PVLAを用いたDDS - セラジックス

糖鎖誘導体とDDSへの応用
有限会社セラジックス

糖鎖を用いたデリバリー
• Drug
• Gene
• Protein
• Metal
• etc

各種細胞による糖鎖認識
組織 糖鎖の特異性
脳 Glc(グルコース)
肝臓 GalNAc, Gal
肺胞ﾏｸﾛﾌｧｰｼﾞ Man, Fuc
肝非実質細胞 Man, GlcNAc
肝実質細胞 Gal, Man, GlcNAc
全細胞 Man-6-P
血清 Man, ManNAc, GlcNAc
ﾘﾝﾊﾟ組織 ManNAc, GlcNAc

DIVEMA-methotrexate: immune-adjuvant role
of polymeric carriers linked to antitumor
Ringsdrof et.al, Cancer Treat Rep. 1978, 62(11):1837-43.
ジビニルエーテルと無水マレイン酸の共重
合体に薬物を結合させる
Targeting Drug
Spacer
Drug

Differential uptake of D-galactosyl- and D-glucosylneoglycoproteins
by isolated rat hepatocytes.
Lee et al., J Biol Chem. 1981 256(5) 2230-4
Neoglycoproteinと呼ばれるキャリアーによ
るターゲティング
Targeting:
Sugar
Drug
Spacer
Drug

Targeting potential and anti-HIV activity of
lamivudine loaded mannosylated poly (propyleneimine)
dendrimer
Tathagata et.al, Biochimica et Biophysica Acta 1770 (2007) 681–686
マンノースを結合させたポリエチレンイミン
によるラミブジンのMT2細胞(リンパ球系)
への輸送

Specific E-selectin targeting with a superparamagnetic
MRI contrast agent.
Boutry S, et al., Contrast Media Mol Imaging 1 (2006) 15-22
sLe(x)を結合させたSPIOによるE-selectin
リッチな内皮細胞のイメージング

Glycotargeting to improve cellular delivery
efficiency of nucleic acids
Hongbin et al., Glycoconj J (2007) 24:107–123
糖鎖を結合させたポリマー等によるDNA,
RNAの輸送に関するReview
多糖
ポリペプチド
核酸
蛍光物質

疾患に関わる糖鎖
糖鎖(認識)の重要性の拡大
• 糖鎖欠損による疾患の発生
• 糖鎖処理酵素の異常による疾患の発生
• 糖鎖認識タンパク質の変異による疾患の
発生
• 糖鎖不足による疾患の発生
• その他

糖鎖欠損による疾患の発生
• 自己免疫疾患における IgG 糖鎖の役割の解明および診断への応用
• 関節リウマチなどの自己免疫疾患における病態と IgG の糖鎖構造変化との
関連を明らかにするために、各種自己免疫疾患モデルマウスにおける血清中
IgG の糖鎖構造を詳細に解析
• アポトーシス抑制遺伝子、 MRL マウスの背景遺伝子および加齢 が IgG 糖鎖
異常現象の発現および疾患の発症に重要であることを明らかにした
• 血清中糖鎖異常 IgG レベルの上昇が疾患 発症と密接に連関することを明ら
かにした病原性モノクローナル IgG の生理機能を調べる研究において、 IgG
の糖鎖構造異常とクリオグ ロブリン活性が相関している知見が得られ、マウス
の腎炎発症における IgG 糖鎖構造異常の意義が示唆された
• 疾患 の進行に伴い関節リウマチを併発することが知られているシェーグレン
症候群の患者 IgG の糖鎖構造を詳細に解析した結果、関節リウマ チ患者
IgG のように糖鎖構造異常を起こしている患者群と異常を起こしていない患者
群に分類され、 IgG 糖鎖にもとづく患者の予後予測の 可能性が示唆された
東海大学糖鎖研究施設ホームページより参照
http://www.tsc.u-tokai.ac.jp/pubhome/glyco/project/project.html

糖鎖処理酵素異常による疾患の発生
• マンノシドーシス(Mannosidosis)
α-マンノシダーゼの欠損によりマンノースを含むオリゴ糖の蓄積がおこる。乳
児期以降に発症し、精神運動発達障害・臓器腫大・特異な顔貌・骨格異常な
どを呈する。
• フコシドーシス(Fucosidosis)
α-L-フコシダーゼの欠損によりフコースを含むオリゴ糖の蓄積がおこる。ハー
ラー病様の顔貌とリューコジストロフィー類似の症状を呈する。乳児期発症の
病型と、より緩徐な経過を示す成人発症例とがある。
• シアリドーシス(Sialidosis)
シアリダーゼの欠損によりシアリルオリゴ糖の蓄積がおこる。腎障害を合併
する型、眼底にcherry-red spotを認めミオクローヌスを伴う型がある。
• アスパルチルグルコミン尿症(Aspartylglucosaminuria)
アスパルチルグルコサミニダーゼの欠損により尿中アスパルチルグルコサ
ミン排泄を示す。ムコ多糖症類似の臨床像を呈するが、軽度で、進行性の知
能障害を来す。常染色体性劣性。
産業技術総合研究所 糖鎖工学研究センター ホームページより参照
http://unit.aist.go.jp/rcg/rcg-gf/

スフィンゴリピドーシス
GM1、GM2ガングリオシドーシス
ファブリー病、ゴーシェ病、クラッベ病
異染性白質ジストロフィー症
スフィンゴリピドはスフィンゴシンに、脂肪酸、糖鎖またはフォスフォ
リールコリンの結合した脂質で、中枢神経系に多く存在する。この
糖鎖部分を分解する酵素がライソゾームに存在し、これら酵素異常
にて、中枢神経症状、肝脾腫を呈する。
ライソソーム病情報センターホームページより参照
http://www010.upp.so-net.ne.jp/inuikodomoclin/LDIC/index.htm

細胞による糖鎖認識
• 細胞によって糖鎖の認識が異なる→細胞組
織・部位に応じてターゲティングできる
• ガン細胞と正常細胞の糖鎖認識が異なる→
ガンのみにターゲッティングできる
• 細胞機能の変動によって糖鎖認識が変化→
細胞機能が低下している組織にターゲティン
グできる

セラジックスの有する糖鎖誘導体
• 糖鎖ポリスチレン誘導体
• ポリリジンベース糖鎖結合体
• キトサンベース糖鎖結合体
• ポリペプチドベース糖鎖結合体
• 多糖ベース糖鎖結合体

HO
OH
OH
O
OH
O
OH
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
CH 2
NH
PVLA
Poly(N-p-vinylbenzyl-O-β-Dgalactopyranosyl-(1→4)-Dgluconamide)
性状:
①肝細胞上のアシアログライコプロテインレセプター(ASGP-R)とガラクトースを残基を
介して結合可能。
②疎水性、親水性化合物を包接し、肝細胞にデリバリー可能。
③水中で高分子集合体を形成、100nm程度の高分子ミセルを作る。
④PVLAの包接キャビティの疎水度はエタノール程度。
⑤ポリスチレン表面にコーティング可能。

HO
OH
OH
O
OH
O
OH
O
OH
HO O
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
CH 2
NH
(CH 2-CH) n
CO
CH 2
NH
PVCA
特徴:内皮細胞を良好に培養可能
PVMA
特徴 グルコーストランスポーター
に結合

HO
OH
OH
O
O
NHCOCH3
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
CH 2
NH
NHCOCH3
PVGlcNAc
特徴:各種細胞を良好に培養可能

HO
OH
OH
O
OH
O
OH
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
P(VLA-co-VAL)
CH 2
NH
(CH 2-CH) m
CH 2
NH
CO
(CH 2) 14
CH 3
特徴 ポリスチレンはもとより、ポリウレタン、SUS、塩化ビ
ニル、ポリブタジエンなどにコーティング可能。血小板の接
着を効率的に抑制する。

OH
HO O
OH
OH
HO O
OH
OH
HO O
OH
OH
OH
OH
O
O
O
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
OH CH2 OH CONH
OH
P(VLA-co-VAL)
CH 2
NH
CO
(CH 2) 14
CH 3
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
OH CH2 OH CONH
OH
P(VLA-co-3,4VTT)
CH 3
(CH2-CH) n (CH2-CH) m
O
OH
OH
OH
CH2 CONH
OH
P(VLA-co-IBV)
OH
HO O
OH
OH
HO O
OH
OH
HO O
OH
OH
OH
OH
O
O
O
(CH2-CH) n (CH2-CH) m
N
OH
OH
OH
CH2 CONH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
OH CH2 OH CONH
OH
P(VLA-co-VCBA)
COOH
(CH2-CH) n (CH2-CH) m
O
OH
OH
OH
CH2 CONH
OH
OH
P(VLA-co-VCZ)
P(VLA-co-CVE)
OH
HO O
OH
OH
O
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
OH CH2 OH CONH
OH
P(VLA-co-VCE)

OH
HO O
OH
OH
OH
HO O
OH
OH
OH
HO O
OH
OH
O
O
O
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
CH 2
CONH
P(VLA-co-EGMV)
OH
OH
OH
OH
OH
OH
CH 2
CONH
(CH 2) 2
OH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
P(VLA-co-VP)
O
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
CH 2
CONH
P(VLA-co-TMGV)
O
(CH 2) 4
OH
OH
HO O
OH
OH
HO O
OH
OH
OH
OH
HO O
OH
OH
O
O
O
OH
OH
OH
OH
OH
OH
P(VLA-co-DEGV)
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
CH 2
CONH
CH 2
CONH
P(VLA-co-VBHE)
OH
OH
OH
CH 2
CONH
O
(CH 2) 2
O
(CH 2) 2
OH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
P(VLA-co-VHFN)
CH 2
NH
CO
(CF 2) 7
CF 3
OH
HO O
OH
OH
O
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n (CH 2-CH) m
OH
CH 2
CONH
P(VLA-co-VBP)

コーティング用素材としての
糖鎖含有高分子PVLAの特性

Poly (N-p-vinylbenzyl-D-lactonamide)
PVLA
n
(PVLA)
主鎖:スチレン骨格
側鎖:ラクトース
両親媒性の性質をもち、水中で高分
子ミセルを形成。
様々な糖鎖を有するモノマーやほか
の異なったペプチド系のビニルモノ
マーと共重合可能。

PVLAを用いた肝細胞培養
コラーゲン上
肝細胞培養系
PVLAによる
肝細胞培養系
長期培養
・肝機能低下
・形質転換
・細胞死
・肝機能保持
・細胞安定化

PVLA(糖鎖ポリマー)のコーティング特性
水滴
PUh PU PC PVC PB
各種医療用ポリマーのみの表面
PUh PU PC PVC PB
糖鎖ポリマー(PVLA)をコートした
各種医療用ポリマーのみの表面
糖鎖ポリマー
各種医療用ポリマー
スライドガラス
ポリウレタン(PUh、PU)、ポリカーボネート
(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブタジ
エン(PB)の各表面では、撥水性が高いた
め、水は球状に近い
PUh、PU、PC、PVC、PBに糖鎖ポリマー
をコーティングした表面では、親水性が高
いため、表面が水に濡れた状態になる。
ポリウレタン(PUh、PU)、ポリカーボネート
(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブタジ
エン(PB)の表面に水1mLを静かにおい
て10分間放置

糖鎖ポリマーによる各医療材料の接触角変化
糖鎖ポリマー
医療機器基材
ポリスチレン ポリブタジエン ポリプロピレン ポリ塩化ビニル ポリウレタン
PVLA 44.3 67.2 94.8 63.9 61.1
P(VLA-co-VAL)9:1 69.5 70.1 92.6 80.4 72.9
P(VLA-co-VBCH)9:1 71.9 66.6 99.6 77.1 73.4
P(VLA-co-VHFN)9:1 67.4 64.8 92.7 72.6 67.2
基材のみの表面 84.4 69.6 101.5 95.0 78.0

ポリスチレン(Pst)上の血小板 P(VLA-co-VAL)コートPst上の血小板
血小板が強く吸着したため細胞が
変形し、扁平化している。
糖鎖ポリマーをコーティングした表面には生体でもっとも接着しや
すい血小板が全く接着しない。
血漿タンパク質の吸着も抑制できる。
血小板の吸着が無いため細胞は浮
遊し、球状のまま。

脂肪族系セグメント化ポリウレタンする血小板の粘着像
ポリウレタン表面のみ P(VLA-co-VAL)9:1コーティング表面

SMC細胞の接着
• ガラクトースを有するポリマー(PVLA, PVMeA)
には殆ど接着しない
• グルコースを有するポリマー(PVMA, PVCA)へ
の吸着・増殖にも差異が生じる
• PVCA上での増殖は、コラーゲン等の増殖と異
なった形態、性質を示す。
↓
細胞特異性材料

Adhesion of SMC on Protein and Oligosaccharide Coated PSt
Fibronectin Collagen PVLA
PVMeA PVMA PVCA

EC細胞の接着
• ガラクトースを有するポリマー(PVLA)には殆ど接着しな
い
• 他のガラクトース含有ポリマー(PVMeA)には若干の接
着と増殖を示す。
• グルコースを有するポリマー(PVMA, PVCA)への吸着・
増殖にも差異が生じる
• PVCA上での増殖は、コラーゲン等の増殖と異なった形
態、性質を示し、増殖が亢進されている。
↓
細胞特異性材料

Adhesion of EC on Protein and Oligosaccharide Coated PSt
Fibronectin Collagen PVLA
PVMeA PVMA PVCA

CHO細胞の接着
• ガラクトースを有するポリマー(PVLA, PVMeA)には殆
ど接着しない
• ガラクトースのモノマーに共重合体を付与すると接着増
殖する。(CHOのみを培養できる)
• グルコースを有するポリマー(PVMA, PVCA)への吸着・
増殖は生じない
• PVGlcNAc上での増殖は、コラーゲン等の増殖と異なっ
た形態、性質を示す。
↓
細胞特異性材料

P(VLA-co-SU)
PVLA PVMEA
P(VLA-co-VAL)
PVMA
PVGlcNac
PVCA
PV-sugar上で培養したCHO細胞
PSt
PVLam

細胞による糖鎖認識
• 糖鎖(Glc, Gal, Man, GlcNAc)による違い
• 糖鎖の結合様式の違い
• 糖鎖シークエンスの違い

DDS材料としての糖鎖ポリスチレン誘導体
• 糖鎖による細胞認識
• 疎水性薬物を包接
• 疎水性薬物の可溶化
• 高分子ミセル形成

HO
OH
OH
O
OH
OH
OH
O OH CO
PVLA
OH
(CH 2-CH) n
CH 2
NH
水溶液中のポリマー
ミセルの形成
包接
次の環境条件に依存する
・糖鎖ポリマーは様々な薬物や遺伝子
を包接できる
・いろいろな素材にコーティングできる
PVLA PEG PVP Cont
温度
濃度
包接する薬物
共重合成分

HO
OH
OH
O
PVLAによるターゲッティング
OH
O
OH
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
CH 2
NH
125I-PVLA
CH 3
(CH 2-C) n
OH
①タンパク質のIRラベルに用いられる手法を応用
②共重合体モノマーの水酸基を保護した後、重合し脱保護
③タンパク質ラベル化と同様にヨウ素ラベル
125 I

Poly (N-p-vinylbenzyl-D-lactonamide)
(PVLA)のラット体内動態
ラットに 125 I-PVLAを投与し、6時間後 の体内分布 肝臓に集
中、一部肝臓から胆汁酸、小腸への排出が観察された
M. Goto, T. Akaike, et al
J. Controlled Release., 1994, (28), 223

PVLAの物理化学的性質
1.有機化合物を包接
①ANS, DPH, BzNBDを包接し、水中で強い蛍光を示す
②PVLAの包接キャビティーは、エタノールの疎水度に匹敵
③水に不溶な化合物も包接可溶化
2.水中でのミセル形成
①光散乱測定で100nmの集合体を形成
②pyreneなどの蛍光物質による集合体形成を確認
③暗視野顕微鏡で200nmの集合体を確認
④X線解析で繰り返し構造20Åを確認
⑤CD測定からαへリックスを形成
3.コーティング
①ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステルなど様々な素材に吸着可能
②コーティングした表面では球状?
③界面活性剤、ソニケーションの単独処理では剥離しない
④AFMから表面は均一にコーティングされていることを確認

Abs.
PVLA共重合体による包接挙動(UV差スペクト
ルによる解析)
0.4
0.2
0
14.28×10 -5 M
9.61
5.82
2.94
0.99
280 300 350 400 450
Wavelength(nm)
9:1 poly(VLA-co-4-styrenesulfonic acid)
各ポリマー溶液濃度を4.7×10 -3 Mに調製し、
サンプル(S)側にポリマー溶液、リファレンス
(R)側に水を用いて測定した。
ANS濃度は5.82×10 -5 M, 9.61×10 -5 M,
14.28×10 -5 Mで測定するため、S,R側にそ
れぞれ加えた。
溶液調製初日、七日後、七日後,ソニケー
ション5分で測定した。
※データは392nmのポイントで集計
8-anilinonaphthalene-1-sulfonic acid(ANS)
SO 3
HN

HO
OH
OH
O
OH
O
DDSの具体例
OH
OH
OH
OH
(CH 2-CH) n
CO
P(VLA-co-VAL)
CH 2
NH
(CH 2-CH) m
CH 2
NH
CO
(CH 2) 14
CH 3
①アルキル基の疎水性により様々なプラスティック表面にコート可能.
抗血栓性材料として利用可能
②CoQ10、オレイン酸、Z-Asp、など様々な薬物を水溶性にすることが可能
③肝細胞に特異的に結合、貪食される。

Con A投与で発生する肝臓障害
(ALT, IFN-γ活性比較)
Con A投与したマウスの肝障害
このように未処理のマウスと比べ
Con A投与マウスではALT、
IFN-γ量が上昇し、肝臓障害を確認
ALT (IU/L)
2000
0
1000
0
0
血中のALT量の比較
未処理 Con A投与
RT-PCR
←IFN-γ

in vivo系での細胞死抑制評価の実験手順
Z-Asp含有ポリマーミセル溶液(100μl)を尾静脈投与
1-24 時間
←Con A(10 mg/kg)を尾静脈投与
7 時間
ALT * 活性測定
BALB/c, ♀, 6~8週齢(体重約20 g)
ポリマー濃度: 0.1 wt%
Z-Asp: 2.5 mg/kg
Z-Asp-CH2-DCB :
caspase 阻害剤であり、アポトーシスを抑制する
*ALT(グルタミン酸-ピルビン酸トランスフェラーゼ)
肝特異的で、肝細胞障害時には肝臓のALTは減少し、血中での活性が上昇する。

*
肝障害により流出する血中ALT量の比較
ALT (IU/L)
RT-PCR
Non-treated
PBS-Con A
PVLA-Z-Asp
300
200
100
0
9:1 PLB-Z-Asp
*
8:2 PLB-Z-Asp
Z-Asp PVLA 8:2 9:1 cp
1 3 6 9 12 24 (時間)
IFN-γ
GAPDH
◆ Z-Asp, ■ PVLA-Z-Asp
▲ 9:1 PLB-Z-Asp, ● 8:2 PLB-Z-Asp
薬物包接安定性を獲得したPLBミセルは
PVLAミセルよりも長時間の
ALT抑制効果を示した

Z-Aspを包接したPVLAによる
肝障害抑止効果
• PVLAをより疎水化したポリマーにより、Z-
Aspを効果的に肝細胞にデリバリー可能
• PVLAを用いれば、肝疾患への応用も可能

糖鎖結合リポソームを用いた心筋細胞を
標的とする薬物輸送システムの開発
○小林 聡 1 , 伊勢裕彦 1 ,麻生真一 1 ,高橋将文 1 , 後藤光昭 2 , 森本 創 1 ,
伊澤 淳 1 , 池田宇一 1
1 信州大学大学院 医学研究科 臓器発生制御医学講座 循環病態学分野
2 有限会社セラジックス

OD570
心筋細胞の様々な糖鎖に対する認識能の評価
0.08
0.06
0.04
0.02
0
PV-Man PV-GlcNAc PV-LA
BSA
糖鎖結合培養皿に対する培養心筋細胞の接着細胞数の評価(MTT assay)
PV-G PV
-CA
PV
-Lam
PV
-GA
PV
-MEA
PV
-Man
*
PV
-GlcNAc
* P

糖鎖結合FITCポリスチレンナノ粒子の構成と投与
200 nm
尾静注
Avidin
結合
心筋虚血-再灌流
モデルマウス
H OH
H OH
H
O
H OH
H
HO
O
H
HO
O
OH
H NH HO
O
H
H H
NH HO
O
H NH
H
O
H
H
CH3
O
H
CH3 0 or 3
CH3
Biotin
Chitobiose or Chitopentaose (GlcNAc terminal)
HO
HO
HOH
H
H
H
O
OH
H
HOH
H
O
O
HO
H OH
H H
O
HO
HOH
H
H
H OH
Maltopentaose(Glc terminal)
HOOH
H
HO
Negative control
H
H
H
O
OH
H
3
HOH
H
OH
O
HO
H OH
H H
Lactose (Gal terminal)
OH
H
Biotin
Biotin

傷害心筋部位への糖鎖結合
FITCポリスチレンナノ粒子の集積
Chitopentaose (GlcNAc) Maltopentaose (Glc)

材料
脂質
薬剤を封入した糖鎖結合リポソーム
GlcNAc-結合リポソーム (GlcNAc-Ls) または
Pravastatin
DPPC; Dipalmitoyl phosphatidylcholine
(1,2-Dipalmitoyl-sn-Glycero-3-phosphocholine)
DPPE; Dipalmitoyl phosphatidylethanolamine
Maltose-結合リポソーム (MA-Ls)
pravastatinまたはDiDを包埋
200 ~ 400 nm
(1,2-Dipalmitoyl-sn-Glycero-3-phosphoethanolamine)
Chol; Cholesterol standard
GlcNAc or Maltose
DiD
PravastatinまたはDiDを封入したリポソーム
(DPPC/Chol/DPPE=80:20:2 (mol %))
リポソームに封入する薬剤
蛍光基質
DiD; 1,1`-dioctadecyl-3,3,3`-tetramethylindodicarbocyanine
perchlorate
親水性スタチン; Pravastatin

心筋細胞におけるGlcNAc結合蛍光リポソームの
取り込み(フローサイトメトリーによる)
Negative Control
MA-Ls (M)
GlcNAc-Ls
Negative Control
GlcNAc-Ls + PV-GlcNAc
GlcNAc-Ls + PV-MA
GlcNAc-Ls

心筋細胞におけるGlcNAc結合蛍光リポソームの
位相差顕微鏡
による観察像
蛍光顕微鏡に
よる観察像
取り込み(蛍光顕微鏡による)
GlcNAc-Ls MA-Ls

iNOS
β-actin
心筋細胞におけるプラバスタチン封入
GlcNAc結合リポソーム処理によるiNOSの発現
IL-1β添加
iNOS: inducible nitric oxide synthase

糖鎖誘導ポリスチレンの
DDSへの応用
• 糖鎖による臓器ごとのターゲティングが可能
• 疎水性薬物をポリマーミセル中に包接し、デ
リバリーが可能
• 糖鎖認識の精密化により、ターゲットのみへ
の薬物運搬が可能になる