第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会資料集 - 日本原子力研究開発 ...

JAEA-Review 2011-026 

第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会資料集 

日本原子力研究開発機構敦賀本部 

原子炉廃止措置研究開発センター 

大谷洋史 + 、林宏一 + 、川越慎司、濱田宣幸 + 、中村保之 + 

(2011 年 5 年 16 日受理) 

独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)は、新型転換炉ふげん発 

電所の新型転換炉原型炉施設の廃止措置計画を平成 18 年 11 月 7 日に認可申請(平成 19 年 12 月 

28 日一部補正)し、平成 20 年 2 月 12 日に認可を受けた。これに伴い、新型転換炉ふげん発電所 

を原子炉廃止措置研究開発センター(以下「ふげん」という。)に改組し、施設の解体撤去作業に 

着手するとともに、自らの廃止措置に関する技術の開発及びこれに必要な研究(以下「廃止措置 

技術開発」という。)を実施している。 

この廃止措置技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場 

及び福井県が目指すエネルギー研究開発拠点化計画における研究開発拠点として十分に活用する 

とともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、原子力機構内外の 

有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。 

本稿は、平成 23 年 3 月 11 日に開催した第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会において発表し 

た “廃止措置の状況”、“クリアランス制度運用に向けた準備状況”、“原子炉解体技術の検討状況” 

について、資料集としてまとめたものである。 

原子炉廃止措置研究開発センター:〒914-8510 福井県敦賀市明神町 3 番地 

+ 技術開発部 

i


Document Collection of the 23rd Technical Special Committee on Fugen Decommissioning 

Hiroshi OHTANI + , Hirokazu HAYASHI + , Shinji KAWAGOE, Nobuyuki HAMADA + 

and Yasuyuki NAKAMURA + 

Fugen Decommissioning Engineering Center 

Tsuruga Head Office, 

Japan Atomic Energy Agency 

Myojin-cho, Tsuruga-shi, Fukui-ken 

(Received May 16, 2011) 

Japan Atomic Energy Agency applied for approval of decommissioning project of Fugen 

Power Plant on November 7, 2006 and licensed by safety authority on February 12, 2008. 

According to the approval, Fugen Power Plant was reorganized to Fugen Decommissioning 

Engineering Center and started dismantling removal work of the facilities. The technical 

development and researches concerning the decommissioning are being executed from that 

period. 

In planning and carrying out our decommissioning technical development, “Technical 

special committee on Fugen decommissioning”, which consists of the members well-informed, 

is established, aiming to make good use of Fugen as a place for technological development 

which is opened inside and outside the country, as the central point in the energy research 

and development base making project of Fukui prefecture, and to utilize the outcome in our 

decommissioning to the technical development effectively. 

This report compiles presentation materials “Current Situation of Fugen 

Decommissioning”,” Preparatory Situation for Operation of Clearance System”,” Examined 

Situation of Nuclear Reactor Dismantlement Technology” of the 23rd Technical special 

committee on Fugen decommissioning which held on March 11, 2011. 

Keywords: FUGEN, Decommissioning, Clearance, Decontamination, Dismantlement 

Technology, Technical Special Committee 

+ Technology Development Department 

ii


目次 

1. ふげん廃止措置技術専門委員会(第 23 回) .......................................... 1 

1.1 議事次第 ..................................................................... 1 

1.2 委員構成 ..................................................................... 2 

2. 廃止措置技術開発報告 ............................................................. 3 

2.1 廃止措置の状況 ............................................................... 4 

2.2 クリアランス制度運用に向けた準備状況 ........................................ 11 

2.2.1 放射能濃度を決定する方法 .................................................. 11 

2.2.2 クリアランスモニタの性能 ................................................. 19 

2.2.3 手動式除染装置の除染性能試験結果 .......................................... 25 

2.3 原子炉解体技術の検討状況 .................................................... 32 

3. 講評 ............................................................................ 41 

Contents 

1. The 23rd Technical Special Committee on Fugen Decommissioning .....................................1 

1.1 Agenda..................................................................................................................................1 

1.2 Members of the Technical Special Committee on Fugen Decommissioning .....................2 

2. Decommissioning Technology Development Report ................................................................3 

2.1 Current Situation of Fugen Decommissioning...................................................................4 

2.2 Preparatory Situation for Operation of Clearance System ............................................. 11 

2.2.1 Method of Deciding Radioactive Concentration ........................................................ 11 

2.2.2 Performance of Clearance Monitor............................................................................. 19 

2.2.3 Decontamination Examination Result of Hand-Operated Decontaminant ............. 25 

2.3 Examined Situation of Nuclear Reactor Dismantlement Technology............................. 32 

3. Review ..................................................................................................................................... 41 

iii

This is a blank page.

1.1 議事次第 


1. ふげん廃止措置技術専門委員会(第 23 回) 

第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会の議事次第を表1に示す。 

表1 第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会議事次第 

第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会 

議事次 第 

1.開催日時平成 23 年 3 月 11 日 13:20~16:00 

2.開催場所独立行政法人日本原子力研究開発機構 

原子炉廃止措置研究開発センター 第 1、2、3、4 会議室 

3.出席者 

(委員) 石榑主査、井口委員、石倉委員、脇代理(浦上委員代理)、苅込委員、新保委員、 

友澤委員、仁木委員、山本委員、天野委員、鈴木委員 

(ふげん) 西村所長、澁谷副所長、清田部長、森下次長田尻計画管理課長他 

4.議題 

(1) 開会挨拶 

(2) 委員及び機構出席者の紹介 

(3) 前回委員会の議事要旨の確認 

(4) 廃止措置の状況 

(5) クリアランス制度運用に向けた準備状況 

①放射能濃度を決定する方法 

②クリアランスモニタの性能 

③手動式除染装置の除染性能試験結果 

(6) 原子炉解体技術の検討状況 -熱的及び機械的切断工法による切断試験- 

(7) 現場ご視察(復水器周辺機器等) 

(8) ご講評他 

(9) 次回の委員会について 

-1-

1.2 委員構成 

ふげん廃止措置技術専門委員会の構成員を表2に示す。 

表2 ふげん廃止措置技術専門委員会構成員 

主査石榑顕吉 (社)日本アイソトープ協会常務理事 

委員井口哲夫名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻教授 

委員石倉武 (財)エネルギー総合工学研究所副参事工学博士 

委員浦上学関西電力(株) 原子燃料サイクル室 

サイクル環境グループチーフマネジャー 

委員苅込敏日本原子力発電(株) 廃止措置プロジェクト推進室室長 

委員新保仁東京電力(株) 原子燃料サイクル部 

廃棄物設備グループグループマネージャー 

委員田中光雄福井工業大学工学部原子力技術応用工学科教授 

委員友澤史紀東京大学名誉教授 


委員仁木秀明福井大学大学院工学研究科 

原子力・エネルギー安全工学専攻教授 

委員山本正史 (公財)原子力環境整備促進・資金管理センター 

基準・規格調査研究プロジェクトチーフ・プロジェクト・マネジャー 

委員天野英俊 (独)日本原子力研究開発機構東海研究開発センター 

原子力科学研究所バックエンド技術部長 

委員鈴木庸氏 (独)日本原子力研究開発機構敦賀本部 

レーザー共同研究所レーザー技術利用推進室長 

-2- 

(以上12名)


2. 廃止措置技術開発報告 

本章は、第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会における発表資料を取りまとめたものである。 

-3-

2.1 廃止措置の状況 

報告概要 

・平成22年度作業実績 

・平成22年度解体撤去・汚染の除去工事 

・高経年化調査研究事業 

・国際会議等報告 

・地元における取組みと連携 

項目 

1.使用済燃料搬出 

2.重水搬出 

3.解体撤去工事 

(1) 復水器周辺機器等の解体撤去 

4.汚染の除去工事 

(1) 重水系等の残留重水回収 

(2) 原子炉補助建屋機器のトリチウム除去 

(3) カランドリアタンク等のトリチウム除去 

(4) 遮へい冷却水の抜出し等作業 

(5) 放射性腐食生成物の除去(除染試験) 

5.「ふげん」を用いた研究開発 

(1) 廃止措置技術の研究開発等 

(2) 高経年化のための調査研究 

6.汚染状況等の調査 

7.設備・機器等の維持管理 

(1) 第23回施設定期検査 

(2) 設備の自主点検及び自主検査 

:実績 


廃止措置の状況 

平成22年度作業実績 

ふげん廃止措置情報目的外使用・複製・開示禁止原子力機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 

年 

月 

-4- 

 

平成22年平成23年 

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 

平成22年度は搬出実績無し 

*1 

*2 

 

技術開発部計画管理課大谷洋史 

ふげん廃止措置情報目的外使用・複製・開示禁止原子力機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 資料 23-3-1 

*1:トリチウム除去装置の改造等により作業中断 

*2:4.(3)の常温通気乾燥後実施のため延期 

資料 23-3-2

第5給水加熱器(B1F) 

主蒸気管(B1F) 

材質:STPT49(480) 

寸法:16B 

凡例 

海水 

原子炉補助建屋 

重水・ヘリウム系 

原子炉補機冷却海水系 

原子炉建屋 

材質:SB46 

寸法:外径1282mm×全長11500mm 

高圧油圧ユニット(B2F) 

:H20,21年度解体済み 

:H22年度解体撤去範囲 


解体撤去工事の実施範囲 

制御棒 

重水循環ポンプ 


原子炉格納容器 

原子炉 

蒸気放出プール 

:H21年度までの解体撤去工事範囲 

:H22年度の解体撤去工事範囲 

燃料交換機 


解体撤去工事範囲図 

抽気管(B1F) 

材質:SB46 

寸法:16B 


-5- 

主蒸気管及びタービン主要弁 

第4・5給水加熱器 

非常用炉心冷却系 

使用済燃料 

貯蔵プール 

第4給水加熱器(B2F) 

 

材質:SB46 


第3給水加熱器 

循環水配管(B2F) 

材質:STPG38(370) 

寸法:φ1600mm 

F u g en 

タービン建屋 


プール水 

冷却・浄化系 

タービン設備 

復水器 

第3給水加熱器 

材質:SS41 


発電機 

復水貯蔵タンク 


タービン・発電機 

復水器入口水室(B2F) 

材質:SS41 

排気筒 

復水器周辺 

機器・配管 

海水 

資料 23-3-3 


工事対象施設・設備 

○復水器 

冷却水入口水室 

○配管類他 


-6- 

 

復水器周辺機器等の解体撤去工事状況 

復水配管 

抽気配管 

クロスアラウンド配管 

復水器冷却用海水配管 

タービン補機冷却系海水配管 

サポート、弁、電気・計装品等 

解体撤去物等の予想発生量と実績 

解体撤去物等の予想発生量と実績 

金属 

保温材 

ｺﾝｸﾘｰﾄ 

合計 

参考:二次廃棄物 

(可燃/不燃) 

予想 

120 

10 

130 

- 

実績 

(2月末現在) 

58.7 

8.0 

0.0 

66.7 

1.1/2.4 

第 

1 

・ 

2 

給 

水 

加 

熱 

器 

周 

辺 

復 

水 

器 

冷 

却 

用 

海 

水 

配 

管 

特徴的な 

作業 

着手前工事状況 

海水配管内面保護塗料除去 

 

タービン建屋解体撤去工事(H22年度末状況) 




解体撤去物等の実績 

解体撤去物等の実績 

二次廃棄物 

発生量 

(トン) 


ﾜｲﾔｰｿｰによる基礎ｺﾝｸﾘｰﾄ撤去 


金属 

保温材 

ｺﾝｸﾘｰﾄ 

合計 

317.9 

29.3 

24.0 

371.2 

10.8 

解体撤去作業人工数 

解体撤去作業人工数 

(人・日) 

7695 

*データはH23年2月末現在

保温材減容処理装置概要 

○ 減容方式 : 破砕・圧縮 

○ 処理対象物 : ケイ酸カルシウム保温材 

ロックウール保温材等 

○ 処理能力 : 80kg/時間 

○ 減容能力 : 1/3(ケイ酸カルシウム) 

1/5(ロックウール) 

*平成23年2月14日から処理開始 

取出口袋詰め 

コンベア 

①② 

② 


ヘリウム系 

重水系 

① 

再結合器 

重水浄化塔 

重水 

冷却器 

海水 

原子炉補機冷却海水系 


汚染の除去工事の実施範囲 

重水循環ポンプ用 

熱交換器 


原子炉格納容器 

原子炉 

蒸気放出プール 

H20,21年度汚染の除去工事範囲 

: (①残留重水回収,②トリチウム除去,③CP除染) 

保温材減容処理の作業状況 

HEPAフィルタ付集じん機へ 

圧縮機破砕物 

コンベア 

カランドリア 

タンク 

②② 

② ② 

破砕機 

(投入口) 


重水 

ダンプタンク 


作業フロー 

-7- 

装置投入前の保温材の状態 

余熱除去系 

使用済燃料 

貯蔵プール 

プール水 

冷却・浄化系 

 



 

タービン 

復水器 

発電機 

復水貯蔵タンク 

圧縮工程後の状態 

投入口(破砕機投入) 取出口(処理後保温材袋充填) 

処理の流れ破砕工程後の状態 

処理済保温材を袋に収納 

排気筒 

②③③ H22年度汚染の除去工事範囲 : 

海水 


(①残留重水回収, ②トリチウム除去, 

③放射性腐食生成物の除染) 





-8- 

 

放射性腐食生成物の除去(除染試験) 

【実施時期】平成22年12月~平成23年3月末(予定) 

(作業準備: 12~2月中旬、化学除染:2月15日~) 

【対象機器】重水循環ポンプ用熱交換器 2基(A、C) 

【除染方法】シュウ酸による還元除染法 

【除染目標】線量当量率 0.1mSv/h以下(機器表面から1m距離) 

重水循環ポンプ 

熱交換器(対象機器) 

材質:SUS304 

内寸:1878㎜×φ248㎜ 

作業状況 

 

原子炉建屋・原子炉補助建屋機器のトリチウム除去 

ヘリウム循環系・ヘリウム浄化系のトリチウム除去 

【作業期間】 

平成21年2月~平成22年11月(延べ作業期間:約13ヶ月) 

【作業概要】 

真空ポンプとリボンヒータを利用し、系統を数ブロックに分割して加熱真空 

引きによりトリチウム除去を実施 

【作業結果】 

(1) 系内トリチウム濃度変化 

10 2 Bq/cm 3 程度⇒ 10 -2 ~ 10 0 Bq/cm 3 程度に低下 

(2) 真空ポンプ運転時の真空度変化 

10 3 Pa abs程度⇒ 10 1 ~ 10 2 Pa abs程度に低下(乾燥の進捗に伴い低下) 

【トリチウム除去完了要件】 

系の一部を開放しエリア内トリチウム濃度が8×10 -2 Bq/cm 3 (ｴｱﾗｲﾝﾏｽｸ着 

用基準)を超えないこと 

⇒結果として、

事業目的 

事業目的 

安全研究 

センター 

(1)ステンレス鋳鋼の熱時効脆化調査 

・再循環ポンプ、大型弁が対象 

(材質:SCS13、SCS16) 

硬化機構の検証 

硬化に寄与する因子 

脆化機構の検証 

メゾ・ミクロスケールの現象を考慮した脆化機構のモデル化 

相の硬化 

スピノーダル分解 

析出物(G相など) 

ひずみ時効 

拡散に関与する 

パラメーターの検証 

熱時効条件 

温度・時間 

機械特性試験 

引張・硬度・衝撃・破壊靭性試験 


高経年化分析室(ホットラボ)における 

破面解析 



-9- 

 

OECD/NEA技術諮問グループ会議(TAG-49) 

OECD/NEA廃止措置協力計画のもとで定期的に開催されるTAG会議において、各国の廃止措置状況に係 

る意見交換や廃止措置関連施設の調査を通して継続的に情報を収集 

開催期間:平成22年10月25日(月)~29日(金) 

開催場所:フランスマルクールセンター・クレイマルビル 

○ ふげんは、廃止措置の進捗状況、重水系のトリチウム除去作業及びクリアランスモニタの設置について報告 

○ フランス、ドイツ等の原子炉施設や核燃料サイクル施設の最新廃止措置状況について情報収集 

○ CEAのマルクールセンターにある高速増殖炉Phenix、再処理施設などの廃止措置プロジェクトについて施設調査。 

Phenixは2009年に原子炉を停止し、2013年の廃止措置ライセンスの認可を目指している。現在は廃止措置準備作業と 

して、2つのナトリウム処理施設を新規に建設中。再処理パイロットプラントのUP1やAPMは除染を実施中。 

Greifswald(PWR 5機:ドイツ) 

・2014年に廃止措置完了予定 

・原子炉圧力容器や炉内構造物は気中切 

断(バンドソー、酸素バーナー及びプラズ 

マバーナーなど) 

・プレート・配管等は水中切断(プラズマバ 

ーナー、CAMC * MZFR(重水減速冷却型PWR 57MWe:ドイツ) 

・1984年に運転終了 

・1987年に廃止措置開始 

・2015年に廃止措置完了予定 

・生体遮へいについては全て遠隔解体を実施 

・装置は生体遮へい内のラック上に置き、汚染 

装置など) 

*:Contact Arc Metal cutting 

コンクリートを除去 

(MZFR生体遮へいの遠隔解体作業) 

(Greifswald原子炉圧力容器の遠隔切断) 

高経年化調査研究事業 

Pimic(プール型研究炉 3MWe:スペイン) 

・2006年から廃止措置を開始 

・原子炉施設や隣接する再処理研究施設 

などの廃止措置を実施中 

・1970年にHLLWの漏えいがあり、地下汚 

染の状況について調査中 

 

原子力発電所の高経年化対策の充実を目的として、長期運転に供した「ふげん」の機器・構造物 

の実機材料データを採取して、保全管理技術の妥当性検証等の研究を行う 

・高経年化調査研究の評価 

・委員会の運営 

破壊モードの検証 

硬化→脆化へと至る 

機構の理解 

新たな知見 

凝固組織 

フェライト量とその分布 

凝固モード(界面の整合性) 

凝固速度 

鋳造条件 

化学成分・コンタミ(Nなど) 

試験前 

試験後 

連携 

機械特性試験片(衝撃試験 

ふげん 

(2)SCC対策の検証 

試料採取 

部位の選定 

外観観察 

試料採取 

内表面目視観察 

硬度分布測定 

内面付着物の分析 

今年度実施内容 

詳細計画の立案 

・材料試料の採取作業 

・データ採取作業 

運転条件調査 

・運転条件(温度、水質) 

・溶存酸素濃度、腐食電位 

・水素注入履歴 

・溶接条件、材料物性値 

・対策モックアップデータ等 

初期条件の確認 

対象: 

・SUS316L溶接部 

・SUS304水冷溶接部 

・SUS304高周波誘導 

加熱応力改善箇所 

吐出管下降管 

入口管 PT結果 




地元における取組みと連携 


-10- 

 

福井県エネルギー研究開発拠点化計画との連携ふげん高経年化分析室 

ふげん高経年化分析室(ホットラボホットラボ)の運用状況 

の運用状況 

ケーブル劣化診断法の実機適用性に関する研究 

(福井工業大学との共同研究) 

福井工業大学で開発を進めているケーブル劣化診断法の一 

つであるマイクロ波検出技術 * を利用した診断法 

実機ケーブルに適用し、本診断法の実機適用性に関する基 

礎データを得て課題を明らかにする 

ｹｰﾌﾞﾙ劣化診断法適用性試験状況 

「研究開発段階炉等の廃止措置技術の研究開発等」事業へ 

の協力 

クリアランスレベル以下を目指した除染技術の調査 

効果的な除染のための元素(核種)分析調査 

*熱や放射線により 

分子構造が変化し、 

マイクロ波を吸収し 

やすくなる 

共振周波数の変化量 

を測定 

物理除染試験状況化学除染試験状況 

原子力機構と関西電力が相互に協力して、原子力発電所で使 

われていた機器や構造物などの劣化状況を分析できる装置を 

備えた高経年化対策研究施設 

蒸気発生器管台(SCC発生材)の実試料を用いた研究 

【関西電力、INSS、ふげん】 

軽水炉環境でのステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)研究 

【安全研究センター、ふげん、原子力基礎工学研究部門】 

「ふげん」実機材における熱時効脆化の研究 

【安全研究センター、ふげん】 

地元産業界の取組み 

敦賀商工会議所「廃止措置研究会」 

敦賀商工会議所が地元企業の技術力向上・蓄積のために 

調査研究を実施中 

ふげんは、廃止措置事業の紹介等を実施 

【平成22年度活動実績】 

原電東海発電所見学会(10/14) 

ふげん見学会(12/16) 

合同分科会(3/23予定) 

ふげん見学会 


2.2 クリアランス制度運用に向けた準備状況 

2.2.1 放射能濃度を決定する方法 

報告概要 

・放射能濃度を決定する方法(前回の報告内容) 

・放射能濃度を決定する方法について 

・核種分析データ数 

・核種組成比の設定及び統計的判定 

・放射能濃度を決定する方法の設定と比較 

・設定に用いるデータの見直し検討 

・まとめ及び今後の課題 


-11- 

 

放射能濃度の測定及び評価方法の認可申請書の項目 

1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、 

その代表者の氏名 

2.放射能濃度確認対象物が生じる工場等の名称及び所在地 

3.放射能濃度確認対象物が生じる施設の名称 

4.放射能濃度確認対象物の種類 

5.評価に用いる放射性物質の種類 

6.放射能濃度の評価単位 

7.放射能濃度を決定する方法(今回の報告内容) 

8.放射線測定装置の種類及び測定条件 

9.放射能濃度確認対象物の管理方法 

 

クリアランス制度運用に向けた準備状況 

① 放射能濃度を決定する方法 

技術開発部技術開発課林宏一 


ふげん廃止措置情報目的外使用・複製・開示禁止原子力機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 資料 23-4-2


-12- 

 

放射能濃度を決定する方法について① 

「ふげん」のクリアランスにおいて、放射能濃度を決定する方法として候補と考え 

られる「主要核種測定法を主とした方法」及び「全γ線グループ測定法を主とした 

方法」の両者を比較し、クリアランス判定の保守性と課題を整理するとともに、 

「ふげん」の解体撤去物への適用性について評価 

放射性物質 

H-3 

Co-60 

Mn-54 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 

Sr-90 

Pu-239 

Am-241 

(a)主要核種測定法を 

主とした方法 

平均放射能濃度法 

主要核種測定法 

(計数率が全て主要核種から放出された放射線による 

ものとして、放射能濃度を決定) 

核種組成比法 

(主要核種測定法により測定されたCo-60放射能濃度 

にCo-60放射能濃度に対する放射能濃度比を乗じて各 

核種の放射能濃度を決定) 

 

放射能濃度を決定する方法(前回の報告内容) 

7.放射能濃度を決定する方法 


H-3 

Co-60 

Mn-54 

Sr-90 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 


Am-241 


主要核種 

放射能濃度を決定する方法 

核種組成比法(Co-60放射能濃度に対する放射能濃度比) 

上記の方法にて、重水・ヘリウム系を除く系統の放射能濃度データを用いて、平均 

放射能濃度及び核種組成比を設定するとともに、核種組成比について統計的な評価 

を実施して、核種間の相関関係等の成立性を確認 


(b)全γ線ｸﾞﾙｰﾌﾟ測定法を 

主とした方法 


全γ線グループ測定法 

(全γ線法によりγ線を計測し、主要核種からのγ線と 

して放射能に換算し、全γ線グループ測定法補正係数を 

乗じて、全γ核種の放射能濃度を算出する。この値を各 

γ線放出核種の放射能濃度の相対比で按分し、各核種の 

放射能濃度を決定) 

核種組成比法 

(全γ核種放射能濃度にCo-60放射能濃度に対する放射 

能濃度比を乗じて各核種の放射能濃度を決定) 

※前回、検出限界値以上のデータがないことから核種組成比の設定ができなかったCs-134、全α核種(Pu-239、Am-241)につ 

いては、放射能収支計算法による二次的汚染の推定放射能評価結果から核種組成比を設定した。 


※注意:この模式図は概念 

を表したものです。 


-13- 

 

各方法におけるクリアランス判定の保守性と課題の整理 

認可の前例 

クリアランス 

判定の保守性 

課題 

(a)主要核種測定法を主とした方法 

認可を受けた前例がない。 

Co-60以外の核種から放出された放射線 

による計数率を含む得られた全ての計 

数率が、主要核種(Co-60)から放出され 

た放射線によるものとして保守的に放 

射能濃度を決定する。 

タービン設備から採取した試料から検 

出限界値以上のデータが得られていな 

い核種があることから、施設全体で設 

定した核種組成比がタービン設備の核 

種組成比より保守的であることを示す 

必要がある。 

 

(a)主要核種測定法を主とした方法 (b)全γ線グループ測定法を主とした方法 


モニタで測定 

γ線計数率 

cps Bq/g 

(a)-①主要核種測定法 

(a)-②平均放射能濃度法 

(a)-③核種組成比法 

放射能濃度を決定する方法について② 

クリアランスモニタの 

ソフトウェアで計算 

① 

モニタにて測定したγ線計数率が全て主要核種(Co-60)から放 

出されたγ線によるものとして、Co-60の放射能換算係数を用い 

て放射能量を求め、対象物の質量で除して主要核種(Co-60)の放 

射能濃度を決定 

Co-60との相関がない核種であるH-3については、平均放射能濃 

度法にて放射能濃度を決定 

Co-60の放射能濃度測定値に主要核種(Co-60)との核種組成比を 

乗じて各核種の放射能濃度を決定 

1 

H-3 

Mn-54 

Sr-90 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 


Am-241 

Co-60 

② 

③ 


モニタで測定 

γ線計数率 ① 

クリアランスモニタのソフトウェアで計算 

全γ核種 

放射能濃度 

cps Bq/g 

Bq/g 

(b)-①全γ線グループ測定法 

モニタにて測定したγ線計数率が全て主要核種(Co-60)から放出されたγ 

線によるものとして、Co-60の放射能換算係数を用いて放射能量を求め、対 

象物の質量で除した放射能濃度に、全γ線グループ測定法補正係数を乗じ 

て全γ核種の放射能濃度を決定 

全γ線グループ測定法補正係数は、γ線を放出する評価対象核種のうち、 

換算係数及びクリアランスレベルから最も大きいD/Cを与える放射性核種 

と主要核種とのD/Cの比より設定 

(b)-①’γ核種の按分 

各γ核種の核種組成比を用いて按分し放射能濃度を決定 

(b)-②平均放射能濃度法 

(a)-②と同様 

(b)-③核種組成比法 

全γ核種放射能濃度に主要核種(Co-60)との核種組成比を乗じて各核 


種の放射能濃度を決定 


(b)全γ線ｸﾞﾙｰﾌﾟ測定法を主とした方法 

認可を受けた先行例がある(原電東海)。 

全γ法にて得られた計数率を放射能濃度に換 

算する計算過程において、Co-60以外の評価 

対象核種から放出された放射線を考慮して全 

γ線グループ測定法補正係数を乗じることか 

ら、保守的に放射能濃度を決定する。 

全γ線グループ測定法補正係数は、対象物の 

置き方、重量等に応じて、2~6程度変動する 

ことから、クリアランス測定に及ぼす影響が 

大きい。このため、全γ線グループ測定法補 

正係数が大きくならないような対象物の置き 

方、重量等の運用面の制限を考慮する必要が 

ある。 


③ 

① 

H-3 

Sr-90 


Am-241 

Mn-54 

Co-60 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 

②


H-3 

Mn-54 

Co-60 

Sr-90 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 

全α 

(Pu-239, 

Am-241) 

核種組成比 

Mn-54/Co-60比 

Sr-90/Co-60比 

Cs-134/Co-60比 

Cs-137/Co-60比 

Eu-152/Co-60比 

Eu-154/Co-60比 

全α(Pu-239、Am- 

241)/Co-60比 

分析数 

51 

37 

54 

41 

37 

51 

37 

37 

51 


-14- 

 

核種組成比の設定及び統計的な判定 

設定値 *1 

t検定の結果 

データ数相関係数 

備考 

(算術平均値) 

ts 値 t(n-2,1%) 

13 

7 

0 

12 

6 

7 

0 

3.28×10 -1 

6.83×10 -6 

4.63×10 -5 

1.31×10 -5 

4.12×10 -5 

0.966 

0.944 

検出限界値以上のデータがないため、核種組成比は設定できず *2 

0.751 

0.943 

0.952 

相関が認められる 

検出限界値以上のデータがないため、核種組成比は設定できず *2 


12.3 

6.39 

3.59 

5.64 

6.95 

3.11 

4.03 

3.17 

4.60 

4.03 





*1:設定に用いたデータは解列日時点に減衰補正した値であり、設定値は原子炉運転終了時点(平成15年3月29日)を基準として 

使用する。 

*2:検出限界値以上のデータのないCs-134、全α(Pu-239,Am-241)については、放射能収支計算法による二次的汚染の推定放射能 

評価結果に基づき核種組成比を設定した。 

平均放射能濃度及び核種組成比 

H-3平均放射能濃度 

Cs-134/Co-60比 

Pu-239/Co-60比 

Am-241/Co-60比 

核種分析データ数(金属類) 

検出限界値以上 

のデータ数 

16 

13 

53 

7 

12 

※重水・ヘリウム系を除く核種分析データ数 

0 

6 

7 

0 

検出限界値未満 


35 

24 

1 

34 

37 

39 

31 

30 

51 

設定値 *1 備考 

3.21×10 1 Bq/g 

9.09×10 -6 

3.52×10 -9 

3.62×10 -10 

31.4% 

35.1% 

98.1% 

17.1% 

23.5% 

16.2% 

18.9% 

 

検出割合検出限界値以上検出限界値未満 

分析数 

のデータ数のデータ数 


0% 

0% 

14 

14 

10 

13 

13 

検出限界値以上のデータ16点から設定 

9 

9 

9 

9 

うちタービン設備のデータ 

放射能収支計算結果から核種組成比を設定 

〃 

〃 

3 

1 

14 

0 

0 

0 

0 

0 

0 

11 

8 

0 

10 

9 

13 

9 

9 

13

放射性 

物質 

H-3 

Co-60 

Mn-54 

Sr-90 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 


Am-241 

蒸気ドラム 


-15- 

 

放射能濃度を決定する方法の比較(その1) 

クリアランスレベル近傍のデータとして、解体撤去済のタービン設備である第3、 

4給水加熱器から採取した試料のうち、Co-60放射能濃度が比較的高い分析結果を 

用いて、(a)及び(b)の方法によりD/Cを算出し、クリアランスの判定基準の1以下 

になることを確認 

原子炉 

蒸気ドラム 

試料No.① 

試料No.② 

試料No.③ 

主蒸気隔離弁 



給水ポンプ 


蒸気加減弁 

主蒸気止弁 

湿分分離器 

ドレンタンク 

復水器へ 

高圧タービン 

低圧タービン低圧タービン 



湿分分離器 

 

 

☆試料採取箇所 



復水器復水器 

ホットウェルホットウェル 

復水ポンプ 

試料No. 

4.18×10 -2 

ふげん廃止措置情報目的外使用・複製・開示禁止原子力機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) から仮の値として3に設定) 資料 23-4-10 

① 

② 

③ 

 

放射能濃度を決定する方法の設定 


平均放射能濃度法 (H-3濃度:3.21×10 1 Bq/g) 

主要核種測定法 (クリアランスモニタ測定値) 

核種組成比法 (Mn-54/Co-60比:3.28×10 -1 ) 

核種組成比法 (Sr-90/Co-60比:6.83×10 -6 ) 

核種組成比法 (Cs-134/Co-60比:9.09×10 -6 ) 

核種組成比法 (Cs-137/Co-60比:4.63×10 -5 ) 

核種組成比法 (Eu-152/Co-60比:1.31×10 -5 ) 

核種組成比法 (Eu-154/Co-60比:4.12×10 -5 ) 

核種組成比法 (Pu-239/Co-60比:3.52×10 -9 ) 

核種組成比法 (Am-241/Co-60比:3.62×10 -10 ) 


放射性 

物質 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 


Am-241 


平均放射能濃度法 (H-3濃度:3.21×10 1 Bq/g) 

全γ線グループ測定法 

クリアランスモニタ測定値×補正係数×相対比 *1 

*1:各γ線放出核種の放射能濃度相対比 

端数処理のため合計値が1にならないことがある。 

核種組成比法 (Sr-90/Co-60比:6.83×10 -6 ) 

核種組成比法 (Pu-239/Co-60比:3.52×10 -9 ) 

核種組成比法 (Am-241/Co-60比:3.62×10 -10 ) 

※平均放射能濃度、Co-60に対する放射能濃度比、各γ線放出核種の放射能濃度相対比は原子炉運転終了時点(平成15年3月29日) 

を基準として使用する。 

H-3 

Co-60 

Mn-54 

Sr-90 

Mn-54 

2.5E-1 

Co-60 

7.5E-1 

Cs-134 

6.9E-6 

D:放射能濃度、C:クリアランスレベル 

Co-60放射能濃度 *1 

(Bq/g) 

1.61×10 -2 

4.45×10 -2 

Cs-137 

3.5E-5 

←評価に用 

いたデータ 

*1:原子炉運転終了時点(平成15年3月29日)の値 

【評価条件】 

Eu-152 

9.9E-6 

Eu-154 

3.1E-5 

評価日:原子炉運転終了後8年 

(平成23年3月29日) 

Co-60放射能濃度:1.55×10-2 (Bq/g) 

全γ線ｸﾞﾙｰﾌﾟ測定法補正係数:3 

(Co-60とCs-137の放出γ線のエネルギー、放出割合

D/Cの合計 

放射性 

物質 

H-3 

Mn-54 

Co-60 

Sr-90 

Cs-134 

Cs-137 

Eu-152 

Eu-154 


Am-241 

合計 

2.50 

2.25 

2.00 

1.75 

1.50 

1.25 

1.00 

0.75 

0.50 

0.25 

0.00 

(a)の方法 

(b)の方法(補正係数:2) 



クリアランスの判断基準値 


(b)の方法 

(a)の方法 

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1 

Co-60放射能濃度(Bq/g) 

-16- 

 


(a)及び(b)の方法を用いて、クリアランスレベル以下と判断されるD/C 

の合計値が1以下となるCo-60放射能濃度の上限値を算出し、クリアランス 

基準を満たす主要核種(Co-60)の放射能濃度を比較 

0.026(Bq/g) 0.079(Bq/g) 

※原子炉運転終了後8年時点(平成23年3月29日)の評価値 

 


クリアラ 

ンスレベ 

ル(C) 

(Bq/g) 

100 

0.1 

0.1 

1 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

0.1 

― 

放射能濃度(D) 

(Bq/g) 

2.51×10-7 5.00×10-8 1.71×10-6 1.55×10-2 2.21×10-5 2.05×101 3.87×10 -7 

9.61×10 -7 

2.05×101 1.59×10-11 1.57×10-10 (a)主要核種測定法を主とした方法 

D/C 

1.71×10-5 5.00×10-7 2.51×10-7 1.55×10-1 2.21×10-4 2.05×10-1 3.87×10 -6 

9.61×10 -6 

1.59×10-10 1.57×10-9 0.360 

D/Cの割合 

56.82% 

0.06% 

43.11% 

0.00% 

0.00% 

0.00% 

0.00% 

0.00% 

100.0% 

5.13×10-5 1.50×10-6 7.52×10-7 4.65×10-1 6.62×10-4 2.05×10-1 1.16×10 -5 

2.88×10 -5 

4.78×10-10 4.70×10-9 ふげん廃止措置情報目的外使用・複製・開示禁止原子力機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 資料 23-4-11 

クリアランスレベル以下として 

判断されるCo-60の放射能濃度 

の上限値は以下のとおり 

(a)の方法が0.079(Bq/g) 

D/Cの割合 

30.52% 

0.10% 

69.36% 

0.00% 

0.00% 

0.01% 

0.00% 

0.00% 

100.0% 

(b)の方法が0.026(Bq/g) 

(全γ線グループ測定法補正係数:3の場合) 


0.00% 

0.00% 

※原子炉運転終了後8年時点(平成23年3月29日)の評価値 



(Bq/g) 

5.13×10-6 1.50×10-7 7.52×10-7 4.65×10-2 6.62×10-5 2.05×101 1.16×10 -6 

2.88×10 -6 

2.05×101 4.78×10-11 4.70×10-10 D/C 

0.671 

0.00% 

0.00% 

(a)及び(b)方法ともクリアランスの判断基準であるD/Cの合計値が1以下と 

なった。 

(b)の方法は、補正係数を考慮していることから、H-3以外の核種の放射能 

濃度及びD/Cが(a)の方法に比べて大きくなっている。

H-3(Bq/g) 

1.E+04 

1.E+03 

1.E+02 

1.E+01 

1.E+00 

1.E-01 

1.E-02 

1.E-03 

1.E-04 

1.E-05 

1.E-06 

1.E-07 


-17- 

 

設定に用いるデータの見直し検討結果 

H-3平均放射能濃度 

ｸﾘｱﾗﾝｽﾚﾍﾞﾙ:100(Bq/g) 

D/Cの合計値 

クリアランスレベル以下として判断さ 

れるCo-60の放射能濃度の上限値 

全データ 

タービン設備データ 

平均放射能濃度 

NDデータ 

3.21×10 1 (Bq/g) 

2.98×10 -2 (Bq/g) 

見直したH-3平均放射能濃度を採用した場合の評価結果 


0.360→ 0.156 

0.079→ 0.099 (Bq/g) 

 

設定に用いるデータの見直し検討 

平均放射能濃度及び核種組成比の設定に用いるデータは、運転終了後に採取したデー 

タだけでは検出限界値以上のデータが少なく、核種組成比の統計的な判定において核 

種間に相関関係がないと判定される核種があることから、埋設処分廃棄体用に採取し 

た運転中の低レベル放射性廃棄物のデータを含めて設定している。 

運転終了後に冷却材が抜き取られた後の系統から採取した試料のH-3の放射能濃度デー 

タは、運転中に採取したデータに比べて、放射能濃度が低いことが分かってきた。 

現在のプラントの汚染状況を示している運転終了後に施設、設備から採取したデー 

タのみ用いて、H-3の平均放射能濃度の設定を検討 

CLの100分の 

1以上 

のデータ数 *1 

CL以上 

のデータ数 *1 

平均放射能濃度の設定には、検出限界値以上のデータが少ないことから、保守的に検出限界値も含めて設定 

放射性物質分析数 

検出限界値以 

上のデータ数 

検出割合 

うちタービン設備のデータ 

検出限界値以上 

分析数 


H-3 

31 

6.5% 

*1:平成15年3月29日時点に半減期補正した測定値にて評価した結果 

2 

H-3は、検出限界値以上のデータが2点検出されているが、クリアランスレベル(CL)の 

100分の1以上のデータは検出されていない。 


埋設処分廃棄体用に採取した運転中 

の低レベル放射性廃棄物のデータを 

含めて設定したH-3濃度は、 

3.21×101 (Bq/g) 

運転終了後に施設、設備から採取 

したデータのみ用いて設定したH-3 

濃度は、 

2.98×10-2 (Bq/g) 

原子炉運転中のデータを含めた場合と 

比較して、H-3濃度は1000分の1程度 


0.671→ 0.466 

0.026→ 0.033 (Bq/g) 


0 

0 

9 

0


まとめ及び今後の課題 

-18- 

 

クリアランスレベル近傍のデータとして、解体撤去済のタービン設備である 

第3、4給水加熱器から採取した試料のうち、Co-60放射能濃度が比較的高い分 

析結果を用いて、クリアランスを試行的に評価した結果、(a)主要核種測定法 

を主とした方法では0.36、(b)全γ線ｸﾞﾙｰﾌﾟ測定法を主とした方法では0.67と 

なり、双方ともクリアランス可能な見込みが得られた。 

クリアランスレベル以下として判断されるCo-60の放射能濃度の上限値は、 

(a)主要核種測定法を主とした方法では0.079Bq/g、(b)全γ線ｸﾞﾙｰﾌﾟ測定法を 

主とした方法では0.026Bq/gとなり、(b)の方法では上限値が3分の1になる。 

(b)の方法の場合、全γ線グループ測定法補正係数が大きくならないような対 

象物の置き方、重量等の運用面の制限を考慮する必要がある。 

これらの結果から(a)主要核種測定法を主とした方法を第1候補としたい。 

H-3の平均放射能濃度の設定に用いるデータの見直しを検討した結果、運転終 

了後に施設、設備から採取したデータのみ用いて設定を行うことで、H-3の平 

均放射能濃度を現在のプラントの汚染状況に近づけることができ、より現実的 

な条件の下、クリアランスが可能である。 


2.2.2 クリアランスモニタの性能 

報告概要 

・クリアランスモニタの概要、測定評価フロー 

・換算係数について 

・データ取得の例 

・性能データ取得、評価内容 

・模擬試験体、線源の配置 

・検出限界等の評価 

・まとめ、今後の予定 




-19- 

 

放射能濃度の測定及び評価方法の認可申請書の項目 

1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、 

その代表者の氏名 

2.放射能濃度確認対象物が生じる工場等の名称及び所在地 

3.放射能濃度確認対象物が生じる施設の名称 

4.放射能濃度確認対象物の種類 

5.評価に用いる放射性物質の種類 

6.放射能濃度の評価単位 

7.放射能濃度を決定する方法 

8.放射線測定装置の種類及び測定条件(今回の報告内容) 

9.放射能濃度確認対象物の管理方法 

 


② クリアランスモニタの性能 

環境管理課川越慎司 





クリアランスモニタの概要 


-20- 

 

クリアランス対象物の放射能濃度の評価フロー 

クリアランス対象物 

事前調査 

・対象物発生系統 

測定 

・重量測定(個別) 

・高さ測定 

・ BG 測定 

・約4分/対象物 

薄型 PLS 測定厚型 PLS 測定 

表面からのβ 

線の計数率 

表面汚染密度換算係数 

(Bq/cm 2/cps) 

表面汚染(Bq/cm 2) 

持ち出し基準判定 

合格 

表面を含むγ線 

の計数率 

換算係数 

(Bq/cps) 

放射能量換算(Bq) 

放射能濃度(Bq/g) 

核種組成比 

ΣD/C の評価 

クリアランス区分判定 

・核種組成比の設定 

・放射能換算係数設定(高さ 

毎定期校正実施時に設定) 

・ロードセルによる 

重量データ 

・対象物高さ測定 

検出器面積相当の平均 

密度に換算 

換算係数 

対象物の平均密度 

対象物のかさ密度 

に換算した自己吸 

に換算した自己吸 

収補正係数をその 

都度算出し換算計 

都度算出し換算係 

数を算出数を算出 

D:放射能濃度 

C:クリアランスレベル 

 

クリアランスモニタ検出器部概略図(トレイ型) 

検出器 

・種類:プラスチックシンチレーション検出器 

・検出器数量:上部4個、下部4個 

(上部検出器は対象物の高さに応じて上下する) 

・有効面積(1個当り):25×25cm(t;5cm) 

測定対象物 

・寸法:80W×80D×40H cm以下 

・重量:100kg(最大) 

・対象種類:金属類 

8個の検出器を設け、トレイを走査させる方式により 

トレイ上の対象物全体を万遍なく測定 

換算係数に関連し 

たデータ取得 


上部検出器 

トレイ 

下部検出器 



換算係数について 


-21- 

 

・主要核種(Co-60)の放射能(Bq)=計数率(s -1 )×換算係数 

・換算係数 

① 校正定数 

-測定の都度得られる重量、高さの実測値から、かさ密度 

を算出し、これを基にその都度演算を行い設定 

配管 

計数効率により実際の放射能量に 

換算するもの 

- 検出器間高さ10,20,30,40cmにおける標準線源 

(Co-60)の計数効率より設定 

② 自己吸収補正係数配管等の対象物による放射 

線の吸収を補正するもの 

高さ 

H(cm) 重量 

W(g) 

立方体 

 

クリアランスモニタによる測定・評価フロー 

測定 

(γ核種) 

主要核種(Co-60)の放射能 (Bq)の算定 

計数率(s -1 )×換算係数 

・核種組成比法等により対象10核種の放射能濃度(Bq/g)を算定 

・クリアランス評価(ΣD/C



データ取得に使用した模擬試験体 

種類 

寸法 

データ取得数 

写真(例) 

性能データ取得・評価内容 

平板 

25×25cm×厚さ2.7cm 

平板6枚 

20 

平板1枚 


φ25A(長さ25~50cm) 

φ50A (長さ25~50cm) 

φ250A (長さ25~50cm) 

φ350A (長さ25~50cm) 

-22- 

半割配管 

25A 

101 

合計:160 

350A 

 

(1) クリアランス測定方法の妥当性評価 

平板等の模擬試験体、標準線源(Co-60)を用いて測定を行い、 

「測定により得られた放射能量/標準線源の放射能量」を算出し、 

相当数が保守側に評価されることを確認する。 

(2) 検出限界の評価 

 

原子力学会標準「クリアランスの判断方法:2005」に示されている相対 

誤差(r 1,r 2 )を求め、検出限界を算定する。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

: 検出限界() 

: 定数(=3) 

: 対象物の測定時間() 

: バックグラウンド計数率( ) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

配管 

φ25A(長さ25~50cm) 

φ50A (長さ25~50cm) 

φ250A (長さ25~50cm) 

φ350A (長さ25~50cm) 

250A 

 

 

39 


50A 

線源は約10kBq(最大2個)、1kBq(1個)のCo-60を使用 

 

 

 

: バックグラウンド測定時間() 

: 換算係数( ) 

: バックグラウンド変動に起因する相対誤差 

: 換算係数の相対誤差 

 

資料 23-4-23

測定で得た放射能量/標準線源の放射能量 

5.0 

4.0 

3.0 

2.0 

1.0 

0.0 


0 50 100 

試験数 

150 


-23- 

平板 

半割配管 

配管 

 

模擬試験体・線源の選定、配置方法の考え方 

(1) 実運用を想定し、模擬試験体を選定 

⇒種類(熱交胴部等を想定した平板、半割状配管、配管)、配管径(系統に使用されている配管径 

を想定)、大きさ(除染可能な最大の大きさ(約50cm)も想定)等を考慮して選定 

(2) 実運用を想定し、模擬試験体を配置 

⇒トレイの様々な位置に配置(トレイ中央、トレイ枠近傍等) 

(3) 測定可能範囲内でパラメータを振って測定 

⇒重量:7~91kg(模擬試験体の数量で調整)、高さ:約4~40cm(模擬試験体の種類で調整) 

(4) 実際に想定される汚染状態を模擬して線源を配置 

⇒ 線源数量: 1個(1箇所汚染を想定)、2個(2箇所汚染を想定) 

線源強度: 約10kBq(クリアランスレベル(0.1Bq/g)を超える汚染を想定)、約1kBq(クリア 

ランスレベル近傍の汚染を想定) 

線源設置位置: ①半割配管等内面(汚染面)の中心付近(通常汚染を想定) 

②半割配管等外面の底部中心付近(配管等の外面の汚染を想定) 

③配管内面のトレイ枠側中心付近(計数率が最も小さくなる位置の汚染を想定) 

模擬「平板」 

木材 

① 

② 

模擬「平板」測定時の 

線源設置位置 

模擬「半割配管」 

トレイ 

① ② 

模擬「半割配管」測定時の 



模擬「配管」 

① ② 

模擬「配管」測定時の 


模擬「配管」 

トレイ枠 

 

「測定で得た放射能量/標準線源の放射能量」の評価 

値が2程度のものは、試 

験体を複数並べた重いも 

の。高さが同じでも重い 

と、かさ密度が大きくな 

ることから自己吸収が大 

きくなるため換算係数が 

大きくなり、値は大きく 

なる。 

(かさ密度は、高さと重 

量により決定される。 

換算係数は検出器の計数 

効率と、かさ密度によっ 

て決定される。) 

値が1以下のものは、実 

際の測定では置かないよ 

うな計数率が最も低くな 

る位置(トレイ枠上)に 

線源を配置したため。 


「測定で得た放射能量/標準線源の放射能量」の相当数が保守側に評価されており、 

クリアランス測定方法の妥当性が確認できた。 

③ 

模擬「配管」トレイ枠側 

測定時の線源設置位置 


検出限界濃度(Bq/g) 

は、検出限界放射能 

量(Bq)を試験体重量 

(g)で除して算出す 

るため、重量が軽い 

ほど検出限界濃度は 

高くなる。 

1.まとめ 

検出限界濃度(Bq/g) 

0.05 

0.04 

0.03 

0.02 

0.01 

0.00 



まとめ及び今後の予定 


-24- 

 

・「測定で得た放射能量/標準線源の放射能量」の相当数が保守側に 

評価されており、クリアランス測定方法の妥当性が確認できた。 

・取得したr 1 、r 2 を用いて検出限界値を算出した結果、10~90kgの測定重 

量範囲内において概ね「0.01~0.02Bq/g」で、Co-60のクリアランスレベ 

ル「0.1Bq/g」に対して十分に低いものであった。 

2.今後の予定 

検出限界の評価 

0 20 40 60 80 100 

質量(kg) 

バックグラウンド変動に起因する相対誤差(r 1 ):0.0149 

換算係数の相対誤差(r 2 ):0.177 

平板 

半割配管 

配管 

 

重量が増加するほど、かさ密 

度が大きくなり、それに伴い 

換算係数が大きくなるため、 

検出限界放射能量(Bq)が大き 

くなる。 

(重量増加に伴う検出限界濃 

度(Bq/g)の低下に比べて、換 

算係数の増加による検出限界 

の上昇の寄与が大きいことに 

よる。) 

平板は上下検出器間の距離が短いため、計数効率が高 

く換算係数が小さいため、検出限界濃度(Bq/g)は低く 

なる。 

Co-60の検出限界は、10~90kgの測定重量範囲内において、Co-60のクリアラン 

スレベル「0.1Bq/g」に対して十分に低いものであった。 


・今回の評価結果を基にクリアランスモニタの運用(対象物の重量等)を 

具体化し、測定マニュアルに反映する。 


2.2.3 手動式除染装置の除染性能試験結果 

報告概要 

・装置概要 

・除染試験 

解 

体 

撤 

去 

物 

前 

処 

理 

( 

除 

染 

) 

C 

L 

測 

定 

・ 

評 

価 

確 

認 

待 

ち 

一 

時 

保 

管 

庫 

国 

の 

確 

認 

( 

検 

査 

) 


装置導入目的 

搬 

出 

待 

ち 

一 

時 

保 

管 

庫 

搬 

出 

-25- 

 

クリアランス対象物の前処理として、物理的方法(ウェットブラスト法)に 

より、汚染を除去(低減) 

当面の除染対象物は、平成20年度以降の解体撤去工事で発生した 

タービン設備の解体撤去物(復水器、熱交換器等) 

除染性能の把握等を行うため、自動機に先行して手動機を導入 

クリアランス作業フロー 

 


③ 手動式除染装置の除染性能試験結果 

導入目的・仕様・構成 

試験目的・内容・条件 

試験結果 

まとめ 

技術開発部設備保全課濱田宣幸 


装置外観 


対象物受入 

( 入口 ) 

除染ブース (テーブル) 

除染 

( ブラスト投射 ) 

洗浄 

( 水洗 ) 

水切 

( エアブロー ) 

対象物取出 

( 出口 ) 

手動除染フロー 

排水 

M 

P 


装置仕様 

装置概略図 

空気 

圧縮機 

空気圧縮機 

排水処理装置 

スラッジ 

貯留タンク 

レシーバ 

タンク 

ろ過 

フィルター 

M 

P 

P 

-26- 

 


M 

P 

ブラストポンプ 

サイクロン 

セパレータ 

ブラスト材回収器 

戻り 

 

ウェットブラスト法により、対象物の表面を削り取り、汚染を除去(低減) 

除染ブース、ブラスト材回収器、排水処理装置、排気装置、空気圧縮機から構成 

グローブボックス型のブース内で手動式のブラストガンを操作し、テーブル上の対 

象物にブラスト投射 

ブラスト材は、破砕しにくく循環して繰り返し使用可能で、研削力が大きいステンレ 

ス研磨剤を使用 

除染作業状況 

主な仕様 

対象物寸法 : □50×50cm以内 

(テーブル積載寸法) 

対象物重量 : 70kg以下 (テーブル積載重量) 

対象材質 : 炭素鋼、ステンレス鋼 

装置概略寸法 : 約4×4×2.6(H) m 

処理量 : ~0.5トン/日 

ブラストガン : 手動式、丸ノズル(Φ11mm) 

ブラスト材 : ステンレス研磨剤 (グリッド形状) 


M 

スラッジ 

濃度計 

水洗ガン 

水切ガン 

対象物 

ブラストタンク 

ブラストガン 

排気ファン 

M 

F 

排気装置 

フィルター 

除染ブース 

グローブ 

各機器より 

テーブル / レール 

給水 (純水) 

排気

分類 

実機材を用いた 

「汚染のない試験」 

実機材を用いた 

「汚染のある試験」 

試験 

汚染のない 

試験 

汚染のある 

試験 

タービン系 

設備 

タービン系 

設備 

原子炉冷却 

系設備 

一般鋼材 

表2 試験片の種類 

採取箇所 

給水配管(半割) 

給水加熱器(胴等) 

主蒸気管 

湿分分離器ﾄﾞﾚﾝ管 

復水器構造物 

炉浄化系配管 

コールド材 

汚染のない試験片 

50×50cm以下 (半割配管) 


試験目的・内容 

試験条件 

材質 

(サイズ) 

炭素鋼 

(50×50cm以下) 

炭素鋼 

(約20cm 2 ) 

ステンレス鋼 

(約20cm 2 ) 

炭素鋼 


(約20cm 2 ) 


(Bq/g) 

無 

(GM測定) 

0.4 ~ 5 

(Ge検出器) 

5 ~ 70 

(Ge検出器) 

無 

(Ge検出器) 

汚染のある試験片 

約 5×5cm (約20cm 2 ) 

-27- 

項目 

処理エア圧力 

投射距離 

投射角度 

ブラスト材 

処理単位 

※ 汚染のある試 

験片(約5×5cm) 

 

目的 : 基本的な除染性能を確認し、作業条件等の設定に質すること 

試験名 

ブラスト処理面の確認 

除染性能の確認 

ブラスト処理条件の 

違いによる除染性能の 

比較 

再汚染量の確認 

表1 試験内容 

試験内容 

配管類の内面の錆、外面の塗装が除 

去され、梨地となる研削力を有してい 

ることを目視で確認 

基本仕様条件にて、処理単位毎(約 

20cm 2 試験片、3秒処理)に、ブラスト 

処理と放射能濃度測定を行い、検出 

限界値になるまでの変化及び除染係 

数(DF)を確認 

処理エア圧力と投射距離条件を変更 

し、その違いを比較 

汚染のある試験後のスラリーに汚染 

がある環境下で、汚染のない試験片を 

処理し、放射能測定により再汚染量を 

確認 


 

表3 基本仕様条件 

約 90 度 

グリッド形状 (粒子径 50~200μm) 

10~15 vol% (水に対する) 

ブラストノズル投射面積(Φ約2cm) 

とブラストガン操作速度を約5cm/秒 

として、試験片の片面を直線上に3 

回投射(一辺×3回)することにより、 

約5×5cmの試験片を1回処理する 

時間として3秒を設定 


形状 

濃度 

汚染の検出されていない炭素鋼 

(実機材) 

50×50cm以下 

平板、半割配管等 

給水配管(半割) 

給水加熱器(胴等) 

汚染のある炭素鋼、ステンレス鋼 

(実機材) 

約 5×5cm(約 20cm 2 ) 

主蒸気管 

湿分分離器ドレン管 

復水器構造物 

炉浄化系配管等 

汚染のない炭素鋼、ステンレス鋼 

(一般鋼材) 

条件 

約 0.4 MPa 

約 100 mm 

材質高硬度ステンレス鋼 

ブラスト材 

試験片

Co-60濃度(Bq/g) 

100 

10 

1 

0.1 

0.01 

0.001 

0.0001 

処 

理 

前 

処 

理 

後 

クリアランスレベル 


除染性能確認試験 (炭素鋼) 

主蒸気配管(MSIV付近)1 


湿分分離器ドレン配管1 


復水器サポート管1 


0 5 10 15 20 25 30 

処理時間(s) 

図1 汚染面積約20cm 2 の処理時間による比較 

対象物 

炭素鋼、6個、約20cm 2 

放射能濃度 0.4~5 Bq/g 

試験条件 (基本仕様条件) 

処理エア圧力約 0.4 MPa 

投射距離約 100 mm 

ブラスト材濃度約 12 vol% 

-28- 

 

試験片主蒸気配管湿分分離器 

(MSIV付近) ドレン配管 

処理前 

処理後 

 

ブラスト処理面の外観観察結果 

外面 

錆止塗装の状態 

錆止塗装が除去され梨地となる 

表4 ブラスト処理面の外観 

炭素鋼半割配管 (第3給水加熱器出口給水管) 

内面 

赤錆が発生している状態 

赤錆が除去され梨地となる 


写真1 処理面の状態 

復水器 

サポート管 

結果 

1回目の3秒でCLレベル以下 

CLレベル以下となる処理速度:約 0.4 h/㎡ 



除染係数(DF) 

1000 

100 

10 

100000 

10000 

1000 

100 

10 

1 

0.1 

0.01 

0.001 







0 5 10 15 20 25 30 




-29- 

 



10000 

1000 

100 

10 

1 

 

除染性能確認試験 (ステンレス鋼) 

炉浄化系戻り配管1 

炉浄化系戻り配管2 

炉浄化系ﾚｼﾞﾝｽﾄﾚｰﾅ1 


炉浄化系非再生熱交通過後配管1 


0 20 40 60 80 100 120 


図2 汚染面積約20cm 2 の処理時間による比較 

対象物 

ｽﾃﾝﾚｽ鋼、6個、約20cm 2 

放射能濃度 5~70 Bq/g 


試験条件 (基本仕様条件) 


投射距離約 100mm 


試験片非再生熱交炉浄化系 

通過後配管戻り配管 

処理前 

処理後 

写真2 処理面の状態 

結果 

5回目の15秒でCLレベル以下 

CLレベル以下となる処理速度:約 1~2 h/㎡ 


炉浄化戻り配管1 

炉浄化系戻り配管 





0 10 20 30 40 50 60 


図5 炭素鋼の除染係数(DF) 図6 ステンレス鋼の除染係数(DF) 

結果 

炭素鋼、ステンレス鋼のいずれも、除染係数は100以上 

廃止措置計画書における放射性廃棄物等の推定発生量の評価で想定してい 

る除染係数100を確保 

炉浄化系 

ﾚｼﾞﾝｽﾄﾚｰﾅ


10 

1 

0.1 

試験条件 

炉浄化系ﾚｼﾞﾝｽﾄﾚｰﾅ 

0.01 

0 20 40 60 80 100 120 

試験条件 


再汚染量確認結果 

基本仕様条件 

処理エア圧力:約 0.4 MPa、投射距離:100 mm、 

ブラスト材濃度:約 12 vol% 

試験片 

炭素鋼、ステンレス鋼(一般鋼材)、各2個 

汚染無し (約20cm 2 ) 

ブラスト時間 

5分以上 

スラリーの放射能濃度 

約10-2 Bq/cc 

(汚染のある試験片約 70kBqを処理後) 

結果 

炭素鋼、ステンレス鋼ともに、汚染の検出なし 

-30- 

試験片 

炭素鋼 

(SS400) 

ｽﾃﾝﾚｽ 

(SUS304) 

 

ﾌﾞﾗｽﾄ時間 

(s) 

再汚染 

有無 


1 

2 

1 

2 

 

処理エア圧力・投射距離条件に関する比較 


0.3Mpa 

0.4Mpa 

0.5Mpa 



10 

1 

0.1 

炉浄化系ﾚｼﾞﾝｽﾄﾚｰﾅ 

0.01 

0 20 40 60 80 100 120 


図3 処理エア圧力の比較図4 投射距離の比較 

試験条件 

ステンレス鋼 (約 5Bq/g)、 3個、約20cm 2 

処理エア圧力 0.3、0.4、0.5 MPa 

投射距離約 100 mm 


結果 

0.3 MPa : 0.4 MPaと比較すると、除染性能は 1/2程度低い 

0.5 MPa : 0.4 MPaとの差はほとんどなし 


ステンレス鋼 (約 5Bq/g) 、 3個、約20cm 2 


投射距離 50、100、200 mm 


結果 

50、200 mmとも、除染能力はほぼ同じ 

除染性能に顕著な差はなし 

表5 再汚染量確認結果 

0 

600 

0 

300 

0 

600 

0 

300 

< 4×10 -3 

< 4×10 -3 

< 5×10 

ND 

-3 

< 4×10 -3 

ND 

ND 

< 5×10 

ND 

-3 

< 5×10 

ND 

-3 


(Bq/g) 

ND 

ND 

ND < 5×10 -3 

< 5×10 -3 

50㎜ 

100㎜ 

200㎜ 


(ステンレス鋼) (ステンレス鋼) 

━ 

無 

━ 

無 

━ 

無 

━ 

無

ままととめめ 


まとめ 

-31- 

 

錆や塗装を容易に除去し、表面が梨地となる研削力を持ち、比較的 

短時間(炭素鋼 3秒、ステンレス鋼 15秒)で CLレベル以下となる除染 

能力を確認(DF100以上) 

運転条件として、基本仕様条件の処理エア圧力 0.4MPa、投射距離 

100mmが適当であり、スラリーの放射能濃度が約10 -2 Bq/ccでは再汚 

染はない 

放射能濃度の低いタービン系の解体撤去物に対して、本試験で得 

られた知見を反映して実除染を行っていく 

今後の予定 

今後の予定 

長期除染作業時の除染性能の変化、再汚染量、二次廃棄物の発 

生量等、実作業において引続きデータ及び知見の蓄積を図り、作業方 

法等の適切化、大型機(自動機)の検討を実施していく 


2.3 原子炉解体技術の検討状況 

報告概要 


原子炉本体の構造 

構造仕様 

・主要寸法 

本体: 外径 9000mm 

高さ 7000mm 

圧力管(224本): 

材質 Zr-2.5wt%Nb 

内径 117.8mm 

肉厚 4.3mm 

カランドリア管(224本): 

材質ｼﾞﾙｶﾛｲ-2 

内径 156.4mm 

肉厚 1.8mm 

・総重量: 約1000 t 

・材質(板厚) 

・ｽﾃﾝﾚｽ鋼 (max.150mm) 

・炭素鋼 (max.150mm) 

・ｼﾞﾙｺﾆｳﾑ合金 (4.3mm) 

・アルミニウム (25mm) 

・コンクリート (550mm) 

側部鉄水 

遮へい体 

(炭素鋼) 

圧力管(224体) 

(ジルコニウム合金鋼) 

カランドリア管(224体) 

(ジルコニウム合金鋼) 

カランドリアタンク 

炉心タンク 

(ステンレス鋼) 

-32- 

上部延長管部(224体) 


二重管構造の解体 

 

原子炉解体技術の検討状況 

-熱的及び機械的切断工法による切断試験- 

・原子炉領域解体工法に係る課題と技術開発 

・切断試験の概要 

・今後の検討の進め方 

技術開発部技術開発課中村保之 


 

厚板の解体 

上部鉄水遮へい体 

(炭素鋼) 

コンクリート 

下部鉄水遮へい体 

(炭素鋼) 

下部延長管部(224体) 


比較的高いもの 

比較的低いもの 

極めて低いもの 


放射能

解体工法の概略検討 

水中での各切断工法による 

圧力管等材料切断ﾃﾞｰﾀ取得 

各切断工法の評価及び選定 

選定工法による 

遠隔水中解体装置の 

設計、製作・検証試験・評価 

解体装置の改造及び付属装置 

の設計・製作・設置・試運転 

原子炉本体解体着手 


-33- 

機構レーザー技術 

利用推進室と連携 

 

切断試験時状況 


レーザ水中切断試験装置プラズマ水中切断試験装置 

ｶｯﾃｨﾝｸﾞﾍｯﾄﾞ 


ｱﾌﾞﾚｲｼﾌﾞｳｫｰﾀｰｼﾞｪｯﾄ水中切断試験装置 

 

原子炉領域解体工法に係る課題と技術開発 

材料に係る課題構造に係る課題 

・放射能レベルが比較的高い 

(放射化材料) 

・材料の一部に 

ジルコニウム合金を使用 

・切断時に発生する放射性粉塵 

等による被ばく低減 

・ジルコニウム合金切断時の 

発火防止 

・二重管を同時に切断可能な 

工法もしくは、同等の切断能 

力を有する切断工法 

・切断能力が高く、切断時の 

粉塵の発生が少ない工法 

工期短縮が図れる水中遠隔解体切断工法の検討 

【解体の流れ】 ②切断作業 

① 準備 

・遠隔解体装置設置 

・解体用プール設置等 

・カランドリア管と圧力管の 

二重管などの狭隘構造、多様 

な配置により切断箇所が多い 

・最大150mmの厚板部材から成 

る積層構造部材 

・一次切断(粗断) 

プラズマ、レーザ、AWJ等 

・二次切断(細断) 

バンドソー等 

③ 解体物収容容器に 

収容/搬出 

一次切断(粗断) 

解体用プール 

二次切断(細断) 

解体物収容容器 

*AWJ :アブレイシブウォータージェット 

④ 解体装置及び解体 

用プール等の撤去、 

片付け 


原子炉本体解体に係る開発ステップ及び各切断試験状況 

若狭湾エネルギー 

研究センターと連携 

ﾊﾞﾝﾄﾞｿｰ 


バンドソー水中切断試験装置 


切断試験について 


試験目的及び試験体の概要 

1.試験目的 

・各切断工法について、水中切断への適用性の確認 

・水中切断時の切断能力の把握 

・最適な切断条件(各切断部材に対する切断性能)の把握 

2.主な試験体 

①圧力管、カランドリア管(ジルコニウム合金鋼) 

圧力管(内管) 

材質:Zr+2.5%Nb 

板厚:4.3mm 

外径:126.4mm 

カランドリア管(外管) 

材質:Zry-2 

板厚:1.9mm 

外径:153mm 

-34- 

 

各切断工法に係る公開データ(切断速度等)の状況 

主な 

原子炉構造材 

圧力管 

カランドリア管 

鉄水遮へい体 

(管板含む) 

カランドリアタンク 


防振板 

材質 

ジルコニウム 

合金鋼 

炭素鋼 

主な 

板厚 

(mm) 

1.9 

4.3 

32~ 

150 

ステンレス鋼 27~ 

150 

アルミニウム 

合金鋼 

25 

切断 

雰囲気 

気中 

熱的切断工法 

プラズマ 

切断工法 

レーザ 

切断工法 

水中 × × 

機械的切断工法 

AWJ 

切断工法 


 

バンドソー 

切断工法 

× × × × 

× × 

気中 ○ ○ ○ ○ 

水中 ○ △ ○ △ 

気中 ○ ○ ○ ○ 

水中 ○ △ ○ △ 

気中 ○ ○ ○ ○ 

水中 ○ × ○ △ 

切断実績有り:○、一部有り:△、実績なし:× 

②厚板部材(炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金鋼) 

炭素鋼平板 

材質:SS400 

板厚:30~150mm 

ステンレス鋼平板 

材質:SUS304 

板厚:30~150mm 

ｱﾙﾐﾆｳﾑ合金鋼平板 

材質:A5052P 

約270mm 

板厚:10~30mm 

10mm 

矢型試験体 

100mm 

材質:SUS304、SS400 

板厚:10~100mm 




適用した切断工法の仕様及び切断条件 

①プラズマ切断工法 

プラズマ切断装置 ※) 仕様 

出力電流(A):200 

プラズマガス/流量(L/min):Ar、N2/25、16 

シールドガス/流量(L/min):Air/160 

切断条件 

スタンドオフ(mm):5、10 

切断速度(mm/min):200~900 

※)粉じん挙動把握試験で使用した装置を使用 


プラズマ切断試験試験結果 

試験体 

圧力管、カランドリア管(二重管) 

ステンレス鋼(平板) 

炭素鋼 


(矢型試験体) 

切断 

雰囲気 

水中 

(表側) (表側) 

圧力管(左)、カランドリア管(右) 切断写真 

切断速度 

900mm/min以上 ※) 

400mm/min 

200mm/min 

炭素鋼 

600mm/min 

400mm/min 


600mm/min 

400mm/min 

②レーザ切断工法 

③AWJ切断工法 ④バンドソー切断工法 

高圧ポンプ仕様 

水圧(MPa):200 

流量(L/min):17 

切断条件 

研掃材/供給量(kg/min):ガーネット/0.3~2.8 

スタンドオフ(mm):10~150 

切断速度(mm/min):3.6~377 

切断性能 

-35- 

1.9、4.3mm 

40mm 

50mm 

~24mm 

~29mm 

~23mm 

~30mm 

 

約2.5~4mm 

約8~18mm 


板厚 

(表側) 

 

レーザ発振器仕様 

最大出力(kW):10 

アシストガス/圧力(MPa):N2/1 

切断条件 

スタンドオフ(mm):2~20 

レーザ焦点位置(mm):-10~+10 

切断速度(mm/min):10~4000 

鋸刃仕様 

寸法:(W)27mm、(L)2750mm、(T)0.9mm 

鋸刃ピッチ:4/6、6/10 

材質:ハイス 

切断条件 

鋸刃回転速度:35~70rpm (33~66m/min) 

切断ヘッド下降速度(rad/min):0.03~3.9 

切断速度(mm/min):3.6~377 


カーフ幅 

約3~5mm 

約2.5~5mm 

約3~4.5mm 

二次生成物 

50mm厚のステンレス鋼板切断写真 

ドロス堆積高さ 

(裏側) 

約1mm 

約10~20mm 

約20~30mm 

※)試験で使用した駆動装置の限界速度であり、更に切断速度を上げる事も可能と推測




プラズマ切断試験試験結果 

切断速度(mm/min) 

700 

600 

500 

400 

300 

200 

ステンレス鋼平板及び矢型試験体の切断試験 

試験体 

圧力管 

カランドリア管(単管) 

ステンレス鋼板 

炭素鋼板 

アルミニウム合金鋼板 

板厚と切断速度との関係について 

プラズマ出力:200A 

プラズマガス/流量(L/min):Ar,N/25,16 

シールドガス/流量(L/min):Air/160 

スタンドオフ:5mm 

100 

0 

▲:矢型試験体切断可能板厚 

○:切断可、×:切断不可 

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 

レーザ切断試験試験結果 

切断 

雰囲気 

水中 

気中 

板厚(mm) 

出力 

5kW 

10kW 

10kW 

8kW 

(平板) 水中 

Air 10mm/min 

60mm切断可 

10kW 

10KW 

アシ 

スト 

ガス 

N2 

N2 

N2 

N2 

N2 

N2 

切断速度 

4,000mm/min以上 ※) 


10mm/min 


10mm/min 


10mm/min 

炭素鋼 

100mm/min 

アルミニウム合金鋼 

40mm/min 

-36- 

切断性能 

 

・板厚によらず、カーフ幅:約2.5~5mm、ドロス堆積高さ:約10~20mmであることを確認 

・切断対象物の裏面の形状がドロスの排出に影響を与えることを確認 


 

1.9、4.3mm 

100mm 

60mm切断不可 

約1~3mm 

約18mm 


板厚 

60mm 

30mm 

30mm 

カーフ幅 

約1mm 

約1~4mm 

約1mm 

約1~2mm 

約1mm 


ドロス堆積高さ 

約1mm 

約3mm 

約1mm 

約1mm 

約1mm 

※)試験で使用した駆動装置の限界速度であり、更に切断速度を上げる事も可能と推測 

(表側) (裏側) (表側) (裏側) 

板厚10mm ステンレス鋼切断板厚60mm ステンレス鋼切断 

ステンレス鋼平板 

ステンレス鋼矢型

切断速度(mm/min) 


3500 

3000 

2500 

2000 

1500 

1000 

500 

0 



レーザ切断試験試験結果 

AWJ切断試験試験結果 

試験体 


炭素鋼(平板) 


切断 

雰囲気 

水中 

切断速度 

約290mm/min 

約50mm/min 

約3.6mm/min 

約70mm/min 

約30mm/min 

約7.2mm/min 

-37- 

切断性能 

1.9、4.3mm 

30mm 

150mm 

30mm 

80mm 

150mm 

 


板厚 

圧力管(右)、カランドリア管(左) ステンレス鋼(板厚150mm) 

 

ステンレス鋼板の切断試験(水中雰囲気) 

切断板厚と切断速度の関係 

切断板厚とレーザ出力の関係 

12 

△ 

0 5 10 15 20 25 30 

板厚( mm) 

△ 

5kW 切断可 

△5kW 

切断不可 

10kW 切断可 

10kW 切断不可 

アシストガス:窒素、1MPa 


レーザ焦点位置:2mm 

△ 

35 

0 

0 10 20 30 40 50 60 70 

・レーザ出力と切断可能な板厚の関係は、リニアな関係ではないことから、厚板を切断する際には、レーザ照射 

条件と合わせてガス噴射条件についても検討する必要があると考えられる。 

・レーザ照射条件及びガス噴射条件を変更することで、更に厚い板厚についても切断できると期待される。 

レーザ出力(kW) 


10 

8 

6 

4 

2 

○:切断可 

×:切断不可 

切断速度:10mm/min 

アシストガス:窒素、1MPa 


レーザ焦点位置:5mm 

板厚(mm) 

カーフ幅 

約2.8mm 

約1.0~3.4mm 

約1.0~4.5mm 

約1.0~3.4mm 

約1.0~4.0mm 

約1.5~4.0mm 


研掃材使用量 

約5.2kg/m 

約18.2kg/m 

約252.3kg/m 

約13.4kg/m 

約32.9kg/m 

約140kg/m

研掃材供給量(kg/min) 




AWJ切断試験試験結果 

圧力管、カランドリア管二重管同時切断試験(水中) 

3 

2.5 

2 

1.5 

1 

切断速度と研掃材供給量との関係 

0.5 

吐出圧力:200MPa 

研掃材供給量:1.5kg/min 


0 

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 

バンドソー切断試験試験結果 

試験体 

炭素鋼(平板) 

切断速度(rpm) 



アルミニウム合金鋼(平板) 

○:切断可 

×:切断不可 

切断 

雰囲気 

気中 

水中 

気中 

水中 

気中 

水中 

気中 

水中 

切断速度 

・最適と考えられる研掃材供給量(約1.0~1.5kg/min)を確認した。 

切断速度 ※) 

約3,500mm 2 /min 

約3,500mm 2 /min 

約4,500mm 2 /min 

約2,500mm 2 /min 

約2,200mm 2 /min 

約1,700mm 2 /min 

約4,500mm 2 /min 

約2,500mm 2 /min 

-38- 

切断性能 

 

1.9、4.3mm 

150mm 

150mm 

150mm 

約1.4mm 


板厚 

厚板材切断状況(水中) ステンレス鋼(板厚150mm) 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ステンレス鋼板切断試験(水中) 

切断板厚と切断速度との関係 

板厚 

・「ふげん」原子炉構造材の最大板厚150mmの鋼材を切断できることを確認した。 

吐出圧力:200MPa 

研掃材供給量:1.0kg/min 


・厚板部材の切断には時間を要するため、研掃材が二次廃棄物として比較的多く発生する。 


カーフ幅 

約1.2mm 

約1.4mm 

約1.4mm 

※)バンドソーは、切断時間と共に切断対 

象物と刃の接地面積が変わることから、切 

断速度は総切断時間に対する総切断面 

積とした。

切断面積(cm 2 ) 


250 

200 

150 

100 

50 


取得した切断データ(切断速度等) 

主な 

原子炉構造材 

圧力管 

カランドリア管 

鉄水遮へい体 


カランドリアタ 

ンク 


防振板 

バンドソー切断試験試験結果 

各材質の切断に要する時間(水中) 

A5052P 

回転速度:約70rpm 

降下速度:約0.11rad/min 

材質 

ジルコニウム 

合金鋼 

炭素鋼 


アルミニウム 

合金鋼 

SS400 



Zr合金鋼(二重管) 



0 

0 120 240 360 480 600 720 

時間(sec) 

・切断対象物の材質により、切断効率は影響を受ける。 

・炭素鋼等に比べステンレス鋼は切断しにくい。 

主な 

板厚 

() () 

 

 

~ ~ 

 

~ ~ 

 

 

切断 

雰囲気 

気中 

水中 

気中 

水中 

気中 

水中 

気中 

水中 

-39- 

熱的切断工法 

プラズマ 

切断工法 

×→○ 

×→○ 

 


○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

SUS304 



 

※)鋸刃回転速度、降下速度等は、メーカー推奨値を参考とした代表的な値とした。 


レーザ 

切断工法 

×→○ 

×→○ 

○ 

△ 

○ 

△ 

○ 

×→○ 

寸法: 150×150×150mm 

切断面積 

(150×150mm:22,500mm2 =225cm2 ) 

機械的切断工法 

バンドソー 

切断工法切断工法 

×→○ ×→○ 

×→○ ×→○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

△→○ 

○ 

△→○ 

○ 

○ 

切断実績有り:○、一部有り:△、実績なし:× 

「ふげん」における取得データ:


今後の検討の進め方 

-40- 

 

薄板に対する切断データは、概ね取得 

厚板に対しては、AWJ切断工法で切断できることを実証 

切断速度切断カーフ幅スタンドオフ 

・原子炉構造物の切断位置 

・切断長さ 

・アクセス性 

・二次廃棄物発生量 

・コスト等 

原子炉構造材の最適な切断工法の選定 

しかし・・・AWJは、二次廃棄物が多量に発生するという課題があるため、 

近年、開発が著しいレーザ切断工法について、引き続きデータ数の少な 

い水中における厚板部材の切断データを取得するとともに、開発を継続 



3. 講評 

各報告の後、本委員会の石榑主査より以下のご講評を頂いた。 

クリアランス制度運用に向けた取組みや原子炉解体技術の検討等が着実に進められていると感 

じられた。 

クリアランス制度の運用に向け、技術的要求を満たす一方で、合理性も考慮しつつ今後も着実 

に準備を進めて頂きたい。また、実運用に際しては地元の理解を得ることも考慮して頂きたい。 

原子炉解体技術に関し、各工法の切断性能や「ふげん」への適用性については試験で明らかに 

なってきている。実用段階では操作性、二次廃棄物の回収等が課題となるため、これらも考慮 

して着実に技術開発を進めて頂きたい。 

-41-

This is a blank page.

第 23 回ふげん廃止措置技術専門委員会資料集 - 日本原子力研究開発 ...

Create successful ePaper yourself

Delete template?

Save as template?