大お - 慶応義塾大学理工学部
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<br />
@keiokyuri<br />
新 版<br />
2011 October<br />
08<br />
no.<br />
http://www.st.keio.ac.jp/kyurizukai<br />
English versions are also available:<br />
http://www.st.keio.ac.jp/kyurizukai/top_eng.html<br />
ク ラ ス レ ー ト<br />
ハ イ ド レ ー ト 研 究<br />
エネルギー・ 環 境 技 術 のための<br />
Crystal Engineering<br />
機 械 工 学 科<br />
お お む ら<br />
大 村<br />
( 准 教 授 )<br />
り ょ う<br />
亮
研 究 紹 介<br />
今 回 登 場 するのは、クラスレートハイドレートを 活 用 して<br />
エネルギー 分 野 での 新 技 術 開 発 に 取 り 組 む 大 村 亮 准 教 授 です。<br />
天 然 ガスの 貯 蔵 や<br />
CO2 抽 出 に 役 立 つ<br />
クラスレートハイドレート<br />
氷 とよく 似 ているが 氷 ではない 物 質 の 有 効 活 用<br />
水 分 子 が 作 るかご 状 構 造 の 中 に 水 以 外 の 物 質 を 封 じ 込 めて 結 晶 化 した 物 質 をクラス<br />
レートハイドレートと 呼 ぶ。そのかごに 収 まる 物 質 の 多 くは、メタンや 窒 素 、 二 酸 化<br />
炭 素 (CO2)などの 疎 水 性 のガスだ。ガスの 固 形 化 技 術 としても 注 目 されているが、<br />
その 原 理 や 仕 組 みにはまだ 謎 も 多 い。 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 は、この 実 用 化 研 究 にお<br />
いて 世 界 でもトップクラスの 成 果 をみせている。 研 究 を 推 進 する 大 村 亮 准 教 授 に 話 を<br />
聞 いた。<br />
究 の 始 まりです。 今 や 実 用 化 の 一 歩 手 前<br />
まできています。 天 然 ガスハイドレート<br />
のメリットは、 温 度 管 理 の 手 軽 さです。<br />
通 常 、 天 然 ガスは−162℃ 以 下 に 冷 却 し<br />
て 液 化 天 然 ガス(liquefied natural gas,<br />
LNG)として 貯 蔵 ・ 輸 送 していますが、<br />
水 分 子 がかごを 作 り<br />
その 中 にゲスト 物 質 が 収 まる<br />
「クラスレートハイドレートとは、 水<br />
分 子 が 規 則 的 に 並 んだ 結 晶 体 で、 外 観 は<br />
氷 に 似 ていますが、 水 分 子 の 並 び 方 が 氷<br />
とは 異 なります。 水 分 子 が 隙 間 なく 整 然<br />
と 並 ぶ 氷 と 比 べて、クラスレートハイド<br />
レートは、 水 分 子 が 多 面 体 のかご 状 の 構<br />
造 をしています。その 構 造 体 内 部 にゲス<br />
ト 物 質 と 呼 ばれる 水 以 外 の 物 質 を 取 り 入<br />
れた 状 態 で 結 晶 化 しているのです」と 大<br />
村 准 教 授 はその 構 造 の 特 徴 を 説 明 する。<br />
水 分 子 とゲスト 物 質 の 関 係 は、 子 ども<br />
の 遊 びの “かごめかごめ” を 思 い 描 くと<br />
分 かりやすい。 中 央 で 目 をつぶる 鬼 がゲ<br />
スト 物 質 で、 手 を 取 り 合 って 鬼 を 囲 む 子<br />
どもたちが 水 分 子 だ。 鬼 は 仲 間 外 れでは<br />
ないが 遠 巻 きに 見 守 られ、 誰 とも 手 をつ<br />
ながず、 輪 の 外 にも 出 られない。クラス<br />
レートハイドレートにおけるゲスト 物 質<br />
とは、まさにこの 鬼 のような 存 在 である。<br />
疎 水 性 ガスを 固 体 化 し<br />
効 率 的 な 貯 蔵 や 運 搬 を 可 能 にする<br />
こうした 特 徴 を 持 つクラスレートハイ<br />
ドレートだが、 自 然 界 にも 存 在 する。 近<br />
年 、 将 来 有 望 な 天 然 資 源 として 期 待 され<br />
ているメタンハイドレートも、メタン 分<br />
子 をゲスト 物 質 にもつクラスレートハイ<br />
ドレートである。<br />
氷 とよく 似 たメタンハイドレートは、<br />
メタンガスを 高 密 度 に 貯 蔵 できる 媒 体 と<br />
して 注 目 されている。 大 村 さんは、この<br />
ようなクラスレートハイドレートの 貯 蔵<br />
性 を、 天 然 ガスのエネルギー 利 用 に 活 か<br />
す 研 究 に 取 り 組 んでいる。<br />
「メタンハイドレートは、 水 分 子 46<br />
個 に 対 してメタン 分 子 を 8 個 の 割 合 で<br />
含 む 結 晶 体 で、 体 積 比 で 170 倍 という<br />
貯 蔵 性 を 実 現 しています。そこで、ゲス<br />
ト 物 質 として 天 然 ガスを 封 じ 込 めてみよ<br />
うと 考 えたのが 天 然 ガスハイドレート 研<br />
大 きな 生 成 分 解 熱<br />
ハイドレートヒートポンプ<br />
ハイドレート 蓄 熱<br />
図 1 クラスレートハイドレートの<br />
物 性 を 活 かす 応 用 技 術<br />
クラスレートハイドレートに 特 有 のガスの 貯 蔵 や 大<br />
きな 分 解 熱 といった 物 性 を 既 存 の 技 術 やシステムに<br />
組 み 込 むことで 高 効 率 な 運 用 が 可 能 になる。 例 えば、<br />
天 然 ガスの 貯 蔵 ・ 輸 送 技 術 、 炭 酸 ガスの 分 離 ・ 抽 出 技<br />
術 、 高 効 率 ヒートポンプへの 活 用 などがある。また 今<br />
後 の 可 能 性 として、ハイドレートエンジンといったも<br />
のも 想 定 されている。<br />
天 然 ガスハイドレートであれば−20℃<br />
程 度 で 1/170 に 圧 縮 できます。1/600<br />
に 圧 縮 できる LNG と 比 べると 体 積 は 3.5<br />
倍 程 度 増 えますが、−162℃ 以 下 という<br />
極 低 温 の 維 持 管 理 が 不 要 になるなど、 代<br />
替 技 術 として 有 望 視 されています」。<br />
また、ハイドレート 化 はゲスト<br />
物 質 を 分 子 単 位 で 閉 じ 込 めること<br />
ができ、 保 管 が 難 しい 物 質 や<br />
危 険 物 の 貯 蔵 への 活 用 も 検<br />
高 いガス 包 蔵 性<br />
60 〜 200 倍 のガスを 包 蔵<br />
エネルギー 貯 蔵<br />
分 子 貯 蔵<br />
2
討 されている。<br />
「すぐれた 殺 菌 作 用 を 持 つオゾン(O3)<br />
は 非 常 に 不 安 定 な 物 質 で、オゾン 分 子 ど<br />
うしで 反 応 して 安 定 な 酸 素 (O2)に 変<br />
化 してしまうため(203 → 3O2)、 基 本<br />
的 に 貯 蔵 できません。しかし、ハイドレー<br />
ト 化 すると 分 子 の 形 で 隔 離 ・ 保 存 できる<br />
ので、 長 期 の 貯 蔵 が 可 能 です」。<br />
特 定 の 物 質 を 抽 出 でき<br />
CO2 除 去 技 術 としても 期 待 できる<br />
クラスレートハイドレートは 水 とゲス<br />
ト 物 質 を 一 緒 にするだけでは 生 成 しな<br />
図 2 メタンハイドレートの<br />
生 成 条 件<br />
メタンハイドレートは、メタンと 水 分<br />
子 、それに 温 度 と 圧 力 条 件 が 揃 っては<br />
じめて 生 成 できる。 温 度 と 圧 力 の 関 係<br />
を 示 したのがこのグラフである。 温 度<br />
が 低 い 時 に 生 成 に 必 要 な 圧 力 は 低 く、<br />
温 度 が 高 くなると 圧 力 も 高 くなる。た<br />
だし、 制 御 に 必 要 な 低 温 や 圧 力 は 制 御<br />
可 能 な 範 囲 に 収 まっており、 扱 いやす<br />
さも 特 長 である。こうした 物 性 は、 全<br />
てのクラスレートハイドレート 物 質 に<br />
共 通 して 見 ることができる。<br />
MPa<br />
40<br />
35<br />
30<br />
25<br />
20<br />
15<br />
10<br />
5<br />
V + I + H<br />
<br />
V + L w + H<br />
<br />
0<br />
-100 -80 -60 -40 -20 0 20<br />
<br />
い。 生 成 には 低 温 高 圧 という 条 件 が 必 要<br />
で、しかもその 条 件 はゲスト 物 質 ごとに<br />
異 なる。 例 えば 0℃の 場 合 、メタンがハ<br />
イドレート 化 する 条 件 は 26 気 圧 ( 約 2.6<br />
MPa)。 二 酸 化 炭 素 (CO2) は 12 気 圧 、<br />
窒 素 では 150 気 圧 以 上 の 高 圧 を 要 する。<br />
「こうした 生 成 条 件 の 差 を 利 用 すると、<br />
特 定 のゲスト 物 質 を 選 択 的 にハイドレー<br />
ト 化 できます。その 応 用 として 注 目 され<br />
るのが、 火 力 発 電 所 の 排 ガスからの 二 酸<br />
化 炭 素 の 分 離 ・ 除 去 です。 二 酸 化 炭<br />
素 と 窒 素 から 構 成 される 排 ガスを<br />
水 と 反 応 させ、 二 酸 化 炭 素 のハ<br />
イドレート 化 に 最 適 な 条 件 を<br />
与 えて 二 酸 化 炭 素 だけを 選 択 的 に 固 形 化<br />
させる 試 みです。 現 在 、 二 酸 化 炭 素 除<br />
去 技 術 としてはアミン 法 * がありますが、<br />
この 方 法 ではアミンという 危 険 物 を 扱 わ<br />
ねばなりません。それに 対 して 二 酸 化 炭<br />
素 をハイドレート 化 させる 除 去 方 法 で 使<br />
うのは 水 だけですので、アミン 法 に 代 わ<br />
る 方 法 として 有 望 と 考 えています」。<br />
氷 蓄 熱 に 代 わる<br />
高 効 率 蓄 熱 媒 体 としても 期 待<br />
クラスレートハイドレートが 生 成 され<br />
ると 水 分 子 は 氷 状 になるが、その 温 度 を<br />
5℃から 15℃の 範 囲 でコントロールす<br />
ることも 可 能 である。この 物 性 を 利 用 す<br />
る 冷 房 用 蓄 熱 媒 体 としても 期 待 される。<br />
CO 2 CO<br />
「 現 在 、 大 きなビルなどの 空 調 機 器 が<br />
採 用 する 氷 蓄 熱 システムは、 夜 間 電 力<br />
で 氷 を 作 り、その 冷 気 を 冷 房 の 熱 源 と<br />
しています。ただ、 効 率 の 点 からいえ<br />
ば 28℃の 室 温 を 維 持 するために 必 要 な<br />
15℃の 冷 風 を 作 るための 最 適 な 熱 源 は<br />
10℃ 前 後 であり、0℃の 氷 では 温 度 が 低<br />
すぎるという 指 摘 があります。 実 際 、 熱<br />
源 を 10℃にすると 4 割 程 度 の 省 エネ 効<br />
果 が 期 待 できます。ハイドレート 蓄 熱 で<br />
はゲスト 物 質 や 圧 力 を 管 理 することで<br />
10℃ 前 後 の 熱 源 を 提 供 でき、 既 存 の 氷<br />
蓄 熱 をはるかにしのぐ 効 率 を 有 する 蓄 熱<br />
システムを 提 供 できます」。<br />
しかし、 問 題 がないわけではない。ク<br />
ラスレートハイドレートの 実 用 化 にはゲ<br />
スト 物 質 の 安 全 性 の 証 明 はもちろん、こ<br />
の 技 術 の 原 理 や 仕 組 みを 解 明 し、その 知<br />
識 を 多 くの 研 究 者 や 識 者 と 共 有 していく<br />
必 要 があるという。<br />
ゲスト 選 択 性<br />
分 離 ・ 抽 出 技 術<br />
「 実 用 化 が 見 えだした 今 だからこそ 基<br />
礎 研 究 にも 取 り 組 んでいます。アカデ<br />
生 成 ・ 分 解 時 の<br />
大 きな 圧 力 変 化<br />
ハイドレートエンジン ?<br />
<br />
・ 力<br />
を<br />
ミックの 側 に 立 つ 者 として、また 先 行 す<br />
る 研 究 者 として、 特 定 のエンジニアリン<br />
グ 分 野 に 偏 らない 幅 広 い 視 点 でこの 現 象<br />
を 捉 える 時 期 が 来 ていると 考 えていま<br />
す」。<br />
クラスレートハイドレートの 研 究 は<br />
着 々と 進 められている。<br />
( 取 材 ・ 構 成 渡 辺 馨 )<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
CO2<br />
*: 化 学 反 応 を 利 用 した 二 酸 化 炭 素 の 分 離 ・ 除 去 法 の<br />
1 つ。 二 酸 化 炭 素 と 結 合 反 応 を 起 こすアミノ 基 を 分 子<br />
構 造 に 持 つアルカノールアミン 水 溶 液 を 吸 収 液 とし<br />
て 利 用 する。 吸 収 液 の 再 生 コストの 低 減 が 課 題 。なお、<br />
アミンは 強 いアルカリ 性 を 示 し、 取 り 扱 いにも 注 意 を<br />
要 する。<br />
3
インタビュー<br />
大 村 亮 准 教 授 に 聞 く<br />
説 得 力 のある 研 究 には<br />
論 理 的 な 思 考 力 が 不 可 欠<br />
面 白 いと 感 じることに 真 正 面 から 向 き 合 っていきたい<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
── 理 工 系 に 進 学 したきっかけは?<br />
今 でこそ 理 工 学 部 の、それも 機 械 工 学<br />
科 の 教 員 をしていますが、 高 校 時 代 の 私<br />
はといえば、 数 学 と 物 理 が 大 の 苦 手 で、<br />
好 きな 科 目 は 政 治 ・ 経 済 や 倫 理 、そして<br />
歴 史 、という 社 会 系 が 得 意 な 学 生 でした。<br />
そんな 文 系 向 きの 私 が 理 工 系 に 進 んだ<br />
のは 父 の 影 響 でした。 進 学 先 の 大 学 を 考<br />
えていた 時 、 父 に「せっかく 専 門 の 先 生<br />
に 出 会 える 機 会 だから、どうせなら 苦 手<br />
なことを 教 えてもらったらどうだ」と 言<br />
われたのです。 幸 いにも 数 学 や 物 理 もテ<br />
ストはそこそこできたので 大 学 は 理 工 系<br />
と 決 め、 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 の 機 械 工<br />
学 科 に 進 学 しました。<br />
── 苦 手 な 理 系 はどうでしたか。<br />
数 学 の 苦 手 意 識 は 変 わりませんでした<br />
が、 物 理 への 印 象 は 入 学 後 すぐに 変 わり<br />
ました。 力 学 や 熱 力 学 関 連 の 講 義 を 担 当<br />
される 先 生 方 はさすがに 専 門 家 で、ちゃ<br />
んと 分 かっている 人 が 教 えてくださると<br />
こんなに 面 白 いのかと 実 感 しました。<br />
大 学 では 物 理 現 象 や 機 械 の 動 作 につい<br />
て、それがなぜそうなるのか、どうして<br />
動 くのか、その 原 理 からメカニズムまで<br />
の 一 部 始 終 を 実 験 を 交 えながら 学 ぶこと<br />
ができます。「これが 何 の 役 に 立 つのか」<br />
と 自 問 自 答 しながら 勉 強 した 高 校 の 物 理<br />
とはまったく 別 物 でした。<br />
──クラスレートハイドレート 研 究 に 取<br />
り 組 んだきっかけは……。<br />
大 学 4 年 の 時 、 森 康 彦 先 生 の 研 究 室<br />
に 入 ってからです。 当 時 、 森 先 生 は 伝 熱<br />
( 熱 伝 達 )の 研 究 をされており、そのテー<br />
マの 1 つがクラスレートハイドレート<br />
でした。 当 時 から 面 白 い 事 象 とは 思 って<br />
いましたが、それ 以 上 のことは 考 えてい<br />
なかったように 思 います。その 意 識 が 変<br />
わったのが、 米 国 のコロラド 鉱 業 大 学 の<br />
E. D. Sloan Jr. 教 授 と 出 会 ってからです。<br />
Sloan 先 生 はエンジニアリングの 世 界 に<br />
おいてずば 抜 けた 業 績 を 持 つハイドレー<br />
ト 研 究 の 第 一 人 者 で、 私 が 修 士 課 程 の 学<br />
生 だった 時 に 先 生 を 招 いた 特 別 講 座 がこ<br />
この 理 工 学 研 究 科 で 開 講 されました。2<br />
カ 月 という 短 い 期 間 でしたが、クラス<br />
レートハイドレートを 専 門 に 研 究 されて<br />
こられた Sloan 先 生 から 体 系 的 な 知 識 を<br />
学 べたのは 素 晴 らしい 経 験 でした。<br />
学 位 取 得 後 もクラスレートハイドレー<br />
ト 研 究 を 続 けようと 考 えていたとき、 産<br />
業 技 術 総 合 研 究 所 ( 産 総 研 )のハイドレー<br />
ト 分 野 で 若 手 研 究 者 を 求 めていることを<br />
知 り、 早 速 応 募 しました。 産 総 研 には 4<br />
年 間 在 籍 しましたが、その 間 、エンジニ<br />
アリングの 視 点 で 対 象 を 見 つめながらも、<br />
応 用 物 理 的 なファンダメンタルな 研 究 も<br />
するというエンジニアリング・サイエン<br />
スを 実 践 できたことは 今 につながる 貴 重<br />
な 経 験 でした。<br />
この 円 筒 を 横 置 きにしたような 装 置 を 用 いて 高 圧 ・ 低<br />
温 条 件 におけるクラスレートハイドレートの 結 晶 成 長<br />
過 程 を 観 察 します。 上 の 画 像 はメタン+ CO2 混 合 ガス<br />
と 水 との 反 応 で 成 長 しつつあるハイドレートの 結 晶 を<br />
示 しています。<br />
──その 後 大 学 に 戻 られたとのことです<br />
が、 何 か 思 うところがあったのですか?<br />
実 は 学 生 の 頃 から、 自 分 の 性 格 を 考 え<br />
ると、 人 を 励 まして 力 を 引 き 出 すような<br />
仕 事 の 方 が 向 いていると 思 っていたので<br />
すが、 産 総 研 に 勤 めてそのことを 強 く 意<br />
識 するようになりました。<br />
産 総 研 の 研 究 者 は 部 下 や 臨 時 職 員 と 一<br />
緒 に 研 究 することもありますが、 基 本 的<br />
4
しがちですが、そこをぐっと 抑 える。 私<br />
が 努 めて 意 識 するのは、 研 究 や 発 表 会 な<br />
どを 通 してこれらのことを 経 験 し、 体 感<br />
できる 環 境 を 用 意 することです。<br />
機 械 工 学 的 な 視 点 でいえば、 物 理 法 則<br />
を 基 準 に 物 事 を 判 断 できる 応 用 力 を 身 に<br />
つけて 欲 しいと 思 います。 学 生 にとって<br />
力 学 や 熱 力 学 ほどわかりにくい 科 目 はな<br />
いと 思 いますが、 身 につけてみるとこれ<br />
ほど 役 に 立 つ 学 術 は 他 にはないというの<br />
ジョギング 以 外 で 続 けている 運 動 はサッカーとベン<br />
チプレス。ベンチプレスで 持 ち 上 げることのできる 最<br />
大 の 質 量 は 目 下 のところ 95kg。100kg を 目 指 し 師 匠<br />
の 森 教 授 と 一 緒 に 週 2 回 のトレーニングを 続 けてい<br />
ます。<br />
も 事 実 です。 社 会 の 仕 組 みやシステムの<br />
構 築 に 欠 かせない 学 術 であるということ<br />
に 在 学 中 に 気 付 けるような 講 義 や 講 座 を<br />
提 供 していきたいと 思 っています。<br />
には 自 分 自 身 の 研 究 に 邁 進 するというタ<br />
イプがほとんどです。ところが 私 は、 学<br />
生 と 一 緒 にあれこれ 考 え、 社 会 のために、<br />
大 学 のために、 何 より 将 来 を 担 う 学 生 を<br />
育 てたいと 思 うようになり、 大 学 から 舞<br />
い 込 んできた 専 任 講 師 の 話 をチャンスと<br />
捉 え、 教 員 という 道 を 選 びました。 自 分<br />
では 厳 しい 面 も 持 ち 合 わせつつ 誉 めて 伸<br />
ばすタイプの 教 員 だと 思 っています。 学<br />
生 には、 怖 い 教 員 として 通 っているよう<br />
です……この 点 は 自 分 でもある 程 度 は 納<br />
得 しています。<br />
── 研 究 以 外 で 関 心 があることや、 続 け<br />
てきたことはなんでしょうか?<br />
体 を 動 かすことですね。 長 く 続 いてい<br />
るのがジョギングです。 最 近 では 毎 日<br />
16km ほど、 時 間 にして 1 時 間 40 分 く<br />
らい 走 っています。 家 が 綱 島 なので、 鶴<br />
見 川 沿 いを 新 横 浜 に 向 かい、 日 産 スタジ<br />
アムまで 行 って 戻 ってくるという 感 じで<br />
す。 趣 味 というよりは 習 慣 になっている<br />
感 じもしますが、 走 っている 間 に 考 えを<br />
まとめることができるし、 逆 に 迷 ってい<br />
るときには 走 ることですっきりできるな<br />
ど 気 分 転 換 になっていると 思 います。<br />
── 教 員 として、 学 生 の 力 を 引 き 出 すた<br />
めに 意 識 していることを 教 えてください。<br />
「 論 理 的 であれ」ということでしょう<br />
か。 組 織 や 社 会 の 中 で 自 分 を 活 かすた<br />
めに 欠 かせないのが 筋 道 を 立 てる 力 だ<br />
と 思 っています。そして、もう 1 つが、<br />
相 手 の 立 場 で 考 えること。 伝 えたいこと<br />
があるときほど、 自 分 の 意 見 を 前 面 に 出<br />
身<br />
に<br />
つ<br />
け<br />
て<br />
欲<br />
し<br />
い<br />
と<br />
思<br />
い<br />
ま<br />
す<br />
。<br />
物<br />
事<br />
を<br />
判<br />
断<br />
で<br />
き<br />
る<br />
応<br />
用<br />
力<br />
を<br />
学<br />
生<br />
に<br />
は<br />
、<br />
物<br />
理<br />
法<br />
則<br />
を<br />
基<br />
準<br />
に<br />
◎ちょっと 一 言 ◎<br />
● 学 生 さんから: 知 識 の 幅 が 広 いという 一<br />
言 に 尽 きます。 講 義 だけでなく、 歴 史 や<br />
文 化 の 話 も 面 白 いですし、 料 理 やその 食<br />
材 、ワインにまつわる 話 題 も 豊 富 で、つ<br />
い 聞 き 入 ってしまうほど。スポーツも 得<br />
意 で、 体 力 も 僕 ら 以 上 にあると 思 います。<br />
( 取 材 ・ 構 成 渡 辺 馨 )<br />
さらに 詳 しい 内 容 は<br />
http://www.st.keio.ac.jp/kyurizukai<br />
大 村 亮<br />
Ryo Ohmura<br />
専 門 は 熱 工 学 、 物 理 化 学 。 現 在 の 研 究 テーマは<br />
クラスレートハイドレートの 物 理 化 学 、ならび<br />
にエネルギー・ 環 境 関 連 技 術 の 開 発 。 基 礎 研 究<br />
から 実 用 を 想 定 した 応 用 研 究 まで 幅 広 く 展 開 し<br />
ている。2000 年 、 博 士 ( 工 学 )を 取 得 後 、フラ<br />
ンスでハイドレート 研 究 に 参 画 。2002 年 から<br />
独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所 研 究 員 。2006<br />
年 に 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 専 任 講 師 に 着 任 し、<br />
2009 年 同 大 学 准 教 授 に 就 任 。 現 在 に 至 る。
Gastronomique 大 村 研 究 室 !<br />
研 究 室 の 料 理<br />
“ 食 は 人 なり” ― 私 たち 大 村 研 究 室 は “ 食 ” にこだわりを 持 っています。<br />
研 究 室 で 行 われる 食 事 会 の 様 子 を 学 生 が 紹 介 します!<br />
大 村 研 究 室 では、 月 に 2、3 回 ほど 食<br />
事 会 を 開 きます。 料 理 は 出 来 合 いの 物<br />
ではなく、ハムやチーズ、ソーセージな<br />
どの 食 材 を 揃 えて 調 理 します。これは<br />
論 文 掲 載 を 祝 うために 準 備 した 料 理 で<br />
す。この 日 のメニューはペンネのサラダ、<br />
フランスパンにハムやトマトを 挟 んだサ<br />
ンドイッチでした。<br />
イタリアンレストラン で 食 べ た カル<br />
ツォーネです。ピザと 同 じ 食 材 を 三 日 月<br />
型 に 折 りたたんで 両 面 を 焼 いた 料 理 で、<br />
とても 美 味 しいのでぜひ 一 度 食 べてみ<br />
てください。 大 村 研 究 室 では 美 味 しい<br />
と 評 判 のお 店 や、ドイツのソーセージ<br />
やビールを 味 わえるオクトーバーフェス<br />
トなどのビアフェスに 出 かけることがあ<br />
ります。<br />
これは 完 成 した 料 理 。 先 生 に 用 意 して<br />
いただいたワインと、クラッカーやチー<br />
ズなどのおつまみを 並 べたものです。<br />
研 究 室 のみんなで 協 力 して 調 理 した 料<br />
理 はよりいっそう 美 味 しく 感 じられま<br />
す。ワインやビールを 飲 みながらいただ<br />
きました。<br />
私 の 好 きなワインとビール<br />
フランスを 筆 頭 に 欧 州 各 国 の 文 化 、<br />
特 に 食 文 化 に 大 きな 影 響 を 受 けた 私 ( 大 村 )。<br />
フランス 各 地 のおいしいワインの 探 求 に、<br />
奥 深 いベルギービールの 世 界 の 理 解 に 日 々 励 んでいます。<br />
2000 年 3 月 の 学 位 取 得 後 、9 カ 月 ほどフランスに 留 学 しました。 期 待<br />
される 研 究 成 果 を 重 んじて 米 国 あるいは 英 国 に 行 くべきという 多 くの 先<br />
生 方 の 助 言 に 従 わず(ごめんなさい)、その 大 いなる 文 化 へのあこがれか<br />
らフランスを 選 び、トゥールーズに 5 カ 月 、サンテティエンヌに 4 カ 月 滞<br />
在 しました。<br />
写 真 右 の Gaillac はトゥールーズ 近 郊 で 最 も 人 気 のあるワインです。フ<br />
ランス 南 西 部 ワインの 中 では 随 一 の 味 で 色 もきれいです。 写 真 中 央 のワ<br />
インは Saint-Joseph というローヌ 川 流 域 のワインの 1 つです。これはサ<br />
ンテティエンヌ 高 等 鉱 業 学 校 の Herri 教 授 と Bonnefoy 専 任 講 師 の 2 人<br />
が 教 えてくれました。ワインソムリエのように 高 級 ワインを 勉 強 するのも<br />
1 つの 道 だと 思 いますが、 私 はフランス 人 の 友 人 から 教 えてもらった 庶 民<br />
感 覚 のワインの 楽 しみ 方 を 大 切 にしています。<br />
Herri 教 授 にはビールについてもベルギービールを 飲 みなさいと 教 えて<br />
もらいました。ベルギービールには、ビール 大 国 であるドイツやチェコの<br />
ものとはまた 違 った 奥 深 い 世 界 があります。 青 いラベルの 瓶 は Blanche<br />
de Bruges というブルージュの 白 ビールで、その 隣 が 専 用 グラスです。ブ<br />
ルージュはきれいな 街 ですので 観 光 で 訪 れる 方 も 多 いかと 思 います。そ<br />
の 際 はぜひこの Blanche de Bruges をお 試 しください。<br />
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● Clathrate Hydrates of Natural Gases クラスレートハ ● 志 賀 直 哉 近 代 日 本 の 文 豪 の 中 で 私 が 最 も 敬 愛 するのが 志 賀 直<br />
イドレートに 関 する 化 学 工 学 的 研 究 の 権 威 Sloan 教 授 (コロラド<br />
鉱 業 大 学 )による 専 門 書 です。ハイドレートの 結 晶 学 的 性 質 ・ 物<br />
理 化 学 的 性 質 から 研 究 ・ 開 発 の 歴 史 や 関 連 する 工 学 技 術 、さらに<br />
は 天 然 のハイドレートの 分 布 に 関 する 地 質 学 的 研 究 まで、 天 然 ガ<br />
スハイドレートが 関 わる 理 工 学 的 内 容 を 網 羅 した 成 書 です。ハイ<br />
ドレート 研 究 に 関 わる 大 学 生 ・ 大 学<br />
哉 です。 実 家 で 父 が 全 集 を 所 蔵 しているので、 小 説 や 随 筆 の 全 作 品<br />
に 加 えて 日 記 ・ 書 簡 の 類 いまで 全 て 読 みました。 志 賀 直 哉 の 作 品 は「 目<br />
に 見 えるような」 描 写 と 読 点 や 接 続 詞 の 使 用 を 最 小 限 に 抑 えた「リズ<br />
ム」のよい 簡 潔 な 記 述 が 特 徴 です。 研 ぎ 澄 まされたとさえ 言 えるその<br />
文 体 は 日 本 語 表 現 の 一 到 達 点 を 示 したと 評 されます。 理 工 学 分 野 の 学<br />
術 論 文 でも 明 瞭 さ(clarity)は 必 須 の 条 件 ですので, 私 たち 理 工 系 の<br />
院 生 、 研 究 者 、 技 術 者 にとって 必 携<br />
の 一 冊 と 言 えるでしょう。<br />
● 熱 力 学 (JSME テキスト<br />
シリーズ) この 本 は 日 本 機<br />
人 間 も 志 賀 直 哉 から 大 いに 学 べるのではないかと 思 っています。<br />
械 学 会 の 出 版 物 ですので、 主 に 工 業 熱 力 学 を 取 り 扱 っています。 慶<br />
● Transport Phenomena<br />
應 義 塾 大 学 理 工 学 部 機 械 工 学 科 でも 2 年 生 の 必 修 科 目 「 熱 力 学 の<br />
この 書 名 を 邦 訳 すると 移 動 速 度 論<br />
基 礎 」をはじめいくつかの 熱 力 学 関 連 科 目 で 教 科 書 として 用 いてい<br />
● Chemical and Engineering<br />
となりますが、 交 通 手 段 に 関 する<br />
ます。 熱 力 学 は 実 は「 力 」 学 ではなく「エネルギー」の 科 学 です。<br />
Thermodynamics 化 学 系 ・ 化<br />
ものではありません。エネルギー<br />
熱 力 学 をしっかり 学 ぶと 力 学 だけからはわからないことがたくさん<br />
学 工 学 系 の 熱 力 学 分 野 における 第<br />
と 物 質 の 移 動 速 度 および 流 体 力 学<br />
わかるようになります。 熱 力 学 を 学 び 始 める 人 にも、 実 践 的 に 関 わ<br />
一 人 者 である Sandler 教 授 ( 米 国 デ<br />
を 統 一 的 に 扱 う 学 術 を 移 動 速 度 論<br />
る 人 にも 役 立 つわかりやすい 本 だと 思 います。<br />
ラウェア 大 学 ) 著 の 化 学 熱 力 学 ・ 工<br />
といいます。エネルギーの 収 支 を<br />
業 熱 力 学 の 教 科 書 です。ハイドレート 研 究 を 通 じて 知 り 合 った 私 の 数<br />
少 ない 親 友 の 1 人 である Sum 博 士 (コロラド 鉱 業 大 学 准 教 授 )の<br />
先 生 ( 博 士 論 文 の 指 導 教 員 )の 著 作 ということもあり、 数 ある 熱 力 学<br />
の 教 科 書 の 中 から 選 んで 使 っています。 熱 力 学 の 講 義 の 準 備 に、ハ<br />
イドレートの 熱 力 学 的 研 究 に 活 躍 している 一 冊 です。<br />
扱 う 熱 力 学 とともに、エネルギー・ 環 境 問 題 への 対 応 で 重 要 な 基<br />
礎 をなす 物 理 的 学 術 といえるでしょう。この 本 の 著 者 らによって 移<br />
動 速 度 論 という 考 え 方 が 初 めて 提 唱 されたのは 1950 年 代 でした。<br />
提 唱 以 来 半 世 紀 以 上 を 経 た 21 世 紀 、その 重 要 性 はさらに 高 まっ<br />
ていると 思 います。<br />
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地 球 からの 贈 り 物<br />
南 極 やグリーンランドに 降 り 積 もった 雪 で<br />
できた 氷 床 をボーリングで 掘 り 出 し、その<br />
す。しかも、このエアハイドレートは、メ<br />
タンハイドレートなどと 同 じ 構 造 をしてお<br />
新<br />
版<br />
中 に 閉 じ 込 められた 空 気 を 分 析 して 調 べ<br />
り、 当 時 の 空 気 をそのままの 状 態 で 結 晶<br />
大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 (CO2) 濃 度 の 上<br />
ています。そのため、 古 い 時 代 の 空 気 の<br />
内 部 に 閉 じ 込 めているのです。 偶 然 とは<br />
昇 が 地 球 温 暖 化 や 気 候 変 動 の 大 きな 要 因<br />
組 成 を 知 るには 深 い 場 所 の 氷 床 が 必 要 と<br />
いえ、それが 70 万 年 前 の 空 気 を 保 存 す<br />
であることは 多 くの 人 々に 知 られてきまし<br />
なります。<br />
る 最 適 な 場 所 になったのです。<br />
たが、その CO2 濃 度 が 過 去 70 万 年 の 間 、<br />
氷 床 の 中 の 空 気 は 深 さ 800m 程 度 ま<br />
南 極 の 氷 床 は、 数 千 万 年 もの 歳 月 をか<br />
数 万 年 単 位 で 増 減 を 繰 り 返 してきたことを<br />
知 る 人 は 少 ないかもしれません。こうした<br />
では 氷 とともに 気 泡 として 浮 かんでいます<br />
が、それより 深 い 場 所 では 氷 の 水 分 と 反<br />
けて 降 り 続 けた 雪 と 寒 さが 育 てたとされて<br />
います。そして 当 時 の 空 気 もまた、その 歳<br />
08<br />
過 去 の 気 象 状 況 を 調 査 する 鍵 となるのが、<br />
応 して、 水 分 子 に 囲 まれた 状 態 で 結 晶 化<br />
月 のしばらくを 氷 床 中 の 気 泡 として 過 ごし、<br />
大 村 准 教 授 が 研 究 しているクラスレートハ<br />
します。つまり、 空 気 のクラスレートハイ<br />
やがてエアハイドレートをゆりかごにして<br />
イドレート 物 質 です。<br />
ドレート 化 が 起 きるのです。これは 800m<br />
長 い 眠 りに 就 きます。そう 考 えると、 地 上<br />
現 在 、 大 気 中 の CO2 濃 度 の 推 移 につ<br />
を 超 えるような 低 温 高 圧 の 環 境 にある 氷<br />
に 取 り 出 された 氷 床 はかつての 地 球 が 当<br />
いては、72 万 年 分 がデータ 化 されていま<br />
中 の 空 気 は、 気 泡 として 存 在 するよりも 空<br />
時 の 様 子 を 現 代 に 伝 えるために 仕 込 んだ<br />
す。しかし、そのうちの 実 測 値 はわずか<br />
気 ハイドレート(エアハイドレート)にな<br />
タイムカプセルにも 見 えてくるから 不 思 議<br />
数 十 年 分 と 少 なく、それ 以 前 のデータは<br />
るほうがより 安 定 するためといわれていま<br />
です。<br />
理 工 学 I n f o r m a t i o n<br />
第 12 回 慶 應 義 塾 先 端 科 学 技 術 研 究 センター(KLL)<br />
産 学 連 携 セミナー<br />
「しなやかさをそなえた 街 づくり~その 実 現 を 目 指 して~」<br />
2011 年 10 月 28 日 ( 金 )15:00 ~ 17:30<br />
日 吉 キャンパス 来 往 舎 1 階 シンポジウムスペース<br />
参 加 費 無 料 ・ 事 前 登 録 制<br />
http://www.kll.keio.ac.jp/seminar/index.html<br />
セミナー 後 には 懇 親 ・ 意 見 交 換 会 を 開 催 予 定 です。お 申 し 込 みは 上 記 URL からどうぞ。<br />
KEIO TECHNO-MALL 2011<br />
第 12 回 慶 應 科 学 技 術 展 「 今 、ここから。」<br />
2011 年 12 月 9 日 ( 金 )10:00 ~ 18:00<br />
東 京 国 際 フォーラム E ブロック 地 下 2 階 展 示 ホール 2<br />
入 場 無 料 ・ 事 前 登 録 不 要<br />
http://www.kll.keio.ac.jp/ktm/index.html<br />
KLL が 年 に 一 度 開 催 する 科 学 技 術 展 。 今 年 度 は 時 間 を 18:00 までに 延 長 、 会 場 も 変 更<br />
して 開 催 します。<br />
c<br />
慶<br />
應<br />
義<br />
塾<br />
大<br />
学<br />
イノベーション 創 出 戦 略 マネジメント 講 座 (ソニー 寄 附 講 座 )<br />
公 開 シンポジウム 2011 人 類 ・ 未 来 の 新 たなる 発 展 をめざして<br />
第 2 回 「インターネットと 人 類 の 未 来 」 2011 年 11 月 24 日 ( 木 )<br />
第 3 回 「 未 来 はどこまで 予 測 可 能 か ?」 2012 年 1 月 27 日 ( 金 )<br />
http://www.koukai-sympo.net/portal/<br />
詳 細 は 上 記 URL にて 順 次 公 開 いたします。<br />
編 集 後 記<br />
8 月 のある 日 、 取 材 前 の 打 ち 合 わせに 現 れたアロハシャツ 姿 の 大 村 准 教 授 (とても<br />
よく 似 合 います)。 風 貌 どおり、オープンに 取 材 を 受 けてもらえそうだと 思 っている<br />
と、「 私 は、 研 究 者 は 論 文 で 成 果 を 発 表 していればよいという 古 風 な 考 えの 持 ち 主 な<br />
んですよ」と 言 うので、あわててしまいました。でも 実 際 は 取 材 にとても 協 力 的 で、<br />
研 究 のロマンチックな 面 を 大 いに 語 ったあと、95kg のベンチプレスまで 披 露 してく<br />
れました。ちなみに、 表 紙 の 背 景 色 は 大 村 准 教 授 の 希 望 に 応 えた「 地 中 海 の 空 の 色 」<br />
になっています(かなりのロマンチストの 模 様 )。<br />
それから、カエル 柄 のネクタイは、 無 事 に 家 まで “カエル” ように、 出 張 のときい<br />
つも 奥 様 がチョイスされるものだとか! 次 々 現 れる 新 しい 側 面 に 驚 いてばかりの 楽<br />
しい 取 材 となりました。 ( 平 良 沙 織 )<br />
新 版<br />
No.08 2011 October<br />
編 集 新 版 窮 理 図 解 編 集 委 員 会<br />
写 真 邑 口 京 一 郎<br />
デザイン 八 十 島 博 明 (GRID)<br />
編 集 協 力 サイテック・コミュニケーションズ<br />
発 行 者 青 山 藤 詞 郎<br />
発 行 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部<br />
〒 223-8522 横 浜 市 港 北 区 日 吉 3-14-1<br />
問 い 合 わせ 先 ( 新 版 窮 理 図 解 全 般 )<br />
kyurizukai@info.keio.ac.jp<br />
問 い 合 わせ 先 ( 産 学 連 携 )<br />
liaison@educ.cc.keio.ac.jp<br />
web 版 http://www.st.keio.ac.jp/kyurizukai<br />
twitter http://twitter.com/#!/keiokyuri