Beethoven-Brochure_japanisch_12pp_web_NEU

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新 たなる 規 範

ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 全 曲


楽 譜 が 道 路 地 図 ならば、ジョナサン・デル・マーによる 最 新 のベーレン

ライター 版 ベートーヴェン 作 品 は 最 も 分 かりやすく、 最 も 信 頼 できる 地

図 だろう。 演 奏 者 は 作 品 研 究 に 際 して、 作 曲 家 の 意 図 が 可 能 な 限 り 忠

実 に 伝 承 されているという 安 心 を 望 むものだ。 地 図 自 体 は 旅 ではない

が、それがなければ 想 像 力 は 働 かないし、 正 しい 方 角 も 分 からないし、

翼 を 拡 げて 羽 ばたくことなど 到 底 できない。 譜 面 台 にベーレンライター

版 があれば、 進 むべき 道 は 見 えてくるだろう。

スティーヴン・ハフ

2


ベートーヴェンの

ピアノ・ソナタ

ベートーヴェンは 新 しい 技 法 の 探 求 に 絶 え

間 なく 励 んでいた。そのことがとりわけ 顕 著

にうかがえるのがピアノ・ソナタである。かね

てよりバッハの「 平 均 律 クラヴィーア 曲 集 」

が 旧 約 聖 書 ならばベートーヴェンのピアノ・

ソナタは 新 約 聖 書 、と 評 されてきた。たしか

にベートーヴェンのソナタは 一 人 の 作 曲 家

から 産 み 出 された 器 楽 曲 としては 前 例 がな

い、 多 彩 で 味 わい 深 い 作 品 群 を 形 成 してい

る。 独 創 性 と 創 意 の 美 しさだけではなく、 形

式 と 性 格 の 多 様 性 は 特 筆 に 値 するだろう。

それはまるで、ベートーヴェンは 同 じジャン

ルで 可 能 な 限 り 異 なった 側 面 を 見 せなけれ

ばならないと 定 められていたかのようだ。 初

期 の「3つのソナタ」op. 2 からしてすでに

前 例 のないほど 壮 麗 で 広 がりを 持 った 作 品

だった。だが、19 世 紀 に 入 るとベートーヴェ

ンはピアノ・ソナタというジャンルに 更 なる

大 変 革 をもたらす。「2つのソナタ 」op. 27(

2 曲 目 は 有 名 な「 月 光 」)ではソナタと 幻 想

曲 の 垣 根 を 取 り 払 ってしまった。「 悲 愴 」、「ヴ

ァルトシュタイン」、「 熱 情 」には 全 く 独 創 的

な 形 式 が 見 られる。op. 101 以 降 の 後 期 ソナ

タは 未 知 の 世 界 への 展 望 を 切 り 開 く、 前 例

のない 芸 術 宣 言 と 言 えよう。

ミーシャ・ドナート

3


最 新 のベーレンライター

原 典 版 は 全 3 巻

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ

全 曲

原 典 版 校 訂 :ジョナサン・デル・マー

第 1 巻 :WoO 47 – Op. 14( 全 13 曲 )

BA 11841

第 2 巻 :Op. 22 – Op. 53( 全 11 曲 )

BA 11842

第 3 巻 :Op. 54 – Op. 111( 全 11 曲 )

BA 11843

特 別 価 格 の3 巻 セット

BA 11840

校 訂 報 告 書 (ソナタ 全 35 曲 の 校 訂 報 告

を 掲 載 )

BA 11840-40

2019 年 8 月 刊 行 予 定

Op. 54 in F / in F major

B / V III

4

INHALT / CONTENTS

B / V I

Preface . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . V

Vorwort . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . XIII

WoO 47 No. 1 in Es / in E-flat major








WoO 47 No. 2 in f / in F minor






2










WoO 47 No. 3 in D / in D major






25


Op. 2 No. 1 in f / in F minor




Op. 2 No. 2 in A / in A major











60




Op. 2 No. 3 in C / in C major





14



Op. 7 in Es / in E-flat major



138







152






42















85



210







Op. 10 No. 1 in c / in C minor




Op. 10 No. 2 in F / in F major





Op. 10 No. 3 in D / in D major





Op. 90 in e / in E minor


2



16

106








72




Op. 57 (»Appassionata«) in f / in F minor



Op. 78 in Fis / in F-sharp major








Op. 79 in G / in G major











48


Op. 81a (Das Lebewohl, »Les Adieux«)

in Es / in E-flat major







B / V II

Op. 111 in c / in C minor



© 2019 by Bärenreiter-Verlag Karl Vötterle GmbH & Co. KG, Kassel

Alle Rechte vorbehalten / All rights reserved / Printed in Germany

Vervielfältigungen jeglicher Art sind gesetzlich verboten.

Any unauthorized reproduction is prohibited by law.

ISMN 979-0-006-56737-9

60




89






Op. 101 in A / in A major



Op. 106 (»Hammerklavier«) in B / in B-flat major






Op. 22 in B / in B-flat major

Op. 31 No. 1 in G / in G major




79



188
















1








106


Op. 26 (»Trauermarsch« / »Funeral March«)

in As / in A-flat major

Op. 31 No. 2 (»Sturm« / »Tempest«)

in d / in D minor











26













133




Op. 27 No. 1 in Es / in E-flat major

Op. 31 No. 3 in Es / in E-flat major









44








156

Op. 27 No. 2 (»Mondschein« / »Moonlight«)

Op. 49 No. 1 in g / in G minor

in cis / in C-sharp minor







62


180




Op. 28 (»Pastorale«) in D / in D major

Op. 49 No. 2 in G / in G major




111


Op. 13 (Pathétique) in c / in C minor









Op. 14 No. 1 in E / in E major





166


190





Op. 109 in E / in E major







Op. 110 in As / in A-flat major





























217





198

177

127


cresc.

Andante con Variazioni

Andante con Variazioni

3


Ω

Ω

8


{












p

cresc.

p cresc.

cresc.

cresc.

sf

Ω

sf

3 8





7


Ω Ω Ω Ω

Ω


{











p cresc.

cresc. p

Ω Ω Ω Ω

sf

sf






Op. 22 IV – 23

T

特 徴

13

13


T



{




第 1 巻 にはジョナサン・デル・マーによる

cresc. Z

序 文 を 掲

cresc.


載 。ベートーヴェンの 特 徴 的 な 記 譜 、ペダル 指 示 、タ

p







f p

f イとスラー、 臨 時 記 号 、 装

º sf

sf

飾 音 、ディナーミク、ベート

sf

sf



ーヴェンが 使 用 した 楽 器 の 音 域 、 点 とくさびのスタ


º

21

21

ッカートといった 校 訂 上 の 問 題 や 運 指 について 解

説 しています。







各 巻 には 全 3 巻 全 曲 のインチピット( 冒 頭 譜 例 )







Ω Ω Ω Ω









{






cresc.

cresc.

p



cresc. sf p

cresc. sf p


cresc.

cresc.

Ω Ω Ω Ω




を 掲 載 。







O R






















26



28

28





例 :ページ 右 上 の 欄 外 見 出 し


{

Authentic sources / Authentische Quellen: A, E

BA 11804

BA 11804




À Son Altesse Monseigneur le Prince Charles de Lichnowsky

Son Altesse Monseigneur le Prince Charles de Lichnowsky

Grande Sonate


op.

op.

26

26

Ludwig van Beethoven

Ludwig van Beethoven

欄 外 見 出 し: 楽 譜 の 奇 数 ページ 右 上 に 作 品 番 号









Ω



と 楽







章 を 記 してあるので、 目 当 ての 曲 を 素 早 く 探 せ

cresc.

p

cresc.

sf

cresc.

ます。



各 曲 の 冒 頭 ページには 主 な 原 典 資 料 を 脚 注 として



sf

cresc.

p













º


º


© 2017 by Bärenreiter-Verlag, Kassel

2017 by Bärenreiter-Verlag, Kassel

示 してあります。

例 : 原 典 資 料 の 脚 注



5


私 がベートーヴェンのピア

ノ・ソナタ 校 訂 において 目

指 すところは 他 の 原 典 版 と

同 様 に、 作 曲 者 の 意 図 に 限 りなく 近 い 楽 譜

テクストを 提 示 することです。

というわけで、 私 の 作 業 はまず、 各 ソナタの 現 存 す

る 全 ての 原 典 資 料 の 所 在 を 突 き 止 め、それらの 相

互 関 係 ( 前 後 関 係 やベートーヴェンとの 関 わり)を

解 明 することです。 資 料 を 隅 々まで 徹 底 的 に 調 べ 上

げ、 全 ての 音 符 、 点 、スラーなどを 比 較 します。 数 多 く

のベートーヴェンの 手 稿 譜 を 調 査 すること、 当 時 の

音 楽 慣 習 に 関 する 知 識 、 論 理 的 で 現 実 に 即 した 音

楽 的 思 考 。これらが、 相 反 する 選 択 肢 を 前 にして 適

切 な 判 断 を 下 すために 必 要 な 前 提 条 件 です。


全 ての 原 典 資 料 を 調 査 する、というとかなり 単 純 な

作 業 に 聞 こえるかもしれません。しかし、 実 に 骨 の

折 れる 仕 事 です。 私 は13の 図 書 館 に 収 められた 約

100 点 の 資 料 を 評 価 しなければならなかったので

す。そのために 訪 れた13の 旅 先 には 海 外 もありまし

たし、 自 転 車 で 訪 れた 大 英 図 書 館 や 王 立 音 楽 大 学

図 書 館 も 含 まれています。

図 書 館 への 冒 険 旅 行 で 私 が 携 えたものは、

・3 本 の 懐 中 電 灯 (1 本 はもちろん、2 本 でもいざとい

う 時 には 足 りない!)

・ 高 倍 率 のルーペ

・ 上 等 なピンセット( 古 い 手 稿 譜 のもろいページを

めくるため)

・ 長 い 物 差 し( 手 稿 譜 のサイズを 測 るため)



・ 自 分 で 用 意 した 疑 問 点 リスト、” 私 の 原 典 版 ”と 校

訂 報 告 の 下 書 き、 五 線 紙 など


ジョナサン・

デル・マー

ベートーヴェン

ピアノ・ソナタの

校 訂 について 語 る

校 訂 報 告 はどのような 原 典 版 にも 不 可 欠 な 要 素 で

す。ここで 校 訂 者 は 資 料 、そしてさまざまな 解 釈 と 校

訂 上 の 判 断 の 根 拠 を 記 述 します。 私 のベートーヴェ

ン・ピアノ・ソナタでの 校 訂 報 告 は 他 のエディション

にはなかった 新 しい 要 素 を 加 えました。 校 訂 報 告 本

文 から 独 立 した” 付 録 ”がそれです。そこには 別 の 解

釈 が 可 能 な 箇 所 が 挙 げられており、どちらを 選 んで

も 妥 当 性 は 確 保 されていますので、 演 奏 者 は 好 みに

応 じてどちらかを 選 択 できます。 付 録 によって 演 奏

者 は


十 分 な 情 報 に 基 づいた 選 択 肢 を 素 早 く 把 握 す

ることができるでしょう。 特 に 私 が 目 指 したことは、

音 楽 学 上 の 正 確 さだけではなく、 音 楽 的 に 自 然 で、

現 実 的 であることです。 微 妙 で 注 意 を 要 するピアノ

音 楽 特 有 の 問 題 に 直 面 したときは、 私 はいつも 優 れ

たピアニストたちに 助 言 を 仰 ぎました。
















6





ジョナサン・デル・マーが 約 3 年 を 費 やした

ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 校 訂 版 がつ

いに 完 成 しました。

ベートーヴェンはチェルニーに 宛 てた

1816 年 2 月 12 日 付 の 手 紙 にこう 記 してい

ます:“ 許 してくれたまえ。 作 曲 家 というもの

は、 自 分 の 作 品 が 正 確 に、 書 かれたとおり

に 演 奏 されるのを 聴 きたがるものなのだ。”























ベートーヴェンがこの 校 訂 版 を 見 たなら

ば、きっと 喜 んでくれることでしょう。


ジョナサン・デル・マー

ベートーヴェンのスペシャリスト
















校 訂 者

ベートーヴェンとベーレンライター 版 は 世 界 的 に 賞

賛 された 全 交 響 曲 校 訂 版 (2000 年 )によって、 校 訂

者 ・ 音 楽 学 者 ジョナサン・デル・マーの 名 前 と 分 かち

がたく 結 びついています。

なぜベートーヴェンなのか?

私 の 音 楽 家 としてのキャリアは 指 揮 者 から 始 まりま

した。 指 揮 者 にとって 全 ての 出 発 点 はベートーヴェ

ンであり、ベートーヴェンの 交 響 曲 はオーケストラ・

レパートリーの 根 幹 です。というわけで、 必 然 的 に

私 の 研 究 はベートーヴェンの 交 響 曲 から 始 まりまし

た。しかし、20 年 を 交 響 曲 に 費 やした 後 、ベートー

ヴェンをより 深 く 理 解 するためには 対 象 を 拡 げるべ

きだと 気 付 きました。そこで


研 究 を 続 けたのが


協 奏

曲 、チェロとピアノのための 全 作 品 、 弦 楽 四 重 奏 曲 、

そしてピアニストの 演 目 の 中 心 であるピアノ・ソナタ

です。 交 響 曲 と 同 じ 手 法 をソナタにも 適 用 しました。

学 術 的 な 演 繹 法 、 丹 念 な 資 料 調 査 、そして 何 よりも

理 にかなった、 現 実 的 な 問 題 解 決 を 心 掛 けました。










14




ソナタ op. 27/1 のページ 見

本 ; 第 3 楽 章 第 142 小 節 での

新 解 釈 : 他 の 版 は“ 変 ハ 音 ”だ

が、 初 版 譜 どおりの“ハ 音 ”を

採 用 した。




























































…… 根 本 的 に 改 善 した 楽 譜 テクスト

と 校 訂 報 告 。 誰 がやったとしても 長

い 年 月 がかかるだろう。ジョナサン・

デル・マーは、 校 訂 の 最 終 段 階 まで

も 精 力 的 に 取 り 組 んで、 謙 虚 で 賢 明

な 姿 勢 で 多 くの 演 奏 家 や 学 者 に 助

言 を 乞 い、 細 部 の 隅 々までもおろそ

かにしない、そんな 類 まれな 学 者 だ。

その 成 果 である 校 訂 楽 譜 がすべて

を 物 語 っている

レスリー・ハワード





















































































7


ベートーヴェン・ピアノ・

ソナタの 単 品 楽 譜

3つのソナタ 変 ホ 長 調 、

ヘ 短 調 、ニ 長 調

WoO 47「 選 帝 侯 ソナタ」

BA 11801

3つのソナタ ヘ 短 調 、

イ 長 調 、ハ 長 調 op. 2

BA 10859

大 ソナタ 変 ホ 長 調 op. 7

BA 11802

3つのソナタ ハ 短 調 、

ヘ 長 調 、ニ 長 調 op. 10

BA 10857

大 ソナタ「 悲 愴 」ハ 短 調

op. 13

序 文 :ハルトムート・ハイン

演 奏 慣 習 解 説 :マリオ・アッ

シャウアー

BA 10851

2つのソナタ ホ 長 調

ト 長 調 op. 14/1, 2

BA 10855

大 ソナタ 変 ロ 長 調 op. 22

BA 11803

大 ソナタ 変 イ 長 調 op. 26

「 葬 送 」

BA 11804

Sonata quasi una Fantasia

幻 想 曲 風 ソナタ 変 ホ 長 調

op. 27/1

幻 想 曲 風 ソナタ 嬰 ハ 短 調

op. 27/2「 月 光 」

BA 10853

ソナタ ニ 長 調 op. 28

「 田 園 」

BA 11814

3つのソナタ ト 短 調 、

ニ 短 調 「テンペスト」、

変 ホ 長 調 op. 31

BA 11805

2つのソナタ ト 短 調 、

ト 長 調 op. 49

「やさしいソナタ」

BA 10858

大 ソナタ ハ 長 調 op. 53

「ヴァルトシュタイン」

BA 10856

ソナタ ヘ 長 調 op. 54

BA 11806

ソナタ ヘ 短 調 op. 57

「 熱 情 」

BA 10852

ソナタ 嬰 へ 長 調 op. 78

BA 11807

ソナタ ト 長 調 op.79

「やさしいソナタ」

BA 11815

ソナタ 変 ホ 長 調 op. 81a

「 告 別 」

BA 11808

ソナタ ホ 短 調 op. 90

BA 11809

ソナタ イ 長 調 op. 101

BA 11811

大 ソナタ 変 ロ 長 調 op. 106

「ハンマークラヴィーア」

BA 11810

ソナタ ホ 長 調 op. 109

BA 10854

ソナタ 変 イ 長 調 op. 110

BA 11812

ソナタ ハ 短 調 op. 111

BA 11813

ベーレンライター 原 典 版

のようなエディションは

貴 重 で、こうした 楽 譜 なら

ば 資 料 の 背 後 に 隠 された

作 曲 者 ―この 場 合 はベ

ートーヴェン―の 本 来 の

意 図 、その 核 心 部 分 に 直

接 、 触 れることが 可 能 だ。

これはもちろんかけがえ

のない 贈 り 物 だが、ほん

の 出 発 点 にすぎないこと

もまた 確 かだ。

イゴ ー ル・レヴィット

8


単 品 楽 譜 に 含 まれる 解 説

単 品 楽 譜 にはそれぞれにミーシャ・ドナートによる、その 作 品 の 成 立 と 受 容 、 大 まかな 分 析 を 含 ん

だ 序 文 が 掲 載 されています。

ジョナサン・デル・マーによる 前 書 きには、その 作 品 の 原 典 資 料 と 校 訂 上 の 問 題 点 が 説 明 されてい

ます。

ジョナサン・デル・マーとミーシャ・ドナートによる 演 奏 慣 習 の 項 では、“ 楽 器 と 音 域 ”、“ペダリング”、

” テ ン ポ “ 、” ディナ ーミク “ 、” ア ー ティキュレ ー ション “ 、” アク セ ント “ 、”トリルと そ の 他 の 装 飾 音 “ 、”リピ ー

ト”をはじめとするさまざまな 問 題 について 示 唆 に 富 んだ 解 説 が 掲 載 されています。

単 品 楽 譜 にはくわしい 校 訂 報 告 、 校 訂 上 の 問 題 点 を 分 かりやすく 示 したファクシミリ( 部 分 )、 原 典

資 料 の 記 述 が 掲 載 されています。

この 原 典 版 の 大 きな 特 徴 がAppendix( 付 録 ):この 版 では 採 用 しなかった 別 の 解 釈 のうち、 意 義 深

く、かつ 十 分 に 妥 当 性 が 認 められるものが 掲 載 されています。 付 録 を 参 照 することで、 演 奏 者 は 自

らの 好 みに 合 った 別 の 解 釈 を 選 択 することが 可 能 です。

PREFACE

GENESIS

INTRODUCTION

eethoven’s Sonata op. was issued in by the

iennese Kunst- und Industrie-Comptoir, with a titleage

describing it as LIVme / Sonate / composée pour

Pianoforte / et dédiée / à Monsieur le Comte François de

Brunsvik / par / Louis van Beethoven / Op.. Count

Brunsvik was the brother of Josephine Deym, who for

some time was identified with Beethoven’s “Immortal

Beloved”. The Count later also received the dedication

of Beethoven’s op. Fantasie.

Although Beethoven used the term ‘appassionato’

on occasion – we may think of the Largo appassionato

from the Sonata op. no. and the slow movement of

the ‘Hammerklavier’ Sonata op., with its subtitle

of Appassionato e con molto sentimento; or of the Adagio

affettuoso ed appassionato second movement of the

Quartet op. no., the Allegro appassionato finale of

the Quartet op. and the Allegro con brio ed appassionato

of the Sonata op. – it is not to be found in

the op. Sonata, and the nickname that has become

so inextricably attached to the work is not authentic.

It arose more than a decade after Beethoven’s death,

when the Hamburg publisher August Cranz issued a

complete series of the composer’s sonatas in arrangements

for piano duet. Op. bore a title-page boldly

proclaiming a “Sonata / Appassionata / Arrangée / pour

le / Pianoforte / à quatre mains / composée par / L. van

Beethoven.” To Beethoven’s former pupil Carl Czerny,

the label belittled the work’s stature: “In a new edition

of the great F minor Sonata op., which Beethoven

himself regarded as his greatest, this work was given

the subtitle of appassionata, for which it is in any case

far too splendid. This title would be far better suited

to the E flat Sonata op., which he wrote in a very

passionate mood.” 1

The op. sonata was composed between the summer

of and the early months of , during what

was one of the richest creative periods of Beethoven’s

life. He had recently completed the ‘Waldstein’ Sonata

op. and the F major Sonata op., as well as the Triple

Concerto op.. In addition, he was hard at work

on his opera Leonore, and was about to embark on the

‘Razumovsky’ quartets op. and the Fourth Piano

1. The system of pitch notation adopted simply indicates the

number of whole octaves higher than middle c (c 0 ). Ascending

in fifths, then, we have g 0 , d 1 , a 1 , e 2 ; descending,

f 1 , b 2 . Upper case (capital) letters are only used to denote

sources.

2. Notes are counted including tied notes (e.g. n.2 may be

tied to n.3), but excluding grace notes. In the case of a

chord at, say, n.3, the top note is n.3a, then n.3b, and so

on. If on the other hand the writing is more contrapuntal,

the entire upper line may be designated RH(a), the

lower RH(b).

1 Carl Czerny: “Anekdoten und Notizen über Beethoven”, Über

den richtigen Vortrag der Sämtlichen Beethoven’schen Klavierwerke, ed.

Paul Badura-Skoda (Vienna, ), p..

A

E

Sources

Autograph manuscript, housed in the Bibliothèque

nationale de France, Paris; probably

written in , though the composition was

essentially complete already by January .

First Edition (February ), published by the

Kunst- und Industrie-Comptoir, Vienna; subsequently

reprinted with corrections.

K Copy of the first printing of E, with five corrections

in Beethoven’s hand, housed in the Archiv

der Gesellschaft der Musikfreunde, Vienna.

For a full account of these sources, see Critical Commentary.

Concerto op., among other works. From a letter to

Breitkopf & Härtel of August , in which Beethoven

offered the publishers his oratorio Christus am

Ölberge, the Eroica Symphony, the Triple Concerto and

three piano sonatas (opp., and ), it would appear

that he had not yet begun work on the last of the

sonatas, and was even turning over in his mind the

possibility that it could be a chamber piece. Beethoven

refers to “three new solo sonatas”, and continues:

“should you wish to have one of these with accompaniment,

I would consider it – if you would like to

take these things now, you would have to be good

enough to indicate to me exactly the time you need to

produce them, since it is my greatest wish that at least

the three first works [i.e. the oratorio, the symphony

and the concerto] should appear as soon as possible.” 2

Work on the op. Sonata must have progressed

swiftly, because a reminiscence by Beethoven’s pupil

and early biographer Ferdinand Ries of how the work’s

finale, with its constant semiquaver ( th -note) motion,

came into being probably dates from the same summer

of : “During a similar walk when we lost

our way so badly that we only got back to Döbling,

where Beethoven was living, at eight o’clock, he had

hummed the entire way, or sometimes howled, to himself

– continually up and down, without singing any

definite notes. When I asked what this was, he said: ‘A

theme for the last Allegro of the sonata has occurred

to me’ (in F minor, opus ). When we entered the

room he rushed to the piano without taking off his

hat. I sat down in a corner, and he soon forgot about

me. Now he stormed on for at least an hour with the

new finale of this sonata, which is so beautiful as it

stands. Finally he got up, was surprised to see me

still there, and said, ‘I cannot give you a lesson today.

I have work to do.’” 3

In the end, Beethoven failed to reach a financial

agreement with Breitkopf & Härtel, and of the works

he had offered to them at this time they took only

Christus am Ölberge – which, however, did not appear

until .

E

C C

Specific Editorial Problems

Wherever possible, Beethoven’s own notation, clefs,

spelling of dynamic and tempo markings, note-groupings,

and layout have been retained. However, in a

few obvious cases the notation has been modernized:

Beethoven’s characteristic cres. marking has been

changed to cresc., and hairpins to the first note of a bar

œ

written instead of Beethoven’s usual œ .

Then both A and E often retain the old convention

whereby in a / movement, half-bar rests and notes,

and whole-bar notes, may be written , , respectively

(cf. the modern for a bar’s rest of any length);

these have obviously been changed to . , . and ..

Abbreviated forms such as . (in I) and (in II) occur

frequently in both sources; in slow music such as II /

the notes are clearly best written out in full. In I there

could have been a case for retaining the original abbreviations,

highly characteristic of Beethoven as they

are, but they have nevertheless (reluctantly, it must

be confessed) been eschewed on practical grounds.

Editorial insertions and emendations are distinguished

by the use of either square brackets or (in

the case of slurs) by broken type.

A

Autograph manuscript in oblong format, housed in the Bibliothèque

nationale de France, Paris (shelf mark Ms. 20). The

manuscript was bound in the 19th century and is kept in a

handsome set of three leather slip-cases. Onto the reverse of

the front cover is pasted a letter 20 lines long, written by René

Baillot (1813–89), detailing the provenance of the manuscript,

left to him by the pianist Marie Bigot to whom Beethoven presented

it in 1807. There are 22 folios, paginated 1–42 in a modern

hand (f. 22 is entirely blank and has no numbers); most pages

measure 22×30½cm, but p.5 extends to 31½cm and the last

3cm have been folded back (and the frayed margin repaired)

to fit. The heading Sonata – was doubtless followed as usual

by Beethoven’s signature, which was cut out at an early stage;

it has generally been assumed that some selfish autograph collector

was responsible, but the excision affected some notes

at the top of page 2, which were then filled in by Beethoven

himself. Clearly, therefore, the signature was cut out either by

Beethoven or with his approval. The manuscript suffered water

damage on Beethoven’s stormy return from Silesia in October

1806, and the margins of pp.29–44 were later replaced. It was

also chopped rather close by the binder, but with the loss only

of the top of one fermata (p.25, II 97), a slur (p.31, III 135/6),

and a tie (p.42, III 341/2). More seriously, an L-shaped portion

of pp.19–20 was cut out; here a souvenir-hunter does seem the

most likely culprit, for precisely the first 8 bars of II were excised.

On the recto were I 249–51 plus the last two notes of 254;

Dynamics

It is an occasional feature of Beethoven’s notation that

he treats the two hands of the piano as separate entities,

giving a dynamic marking to one or other, or

both. Where Beethoven appears to intend a dynamic

to apply to just one hand, we have reproduced this

precisely, as is of course crucial in respect of sf or sfp

markings. But it is sometimes harder to justify where

the same dynamic is given to both hands at precisely

2 Ludwig van Beethoven: Briefwechsel. Gesamtausgabe, ed. Sieghard

Brandenburg, vol. (Munich, ), pp.–.

3 Franz Gerhard Wegeler and Ferdinand Ries: Biographische Notizen

über Ludwig van Beethoven (Koblenz, ), p..

3. Vers.I indicates an original version, subsequently revised.

Vers.II may then signify either the final version, or an intermediate

one later altered to the final version (Vers.III).

4. LvB = in Beethoven’s handwriting.

5. 81–4 = 81 to (through) 84

81/4 = 81 and 84

Therefore: 95–6 = both 95 and 96

But: 95/6 = one marking (e.g. a slur) that starts in 95 and

finishes in 96.

III

S

the same point. It may assist clarity, for example in

I which starts with differentiated dynamics, so the

additional p dimin. below LH removes any lingering

doubt. In especially emphatic places such as I /

one would not wish in any way to detract from the

sheer degree of drama in Beethoven’s dynamics. But

where merely a general dynamic such as pp happens

to be placed in both staves, we can honestly judge

that this adds nothing even psychological to the music,

and reduce it to one simple marking between the

staves. All such instances are given in Appendix .

Punkte and Striche

Beethoven was said (cf. Nottebohm, Beethoveniana (),

pp. –) to be punctilious about the difference between

Punkte and Striche (dots and dashes), and Nottebohm

cites two essential pieces of evidence for this:

firstly (on pp. –) Beethoven’s copious corrections

to the first performance parts of the Allegretto of Symphony

No. , op. , viz: œ œ '

œ '

œ .

œ . (etc.), secondly a

letter of August to Karl Holz (Emily Anderson,

The Letters of Beethoven (), No.) in which

Beethoven gives the firm instruction that “ œ '

œ '

œ ' and

œ . œ . œ . are not identical”. But the whole point about

both these is that Beethoven’s requests are absolutely

consistent: his staccato signs should always be given

as Striche, unless they are beneath slurs, in which case

this is portato and they should of course be Punkte.

This principle is entirely without problem or necessity

for any exceptions, and we have adhered strictly to it.

Acknowledgements

The staffs of the Bibliothèque nationale de France and

the Archiv der Gesellschaft der Musikfreunde, Vienna

have been consistently willing and helpful, and I thank

them for their kindness and patience. I am grateful,

too, to all the various libraries which kindly supplied

copies of E for comparison. Then I have received advice

from many distinguished pianists, especially Paul

Badura-Skoda, Oliver Davies, Leslie Howard, Julian

Jacobson, Robert Levin, John Lill and Mitsuko Uchida,

and I thank them warmly for their valuable insights

which assisted greatly in the determination of the

most faithful, and at the same time plausible, text.

VI

The rules and conventions of notation provide only

a framework for a performance faithful to the composer’s

intentions. Every composer develops his own

personal language, which has to be learnt by the performer.

Each period of musical history also has its

own norms which at the time were universally understood

(hence not notated) but which now have to be

reconstructed, resulting in keen controversy – distinguished

artists often having diametrically opposed,

yet equally entrenched, opinions as to what the composer

must have intended. Musicologists sometimes

claim to have answers to the questions we would most

like to have resolved, triumphantly citing one treatise

or other, but often some evidence (usually internal, in

the music itself) crops up which then throws the alleged

rule into doubt. In such cases we can only draw

attention to the various issues, so that the interpreter

at least gives them some consideration before making

his own artistic decisions.

Instruments and range

To a certain extent, to perform a keyboard work by

Beethoven on a modern piano is to play a transcription

of music conceived for a very different type of instrument.

It was one whose touch was lighter, whose

attack was cleaner, and whose sustaining power was

considerably weaker, especially in the upper register.

The hammers were covered in leather rather than the

felt of modern instruments, and the frame was wooden,

not metal. In addition, the dip of the keys was shallower,

making such effects as the glissandi in octaves

in the coda of the ‘Waldstein’ Sonata, so problematic

to the performer on a modern piano, perfectly feasible.

During Beethoven’s lifetime the piano underwent

continual development, partly as a result of the demands

he placed on it, though he seems never to have

been entirely happy with the instruments he experienced.

One area of particular frustration with his earlier

pianos was their restricted -octave range, from

f to f 2 , that had been in use ever since the days of

Haydn and Mozart. While Mozart’s keyboard music

seldom imparts the impression that the range is a

compositional hindrance, that is by no means the case

with Beethoven, who is constantly straining against

the limitations, particularly at the upper end. It is

important for the player on a modern instrument to

realise that in Beethoven’s earlier piano works, the top

bizarrely, the missing music is roughly pasted in, with crass

inaccuracies.

The manuscript is written in Beethoven’s usual dark-brown

ink, with about 20 small emendations, mostly accidentals, in

Rötel (his famous red crayon). There are few deletions or alterations

in I and II, but more in III, especially from bar 141 on,

and on p.41 all the music was crossed out and the last 21 bars

rewritten completely. The piece is essentially in its final form;

A was used as the Stichvorlage for E, as is amply shown both

by the plate number of E (521) on the first page of A and by

pencil X markings throughout the score, made by the publisher

and corresponding to page-ends in E. Only a few material

revisions were made later (in the proofs of E, presumably); see

Appendix 3.

Three facsimiles of A exist. The first, published in 1927 by

l’Édition d’Art H. Piazza, Paris, did manage to add the Rötel

eparate process, but omitted some (I 4 RH n.2 , 29 LH

processsimile

in full colour was published by Laaber (but still lacking

the letter of provenance).

E

First Edition, published by the Kunst- und Industrie-Comptoir,

Vienna in February 1807 (Plate No. 521). E exists in two printings

(E1 and E2) of which the first is the scarcer; apart from K

(see below), copies of E1 are at the Beethoven-Haus, Bonn (shelf

mark J. van der Spek C op.57) and Gesellschaft der Musikfreunde,

Vienna. In addition, one copy (Ira F. Brilliant Center

for Beethoven Studies, San José, California) is mixed, with pp.2,

7, 10/8–20 = E1, pp.5–6, 11–2/5–6, 22–3 = E2 (pp.3–4 missing).

The corrections made in E2 are as follows:

I

4 RH, LH: n.2 slur to end of 6

23 RH: n.3

60 LH: dot to n.1b f 1 ; 2nd beat f 1 added, + tie from n.1b

92 RH: n.1–2 tie

93 LH n.1b

103 RH: n.2 to c (not d)

132 n.1

204 LH: n.3–4 tie

223 RH: n.1 a (not b)

228 LH (end of bar):

231 LH: ped.

II

60 RH: n.2

78 LH: n.2 16th beam

III

73 RH: n.4

76 RH: n.1

80 RH: n.1

127 LH(b): slur to 128 removed

145 RH: n.2 c (not b)

238 RH: n.2

284 RH: n.2 c (not d)

288 n.1 f

Jonathan Del Mar

However, an even greater quantity of mistakes (including wrong

notes, and many slurs and dynamics missing) remains in E2.

Several copies of E2 have been examined, all textually identical;

earlier ones (British Library, London e. 345. r) show less plate

sterreichische Nationalbibliothek,

IX

a) Places where the text in the sources has nevertheless been

retained:

I

43 RH: slur from n.2?

47 n.1 pp?

61–3, 200–1RH: n.12 sf?

181 n.2 sf?

183 RH: Vorschlag f?

II

54 RH: n.2 sf? n.3 f (not 55)?

74 LH: n.1–2 slur?

III

45–6, 237–8RH: n.4 up-stems should match?

48 n.1 p?

48–9 RH: without up-stems to c 1 ?

PERFORMANCE PRACTICE

note f 2 (which nowadays seems quite ordinary) was

sometimes a gesture of defiance, as for example in

op. no. IV –, op. IV –/–, and (especially)

Concerto No. op. I .

In Beethoven was presented with a ½-octave

Érard which extended to c 3 , and from then (op.) on,

the range of notes gradually increased, until in

he ordered the latest Graf – a much heavier, louder

and larger instrument which at last satisfied him with

its full range of ½ octaves, c –f 3 .

In the end, it is difficult not to feel that Beethoven

was writing not for a specific type of piano, but for

an idealised instrument of limitless possibilities. Besides

sonorities that are plainly conceived in orchestral

terms, the sonatas contain effects that cannot be

reproduced on any keyboard instrument – in particular,

the crescendo on a single sustained note, as in op.

II , op. no. II and op.a I –.

Pedalling

According to Czerny, Beethoven “made frequent use

of the pedals, much more frequent than is indicated

in his works”, 1 and we may assume that where he did

provide indications, the use of the pedals was not

either self-evident, or simply a matter of taste. His

earliest indications for the sustaining pedal occur in

six works published in –: the C major Concerto

op., the Quintet op., and the sonatas opp.–.

The use and release of the pedal was indicated by

the words senza sordino and con sordino respectively.

Though this was cumbersome, Beethoven was able to

be quite specific about the use – and non-use – of the

pedal in such moments as the start of the finale in

op. no.. Later, starting with the ‘Waldstein’ sonata,

he devised the simpler pedal notation which is in all

essentials still in use today.

Beethoven evidently relished the sound of overlapping

harmonies, and brought their effect into play on

several occasions. In the ‘Waldstein’ Sonata’s rondo

theme the pianist is instructed to keep the sustaining

pedal depressed not only through changes of harmony

from tonic to dominant, but also through alternations

of mode, from major to minor. Similar deliberate

blurring is found at the start of Concerto No. II and in

A

SUSPECTED ERRORS

The following is a listing of any significant places in op.57 where an error in the sources is at least suspected. All are discussed i

the Critical Commentary above.

1 Carl Czerny: “Anekdoten und Notizen über Beethoven”, Über

den richtigen Vortrag der sämtlichen Beethoven’schen Klavierwerke, ed.

Paul Badura-Skoda (Vienna, ), p..

b) Places where the text in the sources has been amended:

I

61 n.1 no p

123–4 RH(b): b 1 , d 2 longer

150 LH: n.7a b 2

175 LH: n.8, 10, 12b e 2

9


ジョナサン・デル・マー

ベートーヴェンの

手 稿 譜 解 読 について

語 る

ベートーヴェンってとても 汚 い 筆 跡

だね。こんなもの 読 める 人 がいる

の?” こうした 声 を 何 度 耳 にしたこ

とか。 歴 史 上 の 大 作 曲 家 でこれほどまで 頻 繁 に 手

跡 を 非 難 された 例 はないでしょう。

私 は 生 涯 をベートーヴェンの 手 稿 とともに 過 ごしてきました。

父 が 第 9 交 響 曲 の 大 きなファクシミリ 版 を 買 ってきたのは 私

が 子 供 のころで、 以 来 、 私 たちは 一 緒 にそれを 眺 めたものでし

た。 実 際 に、 私 は 手 稿 譜 に 惹 かれ、それを 読 み 取 って 解 読 する

ことに 喜 びを 感 じていました。 以 来 、 何 十 年 にもわたってベー

トーヴェンの 現 存 する 手 稿 譜 の 大 部 分 を 読 んでいるうちに、

彼 の 筆 跡 にとても 親 しみを 覚 えるようになったのです。ベート

ーヴェンの 手 稿 譜 にはいくつかの 特 徴 が 見 られます。 一 例 を

挙 げると、 汚 れている 部 分 はその 部 分 に 書 かれていた 何 かを

消 した 痕 跡 です。かすかな 汚 れの 場 合 も 多 いのですが、 私 は

長 年 の 経 験 から 見 分 けられるようになったのです。

ベートーヴェンは 実 際 のところ、 意 外 かもしれませんが、 間 違

いはめったに 起 こさず、 几 帳 面 で、 最 後 の 臨 時 記 号 、スタッカ

ートまで 慎 重 に 記 していました。ベートーヴェンの 手 稿 譜 は 創

造 的 なインスピレーションと 整 然 とした 組 織 化 が 同 時 に 見 ら

れる 奇 跡 の 現 場 です。そこには 彼 の 熱 しやすい 気 性 と、 出 版 譜

の 一 つの 誤 植 さえも 見 逃 さない 冷 静 な 緻 密 さが 同 時 にうかが

えるでしょう。 彼 は 出 版 社 に 細 部 にまでわたる 正 誤 表 を 送 り 付

けていました。 実 際 に、ベートーヴェンの 手 元 に 届 いた 出 版 譜

に 誤 りを 見 つけるや 否 や、 彼 は 激 高 したまま 出 版 社 に 一 筆 し

たためて、この 版 は 回 収 するか、さもなければ 一 冊 一 冊 に 訂 正

を 書 き 込 んで 販 売 するように 要 求 したものです。

ベートーヴェン、ソナタ ホ 長 調 op. 109 第 4

葉 の 表 側

(ワシントンDC、 米 国 議 会 図 書 館 Gertrude

Clarke Whittall Foundation Collection,

所 蔵 記 号 ML30.8b.B 4 op. 109 1 820 Case)

なぜ 私 が 図 書 館 に 行 って、 資 料 の 現 物 にあたるのかですっ

て? スキャンした 画 像 やコピーやマイクロフィルムで 研 究 す

ることなど、どうしてできるでしょうか? 調 査 がすべて 終 わっ

た 後 でも、 自 筆 譜 から 重 大 な 事 実 が 見 つかることがあります。

もし 校 訂 作 業 に 質 の 悪 いコピーを 使 っていると、 用 紙 の 繊 維 ・

混 入 物 や 製 本 の 綴 じ 穴 がスタッカートや、ときには 音 符 に 見

えたりして、 混 乱 を 招 くことがあります。 実 際 に、ソナタ op. 28

では 用 紙 の 穴 が 長 い 間 、 多 数 のエディションでスタッカートと

して 印 刷 されていました!

10


ジョナサン・デル・マーのベートーヴェン 作

品 校 訂 版 は 明 確 さにおいては 比 類 のない

エディションでしょう。 私 が 特 に 高 く 評 価 し

ている 点 を 挙 げると、 従 来 あまり(あるいは

まったく) 知 られていなかった 資 料 を 調 査

していること、そして、 校 訂 報 告 は 現 時 点 で

は 最 も 充 実 しているもので、 問 題 点 につい

てのくわしい 考 察 も 見 られる 点 です。 私 は、

この 新 しいベートーヴェン・ピアノ・ソナタ

校 訂 版 を 心 から 推 薦 します。

















































パウル・バドゥラ=スコダ

ベートーヴェン、ソ

ナタ ヘ 短 調 op. 57

「 熱 情 」

(パリ、フランス 国

立 図 書 館 、 所 蔵 記 号

Ms. 20)

34











































BA 10852 © 2014 by Bärenreiter-Verlag, Kassel

Autograph (A), page 1 (I 1–13), illustrating problems of slurring in the first few bars, and the clear absence of Vorschlag in bar 11. (Bibliothèque nationale de France, Par

11


ベートーヴェンは 信 頼 できるベーレンライター 版 で

ベーレンライター 原 典 版 は

どこが 特 別 なのか?

” 全 資 料 を 調 査 “ 学 術 的 手 法 により、 全 ての

調 査 可 能 な 原 典 資 料 を 調 査 し、それらを 正 し

く 評 価 しました

ベートーヴェンの 意 図 に 限 りなく 近 づいた 信

頼 できる 楽 譜 テクスト

演 奏 を 配 慮 した 最 適 な 楽 譜 レイアウト

ベーレンライター 原 典 版 の

素 晴 らしさをご 自 身 で

お 確 かめください

幻 想 曲 風 ソナタ 変 ホ 長 調 、 嬰 ハ 短 調

op. 27/1, 2

BA 11838-04

2 曲 のソナタ(2 曲 目 は「 月 光 」)に 解 説 全 文 が

付 いたお 試 し 版 です。

音 楽 の 流 れとページ 内 での 音 符 の 間 隔 、これ

らの 関 係 を 最 適 に 保 った 理 想 的 な 版 面

正 確 で 優 雅 な 版 面

最 適 なページめくり

校 訂 者 は 運 指 を 付 け 加 えていません

高 品 質 の 印 刷 、 用 紙 、 製 本

限 定 版

特 別 価 格

真 のベートーヴェンを 求 めて

ジョナサン・デル・マー、イゴール・レヴィット、ピエロ 四 重 奏

団 、サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニーが 出 演 す

る 動 画 をご 覧 いただけます。

ベーレンライター 原 典 版 取 扱 店

Bärenreiter-Verlag Karl Vötterle GmbH & Co. KG · Heinrich-Schütz-Allee 35–37 · 34131 Kassel · Germany · www.baerenreiter.com

info@baerenreiter.com · Printed in Germany · Errors excepted; delivery terms subject to change without notice · 1/1905/6,5 · SPA 542

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