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歯科放射線学講座 田口 明教授が日本人初の招待講演 - 松本歯科大学

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毎 月 1 日 発 行 第 310 号Matsumoto Dental University News Volume 24, No. 11, August 1, 2009第17 回国際歯顎顔面放射線学会(17th ICDMFR =InternationalCongress of Dentomaxillofacial Radiology)がオランダのアムステルダムで6月28 日(日)から7月2日(木)にかけて開催され、本学<strong>歯科放射線学講座</strong>の<strong>田口</strong>明教授が招待基調講演者に選ばれて講演を行った。ICDMFRの歴史の中で、海外で開催された同学会で日本人が招待基調講演を行うのは初めての快挙。歯科のレントゲン写真を用いて早期に骨粗 そしょう鬆症患者をスクリーニングする手法について講演し、注目を浴びた。国際歯顎顔面放射線学会(ICDMFR)は、頭頸部画像診断や放射線学教育、放射線物理学および放射線生物学研究に従事している研究者などが集まり開催される学会で、第1回が1971年にチリで開催されて以来、その後隔年に開かれている。今回は36カ国から約500人の参加があり、28 日にはpre-congress として、最近急速に広まりつつある歯科用CT(CBCT)についての教育コースが設けられた。学会期間中は、口頭演題102、ポスター演題173が報告され、活況を呈した。本学会は、世界中から著名な研究者を招いて基調講演を行っているが、今回の招待基調講演者は6人で、欧州から4人、米国から1人、そして日本人として初めて、本学の<strong>田口</strong>教授が招待された。<strong>田口</strong>教授は7月1日(水)の午前11時から約1時間にわたり、「Diagnosisof osteoporosis on panoramicradiographs(パノラマX線画像における骨粗鬆症の診断)」と題して講演。これまで行ってきた骨粗鬆症スクリーニング研究について報告し、加えて今後の世界基準の設定と国際共同研究の推進を提案した。現在、この分野の研究は急速に拡大しており、米国テキサス大学およびミズーリ大学、スウェーデンのルンド大学およびマルメ大学、ベルギーのルーベンカソリック大学、ブラジルのサンパウロ大学から質問がなされた。講演後は、これらの6つの大学より招待講演の依頼があった。招待講演に先立ち<strong>田口</strong>教授は、chairperson(座長)として口演発表の進行を務め、この間に自身の一般口頭演題の報告も行った。内容は世界16カ国の共同研究の成果であり、これについても多くの質問が会場よりなされた。また、2000年からInternational EditorialBoard(国際編集委員)を務めている<strong>田口</strong>教授は、29日に開かれた雑誌編集委員会にも参加し、今後の学会雑誌のあり方について討議を行った。本学会で特筆すべきは、CBCTに関する演題の多さであった。基礎的および臨床的報告が多くなされ、特に被曝についての研究報告が極めて多かった。<strong>田口</strong>教授は「安易に撮像されがちなCBCTについて、ガイドラインを作成した欧州委員会から被曝のjustification の原則をより慎重に吟味すべきであるという警告がなされました。近い将来、X線被曝によるがん発症に対する訴訟は増えてくる。次期学会は2011年5 月、被爆地の広島で開催されますが、このテーマはさらに重要視されるでしょう」と話している。<strong>田口</strong>教授はICDMFR次期大会の組織委員会委員にも選出され、10 月には国立インドネシア大学主管の国際学会、来年4月にはトルコで開催される国際インプラントロジスト学会で招待講演を依頼されるなど、今後も国際的活躍が期待される。アムステルダムで 開 かれた 第 17 回 国 際 歯 顎 顔 面 放 射 線 学 会 で 招 待 基 調 講 演 を 行 う 田 口 教 授暑い。日本の暑さは格別で、「火の中にいるようだ」といったヨーロッパの人がいた。また「日本人は熱帯魚のようである」と言った人もいる。熱帯では風が吹いてくれるが、日本の夏は風が弱く、「夕凪 ナ ギ」 といって無風状態となることがしばしばあり、湿度が高いため熱帯以上の暑さとなる。「京橋区南金六丁目五番地においてビール店BEER HALLを開店し、常に新鮮なる樽ビールを氷室に貯蔵到 いたしおき置最も高尚優美に一杯売仕候間大方諸 しょげん彦賑々しく御光来、恵比寿ビールの真味を御賞 しょうがん玩あらんことを願ふ、売価半リーテル金拾銭、四半リーテル金五銭日本麦酒株式会社」これは明治32 年8月4日にビヤホールが誕生したときの広告文で、なかなか面白い。ビヤホールという言葉がなかったころだけに、名前をつけるまでにずい分苦心したことがよく分かる。また、この年は資生堂からはじめてアイスクリームが売り出された年ともいわれている。日本のいちばん暑い時期に初めて味わった人々は、さぞ満足できたことであろう。8月上旬、8日の立秋のころが暑さの頂点にあたり、年間の最高気温の現れることがいちばん多い。しかし、その後暑さが順調にやわらぐわけではない。23 日は「涼風吹き来たり、暑気おさまるを知る季節」といわれる暦の処 し ょ暑 し ょ。 このころシベリアではカラマツの黄葉が始まり、北極圏では初雪が降り出すころだが、日本では日差しが斜めになるぐらいで、西、東日本は残暑がまだきびしい。オランダ・アムステルダムで開催第17 回国際歯顎顔面放射線学会基調講演の2 人の座長から祝福を受ける歯 科 放 射 線 学 講 座 田 口 明 教 授 が 日 本 人 初 の 招 待 講 演本 学 研 究 チームが 新 発 見 !カーボンナノチューブは骨 の 破 壊 を 特 異 的 に 抑 制 するカーボンナノチューブ(CNT)は優れた耐久性を持つため、骨と歯の代替生体材料としての利用が期待されている。文部科学省が推進する知的クラスター創成事業(2002年度~)の一環として、本学(代表小澤英浩研究科長)は、信州大学医学部(齋藤直人教授)、信州大学工学部(遠藤守信教授)と共同して、CNTの生体材料として利用する研究を進めてきたが、このほどCNTに骨破壊を抑える作用があることを発見した。骨は生涯にわたり作りかえられている。破骨細胞が古い骨を破壊・吸収し、骨芽細胞が新しい骨を作る。通常は両細胞のバランスが取れているが、歯周病や骨粗鬆症では、破骨細胞の働きが過剰になるために骨量は減少する。これらの疾患では、破骨細胞の働きを抑制することが、治療の一翼を担う。今回、大学院硬組織疾患制御再建学講座の研究グループ(代表・高橋直之教授)は、CNTは破骨細胞に特異的に取り込まれ、破骨細胞による骨破壊を抑制することを明らかにした。破骨細胞の分化や機能を発現するためには、NFATc1 と呼ばれる必須因子が核内で働くことが必要である。破骨細胞の前駆細胞や破骨細胞に取り込まれた破 骨 細 胞 に 取 り 込 まれた CNT( 矢 頭 )破 骨 細 胞 (OC)を 多 重 カーボンナノチューブ(MWCNTs)の 存 在 下 で 象 牙 切 片 上 で 培 養 した。NC は 核 を 示 す。CNTは、NFATc1 の核内への移行を特異的に阻害することで、破骨細胞の分化と機能を抑制することが示された。一方、骨を作る骨芽細胞の機能を抑制する作用はなかった。今回の発見は、CNTの医療への応用が期待できるものと注目される。この研究成果は、米国のナノサイエンスの一流誌である『ナノ・レターズ』に掲載された。さらに同研究グループは最近、CNTが骨の石灰化を特異的に促進することも見出している。これらの発見は、信州大学工学部が高い技術を持つCNTの医学分野への応用に道を開くものと期待される。骨 を 破 壊 している 破 骨 細 胞活 性 を 失 った 破 骨 細 胞破 骨 細 胞 に 取 り 込 まれた CNT が 骨 破 壊 を 抑 制 する 機 序CNT は 骨 吸 収 に 必 須 な 因 子 NFATc1 をトラップし、 核への 移 行 を 抑 制 する。その 結 果 、 骨 破 壊 は 阻 止 される。


Campus Today Volume 24, No. 11, August 1, 2009/page 2カ ールソンの英 語 ! ! !まもなく65 回目の「終戦記念日」だ。1945年8月15 日、大日本帝国はアメリカ、イギリス、中華民国、ソ連の4カ国が発した「ポツダム宣言」を受諾して無条件降伏した。「終戦」という言葉でごまかしてはいるが、かつては無敵を誇っていた連合艦隊はほぼ全滅し、本土を防衛すべき陸海空軍の戦力もとうに失われて、全国の都市の多くは焦土と化し、まさに矢尽き刀折れた無残な敗戦だったのである。この年の6月には、沖縄が占領され、日本側では20 数万人が犠牲となった。しかもその過半数が戦闘の巻き添えとなった一般住民で、なかには日本軍に自決を強要された人たちもいたという悲惨なものであった。本土でも敵機を迎え撃つ力はほとんど失われていた。日本軍の戦闘機のレシプロ・エンジンでは、スーパーチャージャーの開発に成功して空気の薄い成層圏でもゆうゆうと飛行できる米軍の重爆撃機(B29) に対抗する能力がなく、唯一の有効手段が体当たりという状況では、敵は思うがままにどこでも攻撃できたのだ。それも軍事基地や軍需工場などばかりでなく、一般住民の殺戮を目的とした都市空襲を頻繁に行なったところに、米軍の非人道性が見える。東京は44 年11月14 日の初空襲以降106回もの空襲を受けた。なかでも45 年3月10 日の「東京大空襲」では市民の大量焼殺を図った高性能焼夷弾攻撃により、一夜にして10 万人を超える人びとが殺された。各地の都市攻撃とも共通するが、犠牲者の多くは軍事力とは無関係な女性や子ども、高齢者たちであった。東京、横浜、名古屋、大阪、神戸などの大都市が焼け野原と化した後は、地方の中小都市も次つぎと爆撃された。たとえば、筆者の故郷の群馬県伊勢崎市は織物工場ぐらいしかない平和な田舎町なのだが、終戦の前の晩に空襲されて真っ赤に燃え上がり、多数の死傷者が出た。粗末な防空壕のなかで震えていた幼時の記憶は今でも生々しい。そして8月6日には広島に、9日には長崎に原子爆弾が投下され、両市で約30 万人の命が奪われた。交戦相手の敵戦闘員への攻撃ならばいざ知らず、非武装の一般住民の殺戮は人道的には絶対に許すべからざるものだ。しかし、これが戦争というものの現実なのである。空襲で命を失わなかったとしても、家を焼かれ、親を失った子どもたちの運命は暗い。戦争が終わってからも、餓死や栄養失調による病気で仆れた戦争孤児がけっして少なくはなかった。また、父親が徴兵により強制的に戦地に送られて戦死した母子家庭の生活も苦しいものだった。筆者の父親は小さな田舎町の歯医者であったが、三度も徴兵されて消息も途絶えていた。幸いにも生き延びていて、終戦の翌年には中国から帰還できたが、母子家庭のさびしさ、食糧難時代のひもじさは痛切な記憶となって刻み込まれている。戦地での悲惨な経験、空襲で身内や財産を失った悲しみ、あるいは戦中・戦後の生活のきびしさなどを覚えている人たちは、もはや少数派となってしまった。読者の大半は「腹が減ってたまらない」という体験すら記憶にないであろう。しかしながら、戦争のそうした悲惨さを多くの国民が体験したことが、日本国憲法、とりわけ第9条の「非戦の誓い」に結晶したことを忘れてはならない。9条があったからこそ、わが国は朝鮮戦争にもベトナム戦争にも巻き込まれることなく、ひたすら平和のうちに高度経済成長を成遂げることができたのだ。すでに60 年以上にわたって、日本人は組織的に外国人を殺害したことがない。戦争で殺された日本人もいない。これがどんなにすばらしいことかは、世界の歴史や諸外国の状況から容易に理解できるだろう。これがかつての戦争での無数の犠牲者の命を代償として、わが国が得たかけがえのない「宝」なのである。国民の大半が「戦争を知らない子どもたち」になってしまった現代では、「戦争ができるのが『普通の国』だ」と主張する政治家が登場し、憲法改正が唱えられるなどの「きなくさい」動きが現れている。ソマリア近海での海賊対策を名目に、自衛隊の海外派遣も現実化した。戦争を記憶している最後の世代の1人として、若い読者諸賢にお願いしたい。「戦争」を金儲けの機会と考えるような人たちや、その尻馬に乗ったマスコミの扇動に惑わされないことをそ 。のためには、戦争の実態を知ることがなによりだ。東京大空襲については江東区の戦災資料センターや江戸東京博物館の展示、映画「ガラスのうさぎ」などをぜひ見てほしい。沖縄では、沖縄戦終焉の地となった摩文仁の丘に立つ県立平和祈念資料館やひめゆり平和祈念資料館を訪れるならば、戦争の残虐性や、軍隊がかならずしも住民を守る存在ではないことにあらためて気づくだろう。広島平和祈念資料館と長崎原爆資料館は、日本人はもとより、米国大統領として初めて核廃絶を唱えたオバマ氏をはじめとする世界の人びとにぜひとも訪れてもらいたいところだ。「9条は宝」であることを理解して、間近に迫った総選挙への対応を考えていただきたいと思う次第である。(笠原浩)「終戦記念日」を前にして主 張暑中お見舞申し上げます。今月は、トイレで見かけたアブナイサインを一つ紹介します。英語の警告に日本語訳を付けてみました。Caution, drop!注 意 : 落 とせ !Never leave絶 対 去 るな !( 永 遠にここにいなさい)Keep watch番 をせよ !転 落 の 恐 れありCaution: Your child could fall.離 れないDon't leave your child unattended.目 を 離 さないDon’t let your child out of your sight.ということですから、ぜひ気を付けて下さい。ところで日本語の注意書の意図するところを英語に訳してみました。ちょっと説明的になりますが、誤解が少ないかと思います。去る6月12 日(金)、講義館において、「医療人行動学Ⅱ」の授業の一環として、諏訪湖畔病院理事長の井口光世先生に「私の学生時代、そして今― 私の仕事―」という演題でご講演いただいた。井口先生は1986年に本学を卒業され(9期生)、口腔外科学第2講座(現口腔顎顔面外科学)助手、鶴見大学専攻生などを経て、2006年より諏訪湖畔病院理事長に就任されている。さらに今年度からは長野県特別行政嘱託員として県の医療行政にも携わり活躍されている。講演は、学生時代や口腔外科時代の話から現在の仕事内容に至るまでの豊富な経験に基づいた素晴らしい内容であった。後半では井口先生が実践されている5つの姿勢「正直」、「年上の人を敬う」、「弱い人を気遣う」、「感謝する」、「決まりを守る」初年次の授業から紹介■第2学年「医療人行動学Ⅱ」講演、テーマ研究発表会なども披露された。学生たちは興味深く聴講し、熱心にメモを取っていた。なおこの講演は、「ライフプランを考える」全3回シリーズの第3回として行われた。「ライフプランを考える」は、学生たちに自己の将来について具体的に考える機会を提供することを意図したものである。第1回は伊藤充雄先生(歯科理工学)に、第2回は宇田川信之先生(生化学)に、今まで歩まれた道についてお話しいただいた。また7月3日(金)には、図書会館学生ホールにおいて、「テーマ研究」の全体発表会を行った。この「テーマ研究」は、4~6人のグループを編成して行った。これまで学生たちは、第1学年生の科目(情報リテラシー、医療人行動学Ⅰなど)の中で、プレゼンテーションソフトを用いた発表には慣れてきているので、本授業ではあえてPCなどの電子機器を用いない「劇」による発表を課した。各グループは2学年のシラバスから5つのキーワードを抽出し、その内容を基に「劇」を構成し、発表した。分野は、臨床心理学、細菌学、歯科理工学、分子生物学など多岐にわたった。どのグループも内容を分かりやすく伝えるために、シナリオや配役などに工夫を凝らしていた。準備が十分でなかったグループもあったものの、どのグループも参加度100%の熱演で聴衆に訴えた。発表後に審査員の先生方から温かい激励の講評をいただき、長時間にわたる発表会を無事終えることができた。このように「医療人行動学Ⅱ」では、「自己表現の体得」を大きなテーマとし、学生一人ひとりを次のステージへと後押しする授業を展開している。(大学院口腔機能制御学講座金銅英二)本学は第1学年必修科目として「情報リテラシー」を08 年度より導入している。従来目標としてきたPC基礎操作スキルの習得に加え、習得した基本知識・スキルの運用能力の向上、また情報モラルについて考えることを通じ、21 世紀の医療人たる資質を身につけることを目的に、授業を展開している。本学では学内のIT環境の充実を図り、さまざまな情報を電子掲示板、Web シラバスなどで学生に提供しているが、「情報リテラシー」は、第1学年の学生に対しこれらへのスムーズな順応を促す役割も担っている従 。来、PC基礎操作スキルの指導はインストラクターが前に立ち説明しながら進める講義形式で行っていたが、今年度は学習の効率化を図るためe-learning システムを導入した。第1学年必修科目■「情報リテラシー」にe-learning 導入導入したシステムは、株式会社富士通FOMが提供しているオリジナルe-learning コースウェアのWord 2007 基礎、Excel2007 基礎、Power Point 2007基礎である。学生はヘッドセットを装着し、各々の進捗に合わせ音声ガイダンスに従って学習を進める。これにより、学生はそれぞれ自分に合った内容を、自分に合ったスピードで学ぶことが可能となる。また、ネット環境さえあればいつでもどこででも学ぶことができるため、学生たちの自発的な学びを促すことも意図している。教員はシステムに記録された各学生のシステム利用時間、学習進捗率などをいつでも確認することができる。また後期には高等教育コンソーシアム信州の遠隔講義システムを用いた情報倫理の講義も予定しており、教育内容のさらなる充実を図っている。(教育学習支援センター教授岡藤範正)豊富な経験談を話される本学9期生・井口先生審査員の前で緊張しながらも発表する学生たちe-learning システムでパワーポイントを 学 ぶ 学 生


Campus Today Volume 24, No. 11, August 1, 2009/page 3活動するナビゲーションニューロンを、頭頂葉に見出されたことについて解説いただいた。この研究結果は脳の中にナビゲーションシステムが存在することを示唆するものであり、われわれもある目的地に通い慣れた道を通っていく場合に同様の脳内システムを利用している可能性を示すものである。参加者一同が興味深く拝聴し、講演後は、このシステムの意義や障害者における脳機能など、さまざまな観点から質疑応答がなされ、非常に活気のある特別講演であった。2009年度第4回FD研修会が7月21 日(火)午後6時より本館601教室で行われた。今回のテーマは「授業改善を考える―アンケート結果から―」、「第103回歯科医師国家試験への対応」という本学にとって非常に重要なテーマである。「授業改善を考える―アンケート結果から―」では08 年度前期、後期授業終了後に行った各学年の学生による「授業評価アンケート」と、教員に対して行った「授業改善のためのアンケート」、「試験・授業に関するアンケート」の調査結果について、倉澤郁文教務部長より報告・解説が行われた。「第103回歯科医師国家試験への対応」は各科目の分析結果や共用試験から国家試験に向けての対応などについて、澁谷徹第6学年主任と音琴淳一FD委員長により示された。国家試験は4年に一度出題基準が改訂され、次回より新しい出題基準で施行される。参加した各科目担当者には詳細な各科目の分析結果、チュータには担当学生の個別指導のための資料が配布連 載 新 病 院 最 前 線 14「 歯 周 病 科 」予 防 、 治 療 、メインテナンス~ 生 涯 歯 を 残 すためのお 手 伝 い~歯周病はムシ歯とともに歯科の2大疾患に挙げられ、日本人の成人の約80% は程度の差こそあれ歯周病に罹患しています。軽度から中等度までの歯周病の場合、ほとんどが自覚症状を伴わないにもかかわらず、細菌性プラークの感染によって歯槽骨および歯肉に炎症が起こり、段階的に歯周組織が破壊されていきます。重症になると、歯と歯肉にできた深い溝(歯周ポケット)の形成と歯根を支える歯槽骨の吸収により、歯が自然に動揺し、抜けてしまいます。歯周病治療は、最初に患者さんの進行状態はもとより、お口全体の状態、さらには全身の健康状態を把握し、患者さん一人ひとりのリスクファクターを把握します。その後、主原因である細菌をしっかりと取り除き、かみ合わせのたびに歯を揺さぶる力をコントロールして歯肉の炎症を安静化させ、はがれた歯肉が再度歯根に付着するようにします(基本治療)。これと同時に、歯周組織に悪影響を及ぼす喫煙等の生活習慣や全身状態を改善する指導も行います。処置後には再評価検査を行って改善度を評価します。もし深い歯周ポケットが残っている場合は、歯肉をはがしてプラークや歯石を除去、歯周組織の再生、さらに、歯肉が痩せたり歯根の露出した歯肉を再建する歯周外科期、また、必要に応じて歯科矯正科や補綴科、あるいはインプラント科の先生と連係をとりながら、かみ合わせを回復させたり、揺れている歯をしっかり固定するためにかぶせもの(冠)や入れ歯を作る機能回復治療期を経て、再発防止のための定期的な歯周病を管理する治療、すなわちメインテナンス期まで順を追って進めていきます。歯周病は口の中の病気ですが、糖尿病や心臓血管疾患、細菌性肺炎などの全身疾患とも関連性があることが明らかになってきています。つまり、歯周組織が健康であることは、全身の健康維持の近道なのです。特に今後の超高齢社会においては、天然歯を保存して一生涯自分の歯を1本も失わないで健康な口特別講演は泰 たいら羅雅登先生の「脳の中のナビゲーションシステム」第68 回<strong>松本歯科大学</strong>学会(総会)授業改善を考え、歯科医師国家試験への対応を検討第4回FD研修会された。また、「学習支援~学習者の学びを支援する~」と題して、本学学生の学習支援をする上での課題や背景について瀬村江里子助教が説明した。各講座主任、科目担当者、各学年担当者、6年生チュータ、関連事務職員など約80 人が参加し、事後アンケートでは「有意義な会であった」との回答が7割以上を占め、たいへん好評であった。次回の第5回FD研修会は8月7日(金)、8日(土)の両日にわたり、「コーチング技能習得のためのワークショップ」と題して、日本歯科大学病院総合診療科・仲谷寛准教授、同・大澤銀子講師により行われる。(教育学習支援センター教授岡藤範正)腔を維持する事が理想です。これには、予防、治療終了後のメインテナンスが重要ですが、当院では特別専門外来のお口の健康科がそのサポートをしています。歯周病科はお口の健康科とも密に連携して、歯をなくさないで長持ちさせる歯科的健康達成に今後とも貢献してまいります。(歯科保存学第1講座教授吉成伸夫)初 診 時 91 歳 の 男 性 の 口 腔 内 写 真治 療 後 3 年 経 過 のメインテナンス 時 (95 歳 )歯 周 病 治 療 により 口 腔 内 は 健 康 を 取 り 戻 している特別専門外来で診療する吉成教授(左)韓 国 より 歯 学 部 進 学 希 望 者 が 来 学― 明 るいキャンパスがとても 気 にいりました ! ―第68 回<strong>松本歯科大学</strong>学会の評議員会・総会は7月11 日(土)、講義館201教室で開かれ、決算、予算、事業計画などが原案どおり承認された。学会誌配布は、会費未納2年(従来は4年)で中止することとなった。学術大会は、一般講演では研究、臨床、教育分野にわたり11 演題が発表され、いずれも活発な質疑応答が行われた。また特別講演には、日本大学大学院一行は24 日夕に大学到着後、中国料理レストラン「スターダスト」での歓迎晩餐会に出席し、川原一祐学監、矢ヶ﨑裕法人主事、宮沢裕夫病院長、長谷川博雅歯学部長、吉澤英樹教養部長、韓国人在学生や大学関係者と交流を深めた。冒頭のあいさつで川原学監は「勉強とは苦しいものだが、楽しんで取り組めば苦しいと思うことはない」と話し、一行は共感していた。また、韓国出身の在学生からカリキュラムや生活環境、留学生活留学生募集の一環として7月24 日(金)・25 日(土)の両日一日体験入学を開催し、進学希望の学生およびご父母が参加した。のアドバイスなどの説明を受け、参加者は夜遅くまで熱心に在学総合科学研究科教授で日本大学医学部応用システム神経科学分野教授の泰羅雅登先生をお招きし、「脳の中のナビゲーションシステム」と題するお話をしていただいた。泰羅先生は東京医科歯科大学歯学部をご卒業された歯科医師でもあるが、現在は日本における脳科学研究の一人者で、文部科学省特定領域研究「統合脳・高次脳機能」の研究計画班員を務められている。また、最近はメディアにも数多く取り上げられており、本講演でも、脳科学監修を手がけられておられるテレビドラマ「Mr.Brain」の1シーンを紹介されながら、ヒトの脳機能を観察するfunctionalMRIについて説明された。さらに、近年行っておられるサルを用いた画期的な実験から、バーチャルな世界をサルが目的地に向かうときに、その道筋に沿った文脈に関係して生と語り合っていた。参加者の一人は「広々とした明るいキャンパスがとても気に入りました。在学中の韓国の学生からキャンパスライフについて詳細に教えていただき、また、私の将来の夢についても熱心に聴いていただいた。とても感謝しています。私は今、高校の2年生ですが2年後にはぜひ<strong>松本歯科大学</strong>を受験してみたいと思いました」と話してくれた。一行はキャンパスインに宿泊、学生食堂での朝食など学生生活を模擬体験した。翌25 日は創立30 年記念棟3階の「常念岳」の間において入試説明会が開かれ、長谷川歯学部長より入試日程などの説明が行われた。学生や父母からは受験方法などについての質問が多数寄せられた。次いで学内見学に移り、新病院、講義館、実習館や総合歯科医学研究所などを見学、あいにくの雨混じりの天候であったが、一行は最先端の設備を有した学内施設や自然豊かなキャンパスに感銘を受け、帰国の途についた。泰 羅 先 生 による 特 別 講 演実 習 室 を 見 学 する 一 行留学生募集の一環として一日体験入学を開催大 学 正 面 玄 関 で 本 学 関 係 者 と 記 念 撮 影 する 韓 国 の 高 校 生 ら

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