Views
3 years ago

ジャガーマガジン – 第8号

  • Text
  • Manet
  • Clare
  • Louboutin
  • Roset
  • Gibson
  • Cedar
  • Rama
  • Heritage
  • Communications
  • Jaguar
最新号では、ブラジルの優美なマーシャルアーツ「カポエイラ」を深く掘り下げました。さらに、新旧カルチャーの融合に挑むアイルランドのアーティストや、ビクトリアン様式の壁紙からiPhoneへとつながるデザインストーリーにも興味をお持ちいただけるでしょう。その他、俳優兼パフォーマーとして活躍する、リズ・アーメッドの素顔に迫ります。

トレンド

トレンド ザ・ゲーム・ オブ・ザ・ ネーム さまざ ま な 製 品 に 、ど の ように して 名 前 が 付 けられたか 不 思 議 に 思 ったことはありませんか? 命 名 法 の 理 論 と 実 践 について 探 ります 文 : Luke Ponsford イラスト: Ulla Puggaard 「シンプルな 単 語 ひとつの 名 前 を 見 つけるのは 今 や 至 難 の 業 です」 世 の 中 にはブランド 名 や 製 品 名 が 溢 れ かえり、 大 ヒットした 名 前 は 私 たちが 日 常 で 使 う 語 彙 の 一 部 にさえなっています。 け れ ど も 、そ うし た 名 前 は ど の ようにして 生 み 出 されたのでし ょうか? 成 功 の 方 程 式 はある のでしょうか? 人 気 を 呼 び、 成 功 をもたらす 名 前 を 考 案 するのはそう 簡 単 な ことではありません。Googleや Nike、Starbucksのようなポピュ ラーな 名 前 を 思 いつくための、 魔 法 の 方 程 式 や 確 立 された 方 法 論 といったものは 存 在 しません。 製 品 や 企 業 に 名 前 を 付 けるプロセスは、その 製 品 やブランド を 徹 底 的 に 研 究 し、 本 質 を 理 解 することから 始 まります。イン スピレーションは 至 るところから 湧 いてきます。「 歌 、 文 学 、 関 連 する 用 語 集 、 歴 史 、 天 文 学 など、あらゆるものが 着 想 源 にな ります」。そう 教 えてくれるのは、ニューヨークに 拠 点 を 置 くブ ランドネーミングのコンサルタント 企 業 、River + Wolfの 創 業 者 でクリエイティブディレクターのマーガレット・ウォルフソン です。 また、クライアントがどのように 聞 こえる 名 前 を 欲 しているか も 重 要 な 要 素 となります。 親 しみやすさを 感 じさせたい? 男 性 的 、あるいは 女 性 的 な 名 前 にしたい? 力 強 さや 科 学 を 想 起 させ たい?「テクノロジー 企 業 の 多 くは 科 学 的 、 未 来 的 な 名 前 を 望 みます。そのためにネーミング 会 社 がよく 試 すのが「K」や「X」 を 使 った 名 前 で す。 例 え ば「X 」は 、 視 覚 的 に 未 来 、 科 学 、 数 学 といったものをイメージさせます」。そう 語 るのは、サンフラン シスコのブランドネーミング 企 業 、Catchwordの 共 同 創 業 者 、ロ ーレル・サットンです。ビジュアルな 要 素 と 文 字 数 の 制 限 も 考 慮 しなければなりません。 覚 えやすく、 意 味 が 伝 わりやすく、 文 字 として 書 くときに 綴 りやすいもので、 短 くもなく 長 くもなく、 見 た 目 にも 心 地 よい 名 前 であることが 求 められます。 け れ ど も 、クラ イ ア ント に よって は 、も っと 簡 単 に 決 まる 場 合 も ありま す。サ ットン が 担 当 し た 、とあ るソフトウェア 関 連 の スタートアップ 企 業 からの 依 頼 がその1つでした。「クライアン ト 企 業 の 創 業 者 たちは 彼 らの 理 念 について 語 り、 彼 らがヨガ に 関 心 を 持 っており、その 考 え 方 が 製 品 開 発 の 根 底 にあると 説 明 してくれました」と、サットンは 言 います。「そうした 意 味 を 込 めた 企 業 名 にしたいというリクエストでした。」そこで Catchwordが 思 いついたのが「asana」という 名 前 でした。これ はサンスクリット 語 で「ヨガのポーズ」を 意 味 する 言 葉 です。 「この 名 前 は 幾 重 にも 意 味 が 付 与 されています」と、サットンは 説 明 します。「 第 一 に、これは 美 しい 言 葉 で す。 女 性 的 なイメージ が あり、よど み なく 発 音 できます。また、 文 字 の 中 に 視 覚 的 なスム ーズさを 損 なう 要 素 となるディセンダーとア センダー( 小 文 字 の「d」や「p」)が 含 まれて いません。 第 二 に、これは 背 景 に 込 められ たストーリーを 語 る 名 前 です。ヨガでは、ポ ーズを 取 ることで 精 神 を 統 一 し、 次 のことに 向 けて 準 備 を 整 えますが、Asana 社 のソフト ウェアはビジネスにおいて 同 様 なサービスを 提 供 します。そん な 製 品 にふさわしい 名 前 になっています。」 け れ ど も 、パーフェクトな 名 前 を 発 見 す れ ばそ れで 終 わりと いうわけではありません。 既 存 の 商 標 に 登 録 されていないか 調 べ る と い う 、 厄 介 な 仕 事 が 待 って い ま す。「 近 年 は 新 し い 企 業 や 製 品 が 爆 発 的 な 勢 いで 誕 生 しており、シンプルな 単 語 ひ とつの 名 前 を 見 つけるのは 今 や 至 難 の 業 です」と、ウォルフソ ンは 言 います。 それは 自 動 車 のネーミングにもあてはまります。ジャガーで は、プロダクトマーケティングディレクターで、ネーミング 委 員 会 の 責 任 者 を 務 めるデイビッド・ブラウンが 同 様 な 困 難 に 直 面 しています。「あらゆる 名 前 がすでに 商 標 化 されており、 新 しい 名 前 を 考 案 するのは 難 しくなる 一 方 です」と、 彼 は 説 明 し ます。「また、 文 化 的 および 言 語 的 な 違 いも 考 慮 する 必 要 があ ります。 世 界 中 のあらゆる 国 で 通 用 する 名 前 にしなければなり ません。」 業 界 のトレンドは 時 代 とともに 移 り 変 わります。「かつては、 多 くのビジネスが 創 業 者 の 名 前 にちなんで 命 名 していました。 自 動 車 、ジュエリー、 香 水 などのメーカーがその 代 表 例 です」 と、サットンは 言 います。「けれども 近 頃 では、もっと 面 白 い 試 みが 見 受 けられます。 例 えば、オンライン 専 用 のバンキングア プリや 予 算 管 理 アプリに、Dave、Marcus、Frankなど、 親 しみ やすい 人 間 のファーストネームを 使 っているものがあります。 そうした 名 前 は、 大 企 業 との 長 期 にわたるつながりを 持 たず、 大 企 業 に 不 信 感 さえ 抱 いているミレニアル 世 代 の 若 者 にアピ ールします。 彼 らは、 小 規 模 なスタートアップ 企 業 の 方 に 信 頼 を 置 き、そうした 企 業 が 営 むビジネスを 好 む 傾 向 にあります。」 けれどもブラウンは、 時 代 のトレンドだけにこだわる 必 要 は ないと 考 えています。「ジャガーには 長 い 歳 月 をかけて 築 いて きた、 揺 るぎない 歴 史 と 伝 統 があります」と、 彼 は 言 います。 「 人 々がジャガーの 車 を 購 入 するとき、 購 入 理 由 にはブランドの 歴 史 的 な 背 景 も 含 まれています。 私 たちは SUVモデルの 名 前 を 決 めるときに、ジャガーの 歴 史 を 遡 りました。「Grace, Space, Pace( 優 美 さ、スペース、 速 さ)」というスローガンが1960 年 代 に 使 われていましたが、これはジャガー 車 のあるべき 姿 の 定 義 として 現 在 でも 当 てはまります。そして、ジャガーのSUVはこ の 言 葉 がしっくりくる 車 です。」たしかに 、E-PACE、F-PACE、 I-PACEは、それぞれの 車 にふさわしい 名 前 です。 とは いえ 、 結 局 のところ 、い か に 素 晴 らしい 名 前 であっても 、 それは 本 当 に 素 晴 らしいブランドに 飾 りを 添 える 存 在 にしか すぎません。「 良 い 名 前 は 優 れた 製 品 や 企 業 の 価 値 を 高 める ことができますが、 優 れていないものを 良 くすることはできま せん」と、ウォルフソンは 言 います。「 同 様 に、たとえ 名 前 が 悪 くても、それは 必 ずしも 良 い 製 品 や 企 業 の 価 値 を 落 とすこと につながるとは 限 りません。「 確 実 に 言 えることは、 力 強 い 企 業 や 製 品 と、 力 強 い 名 前 の 組 み 合 わせは、 成 功 の 前 提 条 件 にしかすぎず、そこから 先 が 正 念 場 だということです。」 70 / Jaguar Magazine Jaguar Magazine / 71

 

JAGUAR MAGAZINE

 

『JAGUARマガジン』は、美しいデザインや最先端のテクノロジーなど、あらゆる分野のクリエイティビティにフォーカスして、皆さまの感性を刺激します。

最新号では、ブラジルの優美なマーシャルアーツ「カポエイラ」を深く掘り下げました。さらに、新旧カルチャーの融合に挑むアイルランドのアーティストや、ビクトリアン様式の壁紙からiPhoneへとつながるデザインストーリーにも興味をお持ちいただけるでしょう。その他、俳優兼パフォーマーとして活躍する、リズ・アーメッドの素顔に迫ります。

© JAGUAR LAND ROVER LIMITED 2020

Registered Office: Abbey Road, Whitley, Coventry CV3 4LF
Registered in England No: 1672070


当ウェブサイトに掲載されている画像は欧州仕様車の画像となります。日本仕様車と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。日本仕様車は右ハンドルです。
燃料消費率は定められた試験条件のもと での値です。
実際の走行時には気象・道路・車両状態・運転・整備などの条件が異なってきますので、それに応じて燃料消費率は異なります。
表示車両本体価格はメーカー希望小売価格です。価格には、税金(消費税を除く)、登録諸費用、保険料、リサイクル料金などは含まれておりません。これらは別途お支払いいただきます。詳しくはお近くのジャガー正規ディーラーにお問い合わせください。