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開発経済学の動向:収斂か拡散か-アジア経済論を中心として-

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3. 経 済 発 展 の 進 展 と 国 際 協 力 の 拡 大 (1980 年 代 の 経 験 と 理 論 )開 発 経 済 論 の 面 で、1980 年 代 に 目 立 ったのは 発 展 途 上 国 による 地 域 的 な 格 差 の 広 がりと 債 務 問 題 、 国 内の 経 済 構 造 問 題 の 歪 みとその 調 整 、そして 国 際 的 にはIMF 世 銀 の「 構 造 調 整 政 策 」をめぐってのさまざまな論 議 が 展 開 されたことである。この 中 で、 市 場 経 済 調 整 の 優 位 性 を 説 く 新 古 典 派 の 主 張 が 70 年 代 以 上 に 影響 力 を 強 めることとになったのが 大 きな 特 徴 である。 一 方 、80 年 代 から 加 速 した 東 アジアの 著 しい 経 済 成 長 は、途 上 国 経 済 発 展 の 一 つのモデルとして 注 目 を 浴 びることになった。しかし、1970 年 代 の 国 際 機 関 や 様 々な 二 国 間 援 助 、 途 上 国 自 身 による 様 々な 経 済 発 展 、 産 業 振 興 の 試 みにもかかわらず、 一 部 地 域 を 除 いて 途 上 国 全 体 から 見 ると、80 年 代 を 通 じて「 低 成 長 」と「 貧 困 」の 悪 循 環 から抜 け 出 すことは 著 しく 困 難 な 状 況 であった。とりわけ 困 難 に 見 舞 われたのは、アフリカ、 南 アジアなどである。こういった 中 で、 先 進 地 域 と 低 開 発 地 域 の 所 得 格 差 は 広 がるばかりであった。国 連 開 発 計 画 (UNDP)によれば、 地 球 全 体 で 見 た 高 所 得 層 上 位 20%と 最 下 位 20%の 差 は、1960 代 の30 対 1 から、1980 年 には 45 対 1、1991 年 にはさらに 61 対 1 に 拡 大 している。また、1989 年 時 点 の1 日 一 ドル 以 下 の「 絶 対 的 貧 困 」の 人 口 は、 世 界 全 人 口 の 23%、12.3 億 人 、アジアでは 6.7 億 人 、アフリカでは 3.2 億人 に 達 している。とりわけ、サハラ 以 南 のアフリカは 人 口 の 62%が 絶 対 的 貧 困 以 下 の 生 活 を 余 儀 なくされている。< 第 2 表 地 球 全 体 で 見 た 所 得 格 差 >地 球 全 体 の 所 得 に 占 める 割 合 所 得 の 比 率最 下 位 20% 最 上 位 20% 最 下 位 20%vs 最 上 位 20%1960 2.3 70.2 30 対 11970 2.3 73.9 32 対 11980 1.7 76.3 45 対 11991 1.4 85.0 61 対 1出 所 :「M.トダロの 開 発 経 済 学 」p.51経 済 協 力 や 開 発 政 策 の 面 で 見 ても、70 年 代 に 提 唱 されたBHN(ベーシック・ヒューマン・ニーズ)の 枠 組 みも、 問 題 の 深 刻 さに 比 べて 対 応 力 は 弱 かく 問 題 解 決 の 手 段 とはならなかった。 あわせて 先 進 工 業 国 も、 二 度にわたる 石 油 危 機 の 後 遺 症 と 景 気 後 退 などにより、 援 助 や 国 際 支 援 の 余 力 を 次 第 に 失 っていく。また、 途 上国 の 多 くは、 農 業 の 不 振 と 過 剰 人 口 に 悩 まされた。 一 時 好 調 に 推 移 したかに 見 えたラテンアメリカ 諸 国 やアジアの 産 油 国 なども、 公 的 部 門 の 不 効 率 、 過 大 な 公 共 投 資 と 政 府 財 政 の 悪 化 、 産 業 基 盤 を 整 備 する 目 的 で次 々に 実 行 された 巨 大 プロジェクトにより 政 府 財 政 は 大 幅 な 赤 字 となり、 国 際 収 支 も 急 速 に 悪 化 していく。 さらに、 途 上 国 全 体 において、 失 業 や 農 村 の 疲 弊 、インフレの 昂 進 、 社 会 不 安 や 紛 争 の 広 がりが 顕 著 となっていった。 経 済 政 策 では、 次 第 に 放 漫 財 政 や 国 営 部 門 の 不 効 率 、 対 外 債 務 の 累 積 が 問 題 視 されるようになる。5


特 に、1982 年 に 発 生 した「メキシコ 経 済 危 機 」は、これまでの 開 発 シナリオや 産 業 振 興 のあり 方 に 大 きなインパクトを 与 えることになる。この 中 で、 世 銀 やIMFは「ワシントンコンセンサス」に 基 づく「 構 造 調 整 」を 開 発 支 援 政 策 の 軸 として 提 起 しはじめ、その 後 の 援 助 の 仕 組 みや 経 済 開 発 のあり 方 に 大 きなインパクトをあたえることとなる。 ( 注 8)この 基 本 的 立場 は、これまでの 政 府 の 過 剰 な 市 場 介 入 をあらため、 援 助 の 見 返 りとして 効 率 的 な 経 済 運 営 をめざし、 民 間 経済 主 体 を 主 力 とする 市 場 メカニズム 介 して 経 済 発 展 を 実 行 させようという 新 古 典 派 の 考 え 方 を 継 承 するものである。 国 際 収 支 を 重 視 した 経 済 財 政 政 策 、 経 済 介 入 度 の 縮 小 、 国 営 企 業 の 民 営 化 などが 主 な 課 題 とされた。このため、 一 定 の 条 件 をつけた「 構 造 調 整 融 資 」を 実 施 し、 一 連 の 改 革 プログラムにより 援 助 国 の 経 済 構 造 を改 善 しようという 試 みであった。そこでは、「 規 制 緩 和 」「 自 由 化 」「 分 権 化 」「 民 営 化 」がキーワードとなっている。この 政 策 は、 途 上 国 にとって、 一 面 ではマクロの 経 済 バランスを 取 り 戻 す 効 果 をもたらしたが、 一 方 では、 急 激な 変 革 要 求 が、 脆 弱 な 経 済 に 過 剰 な 負 担 を 課 すものとなった 面 も 否 めない。「 途 上 国 には 市 場 メカニズムを 機能 させるための 条 件 が 十 分 育 っていない」 状 況 下 での 性 急 な「 調 整 」の 実 行 は、 受 入 側 の 経 済 矛 盾 を 拡 大 させることがしばしばであった。こういった 中 にあって、アジア 地 域 、 特 に、 東 アジア 地 域 は、1980 年 代 から 民 間 投 資 を 追 い 風 とする 工 業 投資 が 加 速 し、 後 に「 東 アジアの 奇 跡 」(1993)といわれるまでの 経 済 成 長 を 実 現 したことは 驚 きをもって 受 け 取 られた。これらの 地 域 は、1960 年 代 、1970 年 代 を 通 じて 築 かれた 産 業 インフラをベースとし、 国 内 産 業 保 護 を基 準 とする 輸 入 代 替 産 業 から、 海 外 投 資 をテコとする 輸 出 志 向 型 工 業 化 に 切 り 換 え、コスト 競 争 力 を 生 かした国 際 貿 易 への 進 出 が 功 を 奏 した 形 となって 高 成 長 を 実 現 した。ここでは、 政 府 の 介 入 度 強 い「 産 業 政 策 」を 軸としながらも、 自 由 な 競 争 と 開 放 政 策 の 実 施 がうまくかみ 合 って 成 長 を 促 したものと 考 えられている。こういった 中 で、 開 発 経 済 論 の 中 では 途 上 国 自 身 の 主 体 的 な 経 済 能 力 形 成 に 着 目 した「 内 生 的 経 済 発 展 」の 理 論 が 注 目 された。そこでは、 途 上 国 の 市 場 形 成 能 力 、 人 的 資 源 、 技 術 、 直 接 投 資 の 受 容 能 力 、を 求 めるアプローチが 中 心 となっている 点 でと 特 徴 があった。 東 アジアの 現 実 とも 符 合 する 有 力 な 主 張 でもあった。80 年 代 に 顕 著 となったもう 一 つの 課 題 は、 急 速 に 進 む 工 業 化 の 中 で 発 生 した 悪 化 した「 環 境 問 題 」への 取り 組 みである。この 問 題 は、1972 年 にストックホルムで 開 かれた 国 連 「 人 間 環 境 会 議 」によってすでにクローズアップされていたが、80 年 代 に 入 ってより 深 刻 かつ 緊 急 の 課 題 となっていった。これらをふまえ、1981 年 にはプルントラント 委 員 会 などによるグローバルな 環 境 問 題 へのアプローチが 提 唱 され、 開 発 経 済 の 分 野 でも「 持続 可 能 な 開 発 」が 主 要 概 念 として 登 場 することとなる。そして、これら 諸 問 題 は 1990 年 代 へより 大 きな 課 題 として 引 き 継 がれることとなる。 ( 注 9)6


4. 経 済 開 発 論 の 分 化 と 深 化 (1990 年 代 の 課 題 )1990 年 代 前 半 は 東 アジアを 中 心 とした 経 済 発 展 が 注 目 され、 途 上 国 工 業 発 展 のモデルとされる 一 方 、 後半 には「アジア 経 済 危 機 」を 招 来 、 一 転 してその 経 済 構 造 の 脆 弱 さが 明 らかになった 点 でも 開 発 戦 略 のあり 方に 多 くの 問 題 を 投 げかける 契 機 となった 時 期 である。また、 前 述 の「 環 境 問 題 」は、より 一 層 グローバルな 広 がりを 持 つ 課 題 と 位 置 づけられ、 同 時 に 国 際 的 な 枠 組 みの 中 でどう 取 り 組 んでいくかのより 具 体 的 な 方 策 の 段 階に 入 っていった。 しかし、 一 方 では「 環 境 問 題 」への 対 応 は、 途 上 国 と 先 進 工 業 国 の 立 場 が 大 きく 異 なり、「 開発 」が 先 か「 環 境 」 保 護 を 優 先 か、といった 対 立 ともなり、 国 際 機 関 や 様 々な 場 面 で 政 治 問 題 化 しているのも 事実 である。1980 年 代 に 提 唱 された「 持 続 可 能 な 開 発 」も 総 論 では 異 議 はないものの、 個 別 事 項 では 何 を 優 先させるかの 選 択 肢 は 定 まっていない。また、 比 較 的 良 好 な 経 済 発 展 のパフォーマンスを 示 す 東 ・ 東 南 アジア、ラテンアメリカに 対 し、サハラ 以 南 のアフリカ、 南 アジアの 一 部 、 南 西 アジア 諸 国 などでは、 飢 餓 と 貧 困 、 難 民 問 題 、スラムの 膨 張 、エイズや 感 染 症の 蔓 延 など、 人 間 の 尊 厳 を 損 なう 事 象 が 様 々な 地 域 でより 顕 著 になっている 点 が 深 刻 であった。1990 年 代 は、これら 諸 問 題 が 複 合 した 形 で 表 出 している 点 に 特 徴 がある。これら 錯 綜 する 問 題 に 総 合 的 な視 点 でどう 立 ち 向 かっていくかは、 開 発 経 済 にたずさわる 政 策 当 局 、 援 助 関 係 者 や 国 際 機 関 にとって、 今 まで以 上 に 重 要 となってきた。 別 表 参 考 資 料 に 世 銀 銀 による 1990 年 代 以 降 の「 世 界 開 発 報 告 」に 載 せられた 主要 テーマをかかげておいたが、 開 発 の 課 題 もこれまで 以 上 に 大 きな 広 がりと 深 化 をとげていることがわかる。これらの 課 題 が 国 境 を 越 えたグローバル 化 の 進 展 と 大 きな 技 術 革 新 の 中 で 起 きているという 点 に 近 年 の 大 きな特 徴 があるといってよいだろう。また、 中 国 やベトナム、 東 欧 などの 旧 社 会 主 義 国 の「 市 場 経 済 化 」への 動 きも、1980 年 代 から 90 年 代 にかけて 大 きなテーマの 一 つであった。こういった 中 にあって、 開 発 経 済 論 の 分 野 では、 新 古 典 派 流 の 市 場 経 済 論 が 依 然 優 勢 ではあるが、 市 場 を形 成 する 制 度 や 能 力 、 産 業 育 成 にも 目 が 向 けられるようになっている。2001 年 の 世 銀 報 告 でも、「 市 場 の 制 度形 成 」が 主 要 なテーマとなっているほか、「インフラストラクチャー」(1994)の 充 実 、「 開 発 における 政 府 の 役 割 」(1997)といった 事 項 が 取 り 上 げられた。一 方 、 発 展 から 取 り 残 された 地 域 での「 貧 困 」 問 題 、 低 開 発 への 基 本 的 取 り 組 みとして、 単 なる 量 的 な 経 済拡 大 、 所 得 の 分 配 を 越 えて「 人 間 開 発 」が 優 先 される 開 発 戦 略 を 提 唱 するようになっているのも 最 近 の 特 色 である。UNDPによる「 人 間 開 発 報 告 」の 刊 行 もこの 方 向 に 沿 っている。そこでは、「 貧 困 の 撲 滅 」「 人 権 と 人 間 開発 」「ジェンダー」といったテーマが 取 り 上 げられ、 人 間 開 発 のための 経 済 成 長 という 観 点 を 強 く 打 ち 出 している。近 年 の 世 銀 や 援 助 機 関 の 主 要 な 関 心 は、「 貧 困 撲 滅 」に 集 中 しており、このためのグローバルなアプローチを 主 張 している。この 中 で、 特 徴 的 なのは、「 参 加 型 の 経 済 援 助 」「ミクロの 主 体 的 開 発 努 力 」が 優 先 されていること、「セーフティーネット」による 直 接 アプローチが 増 加 していることであろう。また、2015 年 において 実 現 すべき「 人 間 開 発 」の 目 標 を 具 体 的 にかかげ、 国 連 、 世 界 銀 行 、 各 国 援 助 関 連 機 関 が 協 力 して 取 り 組 む 姿 勢 を示 している。7


第 3 表 発 展 途 上 地 域 の 地 域 別 経 済 規 模 >< 第 4 表 地 域 別 所 得 貧 困 の 状 況 1987-98 年 >8


第 一 図 > 開 発 と 貧 困 撲 滅 へむけたミレニアム 宣 言5.21 世 紀 への 開 発 課 題 ― 不 確 実 性 の 中 の 模 索 ―こうして 取 り 上 げられた 90 年 代 の 開 発 の 難 しい 課 題 は、 多 くが 今 世 紀 2000 年 以 降 に 引 き 継 がれることとなった。 時 あたかも、 世 銀 の「 世 界 開 発 報 告 」の 課 題 テーマは「21 世 紀 はどうなるか」(Entering the 21 stCentury)であった。そして、 開 発 の 新 しいガイドラインとして「 開 発 の 包 括 的 フレームワーク」(CDF: ComprehensiveDevelopment Framework)を 提 唱 している。 今 まで 個 別 に 扱 われてきた 課 題 を、 現 実 にあわせつつ 開 発 にかかわる 様 々な 事 項 を 実 践 的 に、 実 施 過 程 の 補 完 性 に 重 点 をおいて 取 り 扱 う 方 向 を 示 唆 したものである。 開発 がうまくいくためには、「 政 府 、 民 間 部 門 、 援 助 機 関 、 市 民 社 会 のコーディネートされた 良 好 且 つ 効 率 的 な 関係 構 築 」が 重 要 であり、このための 制 度 作 りが 大 切 であるという 認 識 に 立 っている。また、「 自 由 競 争 にもとづくグローバル 化 した 社 会 の 中 で、その 恩 恵 を 活 用 しつつ、そのポテンシャルをローカルな 地 域 制 度 にもとめる 立場 」も 強 調 している。 そこでは、これまで 開 発 政 策 の 主 要 な 議 論 だった“ 政 府 ”と“ 市 場 ”の 役 割 がどちらか 大切 かといった 議 論 を 越 えて、「 開 発 にかかわる 教 育 、 保 健 、 資 本 市 場 といった 個 別 の 政 策 分 野 においても 互 いに 補 完 しあうことが 最 も 望 ましい」としている。この 補 完 関 係 がうまくいいたときにはじめて、 経 済 開 発 が 真 に 実9


現 され 効 果 をあらわす」との 考 え 方 を 示 している。 ( 注 10)このCDFで 認 識 された 開 発 の 課 題 と 政 策 の 考 え 方 は、(1) 開 発 には 多 くの 異 なった 目 的 ( 所 得 の 増 加 のみでなく、 健 康 や 教 育 、 生 活 の 安 定 や 自 由 の 享 受 など)がありうること、(2) 開 発 政 策 は 個 別 政 策 の 単 なる 集 合 ではなく 相 互 補 完 的 であるべきこと、(3) 政 府 の 開 発 への 関 与 は 重 要 であるが、 実 施 する 政 策 の 内 容 以 上 に、 政府 自 身 が 公 正 に 且 つ 十 分 な 行 政 能 力 が 重 要 である、 点 に 集 約 できる。これらは、 開 発 経 済 論 の 主 流 であった従 来 の 新 古 典 派 の 認 識 をこえた 新 しい 実 践 的 な 開 発 論 を 提 示 するものであった。しかし、この 実 践 的 な 開 発 への 考 え 方 も 実 際 には、 様 々な 問 題 点 を 内 包 していた。 第 一 に、 発 展 から 取 り 残された 地 域 の「 貧 困 」「 飢 餓 」「 社 会 問 題 」は、その 救 済 努 力 を 越 えたスピードで 悪 化 しており、 様 々な 地 域 でこれらを 原 因 とする 種 族 対 立 や 社 会 対 立 が 進 行 しつつあること。 第 二 に、グローバル 化 は、 途 上 国 一 般 にその恩 恵 を 及 ぼすより、 実 際 には 先 進 工 業 国 の 強 力 な 企 業 群 による 経 済 の 囲 い 込 みを 促 進 していること、また、 技術 革 新 によって、 途 上 地 域 と 先 進 地 域 の 差 は 従 来 以 上 に 拡 大 していること、 第 三 に、 今 世 紀 に 入 っての 世 界経 済 は 経 済 の 後 退 期 にはいっており、 先 進 諸 国 もCDFに 代 表 されるような 包 括 的 な 途 上 国 援 助 を 十 全 に 実施 する 余 力 を 失 って、 自 国 の 問 題 に 専 念 せざるを 得 ないような 状 況 にあること、である。一 方 、 近 年 の 東 アジア 地 域 は、「 経 済 危 機 」の 後 、 様 々な 後 遺 症 をともないつつも、 除 いて 徐 々に 危 機 前 の水 準 にもどり、 新 たな 発 展 への 経 路 を 見 いだそうとしている。 経 済 危 機 を 免 れた 中 国 は、 社 会 主 義 の 道 から離 れて20 年 「 市 場 経 済 化 」による 経 済 発 展 ・ 工 業 化 の 実 をあげつつあり、 韓 国 も 経 済 の 急 回 復 の 過 程 にある。アセアン 諸 国 は、 国 より 明 暗 を 分 けつつも、 徐 々に 構 造 改 革 を 進 め 活 力 を 取 り 戻 しつつある。また、ベトナムの「 市 場 経 済 化 」 政 策 も 定 着 しつつある。アジア 経 済 の 1970 年 代 からの 発 展 と「 危 機 」 後 の 回 復 過 程 にみられた経 済 政 策 とその 実 践 は、 新 しい 開 発 の 方 向 へも 大 きな 示 唆 をあたえるものである。ある 面 では 世 銀 の 述 べる 開発 フレームワークの 線 にそった「 制 度 能 力 」の 向 上 、 市 場 と 政 府 の 補 完 関 係 を 示 すものといえよう。しかし、アジア 経 済 が 工 業 化 のキャッチアップ 過 程 を 終 え、 新 たな 地 平 での 産 業 高 度 化 を 志 向 するとき 解 決しなければならない 課 題 はまだ 多 い。また、「 経 済 危 機 」で 示 された 経 済 構 造 の 脆 弱 さや 工 業 基 盤 の 弱 さ、 技術 や 人 的 資 源 の 不 備 、 多 数 の 失 業 者 層 と 限 定 された 雇 用 、 多 くの 貧 困 層 の 残 存 と 所 得 格 差 、 投 資 環 境 を 妨げる 様 々な 制 度 要 因 は 依 然 として 残 っている。 多 元 化 する 社 会 とグローバル 化 の 進 行 により、21 世 紀 がますます 不 確 定 要 素 の 増 す 世 界 経 済 のなかで、80 年 代 90 年 代 の 好 調 な 経 済 発 展 と 突 然 の 危 機 、そしてその 後 の回 復 という 過 程 をたどったアジア 経 済 が 今 後 どのように、 今 後 開 発 ・ 経 済 発 展 のシナリオを 描 いていくかは、 当のアジア 地 域 のみならず 途 上 国 全 体 の、また、 先 進 国 を 含 む 世 界 全 体 にとっても 重 要 な 関 心 事 である。こういった 中 で、 今 年 2003 年 1 月 、 世 銀 は、 今 後 の 東 アジアの 経 済 ダイナミズムを 予 測 して、 研 究 プロジェクト「 東 アジア; 新 たな 奇 跡 へのビジョン」”Innovative East Asia; the Future of Growth”を 開 始 すると 発 表 している。 開 発 経 済 論 に 対 する 新 たな 概 念 提 示 に 結 びつくことが 期 待 される。10


おわりにこれまで、1950 年 代 から 開 始 された 発 展 途 上 国 地 域 の「 開 発 」の 問 題 について、その 時 代 的 課 題 と 開 発 経済 学 理 論 に 関 する 諸 説 を 概 略 述 べてきたが、このおよその 流 れは、 別 表 参 考 資 料 に 述 べたとおりである。1950-60 年 代 の 政 府 主 導 の 開 発 論 と 政 策 が 優 先 された 時 代 、70 年 代 の 新 古 典 派 を 中 心 とする 市 場 機 能 重視 の 開 発 戦 略 への 傾 斜 、80 年 代 の「 構 造 調 整 」の 時 代 、90 年 代 はグローバル 化 が 加 速 する 中 での 経 済 構 造論 、「 人 間 開 発 」「 環 境 」へ 関 心 のたかまり、そして、 今 日 21 世 紀 へ 向 かっては 不 安 と 希 望 を 併 せ 持 った「 不 確実 」 要 因 のもとでの 開 発 戦 略 模 索 への 動 きとつながる、 長 い 道 程 に 集 約 できる。また、これまで 示 されてきた 開発 経 済 学 の 理 論 系 譜 が、それぞれの 時 代 を 背 景 にして「 開 発 問 題 」への 解 釈 、 理 論 、 政 策 指 針 に 影 響 を 与 えつつ 今 日 にいたっていることは 上 記 表 によってもあきらかだろう。それらは、ある 体 系 的 で 一 貫 した 論 理 体 系 を 持 つ 理 論 や 実 践 へ 収 斂 させていく 過 程 というよりは、 時 代 の 必要 に 応 じて 課 題 を 選 択 し、 重 点 を 移 し、 論 点 を 広 げて 現 実 の 問 題 に 取 り 組 んできた 経 過 を 示 すものといえるだろう。2000 年 を 期 してこれまでの「 開 発 」を 振 り 返 った 世 銀 も「 開 発 思 想 は 過 去 50 年 間 、グルグル 同 じ 道 を 歩いてきた」とのべ、「 市 場 の 失 敗 、 市 場 の 成 功 、 介 入 者 もしくは 受 動 的 な 政 府 、 貿 易 の 開 放 、 貯 蓄 と 投 資 、 金 融的 安 定 、 知 識 の 普 及 、マクロ 経 済 安 定 」など 様 々な 課 題 を 扱 い、 強 調 点 を 変 化 させてきた、と 記 している。 ( 注 11)21 世 紀 を 迎 えた 今 日 、 世 界 は、グローバル 化 が 進 行 する 一 方 、ますます 国 と 国 との 関 係 が 複 雑 化 し、 地 域経 済 も 多 様 化 するなかで 途 上 国 の 直 面 する 開 発 問 題 もいよいよ 深 刻 且 つ 多 岐 にわたってきた。「 貧 困 」「 飢餓 」「 紛 争 」「 環 境 」「 難 民 」「 人 権 」「 自 由 」、 単 に 経 済 問 題 に 限 らず 政 治 社 会 問 題 をも 含 む 課 題 が、 解 決 不 可 能のまま 今 世 紀 に 持 ち 越 されている。 今 や、 経 済 を 拡 大 し、 所 得 を 上 昇 させることだけでは 解 決 不 可 能 であるとみるのは 当 然 で、 各 地 で、 頻 発 するテロや 紛 争 、 反 グローバリズム、 原 理 主 義 運 動 の 存 在 などはこれら 問 題 の深 刻 さを 示 している。 開 発 経 済 の 扱 う 範 囲 は、このうち 極 狭 い 範 囲 ではあるが、 多 くの 問 題 が「 貧 困 」の 問 題 に起 因 している 以 上 、その 役 割 は 大 きいといわざるを 得 ない。また、この30 年 間 一 定 の 経 済 成 長 の 成 果 と「 貧 困 」の 解 消 に 取 り 組 んで 成 功 しあり 失 敗 したり 事 例 も 多 く 見いだせる。これらの 経 験 と 理 論 を 他 に 生 かす 努 力 は 重 要 である。21 世 紀 に 直 面 する 複 雑 な「 開 発 」 問 題 をいかに 解 決 するかの 一 つの 鍵 は、 方 向 性 のまだ 定 まっていない「 不 確 実 」な 現 状 の 中 から、「 開 発 」につながる 確 かな 光 明 を 求 めて 地 道 に 糸 を 探 り、 問 題 を 整 理 し、 政 策 形 成を 行 っていくことであると 思 われる。2000 年 を 期 して 刊 行 された 世 銀 「 世 界 開 発 報 告 書 」の 中 で「21 世 紀 における 政 策 立 案 者 は、 経 済 的 、 政 治的 、 社 会 的 環 境 が 変 容 し 続 ける 状 況 の 下 で、 開 発 政 策 のゴールをみいださなければならない」と 述 べているのは 問 題 の 難 しさを 示 唆 すると 共 に、 今 後 の 開 発 論 のあるべき 姿 勢 を 示 しているといえよう。( 了 )11


注 記 :――――――――――――――――――――――――( 注 1) 黒 崎 、 山 形 「 開 発 経 済 学 ―ミクロ 的 アプローチ」( 経 済 セミナー2001 年 4 月 )に 1940 年 代 から 60 年 代 にかけての 主な 開 発 経 済 学 の 理 論 が 紹 介 されている。また、「トダロの 開 発 経 済 学 」 第 3 章 開 発 と 概 念 に 詳 しい。See TheodoreW. Schultz, “Investment in human capital”, American Economic Review 51 (March 1961), W. ArtherLewis, Economic Development with unlimited supplies of labor” Manchester School of Economics andSocial Science, 22 1954)( 注 2)この 項 については、G.M.マイヤー 著 松 永 訳 「 国 際 開 発 経 済 学 」 勁 草 書 房 1955 の 2.B.1「 開 発 経 済 学 の 進 化 」を 参考 にした。 See H. Leibenstein “Economic backwardness and economic growth” John Wiley & Sons, 1957,W.W. Rostow, “The Stages of Economic Growth” Cambridge Univ. Press, London, 1960( 注 3) 黒 崎 ・ 山 形 同 上 文 献( 注 4)アジアにおいては、 韓 国 、 台 湾 などが 8% 内 外 の 成 長 率 を 示 し、フィリピンでも 4%、タイでも 5% 程 度 の 生 産 規 模 の拡 大 がったほか、 産 業 基 盤 の 整 備 、 緑 の 革 命 などによる 農 業 生 産 生 産 の 向 上 がみられた。「アジア 経 済 2000」( 経済 企 画 庁 編 )など( 注 5) 西 垣 ・ 下 村 「 開 発 援 助 の 経 済 学 」( 有 斐 閣 )p.53( 注 6) 同 上 書 p.56,( 注 7) 渡 辺 利 夫 「 成 長 のアジア 停 滞 のアジア」 東 洋 経 済 新 報 社 1985 p.32-61( 注 8)「 構 造 調 整 」 政 策 の 背 景 となったワシントンコンセンサスは、いかのような 政 策 目 標 をかかげている。その 後 の、IMFコンデショナリティー、 政 策 対 話 の 基 礎 となっている。1 財 政 節 度 、2 公 的 支 出 の 目 的 限 定 、3 税 制 改 革 、4 市 場が 決 定 する 利 子 率 、5 競 争 的 為 替 ルール、6 貿 易 自 由 化 、7 外 国 投 資 への 門 戸 開 放 、8 国 有 企 業 の 民 営 化 、9規 制 撤 廃 、10 財 産 権 保 障 (「 世 銀 開 発 報 告 2000」 p.108( 注 9) 西 垣 ・ 下 村 同 上 書 p.70-80( 注 10) 世 界 銀 行 「 世 界 開 発 報 告 ―21 世 紀 はどうなるか-」( 東 洋 経 済 新 報 社 200)p.2-3( 注 11) 世 界 銀 行 同 上 書 p.47参 考 文 献 :――――――――――――――――――――――――西 垣 昭 、 下 村 恭 民 「 開 発 援 助 の 経 済 学 」 有 斐 閣 1993大 野 健 一 、 桜 井 宏 二 郎 「 東 アジアの 開 発 経 済 学 」 有 斐 閣 1997原 洋 之 介 「 開 発 経 済 論 」 岩 波 書 店 1996渡 辺 利 夫 編 「 開 発 経 済 学 入 門 」 東 洋 経 済 新 報 社 2001朽 木 昭 文 、 野 上 裕 生 、 山 形 辰 史 編 「テキストブック 開 発 経 済 学 」 有 斐 閣 1997速 水 佑 次 郎 「 新 版 開 発 経 済 学 ― 諸 国 民 の 貧 困 と 富 ―」 創 文 社 2000高 木 保 興 「 開 発 経 済 学 の 新 展 開 」 有 斐 閣 2002Gerald M. Meier “Leading Issues in Economic Development”7 th ed. Oxford Univ. Press, 200012


World Bank “World Development Report”UNIDO “Human Development Report”「 特 集 ・ 現 代 開 発 経 済 論 の 争 点 」(アジ 研 ワールドトレンド 2000 年 12 月 号 )黒 崎 卓 、 山 形 辰 史 「 開 発 経 済 学 ―ミクロ 的 アプローチ」( 経 済 セミナー2001 年 4 月 ~2002 年 3 月 )参 考 資 料 1時 代 区 分 による 主 な 発 展 途 上 国 の 開 発 課 題 と 経 済 開 発 論 の 流 れ年 代 時 代 課 題 主 要 な 開 発 課 題戦 前 プロローグ ・ 植 民 地 経 済 構 造 、モノカルチャー 構 造1950-60 開 発 の 始 ま ・ 独 立 後 の 経 済 的 自 立 、り初 期 工 業 化・ 独 立 後 の 経 済 的 自 立 、初 期 工 業 化1960-70 政 府 主 導 の開 発 手 法1970-80 新 古 典 派 の台 頭1980-90 「 構 造 調 整 」の 時 代1990-00 グローバル化 の 時 代2000- 不 確 実 性 の時 代・ 幼 稚 産 業 保 護・「 開 発 の 10 年 」 提 案・ 農 業 開 発・ 人 口 問 題 、 雇 用 問 題・ 貿 易 不 均 衡 の 是 正・ 一 次 産 品 価 格 の 安 定・ 第 二 次 「 開 発 の 10 年 」・BHN 概 念 の 登 場・「 石 油 危 機 」・「 環 境 問 題 」の 登 場・ 債 務 問 題 の 発 生 (メキシコ 債 務 危 機 1983)・ 途 上 国 間 の 格 差 拡 大・「 環 境 問 題 」の 深 刻 化・グローバル 化 時 代 の 開発 課 題・ 累 積 債 務 問 題・エイズ、 貧 困 、 難 民 問題 の 深 刻 化・WTO 成 立・「グローバル 化 とローカル 化 の 同 時 進 行 の 中 での 世 界 経 済 」( 世 銀 開発 報 告 2000)国 際 機 関 等 の 開 発 援 開 発 経 済 学 のおもな 考 え助 構 想方 と 理 論・ワシントンコンセンサス ブーケ 等 「 二 重 経 済 論 」・ 戦 後 復 興 支 援 、マーシャルプラン・ポイントフォア、 食 糧援 助 など・ 途 上 国 への 資 本 移 転目 標 の 提 示・IDA ( 国 際 開 発 協会 )」 設 立・ 成 長 率 などマクロ 目 標の 提 示・ 社 会 セクター 援 助・ワシントンコンセンサス・IMF、WB の「 構造 調 整 」・コンテショナリティ- 策・UNDP「 人 間 開 発 報告 」 刊 行・セーフティーネット 策・「 参 加 型 開 発 」/「ジェンダー」 問 題 への 取 組み世 銀 「 包 括 的 開 発 のフレームワーク」の 提 唱・ヌルクセ「 低 開 発 国 の 資本 蓄 積 」(1953)・A.ルイス「 二 部 門 成 長 モデル」・W.W. ロストウ「 経 済 成 長の 諸 段 階 」(1960)・「ビッグ・プッシュ」 論・ハーシュマン「 経 済 発 展の 戦 略 」・T.W.シュルツ「 教 育 の 経済 的 価 値 」・ミュルダール「アジアのドラマ」・プレビッシ「 従 属 論 」、「 新経 済 秩 序 NIEO」・ 比 較 優 位 による 貿 易 振 興・ベラ・バラッサの「 貿 易 と経 済 成 長 」 論・ティンバーゲン 報 告・ピアソン 報 告・ 新 古 典 派 の「 市 場 調 整 アプローチ」・「 持 続 可 能 な 開 発 」 提 起・ 雁 行 経 済 論・ 世 銀 「 東 アジアの 奇 跡 」(1993)・クルーグマン「アジア 奇跡 の“ 神 話 ”」・「 内 生 的 経 済 成 長 論 」・アマティア・セン「 経 済 の不 平 等 」 論・「 政 府 と 市 場 」「 制 度 」 論・ 不 確 実 時 代 の 不 確 実 な開 発 シナリオ?アジア 地 域 の 主 要 な開 発 政 策 ・ 重 点・ 植 民 地 資 産 国 有 化・ 経 済 開 発 5カ 年 計 画・ 国 有 企 業 の 戦 略 的運 営・ 輸 入 代 替 工 業 化・ 農 業 技 術 普 及・「 緑 の 革 命 」・ 家 族 計 画 の 推 進・ 輸 出 志 向 工 業 化 への 転 換・ 外 国 投 資 奨 励 策・ 国 営 部 門 の 民 営 化・ 規 制 緩 和 、 自 由 化 推進 政 策・ 中 国 の「 市 場 経 済化 」・アジア 産 業 の 急 成 長・AFTA の 成 立・ 金 融 自 由 化 の 推 進・「アジア 経 済 危 機 」の発 生・ 新 しい「 東 アジアの 奇跡 」へ 向 けて?13


参 考 資 料 2世 界 銀 行 「 世 界 開 発 報 告 」にみられる 年 次 毎 の 開 発 課 題1990199119921993199419951996199719981999/20002000/2001200120022003貧 困( 市 場 志 向 型 政 策 の 課 題 を 補 完 するものとして、 所 得 移 転 とセイフティーネットを 貧 困 層 に 均 霑 させる 必要 )開 発 の 挑 戦( 安 定 したマクロの 枠 組 みと 開 放 貿 易 体 制 が 開 発 に 必 須 であることを 強 調 )開 発 と 環 境( 持 続 的 な 開 発 を 確 保 するための 環 境 問 題 の 重 視 、 貧 困 と 環 境 悪 化 の 関 連 などを 指 摘 )人 々の 健 康 に 対 する 投 資( 健 康 維 持 のための 効 率 的 支 出 と 政 府 の 役 割 、 保 健 制 度 などの 充 実 )開 発 とインフラストラクチャー( 開 発 促 進 のためのインフラ 整 備 、 民 間 の 参 入 による 効 率 的 運 営 を 提 案 )統 合 を 深 める 世 界 における 労 働 者( 労 働 者 所 得 保 障 の 手 段 、 労 働 者 の 適 応 、 労 働 移 動 について 考 察 )計 画 経 済 から 市 場 経 済 へ( 民 間 部 門 を 振 興 させるための 方 策 、 契 約 、 競 争 のルール、 民 営 化 の 方 法 などを 指 摘 )開 発 における 政 府 の 役 割( 市 場 を 育 成 するための 自 由 化 、 規 制 緩 和 、 産 業 政 策 の 役 割 などを 分 析 )開 発 のための 知 識( 情 報 技 術 の 普 及 、 電 気 通 信 事 業 のプライオリティーを 強 調 )21 世 紀 への 入 り 口(21 世 紀 へ 向 けた 新 しい 開 発 戦 略 などを 提 起 、これまでの 開 発 戦 略 ・ 考 え 方 なども 整 理 分 析 )貧 困 との 闘 い( 包 括 的 開 発 戦 略 の 核 となる 貧 困 の 撲 滅 へ 向 けた 様 々な 諸 条 件 について 分 析 )市 場 の 制 度 形 成( 市 場 形 成 のためのルール、 法 制 度 、 行 政 組 織 ・ 民 間 組 織 のあり 方 などに 関 する 分 析 )貧 困 人 口 に 対 するサービス( 上 記 貧 困 問 題 解 決 のためのセイフティーネットのあり 方 などに 対 する 問 題 )ダイナミック 社 会 の 持 続 可 能 な 開 発(グローバル 世 界 での 持 続 可 能 な 開 発 戦 略 のあり 方 に 関 する 問 題 提 起 )UNDPの「 人 間 開 発 レポート」のテーマ1993 人 々の 参 加 People's Participation1994 人 の 安 全 への 新 しい 局 面 New dimensions of human security1995 ジェンダーと 人 間 開 発 Gender and human development1996 経 済 成 長 と 人 間 開 発 Economic growth and human development1997 人 間 開 発 と 貧 困 撲 滅 Human Development to Eradicate Poverty1998 消 費 と 人 間 開 発 Consumption for Human Development1999 人 の 顔 を 持 ったグローバリゼーション Globalization with a Human Face2000 人 権 と 人 間 開 発 Human rights and human development2001 人 間 開 発 のための 新 しい 技 術 Making new technologies work for human development2002 細 分 化 する 世 界 のデモクラシーDeepening democracy in a fragmented world14

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