パッケージの熱管理 - Xilinx
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熱管理について 現在の高速ロジック デバイスは、多くの電気エネルギーを消費します。このエネルギーは、熱に変わる<br />
事を避けられません。デバイスの集積度を大きくするには、デバイス ジオメトリとインターコネクトを<br />
より小さくする必要があります。チップ サイズが小さくなり、回路の密度が最大レベルになると、この<br />
ような高速にスイッチングを行う CMOS 回路で生成される熱の量が非常に大きくなります。たとえば、<br />
ザイリンクス社の最新のハイエンド FPGA デバイスには、複数のプロセッサ、複数のギガビット トラ<br />
ンシーバ、インピーダンスをデジタル制御する I/O、各種の高電流規格をサポートできる I/O が組み込<br />
まれています。これらのデバイスに対する熱除去処理を行う場合は、特別な注意が必要です。<br />
パッケージの熱の<br />
キャラクタライ<br />
ゼーション方法と<br />
条件<br />
R<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
アプリケーション ノート: パッケージング<br />
現在の CMOS ロジック デバイスでは、生成される熱の管理は避けて通れない問題です。これは、ザイ<br />
リンクス社に限ったことではありません。しかし、一般的な ASIC ゲート アレイと異なり、フィールド<br />
プログラマブル デバイスの電力条件は、工場出荷時には決定できません。物理的条件および電力条件<br />
は、カスタマのデザインごとに異なります。このため、FPGA の熱管理条件を予測することは困難です。<br />
FPGA デバイスの電力損失は、実際に測定しないと正確には予測できません。ザイリンクス社は、エン<br />
ド ユーザーが電力消費を予測できるようにするため、いくつかのソフトに基づく Power Estimator を<br />
開発しています。このツールは、初段階の予測方法としては有効です。しかし、ほとんどのツールと同<br />
じように、予測結果は入力データによって異なります。デバイスにパッケージを割り当てるときは、一<br />
般的なユーザーの電力条件に合わせてパッケージが調整されています。各デバイスについて、「一般的<br />
な」デザインとゲート使用率に対する適切なパッケージが選択されています。ほとんどのデバイスでは、<br />
選択したパッケージの内部で行われる熱除去だけで十分で、外部の熱管理は必要ありません。しかし、<br />
デバイスの集積度が向上するにつれて、「一般的な」範囲を越えるデザインで FPGA デバイスを使用す<br />
る必要が生じています。このような状況では、外部で熱を管理せずにパッケージを使用すると、デバイ<br />
スの熱除去処理が十分でなくなる場合があります。このような場合は、外部的な手段で熱除去を管理す<br />
ることが欠かせなくなります。<br />
デバイスの機能を損なわずに最大温度制限を保つには、デバイスから熱を除去する必要があります。熱<br />
が過剰に蓄積された結果、デバイスの温度が制限を越える場合があります。この結果、デバイスはスピー<br />
ド ファイルに関する性能の仕様を満たすことができなくなります。また、性能の問題に加えて、システ<br />
ムを低温で動作させてシステムの信頼性を満たす必要もあります。デバイスに障害が発生する割合とメ<br />
カニズムは、デバイスの動作温度に指数関数的な影響を受けます。したがって、製品の信頼性を保証す<br />
るには、デバイスの温度を制御することが重要です。<br />
キャラクタライゼーション方法<br />
ザイリンクス社では、数種類の方法によって集積回路パッケージの熱性能特性に関するデータを取得で<br />
きます。このような方法には、有限要素ソフトウェア ツールを使用する熱シミュレーションや、特別な<br />
熱テスト チップ上またはザイリンクス社所定のパッケージに収められた FPGA 上で絶縁したダイオー<br />
ドを使用する間接的な電気的方法などがあります。ザイリンクス社が提供するデータの大部分は、ダイ<br />
オードを使用する間接的な方法に基づいています。<br />
© 2002 <strong>Xilinx</strong>, Inc. All rights reserved. すべての <strong>Xilinx</strong> の商標、登録商標、特許、免責条項は、http://www.xilinx.co.jp/legal.htm にリストされています。他のすべての商標および登録商<br />
標は、それぞれの所有者が所有しています。すべての仕様は通知なしに変更される可能性があります。<br />
保証否認の通知 : <strong>Xilinx</strong> ではデザイン、コード、その他の情報を「現状有姿の状態」で提供しています。この特徴、アプリケーションまたは規格の一実施例としてデザイン、コード、そ<br />
の他の情報を提供しておりますが、<strong>Xilinx</strong> はこの実施例が権利侵害のクレームを全く受けないということを表明するものではありません。お客様がご自分で実装される場合には、必要な<br />
権利の許諾を受ける責任があります。<strong>Xilinx</strong> は、実装の妥当性に関するいかなる保証を行なうものではありません。この保証否認の対象となる保証には、権利侵害のクレームを受けない<br />
ことの保証または表明、および市場性や特定の目的に対する適合性についての黙示的な保証も含まれます。<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 1
R<br />
絶縁したダイオードによる較正<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
間接的な電気的方法では、125℃までの温度に関して 0.150 ~ 0.500mA の範囲で電流を流して、特別な<br />
テスト チップ上または <strong>Xilinx</strong> FPGA 上にある独立したダイオードの順方向電圧降下を測定します。較<br />
正したデバイスを該当するボードに実装し、静止空気や強制対流などのテスト環境に配置します。この<br />
デバイスに、同じチップ上にある拡散抵抗を通して電力 (P D) を与えます。FPGA では、監視する電力<br />
を生成するため、既知の自己加熱プログラムをロードします。通常は、0.5 ~ 4W の電力を与えます。<br />
パッケージによっては、さらに大きい電力を与える場合もあります。そして、較正済みダイオードの順<br />
方向電圧降下によって、ジャンクション温度の上昇を監視します。<br />
測定に使用した規格<br />
ザイリンクス社では、SEMI の熱テスト方法 (#G38-87) および関連する SEMI ベースのボード (#G42-87)<br />
を使用して、熱のキャラクタライゼーションを決定していました。しかし、最近の測定とシミュレーショ<br />
ンの大部分は、JEDEC と EIA の規格である JESD51-n シリーズの仕様に基づいています。これは、SEMI<br />
の方法では不可能ないくつかのオプションが後者の規格によって提供されるという判断に基づいていま<br />
す。したがって、過去に測定した古いパッケージについては SEMI ベースのデータを引用しますが (備<br />
考欄に「SEMI」と記載)、新しいデータを引用する場合は備考欄に「JESD」と記載します。<br />
また、これらの規格に基づく測定により、キャラクタライゼーション結果でパッケージおよび条件を比<br />
較できるようになります。ただし、たとえば新発売の車に対して示される燃費の数字と同様、数値は目<br />
安として使用してください。特定のユーザー環境はキャラクタライゼーションで使用した条件と同じで<br />
はないので、記載されている数値はアプリケーションに特有な環境におけるパッケージのパフォーマン<br />
スと正確に一致するとは限りません。<br />
記号の定義<br />
T J<br />
T A<br />
T C<br />
Tt TB T l<br />
P D<br />
ジャンクション温度。チップ上の最大温度と定義されます。単位は ℃ です。<br />
周囲温度。周囲の環境の温度と定義されます。単位は ℃ です。<br />
定められた位置で測定したパッケージの温度。ほとんどの場合、パッケージ上基本的<br />
な放熱パスで測定されるので、パッケージ上で最も高い温度を表します。単位は ℃ で<br />
す。T C を上部で測定する場合については下記を参照してください。<br />
パッケージの上部で測定したパッケージの温度。これは、TC の特別なケースです。<br />
テスト対象のコンポーネントの近くにあるあらかじめ定められたボード上の場所で測<br />
定したボードの温度です。単位は ℃ です。<br />
ジャンクションとケースの間の温度を測定する場合の等温流体の温度です。単位は ℃<br />
です。<br />
デバイス全体の電力損失です。単位は W です。<br />
2 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
ジャンクションと基準点の間で温度を測定する一般的なセットアップ<br />
図 1: 温度測定のセットアップ (ジャンクションと基準点の間の回路図)<br />
ジャンクションとケースの間の測定値 - θ JC<br />
θ JC は、チップの表面とパッケージの表面 (ケース) の間で測定した熱流抵抗です。このデータは、外部<br />
ヒートシンクを使用するパッケージに関係します。熱は上部からのみ流れると仮定しています。理想的<br />
なケースでは、T C を測定するパスですべての熱がパッケージから放出されます。既知の熱入力によっ<br />
て温度差の源を求められるようにするため、側面における熱の流れはないものとするか最小限にします。<br />
θJC の測定では、熱の流れを望ましいものにするため、パッケージの上部で銅のヒートシンク プレート<br />
を使用します。<br />
1999 年以前は、一部のヒートシンク パッケージにおけるジャンクションとケースの間のキャラクタラ<br />
イゼーションを、25℃に安定させた 3M 社のフラウリナート (FC-40) 等温性流体を循環させて行ってい<br />
ました。現在の θJC のデータは、コールド プレート アプローチを使用してシミュレーションしています。<br />
ケースの温度 (T C) は、電力 (P D) を与えて安定させた状態で、細い熱電対 (36 ~ 40 AWG) を使用して、<br />
特定のパッケージの基本的な放熱パスで測定します。ジャンクション温度 (T J ) は、電力を与える前の安<br />
定した状態に対するダイオードの順方向電圧降下から計算します。<br />
θ JC = (T J – T C )/P D<br />
記号の意味は、上記で定義しています。通常は、パッケージにより多少異なりますが、ピン数が少ない<br />
ほど θ JC が大きくなります。温度差の原因はほとんどが部分的に与えられた電力によるものですが、ほ<br />
とんどの場合は電力全体が使用されます。<br />
ジャンクションと上部の間の測定値 - Ψ JT<br />
Ψ JT は、JEDEC の仕様で定義されるジャンクションと上部の間の (熱抵抗ではなく) 熱パラメータで、実<br />
際の状況における θ JC を表します。このパラメータは、チップのジャンクション温度と上部における<br />
パッケージの温度の相関を与えます。測定は、θ JA のセクションで説明するように、規定された FR4 ベー<br />
スの PC ボード上で行われます。基準温度は、コンポーネントの上部で測定される温度 T t です。常にデ<br />
バイスの動作時は電力の 100% 使用しているとは限りませんが、 100% の電力使用率で計算します。<br />
ただし、P D は与える電力です。<br />
Ψ JT = (T J – T t ) / P D<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 3<br />
R
R<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
このパラメータの値は、空気流の状態によって変化します。ヒートシンク タイプのパッケージ (一部の<br />
BG パッケージとほとんどの FF パッケージ) では、基本的な熱の流れがほとんど一次元的で、熱束が上<br />
部に制限されるので、T C と T t は同じ場所で測定され、Ψ JT の値は θ JC に近くなります。<br />
ザイリンクス FG676、FG900、FG1156 などのモールド パッケージでは、一次元的な状態にはなりにく<br />
くなっています。せいぜい、標準化されたセットアップで熱束の一部 (40 ~ 60%) が上部にあるだけで<br />
す。エンドユーザーのアプリケーションでも、熱束の分布は同じようなパターンになります。このよう<br />
な場合、Ψ JT と θ JC の値は異なる傾向にあります。総電力が既知であり、なおかつ上部の温度を慎重に<br />
測定できる場合、Ψ JT を使用してアプリケーション環境における T J を予測できます。<br />
一部のプラスチック モールド パッケージでは、測定用のセットアップに対応する Ψ JT の値を適用でき<br />
る場合があります。<br />
ジャンクションと周囲の間の測定値 - θ JA<br />
SEMI の方法 : 記載されているデータの一部は、SEMI 規格の方法および関連するボードの規格に基づい<br />
ています。SEMI 規格に基づく θ JA のデータは、寸法が 4.5" X 6.0" X .0625" (114.3mm X 152.4mm X<br />
1.6mm) でエッジ コネクタがある FR4 ベースの PC ボードで測定されています。表面実装 (SMT) デバ<br />
イスを扱うことができる PC ボードにはいくつかの種類がありますが、これらは主に 2 つのタイプに分<br />
類できます。タイプ I のボードは、JEDEC の低伝導率ボードに相当し、両面に 2 つの信号プレーンがあ<br />
る単一層のボードで、内部にパワー/グランド プレーンはありません。これは 2L/0P または 2S/0P ボー<br />
ドで、トレース密度は各面で 10% 未満です。タイプ II のボードは、JEDEC 2S/2P ボードに相当し、内<br />
部にパワー用とグランド用の 2 つの銅プレーンがあります。これらのプレーンの他に、表面と裏面にも<br />
信号トレース層があります。これは、4L/2P ボードです。4 つの層を 2S/2P と呼ぶこともあります。<br />
JEDEC の方法 : パッケージは、JEDS51-2 に基づいた 1 フィートの立方体の容器の中で測定されます。<br />
テスト ボードは、JESD51-3 および JESD51-7 仕様に従って形成されます。ボードのサイズはパッケー<br />
ジによって異なりますが、通常は 76.2mm X 114.3mm X 1.6mm または 101.6mm X 114.3mm X 1.6mm<br />
です。ボードには、低伝導率のものと高伝導率のものがあります。<br />
熱抵抗データを測定するときは、パッケージをソケットに装着するか、ボード上のトレースに直接装着<br />
します。通常、ソケットを使用する測定では、2S/0P または低伝導率ボードを使用します。ボードに直<br />
接装着する場合は、どのボードでも使用できます。記載されているデータには、2S/0P や 4L/2P など<br />
のように、ボードと装着の状態が記されています。<br />
テスト対象デバイス (DUT) があるボードをテスト容器に装着して、周囲温度 (TA) が 20 ~ 30℃という<br />
一般的な温度と圧力の状態でデータを測定します。与える電力は、予想されるパッケージの熱抵抗によっ<br />
て異なります。電力を与えたら、容器 (周囲) の温度などのデータを記録します。ジャンクションと周囲<br />
の間の熱抵抗は、次のように計算されます。<br />
θ JA = (T J – T A ) / P D<br />
空気流がある測定は、吸引タイプの低速風洞で行います。空気流の速度は、乱流が非常に少ない状態で、<br />
0 ~ 1000 フィート/分 (LFM)、つまり 0 ~ 5.08m/s です。制御仕様は、JESD51-6 です。空気流の測定<br />
では θ ja と同じボードを使用し、熱線風速計で空気流の状態を記録します。<br />
熱抵抗 : ジャンクションとボードの間 - θ JB<br />
これは、次のように定義されます。<br />
θ JB = (T J – T B ) / P D<br />
ただし、T B は、安定した状態でボード上の特定の位置で測定したボードの温度です。P D は、温度を変<br />
化させる電力のワット数です。<br />
T B は、パッケージのリードまたはボールの近くの特定の位置で 40 ゲージの熱電対を使用して測定しま<br />
す。たとえば、BGA パッケージの場合は、パッケージ側面の中央付近でパッケージ本体からの距離が<br />
1mm 以内の位置に熱電対を接続します。<br />
4 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
表 1: パッケージの熱抵抗の一覧<br />
パッケージ<br />
コード<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最大)<br />
θ JC と同じように、θ JB は特定の方向における強制的な熱の流れによって異なります。実際の測定とシ<br />
ミュレーションでは、ボードを通してのみ熱が流れるように強制します。このような測定条件は、実際<br />
のアプリケーションでは再現できないでしょう。<br />
ジャンクションとボードの間の測定値 - Ψ JB<br />
ジャンクションとボードの間の熱パラメータ Ψ JB は、JEDEC の仕様で定義されるジャンクションと<br />
ボードの間の (熱抵抗ではなく) 熱パラメータで、実際の状況における θ JB を表します。このパラメータ<br />
は、チップのジャンクション温度とボードの温度の相関を与えます。このパラメータは、θ JA で説明し<br />
たような実効熱伝導率が高いボードで測定されます。基準温度は、ボードで測定される温度 T B です。常<br />
にデバイスの動作時は電力の 100% 使用しているとは限りませんが、 100% の電力使用率で計算します。<br />
Ψ JB = (T J – T B ) / P D<br />
ただし、P D は与える電力です。このパラメータは、ボードの温度を測定できるアプリケーションでチッ<br />
プの温度 (T J ) を計算するために使用されます。<br />
現在ザイリンクス社は θJB と ΨJB の値を公表していませんが、一部の高速パッケージについては ΨJB の<br />
データが存在します。これらは、特定のデバイス パッケージの組み合わせで必要になります。<br />
熱抵抗の測定結果は使用するボードの影響を受けるので (銅トレースの密度やグランド プレーンの有<br />
無など)、これらのテストによるデータについてはボードの装着情報やテスト規格を考慮する必要があ<br />
ります。<br />
データの収集とパッケージの熱パラメータのデータベース<br />
各パッケージ タイプのデータは、さまざまなチップ サイズ、電力レベル、冷却方法 (空気流やヒートシ<br />
ンクなど) について、データ収集管理システム (DAS) を使用して収集されています。このシステムは、<br />
電源やその他の補助装置を管理して、自動的なデータ収集をサポートしています。パッケージのキャラ<br />
クタライゼーションは、熱抵抗に影響を与える主要なパラメータに関して行われます。測定結果はデー<br />
タベースに蓄積されます。データベースの熱抵抗データは、キャラクタライゼーションを行ったパッケー<br />
ジに組み込む個々のザイリンクス デバイスの標準値として内挿されます。表 1に、各パッケージの標準<br />
値を示します。特定のデバイスのデータが標準値に一致するとは限りませんが、最大値と最小値の間の<br />
範囲には収まります。FPGA ファミリや EPLD ファミリで幅広く使用されているパッケージほど、値の<br />
範囲が大きくなります。特定のデバイスに関するデータが必要な場合は、ザイリンクス アプリケーショ<br />
ン グループまでお問い合わせください。<br />
新しいパッケージほど、詳細なデータが得られます。<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最小)<br />
250LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
500LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
750LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
θ JC<br />
(標準)<br />
℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット<br />
BF957 11.2 10.9 10.6 6.8 5.4 4.6 1.1 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
BG225 37.2 30.3 23.9 21.9 19.3 18.5 3.6 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
BG256 38.8 27.0 21.2 19.5 17.2 16.5 3.9 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
BG352 13.3 12.6 11.8 8.8 7.2 6.5 1.0 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
BG432 11.8 11.2 10.7 7.9 6.5 5.9 0.9 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
BG492 17.2 17.2 17.2 12.2 11.9 11.9 0.8 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
BG560 11.2 10.6 10.2 7.4 6.1 5.6 0.8 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 5<br />
備考<br />
R
R<br />
表 1: パッケージの熱抵抗の一覧(続き)<br />
パッケージ<br />
コード<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最大)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最小)<br />
250LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
500LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
750LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
θ JC<br />
(標準)<br />
℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
BG575 16.9 15.8 14.7 12.1 11.4 11.0 2.8 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
BG728 13.7 13.6 13.2 10.2 9.3 8.7 1.9 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
CB100 48.8 41.9 38.5 25.4 19.7 17.8 5.8 SEMI : ソケット使用<br />
CB164 29.8 26.7 25.0 16.6 12.4 10.6 3.7 SEMI : ソケット使用<br />
CB196 26.2 25.0 23.8 15.6 11.6 10.0 2.5 SEMI : ソケット使用<br />
CB228 21.3 18.5 16.3 11.5 8.6 7.4 1.9 SEMI : ソケット使用<br />
CC20 105.0 105.0 105.0 72.8 57.7 35.0 7.0 SEMI : ソケット使用<br />
CC44 48.6 45.8 44.5 37.6 30.8 25.2 8.3 SEMI : ソケット使用<br />
CD8 121.0 112.9 103.9 80.0 65.7 58.0 7.1 SEMI : ソケット使用<br />
CD48 40.0 40.0 40.0 - - - 5.0 SEMI : ソケット使用<br />
CG560 14.3 14.3 14.3 9.2 7.2 6.3 1.6 SEMI : ソケット使用<br />
CG1156 10.7 10.7 10.7 8.0 7.6 6.8 1.0 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
CP56 65.0 65.0 65.0 - - - 15.0 推定値<br />
CS48 45.0 45.0 45.0 - - - 5.0 推定値<br />
CS144 65.0 35.7 34.0 25.9 23.9 23.2 2.5 推定値<br />
CS280 30.5 30.5 30.5 25.0 23.1 22.2 0.8 推定値<br />
DD8 115.9 109.3 94.0 89.8 73.5 60.2 8.3 ソケット使用<br />
FF896 11.8 11.8 11.8 8.2 6.7 5.9 1.1 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
FF1152 11.9 11.7 11.4 7.6 6.1 5.2 1.1 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
FF1517 10.5 10.5 10.5 6.5 5.1 4.4 1.1 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
FG256 33.6 25.1 18.4 21.2 19.7 19.1 3.9 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG324 29.4 26.0 21.1 19.3 17.2 16.5 3.4 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG456 23.5 19.6 16.5 15.5 14.1 13.6 2.2 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG556 13.7 13.6 13.5 9.7 9.4 9.4 2.1 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG676 16.7 16.6 16.6 13.2 12.0 11.5 2.0 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG680 11.1 10.8 10.4 7.5 6.2 5.6 0.9 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG860 10.5 10.2 10.0 7.2 5.9 5.4 0.8 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
FG900 14.1 13.7 13.5 9.8 9.5 9.5 2.0 推定値<br />
FG1156 13.7 13.4 13.2 9.7 9.2 9.0 2.0 JESD : 4L/2P-SMT、<br />
シミュレーション<br />
FT256 34.6 30.9 27.5 26.2 24.4 23.7 4.3 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
6 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日<br />
備考
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
表 1: パッケージの熱抵抗の一覧(続き)<br />
パッケージ<br />
コード<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最大)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最小)<br />
250LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
500LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
750LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
θ JC<br />
(標準)<br />
℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット<br />
HQ160 16.5 15.6 14.7 10.8 8.6 7.7 2.0 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HQ208 16.7 15.8 14.4 10.9 8.7 7.8 2.1 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HQ240 14.5 13.2 11.8 9.1 7.3 6.5 1.5 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HQ304 11.3 10.6 10.0 7.1 5.6 4.9 1.1 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HT144 19.1 18.5 18.2 12.6 10.7 10.1 2.1 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HT176 15.6 15.3 15.2 10.4 8.9 8.4 2.0 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
HT208 13.6 13.4 13.3 9.0 7.6 7.2 1.9 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
MQ208 18.4 17.9 17.4 14.0 12.6 11.9 1.3 SEMI : 2L/0P-SMT<br />
MQ240 16.8 16.7 16.4 12.0 10.8 10.5 1.2 SEMI : 2L/0P-SMT<br />
PC20 87.3 82.3 72.0 62.1 55.5 51.8 24.2 SEMI : 2L/0P-SMT<br />
PC28 67.6 66.1 63.0 49.8 44.6 41.6 17.8 SEMI : ソケット使用<br />
PC44 53.7 46.5 42.3 35.1 31.4 29.3 14.9 SEMI : ソケット使用<br />
PC68 46.2 41.9 38.4 31.6 28.2 26.4 9.5 SEMI : ソケット使用<br />
PC84 41.7 33.3 27.9 25.8 20.8 16.8 5.6 SEMI : ソケット使用<br />
PD8 83.0 78.9 71.3 59.4 53.2 49.6 21.5 SEMI : ソケット使用<br />
PD48 43.2 43.2 43.2 32.6 29.1 27.2 11.6 SEMI : ソケット使用<br />
PG68 38.8 37.0 34.1 25.6 19.9 17.3 7.8 SEMI : ソケット使用<br />
PG84 38.5 34.4 31.3 23.8 18.5 16.1 6.0 SEMI : ソケット使用<br />
PG120 37.8 27.8 24.6 19.3 15.2 13.3 4.0 SEMI : ソケット使用<br />
PG132 32.0 28.7 23.9 20.3 16.7 14.8 2.9 SEMI : ソケット使用<br />
PG144 25.8 24.5 23.3 17.4 14.3 12.6 3.7 SEMI : ソケット使用<br />
PG156 25.6 23.9 20.7 14.9 11.6 10.3 2.7 SEMI : ソケット使用<br />
PG175 25.2 23.3 19.9 14.5 11.3 10.0 2.6 SEMI : ソケット使用<br />
PG191 25.7 21.8 18.5 15.5 12.7 11.2 1.5 SEMI : ソケット使用<br />
PG223 25.3 21.1 17.7 15.0 12.3 10.8 1.5 SEMI : ソケット使用<br />
PG299 21.0 17.3 15.1 10.4 8.7 8.3 2.0 SEMI : ソケット使用<br />
PG411 16.1 14.7 14.3 9.5 7.4 6.5 1.4 SEMI : ソケット使用<br />
PG475 15.1 14.6 14.3 9.4 7.3 6.4 1.4 SEMI : ソケット使用<br />
PG559 13.7 13.4 13.2 8.6 6.7 5.9 1.3 推定値<br />
PP132 35.4 34.4 32.8 23.5 17.9 17.1 6.1 SEMI : ソケット使用<br />
PP175 29.5 28.9 28.0 19.0 15.0 13.0 2.5 SEMI : ソケット使用<br />
PQ44 52.2 51.3 50.1 39.8 36.4 35.4 12.4 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
PQ100 35.0 33.5 32.0 29.5 27.6 26.6 5.6 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
PQ160 38.1 31.8 20.6 23.5 20.8 19.2 5.0 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 7<br />
備考<br />
R
R<br />
表 1: パッケージの熱抵抗の一覧(続き)<br />
パッケージ<br />
コード<br />
熱抵抗データの<br />
応用<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
PQ208 36.9 30.4 18.9 22.4 19.8 18.4 4.8 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
PQ240 28.5 19.9 14.0 14.7 13.0 12.0 3.8 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
SO8 147.1 147.1 147.1 112.2 104.6 98.6 48.3 IEEE-(Ref)<br />
SO16 106.0 106.0 106.0 - - - 47.0 ベンダーのデータ<br />
SO20 86.0 86.0 86.0 65.4 61.1 57.6 36.0 ベンダーのデータ<br />
SO24 80.0 80.0 80.0 60.8 56.8 53.6 28.0 ベンダーのデータ<br />
TQ44 76.5 76.2 75.8 59.2 50.0 45.1 8.2 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
TQ100 39.5 31.8 30.6 25.9 24.0 23.5 7.5 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
TQ128 31.5 30.6 30.0 26.9 25.2 24.3 5.3 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
TQ144 57.6 33.5 29.8 26.1 22.3 20.9 5.5 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
TQ160 28.9 28.9 28.9 21.8 18.5 17.0 5.6 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
TQ176 29.7 28.1 26.7 21.3 18.0 16.5 5.3 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
VO8 160.0 160.0 160.0 137.6 129.6 123.2 60.0 推定値<br />
VO24 76.0 76.0 76.0 57.8 54.0 50.9 28.0 推定値<br />
VQ44 46.9 42.2 38.9 35.2 32.8 32.1 8.2 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
VQ64 46.9 42.3 39.3 35.2 32.9 32.1 8.2 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
VQ100 53.2 38.8 32.4 32.3 30.1 29.3 9.3 SEMI : 4L/2P-SMT<br />
メモ :<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最大)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
静止空気に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(最小)<br />
250LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
500LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
1. ここに記載されている最大値、標準値、最小値は、この表を作成した時点における特定のパッケージを使用するすべてのデバイスに対する値に基<br />
づいています。これらの値は、必ずしもそのパッケージに関する絶対的な制限値を表すものではありません。特定のデバイスのデータは、制限値<br />
内にあるはずです。使用されているデバイスの種類が多いパッケージほど、値の範囲が大きくなっています。パッケージに実装した特定のデバイ<br />
スに関するデータについては、ファクトリーにお問い合わせください。<br />
2. データは、ザイリンクス社のパッケージ コードに基づくアルファベット順でリストされています。これらのコードに対応するパッケージ構成およ<br />
び図面は、パッケージのアウトラインの図面とともにデータブックに記載されています。<br />
3. 備考欄に「2L/0P-SMT」と記されている場合は、内部にプレーンがない表面実装のタイプ I ボードまたは低伝導タイプのボードで測定を行ってい<br />
ます。<br />
4. 備考欄に「4L/2P-SMT」(2S/2P) と記されている場合は、2 層の内部プレーンがある 4 層の SMT ボードで測定を行っています。「SEMI」と<br />
「JESD」は、測定方法を示します。<br />
5. 備考欄に「ソケット使用」と記されている場合は、ソケットを使用して測定を行っています。<br />
6. 熱データの単位は、℃ / ワットです。JA は、θJA を表します。空気流の単位は毎分のフィート数 (LFM) で、500LFM = 2.5m/s です。<br />
熱抵抗データは、IC パッケージの熱性能を評価するために使用されます。2 点間の熱抵抗を表す方法は<br />
何種類かあります。たとえば、次のようなものがあります。<br />
θ JA = ジャンクションと周囲の間の熱抵抗 (℃/W)<br />
θ JC = ジャンクションとケースの間の熱抵抗 (℃/W)<br />
θ JB = ジャンクションとボードの間の熱抵抗 (℃/W)<br />
θ CA = ケースと周囲の間の熱抵抗 (℃/W)<br />
θ CS = ケースとヒートシンクの間の熱抵抗 (℃/W)<br />
750LFM に<br />
おける<br />
θ JA<br />
(標準)<br />
θ JC<br />
(標準)<br />
℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット ℃/ワット<br />
8 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日<br />
備考
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
θ SA = ヒートシンクと周囲の間の熱抵抗 (℃/W)<br />
次のような熱パラメータもあります。<br />
Ψ JB = ジャンクションとボードの間の熱特性パラメータ (℃/W)<br />
Ψ JC = ジャンクションとケースの間の熱特性パラメータ (℃/W)<br />
θJC は、チップ表面からチップ実装素材を通してパッケージ外部までの熱伝導に対するパッケージ内部<br />
の抵抗を表します。θJC は、パッケージの材質の熱伝導率と形状に大きく影響を受けます。<br />
θJA は、θJC を含むパッケージ全体の熱抵抗を表します。θJA は、対流の効率やボードの実装状態などの<br />
外部条件とパッケージの材質の特性によって変化します。たとえば、ソケットに装着したパッケージで<br />
は、電源プレーンとグランド プレーンがある 4 層のボードに装着した場合よりも θJA の値が 20% 大き<br />
くなる場合もあります。<br />
一般に、θMN は、点 M と点 N の間の熱抵抗を表します。この 2 点は、熱が発生する場所と熱が流れる<br />
場所を示しています。<br />
ヒートシンク用接着剤とともにヒートシンクを使用する場合は、ヒートシンクの熱抵抗を θ SA (ヒート<br />
シンクと周囲の間)、接着剤の材料の熱抵抗を θ CS (ケースとヒートシンクの間) で表します。これらの<br />
熱抵抗は、加え合わせることができます。たとえば、熱抵抗が θ CS のインターフェイス材料とともに<br />
ヒートシンクを使用する場合は、θ JA = θ JC + θ CS + θ SA となります。<br />
熱データの使用 アプリケーションで熱抵抗を使用する場合のデータの条件は、次のようになります。<br />
ザイリンクス社が提供するデータ<br />
- θ JA — ザイリンクスのデータベースから引用<br />
- θ JC — ザイリンクスのデータベースから引用<br />
- θ SA — ヒートシンクのメーカーから引用<br />
ユーザーが提供するデータ<br />
- 最大 T J<br />
- パッケージの絶対最大温度 ( プラスチックの場合は通常 125 ~ 135 ℃ ) になる場合があり<br />
ます。<br />
- 商業用のデバイスで 85 ℃を越えると、速度が低下する場合があります。工業用デバイス<br />
と軍用デバイスでは、これより高い温度で速度が低下します。<br />
- 最大 T J は、信頼性を考慮して選択する必要があります。熱収支は、この値に基づいて計<br />
画します。<br />
- T A : システムの周囲温度<br />
- この変数もユーザーが制御できます。通常は、45 ~ 55 ℃程度に設定します。<br />
通常は計算されるデータ<br />
- 電力損失。前述した式を使用すると、特定の条件を満たす電力範囲を決定できます。<br />
- 電力が既知の場合は、前述した式から最大 T J を計算できます。<br />
- (θ JC を測定した方法以外で ) システム内でデバイスの上部の温度を測定できる場合は、熱パラ<br />
メータ Ψ JC を使用してジャンクション温度を計算できます。<br />
- 同様に、ボードの温度がわかる場合は、パラメータ ΨJB を使用してジャンクション温度を計<br />
算できます。<br />
ヒートシンクを使用しない場合は、次の不等式が成り立つ必要があります。<br />
T J (max) > θ JA X P D + T A<br />
次の 2 つの例で、この不等式の使い方を示します。例では特定のパッケージを使用していますが、Quad、<br />
BGA、FG、FlipChip など、どのパッケージにも適用できます。<br />
例 1<br />
目標は、最大 Tj を 85℃未満にすることです。<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 9<br />
R
R<br />
モジュールは、最大 Ta = 45℃用に設計します。<br />
FG456 パッケージの XCV300 では、θ JA = 16.5℃/ワット、θ JC = 2.0℃/ワットです。<br />
XCV300 には、2.0 ワットの電力 PD を与えるものとします。<br />
これらの情報から、最大チップ温度は次のように計算されます。<br />
T J = 45 + (16.5 X 2.0) = 78°C.<br />
この場合、T J < 85℃という目標が達成されています。<br />
例 2<br />
モジュールの最大 T A は 55℃です。<br />
PQ240 パッケージと HQ240 パッケージの <strong>Xilinx</strong> FPGA XC4013E について検討します。<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
XC4013E のロジック デザインは 2.50 ワットです。目標は、最大 TJ < 100℃です。<br />
表 2に、TJ < 100℃という目標を満たすために必要な放熱方法とパッケージの組み合わせを示します。<br />
表 2: PQ240 および HQ240 パッケージの XC4013E の熱抵抗<br />
デバイス<br />
名 パッケージ<br />
θ JA<br />
(静止空気)<br />
どの場合も、T J = 電力 X θ JA + T A という式を使用してジャンクション温度を計算しています。静止空気<br />
で PQ240 パッケージを使用する場合以外は、100℃未満というモジュール条件が満たされています。一<br />
般に、最大 T J の条件を満たすには、周囲温度、ボード温度、総電力損失に基づいて、強制空冷やヒー<br />
トシンクなどで放熱を行う必要があります。<br />
ヒートシンクの計算<br />
以下の例では、ヒートシンクを選択する方法について説明します。<br />
デバイスは、FG680 パッケージの XCV1000E です。<br />
外部的に放熱を行う必要があります。<br />
FG680 パッケージの XCV1000E について、ザイリンクス社は次のようなデータを提供しています。<br />
カスタマの条件は、次のとおりです。<br />
- Ta = 50 ℃<br />
θ JA<br />
(250 LFM)<br />
θ JA<br />
(500 LFM)<br />
- 電力 = 8.0 ワット ( ユーザーの推定値 )<br />
- 最大 T J が 100 ℃を超えない<br />
θ JA<br />
(750 LFM) θ JC 備考<br />
XC4013E PQ240 23.7 17.5 15.4 14.3 2.7 銅、SMT 2L/0P<br />
XC4013E HQ240 12.5 8.6 6.9 6.2 1.5 4 層ボードのデータ<br />
メモ :<br />
1. ジャンクション温度は、次のような組み合わせがあります。<br />
1a. 標準の PQ240 を使用する場合は T J = 55 + (23.7 X 2.50) = 114.25℃<br />
1b. 標準の PQ240 を使用して 250LFM の強制空冷を行う場合は T J = 55 + (17.5 X 2.50) = 98.75℃<br />
2a. 標準の HQ240 を使用する場合は T J = 55 + (12.5 X 2.50) = 86.25℃<br />
2b. HQ240 を使用して 250LFM の強制空冷を行う場合は T J = 55 + (8.6 X 2.50) = 76.5℃<br />
静止空気における<br />
250LFM における 500LFM における 750LFM における<br />
パッケージ コード θJA (℃/W) θJC (℃/W) θJA (℃/W) θJA (℃/W) θJA (℃/W)<br />
FG680 10.6 0.9 7.5 6.1 5.6<br />
10 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
基本となる静止空気のデータを使用して計算します。<br />
- T J = T A + (θ JA) X P<br />
- T J = 50 + 8 X 10.6 = 134.8 ℃<br />
- 134.8 ℃は上記の 100 ℃以下という目標を満たしていないので、静止空気における θ JA は許容<br />
できません。<br />
許容できる熱抵抗を計算します。<br />
- 8 ワットの電力で 100 ℃以下に保つために必要な θ JA を計算します。<br />
- 熱収支 = (T J - T A) = 50 ℃<br />
- θ JA = 50 / 8 = 6.25 ℃ / ワット<br />
- ジャンクションと周囲の間の熱抵抗は、6.25 ℃ / ワット 未満でなければなりません。どのよう<br />
な放熱を行う場合でも、これが目標になります。<br />
放熱のオプション<br />
- 上記の表から、裸のパッケージを 500LFM (2.54m/s) で強制空冷すると θ JA = 6.1 ℃ / ワットに<br />
なります。このように大きい空気流が許容できるのであれば、これは可能なオプションです。<br />
- ヒートシンクについて計算します。ヒートシンクを使用する場合、熱はパッケージを通り<br />
(θ JC)、インターフェイス材料を通って (θ CS)、ヒートシンクから周囲へ流れます (θ SA)。これ<br />
は、次のように表すことができます。<br />
ただし<br />
- θ JA ≦ θ JC + θ CS + θ SA<br />
- 6.25 ≦ 0.9 + 0.1+ θ SA<br />
- 6.25 ℃ / ワットは満たさなければならない条件<br />
- 0.9 ℃ / ワットは上記の表による θ JC<br />
- 0.1 ℃ / ワットはインターフェイス材料のデータによる θ CS<br />
- 上記の式から、θ SA ≦ 5.25 ℃ / ワットとなります。<br />
- したがって、システムの物理的な条件を満たす θ SA < 5.25 ℃ / ワットのヒートシンクを探すこ<br />
とが目標になります。<br />
- 250LFM (1.25m/s) で強制空冷したパッシブ ヒートシンクを使用できます。<br />
- DC ファンがある薄型の小さいアクティブ ヒートシンクを使用できます。<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 11<br />
R
熱データの比較<br />
R<br />
Θ JA (°C/watt)<br />
Θ JA (°C/watt)<br />
30<br />
25<br />
20<br />
15<br />
10<br />
35<br />
30<br />
25<br />
20<br />
15<br />
10<br />
5<br />
0<br />
HQ/PQ Thermal Data<br />
Size effect on Θ JA<br />
5<br />
200 300 400 500 600 700<br />
Die size (mils)<br />
図 2: HQ/PQ パッケージの熱データ<br />
HQ/PQ Thermal Data<br />
Effect of Forced Air on Θ JA<br />
図 3: HQ/PQ パッケージの熱データ<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
12 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日<br />
HQ208<br />
HQ240<br />
HQ304<br />
PQ208<br />
PQ240<br />
0 200 400<br />
Airflow - LFM<br />
600 800<br />
XC4010E-HQ208 XC4013E-HQ240 XC4025E-HQ304<br />
XC4010E-PQ208 XC4013E-PQ240
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
Θ JA (°C/watt)<br />
Θ JA (°C/watt)<br />
25<br />
20<br />
15<br />
10<br />
5<br />
0<br />
20<br />
15<br />
10<br />
5<br />
0<br />
PGA 299 Thermal Resistance<br />
Effect of Air Flow on Θ JA<br />
0 100 200 300 400 500 600 700<br />
Air Flow - LFM<br />
PG191-XC4010E PG223-XC4013E<br />
PG299-XC4025E PG299-FHS(XC4025E)<br />
図 4: PGA299 パッケージの熱抵抗<br />
PG299 Thermal Resistance<br />
Effects of Active & Passive Heat sinks<br />
A B C D E F<br />
PG299 - Various Enhancements<br />
A Standard Pkg<br />
B Pkg+Finned HS (Passive)<br />
C<br />
Pkg+Active Fan (V=0)<br />
図 5: PG299 パッケージの熱抵抗<br />
D Pkg+Active Fan (V=12)<br />
E Std Pkg +250LFM<br />
F Pkg+Finned HS+ 250LFM<br />
XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日 www.xilinx.co.jp 13<br />
R
パワー マネージメ<br />
ントの方法<br />
R<br />
Θ JA (°C/watt)<br />
40<br />
35<br />
30<br />
25<br />
20<br />
15<br />
10<br />
BGA Thermal Resistance<br />
Effect of Air Flow on Θ JA<br />
図 6: BGA パッケージの熱抵抗<br />
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
0 200 400 600 800<br />
Air Flow - LFM<br />
XC4010E-BG225 (2L) XC4013E-BG225(4L) XC73144-BG225(4L)<br />
XC73108-BG225(2L) XC5210-BG225(2L)<br />
FPGA デバイスはさまざまなアプリケーションで使用されるので、電力と熱管理の条件を予測すること<br />
は簡単ではありません。ザイリンクス社のプログラマブル デバイスはシステムによってはあまり電力を<br />
消費しませんが、ゲート数が多い FPGA デバイスの場合は少なからぬ熱を生成することが考えられます。<br />
図 7: 薄型保持器のパッシブ ヒートシンクによる BGA パッケージの拡張<br />
I/O 数とゲート数が多い Virtex クラスのデバイスは、多くの電力を消費する可能性があります。この<br />
ため、このようなデバイスには中規模または大規模な電力に対応するパッケージも用意されています。<br />
このようなハイエンド BGA パッケージで放熱を行えば、さらに多くの電力を扱うことができるように<br />
なります。<br />
14 www.xilinx.co.jp XAPP415 (v1.1) 2002 年 7 月 26 日
<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
Low End<br />
1-6 Watts<br />
Mid Range<br />
4-10 Watts<br />
High End<br />
8-20 Watts<br />
電力損失が裸のパッケージの仕様を超える場合は、何らかの熱管理を検討する必要があります。次の図<br />
に、単純な空気流による方法からヒートシンクを使用する方法までの熱管理対策を示します。<br />
Bare Package<br />
with<br />
Moderate Air<br />
8-12˚C/Watt<br />
Passive H/S +<br />
Air<br />
5-10˚C/Watt<br />
Active Heatsink<br />
2-3˚C/Watt<br />
or better<br />
Bare Package.<br />
Package may be<br />
used with moderate<br />
airflow within a<br />
system.<br />
Package used with<br />
various forms of<br />
Passive Heatsinks<br />
and Heat spreader<br />
techniques.<br />
Package used with<br />
Active Heatsinks<br />
TEC and Board<br />
level Heat spreader<br />
techniques.<br />
図 8: 熱管理のオプション<br />
場合によっては、ヒートパイプや液体冷却式のヒートプレートを使用することも考えられます。このよ<br />
うなオプションの解析と技術設計の詳細については、熱管理の専門家の助けが必要な場合があります。<br />
このセクションの終わりに、標準的なパッケージ用にヒートシンク ソリューションを提供する Web サ<br />
イトの URL をリストします。<br />
熱管理で可能なオプションには、次のようなものがあります。<br />
同じパッケージまたは同様のパッケージで同じ回路の低電圧バージョンのデバイスを使用します。<br />
5.0V バージョンの代わりに 3.3V バージョンのデバイスを使用すると、最大 40% の電力を削減で<br />
きます。同等な低電圧バージョンがない製品もあります。<br />
ザイリンクス社では、ゲート数が多いデバイスのほとんどに複数のパッケージ タイプを提供して<br />
います。あるデバイスについて使用できるパッケージの中で、熱特性が優れたものを探します。<br />
Quad パッケージと一部の BGA パッケージには、放熱オプションがあります。一般に、このよう<br />
なヒートシンクが組み込まれているパッケージでは、熱特性が 25 ~ 40% 改善されることが予想さ<br />
れます。<br />
システムの筐体に穴を開けて自然に放熱されるようにします。このようにすると、周囲温度が実質<br />
的に下がるので、熱収支が向上し、電力損失が少なくなります。<br />
強制空冷を行います。ファンは自然な放熱の次のステップで、熱特性を向上させるための効果的な<br />
方法です。上記のグラフと計算からわかるように、200 ~ 300LFM で強制空冷を行うと、ジャン<br />
クションと周囲の間の熱抵抗が最大 30% 小さくなります。<br />
電力損失が多くない (2 ~ 5 ワット) 場合は、熱伝導率の高い両面テープまたは保持器によってパッ<br />
シブ ヒートシンクとヒートスプレッダを接続すると、簡易的なソリューションとなります。<br />
図 9: クリップがあるヒートシンク<br />
DS076_09_111200<br />
電力損失が 8 ワット以下の場合は、軽いフィン付きのパッシブ ヒートシンクを外付けすることも有<br />
効です。FG680 パッケージの XCV1000E の例で示したように、強制空冷と併用すると、熱特性が<br />
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<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
40 ~ 50% 向上します。ヒートシンクは、サイズが大きくなるほど効果が大きくなる傾向がありま<br />
す。大きいヒートシンクを使用する場合は、ヒートシンクの圧力からデバイスを保護するため、圧<br />
力を PC ボードに伝えるバネ付きのピンまたはクリップを使用します。このようなヒートシンクに<br />
は、ボードに直接接続できるようクリップが対角線上に取り付けられたものがあります (図参照)。<br />
金属を露出させてヒートシンクの役割をさせるパッケージを使用します。放熱対策が行われている<br />
BGA パッケージ (BG352、BG432、BG560、FG680、FG860、FlipChip BGA など) には、上部に<br />
金属を露出させたヒートシンクがあります。これらはハイエンドの熱パッケージと考えられ、パッ<br />
シブまたはアクティブな外部ヒートシンクを使用するとさらに効率的な放熱が可能です。この場合<br />
も、大きいヒートシンクを使用するときはデバイスの圧力による損傷を考慮する必要があります。<br />
アクティブ ヒートシンクには、小型のファンを組み合わせただけのものもあれば、熱電冷却機<br />
(TEC) とファンを使用して熱を除去するものもあります。熱管理で TEC を使用する場合は、逆流<br />
してデバイスに損傷を与える可能性があるので、専門家と相談する必要があります。結露が問題に<br />
なる場合もあります。<br />
上部で金属が露出していないモールド パッケージ (FG456、FG676、FG1156、PQ など) では、上<br />
部でヒートシンクを使用して放熱を行うことができます。これらの BGA パッケージは PC のグラ<br />
フィック カードで使用されるものと構造が同じなので、グラフィック カードで使用するヒートシ<br />
ンクをこれらのパッケージでも簡単に使用できます。この場合は、ジャンクションとケースの間の<br />
熱抵抗がクリティカルな条件になります。<br />
熱特性は、パッケージ自体の他に、パッケージが実装されるボードにも大きく影響されます。ボー<br />
ド デザインでは、ボードが熱を伝えるという性質を利用できます。パッケージから出た熱は、<br />
ヒートパイプまたは自然な対流によってボードに流れます。ボードが放熱に与える影響は、ボード<br />
のサイズと熱伝導率によって異なります。ボードのサイズ、銅トレースのレベル、埋め込まれてい<br />
る銅プレーンの数は、すべてそのボードに実装するパッケージのジャンクションと周囲の間の熱抵<br />
抗に影響を与えます。HQ など、ボード側にヒートシンクが露出しているパッケージは、熱伝導性<br />
接着剤でボードに接着すると、放熱効果を高めることができます。ボールのマトリックスがある<br />
BGA パッケージは、この方法で冷却できます。ただし、デバイスからボードに熱が直接流れるパ<br />
スがあるということは、デバイスが他の熱源の影響を受けるということでもあります。特に、ボー<br />
ドが効果的に冷却されていない場合は注意が必要です。本来は熱を持っていないコンポーネントで<br />
も、ボード上にある他の熱を放出するコンポーネントによって熱を持つ場合があります。<br />
参考資料 熱管理については、以下の Web サイトも参照してください。問い合わせ先は、各サイトに記載されて<br />
います。<br />
ヒートシンク メーカーの Web サイト<br />
http://www.wakefield.com<br />
http://www.aavid.com または http://www.thermalloy.com<br />
http://www.chipcoolers.com<br />
http://www.metalsgroup.com<br />
http://www.malico.com.tw<br />
http://www.pinfin.com<br />
図 10: BGA 用アクティブ ヒートシンクの例 (Malico)<br />
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<strong>パッケージの熱管理</strong><br />
http://www.intricast.com<br />
http://www.innovalue.com<br />
http://www.alphanovatech.com<br />
http://www.tennmax.com<br />
GlobalWin : http://www.globalwin.com.tw<br />
http://www.avc.com.tw<br />
ALPHA: http://www.micforg.co.jp<br />
COFAN USA : http://www.cofan-usa.com<br />
インターフェイス材料メーカーの Web サイト<br />
Power Devices : http://www.powerdevices.com<br />
Chomerics : http://www.chomerics.com<br />
Bergquist Company : http://www.bergquistcompany.com<br />
AOS Thermal Compound : http://www.aosco.com<br />
ザイリンクス社は、これらのベンダーおよび製品について保証を行うものではありません。これらは、<br />
参照用にのみリストされています。これらのベンダーが提供する材料およびサービスについては、ザイ<br />
リンクス社製品との互換性を確認する必要があります。<br />
改訂履歴 次の表に、このドキュメントの改訂履歴を示します。<br />
日付 バージョン 改訂内容<br />
12/19/01 1.0 初期リリース<br />
07/26/02 1.1 10 ページのパッケージ コードを FG6080 から FG680 に修正。1 ページ<br />
に免責事項を追加。<br />
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