 々の 見 るところ、 中 国 はいまや 一 方 的 な 直 接 投 資 受 入 国 の 状 態 から 脱 却 して、 対 外 投 資 を 行 う 側 にもなってきています。 年 間 10 億 ドルに 近 い 対 外 投 資 をするようになりました。そして、 自 国 の R&D 活 動 の 基 礎 作 りのために、 日 本 、 米 国 、ヨーロッパにまで 投 資 をするようになるでしょう。52


最 後 の、5 番 目 の 注 目 点 は、 東 アジアの 経 済 コミュニティの 出 現 です。この 東 アジア 経 済 コミュニティを 作 り、 育 てようとする 実 際 的 なスキームが 存 在 するのかどうか 私 には 分 かりません。しかし、もし 実 現 するとすれば、その 経 済 コミュニティを大 きく 動 かすための「てこ」の 支 点 となるべきは、 現 在 の 日 中 関 係 に 似 た 関 係 でなくてはならないでしょう。こうした 理 由 から 何 らかの 合 意 が 必 要 とされるのですが、この 点 に 関 して 私 はこれ 以 上 言 及 しようとは 思 いません。 中 国 と 日 本 との 間 で経 済 的 合 意 や 自 由 貿 易 に 関 する 合 意 がどのように 進 んでいるのかに 関 して 私 には 非 常 には 限 られた 知 識 しかないからです。しかし、 東 アジア 経 済 コミュニティの「てこ」の 支 点 としては、 日 中 間 の 経 済 の 同 調 に 類 したものが 必 要 です。これが、私 が 最 初 にあげました 3 つの 側 面 のうちの 第 1 の 側 面 に 関 する 最 後 の 注 目 点 です。日 中 の 経 済 関 係 の 第 2 の 側 面 を、 幾 つかの 数 字 を 挙 げてより 詳 しく 観 察 してみたいと 思 います。 第 1 に、これはたいへんに 重 要 なことだと 思 うのですが、 中 国 は 2002 年 以 降 米 国 を 抜 いて 日 本 の 最 大 輸 入 相 手 国 となっています。2003 年 に日 本 の 総 輸 入 における 中 国 からの 輸 入 の 割 合 は 20%まで 増 加 し、これに 対 して 米 国 からの 輸 入 は 15%に 低 下 しました。 現在 も 中 国 は 日 本 にとって 米 国 よりも 大 きな 輸 入 相 手 国 であると 思 います。次 に、 非 常 に 面 白 いことに、 日 本 の 輸 出 相 手 国 としての 中 国 の 地 位 も 上 がりつつあります。 日 本 の 全 輸 出 に 占 める 対中 国 輸 出 の 割 合 は 2001 年 にわずか 7%であったのが 急 激 に 伸 びて 2003 年 には 12%に 達 しました。EU 市 場 への 輸 出 15%に 接 近 しつつあります。 数 年 の 内 に 中 国 への 輸 出 が EU への 輸 出 を 超 えるでしょう。しかし、 勿 論 、 強 力 な 国 内 需 要 のある 米 国 は 依 然 として 日 本 の 最 大 輸 出 相 手 国 で、 日 本 の 総 輸 出 量 の 約 4 分 の 1 は 米 国 向 けです。JETRO の2005 年 版 の 報 告 書 によれば、 日 本 の 対 中 国 輸 出 は 驚 異 的 にも 6 年 連 続 で 増 加 しています。 主 な 輸 出 品 目は、 半 導 体 その 他 の 電 子 部 品 、オーディオ・ビジュアル 機 器 の 半 完 成 部 品 、 科 学 ・ 工 学 機 器 、 自 動 車 部 品 、 化 学 製 品 、金 属 加 工 品 、 建 設 機 械 、などです。これを 見 ると、 日 中 間 の 産 業 の 移 動 、それも 主 として 日 本 から 中 国 への 移 動 が 盛 んに 行 われていることが 分 かります。 産 業 の 大 規 模 な 移 動 が 進 行 中 で、 日 本 から 中 国 への 輸 出 によって 中 国 内 に 製 造 能力 が 蓄 積 されているのです。それと 同 時 に、 日 本 による 中 国 からの 完 成 品 の 輸 入 の 急 増 も 見 られます。2004 年 にはおよそ 25%も 増 加 しました。これこそが、 私 が 統 合 製 造 ネットワーク、または 三 角 ネットワークと 呼 ぶ 現 象 です。 半 製 品 が 中 国 へ送 られる。 完 成 された 製 品 が 日 本 へ 戻 される。そして 日 本 で 組 み 立 てられて 第 三 国 へ 再 輸 出 される、という 訳 です。今 年 (2005 年 )の 日 中 貿 易 の 総 額 は 1900 億 ドルを 超 えると 予 測 されます。 日 中 貿 易 の 主 力 製 品 であるパソコンと 家 電製 品 の 世 界 需 要 の 低 迷 にも 関 わらずです。 低 迷 にも 関 わらず 7 年 間 連 続 して 増 加 を 続 けて 1900 億 ドルを 超 えようとしているのです。このような 経 済 関 係 の 将 来 を 展 望 するとき、 考 察 すべき 点 は 3 つあると 思 います。 最 後 に、それらについて 述 べておきたいと 思 います。まず、 中 国 で 変 化 が 起 こりつつあるということです。 中 国 は 勿 論 大 量 に 輸 出 をしていますが、 輸 入 も 大 量です。しかし、この 傾 向 は 変 化 しています。 中 国 の 産 業 構 造 が 次 第 に 成 熟 するにつれて、 中 国 の 輸 入 需 要 は 減 退 してきているように 思 われます。 輸 入 が 今 年 になって 相 当 激 しく 減 少 し 始 めたので、これが 長 期 の 傾 向 であるのか、それとも 短期 的 、 中 期 的 なものであるのかはよく 分 かりません。また、 日 本 経 済 の 将 来 も 良 い 方 向 に 変 化 しています。 数 週 間 前 発 行の「エコノミスト」 誌 の 日 本 経 済 に 関 するメインの 論 評 の 見 出 しは「 日 はまた 昇 る」でした。 日 本 も、 自 国 の 構 造 的 問 題 を 肯定 的 、 建 設 的 に 把 握 するようになってきたのです。エコノミストたちが「 失 われた 10 年 」と 呼 ぶ 時 代 から 抜 け 出 しつつあるのです。ただし、 先 行 きがどうなるかは 依 然 として 不 確 定 です。 中 国 の 巨 額 でかつ 増 加 を 続 ける 経 常 黒 字 は 貿 易 摩 擦 の 原 因 となるかも 知 れません。 中 国 の 経 常 黒 字 が 莫 大 である、と 言 う 人 がいます。しかし UNCTAD のワールド・トレード・レポートによれば、 中 国 の 経 常 黒 字 は 世 界 全 体 のそれのわずか 8%でしかありません。さほど 急 成 長 を 示 してはいないドイツと 日 本 の経 常 黒 字 を 合 わせると 世 界 全 体 の 黒 字 の 約 30%で、 中 国 の 黒 字 のおよそ 4 倍 にもなります。このような 観 察 と 分 析 の 結 果53


として、 世 界 の 経 済 コミュニティが 中 国 に 対 してデフレ 政 策 を 採 るように 要 請 することは 正 しい 選 択 ではないということが 分かります。 中 国 がデフレ 政 策 を 採 るのではなく、 日 本 や EU がさらなる 経 済 拡 大 に 向 けた 政 策 を 採 るべきなのです。 東 アジアの 経 済 成 長 を 抑 制 するような 政 策 はけっして 採 ってはなりません。その 代 わりに、 日 本 の 国 内 需 要 を 増 加 させるように努 めるべきです。 日 本 の 国 内 需 要 は 上 向 きつつあるようですが、ヨーロッパではあまりその 兆 候 が 見 られません。この 内 需 の 増 大 傾 向 には 少 々 不 安 材 料 があります。 石 油 価 格 の 高 止 まりを 理 由 に、2006 年 には 金 利 がここ 数 年 よりも徐 々に 引 き 上 げられるのではないかと 思 われるからです。 過 去 数 年 の 金 利 は 世 界 的 に 最 低 レベルまで 下 がっていました。しかし 2006 年 にはインフレ 傾 向 になると 思 われます。なぜでしょうか?エネルギー 価 格 上 昇 の 第 1 ラウンドではさしたるインフレは 起 こりませんでした。しかし、 上 昇 の 第 2 ラウンドが 我 々に 迫 っています。 第 2 ラウンドは 世 界 中 の 賃 金 水 準 に 影響 を 与 えるでしょう。 第 1 ラウンドは 物 価 にあまり 影 響 を 及 ぼしませんでした。しかし 第 2 ラウンドにより 激 しいインフレが 起 こり、 金 利 が 引 き 上 げられ、 世 界 経 済 が 多 少 下 方 調 整 を 受 けることになるでしょう。 内 需 の 縮 小 傾 向 です。この 縮 小 傾 向 を 反 転 させる 唯 一 の 方 法 は 国 際 的 多 国 間 交 渉 で、WTO のドーハ 開 発 アジェンダとして 進 行 中 のものです。この 傾 向 を 変 えようとするならば、 世 界 中 でより 永 続 的 でより 予 測 可 能 な 状 態 で 市 場 開 放 を 進 める 努 力 が 必 要 です。従 って、 中 国 と 日 本 で 行 われている 改 革 も 重 要 ですが、 需 要 拡 大 傾 向 の 維 持 のために 最 も 必 要 なことは WTO の 香 港 閣僚 会 議 が 成 功 してドーハ・ラウンドが 2006 年 中 に 決 着 を 見 ることです。それにより、 来 年 の 経 済 成 長 の 鈍 化 を 償 うことができるでしょう。ご 清 聴 、 有 り 難 うございました。( 後 藤 ) スパチャイさん、どうもありがとうございました。引 き 続 き、ジャック・マーさんにプレゼンテーションをお 願 いしたいと 思 います。どうぞよろしくお 願 いいたします。(マー) Thank you Dr. Supachai, thank you Chairman. ただいまのスパチャイさんのお 話 は、 私 に 確 信 を 与 えてくださいました。 私 は 中 国 で 企 業 を 経 営 しており、 特 に 今 の 段 階 の 中 国 で 経 営 を 行 なっているわけですが、 大 多 数 の 中 小 企 業が 商 売 をする 場 合 、マクロ 的 状 況 を 考 慮 する 企 業 は 少 なく、 我 々はミクロから 直 接 に 開 始 してしばらく 経 営 を 続 けた 後 、マクロの 中 に 自 己 の 理 由 と 理 論 を 見 つけ 出 します。そのため、スパチャイさんのデータによる 報 告 と 観 点 を 伺 って、ますます 中 国 に 対 して 確 信 を 持 ちました。さて、 私 は 今 日 、 企 業 が 中 国 でどのようにビジネスを 行 うかについて 述 べたいと 思 います。 日 本 企 業 と 中 国 企 業 の 違 いは 何 でしょう? 日 本 企 業 が 中 国 に 行 く 場 合 、どこかの 企 業 と 一 緒 にビジネスを 行 なおうと 考 えて、みなで 一 緒 にビジネスを行 います。 私 は 大 阪 に 来 て 日 中 経 済 討 論 会 に 参 加 するのは 3 回 目 ですが、 多 くの 新 しい 友 人 たちに 出 会 えたのをとても嬉 しく 感 じます。しかも、 今 回 来 ている 大 部 分 の 人 たちは 中 国 で 大 いに 活 躍 している 中 小 企 業 の 人 たちで、 世 界 的 なフォーラムでは 中 国 の 国 有 企 業 や 大 企 業 の 数 はますます 少 なくなっています。 中 国 ではここ 数 年 、 中 国 の 発 展 において 中 小企 業 に 大 いに 注 目 しなければならないと 私 はずっと 思 っているのです。というのは、 中 国 では 思 いも 寄 らないいろいろなことが 起 こる 可 能 性 があるからです。 中 国 で 注 目 されるのは「 変 化 」であり、 日 本 で 重 視 するのは「 流 れ」や「 細 部 」ですが、中 国 ではどんなことでも 起 こる 可 能 性 があるのです。 数 年 前 、 私 が 初 めてここに 来 て 講 演 を 行 なったとき、 私 たちの 阿 里巴 巴 (アリババ)のような 小 さな 会 社 が、5 年 で 時 価 総 額 が 50 万 人 民 元 から 今 日 の 40 億 人 民 元 にまで 発 展 するとは、 思いもよりませんでした。これはわが 国 の 大 きな 奇 跡 です。6 年 前 、 我 々は 雅 虎 (ヤフー)をたいへん 崇 拝 していましたが、 思いもかけなかったことに、 昨 日 我 々 阿 里 巴 巴 は、 雅 虎 中 国 の 買 収 を 完 了 しました。つまり、この 世 界 の 発 展 の 速 度 はたい54


へん 速 く、 中 国 ではどんなことでも 起 こる 可 能 性 があるのです。数 年 前 、 私 が 初 めて 日 中 経 済 討 論 会 に 参 加 したとき、1 回 目 は 開 催 したけれど 2 回 目 はわからないし、3 回 目 は 無 理かもしれないと 思 っていました。ところが 驚 いたことに、 開 催 されるごとに 活 気 が 出 てきて、 特 色 のあるものになっています。何 をするにせよ、 変 化 には 適 応 しなければならないし、 何 をするにせよ、 継 続 していかなければなりません。 誰 もが 私 に、中 国 でビジネスをするのはとてもとても 難 しいと 言 います。しかし、ビジネスはどこへ 行 っても 難 しいものです。 中 国 でもアメリカでもヨーロッパでも 難 しいし、 大 企 業 でも 小 企 業 でも 誰 でも 難 しいのです。ただ、 困 難 な 過 程 の 中 で 重 要 なのは、その人 がチャンスをつかめるかどうかであり、チャンスをキープし 続 けられるかどうかなのです。 中 国 ではビジネスチャンスは 多すぎるぐらいです。CEO の 場 合 、よい CEO になりたければ、その 仕 事 は、チャンスに 対 して NO と 言 うことであって、YES と言 うことではないのです。というのも、 毎 日 共 同 経 営 をしようとやってくる 人 が 多 すぎるのです。そのことから、 多 くの 大 企 業が 過 去 数 年 間 にあまりうまくいかなかった 理 由 がおわかりになると 思 います。ある 企 業 が 成 功 すると、 無 数 のチャンスが 目の 前 に 現 れます。そのため、 今 中 国 の 多 くの 大 企 業 は、80-90%の 企 業 は 不 動 産 業 をやっています。すべての 企 業 がバイオテクノロジーに 進 出 し、コンピュータに 進 出 し、メディアに 進 出 し、 要 するにもうかることなら 何 でもやってもうけるという姿 勢 です。そのため、 正 にこんなにたくさんの 機 会 があるがために、 多 くの 人 が 機 会 を 失 っているのです。だから、 私 は、中 国 では、もしみなさんが 中 国 にいらっしゃるのなら、 自 分 自 身 に 対 して 冷 静 に、まず 中 国 で 何 をするのかをはっきりさせることです。これが 私 の 第 1 の 提 案 です。第 2 の 提 案 は、 私 はいつも 多 くの 日 本 の 友 人 たちに 言 っていることですが、 私 はみなさんに 中 国 に 来 ていただきたい。というのは、 日 本 に 来 て 交 流 活 動 を 行 うたびに、 多 くの 日 本 のみなさんが 真 剣 にノートをとり、 真 剣 に 調 査 研 究 しておられるのを 見 ていますが、 彼 らに 中 国 に 進 出 する 計 画 はありますかと 聞 くと、いいえ、まだ 調 査 研 究 中 ですという 答 が 返 って 来るのです。もちろん 調 査 研 究 は 大 切 ですが、 私 がみなさんに 申 し 上 げたいのは、 中 国 や 全 世 界 で 成 功 している 90%の 企業 は、 事 前 に 調 査 研 究 を 行 なっていないということなのです。 調 査 研 究 を 行 えば 行 うほど 心 理 的 に 恐 くなり、 慌 ててしまい、矛 盾 が 多 くなり、 最 後 にはどうしたらいいかわからなくなります。 中 国 では、 我 々のような 企 業 は 本 当 に 調 査 研 究 をしません。だから、 私 はあまり MBA を 取 った 学 生 が 好 きではないのです。MBA を 取 った 学 生 が 我 々の 会 社 に 来 ると、 山 のような 調査 研 究 レポートを 作 り、この 報 告 、このデータ、あのデータなどと 言 います。もし 調 査 研 究 で 成 功 できるものなら、 毎 年 全 世界 で 生 まれる 少 なくとも 10 万 、20 万 はいる MBA 取 得 者 が、みな 偉 大 な 企 業 家 になるはずです。でも 事 実 はそうではありません。 調 査 研 究 のデータ 報 告 は、30-40%の 参 考 にはなるでしょう。しかし、 企 業 は 水 泳 のようなもので、 陸 上 でたくさんのものを 見 て、この 計 画 がいい、あの 計 画 がいい、このように 泳 ぐべきだ、 足 はこのように 伸 ばして、などと 考 えていても、やはり 水 に 入 らなければならないのです。もしみなさんが 中 国 に 興 味 がおありなら、 毎 年 4、5 回 行 ってみることをお 勧 めします。きっと 何 かが 学 べるし、 何 かが 感 じられるはずです。私 は 日 本 に 何 回 か 来 ていますが、 来 るたびに 多 くのことを 学 びます。みなさんご 存 知 でしょうが、 私 は 初 めて 日 本 に 来たとき、どこにも 行 くところがなかったので、 仕 事 が 終 わって 東 京 のオフィスビルの 下 である 問 題 を 考 えていました。すると、7 時 から 8 時 ごろになって 突 然 、たくさんのオフィスビルから 続 々とビジネスマンが 出 てきて、みな 慌 しく 飲 み 屋 やバーに 入っていくんです。 私 は、 一 体 何 をしに 行 くのだろうと 不 思 議 に 思 いました。 仕 事 が 終 わると、どうしてグループごとにみんな出 かけていくのか?その 後 私 は、これには 道 理 があるのだと 理 解 しました。 日 本 企 業 で 働 くのと、 中 国 企 業 で 働 くのとはちょっと 違 います。 日 本 企 業 の 仕 事 は、 細 部 や 流 れや 上 下 関 係 や、その 他 いろいろのことを 重 視 するので、 日 本 の 従 業 員は 仕 事 のときあまり 楽 しくありません。 中 国 とは 違 います。 中 国 では 多 くのことが 気 ままで、 多 くのことについて 仕 事 に 随 意性 が 強 く、 変 化 は 速 い。ですから、 中 国 企 業 の 従 業 員 は 楽 しいのです。ただ、 努 力 はしません。 日 本 人 は 努 力 はするが、楽 しくありません。 私 は、 多 くの 日 本 企 業 では 物 事 をたいへん 厳 しく 行 ない、 会 議 でも 講 義 でも 非 常 に 真 剣 に 聞 きますが、発 言 はしないということに 気 がつきました。このような 環 境 で 仕 事 をしていて、 就 業 後 は 課 長 や 部 長 と 一 緒 に 食 事 をしたり酒 を 飲 んだりして、 酒 を 飲 む 過 程 で 彼 らは 徹 底 的 にコミュニケーションと 交 流 を 行 なっているのですね。 私 はこれはいい55


考 えだと 思 いました。 私 は 会 社 に 戻 った 後 、 我 々のような IT の 企 業 は、 一 般 の 企 業 よりストレスが 大 きいと 気 づいたので、各 部 門 に 外 出 の 費 用 を 出 しました。 夜 や 週 末 に、 各 従 業 員 や 各 部 門 の 管 理 職 が 一 緒 に 飲 みに 行 く 費 用 を 出 して、 彼 らが 同 僚 たちと 一 緒 にバーや 喫 茶 店 などに 飲 みに 行 って 交 流 したりコミュニケーションしたりできるようにしました。 酒 が 入 るとみんな 何 でも 話 しますし、 上 下 関 係 もなくなって、 腹 立 ちや 恨 みが 解 消 されることもあります。私 は 本 来 日 本 のことがあまりわからなかったのですが、 日 本 に 来 てから 日 本 企 業 の 管 理 において、 我 々が 見 習 う 価 値のあることが 実 にたくさんあることがわかりました。 阿 里 巴 巴 も 今 日 のようになり、 中 国 の 企 業 も 今 日 のようになりました。ここにいらっしゃる 何 人 かの 企 業 家 の 皆 さんが 我 々の 会 社 にいらしたことがあるのを 覚 えています。 彼 らは、 阿 里 巴 巴 の 多 くの思 想 には、 西 欧 化 したところがあるとおっしゃいました。 確 かにそうでしょう。 我 々がこの 会 社 を 創 業 したとき、 我 々は、 阿 里巴 巴 は 中 国 人 が 始 めた 会 社 だが、 中 国 人 の 企 業 ではない、 阿 里 巴 巴 人 の 企 業 であり、それはグローバル 化 したものだと申 し 上 げました。 我 々のこの 企 業 は、 東 洋 の 知 恵 と 西 洋 の 経 営 と 全 世 界 の 大 市 場 を 持 つものです。 西 洋 の 経 営 が 必 要なら、あちこちに 出 かけていって、あれこれ 見 聞 しなければなりません。 指 導 者 として 重 要 なのはビジョンです。 彼 の 指 導力 、 彼 の 観 点 、 彼 の 抱 負 、 彼 の 実 力 だと 私 は 思 います。 万 巻 の 書 を 読 むより、 万 里 の 道 を 行 くべきです。たくさん 走 り 回 り、たくさん 見 なければなりません。私 がたいへん 深 く 感 じ 入 ったことがあります。3 年 か 4 年 前 、 私 の 会 社 は 1 日 にようやく 100 万 人 民 元 、つまり 10 万 米 ドル 稼 ぎました。1 日 の 営 業 額 が 10 万 ドルで、 私 はたいへん 得 意 になりました。 私 の 会 社 は 3 年 間 ずっと 1 日 100 万 元 稼 げると 感 じていました。その 最 も 得 意 だったとき、 日 本 にやってきました。そして 京 都 に 行 って、ある 日 本 の 企 業 家 と 交 流 したとき、 彼 はたいへん 意 義 深 いことを 教 えてくれました。 彼 はこう 言 ったのです。マーさん、 私 の 今 年 の 商 売 はよくない。 私 は、よくないんですかと 言 いながら、 心 の 中 で、 私 はうまくいっている、1 日 に 100 万 元 の 現 金 収 入 があるから、 当 然 うまくいっていると 思 っていました。そして、 彼 に 収 入 はどのぐらいですかと 聞 きました。 彼 は、 今 年 はよくなくて、たったの 200 億 だと 言いました。 私 が 単 位 を 聞 くと、200 億 米 ドルだと 言 うのです。 彼 は 200 億 米 ドルもうけて、うまくいっていないと 言 う。 一 方 私 は、1 日 に 100 万 人 民 元 もうけて、うまくいっていると 思 っている。これはたいへんな 違 いで、これが 観 点 というものです。だから、こういう 点 について、 私 のような 普 通 の 中 国 の 企 業 家 が 日 本 に 来 て、 多 くのことを 学 べるのだと 感 じるのです。ここにいらっしゃる 皆 さんも、もし 中 国 にいらっしゃれば、きっとたくさんのことが 学 べます。 日 本 に 来 て、 私 はたくさんのことを 学 び、 流 れを 重 視 するということを 知 りました。しかし、 流 れを 重 視 していると、 急 速 に 変 化 する 時 代 に 適 応 するのは 難 しいのです。なぜなら、 流 れや 細 部 にこだわると、 変 化 する 社 会 の 中 で 勝 つことが 難 しいからです。 我 々は、 日 本 企 業 が 日 本 の 中 ですでにこのような 生 活 に 適 応 していると 知 りましたが、もし 皆 さんが 中 国 に 行 ったら、 変 化 に 適 応 しなければならないのです。1 つ 面 白 いことがあります。 私 が 日 本 の 大 学 に 講 演 に 行 くと、 日 本 の 教 授 は、まず 私 に、 学 生 たちに 話 をするときに、 起業 を 勧 めて、 大 企 業 に 行 くなと 言 ってくださいとおっしゃいます。しかし、 中 国 で 講 演 に 行 くと、 北 京 大 学 や 清 華 大 学 の 教授 は、 馬 雲 さん、 学 生 に 起 業 をするな、 大 企 業 に 行 けと 言 ってくださいとおっしゃる。これは 大 きな 違 いですね。 中 国 では、誰 もが 起 業 を 考 え、 誰 もが 小 さくても 社 長 になろうとします。 中 国 では、「 鶏 の 頭 になるほうが、 牛 の 尾 になるよりよい( 鶏 口となるとも 牛 後 となるなかれ)」という 言 い 方 があって、 誰 もが 社 長 になりたがります。 自 分 が 社 長 になろうとすると、 流 れを重 視 してはいられないし、 伝 統 的 な 考 えに 従 ってはいられません。 中 国 には5000 年 の 文 化 と 歴 史 があるのはすばらしいのですが、 中 国 のビジネス 史 は 20 年 余 りしかありません。 中 国 に 確 固 としたビジネス 現 代 史 がないので、みなが 常 に 模 索 し、常 に 前 進 しています。 模 索 の 中 で 前 進 しているのです。みなさんご 存 知 のとおり、 我 々は 一 昨 年 、アメリカ、いや 全 世 界 で最 も 強 大 なネットワーク 企 業 である eBay と 競 争 を 開 始 し、 私 は 中 国 で C2C オークションを 行 う「 淘 宝 」ネットを 立 ち 上 げました。ヤフージャパンのようなものです。 当 時 競 争 の 過 程 で 私 がこの 会 社 を 作 ったころ、ウォール 街 やニューヨークへ 行 ったとき、 誰 もが 私 に、 気 でも 狂 ったのかと 言 いました。どうして 世 界 最 強 のネットワークと 競 争 できるっていうのだと。あちらは当 時 時 価 総 額 が 700 億 米 ドルで、こちらは 小 さな 会 社 でした。しかし 私 は、 中 国 で 競 争 すればあちらが 勝 つとは 限 らないと 思 いました。アメリカへ 出 かけていって 競 争 するのなら 負 けるかもしれませんが。そこで 私 は 言 いました。あちらは 大 海 の56


サメだが、こちらは 長 江 のワニだと。 私 のスピードが 速 く、 当 地 の 市 場 を 理 解 していたので、2 年 間 の 競 争 を 経 て、 我 々は大 成 功 しました。 我 々の 今 日 の 中 国 のオークション、 即 ち C2C オークション 市 場 では、すでに eBay を 19 倍 リードしています。 我 々は 今 日 、すでにアジア 最 大 のオークション 市 場 になっています。その 要 因 は 何 か? 我 々の 頭 がよかったからでもなく、 我 々が 努 力 したからでもなく、 我 々の 能 力 が 高 かったからでもありません。いわんや 我 々にお 金 があったからでは 絶対 にありません。アメリカのあのような 大 企 業 は、 中 国 に 来 てもアメリカの 成 功 モデルでそのまま 成 功 すると 思 っていたのです。 彼 らは、お 金 さえあれば、すべての 小 さな 敵 は 打 ち 負 かせると 思 っていましたし、MBA の 市 場 分 析 理 論 が 中 国 に 対 しても 有 用 だと 思 っていました。しかし、 私 はそうは 思 いませんでした。 私 は、いかなる 企 業 がどこに 行 った 場 合 でも、 例 えばある 企 業 が 日 本 でどんなに 大 きかったとしても、 恐 れずに、 自 分 が 強 大 だなどと 思 わずに、 中 国 に 行 ったら、 小 さなところから 始 めればいいのです。どの 企 業 も 新 しい 市 場 に 行 ったら 1 つの 起 業 であって、ゼロから 始 めるのです。みなさんが 中 国に 人 を 派 遣 する 場 合 、 私 は 1 つの 提 案 と 考 え 方 を 申 し 上 げたいと 思 います。 中 国 に 進 出 する 場 合 、 会 社 で 最 も 起 業 精 神のある、 最 も 変 化 に 適 応 できる 人 を 派 遣 して、 日 本 で 最 も 成 功 した 人 を 派 遣 しないことです。 日 本 で 最 も 成 功 した 人 が、中 国 では 適 応 できないことがあります。しかし、 日 本 では 往 々にしてあまり 成 功 しなかった 人 で、 常 に 変 化 に 適 応 し、 常 に挑 戦 を 好 む 人 を 中 国 に 派 遣 してください。 彼 らが 成 功 する 可 能 性 は 大 きいかもしれません。さきほどスパチャイ 博 士 がおっしゃったように、 中 国 は 盛 んに 発 展 する 市 場 です。ですから、 私 はみなさんが 中 国 に 行 って、チャンスをつかみ、たゆまぬ 努 力 を 続 けると 同 時 に、チャンスに 対 して NO と 言 えるようであってほしいと 願 っています。ありがとうございました。( 後 藤 ) マーさん、どうもありがとうございました。こういうプレゼンテーションを 伺 うと、 大 体 時 間 が 超 過 して、 最 後 に 質 問やコメントする 時 間 がなくなってくるのが 通 常 なのですが、 今 日 のお 二 方 は 大 変 謙 虚 なかたで、 時 間 内 にぴったり 収 めていただきました。どうもありがとうございました。さて、 今 お 二 方 のお 話 を 伺 いまして、 私 が 感 じたことが 幾 つかございます。まず、スパチャイさんのお 言 葉 の 中 で 非 常 に印 象 に 残 りましたのは、 恐 らく 皆 さんも 耳 に 残 ったと 思 いますが、 日 中 経 済 関 係 が、 東 アジア 共 同 体 の「てこ」の 支 点 になるという 指 摘 でした。まだ、 日 中 関 係 は 政 治 の 分 野 、 外 交 の 分 野 で 大 変 厳 しい 状 況 にあるというのは、 皆 さんのご 認 識 だと 思 います。そういう 中 で、 我 々はともすれば 日 中 経 済 関 係 、あるいは 日 中 ビジネスに 対 して、やや 懐 疑 的 、あるいは 将 来 の 不 安 を持 つわけですが、それを 単 に 日 中 間 だけにとどめるのではなくて、 東 アジアという 視 点 で、より 高 い、 鳥 の 視 点 のような 形で 俯 瞰 すると、これは 日 中 経 済 関 係 がしっかりしないと、 東 アジア 全 体 の 経 済 のピックアップ、 拡 大 がないのだと。 我 々がやはり 日 中 関 係 を、 東 アジア 共 同 体 の「てこ」の 支 点 だということで 認 識 していくことが 非 常 に 重 要 なのだなということを、改 めて 認 識 したと 思 います。その 中 で、 政 治 外 交 分 野 では、 非 常 にネガティブなことも 多 いわけですが、 日 中 関 係 が 実 は 非 常 に 発 展 しているというご 指 摘 、さまざまな 経 済 統 計 をスパチャイさんのほうから 頂 いて、 改 めて 確 認 できたと 思 います。 例 えば、 日 本 の 対 中 輸出 が 日 本 の 輸 出 全 体 に 占 める 比 率 が、 今 おっしゃったように、かつての 7%から 12%になり、いずれは 15%まで 拡 大 するだろうと。もちろん、 日 本 の 最 大 の 輸 出 先 はアメリカであるというのは、まだ 変 わりがありませんが、 中 国 の 存 在 が、ますます輸 出 先 としても 日 本 にとっては 大 きくなってくることは、もう 1 つ 考 えなければいけないということです。また、 日 中 経 済 関 係 、ビジネスというのも 単 にトレード、 貿 易 の 関 係 にとどまらず、 投 資 の 中 でも 生 産 拠 点 というだけでなく、R&D( 研 究 開 発 )の 拠 点 としての 対 中 投 資 が 拡 大 している。これは 数 年 前 から 指 摘 されているわけですが、 改 めてほかの 国 の 対 中 投 資 も 含 めて 考 えると、やはりこれからの 日 本 の 対 中 投 資 が 変 わっていかなければいけない。 逆 にいえば、従 来 の 生 産 拠 点 型 だけではなくて、 中 国 の 非 常 に 優 秀 な 人 材 を 活 用 できるようなR&Dに 我 々の 新 しいチャンスがあるのではないかと 感 じた 次 第 です。マーさんのほうからは、まさにそういう 視 点 から 見 ると、 中 国 の 中 小 企 業 に 目 をつけろというご 指 摘 は 大 変 貴 重 なアドバイスだと 思 いました。ともすれば、 我 々は 中 国 の 中 でも 大 きい 企 業 にまず 目 がいくわけですが、やはり 研 究 開 発 を 含 めて 新57


しいものを 手 掛 けている 人 たち、これはベンチャー 企 業 を 中 心 に 中 小 企 業 、 中 堅 企 業 が 多 いわけですが、そういうところに 大 胆 に 自 信 を 持 って 臨 んでいく、そこに 向 かっていくことが、 日 本 企 業 にとって 中 国 で 新 しいチャンスを 見 つけることになるのではないかと 思 いました。また、マーさんのほうから、 日 本 人 、こうやって 今 日 も 皆 さん、 一 所 懸 命 聞 いていらっしゃいましたが、メモを 一 所 懸 命 取るだけではなくて、アクションを 起 こせと。 検 討 中 では 何 も 生 まれないというお 言 葉 も、 耳 が 痛 いような、また 非 常 に 貴 重 なお 言 葉 だったと 思 います。最 後 にスパチャイさんが、 数 週 間 前 の「ロンドン・エコノミスト」の「 日 はまた 昇 る」という 日 本 特 集 のお 話 をしていただきました。これは 我 々 日 本 人 にとって 非 常 に 勇 気 づけられる 特 集 でありまして、 私 も 見 て、 改 めて 日 本 の 経 済 が 復 活 していると。 復 活 している 中 で、 改 めて 日 中 経 済 関 係 を 再 構 築 していく 段 階 に 来 ているのではないかと 思 っています。今 日 のお 二 方 の 講 演 が、 私 がコメントするまでもなく、 非 常 に 貴 重 なアドバイスだったと 思 いますので、これをお 持 ち 帰りいただいて、 明 日 からまた 新 しいアクションを 起 こしていただければと 思 います。残 りました 時 間 を 使 って、 少 しお 二 方 にご 質 問 をしてみたいと 思 います。 会 場 からご 質 問 を 取 る 準 備 がございませんので、 私 のほうから 皆 さんのご 関 心 を 代 表 して 質 問 させていただきたいと 思 います。まず、スパチャイさんにお 話 を 伺 いたいのは、 実 は 今 日 の 日 中 経 済 討 論 会 という 分 野 からは、やや 外 れるかもしれませんが、 恐 らく 皆 さんの 非 常 に 高 いご 関 心 があるのはドーハ・ラウンドの 進 展 だと 思 います。つい 先 日 まで、スパチャイさんはWTO の 事 務 局 長 として、ドーハ・ラウンドの 進 展 に 非 常 に 尽 力 されておられました。そういう 視 点 で、ドーハ・ラウンドが 来 年 ファイナライズしなければいけないといわれておりますが、どういう 見 通 しになっているのか、 率 直 なご 意 見 を 賜 りたいと 思 います。よろしくお 願 いします。(スパチャイ) ご 質 問 、 有 り 難 うございます。ドーハ・ラウンドができるだけ 早 く、おそらく 2006 年 中 に、 決 着 を 見 る 可 能 性 に関 して、 私 は 2 つの 点 を 指 摘 しておきたいと 思 います。 第 1 に、 参 加 各 国 が 数 値 目 標 を 設 定 して 協 議 を 進 めているのは今 回 が 初 めてだということです。ご 承 知 のように、 協 議 が 始 まってから 数 年 の 間 、 参 加 各 国 は 常 に 防 御 的 な 態 度 をとっていました。ポーカーをする 時 と 同 じように、 最 後 まで 手 持 ちのカードを 見 せようとしませんでした。 各 国 とも 手 持 ちのカードを見 せたがらないのは 分 かりますが、 私 はできるだけ 早 くカードを 見 せるように 説 得 し 続 けてきました。その 結 果 、 各 国 はカードをテーブルに 出 し 始 めました。 米 国 や EU やいくつかの 発 展 途 上 国 が、 関 税 引 き 下 げや 助 成 金 の 削 減 を、 数 字 を 挙 げて 提 案 し 始 めています。これはまだ 最 終 的 な 解 決 ではありません。 勿 論 、これらの 数 値 に 基 づいてこれから 更 に 交 渉 を 重ねて 相 互 の 溝 を 狭 めてゆかねばなりません。しかし 少 なくとも、12 月 に 行 われる 香 港 閣 僚 会 議 の 展 望 は 良 好 です。 懐 疑的 な 人 々もいますが、 滑 り 出 しは 好 調 であると、 私 は 思 います。2 番 目 に 指 摘 したいのは、 多 国 間 合 意 交 渉 における 米 国 大 統 領 の 権 限 が 2007 年 、 正 確 には 2007 年 の 7 月 、に 期 限切 れになるということです。 米 国 政 府 のいわゆる 大 統 領 貿 易 促 進 権 限 (TPA)が 2007 年 6 月 末 で 失 効 するのです。 次 の大 統 領 選 挙 の 直 前 の 2007 年 6 月 までにこれの 延 長 を 決 めることは 非 常 に 難 しいと 思 われます。 覚 えておいでのことと 思いますが、2 期 におよんだクリントン 大 統 領 の 任 期 中 に 大 統 領 は 一 度 も TPA を 獲 得 できませんでした。ブッシュ 大 統 領 はこれを 第 1 期 目 で 獲 得 しました。ドーハ 開 発 アジェンダにおける 交 渉 の 参 加 者 や 参 加 国 は、このことを 知 っています。もしもドーハ・ラウンドを TPA の 期 限 切 れ 以 前 に 終 結 できないとすれば、ラウンドは 永 久 に 終 結 できないことを 意 味 します。 成功 裏 の 閉 幕 は 不 可 能 でしょう。ですから、このことがジュネーブの 通 商 交 渉 者 たちとっては 緊 急 のプレッシャーとなっているのです。そして 皆 様 ご 存 知 のように 通 商 交 渉 者 たちは、プレッシャーがあると 行 動 をとろうとします。プレッシャーがなければ、 行 動 に 出 ずにただ 終 わるのを 待 つだけなのです。そういう 訳 で、これら 2 つの 兆 候 は、 香 港 では 人 々が、ラウンドの最 終 段 階 を 満 足 のできる 結 果 に 導 くために、なんらかの 充 分 な、または 適 切 な 働 きをする 可 能 性 があることを 示 唆 していると 思 われます。58


( 後 藤 ) ありがとうございました。 厳 しい 状 況 と 希 望 の、 両 方 が 見 えたような 気 がしました。次 に、マーさんに 少 しやや 微 妙 な 質 問 ですが、 先 ほどから 私 も 何 回 か 申 し 上 げましたが、 日 中 関 係 は 経 済 、 政 治 、 外交 分 野 では 非 常 に 難 しい 問 題 もあります。そういう 時 期 に、 日 本 企 業 として、これから 対 中 事 業 をどうしようかということは、恐 らく 多 くの 皆 様 が 悩 んでいらっしゃることで、 恐 らく 今 の 日 本 企 業 の 多 くのかたの 共 通 したスタンスは、Wait and See、 少し 待 って 模 様 眺 めをしよう、 展 開 がどうなるか 見 ようということだと 思 います。そういう Wait and See の 姿 勢 が 今 正 しいのか、あるいは 今 だからこそ 何 か 積 極 的 なアクションを 起 こすべきなのか。このあたりの 今 の 時 期 における 対 中 事 業 の 取 り 組 みについて、アドバイスを 頂 けないでしょうか。(マー) ありがとうございます。たいへんよいご 質 問 です。 中 国 と 日 本 の 両 国 の 間 の 歴 史 はたいへん 長 く、 我 々の 距 離 はとても 近 いのですが、 様 々な 原 因 で 両 国 の 間 は 互 いに 理 解 しあっていないと 思 います。 私 は 以 前 日 本 のことをほとんど 理解 していませんでしたが、この 討 論 会 や 沢 山 のフォーラムによって、 日 本 に 来 て 以 来 、 日 本 民 族 の 優 秀 さに 気 づき、 日 本の 企 業 経 営 の 過 程 における 戦 略 的 思 考 も 知 り、 感 慨 深 いものがあります。 考 えてみると、 私 が 2 回 目 に 日 本 で 交 流 を 行なったとき、 私 はそれ 以 前 に 日 本 を 理 解 していると 思 い 込 んでいましたが、 来 てみてから、ほとんど 理 解 していないことに気 づきました。だから、 私 は 国 内 で 多 くの 中 国 の 企 業 家 や 中 国 企 業 に、 日 本 に 来 て、いろいろ 見 たり 勉 強 したりするように勧 めています。 日 中 関 係 は 政 治 上 の 様 々な 原 因 によって 我 々の 心 配 の 種 になっていますが、 私 が 思 うに、 我 々は 一 つの企 業 として、まずは 政 治 のことを 言 うのはやめようと 思 います。まず 一 つの 普 通 の 企 業 として、 災 難 があるときはかえってそれはチャンスであって、 全 ての 危 機 は 危 機 の 中 でこそチャンスになるのです。どんな 場 合 も、コミュニケーションを 行 うには代 償 が 必 要 です。ですから 日 中 の 経 済 関 係 が 敏 感 なときには、もしこのチャンスをつかめば、 最 も 危 機 的 なときに、 危 機の 正 念 場 で、 事 柄 の 本 質 を 理 解 することができると 思 います。 私 が 思 うに、 多 くの 日 本 企 業 は、 日 中 関 係 が 複 雑 なときには、しばらくの 間 仕 事 をがんばって 続 ければよい。というのは 何 事 も 高 い 峰 を 過 ぎると 次 にはすぐ 低 い 峰 があるもので、またそれを 登 ればいいのです。 私 の 中 国 での 企 業 経 験 によれば、みながいいと 言 っているときはチャンスは 自 分 のものにはなりません。みながよくないと 言 っているときは、このときこそ 自 分 のチャンスかもしれません。 日 中 経 済 や 日 中 企 業 間 に 一 体何 が 起 こるかを 真 に 理 解 しなければなりません。 多 くの 場 合 、 問 題 が 生 じたときにはそれを 理 解 しなければならないというのが 私 の 考 えです。 問 題 があるときは、 双 方 にどんな 問 題 が 生 じているのかを 理 解 することができると 思 います。 私 が 申 し上 げたいのは、 中 国 は 法 治 国 家 であるということです。 日 中 関 係 が 複 雑 なときに 中 国 に 行 くと 混 乱 するとは 決 して 言 いません。 中 国 は 依 然 として 日 本 といい 関 係 を 築 いてビジネスをしたいのです。しかも 日 本 企 業 は 中 国 でたくさんのチャンスを 得 ています。 私 は 中 国 で 日 本 のたくさんの 友 人 を 持 ち、 感 動 しています。 私 の 同 僚 も 友 人 もみんな 感 動 し、 彼 らを 非 常に 尊 重 しています。 最 も 困 難 なときに、 彼 らはがんばって 仕 事 を 続 けており、これは 素 晴 らしいことです。このようにしてこそ、我 々は 共 に 前 進 することができるのです。最 後 に 一 言 申 し 上 げたいことがあります。 企 業 を 経 営 していて、 日 中 関 係 が 複 雑 であっても、 何 が 複 雑 であっても、 私はこの 最 も 困 難 なときにいつも 自 分 にこの 言 葉 を 言 って 励 ましています。「 今 日 が 辛 く、 明 日 がもっと 辛 く、それでも 明 後 日は 素 晴 らしい。でも、 多 くの 人 は 明 日 の 晩 死 んでしまって、 明 後 日 の 太 陽 が 見 られない。」 私 たちは 一 人 一 人 が 今 日 真 剣に 努 力 してこそ、 明 日 まで 生 き 延 びることができるし、 明 日 まで 生 き 延 びたからといって 明 後 日 の 太 陽 を 見 られるとは 限 らないのですが、 毎 日 このように 努 力 して、 毎 日 諦 めないでいればチャンスになるのです。ですから、 日 中 経 済 と 日 中 関 係が 複 雑 なときは、それは 複 雑 であっても、これらの 問 題 に 向 き 合 って 解 決 しなければなりません。ありがとうございました。( 後 藤 ) 大 変 明 快 で、 力 強 いアドバイスを 頂 いたと 思 います。次 の 質 問 を、またスパチャイさんにお 願 いしたいのですが、 中 国 と ASEAN、また 日 本 と ASEAN は、それぞれ FTA の交 渉 あるいは FTA の 具 体 化 を 今 進 めているわけです。 先 ほどのお 話 にありましたように、 東 アジア 全 体 で 日 中 関 係 をとらえた 場 合 に、この 中 国 -ASEAN、 日 本 -ASEAN の 2 つの FTA の 動 きを 連 結 させて、より 広 いものにくみ 上 げていくことが 必 要 かと 思 います。そういう 中 国 、ASEAN、 日 本 の FTA の 連 携 ・ 連 結 をどうしていけばいいのか、ご 意 見 を 賜 ればと 思59


います。(スパチャイ) これはとても 難 しい 質 問 です。まず、ASEAN 、 中 国 、 日 本 が 連 携 すればそれは 世 界 経 済 にとって 喜 ばしいことです。というのは、これからの 世 界 経 済 は 多 様 方 面 に 成 長 軸 を 持 つ 必 要 があるからです。これまでは、 我 々はあまりにも 数 少 ない 成 長 軸 に 極 端 に 依 存 してきました。 先 ほどの 私 の 講 演 で「new geography of trade」という 言 葉 を 使 って 説明 しましたように、これからの 世 界 の 通 商 システムにおいては 世 界 中 、それも 特 にアジアに、 色 々な 種 類 の 成 長 軸 が 出 来てそれらが 互 いにバランスをとり 合 ってゆくことになるでしょう。 従 って、 中 国 、 日 本 、ASEAN が 互 いに 手 を 結 ぶことは、 世界 経 済 にとって 歓 迎 すべきことです。これに 関 して 私 が 2 番 目 に 申 し 上 げたいことは、この 三 角 統 合 が 成 功 するためにはそれが 殆 ど 全 ての 通 商 分 野 をカバーするものでなければならない、ということです。WTO 規 約 の 第 24 条 は、 良 い 経 済 統 合 とは 参 加 各 国 の 通 商 の 相 当 な 部分 に 係 る 統 合 である、としています。 相 当 な 部 分 の 通 商 とはなんでしょうか?これは、 例 えば、 工 業 だけ、 農 業 だけ、またはサービス 産 業 だけというように 特 定 の 通 商 分 野 に 限 った 部 分 的 な 交 渉 、 合 意 をしてはならない、ということです。 相 当 なレベルの 通 商 統 合 をしなければならないのです。そういう 訳 で、ASEAN、 日 本 、 中 国 の 連 携 が 成 功 するためには、この 3者 が 全 ての 通 商 分 野 に 関 わらなければなりません。そうすることにより、それぞれが 利 害 関 係 を 持 つことができるからです。さもないと、 利 害 関 係 を 持 たない 国 々ができてしまいます。 日 本 は 農 業 分 野 で 不 利 になり、 中 国 は 製 造 分 野 で 有 利 に、ASEAN も 製 造 分 野 で 有 利 になり、 日 本 はサービス 産 業 の 分 野 で 有 利 になるでしょう。しかし、どの 国 も 農 業 で 多 少 の 譲歩 をしてバランスを 保 ち 完 全 な 統 合 を 図 らなければなりません。私 の 3 番 目 の 助 言 は、この 統 合 の 紛 争 解 決 のメカニズムを 決 めておくべきだ、ということです。この 種 の 地 域 統 合 を 実現 した 場 合 に 各 国 間 に 調 和 ばかりが 存 在 すると 考 えるのは 大 きな 間 違 いです。 複 数 の 国 々と 深 い 関 係 を 結 ぶときには、沢 山 のルールと 原 産 地 規 則 を 決 めておかねばなりません。 原 産 地 規 則 に 関 しては、 第 4 点 として 次 に 詳 しく 述 べますので、ここでは 紛 争 解 決 についてお 話 します。 訴 訟 に 持 ち 込 まずに 解 決 をするための 効 果 的 なシステムを 持 つ 必 要 があります。何 故 ならば、そのようなシステムを 持 つ 統 合 ならば 通 商 のコストを 抑 えることができるからです。 通 商 のコストの 1 つは 激 しい 競 争 とその 結 果 として 発 生 する 衝 突 です。ですから、どうぞ 訴 訟 を 避 け、 通 商 外 交 のようなものや、 相 談 や、 食 い 違 いを 融 和 させるための 協 議 を 行 う、などの 方 法 を 採 るように 努 めて 下 さい。最 後 に 第 4 点 として、 原 産 地 規 則 がたいへん 重 要 であるということを 挙 げておきましょう。 統 合 を 行 うときに、 人 々は 心 にある 種 の 疑 いを 抱 くことがあります。 統 合 の 成 果 の 展 望 に 疑 いを 持 つので、 原 産 地 規 則 を 非 常 に 制 約 的 に 適 用 し、そのことが 結 局 、 通 商 を 制 約 することになります。 原 産 地 規 則 は、 通 商 を 促 進 することにも 制 約 することにもなるのです。 原 産地 規 則 がオープンで 自 由 貿 易 志 向 なものであれば、 統 合 は 成 功 するでしょう。ASEAN と 中 国 と 日 本 には、 中 南 米 のメルコスール(MERCOSUR)や 北 米 の NAFTA のような 良 いお 手 本 があります。 原 産 地 規 則 は、 完 全 な 統 合 が 可 能 か 否 かの決 定 的 な 要 素 です。そして、 完 全 な 統 合 こそが、 統 合 による 好 結 果 を 生 み 出 すことができるのです。 有 り 難 うございました。( 後 藤 ) ありがとうございました。 質 問 をもう 1、2 したかったのですが、 時 間 になってしまいましたので、このセッションはこれで 終 了 させていただきたいと 思 います。ご 清 聴 ありがとうございました。( 司 会 ) スパチャイ・パニットチャパック 様 、アリババのジャック・マー 様 、モデレータの 後 藤 康 浩 様 、 大 変 ありがとうございました。 皆 様 、もう 一 度 盛 大 な 拍 手 をお 願 い 申 し 上 げます( 拍 手 )。これをもちまして、この 国 際 会 議 場 での「 日 中 経 済 討 論 会 2005」のプログラムを 終 了 させていただきます。どうも 皆 様 、ありがとうございました。60


日 中 经 济 研 讨 会 2005 顾 问 委 员 >[ 日 本 側 ] / [ 日 方 ]厳 浩 イーピーエス 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長武 田 裕 大 阪 大 学 医 学 部 付 属 病 院 医 療 情 報 部 教 授 ・ 部 長長 谷 川 恵 一大 林 剛 郎西 村 貞 一谷 野 作 太 郎矢 崎 和 彦学 校 法 人 エール 学 園 理 事 長株 式 会 社 大 林 組 代 表 取 締 役 会 長株 式 会 社 サクラクレパス 取 締 役 社 長株 式 会 社 東 芝 取 締 役 / 前 在 中 国 日 本 国 特 命 全 権 大 使株 式 会 社 フェリシモ 代 表 取 締 役 社 長黄 磷 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 教 授更 家 悠 介井 植 基 温大 橋 洋 治川 村 群 太 郎佐 藤 嘉 恭サラヤ 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長三 洋 電 機 株 式 会 社 相 談 役全 日 本 空 輸 株 式 会 社 代 表 取 締 役 会 長ダイキン 工 業 株 式 会 社 取 締 役 副 社 長 執 行 役 員東 京 電 力 株 式 会 社 顧 問呉 文 繍 日 本 アジア 証 券 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長少 德 敬 雄西 田 健 一山 﨑 養 世松 下 電 器 産 業 株 式 会 社 顧 問丸 紅 株 式 会 社 特 別 顧 問山 﨑 事 務 所 代 表61


日 中 经 济 研 讨 会 2005 顾 问 委 员 >[ 中 国 側 ] / [ 中 方 ]才 让 安 泰 科 技 股 份 有 限 公 司 总 裁 兼 副 董 事 长陈 小 洪国 务 院 发 展 研 究 中 心 企 业 研 究 所 所 长冯 仑 万 通 集 团 董 事 局 主 席顾 宁 珂蒋 晓 松聚 科 投 资 管 理 有 限 公 司 总 裁海 南 晓 奥 集 团 有 限 公 司 董 事 长李 东 三 菱 商 事 株 式 会 社 中 国 副 总 代 表李 东 生林 栋 梁刘 积 人TCL 集 团 股 份 有 限 公 司 董 事 长 兼 CEOIDG 技 术 创 业 投 资 基 金 合 伙 人东 软 集 团 有 限 公 司 董 事 长 兼 总 裁吕 杰 苏 州 中 科 时 代 电 子 技 术 开 发 股 份 有 限 公 司 董 事 长马 云 阿 里 巴 巴 ( 中 国 ) 网 络 技 术 有 限 公 司 CEO倪 健 中中 国 移 动 通 信 联 合 会 副 会 长 兼 秘 书 长王 石 万 科 企 业 股 份 有 限 公 司 董 事 长肖 梦 中 信 出 版 社 《 比 较 》 编 辑 室 执 行 主 编徐 行 俭雪 晓 通严 义 明尹 国 新サイタックス 株 式 会 社 代 表 取 締 役上 海 好 世 置 业 有 限 公 司 副 董 事 长上 海 市 锦 天 城 律 师 事 务 所 合 伙 人晨 风 集 团 董 事 长章 弘 《 卫 视 周 刊 》 杂 志 社 出 版 人张 跃 远 大 空 调 有 限 公 司 CEO祝 义 才江 苏 雨 润 食 品 产 业 集 团 有 限 公 司 董 事 长姜 鸿 中 国 中 信 集 团 公 司 专 员62

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