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末 日 聖 徒 イ エ ス ・ キ リ ス ト 教 会 ・ 2 0 1 7 年 2 月 号<br />
配 偶 者 が<br />
ポルノグラフィーに<br />
手 を 染 めているときに,<br />
助 けと 希 望 を 見 いだす,<br />
<strong>26ページ</strong><br />
聖 霊 の 声 によりよく<br />
耳 を 傾 けるための<br />
4 つの 方 法 ,16 ページ<br />
過 去 の 断 片 を 理 解 する,<br />
22ページ<br />
家 族 歴 史 と 神 殿 の 業<br />
― 力 強 い 組 み 合 わせ,<br />
34 ページ
この 長 老 たちは1913 年 にデンマークで 伝 道 していた。その 数 十 年 前 , 主 は 預 言 者 ジョセフ・スミスに, 畑 は「すでに……<br />
刈 り 入 れを 待 って」おり( 教 義 と 聖 約 4:4),「あなたにとって 最 も 価 値 のあることは,この 民 に 悔 い 改 めを 告 げ」ることで<br />
ある( 教 義 と 聖 約 15:6)という 啓 示 を 与 えられた。それにより, 預 言 者 とその 後 に 続 く 大 管 長 たちは, 世 界 中 で 伝 道 の<br />
業 に 携 わるよう 初 期 の 多 くの 会 員 たちを 召 した。<br />
写 真 / 教 会 歴 史 図 書 館 の 厚 意 による
リアホナ2017 年 2 月 号<br />
7<br />
メッセージ<br />
4 大 管 長 会 メッセージ―<br />
「わたしがあなたがたを<br />
愛 したように 」<br />
トーマス・S・モンソン 大 管 長<br />
特<br />
7 家 庭 訪 問 メッセージ―<br />
しょくざい キリストの 贖 罪 は<br />
神 の 愛 の 証 拠 です<br />
集<br />
14 人 生 は 劇 ―<br />
3 幕 構 成 の 救 いの 計 画<br />
マーガレット・ウィルデン<br />
み<br />
16 御<br />
わたしたちの 永 遠 の 人 生 は 3 幕 構 成<br />
の 劇 と 似 ています。そしてイエス・キリ<br />
ストの 福 音 がわたしたちの 台 本 です。<br />
たま<br />
霊 の 声<br />
エドアルド・ガバレット 長 老<br />
わたしたちが 聖 霊 の 声 によく 耳 を 傾 け<br />
ると, 聖 霊 は 警 告 し, 導 き, 語 りか け<br />
てくださいます。<br />
22 研 究 と 信 仰 により 教 会 歴 史 を<br />
理 解 する<br />
キ ース・A・エレクソン<br />
歴 史 の 不 完 全 な 断 片 を,どうすれば<br />
最 もよく 研 究 できるでしょうか。<br />
26 悲 嘆 と 希 望<br />
ポルノグラフィーに 手 を 染 めている<br />
人 の 配 偶 者 が, 希 望 と 堪 え 忍 ぶ た め<br />
の 強 さを 見 いだすことができる 7 つ<br />
の 方 法 。<br />
32 神 殿 を 探 しに 行 きました<br />
ミレイユ・ル ーフェ<br />
わ たし は 聖 なる 場 所 を 探 し 求 め ,つ<br />
いには 永 遠 の 家 族 を 見 つけました。<br />
34 家 族 歴 史 と 神 殿 の 祝 福<br />
デール・G・レンランド 長 老 ,ルース・L・<br />
レンランド 姉 妹 ,アシュリー・R・レンラ<br />
ンド 姉 妹<br />
ほんとうの 力 は 家 族 歴 史 と 神 殿 の<br />
祝 福 を 組 み 合 わせることによって 発<br />
揮 されるのです。<br />
シリーズ<br />
8 2016 年 10 月 の 大 会 ノート<br />
10 キリストについて 語 る ―<br />
いや<br />
真 の 癒 しの 奇 跡<br />
ジョナサン・テーラー<br />
12 わたしたちの 家 庭 ,わたしたちの 家 族<br />
ぼくは 死 ぬの?<br />
グレゴリー・ハンブリン<br />
20 グレゴリー・ハンブリン<br />
40 末 日 聖 徒 の 声<br />
80 また 会 う 日 まで―<br />
はち<br />
愚 かな 蜂 のたとえ<br />
ジェームズ・E・タルメージ 長 老<br />
表 紙<br />
表 紙 ―「 彼 女 は 失 われたものを 見 いだすであ<br />
ろう 」の 一 部 ,ブ ライアン・カ ーシュ ス ニク 表 紙<br />
裏 ― 写 真 / 教 会 歴 史 図 書 館 の 厚 意 により 掲 載<br />
裏 表 紙 裏 ― 台 湾 台 北 神 殿 の 絵 / 鄭 金 大<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 1
こ<br />
ヤ ン グ ア ダ ル ト 青 少 年 子<br />
ども<br />
供<br />
44<br />
44 不 完 全 さの 中 に 平 安 を 見 いだす<br />
エリザベス・ロイド・ランド<br />
個 人 的 な 弱 さは 落 胆 をもたらすことも<br />
あります が, 不 完 全 さが 個 人 の 成 長 の<br />
機 会 を 与 えてくれます。<br />
48 弱 さを 克 服 し, 信 仰 を 深 める<br />
E・トレイシー・ウィリアムズ<br />
伝 道 の 前 と 後 ,わたし は 救 い 主 に 頼 ら<br />
なければいけませんでした。そして 自<br />
分 自 身 をよく 知 ることができました。<br />
50<br />
50 友 達 との 岐 路 に 立 ち<br />
スティーブン・W・オーウェン<br />
独 りぼっちで 道 を 歩 むことはつら<br />
いかもしれません。でも,このよう<br />
な 選 択 がわたしたちの 行 く 末 を 決 め<br />
るのです。<br />
53 ポスター ―<br />
人 々に 手 を 差 し 伸 べよう<br />
54 見 つ け, 提 出 し , 教 える ―<br />
神 殿 のチャレンジに 加 わる<br />
カリッサ・クレーマー<br />
主 の 業 を 前 進 させるためにどのような<br />
助 けができるでしょうか。とても 簡 単<br />
で す。 見 つけ, 提 出 し, 教 えるので す!<br />
56 家 族 歴 史 に 参 加 する 3 つの 方 法<br />
サリー・ジョンソン・オデカーク<br />
家 族 歴 史 といってもどこから 始 めれ<br />
ばよいのか,ときどき 難 しいもので<br />
す。 3 人 の 青 少 年 が, 彼 ら の 経 験 を<br />
分 かち 合 ってくれました。<br />
59 教 えに 教 え―<br />
1 コリント 10:13<br />
60 教 会 指 導 者 からの 答 え―<br />
変 わる 方 法<br />
ジェフリー・R・ホランド 長 老<br />
61 わたしたちのスペース<br />
62 質 疑 応 答<br />
「 宿 題 にたくさん 時 間 を 取 られていま<br />
す。 教 会 の 活 動 , 家 庭 の 夕 べに 参 加<br />
する 時 間 や, 聖 文 研 究 を 行 う 時 間 はど<br />
のようにして 作 れ ば よ い で しょうか 。」<br />
64 計 画 が 現 実 となるとき<br />
アリッサ・ホルム<br />
わたしの 若 い 女 性 指 導 者 が 亡 くなっ<br />
た 後 , 救 い の 計 画 は 突 然 , 単 なるフ<br />
ロー チャート( 流 れ 図 ) 以 上 のものと<br />
なりました。<br />
こんにちは。<br />
わたしの 名 前 はレンタリンです。<br />
68<br />
こ<br />
66 ぼくが? いじめっ 子 ?<br />
メリリー・ブーレン<br />
あそ<br />
ジェフは た だ ,ベンと 遊 びたかっただ<br />
け で す。 でも,サムの ことはどうす れ<br />
ばよいでしょう。<br />
こころ こ ども<br />
68 心 やさしい 子 供<br />
とも あい わ<br />
たち<br />
あ<br />
―<br />
友 だちと 愛 を 分 かち 合 う<br />
デバン・ジェンセン<br />
ざん<br />
70 かけ 算 マスター<br />
ジェシカ・ラーセン<br />
ざん ごうかく ルカはかけ 算 のテストに 合 格 しなけ<br />
たす<br />
ればいけませんでした。いのりは 助<br />
けになるでしょうか。<br />
し と<br />
こた<br />
72 使 徒 からの 答<br />
しんけん え―<br />
なん<br />
神 権 のかぎとは 何 ですか<br />
ちょうろう<br />
ゲーリー・E・スティーブンソン 長 老<br />
せいぶん とうじょう じんぶつ<br />
74 聖 文 に 登 場 する 人 物<br />
かいふく ―<br />
しんけん<br />
回 復 されたバプテスマと 神 権<br />
たいかい いんよう 75 大 会 からの 引 用 カード<br />
はなし<br />
76 イエスのお 話<br />
こ ども<br />
―<br />
イエスが 子 供 だったとき<br />
キム・ウェブ・リード<br />
いろ<br />
79 色 をぬりましょう<br />
ひと びと あい<br />
―<br />
わたしは 人 々 に 愛 をしめすことが<br />
できます<br />
こんげつごう かく<br />
リアホナは 今 月 号 のどこに 隠 されているで<br />
あそ ば<br />
しょうか。ヒント― 遊 び 場 でどのように<br />
しんせつ 親 切 にすることができますか。
リアホナ 2017 年 2 月 号<br />
第 19 巻 2 号 ( 14442 300)<br />
末 日 聖 徒 イエス・キリスト 教 会 国 際 機 関 誌 ( 日 本 語 版 )<br />
大 管 長 会 :ト ー マ ス・S・ モ ン ソ ン,ヘ ン リ ー・B ・アイ リ ン グ,ディー タ ー・<br />
F・ウークトドルフ<br />
十 二 使 徒 定 員 会 :ラッセル・M・ネルソン,ダリン・H・オークス,M・ラッ<br />
セ ル ・バ ラ ード ,ロ バ ート・D・ヘ イ ル ズ ,ジ ェフ リ ー ・R ・ホ ラ ンド ,デ ビッ<br />
ド・A・べドナー,クエンティン・L・クック,D・トッド・クリストファーソ<br />
ン,ニ ー ル ・L・ア ン ダ ー セ ン,ロ ナ ル ド・A・ラ ズ バ ンド,ゲ ー リ ー・E ・ス<br />
ティーブ ン ソ ン,デ ー ル ・G ・レ ン ラ ンド<br />
編 集 長 :ジョセフ・W・シターティ<br />
編 集 長 補 佐 :ランドール・K・ベネット,キャロル・F・マッコンキー<br />
顧 問 :ブ ラ イ ア ン・K・ア シ ュトン,ジ ーン・B・ビ ン ガ ム ,リ グ ラ ンド・R・<br />
カ ー ティス・ジ ュ ニ ア,ク リ ストフ ェ ル ・ゴ ー ル デ ン,ダ グ ラ ス・D ・ホ ー ム<br />
ズ ,エ リ ッ ク・W ・コ ピ シ ュ カ ,ラ リ ー・R・ ロ ー レ ン ス ,キ ャ ロ ル・M ・ス<br />
ティーブンズ<br />
実 務 運 営 ディレクター:ピーター・F・エバンズ<br />
教 会 機 関 誌 ディレクター:アラン・R・ロイボーグ<br />
ビジネスマネージャー:ガ ーフ・キャノン<br />
編 集 主 幹 :アダム・C・オルソン<br />
編 集 主 幹 補 佐 :ライアン・カー<br />
出 版 補 佐 :カミルダ・アマラル<br />
執 筆 ・ 編 集 :ベ サ ニ ー ・バ ー ソ ロ ミ ュ ー ,ブ リッ タ ニ ー・ビー ティー ,デ ビッ<br />
ド・ ディク ソ ン,デ ビ ッド・A・エド ワ ーズ ,マ シ ュ ー・D ・フ リ ットン,ロ ー<br />
リ ー ・フ ラ ー,ギ ャ レ ット・H・ ガ ーフ,ラ リ ーン・ ポ ー タ ー・ ガ ーン ト,<br />
シ ャ ー ロ ット・ラ ー カ バ ル ,マイケ ル・R ・モ リ ス ,エ リッ ク・B ・マ ードッ ク,<br />
サ リ ー ・ジ ョン ソ ン・オ デ カ ー ク,ジ ョ シ ュ ア・J ・パ ー キ ー ,ジ ャン・ピ ン ボ<br />
ロ ー ,リ チ ャ ード・M・ ロ ム ニ ー ,ミ ン ディー ・ア ン・セ ル ,マ リ ッ サ・ウ ィ<br />
ディソン<br />
編 集 インターン:マーガレット・M・ウィルデン<br />
実 務 運 営 アートディレクター:J・スコット・クヌーセン<br />
アートディレクター:タッド・R・ピーターソン<br />
デ ザイン:ジャネット・アンドリューズ,フェイ・P・アンドラス,C・キン<br />
ボ ー ル ・ボ ット,ト ー マ ス・チ ャ イルド,デ ビッド・グ リ ーン,コ リ ーン・ヒ ン ク<br />
レ ー ,エ リッ ク・P ・ジ ョ ン セ ン,スー ザ ン・ロ フ グ レ ン,ス コ ット・M ・ム ー<br />
イ,マ ー ク・W・ ロ ビ ソ ン,レ イ チ ェ ル ・ス ミ ス ,ブ ラ ッド・ テ ア ー ,K・ニ<br />
コール・ウォーケンホースト<br />
デザインインターン:アリーシャ・ジョンソン<br />
版 権 および 許 諾 コーディネーター:コレット・ネベカー・オーヌ<br />
制 作 主 幹 :ジェーン・アン・ピーターズ<br />
制 作 :グ レ ン・ア デ ア ー ,コ ニ ー ・バ ウ ソ ー プ・ブ リ ッ ジ,ジ ュ リ ー ・バ ー<br />
デ ット,ブ ラ イ ア ン・W・ギュ ギ,ギ ニ ー・J ・ニ ル ソ ン,ゲイ ル・テ イト・ラ<br />
ファティ,デレク・リチャードソン<br />
製 版 :ジョシュア・デニス<br />
印 刷 ディレクター:スティーブン・T・ルイス<br />
配 送 ディレクター:トロイ・K・ビリン ガ<br />
日 本 語 版 翻 訳 ・ 制 作 課 長 : 森 田 康 貴<br />
● 定 期 購 読 は,「『リアホナ』 注 文 用 紙 」でお 申 し 込 みになるか, 郵 便 振 替<br />
( 口 座 名 / 末 日 聖 徒 イエス・キリスト 教 会 振 込 口 座 番 号 / 00100-6-<br />
41512 )にて 教 会 管 理 本 部 配 送 センターへご 送 金 いただければ, 直 接 郵<br />
送 いたします。●『リアホナ』のお 申 し 込 み・ 配 送 についてのお 問 い 合 わせ<br />
…… 〒 13 3 - 0 0 5 7 東 京 都 江 戸 川 区 西 小 岩 5 - 8 - 6 / 末 日 聖 徒 イ エ ス・<br />
キリスト 教 会 管 理 本 部 配 送 センター 電 話 :03-5668-3391<br />
発 行 所 末 日 聖 徒 イエス・キリスト 教 会<br />
〒 106 − 0047 東 京 都 港 区 南 麻 布 5 −10 −30<br />
電 話 :03−3440 −2351<br />
価 格 年 間 購 読 : 国 内 1,250 円 ( 送 料 込 み)<br />
( 2016 年 1 月 より) 海 外 1,250 円 (+ 送 料 実 費 )<br />
海 外 在 住 の 方 はお 近 くのディストリビューションセンター<br />
へのお 申 し 込 みをお 勧 めします。<br />
普 通 号 / 大 会 号 130 円<br />
『リアホナ』へのご 投 稿 およびご 質 問 は , 英 語 版 ホ ー ム ペ ー ジ liahona.lds.<br />
org からお 送 りください。 電 子 メールの 場 合 は liahona@ldschurch.<br />
org へお 送 りください。また, 下 記 の 連 絡 先 でも 受 け 付 けています。<br />
Liahona, Rm. 2420, 50 E. North Temple St.,<br />
Salt Lake City, UT 84150-0024, USA<br />
『リアホナ』(モルモン 書 に 出 てくる 言 葉 。「 羅 針 盤 」または「 指 示 器 」の 意 )<br />
は, 以 下 の 言 語 で 出 版 されています。<br />
アルバニア 語 ,アルメニア 語 ,ビスラマ 語 ,ブルガリア 語 ,カンボジア 語 ,セ<br />
ブ アノ 語 , 中 国 語 , 中 国 語 ( 簡 体 字 ),ク ロ ア チ ア 語 ,チ ェ コ 語 ,デ ン マ ー ク<br />
語 ,オランダ 語 , 英 語 ,エストニア 語 ,フィジー 語 ,フィンランド 語 ,フランス<br />
語 ,ドイツ 語 ,ギリシャ 語 ,ハンガリー 語 ,アイスランド 語 ,インドネシア 語 ,<br />
イタ リ ア 語 , 日 本 語 ,キ リバ ス 語 , 韓 国 語 ,ラト ビ ア 語 ,リトア ニ ア 語 ,マ ダ ガ<br />
ス カ ル 語 ,マ ー シ ャ ル 語 ,モ ン ゴ ル 語 ,ノ ル ウ ェー 語 ,ポ ー ラ ンド 語 ,ポ ルト<br />
ガル 語 ,ルーマニア 語 ,ロシア 語 ,サモア 語 ,スロベニア 語 ,スペイン 語 ,ス<br />
ワヒリ 語 ,スウェーデン 語 ,タガログ 語 ,タヒチ 語 ,タイ 語 ,トンガ 語 ,ウクラ<br />
イ ナ 語 ,ウ ル ド ゥ ー 語 ,ベ ト ナ ム 語 ( 発 行 頻 度 は 言 語 に よ り 異 な り ま す 。。)<br />
©2017 Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved. 印 刷 : 日 本<br />
著 作 権 情 報 :『リアホナ』に 掲 載 されているものは, 制 限 の 記 載 がない 限<br />
り, 個 人 的 に ,ま た 非 営 利 目 的 ( 教 会 の 召 し も 含 む )で 使 用 す る 場 合 に 複 写<br />
することができます。この 指 示 内 容 は 変 更 の 可 能 性 が 常 にあります。 視<br />
覚 資 料 に 関 しては, 作 品 の 著 作 権 表 示 に 制 限 が 記 されている 場 合 に 複 写 で<br />
きないことがあります。 著 作 権 に 関 するご 質 問 は,Intellectual Property<br />
Office, 50 E. North Temple St., FL 13 ,Salt Lake City, UT 84150,<br />
USA に 郵 送 す る か, 電 子 メ ー ル ―cor-intellectualproperty@<br />
ldschurch.org にご 連 絡 ください。<br />
For Readers in the United States and Canada:<br />
February 2017 Vol. 41 No. 2. LIAHONA (USPS 311-480) English<br />
(ISSN 1080-9554) is published monthly by The Church of Jesus<br />
Christ of Latter-day Saints, 50 E. North Temple St., Salt Lake City,<br />
UT 84150. USA subscription price is $10.00 per year; Canada,<br />
$12.00 plus applicable taxes. Periodicals Postage Paid at Salt<br />
Lake City, Utah. Sixty days’ notice required for change of address.<br />
Include address label from a recent issue; old and new address<br />
must be included. Send USA and Canadian subscriptions to Salt<br />
Lake Distribution Center at address below. Subscription help line:<br />
1-800-537-5971. Credit card orders (American Express, Discover,<br />
MasterCard, Visa) may be taken by phone or at store.lds.org.<br />
(Canada Post Information: Publication Agreement #40017431)<br />
POSTMASTER: Send all UAA to CFS (see DMM 507.1.5.2).<br />
NONPOSTAL AND MILITARY FACILITIES: Send address changes to<br />
Distribution Services, Church Magazines, P.O. Box 26368, Salt Lake<br />
City, UT 84126-0368, USA.<br />
家 庭 の 夕 べのためのアイデア<br />
今 月 号 には, 家 庭 の 夕 べで 活 用 できる 記 事 や 活 動 が 載 っています。<br />
以 下 に 二 つの 例 を 挙 げます。<br />
「ぼ くは 死 ぬ の?」12 ペ ー ジ ― 救 いの<br />
計 画 を 理 解 す る こ と は , 永 遠 の 進 歩 に 欠 か<br />
せません。 次 に 挙 げる 聖 句 を 読 んでこの<br />
計 画 について 研 究 するとよいでしょう。 2<br />
ニーファイ 2:2 2 - 25;9:10 - 11;ア<br />
ル マ 3 4:3 2 - 3 3;4 0:11 - 14;<br />
42:5 - 15; 教 義 と 聖 約 76:30 -<br />
113 。 そ れぞ れ の 聖 句 に 関 連 する 救 い の<br />
計 画 の 各 部 分 を 順 に 書 いて, 計 画 の 略 図 を<br />
作 るとよいでしょう( 略 図 の 一 例 として<br />
の<br />
『わたし の 福 音 を 宣 べ 伝 えな さ い 』54<br />
ページを 参 照 )。 疑 問 を 持 つ 人 に 簡 単 に 説<br />
明 できるよう, 原 則 を 教 え 合 う 練 習 をして<br />
もよいでしょう。<br />
イン タ ー ネットで 得 ら れる 追 加 情 報<br />
「 見 つ け, 提 出 し, 教 える ― 神 殿 のチャレ<br />
ンジに 加 わる」54 ページ― あなたは<br />
チャレンジを 受 け 入 れましたか。 主 の 使 徒<br />
はわたしたち 一 人 一 人 に,「 神 殿 で 行 うバプ<br />
テスマの 数 と 同 じ 数 の 名 前 を 神 殿 のために<br />
準 備 してください。そして 同 じことができ<br />
るようにほかのだれかを 助 けてください」<br />
と 勧 めています。これを 家 族 で 行 うことが<br />
できます。このチャレンジについて 詳 しく<br />
は,templechallenge.lds.org にアクセス<br />
して, 家 族 歴 史 の 段 階 を 追 ったヒントをご<br />
覧 ください。 家 庭 の 夕 べで, 神 殿 に 提 出 す<br />
る 名 前 を 準 備 したり, 家 族 歴 史 のやり 方 を<br />
友 人 に 教 えたりしてもよいでしょう。<br />
languages.lds.org で,『リアホナ』や 教 会 のその 他 の 資 料 を 多 くの 言 語 で 入 手 できます。 霊<br />
感 あふれるメッセージや 家 庭 の 夕 べのアイデア, 友 達 や 家 族 と 分 かち 合 える 内 容 を 見 つけるために,<br />
Facebook.com/liahona.magazine( 英 語 ・ポルトガル 語 ・スペイン 語 で 閲 覧 可 能 )をご 覧 ください。<br />
今 月 号 に 採 り 上 げられているテーマ<br />
数 字 は 記 事 の 最 初 のページを 表 します。<br />
愛 ,4 ,7,6 4 ,7 9<br />
イエス・キリスト,7,10 ,12 ,<br />
4 2 ,4 8 ,76<br />
依 存 症 ,26<br />
祈 り,4 2 ,7 0 ,72<br />
いや<br />
癒 し,10 ,2 6<br />
永 遠 の 家 族 ,4 ,3 2 ,3 4<br />
家 族 歴 史 ,3 2 ,3 4 ,5 4 ,5 6<br />
希 望 ,26<br />
逆 境 ,6 4 ,8 0<br />
教 会 歴 史 ,2 2 ,74<br />
悔 い 改 め,60<br />
じゅうぶん 什 分 の 一 ,61<br />
しょくざい 贖 罪 ,7,10 ,14 ,4 4 ,4 8<br />
神 権 ,72 ,74<br />
信 仰 ,2 2 ,4 0 ,4 8 ,7 0<br />
神 殿 ,3 2 ,3 4 ,5 4 ,5 6 ,61 ,<br />
76<br />
救 いの 計 画 ,12 ,14 ,6 4<br />
せいさん 聖 餐 ,41<br />
聖 霊 ,16 ,4 2<br />
伝 道 活 動 ,3 2 ,4 0 ,4 2 ,4 8 ,<br />
68<br />
友 達 ,50,66<br />
バプテスマ,74<br />
平 和 ,12 ,41 ,4 2 ,4 4<br />
ポルノグラフィー,26<br />
優 先 順 位 ,62<br />
誘 惑 ,5 9 ,61<br />
弱 さ,4 4 ,4 8<br />
離 婚 ,2 6 ,4 3<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 3
大 管 長 会 メ ッ セ ー ジ<br />
トーマス・S・<br />
モンソン 大 管 長<br />
「わたしがあなたがたを<br />
愛 したように」<br />
何<br />
年 か 前 ,ルイスという 名 の 友 人 が, 優 しくて 口 調 の<br />
穏 やかな 母 親 に 関 する 感 動 的 な 話 をしてくれま<br />
し た 。 この 母 親 が 亡 くな ったとき, 息 子 や 娘 たち<br />
に 財 産 の 類 は 何 も 残 しませんでしたが, 代 わりに 模 範 ,<br />
犠 牲 , 従 順 という 豊 かな 受 け 継 ぎを 残 したのです。<br />
葬 儀 で 追 悼 の 言 葉 が 述 べられ, 墓 地 までの 道 のりを 悲 し<br />
みのうちに 歩 いた 後 , 成 人 した 子 供 たちは 母 親 が 残 した<br />
ささやかな 遺 品 をより 分 けました。ルイスは, 遺 品 の 中 に<br />
かぎ<br />
1 通 のメモと 鍵 を 見 つけました。そのメモにはこう 書 いて<br />
ありました。「 角 の 寝 室 にあるわたしの 鏡 台 のいちばん 下 の<br />
引 き 出 しに, 小 さな 箱 があります。その 中 にはわたしが 心<br />
から 大 切 にしてきた 宝 物 が 入 っています。この 鍵 でその 箱 を<br />
開 けられます。」<br />
母 親 が 鍵 までかけてしまっていた 大 きな 価 値 のある 物 と<br />
は 何 だろうと , 皆 が 思 い 巡 らしました 。<br />
その 箱 はしまってあった 場 所 から 取 り 出 され, 鍵 を 使 って<br />
注 意 深 く 開 かれました。ルイスときょうだいたちが 箱 の 中 身<br />
を 調 べていると, 子 供 が 一 人 ずつ 写 っている 写 真 を 見 つけま<br />
した。そこには, 子 供 の 名 前 と 誕 生 日 が 書 いてありました。<br />
それから,ルイスは 手 作 りのバレンタインカードを 取 り 出 しま<br />
した。 子 供 らしいぎこちない 字 は 自 分 のものだと 気 づき,<br />
60 年 前 に 書 いた 自 分 の 言 葉 を 読 んでみました。「お 母 さん,<br />
大 好 き だ よ 。」<br />
皆 の 心 に 込 み 上 げ るもの が あり, 声 は 優 しくなり, 目 頭 が<br />
熱 くなりました。 母 親 の 宝 物 は 永 遠 の 家 族 だったのです。<br />
この 家 族 の 強 さは,「 大 好 きだよ」という 堅 固 な 基 に 支 えら<br />
れていました。<br />
今 日 の 世 界 に お いて, 家 庭 以 上 にそ のような 愛 の 堅 固 な<br />
基 を 必 要 としているところはありません。 愛 を 家 族 生 活 の<br />
中 心 とする 末 日 聖 徒 の 家 庭 ほど,この 世 に お いて,そ のような<br />
基 の 良 い 模 範 となるものはないでしょう。<br />
救 い 主 イエス・キリストの 弟 子 であると 公 言 するわたし<br />
たち に 対 して, 主 は 次 のような 遠 大 な 指 示 をお 与 えに なりま<br />
した。<br />
たがい<br />
に<br />
「わたしは, 新 しいいましめをあなたがたに 与 える, 互<br />
愛 し 合 いなさい。わたしがあなたがたを 愛 したように,あなた<br />
がたも 互 に 愛 し 合 いなさい。<br />
互 に 愛 し 合 うなら ば ,そ れ に よって,あ な た が た が わ たし<br />
の 弟 子 であることを,すべての 者 が 認 めるであろう。」 1<br />
もし 互 いに 愛 し 合 いなさいという 戒 めを 守 ろうとするので<br />
あ れ ば ,わたしたちは 日 々の 交 わりに お いて, 互 い に 思 い やり<br />
と 敬 意 と 愛 をもって 人 々と 接 する 必 要 があります。 愛 は,<br />
優 し い 言 葉 , 辛 抱 強 い 受 け 答 え , 私 心 の な い 行 い , 思 い やり<br />
ゆる<br />
の あ る 耳 ,そして 赦 す 心 をもたらします。あらゆる 人 との<br />
交 わりにおいてこのように 行 うなら, 心 に 抱 いている 愛 を<br />
具 体 的 に 示 すことができます。<br />
ゴ ード ン・B・ ヒ ン クレ ー 大 管 長 ( 1 9 1 0 - 2 0 0 8 年 )は<br />
次 のように 述 べています。「 愛 は …… 虹 のふもとにある 金<br />
きん<br />
の<br />
入 った 壺 です。しかし 愛 は 虹 のふもとにあるだけではありま<br />
あらし<br />
せん。 愛 は 虹 の 始 まりにもあり,その 愛 から 嵐 の 日 に 空 一 面<br />
に 広 がるような 美 しさが 生 まれるのです。 愛 は, 泣 いている<br />
子 供 のよりどころであり, 若 者 が 切 に 求 めるものであり,<br />
結 婚 関 係 を 結 ぶきず なで あり, 家 庭 に 荒 廃 をもたらす 争 い を<br />
防 ぐ 潤 滑 油 で す。 愛 は 晩 年 に お ける 平 安 で あり, 死 を 超 え<br />
て 輝 く 希 望 の 光 で す。 家 族 , 友 人 , 教 会 , 隣 人 との 交 わりに<br />
おいてこのような 愛 に 恵 まれる 人 々は, 何 と 祝 福 されている<br />
こ と で し ょう 。」 2<br />
愛 はまさに 福 音 の 真 髄 であり, 人 間 の 魂 の 最 も 気 高 い<br />
特 質 で す。 愛 は , 苦 し む 家 族 , 悩 め る 地 域 社 会 , 患 う 国 を<br />
救 うもの で す。 愛 は ,ほ ほ え み , 手 を 振 ること, 思 い やりの<br />
4 リ ア ホ ナ
ある 言 葉 , 褒 め 言 葉 を 通 して 示 すこと<br />
が で きま す。 愛 は 犠 牲 で あり, 仕 える<br />
ことであり, 私 心 のないことです。<br />
夫 の 皆 さん, 妻 を 愛 してください。<br />
高 潔 さと 感 謝 をもって 妻 に 接 してくだ<br />
さい 。 姉 妹 の 皆 さん , 夫 を 愛 してくだ<br />
さい。 敬 意 と 励 ましをもって 夫 に 接 し<br />
てください。<br />
親 で あ る 皆 さん , 子 供 を 愛 してくだ<br />
さい。 子 供 のために 祈 り, 子 供 を<br />
あかし<br />
教 え , 子 供 に 証 をしてください。 子 供<br />
の 皆 さ ん, 両 親 を 愛 してくだ さ い。<br />
尊 敬 と 感 謝 , 従 順 な 心 を 両 親 に 示 して<br />
ください。<br />
モロナイはこう 勧 告 しています。<br />
キ リ ス ト の 純 粋 な 愛 が な け れ ば ,「〔 わ<br />
たしたちは〕 何 の 価 値 もない。」 3 わた<br />
したちが,モロナイの 次 の 勧 告 に 従 え<br />
るよう 祈 っています。「〔わたしたち<br />
は ,〕 御 父 が 御 子 イ エ ス・ キ リ スト に<br />
真 に 従 う 者 すべてに 授 けられたこの<br />
愛 で 満 たされ るように ,ま た〔 わ たし<br />
た ち が 〕 神 の 子 と な れ る よう に ,… …<br />
ま た , 御 子 が 御 自 身 を 現 され るとき<br />
に ,… … 御 子 に 似 た 者 と な れ る よ う<br />
に,…… 熱 意 を 込 めて 御 父 に 祈 りな<br />
さ い 。」 4 ■<br />
注<br />
1. ヨハネ 13:34 - 35<br />
2. ゴードン・B・ヒンクレー「このうちで 最 も 大 い<br />
なるものは, 愛 である」『 聖 徒 の 道 』1984 年 8 月<br />
号 ,1 参 照<br />
3. モロナイ 7:46 。 44 節 も 参 照<br />
4. モロナイ 7:48<br />
このメッセージから 教 える<br />
モン ソ ン 大 管 長 は , 特 に 家 庭 に お い て , 真 の キ リ スト の よ う な 愛 を 具 体 的 に<br />
示 す 大 切 さについて 教 えています。あなたが 教 える 人 々に 愛 を 示 すため,<br />
自 分 に 何 ができるかを 考 えてみましょう。 互 いにもっと 愛 を 示 すことのできる 方 法<br />
について 話 し 合 うように 勧 めてもよいでしょう。 愛 を 示 すアイデアの 中 から 一 つ<br />
を 選 び, 家 族 としてそれを 実 行 する 計 画 を 立 てるように 勧 めてもよいでしょう。<br />
例 えば, 毎 週 家 族 のだれかが, 家 族 のほかのだれかに 内 緒 で 奉 仕 するとよいかも<br />
しれません。 目 標 を 達 成 するために 努 力 した 結 果 ,どのように 家 庭 での 愛 が 増 した<br />
か, 後 で 振 り 返 ってもらうとよいでしょう。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 5
青 少 年<br />
平 和 のために 祈 る<br />
サラ・T<br />
わ たしの 両 親 は 教 会 の 後 も 集 会 に 出 席 することが 多 かったの<br />
で ,わ たし は よく,お な か を す か せ た 気 の 短 い 3 人 の 弟 た ち の<br />
面 倒 を 見 ながら, 昼 食 を 作 る 手 伝 いをしました。 3 人 がけんかをし<br />
始 めても, 小 さな 問 題 はたいていすぐに 解 決 することができました。<br />
し か し,ひと た び け ん か が 始 ま る と , 仲 直 り さ<br />
せるのが 難 しいこともときどきありました。<br />
わたし 自 身 がいらいらしてしまうからです。<br />
ある 日 の 午 後 , 弟 たちは 仲 良 くするのが<br />
とても 難 しい 状 態 でした。わたし 自 身 も 取 り<br />
乱 し, 幾 ら 仲 良 く さ せ よ う と し て も 状 況 は<br />
悪 くなるばかりでした。そこでわたしは 自 分<br />
の 昼 食 を 作 り, 話 すのをやめました。そして<br />
最 後 にこう 言 い ました 。「 祈 ろうと 思 うけど,<br />
少 し の 間 静 か に し て く れ る?」 彼 ら が 落 ち<br />
着 い た と ころで , 食 事 の 祝 福 を し , 祈 り 終 える<br />
前 に こう 付 け 加 え ま し た 。「そ し て ど う か,<br />
平 和 を 作 り 出 す 者 となるように,わたしたちを 助 けてください。」<br />
最 初 , 弟 た ち は 聞 こう と も せ ず,ま た け ん か を し 始 め る よ う に<br />
見 えました。わたしはむっとしましたが,ちょうど 平 和 のために<br />
祈 っ た ば か り だ っ た の で,で き る だ け 愛 を 示 し, 心 を 落 ち 着 け る<br />
必 要 があると 分 かっていました。 間 もなく,<br />
とても 穏 やかな 気 持 ちを 感 じました。わたし<br />
が 何 も 言 わず 食 べていると, 弟 たちもついに<br />
けんかをやめました。わたしが 感 じた 平 安<br />
は,ささやかな 祈 りに 対 する 答 えであること<br />
が 分 かりました。 平 和 を 作 り 出 す 者 となる<br />
ように 祈 ったので, 叫 びたくなるようなとき<br />
に,わたしが 冷 静 でいられるよう 天 の 御 父 が<br />
助 けてくださったのです。 天 の 御 父 が 本 当<br />
にわたしたちに 平 和 を 与 えてくださることを<br />
知 っています。<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 アリゾナ 州 在 住 です。<br />
こ<br />
子<br />
ども<br />
供<br />
たからもの<br />
ほんとうの 宝 物<br />
モ ンソン だい かんちょう とくべつ たからばこ 大 管 長 は, 特 別 な 宝 箱 を<br />
も かあ はなし<br />
持 っているお 母 さんのお 話 を<br />
こ ども たからばこ あ<br />
しました。 子 供 たちが 宝 箱 を 開 ける<br />
じ ぶん しゃ しん はい<br />
と ,そ こ に は 自 分 たちの 写 真 が 入 って<br />
かあ たからもの か ぞく<br />
いました。お 母 さんの 宝 物 は, 家 族<br />
だったのです。<br />
たからもの きん ぎん<br />
ほんとうの 宝 物 は 金 や 銀 ではなく,<br />
あい ひと びと<br />
あなたが 愛 する 人 々 なのです。あなた<br />
あい ひと たからばこ なか<br />
が 愛 する 人 はだれですか。 宝 箱 の 中<br />
あい ひと びと え な まえ<br />
に, 愛 する 人 々 の 絵 をかいたり, 名 前<br />
か<br />
を 書 いたりしましょう。<br />
引<br />
き<br />
出<br />
し<br />
の<br />
写<br />
真<br />
6 リ ア ホ ナ<br />
© ISTOCK/THINKSTOCK
家 庭 訪 問 メ ッ セ ー ジ<br />
キリストの<br />
しょく ざ い<br />
は<br />
贖 罪<br />
神 の 愛 の<br />
証 拠 です<br />
信 仰<br />
家 族<br />
扶 助<br />
よく 祈 りながらこの 資 料 を 学 び,<br />
何 を 伝 えるべきか 分 かるよう<br />
願 い 求 めてください。<br />
扶 助 協 会 の 目 的 を 理 解 することで,<br />
神 の 娘 たちはどのように<br />
永 遠 の 命 の 祝 福 に<br />
備 えられるでしょうか。<br />
「<br />
十<br />
字<br />
架<br />
か<br />
ら<br />
降<br />
ろ<br />
さ<br />
れ<br />
る<br />
キ<br />
リ<br />
ス<br />
ト<br />
」<br />
の<br />
一<br />
部<br />
、<br />
ウ<br />
ィ<br />
ル<br />
ソ<br />
ン<br />
・<br />
オ<br />
ン<br />
グ<br />
画<br />
わたしたちが 不 死 不 滅 と 永<br />
遠 の 命 を 得 られ るように , 天 の<br />
御 父 は 御 自 身 の 独 り 子 を 遣 わ<br />
されました。そのことを 理 解 す<br />
ると, 神 が わたし たちに 抱 いて<br />
お ら れ る, 人 の 理 解 を 超 え た<br />
無 限 の 愛 を 感 じるようになり<br />
ます。 救 い 主 も 同 様 に ,わたし<br />
たちを 愛 しておられます。<br />
「だれが,キリストの 愛 から<br />
わたしたちを 離 れさせるのか。<br />
……<br />
わたしは 確 信 する。 死 も<br />
生 も, 天 使 も 支 配 者 も, 現 在 の<br />
ものも 将 来 のものも, 力 ある<br />
ものも,<br />
高 いものも 深 いものも,その<br />
他 どんな 被 造 物 も,わたしたち<br />
の 主 キリスト・イエスにおける<br />
神 の 愛 から,わたしたちを 引 き<br />
離 すこ と は で き な い の で あ る 。」<br />
( ローマ 8:3 5 ,3 8 - 3 9 )<br />
イエス・キリストの 贖 罪 につ<br />
い て, 十 二 使 徒 定 員 会 の D・<br />
トッド・クリストファーソン 長 老<br />
は 次 のように 述 べています。<br />
「 救 い 主 のゲツセマネでの 苦 痛<br />
と 十 字 架 の 苦 悩 により,わたし<br />
たちに 課 せられた 正 義 の 要 求<br />
あがな<br />
わ<br />
が 満 たされ ,わたしたちは 贖<br />
れます。 主 は 悔 い 改 める 人 を<br />
ゆる あわ<br />
赦 し, 憐 れみを 注 いでください<br />
ま す。 贖 い は , 罪 の な い 人 が<br />
被 るあらゆる 苦 しみを 癒<br />
いや<br />
し,<br />
償 うことにより, 正 義 が 負 う<br />
負 債 を 補 償 しま す。『 見 よ, 神<br />
は す べ ての 人 の 苦 痛 ,まことに<br />
男 , 女 , 子 供 の 区 別 なく,アダ<br />
ムの 家 族 に 属 する, 生 けるもの<br />
すべての 苦 痛 を 受 けられる。』<br />
( 2 ニーファイ9:21 。 アル マ<br />
7: 1 1 - 1 2 も 参 照 )」 1<br />
キリストは 御 自 身 の「 たなご<br />
こ ろ に〔 わ た し た ち を 〕 彫 り<br />
刻 〔まれた〕」のです(イザヤ<br />
4 9 : 1 6 )。 中 央 扶 助 協 会 会 長<br />
のリンダ・K・バートン 姉 妹 は<br />
こう 述 べ て います。「 そ のよう<br />
な 愛 に 満 ちた 至 高 の 行 いを 知<br />
るとき,わ たし た ち は 皆 ,ひざ<br />
けん そん<br />
まずいて 謙 遜 に 祈 り, 御 父 が<br />
御 自 身 の 独 り 子 , 罪 なき 御 子 を<br />
遣 わしてくださったほど 深 くわ<br />
たしたちを 愛 しておられること<br />
に 感 謝 するようになるでしょう。<br />
御 子 はわたしたちの 罪 ,わたし<br />
たちの 心 痛 ,わたしたち 自 身 の<br />
生 活 で 不 公 平 と 思 われるあら<br />
ゆることのために 苦 しまれたの<br />
で す。」 2<br />
その 他 の 聖 句 と 資 料<br />
ヨハネ3:16;2ニーファイ2:<br />
6 - 7,9;www.lds.org/callings/<br />
relief-society?lang=jpn<br />
注<br />
1 . D ・ ト ッ ド ・ ク リ ス ト フ ァ ー ソ ン「 贖 い 」『 リ<br />
アホナ 』201 3 年 5 月 号 ,110 参 照<br />
2. リンダ・K・バートン「イエス・キリスト<br />
の 贖 罪 を 信 じ る 信 仰 は ,わ たし た ち の 心<br />
に 記 されているでしょうか。」『リアホナ』<br />
2012 年 11 月 号 ,114<br />
考 えてみましょう<br />
神 と<br />
イエス・キリストに,<br />
救 い 主 の<br />
たまもの 贖 罪 の 賜 物 に 対 する<br />
感 謝 と 愛 を 示 すには<br />
どうしたら<br />
よいでしょうか。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 7
2016 年 10 月 の 大 会 ノート<br />
「 主 なるわたしが 語 ったことは,わたしが 語 ったのであ〔る。〕……<br />
しもべ<br />
わたし 自 身 の 声 によろうと,わたしの 僕 たちの 声 によろうと,<br />
そ れ は 同 じ で あ る 。」( 教 義 と 聖 約 1 : 3 8 )<br />
預 言 者 の 約 束<br />
2016 年 10 月 の 総 大 会 を 振 り 返 る 際 に,このページ(および 今 後 の 大 会 ノート)を 使 って,<br />
生 ける 預 言 者 と 使 徒 , 他 の 教 会 指 導 者 が 語 った 最 近 の 教 えを 学 び, 生 活 に 取 り 入 れることが<br />
できます。<br />
教 義 的 な 重 要 点<br />
知 恵 の 言 葉<br />
「18 33 年 に , 主 は , 健 康 に 生 活 するた め の 計 画 を 預 言 者 ジョセフ・スミ<br />
スに 啓 示 されました。その 計 画 は 教 義 と 聖 約 第 89 章 に 見 られ, 知<br />
恵 の 言 葉 として 知 られています。それによって, 人 が 食 べる 物 に 関 して 具 体 的<br />
な 指 示 が 与 えられ,また 人 の 体 に 有 害 な 物 の 使 用 が 禁 じられました。<br />
主 の 戒 め に 従 い , 知 恵 の 言 葉 を 忠 実 に 守 る 人 に は , 特 有 の 祝 福 が 約 束 されて<br />
いま す。 そ の 一 つ が, 健 康 に なり, 体 の 持 久 力 が 増 すという 祝 福 で す〔 教 義 と<br />
聖 約 89:18 - 21 参 照 〕。……<br />
神 から 与 えられている 計 画 である 知 恵 の 言 葉 に 述 べられている 原 則 を 守 るこ<br />
とによって, 肉 体 と 思 いを 大 切 にすることができますように。そうするときに,<br />
あかし<br />
輝 かしい 祝 福 がわたしたちを 待 ち 受 けていることを,わたしは 心 の 底 から 証 し<br />
ま す。」<br />
トーマス・S・モンソン 大 管 長 「 原 則 と 約 束 」<br />
『リアホ ナ 』2 016 年 11 月 号 ,7 8 ,7 9<br />
安 息 日 に 感 謝 しましょう<br />
しもべ<br />
「 権 能 を 受 けた 神 の 僕 に よ って 準 備 さ れ , 祝<br />
せいさん 福 さ れ , 配 ら れ る 聖 餐 を , 毎 週 受 け る 機 会 が<br />
〔 あ り ま す 〕。 権 能 を 持 つ 神 権 者 に よ っ て さ<br />
さげられる 聖 餐 の 祈 りの 言 葉 を, 天 の 御 父 が<br />
み たま あかし<br />
認 めてくださったと 聖 なる 御 霊 が 皆 さんに 証<br />
す る と き, 感 謝 の 念 を 深 め る こ と が で き ま<br />
す。<br />
……わたしたちは 救 い 主 に 対 してより 深<br />
い 愛 と 感 謝 の 念 を 抱 きます。その 無 限 の 犠<br />
牲 によって, 罪 からの 清 めがもたらされるよ<br />
うになったのです。パンと 水 を 頂 くとき, 主<br />
がわたしたちのために 苦 しまれたことを 思 い<br />
起 こします。 主 がわたしたちのためにしてく<br />
ださったことに 対 して 感 謝 の 念 を 抱 くとき,<br />
わたしたちに 対 する 主 の 愛 ,そして 主 に 対 す<br />
るわたしたちの 愛 を 感 じることでしょう。<br />
わたしたちの 受 ける 愛 という 祝 福 によっ<br />
て,『いつも 主 を 覚 え』るという 戒 めをより<br />
守 りやすくなるでしょう〔モロナイ 4:3;5:<br />
2 ; 教 義 と 聖 約 2 0 : 7 7 ,7 9 〕。 わ た し が 感<br />
じているように, 皆 さんは 聖 霊 に 対 しても,<br />
愛 と 感 謝 の 念 を 抱 くことができます。 天 の<br />
御 父 は , 皆 さ ん が 交 わ し た 聖 約 に 忠 実 で あ り<br />
続 けるなら, 聖 霊 がいつも 皆 さんとともにい<br />
てくださると 約 束 しておられます。わたした<br />
ちは 毎 週 日 曜 日 にこれらすべての 祝 福 を 数<br />
え 上 げ, 感 謝 することができます。」<br />
大 管 長 会 第 一 顧 問<br />
ヘンリー・B・アイリング 管 長<br />
「 安 息 日 における 感 謝 」<br />
『リアホナ』2016 年 11 月 号 ,100<br />
8 リ ア ホ ナ
このような 危 険 な 時 代 に<br />
力 強 く 立 ち 上 がる<br />
「わ たしたち 姉 妹 は 末 日 を 生 き 抜 く 強 さと 信 仰 を 生 まれなが<br />
らに 持 っていると,わたしは 心 から 確 信 しています。<br />
……<br />
しょくざい わたしたちは〔 イエス・キリスト〕の 贖 罪 … … を 学 び, 理 解 し<br />
なければなりません。……<br />
この 末 日 に,〔 預 言 者 ジョセフ・スミスを 通 して〕 教 義 と 組 織 ,<br />
かぎ<br />
権 能 の 鍵 が 回 復 される 必 要 があっ<br />
たことを 理 解 する 必 要 があります。<br />
……<br />
わたしたちは 神 殿 の 儀 式 と 聖 約<br />
を 学 び, 理 解 する 必 要 があります。<br />
……<br />
主 は ,この 苦 難 の 時 代 に 生 きる<br />
わ た し た ち 女 性 を 祝 福 し ,… … 必 要<br />
たま もの<br />
な 力 , 賜 物 , 強 さを 授 け てくださっ<br />
ていることを 証 します。」<br />
中 央 若 い 女 性 会 長<br />
ボニー・L・オスカーソン<br />
「 力 強 く 立 ち 上 が れ ,シ オ ン の 娘 た ち よ 」<br />
『リアホ ナ 』2 016 年 11 月 号 ,13 ,15<br />
類 似 点 を 見 つ け る<br />
キリストと 主 の 教 義 に<br />
証 の 根 を 下 ろす<br />
人 かの 話 者 は, 自 分 の 証 に 悩 んでいる 人 々に 対 して 話 しました。 彼 らが 話 し<br />
何 たことを 読 むには,2 016 年 11 月 号 を 用 いるか,c on ference . ld s . org をご 覧 く<br />
ださい。<br />
— ディーター・F・ウークトドルフ「アルマとアミュレクから 学 ぶ」71 参 照<br />
— M・ラッセル・バラード「わたしたちは,だれのところに 行 きましょう」90 参<br />
照<br />
— クエンティン・L・クック「イエスの 証 に 雄 々しくある」40 参 照<br />
— ロナルド・A・ラズバンド「 忘 れない」113 参 照<br />
わたしたちはどのようにして<br />
主 を 知 るようになるのでしょうか<br />
「 現 世 の 偉 大 な 目 的 は, 御 父 の 独 り 子 に<br />
ついて 学 ぶだけでなく, 知 るように 懸 命<br />
な 努 力 をすることです。 主 を 知 るように<br />
なるうえで 助 けとなる,4 つの 不 可 欠 な<br />
段 階 があります。 主 を 信 じる 信 仰 を 働 か<br />
せ る こ と , 主 に 従 う こ と , 主 に 仕 え る こ<br />
と,そして 主 を 信 じることです。……<br />
将 来 ,イエスはキリストであると,『す<br />
べてのひざがかがみ,すべての 舌 が ……<br />
告 白 し ま す 。』〔 モ ー サ ヤ 2 7 : 3 1 〕 そ の<br />
祝 福 された 日 に, 主 が 一 人 一 人 の 名 前 を<br />
御 存 じ で あ る と,わ た し た ち は 知 る で<br />
しょう。 主 を 信 じる 信 仰 を 働 かせ, 主 に<br />
従 い , 主 に 仕 え , 主 を 信 じ る な ら ,わ た し<br />
た ち は 主 に つ い て 知 る だ け で なく , 主 を<br />
知 るようになることを 証 し, 約 束 しま<br />
す 。」<br />
十 二 使 徒 定 員 会 デビッド・A・ベドナー 長 老<br />
「もしあなたがたがわたしを 知 っていたならば」<br />
『リアホ ナ 』2 016 年 11 月 号 ,10 3 ,10 5<br />
総 大 会 の 説 教 を 読 ん だ り, 見 た り, 聴 い た り<br />
するには,lds.org/general-conference?<br />
lang=jpn にアクセスしてください。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 9
キ リ ス ト に つ い て 語 る<br />
い や<br />
真 の 癒 しの 奇 跡<br />
ジョナサン・テーラー<br />
しょくざい わたしは 事 故 に 遭 った 後 , 体 のまひが 治 らないことを 知 りましたが,イエス・キリストの 贖 罪 により,<br />
霊 的 なまひは 癒 されることを 学 びました。<br />
わ たしとわたしの 家 族 にとって,<br />
2000 年 はすばらしい 出 来 事<br />
に 満 ちていました。 妻 とわたしは 結<br />
婚 1 周 年 を 祝 いました。わたしたちは<br />
初 めて 親 になりました。その 年 はわた<br />
しが 身 体 不 随 になった 年 でもあるの<br />
で す が,そ れ は 娘 が 生 まれてか らちょ<br />
うど 5 週 間 後 のことでした。<br />
その 夏 ,わたしはワードの 年 配 の 姉<br />
妹 の 手 伝 いをしていました。 芝 を 刈 る<br />
た め に , 自 分 のアパ ートか ら 彼 女 の 家<br />
までの 数 ブロックを 定 期 的 に 自 転 車 で<br />
通 って いました 。 しかし ,あ る 朝 ,わた<br />
しは 非 常 に 疲 れていて, 十 分 に 注 意 を<br />
払 っていなかったため, 車 にはねられ<br />
る 事 故 に 遭 ったのです。わたしが 一 命<br />
を 取 り 止 めたのは 奇 跡 だったのです<br />
が, 残 念 なことに ,け が を 免 れ ることは<br />
できませんでした。 事 故 から 1 週 間 し<br />
て 目 を 覚 ますと, 体 が まひして いること<br />
が 分 かりました。 胸 下 部 から 下 の 筋 肉<br />
をまったく 動 かすことができなかった<br />
のです。<br />
まひは 永 久 的 な 障 が いです。 現 代<br />
科 学 と 医 学 における 今 日 の 偉 大 な 発<br />
展 のすべてをもってしても, 治 すこと<br />
はできません。そして 当 然 のことなが<br />
ら, 初 め わ たし は 夫 や 父 親 としてどう<br />
すればよいのかと 心 配 し, 恐 れを 抱 き<br />
ました 。 そ の 恐 れ は 後 に , 怒 りに 変 わ<br />
りました。あの 交 差 点 で 一 時 停 止 し<br />
な か ったことや,ヘ ルメットを か ぶ って<br />
い な か っ たことなど, 自 分 が 愚 か で<br />
あったことに 対 する 怒 りでした。<br />
自 分 が 重 荷 になったように 感 じまし<br />
た。リハビリテーション 病 院 に 数 か 月<br />
入 院 し, 障 が い の あ る 状 態 で 残 りの<br />
人 生 をどう 生 き,どうしたら 再 び 自 立<br />
できるかを 学 びました。 同 時 に,まひ<br />
とともに 生 きること が, 聖 文 と 救 い 主<br />
の 贖 罪 をよりよく 理 解 することに 役 立<br />
ちました。<br />
キリストが 行 われた 奇 跡 について 深<br />
く 考 えて い るとき,あ る 特 別 な 理 解 が<br />
得 られました。マルコによる 福 音 書 第<br />
ゆる<br />
2 章 で,イエ ス は 中 風 の 者 の 罪 を 赦<br />
し ,そ の 後 彼 を 癒 されまし た 。 イエス<br />
が 赦 されたことについて 律 法 学 者 が<br />
疑 問 に 思 って い ると,イエ ス は こう 言<br />
われました。「 中 風 の 者 に,あなたの<br />
中 央 扶 助 協 会 会 長 会 第 二 顧 問<br />
リンダ・S・リーブズ「 偉 大 な 贖 いの 計 画 」<br />
『リアホナ』2016 年 11 月 号 ,90<br />
罪 は ゆるされ た ,と 言 うのと, 起 きよ,<br />
床 を 取 りあ げ て 歩 け,と 言 うのと,ど<br />
ちらがたやすいか。」( 9 節 )<br />
これまでこの 聖 句 を 何 回 も 読 んでき<br />
まし た が, 事 故 の 後 ま で,そ の 意 味 を<br />
まったく 理 解 していませんでした。こ<br />
の 章 を 読 むと,この 癒 し がど れ ほど ほ<br />
んとうに 奇 跡 的 なことだったのかを 思<br />
い 出 させてくれます。それから2000 年<br />
の 時 が 過 ぎ, 多 くの 医 学 的 な 進 歩 が<br />
ある 今 日 でさえ,そのような 癒 しは 人<br />
間 の 手 だけではまだ 成 し 遂 げること<br />
ができません。そしてわたしは 毎 日 そ<br />
の 現 実 の 中 で 生 活 しています。この<br />
聖 句 に 隠 れている 教 訓 はそのことで<br />
あ ると 多 くの 人 は 考 えます。 つまり,キ<br />
リストは 不 治 の 病 を 治 す 力 をお 持 ちで<br />
あ るとい うことで す。 し か し,とりわ<br />
偉 大 な 奇 跡<br />
「 わ た し に と って , 人 生 に お け る 偉 大 な 奇 跡 と は , 紅 海 の 水<br />
が 分 かれることでも, 山 が 動 くことでも, 体 が 癒 されるこ<br />
とでもありません。 最 も 偉 大 な 奇 跡 は,わたしたちがへり<br />
く だ り, 祈 り を も って 天 の 御 父 に 近 づ き , 熱 心 に 赦 し を 請<br />
うときに 起 こります。そうするとき,わたしたちは 救 い 主<br />
の 贖 いの 犠 牲 によって 罪 から 清 められるのです。」<br />
10 リ ア ホ ナ
「<br />
ゲ<br />
ツ<br />
セ<br />
マ<br />
ネ<br />
の<br />
園<br />
で<br />
祈<br />
ら<br />
れ<br />
る<br />
キ<br />
リ<br />
ス<br />
ト<br />
」<br />
/<br />
ハ<br />
ー<br />
マ<br />
ン<br />
・<br />
ク<br />
レ<br />
メ<br />
ン<br />
ツ<br />
画<br />
け 身 体 的 な 奇 跡 か ら 視 線 を 移 し, 霊<br />
的 な 奇 跡 に 焦 点 を 当 て てみ ると ,この<br />
聖 句 にはもっと 深 い 意 味 があること<br />
が 分 かります。<br />
身 体 的 な 障 がいのある 人 が「 起 き<br />
て 」「 歩 く 」 こ と が 不 可 能 で あ る の と<br />
同 じ ように , 罪 に よって 生 じ た 霊 的 な<br />
障 がいを 人 が 自 分 で 克 服 することは<br />
不 可 能 なので す。 わたしは 救 い 主 の<br />
贖 罪 がほんとうの 奇 跡 であるというこ<br />
とを,この 聖 句 から 学 びました。わた<br />
しが 身 体 的 に 起 き 上 がり,この 地 上 の<br />
人 生 で 再 び 歩 くという 奇 跡 を 経 験 す<br />
ることは 決 してないかもしれません<br />
が,わたしの 主 であり 救 い 主 であるイ<br />
エス・キリストの 贖 罪 を 通 じて 罪 が 赦<br />
され るという,より 大 きな 奇 跡 を 経 験<br />
したので す。 この 奇 跡 が 現 実 のもの<br />
で あ るとい うこと が, 以 下 の 1 0 節 と<br />
11 節 で 確 認 できます。<br />
「『しかし, 人 の 子 は 地 上 で 罪 をゆる<br />
す 権 威 をもっていることが,あなたが<br />
たにわかるために 』と 彼 らに 言 い, 中<br />
風 の 者 にむかって,<br />
『あなたに 命 じる。 起 きよ, 床 を 取<br />
りあげて 家 に 帰 れ 』と 言 われた。」<br />
すべてイエス・キリストのおかげで<br />
罪 の 結 果 から 癒 されることは,わたし<br />
たち 一 人 一 人 がその 人 生 で 受 けられる<br />
最 も 偉 大 な 奇 跡 なので す。 わたした<br />
あがな<br />
ちの 罪 を 贖 うた め に ,キリストは わ た<br />
したちの 弱 さと 罪 を 御 自 身 の 身 に 引 き<br />
受 けられました。 主 は,わたしたちが<br />
人 生 においてどのような 経 験 をするか<br />
を 御 存 じで す。 主 は ,わたし たち 個 人<br />
の 障 が い , 弱 さ, 問 題 を そ の 大 小 に か<br />
かわらず 理 解 しておられます。 罪 によ<br />
る 霊 的 な 障 がいを 癒 すことのできる<br />
御 方 はほかにいません。<br />
わたしに 与 えられたこの 特 別 な 理 解<br />
という 祝 福 に 感 謝 しています。この 理<br />
解 は ,わ たし が 障 が い を 持 ち な が ら<br />
生 活 し , 学 び 成 長 して いくうえで 必 要<br />
な 視 点 を 与 えてくれます。 自 分 自 身 を<br />
哀 れむことをやめ, 事 故 の 前 にしてい<br />
た 好 きなことを 同 じようにすることが<br />
できています。そしてわたしの 状 況 に<br />
か か わらず, 奉 仕 することが で きるよ<br />
うに 祝 福 されて います。 障 が い のあ<br />
る 状 態 で 生 活 するときに 感 謝 するこ<br />
とが 難 しいと 思 う 人 がいるかもしれま<br />
せん が,このようなときでも, 神 は わた<br />
したちを 変 わらず 祝 福 してくださいま<br />
す。 救 い 主 とその 贖 罪 に,そしてわた<br />
しの 人 生 におけるこの 驚 くべき 奇 跡 に<br />
感 謝 しています。■<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 ワイオミング 州 在 住 です。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 11
わ た し た ち の 家 庭 , わ た し た ち の 家 族<br />
ぼくは 死 ぬの?<br />
グレゴリー・ハンブリン<br />
息 子 がなぜ 急 に 死 への 恐 怖 に 襲 われたのか 分 かりませんが,<br />
福 音 の 真 理 は 息 子 が 必 要 としていた 安 心 感 を 与 えました。<br />
7<br />
歳 の 息 子 は 猛 烈 にペダルをこい<br />
でいましたがまったく 進 みませ<br />
ん。 自 転 車 のチェーンが 外 れてしまっ<br />
たのです。わたしは 窮 地 を 救 おうと 息<br />
子 の もとへ 行 き, 自 転 車 をひ っくり 返<br />
してチェーンに 手 をかけました。 作 業<br />
して い ると, 息 子 が「 お 父 さん, 死 ん<br />
だらぼくは 血 だらけになるの?」と 尋<br />
ねてきました。<br />
や や 驚 きな が ら,わたし は 息 子 を 見<br />
上 げました。 息 子 の 目 から 涙 があふ<br />
れていました。<br />
「 何 だって? そんなことはないよ」<br />
とわたしは 言 いました。「 君 は 死 なな<br />
い よ 。」わ た し は 歩 道 の 縁 に 腰 か け ,<br />
息 子 をひざに 乗 せました。 息 子 は 泣<br />
きじゃくりました。 何 がきっかけだっ<br />
たのでしょう。<br />
「おなかの 中 身 が 出 てきちゃうの?」<br />
と 息 子 は 尋 ねてきました。<br />
幼 い 息 子 はホラー 映 画 か 何 かを 見<br />
て いた の でしょうか。「 そん なことは<br />
ない!」とわたしは 言 い, 死 なないと<br />
息 子 にもう 一 度 言 い 聞 かせました。<br />
「 違 うよ,お 父 さん 。 み ん な 死 ぬ ん<br />
でしょう?」<br />
わたしは 深 く 息 を 吸 いました。まだ<br />
幼 い 子 供 とこんな 会 話 をするとは 思 っ<br />
てもみませんでした。<br />
父 親 になったとき,わたしは 子 供 に<br />
真 理 を 教 えることを 決 してためらわな<br />
いと 心 に 誓 っていましたが,どの 子 に<br />
も,いつか 死 ぬことを 告 げると 思 う<br />
と, 恐 ろしくなりまし た 。 わ たし は 息<br />
子 の 質 問 をはぐらかそうとしました。<br />
「まだそんなことを 心 配 しなくても 大<br />
丈 夫 だよ。にこにこと, 楽 しいことを<br />
していればいいんだ。 心 配 しなくても<br />
大 丈 夫 。 君 はうんと 長 生 きするんだ<br />
か ら 。」<br />
ところが 息 子 は「 死 に たくな いよ」<br />
と 言 います。<br />
「 どうしたらいいんだ?」わたしは 自<br />
問 しました。 誤 ったことを 言 って 息 子<br />
の 心 に 永 遠 に 残 る 傷 を 負 わせてしま<br />
うかもしれないという 思 いが 頭 を 駆 け<br />
巡 りました。「どうしたらよいのだろ<br />
う。」わたしは 心 の 中 で 助 けを 祈 り 求<br />
めました。<br />
そして, 救 い の 計 画 に つ いて 息 子 に<br />
話 し 始 めました。 人 は 皆 少 しの 間 だ<br />
け 地 上 にいるのだと 言 いました。ま<br />
た ,み ん な 肉 体 と 霊 の 二 つ の 部 分 で<br />
できていて, 死 ぬと 肉 体 だけ 動 かなく<br />
なり,そして 確 かに 息 子 の 言 うように,<br />
すべての 人 はいつか 死 ななければな<br />
らないと 話 しました。 一 方 , 霊 は 永 遠<br />
に 生 き 続 け, 決 して 死 ぬ ことは ありま<br />
せ ん( ア ル マ 4 0 : 1 1 参 照 )。<br />
イエス・キリストは 救 い 主 だという<br />
ことも 言 いました。なぜなら,わたし<br />
たちは 一 時 的 に 別 れなければならな<br />
いとして も,キリストの お か げ で 一 緒<br />
にいられるようになったからです。 救<br />
い 主 はわたしたちのために 命 をささ<br />
げ, 復 活 し , 今 生 きておられ る の で,<br />
わたしたちの 霊 はいつか 肉 体 に 戻<br />
り, 二 度 と 死 を 味 わ うことは な い<br />
と 教 え まし た( ア ル マ 1 1:4 3 -<br />
4 5 参 照 )。<br />
亡 くなった 人 を 見 たことがあるの,<br />
と 息 子 は 尋 ねてきました。わたしは,<br />
お 葬 式 で 祖 父 母 に 別 れを 告 げること<br />
ができたと 言 いました。 肉 体 が 死 ん<br />
でも 霊 はまだ 生 きて いて,そ の 存 在 を<br />
時 折 近 くに 感 じることができると 話 し<br />
ました。<br />
息 子 の 恐 れは 治 まり,すすり 泣 きは<br />
いつものくすくす 笑 いに 変 わりまし<br />
た。 見 えなくても 先 祖 が 会 いに 来 てく<br />
れ る の だと 思 って, 笑 顔 に な った の で<br />
す。<br />
わたしたちは 一 緒 に 歩 いて 家 に 帰<br />
り, 修 理 し た 自 転 車 をガ レ ージ に 入 れ<br />
ました。わたしは 自 分 が 言 った 言 葉<br />
について 考 えました。 子 供 に 真 理 を<br />
教 え た いという 望 み と, 息 子 に 返 し た<br />
自 分 の 言 葉 について 考 えました。<br />
そ のとき,イエ ス・ キリスト の 福 音<br />
あかし<br />
に 自 分 が 証 を 持 っていることを 心 から<br />
感 謝 しました。 救 いの 計 画 がほんと<br />
うであることをすでに 知 っていたの<br />
で, 自 信 をもって 誠 実 に 息 子 に 話 し,<br />
12 リ ア ホ ナ
恐 怖 に 打 ち 勝 つ 力 を 与 えることがで<br />
きたのです。<br />
このときの た め の 備 えは , 息 子 が 生<br />
まれるずっと 以 前 に 始 まっていまし<br />
た。 伝 道 に 備 えていたときに, 教 える<br />
ことが 求 められるであろう 福 音 のあら<br />
ゆる 側 面 について, 証 を 得 ることを 目<br />
標 にしていました。 最 も 苦 労 したの<br />
は, 死 者 の 復 活 でした。<br />
研 究 し , 深 く 考 え , 祈 り, 断 食 して 証<br />
を 求 めまし た 。 間 もなく, 復 活 が 現 実<br />
の もの で あり, 死 後 の 世 界 が 実 在 し,<br />
救 いの 計 画 の 約 束 が 確 かなものであ<br />
ることを 聖 霊 が 証 してくださいました<br />
( 1 ニ ーファイ 1 0 : 1 9 参 照 )。<br />
この 証 は 伝 道 中 に 物 を 言 っただけ<br />
でなく, 息 子 が 平 安 を 必 要 としたとき<br />
たまもの に 最 も 貴 重 な 賜 物 の 一 つとなりま<br />
した。<br />
この 証 に 感 謝 します。 ま<br />
た , 救 い の 計 画 が ほ んとう<br />
であることを 証 します。 証<br />
を 強 めることが 大 切 である<br />
ことを 証 します。 自 分 や 愛 す<br />
る 人 が 恐 れ を 抱 い たときに ,そ<br />
の 証 とイエス・キリストの 福 音 に 対 す<br />
る 理 解 によって 平 安 を 見 いだすこと<br />
ができるからです。■<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 ネバダ 州 在 住 で<br />
す。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 13
人 生 は 劇<br />
― 3 幕 構 成 の 救 いの 計 画<br />
わたしたちは<br />
完 全 には 理 解 していない<br />
3 幕 構 成 の 劇 の 半 ばにいますが,<br />
キリストから 目 をそらさないことにより<br />
永 遠 のハッピーエンドを<br />
つかむことができます。
イ<br />
メ<br />
ー<br />
ジ<br />
C<br />
ISTOCK/THINKSTOCK<br />
マーガレット・ウィルデン<br />
照<br />
明 が 暗 くなり,ビ ロ ード の 赤 い 幕 が 上 が りま す。<br />
衣 装 をまとった 人 物 が 周 りで 一 斉 に 動 きだしま<br />
す。 主 人 公 はだれで, 悪 役 はだれでしょうか。 断<br />
定 するのは 難 しいです。<br />
あなたは 何 が 何 だかまったく 分 からないまま 舞 台 の 中 央<br />
に 立 ち 尽 くしています。みんなはどうなっているのか 理 解 し<br />
ているようです。「 第 2 幕 だよ」とある 役 者 がささやきます。<br />
「 こ の 台 本 を 見 て ご ら ん 。」<br />
わたしたち 皆 が 役 者 ではないかもしれませんが,このよう<br />
な 演 劇 の 概 念 は 現 実 と 懸 け 離 れてはいません。「 偉 大 な 幸<br />
福 の 計 画 」(アルマ42:8)とも 呼 ばれる 救 いの 計 画 を,<br />
3 幕 から 成 る 劇 になぞらえて 考 えてみてください。 第 1 幕 は<br />
わ たし た ち が 元 い た 場 所 , 第 2 幕 は 地 上 の 生 涯 で あり, 第<br />
3 幕 はこれから 行 く 所 です。 第 2 幕 にいるわたしたちは 過<br />
去 の 記 憶 がなく, 将 来 についてもあまり 多 くを 知 りませんが,<br />
幸 いにもイエス・キリストの 福 音 ,つまりこの 劇 の 台 本 が, 現<br />
世 の 生 涯 に 本 質 的 な 意 味 を 与 えてくれます。<br />
第 1 幕 ― 自 分 の 起 源 を 理 解 する<br />
聖 文 と 生 ける 預 言 者 の 言 葉 から, 前 世 について 学 ぶことがで<br />
きま す( ア ブ ラハ ム 3 : 2 2 - 2 4 参 照 )。 地 上 に 来 る 前 ,わ た し<br />
たちは 天 の 御 父 とともに 会 議 に 出 席 しました。 地 上 に 来 て 肉 体<br />
を 手 に 入 れ , 子 孫 をもうけ, 反 対 のものに 遭 遇 し, 光 と 真 理 を 増<br />
し 加 えることを 知 りました。 従 順 でありさらにキリストのように<br />
なるならば ,い つ か 再 び 御 父 とともに 暮 らすことが できます。<br />
途 中 で 間 違 いを 犯 すでしょうから,イエス・キリストが 救<br />
い 主 として 罪 の 代 価 を 払 うよう 選 ばれました。キリストはわ<br />
たしたち 一 人 一 人 のために 苦 しまれました。そして, 主 の 犠<br />
牲 のおかげでわたしたちは 悔 い 改 めを 通 して 清 められます。<br />
しかし,サタン( 前 世 ではルシフェルと 呼 ばれていました)<br />
は 反 抗 し, 善 悪 を 選 ぶ 能 力 を 人 から 奪 おうと 企 てました。<br />
天 での 戦 いが 始 まりました。この 戦 いに 敗 れたサタンは,サ<br />
タンに 従 うことを 選 んだ 者 たちとともに 天 から 追 い 出 されま<br />
し た( モ ー セ 4 : 1 - 4 参 照 )。<br />
わたし たち は 前 世 の ことを 思 い 出 せ ません が, 地 上 に 来 た<br />
ら 神 のもとに 戻 るために 全 力 を 尽 くすと 約 束 したことを 知 っ<br />
て いま す。 そして, 主 は わ たし たち に 選 択 の 自 由 を 授 け, 主<br />
に 従 うことを 選 べるようにすると 約 束 してくださいました。<br />
第 2 幕 ― 選 択 の 自 由 を 用 いる<br />
現 在 わたしたちは 第 2 幕 にいます。 神 はみもとに 帰 る 導 き<br />
となる 台 本 ,す な わち イエス・キリストの 福 音 を 授 け てくださ<br />
いました。わたしたちの 課 題 は, 選 択 の 自 由 を 用 いて 台 本 に<br />
従 い , 天 の 御 父 のもとに 戻 る 備 えを することで す( ア ブ ラハ<br />
ム 3:25 参 照 )。 本 筋 とは 関 係 なさそうなエピソードが 多 く<br />
て 入 り 組 んだ 劇 のように, 現 世 の 生 涯 は 複 雑 です。あらゆる<br />
形 の 誘 惑 や 試 練 , 悲 し い 出 来 事 に 満 ちて いま す。 し かし 実<br />
際 のところ, 第 2 幕 で 大 切 なことは ,さらにキリストのように<br />
なるためにキリストの 教 えに 従 うかどうかを 選 ぶことです。<br />
聖 文 には 完 全 な 幸 福 の 規 範 が 記 されており,「キリストの<br />
言 葉 をよく 味 わいながら 力 強 く 進 み, 最 後 まで 堪 え 忍 ぶ」よ<br />
う 促 しています( 2 ニーファイ 31:20)。わたしたちは 聖 約<br />
を 交 わして 守 り, 戒 め に 従 い , 罪 を 犯 し たときに 悔 い 改 め る<br />
と, 成 長 します。 聖 文 や 預 言 者 の 教 えにどっぷりとつかると<br />
きに, 第 1 幕 で 喜 んで 従 うと 同 意 した 計 画 から 目 をそらさな<br />
いでいることができます。<br />
第 3 幕 ― 永 遠 を 喜 んで 受 け 入 れる<br />
肉 体 は 第 2 幕 の 最 後 でなくなりますが, 話 はそこで 終 わり<br />
ません。 事 実 , 第 3 幕 では 幕 は 永 遠 に 下 りません(アブラ<br />
ハ ム 3 : 2 6 参 照 )。<br />
しょくざい イエス・キリストの 贖 罪 のおかげで, 地 上 に 来 る 神 の 子 供<br />
は 皆 復 活 します。 復 活 よりも 喜 ばしいものがほかにあるで<br />
し ょう か( 教 義 と 聖 約 9 3 : 3 3 参 照 )。<br />
さら に ,ほとん ど の 人 は 自 分 の 行 い に 応 じ て い ず れ か の<br />
階 級 の 栄 光 を 受 けます。 星 の 栄 光 のような 栄 光 を 持 つ 星 の<br />
栄 えの 王 国 , 月 の 栄 光 のような 栄 光 を 持 つ 月 の 栄 えの 王 国 ,<br />
そして 太 陽 の 栄 光 のような 栄 光 を 持 つ 日 の 栄 えの 王 国 のい<br />
ずれかです( 教 義 と 聖 約 76:50 -113 参 照 )。 日 の 栄 えの<br />
王 国 では, 御 父 と 御 子 とともに 暮 らすことになります。 比 較<br />
的 わずかな 人 が「そのまま 汚 れた 状 態 」にとどまり( 2 ニー<br />
ファイ 9 : 1 6 ), 外 の 暗 闇 に 置 か れ て 一 切 進 歩 す る こ と は で き<br />
ません。<br />
あなたはどのような 物 語 を 生 きるでしょうか。<br />
劇 の 第 2 幕 でイエ ス・ キリスト の 福 音 に 従 うなら ば , 第<br />
3 幕 は 信 じられないほど 栄 えあるものとなるでしょう。 さ<br />
あ , 幕 は 上 がり, 上 演 中 で す。 あ なた は 舞 台 の 上 で 何 をしま<br />
すか。■<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 ニューヨーク 州 在 住 です。<br />
この 概 念 は, 十 二 使 徒 定 員 会 会 長 ボイド・K・パッカー 会 長 (1924 -2015 年 )が,<br />
1995 年 5 月 7 日 に 開 かれたヤングアダルト 対 象 の 教 会 教 育 システムファイヤサイド<br />
で 行 った 説 教 「 劇 と 計 画 」(“ The Play and the Plan”)を 基 にしています。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 15
16 リ ア ホ ナ
み たま<br />
御 霊 の 声<br />
七 十 人<br />
エドアルド・<br />
ガバレット 長 老<br />
聖 霊 の 声 によく 耳 を 傾 けると, 自 分 が 正 しい 道 を 歩 んでいるのか,<br />
それとも 進 む 方 向 を 変 える 必 要 があるのかが 分 かってきます。<br />
写<br />
真<br />
/<br />
ISTOCK/THINKSTOCK<br />
わたしが 子 供 のころ, 父 は 時 計 を 販 売 修 理 する 店<br />
を 開 いていました。 店 の 奥 が 住 まいでしたから,<br />
わたしは 時 計 の 音 を 聞 きながら 育 ったのです。<br />
毎 日 , 店 を 閉 じ ると, 父 はそ の 日 修 理 して いた 柱 時 計 を 幾<br />
つか 住 まいに 持 って 来 て, 家 族 の 寝 室 に 近 い 壁 に 掛 けたも<br />
のです。 父 がなぜそんなことをするのか,なぜ 家 族 がうるさ<br />
い 時 計 の 音 の 中 で 寝 なければならないのか,わたしには 分<br />
か りま せ んでし た 。 し か し, 時 が た つ に つ れ , 静 か な 夜 に<br />
様 々な 時 計 の 音 がするのは 当 たり 前 のことになっていまし<br />
た。<br />
2 ,3 年 すると,わたしも 父 と 一 緒 に 店 で 働 くようになり,<br />
腕 時 計 の 修 理 の 仕 方 を 父 か ら 学 び まし た 。 あ る 日 の 朝 , 父<br />
の 言 った 言 葉 に はっとして, 父 が 柱 時 計 を 店 に 置 いてお か ず<br />
に 寝 室 の 外 側 に 掛 けた 理 由 が 理 解 できたような 気 がしまし<br />
た。<br />
父 はこう 言 ったのです。「 夕 べおまえの 寝 室 の 近 くに 掛<br />
かっていた 柱 時 計 を 持 って 来 てくれるかな。 昨 晩 音 を 聴 い<br />
ていたんだが,どうも 調 子 が 良 くないようなんだ。もう 一 度<br />
見 ないといけない。」<br />
これだったのです! 夜 の 静 寂 の 中 , 父 はまるで 医 者 が 患<br />
者 の 心 臓 の 音 に 耳 を 傾 けるように 時 計 の 音 に 耳 を 傾 けてい<br />
たのでした。 父 はそれまでずっと, 様 々な 種 類 の 時 計 を 直 し<br />
ながら, 時 計 が 何 の 不 具 合 もなく 動 いているかどうかを 音<br />
で 聞 き 分 けられるように 耳 を 鍛 えていたのです。<br />
以 来 わ たし は , 父 が して いたように , 夜 , 時 計 の 音 を 注 意<br />
して 聴 くようになりました。そうすると, 時 計 がきちんと 動 い<br />
ているか,それとも 調 整 する 必 要 があるかが 分 かるように<br />
なってきたのです。<br />
大 人 になって 福 音 の 原 則 が 理 解 できるようになるにつれ,<br />
わたしはこの 経 験 を, 聖 霊 がわたしたちの 生 活 に 及 ぼす 良<br />
い 影 響 と 比 べるようになりました。 霊 的 な 沈 思 黙 考 の 時 間<br />
を 子 供 時 代 の 夜 の 静 かな 時 間 になぞらえ 始 めたのです。そ<br />
み たま<br />
して, 時 計 の 音 を, 時 に 応 じて 警 告 し , 導 き, 語 りか ける 御 霊<br />
の 声 になぞらえるようになりました。<br />
大 切 な 霊 的 資 質<br />
この 経 験 が 助 けとなって,ニーファイが 聖 霊 のささやきを<br />
聞 いたのはほんとうのことだと 納 得 がいくようになりました。<br />
モ ル モ ン 書 を 読 む と ,ニ ー フ ァ イ が 兄 の サ ム に ,「 主 が 聖 なる<br />
御 霊 によって〔 自 分 〕に 明 らかにしてくださったこと 」を 話 し<br />
て 聞 かせたことが 分 かります(1 ニーファイ2:17, 強 調 付<br />
加 )。<br />
ニーファイは 聖 霊 の 影 響 力 がどんなものかをよく 知 ってい<br />
ました。 自 分 が 御 父 と 御 子 から 愛 されていることを 十 分 に<br />
知 っていたのです。 聖 霊 が 明 らかにしてくださったからで<br />
す。 ニーファイの 生 涯 を 見 ると , 祈 りはこた えられ , 霊 的 な 導<br />
きを 受 けています。これは, 神 の 愛 がはっきりと 表 れている<br />
実 例 です。そのような 実 例 を 次 に 挙 げましょう。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 17
• ニーファイが 見 た 命 の 木 の 示 現 ( 1 ニーファイ 第 11 -<br />
1 5 章 参 照 )。<br />
• 信 仰 に 応 じ て 動 い た リア ホ ナ( 1 ニ ーファイ 1 6 :1 0 ,<br />
1 6 ,2 6 - 3 0 参 照 )。<br />
• ニーファイを 縛 っていた 縄 がほどけるという 出 来 事<br />
( 1 ニ ーファイ 7 : 1 7 - 1 8 参 照 )。<br />
• 海 を 渡 る 際 にニーファイの 家 族 に 与 えられた 主 の 導 き<br />
( 1 ニ ーファイ 1 8 : 2 1 - 2 3 参 照 )。<br />
• 荒 れ 野 に 逃 げるようにという 主 からの 警 告 ( 2 ニーファ<br />
イ 5:5 参 照 )。<br />
ニーファイは 両 親 の 模 範 も 助 けとな って, 幼 い ころか ら 御<br />
霊 の 声 を 聞 き 分 ける 力 を 育 んでいました。ニーファイはこの<br />
能 力 を, 以 下 の 大 切 な 霊 的 資 質 を 働 かせることによって 培 っ<br />
たのです。<br />
• 望 み :「さて,わたしニーファイは…… 神 の 奥 義 を 知 り<br />
たいという 大 きな 望 みを 抱 いていたので, 主 に 叫 び 求<br />
め た 。」( 1 ニ ー フ ァ イ 2 : 1 6 )「 わ た し は , 父 の 見 た こ と<br />
を 知 り た い と 思 〔 っ た 。〕」( 1 ニ ー フ ァ イ 1 1 : 1 。 3 節<br />
も 参 照 )<br />
• 信 仰 :「わたしは, 父 がこれまでに 語 った 言 葉 をすべ<br />
事 柄 を 学 ぶことができます。<br />
て 信 じた。」(1 ニーファイ 2:16)<br />
聖 霊 は 啓 示 してくださる :「だれも 啓 示 を 受 けずに 聖 霊 を<br />
• 熱 心 な 祈 り:「 わ た し ニ ーフ ァイ は 度 々 山 の 中 へ 行 き ,<br />
授 かることはできません。 聖 霊 は 啓 示 者 であられます」( 1 ニー<br />
度 々 主 に 祈 った 。 そ れで, 主 は わたし に 大 い なることを<br />
ファイ 10:17 - 19;2 ニーファイ 32:5;モロナイ 10:5 参<br />
示 してくださった。」( 1 ニーファイ 18:3 )<br />
照 ) 2<br />
• 従 順 :「そこで,わたしニーファイは 父 に 言 った。『わ<br />
聖 霊 は 霊 感 を 与 えてくださる: 聖 霊 はわたしたちに 考 えや<br />
たしは 行 って, 主 が 命 じられたことを 行 います。 主 が<br />
気 持 ち, 言 葉 ,ひ ら めきを 与 え , 考 えを 導 いてくださいま す<br />
命 じられることには,それを 成 し 遂 げられるように 主 に<br />
( 1 ニ ーファイ 4 : 6 参 照 )。<br />
よって 道 が 備 えら れており,そ れで なくて は , 主 は 何 の<br />
あかし<br />
聖 霊 は 証 してくださる: 聖 霊 は 御 父 と 御 子 を 証 されます<br />
命 令 も 人 の 子 らに 下 されないことを 承 知 しているから<br />
( 2 ニ ーファイ 31:18;3 ニ ーファイ 28:11; エ テル 12:<br />
で す。』」( 1 ニ ーファイ 3 : 7 )<br />
4 1 参 照 )。<br />
聖 霊 は 教 えてくださる: 聖 霊 はわたしたちの 知 識 を 増 し 加<br />
聖 霊 の 働 き<br />
えてくださいます( 2 ニーファイ 32:5 参 照 )。<br />
きよ<br />
ニーファイには, 神 会 の 第 三 の 御 方 について 語 る 資 格 が 十 聖 霊 は 聖 めてくださる:バ プ テスマ の 後 ,わ たし たち は 聖<br />
な<br />
分 にありました。 海 が 凪 いでいようと 荒 れていようと, 御 霊 霊 を 受 けて 聖 められます( 3 ニーファイ 27:20 参 照 )。<br />
の 声 に 耳 を 傾 けるすべを 知 っていたのです。 自 分 の 経 験 を 聖 霊 は 思 い 起 こさせてくださる: 聖 霊 は 最 も 必 要 なときに<br />
指 針 に「 聖 霊 の 働 き」について 書 きました( 2 ニーファイ 必 要 なことを 思 い 起 こさせてくださいます(ヨハネ14:<br />
3 1 - 3 2 章 参 照 )。 1 ニーファイやほかの 預 言 者 から, 以 下 の 2 6 参 照 )。<br />
18 リ ア ホ ナ
『<br />
入<br />
念<br />
な<br />
造<br />
り<br />
の<br />
丸<br />
い<br />
球<br />
』<br />
デ<br />
ビ<br />
ッ<br />
ド<br />
・<br />
ベ<br />
ア<br />
ー<br />
ド<br />
,<br />
教<br />
会<br />
歴<br />
史<br />
博<br />
物<br />
館<br />
の<br />
厚<br />
意<br />
に<br />
よ<br />
り<br />
掲<br />
載<br />
聖 霊 は 慰 めを 与 えてくださる: 苦 難 や 絶 望 の<br />
能 力 を 高 め るに は ,ニーファイのように ,そ れ<br />
さなかに, 聖 霊 はわたしたちの 霊 を 奮 い 立 た<br />
せ, 希 望 を 与 え(モロナイ 8:26 参 照 ),「 王 国 に<br />
かかわる 平 和 をもたらす 事 柄 」を 教 え( 教 義 と<br />
を 受 けたいという 望 みを 育 て,イエス・キリス<br />
トを 信 じる 信 仰 を 働 かせ,「 気 を 落 とさずに 常<br />
に 祈 〔 り 〕」( 2 ニ ーファイ 3 2 : 9 ), 戒 め に 従 う<br />
聖 約 3 6 : 2 ),「 人 知 で は と う て い 測 り 知 る こ と 必 要 があります。<br />
のできない 神 の 平 安 」を 感 じられるようにしてく<br />
だ さ い ま す( ピ リピ 4 : 7 )。 3<br />
トーマス・S・モンソン 大 管 長 はもう 一 つの<br />
ことを 行 うようわたしたちに 言 っています。<br />
「 心 と 霊 の 扉 を 開 き, 真 理 を 証 する 特 別 な 声 を<br />
聖 霊 の 影 響 力<br />
モルモン 書 の 最 初 の 章 を 読 む<br />
聞 いてください。……わたしたちを 慰 め, 導<br />
き, 安 全 に 保 ってくれるこの 声 に<br />
と ,リーハ イが「 主 の 御 霊 に 満 た<br />
さ れ た」こ と が 分 か り ま す<br />
( 1 ニ ー フ ァイ 1 : 1 2 )。 モ ル モ ン<br />
書 の 最 後 の 章 でモロナイは,「 神<br />
は〔モルモン 書 〕が 真 実 であるこ<br />
とを, 聖 霊 の 力 に よって〔 わ たし<br />
たち〕に 明 らか にしてくださる」<br />
と 約 束 して います( モロナイ 1 0:<br />
4 )。<br />
霊 感 を 受 けて 書 かれたこの 聖<br />
典 では 最 初 から 最 後 まで, 聖 霊<br />
が 神 の 民 の 生 活 に 盛 んに 働 きか<br />
聖 霊 から 影 響 力 と 導 きを<br />
受 けるには<br />
• 受 けたいという 望 みを 育<br />
てる。<br />
• 主 イ エ ス・キ リスト を 信<br />
じる 信 仰 を 働 かせる。<br />
• 常 に 祈 る。<br />
• 戒 めに 従 う。<br />
常 に 波 長 を 合 わせ, 聞 き 取 るこ<br />
と が で きま すように 。」 5<br />
わ たし は 父 か ら, 時 計 に か か<br />
わる 実 務 を 通 して, 耳 を 傾 けると<br />
いう 教 訓 を 学 びました。 今 わた<br />
し は , 父 が 教 えてくれ たこの 教<br />
訓 を 大 切 にして います。 事 実 ,<br />
聖 霊 は ,この 教 訓 を 今 で もわ た<br />
し の 思 い と 心 に 伝 え , 良 い こと<br />
が 起 こるという 約 束 を 与 えてくだ<br />
さっています。<br />
あの 経 験 があったおかげで,<br />
け ておられ るの で す。 この 強 い 影 響 力 は,<br />
祈 って, 信 仰 を 示 し , 真 理 を 知 りた いという 心<br />
からの 望 みを 抱 いてモルモン 書 を 読 むすべて<br />
の 人 に 及 び,その 心 を 揺 さぶります(モロナイ<br />
1 0 : 4 - 5 参 照 )。<br />
聖 霊 を 認 識 し , 末 日 聖 徒 イエス・キリスト 教<br />
会 の 会 員 として 持 つ 権 利 を 行 使 して, 生 活 の<br />
中 で 聖 霊 の 影 響 力 を 受 けるにはどうすればよ<br />
わたしは 御 霊 の 声 を 聞 くことのできる 静 かな<br />
時 間 を 探 し 求 めるようになりました。 聖 霊 の<br />
声 に よく 耳 を 傾 け て い ると, 自 分 が 正 し い 道<br />
を 歩 んでいるのか,それとも 進 路 を 変 えて 天<br />
の 御 父 の 望 みに 合 わせる 必 要 があるのかが,<br />
分 かってきます。■<br />
注<br />
1. ロバート・D・ヘイルズ「 聖 霊 」『リアホナ』2016 年 5 月<br />
号 ,10 5<br />
いでしょうか。 七 十 人 会 長 会 のクレーグ・C・<br />
2 . 『 歴 代 大 管 長 の ―ジョセフ・スミス 教 え<br />
』132<br />
3 . 聖 霊 の 役 割 に つ い て さら に よく 理 解 する に は ,デ ビッド・<br />
クリステンセン 長 老 はこう 教 えています。「 気<br />
づ か な い こともあ るか もし れま せ ん が,わたし<br />
A・ ベド ナ ー「い つ も 罪 の 赦 し を 保 つ」『リア ホ ナ』<br />
2 016 年 5 月 号 ,5 9 - 6 2;ロバ ート・D・ ヘ イルズ「 聖 霊 」<br />
105 - 107 を 参 照 してください。<br />
たちは 皆 , 聖 霊 との 交 わりを 経 験 しています。<br />
4. クレーグ・C・クリステンセン「 神 からの 言 い 尽 くせない 賜<br />
物 」『リアホナ』2012 年 11 月 号 ,14; 強 調 付 加<br />
霊 感 による 思 いが 心 に 浮 かぶとき,わたした<br />
ち は そ れ が 真 実 で あ る こ とを , 心 の 中 にもた<br />
5. トーマス・S・モンソン「 戒 めを 守 りなさい」『リアホナ』<br />
2 01 5 年 11 月 号 ,8 4<br />
らされる 霊 的 な 気 持 ちに よって 知 りま す。」 4<br />
聖 霊 の 影 響 力 や 導 きを 生 活 の 中 で 受 ける<br />
聖 霊 と 個 人 の 啓 示<br />
「 聖 霊 は わ た し た ち が, 教 育<br />
や 伝 道 , 仕 事 , 結 婚 , 子 供 ,<br />
また 家 族 と 住 む 場 所 といっ<br />
た 人 生 における 重 要 な 決 断<br />
をするうえで 助 けとなる 個<br />
人 的 な 啓 示 を 与 えてくださ<br />
います。このような 決 断 を<br />
す る 際 , 天 の 御 父 は わ た し<br />
たちが 選 択 の 自 由 を 使 い,<br />
福 音 の 原 則 に 照 らして 心 の<br />
中 でそのことをよく 思 い 計<br />
り, 祈 りを 通 して 決 定 したこ<br />
とを 御 父 と 相 談 するよう 期<br />
待 しておられます。」<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
ロバート・D・ヘイルズ 長 老<br />
「 聖 霊 」<br />
『リアホナ』2016 年 5 月 号 ,<br />
105<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 19
20 リ ア ホ ナ
信 仰 の 肖 像<br />
アドリアナの 台 所 の 真 ん 中 に 鮮 やかな 青 いテーブルが<br />
あるので 尋 ねると,テーブルのまったくない 時 期 が<br />
あったことが 分 かりました。お 金 に 困 って 教 会 の 自 立<br />
コースの 一 つを 受 講 し,パンを 焼 いて 売 ることにした<br />
の で す。 テ ーブ ル が ありさえす れ ば ,との ことでし た<br />
が。 助 けを 求 めて 祈 り, 材 木 の 切 れ 端 でテーブルを 作<br />
りました。<br />
写 真 家 ,コ ディー ・ ベ ル<br />
アドリアナ・ゴンサレス<br />
パラグアイ・セントラル 県<br />
わ た し が 心 か ら お 願 い す る と , 主 は<br />
すべて 聞 き 届 けてくださいました。<br />
願 いを 聞 き 届 けてくださったのは,<br />
それがわたしのためになることを 御<br />
存 じ だ っ た か ら で す。 現 在 , 我 が 家<br />
にはテーブルが 二 つあります。この<br />
テ ーブ ル は ,わ た し た ち 家 族 の 中 心<br />
です。ここに 座 って 話 し,ここで 仕<br />
事 をし, 学 んだことをここで 教 えま<br />
す。 わ た し は 自 立 を 通 して, 自 分 の<br />
価 値 を 認 めることを 学 びました。 自<br />
分 と 家 族 のために 神 が 与 えてくだ<br />
さった 才 能 を 見 いだしました。わた<br />
しは, 扶 助 協 会 の 姉 妹 たちが 神 の 娘<br />
として 自 分 の 価 値 を 認 めることがで<br />
きるよう, 学 んできたことを 伝 えるよ<br />
うにしています。 周 りの 人 に 祝 福 を<br />
与 えられることに 感 謝 しています。<br />
アドリアナについての 追 加 の 写 真 やストーリーを 御 覧 いた<br />
だくには,lds.org/go/21721 にアクセスしてください。<br />
教 会 の 自 立 プログラムからどんな 支 援 が 受 けられるかを 調<br />
べるには,srs.lds.org を 御 覧 ください。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 21
研 究 と 信 仰<br />
により 教 会 歴 史 を 理 解 する<br />
今 日 ,わたしたちは 歴 史 の 不 完 全 な 断 片 を 通 して 過 去 について 知 ります。<br />
そのような 記 録 を 研 究 する 際 には,<br />
それが 過 去 全 体 を 示 すものでないことを 心 に 留 めておく 必 要 があります。<br />
22 リ ア ホ ナ
は「シオンの 救 い」をもたらす 助 けをしていることにもなる<br />
のです( 教 義 と 聖 約 93:53)。<br />
わたしは 歴 史 学 者 ですが, 歴 史 というのは「 研 究 によっ<br />
て,また 信 仰 によって」 学 ぶものだということを 理 解 するよう<br />
になってきました( 教 義 と 聖 約 88:118 )。 祈 りをもって 聖<br />
文 を 味 わ い , 複 数 の 歴 史 資 料 を 読 んで 思 い を 巡 らすとき, 信<br />
仰 と 研 究 が 一 つとなり, 聖 文 の 言 葉 と 歴 史 資 料 が 結 びつい<br />
てきま す。 そして, 適 切 な 背 景 の 範 囲 内 で 情 報 を 考 察 し ,パ<br />
ターンやテーマを 探 して, 関 連 する 教 えを 引 き 出 すことがで<br />
きるようになります。このようにすることで,わたしたちは 史<br />
実 を 理 解 するセンスが 磨 かれ, 疑 問 に 対 する 答 えを 見 いだす<br />
ことができるようになるのです。 幾 つかの 原 則 を 知 っておく<br />
ことで, 歴 史 の 捉 え 方 が 変 わり,そ れ によって 理 解 が い っ そ<br />
う 深 まるようになります。<br />
ソ<br />
ル<br />
ト<br />
レ<br />
ー<br />
ク<br />
・<br />
シ<br />
テ<br />
ィ<br />
ー<br />
の<br />
歴<br />
史<br />
的<br />
写<br />
真<br />
,<br />
教<br />
会<br />
歴<br />
史<br />
保<br />
管<br />
局<br />
の<br />
厚<br />
意<br />
に<br />
よ<br />
り<br />
掲<br />
載<br />
教 会 歴 史 図 書 館 ディレクター<br />
キース・A・エレクソン<br />
歴<br />
史 とは, 試 験 のために 単 に 年 代 や 出 来 事 を 暗 記<br />
することではありません。それよりはるかに 深 い<br />
ものです。 教 会 歴 史 図 書 館 にいる 公 文 書 保 管 担<br />
当 職 員 や 司 書 , 歴 史 家 は , 日 々, 過 去 の 記 録 の 収 集 , 保 管 ,<br />
展 示 を 行 い,わたしたちに 教 会 の 歴 史 および 個 人 の 生 活 の<br />
み て<br />
中 で 神 の 御 手 がどのように 働 いたかを 知 る 機 会 を 与 えてくれ<br />
ています。わたしたちの 歴 史 を 理 解 するには, 学 びと 発 見 の<br />
あかし<br />
過 程 が 必 要 です。その 過 程 を 通 じて,わたしたちの 証 が 強<br />
められ , 疑 い を 抱 くことなく, 最 高 のストーリー を 語 れ るよう<br />
に なり, 真 の 教 義 を 認 識 して, 考 え 方 に 進 歩 が 見 ら れ るよう<br />
になります。「 歴 史 の 知 識 ......〔を〕 得 る」とき,わたしたち<br />
過 去 は 過 ぎ 去 ったものであり, 残 っているのはその 断 片 にすぎ<br />
ない<br />
現 在 のわたしたちから 見 ると, 過 去 とはその 大 半 が 過 ぎ 去 っ<br />
たものです。 人 は 亡 くなり, 彼 らの 体 験 は 終 わりを 告 げました。<br />
しかし, 過 去 の 断 片 は , 手 紙 や 日 記 , 組 織 の 記 録 ,あるい は 遺<br />
留 品 として 残 って います。 今 日 ,わたしたちが, 過 去 について 知<br />
るためには ,そ のようにして 残 され た 断 片 を 通 じて, 間 接 的 に 知<br />
ることしかできないのです。 過 去 と 現 在 のはざまで, 情 報 は 必<br />
ず 失 われます。わたしたちは 現 に 生 き 残 ってきた 記 録 を 研 究 す<br />
る 必 要 がありますが, 一 方 でそれが 過 去 の 全 体 像 を 示 すもの<br />
ではないことも 忘 れないようにする 必 要 があります。<br />
一 つの 例 を 挙 げましょう。ジョセフ・スミスが 聖 徒 たちに 説<br />
教 したときはいつも 原 稿 なしで 話 し, 録 音 や 録 画 もされません<br />
でした。 聴 衆 の 幾 人 かはメモを 取 ったり, 感 想 を 書 き 残 したり<br />
していたかもしれませんが,そのほとんどは 現 存 していません。<br />
ですから,ジョセフ・スミスが 語 った 言 葉 をすべて 知 っている<br />
というわ けにはいか ない ので す が,そ れでも, 例 えばジョセフの<br />
説 教 について 書 き 残 したウィルフォード・ウッドラフのメモから<br />
引 用 することはできます。<br />
ほかの 例 としては, 教 会 歴 史 の 重 要 な 断 片 でまだ 発 見 され<br />
て い な いものもありま す。 例 え ば ,ペ テロ,ヤコブ,ヨハ ネ の<br />
訪 れについては,バプテスマのヨハネの 訪 れを 記 録 したもの<br />
ほ ど 詳 細 な 記 録 が ありま せ ん( ジョセ フ・スミス ― 歴 史 1:<br />
6 6 - 7 5 参 照 )。 同 じ よう に ,ア フ リ カ 系 黒 人 の 子 孫 の 男 性<br />
に 神 権 が 授 けられていなかったという 記 録 はありますが,そ<br />
の 慣 行 が 始 まった 理 由 をきちんと 説 明 する 記 録 は 残 っていま<br />
せん。 歴 史 の 研 究 において, 証 拠 がないことが 疑 問 を 抱 く 正<br />
当 な 理 由 にはなるわけではありません。 過 去 について 学 ぶと<br />
いうことは,わたしたちが 情 報 不 足 のために 完 全 には 理 解 で<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 23
きない 歴 史 の 断 片 に 関 しては 最 終<br />
的 な 判 断 を 下 すのを 控 えながらも,<br />
信 頼 で きる,そして 可 能 で あ れ ば<br />
証 明 できる 証 拠 をできる 限 り 多 く<br />
集 める 努 力 をするということです。<br />
事 実 が 語 るのではなく, 語 り 手 が 語<br />
るのである<br />
現 存 する 過 去 の 断 片 が 不 完 全 だ<br />
と, 人 々は 一 つのストーリーを 語 ろ<br />
不 完 全 で, 様 々な 解 釈 の 可 能 性 があって, 自 分 が 立 てた 仮 説 とは 異 なる 歴 史 に 遭 遇 することがあります。そのようなときは,「へりく<br />
みたま うとして,そうした 断 片 をはぎ 合 せよ<br />
だって 歩 〔 む 〕ように 導 く 御 霊 を 信 頼 」しなければなりません( 教 義 と 聖 約 11:12)。 過 去 の 人 々を 自 分 たちの 標 準 で 裁 かないよう<br />
けんそん うとします。 実 際 にその 場 に 居 合 にするためには 謙 遜 さが 必 要 です。<br />
わせた 人 々がいちばん 最 初 のストー<br />
リーを 語 り, 彼 らは 自 分 が 経 験 した<br />
ことや,それが 自 分 にとって 重 要 な 理 由 を 書 き 記 しています。 くかかわった 人 々が 語 ったストーリーなら,それだけ 信 頼 性<br />
ときには 様 々な 場 でいろいろな 人 に 語 ることもあります。 出 も 高 くなるかもしれません。 最 高 のストーリーとは, 生 き 残 っ<br />
来 事 によって は , 多 くの 参 加 者 が 自 分 の 経 験 を 書 き 残 そうと た 過 去 の 断 片 を 可 能 なかぎりすべて 考 慮 し,その 情 報 源 の<br />
思 う 場 合 もありますし, 後 年 何 かがきっかけで 忘 れられてい 見 方 をきちんと 見 極 めているストーリーです。<br />
た 記 憶 が 呼 び 覚 まされ, 記 録 に 残 される 場 合 もあります。<br />
ストーリーが 収 集 されたり,それがまた 別 の 人 々によって 過 去 は 現 在 とは 異 なっています(それは 問 題 ではありません)<br />
話 されたりする 理 由 は 様 々です。 聞 き 手 を 楽 しませるため, 過 去 の 断 片 を 集 め ,そ れ にまつ わるストーリーを 理 解 しよ<br />
製 品 を 売 るため, 世 論 を 方 向 づけるため,あるいは 何 かを 変 うと 努 力 するとき, 当 時 の 人 々, 場 所 , 経 験 ,そして 伝 統 が 自<br />
えるためのロビー 活 動 の 一 環 として 行 われる 場 合 もありま 分 たちのそれと 違 うことに 気 づきます。 科 学 , 技 術 , 文 化 の<br />
す。 ストーリーというもの は ,そ れ ぞ れ が, 事 実 の 断 片 の 上 変 化 に 伴 い , 出 産 , 食 事 , 旅 , 祭 日 , 衛 生 ,デ ート, 医 学 , 死 な<br />
に 築 か れ , 語 り 手 の 記 憶 や 関 心 や 目 的 に 影 響 され た , 過 去 ど, 様 々なことに 関 する 経 験 も 変 わります。 政 治 や 経 済 のシ<br />
の 一 つの 解 釈 ということになります。その 結 果 , 過 去 に 関 す ステムが 変 わ れ ば , 教 育 , 選 択 , 自 由 , 機 会 も 変 わり, 人 は 以<br />
るストーリー は 不 完 全 で, 時 に 矛 盾 することもありま す。 わ 前 とは 違 う 経 験 を するように なりま す。 仕 事 , 家 族 , 公 益 事<br />
たし たち は 常 に ,だ れ が,ど のように , 何 の 目 的 でストーリー 業 , 女 性 や 社 会 的 少 数 者 の 役 割 や 地 位 に 関 する 考 え 方 も,<br />
を 語 っているのか, 考 える 必 要 があります。<br />
昔 と 今 では 違 います。この 世 における 人 の 経 験 というもの<br />
ストーリーの 語 り 手 や 事 実 を 評 価 する 方 法 について,ジョ は ,あらゆる 面 で, 時 とともに 大 なり 小 なり 変 わるもの で す。<br />
セフ・スミス が 一 つ の 例 を 示 して いま す。 1 8 3 8 年 ,ジョセ 例 えば , 現 在 の わたしたち の 見 方 からすると,ジョセフ・ス<br />
フ は す で に ,「 末 日 聖 徒 イ エ ス ・ キ リ ス ト 教 会 の 起 こ り と 発 展 ミスが「 聖 見 者 の 石 」を 使 ってモルモン 書 を 翻 訳 したことは<br />
に 関 して,たち が 悪 く 腹 黒 い 人 々によって, 多 くのうわさが 広 非 常 に 珍 し いと 思 えるでしょう。 し かし,ジョセフの 時 代 に<br />
め ら れて きた 」ことに 気 づ い て いまし た 。 そ の 結 果 , 彼 は は , 天 か ら のメッセ ージ は 何 か 具 体 的 な 品 物 を 通 して 受 けら<br />
「 真 相 を 知 ろうとするすべての 人 に,〔 自 分 が〕 事 実 を 知 って れ ると 信 じる 人 が 多 か った ので す。 このような 考 え 方 は,<br />
いる 範 囲 で,...... 自 身 と 教 会 の 両 方 に 関 してその 事 実 を 起 一 つには, 天 の 目 的 を 果 たすために 具 体 的 な 品 物 が 使 われた<br />
こったとおりに 知 らせるために」 歴 史 を 書 いたのです(ジョ という 聖 書 のストーリーに 端 を 発 しています( 民 数 17:1 -<br />
セフ・スミス- 歴 史 1 : 1 )。 ジ ョ セ フ ・ ス ミ ス に 関 し て 語 1 0 ; 列 王 下 5 章 ; ヨ ハ ネ 9 : 6 参 照 )。 ジ ョ セ フ が 教 会 の 組<br />
られたストーリーがすべて 同 じ 価 値 を 持 っているわけでも, 織 に 関 して 受 けた 啓 示 には, 神 が「 前 もって 備 えられた 手 立<br />
同 じように 正 確 なわけでもありません。 過 去 の 出 来 事 に 深 てによって『モルモン 書 』を 翻 訳 するために, 高 い 所 から 彼 に<br />
24 リ ア ホ ナ
力 を 授 けられた」と 説 明 されています( 教 義 と 聖 約 20:8)。<br />
その「 手 立 て」には「 聖 見 者 の 石 」だけでなく「ウリムとトン<br />
ミム」も 含 まれていました。しかし,それでもわたしたちは,<br />
「 神 が 実 に 人 々に 霊 感 を 与 えて ...... この 時 期 ...... にあっても<br />
神 の 聖 なる 業 に 召 しておられ ...... これによって, 神 は, 御 自<br />
分 が 昨 日 も, 今 日 も,またとこしえに 変 わることの な い 神 で あ<br />
ることを 示 しておられる」という, 教 義 に 基 づくメッセージを<br />
明 確 に 理 解 することができます( 教 義 と 聖 約 20:11 - 12 )。<br />
現 代 からの 憶 測 は 過 去 をゆがめる<br />
過 去 は 今 の 時 代 とは 違 っていました。そのために, 現 在 の<br />
考 え 方 や 価 値 観 で 昔 のことを 憶 測 して 決 めつけないよう, 特<br />
に 注 意 をしなければなりません。 昔 の 人 々は 自 分 たちと 同 じ<br />
だ,あるいはわたしたちの 文 化 や 信 条 を 受 け 入 れてくれるはず<br />
だと 頭 から 憶 測 することはできません。 現 在 , 自 分 たちがす<br />
べてを 知 っていると 憶 測 することも,すべての 資 料 を 読 み 切 っ<br />
た ,あ るい は 現 在 自 分 たちが 過 去 につ いて 理 解 して いること<br />
は 絶 対 に 変 わることはないと 憶 測 することもできません。 多 く<br />
の 場 合 ,い わ ゆる 過 去 に 関 する 問 題 というもの は , 現 在 を 基<br />
準 にして 誤 って 憶 測 したものにすぎないのです。<br />
例 え ば ,ジョセフ・スミスは「 わ たし は 自 分 が 完 全 で あ る<br />
と 言 ったことは 一 度 もありません」と 断 言 しています。 1<br />
預<br />
言 者 たちは 決 して 間 違 いを 犯 すことがなかったと 決 めつけ<br />
てしまえば,ジョセフが 間 違 いを 犯 した 事 例 を 知 ると 驚 くか<br />
もし れま せ ん 。 この 問 題 を「 修 正 する」に は ,ジョセフ が 完<br />
全 であったとかたくなに 主 張 したり, 教 会 がうそをついてい<br />
ると 責 めたりしないことです。それより,ジョセフの 人 間 らし<br />
さを 認 めれば, 預 言 者 たちについて 聖 文 に 記 されているス<br />
トーリーと 同 じような 背 景 の 中 でジョセフを 見 ることができ<br />
ます。その 結 果 ,わたしたちは 自 分 たちの 思 い 込 みを 見 直<br />
し,すべての 預 言 者 を 不 完 全 な 部 分 のある 死 すべき 人 間 で<br />
あると 認 識 することができるのです。 神 がわたしたち 一 人<br />
一 人 に 忍 耐 強 く 接 してくださることに 感 謝 することもできま<br />
す。 自 分 の 考 え が 誤 って いたと 認 め ることは , 時 に , 歴 史 を<br />
理 解 するうえで 最 も 困 難 なことの 一 つなのです。<br />
けんそん 歴 史 を 学 ぶには 謙 遜 であることが 求 められる<br />
不 完 全 で, 様 々な 解 釈 の 可 能 性 が あ って, 自 分 が 立 て た 仮<br />
説 とは 異 なる 歴 史 に 遭 遇 することがあります。そのようなと<br />
み たま<br />
きは,「へりくだって 歩 〔む〕ように 導 く 御 霊 を 信 頼 」しなけ<br />
ればなりません( 教 義 と 聖 約 11:12 )。 今 日 のわたしたちの<br />
見 方 か らすると, 過 去 の 結 果 につ いて は ,そ のときの 当 事 者<br />
よりわ たし たち の 方 が 明 らか に , 多 くの ことを 知 って いま す。<br />
し かし ,そ の 時 代 を 生 きた 彼 ら の 経 験 につ いて 言 え ば ,わた<br />
したちの 知 識 は 彼 らよりもはるかに 少 ないのです。 過 去 に<br />
生 きた 人 々は,それぞれの 時 代 と 場 所 と 状 況 とは 切 っても 切<br />
り 離 せない 関 係 にあります。 彼 らの 異 なっている 部 分 に 対 し<br />
て 慈 愛 を 持 ち , 彼 ら の 経 験 に 共 感 を 抱 くた め に は ,まず 自 分<br />
自 身 に 限 界 があることに 気 づいて 謙 遜 になるところから 始 め<br />
なければなりません。 過 去 の 人 々を 自 分 たちの 標 準 で 裁 か<br />
ないようにするためには 謙 遜 さが 必 要 です。 自 分 たちがすべ<br />
てを 知 っているわけではないことを 認 め, 新 たな 答 えが 与 え<br />
ら れ る 日 を 忍 耐 強 く 待 ち ,そして 学 び 続 けるに は , 謙 遜 さが<br />
必 要 です。 新 たな 資 料 が 発 見 され, 知 っていると 思 っていた<br />
ことに 新 たな 洞 察 が 加 えられるとき,それまでの 自 分 の 考 え<br />
方 を 訂 正 するには 謙 遜 であることが 求 められるのです。■<br />
注<br />
1.『 歴 代 大 管 長 の 教 え ―ジョセフ・スミス 』522<br />
研 究 と 信 仰 に よ って , 教 え , 学 ぶ た め の パ タ ーン<br />
会 歴 史 を 忠 実 に 研 究 するためには, 種 を 植 えることになぞらえ<br />
教 たアルマのパターンに 従 うことができます(アルマ 32:27 -<br />
42 参 照 )。<br />
1. ここに 示 されている 原 則 を 応 用 することで, 心 の 中 に 歴 史 を 学<br />
ぶための 場 所 を 設 ける。<br />
2 . 注 意 深 く 読 み, 熟 考 す る こ と で , 思 い と 心 に 種 を 植 え る 。( こ<br />
れは 過 去 の 断 片 だろうか,それとも 後 年 に 語 られたストーリー<br />
だろうか。だれが, 何 のために,このストーリーを 作 ったのか。<br />
しん ぴょう<br />
中 心 となる 考 え 方 は 何 か。その 信 憑 性 を 裏 付 ける 証 拠 は 何<br />
か 。)<br />
3. 資 料 の 信 憑 性 と 信 頼 性 を 考 慮 し, 導 き 出 した 答 えを 適 切 な 歴<br />
史 的 背 景 に 照 らし,わたしたち 一 人 一 人 の 境 遇 に 応 用 できる 永<br />
遠 の 原 則 を 見 つけることで, 読 んでいるものの 重 要 性 を 見 分 け<br />
ることができる。<br />
4 . 熱 心 に 読 み, 考 え , 祈 り, 分 か ち 合 い , 教 え る こ と で,わ た し た<br />
ちは 生 涯 を 通 じて 教 会 歴 史 を 忠 実 に 研 究 し,それを 養 うこと<br />
ができる。<br />
5 . そ う す る こ と で ,わ た し た ち の 理 解 が 深 ま り, 信 仰 が 強 め ら れ<br />
て , 忠 実 な 研 究 の 成 果 を 刈 り 入 れ ,よ り 良 い 生 徒 , 教 師 , 親 , 子<br />
供 , 弟 子 ,そ して 聖 徒 と な る こ と が で きる 。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 25
悲 嘆 と<br />
希 望<br />
配 偶 者 がポルノグラフィーに 手 を 染 めているとき
ポルノグラフィーに 手 を 染 めた 人 の 配 偶 者 が<br />
悲 嘆 を 乗 り 越 えるだけでなく<br />
希 望 の 約 束 に 目 を 向 けることのできる 7 つの 方 法<br />
「<br />
失<br />
わ<br />
れ<br />
た<br />
も<br />
の<br />
を<br />
彼<br />
ら<br />
は<br />
見<br />
い<br />
だ<br />
す<br />
」<br />
と<br />
「<br />
思<br />
い<br />
出<br />
か<br />
ら<br />
測<br />
る<br />
」<br />
の<br />
一<br />
部<br />
/<br />
ブ<br />
ラ<br />
イ<br />
ア<br />
ン<br />
・<br />
カ<br />
ー<br />
シ<br />
ス<br />
ニ<br />
ッ<br />
ク<br />
画<br />
エイミーは,すべての 親 が 息<br />
子 や 娘 に 望 む 選 択 をしまし<br />
た。 夫 と 結 婚 することに<br />
霊 的 な 強 い 気 持 ちを 感 じて, 神 殿 で<br />
結 び 固 めを 受 けたのです。<br />
彼 女 の 夫 になる 人 も, 結 婚 式 の 前 に<br />
勇 気 あ る 選 択 をし , 以 前 に ポルノグラ<br />
フィーに 手 を 染 めていたことを 彼 女 に<br />
打 ち 明 けました。<br />
そ れ か ら 程 なくして,エ イミー は , 夫<br />
のポルノグラフィーとの 闘 いが 終 わって<br />
いないことに 気 づきました。 結 婚 してか<br />
ら 3 年 後 ,す で に 生 後 8 か 月 の 子 供 が<br />
いました が,エ イミーは 想 像 を 絶 する 苦<br />
痛 を 味 わうことになりました。 夫 が 浮<br />
気 をして, 教 会 から 破 門 され た ので す。<br />
エイミーはその 悲 嘆 をどのようにし<br />
て 乗 り 越 えたでしょうか。 同 じような<br />
状 況 にある 多 くの 女 性 と 男 性 は,どの<br />
ようにして 苦 しみを 乗 り 越 えているで<br />
しょうか。<br />
ポルノグラフィーに 手 を 染 めた 人 の<br />
配 偶 者 や 家 族 の 多 くが, 彼 ら 自 身 や ほ<br />
かの 人 々の 人 生 に 共 通 する 有 益 で 希<br />
望 に 満 ちた 行 動 に 気 づき, 勇 気 を 奮 っ<br />
て 自 分 の 経 験 を 紹 介 しています。<br />
教 会 のウェブサイト Overcoming<br />
Pornography.org に は, 次 の 7 つ<br />
の 共 通 する 行 動 が「 重 要 な 行 動 」とし<br />
て 採 り 上 げられています。これらの 行<br />
動 は 個 人 のペースで,また 個 人 の 状 況<br />
の 中 で 経 験 されてきたものであり, 多<br />
くの 人 にとって, 情 緒 的 , 精 神 的 ,また<br />
いや<br />
霊 的 な 癒 しを 得 るのに 重 要 であるこ<br />
とが 証 明 されています。<br />
重 要 な 行 動 1: 裏 切 り 行 為 による 心 的<br />
外 傷 に 対 処 する<br />
配 偶 者 がポルノグラフィーに 手 を 染<br />
めているということが 分 かったときの<br />
心 的 外 傷 や 自 責 の 念 ,そのほかの 反<br />
応 に つ いて 学 び,そ れ に 対 処 すること 。<br />
エ バは 夫 がポルノグラフィーにかか<br />
わ っ て い る こ と を 知 っ た と き ,「 ひ ど い<br />
苦 痛 , 怒 り, 心 痛 , 憂 うつ, 強 迫 観 念 」<br />
を 感 じました。 ポルノグラフィーにか<br />
かわるという 配 偶 者 の 裏 切 り 行 為 に<br />
よって 心 的 外 傷 を 受 けた 人 が 実 際 に<br />
共 通 して 感 じるのが, 強 迫 観 念 です。<br />
その 強 い 感 情 から 引 き 起 こされるエ<br />
バの 行 動 も, 珍 しいものではありませ<br />
ん 。 彼 女 は , 夫 と, 夫 の 行 為 の ことを<br />
いつも 気 にするようになりました。 夫<br />
はどこにいたのだろうか。だれと 話 し<br />
たのだろうか。 何 をしていたのだろう<br />
か。 毎 日 , 夫 のポルノグラフィーと 性<br />
依 存 症 のことばかり 考 えるようになり<br />
ました。そして, 自 分 が 夫 の 問 題 をコ<br />
ントロールできれば 二 人 は 幸 せにな<br />
れると 信 じ, 何 としても 夫 を 立 ち 直 ら<br />
せたいと 思 いました。<br />
ジェイミーは, 夫 がポルノグラフィー<br />
に 手 を 染 めていると 分 かったとき, 当<br />
然 のことな がら,コントロール で きるこ<br />
とは 何 でもコントロールしたいという<br />
気 持 ちでそれに 対 応 しました。 夫 ジョ<br />
ンの 生 活 を 変 えることができると 思 い<br />
ました。 夫 がポルノグラフィーによる<br />
つ か の 間 の 喜 び を 求 め ず,い つも 義 を<br />
選 ぶようになるためです。 彼 女 は 夫 の<br />
ために 毎 日 リストを 作 りました。 夫 が<br />
楽 し み として 行 える 事 柄 と, 行 う 必 要<br />
のある 仕 事 についてのリストです。<br />
ビショップが 霊 感 に 基 づいてジェイ<br />
ミーに 次 のことをはっきりと 述 べたと<br />
き, 彼 女 の 人 生 に 転 機 が 訪 れました。<br />
「ジェイミー,これはあなたの 落 ち 度 で<br />
はありません。あなたの 行 っているこ<br />
とが, 彼 に ポルノグラフィーを 見 させ た<br />
のではありません。 彼 がそれを 選 んで<br />
い る の で す。」 自 分 の せ い で 夫 が ポ ルノ<br />
グラフィーを 見 るようになったのではな<br />
いのと 同 様 , 自 分 のおかげで 夫 がそれ<br />
をやめるということもあり 得 ません。<br />
ジェイミー は ,ビショップ から 言 わ れ た<br />
ことをすでに 知 識 としては 知 っていま<br />
した 。 そこで,ビショップ から 注 意 され<br />
た 後 でこう 言 って います。「 リストを 作<br />
ることはやめました。 夫 の 行 動 をコン<br />
トロールしたり, 正 義 を 振 りかざそうと<br />
したりしないようにしました。そして,<br />
自 分 自 身 に 集 中 し まし た 。」 要 す る に ,<br />
ジェイミーは 自 分 自 身 が 傷 ついている<br />
ことを 受 け 入 れ, 自 分 自 身 の 立 ち 直 り<br />
に 取 り 組 む 気 持 ちになったのでした。<br />
ジェイミー が そ れ を 悟 った 後 ,ジョン<br />
は 苦 闘 し,しばしば 悪 習 に 逆 戻 りしま<br />
した。しかし, 自 分 自 身 の 行 動 に 対 す<br />
る 責 任 は 自 分 で 取 りました。 二 人 がそ<br />
れぞれ 自 分 自 身 の 癒 しに 取 り 組 んだと<br />
き,ジョンもジェイミーも, 個 人 として,<br />
また 夫 婦 として,いっそうの 癒 しを 得 る<br />
ことができることを 知 ったのでした。<br />
重 要 な 行 動 2: 恐 れずに 伝 える<br />
適 切 な 方 法 で 伝 えることによって 理<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 27
主 に 頼 る ほ か に , 配 偶 者 は , 家 族 や 友 人 , 教 会 指 導 者 , 専 門 家 に よ る 助 けと<br />
支 援 を 得 ることができます。<br />
解 と 支 援 と 確 証 を 見 いだすこと。<br />
ジェイミーとジョンにとってのもう 一 つの 転 機 は, 子 供<br />
の 一 人 に 祝 福 が 必 要 となったときでした。 彼 らはホーム<br />
ティーチャーに 電 話 を 掛 けました。するとホームティー<br />
チャーは, 自 分 もポルノグラフィーとの 闘 いに 対 処 するた<br />
めに 助 けを 求 めている 状 況 だと 潔 く 打 ち 明 け, 祝 福 を 授 け<br />
ることができる 別 の 人 を 見 つけようと 言 いました。 包 み 隠<br />
し の な い 彼 の 姿 勢 により,ジョンとジェイミー は , 自 分 たち<br />
の 状 況 について 感 じていた 恥 ずかしさが 軽 減 されました。<br />
そしてジョンは,ジェイミー 以 外 の 人 に 自 分 の 依 存 症 につ<br />
いて 話 しても 大 丈 夫 だとやっと 感 じたのでした。<br />
ジェイミーと 話 をしたいという 申 し 出 がホームティー<br />
チャーの 妻 からあったとき,ジェイミーは, 彼 女 の 話 がジョ<br />
ンを 立 ち 直 らせようとするものではなかったため,その 意 図<br />
が 分 かりませんでした。― 当 時 は ,ジョンを 立 ち 直 らせる<br />
こと が ジェイミー の 目 標 で し た。 し か し,ホ ー ムティー<br />
チャーの 妻 との 語 らいが 終 わった 後 ,ジェイミーは 心 が 軽 く<br />
なった 気 がしました。 状 況 はまったく 変 わっておらず,ジョ<br />
ンは 相 変 わらず 苦 しんで いました 。 しかし 彼 女 は , 自 分 が<br />
経 験 していることを 理 解 している 人 がいて, 自 分 の 世 界 が<br />
まだ 崩 壊 しているわけではないと 知 ってほっとしました。<br />
重 要 な 行 動 3: 霊 的 な 自 信 を 取 り 戻 す<br />
聖 霊 の 促 し を 感 じ て,そ れ に 従 うこと 。 そして, 神 へ の<br />
信 頼 感 を 取 り 戻 すこと。<br />
エイミーは 夫 の 破 門 に 直 面 したとき, 自 分 が 感 じている<br />
過 重 な 重 荷 に, 救 い 主 は 答 えを 与 える 力 を 持 っておられる<br />
ことを 知 っていました。それでも,「わたしがいる 場 所 とイ<br />
ふち<br />
エス・キリストの 癒 しの 力 との 間 にある 淵 に 橋 を 架 ける」<br />
方 法 が 分 からなかった,と 言 っています。どうすれば 橋 を<br />
見 つ けら れ るか,あ るい は 築 けるか, 彼 女 は あ れ こ れ 思 い<br />
巡 らしました。<br />
最 初 は 夫 を 注 意 深 く 観 察 し, 夫 を 癒 してくださるよう 主<br />
に 嘆 願 することで, 自 分 の 苦 痛 を 軽 くしようとしました。<br />
み たま<br />
しかしある 日 のこと, 御 霊 の 促 しがすべてを 変 えました。<br />
エイミーは,ほかの 人 の 行 動 をコントロールすることは 天<br />
の 御 父 の 計 画 の 一 部 ではなく, 自 分 が 救 い 主 に 近 づくうえ<br />
での 助 けにならないということに 気 づいたので す。 それ<br />
で, 自 分 が 行 わ な け れ ば ならな い 最 も 重 要 なことは , 自 分<br />
自 身 の 癒 しの 旅 を 始 めること,そして 夫 の 旅 は 夫 に 返 すこ<br />
とであった,と 彼 女 は 言 っています。 御 霊 からの 霊 感 に<br />
よって, 彼 女 は ,ポルノグラフィー に 反 応 する 生 活 を するこ<br />
とをやめて, 自 分 を 強 め 祝 福 するイエス・キリストとイエ<br />
しょくざい ス・キリストの 贖 罪 が 持 つ, 人 に 能 力 を 授 ける 力 を 信 頼 す<br />
る 必 要 があることを 理 解 し 始 めました。<br />
エ イミー は 過 去 を 回 想 し な がら, 夫 の ことを 探 ったり 詮<br />
索 したりすることで 平 安 な 気 持 ちを 感 じることは 一 度 もな<br />
か ったと 言 って いま す。 人 生 は「 不 安 続 き で し た」と,<br />
言 っています。「そして,わたしが 唯 一 平 安 を 見 いだした<br />
の は , 天 の 御 父 は〔 夫 とわたし の た め の 〕 計 画 をお 持 ちだ<br />
と 気 づいたときでした。」 彼 女 が 選 択 の 自 由 を 行 使 して 神<br />
に 立 ち 返 り, 神 の 助 けを 求 めたときに,「 助 けが 与 えられま<br />
した。」そして, 彼 女 の 苦 痛 と 救 い 主 の 助 けの 間 に 横 たわ<br />
る 淵 はそれほど 広 く 感 じられず, 苦 痛 はそれほど 大 きくあ<br />
りませんでした。<br />
重 要 な 行 動 4: 助 けを 得 る<br />
印 刷 物 や セ ラピスト,メンター , 立 証 済 み の 癒 し のプ ログ<br />
ラムなどの 援 助 手 段 を 通 して 癒 しへの 道 を 見 いだすこと。<br />
結 婚 して 25 年 のジーナは, 夫 がポルノグラフィーに 手 を<br />
染 め, 浮 気 していることを 知 りました。 心 に 傷 を 負 ったジー<br />
ナは ,ビショップ に 電 話 を 掛 けました 。 そして すぐ に , 彼 女<br />
は,ビショップが 思 いやりのある 聞 き 手 であることを 知 りま<br />
した。ビショップは, 彼 女 が 泣 きたいときに 泣 かせてくれた<br />
のです。それが 彼 女 と 同 じ 状 況 にあるすべての 配 偶 者 にあ<br />
るわけではない 祝 福 であったことに, 彼 女 は 感 謝 しています。<br />
ジーナは 当 時 のことを 思 い 出 して 次 のように 語 っていま<br />
す。 最 初 の ころ の 話 し 合 いで,ビショップ は「 すぐ に カウ<br />
28 リ ア ホ ナ
「<br />
彼<br />
女<br />
は<br />
失<br />
わ<br />
れ<br />
た<br />
も<br />
の<br />
を<br />
見<br />
い<br />
だ<br />
す<br />
で<br />
あ<br />
ろ<br />
う<br />
」<br />
の<br />
一<br />
部<br />
/<br />
ブ<br />
ラ<br />
イ<br />
ア<br />
ン<br />
・<br />
カ<br />
ー<br />
シ<br />
ュ<br />
ス<br />
ニ<br />
ク<br />
画<br />
ンセリングを 受 けるよう 助 言 してくれま<br />
し た 。 そ の カウンセリング は , 結 婚 生<br />
活 のためでも, 夫 のためでもありませ<br />
んでした。しかし,わたしが 難 しい 問<br />
題 に 直 面 し たときに ,そ れ に よって 手<br />
厚 い 支 援 を 受 けることができました。<br />
ビショップはわたしに,わたしが 大 事<br />
にされていると 感 じてもらいたいと<br />
思 ったので す。 また 彼 自 身 には 必 要<br />
と 思 われる 経 験 がないことを 自 覚 して<br />
いたのです。 彼 はわたしが 落 ち 込 み,<br />
心 配 しているのを 見 て, 必 要 な 治 療 に<br />
ついて 医 者 と 相 談 するよう 助 言 してく<br />
れ まし た 。」<br />
その 後 の 数 年 間 ,ジーナは 定 期 的<br />
に 支 援 グル ープの 集 まりに 出 席 し ,カ<br />
ウンセリング を 受 け, 家 族 の 支 援 を 求<br />
めました。ひどくつらい 日 には, 自 分<br />
の た め に 祈 ってくれ るように , 時 々 家<br />
族 に 電 話 を 掛 けました。「 天 の 御 父<br />
くらやみ はわたしを 決 して 暗 闇 の 中 に 放 置 して<br />
お か れ な い 」ことが 分 か ったと, 彼 女<br />
は 言 っています。<br />
重 要 な 行 動 5: 率 直 かつ 正 直 である<br />
個 人 的 な 癒 しと 立 ち 直 りの 旅 につい<br />
て 愛 する 人 々と 定 期 的 に 話 し,ま た 率<br />
直 かつ 誠 実 にそれを 行 うこと。<br />
メリッサは, 心 が 離 れて 通 い 合 わな<br />
くなった 結 婚 生 活 をもう 一 度 立 て 直 す<br />
ように 努 力 することにしました。それ<br />
は , 夫 キ ャメロン が 自 分 の ポ ルノグ ラ<br />
フィーへのかかわりについて 正 直 に 彼<br />
女 に 話 したときのことです。 彼 女 に 促<br />
されて, 彼 はビ ショップ に 話 すことに<br />
同 意 しました。そして 最 終 的 に, 二 人<br />
とも 彼 らの 親 に 話 しました。しかし,<br />
「 2 年 たってや っと, 少 数 の 人 に 話 し ,<br />
祈 るよりも, 悔 い 改 め の 方 が もっと 難<br />
しいと 理 解 しました。」 彼 はそう 語 り<br />
ます。 彼 はポルノグラフィーを 見 ない<br />
だけでは 十 分 ではないということを 学<br />
ばなければなりませんでした。ほんと<br />
うに 立 ち 直 るためには, 神 に 立 ち 返<br />
り,ストレスや 不 安 , 恥 ず か し さ, 熱<br />
望 ,す な わち ポルノグラフィーを 見 た い<br />
という 衝 動 を 引 き 起 こした 熱 望 に 対 処<br />
する 健 全 な 方 法 を 見 つけなければな<br />
りませんでした。<br />
キャメロンは,ポルノグラフィーに 逆<br />
戻 りし た 後 で, 依 存 症 立 ち 直 り 集 会 に<br />
出 席 することに 同 意 しました。そし<br />
て, 人 が 間 違 い を 犯 しても, 救 い 主 は<br />
わたしたちをすぐには 見 捨 てられない<br />
ということを, 徐 々に 理 解 するようにな<br />
りました。<br />
またメリッサは,1 2 のステップのプ<br />
ログ ラム に 出 席 することに より, 自 分<br />
の 家 族 にはまだ 前 に 進 む 手 段 がある<br />
と 感 じました。 彼 女 は,1 2 のステップ<br />
の 集 会 が 最 初 はどんなに 難 しいもので<br />
あ った か を 思 い 出 しま す。 し かし, 進<br />
行 役 からこう 言 われて 動 機 づけられま<br />
した。「 9 0 日 間 この 方 法 を 試 してくだ<br />
さい。それで 気 に 入 らなければ,あな<br />
たがかつて 経 験 した 不 幸 な 日 々をお 返<br />
し し ま すよ 。」や が て メリッ サ は ,ほ か<br />
の 人 々の 話 から 自 分 が 希 望 を 感 じたよ<br />
うに, 自 分 の 経 験 を 分 かち 合 うことで<br />
ほかの 人 々に 希 望 を 感 じてもらえるか<br />
もしれないと 気 づいたのでした。<br />
メリッサは, 結 婚 生 活 を 続 けてはい<br />
ても, 幸 せ を 装 って い るだ け だとい つ<br />
も 思 っていました。しかし, 彼 女 の 考<br />
え 方 は 変 わりました。 救 い 主 が 自 分<br />
や キ ャメロン や, 天 の 御 父 の す べ ての<br />
子 供 たちの 可 能 性 を 見 ておられると,<br />
彼 女 は 気 づいたのです。 救 い 主 は,わ<br />
たしたちを 救 い,わたしたちにもう<br />
一 度 機 会 を 与 えるた め に , 世 の 光 で あ<br />
り 命 であられる 御 方 として 御 自 分 のす<br />
べてを 差 し 出 されました。 メリッサ<br />
は , 救 い 主 の お か げ で, 生 きて いて 幸<br />
せだという 思 いで 今 は 心 から 笑 うこと<br />
ができると 言 っています。<br />
重 要 な 行 動 6: 境 界 線 を 引 く<br />
ポルノグラフィーに 手 を 染 めた 人 に<br />
対 して 適 切 な 境 界 線 を 設 け, 機 能 し,<br />
癒 しを 得 られる 体 制 を 築 くこと。<br />
ジョンとジェイミー は ,ポ ルノグ ラ<br />
フィー を 克 服 する 旅 の 途 上 で, 境 界 線<br />
を 引 くことが いかに 有 益 であるかを 知<br />
りました。 二 人 は 今 日 もなおその 途 上<br />
に ありま す が,す で に 長 い ことポ ルノ<br />
グラフィーとは 縁 のない 生 活 をしてい<br />
ます。 境 界 線 を 引 くことで 心 の 平 安 を<br />
得 ているからで す。 自 分 が 非 常 に 影<br />
響 を 受 けやすいときに 境 界 線 を 引 くこ<br />
とで「わたしの 心 は 守 られました」<br />
と ,ジェイミー は 言 って います。<br />
逆 戻 りの 問 題 について 話 し 合 うに<br />
は 適 切 な 時 期 と 方 法 があるということ<br />
で,ジェイミーとジョンの 考 えは 一 致 し<br />
て いました。 二 人 は「 メール 戦 争 」を<br />
するのではなく, 直 接 話 をすることに<br />
しまし た 。 ま た , 話 し 合 い が 口 論 に<br />
な った 場 合 に は 中 断 して, 後 で 話 を す<br />
ることにしました。<br />
ジョンとジェイミーの 境 界 線 の 多 く<br />
は 二 人 が 気 持 ちを 伝 え 合 う 方 法 に 関<br />
するも の で す が,ほ か の 境 界 線 とし<br />
て,こうすれ ばこうなるという 条 件 文<br />
の 形 を 取 るものがあります。 特 定 の 行<br />
為 は 特 定 の 結 果 をもたらすというもの<br />
です。それによって, 人 生 はそれほど<br />
無 秩 序 ではないと 二 人 とも 感 じている<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 29
祈 り, 聖 文 研 究 , 神 殿 参 入 は , 苦 し んで い る 配 偶 者 が<br />
救 い 主 の 癒 しの 力 を 受 けるのに 助 けとなります。<br />
と ,ジェイミー は 言 って います。<br />
重 要 な 行 動 7:セルフケアを 行 う<br />
思 いと 体 と 霊 を 癒 し, 養 うことを 日 課 にすること。<br />
ビショップと 最 初 に 話 してから 間 もなく, 標 準 的<br />
な 答 えのように 思 われる 幾 つかのことを 行 うよう 助<br />
言 を 受 けたことを,ジーナは 思 い 出 します。「 神 殿<br />
に 参 入 し , 聖 文 を 読 み , 祈 り 続 けるように , 優 しく 勧<br />
められました」と 言 っています。<br />
その 後 の 困 難 な 時 期 に「 標 準 的 な 答 え」が 自 立<br />
する 手 段 であることを,ジーナは 知 りました。 聖 文 から 安<br />
らぎを 得 ることが できました。「 わたしは 聖 文 を 1 節 読 ん<br />
で,そ れ を 書 き 留 め ,そ れ が 自 分 の 状 況 にとってど のよう<br />
な 意 味 を 持 つ か をよく 考 え ,そ の 後 ,そ の 思 い を 書 き 留 め<br />
るように 努 めまし た 」と, 彼 女 は 説 明 しま す。「 か つ て な<br />
い ほど,わ たし は 主 の 言 葉 に 耳 を 傾 け,そ れ をもっと 深 く<br />
理 解 するようにしなければならないということを 知 りまし<br />
た。わたしは 自 分 の 世 界 以 外 のことについてはほとんど<br />
何 も 理 解 していませんでしたが, 聖 文 を 読 むときには,<br />
一 度 に 1 節 , 何 かを 理 解 していました。」<br />
同 様 に , 祈 りと 神 殿 参 入 は 新 た な 意 味 を 持 ちまし た 。<br />
「 わ た し は 自 分 の 心 を 注 ぎ 出 し て 祈 っ た と き に ,『 天 の お 父<br />
様 , 今 度 はお 父 様 の 番 です』と 言 ったものです」と,ジー<br />
ナは 述 べています。こうして, 彼 女 は 静 かに 待 って, 耳 を<br />
傾 け た の で す。「 真 っ 暗 闇 のときで さえ , 霊 は 成 長 して い<br />
る」のに 気 づいたと, 彼 女 は 語 っています。<br />
希 望 をもって 生 活 する<br />
癒 しの 旅 は 個 人 によって 異 なります。そして,それぞれ<br />
の 癒 しが 目 的 地 で は なく, 過 程 な の で す。 しかし , 多 くの 話<br />
に 共 通 しているのが,ポルノグラフィーは 使 用 回 数 で 容 認 さ<br />
れたり 正 常 とされたりするのではないと 理 解 していることで<br />
す。 結 果 として, 使 用 の 頻 度 や 関 与 の 度 合 いがどれほどで<br />
あ ろうと,ポルノグラフィー に 手 を 染 め る 場 合 , 本 人 や そ の<br />
配 偶 者 は , 心 痛 , 裏 切 りの 心 的 外 傷 , 拒 絶 , 恥 ず かしさ, 自<br />
尊 心 に 対 する 疑 問 を 感 じることでしょう。ポルノグラフィー<br />
にかかわることは, 健 全 な 関 係 を 保 つのに 欠 かせないきず<br />
なと 信 頼 ,コミュニケーションを 損 ないます。その 健 全 な 関<br />
係 は, 配 偶 者 が 希 望 と 癒 しを 求 めるのに 必 須 のものです。<br />
また , 配 偶 者<br />
はこの 苦 い 経 験<br />
を 通 して 甘 さを<br />
知 ることができ<br />
るとい う, 慰 め<br />
をもたらす 発 見<br />
も 共 通 のもので<br />
す。 試 練 のはる<br />
かかなたでやっ<br />
とそれを 見 つけ<br />
るのではなく, 試 練 の 真 っただ 中 で 希 望 をもってイエス・<br />
キリストに 立 ち 返 ることによって,その 甘 さを 知 るのです。<br />
現 在 ,ジ ーナ は 離 婚 しており, 自 分 の 癒 しと 子 供 たち の<br />
癒 しに 専 念 しています。また, 同 じような 状 況 にある 女 性<br />
たちにしばしば 手 を 差 し 伸 べ, 彼 女 たちが 希 望 を 見 いだ<br />
せるように 助 けています。メリッサとキャメロンは 結 婚 生<br />
活 を 続 け, 立 ち 直 る 努 力 を 続 けています。ジェイミーと<br />
ジョンも 同 様 です。 自 分 たちが 救 い 主 と 主 の 贖 罪 を 通 じ<br />
て 見 いだした 癒 しを,ほかの 夫 婦 も 見 いだすことができる<br />
ように 積 極 的 に 助 けを 与 えています。<br />
エ バ は 離 婚 しており, 定 期 的 に 1 2 のステップの 集 会 に<br />
出 席 し, 立 ち 直 りに 取 り 組 みながら 安 全 と 確 証 を 見 いだし<br />
ています。かつては 夫 の 依 存 症 に 気 を 取 られて 生 活 して<br />
いまし た が, 救 い 主 を 中 心 として 生 活 し , 努 力 することで<br />
癒 しが 得 られることが 分 かるようになりました。<br />
エ イミーと 夫 は , 逆 戻 りを 繰 り 返 し な が らも,な お 結 婚<br />
生 活 を 続 けています。しかし,「 夫 にこれを 聞 いてもらい<br />
たい」というのではなく,「どうすれば 自 分 の 苦 痛 を 癒 せ<br />
るだろうか 」と 考 えながら 総 大 会 を 見 るときに 平 安 が 訪 れ<br />
あかし<br />
ると ,エ イミー は 証 しています。イエス・キリストの 癒 しの<br />
力 と , 贖 罪 の 無 限 の 働 きを 信 じ る 信 仰 が, 夫 に 対 するだ け<br />
でなく 自 分 に 対 する 希 望 ももたらすということを, 彼 女 は<br />
知 っているのです。<br />
ポ ル ノ グ ラ フ ィ ー に よ る 影 響 を 被 っ た 一 人 の 姉 妹 は ,「 救<br />
い 主 は,わたしたちがもっと 頑 張 ることを 望 んではおられ<br />
ません。もっと 早 く 救 い 主 に 立 ち 返 ることを 望 んでおられ<br />
るのです」と,すべての 人 に 向 かって 語 ります。 上 記 の<br />
7 つの 重 要 な 行 動 は,それを 行 おうと 努 力 する 男 女 にとっ<br />
て 助 けとなるものです。■<br />
30 リ ア ホ ナ
「<br />
縫<br />
い<br />
物<br />
」<br />
の<br />
一<br />
部<br />
/<br />
ブ<br />
ラ<br />
イ<br />
ア<br />
ン<br />
・<br />
カ<br />
ー<br />
シ<br />
ス<br />
ニ<br />
ッ<br />
ク<br />
画<br />
12 の 真 理<br />
7 つの 重 要 な 行 動 に 取 り 組 むほかに,ポ<br />
ルノグラフィーに 手 を 染 めている 人 の<br />
家 族 の 多 く は , 以 下 の 12 の 真 理 を 学 ぶ こ<br />
とによっても 希 望 と 癒 しを 見 いだしていま<br />
す。 こ れ ら の 真 理 に つ い て は , 教 会 の『 依<br />
存 症 立 ち 直 りプ ログ ラム 』の 資 料 の 中 に 書<br />
きになるということ,いかなる 祝 福 も 拒<br />
まれることはないということ,そして 変<br />
わるのには 時 間 が 掛 かるということを,<br />
わたしたちは 理 解 します。<br />
4. 「わたしに 近 づきなさい。」( 教 義 と 聖 約<br />
8 8 : 6 3 ) 主 の 助 け は 不 可 欠 で す。 わ<br />
とができます。いかなる 種 類 の 虐 待 行<br />
為 も 認 めません。また, 関 係 を 保 つかど<br />
う か,ど の よ う に 保 つ か に つ い て, 主 の<br />
導 きを 求 めることができます。<br />
9. わたしたちは「 恥 ずべき 隠 れたことを 捨<br />
て 去 〔 っ た 〕 の で あ る 。」( 2 コ リ ン ト 4 :<br />
かれています。 資 料 ならびに 配 偶 者 と 家 族<br />
への 支 援 に 関 する 詳 細 については,<br />
せい さん<br />
たしたちは 聖 餐 を 受 け, 神 殿 に 参 入 し,<br />
はんりょ 聖 なる 御 霊 を 伴 侶 とするよう 努 めること<br />
2 ) ポルノグラフィーへのかかわりはひ<br />
そかにその 度 を 増 し,わたしたちが 自 分<br />
addictionrecovery.lds.org を 参 照 して<br />
によってそれを 得 ることができます。<br />
自 身 と 愛 す る 人 に 正 直 で あ って ,そ の 人<br />
ください。<br />
5. 「 自 分 の 救 いを 達 成 しなさい。」(モルモ<br />
と 率 直 かつ 正 直 にコミュニケーションを<br />
1. 神 は「 苦 難 のときにあなたがたを 慰 めて<br />
く だ さ る 。」( モ ル モ ン 書 ヤ コ ブ 3 :1 )<br />
ポルノグラフィーを 使 用 することは 由 々<br />
しい 行 為 です。しかし, 神 はわたしたち<br />
とわたしたちの 状 況 を 御 存 じであり,わ<br />
た し た ち を 決 して お 見 捨 て に な ら ず, 苦<br />
難 のときに 支 えてくださいます。このこ<br />
と を 知 る と き に ,わ た し た ち は 慰 め を 見<br />
いだすことができます。<br />
2. 「あなたがたを 縛 っている 鎖 を 振 り 払 い<br />
… … な さ い 。」( 2 ニ ーフ ァ イ 1: 2 3 ) わ<br />
たしたちはほかの 人 の 行 いについて 責<br />
任 は なく ,ほ か の 人 の 依 存 症 に 対 す る 責<br />
めを 受 けることはありません。 自 分 の<br />
神 聖 な 属 性 と 行 く 末 を 理 解 している 神<br />
の 子 供 と し て,わ た し た ち は , 行 動 す る<br />
自 由 ,ま た 自 分 の 選 択 の 能 力 を 行 使 す る<br />
自 由 があることを 知 っています。<br />
3. 「 神 の 御 子 は 御 自 分 の 民 の 苦 痛 と 病 を 身<br />
に 受 け ら れ る … … 。」( ア ル マ 7 :11 ) 自<br />
分 の 重 荷 を 主 に 託 すとき, 主 はわたした<br />
ちの 最 も 大 きな 苦 痛 を 癒 すことがおで<br />
ン 9 : 2 7 ) わたしたちはほかの 人 をコ<br />
ントロールすることはできず,その 人 の<br />
依 存 症 を 癒 すことはできません。しか<br />
し, 自 分 自 身 の 癒 しに 集 中 し, 自 分 を 大<br />
事 にすることはできますし, 依 存 症 につ<br />
いて 学 び, 理 解 することもできます。<br />
6. 「 互 い に 重 荷 を 負 い 合 う 」( モ ー サ ヤ<br />
1 8 : 8 )。 主 に 頼 る ほ か に ,わ た し た ち<br />
は , 家 族 や 友 人 , 神 権 指 導 者 , 扶 助 協 会<br />
指 導 者 ,メ ン タ ー , 支 援 グ ル ープ, 専 門 家<br />
による 支 援 を 含 む, 適 切 な 助 けを 求 めな<br />
ければなりません。<br />
7. 「すべてのことについて 感 謝 しなさい。」<br />
( 教 義 と 聖 約 9 8 :1 ) わ た し た ち は , 落<br />
胆 や 不 安 , 怒 りを 経 験 するときも, 自 分<br />
の 生 活 の 中 に 神 の 手 を 認 め, 感 謝 を 述<br />
たまもの べ , 自 分 の 賜 物 と 才 能 を 認 識 し, 依 存 症<br />
になっている 愛 する 人 の 良 い 面 を 見 るこ<br />
とで 喜 びを 見 いだすことができます。<br />
8. 「 確 固 として 堅 固 」で ありな さ い( ヒラマ<br />
ン 1 5 : 8 )。 わたしたちは 自 分 自 身 と 家<br />
族 を 守 るために 適 切 な 制 限 を 設 けるこ<br />
行 える 場 合 にのみ,それに 対 処 できるよ<br />
うになります。<br />
10.「 垂 れ て い る 手 を 上 げ … … な さ い 。」<br />
( 教 義 と 聖 約 8 1: 5 ) わたしたちは 愛 す<br />
る 人 を 愛 し ,そ の 人 の た め に 祈 る こ と が<br />
で き ま す。 そ して ,そ の 人 に 支 援 を 受 け<br />
入 れ る 備 え が で き た と き に ,わ た し た ち<br />
はより 大 きな 支 援 を 申 し 出 ることがで<br />
きます。<br />
11.「 忍 耐 してこれらすべてのことに 耐 え<br />
た 」( ア ル マ 3 8 : 4 )。 立 ち 直 りは 一 つ<br />
の 過 程 です。 逆 戻 りを 口 実 として 使 って<br />
は な ら ず,そ れ に は 愛 と 希 望 を も って 対<br />
処 することができます。<br />
12.「わたしの 平 安 をあなたがたに 与 える」<br />
( ヨ ハ ネ 1 4 : 2 7 )。わたしたちは 信 仰 を<br />
働 かせるとき, 主 が 約 束 しておられる 平<br />
安 を 見 い だ すことが で きます。 約 束 を<br />
破 り, 人 を 失 望 させた 人 をわたしたちが<br />
ゆる<br />
赦 すとき, 主 がわたしたちを 助 けてくだ<br />
さるということが 分 かります。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 31
ミレイユ・ルーフェ<br />
19<br />
73 年 のことで す。 幾 つ か の<br />
問 題 で 悩 んでいたわたしは,<br />
神 を 知 りたいと 心 から 願 い, 聖<br />
書 を 読 むことにしました。ある 日 , 歴 代 志<br />
下 第 2 章 から 5 章 でソロモンの 神 殿 につい<br />
て 読 み,もしかしたらそのような 神 聖 な 場<br />
所 が 地 上 にあるかもしれないと 思 いました。<br />
そして, 聖 霊 に 導 か れて 見 つ けられ るように<br />
断 食 し, 祈 りまし た 。 もし 神 殿 を 見 つ け た<br />
しもべ<br />
ら, 悩 みを 主 の 僕 に 話 せるだろうし,そうす<br />
れば 解 決 できるように 助 けてもらえるだろう<br />
と 思 ったのです。<br />
このようにして,わ たし は 神 殿 を 探 し に<br />
行 きました。 当 時 は パリ 郊 外 のフォント<br />
ネー・スー・ボワに 住 んでいたので, 神 殿<br />
を 見 つけるために 車 で 都 心 部 へ 向 かいま<br />
した。キリスト 教 やユダヤ 教 の 教 会 をはじ<br />
め,たくさん の 建 物 を 見 まし た が, 神 殿 は<br />
見 つかりませんでした。 帰 宅 した 後 ,わた<br />
しは 祈 り,どうして 神 殿 が 見 つからなかっ<br />
たのか 知 りたいと 思 いました。わたしに 清<br />
神 殿 を<br />
探 しに<br />
行 き<br />
ました<br />
わたしは<br />
聖 なる 場 所 を<br />
探 し 求 め,<br />
ついには 永 遠 の<br />
家 族 となる 道 を<br />
見 つけました。<br />
さが 足 りなかったのでしょうか。 それと<br />
も,ただ 単 に 準 備 ができていなかったので<br />
しょうか。<br />
その 後 , 捜 索 が 失 敗 に 終 わったことを<br />
すっかり 忘 れていましたが,19 8 0 年 2 月 の<br />
あ る 日 , 末 日 聖 徒 イエ ス・ キリスト 教 会 の<br />
姉 妹 宣 教 師 が 我 が 家 にやって 来 ました。<br />
彼 女 たち は ,いち ば ん 近 い 神 殿 は スイス・<br />
ゾ リコーフェンにあるスイス・ベルン 神 殿<br />
だと 教 えてくれました。<br />
わたしは 1980 年 4 月 12 日 にバプテス<br />
マを 受 け,1 年 余 りが 過 ぎた1981 年 5 月<br />
5 日 に 初 めて 神 殿 に 行 きました。 神 殿 で<br />
は , 祖 母 ,お ば ,い とこを 含 め, 親 族 の 女<br />
性 数 人 のために 神 殿 の 業 を 行 うことがで<br />
きました。<br />
そ の 中 で,わたし が 唯 一 知 って いた の は<br />
いとこのオルガでした。<br />
イタリア 出 身 のオルガはとても 若 くして<br />
結 婚 しましたが, 残 念 なことに 夫 は 乱 暴<br />
で,しかもオルガを 裏 切 りました。オルガ<br />
32
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ア<br />
ン<br />
ド<br />
レ<br />
ア<br />
・<br />
コ<br />
ブ<br />
は 5 人 目 の 子 供 を 妊 娠 しているとき, 父 親 と 弟 の 助 けを 借 り<br />
て 夫 から 逃 れることにしました。<br />
オル ガ は , 両 親 と 弟 のもとに 身 を 寄 せ まし た が, 出 産 後 に<br />
亡 くなりました。オルガの 両 親 は, 娘 を 突 然 失 った 悲 しみか<br />
ら 立 ち 直 ることはありませんでした。<br />
神 殿 でオルガの 身 代 わりとして 儀 式 を 受 けているとき,<br />
“mission”( 伝 道 , 使 命 )という 言 葉 が 心 に 浮 かんで 消 えま<br />
せんでした。わたしは 困 惑 しました。 一 人 で 3 人 の 子 供 を<br />
育 て ており, 伝 道 に 出 ることなどとうて いで きな い か らで す。<br />
数 か 月 後 , 謎 が 解 け まし た 。 あ る 日 ,いとこのレン ゾ か ら,<br />
オルガの 母 親 であるアニタおばさんが 亡 くなったことを 聞 き<br />
まし た 。 すると 不 意 に ,オル ガ の 神 殿 の 儀 式 を 終 え た の が<br />
火 曜 日 だったことを 思 い 出 しました。そしてオルガの 母 アニ<br />
タおばさんは,その 週 の 金 曜 日 に 亡 くなったのです。わたし<br />
は 深 く 感 動 し,こう 思 いました。オルガは 霊 界 で 母 親 を 喜 ん<br />
で 迎 え, 教 えられるように,ずっと 神 殿 の 儀 式 を 受 けたかっ<br />
たのだと。それがオルガの 使 命 だったのかもしれません。<br />
ところでわたしにも 自 分 の 両 親 を 助 ける 使 命 がありまし<br />
た 。 何 度 か 教 会 につ いて 話 そうとしまし た が, 興 味 を 持 って<br />
くれ ま せ んでし た 。 そこで , 父 と 母 が 亡 くな った 後 ,で きるか<br />
ぎり 早 く 彼 らの 神 殿 の 儀 式 を 行 いました。<br />
両 親 の 結 び 固 めの 儀 式 が 終 わったとき,わたしの 胸 は 高<br />
鳴 り, 両 親 への 愛 で 涙 が 込 み 上 げてきました。 次 にわたし<br />
が 両 親 に 結 び 固 められました。 母 のことを 考 えないではお<br />
られず, 身 代 わりをしてくれた 姉 妹 を 抱 き 締 めたくなりまし<br />
た。 母 の 身 代 わりをしてくれてありがとう,とお 礼 を 言 うと,<br />
その 姉 妹 も 涙 ぐんで,その 経 験 ができたことを 感 謝 してくれ<br />
ました。 面 識 のない 姉 妹 でしたが, 同 じ 家 族 の 一 員 のよう<br />
な 気 持 ちになりました。<br />
次 いで 両 親 はそれぞれの 両 親 に 結 び 固 められ,わたしが<br />
身 代 わりをしたオルガは 彼 女 の 両 親 であるマリオンおじさん<br />
とアニタおばさんに 結 び 固 められました。<br />
そのときのことを 思 い 出 す 度 に 深 い 感 動 に 包 まれます。オ<br />
ル ガ に つ いて 考 え , 幕 の 向 こう 側 で 彼 女 が 使 命 を 果 たして<br />
いるといいなと 思 います。 神 殿 の 儀 式 のおかげで,わたしは<br />
もう 家 族 でたった 一 人 の 教 会 員 ではありません。 両 親 が,<br />
二 人 のために 行 われた 儀 式 を 受 け 入 れてくれたと 確 信 してい<br />
ます。わたしは 喜 びに 満 たされており, 主 の 聖 なる 宮 の 祝 福<br />
を 通 して 永 遠 の 家 族 を 築 けるようにしてくださった 主 に 感 謝<br />
しています。■<br />
筆 者 はフランス,オーベルニュ・ローヌ・アルプ 在 住 です。
家 族 歴 史 と<br />
神 殿 の 祝 福<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
デール・G・レンランド 長 老<br />
ル ース・L・レン ランド 姉 妹 と<br />
アシュリー・R・レンランド 姉 妹
2 016 年 ルーツテック・プレゼンテーションで,<br />
デール・G・レンランド 長 老 と 妻 のルースならびに<br />
娘 のアシュリーは , 家 族 歴 史 と 神 殿 の 祝 福 を<br />
組 み 合 わせることによってほんとうの 力 が<br />
発 揮 されると 末 日 聖 徒 に 語 っています。<br />
レン ランド 長 老 :1 9 6 3 年 1 2 月 ,わ たし た ち 夫 婦 で, 車 で<br />
6 時 間 かけて,ヘルシンキからフィンランドの 西 海 岸 にある<br />
ラルスモまで 行 ったんだ。そこはわたしの 父 が 育 ち, 祖 母 の<br />
レナ・ソフィアが 住 んでいた 所 だよ。<br />
それよりずっと 前 の 1912 年 に, 祖 母 のレナ・ソフィアと 祖<br />
父 のレアンダー は ,スウェー デ ン か ら 来 た 宣 教 師 の 伝 える,<br />
回 復 された 福 音 に 耳 を 傾 けたんだ。 世 界 中 に,800 人 足 ら<br />
ずしか 宣 教 師 がいなかった 時 代 にね。<br />
その 宣 教 師 たちが 回 復 された 福 音 のメッセージを 教 える<br />
と,レナ・ソフィアとレアンダーは 翌 日 バプテスマを 受 けたん<br />
だよ。 二 人 はフィンランドに 初 めてできた 小 さな 支 部 の 会 員<br />
になったんだ。<br />
そのわずか 数 年 後 , 同 居 していたレアンダーの 母 親 が 結<br />
核 で 亡 くなり,1917 年 にレアンダーも 結 核 で 亡 くなって,<br />
か ふ<br />
10 番 目 の 子 供 を 身 ごもっていたレナ・ソフィアは 寡 婦 に<br />
なった 。 そ の 子 ,つまりわたし の 父 は ,レアンダー が 亡 くなっ<br />
てから 2 か 月 後 に 生 まれたんだ。レナ・ソフィアは, 結 局 ,<br />
7 人 の 子 に 先 立 たれたんだよ。 貧 しい 農 民 だった 彼 女 は,<br />
残 された 子 供 たちを 失 わないようにするために,とてつもな<br />
い 苦 労 をした。<br />
2 0 年 近 く, 彼 女 は 夜 ろくに 眠 ることで きな か った 。 日 中<br />
は , 家 族 を 食 べさせるため に ,どん な 仕 事 もえり 好 みすること<br />
なく 懸 命 にこなし , 夜 に は , 亡 くなって いく 子 供 の 看 病 をした<br />
からね。 文 字 どおり, 彼 らは 死 と 隣 り 合 わせで 生 きた。 当<br />
たる き<br />
時 は, 割 った 材 木 を 屋 根 の 垂 木 に 乗 せて 乾 燥 させることが<br />
よくあ って, 後 に , 亡 くなった 人 の ひ つぎ を 作 るため に 使 わ れ<br />
ていたんだ。レナ・ソフィアの 気 持 ちは 想 像 もできないね。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 35
1963 年 に 初 めて 会 ったとき,わたしは 11 歳 になったばか<br />
りで, 祖 母 は 87 歳 だった。 祖 母 の 腰 は 長 年 の 重 労 働 でひど<br />
く 曲 が って いた か ら, 椅 子 か ら 立 ち 上 が っても, 背 た け が 変<br />
わらなかった。 祖 母 の 顔 と 両 手 の 皮 膚 は, 外 気 にさらされ<br />
た せ いで 傷 み , 使 い 古 し の 皮 のように 固 くて,ざらざらだった<br />
よ。<br />
祖 母 は 精 いっぱい 背 伸 びして, 壁 にかかった 祖 父 の 写 真<br />
を 指 差 す と ,ス ウ ェ ー デ ン 語 で こ う 言 っ た ん だ 。「 et här är<br />
min gubbe( こ れ は わ た し の 夫 で す )。」<br />
わたしはその 秋 からスウェーデン 語 会 話 教 室 に 入 ってス<br />
ウェーデン 語 の 勉 強 をやり 直 し 始 めたばかりだった。だか<br />
ら, 祖 母 が「 こ れ は わ たし の 夫 で す 」と 言 ったとき, 間 違 っ<br />
て 動 詞 の 現 在 形 を 使 ったと 思 ったんだ。 祖 父 が 亡 くなって<br />
から 46 年 もたっていたからね。 母 に,「これはわたしの 夫<br />
でした」と 言 うべきだったと 指 摘 すると, 母 はただ,「おまえ<br />
は 何 も 分 かっていないんだよ」と 言 ったんだ。<br />
そのとおりで, 何 も 分 かっていなかった。 今 と 違 ってね。<br />
それから,その 経 験 と 祖 母 が 教 えてくれたことの 意 味 につい<br />
て, 何 度 も 考 えたよ。<br />
祖 母 が 結 び 固 めの 力 に 関 する 知 識 から 得 ていたはずの,<br />
力 と 慰 め に つ いて 考 えてみ よう。 そ の 力 は ,わ たし たち が 先<br />
祖 の 探 求 を 行 い, 先 祖 について 知 るときに 発 揮 されるだろ<br />
う。 家 族 歴 史 と 神 殿 の 祝 福 は,どちらも 人 生 で 大 事 なもの<br />
だ け れ ど も,ほ んとうの 力 は 二 つ を 組 み 合 わ せ たときに 発 揮<br />
されるんだ。 二 つがただ 単 に 合 わさるのではなく, 互 いに 補<br />
完 し 合 うんだ。 自 分 とレアンダーのためにこれらの 儀 式 がい<br />
つか 行 われるという 知 識 が, 夫 なしに 何 十 年 もの 人 生 を 過 ご<br />
したレナ・ソフィアに 慰 めと 平 安 を 与 えたのだろうね。<br />
家 族 歴 史 の<br />
真 の 価 値<br />
アシュリー: 家 族 歴 史 がなければ, 結 び 固 めの 権 能 は 役<br />
に 立 たないし, 家 族 歴 史 のほんとうの 価 値 は 結 び 固 めの 権<br />
能 があってこそもたらされる。この 両 方 を 組 み 合 わせること<br />
でほんとうの 力 が 発 揮 されるのよ。<br />
レンランド 姉 妹 :その 考 え,いいわね。 聖 文 からこの 両<br />
方 の 祝 福 について 学 ぶことができるけど, 二 つを 組 み 合 わせ<br />
ると, 生 活 の 中 にもっと 多 くの 祝 福 と 力 が もたらされ る わ 。<br />
聖 文 から 幾 つかの 例 について 考 えてみましょう。<br />
教 義 と 聖 約 で, 主 は「 先 祖 に 与 えられた 約 束 を 子 孫 の 心<br />
に 植 え〔 る 〕」た め に エ リ ヤ を 遣 わ し , 子 孫 の 心 は そ の 先 祖<br />
に 向 か うで あ ろうと 言 わ れて い る わ 。 デ ール,この 教 え は ,<br />
あなたのおばあさんがあなたの 心 に 植 えたものに 含 まれる<br />
と 思 うの。それから 主 は,もし 先 祖 を 思 い 起 こすことがなけ<br />
れば,「〔 救 い 主 の 再 〕 臨 の 時 に, 全 地 はことごとく 荒 廃 する<br />
で あ ろ う 」と 言 わ れ て い る わ( 教 義 と 聖 約 2 : 2 - 3 参 照 )。<br />
これは 強 烈 なメッセージよ。<br />
だから,たとえ 世 界 中 から 集 められるかぎりすべての 系 図<br />
記 録 を 持 っていたとしても, 預 言 者 エリヤによって 回 復 され<br />
た 結 び 固 めの 権 能 がなければ,「 創 造 」の 目 的 はくじかれ<br />
「 無 に 帰 して」いたでしょうね。 これ はわたしたちの 神 権 時<br />
代 に, 主 が 預 言 者 ジョセフ・スミスに 明 らかにされた 最 初 の<br />
メッセージの 一 つよ。<br />
レンランド 長 老 :そ のとおりだ ね ,ル ース 。 知 らな いうち<br />
に ,わたし は 祖 母 や ほ か の 先 祖 につ いての 話 や 模 範 から,こ<br />
れまでずっと 強 さと 力 を 感 じてきたんだ。<br />
教 義 と 聖 約 128 章 に,ある 預 言 が 記 されている。ジョセ<br />
36 リ ア ホ ナ
フ・スミスがマラキ 書 4 章 5 節 から 6 節 を 引 用 していると<br />
ころだ。ジョセフは「…… 子 孫 の 心 をその 先 祖 に 向 けさせ<br />
る」ことにつ いて 説 明 し ,そ の 後 ,こ れ ら の 節 を 結 び 固 め の<br />
力 と 死 者 のためバプテスマに 照 らして 説 明 している。 最 後 に<br />
こう 言 って い るよ。「 またこ れ だ け で は なく, 世 の 初 め か ら<br />
まだ 一 度 も 示 されておらず, 知 恵 の あ る 者 や 賢 い 者 か ら 隠 さ<br />
れてきた 数 々の 事 柄 も,この 時 満 ちる 神 権 時 代 に は ,みどり<br />
ご や 乳 飲 み 子 に 示 さ れ る こ と で し ょ う 。」( 教 義 と 聖 約 1 2 8 :<br />
17 - 18 参 照 )<br />
考 えてみて。ジョセフ・スミスは, 世 界 の 博 学 の 人 が 説 明<br />
で きな い ことを, 子 供 たちで さえも 理 解 し , 知 ることが で きる<br />
ようになることを 予 見 したんだ。わたしが 11 歳 のときにこ<br />
の 概 念 を 祖 母 や 母 から 学 んだように, 世 界 中 の 子 供 たちと<br />
青 少 年 は , 日 々,こ れ ら の 祝 福 に あず か って いるね 。 地 上 に<br />
住 んでいる 間 に, 救 い 主 について 聞 いたことがなかった 人 々<br />
も,この 世 でその 機 会 があった 人 々と 同 じ 祝 福 を 受 けられる<br />
んだ。だれも 取 り 残 されない。この 祝 福 から 除 外 される 人<br />
はいないんだ。<br />
神 殿 の 儀 式 と<br />
個 人 の 力<br />
レンランド 姉 妹 : 神 殿 の 儀 式 は 個 人 の 力 の 中 心 を 成 すも<br />
のよ。 実 際 , 主 はこの 個 人 が 受 ける 力 について 例 を 示 してく<br />
ださって い る わ 。 初 期 の 聖 徒 たち は , 救 い の 業 を 推 し 進 め<br />
るために,まずエンダウメントを 受 ける 必 要 があると 教 えら<br />
れたの。<br />
「わたしが 必 要 としているのは,わたしの 長 老 たちがしば<br />
あがな<br />
しの 間 シオンの 贖 いを 待 つことである。<br />
そ れ は , 彼 ら 自 身 が 備 えら れ るた めで あり,また わ たし の<br />
民 が もっと 十 分 に 教 えを 受 け, 経 験 を 得 , 彼 ら の 義 務 とわた<br />
しがその 手 に 求 めることに 関 してもっと 十 分 に 知 るためであ<br />
る。<br />
わたしの 長 老 たちが 高 い 所 から 力 を 授 けられるまで,こ<br />
れは 成 し 遂 げられない。」( 教 義 と 聖 約 105:9 - 11)<br />
つまり, 主 は 長 老 たちが 高 い 所 から 力 を 授 けられるよう<br />
に ,エ ンダ ウメント へ 備 えることの 大 切 さを 教 えら れ た の。<br />
この 祝 福 のおかげで 聖 徒 たちは,さらに 十 分 に 教 えを 受 け<br />
て,その 力 をさらにうまく 使 えるようになったのよ。<br />
レンランド 長 老 :109 章 のカートランド 神 殿 での 奉 献 の 祈<br />
りを 続 けて 読 むと,このことについてさらによく 理 解 できる<br />
ようになるよ。ジョセフ・スミスはこう 祈 っている。「 主 の 宮<br />
の 敷 居 を 越 えて 入 って 来 るすべての 者 が,あなたの 力 を 感<br />
きよ<br />
じ ,また あ な た が こ れ を 聖 められたことと,これがあなたの<br />
宮 ,あなたの 聖 さのある 所 であることを 認 める 促 しを 感 じま<br />
す よ う に 。」( 教 義 と 聖 約 1 0 9 : 1 3 )<br />
アシュリー:そ う, 神 殿 の 儀 式 は 純 粋 で,とても 力 強 いも<br />
のよ。 でも, 先 祖 に つ いて 研 究 し 学 ぶ 作 業 に 神 殿 の 儀 式 を<br />
加 えると,そ の 力 は 増 し ,さら なる 祝 福 を 受 けら れ るという<br />
ことがよく 分 かるわ。<br />
レンランド 姉 妹 :あ な た ,レ ナ ・ソフィア が レアンダー に<br />
ついて 話 したとき,そのことを 理 解 していたと 思 う? 夫 と 家<br />
族 に 対 する 愛 に 合 わ せ て, 神 殿 の 力 を 認 めて いたことで,そ<br />
のことを 深 く 理 解 していたのかしら?<br />
レンランド 長 老 :ああ,レナ・ソフィアはこう 教 えてくれ<br />
たんだよ。 彼 女 はずっと 昔 に 亡 くなった 夫 と 永 遠 に 一 緒 に<br />
いられることを 知 っていた。 永 遠 の 家 族 の 教 義 を 通 して,レ<br />
アンダーは 彼 女 の 中 で 生 き 続 け, 将 来 への 大 きな 希 望 の<br />
一 部 となっていたんだ。レナは 信 仰 をいだいて 死 んだ 人 々<br />
のようだった。「これらの 人 はみな, 信 仰 をいだいて 死 ん<br />
だ。まだ 約 束 のものは 受 けていなかったが,はるかにそれ<br />
を 望 み 見 て 喜 び,そして, 地 上 で は 旅 人 で あり 寄 留 者 で あ る<br />
こ と を , 自 ら 言 い あ ら わ し た 。」( へ ブ ル 1 1 : 1 3 )<br />
結 び 固 めの 権 能 に 対 する 燃 えるような 確 信 を 持 って,<br />
1938 年 にレナ・ソフィアは,8 歳 以 上 で 亡 くなった 子 供 た<br />
ちの 記 録 を 提 出 したんだ。そうすることで, 自 分 は 生 きてい<br />
るうちに 神 殿 に 行 けなくても, 子 供 たちの 神 殿 の 儀 式 が 行<br />
わ れ るようにし た ん だよ。 そ れ は , 儀 式 の た め にフィンラン<br />
ドから 神 殿 に 提 出 された 最 初 の 記 録 の 一 つとなった。<br />
2014 年 のルーツテックで, 十 二 使 徒 定 員 会 のニール・L・<br />
アンダーセン 長 老 が 与 えたチャレンジを 覚 えている?<br />
アシュリー:「 神 殿 で 行 うバプテスマの 数 と 同 じ 数 の 名 前<br />
を 神 殿 に 提 出 できるよう 準 備 〔する〕」ね。 1<br />
レンランド 姉 妹 : 去 年 ,「 同 じようにできるようほかの 人 を<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 37
助 ける」というチャレンジも 加 わったわ。 2<br />
霊 的 な 力 を<br />
付 け 加 える<br />
レンランド 長 老 :そのとおり。この 使 徒 のチャレンジとそ<br />
よ。 よく 分 からないわ。<br />
レン ランド 長 老 :わたしのことを 考 えてごらん。 両 親 ,<br />
そう そ ふ ぼ<br />
4 人 の 祖 父 母 ,8 人 の 曾 祖 父 母 ,それが 後 にも 先 にも 続 い<br />
き か きゅうすう<br />
てき<br />
ている。 川 の 増 水 は, 世 代 を 経 て 家 族 が 幾 何 級 数 的 に 増 え<br />
ていく 様 子 に 似 ているんだ。<br />
神 殿 の 祝 福 はあらゆるもの,あらゆる 人 に 授 けられる。 何<br />
れをさらに 高 いレベルに 持 っていく 方 法 についてずっと 考 え という 祝 福 だろうね。「この 川 の 流 れる 所 では,すべてのも<br />
てきたんだ。これまでの 会 話 を 踏 まえると,この 約 束 に 霊 的 の が 生 き て い る 。」<br />
な 力 という 要 素 を 加 えることができると 思 うよ。エゼキエル<br />
書 47 章 を 読 んでみよう。<br />
「 彼 女 は 十 分 に 待 ちました 」<br />
「そして 彼 〔 天 使 〕はわたし〔エゼキエル〕を〔 主 の〕 宮 の レンランド 長 老 : 主 は ,レ ナ ・ソフィアの 個 人 的 な 逆 境 や<br />
戸 口 に 帰 らせた。 見 よ, 水 が 宮 の 敷 居 の 下 から, 東 の 方 へ わたしたち の 失 ったもの , 皆 さん の 悲 し み , 実 に ,す べ ての 人<br />
流 れて いた 。 宮 は 東 に 面 し ,そ の 水 は , 下 か ら 出 て, 祭 壇 の の 苦 難 を 乗 り 越 える 計 画 を 備 えられたんだ。 主 は 御 自 分 の<br />
南 にある 宮 の 敷 居 の 南 の 端 から, 流 れ 下 っていた。<br />
神 権 と 結 び 固 めの 権 能 を 地 上 に 回 復 された。レナ・ソフィ<br />
彼 は 北 の 門 の 道 か ら,わ たし を 連 れ 出 し , 外 をまわ って, アはそれを 知 っていたし,わたしの 母 ,マリアナも 知 ってい<br />
東 に 向 かう 外 の 門 に 行 かせた。 見 よ, 水 は 南 の 方 から 流 れ た。<br />
出 ていた。<br />
レンランド 姉 妹 :あなたのお 母 さんがレナ・ソフィアの 名<br />
その 人 は 東 に 進 み, 手 に 測 りなわをもって 一 千 キュビトを 前 を 提 出 したときの 話 ?<br />
測 り,わたしを 渡 らせた。すると 水 はくるぶしに 達 した。<br />
アシュリー:その 話 , 大 好 きよ。 1 9 6 6 年 にレ ナ・ソフィ<br />
彼 が また 一 千 キュビトを 測 って,わ たし を 渡 ら せると, 水 アが 亡 くなって 間 もなく,マリアナおばあちゃんが,レナの 名<br />
はひざに 達 した。 彼 がまた 一 千 キュビトを 測 って,わたしを 前 を 系 図 部 に 直 接 持 って 行 ったのよね。 3 教 会 の 方 針 では,<br />
渡 らせると, 水 は 腰 に 達 した。<br />
亡 くなった 人 の 神 殿 儀 式 を 行 うには,その 人 が 亡 くなってか<br />
彼 がまた 一 千 キュビトを 測 ると, 渡 り 得 ないほどの 川 にな ら 1 年 以 上 たっていないとだめだって, 系 図 部 の 男 性 が 伝 え<br />
り, 水 は 深 くなって, 泳 げ るほど の 水 , 越 え 得 な い ほど の 川 に ると,おばあちゃんはこう 答 えたの。「 嫌 な 答 えね。 別 の 答<br />
なった。……<br />
えをくれる 人 と 話 をさせてちょうだい。 彼 女 は 十 分 待 った<br />
彼 はわたしに 言 った,『この 水 は 東 の 境 に 流 れて 行 き,ア わ 。」<br />
ラバ に 落 ち 下 り,そ の 水 が,よどんだ 海 に は いると ,そ れ は 清 オーキおじいちゃんはおばあちゃんを 説 得 しようとしたけ<br />
くなる。<br />
れ ど,お ば あちゃん は おじ いちゃん が 見 慣 れ た ,あ の 視 線 を<br />
おおよそこの 川 の 流 れる 所 では,もろもろの 動 く 生 き 物 が おじいちゃんに 向 けて, 何 を 言 ってもまったく 聞 き 入 れな<br />
皆 生 き,また ,は な は だ 多 くの 魚 が い る 。 こ れ はそ の 水 が は かった,って 日 記 に 書 いているわ。またこうも 書 いているの。<br />
いると, 海 の 水 を 清 くするためである。この 川 の 流 れる 所 で 「 少 なくとも 1 年 は 何 もできないと 伝 えた 男 性 を 気 の 毒 に 思<br />
は ,す べ て の も の が 生 き て い る 。 … … 』」( エ ゼ キ エ ル 4 7 : 1 - うべきかもしれない。 目 の 前 の 女 性 がどんな 人 物 か 知 らな<br />
5 ,8 - 9 )<br />
か った ん だ か ら 。 伝 えておくこともで きた け れ ど, 彼 が 聞 い<br />
エゼキエルは, 宮 から 流 れ 出 て 水 かさを 増 していく 川 を 見 て こ な か っ た か ら ね 。」 4<br />
たんだ。 宮 から 流 れ 出 る 水 は, 神 殿 からあふれ 出 て 家 族 を レンランド 長 老 :そ れ か ら 2 か 月 とた たな いうちに , 教 会<br />
いや<br />
癒 し, 命 を 与 える 祝 福 を 表 しているよ。<br />
の 大 管 長 の 承 認 を 得 て,レ ナ ・ソフィアとレアンダー の 神 殿<br />
アシュリー:でも, 遠 くに 行 くほど 川 は 深 くなっていくの 儀 式 が 完 了 し た 。 ソルトレ ー ク 神 殿 で,マリア ナ お ば あちゃ<br />
38 リ ア ホ ナ
んとオーキおじいちゃんが,レナ・ソフィアとレアンダーの 永<br />
遠 の 結 び 固 めの 儀 式 の 身 代 わりを 務 めた。 今 の 教 会 の 方 針<br />
で は , 距 離 の 問 題 で 神 殿 の 祝 福 を 受 け ら れ な い 人 は , 丸<br />
1 年 待 つ 必 要 はないということを 知 っていたかい。レナ・<br />
ソフィアのような 人 た ち が ,で きるだ け 早 く 祝 福 を 受 けら れ る<br />
ようにするためだよ。マリアナおばあちゃんが 系 図 部 の 男 性<br />
に 言 ったように,「 十 分 待 った」からね。<br />
レンランド 姉 妹 : 家 族 にとってすばらしい 日 だったことで<br />
しょうね。 レアンダーとレナ・ソフィアの 喜 びを 考 えてみて。<br />
子 供 たちが 感 じた 喜 びは 言 うまでもないわ。それが 家 族 歴<br />
史 と 神 殿 の 業 が 一 つ に なり, 今 日 話 し た 力 に 火 が 付 い た 最<br />
高 の 結 果 よね。<br />
最 近 ,この 力 について 十 二 使 徒 定 員 会 のデビッド・A・ベ<br />
ドナー 長 老 が 話 しているのを 思 い 出 したの。 何 年 も 前 から,<br />
ベドナー 長 老 は, 神 殿 と 家 族 歴 史 の 二 つの 神 聖 な 側 面 を 結<br />
びつけることで 得 られる 祝 福 に 気 づくよう 勧 めているの。<br />
こう 言 っているわ。「 家 族 歴 史 はただのプログラムではな<br />
く,さらには 神 殿 で 礼 拝 できるものでもあるのです。キリス<br />
トによって 一 つとなって 集 められるということなのです。〔 自<br />
分 の〕 先 祖 を 見 つけ 出 し, 自 分 の 一 族 の 名 前 を 主 の 宮 に 携 え<br />
て 行 くことには 力 があります。わたしも 行 いました。その 業<br />
を 行 った 何 千 何 百 という 人 々と 交 流 してきました。 神 殿 に 参<br />
入 することで, 良 い 気 持 ち が しま す が, 血 の つ な が った 先 祖<br />
のために 儀 式 を 行 うと,さらに 良 い 気 持 ちがします。」 5<br />
アシュリー: 十 二 使 徒 定 員 会 のラッセル・M・ネルソン 会<br />
長 も, 生 活 の 中 でこの 力 を 体 験 することが で きると 約 束 して<br />
いるわ。こう 言 っているの。「 神 殿 ・ 家 族 歴 史 活 動 には 幕<br />
のかなたの 人 々に 祝 福 をもたらす 力 がありますが, 生 者 にも<br />
同 じ 祝 福 をもたらす 力 があります。この 活 動 に 携 わる 人 々を<br />
精 錬 する 力 です。 彼 らは 文 字 どおり, 先 祖 と 家 族 を 高 く 上 げ<br />
る 助 け をして い る の で す。」 6<br />
守 りの 約 束<br />
レンランド 長 老 : 今 日 ,この 神 殿 のチャレンジを 勧 める 使<br />
あかし<br />
徒 の 声 に 加 え ,わ たし の 証 をほかの 使 徒 の 証 に 加 えられる<br />
ことに 感 謝 しています。 約 束 されてきた 守 りが 与 えられるこ<br />
とを,わ たしも お 約 束 しま す。 兄 弟 姉 妹 の 皆 さん ,この チ ャ<br />
レンジを 受 け, 神 殿 で 行 う 儀 式 と 同 じ 数 の 名 前 を 見 つけて<br />
神 殿 に 提 出 し , 同 じ ことが で きるように ほ か の 人 に 教 えると<br />
き, 皆 さんと 家 族 に 守 りが 与 えられることをお 約 束 します。<br />
この チャレンジ を 受 け 入 れ れ ば ,エゼキエ ル が 話 し た 川 の<br />
ように, 皆 さんと 皆 さんの 家 族 に 豊 かな 祝 福 が 注 がれること<br />
でしょう。 そ の 川 は ,この 業 を 行 い , 同 じ ことが で きるよう<br />
に ほ か の 人 々に 教 え 続 けるときに , 広 が って いくことでしょ<br />
う。 皆 さんは,この 世 の 誘 惑 や 悪 から 守 られるようになるだ<br />
け で なく, 変 わ る 力 , 悔 い 改 め る 力 , 学 ぶ 力 , 聖 めら れ る 力 ,<br />
家 族 が 互 い に 心 を 向 け 合 う 力 , 癒 しが 必 要 な 者 を 癒 す 力 ,と<br />
いった 個 人 的 な 力 を 得 るのです。■<br />
2016 年 2 月 6 日 ,アメリカ 合 衆 国 ユタ 州 ソルトレ ーク・シティーに お ける<br />
「 2016 年 ルーツテック 家 族 歴 史 大 会 」で 行 われたプレゼンテーションからの 抜<br />
粋 。 この プ レ ゼ ン テ ーション を 英 語 ,ポ ルトガ ル 語 ,あ るい は スペ イン 語 で 視 聴 す<br />
るには,lds.org/go/217Renlund にアクセスしてください。<br />
注<br />
1. ニール・L・アンダーセン「 神 殿 と 科 学 技 術 のある『 自 分 の 時 代 』」『リアホナ』<br />
2 01 5 年 2 月 号 ,3 1<br />
2. ニール・L・アンダーセン,ライアン・モアゲネッグ,“ RootsTech 2015: Elder<br />
Andersen Adds to Temple Challenge,”lds.org/church/news/rootstech-<br />
2015-elder-andersen-adds-to-temple-challenge による<br />
3 . 現 在 は「 家 族 歴 史 部 」と 呼 ばれている。<br />
4. マッツ・エイク・レンランド,“ Reflections,” 個 人 の 日 記 ,119.<br />
5. デビッド・A・ベドナー,“ The Turning of Our Hearts”(ビデオ)で 引 用 ,<br />
lds.org/topics/family-history/turn-our-hearts<br />
6. ラッセル・M・ネルソン「 先 祖 と 愛 によって 結 ばれる」『リアホナ』2010 年 5 月<br />
号 ,9 3<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 39
末 日 聖 徒 の 声<br />
わ たしは 助 言 に 従 って<br />
罰 金 を 支 払 いました。<br />
正 しいことをしたと 分 かって<br />
い ま し た が ,ど うして も 伝 道 に<br />
備 えてお 金 をためたいと 思 い<br />
ました。<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ア<br />
レ<br />
ン<br />
・<br />
ガ<br />
ー<br />
ン<br />
ズ<br />
伝 道 資 金 を 諦 める<br />
わたしは 21 歳 の 誕 生 日 を 迎 える 前<br />
に 教 会 に 入 りました。 伝 道 に 出<br />
たいと 強 く 望 んでいましたが, 難 しい 状<br />
況 にありました。 父 が 家 族 を 残 して 出<br />
て 行 ってしまったので,わたしは 母 と<br />
3 人 の 弟 を 経 済 的 に 支 えており, 収 入 の<br />
ほぼ 全 額 を 家 族 のために 使 っていまし<br />
た 。 当 時 , 伝 道 に 志 願 するには 少 なくと<br />
も 500 ポンド( 約 66,000 円 )が 必 要 で<br />
した。 2 年 間 お 金 をためましたが,それ<br />
でも 250 ポンドしかありませんでした。<br />
経 済 的 に 行 き 詰 まるようなことに<br />
次 々と 出 くわしました。 弟 が 問 題 を 起<br />
こし,240 ポンドの 罰 金 を 支 払 うこと<br />
に なりまし た 。 家 族 か ら は , 弟 にそ の<br />
金 額 ,つまりわたしの 貯 金 のほとんど<br />
を 渡 すよう 頼 まれました。 弟 は 後 で 返<br />
すと 約 束 しましたが, 伝 道 と 弟 のどち<br />
らかを 選 ぶように 迫 られているように<br />
感 じました。わたしはどうするべきか<br />
悩 み ,ビ ショップ に 助 言 を 求 め まし<br />
た。ビショップは 弟 を 助 けるように 勧<br />
め,わたしは 助 言 に 従 って 罰 金 を 支 払<br />
いました。 正 しいことだと 分 かってい<br />
ましたが,どうしても 伝 道 に 出 られる<br />
ようになりたいと 思 いました。<br />
同 じ 金 額 をためるのにまた 何 年 も<br />
か か ると 思 いまし た が,へりくだり 祈<br />
ると, 将 来 に つ い て 啓 示 を 受 け まし<br />
み たま<br />
た。 御 霊 は , 弟 か ら お 金 が 戻 ってくる<br />
ことを 当 て にし な いように ,そして 翌<br />
年 には 伝 道 に 出 られると 告 げました。<br />
弟 に 渡 したお 金 をためるのに 2 年 か<br />
かりましたが,その 年 の 終 わりまでに<br />
2 倍 の 資 金 を 手 にすることができると<br />
主 は 教 えてくださいました。<br />
信 じられませんでしたが, 努 力 し 続<br />
け まし た 。 すると,そ れ か ら 1 0 週 間<br />
に わたり, 毎 週 奇 跡 が 起 きまし た 。 同<br />
じワードに 集 うあるヤングシングルア<br />
ダルトが,わ たし が 伝 道 資 金 をあ げ て<br />
しまったことを 聞 き, 伝 道 のために<br />
100 ポンドくれました。 翌 週 , 同 じ 理<br />
由 で 別 のヤングアダルトが 10 0 ポンド<br />
けん そん<br />
くれました。 わたしは 謙 遜 になり,<br />
疑 ったことを 悔 い 改 め 始 めました。<br />
後 日 ,わたしの 雇 い 主 が 自 主 退 職 す<br />
る 従 業 員 を 募 りました( 自 主 的 に 退 職<br />
する 従 業 員 は 経 済 的 な 見 返 りを 受 け<br />
ま す )。 わ た し は 願 い 出 ま し た が , 受<br />
理 されないと 思 っていました。 会 社 は<br />
わたしを 育 成 するために 多 額 の 投 資<br />
をしていたからです。なぜ 退 職 したい<br />
の か 上 司 が 尋 ね た の で, 伝 道 に つ い<br />
て 説 明 しました。 上 司 はわたしの 過<br />
去 数 週 間 分 の 給 料 を 引 き 上 げ て, 退<br />
職 願 いを 受 理 してくれました。さら<br />
に , 退 職 金 も 上 乗 せしてくれました 。<br />
わたしは 臨 時 の 仕 事 を 見 つけたので<br />
すが,2 週 間 後 には 正 社 員 として 採 用 さ<br />
れました。 会 社 から, 週 末 も 出 勤 すれ<br />
ば 超 過 手 当 を 支 払 うと 言 わ れ , 毎 週 土<br />
曜 日 に 出 勤 することに 同 意 しました。<br />
そ の 後 間 もなく, 伝 道 の 志 願 書 を 提 出<br />
し,イギリス・ロンドン・ブリストル 伝 道<br />
部 で 奉 仕 するよう 召 されました。 1 年<br />
足 らずで 2,500 ポンド 貯 金 できました。<br />
差 し 出 した 金 額 の 文 字 どおり 10 倍 を 受<br />
けたのです。ルカによる 福 音 書 第 6 章<br />
3 8 節 にはこう 書 か れて います。「 与 え<br />
よ。 そうす れ ば , 自 分 にも 与 えられ るで<br />
あろう。 人 々はおし 入 れ,ゆすり 入 れ,<br />
あ ふ れ 出 るまで に 量 をよくして,あ なた<br />
がたのふところに 入 れてくれるであろ<br />
う。あなたがたの 量 るその 量 りで, 自<br />
分 にも 量 りかえされるであろうから。」<br />
ビショップの 勧 めに 従 うという 信 仰<br />
を 示 したことで 祝 福 されたと 知 ってい<br />
ます。■<br />
フレデリック・ジョン・ホルト<br />
( イギ リ ス ,ウェ スト サ セ ッ ク ス 州 )<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ジ<br />
ョ<br />
シ<br />
ュ<br />
ア<br />
・<br />
デ<br />
ニ<br />
ス<br />
40 リ ア ホ ナ
せいさん 聖 餐 で 平 安 を 見 いだす<br />
い 母 親 で あ った わたし は , 活 発<br />
若 でやんちゃな 5 人 の 子 供 たち<br />
の 世 話 を 中 心 に 生 活 が 回 っていたこ<br />
ろ, 慌 た だ し い 日 々の 中 で 平 安 な 時 間<br />
を 見 つけるのに 苦 労 していました。こ<br />
こで 5 分 ,そこで 10 分 と 細 切 れに 時<br />
間 を 取 る の が 精 い っぱ いでし た が,そ<br />
うしたほんのわずか の 静 かな 時 間 の<br />
一 つ 一 つを 大 切 にしました。<br />
わたしは 度 々 天 の 御 父 に 祈 り, 強 さ<br />
と 忍 耐 力 , 平 安 を 求 めました。とりわ<br />
け 日 曜 日 は , 赤 ちゃん に 授 乳 し,よち<br />
よち 歩 きの 子 供 に 服 を 着 せ, 年 上 の<br />
子 供 たちに 教 会 へ 行 く 支 度 をさせる<br />
のに 大 忙 しでした。ところが 皮 肉 なこ<br />
とに ,わたし が 解 決 方 法 を 見 つ け た の<br />
は 忙 しい 日 曜 日 のことでした。<br />
そ の 日 , 聖 餐 の 祈 りを 聞 いて いたと<br />
きに, 言 葉 が 特 別 な 意 味 を 帯 びるよう<br />
み<br />
になりました。「 …… いつも 御 子 の 御<br />
たま<br />
霊 を 受 け ら れ る よ う に … … 。」( 教 義 と<br />
聖 約 20:77 )<br />
わたし に は , 主 の 御 霊 を 受 ける 資 格<br />
があったのです。どうして,それまで<br />
どうして ,そ れ ま で<br />
その 約 束 の 意 味 に<br />
気 づかなかったので<br />
しょうか。<br />
その 約 束 の 意 味 に 気 づかなかったの<br />
でしょうか。<br />
こうして, 聖 餐 が わ たし の 騒 々し い<br />
めいそう 生 活 において 静 かに 瞑 想 できる 時 間<br />
になった の で す。 聖 餐 の 儀 式 で,わた<br />
しは 自 分 の 求 めていた 平 安 を 見 いだ<br />
したのでした。<br />
わたし は パ ンと 水 を 受 け た 後 , 落 ち<br />
着 きのない 子 供 を 連 れて 聖 餐 会 から<br />
出 ることもで きまし た が,そ の 特 別 な<br />
気 持 ちを 思 い 出 すためにそこにいるこ<br />
とにしました。わたしは,それまで 体<br />
験 したことのない 高 揚 感 を 抱 きなが<br />
ら,そ の 貴 重 な 時 間 を 心 待 ちに するよ<br />
うになりました。<br />
今 では 子 供 たちも 大 きくなったた<br />
め,より 多 くの 静 かな 時 間 というぜい<br />
たくを 満 喫 しています。それでもやは<br />
り,わたしは 今 でも 聖 餐 を 受 けるとき<br />
のその 時 間 を 大 切 にしています。■<br />
ジェーン・マクブライド<br />
( アメリ カ 合 衆 国 ,コ ロ ラド 州 )
キリストの 慰 めの 力<br />
年 前 のことです。わたしの 友 人<br />
数 の ジョセフは ,アメリカ 合 衆 国<br />
のユタ 州 からワシントン D.C. まで 車<br />
で 行 く 計 画 を 立 てていました。そし<br />
て,そ の 自 動 車 旅 行 に わたしを 誘 って<br />
くれました。 途 中 でわたしたちは,<br />
様 々な 教 会 史 跡 を 訪 れました。 そし<br />
て 東 海 岸 に 着 くと,ニ ューヨー ク 市 へ<br />
と 車 を 走 らせました。<br />
わたし たち が そこに 着 いた の は , 悲<br />
劇 的 な 出 来 事 が 起 こった 2001 年 9 月<br />
11 日 からちょうど 2 週 間 後 でした。<br />
わ たし た ち は ,ツインタワー が 破 壊 さ<br />
れた 現 場 を 訪 れるべきであると 強 く 感<br />
じました。<br />
建 物 の 残 骸 を 眺 める 人 々で 混 雑 し<br />
て い る 通 りで は , 一 人 の 兵 士 が 人 々を<br />
誘 導 していました。 彼 は 道 行 く 人 々<br />
に, 涙 を 拭 くためのティッシュペー<br />
パーを 配 っていました。<br />
ジョセフとわ たし は ,あ の 出 来 事 に<br />
よってみんなの 心 が 深 く 傷 ついたのを<br />
感 じ,それに 対 して 何 かをしたいと 思<br />
いました。そしてわたしたちは, 自 分<br />
たち に で きる 最 善 の ことは , 人 々に 話<br />
し か け, 彼 ら の 話 に 耳 を 傾 け, 場 合 に<br />
よってはイエス・キリストの 回 復 され<br />
た 福 音 の 希 望 に 基 づくメッセージを 彼<br />
らと 分 かち 合 うことだと 考 えました。<br />
ホテルへ 戻 るために,わたしたちは<br />
地 下 鉄 で 移 動 していました。わたしの<br />
向 かい 側 には 一 人 の 女 性 が 座 ってい<br />
て, 本 を 読 んで いまし た 。 彼 女 の 生 活<br />
はどうなっているのだろうかと,わた<br />
しは 考 えました。そこでわたしは 自 己<br />
紹 介 をして, 自 分 たち が ニ ューヨー ク<br />
を 訪 れていることを 伝 えました。そし<br />
て,わ たし た ち は 最 近 の 9 月 1 1 日 の<br />
出 来 事 に 関 する 彼 女 の 体 験 について<br />
知 りたいと 言 いました。<br />
彼 女 は マリアという 名 前 で, 数 十 年<br />
間 ニューヨーク 市 に 住 んでいるという<br />
ことでした。 彼 女 はツインタワーから<br />
数 ブロック 離 れたビルで 働 いていまし<br />
た。 彼 女 はわたしたちに,9 月 11 日<br />
の 数 週 間 前 に , 神 に 祈 って, 神 が おら<br />
れるかどうか 尋 ねるべきであるという<br />
強 い 気 持 ちを 感 じたことを 教 えてくれ<br />
ました。 彼 女 が 言 うには,それまで 人<br />
生 の 中 でそんなに 真 剣 に 祈 りをささげ<br />
たことは なく, 実 際 にそ れ ほど の 必 要<br />
性 を 感 じたこともなかったということ<br />
でした。あの 運 命 の 日 の 朝 にテロリス<br />
トたちがツインタワーに 突 っ 込 むまで,<br />
彼 女 は 自 らの 祈 りに 対 する 答 えを 感 じ<br />
ませんでした。 大 混 乱 が 彼 女 の 周 囲<br />
一 帯 を 包 み 込 みましたが, 彼 女 は 突<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ア<br />
レ<br />
ン<br />
・<br />
ガ<br />
ー<br />
ン<br />
ズ<br />
マ リアはわたしたちに,9 月 11 日 の 数 週 間 前 に, 神 に 祈 って,<br />
神 がおられるかどうか 尋 ねるべきだという 強 い 気 持 ちを<br />
感 じたことを 教 えてくれました。<br />
42 リ ア ホ ナ
然 穏 やかな 気 持 ちになりました。マリ<br />
アは わ たし たち に ,この 信 じ ら れ な い<br />
ほどの 平 安 を 感 じたこと,そしてその<br />
ときの 説 明 のしようのない 破 壊 にもか<br />
かわらず 神 がそこで 自 分 を 見 守 ってく<br />
ださっていると 感 じたことを 話 してく<br />
れました。<br />
マリアからこの 話 を 聞 いた 後 ,ジョ<br />
セフとわたしは 彼 女 に, 彼 女 は 特 別 な<br />
み<br />
平 安 と 慰 めという 形 で 天 の 御 父 の 御<br />
たま<br />
霊 を 感 じたのだということを 伝 えまし<br />
た 。 わ たし たち は 彼 女 に , 祈 りに よっ<br />
て,またモルモン 書 を 調 べることに<br />
よって 天 の 御 父 を 求 め るときに ,い つ<br />
でもその 平 安 を 感 じることができると<br />
いうことを 教 えました。わたしたちは<br />
彼 女 にモル モン 書 を 渡 し , 求 めて い る<br />
平 安 がその 本 から 継 続 的 に 得 られる<br />
だろうと 伝 えました。 彼 女 は 喜 んでそ<br />
れ を 受 け 取 り,わ たし たち に 感 謝 を 述<br />
べました。<br />
ジョセフとわたしは 目 的 の 駅 で 降 り<br />
な け れ ば ならな か った た め ,そ の 後 マ<br />
リアがどうなったかは 分 かりません。<br />
しかし, 天 の 御 父 が 御 自 身 の 息 子 と 娘<br />
の 一 人 一 人 を 愛 してくださっていること<br />
を,わたしは 知 っています。 特 にわた<br />
したちの 周 りで 物 事 が 悪 い 方 向 に 向<br />
か って い るように 思 えるときに , 天 の<br />
御 父 はわたしたちの 生 活 の 細 かい 事<br />
柄 に 気 を 配 ってくださるということを,<br />
わたしは 知 っています。 天 の 御 父 は,<br />
御 子 イエス・キリストの 力 を 通 じて,<br />
御 霊 から 生 じる 言 いようのない 平 安 を<br />
与 えてくださいます。キリストの 光 は,<br />
つらい 試 練 や 悲 劇 を 通 して 明 るく 輝 く<br />
ことがあります。 キリストはそのすべ<br />
てを 克 服 しておられるからです。■<br />
クリス・ディーバー<br />
(アメリカ 合 衆 国 ,カリフォルニア 州 )<br />
主 に 導 かれ― ひとり 親 の 子 育 て<br />
いがけず 20 代 半 ばで 4 人 の 子<br />
思 供 を 一 人 で 育 てることになり,わ<br />
たしは 当 惑 しました。つつましい 家 の<br />
手 入 れと,4 人 の 幼 い 子 供 の 養 育 を,<br />
高 卒 のわたしが 一 人 で 担 うのです。 小<br />
さい 子 供 た ちを,ど うや って 支 えて い<br />
けばよいのだろうと 悩 みました。その<br />
答 えは 数 日 や 数 か 月 では 得 られず, 何<br />
年 もかけて, 一 つ 一 つの 促 しに 従 った<br />
結 果 分 かりました。<br />
幸 い ,わたし は 問 題 に ぶ つ か ると 主<br />
に 頼 る 習 慣 がありました。ある 夜 , 次<br />
の 答 え が はっきり 聞 こえました。「 学<br />
校 へ 行 き な さ い 。」 家 族 を 養 う 責 任 が<br />
あるのに, 学 校 へなど 行 けるのだろう<br />
か と 思 い な が ら, 両 親 とビショップ に<br />
相 談 しまし た 。 すると 皆 , 学 校 へ 行 く<br />
ことは 正 しいと 賛 同 しました。 数 週 間<br />
のうちにわたしは 地 元 の 大 学 に 入 学<br />
し,そこで 初 等 教 育 の 学 位 と 特 別 支<br />
援 教 育 の 認 定 を 取 得 して 卒 業 しまし<br />
た。<br />
教 師 に な っても, 育 ち 盛 りの 子 供 た<br />
ちの 経 済 的 必 要 を 満 たせるほどには<br />
収 入 を 得 られていませんでした。わた<br />
しは 家 計 が 苦 しいことについて 主 に<br />
助 けを 求 め 続 けました。ある 日 ,ビ<br />
ショップと 話 して い るとき, 大 学 院 に<br />
行 って 修 士 号 を 取 るように 勧 められま<br />
した。 帰 宅 した 後 ,そのことについて<br />
祈 り, 次 の 学 期 から 大 学 院 に 通 い 始 め<br />
ました。<br />
数 年 後 , 再 び 大 学 院 に 戻 るようにと<br />
いう 促 しを 受 けました。 必 要 な 試 験<br />
に 申 し 込 み , 教 育 管 理 の カリキュラム<br />
を 受 講 するために 面 接 を 受 けました。<br />
その 結 果 , 修 士 課 程 の 学 生 として 地<br />
元 の 別 の 大 学 院 に 通 い 始 めたのです。<br />
卒 業 すると, 新 し い 就 職 口 が 見 つ か<br />
り,そ の お か げ で 新 し い 人 々と 出 会 っ<br />
て 人 生 が 豊 か に なり, 人 として 成 長<br />
たまもの し , 自 分 の 賜 物 を 新 たに 発 見 すること<br />
ができました。<br />
あ る 夜 , 神 殿 に 参 入 し , 努 力 して も<br />
まだ 家 計 が 苦 しいと 主 に 訴 えていまし<br />
た 。 すると, 天 か ら の 交 わりが あり,<br />
温 かい 気 持 ちに 包 まれました。わた<br />
しの 手 ,または 周 りの 人 たちの 寛 大 な<br />
助 け により, 家 族 の 必 要 が す べ て 満 た<br />
されてきたことが 思 い 出 され,わたし<br />
が 従 順 であり 続 ければ, 今 後 も 助 け<br />
があると 告 げられました。アルマ 書<br />
第 2 0 章 4 節 に あ る よ う に「〔 わ た し<br />
は 〕 主 の 力 で 何 事 でもできることを<br />
知 ってい」ると 思 い 起 こすよう 促 され<br />
たのです。<br />
教 育 を 受 けるようにという 促 しと,<br />
その 後 の 就 職 口 を 下 さった 天 の 御 父<br />
にとても 感 謝 しています。また, 長 年<br />
の 間 , 気 にかけてくれた 人 たち 皆 にも<br />
とても 感 謝 しています。 天 の 御 父 の 助<br />
けにより, 自 分 が 思 う 以 上 のことを 成<br />
し 遂 げられると 知 りました。そして,<br />
同 じくら い 大 切 なこととして, 感 謝 の<br />
心 で 援 助 を 受 け 入 れ , 寛 大 に 与 えるこ<br />
とも 学 んだのです。<br />
スーザン・ケージー(アメリカ 合 衆 国 ,ユタ 州 )<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 43
不 完 全 さ<br />
の 中 に 平 安 を 見 いだす<br />
LDS ファミリーサービス<br />
エリザベス・ロイド・ランド<br />
この 地 上 での 生 活 において<br />
わたしたちが 理 解 に 苦 し<br />
み, 誤 解 し が ち な こ と の<br />
一 つに, 完 全 についての 考 え 方 があり<br />
ます。 わたしたちが 救 われるために,<br />
または 昇 栄 するために,この 世 におい<br />
て 完 全 にならなければならないと 間<br />
違 って 信 じている 人 が 多 くいます。<br />
あ るとき,わたしが カウンセラーとし<br />
て 面 談 していると, 突 然 泣 き 出 した 女<br />
性 が いまし た 。「 どうす れ ば , 自 分 は<br />
これで 十 分 だと 思 えるのでしょうか」<br />
と 彼 女 は 言 い, 自 分 がどれほどふさわ<br />
しくないか 話 し 続 けました。 彼 女 の<br />
心 の 内 にあることをよく 聞 いてみると,<br />
現 在 も 過 去 にも 大 きな 罪 は 犯 してい<br />
ないことが 分 かりました。 彼 女 はた<br />
だ, 自 分 が 十 分 ではないと 感 じていま<br />
しん<br />
した。 自 分 自 身 を 近 所 の 人 , 友 人 , 親<br />
せき<br />
戚 ,また は 自 分 よりも「 優 れて いる 」と<br />
思 えるすべての 人 と 比 べていたので<br />
す。<br />
思 いが 現 実 となる<br />
召 し に お い て,ま た 親 として,あ る<br />
い は 人 生 全 般 に つ いて, 自 分 が 不 完<br />
全 で 不 安 だと 感 じている 人 が 多 くいる<br />
ということを 知 っています。 そのよう<br />
な 思 い は , 自 分 の 才 能 を 隠 し たり, 人<br />
の 前 で 遠 慮 し たり,また 落 胆 や 不 安 を<br />
感 じ たり, 落 ち 込 ん だりする 原 因 とな<br />
ることがあります。 自 分 自 身 への 思 い<br />
は, 自 分 の 行 動 や 感 情 に 大 きな 影 響<br />
を 及 ぼしているのです。わたしたちの<br />
多 くは , 他 人 に は 決 して 言 わ な いよう<br />
なことを 自 分 自 身 に 言 っています。そ<br />
の 結 果 ,わたし たちに 秘 められ た 本 来<br />
の 力 を 発 揮 で きなくなり, 自 分 の 能 力<br />
や 才 能 が 衰 えてしまうので す。 エズ<br />
ラ・タフト・ベンソン 大 管 長 ( 1 8 9 9 -<br />
1994 年 )は 次 のように 述 べています。<br />
「 サタン は 失 望 と 落 胆 , 意 気 消 沈 , 憂<br />
鬱 をもって 聖 徒 を 打 ち 負 かそうとます<br />
ますその 力 を 増 しています。」 1<br />
幸 い な こ と に ,「 唯 一 の 重 要 な 評 価<br />
は , 天 の 御 父 が わたし たちにつ いて 考<br />
えておられ ることで す」とデビン・J・<br />
コ ー ニッシュ 長 老 は 教 えていま す。<br />
「 主 があなたをどう 思 われているのか,<br />
心 から 尋 ねてください。 神 はわたした<br />
ち を 愛 し, 誤 りを 正 され ま す が, 落 胆<br />
させることは 決 してなさいません。 落<br />
胆 させるのはサタンの 策 略 です。」 2<br />
不 完 全 さは 機 会 となる<br />
わたしたちは 喜 びを 得 るために 地<br />
今 すぐ 完 全 さだけを<br />
期 待 することは,<br />
わたしたちが<br />
成 長 する 機 会 を<br />
否 定 することになります。<br />
上 に い る の で あり,そ の 喜 び の 一 部<br />
は ,わたしたちが 作 り 出 し , 信 じ , 受 け<br />
入 れるものなのです。もしわたしたち<br />
が, 生 涯 を 通 じて 学 び 続 ける 欠 点 の あ<br />
る 神 の 子 供 であるということを 受 け 入<br />
れるなら,わたしたちの 不 完 全 さを 受<br />
け 入 れることができます。 今 すぐ 完 全<br />
であることを 期 待 するのは,わたした<br />
ちが 成 長 する 機 会 を 否 定 することにな<br />
るのです。そしてわたしたちの 生 活 に<br />
たまもの お いて, 悔 い 改 め の 賜 物 やイエス・キ<br />
しょくざい リストとその 贖 罪 の 力 を 否 定 すること<br />
になります。 十 二 使 徒 定 員 会 のブルー<br />
ス・ R・ マ ッコン キ ー 長 老 ( 1 9 1 5 -<br />
1985 年 )はこのように 述 べました。<br />
44 リ ア ホ ナ
ヤ<br />
ン<br />
グ<br />
ア<br />
ダ<br />
ル<br />
ト<br />
絵<br />
/<br />
ア<br />
リ<br />
シ<br />
ャ<br />
・<br />
ジ<br />
ョ<br />
ン<br />
ソ<br />
ン<br />
,<br />
ハ<br />
ト<br />
の<br />
写<br />
真<br />
C<br />
PHOTOMASTER/SHUTTERSTOCK<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 45
「 完 全 な 御 方 が 一 人 だけおられまし<br />
た 。 そ れ は 主 なるイエスで す。〔 永 遠<br />
の 命 を 得 るためには 〕 完 全 な 者 となっ<br />
て,す べ ての 律 法 を 文 字 ど おり 完 璧 に<br />
守 らなければならないとすれば, 永 遠<br />
の 世 に お い て 救 わ れ る の は, 主 御<br />
一 人 だけです。 預 言 者 〔ジョセフ・ス<br />
ミス 〕は , 救 い を 勝 ち 取 るた め に 死 ん<br />
だ 後 もしなければならないことがたく<br />
さ ん あ る と 教 えて い ま す。」 3 わたした<br />
ちの 不 完 全 さから 学 ぶ 道 こそが, 天 の<br />
御 父 のもとに 戻 るために 神 がわたした<br />
ちのために 備 えられた 道 なのです。<br />
弱 さは 強 さになり 得 る<br />
不 完 全 な 状 態 で 天 の 御 父 に 頼 るた<br />
けん そん<br />
めには, 謙 遜 さが 必 要 で す。 そのプ<br />
ロ セ ス は ,エテル 書 に 書 か れて い ま<br />
す。「もし 人 がわたしのもとに 来 るな<br />
ら ば ,わたし は 彼 らに 各 々の 弱 さを 示<br />
そう。わたしは 人 を 謙 遜 にするため<br />
に , 人 に 弱 さを 与 える 。 わ たし の 前 に<br />
へりくだ るす べ ての 者 に 対 して,わ た<br />
しの 恵 みは 十 分 である。もし 彼 らが<br />
わたしの 前 にへりくだり,わたしを 信<br />
じ る なら ば ,そ のとき,わ たし は 彼 ら<br />
の 弱 さを 強 さに 変 えよう。」(エテル<br />
12:27 )わたしたちが へりくだると<br />
み うで<br />
き, 天 の 御 父 はそ の 御 腕 を 広 げ,わ た<br />
したちが 自 分 の 弱 さから 学 ぶのを 助<br />
けてくださいます。 新 約 聖 書 の 中 にそ<br />
の 例 が あ り ま す 。 パ ウ ロ は ,〔 彼 の 〕<br />
「 肉 体 に〔 与 えられ た 〕とげ」のため<br />
に 苦 労 しましたが,この 弱 さによって<br />
へりくだり, 神 に 近 づくことが で きるこ<br />
と を 学 び ま し た 。( 2 コ リ ン ト 1 2:<br />
7 参 照 )この 謙 遜 さと 学 ぶ 意 欲 こそ,<br />
わたしたちが 自 分 自 身 の 不 完 全 さに<br />
応 用 すべきものなのです。わたしたち<br />
は,これらの 弱 さが 強 さとなるように<br />
学 ばなければなりません。<br />
ま た ,へりくだ ることと, 自 分 が 価<br />
値 のない 者 だと 感 じることの 違 いも 理<br />
解 する 必 要 があります。 謙 遜 さはわた<br />
したちを 主 に 近 づけますが, 羞 恥 心<br />
や 罪 悪 感 はわたしたちを 主 から 遠 ざ<br />
けます。 神 はわたしたちが 自 分 自 身 を<br />
過 少 評 価 し たり, 神 の 目 に 価 値 の な い<br />
存 在 だと 感 じたりすることを 望 んでお<br />
られません。それは 神 にとって,また<br />
わたしたちにとっても 痛 ましいことな<br />
のです。 自 分 が 変 わるために 時 間 や<br />
労 力 をかけるのにふさわしい 存 在 で<br />
あると 気 づくことが 大 切 です。 地 上 で<br />
の 人 生 の 目 的 の 一 つには, 自 分 の 弱 さ<br />
を 変 える 方 法 を 見 いだすということが<br />
あります。 比 較 的 すぐに 克 服 できる 弱<br />
さもあ れ ば , 生 涯 を か け て 奮 闘 するも<br />
のもあるでしょう。<br />
数 年 前 に ,レイチェ ル( 仮 名 )とい<br />
う 飲 酒 の 問 題 を 抱 えた 患 者 を 担 当 し<br />
ました。 困 難 な 生 活 から 来 るストレス<br />
を 解 消 するた め に , 飲 酒 が 支 えや 手<br />
段 となっていました。 彼 女 は 自 分 の<br />
依 存 症 を 克 服 すると 決 心 し , 助 け や 励<br />
ましを 受 けて,お 酒 をやめました。 飲<br />
酒 の 問 題 を 完 全 に 克 服 する 前 に, 彼<br />
女 は 自 分 の 弱 さのために 自 分 を 卑 下<br />
することはありませんでした。 彼 女 は<br />
そ れ を 認 め た の で す。 そ の 後 , 自 分<br />
の 決 意 と, 主 とすばらしいビショップ,<br />
そして 何 人 かの 大 切 な 人 の 助 けによっ<br />
て,レイチェ ル は お 酒 を や め る 決 断 を<br />
しました。 最 後 に 彼 女 と 話 したとき<br />
は,もうお 酒 を 飲 みたいと 思 わないと<br />
言 っていました。<br />
自 分 の 弱 さから 成 長 するためには,<br />
わ たし たち は 信 仰 と 希 望 ,そして 主 が<br />
み て<br />
その 御 手 によってわたしたちを 支 えて<br />
くださるという 理 解 を 持 って, 主 に 頼<br />
る 必 要 があります。 十 二 使 徒 定 員 会<br />
のラッセル・M・ネルソン 会 長 は 次 の<br />
ような 勧 告 を 与 えて います。「 希 望 を<br />
失 いそうな 人 , 恐 れを 感 じている 人<br />
は, 自 分 自 身 に 対 して 忍 耐 強 くあってく<br />
ださい 。 完 全 になるの は ,この 世 で は<br />
なく, 次 の 世 に お いて な の で す。 自 分<br />
に 無 理 な 要 求 をするのではなく, 自 分<br />
を 高 めるように 努 めてください。 主 の<br />
助 けを 受 けながら 努 力 するなら, 主 は<br />
変 化 をもたらしてくださるでしょう。」 4<br />
今 すぐ 幸 福 を 選 ぶ<br />
自 分 を 高 めようとしているさなかに<br />
あっても, 平 安 と 幸 福 を 選 ぶことがで<br />
くらやみ きます。たとえ 真 っ 暗 闇 な 状 況 であっ<br />
ても, 自 分 の 態 度 を 選 ぶことができま<br />
す。 ホロコースト〔 訳 注 ― ナチスに<br />
よるユダヤ 人 の 大 虐 殺 〕を 生 き 延 びた<br />
著 名 な 精 神 科 医 であるビクトール・フ<br />
ランクルは 次 のように 述 べています。<br />
「 人 からすべてを 取 り 上 げても, 取 り 上<br />
げられないものが 一 つだけあります。<br />
そ れ は 人 間 の … … 最 後 の 自 由 ,い か<br />
なる 状 況 の 下 でも 自 分 の 態 度 は 自 分<br />
が 決 め, 自 分 の 生 き 方 は 自 分 で 選 ぶと<br />
い う 自 由 で す。」 5<br />
聖 文 はこう 教 えています。「 人 が 存<br />
在 するのは 喜 びを 得 るためである。」<br />
( 2 ニーファイ 2:2 5 )こ れ は , 神 が わ<br />
たしたちの 生 活 が 幸 福 で 満 ちあふれ<br />
るように 魔 法 をかけてくださるという<br />
意 味 ではありません。ほとんどの 人 に<br />
とって, 幸 福 は 選 び な の で す。 そ れ に<br />
は , 努 力 , 感 謝 , 信 頼 ,そして 信 仰 の<br />
訓 練 が 必 要 で す。 わたしたちが 許 容<br />
するなら,わたしたちの 人 生 は 否 定 的<br />
なもので 満 たされてしまいます。 人 生<br />
における 状 況 を 変 えることはできない<br />
かもしれませんが,それに 対 してどう<br />
対 処 するか は 選 ぶ ことが で きま す。<br />
トーマス・S・モンソン 大 管 長 はこう<br />
述 べ て います。「 風 向 きを 変 えること<br />
は で きま せ ん が, 帆 を 調 節 することは<br />
できます。 最 大 の 幸 福 と 平 安 と 満 足 を<br />
得 るために,わたしたちが 前 向 きな 態<br />
度 を 選 ぶこ と が で きま すように 。」 6<br />
良 いものに 目 を 向 けるように 選 び,<br />
主 と 主 の 贖 罪 に 頼 り, 自 分 の 不 完 全 さ<br />
46 リ ア ホ ナ
を 受 け 入 れ ,そこ か ら 学 ぶ なら ば ,わ<br />
たしたちは 自 分 自 身 に 対 して 非 現 実<br />
的 な 期 待 を 持 つことなく, 人 生 に お い<br />
まい しん<br />
す<br />
て 善 良 なものと 幸 福 を 求 めて 邁 進<br />
ることができるのです。 自 分 に 不 完<br />
全 なところが あ って も 平 安 を 感 じ , 人<br />
を 罪 から 救 う 神 の 愛 に 慰 めを 見 いだ<br />
すことができます。 天 の 御 父 と 再 び 住<br />
むふさわしさを 身 につけるために 最 善<br />
の 努 力 をするとき,わたしたちが 不 完<br />
全 であっても, 救 いの 計 画 によって 天<br />
の 御 父 のもとに 導 かれるということを<br />
知 るなら,わ たし たち の 心 に 喜 び を 見<br />
いだすでしょう。■<br />
注<br />
1. エズラ ・ タフト ・ ベンソン「 落 胆 してはいけな<br />
い」『 聖 徒 の 道 』1975 年 2 月 号 ,90<br />
2. デビン・J・コーニッシュ「『わたしは 十 分 に 善 良<br />
でしょうか 』『わたしにできるでしょうか 』」『リア<br />
ホナ 』2 016 年 11 月 号 ,3 3<br />
3. ブ ル ース・R・マッコン キ ー,“The Seven Deadly<br />
Heresies”(ブリガム・ヤング 大 学 ディボーショ<br />
ナル,1980 年 6 月 1 日 )6 - 7。 speeches.byu.<br />
edu 参 照<br />
4. ラッセル・M・ネルソン「 人 々は 気 落 ちするであ<br />
ろう」(モルモンチャンネルまたはメディアライブ<br />
ラ リ ー の 動 画 )https://www.youtube.com/<br />
watch?v=47m7iwAS6YQ<br />
5. ビクトール・フランクル,Man’s Search for<br />
Meaning( 1 9 5 9 年 ),8 6<br />
6. トーマス・S・ モンソン「 豊 かな 人 生 を 送 る」『リ<br />
アホナ 』2 01 2 年 1 月 号 ,4<br />
ヤ<br />
ン<br />
グ<br />
ア<br />
ダ<br />
ル<br />
ト<br />
試 練 にどう 立 ち 向 かうか 選 ぶ 方 法 について,トーマス・S・モンソン 大 管 長 はこう 述 べています。<br />
「 風 向 きを 変 えることはできませんが, 帆 を 調 節 することはできます。」<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 47
弱 さを 克 服 し,<br />
信 仰 を 深 める<br />
E・トレイシー・ウィリアムズ<br />
わたしが 専 任 宣 教 師 としての<br />
資 格 を 得 るまで 7 年 かかり<br />
ました。 最 初 にわたしのビ<br />
ショップであるタプエルエルビショッ<br />
プと 伝 道 に つ いて 話 し たとき, 彼 は わ<br />
たしの 生 活 の 規 範 となる 指 針 を 示 して<br />
くれました。わたしがそれに 従 って,<br />
従 順 に なることを 学 ぶ なら, 祝 福 され<br />
るとビショップは 言 いました。 毎 日 の<br />
聖 文 学 習 と 毎 週 教 会 に 集 うことなどの<br />
始 めの 幾 つかの 指 針 は,それほど 難<br />
しくありま せ んでし た。「 簡 単 だ わ 」<br />
と 思 いまし た 。 し かし ,わ たし の 生 活<br />
の 中 にある「この 世 的 な」ことを 変 え<br />
るように 言 われたときに 気 分 を 害 し,<br />
自 分 のプライドや 頑 固 さのためにそれ<br />
を 乗 り 越 えることができませんでし<br />
た。<br />
もっと 楽 にできる 方 法 がないかと 思<br />
い,4 回 , 別 のワードに 引 っ 越 し,4 人<br />
の 異 なるビショップと 話 しました。 医<br />
学 の 学 位 を 取 るために 大 学 にも 戻 りま<br />
した。その 後 ,すべてを 中 断 して, 伝<br />
道 に 出 る 備 えをもう 一 度 するようにと<br />
いう 促 しを 感 じたので,そのとおりに<br />
しました。タプエルエルビショップの<br />
けんそん ところに 戻 り, 謙 遜 になって 助 けを 求<br />
めました。 宣 教 師 には 体 重 制 限 があ<br />
ることを 伝 えら れ まし た が,わ たし の<br />
体 重 はその 制 限 を 超 えていました。<br />
すぐに 落 胆 と 恥 ずかしい 思 いで 心 が<br />
折 れそうになりましたが,ビショップ<br />
はわたしを 励 ましてくれました。 彼 は<br />
わ たし に 愛 と 信 仰 を 示 し ,こう 言 いま<br />
した。「 わたしの 部 屋 のドアはいつで<br />
も 開 いているよ。 一 緒 に 頑 張 ろう !<br />
一 度 に 一 つの 弱 さから,1 週 間 取 り 組<br />
み まし ょう 。」<br />
そこでわたしは 毎 週 ビショップと 会<br />
い, 一 度 に 一 つずつ 弱 さを 解 決 してい<br />
きました。 伝 道 に 出 る 資 格 を 得 るだ<br />
け で,そ れ か ら 4 年 もか か るとは 思 っ<br />
てもみませんでした。<br />
救 い 主 に 頼 る<br />
そ の 間 ,キリストにもっと 近 づき, 主<br />
の 教 えを 自 分 の 生 活 に 取 り 入 れるよう<br />
に 努 めました。 困 難 な 問 題 に 直 面 し<br />
しょくざい たとき, 主 の 贖 罪 の 力 をじかに 感 じる<br />
ようになりました。 親 友 を 亡 くしたと<br />
きや 家 族 が 家 を 失 ったとき,そして 車<br />
の 事 故 に 遭 ったときに,わたしは 主 が<br />
贖 罪 を 通 して 与 えてくださる 力 と 慰 め<br />
と 強 さに 頼 りました。 多 くの 友 人 を 失<br />
う 状 況 に 陥 ったときは,かなり 落 ち 込<br />
みまし た が, 救 い 主 が 助 け 出 してくだ<br />
わたしは 自 分 の 弱 さを 克 服 し,<br />
長 所 を 伸 ばすために<br />
どのように 主 に 頼 ればよいかを,<br />
伝 道 の 備 えをしているときも,<br />
伝 道 中 にも<br />
学 ばなければなりませんでした。<br />
さいました。 友 人 と 過 ごしていた 金<br />
曜 の 夜 は ,ス ポ ーツ ジムで 運 動 し た<br />
り,イエス・キリストの 贖 罪 について<br />
学 んだりする 時 間 に 取 って 代 わりまし<br />
た。<br />
いつかわたしが 仕 えることになる<br />
人 々や, 将 来 の 同 僚 たちについてさえ<br />
も 毎 晩 祈 りました。<br />
そしてついに 宣 教 師 となる 資 格 を 得<br />
て,ニュージーランドのオークランド<br />
伝 道 部 でトンガ 語 の 地 域 に 召 されまし<br />
た。<br />
み たま<br />
ストリートアートと 御 霊<br />
宣 教 師 訓 練 センターに 入 ったとき,<br />
イエス・キリストとそ の 贖 罪 ,そして 自<br />
48 リ ア ホ ナ
分 自 身 についてもっと 学 ぶべきことが<br />
たくさんあることに 気 づきました。 わ<br />
たしはトンガ 人 の 家 系 の 生 まれで す<br />
が, 南 太 平 洋 諸 島 を 訪 れ たことは な<br />
く,トン ガ 語 に 苦 労 しまし た 。 ニ ュー<br />
ジ ーランド に 着 い たとき, 人 々 がトン<br />
ガ 語 でわたしに 何 と 言 っているのか<br />
分 かりませんでした。 言 いたいことは<br />
たくさんありましたが,まだ 上 手 に 話<br />
せ な か った の で,わたし の 口 数 は 少 な<br />
く, 表 現 もシン プ ル で 片 言 でし た 。 人<br />
から 質 問 されたときは,ただうなずい<br />
ていました。 彼 らはわたしを 笑 い,わ<br />
たしも 一 緒 に 笑 って いまし た が, 一 人<br />
に なると 笑 うど ころか, 失 望 と 落 胆 で<br />
泣 いていました。「 7 年 間 も 頑 張 った<br />
のはこのためなの ? 」と 自 問 しました。<br />
そして 天 の 御 父 に 祈 りました。エテ<br />
ル 書 第 1 2 章 2 7 節 か ら,わ たし た ち<br />
は 主 に 頼 るときに , 弱 さが 強 さに なる<br />
と 学 んでいます。わたしは 自 分 の 弱 さ<br />
と 主 を 信 頼 していることを 御 父 に 告 げ<br />
て, 再 び 起 き 上 がり……また 起 き 上 が<br />
り…… 何 度 も 起 き 上 がりました。 わ<br />
たしはキリストにもっと 頼 るようにな<br />
り,また 自 分 の 強 さにも 頼 り 始 めまし<br />
た。<br />
わたしは 福 音 とストリートアートが<br />
大 好 きなので,その 二 つを 組 み 合 わせ<br />
ることにしました。 聖 典 とスケッチ<br />
ブック,チャコール ペンシル〔 訳 注<br />
― 木 炭 の 粉 末 と 粘 土 で 作 られた 描<br />
画 道 具 〕, 油 性 ペンとスプレーペンキ<br />
をリュックサックに 詰 めました。 同 僚<br />
は,「スプレーペンキで 何 をするつもり<br />
な の?」と 笑 って 尋 ねまし た。「 言 葉<br />
は まだ うまく 話 せ な い けど,わ たし の<br />
あかし<br />
証 をほかの 人 に 見 せることはできる<br />
わ」と 説 明 しました。<br />
残 りの 伝 道 期 間 は , 建 物 で は なく<br />
紙 の 上 に 描 いたストリートアートを 使<br />
い, 御 霊 に 頼 って 人 々にキリストにつ<br />
いて 教 えました。 信 じられないかもし<br />
れ ま せ ん が,そ れ が うまくい った の で<br />
す。 多 くの 人 々はわたしのメッセージ<br />
を 聞 こうとし な か った の で,わ たし は<br />
絵 を 描 きました。わたしがストリート<br />
アートを 描 いていたと 言 うと, 扉 が 開<br />
かれそれを 見 ようとする 人 がいました<br />
が, 彼 らはわたしの 言 うことを 信 じて<br />
いませんでした。そこで 彼 らが 3 分 計<br />
る 間 に ,わ たし は 信 仰 という 言 葉 につ<br />
いて 教 えながらそれを 絵 で 表 現 しま<br />
し た 。 彼 ら の 多 くは , 不 当 に 裁 か れて<br />
いる, 愛 されていないと 感 じていまし<br />
た。 わたしたちはキリストに 信 仰 を 持<br />
ゆる<br />
つ ことに よって, 主 の 愛 と 赦 しを 感 じ<br />
ること が で き, 主 は わ たし た ち がより<br />
善 い 者 となれるように 主 が 助 けてくだ<br />
さると 証 することができました。 主 が<br />
わたしにそうしてくださったからです。<br />
伝 道 の た め の 7 年 間 の 備 え は , 自<br />
分 自 身 についてよく 知 る 機 会 となりま<br />
し た 。 そ の 期 間 に ,キリスト の 贖 罪<br />
と, 自 分 の 弱 さを 克 服 する 助 けとなる<br />
主 の 力 ,そして 自 分 が 知 っていること<br />
を 人 々と 分 かち 合 うために 自 分 の 強 さ<br />
を 生 かすことについて 証 を 得 ることが<br />
できました。 結 果 として 言 えること<br />
は,7 年 間 準 備 した 価 値 があったとい<br />
うことです。■<br />
ヤ<br />
ン<br />
グ<br />
ア<br />
ダ<br />
ル<br />
ト<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 ユタ 州 在 住 です。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 49
中 央 若 い 男 性 会 長<br />
スティーブン・W・<br />
オーウェン<br />
14<br />
歳<br />
のとき,わたし はある 決 断 をし ,それ<br />
ていないと 分 かっていました。わたしはどっち 付 か<br />
がすべてを 変 えました 。 金 曜 の 夜 , 仲 ずの 立 場 にいました 。 繰 り 返 し, 両 親 に 対 しては 友<br />
間 と 通 りを 歩 いていたわたしは ,いつ<br />
達 を, 友 達 に 対 しては 両 親 をかばっている 自 分 に 気<br />
ものように 楽 しい 時 間 を 過 ごしていました。でもその がつきました。<br />
晩 は , 何 とかしなければならない 問 題 があると 分 か っ そのような 状 況 で,その 金 曜 日 の 夜 ,わたしたちは<br />
ていました 。 ただ , 自 分 にそれができるかどうか 分 か 通 りを 歩 いていたのです。 友 達 が 酒 を 飲 み ,た ばこ<br />
りませんでした。<br />
を 吸 い 始 めました。わたしは 彼 らのしていることに<br />
数 年 前 から, 友 達 がたばこや 酒 を 試 し 始 めたので ついて 自 分 がどんなに 居 心 地 の 悪 い 思 いをしている<br />
す。 最 初 は 1 回 か 2 回 試 すだけのゆっくりとしたかに ,やっと 気 がつきました 。 そして, 決 心 しました 。<br />
ペ ースでしたが,その 金 曜 日 がや って 来 るころまで<br />
わたしが 道 の 反 対 側 へ 歩 いていくと,<br />
には, 自 分 たちだけになると 定 期 的 にたばこを 吸 っ 友 達 は わ た し を あ ざ 笑 い ,「 い い 子 ぶ っ た 優 等<br />
たり 酒 を 飲 んだりするようになっていました。 生 !」と 言 いました 。 そして,そのまま 彼 らの 方 に 戻<br />
わたしは 自 分 さえ 手 を 出 さなければ, 友 達 と 楽 し らないなら,もう 仲 間 ではないと 言 いました。<br />
く 過 ごせると 思 っていました。もちろん, 両 親 はその やがて 道 の 終 わりに 来 ると, 友 達 は 左 へ ,わたし<br />
友 達 に 何 か 問 題 があると 気 づいていたでしょう。そ は 右 へ 曲 がりました。 家 から3キロほど 離 れた 所 か<br />
して 友 達 は ,わたしの 両 親 が 自 分 たちのことを 認 め ら 歩 いて 帰 ったのですが,3 キロがこれほど 長 く 感 じ<br />
友 達 との<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ク<br />
リ<br />
ス<br />
ト<br />
フ<br />
ァ<br />
ー<br />
・<br />
ソ<br />
ー<br />
ノ<br />
ッ<br />
ク<br />
50 リ ア ホ ナ
青<br />
少<br />
年<br />
岐 路 に 立 ち<br />
わたしは 繰 り 返 し,<br />
両 親 に 対 しては 友 達 を,<br />
友 達 に 対 しては<br />
両 親 をかばっている<br />
自 分 に<br />
気 がつきました。<br />
られたのは 初 めてでした。そのような 勇 気 ある 大 学 ではルームメイトになりました。 助 け 合 って,<br />
選 択 をしたことについて, 良 い 気 持 ちを 感 じただ ふさわしい 結 婚 相 手 を 見 つけ, 神 殿 に 向 かう 細 く<br />
ろうと 思 われるかもしれません 。 でも,そのとき<br />
て 狭 い 道 を 歩 み,その 後 も 助 け 合 いは 続 きまし<br />
は 最 悪 な 気 分 でした。 次 の 朝 起 きると, 自 分 は た。 何 年 もたった 今 でも,わたしたちは 親 友<br />
友 達 を 失 くして 独 りぼっちになったのだと 気 が です。そしてそれは,わたしが 必 要 としてい<br />
ついて 恐 ろしくなりました。 14 歳 にとっては 深 たときにかかってきた 一 本 の 電 話 から 始<br />
刻 なことでした。<br />
まったのでした。<br />
新 しい 友 達<br />
母 の 影 響<br />
何 日 もしないうちに,デイブという 名 の 教 会 員 少 なくともわたし は ,それがすべて<br />
から 電 話 がかかってきました。 土 曜 の 夜 に 彼 の の 始 まりだと 思 っていました。 何 年<br />
家 に 来 ないかというのです。 次 の 日 には, 彼 の も 後 になって,わたしたちが 親 友<br />
家 族 と 一 緒 に 食 事 をしようとも 誘 ってくれまし にな ったことには ,ひ そかに 母<br />
た。 友 達 が 一 人 もいないそのときの 状 況 よりは が 大 きくかかわっていたこと<br />
よっぽど 楽 しそうに 思 えたので, 誘 いを 受 けるこ が 分 かり,ほんとうに 驚 きま<br />
とにしました。<br />
した。 以 前 からの 友 達 を<br />
デイブとわたしは 楽 しい 時 間 を 過 ごしました。 失 くして すぐに , 母 はわた<br />
もちろん,たばこも 酒 もありません。デイブのお しに 何 かあったと 気 づ<br />
父 さんが 夕 食 のときに 祈 るのを 聞 いて,ほんとう き,デイブの 母 親 に 電<br />
に 良 い 気 持 ちがしました。もしかしたら,この 話 して 何 とか 助 ける<br />
状 況 は 良 くなるかもしれないと 思 い 始 めました。 ことはできないか<br />
そして,デイブとわたしは 親 友 になったのでと 相 談 したので<br />
す。 一 緒 にフットボ ールをして, 学 校 に 行 き, 助<br />
け 合 って 伝 道 に 行 きました。 伝 道 から 帰 ると,<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 51
主 の 側 にはいつでも,<br />
難 しい 選 択 をした 人 が<br />
いることを<br />
知 っておいてください。<br />
彼 らはあなたとともに<br />
歩 むでしょう。<br />
す。それでデイブの 母 親 は,デイブにわたしと 話<br />
して 家 へ 招 待 するように 言 いました。 助 けを 必<br />
要 としている 人 を 助 けるようにと 促 すささやき<br />
は , 聖 霊 からもたらされることもあれば , 母 親 と<br />
いう「 聖 霊 の 力 で 語 る」 天 使 来 ることもあり<br />
ま す( 2 ニ ーファイ 3 2 : 3 )。<br />
もし , 母 がわたしの 悩 みに 気 がついて 行 動 を<br />
起 こさなかったら,わたしとデイブの 人 生 はどれ<br />
ほど 違 っていただろうかとよく 考 えます。 このこ<br />
とから, 天 の 御 父 がどのようにわたしたちを 祝 福<br />
してくださるかが 分 かるのではないでしょうか。<br />
神 はわたしたちのあらゆる 必 要 を 御 存 じで,「 愛<br />
する 人 々の 言 葉 や 行 いを 通 して 祝 福 を 」 送 って<br />
くださいます(“ Each Life That Touches Ours<br />
for Good,”『 賛 美 歌 』〔 英 語 〕293 番 )。<br />
ともに 歩 む<br />
結 局 ,わたしたちは 自 分 自 身 の 選 択 にすべて<br />
の 責 任 を 負 っています。トーマス・S・モンソン<br />
大 管 長 が 繰 り 返 し 話 し て い る よ う に ,「 自 分 の 選<br />
択 が 行 く 末 を 決 める」 1 のであり,そ れらの 選 択<br />
の 多 くは 個 人 がそれぞれに 行 わなければなりま<br />
せん 。 時 には , 選 択 したことにより 孤 立 し , 独 り<br />
ぼっちだと 感 じることさえあります。しかし 天 の<br />
御 父 は ,わたしたちをこの 地 上 に 独 りぼっちの<br />
状 態 で 送 られたわけではありません。<br />
重 要 なときに 行 った 選 択 は,わたしの 人 生 を<br />
祝 福 し , 導 いてくれまし た 。 しかし ,それらの 選<br />
択 は, 母 の 祈 りのこもった 努 力 とデイブの 助 けと<br />
友 情 により, 霊 感 を 与 えられ , 強 められてきまし<br />
た。<br />
この 世 で 与 えられるテストは, 学 校 でよく 受 け<br />
るようなテストとは 違 います。 学 校 のテストでは,<br />
自 分 自 身 のテストをじ っと 見 つめ, 隣 人 の 助 けを<br />
受 けることは 許 されません。しかし,このテスト<br />
ではお 互 いに 助 け 合 うことができますし,そうし<br />
なければなりません。 実 のところそれがテストの<br />
一 部 でもあります。ですから, 選 択 によって 寂 し<br />
い 思 いをすることがあるかもしれませんが, 主 の<br />
側 にはいつでも, 難 しい 選 択 をした 人 たちがい<br />
ることを 知 っておいてください。 彼 らはあなたと<br />
ともに 歩 むでしょう。そして 彼 らもともに 歩 んで<br />
くれるあなたを 必 要 としているのです。■<br />
注<br />
1. トーマス・S・モンソン「 選 択 」『リアホナ』2016 年 5 月<br />
号 ,8 6<br />
52 リ ア ホ ナ
カエルの 写 真 © KERKLA AND ANTAGAIN/GETTY IMAGES;<br />
背 景 と 葉 の 写 真 © ISTOCK/THINKSTOCK<br />
人 々に<br />
手 を 差 し 伸 べよう<br />
「〔 皆 さん,どうか〕すべての 人 が…… 愛 され 大 切 にされていることを<br />
感 じられるようにする 勇 気 をぜひ 持 ってください。」<br />
トーマス・S・モンソン 大 管 長 「 勇 気 を 持 てるように 」2009 年 4 月 総 大 会
見 つけ,<br />
提 出 し,<br />
教 える ―<br />
神 殿 のチャレンジに<br />
加 わる<br />
チャレンジは 続 いています。<br />
もう 始 めていますか?
カリッサ・クレーマー<br />
青<br />
少<br />
年<br />
二 使 徒 定 員 会 のニール・L・アンダーセン 長 老 は,「 神 殿 で 行 うバプテスマの 数 と 同 じ<br />
十<br />
数 の 名 前 を 神 殿 のために 準 備 してください。そして 同 じことができるようにほかのだ<br />
れかを 助 けてください」と 青 少 年 を 招 きました。 1 十 二 使 徒 定 員 会 のデール・G・レン<br />
いや<br />
ランド 長 老 も,この 使 徒 のチャレンジに 参 加 すれば 霊 的 な 守 りと 家 族 の 癒 しがもたらされると 約<br />
束 しました。 2<br />
考 えてみてください。 主 の 使 徒 が 自 分 の 家 族 の 名 前 を 神 殿 へ 提 出 することで, 家 族 歴 史 の 業<br />
に 加 わるように 皆 を 励 ましているのです。あなたが 神 殿 で 行 うすべての 儀 式 が, 自 分 の 家 族 の<br />
ためであったらどんなにすばらしいでしょうか。アンダーセン 長 老 は, 世 界 中 の 青 少 年 に,その<br />
ように 行 い,そして 友 人 や 家 族 が 同 じことができるように 助 けるよう 勧 めました。<br />
み たま あかし<br />
この チ ャレンジ を 受 け 入 れ るとき, 皆 さん は 御 霊 を 感 じ, 証 を 増 し, 神 殿 での 経 験 をさらに 良<br />
いものにすることができます。どこから 始 めたらよいか 分 かりませんか。このチャレンジを 小 さ<br />
なステップに 分 けて 見 ていきましょう。<br />
「 皆 さんは 神 の 息 子 娘 , 聖 約<br />
の 子 孫 , 王 国 の 建 設 者 で す。<br />
皆 さんは 人 類 家 族 の 救 いの<br />
業 を 手 伝 う 責 任 を 果 たすの<br />
に,…… 待 つ 必 要 はないので<br />
す 。」<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
デビッド・A・ベドナー 長 老<br />
「 子 孫 の 心 は 向 かうであろう」<br />
『リアホナ 』2011 年 11 月 号 ,26<br />
見 つける 提 出 する 教 える<br />
まず, 神 殿 へ 提 出 する 名 前<br />
を 見 つけて,FamilySearch.<br />
org に 入 力 します。4 世 代 が<br />
完 了 して い れ ば ,ファミリー<br />
サーチの 子 孫 画 面 を 試 して<br />
ください 。 また は , 自 分 の 系<br />
図 に 多 くの 空 欄 が あ れ ば,<br />
FamilySearch.org/findnames<br />
をチェックすることから 始 め<br />
られます。<br />
FamilySearch.org で 儀<br />
式 を 予 約 して 印 刷 した 後 は,<br />
推 薦 状 を 携 え ,バ プ テスマと<br />
確 認 のために 神 殿 にそれら<br />
の 名 前 を 持 って 行 くことが で<br />
きます。 エンダウメントを 受<br />
けている 家 族 や 友 人 に, 残<br />
りの 儀 式 を 完 了 してもらうこ<br />
とや,またはファミリーサー<br />
チを 通 じて, 神 殿 に 提 出 し,<br />
儀 式 を 行 ってもらうことがで<br />
きます。<br />
家 族 歴 史 に 携 わる 喜 びを<br />
周 りの 人 と 分 かち 合 いましょ<br />
う。 友 人 とともに 家 族 歴 史<br />
の 夕 べを 開 くこともできます<br />
し, 両 親 や 兄 弟 と 一 緒 にファ<br />
ミリーツリーに 名 前 を 入 れて<br />
もよいでしょう。ハッシュタ<br />
グ「# 神 殿 チャレンジ」<br />
(#TempleChallenge)を 使 っ<br />
てソーシャルメディアで 経 験<br />
を 分 かち 合 うことが できま<br />
す。<br />
チャレンジにこたえる<br />
「もし 神 殿 のチャレンジを 受<br />
け 入 れるなら 約 束 と 祝 福 が<br />
与 え ら れ る と 聞 い て ,そ の 言<br />
葉 を 試 してみることに 決 め<br />
ました。 御 霊 を 強 く 感 じ,<br />
幕 の 向 こうでも, 霊 たちが 同<br />
じように 大 喜 びしているこ<br />
と が 分 か り ま し た 。」<br />
ウェスリー・R(フランス)<br />
ポ<br />
ル<br />
ト<br />
ガ<br />
ル<br />
・<br />
リ<br />
ス<br />
ボ<br />
ン<br />
神<br />
殿<br />
の<br />
完<br />
成<br />
予<br />
想<br />
図<br />
準 備 はいいですか?<br />
家 族 歴 史 の 経 験 がどの 程 度 であれ,このチャレンジに 参 加 するには 多 くの 方 法 があります。<br />
今 日 , 主 の 業 を 前 進 させるために 何 ができるか 考 えてみてください。■<br />
著 者 はアメリカ 合 衆 国 ユタ 州 在 住 です。<br />
注<br />
1. ニール・L・アンダーセン,“ Is Anything Too Hard for the Lord? ”(ルーツテック 大 会 での 説 教 ,2015 年 2 月 14 日 ),lds.org/<br />
topics/family-history<br />
2. デール・G・レンランド,“Opening General Session”(ルーツテック 大 会 での 説 教 ,2016 年 2 月 6 日 ) 参 照 ,lds.org/topics/<br />
family-history<br />
templechallenge.lds.<br />
org にあるチャレンジを 受<br />
け 入 れ , 達 成 し , 分 か ち 合 って<br />
く だ さ い 。 ハ ッ シ ュ タ グ「 #<br />
TempleChallenge」を 使 って<br />
経 験 を 分 かち 合 ってくださ<br />
い。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 55
家 族 のストーリーを<br />
発 見 するとき,<br />
その 過 程 で<br />
自 分 自 身 について<br />
学 びます。<br />
2<br />
3<br />
家 族 歴 史 に 参 加 する<br />
3 つの 方 法<br />
教 会 機 関 誌<br />
サリー・ジョンソン・オデカーク<br />
十<br />
二 使 徒 定 員 会 のデビッド・A・ベドナー 長 老 が<br />
「 皆 さん は , 友 達 と 手 早 く 連 絡 を 取 り 合 うためだ け<br />
ではなく, 主 の 業 を 加 速 し 進 めるために 携 帯 メー<br />
ルやツイッターを 学 んできたのです」と 語 ったとき, 長 老 は<br />
皆 さんについて 話 していたのです。そして,「わたしは〔 皆 さ<br />
ん 〕に ,… … 学 び, 先 祖 を 探 し 出 し, 亡 くな った 皆 さん の 親<br />
族 のために 主 の 宮 で 身 代 わりのバプテスマを 行 う 準 備 をす<br />
る ように 勧 め ま す 」と 話 し まし た(「 子 孫 の 心 は 向 か うで あ ろ<br />
う」『リアホナ』2011 年 11 月 号 ,26)。<br />
世 界 中 の 何 千 人 もの 若 い 男 性 と 若 い 女 性 が,べドナー 長<br />
老 の 招 きを 受 けいれ, 自 分 の 先 祖 を 探 し 出 して 彼 らのため<br />
に 身 代 わりの 儀 式 を 行 っています。 若 い 女 性 のケイトリン・<br />
D は, 家 族 の 名 前 を 神 殿 に 持 って 行 くと, 神 殿 に 行 くことが<br />
さらに 意 義 深 い 経 験 になると 分 かりました。<br />
「 家 族 の 神 殿 の 儀 式 を 始 めたとき, 自 分 が 住 んで いる 混 乱<br />
した 世 の 中 にあって, 自 分 自 身 を 穏 やかに 落 ち 着 かせること<br />
ができる 時 間 は, 聖 なる 場 所 の 中 だけだと 気 がつきました。<br />
また, 亡 くなった 人 たちを 身 近 に 感 じ 始 めました。バプテス<br />
マと 確 認 の 儀 式 をしているときには,このことが 起 こるのを<br />
長 いこと 待 っていた 人 々について 考 え 始 めました。 愛 と 希 望<br />
に 満 ちたあの 気 持 ちは,とても 言 葉 では 言 い 表 せません。<br />
あかし<br />
証 がほんとうに 強 められました。<br />
家 族 歴 史 と 神 殿 の 業 を 行 う 方 法 はたくさんありますが,ど<br />
こか ら 始 め れ ばよいでしょうか 。 3 人 の 青 少 年 が, 家 族 のス<br />
トーリー につ いて 学 び, 家 族 にインタビューし , 神 殿 に 提 出 す<br />
るために 家 族 の 名 前 を 見 つけた 経 験 について 分 かち 合 って<br />
います。<br />
牧<br />
場<br />
主<br />
と<br />
墓<br />
石<br />
の<br />
写<br />
真<br />
/<br />
C<br />
ISTOCK/THINKSTOCK<br />
56 リ ア ホ ナ
1先 祖 はわたしの<br />
良 い 模 範 です<br />
カ イル ・S( アメリ カ 合 衆 国 ,テ キ サ ス 州 )<br />
両<br />
親 とわたしは,2 011 年 10 月 の 総 大 会 で ベドナー<br />
長 老 が, 家 族 歴 史 を 行 うとサタンに 対 する 守 りが<br />
与 えられると 話 すのを 聞 きました。それで 家 族 歴<br />
史 を 始 めることにしました。わたしは 家 族 歴 史 から 学 び, 成<br />
長 し 続 けています。とても 楽 しい 時 間 です。<br />
自 分 の 受 け 継 ぎや 先 祖 について 学 ぶのが 好 きです。 彼 ら<br />
の 経 験 から 学 び,より 善 い 人 になれるよう 自 分 の 生 活 に 応 用<br />
しています。 彼 らがどんな 人 たちで,どんな 仕 事 をして,ど<br />
んな 生 活 をして,どんなに 大 変 だったかを 見 いだすのはすば<br />
らしいことです。<br />
例 えば,1 8 7 0 年 代 に 牛 の 牧 場 主 になろうとアメリカ 合 衆<br />
国 テネシー 州 からテキサス 州 に 家 族 とともに 移 住 した 先 祖 に<br />
ついて 学 ぶのは 楽 しいことでした。 彼 は 人 生 で 多 くの 困 難<br />
に 遭 いました。 人 生 には 大 変 なことがあるのだから, 自 分<br />
の 信 じていることをしっかり 守 ることが 大 切 だと 彼 から 学 び<br />
ました。<br />
自 分 の 生 活 に 試 しがあるとき 家 族 歴 史 を 行 うと,ベド<br />
ナー 長 老 が 約 束 したとおり, 先 祖 がいつもそばにいてくれ<br />
て, 大 変 な 試 練 を 助 け てくれ るように 感 じます。<br />
どのように 家 族 歴 史 がわたしたちを 変 えるか<br />
「 心 を 先 祖 に 向 けるとき,わたしたちの 内 部 に 何 かの 変 化 が 起 きま<br />
す。 自 分 よりも 何 か 偉 大 なものを 感 じます。わたしたちは 神 殿 の<br />
聖 なる 儀 式 を 通 して 先 祖 と 結 ばれるときに, 家 族 との 結 びつきを<br />
求 め る 生 来 の 切 な る 思 い が 満 た さ れ ま す 。」<br />
十 二 使 徒 定 員 会 ラッセル・M・ネルソン 会 長<br />
「 先 祖 と 愛 によって 結 ばれる 」<br />
『リアホナ』2010 年 5 月 号 ,92<br />
青<br />
Youth<br />
少<br />
年<br />
家 族 のストーリーの 見 つけ 方<br />
先 祖 が 好 きだったことについてのストーリーを 集 めてくだ<br />
さい。 先 祖 を 身 近 に 感 じ, 皆 さんとの 共 通 点 が 見 つかるで<br />
しょう。どんなスポーツをしていましたか。どんなものを 食<br />
べていましたか。 学 校 はどんな 様 子 だったのでしょうか。<br />
先 祖 の 人 生 のストーリー につ いて, 両 親 や 祖 父 母 と 話 して<br />
ください。 家 族 のストーリーを 集 めたり 分 かち 合 ったりする<br />
方 法 として, 教 会 の 冊 子 『 わたし の 家 族 』を 使 うことが で き<br />
ます。 FamilySearch.org には, 家 族 のほかの 人 が 先 祖 に<br />
つ いて 知 ることが で きるよう, 写 真 ,ストーリー, 情 報 源 , 音<br />
声 記 録 , 資 料 を 載 せることができます。 FamilySearch.org<br />
を 開 いて,「 思 い 出 」をクリックして 始 めてください。
2 3<br />
祖 父 母 のストーリーを<br />
記 録 する<br />
マティアス・M(アメリカ 合 衆 国 ,ユタ 州 )<br />
わたしの 祖 父 母 は,ウルグアイに 住 んでいます。<br />
母 方 の 祖 父 母 がわたしの 家 族 を 訪 れたとき,こ<br />
の 機 会 をとらえて 彼 らにインタビューし, 二 人 が<br />
教 会 の 会 員 になったいきさつを 知 りました。 以 前 に 聞 いた<br />
ことがなかったので,そのストーリーを 聞 くのはほんとうに<br />
すばらしい 経 験 でした。<br />
インタビューしながらメモを 取 り, 聞 きたいときにはいつ<br />
でもまた 聞 けるように 携 帯 電 話 を 使 って 録 音 もしました。<br />
音 声 ファイルをファミリーサーチにアップロードして, 現 在<br />
も 将 来 もほかの 人 が 彼 らのストーリーを 聞 いて 恩 恵 を 受 け<br />
られるようにしました。<br />
数 か 月 後 には, 父 方 の 祖 父 母 のインタビューを 記 録 して<br />
アップロードすることができました。 以 前 には 知 らなかっ<br />
た 多 くのことを 学 び,わたしが 考 えていた 以 上 に 祖 父 母 は<br />
自 分 たちの 人 生 についてよく 話 してくれました。<br />
祖 父 母 のストーリーや,わたしへのアドバイスに 耳 を 傾 け<br />
るのはほんとうにすばらしいことでした。 短 い 時 間 を 使 っ<br />
てこ れ ら の インタビューを 行 ったことが,モル モン 書 の 預 言<br />
者 ニーファイが 子 孫 にしたように,「〔わたしの〕 子 供 たちに<br />
…… キリストを 信 じるよう…… に 説 き 勧 める」(2ニーファ<br />
イ 2 5:2 3 ) 助 けとなると 知 っています。 わたしの 子 供 たち<br />
が 祖 父 母 の 証 を 聞 くとき, 彼 らの 証 も 強 められるでしょう。<br />
家 族 にインタビューする 方 法<br />
ワードや 支 部 の 活 動 で,あなたやほかの 青 少 年 が 年 長 の<br />
家 族 にインタビューすることができます。 両 親 や 祖 父 母 や<br />
ほかの 親 族 に 聞 いてみたい 質 問 を 一 つか 二 つ 考 えてくださ<br />
い 。 そ れ か ら, 一 緒 に 座 って, 彼 ら の 人 生 に つ いての 質 問<br />
をして 携 帯 電 話 で 録 画 または 録 音 します。 それが できた<br />
ら,FamilySearch.org の「 思 い 出 」の 項 にアップロードし<br />
ます。<br />
わたしの 目 標 ―<br />
神 殿 に 10 人 の 家 族 の 名 前 を 提 出 する<br />
ラハ ネ・S( ジャマイカ )<br />
系<br />
図 作 業 にはいつも 興 味 を 引 かれていましたか<br />
ら, 地 域 会 長 会 が 青 少 年 に 10 人 の 先 祖 の 名 前<br />
を 神 殿 のバプテスマと 確 認 のために 集 めるとい<br />
う 目 標 を 与 えてくれ たとき,とてもうれしく 思 いました 。<br />
何 の 助 けもなしに 探 求 を 始 めましたが, 行 き 詰 まってし<br />
まいました。 3 人 の 名 前 以 外 には 何 の 情 報 もなく, 霊 的 に<br />
も 物 理 的 にもどうしようもなくなったとき, 母 に 助 けを 求 め<br />
ることにしました。 母 は 祖 母 に 電 話 するよう 提 案 してくれ<br />
ました。 祖 母 に 電 話 をすると, 喜 んで 助 けてくれました。<br />
祖 母 と 何 人 かの 先 祖 について 話 すことができ, 彼 らのため<br />
に 身 代 わりの 儀 式 を 行 う 許 可 までくれたのです。わたしは<br />
大 喜 びし, 感 謝 しました。<br />
神 殿 ツアー が 近 づ いてきまし た が, 父 方 の 先 祖 の 名 前 が<br />
まったくありま せんでし た 。 家 を 出 る 2 ,3 時 間 前 に ,わた<br />
しは 墓 地 に 行 くべきだと 感 じ, 父 から 父 のおばに 電 話 して<br />
墓 地 に 来 るよう 頼 んでもらうべきだと 感 じました。わたし<br />
たちは 墓 地 に 向 かい,わたしは 父 と 大 おばが 墓 地 の 周 りを<br />
歩 くの を 見 て いたとき, 自 分 が 先 祖 の 墓 石 の 方 に 導 か れて<br />
いるのを 感 じました。 彼 らが 福 音 を 喜 んで 受 け 入 れようと<br />
しているのを 感 じました。わたしは 聖 霊 と 家 族 の 助 けによ<br />
り, 目 標 を 達 成 すること が で きまし た 。 1 6 人 の 先 祖 の 名<br />
前 を 神 殿 に 提 出 する 準 備 ができたのです。<br />
神 殿 に 行 くと,す で に 備 えら れ , 待 って い た 先 祖 の 情 熱<br />
と 興 奮 を 感 じることができました。バプテスマと 確 認 のと<br />
き, 先 祖 の 霊 が 喜 びと 平 安 に 満 たされるのを 感 じることが<br />
できました。ほんとうにすばらしい 気 持 ちを 感 じて, 特 別<br />
な 業 に 加 わる 機 会 を 与 えてくれた 先 祖 にただ 感 謝 するばか<br />
りでした。<br />
神 殿 儀 式 のための 家 族 の 名 前 を 探 す 方 法<br />
神 殿 の 儀 式 を 完 了 する 必 要 のある 先 祖 を 探 せるように,<br />
FamilySearch.org で 子 孫 画 面 を 試 してください 。それか<br />
ら, 青 少 年 の 神 殿 の チ ャレンジ に 挑 戦 してみましょう ―<br />
本 誌 の 5 4 ページを 参 照 してください。■<br />
58 リ ア ホ ナ
教 え に 教 え<br />
青<br />
少<br />
年<br />
1 コリント 10:13<br />
使 徒 パウロは,わたしたちが 誘 惑 に 耐 える 方 法 を 教 えました。<br />
誘 惑<br />
「 悪 魔 はわたしたち<br />
を … … い つ,どこで,<br />
どのように 誘 惑 した<br />
らよいかを 知 ってい<br />
ます。 わたしたちは<br />
聖 霊 の 導 きに 従 って い るなら, 悪 魔 の<br />
策 略 を 見 抜 くことが できます。 ……<br />
どれほど 強 い 誘 惑 を 受 けるかでは<br />
なく,どれほど 信 仰 深 く 抵 抗 するかに<br />
よってわたしたちの 成 功 が 測 られま<br />
す。 天 の 御 父 の 助 けを 求 め, 御 子 イエ<br />
しょくざい ス・キリストの 贖 罪 による 力 を 求 めな<br />
け れ ば な りま せ ん 。」<br />
十 二 使 徒 定 員 会 ロバート・D・ヘイルズ 長 老<br />
2009 年 4 月 総 大 会<br />
神 は 真 実 である<br />
真 実 である ― 信 頼 で きる, 忠 実<br />
な。 神 はわたしたちが 誘 惑 に 耐 え, 誘 惑<br />
から 逃 れられるよう 助 けてくださると<br />
いう 神 の 約 束 をわたしたちは 信 頼 する<br />
ことができます。<br />
のがれる 道<br />
逃 れる 道 が 常 にあります。すなわち,<br />
別 の 選 択 を する, 別 の 場 所 へ 行 く, 別<br />
のことを 行 うなどです。ほかのすべて<br />
の 方 法 が 失 敗 し た 場 合 ,エ ジ プト の<br />
ヨセフの 模 範 に 従 い ,た だ 逃 げ てくだ<br />
さい( 創 世 39:7 -12 参 照 )。<br />
耐 えられないような<br />
わたしたちは 誘 惑 を 避 けるようにす<br />
べ きで す。 時 々, 誘 惑 を 受 け て すぐ に<br />
それを 拒 絶 することができないために,<br />
誘 惑 から 逃 れるのが 難 しくなることが<br />
あります。 十 二 使 徒 定 員 会 のニール・<br />
A・マックスウェル 長 老 ( 1 9 2 6 - 2 0 0 4<br />
年 )が 次 のように 教 えたとおりです。<br />
「もちろん,イエスは 御 自 分 に 降 りか<br />
かってきた 途 方 もない 誘 惑 に 気 づいて<br />
おられました。しかしイエスはそれら<br />
をいつまでも 心 に 留 めておくことはされ<br />
ず, 即 座 にそ れ らを 退 けられ た の で す。<br />
わたしたちも 受 けた 誘 惑 に 心 を 留 め,<br />
もてあそんでいると, 誘 惑 にもてあそば<br />
れてしまうようになります。」( 1987 年<br />
4 月 の 総 大 会 )<br />
世 の 常<br />
わたしたちは 皆 , 受 ける 誘 惑 は 異<br />
なっているかもしれませんが,すべての<br />
人 が 誘 惑 されます。 誘 惑 は 必 要 です。<br />
「 悪 魔 が 人 の 子 らを 誘 惑 するのは 必 要<br />
で あ る 。 そうで な け れ ば , 人 の 子 らは<br />
自 ら 選 択 し 行 動 する 者 とはなれない」<br />
か らで す( 教 義 と 聖 約 2 9 : 3 9 )。<br />
それに 耐 えられるように<br />
聖 文 は ,わたし たちが 誘 惑 に 耐 えら<br />
れるよう, 自 分 の 責 任 において 誘 惑 を<br />
ひ けつ<br />
避 けるのに 役 立 つ 秘 訣 を 幾 つか 与 えて<br />
います ―<br />
• 目 を 覚 まして いて 絶 えず 祈 る( マ<br />
タイ 26:41;アルマ 13:28;31:<br />
10;34:39;3 ニ ー フ ァ イ 18:<br />
18; 教 義 と 聖 約 31:12)。<br />
• イエス・キリストに 頼 る(アルマ<br />
37:33 参 照 )。なぜなら,「 主 ご 自<br />
身 , 試 練 を 受 け て 苦 しまれ た から<br />
こそ, 試 練 の 中 に あ る 者 たちを 助<br />
けることが できる」からで す( ヘブ<br />
ル 2:18;アルマ 7:11 も 参 照 )。<br />
• 「あなたがたは 主 の 御 前 にへりくだ<br />
り」(アルマ 13:28),「 高 慢 に 気 を<br />
つ け な さ い 。」( 教 義 と 聖 約 2 3 : 1 )<br />
•「 神 の 言 葉 に 聞 き 従 って,それに<br />
し っ か り つ か ま〔 り な さ い 。〕」<br />
( 1 ニーファイ 15:2 4 )<br />
編 集 者 注 ―このページの 目 的 は, 聖 句 の 完 全 な 解 釈 を 示 すことではありません。このページを 参 考 にして 各 自 で 学 習 を 深 めてください。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 59
教 会 指 導 者 か ら の 答 え<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
ジェフリー・R・<br />
ホランド 長 老<br />
変 わる 方 法<br />
あな た が 罪 を 犯 し , 自 分 の 過<br />
ちの 深 刻 さを 認 識 している<br />
とき,あなたにとって 最 も 重<br />
要 な チ ャレンジ は ,あ な た は 変 わ るこ<br />
とができること, 別 の 自 分 になれるこ<br />
とを 信 じることでしょう。 信 じないこ<br />
とは ,あ な たを 落 胆 さ せ , 打 ち の め す<br />
ことを 目 的 とし た ,サタン の 策 略 で あ<br />
ることは 明 らかです。 悔 い 改 めは 不 吉<br />
な 言 葉 で は あ り ま せ ん 。 そ れ は , 信<br />
仰 に 続 く,キリスト 教 用 語 の 中 で 最 も<br />
勇 気 を 与 える 言 葉 です。あなたは 変<br />
わ ること が で き ま す! あなたは<br />
義 なるもの に お いて, 何 でも 自 分 の な<br />
りたいものになることができます。<br />
わたしが 我 慢 できない 嘆 きの 言 葉<br />
があるとすれば,それはかわいそうで<br />
哀 れ な , 生 気 の な い 次 のような 言 葉 で<br />
す。「 ま あ , 自 分 は そ う だ か ら 。」もし<br />
あなたが 人 を 落 胆 させる 態 度 について<br />
話 をし た い なら,そ の 言 葉 を 使 うこと<br />
こそがわたしを 落 胆 させるのです。<br />
「 自 分 はそうだ から」という 言 葉 につ<br />
いての 演 説 は 控 えてください。 罪 を 犯<br />
すことを 望 み,それを 心 理 学 だと 呼 び<br />
たがるあまりにも 多 くの 人 々から,そ<br />
れについて 聞 いたことがあります。ま<br />
た ,わ たし は , 落 胆 と 疑 いと 絶 望 をも<br />
たらすあらゆる 習 慣 を 意 味 するものと<br />
し て , 罪 という 言 葉 を 使 用 していま<br />
す。<br />
あなたは 変 えたいものは 何 で<br />
も 変 え る こ と が で き ま す し, 非<br />
常 に 早 く 変 えることができます。<br />
悔 い 改 めるには 何 年 も 何 年 も, 永 遠 の<br />
長 い 年 月 が 必 要 だと 信 じさせるのは,<br />
サタンのもう 一 つの 偽 りです。 悔 い 改<br />
めには, 本 気 で「わたしは 変 わる」と<br />
言 えるようになるのとちょうど 同 じ 時<br />
間 が か かりま す。 もち ろん , 解 決 し な<br />
ければならない 問 題 や, 償 わなければ<br />
ならないこともあるでしょう。 あなた<br />
は 永 続 的 に 悔 い 改 めを 証 明 し<br />
ながら 残 りの 人 生 をより 良 く 過 ご<br />
すとが で きま す。 実 際 ,そ のように 過<br />
ご し た 方 が よ い の で す。 し か し, 変<br />
化 , 成 長 , 再 生 ,そして 悔 い 改 め は ,<br />
アルマとモーサヤの 息 子 たちがそうで<br />
あったように, 即 座 にもたらされるこ<br />
ともあります。<br />
誤 解 してはなりません。 悔 い 改 め<br />
は , 簡 単 な も の,ま た は 痛 み を<br />
伴 わないもの,あるいは 便 利 な<br />
ものではありません。それは 地 獄<br />
の 苦 い 杯 となる 可 能 性 があります。し<br />
かし,サタンだけはあなたに, 罪 を 認<br />
め るという 必 要 不 可 欠 なことが, 罪 の<br />
中 に 永 遠 にとどまるよりも 嫌 なことだ<br />
と 思 わせようとします。 サタンは 次 の<br />
ように 言 うだ け で す。「 君 には 変 わる<br />
ことなんてできない。 君 は 変 わらな<br />
い。 変 わるには 時 間 がかかりすぎる<br />
し, 難 しすぎるよ。 諦 めればいい。 降<br />
参 して, 悔 い 改 め な んてや め る ん だ 。<br />
君 は 君 の ま ま で い い の さ 。」 友 人 の 皆<br />
さん,それは 絶 望 から 生 まれたうそで<br />
す。 そのようなことにだまされないで<br />
ください。■<br />
1980 年 3 月 18 日 にブリガム・ヤング 大 学 で 行 われ<br />
たディボーショナルでの 説 教 を 基 に 書 かれました。<br />
60 リ ア ホ ナ
わたしたちのスペース<br />
青<br />
少<br />
年<br />
じゅうぶん 什 分 の 一 と 思 いがけない 奇 跡<br />
わ たしが 最 初 に 什 分 の 一 を 完 納 したのは, 教 会 員 になってまだ 1 か 月<br />
のときでした。わたしは 家 族 の 中 で 唯 一 の 会 員 であり, 什 分 の 一 は<br />
わたしの 家 族 にとって 理 解 し 難 いものでした。 母 は, 什 分 の 一 を 納 めな<br />
いでそのお 金 を 自 分 にくれるようにとわたしに 言 いました。<br />
あ る 日 の 仕 事 の 前 に ,わ たし は , 冷 蔵 庫 の 中 に 食 べ 物 が 何 もなく<br />
て, 何 か 食 べる 物 を 買 わなければならないことに 気 がつきました。<br />
しかしわたしはお 金 を 持 っていなかったため, 昼 食 を 買 うお 金 を 貸<br />
してくれ るよう 母 に 頼 み まし た 。 すると 母 はそ れ を 拒 み , 什 分 の<br />
一 を 納 めたからわたしにはお 金 がないのだと 言 いました。<br />
わたしはモルモン 書 を 取 りに 行 き, 今 日 はこの 本 から 栄 養 ― 霊<br />
的 な 栄 養 ― を 与 えてもらうと 母 に 言 いました。そしてわたしが 母<br />
の 目 の 前 でその 本 を 開 くと,そこには 100 ペソ( 何 か 昼 食 を 買 うのに<br />
十 分 な 金 額 )が 挟 まっていました。まさに 奇 跡 でした。 聖 典 にその<br />
お 金 を 挟 んだのはわたしではありません。わたしは 大 きな 教 訓 を 得 ま<br />
し た 。 そ れ は , 困 難 や 誘 惑 はどこに でもあ るけ れ ど も, 什 分 の 一 を 完 全<br />
に 納 めて 戒 めを 守 っていれば, 常 に 祝 福 されるということです。■<br />
モンセラット・L(メキシコ, 連 邦 区 ・ディストリートフェデラル)<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ケ<br />
イ<br />
テ<br />
ィ<br />
ー<br />
・<br />
ペ<br />
イ<br />
ン<br />
神 殿 のための 時 間<br />
わたし は 1 2 歳 になるとすぐ に , 初<br />
めての 神 殿 推 薦 状 を 受 け 取 りま<br />
した。わたしはその 初 めての 神 殿 で<br />
の 経 験 を 決 して 忘 れないでしょう。わ<br />
たしが 感 じた 平 安 はとても 独 特 なも<br />
のでした。 台 湾 南 部 のわたしの 家 は,<br />
神 殿 から 4 時 間 のところにありました<br />
が,わ たし は 月 に 1 度 ,ステ ー クの 神<br />
殿 参 入 日 に 神 殿 に 行 くことにしまし<br />
た 。 わたし は , 一 緒 に 行 く 人 が だ れも<br />
いなくても 神 殿 に 行 きました。<br />
そ れ か ら 間 もなく,わ たし は 教 会 の<br />
友 人 を 誘 って 一 緒 に 行 くようになりま<br />
し た 。 彼 ら は , 最 初 はそ れ ほ ど 関 心<br />
を 示 しませんでしたが, 今 では 毎 月<br />
行 っています。また,ワードの 人 たち<br />
も 大 勢 神 殿 に 行 くようになりました。<br />
今 ではワードが 計 画 している 神 殿 参<br />
入 の 回 数 に か か わりなく, 多 くの 人 が<br />
参 入 しています。 以 前 のステークには<br />
見 られなかったほど 多 くの 人 が 参 入 し<br />
ているのです。<br />
わたしが 毎 月 参 入 することを 決 意 し<br />
て 間 もなく,わ たし の 家 族 も 毎 月 行 く<br />
ことを 決 意 しました。 神 殿 参 入 日 の 翌<br />
日 に 学 校 でテストがある 場 合 でも,わ<br />
たしは 家 族 と 一 緒 に 定 期 的 に 参 入 し<br />
ます。 こ れまで 7 年 間 ,わたし は 家 族<br />
と 一 緒 にしばしば 神 殿 に 参 入 してきま<br />
した。 神 殿 は 主 の 宮 であり,わたした<br />
ちは 神 殿 に 行 くことが 大 切 であるのを<br />
知 っているのです。■<br />
リュウ チー ユン<br />
劉 慈 雲 ( 台 湾 , 台 南 )<br />
あなたの 好 きな 聖 句 ,または 信 仰 を 築 いた 経 験<br />
を,liahona.lds.org から 送 るか,あるいは liahona<br />
@ldschurch.org に 電 子 メールで 送 ってくださ<br />
い。その 際 には,あなたのワードとステークの<br />
名 称 ,ならびにそれを 公 表 することに 対 する 親<br />
の 許 可 も 添 えてください。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 61
質 疑 応 答<br />
「 宿 題 にたくさん<br />
時 間 を 取 られています。<br />
教 会 の 活 動 , 家 庭 の 夕 べ に<br />
参 加 す る 時 間 や, 聖 文 研 究 を<br />
行 う 時 間 はどのようにして<br />
作 れ ば よ い で し ょ う か 。」<br />
毎<br />
日 アイスクリーム 以 外 , 何 も 食 べ な いと 想 像 してく<br />
ださい。すごく 良 さそうですね。でも,それも 体 調<br />
を 壊 す まで の 話 で す。 で は ,ブ ロッコリーだ け を<br />
食 べて 健 康 でいることができますか。いいえ, 健<br />
康 にはバランスのとれた 様 々な 食 品 が 必 要 です。<br />
さて,わ たし たち の 生 活 に お ける 多 くの 活 動 に つ いて 考 えましょ<br />
う。 わ たし たち の 霊 性 , 人 間 関 係 , 教 育 は , 自 分 の 成 長 にとってす<br />
べて 大 変 重 要 なものです。それでは,この 重 要 な 事 柄 にどのように<br />
優 先 順 位 を 付 けているでしょうか。<br />
今 現 在 ,あなたにとって 最 も 重 要 なものを 見 て,どれに 焦 点 を 当<br />
てるかを 知 るために 祈 ってください。 十 二 使 徒 定 員 会 の M・ラッセ<br />
ル・バラード 長 老 は 次 のように 勧 めています。「 日 々のスケジュー<br />
ルを 書 き 留 めるとき,まず 主 と 交 わした 神 聖 な 聖 約 を 心 に 留 めてく<br />
だ さ い 。」 1 主 を 最 優 先 するなら,すべてがうまくいきます。<br />
次 のことを 覚 えていてください。「それより 良 いことがあり, 最 も<br />
良 い こ とも あ る の で す。」 2 何 が 最 も 重 要 であるかを 決 定 できるよう<br />
聖 霊 を 求 めてください。 宿 題 をする 前 にまず, 泣 いているきょうだ<br />
いを 慰 めるのはよいことかもしれません。ほかには, 友 人 と 映 画 を<br />
見 るよりまずミューチャルに 行 くことを 優 先 したらよいでしょう。 ま<br />
た ,あ なた の 生 活 の 中 で 注 意 をそらすもの を 特 定 するとよいでしょ<br />
う。フェイスブックの 友 人 たちとやり 取 りする 前 に 聖 典 に 時 間 を 費<br />
やしてはどうですか。<br />
何 よりも,「 歩 いても 弱 ること〔 が 〕ない」よう,エネルギーを 得 る<br />
ために, 主 に 頼 ることを 忘 れないでください(イザヤ 40:31 参 照 )。<br />
注<br />
1. M・ラッセル・バラード,“ Keeping Life’s Demands in Balance,”Ensign, 1987 年 5 月 号 ,<br />
14<br />
2. ダリン・H・オークス「 良 いこと,より 良 いこと, 最 も 良 いこと」『リアホナ』2007 年 11 月 号 ,<br />
105<br />
すぐにやる<br />
あ な た が「 あ あ, 時 が 来 たら やるよ」<br />
と 言 うなら ば ,サタン は そ れ を 決 して<br />
行 わないようあなたを 誘 惑 するでしょ<br />
う。たとえほかの 活 動 を 減 らすことに<br />
な っても,このような 霊 的 に 鼓 舞 する<br />
活 動 を 行 うための 時 間 を 取 っておいて<br />
ください。<br />
アリソン・R ,20 歳 (アメリカ 合 衆 国 ,ユタ 州 )<br />
重 要 な 事 柄 のための 時 間 を 作 る<br />
福 音 のための 時 間 を 作 ることができ<br />
な い 場 合 ,そ れ は わ たし たち が あまり<br />
にも 多 くの 事 柄 を やりす ぎ て いて, 活<br />
動 を 少 し 減 らす 必 要 があることを 意 味<br />
しています。 福 音 と 自 分 の 務 めに 関 す<br />
る 活 動 を 計 画 する 必 要 があります。こ<br />
の 方 法 により,わたしたちは 福 音 と,<br />
ほんとうに 重 要 な 事 柄 のための 時 間<br />
を 持 つことになるでしょう。<br />
ノ ア・H ,13 歳 ( アメリカ 合 衆 国 ,ア リゾ ナ 州 )<br />
まず 聖 文 を 研 究 する<br />
わたしは 宿 題 をする 前<br />
に 聖 文 研 究 を 行 いま<br />
す。 学 校 の 勉 強 をする<br />
前 に 聖 文 研 究 を 行 う<br />
と,より 頭 が さえて,もっと 多 くの 知 識<br />
を 記 憶 できるでしょう。 毎 週 の 活 動<br />
では,まずこれらの 活 動 を 予 定 に 入<br />
れる 必 要 があります。その 後 , 空 いて<br />
いる 時 間 にほかのすべての 用 事 を 入<br />
れるのです。<br />
クラーク 長 老 ,20 歳<br />
( チ リ,コ ン セ プ シ オ ン 南 伝 道 部 )<br />
時 間 を 計 画 する<br />
学 生 時 代 , 自 分 の 時 間 を 計 画 する の<br />
62 リ ア ホ ナ<br />
本 誌 の 答 えは, 問 題 解 決 の 一 助 となるように 意 図 されたものであり, 教 会 の 教 義 を 公 式 に 宣 言 するものではありません。
青<br />
少<br />
年<br />
は 簡 単 ではありませんでした。 しか<br />
し,わたしは 毎 週 の 活 動 を 計 画 するた<br />
めの 時 間 割 を 描 きました。そこには,<br />
授 業 ,ルームメイトとの 朝 のディボー<br />
ショナル, 個 人 の 聖 文 研 究 ,インスティ<br />
テュートの クラス ,そ の ほ か の 活 動 が<br />
含 まれて いま す。 また , 重 要 度 の 高 い<br />
順 に 時 間 を 充 てます。 自 分 の 活 動 を<br />
計 画 することは, 先 延 ばしを 克 服 する<br />
助 けとなりました。<br />
ダニエル・A ,19 歳 (ナイジェリア,エド )<br />
永 遠 の 事 柄 を 頭 に 入 れ<br />
ておく<br />
母 の 次 の 言 葉 を 覚 えて<br />
おくようにしています。<br />
「( 一 時 的 で し か な い<br />
現 世 の 事 柄 と は 違 っ て ), 永 遠 に 続<br />
く , 永 遠 の 事 柄 を 優 先 す べ き よ 。」 神<br />
を 優 先 するなら,ほ か の す べ ての 事 柄<br />
が 収 まるべき 場 所 に 収 まることを 学 び<br />
まし た 。 神 の 業 を 行 うなら, 神 は わ た<br />
したちがやるべきことを 行 うのを 助 け<br />
てくださることを 確 信 しています。<br />
バイシャリ・K ,18 歳<br />
(インド,アンドラプラデシュ)<br />
賢 く 行 う<br />
学 校 か ら 家 に 帰 ったら, 遅 れ を 取 らな<br />
いよう 宿 題 を 行 います。そうすること<br />
で, 教 会 の 活 動 の た め に より 多 くの 時<br />
間 を 持 つことになります。もう 一 つ 助<br />
けとなる の は ,わ たし が 毎 日 行 うそ れ<br />
ぞれの 活 動 のために, 母 が 時 間 割 を<br />
使 って 予 定 を 立 ててくれ ることで す。<br />
そ の お か げ で, 活 動 に 参 加 し , 宿 題 を<br />
し, 聖 典 を 読 むことが 簡 単 になります。<br />
レイチェル・O,13 歳 (ブラジル,サンパウロ)<br />
次 回 の 質 問<br />
予 定 を 立 てる<br />
目 を 覚 まし た らま ず,<br />
わず か 数 節 であって<br />
も, 聖 文 を 読 む こと が<br />
で きま す。 そ れ は , 聖<br />
文 を 読 むために 5 分 早 く 起 床 すること<br />
を 意 味 するかもしれません。 家 族 で<br />
の 聖 文 研 究 のためには, 自 分 が 行 っ<br />
ていることをすべて 中 断 して 一 緒 に 研<br />
究 することができる 時 間 帯 に 家 族 と<br />
の 時 間 を 設 定 します。 青 少 年 の 活 動<br />
に 関 しては, 時 間 がすでに 決 まってい<br />
るので, 活 動 に 参 加 してワードの 青 少<br />
年 との 関 係 を 深 めてください。<br />
エレ ナ・F ,15 歳<br />
( アメリカ 合 衆 国 ,アイダ ホ 州 )<br />
主 を 最 優 先 する<br />
優 先 順 位 を 設 定 するこ<br />
とを 身 に つ けると,わ<br />
たしたちが 行 う 必 要 が<br />
あ るす べ ての 事 柄 ,お<br />
もに 主 に 関 する 事 柄 のために 時 間 を<br />
割 く 助 けとなります。 わたしのおもな<br />
優 先 事 項 の 一 つ は , 毎 日 セミナリー に<br />
出 席 することでした。 朝 ,セミナリー<br />
に 出 席 してから 学 校 に 行 った 場 合 ,そ<br />
「ほかの 人 々について<br />
不 親 切 または<br />
不 適 切 な 話 をしないよう,<br />
どのようにして<br />
友 人 に 頼 むことが<br />
で き る で し ょ う か 。」<br />
強 さの 源<br />
「 強 さ は , 慌 た だ し い 生 活 か ら で は な<br />
く, 真 理 と 光 の 堅 固 な 土 台 に 基 を 据 え<br />
る こ と で も た ら さ れ ま す。「 強 さ は , 回<br />
復 さ れ たイエ ス・キ リスト の 福 音 の 基<br />
礎 に 関 心 を 向 け, 努 力 を 傾 け る こ と か ら<br />
も た ら さ れ ま す。 強 さ は , 最 も 大 切 で 神<br />
聖 な 事 柄 に 注 意 を 向 けることからもた<br />
らされるのです。<br />
大 管 長 会 第 二 顧 問<br />
ディーター・F・ウークトドルフ 管 長<br />
「 最 も 大 切 な 事 柄 について」<br />
『リアホナ』2010 年 11 月 号 ,22<br />
の 日 は 2 4 時 間 以 上 あるように 思 えま<br />
した。 学 業 はもっと 簡 単 になり, 個 人<br />
的 にも 家 族 としても 聖 典 を 読 むのが<br />
喜 びとなりました。 生 活 の 中 で 主 を 最<br />
優 先 することを 忘 れなければ,ほかの<br />
すべての 事 柄 を 新 たな 視 点 で 見 るこ<br />
とができますし, 優 先 順 位 を 設 定 し,<br />
目 標 を 達 成 するのに 役 立 ちます。<br />
ビ アン カ・S ,19 歳<br />
(ウルグアイ,パイサンドゥ)<br />
あなたの 意 見 と, 希 望 する 場 合 は 高 画 質 の 写 真 を,<br />
2017 年 3 月 15 日 必 着 で liahona.lds.org からお 送 りく<br />
だ さ い(「 投 稿 す る 」を ク リ ッ ク し て く だ さ い )。 電 子 メ ー ル<br />
の 場 合 は liahona@ldschurch.org までお 送 りください。<br />
そ の 際 , 次 の 情 報 を 含 めてく だ さ い 。( 1 ) 氏 名 ,( 2 ) 生 年<br />
月 日 ,(3)ワードまたは 支 部 ,(4)ステークまたは 地 方 部 ,<br />
(5) 意 見 と 写 真 の 掲 載 を 許 可 するというあなたの 同 意 文<br />
(18 歳 未 満 の 場 合 は 保 護 者 の 同 意 文 も 必 要 です〔 電 子 メー<br />
ル 可 〕)。<br />
掲 載 される 際 , 誌 面 の 都 合 上 ,あるいは 明 瞭 な 表 現 にする<br />
ために 編 集 されることがあります。
計 画 が<br />
現 実 となる とき<br />
突 然 , 救 いの 計 画 がただのフローチャート( 流 れ 図 ) 以 上 のもの,<br />
すなわち,わたしの 希 望 と 慰 めの 源 になりました。<br />
フ<br />
ォ<br />
ト<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
レ<br />
ー<br />
シ<br />
ョ<br />
ン<br />
/<br />
ア<br />
ラ<br />
ン<br />
・<br />
デ<br />
イ<br />
ビ<br />
ー
アリッサ・ホルム<br />
「<br />
自<br />
分 の 才 能 をすべて 書 き 留 めて, 一 つ 選 んでそれ<br />
について 話 してちょうだい」とジェンセン 姉 妹 は<br />
わたしたちローレルクラスの 生 徒 に 言 いました。<br />
わたしはバレーボールを 自 分 が 最 も 得 意 としていること,そ<br />
して 次 のシーズン,つまりわたしのバレーボール 最 後 の 年 は,<br />
これまでで 最 高 の 1 年 になるだろうということを 誇 らしげに<br />
説 明 しました。<br />
たまもの 「 才 能 は 様 々な 形 でもたらされます。 霊 的 な 賜 物 もありま<br />
す」とジェンセン 姉 妹 は 教 えました。「わたしは 自 分 の 周 り<br />
のすべての 人 を 愛 することができるよう 天 の 御 父 が 祝 福 して<br />
くだ さ っ た と 思 い ま す。」<br />
ジェンセン 姉 妹 は 行 く 先 々で 愛 を 振 りまき, 日 常 の 会 話 の<br />
あかし<br />
中 で 自 分 の 証 を 分 かち 合 っていました。 彼 女 の 愛 は 偽 りの<br />
な い , 思 い やりに あ ふ れ た ,キリストのような 愛 でし た 。 彼<br />
女 はわたしにとって 若 い 女 性 の 指 導 者 以 上 の 人 になりました。<br />
す な わち , 彼 女 は 第 二 の 母 , 姉 ,あ るい は 高 校 時 代 の 親 友 の<br />
ように 感 じたのです。わたしたちはいつも 一 緒 にコンサート<br />
に 行 ったり, 買 い 物 に 行 ったり,イチゴジャムを 作 ったりしま<br />
した。わたしが 親 知 らずを 抜 いたときは, 手 作 りのプリンを<br />
持 って 来 てくれましたし,わたしが 働 いていたかき 氷 屋 によ<br />
く 来 てくれました。 彼 女 はわたしの 学 校 で 働 いていたので,<br />
わたしのすべてのバレーボールの 試 合 にも 来 てくれました。<br />
数 か 月 後 , 夏 休 み の 終 わり 近 く,わたし は 午 前 3 時 に 電 話<br />
の 呼 び 出 し 音 で 目 が 覚 めました。 母 が 電 話 に 出 てから,わた<br />
しの 寝 室 に 来 ました。「 ジェンセン 家 が 親 戚 との 集 まりの 帰<br />
り 道 に 交 通 事 故 に 遭 ったそうよ」と 母 は 言 いました。「 車 が<br />
高 速 道 路 から 転 げ 落 ちて,ジェンセン 姉 妹 は 亡 くなったっ<br />
て 。」<br />
わたしは 心 が 沈 みました。わたしはこう 思 いました。「こ<br />
れは 現 実 ではないわ。 彼 女 は 今 日 早 くにメールをくれたも<br />
の 。 亡 くな っ た な ん て あ り 得 な い わ 。」<br />
わ たし は ショック, 混 乱 , 悲 し み の す べ て を 同 時 に 感 じま<br />
した。 数 分 後 , 涙 が 出 てきました。わたしが 泣 いている 間<br />
中 , 母 が 抱 き 締 めてくれました。 眠 ることはできなかったの<br />
で,その 夜 はずっとジェンセン 姉 妹 のことを 考 えて 泣 きなが<br />
らベッドに 横 たわっていました。<br />
それから 数 週 間 , 今 まで 感 じたことがなかったほどの 悲<br />
しみに 沈 みました。バレーボールは 優 先 事 項 ではなくなりま<br />
し たし ,もは や 新 学 期 が 始 まる のも 楽 し みで は ありま せ んで<br />
した。 以 前 はとてもわくわくしていた 事 柄 がすべて, 今 や 悲<br />
しみに 埋 められてしまいました。「 悲 しみで 完 全 に 打 ちのめ<br />
されてる」と,あ る 夜 , 自 分 の 日 記 に 書 きまし た 。「 泣 か ず<br />
に は い ら れ な い し ,い つ も 疲 れ て る 。」<br />
新 学 期 が 始 まる 前 の 夜 ,わ たし は ベッド に 横 に なり, 泣 き<br />
ながらジェンセン 姉 妹 の 死 について 考 えていました。わたし<br />
は 悲 しんでいることにうんざりしており,その 苦 痛 を 克 服 す<br />
るためには 助 けが 必 要 なことに 気 づきました。 祈 る 必 要 が<br />
ありました。<br />
「 彼 女 が 亡 くな った 理 由 を 理 解 し ,この 出 来 事 に 耐 えら れ<br />
る 方 法 が 分 かるよう 助 けてください」と 祈 りました。<br />
わたしは 静 かにそこにひざまずき, 神 様 が 答 えてくださる<br />
か どうか 考 えまし た 。 数 分 後 , 心 の 中 で, 起 こった す べ ての<br />
事 柄 が 結 びつき 始 めました。わたしは 心 に 温 かさを 感 じ,<br />
自 分 の 思 いが 高 められたように 感 じました。これらの 思 いは<br />
み たま<br />
自 分 自 身 のものではないことに 気 づきました。 御 霊 が 教 えて<br />
くださっていたのです。<br />
救 いの 計 画 ,すなわち, 初 等 協 会 にいたときから 教 えられ<br />
て き た フ ロ ー チ ャ ート( 流 れ 図 )は , 現 実 なのです。ジェン<br />
セン 姉 妹 はこの 世 に 生 まれ , 幸 福 を 経 験 し , 試 練 に 耐 え , 愛<br />
を 分 かち 合 い ,そして 今 , 霊 界 に い る の で す。 彼 女 の 霊 は 今<br />
でも 存 在 しており,わたしは 再 び 彼 女 と 会 うことでしょう。<br />
わたしはこの 計 画 ,すなわち 幸 福 の 計 画 は,わたしたちが 天<br />
の 御 父 のもとに, 家 族 のもとに, 友 人 のもとに 戻 る 助 けとな<br />
るように 作 られたものであることに 気 づきました。 その 瞬<br />
間 ,わ たし は 彼 女 と 再 び 会 うことが で きるよう, 義 に か な っ<br />
た 生 活 をすることを 何 よりも 望 みました。<br />
新 学 期 の 最 初 の 数 週 間 ,わたしはすべての 人 を 愛 すると<br />
いうジェンセン 姉 妹 の 才 能 を 育 んでみることに 焦 点 を 当 てま<br />
した。ほかの 人 々を 愛 することに 集 中 したとき,わたしの 苦<br />
痛 はゆっくりと 治 まり 始 め,さらに 幸 せを 感 じました。ほか<br />
の 人 々への 愛 を 示 す 方 法 は 幾 らでもあることを 学 びました。<br />
す な わち , 耳 を 傾 ける, 笑 顔 で 接 する, 世 話 を する, 褒 め るな<br />
どによってです。これらは,ジェンセン 姉 妹 がわたしのため<br />
にしてくれた 小 さな 事 柄 です。ですから, 彼 女 を 記 憶 に 留 め<br />
るための 最 善 の 方 法 は, 彼 女 が 見 せてくれたような 愛 を 広 め<br />
ることだったのです。<br />
ジェンセン 姉 妹 は 亡 くなりましたが,わたしはいつでも 彼<br />
女 の 愛 を 感 じることでしょう。わたしはほかの 人 々に 対 して<br />
もう 少 し 多 くの 愛 を 示 すために 毎 日 努 力 するとき, 彼 女 が 示<br />
した 生 き 方 に 従 って 生 きているのです。すなわち, 再 び 彼 女<br />
と 会 うのに,また 一 歩 近 づいたのです。■<br />
筆 者 はアメリカ 合 衆 国 ユタ 州 在 住 です。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 65<br />
青<br />
少<br />
年
メリリー・ブーレン<br />
ほんとう はなし か<br />
本 当 にあったお 話 をもとに 書 かれました。<br />
ぶか<br />
「たがいになさけ 深 く〔なり〕なさい。」(エペソ 4:32)<br />
そ れは がっ こう いちにち やす じ<br />
学 校 でのすばらしい 一 日 でした。ジェフは 休 み 時<br />
かん しんゆう あそ<br />
間 にはいつも, 親 友 のベンとドラゴン 遊 びをしていまし<br />
あたら がっ こう はい ねん ご しんゆう た。 新 しい 学 校 に 入 ってから 2 年 後 にようやく 親 友 ができ<br />
よろこ す おな<br />
て,ジェフは 喜 んでいました。ベンとジェフは 好 きなことが 同<br />
ふたり<br />
はな<br />
じだったため, 二 人 にはいつも 話 すことがたくさんありました。<br />
いえ かえ かあ ま かあ<br />
ジェフが 家 に 帰 ると,お 母 さんが 待 っていました。お 母 さん<br />
かな み かお え がお<br />
はとても 悲 しそうに 見 えました。ジェフの 顔 からだんだん 笑 顔<br />
き かあ い<br />
が 消 えて いきまし た。「 ジェフ」と お 母 さんは 言 いました。<br />
こうちょうせんせい でん わ こうちょうせんせい 「きょう, 校 長 先 生 から 電 話 があったわ。 校 長 先 生 は ,あ なた<br />
おな おとこ こ い<br />
が 同 じクラスの 男 の 子 をいじめていると 言 って い た わ 。」<br />
い わる<br />
「いじめてないよ!」とジェフは 言 いました。 ジェフは ,いじめが 悪<br />
わ ひと びと かな ふ あん<br />
いことだと 分 かっていました。いじめは 人 々 に 悲 しみと 不 安 をあ<br />
いち ど<br />
たえます。ジェフはそんなことをしたことは 一 度 もありませんでした。<br />
かあ かあ<br />
「ほんとうに?」お 母 さんはたずねました。お 母 さんはソ<br />
こうちょうせんせい ファにジェフをすわらせました。「 校 長 先 生 は ,あ なたとベン<br />
む い なか ま<br />
がサムに 向 か って,あ っちへ 行 けとか,おまえなんか 仲 間 じゃ<br />
だい うえ と お なか ま い<br />
ないとか,すべり 台 の 上 から 飛 び 下 りなければ 仲 間 に 入 れて<br />
い<br />
やらないとか 言 っていたって。」<br />
まいにち じ ぶん なか ま<br />
ジェフはうつむきました。サムは 毎 日 のように, 自 分 も 仲 間<br />
い ふたり<br />
に 入 れてほしいと 二 人 にたのんでいました。でもベンがジェ<br />
しんゆう ふたり<br />
あそ す<br />
フの 親 友 であり, 二 人 だけで 遊 ぶことが 好 きでした。それは<br />
ぼくが?<br />
こ<br />
いじめっ 子 ?<br />
かるようにたくさんいのりました。<br />
おも<br />
「あなたは,みんなにどんなことをしてほしかったと 思 う?」<br />
かあ<br />
お 母 さんがたずねました。<br />
やす じ かん おも<br />
「 休 み 時 間 に,ゲームをしようとさそってくれたらって 思 った<br />
いっ しょ ひる はん た<br />
よ。また, 一 緒 にお 昼 ご 飯 を 食 べ ようって 。」<br />
いま ともだち 「 今 あなたにそんなすてきなお 友 達 がいるのって,すばらし<br />
かあ い<br />
いことじゃないの?」とお 母 さんは 言 いました。「あなたは,<br />
い ぜん ひと たす<br />
以 前 のあなたのようなひとりぼっちの 人 たちを 助 けてあげる<br />
いま か だい だ あした<br />
ことができるのよ。 今 からあなたに 課 題 を 出 すわ。 明 日 ,サ<br />
よ み がっ こう<br />
ムの 良 いところを 3 つ 見 つけてほしいの。そして 学 校 から<br />
かえ かあ おし<br />
いじめていることにはなりませんよね。<br />
帰 ったら,そ れ をお 母 さんに 教 えて ちょうだ い 。」<br />
ふたり<br />
あそ わる じ ぶん あし み<br />
「ベンとぼくの 二 人 だけで 遊 ぶのは 悪 いこと?」とジェフは 「 そ う す る よ 。」ジ ェフ は 自 分 の 足 もとを 見 つめながらそう<br />
き しんゆう あそ こ い こ<br />
聞 きました。ただ 親 友 と 遊 んでいるだけでいじめっ 子 とよば 言 いました。ジェフはいじめっ 子 になるつもりはありませんで<br />
こうへい おも しんせつ ぉも<br />
れるのは, 公 平 だとは 思 えませんでした。<br />
した。イエスのように 親 切 になりたいと 思 いました。あした,<br />
ふたり<br />
いっ しょ じ かん<br />
「あなたたち 二 人 がこれからも 一 緒 にたくさんの 時 間 をすご ジェフはサムにあやまることができるでしょう。そしてベンに,<br />
ちか なか ま い い<br />
すのはかまわないわ。でもサムが 近 くに いるときに は ,サムに , サムも 仲 間 に 入 れてあげたいと 言 うこともできるでしょう。<br />
なか ま はず ぉも かあ い かあ<br />
仲 間 外 れにされたようなさびしい 思 いをさせるのはよくないわ。 「ねえ 」とお 母 さんが 言 いました。お 母 さんはジェフのあご<br />
こうちょうせん<br />
せい だぃ と お て あ かお あ しんせつ こ<br />
校 長 先 生 は ,す べり 台 から 飛 び 下 りないことであなたがサム に 手 を 当 てて 顔 を 上 げさせました。「あなたは 親 切 ないい 子<br />
わるぐち い い ともだち に 悪 口 を 言 ったと 言 って い た わ 。」<br />
よ。サムはあなたとお 友 達 になれ<br />
こううん き<br />
「ぼくはそんなことしてないよ」<br />
しんせつ か だい<br />
て 幸 運 だわ。そしてよく 聞 いてね。<br />
い ともだち 親 切 にするという 課 題<br />
とジェフは 言 いました。でもベン<br />
あ なたもきっと,サムとお 友 達 にな<br />
わるぐち い こううん き<br />
が 悪 口 を 言 ったのです。そしてベ<br />
れて 幸 運 だと 気 づくは ずよ 。」<br />
わら ちい え<br />
し よ み<br />
ンは 笑 っていたのでした。<br />
□ まだよく 知 らないだれかの 良 いところを 3 つ 見 つけます。 ジェフは 小 さく 笑 みをうかべま<br />
さいしょ ひ<br />
かんが しゅ<br />
「わたしたちが 最 初 に 引 っこし □ イエスならどうされるだろうかと 考 えま す。「 主 がそばにい した。ベンがこれからもジェフの<br />
じ ぶん き も おも<br />
しんゆう か<br />
しょ とう きょう かい うた<br />
をしたときの 自 分 の 気 持 ちを 思 たら 」な どの 初 等 協 会 の 歌 をハミングしましょう。<br />
親 友 であることに 変 わりはないで<br />
だ かあ<br />
ひと しん ゆう ひつ よう しん せつ<br />
い 出 してごらんなさい。」お 母 さ □ すべての 人 と 親 友 になる 必 要 はありませんが, 親 切 にするこ しょう。でも,だからといってほ<br />
い ともだち つく<br />
つ あ ひと なに よ<br />
んは 言 いました。<br />
とはできます。うまく 付 き 合 っていけない 人 に, 何 か 良 いこ かの 友 達 を 作 ってはいけないな<br />
さいしょ ジェフはうなずきました。 最 初 , とをしてあげます。<br />
んていうことはないのです。■<br />
がっ こう ば しょ はなし か ひと がっ しゅうこく<br />
学 校 はほんとうにさびしい 場 所 で<br />
このお 話 を 書 いた 人 はアメリカ 合 衆 国<br />
しゅう す<br />
よ とも だち み<br />
ユタ<br />
した。 ジェフは 良 い 友 達 が 見 つ<br />
州 に 住 んでいます。<br />
イ<br />
ラスト/クリス・デンジャー<br />
66 リ ア ホ ナ
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も
もだちと<br />
と<br />
友<br />
こころ こ<br />
心 や さ し い 子<br />
供 た ち<br />
ども<br />
ぁ ぃ<br />
わ<br />
愛 を 分<br />
あ<br />
かち 合 う<br />
がっ しゅうこく デバン・ジェンセン(アメリカ 合 衆 国 ,ユ タ 州<br />
しゅう<br />
)<br />
こんにちは。<br />
な まえ<br />
わたしの 名 前 はレンタリンです。<br />
たいへいよう とう す<br />
わたしは 太 平 洋 にあるウェノ 島 に 住 んでいます。<br />
い み まる かたち<br />
それは,チュークかんしょう( 意 味 : 丸 いわの 形 に<br />
しま ひと<br />
できあがったサンゴしょう)にあるたくさんの 島 の 一 つです。<br />
とも うた<br />
わたしは, 友 だちといっしょにおどったり, 歌 ったり,<br />
とも きょうかい あい しめ<br />
友 だちを 教 会 にさそったりして, 愛 を 示 します。<br />
あい うた<br />
愛 の 歌<br />
とも いっ しょ うた うた す す うた じ ぶん はじ かみ こ<br />
友 だちとわたしは, 一 緒 に 歌 を 歌 うのが 好 きです。わたしの 好 きな 歌 は ,「 自 分 から 始 め よ う 」「 神 の 子<br />
しんでん い か ぞく あい か ぞく むす かた<br />
で す 」「 神 殿 に 行 きたいな」です。わたしは 家 族 を 愛 しています。そして, 家 族 と 結 び 固 められるため<br />
しんでん い<br />
に 神 殿 に 行 きたいです。
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も<br />
写<br />
真<br />
/<br />
デ<br />
バ<br />
ン<br />
・<br />
ジ<br />
ェ<br />
ン<br />
セ<br />
ン<br />
と<br />
レ<br />
イ<br />
チ<br />
ェ<br />
ル<br />
・<br />
マ<br />
ー<br />
テ<br />
ル<br />
とも<br />
友 だちをさそう<br />
とも きょうかい わたしは, 友 だちのデミナとシナを 教 会 にさそい<br />
き<br />
ます。ときどきいっしょに 来 てくれます。いつか<br />
う おも<br />
バプテスマを 受 けるといいなと 思 います。<br />
あい しめ<br />
レンタリンが 愛 を 示 すために<br />
やっていること<br />
ともだち きょうかい 友 達 を 教 会 にさそう。<br />
ぅた たの じかん す<br />
いっしょに 歌 ったり,おどったりして 楽 しい 時 間 を 過 ごす。<br />
か ぞく なか よ<br />
家 族 と 仲 良 しでいる。<br />
とも<br />
せんきょうしと 友 だちになる。<br />
とも<br />
友 だちについてのダンス<br />
とも しまい<br />
友 だちとわたしはせんきょうしのハーディ 姉 妹 からバ<br />
なら しま とも<br />
レエを 習 っています。ある 島 でまいごになって, 友 だ<br />
みち おし<br />
ちから 道 を 教 えてもらわないといけないリリーという<br />
おんな こ れんしゅう 女 の 子 についてのおどりを 練 習 しています。<br />
あ い<br />
いとこに 会 いに 行 く<br />
だい す<br />
わ た し は ,い と こ が 大 好 きです。わたしはボート<br />
とう あ い<br />
で,ロ マ ナム 島 にいるいとこに 会 いに 行 きます。<br />
おく<br />
おじさんといとこがボートで 送 ってくれます。お<br />
しま しま<br />
じ さ ん や い と こ た ち は ,せ ん きょうし が 島 から 島<br />
い おく<br />
へ 行 けるようにボートで 送 ってくれます。<br />
せ かい あい み たす<br />
世 界 を 愛 で 満 たせるように 助 けましょう。<br />
あい しめ りょう<br />
愛 を 示 すことによって,あなたはどのようにイエスにしたがっていますか。 両<br />
しん しょ けいけんだん しゃ しん おく<br />
親 のきょか 書 と い っしょに ,あ な た の 経 験 談 と 写 真 を 送 ってください。 Liahona.<br />
おく<br />
lds.org から,“Submit an Article”をクリックして 送 るか,liahona@ldschurch.<br />
でん し おく<br />
org に 電 子 メールを 送 ってください。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 69
ざ ん<br />
かけ 算<br />
マスター<br />
もうすぐテストです。<br />
けい<br />
でも,ルカには 計 画<br />
ありました。<br />
かく<br />
が<br />
ジェシカ・ラーセン<br />
ほんとう はなし か<br />
本 当 にあったお 話 をもとに 書 かれました。<br />
しゅ じ ぶん<br />
「 主 をあいし, 自 分 にできることをしましょう」(「わたしのよ<br />
ちい こ こ ども かしゅう えい<br />
うな 小 さな 子 で も 」『 子 供 の 歌 集 』14 - 15;ここでは, 英<br />
ぶん か し いち ぶ<br />
文 の 歌 詞 の 一 部 からほんやくしました )<br />
くしち ,ろくじゅうさん 。 ろくは ,しじゅうに … … だった か<br />
なあ。ちがう,ちがう!<br />
じ ぶん こた<br />
ルカはおおあわてで, 自 分 の 答 えをけしました。<br />
じ かん せんせい こえ みな<br />
「 時 間 で す。」ル カ の 先 生 が 声 をか けました。「 皆 さん,テ<br />
だ<br />
ストを 出 してくだ さ い 。」<br />
おも お<br />
「 あ ーあ 。」ル カは 思 いました。「まだ 終 わ って もい な い の に 。」<br />
だ ざん<br />
テストを 出 しながら,ルカはためいきをつきました。かけ 算<br />
てん と ぜっ たい ざん<br />
のスピードテストで 9 0 点 を 取 って, 絶 対 にかけ 算 マスターにな<br />
おも<br />
ろうと 思 ったのに,どうしたらそれができるかわかりません。<br />
イ<br />
ラスト/ジョシュ・ティモシー<br />
70 リ ア ホ ナ
さ わた おも しっ ぱい お<br />
「うんていにぶら 下 が って ,は し ま で 渡 れるようになりたいと 思 いましたが, 失 敗 して 落 ちました。<br />
いち ど お ぼん め い<br />
それでもう 一 度 や って み た けど ,ま た 落 ちて。 3 本 目 までしか 行 けませんでした。<br />
ゆう き も たす てん とうさま 勇 気 を 持 てるように 助 けてくださいと 天 のお 父 様 においのりしました。<br />
あと いち ど き も<br />
おいのりした 後 ,も う 一 度 やってみようという 気 持 ちになりました。<br />
こん ど ほん め い つぎ ほん め い じょうず<br />
そうしたら 今 度 は ,4 本 目 まで 行 けて, 次 は5 本 目 まで 行 けたんです。どんどん 上 手 になりました。<br />
じょうず<br />
ゆう き だ つづ てん とうさま たす わ<br />
もっと 上 手 になれるように, 勇 気 を 出 して 続 けてがんばれるように, 天 のお 父 様 が 助 けてくださると 分 か り ま し た 。」<br />
さい がっ しゅうこく リリー・S ,7 才 (アメリカ 合 衆 国 アーカンソー 州<br />
しゅう<br />
)<br />
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も<br />
ばん か ぞく せいぶん<br />
べんきょう とき とう きょうぎ せいやく<br />
その 晩 , 家 族 の 聖 文 勉 強 の 時 に ,お 父 さんが 教 義 と 聖 約<br />
つぎ せい く よ<br />
から 次 の 聖 句 を 読 みました。「それゆえ,あなたはわたしに<br />
もと あた ひら<br />
求 めれば, 与 えられるであろう。たたけば, 開 かれるであろ<br />
きょうぎ せいやく う 。」( 教 義 と 聖 約 6:5)<br />
あたま こた<br />
ルカの 頭 にあることがひらめきました。これが 答 えだ! い<br />
のればいいんだ!<br />
ざん い まいにち ルカはかけ 算 スピードテストがうまく 行 くように 毎 日 いのり<br />
はじ き<br />
始 めました。 きっとうまくいく。 うまくいくに 決 まってる。<br />
ざん<br />
そうす れ ば ,つ い に か け 算 マスターになれる!<br />
か よう び がっ こう いえ かえ<br />
火 曜 日 ,ル カは 学 校 から 家 に 帰 ってバスケッ<br />
て と<br />
トボールを 手 に 取 りました。<br />
べんきょう て つだ かあ<br />
「 勉 強 , 手 伝 いましょうか?」お 母 さんが<br />
き<br />
聞 いてくれました。<br />
だいじょう<br />
ぶ げん<br />
「ううん! 大 丈 夫 だ よ!」ル カは 玄<br />
かん そと で い<br />
関 のドアから 外 に 出 ながら 言 いました。<br />
だいじょう<br />
ぶ かんぜん しん<br />
いのれば 大 丈 夫 と 完 全 に 信 じていたの<br />
ざんれんしゅう あん き<br />
で,か け 算 練 習 の 暗 記 カードをかばんか<br />
と だ<br />
ら 取 り 出 すことさえしませんでした。<br />
きんよう<br />
び とうじつ ごう<br />
金 曜 日 の 当 日 ,ル カは ,きっとテストに 合<br />
かく おも こ もんだい<br />
格 すると 思 い 込 んでいました。すわって 問 題<br />
はじ ぜん ぜんこた で こ まえ<br />
をとき 始 めましたが, 全 然 答 えが 出 て 来 なくて, 前 よ<br />
けっ か<br />
りひどい 結 果 でした。<br />
てい いえ ある ざん<br />
ルカはバス 停 から 家 までうなだれて 歩 きました。かけ 算 マ<br />
いっ しょう てん とう<br />
スターになれるように, 一 生 けんめいいのったのに, 天 のお 父<br />
さま<br />
様 はなぜいのりにこたえてくださらなかったのでしょう。<br />
いえ かえ とう し ごと かえ<br />
ルカは 家 に 帰 ると,お 父 さんが 仕 事 から 帰 るま で,バ ス<br />
とう かえ き くるま い<br />
ケットのシュートをしました。 お 父 さんが 帰 って 来 て, 車 を 入<br />
な<br />
れるときにクラクションを 鳴 らしました。<br />
がっ こう とう き<br />
「 学 校 はどうだった?」お 父 さんが 聞 きました。<br />
よ こた<br />
「あまり 良 くなかった」と,うつむきながらルカが 答 えまし<br />
ざん ごうかく た。「 かけ 算 のテストが 合 格 で き な い ん だ 。」<br />
ざんねん とう い<br />
「それは 残 念 だ ね 。」お 父 さんはそう 言 いながら,ルカから<br />
う りょうて のパスを 受 けようと, 両 手 をかまえました。<br />
ごうかく おも い<br />
「ぜったい 合 格 すると 思 ったのに!」とルカは 言 いました。<br />
とう てん とうさま 「すっごくいのったんだよ。お 父 さん, 天 のお 父 様 はいのりに<br />
い きょう<br />
こたえてくださるって 言 ったよね。でも, 今 日 はぼくのいのり<br />
に は こ た えてくだ さら な か っ た よ 。」<br />
ざん れんしゅう とう き<br />
「かけ 算 カードで 練 習 したかい?」お 父 さんが 聞 きました。<br />
「 ううん 。」<br />
すこ べんきょう 「 少 しは 勉 強 した?」<br />
いっ しゅうかん 「ぜんぜん」とルカ。「でも, 一 週 間 ずっとおいのりしたよ!」<br />
とう み<br />
お 父 さんはドリブルして,ルカを 見 ました。「あのね,かけ<br />
ざん おな<br />
算 は バスケットと 同 じなんだよ。ルカはどうやって,そんなに<br />
じょうず<br />
バスケットが 上 手 になったんだい?」<br />
れんしゅう こた<br />
「 練 習 したからだよ」とルカは 答 えました。<br />
し あい まえ てん とうさま 「そうだね。そして, 試 合 の 前 には 天 のお 父 様 に<br />
たす<br />
助 けてくださるようにおいのりするだろう。まほ<br />
じょうず<br />
うのようにもっとバスケットが 上 手 になれます<br />
ようにって,お い のりだ けをした んじゃない<br />
なん<br />
よね。 何 のためにおいのりするのかな。」<br />
れんしゅう おも だ<br />
「 練 習 したことを 思 い 出 せるようにだ<br />
よ」とルカ。<br />
いちばん 「そのとおりだね。おいのりが 一 番 よく<br />
じ ぶん は<br />
こたえられるのは, 自 分 にできることを 果<br />
てん とうさま たす もと<br />
たして, 天 のお 父 様 に 助 けを 求 めるときな<br />
とう おし<br />
んだよ」とお 父 さんが 教 えてくれました。<br />
じ ぶん<br />
「じゃあ, 自 分 にできることっていうのは,<br />
ぁん き おぼ き<br />
暗 記 カードで 覚 えるっていうこと?」ルカが 聞 きました。<br />
とう かえ い<br />
「 そ の と お りさ 。」お 父 さんがルカにボールを 返 しながら 言<br />
いました。<br />
おお いき<br />
ルカは 大 きなため 息 を つくと,シュートしました 。 ボ ール は<br />
かえ わ<br />
ゴールのへりにあたってはね 返 りました。「 分 かったよ。すご<br />
いっ しょうけん<br />
めい べんきょう くがんばらないといけないね。でも, 一 生 懸 命 勉 強 して ,そ<br />
てん とうさま たす もと おも<br />
れから 天 のお 父 様 に 助 けを 求 めることができると 思 う 。」<br />
とう い<br />
たい<br />
「い い ぞ!」お 父 さんが 言 ってく れ まし た。「 1 対 1で<br />
ちょっとやってみようか?」<br />
とう<br />
ル カは にや っとして,お 父 さんからボールをうばいました。<br />
べんきょう て つだ<br />
「 いいよ! ぼくの 勉 強 も 手 伝 ってくれ た ら ね 。」<br />
とう<br />
「もちろんさ 」とお 父 さん。「 6かける8は?」<br />
いち ど こた こん<br />
「 4 8 !」もう 一 度 シュートし な がら,ル カ が 答 えました。 今<br />
ど<br />
度 は,ボールがまったくリングにふれずに,ゴールできました。<br />
れんしゅう く かえ ざん<br />
ルカは, 練 習 といのりを 繰 り 返 し な がら,か け 算 マスター<br />
になるでしょう。■<br />
はなし か ひと がっ しゅうこく しゅう す<br />
このお 話 を 書 いた 人 はアメリカ 合 衆 国 テキサス 州 に 住 んでいます。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 71
し<br />
使<br />
徒 か ら の 答<br />
と<br />
こた<br />
え<br />
イ<br />
ラスト/ダン・バー<br />
じゅう<br />
に<br />
し<br />
と<br />
ていいんかい<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
ちょうろう<br />
ゲーリー・E・スティーブンソン 長 老<br />
し ん け ん<br />
な ん<br />
神 権 のかぎとは 何 ですか<br />
しん<br />
神<br />
けん くるま<br />
権 のかぎは, 車<br />
て も<br />
のかぎのようにさわったり,<br />
手 に 持<br />
しん けん<br />
ったりすることはできません。<br />
てん とう さま な まえ<br />
神 権 は 天 のお 父 様 の 名 前<br />
こう どう<br />
によって<br />
行 動 するけんのう,またはきょかです。<br />
しん けん<br />
神 権<br />
きょうかい し どう<br />
のかぎがあるおかげで,<br />
しゃ ち じょう しん けん<br />
教 会 の 指 導 者 は, 地 上 でどのように 神 権<br />
つか みちび<br />
が<br />
使 われるかを 導 くことができます。<br />
しん けん も<br />
イエ ス・キリスト は すべ ての 神 権 のかぎを 持<br />
きょうかい かい ふく<br />
っ<br />
ておられます。 教 会 が 回 復<br />
じ<br />
さ<br />
ぶん<br />
れ た<br />
よ<br />
と<br />
げん<br />
き<br />
しゃ<br />
,イ エ ス<br />
はジョセフ・スミスに,ご 自 分 の 預 言 者<br />
はたら<br />
しん けん さず<br />
として<br />
働 くように, 神 権 のかぎをお 授<br />
こん にち だい かん ちょう かい じゅう に し と てい いん<br />
けになりました。<br />
かい かい いん<br />
今 日 , 大 管 長 会 と 十 二 使 徒 定 員 会 の 会 員<br />
も<br />
は ,こ<br />
れらのかぎを 持 っています。<br />
だい かん ちょう かい じゅう に し と てい いん かい てん とう さま こ ども しゅく ふく<br />
大 管 長 会 と 十 二 使 徒 定 員 会 は 天 のお 父 様 の 子 供 たちを 祝 福<br />
しん けん つか みちび かれ<br />
するために 神 権 がどのように 使 われるかを 導 きます。 彼<br />
し ぶ かいちょう しん けん い にん<br />
ら<br />
はビショップや 支 部 会 長 に 神 権 のかぎを 委 任<br />
いち ぶ<br />
します。つま<br />
り, 一 部 をあずけるということです。<br />
しん けん ち じょう<br />
神 権 のかぎが 地 上 にあるので,<br />
かく にん う<br />
わたしたちはバプテスマと 確 認 を 受<br />
びょうき<br />
しん けん しゅく ふく う<br />
け,<br />
病 気 のときに 神 権 の 祝 福 を 受<br />
しん でん むす かた う<br />
け,<br />
神 殿 で 結 び 固 めを 受 けることができるのです。<br />
72 リ ア ホ ナ
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も<br />
だ<br />
しめ 出 された!<br />
外<br />
そ と さむ つめ くう き<br />
はこごえそうなほど 寒 く, 冷 たい 空 気 がスティーブン<br />
いっ か はな いち にち<br />
ソン 一 家 のほおや 鼻 をつきさしました。 一 日 スキー<br />
たの あと いっ か ゆき なか ある くるま む<br />
を 楽 しんだ 後 , 一 家 は 雪 の 中 を 歩 いて 車 に 向 かいました。<br />
くるま の あたた たの<br />
車 に 乗 ってヒーターで 温 まるのを 楽 しみにしていました。<br />
ちょうろう て い<br />
ところが,スティーブ ンソン 長 老 がポケットに 手 を 入<br />
くるま<br />
れると, 車 のかぎがなくなっていました。「かぎはど<br />
ちょうろう おも ちょうろう くるま<br />
こだろう?」と 長 老 は 思 いました。 長 老 が 車 のかぎ<br />
あ しん ぱい ま<br />
を 開 ける の を,だ れもが 心 配 そうに 待 っていまし<br />
だ<br />
た 。 か ぎ が な け れ ば ,し め 出 されてしまいます。<br />
あ くるま<br />
か れ ら に は ,ド ア を 開 けることも 車 のエンジンを<br />
かけることもできません。ヒーターのスイッチを 入<br />
れることもできないのです。<br />
ちょうろう さいしょ スティーブンソン 長 老 が 最 初 にしたことは,いのりをささ<br />
てん とうさま くるま み<br />
げることでした。 天 のお 父 様 に, 車 のかぎを 見 つけられる<br />
たす ねが つぎ お<br />
ように 助 けてくださいとお 願 いしました。 次 に ,か ぎ を 落 と<br />
ば しょ いっ しょうけん<br />
めい かんが<br />
したかのうせいのある 場 所 について 一 生 懸 命 に 考 えまし<br />
ひ はや い<br />
た 。 するとふ い に ,そ の 日 の 早 いうちに 行 ったスキーのジャ<br />
だい こころ ば しょ ゆき<br />
ンプ 台 のことが 心 にうかびました。かぎはその 場 所 の 雪 の<br />
なか おも<br />
中 にあると 思 われました。<br />
か ぞく なん にん ちょうろう いっ しょ<br />
家 族 の 何 人 かがスティーブンソン 長 老 と 一 緒 にスキー<br />
うえ<br />
コースの 上 ま で もどり,ゲ レン デ をスキ ーで す べりおりまし<br />
だい した つ ひ<br />
た。かれらがジャンプ 台 の 下 に 着 くころに は ,もう 日 がしず<br />
はじ あいだ あた<br />
み 始 めていました。かぎをさがしている 間 に, 辺 りはどんど<br />
くら ま くら<br />
ん 暗 くなってきました。するとおどろいたことに, 真 っ 暗 に<br />
ちょくぜん み<br />
なる 直 前 にかぎが 見 つかったのです。<br />
くるま み<br />
いのりをささげて 車 のかぎが 見 つ か ったことで,スティー<br />
ちょうろう てん とうさま さむぞら なか<br />
ブンソン 長 老 は, 天 のお 父 様 がわたしたちを 寒 空 の 中 にほ<br />
あらた おも お<br />
うっておくはずはないということを 改 めて 思 い 起 こしたので<br />
てん とうさま ぜんいん とうさま あん<br />
した。 天 のお 父 様 は ,わ たし たち 全 員 をお 父 様 のもとに 安<br />
ぜん きょうかい し どうしゃ しんけん 全 にみちびくことが できるように, 教 会 の 指 導 者 に 神 権 のか<br />
ぎとけんのうをあたえてくださるのです。■<br />
い<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 73
せい<br />
聖<br />
ぶん とう<br />
文 に 登<br />
じょう じん<br />
場 す る 人<br />
ぶつ<br />
物<br />
か い<br />
回<br />
ふ く<br />
復<br />
し ん<br />
されたバプテスマと 神<br />
け ん<br />
権<br />
せいぶん とうじょう ひと え つか きょうかいれき<br />
し ものがたり わ あ<br />
この 聖 文 に 登 場 する 人 たちの 絵 を 使 って, 教 会 歴 史 の 物 語 を 分 かち 合 いましょう。<br />
ジョセフ・スミス<br />
オリバー・カウドリ<br />
しょ たす こえ だ せいぶん オリバー・カウドリは,ジョセフ・スミスがモルモン 書 をほんやくするのを 助 けました。ジョセフ・スミスが 声 に 出 して 聖 文 をほんやくし,<br />
せいぶん か と よ ふたり<br />
かみ<br />
オリバーがその 聖 文 を 書 き 留 めました。バプテスマについて 読 んだとき, 二 人 はどのようにバプテスマをほどこすべきかを 神 にたずねまし<br />
ふたり<br />
しんけん おし<br />
た 。 い の り に こ た えて ,バ プ テ ス マ の ヨ ハ ネ が 二 人 にアロン 神 権 をさずけ, 教 えました。ジョセフがオリバーにバプテスマをほどこし,その<br />
ご あと しんけん 後 ,オリバーがジョセフにバプテスマをほどこしました。その 後 で ,ペ テ ロ ,ヤ コ ブ,ヨ ハ ネ が ジ ョ セ フと オ リバ ー に メ ル キ ゼ デ ク 神 権 をさ<br />
ずけました。<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
ベ<br />
ス<br />
・<br />
ホ<br />
イ<br />
ッ<br />
タ<br />
カ<br />
ー<br />
74 リ ア ホ ナ
た い<br />
大<br />
か い<br />
会<br />
い ん<br />
からの 引<br />
よ う<br />
用<br />
カード<br />
がつ そうたいかい だい す こと ば<br />
10 月 の 総 大 会 か ら ,い くつ か 大 好 きな 言 葉 をしょうかいします!<br />
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も<br />
てん とぅ さま<br />
「 天 のお 父 様<br />
ひ と り ひ と り あい<br />
はみなさん<br />
一 人 一 人 を 愛<br />
たす<br />
しており,<br />
よう い<br />
いつでも 助 ける 用 意 をして<br />
お ら れ る の で す。」<br />
ちょうろう<br />
ロナルド・A・ラズバンド 長 老<br />
ただ<br />
「すべてが 正 されます。<br />
すべてが<br />
よ く な り ま す。」<br />
かんちょう<br />
ディーター・F・ウークトドルフ 管 長<br />
「いのりは<br />
かみ<br />
神 からあたえ<br />
たま もの<br />
られる 賜 物 です。<br />
わたしたちは<br />
けっ<br />
決 してとまどいを<br />
おぼ<br />
覚 えたり,<br />
ひとりだと<br />
かん<br />
感 じたりする<br />
ひつ よう<br />
必 要 は<br />
あ り ま せ ん 。」<br />
キャロル・F・マッコンキー 姉 妹<br />
し<br />
まい<br />
ゆい いつ じゅう よう<br />
「 唯 一 の 重 要 な<br />
ひょうかは,<br />
てん とう さま<br />
天 のお 父 様 が<br />
わたしたちについて<br />
かんが<br />
考 えておられる<br />
こ と で す。」<br />
ちょうろう<br />
J・デビン・コーニッシュ 長 老<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
マ<br />
ッ<br />
ト<br />
・<br />
ス<br />
ミ<br />
ス<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 75
はなし<br />
イ エ ス の お 話<br />
こ<br />
イエスが 子<br />
もだったとき<br />
ど<br />
供<br />
キム・ウェブ・リード<br />
こ ども<br />
イエスは 子 供 だったとき,<br />
マリヤやヨセフ,<br />
そしてきょうだいたちと<br />
くらしていました。<br />
つよ<br />
かしこく, 強 くなれるように,<br />
か ぞく てん とう さま<br />
家 族 や 天 のお 父 様 から<br />
まな<br />
学 びました。<br />
まい<br />
毎<br />
か<br />
とし<br />
年 イエスは<br />
ぞく いっ<br />
家 族 と 一 緒<br />
しょ<br />
に,<br />
エルサレムまで<br />
なが たび<br />
長 い 旅 をしました。<br />
まつ<br />
すぎこしの 祭 りという<br />
お 祭<br />
まつ<br />
りを<br />
おいわいするために<br />
い<br />
そこに 行 ったのです。<br />
イ<br />
ラスト/エイプリル・ストット<br />
76 リ ア ホ ナ
子<br />
こ<br />
とし<br />
ある 年 のこと,<br />
いえ かえ<br />
家 に 帰 るとき,<br />
マリヤとヨセフは,<br />
とも<br />
イエスが 友 だちと<br />
いっ しょ かえ<br />
一 緒 に 帰 っていると<br />
おも<br />
思 っていました。<br />
ところが,<br />
にち<br />
1 日 がすぎて,<br />
イエスがいないことに<br />
き<br />
気 づきました。<br />
イエスはどこに<br />
いるのでしょう。<br />
供 ど<br />
も<br />
まち いそ<br />
マリヤとヨセフはイエスをさがすために,エルサレムの 町 に 急 いでもどりました。<br />
しん でん み<br />
すると, 神 殿 にいるイエスを 見 つけました。<br />
ひと びと せい ぶん おし しつ もん こた<br />
イエスは 人 々 に 聖 文 について 教 え ,か れ らの 質 問 に 答 えていたのです。<br />
ひと びと<br />
人 々 は ,イエスが あまりに かしこい の で,おどろいて いました 。<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 77
じ ぶん てん とぅ さま つか しん でん い<br />
イエスは, 自 分 は 天 のお 父 様 に 仕 えるために, 神 殿 にいたと 言 いました。<br />
せい ぶん まな ひと びと おし<br />
わたしたちは, 聖 文 について 学 んで,イエスにつ いて 人 々 に 教 えることができます。<br />
てん とう さま つか<br />
そうやって,わたしたちも 天 のお 父 様 に 仕 えることができるのです。■<br />
ルカ 2:41 - 52 から<br />
78 リ ア ホ ナ
わたしは<br />
色 を ぬ り ま し ょ う<br />
いろ<br />
あ い<br />
愛<br />
ひ と び と<br />
人 々 に<br />
をしめすことができます<br />
子<br />
こ<br />
供 ど<br />
も<br />
イ<br />
ラ<br />
ス<br />
ト<br />
/<br />
エ<br />
イ<br />
プ<br />
リ<br />
ル<br />
・<br />
ス<br />
ト<br />
ッ<br />
ト<br />
2 0 1 7 年 2 月 号 79
ま た 会 う 日 ま で<br />
愚 かな<br />
は ち<br />
蜂 のたとえ<br />
十 二 使 徒 定 員 会<br />
ジェームズ・E・<br />
タルメージ 長 老<br />
(1862 − 1933 年 )<br />
わたしたちの 中 で, 愚 かな 蜂 よりも 賢 いと<br />
言 える 人 はどれくらいいるでしょうか。<br />
々, 仕 事 に 追 わ れて い るときに<br />
時 は , 静 か で 一 人 に な れ る 場 所<br />
が 必 要 だと 感 じている 自 分 に 気 づくこ<br />
と が ありま す。 … … そん なときに ,わ<br />
たし が 好 んで 行 くの は ,ソルトレ ー ク<br />
とう や<br />
神 殿 の 塔 屋 にある 部 屋 です。…… そ<br />
の 部 屋 は , 簡 単 に は 出 入 りが で きな い<br />
ために, 比 較 的 人 からじゃまされるこ<br />
とはありません。……<br />
そ れでも, 訪 問 者 が まったくな いと<br />
いうわけではありません。 特 に 夏 はそ<br />
うで す。 というのも, 窓 を 開 け て 仕 事<br />
をして い ると , 時 々, 虫 が 入 り 口 を 見 つ<br />
け て, 部 屋 に 入 って 来 るの で す。 … …<br />
近 くの 丘 か ら 蜂 が 1 匹 , 部 屋 の 中 に<br />
舞 い 込 んできました。 わたしは 1 時<br />
間 以 上 も の 間 ,そ の 蜂 が 飛 び な が ら<br />
奏 でる 心 地 よい 羽 音 を 聞 いていまし<br />
た。そのうち,この 蜂 は 自 分 が 閉 じ 込<br />
められていることに 気 づき,あらゆる<br />
努 力 をして 半 開 きの 窓 から 脱 出 しよう<br />
としましたが, 失 敗 に 終 わりました。<br />
わ たし は , 戸 締 りをして 帰 る 時 間 に<br />
な った た め, 窓 を 広 く 開 け,そ の 蜂 が<br />
安 全 で 自 由 になれる 外 に, 初 めは 誘<br />
導 しようとし ,そ のうち , 追 い 出 そうと<br />
しました。 部 屋 に 閉 じ 込 められたまま<br />
に な れ ば ,この 部 屋 に 迷 い 込 ん だ ほ<br />
かの 虫 と 同 じように, 密 室 の 乾 燥 した<br />
空 気 の 中 で 死 んでしまうことがよく 分<br />
かっていたからです。しかし, 追 い 出<br />
そ うとす れ ば するほど,この 蜂 は わ た<br />
しの 努 力 に 逆 らうように 必 死 に 抵 抗 し<br />
ました。 先 ほどまでは 心 地 よかった<br />
羽 音 は , 今 や 怒 りの 羽 音 に 変 わり,そ<br />
の 素 早 い 動 きは, 敵 意 をむき 出 しに 攻<br />
撃 的 になってきました。<br />
そして, 隙 を つ い て,そ の 蜂 を 自 由<br />
にしてあげようと 誘 導 していたわたし<br />
の 手 を 刺 したのです。そして,ついに<br />
その 蜂 は, 助 けようとも 傷 つけようと<br />
も, 手 の 届 か な い 天 井 の 飾 りの 上 に 止<br />
まりました。 思 いやりのない 蜂 に 刺 さ<br />
れた 鋭 い 痛 みはあるものの,わたしの<br />
心 には 怒 りというよりもむしろ 憐<br />
あわ<br />
れみ<br />
の 気 持 ちが 湧 き 上 がってきました。わ<br />
たし は , 誤 った 反 抗 や 抵 抗 に は 必 然<br />
的 に 罰 が 伴 うことを 承 知 していまし<br />
た。そして,その 蜂 をその 定 めに 任 せ<br />
るほ か は な か った の で す。 3 日 後 ,わ<br />
たしがその 部 屋 に 戻 ってみると, 乾 き<br />
切 った 蜂 の 死 骸 が 机 の 上 にありまし<br />
た。 蜂 はそのかたくなさを 死 をもって<br />
償 わなければならなかったのです。<br />
そ の 蜂 の, 浅 は か で 身 勝 手 な 誤 解<br />
の せ いで,わ たし は 蜂 の 目 に は 敵 とし<br />
て,しつ こい 迫 害 者 として,ま た 自 分<br />
の 命 をつけねらう 天 敵 として 映 りまし<br />
た。しかし 実 際 は, 友 でした。 自 ら<br />
の 過 ちのために 放 棄 したその 命 を 救<br />
お うとし, 蜂 自 身 が し たことにもか か<br />
わ らず, 死 の 獄 舎 か ら 解 き 放 って, 再<br />
び 自 由 になれる 外 へ 戻 してあげようと<br />
努 力 していた 友 だったのです。<br />
この 愚 かな 蜂 の 生 き 方 とわたしたち<br />
の 生 活 との 間 に 類 似 点 はないと 言 え<br />
る ほ ど,わ たし た ち は この 蜂 よりもは<br />
るかに 賢 明 でしょうか。 わたしたち<br />
は , 時 に 激 情 や 怒 りに 駆 ら れて, 逆 境<br />
と 戦 おうとすることがあります。しか<br />
し ,そ の 逆 境 というもの が, 実 は 神 の<br />
知 恵 や 愛 の 表 れであるかもしれませ<br />
ん。わたしたちに 一 時 的 な 慰 めを 与 え<br />
るよりも,むしろ 永 遠 の 祝 福 へと 導 び<br />
こうとしているものかもしれないので<br />
かんなん す。この 世 にあって, 艱 難 や 苦 しみに<br />
出 遭 うとき,そこに は 神 聖 な 教 え が 含<br />
まれています。それは, 神 を 信 じない<br />
者 に は , 決 して 認 識 することの で きな<br />
い もの で す。 多 くの 人 々は , 富 を 失 う<br />
ことで 祝 福 にあずかってきました。ま<br />
た そ れ は , 自 己 中 心 の 放 縦 という 囲 い<br />
の 中 から 導 き 出 し,また 時 には 追 い 出<br />
して, 日 の 当 たる 解 き 放 たれたところ<br />
へ 導 くための 有 益 な 手 段 となってきま<br />
した。そこでは, 努 力 次 第 で 限 りない<br />
機 会 が 与 えられるのです。 失 意 , 悲 し<br />
み , 苦 悩 とい ったもの は , 全 知 全 能 の<br />
いつく<br />
御 父 の 慈 しみの 表 現 なのかもしれま<br />
せん。<br />
この 愚 かな 蜂 から 学 べる 教 訓 につ<br />
いて 考 えてみましょう。■<br />
I mpr ovement E r a ,1 914 年 9 月 号 ,10 0 8 - 10 0 9<br />
から<br />
写<br />
真<br />
C<br />
ISTOCK/THINKSTOCK<br />
80 リ ア ホ ナ
チェン<br />
「 多 くの 民 が 来 るであろう」( 台 湾 台 北 神 殿 の 絵 ) 鄭<br />
チン<br />
金<br />
タイ<br />
大<br />
画<br />
「 多 くの 民 が 来 て 言 う。『さあ,わたしたちは 主 の 山 に 登 り,ヤコブの 神 の 家 へ 行 こう。 主 は 御 自 分<br />
の 道 をわたしたちに 教 えてくださる。わたしたちは 主 の 道 を 歩 もう。』 律 法 はシオンから 出 , 主 の 言<br />
葉 はエルサレムから 出 るからである。」( 2 ニーファイ 12:3)
今 月 号 のその 他 の 記 事<br />
ヤ ン グ ア ダ ル ト<br />
不 完 全 さ<br />
44<br />
ページ<br />
の 中 に 平 安 を 見 いだす<br />
この 世 において,わたしたちは 自 分 が 十 分 ではないと 感 じることが<br />
あ り ま す。 し か し 不 完 全 さ は ,わ た し た ち が 成 長 し , 進 歩 し , 弱 さ の 中<br />
に 強 さを 見 いだすことを 通 して 喜 びを 選 択 できるようにしてくれます。<br />
青 少 年<br />
54<br />
ページ<br />
見 つ け, 提 出 し, 教 える―<br />
神 殿 のチャレンジに 加 わる<br />
あなたはそのことについて 考 えました。 あなたはその<br />
ことについて 学 びました。 今 こそ, 家 族 歴 史 と 神 殿 の 業<br />
に 没 頭 するときです。 始 めるためのヒントを 幾 つか 紹 介<br />
しましょう。<br />
こ<br />
子<br />
ども<br />
供<br />
し ん け ん<br />
神 権<br />
な ん<br />
のかぎとは<br />
何 ですか<br />
72<br />
ページ<br />
しんけん じつぶつ 神 権 のかぎは, 実 物 のかぎではありません。 でも,たくさんの<br />
しゅくふく たと しゅくふく あ<br />
祝 福 , 例 えばバプテスマなどたくさんの 祝 福 のドアを 開 けてくれ<br />
しんけん つか かた よ<br />
ます。 神 権 のかぎの 使 い 方 について 読 んでみましょう。