カンボジア2011年経済センサスに係る研究活動報告 - 一橋大学 ...

Global COE Hi-Stat Newsletter No. 6 (July 2011)
目 次
「Asia Pacific Trade Seminars Annual Meeting 開 催 報 告 」 古 沢 泰 治 … 1
「 一 橋 大 学 政 策 フォーラム・ 公 開 討 論 会 『 大 震 災 からの 復 興 を 考 える』」 北 村 行 伸 … 2
「カンボジア 2011 年 経 済 センサスに 係 る 研 究 活 動 報 告 」 那 須 田 晃 子 …4
ディスカッションペーパー...6
研 究 会 開 催 実 績 ...7
受 賞 …11
学 位 授 与 …11
Asia Pacific Trade Seminars (APTS) Annual Meeting 開 催 報 告
古 沢 泰 治
ミクロ 分 析 研 究 ( 理 論 的 基 礎 )グループ
一 橋 大 学 経 済 学 研 究 科
6 月 30 日 快 晴 の 空 の 下 、7th Annual Meeting of the
Asia Pacific Trade Seminars が University of Hawaii
at Manoa で 始 まった。 会 場 となった Center for
Korean Studies は 韓 国 の 寺 院 を 彷 彿 させる 建 物 で、
その 中 はエアコンで 驚 くほどの 寒 さだった。セッシ
ョン 中 は 会 場 に「 缶 詰 」になる 参 加 者 にとっては、
快 晴 であろうが 大 雨 であろうが 関 係 ないのであるが、
やはりハワイは 快 晴 が 似 合 うのである。
2 日 間 にわたり 開 催 される APTS meeting は、
Denise Konan 氏 (University of Hawaii at Manoa)
の welcome speech のあと、Jee-Hyeong Park 氏
(Seoul National University) の plenary session で 開
幕 した。 今 回 は、 国 際 貿 易 理 論 ・ 実 証 に 関 する 45
本 の 論 文 が 発 表 され、 参 加 者 は 60 名 を 越 える 盛 況
だった。 発 表 論 文 の 研 究 テーマも 多 岐 にわたり、 国
際 貿 易 と 研 究 開 発 ・ 経 済 成 長 の 関 係 、 輸 出 ・オフシ
ョアリング・FDI の 決 定 要 因 と 経 済 効 果 、 自 由 貿 易
協 定 の 経 済 学 、 国 際 貿 易 と 環 境 の 相 互 作 用 などを 研
究 した 好 論 文 が 多 数 報 告 された。
参 加 者 による 知 的 交 流 は、 研 究 発 表 が 行 われるセ
ッションだけにとどまらない。 今 回 のミーティング
も 例 外 ではなく、 参 加 者 は、コーヒーブレイクやラ
ンチブレイクを 積 極 的 に 利 用 し、 研 究 に 関 する 情 報
交 換 を 行 っていた。そしてそれは、1 日 目 の 夕 刻 に
開 催 された reception においても 続 き、2 日 目 への 期
待 は 高 まっていった。
1

少 し 余 談 になるが、1 日 目 の 最 後 に 開 催 された
reception は、University of Hawaii System の 学 長 で
ある M.R.C. Greenwood 氏 が、 学 長 公 邸 に 参 加 者 全
員 を 招 待 してくれて 実 現 したものである。 公 邸 は 大
学 の 外 れの 小 高 い 丘 に 位 置 し、 開 放 的 な 素 晴 らしい
ところだった。その 公 邸 のテラスで、 眼 下 に
Honolulu 市 街 を( 少 しだけ) 望 みながら、 参 加 者 と
の 交 流 を 満 喫 できたことは、とても 思 い 出 深 いもの
となった。
APTS は、 石 川 城 太 氏 ( 一 橋 大 学 )と 私 が 中 心 と
なって 企 画 し 2005 年 に 発 足 させた 研 究 者 ネットワ
ークである。その 目 的 は、アジア・パシフィック 地
域 を 中 心 として 活 動 する 国 際 貿 易 研 究 者 の 交 流 を 促
進 し、この 分 野 の 研 究 を 後 押 ししようというもので、
年 に 1 回 同 地 域 の 大 学 でコンファレンスを 開 催 して
いる。2005 年 の 第 1 回 目 は、 本 G-COE プログラム
の 前 身 の 一 つである 21 世 紀 COE プログラム「 現 代
経 済 システムの 規 範 的 評 価 と 社 会 的 選 択 」の 援 助 を
受 け、 一 橋 大 学 で 開 催 された。その 後 、 神 戸 大 学 、
Shanghai University of Finance and Economics、
University of Sydney、University of Hong Kong、 大
阪 大 学 での 開 催 を 経 て、( 念 願 の?)University of
Hawaii での 開 催 となったのである。
ミーティング 2 日 目 も 快 晴 の 下 、ビーチの 誘 惑 に
負 けず(ほぼ?) 全 員 が 寒 い 会 場 に 集 まり、 研 究 発
表 と 討 論 に 熱 中 した。 実 り 多 きミーティングは 7 月
1 日 夕 刻 に 終 わり、 参 加 者 はタクシーに 分 乗 し、ビ
ーチサイドのレストランへと 散 らばっていった。し
かし 私 が 乗 るタクシーでは、そのときになってもな
お 発 表 論 文 に 関 する 熱 い 討 議 が 行 われていたのがと
ても 印 象 的 だった。
来 年 のAPTS annual meeting は、やはり 常 夏 の(し
かしビーチの 誘 惑 がない)シンガポールで 開 催 され
る。
7th Annual Meeting of the Asia Pacific Trade
Seminars プログラム
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~trade/apts/
一 橋 大 学 政 策 フォーラム
公 開 討 論 会 「 大 震 災 からの 復 興 を 考 える」
北 村 行 伸
プログラム 副 リーダー・ミクロ 分 析 研 究 リーダー
一 橋 大 学 経 済 研 究 所
2011 年 3 月 11 日 に 宮 城 沖 を 震 源 とする 東 日 本 大 震
災 は、 戦 後 最 大 規 模 の 自 然 災 害 となり、 主 として 津 波
によって、2011 年 7 月 12 日 時 点 で 死 者 1 万 5555 人 、
不 明 者 5344 人 に 上 る 大 被 害 をもたらした。この 地 震
は、さらに、 東 京 電 力 の 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 機 能
を 破 壊 し、その 結 果 生 じた 原 発 事 故 は 地 震 災 害 からの
復 興 をさらに 複 雑 なものにしている。 政 府 は 福 島 第 一
原 子 力 発 電 所 から 20km 圏 内 の 住 民 に 対 して 避 難 を 求
めているが、 原 子 力 発 電 所 の 制 御 が 完 全 に 安 定 化 する
までには、まだ 相 当 の 時 間 を 要 する 状 況 にある。
一 橋 大 学 の 研 究 者 の 中 には、 地 震 対 策 について 研 究
してきた 者 が 多 数 おり、5 月 26 日 に、 大 震 災 への 経 済
2

への 影 響 の 評 価 や 復 興 に 向 けての 基 本 構 想 、 留 意 点 等
に 関 して 公 開 討 論 会 を TKP 大 手 町 カンファランスセ
ンターで 開 催 した。パネリストは 田 近 栄 治 教 授 ( 経 済
学 研 究 科 )、 小 黒 一 正 准 教 授 ( 経 済 研 究 所 )、 小 林 慶 一
郎 教 授 ( 経 済 研 究 所 )、 佐 藤 主 光 教 授 ( 経 済 学 研 究 科 )、
齊 藤 誠 教 授 ( 経 済 学 研 究 科 )の 5 名 であり、コーディ
ネーターは 北 村 行 伸 ( 経 済 研 究 所 )が 務 めた。
当 日 は 平 日 の 午 後 にも 関 わらず、170 名 を 超 える 参
加 者 があり、それぞれのパネリストから 熱 のこもった
報 告 があり、その 後 のパネルディスカッションでも、
フロアから 数 多 くの 質 問 が 出 され、それに 答 えた。
公 開 討 論 会 の 模 様
田 近 教 授 は 復 興 のビジョンとして、 建 物 の 耐 震 ・ 耐
火 性 の 強 化 、 津 波 対 策 、 高 齢 者 対 策 、 都 市 ( 特 に 首 都 )
機 能 の 迅 速 な 回 復 を 挙 げて、 具 体 的 な 構 想 を 提 示 した。
また、 震 災 に 強 い 街 づくりということで 事 前 の 復 興 と
いう 概 念 を 揚 げて、 今 後 起 こるであろう 震 災 に 対 する
対 策 の 重 要 性 を 強 調 した。その 中 では、 高 齢 者 ・ 生 活
再 建 困 難 者 の 救 済 を 優 先 すること、 被 災 者 生 活 再 建 支
援 制 度 の 見 直 しが 必 要 であることが 指 摘 された。さら
に 復 興 のビジョンは 復 興 財 源 の 確 保 と 一 体 化 して 行 わ
れるべきであり、そのためには、 復 興 予 算 の 透 明 化 、
使 途 の 説 明 責 任 などの 仕 組 みを 取 り 入 れるべきである
と 主 張 した。
小 黒 准 教 授 は 日 本 の 地 震 は 活 動 期 に 入 ったことを 統
計 で 確 認 した 後 、 地 震 リスクの 処 理 方 法 として、 都 市
計 画 や 建 築 基 準 などを 通 したリスク 制 御 と 地 震 保 険 な
どを 通 したリスク 金 融 があることを 説 明 した。その 上
で、 日 本 が 地 震 などの 自 然 災 害 リスクが 高 度 に 集 中 し
ている 現 状 ではリスク 制 御 を 主 とするのではなく、リ
スク 金 融 からリスク 制 御 の 程 度 ・ 範 囲 を 決 めるべきで
あるという 議 論 を 展 開 した。
小 林 教 授 は 震 災 後 の 経 済 政 策 を 広 範 に 論 じた。 一 般
的 に、 経 済 は 震 災 復 興 需 要 で V 字 型 回 復 し、 経 済 成 長
率 への 影 響 も 軽 微 に 留 まるので、 復 興 期 に 拡 張 的 な 財
政 政 策 は 不 要 であり、むしろ 財 政 再 建 路 線 を 堅 持 する
ことが 重 要 であると 論 じた。しかし、 長 期 的 な 成 長 制
約 要 因 としての 電 力 供 給 の 制 約 については、 代 替 エネ
ルギー 戦 略 のあり 方 や 原 子 力 発 電 のあり 方 も 含 めた 議
論 が 必 要 であり、 東 京 電 力 の 補 償 額 に 依 存 するが、 価
格 移 転 を 認 めれば、2 割 程 度 の 電 力 料 金 の 値 上 げが 必
要 となるとの 見 通 しを 示 した。 復 興 財 源 としては 国 債
の 一 時 的 増 発 と 恒 久 増 税 で 長 期 的 に 債 務 償 還 をしてい
くべきであると 論 じた。また、 震 災 後 もデフレは 継 続
するとの 見 方 を 示 し、 金 融 緩 和 策 によるデフレ 円 高 対
策 を 求 めた。 被 災 地 の 企 業 や 個 人 が 抱 える 二 重 債 務 問
題 は 深 刻 であり、 債 務 削 減 機 構 を 設 立 して 既 存 債 務 を
削 減 しつつ、 関 東 大 震 災 後 の 震 災 手 形 のように 震 災 と
は 無 関 係 な 不 良 債 権 にまで 救 済 の 対 象 を 広 げることは
戒 めるべきであると 論 じた。
佐 藤 教 授 は 財 政 学 の 立 場 から、 復 興 の 原 則 として
(1) 原 形 復 旧 ではなく、 既 存 産 業 ・ 企 業 の 競 争 力 の 強
化 ・ 再 編 成 、 新 興 産 業 ・ 企 業 の 育 成 を 目 指 すべき、(2)
新 興 産 業 ・ 企 業 の 育 成 を 図 る 経 済 政 策 と 災 害 弱 者 救 済
の 社 会 政 策 は 区 別 すべき、(3) 復 興 期 間 中 の 災 害 弱 者
の 救 済 は 通 常 の 生 活 保 護 とは 別 に 整 備 すべき、(4) 自
立 可 能 な 被 災 者 の 自 立 を 支 援 すべき、(5) 衰 退 産 業 ・
企 業 の 速 やかな 撤 退 とその 後 の 生 活 支 援 を 考 えるべき、
であるという 論 点 を 挙 げた。 復 興 財 源 としては、 現 状
の 財 政 事 情 や 政 治 的 制 約 を 勘 案 して、 国 債 増 発 、 歳 出
カット、 増 税 の 順 で 財 政 確 保 する 手 法 を 導 入 すること
を 提 案 した。
齊 藤 教 授 は 石 巻 でのボランティア 活 動 の 経 験 も 踏 ま
えて、 復 興 に 向 けてやるべきこと、 避 けるべきことを
熱 く 語 った。その 中 で、 地 方 都 市 がダウンサイジング
3

のプロセスにあり、それに 適 応 した 都 市 計 画 を 立 てる
べきであり、 地 域 内 での 利 害 調 整 を 優 先 し、 新 しい 街
づくりに 対 する 住 民 コンセンサスを 形 成 すべきである
と 主 張 した。 財 政 支 援 を 当 てにした 非 現 実 的 な 復 興 シ
ナリオに 基 づいた 都 市 計 画 を 行 っても、ダウンサイジ
ングの 方 向 は 変 わらず、 無 駄 な 施 設 や 財 資 負 担 が 残 さ
れるだけという 状 況 は 避 けなければならないとも 指 摘
した。
公 開 討 論 会 後 半 のパネルディスカッションでは、 各
パネリストの 発 表 に 対 する 質 問 や、さらに 問 題 点 を 敷
衍 したような 質 問 が 相 次 いだ。 例 えば、 震 災 復 興 後 の
「 新 しい 日 本 」のイメージはどのようなものか、ダウ
ンサイジングの 下 での 都 市 計 画 のあり 方 、 恒 久 増 税 へ
のシフトは 望 ましいのか、 今 後 の 法 人 税 制 はどのよう
なものが 望 ましいのか、 個 人 住 宅 補 償 のあり 方 、など
いずれも 復 興 計 画 上 避 けては 通 れない 問 題 について、
パネリストから 忌 憚 のない 回 答 が 出 された。
その 後 の 反 響
日 本 経 済 新 聞 では 6 月 11 日 付 けの 特 集 記 事 で「 相 次
ぐ 提 言 英 知 結 集 を」と 銘 打 って、 本 公 開 討 論 会 での 提
言 を 含 めて 各 界 からの 提 言 が 幅 広 く 取 り 上 げられた。
政 府 は 2011 年 6 月 20 日 に『 東 日 本 大 震 災 復 興 基 本 法 』
を 成 立 させ、その 後 の 補 正 予 算 や 具 体 的 な 復 興 計 画 の
中 に、 本 討 論 会 からの 提 言 が 反 映 されることになるだ
ろう。
また、 日 本 評 論 社 の『 経 済 セミナー』2011 年 6・7
月 号 では「シリーズ 震 災 と 経 済 第 1 回 」で 小 黒 一
正 氏 が 寄 稿 をし、 第 2 回 は 齊 藤 誠 氏 が 寄 稿 する 予 定 に
なっている。さらに、 一 橋 大 学 の 広 報 誌 である『HQ』
でも 特 集 を 組 んで、 本 公 開 討 論 会 のパネリストから 取
材 を 行 うなど、 様 々なメディアから 注 目 されることに
なった。
尚 、 当 日 の 動 画 および 資 料 は 一 橋 大 学 ホームページ
上 で 公 開 されているので、ご 覧 いただきたい。
公 開 討 論 会 「 大 震 災 からの 復 興 を 考 える」 報 告 資 料 ・
動 画
http://www.hit-u.ac.jp/function/outside/news/2011/0603
.html
カンボジア 2011 年 経 済 センサスに 係 る 研 究 活 動 報 告
那 須 田 晃 子
COE フェロー
一 橋 大 学 経 済 学 研 究 科
乾 期 が 終 わりに 近 づき 日 差 しが 強 くなってくる 3 月 。
空 には 雲 一 つない 晴 天 の 下 、カンボジアで 史 上 初 とな
る 経 済 センサス(Economic Census)がスタートした。
カンボジアはインドシナ 半 島 に 位 置 する 東 南 アジア
の 国 である。 東 側 をベトナム、 北 側 をラオス、 西 側 を
タイに 囲 まれている。 国 土 は 日 本 の 約 2 分 の1、 人 口
は 日 本 の 約 10 分 の1 程 度 の 小 さな 国 である。この 国 で、
初 めてとなる 経 済 センサスの 調 査 が 2011 年 3 月 1 日
から 3 月 31 日 に 行 われ、 著 者 はこの 調 査 に 同 行 させ
ていただく 機 会 を 得 た。
近 年 カンボジアでは 爆 発 的 に 事 業 所 数 が 増 加 してい
。しかし 新 事 業 所 の 開 設 に 特 別 な 申 請 を 必 要 としな
いこと、 路 上 やマーケットでの 販 売 が 事 業 所 形 態 の 大
半 を 占 めることから、 今 まで 政 府 は 正 確 な 事 業 所 数 を
把 握 できなかった。カンボジアの 国 内 の 現 状 把 握 と 今
後 の 政 策 立 案 のために 統 計 データが 必 要 となり、 独 立
行 政 法 人 国 際 協 力 機 構 (JICA)の 協 力 を 得 て 経 済 セン
サスが 行 われることとなった。
る *
* ただし、 国 際 標 準 産 業 分 類 (ISIC) で 掲 げる 産 業 のうち、 農 林 漁
業 、 官 公 庁 、 軍 隊 、 外 国 公 務 、ホームヘルパーなどに 属 する 事 業 所
は、 調 査 対 象 から 除 かれる。また、ここで 事 業 所 とは、 国 連 の 定 義
に 基 づき、「 固 定 の 場 所 において1つの 管 理 の 下 で 経 済 活 動 を 営 ん
でいる 単 位 」としている。そのためカンボジアでよく 見 受 けられる、
簡 易 タクシーや 行 商 といった 移 動 事 業 所 は 対 象 としない。
4

「 経 済 センサスの 調 査 が 始 まってから 困 ったことは
ありますか?」と 著 者 が 訪 問 した 4 つの 州 で 質 問 したと
ころ、「 前 回 の 準 備 調 査 の 時 よりも 事 業 所 数 が 増 加 し、
調 査 員 の 数 が 足 りない。」という 回 答 が 必 ず 返 ってきた。
この 言 葉 は、「カンボジアの 経 済 発 展 スピードの 速 さ」
と、「 途 上 国 での 政 府 統 計 調 査 の 難 しさ」の 両 面 を 表 現
している。
近 年 のカンボジアの 経 済 発 展 は 目 覚 しく、 農 業 依 存
型 の 経 済 から 非 農 業 へと 移 行 している 様 子 が 見 受 けら
れる。 特 に 首 都 近 郊 ではそのスピードが 速 く、 繊 維 産
業 の 工 場 が 乱 立 している。 多 くの 若 者 、 特 に 女 性 が 工
場 で 働 く 姿 が 目 につくようになった。また 首 都 から 遠
く 離 れた 農 村 地 域 においても、ここ 数 年 に 新 しく 開 設
されたマーケットをよく 目 にした。 収 穫 した 野 菜 や 果
物 を 売 る 農 家 や、 小 さな 雑 貨 店 がぎっしりとマーケッ
ト 内 にひしめいており、 実 際 に 事 業 所 はかなりのスピ
ードで 増 えているようである。
一 方 で、 短 期 間 に 調 査 員 の 数 が 足 りなくなるほどの
事 業 所 が 増 加 したのか、と 問 われれば、それは 非 常 に
怪 しい 部 分 でもある。 今 回 の 2011 年 経 済 センサスを 行
うにあたり、JICA の 協 力 のもと 数 年 前 から 入 念 な 準 備
が 行 われていた。 特 に 2009 年 には 全 国 事 業 所 リスト
が 作 成 され、 全 体 数 の 把 握 と 事 業 所 の 場 所 を 記 した 地
図 作 成 が 行 われた。この 情 報 は、 常 に 更 新 作 業 を 行 っ
て 全 体 像 の 把 握 ができるように 準 備 していたはずだっ
た。しかし 実 際 には、 経 済 センサスの 調 査 が 始 まって、
準 備 段 階 で 作 成 した 地 図 が 不 正 確 で、 更 新 作 業 も 行 わ
れていなかったことが 発 覚 し、 結 果 的 に 当 初 の 予 定 以
上 の 事 業 所 の 存 在 が 明 らかになったことが 考 えられる。
このような 問 題 に 直 面 してしまった 理 由 は 主 に 二 つ
ある。 一 つは 先 進 国 では 簡 単 に 利 用 できる、 街 の 地 図
などの 基 本 情 報 が 整 えられていないことによるもので
ある。 事 前 調 査 では、 調 査 員 が 調 査 地 域 を 歩 いて 手 書
きの 地 図 を 作 成 する。 今 まで 地 図 を 見 たことがほとん
どない 調 査 員 が、 調 査 地 を 訪 れて 手 書 きで 作 成 するた
め、 当 然 間 違 いや 見 落 としが 多 くなる。
二 つ 目 は、 調 査 員 が 仕 事 の 手 を 抜 くことを、 完 全 に
は 防 止 できないためである。 調 査 準 備 の 仕 事 に 対 して
は 別 途 給 与 が 支 給 されるが、 金 額 は 仕 事 の 質 に 依 存 し
ないため、どうしても 手 抜 き 仕 事 で 終 わらせようとす
るインセンティブが 働 く。カンボジアの 公 務 員 の 給 料
は 決 して 高 くないため、 公 務 以 外 にアルバイトを 行 っ
ている 公 務 員 が 多 く、できるだけ 仕 事 量 を 減 らそうと
してしまうのである。しかし 仕 事 の 手 抜 きに 対 しては、
常 に 監 視 ができないことから、 罰 則 で 対 処 するには 限
界 がある。この 問 題 に 対 して、JICA の 政 府 統 計 能 力 向
上 プロジェクトの 西 文 彦 氏 は、 調 査 員 に「 政 府 統 計 調
査 の 意 義 」を 伝 えることで 対 処 をしていた。 政 府 統 計
調 査 は 政 策 決 定 などに 大 きな 影 響 を 与 えること、また
それが 今 後 のカンボジア 経 済 の 発 展 にとってどれほど
重 要 であるのかを 伝 えていた。
経 済 センサス 調 査 員 と 那 須 田 氏 ( 左 )
このように 正 確 な 調 査 データを 得 るためには、 調 査 側
に 対 する 教 育 や 環 境 整 備 が 重 要 である。しかし 一 方 で、
途 上 国 ならではの 回 答 者 側 の 問 題 も 存 在 していた。
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一 つは、 家 族 経 営 の 小 さな 事 業 所 の 場 合 、 正 確 な 収 益
状 況 を 把 握 することが 非 常 に 難 しいことである。 小 さ
な 事 業 所 の 場 合 、「 家 計 内 での 収 入 と 支 出 」を「 事 業 所
での 売 り 上 げ」と 区 別 して 記 録 していないことが 多 く、
経 営 者 自 身 も、 事 業 所 の「 先 月 の 収 入 」を 把 握 できな
いのが 実 情 である。こうした 場 合 、 調 査 員 は 前 日 の 仕
入 れ、 売 上 高 、1 カ 月 の 営 業 日 数 などを 丹 念 に 聞 き 出
して、 月 間 収 入 の 推 計 を 試 みている。
もう 一 つは、 特 に 大 きな 事 業 所 で、 回 答 拒 否 が 行 わ
れてしまうことである。 大 きな 事 業 所 は 正 確 な 収 益 状
況 を 報 告 することで、 高 額 な 税 金 を 請 求 されることを
恐 れ、 情 報 開 示 をしたがらないのである。 回 答 率 を 上
げるためには、 経 済 センサスが 純 粋 な 調 査 目 的 でのみ
使 用 されるという 信 頼 を 得 ることが 必 要 である。この
ため、 調 査 が 始 まる 約 1 ヶ 月 前 から、 新 聞 、ラジオ、
テレビでの CM、 全 国 に 大 きな 横 断 幕 の 設 置 、ポスタ
ー 作 製 などの 宣 伝 活 動 を 活 発 に 行 っていた。また 調 査
時 には、 調 査 員 に 制 服 の 着 用 の 義 務 付 けが 行 われた。
途 上 国 のデータを 使 用 する 際 に、そのデータ 自 身 の
信 頼 性 は 常 に 問 われるものである。 今 回 、 経 済 センサ
ス 調 査 に 同 行 し、 確 かに 先 進 国 とは 異 なる 途 上 国 なら
ではの 問 題 と、 正 確 な 調 査 を 行 うことの 難 しさを 知 っ
た。しかし 同 時 に、 様 々な 工 夫 で、できる 限 り 信 頼 性
を 高 める 努 力 が 行 われていることも 知 ることができた。
現 在 、 著 者 は 農 業 依 存 型 の 経 済 から 非 農 業 化 がどのよ
うに 起 きるのかについて 関 心 を 寄 せている。 経 済 セン
サスで 調 査 された 情 報 は、 今 後 の 著 者 の 研 究 にとって
非 常 に 重 要 なものになると 同 時 に、カンボジアの 経 済
発 展 においても 重 要 なものとなるだろう。カンボジア
統 計 局 と JICA の 努 力 が、 今 後 のより 良 いデータ 整 備
に 繋 がり、カンボジアの 経 済 発 展 に 貢 献 することを 期
待 したい。
[ 付 記 ] このカンボジア 調 査 では、G-COE 海 外 研 究 調 査 活 動
経 費 の 補 助 をいただいた。また 滞 在 中 には、JICA 専 門 家 カ
ンボジア 政 府 統 計 能 力 向 上 プロジェクトを 担 う 総 務 省 統 計
研 修 所 の 西 文 彦 氏 に 受 け 入 れ 人 となっていただいた。ここに
記 して 感 謝 の 意 を 表 する。
ディスカッションペーパー(2011 年 2 月 -2011 年 7 月 )
No. 166 (February 2011) Chang-Tai Hsieh and Ralph
Ossa, “A Global View of Productivity Growth in
China.”
No. 167 (February 2011) Yoko Oguro, “The Sensitivity
of Export Quantities to Exchange Rates in the
Context of Intra-Industry Trade.”
No. 168 (February 2011) Kyoji Fukao, Tomohiko Inui,
Keiko Ito, YoungGak Kim, and Tangjun Yuan, “An
International Comparison of the TFP Levels and the
Productivity Convergence of Japanese, Korean,
Taiwanese, and Chinese Listed Firms” (Extended
Version).
No. 169 (February 2011) Takashi Kurosaki,
“Compilation of Agricultural Production Data in
Areas Currently in India, Pakistan, and Bangladesh
from 1901/02 to 2001/02.”
No. 170 (February 2011) Ryota Yabe, “Limiting
Distribution of the Score Statistic under Moderate
Deviation from a Unit Root in MA(1).”
No. 171 (March 2011) Shigeru Iwata and Han Li, “Why
6

Are Trend Cycle Decompositions of Alternative
Models So Different?”
No. 172 (March 2011) Daisuke Nagakura, “How Are
Shocks to Trend and Cycle Correlated? A Simple
Methodology for Unidentified Unobserved
Components Models.”
No. 173 (March 2011) Ryo Jinnai, “News Shocks,
Price Levels, and Monetary Policy.”
No. 174 (March 2011) Julian di Giovanni and Akito
Matsumoto, “The Value of Human Capital Wealth.”
No. 175 (March 2011) Makoto Nakajima, “A
Quantitative Analysis of Unemployment Benefit
Extensions.”
No. 176 (March 2011) Kenichi Fukushima,
“Quantifying the Welfare Gains from Flexible
Dynamic Income Tax Systems.”
No. 177 (March 2011) Kyoji Fukao, Tsutomu
Miyagawa, Hak K. Pyo, and Keun Hee Rhee,
“Estimates of Total Factor Productivity, the
Contribution of ICT, and Resource Reallocation
Effects in Japan and Korea.”
No. 178 (March 2011) 李 崙 碩 「 朝 鮮 総 督 府 の 統 計 制 度 」
No. 179 (March 2011) Kiminori Matsuyama,
“Institution-Induced Productivity Differences and
Patterns of International Capital Flows.”
No. 180 (March 2011) Jota Ishikawa, Kazuharu Kiyono,
and Morihiro Yomogida, “Is Emission Trading
Beneficial?”
No. 181 (March 2011) Shun-ichiro Bessho and
Masayoshi Hayashi, “Should Japanese Tax System
Be More Progressive?”
No. 182 (March 2011) Kazuhiro Kumo, “Tajik Labour
Migrants and their Remittances: Is Tajik Migration
Pro-Poor?”
No. 183 (March 2011) Hiroyuki Okamuro and Junichi
Nishimura, “A Hidden Role of Public Subsidy in
University-Industry Research Collaborations.”
No. 184 (March 2011) Daiji Kawaguchi and Tetsushi
Murao, “Who Bears the Cost of the Business Cycle?
Labor-Market Institutions and Volatility of the Youth
Unemployment Rate.”
No. 185 (March 2011) Nuttapon Photchanaprasert,
“Innovation and Production Offshoring: Implications
on Welfare.”
No. 186 (April 2011) Yasuhiro Shirata, “Formation of
Decentralized Manufacturer-Supplier Networked
Market.”
No. 187 (April 2011) Eiji Kurozumi and Khashbaatar
Dashtseren, “Statistical Inference in Possibly
Integrated/Cointegrated Vector Autoregressions:
Application to Testing for Structural Changes.”
No. 188 (April 2011) Maki Michinaka, “Human
Development Rankings Based on the Pareto
Dominance: Illustrations Using Cross-Country Panel
Data 1980-2007.”
No. 189 (May 2011) Hiroyuki Okamuro and Junichi
Nishimura, “Impact of University Intellectual
Property Policy on the Performance of
University-Industry Research Collaboration.”
No. 190 (May 2011) Mitsuhiko Kimura, “Toward
Normalization of Relations with Japan: The Strategy
of North Korea, circa 1950 to 1961.”
No. 191 (May 2011) Tran Lam Anh Duong, “The
Optimal Dynamic Infant Industry Protection in
Joining a Free Trade Agreement: A Numerical
Analysis of the Vietnamese Motorcycle Industry.”
No. 192 (May 2011) Eiji Kurozumi and Kohei Aono,
“Estimation and Inference in Predictive
Regressions.”
No. 193 (July 2011) Lixin He and Hiroshi Sato,
“Income Redistribution in Urban China by Social
Security System: An Empirical Analysis Based on
Annual and Lifetime Income.”
No. 194 (July 2011) Masakazu Hojo, “Education
Production Function and Class-Size Effects in
Japanese Public Schools.”
No. 195 (July 2011) Toshiaki Watanabe, “Quantile
Forecasts of Financial Returns Using Realized
GARCH Models.”
No. 196 (July 2011) Jouchi Nakajima and Toshiaki
Watanabe, “Bayesian Analysis of Time-Varying
Parameter Vector Autoregressive Model with the
Ordering of Variables for the Japanese Economy
and Monetary Policy.”
7

Global COE Hi-Stat Discussion Paper Series
http://gcoe.ier.hit-u.ac.jp/research/discussion/index.html
研 究 会 開 催 実 績 (2011 年 2 月 -2011 年 7 月 )
第 176 回 (2011 年 2 月 8 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
世 代 間 問 題 研 究 機 構 、 東 京 経 済 研 究 センター(TCER)
定 例 研 究 会 と 共 催
Jae Nahm (Korea University) “Merger Simulation in
an Open Economy”
第 177 回 (2011 年 2 月 10 日 )
第 20 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
田 中 晋 矢 (COE フェロー)”Investigating Finite
Sample Properties of Estimators for Approximate
Factor Models When N Is Small” (with Eiji
Kurozumi)
第 178 回 (2011 年 2 月 17 日 )
第 21 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
李 崙 碩 (COE 研 究 員 )「 高 年 齢 者 の 再 就 業 実 態 に 関
する 実 証 研 究 」
第 179 回 (2011 年 2 月 18 日 )
経 済 統 計 ワークショップ
山 本 庸 平 (University of Alberta) “Estimating and
Testing Multiple Structural Changes in Linear
Models by Band Spectral Regressions”
岡 達 志 (National University of Singapore)
“Nonparametric Quantile Regression with
Discontinuities”
第 180 回 (2011 年 2 月 18 日 )
国 際 貿 易 ・ 投 資 ワークショップ
TCER、 現 代 経 済 システム 研 究 センターと 共 催
Megumi Nishimura (University of Colorado at
Boulder) “Love of Quantity and Quality: A Non-Unit
Demand Model of Trade on Vertically Differentiated
Goods”
第 181 回 (2011 年 2 月 19 日 、20 日 )
マクロ 計 量 分 析 研 究 会
文 部 科 学 省 科 研 費 補 助 金 基 盤 A「 金 融 危 機 下 のマク
ロ 経 済 政 策 の 計 量 分 析 」と 共 催
飯 星 博 邦 ( 首 都 大 学 東 京 )、 岩 田 茂 (University of
Kansas)、 岡 達 志 ( National University of Singapore)、
各 務 和 彦 ( 千 葉 大 学 )、 塩 路 悦 朗 ( 一 橋 大 学 )、 陣 内
了 ( Texas A&M University)、 長 倉 大 輔 ( 早 稲 田 大 学 )、
中 島 誠 (Federal Reserve Bank of Philadelphia)、 西
山 慎 一 ( 内 閣 府 )、 福 重 元 嗣 ( 大 阪 大 学 )、 福 島 謙 一
( University of Wisconsin )、 藤 田 茂 (Federal
Reserve Bank of Philadelphia )、 松 本 哲 人
( International Monetary Fund )、 向 山 敏 彦
(University of Virginia)、 山 本 庸 平 (University of
Alberta)、 渡 部 敏 明 ( 一 橋 大 学 )
第 182 回 (2011 年 2 月 21 日 、22 日 、23 日 )
G-COE 経 済 統 計 集 中 セミナー
飯 星 博 邦 ( 首 都 大 学 東 京 )「ベイズ 計 量 経 済 学 と
MCMC ―フリーソフト WinBUGS による 実 証 分 析
への 応 用 法 ―」
第 183 回 (2011 年 2 月 28 日 )
グローバル COE プログラム「 社 会 科 学 の 高 度 統 計 ・
実 証 分 析 拠 点 構 築 」 第 3 回 全 体 会 議
第 184 回 (2011 年 3 月 2 日 )
一 橋 大 学 経 済 研 究 所 共 同 利 用 共 同 研 究 拠 点 プロジ
ェクト 研 究 セミナー「 近 年 の 所 得 税 に 関 する 研 究 」
国 枝 繁 樹 ( 一 橋 大 学 )、 宮 崎 毅 ( 明 海 大 学 )、 八 塩 裕
之 ( 京 都 産 業 大 学 )、 別 所 俊 一 郎 ( 一 橋 大 学 )
第 185 回 (2011 年 3 月 3 日 )
第 18 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
Dashtseren Khashbaatar(COE フェロー)”Inference
for Multiple Structural Changes in Nonstationary
VAR Models”
第 186 回 (2011 年 3 月 10 日 )
第 3 回 アジア 長 期 経 済 統 計 室 研 究 会
醍 醐 美 保 子 (COE 研 究 員 )「フィリピンの 超 長 期 人
口 推 計 1551-2021 年 」
第 187 回 (2011 年 3 月 30 日 )
国 際 貿 易 ・ 投 資 ワークショップ
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現 代 経 済 システム 研 究 センター、TCER と 共 催
田 場 弓 子 ( 早 稲 田 大 学 )”A Bargaining Model of Free
Trade Agreements in Special Interest Politics” (with
Hideki Konishi)
第 188 回 (2011 年 4 月 19 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
国 際 貿 易 ・ 投 資 ワークショップ、TCER 定 例 研 究 会
と 共 催
齋 藤 哲 哉 (ニューヨーク 州 立 大 学 バッファロー
校 )”Urbanization Increases the Velocity of Money: A
Money-Search Model and Evidence”
第 189 回 (2011 年 4 月 27 日 )
経 済 統 計 ワークショップ
奥 井 亮 ( 京 都 大 学 経 済 研 究 所 )”Asymptotic Efficiency
in Dynamic Panel Data Models When Both N and T
Are Large”
第 190 回 (2011 年 4 月 28 日 )
第 22 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
村 尾 徹 士 (COE フェロー)”Entry and Productivity
Growth: Evidence from Estimated Firm Dynamics
Model” (with Makoto Nirei)
第 191 回 (2011 年 5 月 10 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
澤 田 充 ( 日 本 大 学 )”Interbank Networks in Prewar
Japan: Structure and Implications” (with Tetsuji
Okazaki)
第 192 回 (2011 年 5 月 17 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
Worawat Margsiri (Fordham University) “The Impact
of Holdup Problems in Early Supplier Involvement
on New Product Development Preference”
第 193 回 (2011 年 5 月 24 日 )
マクロ・ 金 融 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
澤 田 康 幸 ( 東 京 大 学 )”How Is Consumption
Smoothed against Income and Asset Shocks
Induced by an Earthquake? The Case of the
Chuetsu Earthquake” (with Hidehiko Ichimura and
Satoshi Shimizutani)
第 194 回 (2011 年 5 月 26 日 )
一 橋 大 学 政 策 フォーラム・ 公 開 討 論 会 「 大 震 災 から
の 復 興 を 考 える」
田 近 栄 治 ( 一 橋 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 )、 小 黒 一 正
( 一 橋 大 学 経 済 研 究 所 )、 小 林 慶 一 郎 ( 一 橋 大 学 経 済
研 究 所 )、 佐 藤 主 光 ( 一 橋 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 )、
齊 藤 誠 ( 一 橋 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 )、 北 村 行 伸 ( 一
橋 大 学 経 済 研 究 所 )
第 195 回 (2011 年 5 月 30 日 )
経 済 発 展 研 究 会
経 済 制 度 研 究 センターと 共 催
Kedar Nath Singh Yadava (Banaras Hindu
University, India) “Procedure to Estimate
Fecundability of Migrant Couples”
第 196 回 (2011 年 5 月 31 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 、 国 際 交 流 セミナーと 共 催
Marcus Asplund ( Royal Institute of Technology,
Stockholm, Sweden) “Did the Swedish Tobacco
Monopoly Set Monopoly Prices?”
第 197 回 (2011 年 6 月 7 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
国 際 貿 易 ・ 投 資 ワークショップ、TCER 定 例 研 究 会
と 共 催
神 事 直 人 ( 京 都 大 学 ) “Does the Structure of
Multinational Enterprises' Activity Affect Technology
Spillovers?” (with Xingyuan Zhang and Shoji
Haruna)
第 198 回 (2011 年 6 月 7 日 )
マクロ・ 金 融 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
堀 井 亮 ( 東 北 大 学 )”Natural Disasters in a
Two-Sector Model of Endogenous Growth: An
Extension to Non-Insurable Risks” (with Masako
Ikefuji)
第 199 回 (2011 年 6 月 9 日 、10 日 )
グローバル COE Hi-Stat 集 中 講 義
Marcus Asplund (Royal Institute of Technology) 「 実
証 的 産 業 組 織 論 の 手 法 」(Methods of Empirical
Industrial Organization)
第 200 回 (2011 年 6 月 14 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
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植 杉 威 一 郎 ( 一 橋 大 学 )”Effects of a Mega Bank
Merger on the Borrowing Costs and Firm-Bank
Relationships” (with Taisuke Uchino)
第 201 回 (2011 年 6 月 16 日 )
第 23 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
新 関 剛 史 (COE フェロー)
“Energy-Saving Technological Changes in Japan”
第 202 回 (2011 年 6 月 18 日 )
東 京 経 済 研 究 センター・ 一 橋 大 学 グローバル COE・
東 京 労 働 経 済 学 ワークショップ 共 催 コンファレンス
「 人 的 資 本 の 早 期 形 成 と 経 済 格 差 の 世 代 間 継 承 」
北 条 雅 一 ( 新 潟 大 学 )、 赤 林 英 夫 ( 慶 應 義 塾 大 学 )、
小 野 塚 祐 紀 ( 一 橋 大 学 )、 菊 地 信 義 ( 東 京 大 学 )、 篠
崎 武 久 ( 早 稲 田 大 学 )、 小 塩 隆 士 ( 一 橋 大 学 )、 吉 田
あつし( 筑 波 大 学 )、 川 口 大 司 ( 一 橋 大 学 )
第 203 回 (2011 年 6 月 21 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
中 嶋 亮 ( 横 浜 国 立 大 学 )“Localized Knowledge
Spillovers and Patent Citations: A Distance-based
Approach” (with Yasusada Murata, Ryosuke
Okamoto, and Ryuichi Tamura)
第 204 回 (2011 年 6 月 21 日 )
マクロ・ 金 融 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
柳 川 範 之 ( 東 京 大 学 )、 平 野 智 裕 ( 東 京 大 学 )
“Asset Bubbles, Endogenous Growth, and Financial
Frictions”
第 205 回 (2011 年 6 月 23 日
第 24 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
佐 藤 英 司 (COE フェロー)“Rigid Water Rights and
Technical Inefficiency: Japanese Water Utilities”
第 206 回 (2011 年 6 月 30 日 、7 月 1 日 )
Asia Pacific Trade Seminars (APTS) 第 7 回 会 合
ハワイ 大 学 マノア 校 で 開 催
第 207 回 (2011 年 7 月 5 日 )
産 業 ・ 労 働 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
中 島 賢 太 郎 ( 東 北 大 学 )“Transactions as a Source of
Agglomeration Economies: Buyer-Seller Matching
in the Japanese Manufacturing Industry”
第 208 回 (2011 年 7 月 5 日 )
マクロ・ 金 融 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
Robert Dekle (University of Southern California) “A
Quantitative Analysis of China's Structural
Transformation” (with Guillaume Vandenbroucke)
第 209 回 (2011 年 7 月 7 日 )
第 25 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
藤 澤 美 恵 子 (COE 研 究 員 )「 中 古 住 宅 市 場 における
情 報 開 示 の 影 響 に 関 する 実 験 」
第 210 回 (2011 年 7 月 12 日 )
国 際 貿 易 ・ 投 資 ワークショップ
現 代 経 済 システム 研 究 センター、TCER と 共 催
杉 田 洋 一 (Stockholm School of Economics)
“Matching, Quality, and Comparative Advantage: A
Unified Theory of Heterogeneous Firm Trade”
第 211 回 (2011 年 7 月 14 日 )
第 26 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
森 田 裕 史 (COE フェロー)「 予 期 された 財 政 政 策 の
効 果 の 推 定 : 株 式 超 過 リターンを 用 いた 識 別 」
第 212 回 (2011 年 7 月 19 日 )
マクロ・ 金 融 ワークショップ
TCER 定 例 研 究 会 と 共 催
宮 川 努 ( 学 習 院 大 学 )“Product Switching and Firm
Performance in Japan: Empirical Evidence in the
Japanese Manufacturing Sector”
第 213 回 (2011 年 7 月 21 日 )
第 27 回 G-COE リサーチ・ワークショップ
竹 内 明 香 (COE 研 究 員 )「 個 別 株 式 ボラティリティ
の 長 期 記 憶 性 と 非 対 称 性 の FIEGARCH モデルと
EGARCH モデルによる 実 証 分 析 」
第 214 回 (2011 年 7 月 21 日 )
グローバル COE セミナー
現 代 経 済 システム 研 究 センター、TCER 定 例 研 究 会
と 共 催
Richard Baldwin (Graduate Institute of International
and Development Studies) “Gravity Chains:
Estimating the Gravity Model When Trade in Parts
Is Important”
第 215 回 (2011 年 7 月 22 日 )
グローバル COE レクチャー
現 代 経 済 システム 研 究 センターと 共 催
Richard Baldwin (Graduate Institute of International
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and Development Studies) “21st Century
Regionalism”
過 去 の 研 究 会 日 程 ・ 報 告
http://gcoe.ier.hit-u.ac.jp/information/schedule/schedul
elog/index.html
受 賞
平 成 23 年 度 春 瑞 宝 中 綬 章
本 プログラムの 公 募 研 究 に 参 加 している 尾 高 煌 之 助 一
橋 大 学 名 誉 教 授 ならびに 溝 口 敏 行 一 橋 大 学 名 誉 教 授 が、
経 済 政 策 および 経 済 史 の 研 究 に 従 事 し、その 発 展 に 貢
献 した 功 績 により、 平 成 23 年 度 春 の 瑞 宝 中 綬 章 を 受 章
しました。
The Distinguished Achievement Award in Political
Economy for the Twenty-First Century
本 プログラムの 事 業 推 進 担 当 者 である 吉 原 直 毅 教 授 が、
2011 年 5 月 27-29 日 に University of Massachusetts
Amherst で 開 催 された World Association for Political
Economy 第 6 回 大 会 において、The Distinguished
Achievement Award in Political Economy for the
Twenty-First Century を 受 賞 しました。
博 士 学 位 授 与 ( 経 済 学 、 一 橋 大 学 )
下 線 の 指 導 教 授 は 本 プログラムの 事 業 推 進 担 当 者
2010 年 度 (2010 年 7 月 -2011 年 3 月 )
尾 張 圭 太 (2009 年 度 COE フェロー、2010 年 度 COE
研 究 員 )
論 文 タイトル:”Robust Utility Maximization with
Random Endowment and Valuation of Contingent
Claims under Model Uncertainty”
取 得 年 月 :2010 年 7 月
指 導 教 授 : 石 村 直 之
高 橋 秀 直 (2009 年 度 COE フェロー)
論 文 タイトル:「ロンドンにおける 外 国 為 替 市 場 の 台
頭 ・ 定 着 とその 機 能 -1925-1931 年 」
取 得 年 月 :2010 年 7 月
指 導 教 授 : 西 澤 保
高 畑 純 一 郎 (2009 年 度 COE フェロー)
論 文 タイトル:”Optimal Social Security System under
Endogenous Fertility”
取 得 年 月 :2010 年 9 月
指 導 教 授 : 山 重 慎 二
内 野 泰 助 (2009 - 2010 年 度 COE フェロー)
論 文 タイトル:「 家 計 ・ 企 業 ・ 金 融 機 関 の 資 産 選 択 と
価 格 設 定 : 日 本 のミクロ 及 び 産 業 レベルデータを 用 い
た 実 証 分 析 」
取 得 年 月 :2011 年 3 月
指 導 教 授 : 塩 路 悦 朗
鈴 木 雅 貴 (2009 年 度 COE フェロー)
論 文 タイトル:”Information Uncertainty and Asset
Prices”
取 得 年 月 :2011 年 3 月
指 導 教 授 : 高 橋 一
西 村 淳 一
論 文 タイトル:”On the Industry-University-
Government Collaboration and Markets for
Technology”
取 得 年 月 :2011 年 3 月
指 導 教 授 : 岡 田 羊 祐
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Global COE Hi-Stat Newsletter No. 6 (July 2011)
編 集 ・ 発 行 一 橋 大 学 グローバル COE プログラム「 社 会 科 学 の 高 度 統 計 ・
実 証 分 析 拠 点 構 築 」 事 務 局
〒186-8603 東 京 都 国 立 市 中 2-1 一 橋 大 学 経 済 研 究 所 内
Tel: 042-580-8386
Fax: 042-580-8333
E-mail: GCOE-info@ier.hit-u.ac.jp
URL: http://gcoe.ier.hit-u.ac.jp/
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