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マトリックスコンバータにおける 同期 PWM 制御への ... - 長岡技術科学大学

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<strong>マトリックスコンバータにおける</strong>同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 への 移 行 制 御真 木 康 次 * , 伊 東 淳浐 一 ( 長 岡 技 術 科 学 大 学 )A Transfer Control Strategy to Synchronous <strong>PWM</strong> Control for a Matrix ConverterKoji Maki, Jun-ichi Itoh (Nagaoka University of Technology)1. はじめに近 年 , 大 形 のエネルギーバッファを 必 要 とせず, 交 流泴 電源 から 任 意 の 電 圧 及 び 周 波沿 数 の 交 流泴 に 直 接 変 換 するマトリックスコンバータ( 以 下 ,MC)が 注泃 目 を 浴洉 び, 盛 んに 研 究 が行 われている (1)(2) 。著 者 らは,インバータの 1 パルス 運 転 にあたる MC の <strong>同期</strong> <strong>PWM</strong> 制 御 を 提 案 しており, 電 圧 利 用 率 0.955 を 達 成 している (3) 。また, 提 案 制 御 は 低 スイッチング 回 数 で 入 力 電 流泴 を正 弦 波沿 化 できる。しかし, 提 案 制 御 は 出 力 電 圧 振 幅 が 一 定であるため, 電 圧 利 用 率 0.866 の 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 からの 切り 替 え 時 に, 出 力 電 圧 振 幅 が 急 変 する。この 問 題 は, 非 <strong>同期</strong> <strong>PWM</strong> 制 御 と 提 案 制 御 の 間 で 出 力 電 圧 振 幅 が 制 御 できる移 行 制 御 によって 解 決 されているが (4) , 実 機 実 験 による 検 証は 行 われていない。本 論 文 では, 移 行 制 御 を 用 いた 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 から 提案 制 御 への 切 り 替 えを 実 機 検 証 する。 移 行 制 御 により, 出力 電 圧 振 幅 の 急 変 なく, 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 から 提 案 制 御 への 切 り 替 えられていることを 確 認 したので, 報 告 する。2. 制 御 方 法 提 案 制 御図 1 に MC の 回 路 構 成 を 示 す。MC は 9 つの 双 方 向 スイッチで 構 成 され, 各 入 出 力 はマトリックス 状 に 接 続 される。図 2 に 提 案 制 御 の <strong>PWM</strong> パターンを 示 す。 提 案 制 御 は MCを 3 レベルインバータとして 捉 えており,s max ,s mid ,s min はそれぞれ 入 力 の 最 大 相 , 中 間 相 , 最 小 相 に 接 続 されているスイッチの <strong>PWM</strong> パターンを 示 している。 他 相 の <strong>PWM</strong> パターンは±2π/3 位 相 をずらすことで 得 られる。αは 中 間 相 の 出力 期 間 を,βは 最 大 相 ・ 最 小 相 の 出 力 期 間 を 調 整 する 制 御 変数 である。この 2 つの 制 御 変 数 は 以 下 の 条 件 より 決 定 され,式 (1)(2)より 求 められる。 式 中 の v max ,v mid ,v min はそれぞれ最 大 相 , 中 間 相 , 最 小 相 の 電 圧 である。なお, 入 力 周 波沿 数は 出 力 周 波沿 数 より 十 分 低 く,<strong>PWM</strong> パターン 1 周 期 中 の 入 力電 圧 は 一 定 とみなせ,さらに 出 力 電 流泴 は 理 想 的 な 正 弦 波沿 と仮 定 する。1 出 力 線 間 電 圧 における 1/4 周 期 毎 の 電 圧 時 間 積 の 絶 対値 が 等 しい(ビートレス 制 御 )2 出 力 電 流泴 の 1 周 期 ・1 相 分 を 入 力 電 圧 の 比 率 に 合 わせて 入 力 電 流泴 に 分 配 する( 入 力 電 流泴 制 御 )α = π 6(1)−1β = tan v midv − v ⋅ tanα(2){ ( ) }maxmin本 方 式 はα=π/6 でしか 成 立 しないことから, 提 案 制 御 の 電 圧利 用 率 は 0.955, 出 力 電 圧 の 振 幅 は 一 定 である。 移 行 制 御図 3 に 移 行 制 御 の <strong>PWM</strong> パターンと 出 力 線 間 電 圧 波沿 形 を示 す。 移 行 制 御 は 提 案 制 御 を 基 本 としており, 提 案 制 御 の最 大 相 ・ 最 小 相 の 出 力 期 間 に 中 間 相 を 出 力 することで, 出力 電 圧 の 制 御 を 行 う。 出 力 線 間 電 圧 波沿 形 の 灰 色 の 領 域 は,移 行 制 御 では 出 力 しない 電 圧 を 示 している。 図 中 の 制 御 変数 αとβは 提 案 制 御 と 同 様 に 式 (1)(2)より 求 められる。y 1 と y 2は 移 行 制 御 用 の 制 御 変 数 であり, 以 下 の 条 件 より 決 定 され,式 (3)(4)より 求 められる。Input filter図 1 マトリックスコンバータFig. 1. Matrix converter.v mid > 01s max01s mid01s min0Output phase voltage0 fundamental wave2図 2 提 案 制 御 の <strong>PWM</strong> パターンFig. 2. <strong>PWM</strong> pattern of the proposed control.


3 出 力 電 圧 の 基 本 波沿 成 分 を 制 御 ( 出 力 電 圧 振 幅 制 御 )4 中 間 相 の 出 力 期 間 の 増 加 に 伴 う 入 力 電 流泴 の 変 化 分 を再 調 整 ( 入 力 電 流泴 制 御 )π ⎛ 3* ⎞y1= ⎜ Vin−Vout⎟{( vmax− vmid)2 3 ⎝ π ⎠(3)y−−( v − v )( v v )} 1mid min2−y1⋅ vminvmaxminmax= (4)3. 実 験 結 果 及 び 考 察図 4 に 各 実 験 結 果 を 示 す。 入 力 電 圧 3 相 200 V, 入 力 フィルタカットオフ 周 波沿 数 1 kHz,ダンピング 係 数 0.2, 負 荷条 件 12.6 Ω,1 mH(49%)とし, 入 力 と 負 荷 の 実 験 条 件 は 全て 共 通 である。(a)は 移 行 制 御 期 間 中 の 動 作 波沿 形 であり, 出力 周 波沿 数 987Hz, 出 力 電 圧 180 V を 出 力 した。(b)は 非 同 期<strong>PWM</strong> 制 御 から 提 案 制 御 への 切 り 替 え 部 分 の 波沿 形 である。 定格 周 波沿 数 1432 Hz, 定 格 出 力 電 圧 191 V とし,0.5 p.u.から1.0 p.u.に 加 速 後 ,0.5 p.u.に 減浦 速 した 入 出 力 波沿 形 を 表 している。(c)は 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 から 移 行 制 御 への 切 り 替 え 時 の波沿 形 であり,(b)における 区 間 A の 波沿 形 である。(a)より, 図 3 の 出 力 電 圧 と 同 等 の 波沿 形 が 得 られていることから, 移 行 制 御 の 正 常 な 動 作 が 確 認 できる。 出 力 電 流泴 は,非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 と 比 べて 多 くの 高 調 波沿 を 含 んでいるが,ほぼ 正 弦 波沿 状 に 制 御 されている。(b)より, 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 , 移 行 制 御 , 提 案 制 御 のどの制 御 においても, 入 力 電 流泴 が 正 弦 波沿 に 制 御 されており, 円滑 な 制 御 の 切 り 替 えが 行 われていることから 移 行 制 御 の 有効 性 が 確 認 できる。なお, 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 から 移 行 制 御への 切 り 替 わり 時 に, 入 出 力 の 電 流泴 が 若 干 増 加 している。この 原 因 は, 移 行 制 御 にともなって 徐 々に 基 本 波沿 成 分 が 増加 するためであり, 入 力 電 流泴 の 増 加 は, 出 力 の 有 効 電 力 の増 加 に 起 因 する。(c)より, 制 御 の 切 り 替 わりにおける 入 力 電 流泴 に 急 峻 な 変化 が 見 られないことから, 良 好 な 制 御 の 切 り 替 えが 確 認 できる。また, 出 力 電 流泴 においても, 急 峻 な 電 流泴 振 幅 の 変 化及 び 位 相 のずれなく 制 御 できており, 移 行 制 御 の 有 効 性 が確 認 できる。4. まとめ本 論 文 では, 非 同 期 <strong>PWM</strong> 制 御 から 出 力 振 幅 の 急 変 なしに 提 案 制 御 へ 切 り 替 える 移 行 制 御 を 提 案 し, 実 機 実 験 により 有 効 性 を 確 認 した。 今 後 は 提 案 制 御 及 び 移 行 制 御 の 出 力電 流泴 に 現 れる 低 周 波沿 ビート 成 分 の 理 論 解 析 と 実 験 による 検証 を 行 っていく 予 定 である。図 3 移 行 制 御 の <strong>PWM</strong> パターンFig. 3. <strong>PWM</strong> pattern of the transfer control.(a) Operation waveforms with the transfer control.(b) Operation waveforms from an asynchronous <strong>PWM</strong> controlto the proposed control.Input voltage250[V/div]Input current10[A/div]00Output voltage250[V/div] 0Output current10[A/div] 0Asynchronous <strong>PWM</strong> controlTransfer control文 献(1) 玉 井 他 : 電 学 論 D,Vol. 127,No. 8 pp. 858-856,2007(2) 伊 東 他 : 電 気 学 会 D 部 門 大 会 ,1-46,I pp. 303-308,2004(3) 真 木 他 : 電 気 学 会 D 部 門 大 会 ,1-35,I pp. 209-212,2008(4) Itoh and Maki: ECCE 2009, P8-3 P2903, pp. 3049-3056Time scale 400[ sec/div](c) Operation waveforms from an asynchronous <strong>PWM</strong> controlto the proposed control.図 4 実 験 結 果Fig. 4. Experimental results.

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