ARCMG Newsletter - 金属ガラス - 東北大学

金 属 ガラス 総 合 研 究 センターニュース Vol. 14
研 究 成 果
金 属 ガラスの“ 構 造 若 返 り”による 異 常 軟 化 現 象 と 剪 断 帯 抑 制 効 果 を 発 見
“ 構 造 若 返 り” の 利 用 で 金 属 ガラスに
常 温 加 工 の 可 能 性 を 示 唆
金 属 ガラス 総 合 研 究 センター 前 期 客 員 教 授 土 谷 浩 一 教 授 ( 独 立 行 政 法 人 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 構 造 材 料 ユニット 副 ユニッ
ト 長 )らは、 当 センターとの
共 同 研 究 により、 金 属 ガラスに 5 GPa の 高 圧 下 で 巨 大 な 剪 断 ひずみを 付 与 する 事 で、 硬 度 や
弾 性 率 が 顕 著 に 減 少 する 異 常 軟 化 現 象 を 発 見 しました。 。この 異 常 軟 化 に 伴 い 金 属 ガラスを ガ 常 温 で 変 形 したときに 不 均 変 形
をもたらす 剪 断 帯 の 発 生 が 抑 制 され、 均 一 変 形 していることを 明 らかにしました。
本 研 究 成 果 は2012 年 9 月 24
日 発 行 のApplied Physics Letterに 掲 載 されました。
( 文 責 : 横 山 嘉 彦 )
加 工 前
10 回 転 加 工
剪 断 帯
500 回 転 加 工
50 回 転 加 工 後 熱 処 理
ナノインデンテーション 圧 痕 の 走 査 プロー ーブ 顕 微 鏡 像 の HPT 加 工 と 熱 処 理 (400℃,1 時 間 )による 変 化
50
小 型 自 動 アーク
溶 解 炉 の 開 発
アーク 溶 解 法 を 自 動 化 にするために 必 要 な 自 動 反 転 技 術 、 溶 湯 攪 拌 技 術 について、
大 亜 真 空 株 式 会 社 と 共 同 開 発 し、 同 社 から「 小 型 自 動 アーク 溶 解 炉 」として 発 売 さ
れます( 図 1 参 照 )。 共 同 開 発 した 複 数 の 新 技 術 について、 東 北 大 学 と 大 亜 真 空 株
式 会 社 との 共 同 出 願 で 特 許 を 申 請 しております。
本 小 型 自 動 アーク 溶 解 炉 を 用 いることで、 合 金 や 鋳 造 製 品 ( 単 純 形 状 に 限 る)のの
量 産 化 は 可 能 になり 産 業 貢 献 が 期 待 できますが、 研 究 にとっても 利 点 が 期 待 できまま
す。 本 開 発 装 置 は、その全 ての 動 作 をコンピュー
ター(LabVIEW: National
Instruments Co.)で 制 御 しているため、 インターネットに 接 続 をすることで 世 界
中 のどこからでも 本 装 置 を 操 作 することが
可 能 になります。 一 方 、 金 属 材 料 研 究 所
は、 全 国 共 同 利 用 に 取 り 組 んでおりますが、 共 同 利 用 研 究 者 の 中 には
思 うように 試
料 作 製 が 行 えず
訪 問 期 間 のほとんどを 試 料 作 製 に 費 やすケースが 見 られました。 本
開 発 装 置 を 用 いることで、 金 属 ガラス 総 合 研 究 センター ーで 行 っている
全 国 共 同 利 用
の 他 大 学 の 先 生 が、 本 所 訪 問 の 前 に、 試 料 作 製 を 予 備 的 に 遠 隔 操 作 で 実 験 することと
で 効 果 的 な 共 同 研 究 の 推 進 をすることが 可 能 になるものと 期 待 しております。
( 文 責 : 横 山 嘉 彦 )
図 1 開 発 装 置 の 外 観