超新星残骸3C397のX線スペクトル 解析

超 新 星 残 骸 3C397のX 線 スペクトル
解 析
P6X 線 解 析 班
菅 原 隆 介

天 体 の 概 要 ・ 過 去 の 研 究
• 地 球 から 約 6.4~12.8Kpc
• 爆 発 から 約 5300 年
• 大 きさ7×13pc@10kpc
• 引 き 延 ばされ 二 つに 分 かれ
ているような 形 状
• 中 性 子 星 は 未 確 認
Chandra 衛 星 によるX 線 イメージ 等 高 線 はROSAT HRI

Chandra X 線 スペクトル
• 低 温 の 電 離 平 衡 プラズマと 高 温
の 電 離 非 平 衡 プラズマで 再 現
• 過 去 の 研 究 では 高 エネルギー 部
分 のフィットが 合 っていない
⇒ 高 温 成 分 や 非 熱 的 放 射 の 可 能
性
すざく 衛 星 は 高 エネルギー 部 分
の 感 度 が 良 いので 詳 細 な 解 析 が
可 能
Chandra 衛 星 によるスペクトル
(Safi-Harb et al. 2005)

スペクトル
観 測 期 間 2010-10-24~2010-10-26
観 測 時 間 69ks
解 析 にHeasoft6.11を 使 用
3C397では 初 めてCr、
Mn、Niを 検 出
Cr
Fe
Ni
Mn
すざくXISイメージ(0.2-12keV)
すざく 衛 星 によるスペクトル

フィッティング
Model: 星 間 吸 収 *(NEI+gauss+gauss+gauss)
kT~1.8 keV 、τ~1.2e+11 s/cm^3は
過 去 の 研 究 データの 東 側 に 近 い
値
energy(kev)
高 いFeとNiのアバンダンスを 確 認
⇒CrとMnも 多 量 に 存 在 する 可 能 性
有 り
本 発 表 論 文 東 論 文 西
kT (keV) 1.84(1.70-1.95) 1.6(1.5-2.2) 1.4(1.3-1.6)
τ (s/cm³) 1.20(1.08-1.33)e+11 1.4(1.0-2.0)e+11 2.7(1.9-4.0)e+11
Fe (solar) 15(13-17) 12(9-14) 15(12-20)
Ni (solar) 56(33-85)

Cr、Mnアバンダンス
3
• KT=1.8keV ,τ=1.2e+11 でのNEIモデルか
ら 一 原 子 あたりEmissivityと 原 子 番 号 の
グラフを 作 成 。(Cr24,Mn25)
• Cr、Mnもこの 直 線 上 に 乗 ると 仮 定
• アバンダンス
∝ 輝 線 強 度 /(Emissivity* 存 在 量 )
より、Feとの 相 対 アバンダンスがわかる
emissivity (log)
2.6
2.2
1.8
1.4
1
15 20 25 30
原 子 番 号

各 元 素 アバンダンス
元
素
本 発 表 論 文 東 論 文 西
Mg 0.1(

まとめ
• Cr、Mn、Ni 輝 線 の 発 見
• 非 常 に 高 い 重 金 属 アバンダンスを 測 定 できた
⇒ 高 温 成 分 はejecta 由 来

今 後 の 課 題
• 高 温 部 分 に 各 元 素 のKβやKγが 混 じっているため、 実 際 の 電 子
温 度 はもう 少 し 低 い 可 能 性
⇒ 実 際 の 電 子 温 度 はいくらか?
各 ラインはどの 元 素 のどの 放 射 に 対 応 するか?
• Fe 輝 線 周 辺 に 残 差
…モデルの 不 足 ?
… 二 成 分 プラズマ?
…ドップラー 効 果 ?