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大学の講義棟における災害時避難に関する一考察 ... - 日本地震工学会

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日 本 地 震 工 学 会 論 文 集 第 11 巻 、 第 1 号 、2011大 学 の 講 義 棟 における 災 害 時 避 難 に 関 する 一 考 察北 島 徹 也 1) 、 伊 津 野 和 行 2) 、 八 木 康 夫 3) 、 大 窪 健 之4)1) 非 会 員 西 日 本 電 信 電 話 株 式 会 社 ( 研 究 当 時 、 立 命 館 大 学 大 学 院 生 ) 工 修e-mail :kitajima.tetsuya@hokuriku.ntt-west.jp2) 正 会 員 立 命 館 大 学 理 工 学 部 教 授 博 ( 工 )e-mail : izuno@se.ritsumei.ac.jp3) 正 会 員 関 西 学 院 大 学 総 合 政 策 学 部 教 授 博 ( 工 )e-mail :yagi567@kwansei.ac.jp4) 非 会 員 立 命 館 大 学 理 工 学 部 教 授 博 ( 工 )e-mail : okubo-t@se.ritsumei.ac.jp要 約大 学 の 講 義 棟 は、 多 人 数 が 同 時 に 滞 在 する 施 設 であり、 曜 日 や 時 間 帯 によって 利 用 状 況 は変 化 する。 本 研 究 は、 市 販 の 避 難 シミュレーションソフトウェアによって 講 義 棟 から 外 へ避 難 する 状 況 について 検 討 し、 災 害 時 の 安 全 性 向 上 への 基 礎 資 料 を 提 供 とすることを 目 的とした。その 結 果 、 避 難 状 況 は 効 率 ごとに3 段 階 に 分 けられ、それぞれの 時 間 を 短 くする 対策 が 必 要 であることを 示 した。 避 難 誘 導 だけでは 効 果 が 低 い 結 果 となったため、 物 理 的 な対 策 も 重 要 であることが 明 らかとなった。キーワード: 避 難 シミュレーション、 避 難 誘 導 , 大 学 キャンパス1.はじめに地 震 災 害 や 火 災 が 発 生 すれば、その 場 所 に 居 合 わせた 人 々はその 場 所 固 有 の 条 件 の 下 で 避 難 を 余 儀 なくされるため、その 場 所 特 定 の 避 難 計 画 が 必 要 である。 避 難 計 画 を 考 える 上 では、その 場 所 固 有 の 条 件下 での 避 難 行 動 をできるだけ 正 確 に 把 握 し、その 危 険 性 を 評 価 することが 重 要 である。災 害 時 における 避 難 に 関 するシミュレーションによる 研 究 は、 近 年 、 計 算 機 能 力 の 向 上 にともなってその 数 が 増 えてきている。2000 年 以 降 の 十 年 に 限 っても、 設 定 したセルの 状 態 を 時 系 列 的 に 変 化 させていくセルオートマトン 系 の 方 法 1-3) 、DEMやポテンシャル 法 により 人 の 流 れを 物 理 法 則 を 主 体 に 検 討 する方 法 4-7) 8-18)、エージェントモデルを 利 用 して 人 の 動 きを 表 現 する 方 法 等 がある。 津 波 、 洪 水 、 火 災 といった 災 害 に 対 する 都 市 の 安 全 性 を 向 上 させるためには、 避 難 実 験 の 実 施 が 安 全 上 難 しいことから、 過 去の 災 害 の 検 証 や 将 来 の 災 害 対 策 の 検 討 に、 今 後 ますますシミュレーションによる 検 討 例 が 増 えていくものと 考 えられる。一 方 、 大 学 キャンパスの 防 災 に 関 する 研 究 としては、 教 室 配 当 方 法 や 緊 急 地 震 速 報 の 利 用 法 の 検 討 など 19-25) があるが、 企 業 のBCPに 関 する 積 極 的 な 研 究 に 比 べると、さほど 活 発 に 行 われているとは 言 えない。 大 学 キャンパスは 学 生 や 教 員 以 外 にも 様 々な 人 々が 行 き 来 する 場 であり、その 安 全 性 向 上 は 重 要 な課 題 である。また、 大 学 構 内 には 実 験 室 や 食 堂 があり、 地 震 が 発 生 すれば 火 災 などの 二 次 災 害 がが 発 生- 72 -


することも 想 定 され、 避 難 について 平 常 時 から 検 討 しておくことが 望 まれる。このような 背 景 のもと 本 報 告 では 一 例 として、 立 命 館 びわこ・くさつキャンパスの 講 義 棟 を 対 象 に、避 難 シミュレーションを 行 った。 従 来 の 研 究 は、シミュレーション 手 法 の 開 発 に 主 眼 がおかれたものが多 いが、ここでは 主 にシミュレーションの 適 用 と 結 果 について 検 討 するものとした。その 結 果 に 基 づき建 物 の 改 善 ・ 改 修 、 避 難 誘 導 や 使 用 教 室 の 割 り 当 てなどが、 避 難 状 況 にどのような 効 果 があるかについて 検 討 した 結 果 について 報 告 する。地 震 直 後 に 大 勢 の 学 生 がいっせいに 屋 外 へ 出 ることは 危 険 を 伴 う。そのため、 授 業 中 に 大 地 震 が 発 生した 場 合 には、 教 員 が 中 心 となって 全 員 を 落 ち 着 かせることが 肝 要 であろう。しかし、 大 地 震 時 には 種 々の 想 定 外 な 出 来 事 が 出 現 し、 全 員 を 建 物 外 へ 速 やかに 避 難 させねばならないことや、あるいは 学 生 たちが 勝 手 に 外 へ 出 てしまう 事 態 も 考 えられる。その 際 、どのような 状 況 になり、 何 分 程 度 で 全 員 が 外 に 出ることができるのか 事 前 に 把 握 しておくことは、 今 後 の 震 災 対 策 策 定 に 向 けた 基 礎 情 報 として 有 用 だと考 えられる。 本 報 告 ではこのような 前 提 のもと、 建 物 内 の 人 間 を 出 口 から 全 員 避 難 させるというシミュレーションを 行 った。2. 対 象 とする 建 物 のモデル 化本 研 究 では、 日 常 多 くの 学 生 が 利 用 し、 授 業 間 の 休 み 時 間 に 混 雑 が 見 られる 講 義 棟 ( 図 1)を 対 象 に 避難 シミュレーションを 行 った。 対 象 建 物 は1994 年 建 設 の3 階 建 て、24 部 屋 、 延 床 面 積 5055.82m 2 である。各 階 の 平 面 図 を 図 2に 示 す。1 階 は 定 員 84 名 の 部 屋 が12 室 、2 階 と3 階 は 定 員 215 名 の 部 屋 がそれぞれ6 室 ずつある。 階 段 は 左 右 端 にそれぞれ 設 置 されている( 階 段 A, 階 段 Bと 表 示 )。エレベーターも 設 置 されているが、 本 研 究 ではエレベーターを 使 っての 避 難 は 考 えないことにした。また2 階 と3 階 の 左 右 端 にある非 常 口 も 使 わないこととし、1 階 左 右 端 の 出 口 Aと 出 口 Bを 使 用 することとした。 建 物 の 特 徴 は 以 下 のとおりである。・ 多 くの 授 業 が 行 われており、 多 人 数 が 使 用 しているが、 災 害 時 に 注 意 を 要 する 実 験 機 器 や 薬 品 はない。・ 廊 下 が 直 線 的 で 建 物 の 両 端 に 階 段 、 出 入 口 がある 為 、 経 路 は 迷 わず 避 難 できると 考 えられる。・ 机 、 椅 子 が 固 定 されている 為 、 教 室 から 廊 下 に 出 にくい 面 がある。 逆 に、 机 や 椅 子 が 散 乱 して 避 難 を妨 げることはない。50cm人50cmアークノード50cm50cm図 1 講 義 棟 外 観 写 真図 3 ノードとアーク (a) 1 階図 2 講 義 棟 平 面 図(b) 2 階 および3 階- 73 -


・ 授 業 前 後 の 時 間 では 階 段 、 扉 の 付 近 が 多 くの 人 で 混 み 合 っている。避 難 シミュレーションは、 市 販 のソフトウェアbuilding EXODUS 26) を 使 用 した。 本 ソフトウェアでは、図 3のように 人 の 専 有 面 積 を50cm×50cmのノードと 呼 ばれる 正 方 形 でモデル 化 し、 各 ノードをアークと呼 ばれる 線 で 結 んで 人 の 移 動 可 能 方 向 を 表 現 している。1つのノードには、 同 時 に1 人 しか 存 在 し 得 ず、人 はアークに 沿 って 移 動 する。 人 の 移 動 速 度 は、 避 難 安 全 検 証 法 に 関 する 告 示 27) で 定 められている 学 校における 階 段 以 外 の 歩 行 速 度 78m/ 分 (=1.3m/s)を 参 考 に、 多 少 幅 を 持 たせて1.2~1.5m/sを 乱 数 で 与 えることにした。 移 動 方 向 は 設 定 した 出 口 に 向 かうものとした。4 章 でも 述 べるが、 本 ソフトウェアは 最 初 からそれぞれの 人 が 出 て 行 く 出 口 を 指 定 しなければならないという 制 約 がある。したがって、 混 雑 具 合 に 応 じて 途 中 で 出 口 を 選 択 し 直 すということはできない。そのため、 本 シミュレーションは、 当 初 から 逃 げる 出 口 を 本 人 が 決 めている 場 合 の 結 果 を 示 すことになり、途 中 で 経 路 変 更 する 場 合 に 関 する 考 察 は 今 後 の 課 題 としたい。固 定 されている 机 は 障 害 物 として 扱 い、そこには 図 3のノードを 設 定 しない。その 他 の 通 路 や 階 段 と 教室 すべてにノードを 設 定 した。なお、 通 常 、 図 2(a)の 左 側 出 口 Aの 扉 は 同 時 に2 人 、 右 側 出 口 Bの 扉 は 同 時 に1 人 が 通 れるように 扉 が 開けてあるので、シミュレーションでもその 条 件 とした。また、 図 2(b)の2 階 および3 階 の 右 側 階 段 Bは 非 常口 として 設 定 されており、 廊 下 から 階 段 Bに 出 るには 鉄 の 内 扉 を 開 ける 必 要 がある。この 扉 は 同 時 に1 人通 れるものと 設 定 した。 各 教 室 には 前 後 2カ 所 に 出 口 があり、それぞれ 同 時 に1 人 通 れるものとした。3. 現 状 に 対 する 避 難 シミュレーションシミュレーションを 行 うに 際 し、まず 学 生 に 対 してアンケート 調 査 を 行 った。 実 験 対 象 講 義 棟 で 実 際に 受 講 している 学 生 に 授 業 後 に 回 答 してもらい、その 場 で 回 収 した。 内 容 は 講 義 棟 の 講 義 室 を 含 むさまざまな 場 所 にいる 場 合 に、 両 端 2 箇 所 にある 階 段 や 扉 のどちらへ 逃 げるかを 問 うものである。 計 85 人 から得 られたアンケート 結 果 の 傾 向 を 以 下 に 示 す。・ 避 難 方 向 としては、 今 いる 場 所 から 近 い 階 段 や 扉 からの 避 難 がほとんどである。しかし、4~7%は 他方 向 を 答 える 学 生 がいた。・ 同 じ 距 離 に2つの 扉 がある 場 合 においては、キャンパスのメインストリート 側 ( 図 2の 左 , 出 口 A)に多 くの 人 が 避 難 する 傾 向 にある。これは 普 段 メインストリート 側 を 使 っている 学 生 が 多 いため、 慣 れている 方 向 に 逃 げる 傾 向 があるためだと 考 えられる。この 調 査 は 平 常 時 に 聞 いた 意 見 のため、 災 害 時 の 行 動 とは 差 があるものと 考 えられるが、 特 異 な 結 果でもないと 考 えられる。よって、 各 部 屋 から 近 い 方 の 階 段 もしくは 扉 を 使 用 し、2 階 と3 階 の 中 央 の 部 屋からは 半 分 ずつ 左 側 出 口 Aと 右 側 出 口 Bから 避 難 する、という 状 況 をまず 基 本 ケースとして 設 定 した。そして、2 階 と3 階 の 中 央 の 部 屋 からは、すべてメインストリート 側 の 出 口 Aから 避 難 するケースを、 次 章で 検 討 することとした。この 講 義 棟 の 使 用 状 況 を 調 べると、2009 年 度 にもっとも 受 講 人 数 が 多 かったのは、 月 曜 午 前 10:40からの 講 義 時 間 で1663 名 であった。この 時 間 帯 の 教 室 配 当 と 受 講 人 数 は 図 4のようになっており、この 条 件 ( 現状 ケースとする)の 下 で 避 難 シミュレーションを 行 った。また、 最 も 条 件 の 厳 しいケースについても 検討 するため、 各 部 屋 の 定 員 (1 階 は 各 84 名 、2 階 と3 階 は 各 215 名 )いっぱい 人 が 入 っているという 条 件 ( 人数 最 大 ケースとする)でもシミュレーションを 行 った。これは、 現 状 ケースでは 教 室 利 用 状 況 が 不 規 則なため、 均 等 に 各 部 屋 が 利 用 されている 場 合 の 避 難 状 況 について 検 討 するためである。図 5に 現 状 ケース、 図 6に 人 数 最 大 ケースの 避 難 完 了 率 の 時 間 変 化 を 示 す。それぞれ、 全 体 の 避 難 完 了率 に 加 え、そのうち 出 口 Aを 使 った 人 と 出 口 Bを 使 った 人 のグラフも 表 示 した。避 難 完 了 時 間 は、 図 5に 示 した 現 状 ケースでは23 分 、 図 6に 示 した 人 数 最 大 ケースでは48 分 であった。どちらの 図 も、 時 間 経 過 に 伴 って 傾 きが2 回 変 化 していることがわかる。 最 初 の 数 分 ( 図 5で3 分 、 図 6で8分 )が 一 番 傾 きが 大 きく、これを 図 ではⅠ 期 とした。 次 に 少 し 傾 きの 小 さな 時 間 ( 図 5で19 分 まで、 図 6で40 分 まで)が 続 くので、これをⅡ 期 とした。 最 後 の 数 分 はもっとも 傾 きが 小 さく、これをⅢ 期 とした。- 74 -


43 37 55 74 12 10111 136 840 16 26 35 0 0167 126 0(a) 1 階(b) 2 階127 97 1420 126 239数各 教 室 を 使 用 する 講 義の 受 講 登 録 人 数(c) 3 階図 4 現 状 ケースにおける 各 教 室 の 人 数 配 分100100避 難 完 了 率 (%)80604020全 体Ⅰ 期 出 口 A Ⅱ 期 Ⅲ 期出 口 B避 難 完 了 率 (%)80604020全 体Ⅰ 期 出 口 A Ⅱ 期 Ⅲ 期出 口 B00 5 10 15 20 25時 間 ( 分 )図 5 現 状 ケースにおける 避 難 完 了 率00 10 20 30 40 50時 間 ( 分 )図 6 人 数 最 大 ケースにおける 避 難 完 了 率Ⅰ 期 で1 階 の 人 がすべて 避 難 完 了 しているため、Ⅰ 期 の 継 続 時 間 は1 階 にいた 人 の 数 で 決 まることになる。Ⅲ 期 は2ヶ 所 の 出 口 のうち、1ヶ 所 からの 避 難 が 完 了 し、 残 りの1ヶ 所 からのみ 避 難 している 期 間 である。図 5と 図 6を 比 較 すると、 人 数 の 違 いによって 時 間 の 違 いはあるが、グラフの 傾 向 は 同 じでほぼ 相 似 形だということがわかる。 教 室 配 当 の 不 規 則 さは、 結 果 にほとんど 影 響 していない。これは、 階 段 や 出 口ですぐに 混 雑 が 生 じるため、 各 出 口 から 避 難 する 人 の 割 合 がほぼ 等 しければ、 初 期 の 段 階 において 教 室から 出 口 もしくは 階 段 までの 距 離 の 影 響 は 小 さいためだと 考 えられる。出 口 Bは 同 時 に1 人 しか 通 れないため、 最 初 から 最 後 まで 常 に 一 定 の 傾 きで 人 が 避 難 していることがわかる。それに 対 して 出 口 Aは 同 時 に2 人 避 難 できるようになっているため、Ⅰ 期 とⅡ 期 とで 傾 きが 変 わっており、Ⅱ 期 で 避 難 が 終 了 している。シミュレーション 結 果 を 詳 しく 見 ると、 出 口 AではⅠ 期 とⅡ 期 とで 次 のようなことが 起 きていた。Ⅰ 期 では、1 階 の 人 と 上 階 から 降 りてきた 人 とがほぼ 同 時 に2 人 ずつ 避難 していた。Ⅱ 期 では、1 階 の 人 が 出 口 Aから 出 終 わり、 上 階 の 人 が 階 段 室 で 混 雑 して、 出 口 Aの2 人 分 のスペースの1つに 回 り 込 むのに 多 少 の 時 間 がかかり、 同 時 には1 人 しか 出 ていない 状 況 も 見 られた。そのため、Ⅰ 期 では 出 口 Aから2 人 、 出 口 Bから1 人 が 同 時 に 出 てもっとも 効 率 よく 避 難 し、Ⅱ 期 では 出 口 Aからも 出 口 Bからもほぼ1 人 ずつが 避 難 、そしてⅢ 期 では 出 口 Bからのみ1 人 ずつ 避 難 が 継 続 していた。本 シミュレーションでは、2 章 で 述 べたように1.2~1.5m/sで 人 が 動 くこと 想 定 している。 図 3に 示 した1m×1mのノードが 出 口 にも 設 定 されており、 出 口 を 通 過 するのに2m 動 くとすると、ここを1 分 間 に 通 過する 人 数 は60 秒 ÷2m×(1.2~1.5)m/s=36~45 人 となる。 図 5のケースで 出 口 Aについて 調 べると、Ⅰ 期 で平 均 72 人 / 分 、Ⅱ 期 で38 人 / 分 が 外 へ 出 ていた。 一 方 、 出 口 BではⅠ~Ⅲ 期 を 通 じて 平 均 36 人 / 分 であった。Ⅱ 期 においては 出 口 Aと 出 口 Bの 平 均 的 な 通 過 人 数 があまり 変 わらず、 前 述 の 通 り、 出 口 Aから 同 時 に2- 75 -


人 外 へ 出 ることができるという 利 点 があまり 活 かされていない。また、グラフが 各 期 間 ごとにほぼ 線 形 になっていることより、 出 口 を 通 過 するのに 要 する 時 間 がわかれば、 避 難 完 了 時 間 がわかる。 本 シミュレーションの 対 象 建 物 のような 単 純 な 構 造 において、 階 段 や 廊下 等 で 混 雑 が 発 生 する 状 況 では、 避 難 完 了 時 間 は 出 口 の 通 過 時 間 にほぼ 支 配 されるものと 考 えられる。出 口 を 通 過 するのに 要 する 時 間 は、 人 が 動 く 速 度 ( 本 計 算 では1.2~1.5m/s)と 出 口 を 通 過 するために 歩く 長 さ( 本 計 算 では2m)から、ほぼ 計 算 できることになる。Ⅰ 期 、Ⅱ 期 、Ⅲ 期 のうち、Ⅱ 期 が 最 も 時 間 のかかる 結 果 となっている。またⅢ 期 は 出 口 Bからしか 避難 していない。このため、すべての 出 口 からの 避 難 を 均 等 にし、すべての 出 口 からの 避 難 をほぼ 同 時 に完 了 させⅢ 期 をなくす、Ⅰ 期 を 短 くし1 階 の 人 を 早 く 避 難 させる、Ⅱ 期 を 短 くし2、3 階 の 人 を 早 く 避 難 させることが 改 善 案 として 効 果 的 であると 考 えられる。 経 過 時 間 と 避 難 完 了 人 数 の 関 係 を 示 したグラフの傾 きを 大 きくすることが、 短 時 間 で 多 くの 人 数 を 救 えることになり、グラフの 傾 きを 大 きくできるような 改 善 案 が 必 要 になってくる。特 にⅡ 期 でグラフの 傾 きが 小 さいのは、 階 段 や 踊 り 場 で 人 が 密 集 しており、スムーズに 避 難 することができていないためである。 火 災 の 場 合 は 煙 の 充 満 、また 地 震 の 場 合 は 余 震 の 恐 れもあり、できるだけ早 くてスムーズな 避 難 行 動 が 必 要 になってくる。また、 避 難 完 了 時 間 は 出 口 Bでの 避 難 完 了 で 決 まっているため、 出 口 Bの 改 善 や、 出 口 Bに 避 難 している 人 を 出 口 Aに 誘 導 することが 有 効 であるとも 考 えられる。なお、 広 域 を 対 象 とした 避 難 の 場 合 には、Ⅰ 期 の 前 半 にもう 少 し 傾 きが 小 さい 時 間 がしばらく 見 られる例 えば18) 。 最 初 の 人 が 避 難 完 了 するまでに 時 間 がかかり、その 後 もしばらくは 足 の 速 い 少 人 数 しか 避 難完 了 しないという 時 間 が 存 在 するためである。しかし 本 対 象 講 義 棟 の 場 合 、 講 義 室 から 出 口 までの 距 離が 短 いため、 本 シミュレーションではそのような 時 間 がほとんど 存 在 せず、 最 初 から 出 口 で 混 雑 が 発 生する 結 果 となっており、これは 大 学 施 設 を 対 象 としたシミュレーション 結 果 の 特 徴 の 一 つと 言 える。4. 避 難 誘 導 効 果 に 関 する 検 討次 に、 前 章 の 結 果 を 改 善 するため、 避 難 誘 導 の 効 果 について 検 証 することとした。 出 口 Bに 避 難 している 人 を、 広 い 方 の 出 口 Aへ 誘 導 することで、どの 程 度 結 果 が 改 善 できるか 検 討 した。 前 章 に 示 した 学生 へのアンケート 結 果 でも、2 階 と3 階 の 中 央 の 部 屋 からは、メインストリート 側 の 出 口 Aへ 逃 げると 回答 した 学 生 が 多 かった。よって、2 階 と3 階 の 中 央 の 部 屋 からは、 何 かあれば 出 口 Aへ 逃 げるようにという 指 示 を 普 段 からしておくことにより、 非 常 時 にも 出 口 Aから 逃 げるように 誘 導 することは 実 現 性 が 高い 手 段 であると 考 えられる。そこで、2 階 と3 階 の 中 央 の 部 屋 からは、 半 分 ずつ 出 口 Aと 出 口 Bに 向 かっていた 現 状 ケースに 対 し、すべて 出 口 Aに 向 かうよう 誘 導 したケースのシミュレーションを 行 った。 人 数は、 現 状 ケースと 同 じにした。その 結 果 の 避 難 完 了 率 を、 現 状 ケースと 比 較 したグラフを 図 7に 示 す。 誘 導 することによって、Ⅱ 期 を短 くすることはできたが、かえってⅢ 期 が 長 くなって 最 終 的 な 避 難 完 了 までは 時 間 がかかる 結 果 となった。 誘 導 したケースの 詳 細 を 図 8で 見 てみると、 約 16 分 で 出 口 Bの 避 難 が 先 に 完 了 し、 現 状 ケースとは 逆に 出 口 Aからの 避 難 が 最 後 まで 続 く。 教 室 の 使 用 状 況 は 曜 日 や 時 間 ごとに 変 化 することもあり、この 誘導 方 法 が 効 果 のある 場 合 もあると 考 えられる。しかし、このように 逆 効 果 になることもあるため、 前 もって 避 難 方 向 を 決 めておくことが 有 効 だとは 言 えない 結 果 となった。今 回 使 用 したソフトウェアでは、 最 初 に 設 定 した 出 口 に 向 かって 避 難 するアルゴリズムになっているため、 出 口 Bの 方 がすいている 場 合 にも、 出 口 Aでの 混 雑 は 解 消 されないところに、このシミュレーションの 限 界 があるのも 事 実 である。しかしながら、 非 常 時 に 他 方 の 出 口 の 混 雑 状 況 はわかりにくいことも考 えられるため、 避 難 誘 導 に 対 する 過 度 の 期 待 はできないということは 言 える。よって 次 に、 出 口 での混 雑 改 善 について 物 理 的 な 対 策 を 検 討 することとした。なお、 出 口 の 途 中 変 更 による 影 響 は、 混 雑 の 偏 在 を 緩 和 するという 長 所 と、 新 たな 避 難 の 流 れを 生 じさせるという 短 所 がある。 前 者 については、 本 シミュレーション 結 果 を 基 に 考 えておけば 安 全 側 の 評 価となる。 後 者 については、 新 たな 人 の 流 れがスムーズな 避 難 を 妨 げかねないことが 懸 念 される。 今 後 、他 の 手 法 によるシミュレーションも 検 討 したい。- 76 -


100100避 難 完 了 率 (%)80604020現 状誘 導避 難 完 了 率 (%)80 Ⅰ 期 Ⅱ 期 Ⅲ 期604020全 体出 口 A出 口 B00 5 10 15 20 25 30時 間 ( 分 )図 7 誘 導 したケースと 現 状 との 比 較00 5 10 15 20 25 30時 間 ( 分 )図 8 誘 導 したケースの 詳 細図 9 出 口 A図 10 内 扉100避 難 完 了 率 (%)80604020現 状扉 開 放ノード 外 へ 出 ることができるノード(a) 現 状(b) 扉 開 放図 11 内 扉 の 開 放00 5 10 15 20 25時 間 ( 分 )図 12 扉 を 開 放 したケースと 現 状 との 比 較5. 扉 改 善 効 果 に 関 する 検 討ここでは、 容 易 に 実 行 可 能 な 対 策 として、 扉 の 開 放 による 避 難 時 間 の 改 善 について 考 察 する。 図 2(a)の1 階 平 面 図 において、 左 側 の 出 口 Aは、 図 9のように 常 時 2 人 が 同 時 に 出 ることができるようになっている。これは、4 枚 の 扉 のうち 常 時 2 枚 が 開 けられているためであり、これを 常 時 4 枚 開 けていれば、 実 験 により 同 時 に6 人 は 通 れるようになることが 明 らかとなった。また、 図 2(a) 右 側 の 出 口 Bは、 同 様 に2 枚 の 扉のうち 常 時 1 枚 が 開 けられているため、これを2 枚 開 けておけば3 人 は 通 れるようになった。 図 2(b)の2 階 ・3 階 平 面 図 の 右 側 、 階 段 Bに 出 るための 内 扉 は 図 10のようになっており、これは 同 時 に1 人 しか 出 ることができない。ここを 改 良 して 同 時 に3 人 通 れるようにすれば、かなりの 改 善 が 図 れると 考 えられる。以 上 の 実 験 結 果 をふまえ、 同 時 に 外 へ 出 られる 人 数 を、 出 口 Aで2 人 から6 人 、 出 口 Bで1 人 から3 人 、 内扉 で1 人 から3 人 にそれぞれ 増 やしたモデルを 作 成 した。 図 11は、 図 10の 内 扉 を 改 良 したことを 想 定 した- 77 -


モデル 図 であり、 図 11(a)の 現 状 モデルでは1つの 赤 いノードからしか 外 へ 出 られなかったものを、 図 11(b)のように、3つの 赤 いノードから 外 へ 出 られるように 設 定 した。 出 口 Aと 出 口 Bも 同 様 である。シミュレーションの 人 数 、 使 用 教 室 、 避 難 方 向 は 現 状 の 避 難 シミュレーションと 同 じとする。図 12にシミュレーション 結 果 を 示 す。 避 難 完 了 時 間 は23 分 から12 分 へと 半 減 した。このことから、 出口 や 内 扉 で 同 時 に 外 へ 出 られる 人 数 を3 倍 にしても、グラフの 傾 きは 単 純 に3 倍 にならず、 完 了 時 間 も1/3ではなく1/2にしかならないことがわかった。これは 階 段 や 踊 り 場 、 扉 に 向 かう 廊 下 で 混 雑 が 発 生 し、スムーズに 扉 までたどり 着 けていないためである。Ⅰ 期 は 約 3 倍 の 傾 きになるが、Ⅱ 期 が3 倍 にならない。これは3 章 で 述 べた 状 況 と 同 じ 理 由 からである。ともあれ、 前 章 の 避 難 誘 導 対 策 と 比 べると 有 効 性 は 高 く、このような 単 純 な 形 状 の 建 物 の 避 難 対 策 を 考 える 場 合 、まずは 物 理 的 な 対 策 を 考 えることが 優 先 されるべきであることが 明 らかとなった。6. まとめ本 報 告 は、 大 学 キャンパスの 講 義 棟 から 災 害 時 に 避 難 する 場 合 の 状 況 について、シミュレーションにより 基 礎 的 な 検 証 を 行 ったものである。 本 研 究 で 得 られた 結 果 は 以 下 の 通 りである。1) 避 難 は 効 率 の 変 化 から 大 きくⅠ 期 、Ⅱ 期 、Ⅲ 期 に 分 けることができた。 避 難 効 率 を 向 上 させるためには、すべての 出 口 からの 避 難 を 均 等 にし、すべての 出 口 からの 避 難 をほぼ 同 時 に 完 了 させⅢ 期 をなくす、Ⅰ 期 を 短 くして1 階 の 人 を 早 く 避 難 させる、Ⅱ 期 を 短 くして 上 階 の 人 を 早 く 避 難 させることが 改善 案 として 効 果 的 であると 考 えられる。2) 本 研 究 で 扱 った 講 義 棟 のように 単 純 な 形 状 の 建 物 では、 前 もって 避 難 方 向 を 決 めておくなどの 誘 導 対策 はさほど 効 果 がないことが 明 らかとなった。 講 義 棟 は 曜 日 や 時 間 によって 使 用 される 教 室 や 人 数 が異 なることもあり、 過 度 に 避 難 誘 導 に 頼 った 対 策 は 慎 重 にすべきである。3) 両 開 き 扉 の 全 開 放 といった 対 策 は、 結 果 として 同 時 に 外 へ 出 られる 人 数 を3 倍 に 増 やしても、 避 難 完了 時 間 は1/3にはならないものの、その 効 果 は 有 効 である。さらに 効 率 を 上 げるためには、 建 物 全 体の 避 難 ルートの 拡 幅 など 大 規 模 な 改 変 が 必 要 となることが 明 らかとなった。本 検 討 は、 比 較 的 単 純 な 形 状 の 講 義 棟 に 対 する 基 礎 的 な 検 討 であり、 今 後 、より 大 規 模 な 講 義 棟 からの 避 難 について 検 討 を 進 めていき、 大 学 キャンパス 全 体 の 災 害 安 全 性 向 上 を 図 っていきたいと 考 えている。 各 教 室 棟 の 最 適 な 人 数 規 模 の 検 討 も 必 要 である。謝 辞本 研 究 の 一 部 の 実 施 にあたっては、 科 学 研 究 費 ・ 基 盤 研 究 (B)(22310114)および 財 団 法 人 鹿 島 学 術 振興 財 団 研 究 助 成 金 の 助 成 を 受 けた。参 考 文 献1) 松 田 泰 治 , 大 塚 久 哲 , 樗 木 武 , 内 田 広 明 :セルオートマトン 法 を 用 いた 地 下 街 の 避 難 行 動 シミュレーションに 関 する 一 考 察 , 地 域 安 全 学 会 論 文 集 ,No. 2,2000 年 11 月 ,pp. 95-100.2) 辻 原 治 , 今 北 智 基 , 松 川 知 憲 , 澤 田 勉 : 避 難 訓 練 の 調 査 とCAに 基 づく 避 難 行 動 シミュレーション,土 木 学 会 地 震 工 学 論 文 集 ,Vol. 28,2005 年 8 月 , 論 文 No. 150,10 pages.3) 小 久 保 聡 , 山 本 和 弘 , 山 下 博 史 :セルオートマトンによる 火 災 時 の 避 難 行 動 のシミュレーション,日 本 機 械 学 會 論 文 集 ,B 編 ,Vol. 74,No. 748,2008 年 12 月 ,pp. 2724-2730.4) 清 野 純 史 , 土 岐 憲 三 , 犬 飼 信 広 , 竹 内 徹 : 避 難 行 動 シミュレーションに 基 づく 地 下 街 の 安 全 性 評 価 ,土 木 学 会 論 文 集 ,No. 689/I-57,2001 年 10 月 ,pp. 31-43.5) 瀧 本 浩 一 : 個 別 要 素 法 を 用 いたシミュレーションによる 避 難 時 の 車 椅 子 使 用 者 と 他 の 避 難 者 との 影響 に 関 する 一 考 察 , 日 本 建 築 学 会 環 境 系 論 文 集 , 第 566 号 ,2003 年 4 月 ,pp. 9-15.6) 杉 本 太 一 , 目 黒 公 郎 : 楕 円 形 個 別 要 素 法 を 用 いた 避 難 行 動 解 析 に 関 する 基 礎 的 研 究 , 土 木 学 会 地 震工 学 論 文 集 ,Vol. 27,2003 年 12 月 , 論 文 No. 135,4 pages.7) 西 野 智 研 , 円 谷 信 一 , 樋 本 圭 佑 , 田 中 哮 義 : 関 東 大 震 災 における 東 京 市 住 民 避 難 性 状 の 推 定 に 関 す- 78 -


る 研 究 : ポテンシャル 法 に 基 づく 地 震 火 災 時 の 避 難 シミュレーションモデルの 開 発 , 日 本 建 築 学 会環 境 系 論 文 集 , 第 74 巻 , 第 636 号 ,2009 年 2 月 ,pp. 105-114.8) 今 村 文 彦 , 鈴 木 介 , 谷 口 将 彦 : 津 波 避 難 数 値 シミュレーション 法 の 開 発 と 北 海 道 奥 尻 島 青 苗 地 区 への 適 用 , 自 然 災 害 科 学 ,Vol. 20,No. 2,2001 年 8 月 ,pp. 183-195.9) 藤 岡 正 樹 , 石 橋 健 一 , 梶 秀 樹 , 塚 越 功 : 津 波 避 難 対 策 のマルチエージェントモデルによる 評 価 , 日本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 , 第 562 号 ,2002 年 12 月 ,pp. 231-236.10) 鈴 木 介 , 今 村 文 彦 : 住 民 意 識 ・ 行 動 を 考 慮 した 津 波 避 難 シミュレーションモデル, 自 然 災 害 科 学 ,Vol. 23,No. 4,2005 年 2 月 ,pp. 521-538.11) 安 福 健 祐 , 阿 部 浩 和 , 山 内 一 晃 , 吉 田 勝 行 :メッシュモデルによる 避 難 シミュレーションシステムの 開 発 と 地 下 空 間 浸 水 時 の 避 難 に 対 する 適 用 性 , 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 , 第 589 号 ,2005 年 3 月 ,pp. 123-128.12) 齋 藤 崇 , 鏡 味 洋 史 :マルチエージェントシステムを 用 いた 津 波 からの 避 難 シミュレーション : 奥 尻島 青 苗 地 区 を 例 として, 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 , 第 597 号 ,2005 年 11 月 ,pp. 229-234.13) 大 畑 大 志 郎 , 高 井 伸 雄 , 鏡 味 洋 史 : 釧 路 市 中 心 市 街 地 における 津 波 避 難 施 設 配 置 の 評 価 : マルチエージェントシステムを 用 いた 津 波 からの 避 難 シミュレーション その2, 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 ,第 612 号 ,2007 年 2 月 ,pp. 87-91.14) 安 福 健 祐 , 阿 部 浩 和 , 吉 田 勝 行 : 避 難 シミュレーションシステムの 経 路 障 害 発 生 時 への 適 用 , 日 本建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 , 第 626 号 ,2008 年 4 月 ,pp. 721-727.15) 大 上 俊 之 , 朝 山 雄 介 , 小 山 茂 : 煙 の 影 響 を 考 慮 したトンネル 火 災 の 避 難 行 動 シミュレーション, 計算 数 理 工 学 論 文 集 ,Vol. 8,2008 年 11 月 , 論 文 No. 01-081128,6 pages.16) 大 鋳 史 男 , 小 野 木 基 裕 :セルオートマトン 法 による 避 難 流 動 のシミュレーション, 日 本 オペレーションズ・リサーチ 学 会 和 文 論 文 誌 ,Vol. 51,2008 年 12 月 ,pp. 94-111.17) 堀 宗 朗 , 宮 嶋 宙 , 犬 飼 洋 平 , 小 国 健 二 : 地 震 時 避 難 行 動 予 測 のためのエージェントシミュレーション, 土 木 学 会 論 文 集 A,Vol. 64,No. 4,2008 年 12 月 ,pp. 1017-1036.18) 渡 辺 公 次 郎 , 近 藤 光 男 : 津 波 防 災 まちづくり 計 画 支 援 のための 津 波 避 難 シミュレーションモデルの開 発 , 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 ,No. 637,2009 年 3 月 ,pp. 627-634.19) 下 村 徹 , 片 岡 裕 介 , 長 沢 泰 , 及 川 清 昭 : 大 震 災 時 における 広 域 避 難 場 所 の 利 用 の 可 能 性 東 京 大 学本 郷 キャンパスを 事 例 として, 日 本 建 築 学 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,F-1,2002 年 6 月 ,pp. 273-274.20) 平 林 泰 , 長 谷 川 旭 , 長 谷 川 聡 :ケータイ 向 けキャンパス 避 難 経 路 情 報 の 提 供 , 名 古 屋 文 理 大 学 紀 要 ,第 7 号 ,2007 年 3 月 ,pp. 57-64.21) 菊 池 徹 , 遠 田 敦 , 林 田 和 人 , 渡 辺 仁 史 : 避 難 シミュレーションによる 大 学 キャンパス 内 の 教 室 配 当の 検 討 , 日 本 建 築 学 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,E-1,2007 年 7 月 ,pp. 963-964.22) 久 田 嘉 章 , 村 上 正 浩 ら: 首 都 圏 にある 超 高 層 キャンパスの 地 震 防 災 に 関 する 研 究 (その1~8) , 日 本建 築 学 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,B-2,2007 年 7 月 ,pp. 613-626.23) 酒 井 久 和 , 山 崎 誠 , 八 木 康 夫 , 伊 津 野 和 行 , 土 岐 憲 三 : 想 定 東 南 海 地 震 に 対 する 大 学 キャンパスでの 緊 急 地 震 速 報 の 利 用 に 関 する 基 礎 的 検 討 , 日 本 地 震 工 学 会 論 文 集 , 第 8 巻 , 第 1 号 ,2008 年 2 月 ,pp.32-47.24) 久 保 智 弘 , 久 田 嘉 章 , 堀 内 茂 木 , 山 本 俊 六 : 緊 急 地 震 速 報 を 活 用 した 長 周 期 地 震 動 予 測 と 超 高 層 ビルのエレベータ 制 御 への 適 用 , 日 本 地 震 工 学 会 論 文 集 , 第 9 巻 , 第 2 号 ,2009 年 2 月 ,pp. 31-50.25) 酒 句 教 明 , 田 嶋 和 樹 , 安 達 洋 , 安 達 俊 夫 , 木 原 雅 巳 , 大 東 宗 幸 : 学 校 施 設 における 地 震 災 害 時 の 情報 伝 達 システムの 確 保 に 関 する 研 究 - 大 学 施 設 の 防 災 力 向 上 を 目 指 すための 基 礎 資 料 -, 日 本 地 震工 学 会 論 文 集 , 第 9 巻 , 第 2 号 ,2009 年 2 月 ,pp. 221-237.26) 株 式 会 社 フォーラムエイト:buildingEXODUSマニュアル,ver. 4.06,2008 年 .27) 国 土 交 通 省 : 階 避 難 安 全 検 証 法 に 関 する 算 出 方 法 等 を 定 める 件 , 建 設 省 告 示 第 1441 号 ,2000 年 5 月 .( 受 理 :2010 年 6 月 14 日 )( 掲 載 決 定 :2010 年 11 月 15 日 )- 79 -

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