4.安全解析評価の方法
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JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 87<br />
4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法<br />
核 燃 料 施 設 の 臨 界 安 全 評 価 においては, 取 扱 われる 核 燃 料 物 質 の 物 理 的 ・ 化 学 的 形 態 が 多 種 多 様 で,か<br />
つ 変 化 を 伴 うこと,またそれらの 核 燃 料 物 質 を 内 蔵 する 多 くの 系 統 , 設 備 , 機 器 等 が 配 置 されることを 考 慮 して,<br />
単 一 ユニットの 評 価 及 び 複 数 ユニット 間 の 中 性 子 相 互 作 用 評 価 が 必 要 になる。 以 下 にその 安 全 解 析 評 価 の 方<br />
法 について 述 べる。<br />
4.1 解 析 評 価 の 手 順 と 考 え 方<br />
一 般 に 解 析 評 価 の 手 順 は, 最 初 に 個 々の 設 備 機 器 等 に 対 応 した 単 一 ユニットの 解 析 評 価 を 行 い, 次 にそれ<br />
らを 配 置 した 複 数 ユニットの 配 列 に 対 する 解 析 評 価 を 行 う。その 場 合 の 解 析 評 価 の 手 順 を 図 4.1に 示 す。この<br />
図 にしたがって, 各 段 階 における 考 え 方 を 以 下 に 述 べる。<br />
(1) 施 設 における 評 価 対 象 を 設 定 する<br />
臨 界 安 全 性 に 関 する 解 析 評 価 の 対 象 は, 原 則 として 全 ての 核 燃 料 物 質 を 取 扱 う 設 備 機 器 等 である。ただし,<br />
劣 化 ウラン, 天 然 ウランに 関 しては 評 価 対 象 から 除 外 することができる。さらに,k ∞
88 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
単 一 ユニットの 評 価 条 件 にもとづいて, 解 析 のための 幾 何 形 状 モデルを 作 成 し,モデルの 各 領 域 の 原 子 個 数<br />
密 度 を 算 出 する。<br />
(5) 単 一 ユニット 体 系 の 臨 界 解 析 を 行 う<br />
単 一 ユニットの 臨 界 解 析 は, 単 純 なモデルに 適 用 できる 一 点 近 似 の 簡 易 計 算 コードあるいは 多 群 または 連 続<br />
エネルギーの 詳 細 計 算 コードを 用 いて 実 施 する。<br />
解 析 結 果 が 推 定 臨 界 下 限 増 倍 率 を 下 回 る 場 合 は,モデル 化 条 件 にもとづいて 単 一 ユニットの 核 的 制 限 値 を<br />
決 定 する。 解 析 結 果 が 推 定 臨 界 下 限 増 倍 率 を 超 える 場 合 には, 単 一 ユニットの 評 価 条 件 を 変 更 して 再 度 解 析<br />
し, 推 定 臨 界 下 限 増 倍 率 を 下 回 るようにする。なお,(3)で 単 一 ユニットの 評 価 条 件 を 設 定 した 結 果 ,その 評 価<br />
条 件 に 対 応 した 単 一 ユニットの 推 定 臨 界 下 限 値 を 適 用 できる 場 合 には(4),(5)の 手 順 を 経 ずに,その 推 定 臨 界<br />
下 限 値 にもとづいて 単 一 ユニットの 核 的 制 限 値 を 決 定 してもよい。なお, 既 知 の 単 一 ユニットの 推 定 臨 界 下 限<br />
値 は, 第 4.3.1 項 の(1) 及 び 臨 界 安 全 ハンドブック・データ 集 に 用 意 されている。 以 上 により,すべての 単 一 ユニ<br />
ットに 対 する 核 的 制 限 値 が 決 定 されると, 複 数 ユニットの 解 析 評 価 に 進 む。<br />
(6) 単 一 ユニットの 配 置 を 設 定 し, 複 数 ユニットの 評 価 区 域 を 設 定 する<br />
配 置 計 画 にもとづいて 単 一 ユニットの 設 置 場 所 を 設 定 する。その 際 , 運 搬 容 器 のように 移 動 を 前 提 とするもの<br />
については, 移 動 経 路 または 移 動 範 囲 をあらかじめ 限 定 しておく。 水 没 を 仮 定 する 必 要 のある 場 合 には, 単 一<br />
ユニットの 表 面 間 距 離 は 許 容 面 間 距 離 以 上 離 さなければならない。その 求 め 方 は 第 4.4.1 項 に 示 す。 単 一 ユニ<br />
ットの 配 置 が 決 まったら 遮 蔽 壁 等 を 考 慮 して, 相 互 作 用 系 として 評 価 する 区 域 を 設 定 する。<br />
(7) 複 数 ユニット 系 の 評 価 条 件 を 設 定 する<br />
複 数 ユニット 間 の 中 性 子 減 速 条 件 及 び 配 列 周 辺 の 反 射 条 件 について 検 討 し, 通 常 時 の 変 動 および 異 常 事<br />
象 等 に 対 し 技 術 的 にみて 想 定 される 範 囲 で 核 的 に 最 も 厳 しくなる 条 件 を 設 定 する。<br />
(8) 複 数 ユニット 系 をモデル 化 する<br />
複 数 ユニットの 評 価 条 件 にもとづいて, 解 析 のための 配 列 モデルを 作 成 し,モデルの 各 領 域 の 原 子 個 数 密 度<br />
を 算 出 する。<br />
(9) 複 数 ユニット 系 の 臨 界 安 全 解 析 を 行 う<br />
複 数 ユニットの 臨 界 安 全 解 析 は, 立 体 角 法 等 の 簡 便 手 法 , 簡 易 計 算 コードまたは 詳 細 計 算 コードを 用 い<br />
て 実 施 する。<br />
解 析 結 果 が, 用 いた 解 析 方 法 の 未 臨 界 条 件 を 満 足 していれば, 複 数 ユニットの 臨 界 安 全 性 が 確 認 される。 未<br />
臨 界 条 件 を 満 足 していなければ,ユニットの 配 置 を 変 更 するか, 場 合 によっては,さらにさかのぼって 単 一 ユニ<br />
ットの 寸 法 等 の 変 更 も 含 めて 再 度 見 直 しを 行 い, 未 臨 界 条 件 を 満 たすようにする。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 89<br />
4.2 評 価 条 件 の 設 定<br />
単 一 ユニットごとに 平 常 時 の 変 動 及 び 異 常 事 象 等 を 考 慮 し, 取 扱 う 核 燃 料 物 質 の 組 成 , 物 理 的 ・ 化 学 的 形 態 ,<br />
中 性 子 の 吸 収 効 果 , 減 速 条 件 及 び 反 射 条 件 等 のそれぞれの 変 動 範 囲 を 定 める。 複 数 ユニットに 対 しては,さ<br />
らに,ユニット 間 の 距 離 ,ユニット 間 の 減 速 材 , 中 性 子 遮 蔽 材 , 反 射 体 等 のそれぞれ 平 常 時 および 異 常 時 の 変<br />
動 範 囲 を 定 める。これらの 変 動 範 囲 を 定 めた 上 で, 臨 界 評 価 上 最 も 厳 しい 結 果 を 与 える 条 件 を 設 定 する。この<br />
ため, 単 一 ユニットの 評 価 において 検 討 しなければならない 項 目 は 下 記 の 通 りである。<br />
(1) 核 燃 料 について<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 種 類 ( 化 学 的 組 成 )<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 同 位 体 組 成<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 量<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 濃 度 または 密 度<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 不 均 一 性 ( 濃 度 分 布 )<br />
・ 核 燃 料 物 質 の 非 均 質 性 ( 寸 法 ,ピッチ)<br />
・ 共 存 する 物 質 の 種 類 ( 化 学 的 組 成 )<br />
・ 共 存 する 物 質 の 濃 度 または 密 度<br />
・ 中 性 子 吸 収 材 の 種 類 ( 化 学 的 組 成 )<br />
・ 中 性 子 吸 収 材 の 濃 度 または 密 度<br />
・ 温 度<br />
(2) 機 器 ・ 容 器 等 について<br />
・ 材 質 ( 化 学 的 組 成 )<br />
・ 密 度<br />
・ 幾 何 形 状 , 寸 法<br />
(3) その 他<br />
・ 反 射 体 の 種 類 ( 化 学 的 組 成 )<br />
・ 反 射 体 の 密 度 または 濃 度<br />
・ 反 射 体 の 幾 何 形 状 , 寸 法<br />
4.3 単 一 ユニットの 解 析 評 価 手 法<br />
単 一 ユニットの 解 析 評 価 には 大 別 して, 既 知 の 未 臨 界 条 件 データを 適 用 する 場 合 とコードを 用 いて 解 析 する<br />
場 合 がある。 以 下 にそれぞれについて 述 べる。
90 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
4.3.1 既 知 の 未 臨 界 条 件 データによる 評 価<br />
未 臨 界 条 件 データは, 多 くの 場 合 , 球 , 無 限 円 柱 あるいは 無 限 平 板 のような 単 純 形 状 について 求 めてあるの<br />
で,これらを 用 いて 単 一 ユニットの 未 臨 界 性 を 評 価 するためには, 単 一 ユニットの 形 状 を 単 純 化 したモデルによ<br />
り 未 臨 界 条 件 データと 比 較 しなければならない。 臨 界 安 全 ハンドブック・データ 集 には 代 表 的 な 核 燃 料 物 質 の<br />
最 小 推 定 臨 界 値 及 び 最 小 推 定 臨 界 下 限 値 が 記 載 されている。その 例 のいくつかを, 以 下 の(1)から(3)に 示 す。<br />
(1) 質 量 , 容 積 および 形 状 寸 法 に 関 する 未 臨 界 条 件<br />
臨 界 安 全 性 の 基 本 的 な 臨 界 因 子 として 質 量 , 容 積 及 び 形 状 寸 法 ( 無 限 円 柱 直 径 , 無 限 平 板 厚 さ)がある。こ<br />
れらの 臨 界 因 子 に 関 して, 代 表 的 な 核 燃 料 物 質 に 対 する 最 小 推 定 臨 界 値 及 び 推 定 臨 界 下 限 値 を 表 4.1から<br />
表 4.5に 示 す (2) 。これらは, 多 数 のベンチマーク 計 算 結 果 を 整 理 して 定 めた 推 定 臨 界 増 倍 率 と 推 定 臨 界 下 限 増<br />
倍 率 及 びJACSコードシステム (3) を 用 いて 求 めた 値 である。 対 象 はいずれも 十 分 な 水 反 射 体 つきの 体 系 である。<br />
(2) 無 限 体 系 に 関 する 未 臨 界 条 件<br />
核 燃 料 の 組 成 及 び 状 態 に 関 する 臨 界 因 子 のうち, 一 つがある 条 件 を 満 たすとその 他 の 臨 界 因 子 に 無 関 係 に<br />
無 限 体 系 で 未 臨 界 になる 場 合 がある。これらの 臨 界 因 子 の 代 表 的 なものとして,ウラン 濃 縮 度 , 核 燃 料 物 質 濃<br />
度 及 び 減 速 度 に 関 する 推 定 臨 界 値 及 び 推 定 臨 界 下 限 値 を, 表 4.6から 表 4.9に 示 す (4) 。これらは,ベンチマー<br />
ク 計 算 の 結 果 を 整 理 して 定 めた 無 限 体 系 の 推 定 臨 界 増 倍 率 と 推 定 臨 界 下 限 増 倍 率 及 びJACSコードシステム<br />
を 用 いて 求 めたものである。 従 って 任 意 形 状 の 均 質 均 一 系 の 単 一 ユニットに 対 して,これらのデータが 適 用 可<br />
能 である。また, 図 4.2は, 均 質 U-H 2 O 体 系 について 臨 界 となる 条 件 を 図 示 したものである。この 図 から 次 のこと<br />
が 分 かる。<br />
a)11.6g 235 U/L 以 下 では 未 臨 界 である<br />
b) 濃 縮 度 が 高 くなるほど 薄 い 濃 度 で 臨 界 となる<br />
c) 濃 縮 度 が 0.88wt% 以 下 では 全 濃 度 範 囲 で 臨 界 にならない<br />
d) 濃 縮 度 が 5wt% 以 下 ならば,H/U が 0.1 以 下 では 臨 界 にならない<br />
(3) 軽 水 炉 使 用 済 燃 料 に 対 する 未 臨 界 条 件<br />
燃 焼 に 伴 うウラン 及 びプルトニウムの 核 種 組 成 変 化 を 考 慮 すると, 燃 焼 度 が 高 くなるに 従 い 未 臨 界 質 量 (k eff =<br />
0.98 に 相 当 する 質 量 )は 大 きくなる。また, 燃 焼 に 伴 うFP 核 種 の 生 成 を 考 慮 すると, 考 慮 しない 場 合 に 比 べて 未<br />
臨 界 質 量 はさらに 大 きくなる。このような 使 用 済 燃 料 の 臨 界 性 に 関 して,「 輸 送 」,「 溶 解 」,「Pu 精 製 」という 燃 焼<br />
燃 料 を 取 り 扱 う 代 表 的 な3つの 工 程 を 選 び, 各 工 程 で 取 扱 う 燃 料 (a) 非 均 質 UO 2 ペレット− H 2 O,b) 均 質<br />
UO 2 (NO 3 ) 2 -Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 ,c) 均 質 Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 )を 対 象 に 未 臨 界 質 量 (k eff =0.98 に 相 当 する 燃 料 質 量 )<br />
が 算 出 されている。 燃 焼 燃 料 の 組 成 は,ウランの 減 損 及 びプルトニウムの 生 成 だけを 考 えた 場 合 と,さらにFP<br />
核 種 の 生 成 も 考 慮 した 場 合 の2つを 設 けた。この 解 析 においては, 各 燃 焼 度 におけるウラン 及 びプルトニウム<br />
の 同 位 体 組 成 は 表 3.7 の 値 を 用 いて 算 出 された。FPについては,ORIGEN2 コードによって 算 出 された 生 成 量<br />
を 使 用 している。 解 析 における 各 燃 料 の 臨 界 計 算 の 条 件 を 表 4.10に 示 す。 図 4.3から 図 4.5に 示 す 計 算 結 果 か<br />
ら,ここで 対 象 とした3 種 類 の 燃 料 のいずれも, 燃 焼 度 の 増 加 に 伴 って 未 臨 界 質 量 が 大 きくなることが 分 る。FP
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 91<br />
核 種 の 生 成 を 考 慮 すれば,ウラン 及 びプルトニウムの 同 位 体 組 成 の 変 化 だけを 考 えた 場 合 に 比 べて, 未 臨 界<br />
質 量 はさらに 大 きくなることも 分 る。<br />
4.3.2 簡 易 計 算 コードによる 解 析<br />
空 間 一 点 近 似 モデルによる 簡 易 計 算 コードにはSIMCRI (5) 等 があるがそれらの 出 力 データは, 通 常 , 無 限 体<br />
系 の 増 倍 率 と 臨 界 バックリングである。したがって, 解 析 対 象 の 形 状 バックリングを 次 式 から 算 出 し, 簡 易 計 算 コ<br />
ードで 算 出 した 臨 界 バックリングと 比 較 して 十 分 な 裕 度 を 持 ってこれより 大 きければ 未 臨 界 であると 判 定 すること<br />
ができる。<br />
厚 さ T の 無 限 平 板 :<br />
B 2 = { π /( T +2d)<br />
} 2 (4.1)<br />
半 径 R の 無 限 円 柱 :<br />
B 2 = { 2.405/ ( R + d)<br />
} 2 (4.2)<br />
半 径 r の 球 :<br />
B 2 = { π /( r +d)<br />
} 2 (4.3)<br />
反 射 体 有 りの 場 合 の 外 挿 距 離 d は 燃 料 の 材 質 , 幾 何 形 状 及 び 反 射 体 の 材 質 に 依 存 して 変 わるが, 燃 料 領 域<br />
の 周 りに 十 分 な 厚 さの 反 射 体 がある 場 合 には,d は 次 式 で 表 される。<br />
d = 2D ⋅( 1 + β)/1− ( β) (4.4)<br />
ここで,D は 燃 料 領 域 の 拡 散 係 数 ,βはアルベド 値 である。βは 燃 料 領 域 の 形 状 に 応 じて 次 式 で 与 えられる。<br />
無 限 平 板 :<br />
β = 1−2κ R D R<br />
1+ 2κ R D R<br />
(4.5)
92 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
半 径 Rの 無 限 円 柱 :<br />
( )<br />
( )<br />
( )<br />
( )<br />
K<br />
1−2κ R D 1 κ R ⋅R<br />
R<br />
K 0 κ R ⋅R<br />
β =<br />
K<br />
1+2κ R D 1 κ R ⋅R<br />
R<br />
K 0 κ R ⋅R<br />
半 径 rの 球 :<br />
( )<br />
( )<br />
β = 1−2D R κ R +1/r<br />
1+2D R κ R +1/r<br />
(4.6)<br />
(4.7)<br />
ここで,<br />
D R : 反 射 体 領 域 の 拡 散 係 数 ,<br />
κ R : 反 射 体 領 域 の 拡 散 距 離 の 逆 数 ,<br />
K 0 : 第 2 種 変 形 0 次 ベッセル 関 数 ,<br />
K 1 : 第 2 種 変 形 1 次 ベッセル 関 数 。<br />
水 反 射 体 の 場 合 D R =0.47cm,κ R =0.30cm -1 とすると 詳 細 計 算 の 結 果 と 良 く 一 致 する。 反 射 体 がなければ 式<br />
(4.1)から 式 (4.3)の d は, 真 空 境 界 条 件 における 外 挿 距 離 となり, 式 (4.4)にβ=0 を 代 入 して 求 められる。<br />
2<br />
正 多 角 形 の 幾 何 学 的 バックリングは, 外 挿 距 離 を 含 む 実 効 的 な 形 状 の 外 接 円 の 半 径 R c の2 乗 に 反 比 例 しB g<br />
=(a N /R c ) 2 の 形 で 表 現 される (6),(7) 。ここで,a N は 正 多 角 形 の 辺 の 数 できまる 定 数 で,その 値 を 表 4.11に 示 す。<br />
(8),(9),(10)<br />
4.3.3 詳 細 計 算 コードによる 解 析<br />
詳 細 計 算 コードは, 通 常 , 中 性 子 輸 送 方 程 式 を 解 いて, 体 系 の 固 有 値 である 中 性 子 実 効 増 倍 率 k eff を 求 める。<br />
k eff が 推 定 臨 界 下 限 実 効 増 倍 率 k limit より 小 さければ, 体 系 は 未 臨 界 であると 判 定 することができる。<br />
単 純 な 幾 何 形 状 を 有 する 単 一 ユニット 体 系 の k eff の 計 算 には, 拡 散 近 似 法 や S N 法 による 一 , 二 次 元 輸 送 コー<br />
ドが 広 く 用 いられる。 再 処 理 施 設 に 見 られるような 複 雑 な 幾 何 形 状 の 塔 槽 類 や, 相 互 に 入 り 組 んだ 配 管 系 のよ<br />
うな 体 系 を 単 一 ユニットとして 解 析 するには,モンテカルロ 法 による 三 次 元 輸 送 コードが 用 いられる。 体 系 が 比<br />
較 的 単 純 な 場 合 には, 計 算 時 間 が 短 い 二 次 元 あるいは 三 次 元 の 拡 散 近 似 法 による 計 算 コードも 用 いられる。<br />
表 4.12と 表 4.13に 臨 界 安 全 解 析 用 詳 細 計 算 コードの 例 を 示 す。<br />
これらの 計 算 コードの 利 用 には,それらと 組 合 わせる 核 定 数 ライブラリが 必 要 である。 核 定 数 ライブラリには,<br />
中 性 子 のエネルギー 範 囲 を 多 群 に 分 けたもの,あるいは 非 常 に 多 くのエネルギー 点 の 集 合 で 表 したもの( 連 続<br />
エネルギーと 呼 ばれる)があるが,いずれも ENDF/B (11) や JENDL (12) などの 核 データファイルを 処 理 して 作 成 さ<br />
れる。それらを processed library と 呼 ぶこともあり, 特 定 のコードのために 作 成 されるものである。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 93<br />
多 群 形 式 のライブラリは, さらに 共 鳴 自 己 遮 蔽 効 果 や 非 均 質 補 正 を 取 り 入 れ,また, 断 面 積 のフォーマット<br />
をその 次 に 使 用 する 計 算 コードで 使 用 する 形 式 にあわせるために, 断 面 積 処 理 プログラムによって 処 理 される。<br />
これにより,それぞれの 核 計 算 コードの 入 力 となる 断 面 積 データファイルが 作 成 される。 共 鳴 自 己 遮 蔽 を 考 慮 し<br />
た 実 効 断 面 積 を 作 成 する 方 法 としては, f-table を 利 用 した 方 法 が 一 般 的 である。また, 非 均 質 補 正 に 関 して<br />
は,ダンコフ 係 数 を 使 用 した 方 法 が 一 般 的 に 用 いられている。なお, 連 続 エネルギーライブラリを 用 いるコード<br />
では,このような 共 鳴 自 己 遮 蔽 や 非 均 質 補 正 をとりいれるための 処 理 は 行 わななくてもよいという 利 点 がある。<br />
詳 細 計 算 コードにより 実 効 増 倍 率 を 算 出 するにあたっては, 使 用 するライブラリーの 精 度 をあらかじめ 十 分 に 検<br />
討 する 必 要 がある。なぜなら,その 精 度 が 算 出 される 実 効 増 倍 率 の 精 度 に 直 接 影 響 するからである。<br />
次 に 計 算 手 法 の 特 徴 及 び 注 意 点 を 各 計 算 理 論 ごとに 述 べる。<br />
(1) 拡 散 近 似 法<br />
拡 散 近 似 理 論 では, 体 系 内 の 中 性 子 は 平 均 的 なしたがって 巨 視 的 なふるまいをするものとして 記 述 される。<br />
そこでは, 中 性 子 密 度 は 統 計 的 な 平 均 値 として 取 扱 われる。 拡 散 近 似 法 による 計 算 コードを 用 いる 際 には<br />
通 常 , 体 系 の 幾 何 形 状 が 規 則 的 で 直 交 座 標 系 で 表 されなければならず,モデル 化 に 注 意 を 要 する。<br />
拡 散 近 似 法 では, 中 性 子 の 運 動 方 向 を 忠 実 に 取 扱 うことができない。 輸 送 方 程 式 の 中 の 方 向 変 数 は 除 かれ,<br />
代 りに 座 標 軸 方 向 の 流 れJが 以 下 に 示 すフィックの 拡 散 法 則 により 導 入 される。<br />
J X = −D⋅ ∂φ<br />
∂x<br />
(4.8)<br />
ここで,D は 拡 散 係 数 ,φは 中 性 子 束 である。<br />
フィックの 法 則 は, 体 系 内 で 中 性 子 の 吸 収 が 散 乱 に 比 較 して 相 対 的 に 弱 く, 原 子 核 との 衝 突 によって 中 性 子<br />
の 大 部 分 が 散 乱 される(すなわちΣ a ≪Σ s が 成 立 する) 場 合 に 成 り 立 つ。さらに,フィックの 法 則 が 成 り 立 つのは,<br />
考 えている 体 系 の 境 界 や 中 性 子 源 より, 中 性 子 の 平 均 自 由 行 程 の 数 倍 以 上 離 れた 領 域 である。よって, 寸 法<br />
の 小 さい 体 系 ,ボイドを 含 む 体 系 , 局 所 的 な 強 い 中 性 子 源 を 含 む 体 系 ,あるいは 中 性 子 を 散 乱 しにくい 物 質 か<br />
らなる 体 系 に 対 しては, 拡 散 近 似 を 用 いた 解 法 の 適 用 性 はないといえる。そのために, 拡 散 コードは, 全 炉 心<br />
計 算 のように, 非 常 に 大 きい 体 系 を 解 く 場 合 に 使 用 されることが 多 い。その 場 合 でも, 拡 散 近 似 が 成 り 立 たない<br />
領 域 ( 例 えば 燃 料 要 素 の 周 辺 等 )においては, 輸 送 理 論 によって 得 られる 補 正 を 取 り 入 れることが 必 要 である。<br />
これを 輸 送 補 正 と 言 う。<br />
一 般 に 拡 散 近 似 法 は 他 の 計 算 法 と 比 べて 計 算 が 簡 単 であり, 二 次 元 あるいは 三 次 元 の 複 雑 な 幾 何 形 状 の<br />
体 系 でも 有 限 要 素 法 あるいは 有 限 差 分 法 を 用 いた 計 算 コードを 用 いれば, 計 算 時 間 は 短 くて 済 み, 計 算 精 度<br />
も 比 較 的 良 い。 従 って,より 精 度 の 良 い 中 性 子 実 効 増 倍 率 は 厳 密 な 理 論 に 基 づく 計 算 コードから 得 るとしても,<br />
大 まかな 中 性 子 束 分 布 の 推 定 には 拡 散 近 似 法 計 算 コードが 多 く 用 いられる。<br />
拡 散 コードは, 拡 散 方 程 式 の 最 大 固 有 値 ( 中 性 子 実 効 増 倍 率 )に 対 応 する 中 性 子 発 生 分 布 を, 繰 り 返 し 法 に<br />
より, 収 束 するまで 求 める。ここで 特 に 注 意 を 要 するのは 収 束 の 判 定 である。 収 束 判 定 は 繰 り 返 し 計 算 における
94 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
前 回 の 値 と 今 回 の 値 との 相 対 誤 差 を 入 力 基 準 値 と 比 較 して 行 われるが,これが 真 の 解 からの 誤 差 を 用 いて 行<br />
われているのでない。したがって, 希 望 する 固 有 値 の 誤 差 の 範 囲 が 10 -2 ならば, 実 際 の 計 算 における 収 束 判 定<br />
基 準 値 は,それより 一 桁 厳 しい 10 -3 とするのがよい。また, 中 性 子 束 分 布 の 収 束 判 定 基 準 値 は, 固 有 値 の 収 束<br />
判 定 基 準 値 より 小 さくとることが 勧 められる。<br />
また, 拡 散 方 程 式 のような 変 数 の 離 散 化 を 行 うコードを 使 用 する 場 合 , 空 間 メッシュの 設 定 の 方 法 , 群 定 数 の<br />
群 縮 約 の 方 法 によって, 得 られる 中 性 子 増 倍 率 が 異 なる 事 がある。これらの 効 果 をそれぞれ,メッシュ 効 果 , 群<br />
効 果 と 言 い,それらに 関 する 補 正 を 行 うことがある。<br />
(2) 離 散 化 座 標 (S N ) 法<br />
S N 法 では 輸 送 方 程 式 の 数 値 解 が 直 接 求 められる。 拡 散 近 似 法 と 同 様 ,S N 法 では 中 性 子 密 度 が 統 計 的 な 平<br />
均 値 として 取 扱 われる。また, 体 系 の 幾 何 形 状 は 原 則 として 規 則 的 であり, 直 交 座 標 系 により 表 されなければな<br />
らない。 実 際 には 一 次 元 の 平 板 , 円 柱 及 び 球 を 計 算 することが 多 い。<br />
S N 法 は 中 性 子 の 運 動 方 向 を 忠 実 に 取 扱 うことが 可 能 で, 空 間 領 域 をメッシュに 区 切 り, 方 向 変 数 の 領 域 ( 角<br />
度 )をいくつかの 離 散 化 した 方 位 に 分 割 する。S N の N は 離 散 化 した 方 位 の 数 を 示 し,N が 大 きくなれば 方 向 分<br />
割 は 密 にとられ 計 算 精 度 は 向 上 するが 計 算 時 間 も 膨 大 となり 収 束 性 も 悪 くなる。 空 間 領 域 のメッシュ 分 割 数 に<br />
ついても 同 様 のことがいえる。S N 法 の 利 点 は 拡 散 近 似 法 では 扱 えないような 体 系 ,たとえば 形 状 寸 法 が 小 さい,<br />
ボイドを 含 んでいる,あるいは 強 い 局 所 的 な 中 性 子 吸 収 源 ( 発 生 源 )を 有 するような 体 系 にも 適 用 可 能 なことで<br />
ある。 一 次 元 S N コードは 計 算 時 間 も 比 較 的 短 いので, 臨 界 性 の 傾 向 を 調 べたりパラメータサーベイするときに<br />
多 用 される。<br />
S N コードも, 拡 散 コードの 場 合 と 同 様 に, 輸 送 方 程 式 の 最 大 固 有 値 ( 中 性 子 実 効 増 倍 率 )に 対 応 する 中 性 子<br />
発 生 分 布 を, 繰 り 返 し 法 により, 収 束 するまで 求 める。ここで 特 に 注 意 を 要 するのは 収 束 の 判 定 である。 収 束 判<br />
定 は 繰 り 返 し 計 算 における 前 回 の 値 と 今 回 の 値 との 相 対 誤 差 を 入 力 基 準 値 と 比 較 して 行 われるが,これが 真 の<br />
解 からの 誤 差 を 用 いて 行 われているのでない。したがって, 希 望 する 固 有 値 の 誤 差 の 範 囲 が 10 -2 ならば, 実 際<br />
の 計 算 における 収 束 判 定 基 準 値 は,それより 一 桁 厳 しい 10 -3 とするのがよい。また, 中 性 子 束 分 布 の 収 束 判 定<br />
基 準 値 は, 固 有 値 の 収 束 判 定 基 準 値 より 小 さくとることが 勧 められる。<br />
S N コードを 使 用 する 場 合 に 注 意 をしなければならないのは, 射 線 効 果 (Ray effect)である。 射 線 効 果 は,2 次<br />
元 あるいは3 次 元 の S N コードにおいて, 物 理 的 にあり 得 ない 中 性 子 束 の 振 動 を 生 ずることで, 角 度 の 離 散 化 を<br />
行 った 方 向 のみに 中 性 子 が 飛 行 することが 原 因 である。 射 線 効 果 は, 散 乱 断 面 積 が 小 さく, 吸 収 断 面 積 が 大 き<br />
い 場 合 に 顕 著 になる 現 象 であるので 注 意 が 必 要 である。また, 拡 散 近 似 の 場 合 と 同 様 に,メッシュ 効 果 , 群 効<br />
果 についても 注 意 を 払 う 必 要 がある。<br />
(3) 衝 突 確 率 法<br />
上 述 の 拡 散 近 似 法 や S N 法 は, 変 数 を 離 散 化 して 微 分 方 程 式 を 解 き 中 性 子 束 分 布 を 求 める 方 法 である。これ<br />
らの 方 法 は, 中 性 子 束 の 変 化 が 緩 やかである 場 合 には, 少 ないメッシュ 点 でも 正 確 な 解 を 与 える 事 が 可 能 であ<br />
るが, 中 性 子 の 平 均 自 由 行 程 が 考 えている 体 系 よりも 短 い 場 合 には,その 体 系 内 における 中 性 子 束 の 変 化 が<br />
急 激 になり, 微 分 型 の 解 法 によって 正 確 な 解 を 求 めようとすると,メッシュ 数 を 多 くとる 必 要 が 出 てくる。 それに
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 95<br />
対 して, 積 分 型 の 輸 送 方 程 式 を 解 く 場 合 には, 差 分 をとって 解 を 求 めるのではないので, 少 ないメッシュ 数 で 正<br />
確 な 解 を 求 める 事 が 可 能 である 事 が 知 られている。 積 分 型 中 性 子 輸 送 方 程 式 の 積 分 核 は, 中 性 子 がある 距 離<br />
を 飛 行 したのちに 原 子 核 と 衝 突 を 行 う 確 率 と 関 係 付 けられるので, 衝 突 確 率 法 とよばれる 方 法 で 解 かれること<br />
が 広 く 行 われている。 衝 突 確 率 法 による 積 分 型 輸 送 方 程 式 の 解 法 は, 上 に 述 べた 特 徴 のために, 軽 水 炉 の 燃<br />
料 集 合 体 内 の 燃 料 棒 に 代 表 される 非 均 質 体 系 に 対 して, 領 域 平 均 の 実 効 断 面 積 を 求 めるといった 場 合 に 使<br />
用 されることが 多 い。 そのようにして 求 められた 領 域 平 均 の 実 効 断 面 積 を 用 いて,さらに 大 きな 体 系 の 中 性 子<br />
束 分 布 や 固 有 値 を, 拡 散 近 似 ,S N 法 ,そして 以 下 に 述 べる 多 群 モンテカルロ 法 によって 求 めることが 広 く 行 わ<br />
れている。<br />
(4) モンテカルロ 法<br />
核 燃 料 施 設 の 臨 界 安 全 解 析 において,モンテカルロ 法 による 計 算 は 他 の 理 論 によるものと 比 べて 二 つの 点<br />
で 有 利 である。ひとつは 幾 何 形 状 の 取 扱 いであり,もうひとつは 核 断 面 積 データの 取 扱 いである。 再 処 理 施 設<br />
に 見 られる 複 雑 形 状 の 燃 料 溶 液 反 応 槽 は 一 次 元 あるいは 二 次 元 の S N コードで 扱 うには 限 界 があるが,モンテ<br />
カルロコードは 各 種 幾 何 形 状 をパッケージ 化 した 入 力 オプションを 揃 えかつこれらの 組 合 せも 可 能 であり,さら<br />
に 一 般 形 状 オプションも 備 えているので 幾 何 形 状 入 力 に 関 しては 適 応 力 がある。モンテカルロコードでは 体 系<br />
内 の 中 性 子 のふるまいをひとつずつ 追 跡 するので, 核 断 面 積 データの 値 は 中 性 子 が 原 子 核 と 衝 突 する 際 の 反<br />
応 の 確 率 として 使 用 され, 確 率 論 的 な 意 味 あいで 正 確 に 使 用 されることになる。したがって, 中 性 子 エネルギー,<br />
反 応 形 式 , 原 子 核 の 種 類 に 対 応 した 核 データの 最 も 基 本 的 な 数 値 を 用 いることができる。KENO-Va に 代 表 さ<br />
れる 多 群 モンテカルロコードでは 計 算 機 の 記 憶 容 量 への 配 慮 からエネルギーを 有 限 な 領 域 に 区 分 して, 各 エ<br />
ネルギー 領 域 内 では 核 断 面 積 は 一 定 として 取 扱 う。 計 算 機 が 大 容 量 かつ 高 速 化 している 現 状 においては,そ<br />
のような 多 群 化 を 行 わずに 連 続 的 なエネルギー 点 をそのまま 利 用 するモンテカルロコードが 存 在 している。<br />
MVP に 代 表 される 連 続 エネルギーモンテカルロコードである。<br />
モンテカルロコードは,S N コードのような 空 間 及 び 方 向 のメッシュ 分 割 が 不 要 なため, 差 分 近 似 法 に 伴 う 誤 差<br />
を 含 まない。しかし, 本 質 的 に 乱 数 によるサンプリング 手 法 を 駆 使 した 統 計 計 算 であるため, 統 計 誤 差 範 囲 内<br />
で 計 算 結 果 を 解 釈 するしか 方 法 がなく,この 統 計 誤 差 を 小 さくするにはより 多 くの 中 性 子 ヒストリー 数 すなわち<br />
計 算 時 間 を 必 要 とする。<br />
モンテカルロコードでは 一 つ 一 つの 中 性 子 の 反 応 過 程 を 与 えられた 確 率 データに 基 づいて 追 跡 し, 核 分 裂<br />
によって 発 生 する 中 性 子 数 F, 吸 収 されて 消 滅 する 中 性 子 数 A, 体 系 から 漏 洩 して 失 われる 中 性 子 数 L を 積 算<br />
し, 次 式 により 実 効 増 倍 率 k eff を 計 算 する。<br />
k eff = F/ ( A +L) (4.9)<br />
モンテカルロコードによる 計 算 で 最 も 注 意 を 要 するのは, 中 性 子 発 生 の 空 間 分 布 である。 計 算 開 始 時 には 基<br />
本 モードが 知 られていないので, 適 当 に 平 坦 分 布 あるいは 余 弦 分 布 などを 仮 定 し, 一 世 代 あたりふつう 数 百 な<br />
いし 数 千 の 中 性 子 数 をその 分 布 に 従 って 発 生 させる。 二 世 代 目 以 降 は 前 の 世 代 で 核 分 裂 の 生 じた 場 所 を 記<br />
憶 しておき 中 性 子 発 生 分 布 とし, 普 通 50 ないし 300 世 代 程 度 繰 り 返 し 計 算 する。 世 代 が 進 むにつれて 中 性 子
96 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
発 生 分 布 は 基 本 モードに 近 づいてゆくが, 初 めの 数 世 代 はまだ 基 本 モードからかけ 離 れている。そのため, 初<br />
めの 数 世 代 の k eff は, 体 系 の 平 均 k eff を 統 計 量 として 算 出 するときには 除 外 (スキップ)する。 一 世 代 あたり 中 性<br />
子 数 , 計 算 世 代 数 ,スキップ 世 代 数 , 初 期 中 性 子 発 生 分 布 をどのように 選 んだらよいかは, 計 算 精 度 と 計 算 時<br />
間 とのかねあいでケース・バイ・ケースに 考 えなければならないが, 最 終 的 に 出 力 される 平 均 k eff が 基 本 モード<br />
の 中 性 子 発 生 分 布 に 基 づいており, 標 準 偏 差 σも 妥 当 な 値 に 算 出 されるようにすることが 必 要 である。<br />
モンテカルロコードを 使 用 するときに 生 じる 誤 りの 多 くは, 中 性 子 発 生 分 布 が 基 本 モードに 達 する 以 前 の 計 算<br />
結 果 をも 積 算 して, 最 終 的 な 体 系 の k eff を 算 出 してしまうことである。このことは 世 代 ごとに 算 出 される k eff の 世 代<br />
平 均 値 に 誤 差 を 生 むばかりでなく,k eff 計 算 値 の 標 準 偏 差 の 推 定 を 誤 る。<br />
スキップ 世 代 数 の 確 かな 判 定 基 準 はないが, 中 性 子 発 生 分 布 が 基 本 モードに 近 づけば, 世 代 ごとの 分 布 の 変<br />
動 は 小 さくなるので 各 世 代 の k eff 計 算 値 の 変 動 も 小 さくなるはずである。したがって, 各 世 代 k eff 計 算 値 の 変 動 が<br />
誤 差 範 囲 にあるようになれば, 中 性 子 発 生 分 布 が 基 本 モードに 近 づいたと 判 断 し,そのようになった 世 代 以 降<br />
の 計 算 結 果 を 最 終 的 な 統 計 量 の 計 算 に 使 用 すればよい。<br />
以 上 述 べたことは, 一 世 代 当 たりの 中 性 子 発 生 数 が 十 分 多 い 場 合 にあてはまることであり, 実 際 にはかなり 少<br />
ない 数 ( 数 百 ないし 数 千 )で 計 算 するので 別 の 問 題 が 生 じることもある。たとえば 世 代 ごとの 中 性 子 発 生 分 布 が<br />
安 定 せず 基 本 モードに 近 づいてはまた 離 れてゆくこともある。この 場 合 には 一 世 代 当 たりの 中 性 子 数 を 増 やし<br />
て 再 計 算 すべきである。また, 一 世 代 当 たりの 中 性 子 数 が 少 ないと 各 世 代 の 実 効 増 倍 率 の 統 計 誤 差 が 大 きく<br />
なる。このことはスキップ 世 代 数 を 増 大 しなければならないことも 加 わり, 残 りの 世 代 で 平 均 した 実 効 増 倍 率 の 標<br />
準 偏 差 を 大 きくしてしまう。したがってモンテカルロコードではヒストリー 数 ( 一 世 代 当 たりの 中 性 子 数 × 世 代 数 )<br />
あるいは 計 算 時 間 が 限 られているときには, 世 代 数 を 少 なく 一 世 代 当 たり 中 性 子 数 を 多 く 選 ぶことも 一 案 であ<br />
る。<br />
スキップ 世 代 数 ができるだけ 少 なくてすむようにするには, 初 期 中 性 子 発 生 分 布 を 可 能 なかぎり 基 本 モードに<br />
近 づけるべきである。この 点 に 関 して 言 うと, 単 純 な 幾 何 形 状 であれば, 理 論 的 に 基 本 モード 分 布 が 予 想 され<br />
るし, 仮 に 平 坦 分 布 を 入 力 しても 比 較 的 早 い 世 代 で 基 本 モードに 収 束 してしまうので 問 題 は 少 ない。ところが,<br />
少 し 複 雑 な 幾 何 形 状 を 有 する 体 系 では 基 本 モードの 生 成 に 多 くの 世 代 を 要 するので,あらかじめ 簡 単 化 したモ<br />
デルのもとに 拡 散 計 算 コードなどによりこの 分 布 を 推 定 し,モンテカルロコードに 入 力 する 方 法 も 考 えられる。<br />
4.4 複 数 ユニットの 解 析 評 価 手 法<br />
複 数 ユニットの 解 析 評 価 には 大 別 して, 既 知 の 隔 離 データを 用 いて 単 一 ユニット 相 互 間 の 中 性 子 相 互 作 用 を<br />
評 価 する 場 合 と, 立 体 角 法 等 簡 便 法 , 簡 易 計 算 コードまたは 詳 細 計 算 コードにより 解 析 する 場 合 がある。 以 下<br />
にそれぞれについて 述 べる。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 97<br />
4.4.1 隔 離 データによる 評 価<br />
未 臨 界 であることが 確 認 された 単 一 ユニットでも,これが 複 数 個 集 まると 中 性 子 相 互 作 用 により 臨 界 となる 可<br />
能 性 がある。 中 性 子 相 互 作 用 による 臨 界 を 防 止 する 方 法 には, 単 一 ユニット 間 の 距 離 を 一 定 値 以 上 に 保 つ(し<br />
たがって 立 体 角 を 一 定 値 以 下 に 保 つ)ことと, 単 一 ユニット 間 に 中 性 子 隔 離 材 を 設 置 して 相 互 作 用 効 果 を 小 さ<br />
く 保 つことの 二 つがある。 相 互 作 用 を 無 視 しうる 単 一 ユニット 間 の 距 離 を 隔 離 距 離 , 相 互 作 用 を 無 視 しうる 中 性<br />
子 隔 離 材 の 厚 さを 隔 離 厚 さという。これらの 隔 離 データにより 臨 界 安 全 性 を 評 価 することができる。<br />
(1) 中 性 子 隔 離 材 の 隔 離 厚 さ<br />
隔 離 厚 さは 隔 離 材 の 材 質 や 単 一 ユニットの 核 分 裂 性 物 質 組 成 , 形 状 寸 法 ,また 単 一 ユニットから 隔 離 材 ま<br />
での 距 離 などに 依 存 して 変 るので,すべての 場 合 に 統 一 して 使 用 できる 数 値 を 掲 げておくのは, 多 くの 場 合<br />
安 全 過 ぎて 実 用 的 でない。したがって, 隔 離 厚 さは 対 象 ごとに 諸 条 件 を 考 慮 して 決 めることになる。<br />
ひとつの 方 法 として, 次 式 に 定 義 する 反 射 体 効 果 係 数 (Reflector Factor:RF)をケース・バイ・ケースに 算 出<br />
して,その 値 を 適 当 な 反 応 度 裾 切 り 値 と 比 較 して 隔 離 厚 さを 求 めることが 考 えられる。<br />
RF = ( k( R)− k s )/k s (4.10)<br />
ここで,<br />
k(R) : 隔 離 材 の 厚 さがRで, 注 目 する 核 燃 料 体 系 と 同 一 の 核 燃 料 体 系 が 隔 離 材 の 反 対<br />
側 にあると 仮 定 した 体 系 の 中 性 子 実 効 増 倍 率 ,<br />
k s<br />
:=k(R→∞),すなわち, 注 目 する 核 燃 料 体 系 が 核 的 に 隔 離 状 態 にあるときの 中<br />
性 子 実 効 増 倍 率 。<br />
核 燃 料 体 系 は 単 一 ユニットでも 複 数 ユニットでもよい。この 方 法 による 計 算 例 を 二 つ, 次 に 紹 介 する。<br />
a) 図 4.6は, 濃 縮 度 2.6wt%の BWR 型 燃 料 集 合 体 を 水 中 に 配 列 した 体 系 における 集 合 体 間 の 水 隔 離 材 の 隔<br />
離 厚 さを 上 記 方 法 により 求 めたとき, 集 合 体 配 列 の 違 いにより 種 々の 水 の 隔 離 厚 さが 得 られることを 示 す。○<br />
印 で 示 す 2×1 配 列 体 系 の RF は 水 位 法 により 実 験 的 に 求 められた 値 であり,RF が 10 -3 近 くになっても 水 隔<br />
離 材 厚 さの 増 加 に 対 し 対 数 目 盛 で 直 線 的 に 減 少 する (28) 。△ 印 で 示 す3×3 配 列 体 系 の RF は KENO-IV コー<br />
ドで 求 めた (29) 。 両 体 系 とも 水 隔 離 材 厚 さの 増 大 に 対 する RF の 減 少 傾 向 は 似 ているが, 水 隔 離 材 厚 さがゼロ<br />
の 場 合 の RF の 値 は, 体 系 の 大 きい△ 印 の 値 の 方 が○ 印 の 値 より 大 きい。<br />
b) コンクリート 隔 離 材 及 び 水 隔 離 材 の 厚 さに 対 する RF の 変 化 の 例 を 図 4.7に 示 す (29) 。この 図 は, 次 の 三 種<br />
類 の 無 限 平 板 燃 料 を,コンクリートあるいは 水 で 遮 蔽 した 時 の RF の 変 化 を 詳 細 に 計 算 したものである。<br />
・ 235 U 金 属 ( 厚 さ 2cm)
98 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
・ 均 質<br />
235<br />
U-H 2 O(ウラン 濃 度 0.1gU/cm 3 , 厚 さ 7.5cm)<br />
・ 均 質 U-H 2 O( 235 U 濃 縮 度 5wt%,ウラン 濃 度 2gU/cm 3 , 厚 さ 12cm)<br />
さらに, 簡 易 式 から 求 めた RF の 変 化 も 示 してあるが,これについては 後 述 する。 図 4.7から, 燃 料 と 隔 離 材<br />
の 組 合 わせにかかわらず,RF は 隔 離 材 厚 さの 増 加 に 対 して 指 数 関 数 的 に 減 少 し,その 勾 配 は 水 中 の 中 性<br />
子 移 動 距 離 の 逆 数 (1/5.93 cm -1 )にほぼ 等 しいことが 分 かる( 但 し, 燃 料 と 隔 離 材 の 境 界 近 傍 を 除 く)。 境 界 領<br />
域 で RF の 減 少 率 が 低 くなるのは, 燃 料 領 域 から 直 接 漏 れた 熱 中 性 子 が 増 大 するためである。 隔 離 材 の 厚 さ<br />
がその 中 性 子 移 動 距 離 よりも 厚 くなると,RF は 指 数 関 数 的 に 減 少 する。<br />
以 上 の 考 察 から,R>M の 場 合 に, 次 の 簡 易 式 を 用 いて 隔 離 厚 さを 算 出 することもできる。<br />
RF = { k( 0)− k s }/k s ⋅exp −( R − M)/M<br />
{ } (4.11)<br />
ここで,<br />
k(0):k(R→0),すなわち, 隔 離 材 の 厚 さがゼロになって, 注 目 する 核 燃 料 体 系 と 同 一<br />
の 核 燃 料 体 系 が 密 着 した 体 系 の 実 効 増 倍 率 ,<br />
R : 隔 離 材 の 厚 さ,<br />
M : 隔 離 材 中 の 中 性 子 移 動 距 離 。<br />
この 式 は, 隔 離 材 の 厚 さがその 中 性 子 移 動 距 離 よりも 厚 くなると,RF は 指 数 関 数 的 に 減 少 する,と 仮 定 して 導<br />
いた。この 式 から 得 られる RF は, 図 4.7に 示 すように, 詳 細 計 算 から 得 られる RF よりも 大 きい。<br />
式 (4.11)において,RF が 反 応 度 裾 切 り 値 εに 等 しくなる 時 の 隔 離 材 厚 さ R を 隔 離 厚 さと 呼 び,これを l とする<br />
と,l は 次 式 で 与 えられる。<br />
[ { ( )}] (4.12)<br />
l = M ⋅ 1+ l n ( k( 0)− k s )/ k s ⋅ε<br />
式 (4.12)を 多 数 の 同 一 ユニットからなる 体 系 に 適 用 する 場 合 には,k(0)に 無 限 配 列 の 値 ,すなわち,k∞を 用 い<br />
ることができる。 少 数 ユニットからなる 体 系 では, 隔 離 厚 さがゼロとなり, 全 ユニットが 接 しても 系 の 大 きさは 有 限<br />
で 一 定 のバックリングを 有 するので k(0)は k∞より 小 さい 値 になる。これが, 図 4.6の2×1の 体 系 と3×3の 体 系 の<br />
RF(0)の 値 の 差 である。<br />
各 単 一 ユニットのk eff が 制 限 値 k limit に 対 して 余 裕 をもって 設 計 されているならば 隔 離 材 の 厚 さを 薄 くしても 未 臨<br />
界 を 保 つことが 可 能 である。 仮 に 相 互 作 用 効 果 によってεだけ 反 応 度 が 上 昇 したとすると, 体 系 の 実 効 増 倍 率<br />
は(1+ε)・k s になる。したがって, 未 臨 界 が 保 たれるためには 次 の 式 が 成 立 すればよい。<br />
k limit ≧( 1+ ε)⋅ k s (4.13)
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 99<br />
この 式 から 体 系 ごとに 判 定 値 εが 算 出 できる。εを 式 (4.12)に 代 入 すれば 隔 離 厚 さが 得 られる。<br />
ここで, 簡 易 式 を 使 った 無 限 平 板 燃 料 の 水 の 隔 離 厚 さを 求 めてみよう。この 燃 料 は, 燃 料 が 十 分 な 水 隔 離 材<br />
で 囲 まれた 時 の 実 効 増 倍 率 すなわち k s が 0.8, 無 限 増 倍 率 k(0) = 1.2 であったとする。そして 安 全 解 析 上 の<br />
未 臨 界 限 度 k limit が 0.94 として 設 定 されているとする。この 場 合 には, 式 (4.13)より,ε=0.175 すなわち<br />
17.5%Δk/k の 反 応 度 上 昇 が 未 臨 界 を 保 つことができる 限 度 である。 次 にε=0.175,M=5.93cm,k(0)=1.2,<br />
k s =0.8 を 式 (4.12)に 代 入 すると, 隔 離 厚 さとして 12cm を 得 る。<br />
非 減 速 燃 料 系 の RF は, 隔 離 材 の 存 在 によって 燃 料 領 域 の 中 性 子 エネルギースペクトルが 大 きく 変 化 するの<br />
で, 図 4.6や 図 4.7とは 傾 向 が 異 なる。 例 として,BWR 燃 料 集 合 体 保 管 庫 のコンクリート 隔 離 材 厚 さに 対 する RF<br />
の 変 化 を 図 4.8に 示 す (30) 。○ 印 で 示 すように,コンクリートの 厚 さが0cm から 10cm の 区 間 では,コンクリートの 厚<br />
さが 増 すと, 中 性 子 の 熱 化 のために RF は 大 きくなる。このような 体 系 では,k(0)の 値 に,● 印 で 示 す 十 分 な 厚 さ<br />
の 隔 離 材 に 囲 まれた 時 の 燃 料 中 の 中 性 子 発 生 量 と 中 性 子 吸 収 量 の 比 F/A の 値 を 用 いるべきである。<br />
(2) 隔 離 立 体 角 ( 隔 離 距 離 )<br />
単 一 ユニット 相 互 間 の 立 体 角 を 一 定 値 以 下 ( 距 離 を 一 定 値 以 上 )に 保 って 複 数 ユニットを 配 置 すると 相 互 作<br />
用 は 小 さくなり, 一 方 の 単 一 ユニットの 存 在 が 他 方 の 単 一 ユニットの 実 効 増 倍 率 にほとんど 影 響 を 与 えなくなる。<br />
このような 状 態 のユニット 相 互 の 立 体 角 ( 距 離 )を 隔 離 立 体 角 ( 隔 離 距 離 )という。 隔 離 立 体 角 は, 隔 離 厚 さを 求<br />
めるときと 同 様 の 考 え 方 で, 次 式 で 定 義 する RF を 算 出 して 反 応 度 裾 切 り 値 と 比 較 すればよい。<br />
RF ≡ ∆k<br />
k<br />
( Ω )= k A( Ω )− k s<br />
k s<br />
(4.14)<br />
ここで,<br />
k A (Ω) : 単 一 ユニット 間 の 立 体 角 分 率 (4πに 対 する 割 合 )がΩであるときの 複 数 ユ<br />
ニット 体 系 の 実 効 増 倍 率 ,<br />
k s : 単 一 ユニット 単 独 状 態 の 実 効 増 倍 率 。<br />
単 一 ユニットがあるところへ 燃 料 組 成 と 形 状 が 同 一 である 他 の 単 一 ユニットを 配 置 したときの 系 の 反 応 度 変 化<br />
△k/k(Ω)は 次 式 で 与 えられる (31) 。<br />
∆k<br />
k<br />
( Ω Ω<br />
)=<br />
1/M 2 B 2 +1− Ω<br />
(4.15)
100 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
ここで,<br />
M 2 : 単 一 ユニットの 中 性 子 移 動 面 積 ,<br />
B 2<br />
: 単 一 ユニットの 形 状 バックリング,<br />
Ω :ユニット 間 の 立 体 角 分 率 。<br />
したがって,M 2 B 2 をパラメータとして 立 体 角 分 率 により 系 の 反 応 度 増 加 が 決 定 できる。<br />
単 純 形 状 の 隔 離 立 体 角 に 相 当 する 距 離 ( 隔 離 距 離 )は,TID-7016Rev.2 (32) の 立 体 角 公 式 を 用 いて 次 のように<br />
算 出 できる。 無 次 元 化 した 距 離 を 表 すパラメータηを 各 形 状 について 定 義 し, 次 に 示 すように 立 体 角 分 率 とη<br />
を 関 係 づける。なお,いずれの 場 合 もHは 一 方 の 単 一 ユニットの 中 心 から 他 方 の 単 一 ユニットの 表 面 までの 距<br />
離 である( 図 4.9 参 照 )。<br />
a) 球 η ≡ H /R (4.16)<br />
R: 半 径<br />
( )<br />
⎧<br />
Ω = ( 1/2)⋅ ⎨ 1− 1+1/η 2<br />
⎩<br />
−1 /2<br />
⎫<br />
⎬<br />
⎭<br />
(4.17)<br />
b) 円 柱 η ≡ H /D (4.18)<br />
D: 直 径 ,L: 高 さ<br />
{ }⋅ 1/4 + ηD /L<br />
Ω = 1/ ( 4πη)<br />
{ ( )} 2 −1/2 (4.19)<br />
c) 四 角 柱 η ≡ H /( a⋅b) 1/2 (4.20)<br />
a,b: 相 対 する 面 の 二 辺 の 長 さ<br />
Ω = ( 1/π )⋅sin −1 ⎡<br />
1 +4η 2 b/a<br />
⎣ ⎢<br />
{ } −1/2<br />
{ ( )} −1/2 ⋅ 1+ 4η 2 ( a/b)<br />
⎤<br />
⎦<br />
⎥<br />
(4.21)<br />
上 式 を 用 いれば 系 の 反 応 度 増 加 , 立 体 角 及 び 距 離 の 三 者 が 関 係 づけられる。 例 として 球 , 無 限 円 柱 (L→<br />
∞) 及 び a=b の 四 角 柱 についての 結 果 を 図 4.10に 示 す。この 図 によれば,たとえば M 2 B 2 =1 のユニットに 対 して<br />
は 3×10 -3 Δk/k に 対 する 立 体 角 分 率 は 0.6%,すなわち 0.075sr(ステラジアン)となる。さらにこの 立 体 角 に 相 当<br />
する 距 離 は 球 , 無 限 円 柱 , 四 角 柱 についてそれぞれη 値 として 6.4,26,3.6 となる。<br />
4.4.2 立 体 角 法 等 簡 便 法 による 解 析<br />
中 性 子 相 互 作 用 効 果 評 価 用 の 簡 便 法 は, 次 に 示 す 二 種 類 に 大 別 され,それぞれが 特 徴 を 有 する (31) 。<br />
(1) 配 列 のユニット 間 の 相 互 作 用 を 扱 うには, 立 体 角 法 及 びアルベド 法 がある。これらはユニット 数 が 少 ない 配<br />
列 に 対 して 有 効 に 適 用 され, 配 列 型 ( 例 , 三 角 格 子 , 正 方 格 子 )に 依 存 しない。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 101<br />
(2) 半 実 験 的 手 法 として, 密 度 アナログ 法 ,NB N<br />
2<br />
法 , 表 面 密 度 法 , 双 曲 線 法 がある。これらはユニット 数 が 多<br />
い 配 列 に 対 して 有 効 に 適 用 される。<br />
密 度 アナログ 法 及 び 表 面 密 度 法 は 適 用 は 簡 単 であるが, 補 助 的 な 計 算 が 繁 雑 である。 最 も 実 際 的 で 適 用 範<br />
囲 が 比 較 的 広 いものとして 立 体 角 法 が 用 いられる。 立 体 角 法 は, 配 列 内 の 単 一 ユニットの 張 る 全 立 体 角 を 制 限<br />
立 体 角 と 比 較 して, 単 一 ユニット 間 の 立 体 角 すなわち 距 離 を 制 限 する 方 法 である。 現 状 では TID-7016Rev.1 (33)<br />
に 記 載 されている 立 体 角 法 ,CEA-R3114 (34) に 記 載 されている 立 体 角 法 及 び 原 研 で 開 発 された 立 体 角 法 (35) が<br />
あり,それぞれの 適 用 範 囲 に 注 意 して 使 用 できる (36),(37) 。<br />
ここでは, 原 研 で 開 発 した 立 体 角 法 について 述 べる。 立 体 角 法 の 理 論 によれば, 反 射 体 のない 配 列 系 の 単 一<br />
ユニット i に 関 する 全 立 体 角 制 限 不 等 式 として 次 式 が 導 かれる。<br />
Ω i < 1 ⎛<br />
1.0 − k i<br />
⎜<br />
f i ⎝<br />
⎞<br />
⎟ (4.22)<br />
k limit ⎠<br />
1<br />
f i =<br />
∑<br />
Ω ji<br />
j≠i<br />
⎛<br />
⋅ 1.0 − k ⎞<br />
j<br />
∑ ⎜ ⎟ Ω ji (4.23)<br />
j≠i ⎝ ⎠<br />
k ∞j<br />
Ω i =<br />
∑ Ω ji<br />
(4.24)<br />
j≠i<br />
ここで,<br />
k i : 単 一 ユニット i の 裸 の 条 件 での 実 効 増 倍 率 ,<br />
k limit : 制 限 実 効 増 倍 率 ,<br />
k j : 単 一 ユニット i の 周 囲 にある 単 一 ユニット j の 裸 の 条 件 での 実 効 増 倍 率 ,<br />
k ∞j : 単 一 ユニット j の 無 限 増 倍 率 ,<br />
Ω ji : 単 一 ユニット j から 単 一 ユニット i を 見 込 む 立 体 角 分 率 ,<br />
Ω i<br />
: 単 一 ユニット i を 周 囲 の 他 のすべての 単 一 ユニット j から 見 込 む 立 体 角 分 率 の 総 和 ( 全 立<br />
体 角 分 率 )。<br />
f i は 単 一 ユニットiの 周 囲 の 単 一 ユニット j から 単 一 ユニットiに 向 けて 漏 れ 出 る 中 性 子 の 割 合 の 立 体 角 を 重 みと<br />
した 平 均 値 であり, 同 一 の 単 一 ユニットから 構 成 される 複 数 ユニット 体 系 に 対 しては 簡 単 に(1.0−k i /k ∞i )となる。<br />
次 に 立 体 角 法 適 用 上 問 題 となる 事 項 について 述 べる。<br />
(1) 全 立 体 角 Ω i は, 着 目 する 単 一 ユニット i を 周 囲 の 他 の 単 一 ユニット j から 見 込 む 立 体 角 の 総 和 として 算 出<br />
する。このためには TID-7016Rev.2 が 推 奨 する“ 点 − 平 面 モデル”によってもよい( 厳 密 式 に 近 い 結 果 を 与 える)。<br />
図 4.9に 点 − 平 面 モデルによる 立 体 角 計 算 の 例 を 示 す。<br />
(2) 単 一 ユニット j から 着 目 する 単 一 ユニット i を 見 るとき, 第 三 の 単 一 ユニットにより 生 じる 影 を 考 慮 して 立 体 角
102 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
を 求 めてもよい( 図 4.11 参 照 )。<br />
(3) 配 列 の 周 囲 に 反 射 体 がある 場 合 には 半 反 射 の 考 え 方 を 導 入 し, 式 (4.22)の k i を(1.0+k i )/2 で 置 きかえて<br />
全 立 体 角 制 限 不 等 式 を 導 いてもよい。より 厳 密 には, 反 射 壁 面 におけるアルベドを 考 慮 し, 図 4.12に 示 すよう<br />
に 鏡 像 面 からの 一 層 反 射 寄 与 分 を 全 立 体 角 算 出 時 に 加 算 してもよい。アルベドについては 水 ,コンクリート,<br />
SUS-304 に 対 してそれぞれ 0.56,0.73,0.79 という 値 を 使 うことが 勧 められる。<br />
(4) 単 一 ユニット 周 囲 に 減 速 材 が 存 在 する 場 合 ,または 減 速 効 果 の 大 きな 単 一 ユニットが 存 在 する 場 合 には,<br />
中 性 子 スペクトルに 与 える 影 響 を 考 慮 し,k i 及 び k ∞i として 十 分 な 反 射 体 厚 さの 条 件 の 単 一 ユニットに 対 して 算<br />
出 された 燃 料 領 域 の 中 性 子 エネルギー・スペクトルを 仮 定 して 求 めることが 勧 められる。<br />
(5) 単 一 ユニット 相 互 の 面 間 距 離 は, 冠 水 状 態 を 考 慮 する 場 合 には, 水 没 しても 臨 界 安 全 性 が 確 保 できるよう,<br />
隔 離 距 離 以 上 とるべきである。<br />
(6) TID-7016 Rev.2 記 載 の 方 法 ,CEA-R3114 及 び 原 研 提 案 の 立 体 角 法 は 一 見 非 常 に 似 た 手 法 に 見 える。<br />
三 者 とも 立 体 角 の 判 定 基 準 は 式 (4.22)による。ただし,TID-7016Rev.2 では f i =4π/19,k limit =19/20( 多 くの 適<br />
用 範 囲 について),また CEA-R3114 では f i =1.0,k limit =1.0 である。<br />
これらの 立 体 角 法 を 使 用 するうえで 最 も 注 意 を 要 することは,Ω i の 算 出 方 法 である。TID-7016Rev.2 に 記 載 さ<br />
れている 方 法 では, 着 目 する 単 一 ユニット i から 周 囲 の 他 の 単 一 ユニット j を 見 込 む 立 体 角 の 総 和 としてΩ i を 算<br />
出 する。 一 方 ,CEA-R3114 及 び 原 研 の 方 法 では, 着 目 する 単 一 ユニット i を 周 囲 の 他 の 単 一 ユニット j から 見<br />
込 む 立 体 角 の 総 和 としてΩ i を 算 出 する。<br />
Ω i 算 出 方 法 の 差 異 により 次 の 不 都 合 が 生 じる。 単 一 ユニット j の 形 状 寸 法 が 大 きく,かつ k ∞j が 小 さい 場 合 に<br />
は, 本 来 は 単 一 ユニット i に 対 する j の 影 響 は 小 さいはずであるが,TID-7016Rev.2 の 方 式 ではΩ i は 大 きな 値 と<br />
なり i と j の 間 隔 を 大 きくしなければならない。すなわち,TID-7016Rev.2 の 方 式 を 用 いると 不 必 要 に 大 きな 安 全<br />
裕 度 を 見 込 むことになる。 逆 に, 形 状 寸 法 の 小 さい 単 一 ユニット j が i の 近 傍 にあるときには, 本 来 は 単 一 ユニッ<br />
ト i に 対 する j の 影 響 が 小 さいはずであるが,CEA-R3114 及 び 原 研 の 方 法 ではΩ i は 大 きな 値 となり, 不 必 要 に<br />
大 きな 安 全 裕 度 を 見 込 むことになる。<br />
立 体 角 法 としては 三 者 のいずれを 用 いてもよいのであるから,どれか 一 つの 方 法 で 制 限 条 件 , 式 (4.22)を 満<br />
たしていれば 臨 界 上 安 全 であると 判 定 してよい。<br />
4.4.3 簡 易 計 算 コードによる 解 析<br />
簡 易 計 算 コードは 普 通 , 各 単 一 ユニットの 実 効 増 倍 率 k eff 及 び 無 限 増 倍 率 k ∞ を 用 いて, 単 一 ユニット 間 の 中<br />
性 子 移 動 確 率 が 立 体 角 に 比 例 するものとして 導 いた 中 性 子 バランス 方 程 式 を 用 いて, 複 数 ユニット 体 系 の 中<br />
性 子 実 効 増 倍 率 を 計 算 する。 簡 易 計 算 コードの 使 用 にあたっては,その 適 用 範 囲 に 留 意 しなければならない。<br />
このため, 詳 細 計 算 コードによる 計 算 結 果 との 比 較 により, 簡 易 計 算 コードの 適 用 範 囲 をあらかじめ 明 確 にして<br />
おくべきである。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 103<br />
原 研 で 開 発 された 中 性 子 相 互 作 用 効 果 簡 易 計 算 コード MUTUAL (35),(38) では, 単 一 ユニットの 裸 の 条 件 で 実<br />
効 増 倍 率 k effB と 無 限 増 倍 率 k ∞ (または M 2 B 2 )とを 用 いて 複 数 ユニットの k eff を 算 出 する。MUTUAL コードの 適 用<br />
範 囲 を 明 らかにするため,モンテカルロ 法 に 基 づく 詳 細 計 算 コード KENO-IV と 計 算 結 果 を 比 較 した 例 を 図<br />
4.13に 示 す。このように,MUTUAL の 適 用 範 囲 を KENO-IV の 計 算 結 果 との 比 較 により k eff が 大 きく 算 出 される<br />
範 囲 と 定 めることにすれば,MUTUAL は KENO-IV より 常 に 安 全 裕 度 を 大 きくとって 算 出 することになる。したが<br />
って,MUTUAL によって 算 出 された k eff を 用 いて 複 数 ユニットの 未 臨 界 を 判 定 する 際 には KENO-IV と 同 じ 制 限<br />
値 (k limit )が 用 いられる。<br />
MUTUAL の 適 用 範 囲 は, 低 濃 縮 ウラン 燃 料 ユニットの 配 列 体 系 で 以 下 の 条 件 を 満 たす 場 合 である。<br />
(1) 反 射 体 のない 体 系 ではI'≦0.25 かつ,ω≦0.06 またはd≧30cm の 範 囲 で 適 用 できる(I': 相 互 作 用 に 伴 う<br />
中 性 子 増 倍 率 の 増 加 割 合 ,ω:ユニット 間 立 体 角 分 率 ,d:ユニット 間 距 離 )。<br />
(2) コンクリート 反 射 体 のある 体 系 では,4 面 がコンクリート 反 射 体 に 囲 まれた 配 列 体 系 にはアルベド 値 を1とす<br />
ることにより 対 応 可 能 だが,6 面 全 部 が 囲 まれた 配 列 体 系 には 現 状 の 版 では 適 用 できない。<br />
反 射 体 がない 体 系 への 適 用 性 を 検 討 するため, 燃 料 の 減 速 度 及 び 配 列 ユニット 数 を 変 えて 計 算 した。 計 算<br />
対 象 は, 単 一 ユニットとして 濃 縮 度 5wt%の UO 2 -H 2 O 燃 料 2 種 類 ( 減 速 系 及 び 非 減 速 系 )とした。 各 単 一 ユニッ<br />
トの 燃 料 組 成 ・ 形 状 等 を 表 4.14に 示 す。 配 列 としては,2×1×1 及 び 3×3×1 でユニット 間 距 離 を 変 えた 計<br />
算 を 行 った(UO 2 -H 2 O 減 速 系 ではさらに 4×4×1 及 び 5×5×1 の 配 列 も 対 象 とした)。 減 速 系 の 計 算 結 果 の<br />
1 例 を 図 4.14に 示 す。この 4×4×1 配 列 ではユニット 間 距 離 が 20cm より 小 さく( 立 体 角 分 率 が 0.065 より 大 きく)<br />
なると MUTUAL の 実 効 増 倍 率 の 方 が KENO-IV の 実 効 増 倍 率 より 小 さくなる。 同 様 の 検 討 を 各 配 列 に 対 して<br />
行 い, UO 2 -H 2 O 減 速 系 ユニットの 配 列 では,ユニット 間 距 離 を 指 標 にとると 20cm, 立 体 角 分 率 を 指 標 にとると<br />
0.065, 実 効 増 倍 率 の 増 加 割 合 0.25 が 適 用 限 界 になる。<br />
次 に, UO 2 -H 2 O 非 減 速 系 ユニットの 配 列 については,2×1×1 配 列 ,3×3×1 配 列 ともにユニット 間 距 離 が<br />
10cm, 立 体 角 分 率 0.096, 実 効 増 倍 率 の 増 加 割 合 0.15 になっても MUTUAL の 値 は KENO-IV の 値 を 下 回 ら<br />
ない。<br />
このほか, 濃 縮 度 5wt%の UO 2 -H 2 O 減 速 系 燃 料 を 対 象 として,ユニット 形 状 及 び 配 置 を 変 えた 計 算 も 行 った。<br />
その 結 果 , 全 ケースを 通 じて MUTUAL の 値 が KENO-IV の 値 を 下 回 らないユニット 間 距 離 の 最 大 値 は 20cm,<br />
ユニット 間 立 体 角 分 率 の 最 小 値 は 0.061 であった。<br />
コンクリート 反 射 体 がある 体 系 への 適 用 性 も 検 討 した。 計 算 対 象 は,UO 2 -H 2 O 減 速 系 と UO 2 -H 2 O 非 減 速 系<br />
の2 種 類 につき,1 体 及 び 3×3×1 の 配 列 (ユニット 間 隔 30cm)で6 面 全 部 及 び4 面 ( 上 下 と 隣 接 側 面 )がコン<br />
クリート 壁 に 囲 まれているとした。コンクリート 壁 までの 距 離 は 50cm 及 び 100cm の 場 合 を 考 えた。MUTUAL コー<br />
ドを 用 いた 計 算 ではコンクリート 反 射 体 のアルベド 値 は 0.73 とした。<br />
上 下 水 平 全 6 面 がコンクリート 反 射 体 で 囲 まれている 場 合 の 計 算 結 果 を 表 4.15に 記 す。UO 2 -H 2 O 減 速 系 ,<br />
UO 2 -H 2 O 非 減 速 系 ともに MUTUAL の 値 は KENO-IV の 値 を 下 回 っている。これに 対 して, 上 下 及 び 隣 合 う 水<br />
平 2 面 がコンクリート 反 射 体 で 囲 まれている 場 合 には, 表 4.16に 記 すように MUTUAL の 値 は KENO-IV の 値 を<br />
上 回 っている( 但 し,UO 2 -H 2 O 非 減 速 系 ユニット1 体 で 反 射 体 までの 距 離 が 50cm の 場 合 を 除 く)。
104 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
反 射 体 がある 体 系 に MUTUAL を 適 用 する 場 合 について, 入 力 として 用 いるアルベド 値 の 変 更 の 方 策 を 検 討<br />
した。 極 端 な 場 合 として,コンクリート 反 射 体 のアルベド 値 を 0.73 から 1.0 に 変 更 した 計 算 を 行 った。この 計 算 結<br />
果 も 表 4.15 及 び 表 4.16に 記 してある。4 面 反 射 では,アルベド 値 を 1.0 にすると KENO-IV コードに 比 べて 最 大<br />
で 0.037Δk 程 度 大 きくなる。 他 方 ,6 面 反 射 では,アルベド 値 を 1.0 にすると 0.73 の 場 合 より 最 大 で 0.02Δk<br />
程 度 大 きくなるが, 依 然 すべての 体 系 で KENO−IV コードより 小 さい。<br />
ユニット 配 列 周 囲 にコンクリート 反 射 体 が 存 在 するケースは, 燃 料 ユニットの 配 列 が 構 築 物 またはセル 等 の 中<br />
に 置 かれている 状 態 を 想 定 している。 構 築 物 またはセルが 狭 く, 燃 料 ユニットから 壁 までの 距 離 がどの 面 も 短 い<br />
場 合 には, 現 状 では MUTUAL を 適 用 することは 難 しいと 考 えられる。しかし, 構 築 物 またはセルがある 程 度 広 く,<br />
少 なくとも 燃 料 ユニットから 壁 2 面 までの 距 離 が 十 分 長 い 場 合 には, 残 る2 面 の 壁 までの 距 離 が 50cm 以 上 あれ<br />
ば,コンクリートのアルベド 値 を 1.0 と 採 ることにより MUTUAL を 適 用 することが 可 能 である。<br />
4.4.4 立 体 角 法 等 簡 便 法 及 び 簡 易 計 算 コードのための 補 助 計 算<br />
前 項 までに 述 べたように, 立 体 角 法 等 簡 便 法 あるいは 立 体 角 法 に 基 づく 簡 易 計 算 コードにより, 複 数 ユニット<br />
の 臨 界 安 全 性 を 評 価 するにあたっては, 各 単 一 ユニット 裸 の 条 件 での 実 効 増 倍 率 k effB , 無 限 増 倍 率 k ∞ , 移 動<br />
面 積 M 2 , 形 状 バックリング B 2 などを 求 めておかなければならない。 上 記 の 量 を 求 めるには, 実 際 には, 次 に 示<br />
すような 方 法 が 勧 められる (39) 。<br />
(1) ハンドブック 記 載 の 臨 界 条 件 データを 用 いる 方 法<br />
一 般 に 単 一 ユニットの 代 表 的 な 幾 何 形 状 に 対 応 して, 十 分 な 厚 さの 反 射 体 つき 条 件 での 実 効 増 倍 率 k effR が<br />
与 えられているので,これを 用 いて 裸 の 条 件 での 実 効 増 倍 率 k effB を 以 下 のように 求 めることができる。<br />
厚 さ T の 無 限 平 板 :<br />
1 + M 2 ⎛ π ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ T +14.2D ⎠<br />
k effB = k effR ⋅<br />
2<br />
1 + M 2 ⎛ π ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ T + 4D ⎠<br />
2<br />
(4.25)<br />
M 2 ⋅ B 2 = M 2 ⋅{ π /( T +14.2⋅D)<br />
} 2 (4.26)<br />
k ∞ = ( 1+ M 2 ⋅B 2<br />
)⋅k effR (4.27)
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 105<br />
半 径 R の 無 限 円 柱 :<br />
1 + M 2 ⎛ 2.405 ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ R +7.1D ⎠<br />
k effB = k effR ⋅<br />
2<br />
1+ M 2 ⎛ 2.405 ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ R +2D⎠<br />
2<br />
(4.28)<br />
{ ( )} 2 (4.29)<br />
M 2 ⋅ B 2 = M 2 ⋅ 2.405/ R + 7.1⋅D<br />
k ∞ = ( 1+ M 2 ⋅B 2<br />
)⋅k effR (4.30)<br />
半 径 r の 球<br />
1 + M 2 ⎛ π ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ r +7.1D ⎠<br />
k effB = k effR ⋅<br />
2<br />
1+ M 2 ⎛ π ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ r +2D⎠<br />
2<br />
(4.31)<br />
M 2 ⋅ B 2 = M 2 ⋅{ π /( r +7.1⋅D)<br />
} 2 (4.32)<br />
k ∞ = ( 1+ M 2 ⋅B 2<br />
)⋅k effR (4.33)<br />
ここで,M 2 及 び D は「 臨 界 安 全 ハンドブック・データ 集 」 第 3 章 記 載 の 早 見 図 または 簡 易 計 算 コードから 求 める。<br />
無 限 平 板 と 無 限 円 柱 の 場 合 の k effB /k effR を 図 4.15 及 び 図 4.16に 示 す。<br />
(2) 早 見 図 又 は 簡 易 計 算 コードによる 方 法<br />
k ∞ ,M 2 ,B 2 ,D が 与 えられるので,その 他 の 量 を 次 式 から 求 める。<br />
k effR = k ∞ /1+ ( M 2 ⋅B 2<br />
) (4.34)<br />
1+ M 2 2<br />
B<br />
k effB = k effR ⋅<br />
c<br />
1 + M 2 ⎛ π ⎞<br />
⎜ ⎟<br />
⎝ T + 4D ⎠<br />
2<br />
(4.35)<br />
無 限 平 板 厚 さ T:<br />
T = π /B −14.2⋅D (4.36)<br />
無 限 円 柱 半 径 R:<br />
R = 2.405/B −7.1⋅D (4.37)
106 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
球 半 径 r:<br />
r = π /B −7.1⋅D (4.38)<br />
(3) 中 性 子 輸 送 計 算 コードによる 方 法<br />
単 一 ユニットの 幾 何 形 状 に 対 し,k ∞ ,k effR ,k effB が 与 えられるので,その 他 の 量 を 次 式 から 求 める。<br />
M 2 B 2 = k ∞ /k effR −1.0 (4.39)<br />
モンテカルロコード( 例 えば KENO-IV)を 用 いるときは k ∞ として( 核 分 裂 中 性 子 発 生 数 )/( 燃 料 領 域 の 吸 収 中<br />
性 子 数 )を 用 いてもよい。<br />
4.4.5 詳 細 計 算 コードによる 解 析<br />
複 数 ユニット 体 系 の 中 性 子 実 効 増 倍 率 を 求 めるには, 立 体 角 法 等 の 簡 便 手 法 あるいはその 原 理 に 基 づく 簡<br />
易 計 算 コードが 用 いられるが, 計 算 機 の 発 達 により 最 初 から 詳 細 計 算 コードを 用 いることも 現 実 的 になってきて<br />
いる。この 場 合 , 設 備 あるいは 機 器 を 複 数 個 配 置 した 体 系 を 扱 うためには,KENO-IV 等 のモンテカルロコード<br />
によるしか 方 法 がないことになる。<br />
モンテカルロコードでは 球 , 円 柱 , 直 方 体 などの 基 本 形 状 がパッケージ 化 されており,これらの 形 状 の 組 合 わ<br />
せからなるボックスの 配 列 を 容 易 に 定 義 できるようになっている。また,マルチボックスタイプあるいはコンビネー<br />
ションタイプのモンテカルロコードでは, 間 隔 の 異 なるボックスの 配 列 あるいは 中 心 のずれたボックスの 配 列 など<br />
も 取 扱 うことができる。<br />
複 数 ユニット 体 系 の 臨 界 解 析 をモンテカルロコードで 行 うには, 次 に 示 す 事 項 に 注 意 しなければならない。<br />
(1) 単 一 ユニット 間 の 中 性 子 相 互 作 用 を 計 算 するためには, 十 分 な 中 性 子 ヒストリー 数 が 確 保 されているかど<br />
うか?<br />
(2) 中 性 子 発 生 分 布 が 基 本 モードに 一 致 しているかどうか?<br />
特 に 単 一 ユニット 相 互 間 の 距 離 が 大 きくて 中 性 子 相 互 作 用 の 弱 い 体 系 では, 上 記 事 項 について 十 分 な 注 意 を<br />
払 う 必 要 があると 思 われる。 相 互 作 用 の 弱 い 体 系 に 対 して,モンテカルロコードによる 臨 界 計 算 では 基 本 モード<br />
に 到 達 することが 容 易 でないと 考 えられる。このような 場 合 , 基 本 モードをある 程 度 予 測 して 初 期 中 性 子 発 生 分<br />
布 を 選 ぶ 必 要 がある。ひとつの 方 法 として 各 単 一 ユニットの 中 性 子 実 効 増 倍 率 k effB があらかじめ 求 められてい<br />
るので,この 値 の 比 により 中 性 子 発 生 数 を 割 当 てることが 勧 められる。<br />
4.5 複 数 の 室 からなる 系 の 臨 界 安 全 評 価 の 方 法<br />
複 数 の 室 からなる 系 の 臨 界 安 全 評 価 を 下 記 の 方 法 で 行 うことができる。<br />
任 意 の 室 を 取 り 囲 む 各 壁 厚 の 中 央 に 完 全 反 射 条 件 を 設 定 し, 室 内 の 中 性 子 増 倍 率 を 計 算 する。どの 室 の 中<br />
性 子 増 倍 率 も 最 大 許 容 増 倍 率 を 越 すことがなければ,その 系 は 臨 界 安 全 であると 評 価 される。ただし, 壁 の 厚<br />
さは 中 性 子 移 動 距 離 以 上 であるとする。この 距 離 は,コンクリート 壁 の 場 合 には 約 11cm である。<br />
「 核 燃 料 施 設 安 全 審 査 基 本 指 針 」では,「 単 一 ユニットの 臨 界 安 全 管 理 」と「 複 数 ユニットの 臨 界 安 全 管 理 」に
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 107<br />
より 臨 界 安 全 を 確 保 することとしている。「 複 数 ユニットの 臨 界 安 全 管 理 」においては, 単 一 ユニット 間 の 中 性 子<br />
相 互 作 用 を 考 慮 することとしている。しかし, 隣 室 にある 燃 料 との 相 互 作 用 効 果 は, 通 常 考 慮 していない。この<br />
ことは, 室 間 は 十 分 に 厚 い 壁 で 囲 まれており, 相 互 作 用 が 起 こらない 設 計 になっている 場 合 が 多 かったというこ<br />
とである。このために, 臨 界 安 全 上 , 不 必 要 に 厚 い 壁 が 設 けられる 場 合 があった。しかし, 各 室 の 中 性 子 増 倍 率<br />
が 臨 界 状 態 より 十 分 に 小 さい 場 合 には, 室 間 の 中 性 子 相 互 作 用 効 果 を 考 慮 しても 臨 界 になることがないことを<br />
確 認 できれば, 薄 い 壁 厚 でもよい。 近 年 の 計 算 機 の 進 歩 に 伴 い, 各 室 の 臨 界 安 全 評 価 を3 次 元 モンテカルロ<br />
法 で 行 うことが 多 くなり,さらに 室 間 の 中 性 子 相 互 作 用 効 果 も 取 入 れることができるようになってきている。 以 上<br />
のことを 考 慮 して, 複 数 の 室 からなる 系 の 臨 界 安 全 評 価 を 行 う 一 つの 方 法 を 下 記 に 示 す。<br />
核 燃 料 を 収 納 する 複 数 の 室 からなる 系 を 考 える。 各 室 には, 複 数 の 単 一 ユニットが 存 在 し, 室 間 はコンクリー<br />
ト 壁 により 仕 切 られているものとする。このとき,コンクリート 壁 が「 隔 離 厚 さ」より 薄 い 場 合 も 考 慮 して, 周 囲 の 室<br />
との 中 性 子 相 互 作 用 効 果 により, 臨 界 になることがないことを 確 認 する。<br />
臨 界 条 件 は, 隣 室 の 中 性 子 増 倍 率 が 高 いほど 厳 しくなる。それ 故 , 全 ての 室 の 臨 界 安 全 評 価 において, 隣<br />
室 に 自 室 と 同 じ 核 燃 料 があるとして 評 価 し,どの 室 も 臨 界 になることがないことを 確 認 しておけば 良 いことが 分<br />
かる。このためには, 室 間 のコンクリート 壁 の 中 央 厚 で 完 全 反 射 条 件 を 設 定 して 臨 界 計 算 を 行 えばよい。 隣 に<br />
核 燃 料 を 収 納 する 室 がない 場 合 には, 壁 等 の 構 造 材 による 中 性 子 反 射 効 果 のみを 考 慮 すればよい。この 方 式<br />
によれば, 施 設 の 使 用 条 件 に 合 わせて 臨 界 安 全 評 価 を 行 えばよいので, 隣 室 にいかなる 核 燃 料 が 来 てもよい<br />
ように 設 計 しなければならないということはなくなる。<br />
ただし, 隣 室 の 存 在 により 中 性 子 エネルギー・スペクトルが 大 きく 変 化 する 可 能 性 のある 場 合 には,それらの 室<br />
は 独 立 した 室 として 取 り 扱 うことはできない。この 例 としては, 水 素 含 有 率 の 少 ない 粉 体 燃 料 と 濃 度 の 低 い 溶 液<br />
燃 料 が 隣 接 する 場 合 である。 粉 体 燃 料 から 放 出 された 中 性 子 が, 溶 液 燃 料 で 熱 化 されまた 粉 体 燃 料 へ 戻 って<br />
くる。この 場 合 には, 共 鳴 を 逃 れる 確 率 が 大 きくなり, 粉 体 燃 料 の 外 周 に 完 全 反 射 の 境 界 条 件 を 設 定 した 場 合<br />
より, 粉 体 燃 料 と 溶 液 燃 料 の 共 存 する 体 系 の 方 が 中 性 子 増 倍 率 が 大 きくなることがある。このような 体 系 でも,<br />
両 燃 料 間 のコンクリート 壁 の 厚 さがコンクリートの 中 性 子 移 動 距 離 (11cm)より 大 きい 場 合 には, 熱 化 して 戻 って<br />
来 る 中 性 子 の 大 部 分 がコンクリートの 中 で 吸 収 されてしまうので,エネルギー・スペクトル 変 化 の 影 響 は 無 視 で<br />
きる。
108 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
第 4 章 の 参 考 文 献<br />
(1) 荻 野 晃 久 ・ 内 藤 俶 孝 ,「 無 限 増 倍 率 が 1.0 未 満 である 核 燃 料 体 系 の 臨 界 性 」,JAERI-M89-039 (1989).<br />
(2) 奥 野 浩 ・ 小 室 雄 一 ,「 均 質 低 濃 縮 ウラン 系 燃 料 の 臨 界 条 件 データの 再 計 算 」,JAERI-M 90-058 (1990).<br />
(3) J. Katakura, Y. Naito and Y. Komuro, "Development of the Computer Code System JACS for Criticality<br />
Safety", Trans. Am. Nucl. Soc., 41, 329 (1982).<br />
(4) 内 藤 俶 孝 ・ 小 山 隆 ・ 小 室 雄 一 ,「 核 的 臨 界 安 全 性 評 価 のために 使 用 する 無 限 体 系 における 臨 界 濃 縮 度<br />
及 び 臨 界 濃 度 」,JAERI-M 86-026 (1986).<br />
(5) S. Nakamaru, N. Sugawara, Y. Naito, J. Katakura and H. Okuno, "SIMCRI: A Simple Computer Code<br />
for Calculating Nuclear Criticality Parameters", JAERI-M 86-027 (1986).<br />
(6) Y. Miyoshi, M. Itagaki, M. Akai, H. Hirose and M. Hashimoto, "Geometric Buckling Expression for<br />
Regular Polygons: I. Measurements for Low Enriched UO 2 -H 2 O Lattices", Nucl. Technol. ,103, 380<br />
(1993).<br />
(7) M. Itagaki, Y. Miyoshi and H. Hirose, "Geometric Buckling Expression for Regular Polygons: II.<br />
Analyses Based on Multiple Reciprocity Boundary Element Method", Nucl. Technol. ,103, 392 (1993).<br />
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110 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
表 4.1 水 反 射 体 付 き 均 質 UO 2 −H 2 O の 最 小 推 定 臨 界 値 及 び 最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
質 量<br />
球 体 積<br />
円 柱 直 径<br />
平 板 厚 さ<br />
濃 縮 度<br />
[kgU]<br />
[L]<br />
[cm]<br />
[cm]<br />
[wt%]<br />
臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値<br />
3 92.2 84.2 50.0 45.8 31.8 30.5 16.1 15.0<br />
4 56.8 50.1 34.4 30.3 28.0 27.0 13.5 12.7<br />
5 38.2 34.1 28.1 24.8 25.5 24.6 12.0 11.3<br />
10 14.0 12.7 15.8 14.6 20.7 19.8 8.8 8.3<br />
20 7.43 7.00 11.5 10.5 17.9 17.4 7.1 6.7<br />
表 4.2 水 反 射 体 付 き 均 質 ADU(II) *1 -H 2 O の 最 小 推 定 臨 界 値 及 び 最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
質 量<br />
球 体 積<br />
円 柱 直 径<br />
平 板 厚 さ<br />
濃 縮 度<br />
[kgU]<br />
[L]<br />
[cm]<br />
[cm]<br />
[wt%]<br />
臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値<br />
3 112. 102. 62.2 55.1 35.1 32.8 17.5 16.6<br />
4 63.0 54.1 38.7 36.0 29.4 28.1 14.1 13.8<br />
5 41.4 37.7 30.1 27.9 26.7 25.8 12.7 12.0<br />
*1 ADU(II):3UO 2 ・NH 3 ・5H 2 O<br />
表 4.3 水 反 射 体 付 き 均 質 UO 2 F 2 水 溶 液 の 最 小 推 定 臨 界 値 及 び 最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
質 量<br />
球 体 積<br />
円 柱 直 径<br />
平 板 厚 さ<br />
濃 縮 度<br />
[kgU]<br />
[L]<br />
[cm]<br />
[cm]<br />
[wt%]<br />
臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値<br />
3 102. 91.5 68.0 58.0 35.0 33.8 18.1 17.0<br />
4 58.1 50.7 44.0 40.5 30.4 28.9 15.0 14.2<br />
5 39.4 34.6 33.8 30.7 27.3 26.3 13.2 12.6<br />
10 13.6 11.9 18.1 16.8 22.0 21.3 9.8 9.3<br />
20 5.60 4.97 12.0 11.0 18.7 18.1 7.6 7.3
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 111<br />
表 4.4 水 反 射 体 付 き 均 質 UO 2 (NO 3 ) 2 水 溶 液 の 最 小 推 定 臨 界 値 及 び 最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
質 量<br />
球 体 積<br />
円 柱 直 径<br />
平 板 厚 さ<br />
濃 縮 度<br />
[kgU]<br />
[L]<br />
[cm]<br />
[cm]<br />
[wt%]<br />
臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値 臨 界 値 下 限 値<br />
3 470 369 393 329 67.4 61.5 37.6 34.1<br />
4 164 124 160 129 47.9 44.8 25.9 24.1<br />
5 82.2 70.0 88.7 74.3 38.0 36.3 20.2 19.1<br />
表 4.5 水 反 射 体 付 き 均 質 Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 の 最 小 推 定 臨 界 値 と 最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
最 小 推 定 臨 界 値<br />
最 小 推 定 臨 界 下 限 値<br />
240 Pu/ 239 Pu[wt%] 0 5 10 20 30 0 5 10 20 30<br />
無 限 円 柱 直 径 [cm] 16.2 18.7 20.1 22.2 24.3 15.5 17.6 18.8 20.9 22.8<br />
無 限 平 板 厚 さ[cm] 5.97 7.29 8.30 9.93 11.3 5.49 6.67 7.59 9.03 10.3<br />
球 体 積 [L] 8.24 11.3 14.1 18.7 24.1 7.31 10.1 12.3 16.2 20.6<br />
表 4.6 均 質 U-H 2 O,UO 2 -H 2 O,UO 2 F 2 水 溶 液 の 無 限 体 系 における 推 定 臨 界 濃 縮 度 と 推 定 臨 界 下 限<br />
濃 縮 度 ( 235 U wt%)<br />
*1<br />
推 定 臨 界 濃 縮 度<br />
*2<br />
推 定 臨 界 下 限 濃 縮 度<br />
U-H 2 O 0.90 0.88<br />
UO 2 -H 2 O 0.94 0.91<br />
UO 2 F 2 水 溶 液 0.98 0.95<br />
*<br />
1 k eff =0.991<br />
*<br />
2 k eff =0.980
112 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
表 4.7 均 質 UO 2 (NO 3 ) 2 水 溶 液 の 無 限 体 系 における 推 定 臨 界 濃 縮 度 と 推 定 臨 界 下 限 濃 縮 度 ( 235 Uwt%)<br />
*1<br />
推 定 臨 界 濃 縮 度<br />
*2<br />
推 定 臨 界 下 限 濃 縮 度<br />
UO 2 (NO 3 ) 2 水 溶 液 1.95 1.90<br />
*<br />
1 k eff =0.991<br />
*<br />
2 k eff =0.980<br />
239<br />
表 4.8 均 質 PuO 2 ・U(natural)O 2 -H 2 O の 無 限 体 系 における 推 定 臨 界 Pu 富 化 度 と 推 定 臨 界 下 限 Pu 富 化 度<br />
( 酸 化 物 重 量 比 :PuO 2 /(PuO 2 +UO 2 ) wt%)<br />
*1<br />
推 定 臨 界 濃 縮 度<br />
*2<br />
推 定 臨 界 下 限 濃 縮 度<br />
239<br />
PuO 2 ・U(nat)O 2 -H 2 O 0.14 0.11<br />
* 1 k eff =1.013<br />
2 k eff =0.980<br />
表 4.9 各 核 燃 料 物 質 の 無 限 体 系 における 推 定 臨 界 濃 度 及 び 推 定 臨 界 下 限 濃 度<br />
化 学 形 態 推 定 臨 界 濃 度 推 定 臨 界 下 限 濃 度<br />
235 U-H 2 O 11.8g 235 U/ L 11.6g 235 U/ L<br />
235 UO 2 -H 2 O 11.7g 235 U/ L 11.5g 235 U/ L<br />
235 UO 2 F 2 水 溶 液 12.2g 235 U/ L 12.0g 235 U/ L<br />
235 UO 2 (NO 3 ) 2 水 溶 液 12.5g 235 U/ L 11.8g 235 U/ L<br />
239 Pu-H 2 O 7.4g 239 Pu/ L 7.0g 239 Pu/ L<br />
239 PuO 2 -H 2 O 7.5g 239 Pu/ L 7.0g 239 Pu/ L<br />
239<br />
Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 7.5g 239 Pu/ L 7.0g 239 Pu/ L
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 113<br />
表 4.10 燃 焼 燃 料 の 未 臨 界 質 量 を 求 めた 際 に 使 用 したパラメータ<br />
UO 2 ペレット−H 2 O( 輸 送 )<br />
ペレット 直 径 0.7 cm<br />
ペレット 密 度 理 論 密 度 の 95wt%<br />
ウラン 濃 縮 度 5 wt%<br />
燃 焼 度 0, 15, 30 GWd/t<br />
UO 2 (NO 3 ) 2 −Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 ( 溶 解 )<br />
ウラン 濃 縮 度 5 wt%<br />
遊 離 硝 酸 濃 度 0<br />
(U+Pu) 濃 度 500 - 1500 g(U+Pu)/ L<br />
燃 焼 度 0, 15, 30 GWd/ t<br />
Pu(NO 3 ) 4 水 溶 液 (Pu 精 製 )<br />
遊 離 硝 酸 濃 度 0<br />
Pu 濃 度 50 - 800 gPu/ L<br />
燃 焼 度 0, 5, 15, 30, 50 GWd/ t<br />
表 4.11 正 多 角 形 の 幾 何 学 的 バックリング<br />
2<br />
B g = (a N /R c ) 2<br />
形 状<br />
辺 の 数<br />
N<br />
a N<br />
形 状 因 子<br />
正 三 角 形 3 4.190<br />
正 方 形 4 3.142 (π)<br />
正 五 角 形 5 2.821<br />
正 六 角 形 6 2.675<br />
正 八 角 形 8 2.547<br />
円 ∞ (2.405)
表 4.12 コードシステムの 分 類 例<br />
コード 名<br />
コードで 使 用 する<br />
共 鳴 自 己 遮 蔽 セル 平 均 化 断 面 積 を 体 系 の 増 倍 率 を 求 める<br />
ライブラリの 基 に<br />
及 び 非 均 質 補 求 めるコードあるいは コードあるいは 手 法<br />
なった 核 データフ 処 理 後 のライブラリ 名<br />
正 を 行 うコード 手 法<br />
ァイル( 処 理 前 の<br />
あるいは 手 法<br />
ファイル 名 )<br />
SCALE4.3<br />
Hansen-Roach 218GROUPNDF4<br />
XSDRNPM<br />
ENDF/B-IV 27GROUPNDF4<br />
BONAMI* 2<br />
XSDRNPM<br />
KENO V.a<br />
ENDF/B-V 44GROUPNDF5<br />
NITAWL-II* 3<br />
KENO-VI<br />
等 9ライブラリがある<br />
ENDF/B-IV MGCL-B4<br />
ANISN<br />
JACS<br />
JENDL-3.1 MGCL-J3.1<br />
KENO IV<br />
MAIL ANISN<br />
JENDL-3.2 MGCL-J3.2<br />
MULTI-KENO<br />
ENDF/B-IV<br />
ENDF/B-V<br />
PEACO ( 衝 突 確 率 法 ) *1 ( 衝 突 確 率 法 ) *1<br />
ENDF/B-VI<br />
(NR 近 似 ) *1 ANISN<br />
ANISN<br />
SRAC95 JEF-2.2 ( 特 に 名 前 は 無 い)<br />
(IR 近 似 ) *1 TWOTRAN<br />
TWOTRAN<br />
JENDL-2<br />
CITATION<br />
JENDL-3.1<br />
JENDL-3.2<br />
*1 括 弧 内 は, 手 法 名 をあらわす(コードとして 独 立 しているとは 考 えられない 場 合 に,このような 表 記 にした)。<br />
*2 BONAMI は,NR 近 似 による 共 鳴 自 己 遮 蔽 効 果 ならびに, 非 均 質 補 正 を 行 うコードである。<br />
注<br />
CSAS シリーズのドライ<br />
バー(プログラム)で, 各<br />
コードを 組 み 合 わせた<br />
解 析 が 実 行 される。<br />
ドライバーという 概 念 は<br />
ない。ユーザーが 自 ら 各<br />
コードをつないで 計 算 を<br />
行 う。<br />
ドライバーという 概 念 は<br />
ないが, 一 つの 入 力 ファ<br />
イルで, 各 コードを 制 御<br />
できる。<br />
114 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
*3 NITAWL-II は, Nordheim による 積 分 型 の 取 り 扱 いによってスペクトル 計 算 を 行 うコードである。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 115<br />
表 4.13 計 算 コードの 分 類 例<br />
解 法 上 の 分 類 コード 名 取 り 扱 い 体 系 エネルギー 群<br />
拡 散 近 似 CITATION 3 次 元 多 群<br />
ANISN<br />
1 次 元<br />
多 群<br />
SN<br />
XSDRNPM<br />
1 次 元<br />
多 群<br />
DOT<br />
2 次 元<br />
多 群<br />
TWOTRAN<br />
2 次 元<br />
多 群<br />
衝 突 確 率 法 RABTH 1 次 元 超 多 群 (64194 群 )<br />
モンテカルロ<br />
KENO-IV<br />
KENO V.a<br />
KENO-VI<br />
MULTI-KENO<br />
VIM<br />
MCNP4B<br />
MVP<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
3 次 元<br />
多 群<br />
多 群<br />
多 群<br />
多 群<br />
連 続 エネルギー<br />
連 続 エネルギー<br />
連 続 エネルギー<br />
表 4.14 MUTUALコードの 適 用 性 検 討 に 使 用 した 単 一 ユニットの 仕 様<br />
ユニットタイプ A B<br />
化 学 形 態 UO 2 -H 2 O UO 2 -H 2 O<br />
濃 縮 度 [wt%] 5.0 5.0<br />
ウラン 濃 度 [gU/cm 3 ] 2.0 ---<br />
UO 2 かさ 密 度 [gUO 2 /cm 3 ] --- 4.0<br />
減 速 度 H/U 10 0.5<br />
円 柱 高 さ[cm] 100 100<br />
円 柱 直 径 [cm] 23 100<br />
ANISN-JR によるk ∞ の 計 算 値 1.472 1.058<br />
KENO-IV によるk eff の 計 算 値 0.6808±0.0020 0.5972±0.0013<br />
A( 吸 収 数 ) 0.4371 0.5428<br />
F( 核 分 裂 数 ) 0.6808 0.5972<br />
F/A 1.439 1.100
116 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
ユ<br />
ニ<br />
ッ<br />
ト<br />
タ<br />
イ配 列 数<br />
プ<br />
ユニット<br />
間 距 離<br />
[cm]<br />
表 4.15 KENO-IV と MUTUAL の 計 算 結 果 の 比 較<br />
(ユニット 周 囲 に6 面 の 反 射 体 がある 場 合 )<br />
反 射 体 ま KENO-IV の MUTUAL の 計 算 結 果 MUTUAL の 計 算 結 果<br />
での 距 離 計 算 結 果 アルベド 0.73 アルベト゛ 1.0<br />
1) 2) 2) 1) 3) 3) 1) 3) 2)<br />
[cm] k eff σ k eff k eff - k eff k eff k eff - k eff k eff - k eff<br />
A 1 ─ 100 0.6886 0.0018 0.6851 -0.0035 0.6866 -0.0020 0.0015<br />
A 1 ─ 50 0.7016 0.0016 0.6943 -0.0073 0.6994 -0.0022 0.0051<br />
A 9 30 100 0.8110 0.0018 0.7886 -0.0224 0.7928 -0.0182 0.0042<br />
A 9 30 50 0.8374 0.0018 0.8071 -0.0303 0.8189 -0.0185 0.0118<br />
B 1 ─ 100 0.6233 0.0013 0.6074 -0.0159 0.6113 -0.0120 0.0039<br />
B 1 ─ 50 0.6452 0.0012 0.6194 -0.0258 0.6281 -0.0171 0.0087<br />
B 9 10 100 0.7617 0.0014 0.7445 -0.0172 0.7589 -0.0028 0.0144<br />
B 9 10 50 0.7850 0.0015 0.7554 -0.0296 0.7749 -0.0101 0.0195<br />
ユ<br />
ニ<br />
ッ<br />
ト<br />
タ<br />
イ配 列 数<br />
プ<br />
表 4.16 KENO-IV と MUTUAL の 計 算 結 果 の 比 較<br />
(ユニットの 上 下 と 隣 接 側 面 に 計 4 面 の 反 射 体 がある 場 合 )<br />
ユニット 間 反 射 体 ま KENO-IV の MUTUAL の 計 算 結 果 MUTUAL の 計 算 結 果<br />
距 離 での 距 離 計 算 結 果 アルベド 0.73 アルベド 1.0<br />
1) 2) 2) 1) 3) 3) 1) 3) 2)<br />
[cm] [cm] k eff σ k eff k eff - k eff k eff k eff - k eff k eff - k eff<br />
A 1 ─ 100 0.6802 0.0017 0.6830 0.0028 0.6838 0.0036 0.0008<br />
A 1 ─ 50 0.6843 0.0016 0.6876 0.0033 0.6901 0.0058 0.0025<br />
A 9 30 100 0.7798 0.0021 0.7846 0.0048 0.7874 0.0076 0.0028<br />
A 9 30 50 0.7878 0.0020 0.7984 0.0106 0.8074 0.0196 0.0090<br />
B 1 ─ 100 0.6014 0.0011 0.6034 0.0020 0.6057 0.0043 0.0023<br />
B 1 ─ 50 0.6099 0.0012 0.6092 -0.0007 0.6138 0.0039 0.0046<br />
B 9 10 100 0.7170 0.0013 0.7401 0.0231 0.7525 0.0355 0.0124<br />
B 9 10 50 0.7245 0.0014 0.7459 0.0214 0.7611 0.0366 0.0152
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 117<br />
開 始<br />
評 価 対 象 の 設 定<br />
単 一 ユニッ ト 評 価 条 件 の 設 定<br />
( 核 燃 料 物 質 諸 元 , 臨 界 管 理 方 法 , 異 常 時<br />
変 動 等 考 慮 )<br />
単 一 ユニッ ト 体 系 のモデル 化<br />
( 幾 何 形 状 , 原 子 個 数 密 度 )<br />
or<br />
単 一 ユニッ ト の<br />
推 定 臨 界 下 限 の 設 定<br />
( 未 臨 界 条 件 データ 適 用 )<br />
単 一 ユニッ ト の 臨 界 解 析<br />
簡 易 計 算 コ ード<br />
詳 細 コ ード 等<br />
未 臨 界 条 件 を 満 足<br />
Y es<br />
No<br />
単 一 ユニッ ト の 核 的 制 限 値 の 決 定<br />
( 過 装 荷 不 均 一 性 等 の 考 慮 )<br />
or<br />
単 一 ユニッ ト の 配 置 決 定<br />
複 数 ユニッ ト の 相 互 干 渉 区 域 設 定<br />
( 移 動 ユニッ ト 範 囲 , 核 的 隔 離 )<br />
複 数 ユニッ ト 評 価 条 件 の 設 定<br />
( ユニッ ト 間 減 速 条 件 , 反 射 条 件 の 変 化 )<br />
複 数 ユニッ ト 系 のモデル 化<br />
( ユニッ ト 形 状 , 配 置 , 遮 断 材 )<br />
複 数 ユニッ ト 系 の 臨 界 安 全 解 析<br />
( 立 体 角 法 , or 計 算 コ ード )<br />
未 臨 界 条 件 を 満 足<br />
Y es<br />
ユニッ ト 配 置 , 中 性 子 遮 断 材 の 決 定<br />
No<br />
終 了<br />
図 4.1 臨 界 安 全 性 の 解 析 評 価
118 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
<br />
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<br />
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<br />
<br />
<br />
図 4. 2<br />
均 質 U-H 2<br />
Oの 無 限 体 系 におけるH /U 原 子 個 数 比 と 濃 縮 度 に 対 する<br />
未 臨 界 領 域 判 定 図<br />
破 線 (A)は 235 U 濃 度 を11.6g 235 U/Lに 一 定 にしたときの 濃 縮 度 とH /U<br />
原 子 個 数 比 の 関 係 を 示 す。
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 119<br />
10 3 1.0 1.5 2.0<br />
(ウラン+プルトニウム) 質 量 [kg]<br />
10 2<br />
10 1<br />
Burnup 0.0 GWd/t<br />
Burnup 15.0 GWd/t(FP 考 慮 せず)<br />
Burnup 15.0 GWd/t(FP 考 慮 )<br />
Burnup 30.0 GWd/t(FP 考 慮 せず)<br />
Burnup 30.0 GWd/t(FP 考 慮 )<br />
ペレット 間 隔 [cm]<br />
図 4. 3 燃 料 の 未 臨 界 質 量 1<br />
( 非 均 質 UO ペレット-H O、 球 形 状 、 十 分 な 水 反 射 体 付 き、<br />
2 2<br />
k =0.98に 相 当 する(ウラン+プルトニウム) 質 量 )<br />
eff
120 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
(ウラン+プルトニウム) 質 量 [kg]<br />
10 5 Burnup 0.0 GWd/t<br />
Burnup 15.0 GWd/t(FP 考 慮 せず)<br />
Burnup 15.0 GWd/t(FP 考 慮 )<br />
Burnup 30.0 GWd/t(FP 考 慮 せず)<br />
10 4<br />
Burnup 30.0 GWd/t(FP 考 慮 )<br />
10 3<br />
10 2<br />
10 1<br />
0.5 1.0 1.5 2.0<br />
(ウラン+プルトニウム 濃 度 ) [kg(U+Pu)/L]<br />
図 4. 4 燃 料 の 未 臨 界 質 量 2<br />
( 均 質 UO (NO ) -Pu(NO) 水 溶 液 、 球 形 状 、 十 分 な 水 反 射 体 付 き、<br />
2 3 4 3 4<br />
k =0.98に 相 当 する(ウラン+プルトニウム) 質 量 )<br />
eff
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 121<br />
10 2 10 -2 10 -1 10 0<br />
プルトニウム 質 量 [kg]<br />
10 1<br />
10 0<br />
Burnup 0.0 GWd/t<br />
Burnup 5.0 GWd/t<br />
Burnup 15.0 GWd/t<br />
Burnup 30.0 GWd/t<br />
Burnup 50.0 GWd/t<br />
10 -1<br />
プルトニウム 濃 度 [kgPu/L]<br />
図 4. 5 燃 料 の 未 臨 界 質 量 3<br />
( 均 質 Pu(NO ) 水 溶 液 、 球 形 状 、 十 分 な 水 反 射 体 付 き、<br />
3 4<br />
k =0. 98に 相 当 するプルトニウム 質 量 )<br />
eff
122 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
<br />
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<br />
∆ <br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
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<br />
<br />
図 4. 6<br />
水 隔 離 材 の 厚 さに 対 するRFの 変 化<br />
( 水 中 のBW R 燃 料 集 合 体 の 場 合 )
JAERI 1340 4. 安 全 解 析 評 価 の 方 法 123
124 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
<br />
<br />
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<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
図 4. 8<br />
コンクリート 隔 離 材 の 厚 さに 対 するRFの 変 化<br />
(BW R 燃 料 集 合 体 の 場 合 )
JAERI 1340 4. 安 全 評 価 の 方 法 125<br />
1 正 方 形 平 板<br />
a<br />
H=a<br />
a<br />
⎡<br />
⎢<br />
Ω = 4sin −1 ⎢<br />
⎢<br />
⎢<br />
⎣<br />
a<br />
2 ⋅ a ⎤<br />
⎥<br />
2 ⎥ = 0.805ステラジアン<br />
a 2 4 + a 2 ⎥<br />
a2 ⋅<br />
4 +a2 ⎥<br />
⎦<br />
2 無 限 円 柱<br />
R<br />
H=10R<br />
11R<br />
Ω = lim<br />
L→ ∞<br />
L ⋅2R<br />
( L /2) 2 + ( 10R) ⋅ 1<br />
2<br />
10R = 0.4ステラジアン<br />
3 球<br />
10R<br />
R<br />
11R<br />
⎡<br />
⎢<br />
Ω = 2π ⎢<br />
1−<br />
⎣ ⎢<br />
1<br />
1+ ( R /10R) 2<br />
⎤<br />
⎥<br />
⎥<br />
= 0.03ステラジアン<br />
⎦ ⎥<br />
図 4.9 TID7016-Rev.2 の 点 − 平 面 モデルによる 立 体 角 計 算 例
126 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340
JAERI 1340 4. 安 全 評 価 の 方 法 127
128 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
MUTUAL<br />
<br />
KENO-・<br />
<br />
<br />
図 4.13<br />
配 列 の 大 きさに 対 するk eff<br />
の 変 化<br />
ユニットの 形 状 :<br />
ユニットの 組 成 :<br />
ユニットの 画 間 距 離 :<br />
配 列 型 :<br />
KENO-・ヒストリ:<br />
円 柱 , 直 径 25.54cm, 高 さ100cm<br />
均 質 UO -H O, 235 U 濃 縮 度 5wt%、<br />
2 2<br />
ウラン 濃 縮 度 1000gU/L,H/U=24.0<br />
30cm<br />
N×N×1<br />
1000 中 性 子 ×200 世 代
JAERI 1340 4. 安 全 評 価 の 方 法 129<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
図 4.14<br />
実 効 増 倍 率 のユニット 間 距 離 依 存 性<br />
(UO 2<br />
-H 2<br />
O 減 速 系 ,4×4×1 配 列 )
130 臨 界 安 全 ハンドブック 第 2 版 JAERI 1340
JAERI 1340 4. 安 全 評 価 の 方 法 131