å¤§å­¦ç ”ç©¶è€ ç·è¦§ DB を対象とした横断検索のための概念抽出・統合の試み

The 23rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2009
大 学 研 究 者 総 覧 DB を 対 象 とした 横 断 検 索 のための 概 念 抽 出 ・ 統 合 の 試 み
A trial on extracting and integrating concepts of university staff directories for federated search
*1
蔵 川 圭
Kei Kurakawa
Aman Shakya *2
*1,3
武 田 英 明
Hideaki Takeda
*1
国 立 情 報 学 研 究 所
*2
総 合 研 究 大 学 院 大 学
*3
東 京 大 学
National Institute of Informatics The Graduate University for Advanced Studies The University of Tokyo
Most of Japanese universities have provided their own staff directories on the Web. These directories are consisted of their
own original attributes of the staff and multifunctional search services. This paper aims at providing a service for users to
search Japanese researchers across universities. One of the ways for providing the service is to extract concepts of researcher
entity from staff directories different from each other, and define relationships among them. The StYLiD we’ve developed is
a tool to define the relationships among different concept definitions. We conducted a case study of defining concepts of
several Japanese university staff directories with the StYLiD, so that it makes it possible to search researchers across
universities.
1. はじめに
論 文 執 筆 を 主 体 とした 学 術 情 報 流 通 が Web という 媒 体 を 通
して 行 われることが 一 般 的 になった 今 日 ,その 主 要 な 主 体 であ
る 研 究 者 の 業 績 も 研 究 教 育 機 関 によって Web 上 に 公 開 されて
きている.ほとんどの 大 学 では, 組 織 に 属 する 教 員 や 研 究 スタッ
フの 研 究 業 績 を 含 めた 紹 介 を 研 究 者 総 覧 と 称 し,データベース
を 通 して Web 上 に 公 開 している. 大 学 や 職 員 の 評 価 に 関 連 し
て 業 績 を 公 開 している 場 合 もあれば, 組 織 の 広 報 として 公 開 し
ている 場 合 もある.
大 学 の 研 究 者 総 覧 データベースは, 利 用 者 の 立 場 に 立 てば
様 々な 目 的 で 利 用 されている. 一 般 の 利 用 者 が,ある 研 究 者 自
身 がどのような 業 績 をあげているのかを 知 るための 目 的 もあれ
ば, 組 織 に 属 する 研 究 者 の 主 要 な 研 究 分 野 を 知 ることも 目 的 の
一 つである. 研 究 の 主 要 な 原 資 が 税 金 である 組 織 にとって 研 究
成 果 を 公 開 することは 義 務 であり, 納 税 者 が 研 究 成 果 を 閲 覧 す
ることもある.また, 論 文 誌 の 編 集 者 が 投 稿 された 論 文 の 査 読 者
を 探 すときにも 利 用 できる.
国 内 では 類 似 の Web 上 の 公 開 データベースとして, 科 学 技
術 振 興 機 構 の 運 営 する 研 究 開 発 支 援 総 合 ディレクトリ ReaD *1
がある. 多 くの 研 究 者 は 所 属 する 機 関 の 研 究 者 総 覧 と 同 様 の 業
績 データを,ReaD に 直 接 アクセスすることによって 更 新 してい
る.いくつかの 先 進 的 なシステムを 備 えた 大 学 では, 機 関 の 研
究 者 総 覧 のデータを 自 動 的 に ReaD に 登 録 する 仕 組 みを 備 え
ているが,すべての 研 究 者 がその 恩 恵 を 受 けているわけではな
い.
その 他 に, 自 由 登 録 制 の 産 学 プラザ *2 ,SNS の 機 能 を 備 えた
ResearchMap[ 新 井 09]などが 国 内 の 研 究 者 の 紹 介 をおこなった
サイトとしてあげられる.
このようにほぼ 同 様 の 内 容 を 紹 介 する 複 数 のサイトがある 状
連 絡 先 : 蔵 川 圭 , 国 立 情 報 学 研 究 所 学 術 コンテンツサービス
研 究 開 発 センター,〒101-8430 東 京 都 千 代 田 区 一 ツ 橋
2-1-2 , TEL:03-4212-2372 , FAX:03-4212-2374 ,
kurakawa@nii.ac.jp
*1
http://read.jst.go.jp
*2
http://www.sangakuplaza.jp/
*3
http://www.stylid.org/
況 では, 研 究 者 は 自 身 の 業 績 データを 複 数 個 所 で 更 新 しなけ
ればならず, 複 数 のサイトにアクセスして 同 様 の 作 業 を 行 うこと
は 非 効 率 的 であると 感 じあまり 積 極 的 ではない.そのため, 必 要
性 のある 身 近 なサイトから 更 新 作 業 を 行 っているようである. 所
属 組 織 の 研 究 者 総 覧 の 更 新 が 最 も 頻 繁 であり, 正 確 性 を 担 保
していることは 容 易 に 想 像 できる.
したがって, 日 本 の 研 究 者 を 総 覧 するためには, 現 状 では 更
新 の 頻 度 や 正 確 性 を 最 も 担 保 した 大 学 研 究 者 総 覧 を 対 象 とし
て 研 究 者 のデータを 閲 覧 すればよいことになる. 実 際 には,す
べての 大 学 の 研 究 者 総 覧 に 対 して 横 断 的 に 検 索 できることが
必 要 となろう.
個 々の 大 学 の 研 究 者 総 覧 におけるデータは, 列 挙 された 項
目 やその 表 現 が 若 干 異 なる. 横 断 的 で 対 象 項 目 を 指 定 した 検
索 を 実 現 するためには, 個 々の 研 究 者 総 覧 のデータ 項 目 の 概
念 を 見 比 べてつなげ, 統 一 的 な 検 索 項 目 として 関 係 を 明 示 する
必 要 がある.そうすれば, 横 断 的 に 氏 名 で 検 索 することや 研 究
分 野 で 検 索 することが 可 能 となる.
本 論 文 では, 複 数 の 大 学 研 究 者 総 覧 に 対 し, 研 究 者 データ
の 項 目 を 一 つの 概 念 系 としてとらえ,われわれがすでに 開 発 し
た StYLiD *3 という 概 念 定 義 と 個 別 データの 入 力 が 可 能 なプラッ
トフォームを 用 いて 概 念 系 同 士 の 関 係 づけ, 研 究 者 データを 統
一 的 に 検 索 が 可 能 となることを 示 す.
以 下 , 次 章 では StYLiD について 紹 介 する.つづけて, 第 3
章 では 実 際 に 複 数 の 大 学 研 究 者 総 覧 を 例 として StyLiD を 用 い
たケーススタディについて 述 べる.これによって 異 なる 項 目 や 表
現 の 研 究 者 総 覧 を 統 一 的 に 検 索 閲 覧 可 能 であることを 示 す.
最 後 に, 本 論 をまとめる.
2. StYLiD
2.1 システム 概 要
プラットフォーム StYLiD[Shakya 08a,08b,08c]は, 簡 便 なユー
ザインタフェースから 概 念 定 義 と 個 別 データ(インスタンス)の 入
力 ができるシステムであるが, 概 念 定 義 において 一 つの 概 念 に
対 して 複 数 の 異 なる 定 義 を 付 与 できるところが 特 徴 である( 図
1).
一 般 にオントロジーを 構 築 する 場 合 , 個 々の 概 念 に 一 意 の 定
義 を 与 える.しかし, 実 際 にはこのような 汎 用 の 概 念 を 定 義 する
ことは 容 易 ではない.そこでこのシステムでは 各 個 人 で 自 由 に
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The 23rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2009
Hotel (user1)
Hotel - ver.1 (user1)
Name
Hotel - ver.2 (user1)
Address
Name
Country
Hotel - ver.3 (user1)
Address
Name
Phone-number
Location
Room Rate
概 念 定 義 ができるようになっている.その 際 , 同 じ 概 念 に 異 なる
定 義 があってもよい.そしてその 自 分 の 定 義 した 概 念 に 合 わせ
てデータ(インスタンス)を 入 力 することができる.
StYLiD では 同 じ 概 念 を 異 なる 定 義 で 定 義 した 概 念 を 集 めた
ものを 統 合 概 念 (consolidated concept)と 呼 んでいる. 統 合 概 念
は 個 別 に 定 義 された 概 念 集 合 とのアライメントルール(alignment
rule) 集 合 を 持 つ.このアライメントルールは 異 なる 概 念 の 属 性 間
で 共 通 なものを 指 定 する.このルールを 指 定 することで 検 索 時
に 共 通 の 属 性 として 検 索 することができるようになる.
2.2 システムの 操 作 手 順
Hotel
Hotel (user2)
Hotel - ver.1 (user2)
Name
Hotel - ver.2 (user2)
Capacity
Name
Zip-code
Zip-code
Price
Hotel (user3)
図 1 StYLiD を 用 いた 概 念 定 義
Virtual Concept
Hotel - ver.1 (user3)
Name
Lat
Long
(1) 概 念 の 定 義
概 念 定 義 とは, 概 念 の 名 前 , 属 性 名 と 属 性 の 値 域 の 組 のリス
トを 与 えることである. 属 性 の 値 域 とは 属 性 として 適 切 なクラスを
指 定 することである. 属 性 の 値 域 はなくてもよい.インスタンス 定
義 とは 概 念 定 義 に 基 づいて 個 体 ( 個 別 の 情 報 )を 入 力 すること
である.
個 々のユーザは 自 由 に 概 念 を 定 義 することができる. 定 義 に
当 たってはほかのひとの 定 義 を 使 っても 構 わないし, 自 分 の 既
存 の 概 念 を 拡 張 してもよい.
(2) インスタンスの 定 義
インスタンス 定 義 においては, 適 切 な 概 念 を 選 び,その 概 念
の 属 性 の 属 性 値 を 入 力 する. 属 性 値 の 入 力 においては 属 性 の
値 域 として 指 定 されているクラスのインスタンスが 推 奨 されるが,
それ 以 外 も 入 れることができる. 値 域 のクラスのインスタンスであ
れば, 現 在 のデータベースを 検 索 して 選 んで 入 力 することがで
きる.また Wikipedia のページを 属 性 値 として 指 示 することがで
きる.その 場 合 は, 実 際 の 入 力 としては DBpedia の URI が 入 力
される.
(3) 統 合 概 念 の 検 索 と 編 集
概 念 はタグクラウド 方 式 で 検 索 することができる.このタグクラ
ウドは 普 通 のタグクラウドと 異 なり, 階 層 的 に 構 造 化 されている.
まず 一 階 層 目 においては 統 合 概 念 のみが 表 示 されている.な
お 一 つしか 定 義 をもたないものも 統 合 概 念 である. 多 くの 定 義
があるものは 大 きく 表 示 される. 次 に 複 数 定 義 が 存 在 する 統 合
概 念 をクリックすると,その 概 念 は 展 開 され, 作 成 者 と 概 念 名 の
組 のリストが 表 示 される. 複 数 のバージョンをもつ 作 成 者 の 概 念
は 大 きく 表 示 される.さらにこの 一 つの 組 をクリックすると,バー
*1 http://kenpro.mynu.jp:8001/scripts/websearch/index.htm?lang
=Jhttp://www.spock.com
*2
http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/kg-portal/aspi/rx0011s.asp
ジョンが 表 示 される.
このタグクラウドを 使 うことで,ユーザは 概 念 を 絞 り 込 んでイン
スタンスを 検 索 することができる.
また,このタグクラウドから 統 合 概 念 を 選 んで,アライメントル
ールを 定 義 することができる. 個 別 概 念 の 属 性 のどれが 統 合 概
念 のどの 属 性 に 対 応 するかを 指 示 する.なお,システムは 文 字
列 の 類 似 度 を 計 算 することで 蓋 然 性 の 高 いルールは 自 動 的 に
構 成 する.この 類 似 度 の 計 算 においては WordNet を 用 いて 表
記 上 異 なるものでも 意 味 的 に 近 いものは 発 見 できるようにしてい
る.
ルールが 付 与 された 統 合 概 念 は 個 別 概 念 のインスタンスをそ
のインスタンスであるかのように 表 示 することができる.また 検 索
においても 同 様 である.
3. 大 学 研 究 者 総 覧 DB を 対 象 とした 概 念 定 義
3.1 大 学 研 究 者 総 覧 DB のクローリング
StYLiD を 用 いて, 複 数 の 大 学 研 究 者 総 覧 DB のデータを 統
一 的 に 検 索 できることを 示 す.そのための 基 礎 実 験 として, 大 阪
大 学 と 名 古 屋 大 学 の 二 つの 研 究 者 総 覧 DB をピックアップして
対 象 とした.2009 年 4 月 現 在 , 大 阪 大 学 研 究 者 総 覧 *1 では
1881 名 の 研 究 者 が 登 録 公 開 され, 名 古 屋 大 学 研 究 者 総 覧 *2 で
は 1106 名 の 研 究 者 が 登 録 公 開 されている.
大 阪 大 学 研 究 者 総 覧
クローリングして
フラットな 構 造 の
XML 化
名 古 屋 大 学 研 究 者 総 覧
クローリングして
フラットな 構 造 の
XML 化
図 2 クローリングによる 大 学 研 究 者 総 覧 DB データの 取 得
図 3 フラットな XML 構 造 を 持 つ 研 究 者 データ
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The 23rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2009
統 合 される 大 阪 大 学 の 研 究 者 データ 属 性
統 合 される 名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データ 属 性
統 合 概 念
大 阪 大 学 の 研 究 者 データ
のインスタンス
図 4 大 阪 大 学 の 研 究 者 データの StYLiD 上 での 表 示
図 6 大 阪 大 学 と 名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データ 属 性 項 目 から 共
名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データ
のインスタンス
図 5 名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データの StYLiD 上 での 表 示
現 在 の StYLiD はフラットなデータ 構 造 を 許 容 しデータインス
タンスを 登 録 できるので,2 つの 大 学 研 究 者 総 覧 DB のデータ
をクローリングしてフラットな 構 造 の XML データを 構 築 した( 図
2).データを 作 成 する 際 に, 各 研 究 者 のページで 表 示 されてい
る 大 項 目 名 や 小 項 目 名 を 連 結 させて 属 性 名 を 作 り 階 層 化 のな
いデータ 構 造 とし, 連 結 させた 小 項 目 に 含 まれるデータをカン
マ 区 切 りで 連 結 させた( 図 3).たとえば,「 教 員 」という 大 項 目 に
「 氏 名 」や「 性 別 」などの 小 項 目 があった 時 には,「 教 員 _ 氏 名 」
や「 教 員 _ 性 別 」などと 項 目 名 を 連 結 して 属 性 名 を 定 義 した.
3.2 大 学 研 究 者 総 覧 DB 項 目 からの 個 別 概 念 の 定 義
大 学 研 究 者 総 覧 DB からクローリングによりデータを 取 得 した
際 に 作 成 した XML スキーマを 参 照 して,StYLiD での 概 念 定
義 とインスタンスデータの 登 録 を 行 った. 今 回 は, 大 阪 大 学 研 究
者 総 覧 DB から 取 得 したデータと, 名 古 屋 大 学 研 究 者 総 覧 DB
通 概 念 を 抽 出 し StYLiD 上 で 統 合 概 念 を 構 成
から 取 得 したデータに 対 し 登 録 を 行 った. StYLiD では,それぞ
れ 図 4, 図 5 のように 表 示 される.
3.3 複 数 の 個 別 概 念 定 義 を 対 象 とした 大 学 研 究 者 総 覧
DB 統 合 概 念 の 定 義
次 に, 登 録 した 研 究 者 の 2 つの 概 念 定 義 に 対 して, 統 合 概
念 を 定 義 する. 研 究 者 という 概 念 に 対 して,それぞれ 独 自 に 属
性 概 念 および 属 性 名 を 定 義 しているので, 共 通 する 属 性 概 念 を
探 して 統 合 概 念 のひとつの 属 性 として 定 義 する.StYLiD 上 で
は, 図 6 に 示 すように,すでに 定 義 した 大 阪 大 学 の 研 究 者 デー
タの 属 性 名 と 名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データの 属 性 名 がプルダウ
ンメニューから 選 択 可 能 であるので, 共 通 する 属 性 概 念 を 選 択
して, 右 側 の 統 合 概 念 のフィールドに 属 性 名 を 入 力 する.たとえ
ば, 大 阪 大 学 の「 所 属 組 織 」を 名 古 屋 大 学 の「 学 部 学 科 専 攻 」を
同 一 の 属 性 概 念 とみなし, 統 合 概 念 として「 学 部 学 科 専 攻 」とい
う 属 性 名 をつけている.
StYLiD は,ユーザが 統 合 概 念 を 容 易 に 構 成 できるよう, 属 性
名 の 類 似 度 を 機 械 的 に 判 定 して, 初 期 状 態 として 統 合 概 念 の
候 補 をあらかじめ 列 挙 している.ユーザは,ここから 属 性 概 念 の
一 致 の 判 断 を 試 行 錯 誤 しながら 行 い, 統 合 概 念 を 構 成 すること
となる. 時 に, 一 方 の 属 性 概 念 は 他 方 の 属 性 概 念 集 合 に 一 致
するものがない 場 合 もあり,その 場 合 統 合 概 念 として 定 義 するこ
とはできないので 削 除 したりする.また, 機 械 的 に 対 応 する 属 性
を 列 挙 していないものは 追 加 することとなる. 図 6 は 試 行 錯 誤 後
の 統 合 概 念 である.この 例 では 19 組 の 対 応 のうち 10 組 はシス
テムが 提 案 したものをそのまま 採 用 しており,9 組 は 追 加 してい
る.
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The 23rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2009
キーワードによるフィルタ
統 合 概 念 の 属 性 項 目
大 阪 大 学 の 研 究 者 のデータインスタンス
名 古 屋 大 学 の 研 究 者 のデータインスタンス
図 7 統 合 概 念 によって 共 通 のフレームワークで 閲 覧 可 能 となった 大 阪 大 学 と 名 古 屋 大 学 の 研 究 者 データ
3.4 大 学 研 究 者 総 覧 DB 統 合 概 念 による 検 索 ・ 閲 覧
構 成 した 統 合 概 念 を 用 いて, 大 阪 大 学 と 名 古 屋 大 学 の 2 つ
の 研 究 者 データを 共 通 のフレームワークの 中 で 検 索 閲 覧 するこ
とができる. 図 7 は,その 一 覧 テーブルである. 統 合 概 念 の 属
性 名 がテーブルのトップに 表 示 されている.その 下 には 研 究 者
のデータが 配 置 されており, 大 阪 大 学 の 研 究 者 のデータと 名 古
屋 大 学 の 研 究 者 のデータが 並 列 して 表 示 されていることが 見 て
取 れる.
一 覧 テーブルに 列 挙 された 研 究 者 のデータは,キーワード
によるフィルタによって 選 択 的 に 表 示 可 能 である. 図 では,「 人
工 知 能 」 とキーワードを 入 れてフィルタをかけたところ, 全 2987
名 のうち 71 名 がリストされた.
4. おわりに
今 回 の 実 験 によって, 大 学 研 究 者 総 覧 という 必 ずしも 同 一 で
はないが 類 似 の 属 性 項 目 を 持 つ 複 数 のデータベースを 対 象 と
して, 研 究 者 データ 項 目 の 概 念 を 統 合 した 共 通 のフレームワー
クのもとで 研 究 者 情 報 を 提 示 できることがわかった.このことは,
各 大 学 の 研 究 者 総 覧 を 一 次 情 報 源 とした 日 本 の 研 究 者 情 報 提
供 サービスを 構 築 できることを 示 唆 する.サイトを 限 定 してデー
タをクローリングし 全 文 検 索 サービスを 提 供 する 以 上 の 価 値 は,
データ 項 目 間 の 関 係 性 を 維 持 し 意 味 付 けによって 統 合 概 念 を
構 成 するところから 生 まれるであろう.
大 学 研 究 者 総 覧 は, 論 文 情 報 を 提 供 する 機 関 リポジトリのよう
な 定 型 的 なデータ 項 目 のみによって 構 成 されるデータベースで
はない.むしろ, 大 学 の 特 徴 とでもいうべき 特 別 な 項 目 が 入 って
いることの 方 が 多 い.このようなデータベースの 特 徴 があるとき,
属 性 項 目 を 利 用 して 横 断 的 に 検 索 可 能 とするには StYLiD のよ
うなデータ 項 目 間 の 意 味 付 けと 統 合 を 行 うプラットフォームが 有
効 活 用 できるのである.
今 後 は,StYLiD において 複 数 の 属 性 を 統 合 して 一 つにでき
るように, 統 合 概 念 の 構 成 の 多 様 性 を 目 指 す.また, 実 験 にお
いても 今 回 取 り 上 げた 2 つの 大 学 研 究 者 総 覧 だけでなく,より
多 くのデータベースを 対 象 とし 実 現 性 を 調 査 したい.
参 考 文 献
[Shakya 08a] A. Shakya, H. Takeda and V. Wuwongse:
StYLiD: Structure Your Own Linked Data, in International
Conference on Weblogs and Social Media (ICWSM2008),
pp. 220–221, Seattle, Washington (2008), Association for the
Advancement of Artificial Intelligence.
[Shakya 08b] A. Shakya, H. Takeda and V. Wuwongse: StYLiD:
Social Information Sharing with Free Creation of Structured
Linked Data, in Proceedings of the Social Web and
Knowledge Management Workshop (SWKM 2008), pp. 33–
40, Beijing, China (2008), Located at the 17th World Wide
Web Conference (WWW2008).
[Shakya 08c] A. Shakya, H. Takeda and V. Wuwongse:
Consolidating User-Defined Concepts with StYLiD, in
Proceedings of 3rd Asian Semantic Web Conference (ASWC
2008), pp. 287-301, Bangkok, Thailand (2008)
[ 新 井 09] 新 井 紀 子 :サイエンス 2.0 へようこそ Researchmap.jp
について, 情 報 管 理 , Vol. 52, No. 1, (2009), 12-19.
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