ECHONET Lite SDK

ECHONET Lite SDK 

開発の手引き 

株式会社日新システムズ

目次 

第一章 ECHONET Lite SDK 

n 開発環境について 

n 開発環境のインストールと実行 

第二章 ECHONET Lite の基本 

n ECHONET Lite の通信について 

n ECHONETでよく使う名称 

n ECHONET機器の例 

第三章サンプルプログラム 

n サンプルプログラムについて 

n 実行構成について 

NISSIN SYSTEMS 

ECHONET Lite SDK

第一章 





n 開発環境について 

開発環境は、以下の通りです。 

■ホスト環境 

-‐ ホストOS Windows XP or 7 推奨 

-‐ 開発Pla


n 開発のインストールと実行 

 

インストールと実行の手順は、以下の通りです。 

① VMware Player のインストール 

② 仮想マシンのコピー 

③ 仮想マシンの起動 

④ Eclipse の起動 

⑤ サンプルプログラムのビルド 

インストールの詳細は、ECHONET Lite SDK ユーザーズマニュアル 

を参照してください。 



第二章 

ECHONET Lite の基本 




n ECHONET Lite の通信について 

 

コントローラ 

要求 

ローカルネットワーク 

通知 

UDP/IP ポート 3610 

ユニキャスト 

マルチキャスト 

通知 


応答 


ECHONET Lite のLAN通信は、UDP/IPのポート3610番 

を使用します。 

機器 

■ユニキャスト通信指定した相手に送信する通信方式(特定機器へ要求や応答) 

■マルチキャスト通信全員に送信する通信方式(機器検索、一斉通知) 

(マルチキャストアドレス IPv4: 224.0.23.0, IPv6: 

ff02::1)


n ECHONETでよく使う名称 

 



■機器オブジェクト (EOJ) 

機器の種別は、ECHONETオブジェクトとして番号が割り当てられて 

います。(電力センサーオブジェクト 0x22など) 

■インスタンス番号 

1つの機器に複数の機器オブジェクト存在する場合には、インスタ 

ンスという番号で管理されます。(0は全てのインスタンス対象) 

■ECHONETプロパティ (EPC) 

ECHONET オブジェクトが持つ属性(固有のデータ)が番号で割り当 

てられています。(動作状態 0x80 など) 

■ECHONET Liteサービス (ESV) 

ECHONET オブジェクトが持っている機能です。(Set, Get, Anno など)



 

■ 電力量センサー付コンセントタップ(4口)の例 

インスタンス番号 

1 

2 

3 

4 

電力センサー付 

コンセントタップ 

■機器オブジェクト(EOJ) 

電力量センサクラス(0x22) 

■インスタンス番号 

1~4 



■ECHONETプロパティ(EPC) 

動作状態、順次電力計測値、 

履歴情報など 

■ECHONETプロパティ(ESV) 

Set/Get/Anno



 

■ ECHONETのクラス構成 

ノードプロファイルクラス 

EOJ=0x0EF0 

インスタンス番号=1 

機器オブジェクトクラス 

EOJ=0x0022 



EOJ=0x0022 



EOJ=0x0022 



EOJ=0x0022 


ノードプロファイルスーパークラス 

ノードプロファイルクラス 

機器オブジェクトスーパークラス 

(機器オブジェクト共通形式) 


(機器固有形式の情報) 



異常発生状態 (EPC=0x88) 

メーカコード(EPC=0x8A) 

: 

動作状態 (EPC=0x80) 

Version 情報 (EPC=0x82) 

: 

動作状態 (EPC=0x80) 

設置場所 (EPC=0x81) 

: 

積算電力量計測値 (EPC=0xE0) 

瞬時電力量計測値 (EPC=0xE1) 

: 

ECHONET機器には、必ずノードプロファイルクラスが存在し、このノード 

プロファイルクラスのプロパティに問い合わせることによって搭載されている 

機器オブジェクトクラスやインスタンス数などの情報が取得できます。 

マルチキャスト通信を用いて、全機器のノードプロファイルに問い合わせる 

ことにより、ネットワーク上のECHONET機器の検索が可能となります。


n 機器オブジェクト番号(EOJ) 

0001 ガス漏れセンサ 

0002 防犯センサ 

0003 非常ボタン 

0004 救急用センサ 

0005 地震センサ 

0006 漏電センサ 

0007 人体検知センサ 

0008 来客センサ 

0009 呼び出しセンサ 

000A 結露センサ 

000B 空気汚染センサ 

000C 酸素センサ 

000D 照度センサ 

000E 音センサ 

000F 投函センサ 

0010 重荷センサ 

0011 温度センサ 

0012 湿度センサ 

0013 雨センサ 

0014 水位センサ 

0015 風呂水位センサ 

0016 風呂沸き上がりセンサ 

0017 水漏れセンサ 

0018 水あふれセンサ 

0019 火災センサ 

001A タバコ煙センサ 

001B CO2センサ 

001C ガスセンサ 

001D VOCセンサ 

001E 差圧センサ 

001F 風速センサ 

0020 臭いセンサ 

0021 炎センサ 

0022 電力量センサ 

0023 電流量センサ 

0024 昼光センサ 

0025 水流量センサ 

0026 微動センサ 

0029 開閉センサ 

002A 活動量センサ 

002B 人体位置センサ 

002C 雪センサ 

0130 家庭用エアコン 

0131 冷風機 

0132 扇風機 

0133 換気扇 

0134 空調換気扇 

0135 空気清浄器 

0136 冷風扇 

0137 サーキュレータ 

0138 除湿機 

0139 加湿器 

013A 天井扇 

013B 電気こたつ 

013C 電気あんか 

013D 電気毛布 

013E ストーブ 

013F パネルヒータ 

0140 電気カーペット 

0141 フロアヒータ 

0142 電気暖房器 

0143 ファンヒータ 

0144 充電器 

0145 業務用ﾊﾟｯｹｰｼﾞｴｱｺﾝ室内機 

0146 業務用ﾊﾟｯｹｰｼﾞｴｱｺﾝ室外機 

0147 業務用ﾊﾟｯｹｰｼﾞｴｱｺﾝ蓄熱ユニット 

0148 業務用ファンコイルユニット 

0149 業務用空調冷熱源(チラー) 

0150 業務用空調冷熱源(ボイラー) 

0151 業務用空調VAV 

0152 業務用空調ｴｱﾊﾝﾄﾞﾘﾝｸﾞﾕﾆｯﾄ 

0153 ユニットクーラー 

0154 業務用コンデンシングユニット 

0027 通過センサ 

0028 在床センサ 

0264 電動ガレージ 

0265 電動天窓 

0266 オーニング(日よけ) 

0267 散水器(庭用) 

0268 散水器(火災用) 

0269 噴水 

026A 瞬間湯沸器 

026B 電気温水器 

026C 太陽熱温水器 

026D 循環ポンプ 

026E 電気便座 

026F 電気錠 

0270 ガス元弁 

0271 ホームサウナ 

0272 瞬間式給湯器 

0273 浴室暖房乾燥機 

0274 ホームエレベータ 

0275 電動間仕切り 

0276 水平トランスファ 

0277 電動物干し 

0278 浄化槽 

0279 住宅用太陽光発電システム 

027A 冷温水熱源機 

027B 床暖房 

027C 燃料電池 

027D 蓄電池 

027E 電気自動車充放電システムクラス 


0280 電力量メータ 

0281 水流量メータ 

0282 ガスメータ 

0283 LPガスメータ 

0284 時計 

0285 自動ドア 

0260 電動ブラインド 

0261 電動シャッター 

0262 電動カーテン 

0263 電動雨戸 

0286 業務用エレベータ 

0287 分電盤メータリング 

0288 スマート電力量メータ 

0289 スマートガスメータ 

0290 一般照明 

0299 非常用照明 029D 設備照明 

02A0 ブザー 

03B0 コーヒーメーカ 

03B1 コーヒーミル 

03B2 電気ポット 

03B3 電気こんろ 

03B4 トースタ 

03B5 ジューサ・ミキサ 

03B6 フードプロセッサ 

03B7 冷凍冷蔵庫 

03B8 オーブンレンジ 

03B9 クッキングヒータ 

03BA オーブン 

03BB 炊飯器 

03BC 電子ジャー 

03BD 食器洗い機 

03BE 食器乾燥器 

03BF 電気もちつき機 

03C0 保湿機 


03C1 精米機 

03C2 自動製パン機 

03C3 スロークッカ 

03C4 電気漬物機 

03C5 洗濯機 

03C6 衣類乾燥機 

03C7 電気アイロン 

03C8 ズボンプレッサ 

03C9 ふとん乾燥機 

03CA 小物・くつ乾燥機 

03CB 電気掃除機 

03CC ディスポーザ 03CD 電気蚊取り機 

03CE 業務用ショーケース 

03CF 業務用冷蔵庫 

03D0 業務用ホットケース 

03D1 業務用フライヤー 

03D2 業務用電子レンジ 

03D3 洗濯乾燥機 

0401 体重計 

0402 体温計 0403 血圧計 

0404 血糖値計 

0405 体脂肪計 

05FC セキュア通信用共有鍵設定ノード 

05FD スイッチ(JEMA/HA対応) 

05FE 携帯端末 

05FF コントローラ 

0601 ディスプレー 

0602 テレビ


n 基本的な通信:機器の検索 

 

誰かいますか? 



エアコンです 


コントローラは一斉通知で機器を見つけることができま 

す。また機器は、起動時に自機器の情報を一斉通知しま 

すので、これによって見つけることも可能です。 

見つけた機器 

・照明 

・エアコン 

・テレビ 

: 

ESV Get 

EOJ 0x0EF0001 

EPC 0x88 … 

一般照明です 

ESV Get 

EOJ 0x0EF0001 

EPC 0x88 … 

機器(一般照明) 

ローカル 

ネットワーク 

ESV Get 

… 

ESV Get 

EOJ 0x0EF0001 

EPC 0x88 … 

機器(エアコン) 

テレビです 

機器(テレビ)


n 基本的な通信:プロパティの取得 

動作状態は? 




コントローラは、特定の機器に対してサービスを発行し 

て、プロパティ(機器固有のデータ)を取得することが 

できます。 


・照明 


・テレビ 

: 

ESV Get 

EOJ 0x060200 

EPC 0x80 

ローカル 


電源オフです 

ESV Get 

EPC 0x80 = 0x31 

機器(テレビ)


n 基本的な通信:プロパティの設定 

動作状態をON! 




コントローラは、特定の機器に対してサービスを発行し 

て、プロパティ(機器固有のデータ)を設定することが 

できます。 


・照明 


・テレビ 

: 

ESV Set 

EOJ 0x060200 

EPC 0x80 = 0x30 

ローカル 


ESV Set OK 

電源オン 

機器(テレビ)

第三章 



サンプルプログラム

サンプルプログラム 

n サンプルプログラムについて 

 

サンプルプログラムは、以下の通りです。 

① sample_device 機器シミュレータ 

② sample_search 機器の検索 

③ sample_get プロパティの取得 

④ sample_set プロパティの設定 

あらかじめ Eclipse でビルドをしておく必要があります。 




n 実行構成について 

 

サンプルプログラムの構成は、下記の通りです。 

①機器シミュレータ 

①機器シミュレータ 

(機器側) 

ローカルネットワーク 



②機器の検索 

③プロパティの取得 

④プロパティの設定 

(コントローラ側)


n 機器シミュレータ (sample_device) 

 

■機能 

・機器のシミュレータとして動作します。 

・全ての機器オブジェクトを持っています。 

・コントローラからの要求に応答します。 

■起動例(コマンドラインでの起動) 

% ./workspace/sample_device/Debug/sample_device 

※機器オブジェクトを指定した機器のみに変更する場合 

ソースコード:~/workspace/sample_device/config.c 

20行目 #define USE_ALL_DEVOBJ をコメントアウトします。 

(この時点で3つのインスタンスをもったエアコン機器なります) 

24行目 DEVOBJ_AIR_CONDITIONER_NUM を指定する機器の名称に変更します。 




n 機器の検索 (sample_search) 

 



■機能 

・コントローラとして機器オブジェクトを検索します。 

・検索のためマルチキャストパケットを送信します。 

・検索した機器のIPアドレスと機器オブジェクトを表示 

します。 

■起動例 (コマンドラインでの起動) 

% ./workspace/sample_search/Debug/sample_search


n プロパティの取得 (sample_get) 

 



■機能 

・コントローラとして機器からデータを取得します。 

・取得のためにユニキャストパケットを送信します。 

・機器から取得したプロパティデータを表示します。 


% ./ workspace/sample_get/Debug/sample_get -‐-‐addr=192.168.173.1 

-‐-‐eoj=0x0ef001 -‐r=0x80 

IPアドレス「192.168.173.1」の機器から、機器オブジェクト「ノードプロファイル(0x0ef0)」、 

インスタンス番号「0x01」、プロパティ「動作状態(0x80)」を取得します。 

※引数で指定するEOJ番号の下2桁がインスタンス番号になります。


n プロパティの設定 (sample_set) 

 



■機能 

・コントローラとして機器のデータを設定します。 

・設定のためにユニキャストパケットを送信します。 


% ./ workspace/sample_set/Debug/sample_set -‐-‐addr=192.168.173.1 

-‐-‐eoj=0x0ef001 -‐w=0x80 0x30 

IPアドレス「192.168.173.1」の機器に対し、機器オブジェクト「ノードプロファイル(0x0ef0)」、 

インスタンス番号「0x01」、プロパティ「動作状態(0x80)」を「ON(0x30)」に設定します。 

※引数で指定するEOJ番号の下2桁がインスタンス番号になります。


n サンプルプログラムを使用した課題 

 

■課題 

機器の検索 (sample_search) を使用して、あらか 

じめ起動されている機器シミュレータを検索して 

みましょう。 

■手順 

・sample_search を起動します。 

・検索結果を確認します。 



検索した結果より、機器のIPアドレスをメモします。(この後の課題で使用します)



 



■課題 

機器の取得 (sample_get) を使用して、先ほど検索 

した機器シミュレータからプロパティのデータを取 

得してみましょう。 

■手順 

・sample_get を引数を指定して起動します。 

(サンプルプログラム:プロパティの取得を参照) 

・取得したデータの値を確認します。



 



■課題 

機器の設定 (sample_set) を使用して、先ほど検索 

した機器シミュレータにプロパティのデータを設定 

してみましょう。 

■手順 

・sample_set を引数を指定して起動します。 

(サンプルプログラム:プロパティの設定を参照) 

・正常に終了(エラーメッセージ無し)を確認します。 

余裕があれば、sample_get を実行して、設定された値を確認してみましょう。 

ただし、多くの機器が一斉に設定を行った場合、最後に設定した値が有効になります。



 



■課題 

2グループに分かれて、一方のグループは機器シミュ 

レータのソースコードを編集して複数起動し、もう 

一方のグループは複数の機器を検索してみましょう。 

■手順 

グループ1 

・sample_device をエアコンのみの機器に編集します。 

・sample_device を起動します。 

グループ2 

・sample_search を起動します。 

・複数のエアコンを検出できるか確認します。

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