ICP : 国際目録原則覚書 = Statement of International ... - IFLA
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2009 年<br />
国 際 目 録 原 則 覚 書<br />
序 論<br />
広 く「パリ 原 則 」として 知 られている「 原 則 覚 書 」は、1961 年 に 国 際 目 録 原 則 会 議 で 採 択<br />
された 1 。 目 録 法 の 国 際 的 標 準 化 の 基 礎 を 担 おうとするその 目 標 は、 確 実 に 達 成 されている。<br />
すなわち、その 後 に 世 界 中 で 発 展 した 目 録 規 則 の 大 半 は、 厳 密 にまたは 少 なくとも 相 当 程 度<br />
にこの 原 則 に 従 ったものである。<br />
その 後 40 年 以 上 が 経 過 し、 目 録 作 成 者 とそのサービス 対 象 者 が 世 界 中 で OPAC(オンライ<br />
ン 閲 覧 目 録 )を 利 用 するにつれ、 共 通 の 国 際 的 な 目 録 原 則 をもつことは 一 層 望 ましいことと<br />
なった。21 世 紀 が 始 まったこの 時 点 で、オンラインによる 図 書 館 目 録 やその 先 にあるもの<br />
にふさわしい 新 しい 原 則 の 覚 書 を 作 るための 努 力 が、<strong>IFLA</strong> によってなされたのである。そ<br />
の 第 一 の 原 則 は、 目 録 利 用 者 の 利 便 性 に 資 することである。<br />
この 覚 書 は、パリ 原 則 に 取 って 代 わり、パリ 原 則 の 適 用 範 囲 を、 単 にテキストから 成 る 著 作<br />
からあらゆる 種 類 の 資 料 にまで、また、 単 に 記 入 の 選 定 と 形 から 図 書 館 目 録 に 用 いられる 書<br />
誌 データおよび 典 拠 データのあらゆる 面 にまで 拡 張 するものである。この 覚 書 は、 原 則 およ<br />
び 目 的 (すなわち、 目 録 の 機 能 )のみでなく、 国 際 的 に 目 録 規 則 が 備 えるべき 指 針 となる 規<br />
定 、また 探 索 および 検 索 の 能 力 に 関 する 指 針 をも 備 えている。<br />
この 覚 書 の 範 囲 は 次 のとおりである。<br />
1. 適 用 範 囲<br />
2. 一 般 原 則<br />
3. 実 体 、 属 性 および 関 連<br />
4. 目 録 の 目 的 および 機 能<br />
5. 書 誌 記 述<br />
6. アクセスポイント<br />
7. 探 索 能 力 の 基 盤<br />
この 覚 書 は、 世 界 の 偉 大 な 目 録 法 の 伝 統 2 と、<strong>IFLA</strong> による「 書 誌 レコードの 機 能 要 件 」(FRBR)<br />
1<br />
<strong>International</strong> Conference on Cataloguing Principles (Paris : 1961). Report. – London : <strong>International</strong><br />
Federation <strong>of</strong> Library Associations, 1963, p. 91-96. このほか Library Resources and Technical Services,<br />
v.6 (1962), p. 162-167 および <strong>Statement</strong> <strong>of</strong> principles adopted at the <strong>International</strong> Conference on<br />
Cataloguing Principles, Paris, October, 1961. – Annotated edition / with commentary and examples by<br />
Eva Verona. – London : <strong>IFLA</strong> Committee on Cataloguing, 1971.にも 掲 載 。<br />
2<br />
Cutter, Charles A.: Rules for a Dictionary Catalog. 4 th ed., rewritten. Washington, D.C.: Government<br />
Printing <strong>of</strong>fice. 1904,<br />
Ranganathan, S.R.: Heading and Canons. Madras [India]: S. Viswanathan, 1955, および<br />
Lubetzky, Seymour. Principles <strong>of</strong> Cataloging. Final Report. Phase I: Descriptive Cataloging. Los<br />
Angeles, Calif.: University <strong>of</strong> California, Institute <strong>of</strong> Library Research, 1969.<br />
1
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の 概 念 モデルの 上 に 構 築 されている 3 。<br />
この 覚 書 が、 書 誌 データおよび 典 拠 データの 国 際 的 な 共 有 を 増 大 させること、そして 国 際 的<br />
な 目 録 規 則 を 発 展 させるため 力 を 尽 くす 目 録 規 則 の 作 成 者 の 導 きとなることを 願 うもので<br />
ある。<br />
1. 適 用 範 囲<br />
ここに 述 べる 原 則 は、 目 録 規 則 の 発 展 を 導 くことを 意 図 したものである。この 原 則 は、 書 誌<br />
データおよび 典 拠 データならびに 現 行 の 図 書 館 目 録 に 適 用 する。この 原 則 は、 図 書 館 、 文 書<br />
館 、 博 物 館 ・ 美 術 館 およびその 他 のコミュニティで 作 成 される 書 誌 およびその 他 のデータフ<br />
ァイルにも 適 用 することができる。<br />
この 原 則 は、あらゆる 種 類 の 書 誌 的 資 源 の 記 述 目 録 法 と 主 題 目 録 法 に 対 して、 一 貫 した 道 筋<br />
を 提 供 することをめざしている。<br />
2. 一 般 原 則<br />
いくつかの 原 則 が 目 録 規 則 の 作 成 を 導 く 4 。 最 上 位 の 原 則 は 利 用 者 の 利 便 性 である 5 。<br />
2.1. 利 用 者 の 利 便 性 記 述 の 作 成 およびアクセスのための 名 称 の 統 制 形 の 作 成 における 決<br />
定 は、 利 用 者 を 念 頭 に 置 いて 行 うものとする。<br />
2.2. 用 語 法 の 一 般 性 記 述 およびアクセスにおいて 用 いられる 語 彙 は、 利 用 者 の 大 多 数 に 用<br />
いられる 語 彙 に 合 致 するものとする。<br />
2.3. 表 現 性 記 述 および 名 称 の 統 制 形 は、 実 体 それ 自 体 が 表 している 方 式 によるものとする。<br />
2.4. 正 確 性 記 述 される 実 体 が、 忠 実 に 反 映 されるものとする。<br />
2.5. 充 分 性 および 必 要 性 利 用 者 タスクを 充 足 するために 必 要 であり、また、ある 実 体 を 独<br />
自 のものとして 識 別 するために 欠 かせない 記 述 中 のデータ 要 素 およびアクセスのため<br />
の 名 称 の 統 制 形 のみを 含 めるものとする。<br />
3<br />
Functional Requirements for Bibliographic Records: Final Report. – Munich : Sauer, 1998. (<strong>IFLA</strong><br />
UBCIM publications new series ; v.19) <strong>IFLA</strong> ウェブサイトで 入 手 可 能 :<br />
http://www.ifla.org/VII/s13/frbr/ (1997 年 9 月 、2008 年 2 月 に 改 正 ・ 訂 正 )<br />
FRBR モデルは、 典 拠 データの 機 能 要 件 (Functional Requirements for Authority Data (FRAD))お<br />
よび 主 題 典 拠 データの 機 能 要 件 (Functional Requirements for Subject Authority Data (FRSAD))に<br />
よって 近 く 拡 張 されることになっている。<br />
4<br />
書 誌 に 関 する 文 献 、 特 に 次 の 資 料 に 掲 載 のRanganathanと Leibnizの 文 献 に 基 づく。Svenonius Elaine.<br />
The Intellectual Foundation <strong>of</strong> Information Organization. Cambridge, Mass.: MIT Press, 2000, p. 68. 主 題<br />
シソーラスについては、 採 用 すべき 付 加 的 な 原 則 があるが、 今 のところこの 覚 書 には 含 めない。<br />
5<br />
原 則 の2.2 から 2.9 には 特 に 順 位 づけはない。<br />
2
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2.6. 有 意 性 データ 要 素 は、 書 誌 的 に 有 意 なものとする。<br />
2.7. 経 済 性 目 標 を 達 成 するための 方 法 が 選 べるときには、 全 体 としてもっとも 経 済 的 な 方<br />
法 を 優 先 するものとする(すなわち、 最 小 のコストまたはもっとも 簡 単 な 対 応 策 )。<br />
2.8. 一 貫 性 および 標 準 性 記 述 およびアクセスポイントの 作 成 は、 可 能 な 限 り 標 準 化 するも<br />
のとする。このことはより 強 い 一 貫 性 をもたらし、ひいては 書 誌 データおよび 典 拠 デ<br />
ータを 共 有 する 効 力 を 増 大 させる。<br />
2.9. 統 合 性 あらゆる 種 類 の 資 料 の 記 述 およびあらゆる 種 類 の 実 体 の 名 称 の 統 制 形 は、 適 切<br />
である 限 り 共 通 する 一 式 の 規 定 に 基 づくものとする。<br />
目 録 規 則 中 の 規 定 は、 説 明 が 可 能 でなければならない。また 恣 意 的 であってはならない。 特<br />
定 の 状 況 においてはこれらの 原 則 が 相 互 に 矛 盾 することがあり、 説 明 が 可 能 で 実 際 的 な 解 決<br />
策 が 採 用 されるべきことが 認 められる。<br />
3. 実 体 、 属 性 および 関 連<br />
目 録 規 則 は、 書 誌 的 宇 宙 の 概 念 モデル 6 において 定 義 されている 実 体 、 属 性 および 関 連 を 考<br />
慮 するものとする。<br />
3.1. 実 体<br />
書 誌 データおよび 典 拠 データによって 表 現 される 実 体 には 次 のものがある。<br />
著 作<br />
表 現 形<br />
体 現 形<br />
個 別 資 料<br />
個 人<br />
家 族<br />
団 体<br />
8<br />
概 念<br />
物<br />
出 来 事<br />
場 所<br />
9<br />
7<br />
3.2. 属 性<br />
各 実 体 を 識 別 する 属 性 をデータ 要 素 として 用 いるものとする。<br />
6<br />
7<br />
8<br />
9<br />
<strong>IFLA</strong> の 概 念 モデルは、FRBR、FRAD および FRSAD である。<br />
著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 および 個 別 資 料 は FRBR モデルで 記 述 されるグループ 1 の 実 体 である。<br />
個 人 、 家 族 および 団 体 は、FRBR および FRAD モデルで 記 述 されるグループ 2 の 実 体 である。<br />
概 念 、 物 、 出 来 事 および 場 所 は、FRBR モデルで 記 述 されるグループ 3 の 実 体 である。これ<br />
らの 実 体 は、いずれも 主 題 という 関 連 によって 著 作 と 結 びつくことがある。<br />
3
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3.3. 関 連<br />
書 誌 的 に 有 意 な 実 体 相 互 の 関 連 を 識 別 できるものとする。<br />
10<br />
4. 目 録 の 目 的 および 機 能<br />
目 録 は、 利 用 者 に 次 のことを 可 能 にする、 有 効 かつ 効 率 的 な 道 具 であるものとする。<br />
4.1. その 資 料 の 属 性 または 関 連 を 探 索 に 用 いた 結 果 として、あるコレクションの 中 で 書<br />
誌 的 資 源 を 発 見 すること。<br />
4.1.1. これにより、 単 一 の 資 料 を 発 見 すること<br />
4.1.2. これにより、 次 に 相 当 する 一 群 の 資 料 を 発 見 すること<br />
同 一 の 著 作 に 属 するすべての 資 料<br />
同 一 の 表 現 形 を 具 体 化 するすべての 資 料<br />
同 一 の 体 現 形 を 例 示 するすべての 資 料<br />
特 定 の 個 人 、 家 族 、または 団 体 に 関 係 するすべての 資 料<br />
特 定 の 主 題 に 関 するすべての 資 料<br />
探 索 結 果 の 二 次 的 な 限 定 のために 通 常 用 いられるその 他 の 判 断 基 準 ( 言<br />
語 、 出 版 地 、 出 版 年 、 内 容 種 別 、キャリア 種 別 、その 他 )によって 特<br />
定 されるすべての 資 料<br />
4.2. ある 書 誌 的 資 源 または 行 為 主 体 を 識 別 すること(すなわち、 記 述 された 実 体 が 求<br />
める 実 体 と 一 致 することを 確 認 すること、または 類 似 の 特 性 をもつ 2 以 上 の 実 体<br />
を 区 別 すること)。<br />
4.3. 利 用 者 のニーズに 適 合 する 書 誌 的 資 源 を 選 択 すること(すなわち、 媒 体 、 内 容 、<br />
キャリア 等 に 照 らして 利 用 者 の 要 求 を 満 たす 資 料 を 選 ぶこと、または 利 用 者 のニ<br />
ーズに 適 合 しない 資 料 を 排 除 すること)。<br />
4.4. 記 述 された 個 別 資 料 を 取 得 するか、またはそれに 対 するアクセスを 確 保 すること<br />
(すなわち、 利 用 者 が 購 入 や 貸 借 等 によって 個 別 資 料 を 取 得 すること、または 遠<br />
隔 情 報 源 にオンライン 接 続 し、 個 別 資 料 に 電 子 的 にアクセスすることができるよ<br />
う 情 報 を 提 供 すること)、または 典 拠 データもしくは 書 誌 データにアクセスし、そ<br />
れらを 取 得 し、もしくは 入 手 すること。<br />
4.5. 目 録 の 中 を、そして 外 へ 誘 導 すること(すなわち、 書 誌 データおよび 典 拠 データ<br />
の 論 理 的 な 排 列 、ならびに、 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 、 個 別 資 料 、 個 人 、 家 族 、 団<br />
体 、 概 念 、 物 、 出 来 事 および 場 所 の 相 互 の 関 連 の 表 示 を 含 めて、 動 き 回 るための<br />
明 確 な 道 筋 が 示 されていることによる)。<br />
10<br />
4.1-4.5 は、Svenonius, Elaine. The Intellectual Foundation <strong>of</strong> Information Organization. Cambridge,<br />
Mass. : MIT Press, 2000.に 基 づいている。<br />
4
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5. 書 誌 記 述<br />
5.1. 一 般 に、 個 々の 体 現 形 に 対 して 別 々の 書 誌 記 述 を 作 成 するものとする。<br />
5.2. 書 誌 記 述 は、 一 般 に、 体 現 形 の 代 表 としての 個 別 資 料 に 基 づくものとし、 具 体 化 さ<br />
れている 著 作 ( 単 数 または 複 数 )および 表 現 形 ( 単 数 または 複 数 )に 関 する 属 性<br />
を 含 むことがある。<br />
5.3. 記 述 データは、 国 際 的 に 合 意 された 基 準 に 基 づくものとする 11 。<br />
5.4. 記 述 は、 目 録 または 書 誌 ファイルの 目 的 に 従 って、いくつかの 精 粗 のレベルによる<br />
ことができる。 精 粗 のレベルに 関 する 情 報 は、 利 用 者 に 伝 達 されるものとする。<br />
6. アクセスポイント<br />
6.1. 通 則<br />
書 誌 データおよび 典 拠 データを 検 索 するためのアクセスポイントは、 一 般 的 な 原 則<br />
(2. 一 般 原 則 を 見 よ)に 従 って 形 成 しなければならない。アクセスポイントは 統<br />
制 形 のこともあれば、 非 統 制 形 のこともある。<br />
6.1.1. 統 制 形 アクセスポイントは、 個 人 、 家 族 、 団 体 、 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 、 個<br />
別 資 料 、 概 念 、 物 、 出 来 事 および 場 所 といった 実 体 の 名 称 の 典 拠 形 および 異<br />
なる 形 に 対 して 与 えられるものとする。 統 制 形 アクセスポイントは、 一 群 の<br />
資 料 の 書 誌 レコードを 集 中 するために 必 要 な 一 貫 性 を 与 える。<br />
6.1.1.1. アクセスポイントとして 用 いられる、 名 称 の 典 拠 形 、 名 称 の 異 なる 形<br />
および 識 別 子 を 統 制 するために、 典 拠 レコードを 作 成 するものとする。<br />
6.1.2. 非 統 制 形 アクセスポイントは、 書 誌 データとして、 名 称 、タイトル( 例 体<br />
現 形 に 見 出 される 本 タイトル)、コード、キーワード 等 に 対 して 与 えられるこ<br />
とがあるが、 典 拠 レコードで 統 制 されない。<br />
6.2. アクセスポイントの 選 定<br />
6.2.1. 書 誌 レコードへのアクセスポイントには、 資 料 に 具 体 化 された 著 作 および 表<br />
現 形 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイント( 統 制 形 )、 体 現 形 のタイトル( 通 常 は<br />
非 統 制 形 )、ならびに 著 作 の 作 成 者 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントを 含 める。<br />
6.2.1.1. 作 成 者 としての 団 体 名 : 団 体 は、 団 体 の 総 体 としての 意 思 や 活 動 が 表<br />
11<br />
図 書 館 コミュニティにおいては、 国 際 的 に 合 意 された 基 準 は 国 際 標 準 書 誌 記 述 (<strong>International</strong><br />
Standard Bibliographic Description)である。<br />
5
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現 された 著 作 において、またはタイトルの 語 の 表 現 が、 著 作 の 性 質 との<br />
結 びつきによって、 団 体 が 著 作 の 内 容 に 総 体 として 責 任 をもつことを 明<br />
確 に 示 している 場 合 に、 作 成 者 として 考 慮 されるものとする。このこと<br />
は、たとえ 団 体 の 役 員 や 職 員 の 立 場 にある 個 人 の 記 名 がある 場 合 でも 適<br />
用 される。<br />
6.2.2. さらに、 書 誌 レコードへのアクセスポイントとして、 記 述 されている 書 誌 的<br />
資 源 を 発 見 および 識 別 するために 重 要 とみなされる 個 人 、 家 族 、 団 体 および<br />
主 題 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントが 与 えられるものとする。<br />
6.2.3. 典 拠 レコードへのアクセスポイントとして、その 実 体 に 対 する 名 称 の 典 拠 形<br />
および 名 称 の 異 なる 形 を 含 める。<br />
6.2.4. 付 加 的 なアクセスが、 関 連 する 実 体 の 名 称 によってなされることがある。<br />
6.3. 典 拠 形 アクセスポイント<br />
実 体 の 名 称 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントは、その 実 体 に 対 する 識 別 子 および 名<br />
称 の 異 なる 形 とともに 典 拠 レコード 中 に 記 録 するものとする。 一 つの 典 拠 形 アクセ<br />
スポイントが、 標 準 的 な 表 示 の 形 として 必 要 とされることがある。<br />
6.3.1. 典 拠 形 アクセスポイントは、 一 つの 基 準 によって 作 成 されるべきものである。<br />
6.3.2. 典 拠 形 アクセスポイントの 言 語 および 文 字<br />
6.3.2.1 名 称 がいくつかの 言 語 および/または 文 字 で 示 されているときには、<br />
その 名 称 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントとして、もとの 言 語 および 文<br />
字 で 示 された 著 作 の 体 現 形 に 見 出 される 情 報 を 優 先 するものとする。<br />
6.3.2.1.1. ただし、もとの 言 語 または 文 字 がその 目 録 中 で 普 通 に 用 いられ<br />
ていない 場 合 には、 典 拠 形 アクセスポイントは、その 目 録 の 利 用 者<br />
にもっとも 適 切 な 言 語 または 文 字 の 一 つによる 体 現 形 または 参 考 情<br />
報 源 に 見 出 される 形 に 基 づくことができる。<br />
6.3.2.1.2. 名 称 の 典 拠 形 または 名 称 の 異 なる 形 である 統 制 形 アクセスポイ<br />
ントによって、 可 能 な 限 りもとの 言 語 および 文 字 からアクセスが 与<br />
えられるものとする。<br />
6.3.2.2 翻 字 が 望 ましい 場 合 には、 文 字 変 換 のための 国 際 基 準 に 従 うものとす<br />
る。<br />
6.3.3. 典 拠 形 アクセスポイントの 選 定<br />
ある 実 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントとして 優 先 される 名 称 は、 体 現 形 に<br />
もっとも 頻 繁 に 見 られる 名 称 か、または 参 考 情 報 源 に 見 られ、その 目 録 の 利 用<br />
者 からよく 受 け 入 れられている 名 称 ( 例 慣 用 名 )のように、 一 貫 性 をもって<br />
6
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実 体 を 識 別 する 名 称 に 基 づくものとする。<br />
6.3.3.1. 個 人 、 家 族 、 団 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントの 選 定<br />
ある 個 人 、 家 族 または 団 体 が、 異 なる 名 称 または 名 称 の 異 なる 形 を 用 いる<br />
場 合 には、 典 拠 形 アクセスポイントの 基 礎 として、 異 なるアイデンティテ<br />
ィごとに 一 つの 名 称 または 名 称 の 一 つの 形 を 選 ぶものとする。<br />
6.3.3.1.1. 名 称 の 異 なる 形 が 体 現 形 および/または 参 考 情 報 源 にあり、そ<br />
の 相 違 が 同 一 の 名 称 の 異 なる 表 現 ( 例 完 全 形 と 短 縮 形 )によらな<br />
い 場 合 は、 次 の 優 先 順 位 によるものとする。<br />
6.3.3.1.1.1. 一 般 に 知 られた 名 称 (または 慣 用 名 )が 表 示 されていると<br />
きは、それを 公 式 名 より 優 先 する。<br />
6.3.3.1.1.2. 一 般 に 知 られた 名 称 または 慣 用 名 が 表 示 されていないと<br />
きは、 公 式 名 を 優 先 する。<br />
6.3.3.1.2. 団 体 が 継 続 した 期 間 に、 一 つの 名 称 の 微 細 な 変 更 とは 考 えられ<br />
ない 別 の 名 称 を 用 いてきた 場 合 には、 有 意 な 名 称 の 変 更 により 識 別<br />
されるそれぞれの 実 体 を 新 しい 実 体 とみなす。それぞれの 実 体 に 対<br />
応 する 典 拠 データを、 通 常 、その 団 体 の 以 前 および 以 後 の 典 拠 形 の<br />
名 称 を 関 連 づけることによって 結 びつけるものとする。<br />
6.3.3.2. 著 作 および 表 現 形 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントの 選 定<br />
一 つの 著 作 が 複 数 のタイトルをもつときには、 著 作 / 表 現 形 に 対 する 典 拠<br />
形 アクセスポイントの 基 礎 として、 一 つのタイトルを 優 先 するものとする。<br />
6.3.4. 典 拠 形 アクセスポイントの 名 称 の 形<br />
6.3.4.1. 個 人 名 の 形<br />
個 人 名 がいくつかの 単 語 から 成 るときには、 典 拠 形 アクセスポイントの 最<br />
初 の 語 の 選 定 は、 体 現 形 または 参 考 情 報 源 に 見 出 されるその 個 人 ともっと<br />
も 関 係 のある 国 および 言 語 の 慣 用 に 従 うものとする。<br />
6.3.4.2. 家 族 名 の 形<br />
家 族 名 がいくつかの 単 語 から 成 るときには、 典 拠 形 アクセスポイントの 最<br />
初 の 語 の 選 定 は、 体 現 形 または 参 考 情 報 源 に 見 出 されるその 家 族 ともっと<br />
も 関 係 のある 国 および 言 語 の 慣 用 に 従 うものとする。<br />
6.3.4.3. 団 体 名 の 形<br />
団 体 名 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントについては、 名 称 は、 体 現 形 また<br />
は 参 考 情 報 源 に 見 出 されるそのままの 順 序 によるものとする。ただし、 次<br />
の 場 合 を 除 く。<br />
6.3.4.3.1. 団 体 が 法 域 や 地 域 管 轄 団 体 の 一 部 であるときには、 典 拠 形 アク<br />
セスポイントに、 目 録 の 利 用 者 のニーズにもっとも 適 した 言 語 およ<br />
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び 文 字 による 当 該 地 域 の 名 称 として 現 在 用 いられている 形 を 含 める<br />
ものとする。<br />
6.3.4.3.2. 団 体 名 が 従 属 機 関 もしくは 下 位 の 組 織 であることを 意 味 するか、<br />
または 下 位 の 組 織 を 識 別 するのに 充 分 でないときは、 典 拠 形 アクセ<br />
スポイントは 上 位 の 組 織 の 名 称 から 始 めるものとする。<br />
6.3.4.4. 著 作 / 表 現 形 の 名 称 の 形<br />
著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 または 個 別 資 料 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントは、<br />
独 立 したタイトルであることも、また、その 著 作 の 作 成 者 ( 単 数 または 複<br />
数 )に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントと 結 合 されたタイトルであることも<br />
ある。<br />
6.3.4.5. 名 称 間 の 区 別<br />
ある 実 体 を 同 一 の 名 称 の 他 のものと 区 別 することが 必 要 な 場 合 には、その<br />
実 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントの 部 分 として、さらに 識 別 のための<br />
特 性 を 含 めるものとする。 望 ましい 場 合 には、 同 じ 識 別 のための 特 性 を 名<br />
称 の 異 なる 形 の 部 分 として 含 めることがある。<br />
6.4. 異 なる 名 称 および 名 称 の 異 なる 形<br />
どのような 名 称 を 典 拠 形 アクセスポイントとして 選 定 するとしても、 異 なる 名 称 お<br />
よび 名 称 の 異 なる 形 をも 統 制 されたアクセスのために 含 めるものとする。<br />
7. 探 索 能 力 の 基 盤<br />
7.1. 探 索<br />
アクセスポイントは、 書 誌 レコードおよび 典 拠 レコードの 要 素 として、1) 書 誌 レ<br />
コードと 典 拠 レコードおよびそれらに 関 連 する 書 誌 的 資 源 の 確 実 な 検 索 を 提 供 し、<br />
2) 探 索 結 果 を 限 定 する。<br />
7.1.1. 探 索 の 仕 組 み<br />
名 称 、タイトルおよび 主 題 は、 所 与 の 図 書 館 目 録 または 書 誌 ファイルにおいて<br />
活 用 可 能 なあらゆる 仕 組 み( 名 称 の 完 全 形 、キーワード、フレーズ、 部 分 一 致 、<br />
識 別 子 等 )によって、 探 索 および 検 索 できるものとする。<br />
7.1.2. 中 核 的 アクセスポイント<br />
中 核 的 アクセスポイントは、 書 誌 レコードまたは 典 拠 レコードにおける 各 実 体<br />
の 主 要 な 属 性 および 関 連 に 基 づくアクセスポイントである。<br />
7.1.2.1. 書 誌 レコードの 中 核 的 アクセスポイントには、 次 のものを 含 める。<br />
作 成 者 の 名 称 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイント、または、2 以 上 の 名 称<br />
があるときには 最 初 に 記 名 された 作 成 者 の 名 称 に 対 する 典 拠 形 アクセ<br />
スポイント<br />
著 作 / 表 現 形 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイント( 作 成 者 に 対 する 典 拠 形<br />
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アクセスポイントを 含 めることがある)<br />
体 現 形 の 本 タイトルまたは 補 記 タイトル<br />
体 現 形 の 出 版 または 発 行 の 年 ( 単 数 または 複 数 )<br />
著 作 の 主 題 を 表 す 統 制 された 語 および/または 分 類 記 号<br />
記 述 された 実 体 の 標 準 番 号 、 識 別 子 およびキータイトル<br />
7.1.2.2. 典 拠 レコードの 中 核 的 アクセスポイントには、 次 のものを 含 める。<br />
実 体 の 典 拠 形 名 称 またはタイトル<br />
実 体 に 対 する 識 別 子<br />
実 体 の 異 なる 名 称 および 名 称 の 異 なる 形 、または 異 なるタイトル<br />
7.1.3. 付 加 的 アクセスポイント<br />
書 誌 記 述 または 典 拠 レコードのその 他 の 領 域 からの 属 性 は、 任 意 的 なアクセス<br />
ポイントとして、または 検 索 結 果 を 選 別 もしくは 限 定 する 仕 組 みとして 機 能 す<br />
ることがある。<br />
7.1.3.1. 書 誌 レコードにおいては、そのような 属 性 には 次 のものが 含 まれるが、<br />
これに 限 定 されるものではない。<br />
最 初 の 作 成 者 以 外 の 作 成 者 の 名 称<br />
作 成 者 とは 異 なる 役 割 をもつ 個 人 、 家 族 、または 団 体 の 名 称 ( 例 演 奏 ・<br />
演 技 者 )<br />
異 なるタイトル( 例 並 列 タイトル、 見 出 しタイトル)<br />
シリーズに 対 する 典 拠 形 アクセスポイント<br />
書 誌 レコード 識 別 子<br />
体 現 形 に 具 体 化 された 表 現 形 の 言 語<br />
出 版 地<br />
内 容 種 別<br />
キャリア 種 別<br />
7.1.3.2. 典 拠 レコードにおいては、そのような 属 性 には 次 のものが 含 まれるが、<br />
これに 限 定 されるものではない。<br />
関 連 する 実 体 の 名 称 またはタイトル<br />
典 拠 レコード 識 別 子<br />
7.2. 検 索<br />
探 索 によって、 同 一 のアクセスポイントをもついくつかのレコードが 検 索 されると<br />
き、 目 録 利 用 者 にとって 利 便 性 のある 何 らかの 論 理 的 順 序 で、 望 ましくはアクセス<br />
ポイントの 言 語 および 文 字 に 関 する 基 準 に 従 って、レコードが 表 示 されるものとす<br />
る。<br />
9
2009 年<br />
国 際 目 録 原 則 用 語 集<br />
この 用 語 集 は、 国 際 目 録 原 則 覚 書 において 特 有 の 用 法 ( 単 に 通 常 の 辞 書 的 定 義 ではなく)で<br />
用 いられる 語 を 収 録 している。 末 尾 に 記 載 した 語 は、パリ 原 則 またはその 他 従 来 の 目 録 規 則<br />
では 使 用 されていたが、 国 際 目 録 原 則 ではもはや 使 用 しない 旨 の 注 記 を 行 うことを、IME<br />
ICCの 参 加 者 が 要 望 したものである。<br />
BT= 上 位 語 ;NT= 下 位 語 ;RT= 関 連 語<br />
アクセスポイント(Access point) ― それにより 書 誌 データまたは 典 拠 データを 検 索 し、<br />
識 別 する 名 称 、 用 語 、コード 等 。 [ 出 典 :FRADおよびIME ICCに 従 って 修 正 したGARR]<br />
中 核 的 アクセスポイント[NT]、 典 拠 形 アクセスポイント[NT]、 統 制 形 アクセスポイン<br />
ト[NT]、 非 統 制 形 アクセスポイント[NT]、 付 加 的 アクセスポイント[NT]、 名 称 [RT]、<br />
名 称 の 異 なる 形 [NT] をも 見 よ。<br />
概 念 (Concept) ― 抽 象 的 観 念 や 思 想 。<br />
[ 出 典 :FRAD( 主 題 に 関 する)、FRBR]<br />
家 族 (Family) ― 出 生 、 婚 姻 、 養 子 縁 組 もしくは 同 様 の 法 的 地 位 によって 関 連 付 けられ<br />
た、または 自 らを 家 族 であるとする2 以 上 の 個 人 。 [ 出 典 :IME ICCで 修 正 された<br />
FRAD]<br />
合 集 (Collection) ― 組 み 合 わされたまたは 一 緒 に 発 行 された、2 以 上 の 著 作 または2 以 上<br />
の 著 作 の 部 分 から 成 る 現 実 のまたは 仮 想 的 な 一 群 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
慣 用 名 (Conventional name) ― 公 的 な 名 称 とは 異 なるが、それによって 団 体 ・ 場 所 ・ 物<br />
事 が 知 られてきた 名 称 。 [ 出 典 :AACR2 Revision2002 用 語 集 からの 修 正 ]<br />
名 称 [BT]、 名 称 の 異 なる 形 [NT]、 名 称 の 典 拠 形 [RT]、 優 先 される 名 称 [BT] を<br />
も 見 よ。<br />
関 連 (Relationship) ― 実 体 間 または 実 体 のインスタンス 間 の 特 定 の 結 びつき。<br />
典 :FRBRに 基 づく]<br />
[ 出<br />
記 述 目 録 作 業 (Descriptive cataloguing) ― 目 録 作 業 において、 記 述 データおよび 主 題 以<br />
外 のアクセスポイントの 両 者 を 与 える 部 分 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
主 題 目 録 作 業 [RT]、 書 誌 記 述 [RT] をも 見 よ。<br />
キータイトル(Key title) ― ISSNネットワークによって 継 続 資 料 に 与 えられた 固 有 の 名 称<br />
で、そのISSN 番 号 と 不 可 分 に 関 連 付 けられたもの。キータイトルは 本 タイトルと 同 一<br />
の 場 合 もあるが、 固 有 性 を 得 るために、 識 別 要 素 および/または 限 定 要 素 、たとえば<br />
発 行 者 の 名 称 、 出 版 地 、 版 表 示 等 を 付 加 して 構 成 されることもある。 [ 出 典 :ISBD]<br />
10
2009 年<br />
キャリア 種 別 (Carrier type) ― 資 料 の 内 容 を 見 る、 再 生 する、 作 動 させる 等 のために 必<br />
要 とする 媒 介 装 置 の 種 別 と 組 み 合 わせて、 格 納 する 媒 体 の 形 式 およびキャリアの 収 納<br />
方 法 を 示 す 表 示 。キャリア 種 別 は 体 現 形 の 属 性 を 示 す。 [ 出 典 :RDAの2008 年 1 月 の<br />
用 語 集 からの 修 正 ]<br />
行 為 主 体 (Agent) ― ある 資 料 のライフサイクルにおいて、 何 らかの 役 割 を 果 たす 個 人 ( 著<br />
者 、 出 版 者 、 彫 刻 家 、 編 者 、 監 督 、 作 曲 家 等 )、 集 団 ( 家 族 、 組 織 、 会 社 、 図 書 館 、<br />
交 響 楽 団 、 国 家 、 連 邦 等 )または 自 動 的 手 段 ( 気 象 記 録 装 置 、 翻 訳 ソフトウェア 等 )。<br />
[ 出 典 :DCMI Agents Working Groupの 作 業 用 定 義 より 修 正 ]<br />
作 成 者 [NT] をも 見 よ。<br />
個 人 (Person) ― ひとりの 人 、またはひとりの 人 もしくは 集 団 により 設 定 もしくは 採 用 さ<br />
れた 単 一 のアイデンティティ。 [ 出 典 :FRADで 修 正 後 、IME ICCで 修 正 されたFRBR]<br />
個 別 資 料 (Item) ― 体 現 形 の 単 一 の 例 示 。<br />
[ 出 典 :FRAD、FRBR]<br />
コレクション(Collection) ― 特 定 の 機 関 によって 保 有 されるかまたは 作 成 された、 現 実<br />
のまたは 仮 想 的 な 一 群 の 書 誌 的 資 源 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
作 成 者 (Creator) ― 著 作 の 知 的 ・ 芸 術 的 内 容 に 責 任 をもつ 個 人 、 家 族 または 団 体 。 [ 出<br />
典 :IME ICC]<br />
行 為 主 体 [BT] をも 見 よ。<br />
識 別 子 (Identifier) ― ある 実 体 と 関 係 づけられ、その 識 別 子 が 適 用 されている 領 域 にお<br />
いて、その 実 体 と 他 の 実 体 との 区 別 ができるようにするための 番 号 、コード、 語 、 語<br />
句 、ロゴ、 仕 組 み 等 。 [ 出 典 :FRAD]<br />
実 体 (Entity) ― 一 個 の 単 位 をもち 自 己 完 結 する 性 格 をもつもの; 独 自 または 個 別 の 存 在<br />
をもつもの; 抽 象 概 念 、 思 想 的 概 念 、 思 考 対 象 、 観 念 的 対 象 。 [ 出 典 :Webster’s 3 rd ]<br />
FRBRおよびFRADにおける 実 体 のタイプの 例 として、 知 的 ・ 芸 術 的 な 活 動 の 成 果 ( 著<br />
作 、 表 現 形 、 体 現 形 および 個 別 資 料 ); 知 的 ・ 芸 術 的 内 容 の 創 造 、 物 理 的 製 作 と 頒 布 ま<br />
たはその 成 果 の 管 理 の 維 持 のために 責 任 をもつ 主 体 (すなわち、 個 人 、 家 族 、 団 体 );<br />
または 著 作 の 主 題 ( 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 、 個 別 資 料 、 個 人 、 家 族 、 団 体 、 概 念 、 物 、<br />
出 来 事 、 場 所 )が 含 まれる。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
主 題 目 録 作 業 (Subject cataloguing) ― 目 録 作 業 において、 主 題 を 表 す 統 制 された 語 およ<br />
び/または 分 類 記 号 を 与 える 部 分 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
記 述 目 録 作 業 [RT] をも 見 よ。<br />
書 誌 記 述 (Bibliographic description) ― ある 書 誌 的 資 源 を 識 別 する 一 群 の 書 誌 データ。<br />
[ 出 典 :ISBDより 修 正 ]<br />
記 述 目 録 作 業 [RT] をも 見 よ。<br />
11
2009 年<br />
書 誌 的 宇 宙 (Bibliographical universe) ― 図 書 館 、 文 書 館 、 博 物 館 ・ 美 術 館 およびその 他<br />
の 情 報 コミュニティのコレクションに 関 連 する 領 域 。<br />
[ 出 典 :IME ICC]<br />
書 誌 的 資 源 (Bibliographic resource) ― 知 的 ・ 芸 術 的 活 動 の 成 果 から 成 る、 図 書 館 領 域 お<br />
よび 類 似 領 域 のコレクションの 中 の 実 体 。FRBRモデルにおける 書 誌 的 資 源 は、グルー<br />
プ1の 実 体 である 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 および 個 別 資 料 である。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
書 誌 的 有 意 性 (Bibliographically significant) ― 書 誌 的 資 源 において、 特 別 の 意 味 もしく<br />
は 価 値 を 有 する 実 体 または 属 性 または 関 連 の 質 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
書 誌 レコード(Bibliographic record) ― 書 誌 的 資 源 の 記 述 および 書 誌 的 資 源 へのアクセス<br />
提 供 を 行 い、また 関 連 する 著 作 および 表 現 形 を 識 別 する 一 群 のデータ 要 素 。 [ 出 典 :<br />
IME ICC]<br />
属 性 (Attribute) ― 実 体 の 特 性 。 属 性 には、 実 体 に 固 有 の 属 性 と 外 的 に 付 与 される 属 性<br />
がある。 [ 出 典 :FRBR]<br />
体 現 形 (Manifestation) ― 著 作 の 表 現 形 の 物 理 的 な 具 体 化 。 [ 出 典 :FRAD、FRBR]<br />
体 現 形 は、 著 作 の 集 合 ( 合 集 )、 個 別 の 著 作 、または 著 作 の 構 成 部 分 を 具 体 化 したもの<br />
ということができる。 体 現 形 は、 一 つまたは 複 数 の 物 理 的 単 位 として 出 現 することがあ<br />
る。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
団 体 (Corporate body) ― 特 定 の 名 称 によって 識 別 され、かつ 一 体 として 活 動 するか、も<br />
しくは 活 動 することのありうる 組 織 、あるいは 個 人 および/または 組 織 の 集 合 。 [ 出<br />
典 :FRAD、FRBRより 修 正 ]<br />
中 核 的 アクセスポイント(Essential access point) ― 書 誌 レコードまたは 典 拠 レコードの<br />
中 の、 実 体 の 主 要 な 属 性 または 関 連 に 基 づくアクセスポイントであり、そのレコード<br />
の 検 索 および 識 別 を 確 実 にする。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
アクセスポイント[BT]、 付 加 的 アクセスポイント[RT] をも 見 よ。<br />
著 作 (Work) ― 個 別 の 知 的 ・ 芸 術 的 創 造 (すなわち、 知 的 ・ 芸 術 的 内 容 )。 [ 出 典 :<br />
IME ICCで 修 正 されたFRAD、FRBR]<br />
出 来 事 (Event) ― 行 為 や 事 件 。<br />
なされる)、FRBR]<br />
[ 出 典 :FRAD( 団 体 として 活 動 しないものは 主 題 とみ<br />
典 拠 形 アクセスポイント(Authorized access point) ― 規 則 または 基 準 に 従 って 確 立 され<br />
作 成 される、 実 体 に 対 する 優 先 的 な 統 制 形 アクセスポイント。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
アクセスポイント[BT]、 統 制 形 アクセスポイント[BT]、 名 称 の 異 なる 形 [RT]、 名<br />
称 の 典 拠 形 [RT]、 優 先 される 名 称 [RT] をも 見 よ。<br />
12
2009 年<br />
典 拠 レコード(Authority record) ― 実 体 を 識 別 し、その 実 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポ<br />
イントへのアクセスを、またはその 実 体 に 対 するどのアクセスポイントの 表 示 をも 容<br />
易 にするために 用 いることができるデータ 要 素 の 一 群 。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
統 一 形 アクセスポイント(Normalized access point)<br />
典 拠 形 アクセスポイント を 見 よ。<br />
統 制 形 アクセスポイント(Controlled access point) ― 典 拠 レコードに 記 録 されたアクセス<br />
ポイント。 [ 出 典 :GARRより 修 正 ]<br />
統 制 形 アクセスポイントは、 名 称 の 典 拠 形 とともに、 異 なる 形 として 指 示 された 形 をも<br />
含 む。 統 制 形 アクセスポイントには、 以 下 のようなものがある。<br />
- 個 人 名 、 家 族 名 および 団 体 名 に 基 づくもの<br />
- 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 および 個 別 資 料 の 名 称 (すなわち、タイトル)に 基 づくもの<br />
- 作 成 者 の 名 称 を 著 作 のタイトルと 組 み 合 わせて 著 作 を 表 現 する、 名 称 /タイトルア<br />
クセスポイントの 場 合 のように、2つの 名 称 の 組 み 合 わせから 成 るもの<br />
- 出 来 事 、 物 、 概 念 および 場 所 に 対 する 用 語 に 基 づくもの<br />
- 標 準 番 号 、 分 類 記 号 等 のような 識 別 子 に 基 づくもの<br />
同 一 の 名 称 または 類 似 した 名 称 の 実 体 を 区 別 する 目 的 のために、 他 の 要 素 ( 日 付 等 )が<br />
その 名 称 自 体 に 付 加 されることがある。 [ 出 典 :FRAD - 典 拠 ファイルを 通 じて 統<br />
制 される 名 称 および 用 語 に、このモデルの 焦 点 があることに 留 意 する]<br />
アクセスポイント[BT]、 典 拠 形 アクセスポイント[NT]、 非 統 制 形 アクセスポイント[RT]、<br />
名 称 [RT]、 名 称 の 異 なる 形 [NT] をも 見 よ。<br />
内 容 種 別 (Content type) ― 内 容 が 表 現 され、またそれを 通 じて 人 の 感 性 が 知 覚 すること<br />
が 意 図 されている 伝 達 手 段 の 基 本 的 な 形 式 を 示 す 表 示 。 内 容 種 別 は、 著 作 および 表 現<br />
形 の 両 者 の 属 性 を 示 す。 [ 出 典 :RDAの2008 年 1 月 の 用 語 集 からの 修 正 ]<br />
場 所 (Place) ― 所 在 地 。<br />
[ 出 典 :FRBR]<br />
非 統 制 形 アクセスポイント(Uncontrolled access point) ― 典 拠 レコードによって 統 制 され<br />
ていないアクセスポイント。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
アクセスポイント[BT]、 統 制 形 アクセスポイント[RT] をも 見 よ。<br />
表 現 形 (Expression) ― 著 作 の 知 的 ・ 芸 術 的 実 現 。<br />
[ 出 典 :FRAD、FRBR]<br />
付 加 的 アクセスポイント(Additional access point) ― 書 誌 データまたは 典 拠 データの 検 索<br />
を 向 上 させるため、 中 核 的 アクセスポイントに 加 えて 使 用 することがあるアクセスポ<br />
イント。 [ 出 典 : IME ICC]<br />
アクセスポイント[BT]、 中 核 的 アクセスポイント[RT] をも 見 よ。<br />
名 称 (Name) ― それによって 実 体 が 知 られている 文 字 、あるいは 語 および/または 文 字<br />
の 集 まり。 個 人 、 家 族 、 団 体 を 指 示 する 語 / 文 字 列 を 含 む。 概 念 、 物 、 出 来 事 または<br />
場 所 がそれによって 知 られる 用 語 を 含 む。 著 作 、 表 現 形 、 体 現 形 、または 個 別 資 料 に<br />
13
2009 年<br />
付 与 されたタイトルを 含 む。アクセスポイントの 基 礎 として 使 用 される。 [ 出 典 :<br />
FRADで 修 正 されたFRBR]<br />
アクセスポイント[RT]、 慣 用 名 [NT]、 名 称 の 異 なる 形 [NT]、 統 制 形 アクセスポイ<br />
ント[RT]、 名 称 の 典 拠 形 [NT]、 優 先 される 名 称 [NT] をも 見 よ。<br />
名 称 の 異 なる 形 (Variant form <strong>of</strong> name) ― 実 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントとして<br />
選 択 されない 名 称 の 形 。その 実 体 の 典 拠 レコードへのアクセスに 使 用 される、または<br />
典 拠 形 アクセスポイントへのリンクとして 提 示 されることがある。 [ 出 典 :IME ICC]<br />
アクセスポイント[BT]、 慣 用 名 [RT]、 典 拠 形 アクセスポイント[RT]、 統 制 形 アク<br />
セスポイント[BT]、 名 称 [BT]、 名 称 の 典 拠 形 [RT] をも 見 よ。<br />
名 称 の 典 拠 形 (Authorized form <strong>of</strong> name) ― 実 体 に 対 する 典 拠 形 アクセスポイントとして<br />
選 定 された 名 称 の 形 。<br />
慣 用 名 [RT]、 典 拠 形 アクセスポイント[RT]、 名 称 [BT]、 名 称 の 異 なる 形 [RT]、<br />
優 先 される 名 称 [RT] をも 見 よ。<br />
物 (Object) ― 物 体 。<br />
[ 出 典 :FRBR]<br />
優 先 される 名 称 (Preferred name) ― 規 則 または 基 準 に 従 って 選 択 され、その 実 体 に 対 す<br />
る 典 拠 形 アクセスポイントを 作 成 する 基 礎 として 用 いられる、 実 体 の 名 称 。 [ 出 典 :<br />
IME ICC]<br />
慣 用 名 [RT]、 典 拠 形 アクセスポイント[RT]、 名 称 [BT]、 名 称 の 典 拠 形 [RT] を<br />
も 見 よ。<br />
参 考 資 料<br />
AACR2 – Anglo-American Cataloguing Rules. – 2nd edition, 2002 revision. – Ottawa: Canadian<br />
Library Association; London: Chartered Institute <strong>of</strong> Library and Information Pr<strong>of</strong>essionals;<br />
Chicago: American Library Association, 2002-2005.<br />
DCMI Agents Working Group – Dublin Core Metadata Initiative, Agents Working Group. From<br />
Web page 2003, (working definition): http://dublincore.org/groups/agents/ 最 終 報 告 書 は<br />
オンラインで 入 手 可 能 :http://dublincore.org/documents/dcmi-terms/#classes-Agent<br />
FRAD – Functional Requirements for Authority Data: A Conceptual Model – Final Report, 2008.<br />
FRBR – Functional Requirements for Bibliographic Records: Final Report. – Munich: Saur, 1998.<br />
(<strong>IFLA</strong> UBCIM publications new series; v. 19) <strong>IFLA</strong>ウェブサイトで 入 手 可 能 :<br />
http://www.ifla.org/VII/s13/frbr/ (1997 年 9 月 、2008 年 2 月 に 改 正 ・ 訂 正 )( 邦 訳 :『 書<br />
誌 レコードの 機 能 要 件 ―<strong>IFLA</strong> 書 誌 レコード 機 能 要 件 研 究 グループ 最 終 報 告 (<strong>IFLA</strong> 目 録<br />
部 会 常 任 委 員 会 承 認 )』 和 中 幹 雄 、 古 川 肇 、 永 田 治 樹 訳 日 本 図 書 館 協 会 、2004 年 。<br />
日 本 図 書 館 協 会 ウェブサイトで 入 手 可 能 :http://www.jla.or.jp/mokuroku/frbr_japanese.pdf、<br />
http://www.jla.or.jp/mokuroku/errata_ja.pdf、<br />
http://www.jla.or.jp/mokuroku/amend1998-1clean_ja.pdf)<br />
14
2009 年<br />
GARR – Guidelines for Authority Records and References. 2nd ed., rev. – Munich: Saur, 2001.<br />
(<strong>IFLA</strong> UBCIM publications new series; v. 23) オンラインで 入 手 可 能 :<br />
http://www.ifla.org/VII/s13/garr/garr.pdf<br />
IME ICC – 国 際 目 録 規 則 に 関 する<strong>IFLA</strong> 専 門 家 会 議 (1 st -5 th : 2003-2007) 参 加 者 からの 勧 告 。<br />
ISBD – <strong>International</strong> Standard Bibliographic Description (ISBD): preliminary consolidated edition.<br />
– Munich: Saur, 2007. (<strong>IFLA</strong> Series on Bibliographic Control; v. 31) オンラインで 入 手 可<br />
能 :http://www.ifla.org/VII/s13/pubs/ISBD_consolidated_2007.pdf<br />
RDA – Resource Description and Access. Glossary Draft. 5JSC/Chair/11/Rev (Jan. 2008, Table 1)<br />
オンラインで 入 手 可 能 :http://www.collectionscanada.gc.ca/jsc/rda.html#drafts<br />
Webster’s 3 rd – Webster’s Third New <strong>International</strong> Dictionary. – Springfield, Mass.: Merriam,<br />
1976.<br />
不 使 用 とした 語<br />
参 照 (Reference) 名 称 の 異 なる 形 を 見 よ。<br />
書 誌 的 単 位 (Bibliographical unit) 体 現 形 を 見 よ。<br />
統 一 タイトル(Uniform title) 典 拠 形 アクセスポイント、 名 称 、 名 称 の 典 拠 形 を 見 よ。<br />
標 目 (Heading) 典 拠 形 アクセスポイント、 統 制 形 アクセスポイント を 見 よ。<br />
[ 翻 訳 : 国 立 国 会 図 書 館 収 集 書 誌 部 ]<br />
[ 協 力 : 日 本 図 書 館 協 会 目 録 委 員 会 ]<br />
15
2009 年<br />
国 際 目 録 規 則 に 関 する 国 際 図 書 館 連 盟 (<strong>IFLA</strong>) 専 門 家 会 議 2008 年 決 議<br />
国 際 目 録 規 則 に 関 する 国 際 図 書 館 連 盟 専 門 家 会 議 (IME ICC)の 参 加 者 は、 次 のとおり 決 議<br />
する。<br />
・IME ICC 参 加 者 によって 採 択 されたテキストについて、 必 要 がある 場 合 は 編 集 上 の 訂 正<br />
を 行 うこと。<br />
・テキストを、 商 業 出 版 社 のみならず、 関 係 するすべての 目 録 規 則 作 成 機 関 および <strong>IFLA</strong><br />
の 組 織 に 配 布 すること。<br />
・ 国 際 目 録 原 則 (<strong>ICP</strong>) 覚 書 および 用 語 集 を 編 集 ・ 発 行 し、ウェブ 上 で 自 由 に 入 手 可 能 と<br />
すること。<br />
・FRAD( 典 拠 データの 機 能 要 件 )および FRSAR( 主 題 典 拠 レコードの 機 能 要 件 )が 完<br />
成 した 際 に、また 目 録 データのモデルおよび 体 系 の 展 開 に 合 わせて、 調 整 作 業 を 確 実 に<br />
継 続 すること。<br />
・IME ICC の 文 書 を 保 存 し、IME ICC の 経 過 および 成 果 に 関 する 情 報 を 共 有 すること。<br />
我 々はさらに、<strong>IFLA</strong> 目 録 分 科 会 がテキストの 維 持 管 理 に 責 任 を 持 つこと、また、より 大 き<br />
な 情 報 コミュニティと 協 議 の 上 で 必 要 に 応 じて 改 訂 を 行 うためおよそ 5 年 間 隔 でレビュー<br />
を 行 うことを 勧 告 する。<br />
[ 翻 訳 :2009 年 2 月 国 立 国 会 図 書 館 収 集 書 誌 部 ]<br />
16