Ⅴ.ビブリオ属の検査法
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④ コレラ菌の取り扱い<br />
* コレラ毒素を産生する菌(3類感染症)・・・・行政上防疫対策の対象となる<br />
* コレラ毒素を産生しない菌(食中毒菌扱い)・・・・防疫対策とらない<br />
* 真性患者・保菌者の決定は、衛生研究所が行う。(国内初発でない場合も含む)<br />
2)V.cholerae non-O1 および non-O139(NAG ビブリオ)<br />
NAG ビブリオはコレラ菌と分類学的に同じ種に属し、その生態も同じである。<br />
本菌による感染症(食中毒)が発生したときは、防疫措置の対象ではない。<br />
表4に示す生化学的性状を示し、血清型が O1 または O139 以外。<br />
3)V.mimicus<br />
選択分離培地上の所見は腸炎ビブリオと類似している。<br />
発育に食塩を必要としない。<br />
散発下痢症患者から分離されることは稀であり、海外旅行者に多い。<br />
4)V.parahaemolyticus (腸炎ビブリオ)<br />
わが国における食中毒の主要な原因菌の一つである。<br />
汽水域および沿岸海水に生息し、夏期に主に魚介類から感染することが多い。<br />
調理器具等を介して他の食品への二次感染によることも多い。<br />
一端単毛性のグラム陰性、無芽胞桿菌で、発育に食塩を必要とする。<br />
発育至適温度は 30~37℃で 42℃でも発育するが 10℃以下では発育しない。<br />
至適 pH は 8.0 である。至適条件下での増殖は、他の感染型食中毒菌に比べて速い。<br />
血清型:K抗原とO抗原の組み合わせによって型別される。<br />
5)V.fluvialis および V.furnissii<br />
食中毒菌に指定されているが、発生事例はほとんどない。<br />
V.fluvialis は、ブドウ糖からガスを産生しない。<br />
V.furnissii は、ブドウ糖からガスを産生する。<br />
両菌とも発育に NaCl を必要とする。<br />
6)V.vulnificus と V.alginolyticus<br />
① V.vulnificus<br />
分離培地上の外見は腸炎ビブリオに非常によく似ているが、耐塩性・ONPG 試験、セ<br />
ロビオースの分解性で区別できる。慢性肝疾患、ガン、白血病等の患者に感染して<br />
敗血症を起こし、多くの場合致死的な転帰をとる。<br />
② V.alginolyticus<br />
海産魚介類等のビブリオ属の検査で非常に高率に分離される。<br />
ヒトの下痢症とは無関係と考えられている。分離平板上で大きな集落を形成する。<br />
V.2