「茨城県消防広域化推進計画」（ＰＤＦ）

茨 城 県 消 防 広 域 化 推 進 計 画
平 成 20 年 3 月
茨 城 県

はじめに
本 県 の 消 防 の 広 域 化 につきましては, 平 成 7 年 に 県 消 防 広 域 化 検 討 委 員 会 を 設 置
し, 広 域 化 市 町 村 圏 の10 圏 域 での 広 域 化 が 望 ましいとの 提 言 を 受 け, 広 域 化 の 働
きかけを 行 ってまいりました。
当 時 ,28 箇 所 の 消 防 本 部 が, 市 町 村 合 併 等 により, 現 在 は26 消 防 本 部 となっ
ていますが, 広 域 化 のためには, 市 町 村 間 の 合 意 形 成 や 様 々な 課 題 の 調 整 が 必 要 な
ことから 進 んでいない 状 況 にあります。
しかしながら, 小 規 模 消 防 本 部 では 初 動 体 制 や 現 場 活 動 要 員 の 確 保 , 高 度 な 消 防
資 機 材 の 計 画 的 な 整 備 などの 課 題 が 指 摘 されています。
このようなことから, 国 では、 多 様 化 ・ 大 規 模 化 する 災 害 ・ 事 故 等 に 的 確 に 対 応
し、 今 後 とも 住 民 の 生 命 , 身 体 及 び 財 産 を 守 る 責 務 を 全 うするためには、 消 防 体 制
のさらなる 充 実 強 化 ・ 高 度 化 が 必 要 であるとして、 平 成 18 年 6 月 に 消 防 組 織 法 を
改 正 し 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 を 図 ることとしました。
この 計 画 は, 消 防 組 織 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 226 号 )の 第 33 条 第 1 項 の 規 定 に 基
づく 自 主 的 な 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 の 推 進 及 び 広 域 化 後 の 消 防 の 円 滑 な 運 営 の 確
保 に 関 する 計 画 として 位 置 づけられています。
本 県 は, 約 300 万 人 の 人 口 を 有 し,その 第 一 線 で 住 民 の 安 全 を 守 る 消 防 本 部 へ
の 期 待 は 大 きいものがあるものの, 未 だ 小 規 模 消 防 本 部 が 過 半 数 を 超 えている 状 況
にあります。
このようなことを 踏 まえて, 県 では, 市 町 村 の 合 意 形 成 に 向 けて, 市 町 村 や 消 防
本 部 等 からの 意 見 を 伺 うとともに、「 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 に 関 する 推 進 委 員 会 」
( 以 下 「 推 進 委 員 会 」という。)を 設 置 するなど 検 討 した 結 果 、 消 防 体 制 の 充 実 強
化 のためには、 広 域 化 を 推 進 する 必 要 があると 判 断 し、この 計 画 を 策 定 するものです。
この 計 画 に 基 づき, 広 域 化 を 推 進 するため, 県 では, 市 町 村 間 の 合 意 形 成 に 向 け
て, 早 期 に 市 町 村 間 の 協 議 の 場 が 設 けられるよう 働 きかけを 行 ってまいります。
さらに, 広 域 化 の 推 進 母 体 となります 法 定 協 議 会 の 設 置 や「 広 域 消 防 運 営 計 画 」
の 策 定 なども 必 要 となりますので, 専 任 の 職 員 の 配 置 や 県 庁 関 係 各 課 等 による「( 仮
称 ) 茨 城 県 消 防 広 域 化 連 絡 会 議 」を 設 置 し, 市 町 村 への 助 言 ・ 指 導 を 行 うことにより,
多 くの 課 題 を 速 やかに 解 決 し, 早 期 に 広 域 化 が 実 現 できるよう 努 めてまいります。

目
次
Ⅰ 県 内 消 防 の 概 況
1 県 内 消 防 本 部 の 概 況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 消 防 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3 救 急 ・ 救 助 需 要 の 増 大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4 火 災 の 現 況 と 予 防 業 務 の 増 大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅱ 県 内 小 規 模 消 防 本 部 の 現 状 と 課 題
1 管 轄 人 口 面 の 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2 業 務 運 営 面 の 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
3 人 事 管 理 面 での 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
4 財 政 運 営 面 の 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
5 消 防 救 急 無 線 のデジタル 化 の 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・14
Ⅲ 県 内 消 防 の 広 域 化 の 基 本 的 方 向
1 広 域 化 の 必 要 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
2 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せ・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3 広 域 化 の 進 め 方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Ⅳ 消 防 の 広 域 化 により 想 定 される 効 果
1 業 務 運 営 面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
2 人 事 管 理 面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
3 財 政 運 営 面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
Ⅴ 広 域 化 後 の 円 滑 な 運 営 の 確 保 に 関 する 基 本 的 な 事 項
1 広 域 消 防 運 営 計 画 ・ 運 営 協 議 会 ・・・・・・・・・・・・・・・・22
2 国 ・ 県 の 援 助 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
資 料 集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

Ⅰ 県 内 消 防 の 概 況
1 県 内 消 防 本 部 の 概 況
県 内 の 消 防 組 織 の 状 況 を 見 ると, 県 内 44 市 町 村 全 てで 消 防 の 常 備 化 が 図 られ, 常 備 化 率
は100%となっています。
平 成 19 年 4 月 現 在 , 県 下 の 消 防 体 制 は,26 消 防 本 部 ,68 署 ,62 出 張 所 等 が 設 置 され,
消 防 職 員 数 は 4,371 人 となり, 消 防 吏 員 数 は 4,321 人 となっています。
また, 消 防 団 は 54 消 防 団 ,1,106 分 団 で 消 防 団 員 数 は 24,773 人 となっています。
人 員 の 推 移 については, 消 防 吏 員 数 は 毎 年 増 加 していましたが, 平 成 19 年 度 に 8 名 減 少
となり, 消 防 団 員 数 も 年 々 減 少 傾 向 になっています。
○ 消 防 職 員 数 ・ 消 防 団 員 数 の 推 移 ( 各 年 4.1 現 在 )
H14 H15 H16 H17 H18 H19
消 防 職 員 数 4,240 4,268 4,299 4,316 4,372 4,371
消 防 吏 員 数 4,209 4,234 4,266 4,277 4,329 4,321
消 防 団 数 84 83 83 72 60 54
消 防 団 員 数 25,964 25,690 25,547 25,325 25,070 24,773
※ 消 防 団 の 減 少 は, 市 町 村 合 併 による。
資 料 : 消 防 年 報
(2) 消 防 本 部 の 職 員 規 模
県 内 の 消 防 本 部 について 職 員 数 の 規 模 別 に 見 ると,50 人 未 満 は3 消 防 本 部 ,50 人 以 上
100 人 未 満 は7 消 防 本 部 ,100 人 以 上 200 人 未 満 は7 消 防 本 部 ,200 人 以 上 は9 消 防 本 部 と
なっています。
また, 全 国 の1 消 防 本 部 当 たりの 職 員 の 平 均 は,195 人 であるのに 対 し, 本 県 は 168 人
となっており, 全 国 平 均 に 比 べ1 消 防 本 部 当 たりの 職 員 数 は 少 なくなっています。
○ 管 内 消 防 職 員 数 規 模 別 割 合
200 人 以 上
34.6%
50 人 未 満 50 人 3未 満 11.6% 11.5%
50~100 7 26.9%
100~200 7 26.9%
200 以 上 9 34.6%
26 50 100.0% 人 以 上 100
人 未 満 26.9%
○1 消 防 本 部 当 たり 職 員 数
全 国 県
消 防 職 員 数 157,398 人 4,371 人
消 防 本 部 数 807 本 部 26 本 部
1 本 部 当 職 員 数 195 人 168 人
100 人 以 上 200
人 未 満 26.9%
資 料 : 消 防 白 書 , 消 防 年 報
1

(3) 年 齢 別 の 職 員 数
年 齢 別 の 消 防 吏 員 数 では,50 歳 以 上 の 人 数 が 1,334 名 と 全 体 の 31%を 占 めています。
19.4.1 現 在
年 齢 人 数 割 合
20 歳 未 満 30 1%
20~29 歳 815 19%
30~39 歳 1,185 27%
40~49 歳 957 22%
50 歳 以 上 1,334 31%
計 4,321 100%
○ 年 齢 別 職 員 数 ( 参 考 : 消 防 年 報 年 齢 別 消 防 職 員 数 )
1500
1000
500
0
20 歳 未 満
20~29 歳
30~39 歳
40~49 歳
50 歳 以 上
(4) 管 内 の 人 口 規 模
県 内 の 1 消 防 本 部 当 たりの 管 轄 人 口 を 見 ると,26 消 防 本 部 のうち 12 消 防 本 部 が 10 万 人
以 上 であり,14 消 防 本 部 が 10 万 人 未 満 となっています。そのうち,8 消 防 本 部 が 5 万 人
未 満 です。
全 国 の1 消 防 本 部 当 たりの 管 轄 平 均 人 口 は, 約 158 千 人 ですが, 本 県 の 平 均 は 約 115 千
人 となっています。
(5) 管 内 面 積
本 県 の1 消 防 本 部 当 たりの 管 轄 面 積 は 226.6km2であり, 職 員 1 人 当 たりの 面 積 は 1.35k
m2となります。
全 国 の1 消 防 本 部 当 たりの 管 轄 面 積 は 456km2であり, 職 員 1 人 当 たりの 面 積 は 2.34km2
です。
管 轄 面 積 全 国 367,815km2 県 5,892km2
資 料 : 消 防 現 勢 ( 全 国 消 防 長 会 ), 消 防 年 報
2 消 防 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化
近 年 , 産 業 経 済 の 急 速 な 発 展 等 により, 災 害 の 態 様 が 複 雑 多 様 化 するとともに, 大 規 模
災 害 には, 緊 急 消 防 援 助 隊 の 派 遣 が 求 められるなど, 消 防 需 要 は 飛 躍 的 に 増 大 しています。
第 一 には, 都 市 化 の 進 展 があります。つくばエクスプレスの 開 通 , 首 都 圏 中 央 連 絡 自 動
車 道 , 北 関 東 自 動 車 道 の 整 備 が 進 むに 伴 い, 特 に 県 央 ・ 県 南 地 域 においてマンションや 大
型 ショッピングセンター 等 の 建 設 が 進 むなど, 建 築 物 の 高 層 化 や 大 規 模 化 , 複 合 施 設 によ
り 使 用 形 態 が 複 雑 多 様 化 しています。これらの 建 築 物 は, 一 般 の 木 造 住 宅 に 比 べ 火 災 時 に
おける 消 火 ・ 救 助 活 動 が 困 難 であり, 高 度 な 消 火 ・ 救 助 技 術 が 求 められています。
第 二 には, 経 済 活 動 の 活 発 化 に 伴 う 変 化 によるものです。 本 県 は, 全 国 有 数 の 鹿 島 コン
ビナートや 日 立 港 , 常 陸 那 珂 港 , 大 洗 港 の 重 要 港 湾 ,さらには, 東 海 ・ 大 洗 地 区 に 原 子 力
施 設 を 抱 えるだけでなく, 新 規 工 場 立 地 は, 全 国 で1~2 位 です。
このため, 危 険 物 施 設 や 原 子 力 施 設 等 の 災 害 に 対 する 対 応 が 求 められています。
2

第 三 に, 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 うものです。 高 齢 化 の 進 展 や 住 民 ニーズの 多 様 化 などによ
り, 救 急 需 要 は 今 後 とも 増 大 することが 予 想 され, 救 命 率 向 上 のためプレホスピタル・ケア( 病
院 前 救 護 )の 充 実 など,より 高 度 な 対 応 が 求 められています。
第 四 に, 大 規 模 災 害 に 対 応 するため, 緊 急 消 防 援 助 隊 による 広 域 応 援 体 制 を 整 備 するこ
とが 求 められています。 国 では, 平 成 20 年 度 までに, 全 国 で 4,000 隊 規 模 まで 拡 大 し,
緊 急 消 防 援 助 隊 の 体 制 強 化 を 図 ることとしています。
このような 消 防 を 取 り 巻 く 変 化 に 適 切 に 対 応 するため, 消 防 体 制 の 充 実 強 化 が 喫 緊 の 課
題 となっています。
高 層 建 物 数 ( 高 さ 31m 以 上 )
危 険 物 施 設 数
286 施 設 (19.3.31 現 在 ) 16,557 施 設 (19.3.31 現 在 )
3 救 急 ・ 救 助 需 要 の 増 大
(1) 救 急 業 務 の 増 大
平 成 18 年 中 における 県 内 の 救 急 業 務 実 施 状 況 は, 救 急 出 場 件 数 104,884 件 , 救 急 搬 送 人
員 100,077 人 であり,ともに 年 々 増 加 しています。
1 日 平 均 287 件 , 約 5 分 1 秒 に 1 回 の 割 合 で 救 急 隊 が 出 場 しており,これは 年 間 に 県 民
の 約 28 人 に 1 人 が 搬 送 されたことになります。
また, 救 急 搬 送 人 員 を 傷 病 程 度 別 でみると, 入 院 加 療 を 必 要 としない 軽 症 患 者 52,218 人
とその 他 106 人 の 割 合 は 52.3%と 半 数 以 上 を 占 めており, 軽 症 患 者 が 救 急 医 療 機 関 に 搬 送
され,これらの 医 療 機 関 は 軽 症 患 者 への 対 応 に 追 われ, 緊 急 の 治 療 が 必 要 な 患 者 の 受 入 に
支 障 がでる 現 状 となっております。
さらに, 救 急 出 場 件 数 の 増 加 は, 救 急 車 の 現 場 到 着 時 間 や 医 療 機 関 収 容 時 間 の 遅 延 につ
ながるおそれがあります。
救 急 出 場 件 数
増 加 率
交 通 一 般
年 計
急 病
その 他
(%)
120,000
事 故 負 傷
H8 62,902 3.6 31,880 15,515 6,178 9,329
H9 64,847 3.1 33,977 14,801 6,304 9,765
H10 68,242 5.2 36,218 14,674 7,086 10,264
H11 73,400 7.6 39,369 15,262 7,552 11,217
H12 78,714 7.2 42,254 16,090 8,135 12,235
H13 82,191 4.4 44,519 16,191 8,731 12,750
H14 86,784 5.6 48,091 15,766 9,571 13,356
H15 92,425 6.5 52,515 15,680 10,215 14,015
H16 96,391 4.3 55,170 16,132 10,676 14,413
H17 103,644 7.5 60,604 16,260 11,606 15,174
H18 104,884 1.2
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
3
H14
H15
H16
H17
H18
資 料 : 消 防 年 報

搬 送 人 員
増 加 率
交 通 一 般
年 計
急 病
その 他
(%)
120,000
事 故 負 傷
H8 63,111 3.5 30,237 18,774 5,897 8,203
H9 64,687 2.5 32,262 17,918 5,997 8,510
H10 67,934 5.0 34,320 17,895 6,760 8,959
H11 72,817 7.2 37,263 18,615 7,184 9,755
H12 77,586 6.5 39,826 19,364 7,761 10,635
H13 81,156 4.6 42,082 19,467 8,369 11,238
H14 85,250 5.0 45,479 18,887 9,164 11,720
H15 90,081 5.7 49,543 18,592 9,752 12,194
H16 93,305 3.6 51,897 18,775 10,208 12,425
H17 99,530 6.7 56,625 18,487 11,150 13,268
H18 100,077 0.5
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
傷 病 程 度 別 搬 送 人 員
区 分 計 死 亡 重 症 中 等 症 軽 症 その 他
H8 63,111 1,487 9,077 22,244 30,294 9
H9 64,687 1,576 8,961 23,232 30,902 16
H10 67,934 1,634 9,286 24,821 32,165 28
H11 72,817 1,765 9,438 26,786 34,785 43
H12 77,586 1,731 9,779 28,629 37,401 46
H13 81,156 1,829 9,836 29,937 39,497 57
H14 85,250 1,853 10,101 31,274 41,947 75
H15 90,081 1,817 10,351 33,694 44,130 89
H16 93,305 1,777 10,062 34,972 46,388 106
H17 99,530 1,980 10,045 36,077 51,338 90
H18 100,077 1,894 10,107 35,752 52,218 106 資 料 : 消 防 年 報
(2) 救 急 業 務 の 高 度 化
救 急 業 務 は, 昭 和 38 年 に 市 町 村 の 消 防 機 関 の 事 務 として 法 制 化 され, 平 成 3 年 8 月 に
は,プレホスピタル・ケア 充 実 のため, 高 度 な 救 急 救 命 処 置 を 行 う 救 急 救 命 士 の 制 度 が 設
けられました。
また, 平 成 15 年 4 月 から, 救 急 救 命 士 が 行 う 処 置 は 順 次 拡 大 され, 救 命 率 の 向 上 を 目 指
した 救 急 業 務 の 高 度 化 が 推 進 されています。
○ 救 急 隊 員 が 行 った 応 急 処 置 の 状 況 (H18)
区
別
搬 送 人 員 (A)
応 急 処 置 対 象 人 員 (B)
応 急 処 置 率 (%)
計 急 病 交 通 事 故 一 般 負 傷
その 他
100,077 57,507 17,901 11,363 13,306
99,064 57,307 17,519 11,160 13,078
99.0 99.7 97.9 98.2 98.3
資 料 : 消 防 年 報
平 成 19 年 4 月 1 日 現 在 の 救 急 隊 は 144 隊 で, 救 急 隊 員 は 2,642 人 ( 専 任 543 人 , 兼 任
2,099 人 )であり, 救 急 救 命 士 の 資 格 を 持 つ 者 は 411 名 となっています。
全 ての 救 急 隊 に 常 時 1 名 の 救 急 救 命 士 が 配 置 できるよう, 救 急 救 命 士 の 養 成 を 早 急 に 進
めて 行 く 必 要 があります。
4

また, 救 急 自 動 車 は 163 台 ( 非 常 用 車 両 含 む)となっており,このうち 高 規 格 救 急 自 動
車 は 129 台 ( 非 常 用 車 両 含 む)となっていますが, 消 防 本 部 によっては, 全 ての 救 急 車 が
出 動 することもあり, 救 急 出 動 体 制 の 整 備 が 課 題 となっています。
○ 救 急 体 制 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 )
年 救 急 自 動 車 救 急 隊
救 急 隊 員
救 急 救 命 士
計 専 任 兼 任 資 格 者 数
8 149 132 1,840 186 1,654 49
9 149 132 1,914 208 1,706 71
10 151 132 1,946 231 1,715 94
11 151 134 1,973 301 1,672 123
12 152 135 2,054 340 1,714 153
13 153 138 2,110 374 1,736 188
14 156 135 2,184 401 1,783 224
15 159 139 2,267 481 1,786 251
16 159 139 2,230 477 1,753 280
17 159 140 2,262 506 1,756 329
18 161 142 2,336 498 1,838 362
19 163 144 2,642 543 2,099 411
(3) 救 助 業 務 の 増 大
資 料 : 消 防 年 報
平 成 18 年 中 における 消 防 職 員 及 び 消 防 団 員 の 救 助 活 動 状 況 は, 出 動 件 数 が 1,650 件 , 活
動 件 数 986 件 , 活 動 人 員 9,783 人 , 救 助 人 員 963 人 となっております。
出 動 件 数 , 活 動 件 数 等 推 移
区 分 出 動 件 数 活 動 件 数 活 動 人 数 救 助 人 数
H12 1,753 894 8,024 856
H13 2,160 1,003 9,402 986
H14 2,134 980 9,092 937
H15 1,886 949 8,868 943
H16 1,892 929 9,751 931
H17 2,056 1,003 10,314 868
H18 1,650 986 9,783 963
事 故 種 別 の 救 助 活 動 状 況 では, 火 災 時 における 救 助 活 動 は 191 件 であり,26 人 を 救 助 し
ています。
火 災 以 外 の 災 害 時 における 救 助 活 動 は, 交 通 事 故 , 水 難 事 故 等 の 要 救 護 者 の 救 出 救 助 が
主 なもので, 平 成 18 年 中 の 出 動 件 数 は 1,650 件 あり,うち 59.8%に 当 たる 986 件 で 救 助 活
動 を 実 施 し,963 人 を 救 助 しています。
資 料 : 消 防 年 報
○ 救 助 活 動 状 況
災 害 事 火 災 時
火 災 以 外 の 災 害 時 における 救 助 活 動
故
におけ
風 水 害 機 械 建 物 等 ガス 及
の 種 別 合 計
交 通 水 難
爆 発 その 他
る 救 助 小 計
等 自 然 による による び 酸 欠
事 故 事 故
事 故 の 事 故
区 別
活 動
災 害 事 故 事 故 事 故
出 動 件 数 1,650 191 1,459 1,026 103 3 46 43 3 - 235
活 動 件 数 986 191 795 558 57 2 26 30 1 - 121
活 動 人 員 9,783 1,808 7,975 5,404 930 12 237 209 3 51 1,129
救 助 人 員 963 26 937 678 79 4 26 30 0 - 120
「 活 動 人 員 」とは, 出 動 人 員 のうち 実 際 に 救 助 活 動 を 行 った 人 員 資 料 : 消 防 年 報
5

4 火 災 の 現 況 と 予 防 業 務 の 増 大
(1) 火 災 の 発 生 状 況
平 成 18 年 の 火 災 発 生 件 数 は 1,536 件 であり, 前 年 と 比 較 すると 286 件 減 少 し, 平 成 8
年 以 降 では, 平 成 10 年 (1,397 件 )についで 少 ない 発 生 件 数 です。しかし, 死 者 数 は 前 年 と
同 じ 74 名 となっており, 平 成 8 年 以 降 では, 平 成 9 年 (85 人 )についで 多 い 死 者 数 とな
っております。
○ 火 災 発 生 件 数 , 死 者 数 及 び 負 傷 者 数 の 推 移
資 料 : 消 防 年 報
区 分 火 災 発 生 件 数 死 者 数 負 傷 者 数
H8 2,059 48 164
H9 1,940 85 140
H10 1,397 45 153
H11 1,750 71 137
H12 2,049 66 188
H13 1,903 70 154
H14 2,053 68 200
H15 1,647 74 168
H16 1,770 66 191
H17 1,822 74 237
H18 1,536 74 164
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
250
200
150
100
50
0
火 災 発 生 件 数 推 移
H8
H9
H10
H11
H12
死 者 数 ・ 負 傷 者 数
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18
負 傷 者 数
死 者 数
火 災 種 別 出 火 件 数 では, 平 成 18 年 の 建 物 火 災 の 比 率 が55.8%と 平 成 8 年 (44.1%)と 比 較
して 高 い 割 合 になっています。また, 死 者 数 のうち 建 物 火 災 で 亡 くなっている 方 の 比 率 も
平 成 18 年 が71.6%と 平 成 8 年 (54.2%)と 比 較 して 高 い 割 合 になっています。
○ 火 災 種 別 出 火 件 数
資 料 : 消 防 年 報
区 分 合 計 建 物 構 成 比 (%) 小 計 林 野 車 両 船 舶 航 空 機 その 他 死 者 数 建 物 火 災 構 成 比 (%) 建 物 以 外
H8 2,059 909 44.1 1,150 191 184 3 772 48 26 54.2 22
H9 1,940 903 46.5 1,037 208 212 1 2 614 85 51 60.0 34
H10 1,397 761 54.5 636 78 184 2 372 45 29 64.4 16
H11 1,750 895 51.1 855 112 222 1 520 71 45 63.4 26
H12 2,049 965 47.1 1,084 131 259 6 688 66 42 63.6 24
H13 1,903 915 48.1 988 87 259 7 635 70 48 68.6 22
H14 2,053 1,041 50.7 1,012 135 248 1 628 68 39 57.4 29
H15 1,647 920 55.9 727 48 230 1 1 447 74 42 56.8 32
H16 1,770 883 49.9 887 97 211 1 578 66 34 51.5 32
H17 1,822 960 52.7 862 77 208 3 574 74 52 70.3 22
H18 1,536 857 55.8 679 41 182 3 0 453 74 53 71.6 21
6

(2) 予 防 業 務 の 増 大
1 防 火 対 象 物 の 推 移
県 内 の 防 火 対 象 物 は 増 加 傾 向 にあり, 平 成 8 年 度 と 比 較 すると 平 成 18 年 度 は 15,125 施
設 増 加 しています。
防 火 対 象 物 では, 共 同 住 宅 , 工 場 等 , 事 務 所 等 が 多 く, 平 成 18 年 度 の 合 計 82,266 施 設
のうち 44,742 施 設 ( 共 同 住 宅 18,545 施 設 ・ 工 場 等 14,141 施 設 ・ 事 務 所 等 12,056 施 設 )
と 全 体 の54.4%と 高 い 割 合 になっています。
○ 防 火 対 象 物 数 の 推 移 ( 各 年 3 月 31 日 現 在 )
資 料 : 消 防 年 報
年 度 防 火 対 象 物 数
H8 67,141
H9 68,965
H10 70,430
H11 71,813
H12 73,220
H13 74,670
H14 75,755
H15 77,011
H16 79,217
H17 80,512
H18 82,266
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H8 H9H10H11H12H13H14H15H16H17H18
2 火 災 予 防 査 察 実 施 状 況
火 災 予 防 査 察 の 実 施 件 数 は, 平 成 10 年 度 と 平 成 18 年 度 を 比 較 すると 5,261 件 の 減 少 と
なっています。
いずれの 消 防 本 部 においても, 火 災 防 ぎょ, 救 急 ・ 救 助 業 務 等 を 優 先 するため, 予 防 業
務 に 従 事 する 職 員 が 不 足 していると 推 測 されます。
○ 火 災 予 防 査 察 実 施 状 況
資 料 : 消 防 年 報
H10 年 度 H11 年 度 H12 年 度 H13 年 度 H14 年 度 H15 年 度 H16 年 度 H17 年 度 H18 年 度
合 計 23,359 21,638 22,958 22,936 22,460 18,843 18,119 18,243 18,098
3 火 災 原 因 調 査
火 災 原 因 調 査 は, 火 災 予 防 の 根 幹 をなす 業 務 ですが, 火 災 原 因 の 不 明 率 が 最 近 5 年 間 の
平 均 で 18.0%と 高 い 状 況 にあります。このため, 各 消 防 本 部 には, 専 門 的 な 知 識 を 有 する
職 員 の 養 成 や 専 任 化 等 による 火 災 原 因 調 査 体 制 の 充 実 強 化 が 求 められるところですが, 職
員 数 が 十 分 でないため, 長 期 の 専 門 研 修 への 参 加 や, 火 災 原 因 調 査 担 当 者 を 専 任 するなど
の 対 応 ができない 現 状 にあります。
7

○ 出 火 原 因
失 火
放 火
・ 疑 い
自 然 発 火
・ 再 燃
天 災 不 明 計
H14 1,151 469 19 16 398 2,053
H15 950 383 16 6 292 1,647
H16 1,063 354 26 22 305 1,770
H17 1,090 368 29 14 321 1,822
H18 925 296 23 14 278 1,536
計 5,179 1,870 113 72 1,594 8,828
平 均 1036 374 23 14 319 1,766
割 合 58.7% 21.2% 1.3% 0.8% 18.0% 100.0%
○ 出 火 原 因 割 合
不 明 18.0%
天 災 0.8%
自 然 発 火 ・ 再
燃 1.3%
放 火 ・ 疑 い
21.2%
失 火 58.7%
( 平 成 14 年 ~ 平 成 18 年 平 均 割 合 ) 資 料 : 消 防 年 報
8

Ⅱ 県 内 小 規 模 消 防 本 部 の 現 状 と 課 題
1 管 轄 人 口 面 の 課 題
※ 小 規 模 消 防 本 部 とは, 管 轄 人 口 が 10 万 人 未 満 の 消 防 本 部 であると 定 義 されています。
(1) 管 轄 人 口 の 予 測
国 立 社 会 保 障 ・ 人 口 問 題 研 究 所 による「 日 本 の 市 区 町 村 別 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 15 年 12 月
推 計 )」によると,つくば 市 消 防 本 部 , 阿 見 町 消 防 本 部 , 稲 敷 地 方 広 域 市 町 村 圏 事 務 組 合 消
防 本 部 の3 本 部 において, 管 轄 人 口 は 増 加 すると 推 測 されていますが, 将 来 的 にはほとん
どの 消 防 本 部 において 管 轄 人 口 が 減 少 すると 推 計 されています。
また, 高 齢 者 の 割 合 は 増 えることが 予 想 され, 特 に65 歳 以 上 の 高 齢 者 は, 災 害 時 に 要
援 護 者 となる 可 能 性 があり, 消 防 にとっても 特 別 な 配 慮 が 求 められます。
消 防 本 部 名
○ 消 防 本 部 別 将 来 推 計 管 轄 人 口 ( 資 料 : 国 立 社 会 保 障 ・ 人 口 問 題 研 究 所 )
消 防 年 報 推 計 人 口
19.3.31 平 成 42 年
増 減
消 防 本 部 名
消 防 年 報 推 計 人 口
19.3.31 平 成 42 年
増 減
水 戸 市 287,944 258,800 △29,144 小 美 玉 市 53,466 51,790 △1,676
日 立 市 200,006 153,037 △46,969 茨 城 町 35,285 30,799 △4,486
土 浦 市 142,946 140,013 △2,933 大 洗 町 18,908 16,655 △2,253
石 岡 市 82,623 71,071 △11,552 東 海 村 36,332 34,892 △1,440
常 陸 太 田 市 61,439 54,031 △7,408 大 子 町 22,098 13,552 △8,546
北 茨 城 市 50,313 40,448 △9,865 阿 見 町 46,696 49,055 2,359
笠 間 市 81,514 82,069 555 高 萩 ・ 日 立 33,165 26,840 △6,325
取 手 市 111,900 103,994 △7,906 鹿 島 南 部 155,806 147,560 △8,246
つ く ば 市 194,740 235,037 40,297 茨 城 西 南 309,944 276,179 △33,765
ひたちなか 市 156,444 152,075 △4,369 筑 西 広 域 215,238 177,393 △37,845
常 陸 大 宮 市 48,356 39,981 △8,375 常 総 広 域 162,973 158,553 △4,420
那 珂 市 56,493 53,695 △2,798 鹿 行 広 域 123,587 103,089 △20,498
かすみがうら 市 44,967 39,828 △5,139 稲 敷 広 域 252,932 263,903 10,971
2 業 務 運 営 面 の 課 題
(1) 消 防 職 員 の 充 足 率
「 消 防 力 の 整 備 指 針 」に 基 づく 消 防 職 員 の 充 足 率 が, 県 平 均 の 62%より 低 い 消 防 本 部 は,
管 轄 人 口 10 万 人 未 満 の 14 消 防 本 部 のうち 11 消 防 本 部 , 管 轄 人 口 10 万 人 以 上 の 12 消 防 本
部 のうち4 消 防 本 部 となっており, 管 轄 人 口 10 万 人 未 満 の 小 規 模 消 防 本 部 では, 充 足 率 が
低 い 傾 向 にあり, 業 務 を 遂 行 する 上 で 課 題 となっています。
9

○ 消 防 職 員 数 の 充 足 率
管 轄 人 口 10 万 人 未 満 消 防 本 部 管 轄 人 口 10 万 人 以 上 消 防 本 部
本 部 名 指 針 現 有 充 足 率 本 部 名 指 針 現 有 充 足 率
石 岡 市 235 132 56% 水 戸 市 474 339 72%
常 陸 太 田 市 152 88 58% 日 立 市 353 278 79%
北 茨 城 市 124 86 69% 土 浦 市 285 176 62%
笠 間 市 209 127 61% 取 手 市 272 184 68%
常 陸 大 宮 市 128 81 63% つくば 市 545 314 58%
那 珂 市 128 104 81% ひたちなか 市 302 160 53%
かすみがうら 市 165 83 50% 鹿 島 南 部 475 310 65%
小 美 玉 市 229 109 48% 茨 城 西 南 646 429 66%
茨 城 町 76 45 59% 筑 西 広 域 432 274 63%
大 洗 町 82 40 49% 常 総 広 域 328 241 73%
東 海 村 113 55 49% 鹿 行 広 域 368 200 54%
大 子 町 83 43 52% 稲 敷 広 域 527 317 60%
阿 見 町 150 61 41% 計 7,079 4,371 62%
高 萩 ・ 日 立 198 95 48% * 網 掛 け 部 分 県 平 均 より 低 い 4 本 部
* 網 掛 け 部 分 県 平 均 より 低 い 11 本 部
資 料 : 消 防 年 報 ,H18 年 度 消 防 施 設 設 備 計 画 実 態 調 査
(2) 火 災 出 動 体 制
消 防 庁 の「 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 の 推 進 に 関 する 答 申 」( 平 成 18 年 2 月 )。( 以 下 「 答 申 」
という。)」によれば, 消 防 力 の 整 備 指 針 において 想 定 している 火 災 のリスク 及 び 対 処 方 針
は, 建 築 面 積 63m2 程 度 の 一 戸 建 ての 住 宅 (2 階 建 て, 延 床 面 積 125m2 程 度 )において 発 生
した 火 災 を 火 元 建 築 物 1 棟 の 独 立 火 災 にとどめ, 隣 棟 への 延 焼 を 阻 止 することであり,こ
のために 必 要 な 消 防 力 の 整 備 目 標 として, 消 防 ポンプ5~6 台 で 対 応 することが 想 定 され
ています。
したがって, 管 轄 人 口 10 万 人 規 模 の 本 部 では,このような 火 災 の 発 生 時 に 必 要 最 小 限
の 対 処 はできますが, 万 一 , 周 囲 に 延 焼 拡 大 したり, 他 の 地 域 で 同 時 に 火 災 が 発 生 した 場
合 等 には, 第 1 次 出 動 体 制 でほぼ 全 ての 部 隊 が 出 払 うこととなり, 非 番 の 職 員 を 招 集 しな
い 限 り, 応 援 部 隊 を 出 動 させることができず, 迅 速 な 消 火 活 動 が 困 難 になります。
○ 答 申 による 管 轄 人 口 規 模 モデル 消 防 本 部
管 轄 人 口 署 所 の 組 織 車 両 台 数 職 員 数
50 万 人 4 署
指 揮 車 :4 台 水 槽 ポンプ 車 :12 台
規 模 11 出 張 所
はしご 車 :5 台 ポンプ 車 :13 台 500 人
化 学 車 :3 台 救 助 工 作 車 :4 台
高 規 格 救 急 車 :14 台
30 万 人 3 署
指 揮 車 :3 台 水 槽 ポンプ 車 :6 台
規 模 6 出 張 所
はしご 車 :3 台 ポンプ 車 :6 台 358 人
化 学 車 :2 台 救 助 工 作 車 :3 台
高 規 格 救 急 車 :8 台
10

10 万 人
1 署
指 揮 車 :1 台 水 槽 ポンプ 車 :2 台
121 人
規 模
2 出 張 所
はしご 車 :1 台 ポンプ 車 :3 台
化 学 車 :1 台 救 助 工 作 車 :1 台
高 規 格 救 急 車 :3 台
(3) 高 機 能 資 機 材 の 保 有 状 況
消 防 関 係 車 両 の 整 備 状 況 については, 昨 今 の 厳 しい 財 政 事 情 等 を 考 えると, 小 規 模 消 防
本 部 においては, 高 度 な 車 両 ・ 資 機 材 の 導 入 に 困 難 を 伴 う 場 合 があると 指 摘 されています。
本 県 においても, 小 規 模 消 防 本 部 においては,はしご 車 ・ 化 学 消 防 車 ・ 救 助 工 作 車 の 高
機 能 資 機 材 の 保 有 状 況 は, 必 ずしも 十 分 とは 言 えない 状 況 にあります。
○はしご 車 , 化 学 消 防 車 , 救 助 工 作 車 の 状 況 (H19.4.1 現 在 )
管 轄 人 口 10 万 人 未 満 消 防 本 部 管 轄 人 口 10 万 人 以 上 消 防 本 部
本 部 名 はしご 車 化 学 消 防 車 救 助 工 作 車 本 部 名 はしご 車 化 学 消 防 車 救 助 工 作 車
石 岡 市 1 2 2 水 戸 市 2 2 2
常 陸 太 田 市 0 0 1 日 立 市 2 2 1
北 茨 城 市 1 1 1 土 浦 市 2 1 1
笠 間 市 1 0 2 取 手 市 1 2 1
常 陸 大 宮 市 0 0 1つくば 市 2 1 3
那 珂 市 1 0 1ひたちなか 市 1 1 1
かすみがうら 市 0 1 1 鹿 島 南 部 1 3 5
小 美 玉 市 0 0 1 茨 城 西 南 2 4 3
茨 城 町 0 0 1 筑 西 広 域 2 2 2
大 洗 町 0 0 0 常 総 広 域 1 1 1
東 海 村 0 1 1 鹿 行 広 域 0 2 0
大 子 町 0 0 1 稲 敷 広 域 2 1 2
阿 見 町 1 1 1 計 23 28 37
高 萩 ・ 日 立 0 0 1 網 掛 け 部 分 は, 各 車 両 とも2 台 以 上 配 備
(4) 業 務 の 専 任 体 制
資 料 : 消 防 年 報
小 規 模 消 防 本 部 においては, 職 員 数 の 充 足 率 が 低 水 準 にとどまるなど, 人 員 確 保 上 の 問
題 があります。 消 防 隊 , 救 急 隊 及 び 救 助 隊 において 兼 務 の 割 合 が 高 く, 複 雑 多 様 化 する 災
害 に 対 する 専 門 的 かつ 高 度 な 対 応 が 困 難 です。
また, 予 防 事 務 は 職 員 の 制 約 から 兼 務 によって 行 っている 割 合 が 高 く, 予 防 業 務 の 高 度 ・
専 門 化 に 対 応 する 人 員 の 確 保 ,さらには, 住 宅 防 火 対 策 , 予 防 査 察 等 幅 広 い 予 防 行 政 への
対 応 に 課 題 があります。
○ 救 急 隊 員 数 資 料 : 消 防 年 報
救 急 隊 員 数 うち 専 任 割 合
2,642 人 543 人 20.6%
○ 予 防 担 当 職 員
予 防 担 当 職 員 数 250 人
資 料 :H18 年 度 消 防 施 設 整 備 計 画 実 態 調 査
うち 兼 務 21 人
11

(5) 救 急 現 場 到 着 時 間
平 成 18 年 中 の 救 急 出 場 104,884 件 の 現 場 到 着 所 要 時 間 ( 覚 知 から 現 場 到 着 までに 要 した
時 間 )の 状 況 は,5 分 以 上 10 分 未 満 が 62,033 件 で 最 も 多 く, 全 体 の 半 数 以 上 (59.1%)にな
っています。
なお,これらの 平 均 現 場 到 着 所 要 時 間 は6.7 分 ( 前 年 6.7 分 )となっており, 全 国 平 均
6.6 分 ( 前 年 6.5 分 )とほぼ 同 様 となっています。
平 成 18 年 中 の 搬 送 人 員 100,077 人 の 収 容 所 要 時 間 ( 覚 知 から 医 療 機 関 等 に 収 容 するま
でに 要 した 時 間 )は,30 分 以 上 60 分 未 満 が 50,694 件 で 最 も 多 く, 全 体 の 約 半 数 50.7%
で, 次 いで20 分 以 上 30 分 未 満 の 34,414 件 , 全 体 の 34.4%の 割 合 になっています。
平 成 18 年 平 均 収 容 所 要 時 間 は34.4 分 であり, 全 国 平 均 29.9 分 より4.5 分 遅 い 所
要 時 間 となっております。
○ 現 場 到 着 所 要 時 間
20 分 以 上 0.7%
出 場 件 数 構 成 比
計 104,884 100%
3 分 未 満 4,884 4.7%
3 分 以 上
5 分 未 満
21,400 20.4%
5 分 以 上
10 分 未 満
62,033 59.1%
10 分 以 上
20 分 未 満
15,855 15.1%
20 分 以 上 712 0.7%
10 分 以 上 20 分 未 満
15.1%
5 分 以 上 10 分 未 満
59.1%
3 分 未 満 4.7%
3 分 以 上 5 分 未 満
20.4%
○ 収 容 所 要 時 間
搬 送 人 員 構 成 比
計 100,077 100%
10 分 未 満 255 0.2%
10 分 以 上
20 分 未 満
9,176 9.2%
20 分 以 上
30 分 未 満
34,414 34.4%
30 分 以 上
60 分 未 満
50,694 50.7%
60 分 以 上 5,538 5.5%
60 分 以 上 5.5%
30 分 以 上 60 分 未 満
50.7%
資 料 : 消 防 年 報
10 分 未 満 0.2%
10 分 以 上 20 分 未 満
9.2%
20 分 以 上 30 分 未 満
34.4%
12
資 料 : 消 防 年 報

収 容 所 要 時 間 については, 医 療 機 関 や 交 通 事 情 などの 地 域 性 がありますので, 一 概 には
言 えませんが, 小 規 模 消 防 本 部 では,14 本 部 中 11 本 部 が 県 平 均 より 収 容 時 間 を 要 してお
り, 管 轄 人 口 10 万 人 以 上 の 消 防 本 部 では,12 本 部 中 5 本 部 であることから, 小 規 模 消 防
本 部 の 方 が 収 容 までに 時 間 を 要 している 傾 向 が 伺 えます。
○ 消 防 本 部 別 収 容 平 均 所 要 時 間
管 轄 人 口 10 万 人 未 満 の 消 防 本 部 管 轄 人 口 10 万 人 以 上 の 消 防 本 部
本 部 名 所 要 平 均 時 間 本 部 名 所 要 平 均 時 間
石 岡 市 38.1 分 水 戸 市 35.7 分
常 陸 太 田 市 40.5 分 日 立 市 26.4 分
北 茨 城 市 38.2 分 土 浦 市 26.3 分
笠 間 市 31.0 分 取 手 市 30.5 分
常 陸 大 宮 市 44.3 分 つくば 市 31.3 分
那 珂 市 39.4 分 ひたちなか 市 33.2 分
かすみがうら 市 37.3 分 鹿 島 南 部 41.0 分
小 美 玉 市 39.8 分 茨 城 西 南 34.5 分
茨 城 町 39.2 分 筑 西 広 域 32.4 分
大 洗 町 34.4 分 常 総 広 域 32.9 分
東 海 村 36.3 分 鹿 行 広 域 43.0 分
大 子 町 40.6 分 稲 敷 広 域 36.7 分
阿 見 町 26.4 分 県 平 均 34.4 分
高 萩 ・ 日 立 35.8 分
網 掛 け 部 分 は, 県 平 均 を 上 回 っている 消 防 本 部
資 料 : 消 防 年 報
3 人 事 管 理 面 での 課 題
1 専 門 職 員 養 成 の 課 題
人 員 確 保 が 難 しいため, 予 防 業 務 や 救 急 業 務 など 専 門 的 能 力 の 向 上 のための 各 種 教 育
訓 練 機 関 への 職 員 派 遣 等 が 行 いにくい 傾 向 にあります。
2 人 事 管 理 上 の 課 題
人 事 ローテーションが 設 定 されにくいため, 職 務 経 験 が 不 足 しがちであり 単 線 的 な 昇
進 ルートになりやすいため, 職 員 の 士 気 の 低 下 を 招 きやすい 等 , 組 織 の 活 性 化 が 図 られ
にくい 傾 向 があります。
また, 職 員 の 年 齢 構 成 に 不 均 衡 が 生 じており,その 是 正 も 困 難 となります。
4 財 政 運 営 面 の 課 題
小 規 模 消 防 本 部 を 抱 える 市 町 村 の 財 政 規 模 は, 一 般 的 に 小 さく,したがって 消 防 費 の 予
算 額 も 小 さなものとなるため,はしご 車 , 化 学 消 防 自 動 車 等 の 高 価 な 資 機 材 の 導 入 に 困 難
を 伴 います。また, 市 町 村 の 財 政 力 が 弱 いため, 消 防 施 設 ・ 設 備 の 整 備 計 画 は 策 定 されて
いても,その 財 政 事 情 により 容 易 に 先 送 りされることが 多 くなります。
13

5 消 防 救 急 無 線 のデジタル 化 の 課 題
消 防 救 急 業 務 に 係 る 無 線 施 設 及 び 消 防 指 令 施 設 については, 従 来 , 各 消 防 本 部 が 単 独 で
整 備 し, 運 用 することが 原 則 とされてきました。しかし, 昨 今 ,より 高 度 で 複 雑 な 災 害 対
応 や 救 急 サービス 等 が 求 められているとともに, 大 規 模 災 害 等 においては 近 隣 市 町 村 に 対
し, 迅 速 かつ 集 中 的 な 広 域 応 援 を 要 請 しなければならない 等 , 既 存 の 市 町 村 消 防 本 部 では,
十 分 に 対 応 ができない 状 況 も 考 えられます。
消 防 救 急 無 線 は, 平 成 28 年 5 月 までにデジタル 方 式 に 移 行 しなければならないことか
ら, 指 令 センターの 共 同 運 用 について 検 討 を 重 ねた 結 果 , 平 成 19 年 3 月 に 本 県 の「 消 防
救 急 無 線 及 び 消 防 指 令 業 務 に 係 る 整 備 計 画 」を 策 定 し, 平 成 28 年 5 月 のデジタル 化 まで
に 県 内 消 防 救 急 無 線 と 消 防 指 令 業 務 を 一 元 化 することに 決 定 しました。
現 在 , 平 成 28 年 5 月 の 運 用 に 向 けて, 整 備 運 営 方 式 , 無 線 基 地 局 の 位 置 , 職 員 の 配 置
等 について 検 討 をしています。
【 消 防 救 急 無 線 及 び 消 防 指 令 業 務 に 係 る 整 備 計 画 の 基 本 指 針 】
1 消 防 救 急 無 線 については, 県 域 を 1ブロックとして 整 備 する。
2 消 防 指 令 業 務 については, 県 域 1ブロックで 指 令 センターを 設 置 し, 共 同 運 用 する。
3デジタルへの 移 行 時 期 は, 平 成 28 年 度 当 初 を 目 標 とする。
Ⅲ 県 内 消 防 の 広 域 化 の 基 本 的 方 向
1 広 域 化 の 必 要 性
広 域 化 に 対 する 県 の 考 え 方
(1) 消 防 の 課 題
消 防 の 課 題
1 環 境 の 変 化
・ 大 規 模 災 害 への 対 応
・ 救 急 件 数 の 増 加
・ 高 層 建 築 物 等 の 増 加
2 人 口 減 少 及 び 高 齢 化 社 会 の 到 来
・ 管 轄 人 口 の 減 少 , 高 齢 者 の 増 加
・ 消 防 団 の 担 い 手 の 確 保
・ 消 防 吏 員 の 大 量 退 職 と 人 材 確 保
3 組 織 ・ 財 政 の 硬 直 化
・ 人 事 ローテーションの 硬 直 化
・ 専 門 的 な 人 材 育 成 の 必 要 性
・ 厳 しい 財 政 状 況
4 消 防 救 急 無 線 のデジタル 化
( 平 成 28 年 5 月 )
・ 消 防 救 急 無 線 の 共 同 化
・ 消 防 指 令 業 務 の 共 同 運 用
これらの 消 防 の 課 題 を 解 消 し, 今 後 とも 住 民 の 生 命 , 身 体 及 び 財 産 を 守 る 責 務 を 的 確 に
果 たすためには, 広 域 化 により 期 待 できるメリットを 最 大 限 にいかし, 本 県 の 消 防 体 制 の
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充 実 ・ 強 化 を 図 ることが 必 要 です。
(2) 広 域 化 により 期 待 できるメリット
1 住 民 サービスの 向 上
広 域 化 により 一 つの 消 防 本 部 が 保 有 する 部 隊 数 が 増 えるため, 初 動 出 動 台 数 が 充 実 す
るとともに, 統 一 的 な 指 揮 の 下 , 効 率 的 な 災 害 対 応 が 可 能 となります。
また, 消 防 本 部 の 管 轄 区 域 が 拡 大 し, 消 防 署 所 の 配 置 及 びその 管 轄 区 域 の 見 直 しが 容
易 となることにより, 現 場 到 着 時 間 の 短 縮 等 の 効 果 が 期 待 できます。
2 人 員 配 備 の 効 率 化 と 充 実
広 域 化 により 一 つの 消 防 本 部 の 職 員 数 が 増 加 するとともに, 総 務 部 門 や 通 信 指 令 部 門
の 効 率 化 により 生 じた 人 員 を, 警 防 や 予 防 など 住 民 サービスを 直 接 担 当 する 部 門 に 配 置
することにより, 当 該 部 門 を 増 強 することが 可 能 となります。
さらに, 特 に 近 年 著 しく 高 度 化 している 予 防 業 務 や 救 急 業 務 について, 担 当 職 員 の 専
門 化 や 専 任 化 が 進 むことが 考 えられ, 質 の 高 い 消 防 サービスの 提 供 が 可 能 となります。
3 消 防 体 制 の 基 盤 の 強 化
広 域 化 により 財 政 規 模 が 拡 大 するため, 小 規 模 な 消 防 本 部 では 整 備 が 困 難 なはしご 車
や 救 助 工 作 車 などの 高 度 な 車 両 や 発 信 地 表 示 システム 等 を 備 えた 高 機 能 な 指 令 設 備 の 計
画 的 な 整 備 が 可 能 となります。
また, 広 域 化 によって 職 員 数 が 増 加 することにより, 適 切 な 人 事 ローテーションや 年
齢 構 成 の 平 準 化 が 図 られ, 専 門 性 を 高 めながら 職 員 の 総 合 能 力 を 向 上 させることができ
るなど, 組 織 管 理 の 観 点 からもメリットが 期 待 できます。
2 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せ
(1) 組 合 せの 考 え 方
一 般 論 としては, 消 防 本 部 の 規 模 が 大 きいほど 火 災 等 の 災 害 への 対 応 能 力 が 強 化 される
ほか, 組 織 管 理 , 財 政 運 営 等 の 観 点 から 広 域 化 が 望 ましいと 言 われています。
広 域 化 を 推 進 するにあたり, 以 下 の3つの 点 に 留 意 し 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せを 検 討
しました。
1 市 町 村 の 意 向 を 尊 重 すること。
2 地 域 的 な 繋 がりに 考 慮 すること。
参 考 : 広 域 市 町 村 圏 , 地 方 総 合 事 務 所 管 轄 , 二 次 保 健 医 療 圏 , 地 区 メディカルコントロ
ール 協 議 会 , 救 急 医 療 体 制
3 原 則 として, 管 轄 人 口 30 万 人 以 上 を 目 指 すこと。
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(2) 広 域 化 についての 市 町 村 の 意 向
市 町 村 への 意 向 調 査 では, 概 ね「 消 防 体 制 の 充 実 ・ 強 化 を 図 るためには 広 域 化 は 必 要 で
ある」との 意 見 が 多 数 となっております。
消 防 の 広 域 化 について(44 市 町 村 アンケート 結 果 )H19.6
必 要 である 39 市 町 村 (88.6%)
その 他 5 市 町 (11.4%)
(3) 地 域 的 な 繋 がりについて
県 の 新 総 合 計 画 の 中 では, 一 体 的 な 地 域 づくりを 推 進 することが 望 ましい 地 域 として,
県 土 を「 県 北 山 間 」「 県 北 臨 海 」「 県 央 」「 鹿 行 」「 県 南 」「 県 西 」の6つの 地 域 に 区 分 けされ
ています。
推 進 委 員 会 では, 将 来 的 には 県 内 全 域 を 一 本 化 することを 目 指 すことも 考 慮 し, 県 域 ( 一
本 化 )へスムースに 移 行 できるような 組 合 せが 良 いとの 意 見 もいただきました。
また, 地 域 的 な 繋 がりを 考 慮 するうえで, 広 域 市 町 村 圏 , 地 方 総 合 事 務 所 管 轄 , 二 次 保
健 医 療 圏 , 地 区 メディカルコントロール 協 議 会 , 救 急 医 療 体 制 等 の 地 域 的 な 繋 がりを 参 考
にするとともに, 現 在 検 討 が 行 われている 県 民 センター( 仮 称 )の 管 轄 区 域 を 参 考 としました。
(4) 管 轄 人 口 について
国 の 基 本 指 針 では, 原 則 として 管 轄 人 口 30 万 人 以 上 の 規 模 を 一 つの 目 標 とすることが 適
当 とされておりますが, 市 町 村 からの 意 見 としては, 地 域 的 な 繋 がり, 地 理 的 条 件 などか
ら,あまり 管 轄 人 口 にこだわらない 区 域 割 りが 良 いとの 意 見 も 多 くありました。
管 轄 人 口 について(44 市 町 村 アンケート 結 果 )H19.6
管 轄 人 口 30 万 人 以 上 を 目 途 に 広 域 化 11 市 町 村
管 轄 人 口 30 万 人 にこだわらない 広 域 化 30 市 町 村
その 他
3 市 町 村
(5) 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せについて
以 上 のことから, 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せについては, 地 域 的 な 繋 がりを 考 慮 し, 県
内 を「 県 北 , 県 央 , 鹿 行 , 県 南 , 県 西 」の5ブロックとする 広 域 化 を 目 指 すこととしました。
また,5ブロックを 推 進 するにあたり, 市 町 村 の 意 向 を 十 分 に 配 慮 し, 地 域 的 な 実 情 に
応 じた 個 々の 市 町 村 間 の 協 議 による 自 主 的 な 広 域 化 についても 推 進 することとします。
なお, 県 域 ( 一 本 化 )での 広 域 化 も 視 野 に 入 れた 検 討 をしてまいります。
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(6)5ブロックの 特 性
1 県 北 ブロック(5 市 1 町 )
「 日 立 市 , 常 陸 太 田 市 , 高 萩 市 , 北 茨 城 市 , 常 陸 大 宮 市 , 大 子 町 」
久 慈 川 下 流 に 広 がる 平 坦 地 や 変 化 に 富 んだ 海 岸 線 のある 臨 海 部 には, 県 北 部 を 代 表
する 工 業 都 市 としての 日 立 市 , 阿 武 隈 ・ 八 溝 山 系 に 連 なる 内 陸 部 には 常 陸 太 田 市 や 常
陸 大 宮 市 などの 都 市 があり, 緑 豊 かな 自 然 や 温 泉 施 設 なども 活 かした 観 光 も 盛 んな 地
域 です。 広 域 化 により 林 野 火 災 や 久 慈 川 等 の 河 川 の 災 害 対 応 力 の 強 化 が 期 待 できます。
2 県 央 ブロック(5 市 3 町 1 村 )
「 水 戸 市 , 笠 間 市 ,ひたちなか 市 , 那 珂 市 , 小 美 玉 市 , 茨 城 町 , 大 洗 町 , 城 里 町 , 東 海 村 」
県 都 水 戸 市 や 笠 間 市 をはじめとして, 史 跡 や 文 化 財 が 多 く, 那 珂 川 南 部 に 広 がる 肥
沃 な 平 坦 地 に 畑 ・ 水 田 が 広 がっています。 北 関 東 自 動 車 道 や 茨 城 空 港 などの 広 域 交 通
ネットワークを 活 用 した 新 たな 物 流 ・ 産 業 拠 点 の 形 成 が 図 られている 地 域 です。 広 域
化 により 原 子 力 関 連 施 設 や 那 珂 川 等 の 河 川 の 災 害 対 応 力 の 強 化 が 期 待 できます。
3 鹿 行 ブロック(5 市 )
「 鹿 嶋 市 , 潮 来 市 , 神 栖 市 , 行 方 市 , 鉾 田 市 」
南 部 には 鹿 島 港 を 中 心 とした 鹿 島 臨 海 工 業 地 帯 が 形 成 されており, 鉄 鋼 ・ 電 力 ・ 石
油 化 学 ・ 飼 料 等 日 本 でも 有 数 の 工 業 地 帯 が 形 成 されています。 一 方 では, 畑 作 を 中 心
とした 都 市 近 郊 農 業 が 発 達 しているほか, 畜 産 業 も 盛 んな 地 域 です。 広 域 化 により 鹿
島 コンビナート 施 設 や 原 子 力 施 設 ( 鉾 田 市 )の 災 害 対 応 力 の 強 化 が 期 待 できます。
4 県 南 ブロック(11 市 3 町 1 村 )
「 土 浦 市 , 石 岡 市 , 龍 ヶ 崎 市 , 常 総 市 , 取 手 市 , 牛 久 市 ,つくば 市 , 守 谷 市 , 稲 敷 市 ,
かすみがうら 市 ,つくばみらい 市 , 阿 見 町 , 河 内 町 , 利 根 町 , 美 浦 村 」
つくばエクスプレス(TX)の 開 通 や 首 都 圏 中 央 連 絡 自 動 車 道 の 整 備 が 進 みつつあ
り, 急 速 に 都 市 化 が 進 展 しています,また, 霞 ヶ 浦 など 豊 かな 自 然 環 境 を 有 効 に 活 用
している 地 域 です。 広 域 化 によりTX 開 通 に 伴 う 人 口 増 加 や 都 市 化 に 伴 う 火 災 などの
災 害 及 び 救 急 需 要 への 対 応 力 の 強 化 が 期 待 でます。
5 県 西 ブロック(6 市 3 町 )
「 古 河 市 , 結 城 市 , 下 妻 市 , 筑 西 市 , 坂 東 市 , 桜 川 市 , 八 千 代 町 , 五 霞 町 , 境 町 」
利 根 川 , 鬼 怒 川 , 小 貝 川 の 流 域 に 広 がる 肥 沃 で 広 大 な 平 坦 地 を 活 用 した 農 業 が 盛 ん
であり, 高 品 質 な 青 果 物 のブランド 化 による 大 規 模 野 菜 産 地 の 形 成 が 図 られています。
平 坦 地 が 多 く, 可 住 地 面 積 も 広 いため, 広 範 囲 に 都 市 が 存 在 している 地 域 です。 広
域 化 により, 利 根 川 , 鬼 怒 川 , 小 貝 川 等 の 河 川 の 災 害 対 応 力 の 強 化 が 期 待 できます。
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広 域 化 5ブロック
1 県 北 41.5 万 人
凡 例 □ 単 独 消 防 本 部 20
組 合 消 防 本 部 6 26
委 託 1
は,ブロック 境
大 子 町
高 萩 市
北 茨 城 市
常 陸 大 宮 市
常 陸 太 田 市
日 立 市
城 里 町
那 珂 市
東 海 村
筑 西 広 域 市 町 村 圏 事 務 組 合
5 県 西 52.5 万 人
笠 間 市
水 戸 市
ひたちなか 市
2 県 央 72.7 万 人
筑 西 市
桜 川 市
茨 城 町
大 洗 町
古 河 市
結 城 市
下 妻 市
八 千 代 町
石 岡 市
小 美 玉 市
鉾 田 市
鹿 行 広 域 事 務 組 合
境 町
五 霞 町
坂 東 市
茨 城 西 南 地 方
広 域 市 町 村 圏 事 務 組 合
旧 石 下
常
総
常 市
市
旧 水 海 道
守 谷 市
つくば 市
つくば
みらい 市
取 手 市
牛 久 市
土 浦 市
阿 見 町
龍 ケ 崎 市
利 根 町
常 総 地 方 広 域 市 町 村 圏
事 務 組 合
4 県 南 104.0 万 人
河 内 町
かすみ
がうら 市
美 浦 村
稲 敷 市
行 方 市
潮 来 市
稲 敷 地 方 広 域 市 町 村 圏 事 務 組 合
鹿 嶋 市
3 鹿 行 27.9 万 人
神 栖 市
鹿 島 南 部 地 区
消 防 事 務 組 合
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消 防 本 部 名
県 北 県 央 鹿 行 県 南 県 西
日 立 市 消 防 本 部
常 陸 太 田 市 消 防 本
部
北 茨 城 市 消 防 本 部
高 萩 市 消 防 本 部
常 陸 大 宮 市 消 防 本
部
大 子 町 消 防 本 部
6 消 防 本 部
6 市 町
各 ブ ロ ッ ク の 消 防 体 制
水 戸 市 消 防 本 部
笠 間 市 消 防 本 部
ひたちなか 市 消 防 本
部
那 珂 市 消 防 本 部
小 美 玉 市 消 防 本 部
茨 城 町 消 防 本 部
大 洗 町 消 防 本 部
東 海 村 消 防 本 部
8 消 防 本 部
9 市 町 村
鹿 島 南 部 地 区 消 防
事 務 組 合 消 防 本 部
鹿 行 広 域 事 務 組 合
消 防 本 部
2 消 防 本 部
5 市
土 浦 市 消 防 本 部
石 岡 市 消 防 本 部
取 手 市 消 防 本 部
つくば 市 消 防 本 部
かすみがうら 市 消 防
本 部
阿 見 町 消 防 本 部
常 総 広 域 市 町 村 圏
事 務 組 合 消 防 本 部
稲 敷 広 域 市 町 村 圏
事 務 組 合 消 防 本 部
8 消 防 本 部
15 市 町 村
茨 城 西 南 地 方 広 域
市 町 村 圏 事 務 組 合
消 防 本 部
筑 西 広 域 市 町 村 圏
事 務 組 合 消 防 本 部
2 消 防 本 部
9 市 町
管 轄 人 口 ( 人 )H19.3.31 415,377 726,386 279,393 1,039,777 525,182
推 計 人 口 (H42) 327,889 680,775 250,649 1,061,454 453,572
管 轄 面 積 km2(H19.4.1)
1,653 1,138 673 1,521 907
職 員 数 ( 人 )H19.4.1
671 979 510 1,508 703
署 所 数 19 25 13 45 28
署 12 16 8 24 8
所 7 9 5 21 20
職 員 1 人 人 口 619.0 742.0 547.8 689.5 747.1
あたり 面 積 2.463 1.162 1.320 1.009 1.290
消 防 力 消 防 ポンプ 車
32 46 20 72 37
はしご 車 ( 屈 折 含 )
5 7 1 10 5
化 学 消 防 車
3 4 5 10 6
救 助 工 作 車
6 9 5 12 5
救 急 自 動 車
25 40 17 54 27
指 揮 車
10 18 11 24 13
広 報 車
15 12 9 35 14
資 機 材 運 搬 車
4 8 2 6 1
消 防 艇
1 1 1
その 他
15 26 4 26 7
救 急 救 急 隊 数
22 33 16 47 26
体 制 救 急 隊 員
370 589 192 958 533
専 任 82 201 74 141 45
兼 任 288 388 118 817 488
救 急 出 場 件 数 (H18 年 )
搬 送 人 員
救 急 救 命 士
収 容 平 均 所 要 時 間 ( 分 )
職 員 数 (H19.4.1)
消 防 吏 員 数
20 歳 未 満
20~29
30~39
40~49
50 歳 以 上
平 均 年 齢
消 防 費 (H17) 千 円
71 114 32 138 56
14,142 24,620 9,855 38,315 17,952
15,513 23,323 9,546 36,335 17,360
37.6 36.1 42.0 32.4 33.5
671 979 510 1,508 703
661 971 504 1,488 697
8 7 6 3 6
130 192 133 191 169
185 274 144 448 134
120 239 59 456 83
218 259 162 390 305
40.3 40.5 39.5 41.8 41.4
7,061,481 9,977,368 5,812,042 17,447,549 7,680,513

○ 消 防 体 制 の 比 較 (モデル 的 な 管 轄 人 口 の 消 防 本 部 : 本 県 のブロック 別 消 防 本 部 )
「 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 の 推 進 に 関 する 答 申 」(H18.2.1)による 管 轄 人 口 30 万 人 ,
50 万 人 の 消 防 本 部 のイメージと 本 県 の 管 轄 人 口 が 類 似 するブロック 別 の 消 防 本 部
を 比 較
・はしご 車 については, 広 域 化 後 の 消 防 体 制 について 答 申 のイメージより 1 台 ~2 台
少 ない 結 果 になるが,その 他 の 項 目 は, 各 ブロックの 消 防 本 部 の 体 制 が 答 申 のイメ
ージを 上 回 り, 消 防 体 制 の 強 化 が 図 られることとなります。
消 防 本 部 名
答 申 による
イメージ
管 轄 人 口 30 万
人 規 模 消 防 本
部 イメージ
〈 鹿 行 〉
鹿 島 南 部 地 区 消
防 事 務 組 合 消 防
本 部
鹿 行 広 域 事 務 組
合 消 防 本 部
答 申 による
イメージ
管 轄 人 口 50 万
人 規 模 消 防 本
部 イメージ
〈 県 北 〉 〈 県 西 〉
日 立 市 消 防 本 部
常 陸 太 田 市 消 防
本 部
北 茨 城 市 消 防 本
部
常 陸 大 宮 市 消 防
本 部
大 子 町 消 防 本 部
高 萩 市 ・ 日 立 市
茨 城 西 南 地 方 広
域 市 町 村 圏 事 務
組 合 消 防 本 部
筑 西 広 域 市 町 村
圏 事 務 組 合 消 防
本 部
2 消 防 本 部
5 市
6 消 防 本 部
6 市 町
2 消 防 本 部
9 市 町
管 轄 人 口 ( 人 )H19.3.31
279,393 415,377 525,182
推 計 人 口 (H42) 250,649 327,889 453,572
管 轄 面 積 km2(H19.4.1)
673 1,653 907
職 員 数 ( 人 )H19.4.1
358 510 500 671 703
署 所 数 9 13 15 19 28
署 3 8 4 12 8
所 6 5 11 7 20
消 防 車 12 20 25 32 37
水 槽 ポンプ 車
6 11 12 13 27
ポンプ 車 6 9 13 19 10
救 急 車 両 8 17 14 25 27
高 規 格
8 10 14 24 21
高 規 格 以 外
7 1 6
化 学 車 2 5 3 3 6
救 助 工 作 車 3 5 4 6 5
はしご 車 3 1 5 5 5
はしご 車
3 1 5 3 4
屈 折 はしご 車 2 1
指 揮 車 3 11 4 10 13
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3 広 域 化 の 進 め 方
(1) 広 域 化 の 進 め 方
住 民 がより 安 全 で 安 心 して 生 活 できる 環 境 を 整 備 していくためには, 小 規 模 消 防 本 部 の
消 防 力 を 強 化 することが 重 要 です。そのためには, 広 域 化 を 推 進 し, 災 害 に 対 する 対 応 力
を 強 化 した 消 防 体 制 の 確 立 が 必 要 となります。
広 域 化 を 進 めるに 当 たっては, 広 域 化 を 行 おうとする 市 町 村 , 消 防 本 部 が 具 体 的 に 協 議
し, 理 解 とコンセンサスを 得 るとともに,それぞれの 自 主 的 な 意 思 に 基 づき 広 域 化 が 行 わ
れるよう 配 慮 する 必 要 があります。
特 に 消 防 は, 住 民 の 安 全 に 密 接 な 関 わりを 持 つ 業 務 であるだけに, 広 域 化 を 進 めるにあ
たっては, 住 民 の 理 解 と 協 力 が 不 可 欠 です。
それぞれの 自 治 体 や 住 民 が, 消 防 の 広 域 化 により,その 地 域 の 消 防 力 が 総 体 的 にレベル
アップし,より 高 度 な 消 防 サービスを 受 けることが 可 能 になるとの 理 解 を 得 たうえで, 円
滑 に 広 域 化 を 進 めていくことが 必 要 です。
(2) 計 画 の 変 更 についての 考 え 方
広 域 化 の 協 議 が 各 ブロックにおいて 行 われる 中 で, 諸 般 の 情 勢 の 変 化 により, 当 初 , 推
進 計 画 に 定 められた 組 合 せ 以 外 の 組 合 せによる 広 域 化 の 熟 度 が 高 まってくる 場 合 もありう
るものと 考 えられます。
そうした 場 合 は, 市 町 村 の 自 主 的 な 消 防 の 広 域 化 を 推 進 する 観 点 から, 当 該 組 合 せによ
る 広 域 化 が 基 本 指 針 の 趣 旨 に 合 致 するものである 場 合 には, 計 画 の 見 直 しを 図 っていくこ
とが 適 当 と 考 えます。
Ⅳ 消 防 の 広 域 化 により 想 定 される 効 果
1 業 務 運 営 面
これまで 複 数 あった 消 防 本 部 が 1つになることで, 初 動 体 制 の 強 化 が 図 れるほか 次 のよ
うな 効 果 が 想 定 され, 住 民 サービスの 向 上 が 期 待 されます。
1 本 部 機 能 の 一 元 化 に 伴 う 業 務 の 効 率 化
複 数 の 消 防 本 部 が 一 つになることにより, 総 務 部 門 や 通 信 指 令 業 務 の 一 元 化 が 図 られ,
また, 消 防 本 部 の 管 轄 地 域 の 拡 大 に 伴 い 消 防 需 要 に 応 じた 消 防 署 所 の 適 正 配 置 を 行 うこと
により, 業 務 の 効 率 化 や 地 域 の 消 防 施 設 ・ 設 備 の 充 実 強 化 を 図 ることが 可 能 となります。
2 災 害 出 動 体 制 の 充 実 強 化
職 員 規 模 の 拡 大 が 図 られ, 統 一 的 , 効 率 的 な 部 隊 運 用 を 行 うことにより, 第 一 次 出 動 隊
数 を 増 加 し, 災 害 時 の 初 動 体 制 の 強 化 を 図 ることが 可 能 となります。
また, 第 二 次 以 降 の 出 動 体 制 及 び 同 時 多 発 型 災 害 への 対 応 力 の 確 保 など 被 害 軽 減 に 向 け
た 効 果 的 な 対 応 を 図 ることが 可 能 となります。
3 救 急 , 救 助 業 務 の 専 任 化 と 予 防 業 務 の 充 実 強 化
職 員 規 模 の 拡 大 に 伴 い, 職 員 の 適 性 を 考 慮 した 職 場 配 置 が 可 能 となり,また, 救 急 救 助
業 務 の 職 員 の 専 任 化 や 火 災 原 因 調 査 や 予 防 査 察 など 予 防 業 務 の 充 実 強 化 を 図 ることにより,
21

それぞれの 業 務 について 高 度 な 消 防 サービスの 提 供 が 可 能 となります。
4 資 機 材 の 効 率 的 な 配 置
従 来 , 消 防 本 部 ごとに 配 置 していたはしご 車 , 化 学 車 等 の 車 両 及 び 各 種 資 機 材 について
は, 広 域 的 な 視 野 で 配 置 を 見 直 すことで 重 複 投 資 を 回 避 することが 可 能 となります。
2 人 事 管 理 面
広 域 化 により 消 防 本 部 の 規 模 が 大 きくなることにより, 組 織 ・ 人 員 の 効 率 化 が 図 られ,
現 場 の 署 所 への 配 置 , 救 急 ・ 予 防 ・ 火 災 原 因 調 査 などの 専 門 的 要 員 の 専 任 化 ・ 増 員 のなど
今 まで 不 足 していた 部 門 への 配 置 が 可 能 となります。
また, 次 のような 効 果 が 期 待 されます。
1 教 育 訓 練 体 制 の 充 実 強 化
消 防 大 学 校 や 救 急 救 命 士 の 養 成 研 修 所 など 各 種 教 育 訓 練 機 関 への 派 遣 が 容 易 となり, 計
画 的 な 専 門 職 員 の 養 成 が 可 能 となることから, 高 度 かつ 専 門 的 な 知 識 や 技 術 の 習 得 による
職 員 の 能 力 向 上 が 図 られます。
2 職 場 の 活 性 化 , 職 員 の 士 気 の 高 揚
組 織 や 規 模 の 拡 大 に 伴 い, 職 員 の 年 齢 , 勤 務 経 験 等 を 考 慮 した 幅 広 い 人 事 ローテーショ
ンが 可 能 となり, 人 事 交 流 の 活 性 化 と 適 材 適 所 の 職 員 の 配 置 を 図 ることにより 職 場 の 活 性
化 や 職 員 の 士 気 の 高 揚 を 図 ることが 可 能 となります。また, 年 齢 構 成 の 平 準 化 を 図 ること
が 容 易 になります。
3 財 政 運 営 面
財 政 基 盤 の 強 化 が 図 られ,はしご 車 , 化 学 車 等 の 車 両 及 び 高 価 で 高 機 能 な 資 機 材 の 整 備
を 計 画 的 に 行 うことが 可 能 となります。また, 重 複 投 資 が 避 けられるため, 予 算 執 行 の 効
率 化 が 図 られます。
Ⅴ 広 域 化 後 の 円 滑 な 運 営 の 確 保 に 関 する 基 本 的 な 事 項
1 広 域 消 防 運 営 計 画 ・ 運 営 協 議 会
(1) 広 域 消 防 運 営 計 画 の 作 成
広 域 化 対 象 市 町 村 は, 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 を 行 おうとするときは,その 協 議 により,
広 域 化 後 の 消 防 の 円 滑 な 運 営 の 確 保 に 関 する 基 本 的 な 事 項 について, 広 域 化 後 の 消 防 の 円
滑 な 運 営 を 確 保 するための 計 画 ( 以 下 「 広 域 消 防 運 営 計 画 」という。)を 作 成 することとさ
れています。( 消 防 組 織 法 第 34 条 第 1 項 関 係 )
(2) 広 域 消 防 運 営 計 画 に 定 める 事 項
広 域 消 防 運 営 計 画 においては,おおむね 以 下 1~3の 事 項 について 定 めるものとされて
います。( 消 防 組 織 法 第 34 条 第 2 項 関 係 )
1 広 域 化 後 の 消 防 の 円 滑 な 運 営 を 確 保 するための 基 本 方 針
2 消 防 本 部 の 位 置 及 び 名 称
3 市 町 村 の 防 災 に 係 る 関 係 機 関 相 互 間 の 連 携 の 確 保 に 関 する 事 項
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なお,このほかにも 地 域 の 実 情 に 応 じて 関 係 市 町 村 において 広 域 消 防 運 営 計 画 に 定 める
必 要 があると 判 断 する 事 項 については, 適 宜 , 広 域 消 防 運 営 計 画 に 定 めることが 望 ましい
こととされています。
(3) 広 域 化 後 の 消 防 の 円 滑 な 運 営 の 確 保 に 関 する 基 本 的 な 事 項
広 域 化 後 の 消 防 の 円 滑 な 運 営 の 確 保 に 関 する 基 本 的 な 事 項 として, 広 域 化 後 にその 効 果
を 十 分 に 発 揮 することができるよう, 広 域 化 後 の 消 防 において 一 元 的 な 部 隊 運 用 , 出 動 体
制 , 事 務 処 理 等 が 行 われることが 重 要 であること, 構 成 市 町 村 等 との 意 思 疎 通 及 び 情 報 共
有 に 特 に 留 意 する 必 要 があるとされています。
また, 広 域 化 後 の 消 防 の 体 制 の 整 備 のために 考 えられる 方 策 として, 例 えば, 以 下 のよ
うな 事 項 について 組 合 等 の 規 約 等 において 定 めることが 有 効 であるとされています。
1 負 担 金 又 は 委 託 料 に 係 る 基 本 的 なルール。
2 職 員 の 任 用 , 給 与 , 教 育 訓 練 等 に 関 する 計 画 を 策 定 すること。
3 中 長 期 的 な 整 備 費 用 の 見 直 しを 含 めた 消 防 力 の 整 備 計 画 を 策 定 すること。
4 部 隊 運 用 , 指 令 管 制 等 に 関 する 計 画 を 策 定 すること。
5 災 害 時 における 構 成 市 町 村 等 の 長 と 消 防 長 等 との 間 の 相 互 連 絡 , 情 報 共 有 等 に 関 す
る 計 画 を 策 定 すること。
6 構 成 市 町 村 等 間 の 迅 速 な 意 見 調 整 を 可 能 とするための 仕 組 みを 構 築 すること。
7 消 防 事 務 の 運 営 に 関 して 住 民 の 意 見 を 反 映 できるようにすること。
(4) 市 町 村 の 防 災 に 係 る 関 係 機 関 相 互 間 の 連 携 の 確 保 に 関 する 事 項
消 防 団 については, 地 域 に 密 着 した 消 防 活 動 を 行 うという 特 性 上 , 消 防 組 織 法 に 基 づく
広 域 化 の 対 象 とはされていませんが, 広 域 化 後 の 消 防 本 部 と 消 防 団 の 緊 密 な 連 携 の 確 保 が
必 要 であるとされています。
その 具 体 的 な 方 策 として,1~4が 示 されています。
1 連 絡 調 整 担 当 の 団 長 を 指 名 することによる 常 備 消 防 との 一 元 的 な 連 絡 調 整
2 各 消 防 団 合 同 又 は 常 備 消 防 を 含 めた 訓 練 等 の 実 施
3 消 防 署 所 への 消 防 団 との 連 絡 調 整 担 当 の 配 置 , 定 例 的 な 連 絡 会 議 の 開 催 等
4 常 備 消 防 と 消 防 団 との 連 絡 通 信 手 段 の 確 保
これらを 参 考 にしつつ, 地 域 の 実 情 に 応 じて 関 係 機 関 の 連 携 確 保 を 図 ることが 必 要 とさ
れています。
また, 防 災 ・ 国 民 保 護 担 当 部 局 との 緊 密 な 連 携 の 確 保 についても 必 要 としたうえで,そ
のための 具 体 的 な 方 策 としては,1~7が 示 されています。
1 夜 間 等 の 市 町 村 の 防 災 業 務 のうち 初 動 時 の 連 絡 体 制 などの 消 防 本 部 への 事 務 委 託
2 構 成 市 町 村 等 の 長 及 び 危 機 管 理 担 当 幹 部 と 消 防 長 等 による 協 議 会 の 設 置
3 各 構 成 市 町 村 等 と 消 防 署 所 との 連 携 確 保 のための 定 例 的 な 連 絡 協 議 会 の 開 催 , 災 害
対 策 本 部 への 署 所 職 員 の 派 遣 等
4 防 災 ・ 国 民 保 護 担 当 部 局 と 消 防 本 部 との 人 事 交 流
5 総 合 的 な 合 同 防 災 訓 練 の 実 施
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6 情 報 通 信 手 段 の 充 実 による 連 絡 体 制 の 強 化
7 防 災 行 政 無 線 を 消 防 通 信 指 令 部 門 に 設 置 することによる24 時 間 体 制 の 確 保
以 上 のような 方 策 を 参 考 としつつ 地 域 の 実 情 に 応 じて, 広 域 化 後 の 消 防 本 部 と 構 成 市 町 村
等 の 防 災 ・ 国 民 保 護 担 当 部 局 との 連 携 の 確 保 を 図 ることが 必 要 とされています。
(5) 協 議 会 に 関 する 特 例
広 域 化 対 象 市 町 村 が, 広 域 消 防 運 営 計 画 を 作 成 するため, 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第
67 号 ) 第 252 条 の2 第 1 項 の 規 定 により 協 議 会 を 設 けるに 場 合 にあっては, 当 該 協 議 会
には, 同 法 第 252 条 の3 第 2 項 の 規 定 にかかわらず, 規 約 の 定 めるところにより, 関 係
市 町 村 の 議 会 の 議 員 又 は 学 識 経 験 を 有 する 者 を 当 該 協 議 会 の 会 長 又 は 委 員 として 加 えるこ
とができることとされています。( 消 防 組 織 法 第 34 条 第 3 項 関 係 )
(6) 消 防 広 域 化 の 方 式
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2 国 の 援 助 ・ 県 の 援 助
(1) 国 の 援 助
1 国 は, 都 道 府 県 及 び 市 町 村 に 対 し, 自 主 的 な 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 を 推 進 するため,
情 報 の 提 供 その 他 の 必 要 な 援 助 を 行 うこととされています。
( 消 防 組 織 法 第 35 条 第 1 項 関 係 )
2 広 域 化 対 象 市 町 村 の 組 合 せに 基 づき 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 を 行 った 場 合 において,
当 該 広 域 化 対 象 市 町 村 が 広 域 消 防 運 営 計 画 を 達 成 するために 行 う 事 業 に 要 する 経 費 に
充 てるために 起 こす 地 方 債 については, 法 令 の 範 囲 内 において 資 金 事 情 及 び 当 該 広 域
化 対 象 市 町 村 の 財 政 状 況 が 許 す 限 り, 特 別 の 配 慮 をするものとされています。
( 消 防 組 織 法 第 35 条 第 2 項 関 係 )
(2) 県 の 援 助
自 主 的 な 市 町 村 の 消 防 の 広 域 化 が 推 進 されるように, 市 町 村 相 互 間 における 必 要 な 調
整 及 び 県 民 や 関 係 機 関 への 情 報 提 供 , 普 及 啓 発 活 動 を 行 います。
また, 市 町 村 間 の 調 整 や 相 談 体 制 の 充 実 を 図 るため, 県 庁 内 関 係 各 課 等 で 構 成 する「( 仮
称 ) 茨 城 県 消 防 広 域 化 連 絡 会 議 」を 設 置 します。
具 体 的 には, 以 下 1~5のとおりです。
1 市 町 村 に 対 する 説 明 会 の 開 催
2 法 定 協 議 会 の 設 置 に 向 けた 各 ブロック 市 町 村 の 事 前 調 整 会 議 の 開 催
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各 ブロックで 行 われる 協 議 会 等 への 職 員 の 参 加
ホームページ 等 による 情 報 提 供
広 域 化 に 関 する 相 談 ・ 助 言
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