皮膚内の棘の超音波像 - 日立メディコ

論 文
皮 膚 内 の 棘 の 超 音 波 像
Ultrasonogram of Intradermal Splinter
山 崎
政 城 Masashiro Yamazaki
山 崎 医 院 ( 千 葉 県 横 芝 光 町 )
今 回 、 経 験 した 棘 の 外 傷 は20 症 例 で 棘 の 大 きさは1mmから14mm 大 で 平 均 3.975mmの 小 さな 棘 であった。 超 音 波 検 査 でほぼ
明 確 に 棘 を 描 出 し 診 断 した。すべての 症 例 で 棘 を 摘 出 した。 棘 の 刺 入 が 横 あるいは 斜 横 であれば 線 状 の 高 エコー 像 で、 棘 の 刺 入
が 縦 であれば 点 状 の 高 エコー 像 として 描 出 された。 超 音 波 検 査 は 小 さな 棘 でも 描 出 が 可 能 で 診 断 に 有 用 であったので 報 告 する。
I had experiences of 20 cases of a surface wound by a splinter. The splinters were all small, from 1mm to 14mm and
3.975mm on average. They were clearly visualized by an ultrasonographic examination. In these 20 cases, I removed them. If
a splinter is horizontally or diagonally in the skin, the echogram shows hyperechoic line. If a splinter is vertically in the skin,
the echogram shows hyperechoic spot. Ultrasonography can visualize a small splinter, so it is useful for diagnoses.
Key Words: Splinter, Skin, Ultrasonography, Echogram
1.はじめに
棘 の 刺 創 は 日 常 多 く 遭 遇 する 外 傷 であるが、 家 庭 医 学 書
にその 処 置 が 簡 単 に 述 べられているだけで 専 門 書 にはその
項 目 すら 載 っていないことが 多 い。それ 故 、 棘 の 刺 入 で 外 部
から 見 えない 棘 の 診 断 をどのようにするかも 明 確 にされて
いない。
小 さな 棘 を 刺 し、ある 程 度 の 期 間 を 経 過 した 症 例 では 棘 が
中 に 入 っているかどうか、 明 確 な 診 断 ができないまま 棘 を 摘
出 してきた。 明 確 に 棘 が 創 内 に 入 っていると 診 断 できれば 自
信 を 持 って 処 置 ( 手 術 )を 施 行 できると 確 信 する。
今 回 、 経 験 した 棘 の 刺 入 の20 症 例 は 約 1~14mm 大 で 平
均 3.975mmの 小 さな 棘 であり、 超 音 波 検 査 にてほぼ 明 確 に
棘 を 描 出 したので 報 告 する。
診 断 装 置 は 日 立 メディコ 製 超 音 波 診 断 装 置 EUB-6000、 電
子 リニアスキャン 探 触 子 EUP-L34T( 中 心 周 波 数 10MHz)を
用 いた( 図 1)。
図 1: 日 立 EUB-6000 超 音 波 診 断 装 置 ( 左 )
電 子 リニアスキャン 探 触 子 EUP-L34T( 右 )
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2. 症 例
( 症 例 1) 38 歳 女 性 ( 図 2)
1ヶ 月 前 に 障 子 の 桟 にて 右 第 3 指 部 を 受 傷 。 自 己 抜 去 するも 創
が 治 癒 せず 疼 痛 があり 来 院 ( 図 2a)。
超 音 波 検 査 :2mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 2b)。
手 術 : 局 麻 下 に2mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 2c)。
( 症 例 4) 76 歳 女 性 ( 図 5)
前 日 、ゴミを 拾 っていて 左 第 2 指 部 に 何 かを 刺 し 受 傷 。 左 第 2
指 部 痛 があり 来 院 ( 図 5a)。
超 音 波 検 査 :1.2mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 5b)。
手 術 : 局 麻 下 に2mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 5c)。
(a)
(a)
(b)
図 2:38 歳 女 性 右 第 3 指
(c)
(b)
図 5:76 歳 女 性 左 第 2 指
(c)
( 症 例 2) 52 歳 女 性 ( 図 3)
5 日 前 に 花 の 棘 を 右 第 3 指 部 に 刺 し 受 傷 。 右 第 3 指 部 痛 があり
来 院 ( 図 3a)。
超 音 波 検 査 :2つの 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 3b)。
手 術 : 局 麻 下 に1.5mm 大 の 棘 を 摘 出 した( 図 3c)。
( 症 例 5) 59 歳 女 性 ( 図 6)
前 日 、 草 取 りをして 右 第 2 指 部 に 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 2 指 部 痛
があり 来 院 ( 図 6a)。
超 音 波 検 査 :2mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 6b)。
手 術 : 局 麻 下 に4mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 6c)。
(a)
(a)
(b)
図 3:52 歳 女 性 右 第 3 指
(c)
(b)
図 6:59 歳 女 性 右 第 2 指
(c)
( 症 例 3) 67 歳 女 性 ( 図 4)
当 日 、 人 形 ケースの 掃 除 をしていて 右 第 5 指 に 何 かを 刺 し 受
傷 。 右 第 5 指 部 痛 があり 来 院 ( 図 4a)。
超 音 波 検 査 :2mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 4b)。
手 術 : 局 麻 下 に2mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 4c)。
( 症 例 6) 78 歳 女 性 ( 図 7)
10 日 前 に 廊 下 を 歩 いて 何 かを 左 足 底 部 に 刺 し 受 傷 。 左 足 底
部 痛 があり 来 院 ( 図 7a)。
超 音 波 検 査 :4.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 7b)。
手 術 : 局 麻 下 に8.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 7c)。
(a)
(a)
(b)
図 4:67 歳 女 性 右 第 5 指
(c)
(b)
図 7:78 歳 女 性 左 足 底 部
(c)
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( 症 例 7) 61 歳 男 性 ( 図 8)
3 日 前 に 右 第 3 指 部 に 木 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 3 指 部 痛 があり
来 院 ( 図 8a)。
超 音 波 検 査 :1.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 8b)。
手 術 : 局 麻 下 に1.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 8c)。
( 症 例 10) 79 歳 男 性 ( 図 11)
3 日 前 に 右 第 4 指 部 に 何 かをしていて 受 傷 。 右 第 4 指 部 痛 があ
り 来 院 ( 図 11a)。
超 音 波 検 査 :1.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 11b)。
手 術 : 局 麻 下 に4mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 11c)。
(a)
(a)
(c)
(c)
(b)
図 8:61 歳
男 性 右 第 3 指
(b)
図 11:79 歳 男 性 右 第 4 指
( 症 例 8) 68 歳 女 性 ( 図 9)
8 日 前 に 右 第 1 指 部 に 木 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 1 指 部 痛 があり
来 院 ( 図 9a)。
超 音 波 検 査 :2mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 9b)。
手 術 : 局 麻 下 に3.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 9c)。
( 症 例 11) 40 歳 男 性 ( 図 12)
前 日 、 左 第 1 指 部 に 木 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 左 第 1 指 部 痛 があり 来
院 ( 図 12a)。
超 音 波 検 査 :4mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 12b)。
手 術 : 局 麻 下 に14mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 12c)。
(a)
(a)
(b)
(c)
(b)
(c)
図 9:68 歳
女 性 右 第 1 指
図 12:40 歳 男 性 左 第 1 指
( 症 例 9) 51 歳 男 性 ( 図 10)
4 日 前 に 右 第 2 指 部 に 木 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 2 指 部 痛 があり
来 院 。
超 音 波 検 査 :6mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 10a)。
手 術 : 局 麻 下 に7mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 10b)。
( 症 例 12) 70 歳 女 性 ( 図 13)
当 日 、 左 第 4 指 部 に 何 かをしていて 受 傷 。 左 第 4 指 部 痛 があ
り 来 院 ( 図 13a)。
超 音 波 検 査 :3.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 13b)。
手 術 : 局 麻 下 に8mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 13c)。
(a)
(b)
(c)
(a)
図 10:51 歳
男 性 右 第 2 指
(b)
図 13:70 歳 女 性 左 第 4 指
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( 症 例 13) 28 歳 男 性 ( 図 14)
当 日 、 左 第 5 指 部 に 木 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 左 第 5 指 部 痛 があり 来
院 ( 図 14a)。
超 音 波 検 査 :2.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 14b)。
手 術 : 局 麻 下 に3mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 14c)。
( 症 例 16) 60 歳 女 性 ( 図 17)
7 日 前 、 雑 巾 掛 けをしているときに 左 第 2 指 部 を 何 かで 受 傷 。
左 第 2 指 部 痛 があり 来 院 。
超 音 波 検 査 :2つの 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 17a)。
手 術 : 局 麻 下 に1.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 17b)。
(a)
(b)
(c)
(b)
図 14:28 歳 男 性 左 第 5 指
(a)
図 17:60 歳 女 性 左 第 2 指
( 症 例 14) 57 歳 男 性 ( 図 15)
当 日 、 材 木 を 持 っていて 右 第 1 指 部 に 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 1 指
部 痛 があり 来 院 ( 図 15a)。
超 音 波 検 査 : 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 15b)。
手 術 : 局 麻 下 に4.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 15c)。
( 症 例 17) 69 歳 男 性 ( 図 18)
39 日 前 に 草 刈 をしていて 何 かを 右 第 1 指 に 刺 し 受 傷 。
超 音 波 検 査 : 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 18a)。
手 術 : 局 麻 下 に2.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 18b)。
(a)
(b)
(b)
図 15:57 歳 男 性 右 第 1 指
(c)
(a)
図 18:69 歳 男 性 右 第 1 指
( 症 例 15) 77 歳 女 性 ( 図 16)
1 週 間 前 、 右 第 4 指 部 に 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 4 指 部 痛 があり 来
院 ( 図 16a)。
超 音 波 検 査 :2.5mmの 線 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 16b)。
手 術 : 局 麻 下 に4.5mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 16c)。
( 症 例 18) 69 歳 男 性 ( 図 19)
前 日 、 右 第 1 指 部 に 栗 の 棘 を 刺 し 受 傷 。 右 第 1 指 部 痛 があり 来 院 。
超 音 波 検 査 : 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 19a)。
手 術 : 局 麻 下 に1.5mm 大 の 栗 の 棘 を 摘 出 した( 図 19b)。
(a)
(b)
(b)
図 16:77 歳 女 性 右 第 4 指
(c)
(a)
図 19:69 歳 男 性 右 第 1 指
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( 症 例 19) 74 歳 女 性 ( 図 20)
34 日 前 、 右 足 底 部 にサボテンを 踏 んで 受 傷 。 右 足 底 部 痛 があ
り 来 院 。
超 音 波 検 査 : 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 20a)。
手 術 : 局 麻 下 に3mm 大 の 棘 を 摘 出 した( 図 20b)。
(b)
(a)
図 20:74 歳 女 性 右 足 底 部
( 症 例 20) 61 歳 男 性 ( 図 21)
当 日 、 右 手 掌 部 に 何 かをしているとき 受 傷 。 右 手 掌 部 痛 があ
り 来 院 ( 図 21a)。
超 音 波 検 査 : 点 状 の 高 エコー 像 を 認 める( 図 21b)。
手 術 : 局 麻 下 に1mm 大 の 棘 ( 木 片 )を 摘 出 した( 図 21c)。
(b)
(a)
(c)
図 21:61 歳 男 性 右 手 掌 部
3. 考 察
皮 膚 科 領 域 において 超 音 波 検 査 が 利 用 され 始 めた 頃 より、
皮 膚 厚 の 測 定 は 主 要 な 利 用 法 であった 1) 。 初 期 にはAモード
により 測 定 されており、 他 の 画 像 診 断 との 比 較 もなされ 有 用
性 が 確 立 されていた 2) 。 近 年 では 高 解 像 度 のBモード 装 置 の
開 発 もあり、 画 像 的 に 皮 膚 を 確 認 しやすいBモードによる 測
定 が 行 われ 3) 、 臨 床 的 にも 全 身 性 強 皮 症 における 皮 膚 厚 測 定
などに 用 いられている 4) 。 炎 症 性 皮 膚 疾 患 においても 超 音 波
診 断 の 有 用 性 は 確 立 しつつある。それ 故 、 皮 膚 内 の 棘 は 言 う
までもなく 病 変 が 表 在 性 であり、 皮 膚 疾 患 と 同 様 に 視 診 、 触
診 により 棘 の 刺 創 部 の 観 察 を 容 易 に 行 うことができる。しか
し、 棘 が 刺 入 しているかどうかが 分 からない 症 例 もあり、 診 断
が 難 しいことがある。 最 近 では 皮 膚 科 診 療 に 適 した 超 音 波 装
置 の 開 発 があり、 表 在 10mm 以 内 の 病 変 は 高 い 分 解 能 で 観 察
することが 可 能 となったので 皮 膚 内 の 棘 を 超 音 波 検 査 で 観 察
することを 試 みた。 今 回 、 経 験 した 棘 は 皮 膚 の10mm 以 内 に
存 在 しており、 超 音 波 検 査 でほぼ 棘 を 観 察 することができた。
今 回 の 棘 を 刺 入 した20 症 例 では、 平 均 年 令 61.7 歳 で 男 女 比
は9:11でやや 女 性 に 多 い 結 果 であった。 棘 を 刺 し 来 院 した 平
均 期 間 は7.7 日 で、 受 傷 して 来 院 するまでは 当 日 あるいは 前 日
が 約 半 数 であり、それ 以 降 は3 日 を 越 えて 来 院 している。 棘 の
大 きさは1mmから14mmで 平 均 3.975mmであった。 棘 の 受 傷
部 位 は 右 手 指 が65% 左 手 指 が25%で 両 手 に 圧 倒 的 に 多 く、 右
手 が 多 いのは 利 き 手 を 使 っていることで 受 傷 機 会 が 増 えること
と 考 えられる。あとの10%は 足 底 部 であった。 受 傷 月 は9~10
月 が35%、11~12 月 が25%、3 月 20%で、これらの 月 における
受 傷 が8 割 を 占 めた。 真 冬 の 時 期 、 真 夏 の 時 期 は 受 傷 はなかっ
た。この 時 期 は 比 較 的 棘 の 外 傷 は 少 ないように 思 われた。 棘 の
内 容 は 木 片 が85%で、ほとんどの 傷 の 原 因 であった( 表 1)。
棘 の 刺 入 角 度 が 横 ないし 斜 横 であれば、 超 音 波 像 は 線 状 の
高 エコー 像 として 観 察 され 診 断 は 可 能 である。しかし、 棘 の
刺 入 角 度 が 縦 だと 超 音 波 像 は 点 状 の 高 エコー 像 として 観 察 さ
れ、 棘 の 大 きさも 測 定 できず、 棘 であるという 明 確 な 診 断 が
表 1:20 症 例 のまとめ
( 男 : 女 =9:11)
No 年 齢 性 部 位 受 傷 の 月 棘 の 刺 入 期 間 棘 の 大 きさ(mm) 超 音 波 の 棘 の 大 きさ(mm) 棘 の 刺 入 角 度 内 容
1 38 歳 女 右 第 3 指 9 月 30 日 2 2 横 木 片
2 52 歳 女 右 第 3 指 10 月 5 日 1.5 不 明 縦 花 の 棘
3 67 歳 女 右 第 5 指 12 月 当 日 2 2 斜 横 木 片
4 76 歳 女 左 第 2 指 12 月 1 日 2 1.2 斜 横 木 片
5 59 歳 女 右 第 2 指 3 月 1 日 4 2 斜 横 木 片
6 78 歳 女 左 足 底 部 3 月 10 日 8.5 4.5 斜 横 木 片
7 61 歳 男 右 第 3 指 3 月 3 日 1.5 1.5 横 木 片
8 68 歳 女 右 第 1 指 5 月 8 日 3.5 2 斜 横 木 片
9 51 歳 男 右 第 2 指 10 月 4 日 7 6 横 木 片
10 79 歳 男 右 第 4 指 12 月 3 日 4 1.5 斜 横 木 片
11 40 歳 男 左 第 1 指 1 月 1 日 14 4 横 木 片
12 70 歳 女 左 第 4 指 3 月 当 日 8 3.5 横 木 片
13 28 歳 男 左 第 5 指 5 月 当 日 3 2.5 横 木 片
14 57 歳 男 右 第 1 指 10 月 当 日 4.5 不 明 縦 木 片
15 77 歳 女 右 第 4 指 7 月 7 日 4.5 2.5 斜 横 木 片
16 60 歳 女 左 第 2 指 11 月 7 日 1.5 不 明 縦 木 片
17 69 歳 男 右 第 1 指 10 月 39 日 2.5 不 明 縦 木 片
18 69 歳 男 右 第 1 指 10 月 1 日 1.5 不 明 縦 栗 の 棘
19 74 歳 女 右 足 底 部 9 月 34 日 3 不 明 縦 サボテンの 棘
20 61 歳 男 右 手 掌 部 12 月 当 日 1 不 明 縦 木 片
平 均 61.7 歳 7.7 日 3.975
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持 てない 超 音 波 像 と 思 われた。 棘 の 刺 入 が 縦 の 超 音 波 像 は、
今 後 の 研 究 課 題 としていきたい。
4. 結 語
1. 電 子 リニアスキャン10MHz 探 触 子 での 超 音 波 検 査 は 皮 膚
内 の2mm 以 下 の 棘 でも 診 断 が 可 能 であった。
2. 棘 の 刺 入 角 度 が 横 ないし 斜 横 であれば 超 音 波 像 は 線 状 の
高 エコー 像 として 描 出 される。
3. 棘 の 刺 入 角 度 が 縦 であれば 超 音 波 像 は 点 状 の 高 エコー 像
として 描 出 される。
4. 小 さな 棘 の 刺 創 に 対 して 皮 膚 内 に 棘 が 刺 入 しているかど
うか 不 明 であれば、 積 極 的 に 超 音 波 検 査 を 施 行 すべきで
ある。
本 論 文 の 要 旨 は 第 237 回 日 本 形 成 外 科 学 会 関 東 支 部 東 京
地 方 会 ( 平 成 16 年 3 月 東 京 )において 発 表 した。
参 考 文 献
1) Alexander H, et al. : Determining skin thickness with
pulsed ultrasound. J Invest Dermatol 72 : 17-19, 1979.
2) Tan CY, et al. : Comparison of xerographic and ultrasound
detection of corticosteroid induced dermal thinning.
J Invest Dermatol 76 : 126-128 1981.
3) 下 妻 道 郎 , ほか : 皮 膚 科 領 域 における 超 音 波 診 断 の 応 用
( 第 1 報 ) 皮 膚 厚 測 定 . 日 本 皮 膚 科 学 会 誌 98 : 65-68, 1988.
4) 尹 浩 信 , ほか : 超 音 波 診 断 装 置 による 全 身 性 強 皮 症 の 非
硬 化 部 位 における 皮 膚 厚 の 検 討 . 日 本 皮 膚 科 学 会 誌 103 :
1095-1098, 1993.
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