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滋賀県長浜市田根地区を対象として―(宮原 夢未) - 慶應義塾大学SFC ...

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余 呉 型 民 家 の 活 用 に 関 する 研 究 ― 滋 賀 県 長 浜 市 田 根 地 区 を 対 象 として―<br />

慶 應 義 塾 大 学 政 策 メディア 研 究 科 修 士 1 年<br />

80925430 宮 原 夢 未<br />

・ 田 根 プロジェクトに 参 加 した 理 由<br />

近 年 、 技 術 の 進 歩 やグローバル 化 が 進 み、 海 外 から 技 術 や 資 材 を 大 量 に 輸 出 ・ 入 するこ<br />

とが 可 能 となり、 世 界 中 の 街 に 均 一 のコンコリートとガラスのジャングルが 広 がるように<br />

なった。 日 本 も 例 にもれず、 都 市 部 は 勿 論 、 地 方 に 至 るまで、どこに 行 っても 同 じ 風 景 が<br />

広 がっている。これに 対 し 私 は、ヴァナキュラーな 建 物 や 風 景 に 魅 力 を 感 じる。このよう<br />

な 建 物 や 風 景 は、 唯 一 無 二 のものであり、 世 界 中 のどこを 訪 れても 同 じ 風 景 は 二 つとない。<br />

更 に、それは 先 人 の 知 恵 や 地 域 の 文 化 を 物 語 る。このような 風 景 が 広 がる 地 域 は、 日 本 に<br />

はまだ 残 っているが、それらの 多 くは 存 続 ・ 伝 承 の 危 機 にさらされている。<br />

そこで 私 は、このような 地 を 訪 れ、 先 人 の 知 恵 や 地 域 の 文 化 を 知 ると 共 に、 今 後 その 街<br />

が 存 続 し 続 けていく 為 の 一 助 になれば 幸 いと 思 い、このような 活 動 ができる 田 根 プロジェ<br />

クトに 参 加 した。<br />

・ 前 期 行 った 活 動 内 容<br />

1. 昨 年 度 までに 行 われた 調 査 内 容 の 共 有<br />

2. 報 告 書 作 成<br />

3.フィールドワーク(6 月 13 日 ~15 日 )<br />

4.7 月 29 日 ~8 月 2 日 に 行 われるワークショップに 向 けての 準 備<br />

‐ 詳 細 内 容 ‐<br />

1. 昨 年 度 末 に 行 われた「 生 きる 木 活 きる 地 」 展 で 展 示 された、パネル 及 び 模 型 を 中 心 に 昨<br />

年 までに 行 われた 活 動 内 容 を 把 握 した。 特 に 余 呉 型 民 家 については 興 味 があったので 資<br />

料 を 集 め、 理 解 を 深 めた。<br />

2.5 月 26 日 に 行 われた 助 成 金 の 為 のプレゼンテーションに 向 け、 報 告 書 を 作 成 した。その<br />

中 で 私 が 担 当 したのは、 政 策 的 提 案 の 章 である。 即 ち、これまでの 分 析 結 果 を 踏 まえた<br />

上 で、 今 後 田 根 を 活 性 化 させていくための 具 体 的 な 政 策 の 提 案 をおこなった。<br />

具 体 的 な 提 案 は、「 通 過 場 所 としての 古 民 家 」である。 田 根 地 区 へ 外 部 の 人 たちが 訪 れ、<br />

いずれは 住 人 として 定 着 するために 必 要 な 体 験 的 生 活 やアクティビティを 行 うプログラ<br />

ムを 集 落 ごとに 提 案 した。そして、これらの 活 動 を 行 うための 施 設 として、 現 存 する 空<br />

き 家 古 民 家 の 再 生 活 用 の 提 案 をおこなった。また、 政 策 的 提 案 の 裏 付 けとし、 現 在 のま<br />

ちづくりの 動 向 を 知 るために、 国 土 交 通 省 が 行 っている「 新 たな 公 」の 平 成 20 年 度 のモ<br />

デル 事 業 、 全 97 件 を 参 照 し、それらの 取 り 組 み 内 容 をまとめた。


3.フィールドワークでは、Iターン・Uターンの 住 民 と 昨 年 ヒアリング 調 査 ができなかっ<br />

た 集 落 の 自 治 会 長 、 更 には 田 根 小 学 校 の 校 長 先 生 や 工 務 店 に 勤 務 されている 方 、 今 後 田<br />

根 に 移 り 住 む 予 定 の 方 など、 様 々な 方 にヒアリング 調 査 を 行 った。この 調 査 を 通 じて、<br />

建 物 や 集 落 景 観 、 地 域 の 活 性 化 について、 改 めてみなさんの 知 見 がさまざまである 事 が<br />

わかった。また、このような 地 域 に、 新 たな 若 い 世 代 の 住 民 に 住 んでもらうためには、<br />

教 育 機 関 の 充 実 が 重 要 である 事 を 感 じた。これは、ドッポ 村 に 住 んでいる 森 林 組 合 の 女<br />

性 の 方 (30 代 半 ばくらいだったと 思 います。)へのヒアリング 調 査 を 通 じて 感 じたことで<br />

ある。「もし、 結 婚 して 子 供 を 産 んで、 引 っ 越 しを 考 えた 時 、まずは 子 供 を 安 心 して 預 け<br />

られるところがあるか 考 えます。」 とその 方 はおっしゃっていた。 集 落 の 若 い 担 い 手 を<br />

今 後 継 続 して 確 保 していくためにも、まずは 教 育 機 関 を 充 実 させ、 更 に 地 域 ならではの<br />

魅 力 ある 教 育 プログラムが 設 けられている 事 が 必 要 であると 考 えました。<br />

4. 夏 のフィールドワークでは、 各 集 落 の 建 物 のデザインコードの 調 査 分 析 と、 家 のなかで<br />

の 昔 と 現 在 の 暮 らし 方 についてヒアリング 調 査 を 行 いたいと 考 えている。 現 在 はそれに<br />

向 けて、 地 図 ・ 写 真 等 で 建 物 と 集 落 配 置 の 分 析 を 行 っていると 同 時 にヒアリング 調 査 の<br />

内 容 のリストの 作 成 を 行 っている。<br />

また、 展 示 会 開 催 に 向 けては、 昨 年 「 生 きる 地 活 きる 木 」 展 で 使 用 した 模 型 の 修 復 作 業<br />

とパネルの 準 備 、ポスターの 作 成 や 展 示 会 のレイアウトを 担 当 し、 作 業 を 進 めている 段<br />

階 である。 今 回 は 田 根 公 民 館 だけでなく、ふれあいの 里 での 展 示 会 もあり、 私 たちの 研<br />

究 の 成 果 を 約 1 か 月 もみなさんに 見 ていただける 機 会 なので、いい 展 示 会 になるようこ<br />

れからも 頑 張 って 準 備 を 続 けていきたいと 思 っている。<br />

・ 後 期 行 った 活 動 内 容<br />

1. 田 根 村 において 二 度 の 展 示 会 を 開 催<br />

2. 田 根 村 において 地 元 住 民 と MIT との 協 働 によるワークショップを 開 催<br />

3. 木 之 元 において 展 示 会 を 開 催<br />

‐ 詳 細 内 容 ‐<br />

1. 前 期 に 行 ったフィールドワークとヒアリング 調 査 をもとに、 田 根 村 にある 14 の 集 落 の<br />

特 徴 を 明 確 化 し、 各 々の 集 落 の 立 地 、 産 業 、 人 口 等 を 考 慮 した 上 で、これまでの 提 案 を<br />

見 直 し、ソフト 面 の 提 案 を 充 実 させた。また、 模 型 等 にも 修 正 を 加 え 田 根 公 民 館 におい<br />

て 開 催 された 展 示 会 に 参 加 した。 当 日 は、 多 くの 地 元 住 民 の 方 たちに 足 を 運 んでいただ<br />

き、 私 達 の 活 動 を 紹 介 できた。<br />

2. 14 集 落 の 内 5 つの 集 落 をピックアップし<br />

1コミュニティ<br />

2 持 続 可 能 な 未 来


3 生 業 である 林 業 ( 木 )<br />

に 着 目 して、 古 民 家 を 核 とした 地 域 再 生 提 案 を 各 グループで 行 った。<br />

MIT との 協 働 ということで、 私 達 にはない 視 点 での 新 しい 提 案 があり 視 野 が 広 がった。<br />

また、 提 案 の 発 表 は 地 元 住 民 も 招 いて 行 い、そこで 意 見 交 換 ができたことは 大 きな 成 果<br />

である。<br />

3. 田 根 地 区 での 地 域 再 生 活 動 をもっと 多 くの 人 に 知 ってもらうために 木 之 元 ( 田 根 地 区<br />

より 車 で 1 時 間 くらいにある 村 )で 行 われたフェスタに 参 加 した。このフェスタは、 移 住<br />

を 考 えている 人 のために 開 催 されたもので、 当 日 は 私 達 だけでなく、 地 元 の 工 務 店 やま<br />

ちづくり 協 議 会 等 も 参 加 した。 他 の 団 体 の 活 動 を 知 ったり、 移 住 を 考 えている 方 たちが<br />

どのような 点 に 興 味 を 示 しているかなどをこの 展 示 会 を 通 じて 学 べた。<br />

この 活 動 は、 学 部 生 の 頃 に 行 ってきたものとはかなり 違 い、 実 践 的 で、 住 民 の 方 と 近 い 距<br />

離 で 活 動 ができてとっても 楽 しく、やりがいがある。 私 たちの 活 動 が 田 根 の 地 域 活 性 化 の<br />

一 助 になれたら 幸 いだと 思 うので、 今 後 も 引 き 続 き 頑 張 って 取 り 組 んでいきたいと 考 える。

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