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月間報告書 8 月号 ビオコンバレーの企業動向について 2007 年 8 月 15 ...

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<strong><strong>月</strong>間報告書</strong> 8 <strong><strong>月</strong>号</strong><br />

<strong>ビオコンバレーの企業動向について</strong><br />

<strong>2007</strong> <strong>年</strong> 8 <strong>月</strong> <strong>15</strong> 日<br />

ジェトロ・ベルリンセンター<br />

1 ビオコンバレーと MV 州政府 ヘルスケア産業促進に向けて正式提携<br />

「美しい自然と余暇に利用する地域としての多大な可能性<br />

との組み合わせから、MV 州はドイツ一の健康州になる最高<br />

の条件を兼ね備えている」とアピールする MV 州政府は、2005 <strong>年</strong>より MV 州ヘルスケ<br />

ア産業マスタープラン 2010 を立ち上げている。プランには、毎<strong>年</strong>夏にドイツヘルスケ<br />

ア産業分野会議の開催、MV 州内における医療、リハビリ、保養、休暇の一環提供な<br />

ど、2010 <strong>年</strong>までに MV 州をドイツ一のヘルスケア地域に育て上げるための目標が掲げ<br />

られている。このプランの具体的事業の運営は、ビオコンバレーが中心となって取り<br />

組んできている。<br />

これまでの同プランに関わる具体的事業の成功を受け、MV 州政府はこのほどヘル<br />

スケア産業促進事業の正式委託に踏み切った。7 <strong>月</strong> 18 日、ロストック DOT 社にて MV<br />

州経済省とビオコンバレー間の契約が締結され、同事業はビオコンバレーに正式委託<br />

された。バイオテクノロジー連盟には、4 <strong>年</strong>間で 400 万ユーロが付与されることになる。<br />

この契約に伴い、ビオコンバレーのホルスト・クリンクマン会長は「われわれの活<br />

動はこれまで、とりわけ関係者の善意に支えられてきたが、この契約によってはじめ<br />

て諸事業が確定的なものになった」と手ごたえを感じている。<br />

MV 州は、このほど 2010 <strong>年</strong>ヘルスケア産業マスタープランをもとに、本委託事業を<br />

公募にかけたが、ユルゲン・ザイデル MV 州経済相によると、今回の公募での目標は、<br />

常に意見や助言を得ながら活動し、実習および研修を多く取り入れ、事業のイニシア<br />

チブをとり、そして中でも高い品質標準を開発しようとするネットワークを組織する<br />

ことにあるという。<br />

ザイデル経済相はさらにネットワークの重要性に関し「バイオテクノロジーおよび<br />

バイオ医療研究とその発展によって生み出された最良の製品は、リハビリ分野などで<br />

の観光産業だけでなく、食品産業による革新的成果とも密接に関連づけていかなけれ<br />

ばならない」と述べている。<br />

つまり、個別事業のみではもはや市場支配することはできず、ネットワークを通じた<br />

一環型サービス提供の重要性が増しているということである。例えば、最良の整形外科治<br />

療の提供、その後のリハビリテーションセンターでの治療提供、地元業者の医学工学薬の<br />

提供といった患者への医療ケアから、治療と回復を目的にした高級リゾート地の確立など<br />

1


といった休暇客へのサービスまで全てを MV 州で提供するといったスタイルである。これ<br />

まで、ロジスティックにまで及ぶ顧客の要望に応じたサービス提供を心がけてきたロ<br />

ストック DOT 有限会社ハンス・ゲオルク・ノイマン代表も、同様にネットワーク形成<br />

の重要性を指摘している。<br />

また、ザイデル MV 州経済相は信頼のおける品質基準を確保する必要性を訴えてお<br />

り、「最終的には MV 州に品質管理事務局を構える必要がある」と述べる。以前から<br />

品質管理事務局の必要性を指摘していたビオコンバレーのホルスト・クリンクマン会長<br />

は、MV 州がドイツ一の健康州となることに大きなチャンスを見ている。この分野に<br />

はまだ統一品質管理監査基準が存在しない。そのためにも、ネットワーク形成という<br />

発想はこれからますます重要になってくるだろう。<br />

なお、MV 州とビオコンバレーとの契約期間は 2011 <strong>年</strong>上半期までとなっている。<br />

出典:ビオコンバレープレスリリース、MV 州経済・労働・観光省プレス<br />

2 MV 州 フード&ヘルス イノベーションプライス <strong>2007</strong><br />

ビオコンバレーは食品製造産業も大きな柱の一つとして<br />

おり、バイオテクノロジーと食品製造業の協力関係の可能<br />

性を追求している。「MV 州には、農業、食品製造業および<br />

漁業関係の企業が高品質の食品製造を目指すチャンスが多<br />

大にある」と、ティル・バックハウス MV 州農業・環境・<br />

消費者保護相は語る。<br />

本イノベーションプライスは 2001 <strong>年</strong>より実施されており<br />

今回で4回目になるが、「ドイツ一の健康州」を目指す<br />

2010 <strong>年</strong> MV 州ヘルスケア産業マスタープランの具体的事業<br />

の一つとして、MV 州もとりわけ力を入れている。「健康食品やヘルスケア産業分野<br />

に関する知識を高めることは、調和のとれた活力のある生活を送ることに繋がり、ま<br />

たそれは病気や事故後の治癒を助けるものともなる一方、同分野における技術開発研<br />

究によって得られた成果は、製造業や加工業に革新的な影響を与え、新製品開発や品<br />

質の向上にも繋がり、また消費者保護の改善や自然リソースの保<br />

護にも貢献するものとなる」と MV 州政府は主張する。<br />

MV 州農業・環境・消費者保護省<br />

ティル・バックハウス州首相<br />

2


「MV 州には、健全な自然、新鮮な水と空気、複数の良質な森、そして有効的な土<br />

地利用といった要素をはじめ、高品質な食料品を製造する理想的な条件が複数揃って<br />

いる」と語るティル・バックハウス MV 州農業・環境・消費者保護相は、「同州の食<br />

品製造業は、加工産業における支柱となる重要なものであり、また今後もそうあり続<br />

けるであろう。」と見通しを述べる。<br />

MV 州の食品製造業は、加工産業の売上高の 34.5%に達している。同州の食品製造<br />

業関係企業は、本<strong>年</strong>度の第一四半期のうちに前<strong>年</strong>比 12.6%増の 8 億 5,880 万ユーロの<br />

売上高を記録したことが報告されている。<br />

こういった背景をもとに、ティル・バックハウス MV 州農業・環境・消費者保護相<br />

は、このほど「第 4 回フード&ヘルスイノベーションプライス <strong>2007</strong>」の募集を開始し<br />

た。本イノベーションプライスの審査はビオコンバレーのほか同州の食品製造業およ<br />

びヘルスケア産業関係の企業が担当する。募集の対象となるのは、MV 州内の食品産<br />

業およびヘルスケア産業関係の中小企業、一次製造業者、加工業者、下請け業者およ<br />

びサービス業者となっている。また、受賞対象としては、新製品開発、加工技術改良、<br />

もしくは革新的なマーケティング戦略といったものが想定される。受賞式は、<strong>2007</strong> <strong>年</strong><br />

10 <strong>月</strong> 3 日のドイツ統一記念日にシュヴェリンにおいて執り行われ、受賞者らに対して<br />

は賞金(助成金)として合計 5,000 ユーロが付与される予定である。<br />

なお、これまでのフード&ヘルスイノベーションプライスにおける受賞者は以下の<br />

とおりである。<br />

2001<br />

<strong>年</strong><br />

2003<br />

<strong>年</strong><br />

2005<br />

<strong>年</strong><br />

応募数 受賞者<br />

グライフェン・フライシュ有限会社(グライフスヴァルト)【肉類】<br />

-オメガ‐3脂肪酸を使った上質なパイ(7,000DM)<br />

23 件<br />

ハッチャー社【パン・洋菓子】<br />

-最新のマネージメント(3,000DM)<br />

エスバーレ・ラントシャフテン有限会社(ボルテンハーゲン)<br />

-トップクラスの飲食店営業および国産薬草と珍しい香辛料用野菜を使った<br />

加工食品産業の促進と供給(3,000Euro)<br />

<strong>15</strong> 件<br />

36 件<br />

ノイエ・オストゼー・フィッシュ有限会社(ロストック)【魚類】<br />

-プレミアム商標「Royal Baltic®」(2,000Euro)<br />

グラーボワー・ズースヴァーレン有限会社【洋菓子類】<br />

-砂糖不使用のグラーボワー社製品「Küsschen」の開発(3,000Euro)<br />

デムニン社【アイスクリーム工場】<br />

-菜種油入りルピナスアイス(1,500Euro)<br />

ポンメルシェ・フライシュ・ウント・ヴルストヴァーレン有限会社【肉類】<br />

-低カロリー食品シリーズ“Leichte Linie“(500Euro)<br />

3


出典:ビオコンバレープレスリリース、MV 州農業・環境・消費者保護省プレス<br />

3 MV 州・グライフスヴァルトの企業 日本に販売パートナー<br />

MV 州グライフスヴァルトに拠点をおく、血液製剤の製造販売会社クロマテック有<br />

限会社(ChromaTec GmbH)は、このほど日本の販売パートナーを獲得し、日本との<br />

ネットワークが形成された。<br />

1999 <strong>年</strong>に 2 人の生物学者によって設立されたクロマテック社は、高分子分析・高<br />

分子隔離・高分子合成を主な業務内容としており、プロテオミクス(遺伝子情報を元<br />

に作製されるタンパク質の構造・機能解析)および高純度プロテイン領域(例えば<br />

PF4( http://www.chromatec.de/produkte_pf4_e.html(英・独))における受託分<br />

析サービス提供のほか、一次製品としてのPF4 やHIT抗体テストに必要なプロテイン<br />

を供給している。本サービスおよび同社製品は、研究機関、大学施設、そしてバイオ<br />

テクノロジー・医療・薬品・農業関係の企業によって利用されている。<br />

また、同社は産学連携にも力を入れており、グライフスヴァルト大学との共同研究<br />

の成果が同社製品開発に大きく貢献しているようだ。<br />

プロテイン作製にあたる電気泳動検査法に<br />

よる品質維持のための鑑定:ホルガー・ヒ<br />

ッペ氏(CEO)(手前)とイエンス・ホッペ<br />

ン氏(専門家)(奥)<br />

今後はEUのみならずアジアへの市場拡大を目指しているクロマテック社。<strong>2007</strong> <strong>年</strong> 4<br />

<strong>月</strong>には東京の国際金属薬品株式会社(http://www.kkyc.co.jp/ )からプロテインの受<br />

注があったことを契機に同社を販売パートナーとして認定した。<br />

4


ChromaTec(クロマテック)有限会社<br />

社名 ChromaTec GmbH<br />

住所 c/o BioTechnikum Greifswald<br />

Walther-Rathenau-Strasse 49a, D-17489 Greifswald<br />

URL http://www.chromatec.de/index_e.html (英、独)<br />

社長 Dr. Holger Hippe<br />

主な事業内容 血液製剤の製造・販売および受託分析<br />

設立 1999 <strong>年</strong><br />

従業員数 3名<br />

コメント ビオコンバレーの会員である。<br />

4 ビオコンバレー バイオジャパン <strong>2007</strong> で三重メディカルバレーと共同出展予定<br />

今<strong>年</strong>もバイオ見本市『バイオジャパン<br />

<strong>2007</strong>』が 9 <strong>月</strong> 19 日から 21 日にかけて横<br />

浜で開催される。<br />

2004 <strong>年</strong>以来、ビオコンバレーからヴォルフガング・ブランク社長と DOT 社ハンス<br />

ゲオルク・ノイマン代表が参加しており、いずれも日本の提携パートナークラスター<br />

である三重メディカルバレーと共同ブース出展してきた。<br />

ビオコンバレーとみえメディカルバレー両地域の産業交流は続いており、今<strong>年</strong>もビ<br />

オコンバレーはみえメディカルバレー、三重TLO、三重大学、津市と共同でブース<br />

出展を行う予定である。ブランク社長は、「今<strong>年</strong>は州政府からの委託事業の関係で日<br />

程調整ができず、残念ながら訪日できないが、三重との産業交流は継続していきたい。<br />

今後具体的な交流事業についても話し合っていきたい」と積極的な意向を述べている。<br />

なお、横浜で開催予定の『バイオジャパン <strong>2007</strong>』では、同共同ブース内でビオコン<br />

バレーおよび MV 州関連資料を提示する予定である。<br />

5


◆ <strong>2007</strong> <strong>年</strong> 8 / 9 <strong>月</strong>の催し<br />

8 <strong>月</strong> 23-26 日 Baltic Summer Academy “Fontan Circulation”<br />

主催:Baltic Sea Forum e.V.<br />

場所:ロストック・ヴァルネミュンデ<br />

(http://www.baltic-conference-on-ehealth.com/)<br />

9 <strong>月</strong> 7 日-9 日 第9 回国際シンポジウム:肝臓病のアルブミン透析<br />

主催:Forum Leberdialyse (FLD) e.V.<br />

場所:ロストック・ヴァルネミュンデ<br />

(http://www.albumin-dialysis.org/)<br />

9 <strong>月</strong> 19 日 InnoPlanta Forum <strong>2007</strong>:緑のバイオテクノロジー-ヨーロッパ<br />

における農業のチャンス-<br />

主催:InnoPlanta e.V.<br />

場所:ベルリン<br />

(http://www.innoplanta.my-content.biz/index.php?id=9&L=1)<br />

9 <strong>月</strong> 26 日-28 日 EuroBio <strong>2007</strong>-EuroBio ビジネスマッチング<br />

場所:リル(フランス)<br />

(http://www.eurobio-event.com/partnering.php)<br />

9 <strong>月</strong> 26 日-28 日 第1 回スカンバルト Biomaterials Days “Let´s try Networking”<br />

主催:スカンバルト<br />

場所:トゥルク(フィンランド)<br />

(http://congress.utu.fi/scanbalt<strong>2007</strong>/)<br />

10 <strong>月</strong> 4 日-5 日 第1 回スカンバルトフォーラム <strong>2007</strong><br />

主催:スカンバルト<br />

場所:イェーテボリ(スウェーデン)<br />

(http://www.scanbalt.org/sw116<strong>15</strong>.asp)<br />

以上<br />

6

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