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11 - 日本地震工学会

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代 後 半 からシステム 設 計 などと 組 み 合 わせ、 最 適 化 問 題 の 解 法 としての 可 能 性 が 検 討 されてきた。この 方 法は、 地 震 学 での 逆 解 析 問 題 にも 広 く 利 用 されており、 山 中 ・ 石 田 (1995) 7) はこの 方 法 を 用 いて 微 動 などの 位相 速 度 データから S 波 速 度 構 造 を 同 定 している。 本 論 文 では、 野 口 ・ 笹 谷 (2004) 8) による 遺 伝 的 アルゴリズムと 一 次 元 重 複 反 射 理 論 を 組 み 合 わせ、 観 測 スペクトル 比 と 理 論 スペクトル 比 の 差 を 最 小 とする S 波 速 度 構造 と Q 値 を 同 定 した。S 波 構 造 モデルの 同 定 では、Q 値 を 暫 定 的 に 固 定 して GA を 用 いて 層 厚 と S 波 速 度 を同 定 し、 次 に、 得 られた 最 適 な 速 度 構 造 モデルを 用 いて 再 び GA で Q 値 パラメータを 同 定 した。このような2 段 階 評 価 方 法 は、 速 度 構 造 と Q 値 を 一 度 に 同 定 すると 自 由 度 が 高 すぎて 結 果 が 安 定 しないためである。また、Q 値 の 場 合 は、Q=Q 0 ・f n (f: 周 波 数 (Hz))として、Q 0 と n のトレードオフを 避 けるため、n=0.5, 0.6, 0.7に 固 定 して Q 0 を 同 定 した。地 盤 モデルの 同 定 に 用 いた 地 震 は、S 波 の 鉛 直 入 射 の 仮 定 を 満 たすために、 震 源 の 深 さが 50km 以 深 で、 震央 距 離 が 震 源 深 さの 2 倍 以 内 の 図 4 に 示 す 22 地 震 とした。これらの 地 震 の 観 測 波 形 よりトランスバース 成 分を 抽 出 し、S 波 主 要 動 部 を 約 10 秒 間 切 り 出 した。その 波 形 の 両 端 に 10%のコサインテーパーをかけ、それぞれのフーリエスペクトルを 算 出 し 地 表 / 地 中 のスペクトル 比 を 求 めた。 図 5 に 示 すように 算 出 したスペクトル 比 からその 相 乗 平 均 を 求 め、それを 地 盤 モデルの 同 定 に 用 いるターゲットスペクトル 比 とした。なお、このスペクトル 比 は、 地 表 地 震 計 の 設 置 方 向 が+40 度 ずれていることが 判 明 しているためそれを 補 正 している( 前 田 ほか (2005) 9) )。GA を 用 いた 速 度 構 造 の 同 定 は、 次 の 拘 束 条 件 を 用 いた。まず 理 論 スペクトル 比 (R cal )と 観 測 スペクトル 比 (R obs )の 差 を misfit として 式 (1)のように 定 義 した。1⎡logR( f ) − log R( f) ⎤Nobs ical imisfit = ∑N⎢+0.5if⎥=1i⎣⎦Tdiff(1)この 中 で T diff は、 仮 定 した 速 度 モデルの 地 中 から 地 表 までの S 波 の 片 道 走 時 が 観 測 された 0.41~0.42 秒 以 外 の場 合 に 加 算 されるペナルティである。 計 算 は 乱 数 の 種 を 変 えて 5 回 行 い、その 中 の 最 小 の misfit のモデルを 最適 解 とした。 次 に、この 最 適 な 構 造 を 基 にして Q 値 を 推 定 した。Q 値 の 同 定 解 析 における misfit には 式 (2)を用 いた。 第 2 項 の W は 重 み 関 数 で、ある 層 の Q 0 がそのすぐ 上 の 層 の Q 0 より 小 さい 場 合 にのみ、その 上 の 層との 差 を misfit に 加 算 することを 示 している。misfit =1NN∑i=1log Robs( f ) − log Rical( f )i+ Wnl∑K = 2Q0k− Q0k−1(2)GA を 用 いて TKCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 の 地 盤 モデルを 同 定 した 結 果 を 図 6 に 示 した。この 結 果 は、 清 水 ・ 高井 ・ 笹 谷 (2005) 10) による 豊 頃 町 中 央 若 葉 地 区 (WKB; TKCH07 を 含 む)の 地 震 記 録 および 微 動 探 査 により 求 められた 速 度 構 造 モデル( 深 さ 400m)の 浅 部 をさらに 再 解 析 したものである。 図 6 には、ターゲットスペクトル 比 、GA により 同 定 した 速 度 層 構 造 から 求 めた 理 論 スペクトル 比 および PS 検 層 による 速 度 層 構 造 から 求 めた 理 論 スペクトル 比 を 示 している。GA により 同 定 した 理 論 スペクトル 比 は、ターゲットスペクトル 比 と 比 べて、 第 4 次 ピークまでよく 一 致 している。しかし、5Hz よりも 高 周 波 数 側 では、 若 干 の 過 大 評 価 となっている。これは、 式 (1)の misfit の 評 価 を 低 周 波 数 側 に 重 みを 置 いた 結 果 である。 一 方 、PS 検 層 の 速 度 層 構 造 から 求 めた 理 論 スペクトル 比 は、 第 4 次 ピークが 大 きくずれていることがわかる。 表 1 に 同 定 解 析 から 得 られた 速 度層 構 造 および Q 値 を 示 した。また、 図 7 には 同 定 した 速 度 層 構 造 を 示 した。Q 値 については、Q=Q 0 ・f n の 指 数 値 (n)を 0.7, 0.6, 0.5 に 固 定 して、GA による Q 0 の 同 定 を 行 った。 表 1 により、 第 1 層 ~ 第 4 層 までは、n=0.7~0.5 と 変 化 してもそれほど 定 数 値 (Q 0 )に 変 化 がなく、 第 5 層 と 第 6 層 の 変化 が 大 きいことがわかる。また、n=0.7, 0.6, 0.5 の 同 定 解 析 の misfit は、n=0.5 の 場 合 が 一 番 小 さな 値 となった。-147-


図 4 TKCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 の 地 盤 モデル 同 定 解 析 に 用 いた 22 地 震 の 震 央 位 置 とマグニチュード100Spectral Ratio (Suf./Base)1010.10.1 1 10Frequency (Hz)図 5 TkCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 における 22 地 震 による S 波 スペクトル 比 とその 相 乗 平 均 値 (●)Spectral Ratio (Suf./Base)100101TargetGA-ModelPS-Modeldepth(m)Vs(m/sec)0 200 400 600 8000PS-Model-20GA-Model-40-6000.1 1.0 10.0Frequency (Hz)図 6 速 度 層 構 造 の 同 定 結 果 を 基 に 算 出 した 理 論 スペクトル 比-80-100図 7 同 定 した 速 度 層 構 造-148-


表 1 GA を 用 いた 速 度 層 構 造 および Q 値 の 同 定 結 果観 測 点TKCH07速 度 構 造 [PS 検 層 結 果 ]Q 値層 No. S 波 速 度 層 厚(m/sec) (m)Q 0 h 0 (%) n Q 0 h 0 (%) n Q 0 h 0 (%) n1 51[80] 5.9[2.0] 4.0 12.5 4.9 10.2 6.7 7.52 102[<strong>11</strong>0] 7.1[2.0] 7.2 6.9 5.7 8.8 7.2 6.93 158[<strong>11</strong>0] 7.8[10.0] 7.2 6.9 10.3 4.9 13.4 3.70.70.64 207[200] 12[24.0] 26.1 1.9 60.7 0.8 32.4 1.50.55 347[350] 16[10.0] 140.5 0.4 147.6 0.3 53.0 0.96 700[530] 51.2[52.0] 188.1 0.3 183.3 0.3 88.1 0.6合 計 層 厚 100.0 misfit=0.01313 misfit=0.01271 misfit=0.01220これまでの GA による 解 析 結 果 から、TKCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 の 最 表 層 の S 波 速 度 は、Vs=51m/sec であり、従 来 の PS 検 層 結 果 等 で 観 測 される S 波 速 度 と 比 較 して、かなり 低 い 速 度 である。 図 3 に 示 した 治 水 地 形 分 類図 から、 本 地 点 は「 旧 湿 地 」に 分 類 され、 軟 弱 な 腐 植 土 が 分 布 していることが 示 唆 される。これを 確 認 するために、 本 地 点 でさらにサウンディング および 微 動 アレー 探 査 ( 高 井 ほか (2005) <strong>11</strong>) )を 行 っている。それらの 結 果 から、 最 表 層 に 非 常 に 軟 弱 な 腐 植 土 が 分 布 していることが 確 認 され、 微 動 アレー 観 測 においてはVs=60m/sec の S 波 速 度 が 深 度 5m まで 分 布 する 構 造 が 得 られている。4. 弱 震 時 の 線 形 地 震 応 答 解 析GA を 用 いた 同 定 解 析 より 得 られた S 波 速 度 構 造 モデルおよび Q 値 モデルを 用 いて 弱 震 動 時 の 線 形 地 震 応答 解 析 を 行 い、 同 定 結 果 の 有 効 性 を 検 証 する。線 形 地 震 応 答 解 析 は、 一 次 元 重 複 反 射 理 論 に 基 づいた 応 答 計 算 プログラム DYNEQ( 吉 田 ・ 末 富 (2003) 12) )を 用 いた。 線 形 計 算 の 場 合 、 計 算 パラメータは、 地 盤 層 構 造 モデルとして S 波 速 度 、 層 厚 、 密 度 および Q 値(または 減 衰 比 h)だけとなる。この 中 で、S 波 速 度 および 層 厚 は GA による 同 定 結 果 または PS 検 層 結 果 を用 い、 密 度 は 層 ごとに 粘 土 ~1.7tf/m 3 、 砂 ~1.8tf/m 3 、 礫 ~2.0tf/m 3 の 値 を 用 いた。また、Q 値 については、 同 定解 析 で 求 めた Q=Q 0 ・f n の 形 の 散 乱 減 衰 (n=0.5)を 用 いたものと、 福 島 ・ 翠 川 (1994) 13) による Q 0 の 平 均 値 を 採用 して、Vs=500m/sec 以 上 の 層 で Q 0 =36.2 (h=1.38%)、Vs=500m/sec 未 満 の 層 で Q 0 =10.8 (h=4.65%)のように 周 波数 に 依 存 しない 履 歴 減 衰 (Q=Q 0 : 一 定 )を 用 いた 地 震 応 答 解 析 を 行 った。図 8 に Q 値 の 設 定 の 違 いによる 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 の 比 較 を 示 した。 周 波 数 依 存 させた 散 乱 減 衰 を 用 いた 計 算 結 果 は、 高 周 波 数 側 (6Hz 以 上 )の 減 衰 比 (h)が 小 さくなりすぎ、 最 大 加 速 度 が 観 測 値 と 比 較 して 大 きくなっていることがわかる。この 他 の 4 つの 弱 震 動 でも 同 様 な 傾 向 が 確 かめられたため、 今 回 は 周 波 数 に 依存 しない 履 歴 減 衰 を 使 用 することとした。この 履 歴 減 衰 については、 原 ・ 清 田 (1977) 14) による 室 内 動 土 質 試験 より、 周 波 数 依 存 性 がないことが 確 かめられており、 周 波 数 依 存 性 を 持 つ 散 乱 減 衰 とどのように 組 み 合 わせるかは 今 後 の 課 題 と 考 えられる。 検 討 対 象 とした 弱 震 動 は、TKCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 で 記 録 された 地 表 最 大加 速 度 50cm/sec 2 以 上 の 7 つの 弱 震 動 と、2003 年 十 勝 沖 地 震 の 本 震 記 録 を 用 いた。また、 線 形 地 震 応 答 解 析 には、KiK-net 地 中 地 震 計 のトランスバース 成 分 記 録 の S 波 初 動 部 分 から 約 40 秒 間 を 切 り 出 して 使 用 した。表 2 に 示 す 弱 震 動 および 2003 年 十 勝 沖 地 震 本 震 の 記 録 の 8 ケースで 線 形 地 震 応 答 解 析 を 行 い、GA 同 定 モデルと PS 検 層 モデルで 計 算 された 地 表 最 大 加 速 度 について 比 較 した。 図 9 に 観 測 地 表 最 大 加 速 度 との 関 係 を示 したが、 弱 震 動 では GA 同 定 モデルの 計 算 地 表 最 大 加 速 度 値 が 観 測 値 とよく 合 致 している。PS 検 層 モデルの 場 合 は、 計 算 地 表 最 大 加 速 度 値 が 観 測 値 より 小 さくなっている。この 傾 向 は、 最 大 加 速 度 値 だけなく、フーリエスペクトルなどの 周 波 数 領 域 でも 同 様 であった。 一 方 、 本 震 では 両 モデルとも 計 算 値 が 700cm/sec 2 以上 と 算 出 されているのに 対 し、 観 測 値 はその 約 半 分 の 355cm/sec 2 であり 強 い 非 線 形 性 が 現 れている。-149-


5. 強 震 時 の 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析強 震 動 時 の 非 線 形 性 を 考 慮 した 地 震 応 答 解 析 は、 重 複 反 射 理 論 を 基 に 等 価 線 形 手 法 を 取 り 入 れた SHAKE(1972) 15) に 始 まったと 考 えてよい。 本 章 では、 従 来 の SHAKE による 手 法 、その 後 提 案 された 等 価 線 形 手 法の 改 良 手 法 およびここで 提 案 する 手 法 を 用 いて、TKCH07( 豊 頃 )で 同 定 した 地 盤 モデルに 対 して 計 算 を 行 い、それらの 結 果 を 評 価 した。5.1 手 法SHAKE による 手 法 は、 繰 返 し 計 算 時 の 最 大 せん 断 ひずみと 有 効 ひずみの 関 係 によって 特 徴 づけられる。 式(3)に 示 すように 係 数 αは、 周 波 数 によって 変 化 せずα=0.65 の 一 定 値 である。また、 吉 田 (1994) 16) により、SHAKE の 適 用 性 はとりまとめられている。γeff= αγ max(3)ここで、γ eff は 有 効 せん 断 ひずみ、γ max は 最 大 せん 断 ひずみである。 計 算 の 際 に 用 いる 動 的 変 形 特 性 曲 線 は、原 位 置 で 採 取 された 不 攪 乱 試 料 から 室 内 試 験 を 行 って 求 める 方 法 が 最 も 精 度 が 高 いと 考 えられるが、 本 調 査地 ではこのような 調 査 ・ 試 験 は 行 われていないため、 広 く 用 いられている 旧 土 木 研 究 所 の 標 準 曲 線 ( 岩 崎 ら(1980) 17) 、 横 田 ら (1982) 18) および 岩 崎 ら(1977) 19) )を 用 いた。 図 10a と 図 10b に 旧 土 木 研 究 所 の 沖 積 粘 土(Ac)、 洪 積 粘 土 (Dc)および 沖 積 砂 質 土 (As)の 動 的 変 形 特 性 曲 線 を 示 した。ただし、Ac および As については 平均 有 効 主 応 力 σ ’ m=98.1kPa の 場 合 を 表 示 した。 計 算 においては Ac および As 層 の 動 的 変 形 特 性 曲 線 は、 有 効上 載 圧 により 変 化 させて 用 いている。SHAKE の 係 数 αが 一 定 値 であることにより、 応 答 波 形 の 高 周 波 成 分 の 増 幅 度 が 過 小 評 価 されることは、 従来 から 指 摘 されてきており、これを 改 良 するために 杉 戸 ら(1994) 20) 、Yoshida et al. (2002) 21) および Kausel &Assimaki (2002) 22) により 係 数 αを 周 波 数 依 存 型 にすることが 試 みられている。まず、 杉 戸 ら(1977)の 係 数 αの定 義 を 式 (4)に 示 す。F( ω )γeff( ω ) = α γmax(4)Fmaxここで、F(ω)は 対 象 とする 層 内 でのせん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトル、F max はその 最 大 値 であり、 原論 文 ではα=0.65 としている。この 方 法 は、 周 波 数 の 高 いところで 減 衰 を 大 きめに 評 価 しすぎることを 改 良 するために 考 案 されたものであるが、せん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトルを 直 接 γ eff とγ max を 関 係 づける 係数 に 用 いており、せん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトルの 凹 凸 に 影 響 を 受 けることが 予 想 される。Yoshida et al. (2002)は、 強 震 記 録 からせん 断 ひずみの 時 刻 歴 を 計 算 し、ゼロクロス 法 を 用 いてせん 断 ひずみと 周 波 数 の 関 係 を 求 めた。これから、 有 効 せん 断 ひずみと 最 大 せん 断 ひずみの 関 係 を 式 (5)のように 設 定 した。γeff= γ maxf < fp⎛⎞γ⎟× ⎟⎝ ⎝⎠ ⎠m⎜ ⎛ log f − log f ⎞peff= 1−⎜⎟ γmaxf⎜log fe− log fpf ≤ fepγ = 0f e< feff≤ (5)-151-


ここで、f は 周 波 数 、f p はゼロクロス 法 で 求 めた 最 大 せん 断 ひずみ 波 形 の 最 大 振 幅 に 対 応 する 周 波 数 、f e はそれ以 上 の 周 波 数 で 弾 性 挙 動 を 仮 定 する 境 界 の 周 波 数 で f e =6Hz を 提 唱 している。以 上 、 式 (3)の 係 数 αに 周 波 数 依 存 性 を 取 り 入 れる 手 法 について 記 した。 杉 戸 らの 方 法 は、 式 (4)からも 推 察できるように、 係 数 α・F(ω)/F max が 1 よりも 小 さくなり、 強 震 時 については 観 測 値 より 大 きい 最 大 加 速 度 を与 えると 予 測 されること、また、Kausel & Assimaki (2002) および Yoshida et al. (2002)で 示 されたせん 断 ひずみの 周 波 数 依 存 性 が、 周 波 数 に 対 してほぼ 単 調 減 少 の 傾 向 にあること、さらに 本 研 究 では 液 状 化 しない 地 点 での 大 ひずみ 時 の 非 線 形 応 答 の 問 題 を 対 象 としていることから、Yoshida et al. (2002)による 式 (5)のように 不 連 続な 関 数 で 係 数 αを 近 似 せず、 連 続 した 関 数 で 係 数 αの 周 波 数 依 存 性 を 近 似 した。ここでは、Yoshida, Miura &Kobayashi (2000) 23) が 提 案 した 式 (6)に 示 す 対 数 型 の 関 係 式 を 用 い、せん 断 ひずみ 波 形 を 繰 返 し 計 算 ごとに 算 出し、せん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトル 振 幅 と 周 波 数 の 関 係 から、 式 (6)の 係 数 A を 最 小 自 乗 法 で 求 めた。また 係 数 m については、m=1.0~3.0 で 観 測 地 表 波 形 に 最 も 合 致 するように 設 定 した。γefflogγ= γeffmax= A(logf− logfp)m+ logγmaxf


た、フーリエスペクトルにおいて 6Hz で 線 形 計 算 のフーリエスペクトルに 移 行 している。 提 案 する 手 法 では、最 大 加 速 度 においてほぼ 観 測 値 と 対 応 しており、フーリエスペクトルも 従 来 の SHAKE の 手 法 による 高 周 波 数の 落 ち 込 みもない。また、せん 断 ひずみと 周 波 数 の 関 係 を 連 続 関 数 で 回 帰 しているため、Yoshida et al. (2002) の(gal)700.0Obs. ground motion at surface (TR comp.)(gal*s)1e41e30.01e21e1-354.91e0-700.0(gal)700.0Acceleration (cm/s 2 )0.0-700.0(gal)700.0Calc. ground motion at surface (SHAKE)-237.8Calc. ground motion at surface (Sugito et al. (1994))1e-10.1(gal*s)1e41e31e21e<strong>11</strong>e01e-10.1(gal*s)1e41.0 10.0(Hz)1.0 10.0(Hz)1e30.01e21e<strong>11</strong>e0-700.0-682.90.0 20.0 40.0Time (sec)1e-10.<strong>11</strong>.0 10.0(Hz)(gal)700.0Calc. ground motion at surface (Yoshida et al. (2002))472.7(gal*s)1e41e30.01e21e1Acceleration (cm/s 2 )-700.0(gal)700.0Calc. ground motion at surface (Proposed method m=2.7)342.41e01e-10.1(gal*s)1e41e31.0 10.0(Hz)0.01e21e<strong>11</strong>e0-700.00.0 20.0 40.0Time (sec)1e-10.<strong>11</strong>.0 10.0(Hz)図 <strong>11</strong> 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 波 形 およびフーリエスペクトル-153-


手 法 のようにフーリエスペクトルの 線 形 計 算 への 移 行 が 現 れない。このような 検 討 結 果 から、 本 研 究 で 提 案した 手 法 は、 現 状 提 案 されている 手 法 に 比 べて 有 用 性 があるのではないかと 考 えられる。6. 強 震 時 の 非 線 形 地 震 応 答 解 析非 線 形 地 震 応 答 解 析 については、 応 力 -ひずみ 関 係 を 双 曲 線 モデルまた R-O モデルなどで 定 式 化 して 用 いるのが 一 般 的 である( 石 原 (1976) 24) )。しかしながら、 今 回 は 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 と 含 めて 評 価 を 行うため、 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 の 動 的 変 形 曲 線 をそのまま 使 用 できる 吉 田 (2003) 25) による 手 法 を 用 いた。時 刻 歴 解 析 の 非 線 形 地 震 応 答 解 析 では、 計 算 を 安 定 させる 目 的 を 含 めて、Rayleigh 減 衰 の 設 定 が 必 要 である。これについては 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 の Vs=500m/sec 以 上 の 線 形 層 で 用 いた h=1.38%の 値 が、0.5Hz と 6Hz の間 で 最 大 1.38%になるように Rayleigh 減 衰 の 係 数 を 設 定 した。図 12 に 非 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 を 示 した。 中 段 の 図 が 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 と 共 通 した 動 的 変 形 特 性 曲 線を 用 いた 結 果 であるが、 計 算 最 大 加 速 度 は、 観 測 最 大 加 速 度 に 比 べて 約 70%の 小 さな 値 となっている。ただし、フーリエスペクトルについては、SHAKE による 等 価 線 形 計 算 ほどの 高 周 波 数 の 落 ち 込 みは 現 れていない。本 解 析 では、 地 表 応 答 波 形 が 動 的 変 形 特 性 曲 線 の 採 用 値 に 依 存 することが 考 えられたため、TKCH07( 豊 頃 )観 測 点 から 南 東 へ 約 1.4km 離 れた 十 勝 川 堤 防 左 岸 堤 内 側 地 盤 上 で 実 施 された 第 1 層 (Vs=51m/sec)の 乱 さない 試料 のサンプリングおよび 動 的 変 形 特 性 試 験 結 果 ( 藤 井 ほか (2005) 26) )を 用 いてさらに 解 析 を 行 った。 図 12の 下 段 にその 結 果 を 示 したが、 最 大 加 速 度 の 出 現 時 刻 およびフーリエスペクトルの 高 周 波 数 部 について、 原位 置 での 動 的 変 形 特 性 曲 線 を 用 いた 方 が、 観 測 値 によく 適 合 している。この 結 果 は、 原 位 置 での 動 的 変 形 特性 試 験 結 果 を 解 析 に 取 り 込 むことが 重 要 であることを 示 している。(gal)400.00.0Obs. ground motion at surface (TR comp.)(gal*s)1e41e31e21e<strong>11</strong>e0-400.0(gal)400.0Acceleration (cm/s 2 )0.0-400.0(gal)400.0Calc. ground motion at surface(Non-linear)237.6Calc. ground motion at surface(Non-linear using in-situG/G 0 & h data)-354.9316.91e-10.1(gal*s)1e41e31e21e<strong>11</strong>e01e-10.1(gal*s)1e41e31.0 10.0(Hz)1.0 10.0(Hz)0.01e21e<strong>11</strong>e0-400.00.0 20.0 40.01e-10.1Time (sec)図 12 非 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 波 形 およびフーリエスペクトル1.0 10.0(Hz)-154-


Strain * sec (*10 -4 )10001001010y = 917.761 x -3.185R 2 = 0.875Linear calc.strain * sec (*10 -4 )10001001010y = 5067.999 x -5.528R 2 = 0.962SHAKEstrain * sec (*10 -4 )10001001010y = 96.241 x -2.243R 2 = 0.815Proposedmethod m=2.701 10 100Frequency (Hz)01 10 100Frequency (Hz)01 10 100Frequency (Hz)図 13 第 1 層 ( 深 度 2.95m, Vs=51m/sec)での 応 答 計 算 結 果 のせん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトル 振 幅 と 周 波 数 の 関 係Shear modulus G (MN/m 2 )5432100.1 1.0 10.0 100.0Frequency (Hz)Sugito et al.(1994)Yoshida et al(2002)ProposedmethodSHAKEDamping ratio h (%)201510500.1 1.0 10.0 100.0Frequency (Hz)Sugito et al.(1994)Yoshida et al.(2002)ProposedmethodSHAKE図 14 第 1 層 での 剛 性 率 (G)および 減 衰 比 (h)の 周 波 数 依 存 性7. 考 察7.1 せん 断 ひずみ 波 形 のスペクトル提 案 した 改 良 型 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 結 果 に 対 して、せん 断 ひずみ 波 形 の 周 波 数 特 性 について 考 察 する。まず、 地 震 応 答 解 析 を 行 った 全 層 の 中 でせん 断 ひずみの 一 番 大 きな 最 表 層 ( 深 度 2.95m, Vs=51m/sec)のせん断 ひずみ 波 形 を 取 り 出 し、せん 断 ひずみ 波 形 のフーリエスペクトルを 求 めた。その 周 波 数 に 対 する 傾 きを 線形 計 算 、 等 価 線 形 計 算 (SHAKE)および 改 良 型 等 価 線 形 計 算 結 果 で 比 較 し 図 13 に 示 した。せん 断 ひずみ 波 形 の周 波 数 特 性 は、どの 解 析 手 法 においても 周 波 数 に 対 して 2Hz 付 近 からほぼ 単 調 減 少 を 示 している。また、SHAKE による 傾 きが 一 番 大 きく、 高 周 波 数 での 増 幅 度 の 過 小 評 価 と 対 応 している。7.2 剛 性 率 および 減 衰 比 の 周 波 数 依 存 性式 (3)のαに 周 波 数 依 存 性 を 導 入 した 杉 戸 ら (1994) の 手 法 、Yoshida et al. (2002) の 手 法 、 本 研 究 による 提 案手 法 および SHAKE の 計 算 結 果 から、 剛 性 率 (G) と 減 衰 比 (h) の 周 波 数 依 存 性 を 算 出 し 図 14 に 示 した。 杉 戸らの 手 法 では、 剛 性 率 と 減 衰 比 の 周 波 数 依 存 性 に 凹 凸 が 現 れており、 結 果 として 高 周 波 数 側 で 小 さな 減 衰 比になっていることが、 過 大 な 最 大 加 速 度 が 計 算 される 主 因 だと 考 えられる。Yoshida et al.の 手 法 では、 弾 性 挙動 を 示 す 6Hz より 高 周 波 数 側 の 剛 性 率 および 減 衰 比 がフラットになっており、これが 応 答 計 算 結 果 の 加 速 度波 形 のフーリエスペクトルが 線 形 計 算 のフーリエスペクトルに 移 行 する 原 因 となっている。 提 案 した 手 法 では、 剛 性 率 および 減 衰 比 は 周 波 数 に 対 して 単 調 増 加 および 単 調 減 少 しており、Yoshida et al. (2002)がゼロクロス 法 で 求 めたせん 断 ひずみ 波 形 の 振 幅 と 周 波 数 の 関 係 と 整 合 している。7.3 係 数 m と 計 算 地 表 最 大 加 速 度 の 関 係式 (6)および 式 (7)における 係 数 mと 設 定 した mを 用 いた 改 良 型 等 価 線 形 計 算 の 地 表 最 大 加 速 度 については、今 回 の 解 析 の 場 合 は 図 15 に 示 す 関 係 がある。m が 増 えるにつれて、 高 周 波 数 が 減 少 する 計 算 となるため 地 表最 大 加 速 度 は 小 さくなる。 現 時 点 では、m を 事 前 に 決 める 手 法 が 見 つけられていないが、TKCH07 のような-155-


軟 弱 地 盤 の 場 合 、m=1.0~3.0 が 適 切 であると 考 える。7.4 提 案 手 法 の 工 学 的 な 利 用 例ここまでは 工 学 的 基 盤 から 地 表 までの 計 算 の 例 を 示 したが、 逆 に 地 表 から 工 学 的 基 盤 までの 引 き 戻 し 計 算は、 入 力 地 震 動 を 求 めるために 必 要 である。この 場 合 、 従 来 の SHAKE による 計 算 では、 高 周 波 側 の 増 幅 率 を過 小 評 価 するため、 引 き 戻 し 計 算 では、 逆 に 高 周 波 数 側 が 極 端 に 大 きくなる 計 算 結 果 となり、 非 現 実 的 な 入力 地 震 動 となる 事 例 が 多 くみられた。ここで 提 案 したせん 断 ひずみの 周 波 数 依 存 性 を 考 慮 した 等 価 線 形 地 震応 答 解 析 手 法 で 引 き 戻 し 計 算 を 行 った 例 を 図 16に 示 した。これは、 地 表 でスペクトルフィッテイングした1968年 十 勝 沖 地 震 の 八 戸 NS 波 を 八 戸 観 測 点 の 工 学 的 基 盤 ( 野 田 ・ 上 部 (1974) 27) )に 引 き 戻 した 計 算 である。 従来 の SHAKE による 計 算 では、 高 周 波 数 側 が 極 端 に 大 きくなる 計 算 結 果 ( 図 16 中 段 )となる。 一 方 、 提 案 した 手 法 ( 図 16 下 段 )では 入 射 最 大 加 速 度 は 地 表 最 大 加 速 度 の 約 1/2.5 で、 現 実 的 な 数 値 で 引 き 戻 し 計 算 が 可能 となっている。(gal)500.0461.1*Fitting wave to the standard Saspectrum at surfacePGA (cm/sec 2 )10005001000.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5Coefficient m8. 結 論図 15 係 数 m と 地 表 最 大 加 速 度 の 関 係Acceleration (cm/sec 2 )0.0-500.0(gal)500.00.0-500.00.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0Time (sec)(sec)463.6*Calc. incident motion at base by SHAKE0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.02003 年 十 勝 沖 地 震 の KiK-net 鉛 直 アレー 観Time (sec)(sec)測 記 録 を 用 いて 地 盤 の 非 線 形 応 答 の 評 価 を 行(gal)Calc. incident motion at base500.0った。まず、 北 海 道 における KiK-net 全 観 測by proposed method記 録 の 地 表 / 地 中 S 波 スペクトル 比 を 算 出 し187.9*た。 強 震 時 の 非 線 形 性 の 特 徴 として、スペク0.0トル 比 の 高 周 波 数 側 の 低 下 およびスペクトル比 卓 越 周 波 数 の 低 周 波 数 側 への 移 動 の 両 方 が現 れた 観 測 点 として TKCH07( 豊 頃 )、-500.0TKCH08( 大 樹 )および KSRH10( 浜 中 )を0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0Time (sec)(sec)抽 出 し、その 中 で 軟 弱 層 の 一 番 厚 い TKCH07を 解 析 対 象 とした。次 にTKCH07 観 測 点 のほぼ 直 下 に 発 生 した 22 地 震 を 用 いて、 弱 震 動 に 対 する 地 表 / 地 中図 16 提 案 手 法 の 工 学 的 な 利 用 例S 波 スペクトル 比 を 算 出 し、その 平 均 値 をターゲットとして、 遺 伝 的 アルゴリズム (GA) を 用 いて 地 盤 モデルの 同 定 解 析 を 行 った。 同 定 解 析 で 得 られた S 波 速 度 構 造 および Q 値 構 造 から 求 めた 理 論 スペクトル 比 は、 観測 スペクトル 比 の 平 均 値 と 良 い 一 致 をみた。 同 定 解 析 した S 波 速 度 構 造 を 用 いて 弱 震 動 による 線 形 地 震 応 答解 析 を 実 施 した。この 結 果 から 同 定 した S 波 速 度 構 造 の 妥 当 性 が 確 認 できた。さらに、2003 年 十 勝 沖 地 震 本 震 の 記 録 を 用 いて、 従 来 の SHAKE による 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 、せん 断 ひ-156-


ずみの 周 波 数 依 存 性 を 考 慮 した 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 および 非 線 形 全 応 力 地 震 応 答 解 析 を 行 い、 観 測 地 表 波形 と 計 算 地 表 波 形 の 比 較 を 行 った。SHAKE による 等 価 線 形 解 析 は、 従 来 から 指 摘 されていた 地 表 加 速 度 波 形の 高 周 波 成 分 を 過 小 評 価 することを 確 認 し、これを 改 良 するためにせん 断 ひずみの 周 波 数 依 存 性 を 考 慮 した改 良 型 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 手 法 を 提 案 した。非 線 形 全 応 力 地 震 応 答 解 析 については、TKCH07 観 測 点 近 傍 の 原 位 置 での 動 的 変 形 特 性 試 験 結 果 を 用 いて同 解 析 を 行 った 結 果 、 標 準 的 な 曲 線 を 用 いるより 良 い 結 果 が 得 られた。これは、 非 線 形 全 応 力 地 震 応 答 解 析については、 原 位 置 での 動 的 変 形 特 性 試 験 結 果 を 解 析 に 取 り 込 むことが 重 要 であることを 示 唆 している。今 後 、 工 学 的 基 盤 以 浅 の 表 層 地 盤 においても、 今 回 のような KiK-net 鉛 直 アレー 観 測 記 録 を 基 礎 として、 同定 解 析 を 用 いた 地 盤 構 造 のチューニングが 地 震 応 答 解 析 の 予 測 精 度 向 上 に 欠 かせないと 考 えられる。また、解 析 事 例 を 増 やして、 提 案 した 改 良 型 等 価 線 形 地 震 応 答 解 析 のパラメータ m を 的 確 に 決 定 できるよう 改 善 していきたい。 特 に 土 質 との 関 係 を 明 らかにすることが 重 要 と 考 えられる。 地 盤 の 非 線 形 応 答 が 地 震 動 に 与 える 影 響 を 検 討 するためには、 地 震 発 生 頻 度 の 高 い 地 域 で、 軟 弱 地 盤 に 多 点 の 鉛 直 アレー 強 震 計 を 設 置 し、 長期 間 にわたって 良 質 の 記 録 を 得 ることが 必 要 だと 考 える。TKCH07( 豊 頃 ) 観 測 点 はこのような 意 味 で、 大 変貴 重 な 観 測 点 であり、 今 後 とも 継 続 的 な 観 測 が 望 まれる。謝 辞本 研 究 では、 独 立 行 政 法 人 防 災 科 学 研 究 所 の KiK-net による 地 震 記 録 および 地 盤 構 造 資 料 を 使 用 させていただいた。また、 非 線 形 地 震 応 答 解 析 で 使 用 した 原 位 置 の 動 的 変 形 特 性 試 験 結 果 は、 北 海 道 開 発 局 帯 広 開 発 建設 部 よりデータを 提 供 いただいたものである。 東 北 学 院 大 学 の 吉 田 望 教 授 には、DYNEQ および DYNES3Dの 使 用 法 についてご 教 授 いただいた。また、 本 研 究 の 地 震 応 答 解 析 には、 吉 田 望 ・ 末 富 岩 雄 (2003) によるDYNEQ および 吉 田 望 (2003) による DYNES3D を 使 用 した。 編 集 委 員 長 の 中 村 晋 博 士 、 特 集 号 担 当 編 集者 および 3 人 の 査 読 者 によるコメントにより 原 稿 が 大 幅 に 改 善 された。 記 して、ここに 感 謝 の 意 を 表 す。なお、 本 論 文 は、 著 者 の 一 人 の 学 位 論 文 の 一 部 であり、 第 3 章 のサウンディングの 詳 細 については、 山 本 (2006)を 参 照 されたい。参 考 文 献1) Satoh T., M., Fushimi and Y. Tatsumi: Inversion of strain-dependent nonlinear characteristics of soil using weak andstrong motions observed by borehole sites in Japan, Bull. Seism. Soc. Am., Vol.91, 2001, pp.365-380.2) Iai S., Morita T., kameoka T., Matsunaga Y. and K. Abiko: Response of a dense sand deposit during 1993 Kushiro-okiEarthquake, Soils and Foundations, Vol.35-1, 1995, pp.<strong>11</strong>5-131.3) Higashi, S. and T. Sasatani: Nonlinear site response in Kushiro during 1994 Hokkaido Toho-oki Earthquake, Bull.Seism. Soc. Am., Vol.90, 2000, pp.1082-1095.4) 山 本 明 夫 : 地 盤 の 非 線 形 応 答 が 地 震 動 に 与 える 影 響 及 びその 予 測 に 関 する 研 究 、 北 海 道 大 学 博 士 論 文 、2006年 、pp.17-40, 138 pp.5) 防 災 科 学 技 術 研 究 所 :http://www.bosai.go.jp/kik/6) 国 土 地 理 院 : 治 水 地 形 分 類 図 - 茂 岩 , 技 術 資 料 D1-No.441、1978 年 .7) 山 中 浩 明 、 石 田 寛 : 遺 伝 的 アルゴリズムによる 位 相 速 度 の 逆 解 析 、 日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集 、 第 46 号 、1995 年 、pp.9-17.8) 野 口 科 子 、 笹 谷 努 :KiK-net 観 測 点 TKCH08 における S 波 速 度 構 造 の 評 価 、 北 海 道 大 学 地 球 物 理 学 研 究報 告 、No.67、2004 年 、pp.181-195.9) 前 田 宜 浩 、 笹 谷 努 、 高 井 伸 雄 、 清 水 学 : 北 海 道 内 の KiK-net 観 測 点 における 地 表 地 震 計 の 設 置 方 向 の推 定 、 北 海 道 大 学 地 球 物 理 学 研 究 報 告 、 第 68 号 、2005 年 、pp.141-152.10) 清 水 学 、 高 井 伸 雄 、 笹 谷 努 : 十 勝 川 下 流 域 における 地 下 構 造 と 強 震 動 特 性 (2) 浅 部 S 波 速 度 構 造 の推 定 と 増 幅 特 性 の 検 討 、 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 ( 近 畿 )、2005 年 、pp.267-268.<strong>11</strong>) 高 井 伸 雄 、 清 水 学 、 前 田 宜 浩 、 新 屋 雅 之 、 三 輪 田 吾 郎 、 齋 藤 誠 治 、 山 本 明 夫 、 笹 谷 努 : 十 勝 支 庁 豊 頃町 における 地 下 構 造 探 査 と 地 震 動 特 性 の 検 討 、 日 本 地 震 工 学 会 ・ 大 会 2005 梗 概 集 、2005 年 、pp.452-453.-157-


show the nonlinear soil response. These stations’ spectral ratios show amplitude decay at high frequencies and peak shift tolower frequency for the spectral ratio from the Tokachi-oki earthquake. The TKCH07 station at Toyokoro inTokachi-district, Hokkaido, is chosen to evaluate the nonlinear soil response. This site has very soft ground different fromanother KiK-net stations; S-wave velocity (Vs) is less than 200m/s down to a depth of 30m. This station observed peakground acceleration (PGA) of 403.9cm/sec 2 during the Tokachi-oki earthquake. Next we construct the soil model (Vs andQs (quality factor for S-wave) structures) at TKCH07 based on the S-wave spectral ratios from 22 small earthquakes byusing the genetic algorithms (GA) inversion method. Finally we evaluate the nonlinear soil response at TKCH07 bycomparing the surface accelerogram observed during the Tokachi-oki earthquake with those calculated using the boreholeaccelerogram and the constructed soil model; the linear response analysis, equivalent linear response analyses andnonlinear response analysis are used in the calculations. The frequency dependent equivalent linear response analysis isnewly proposed; this method well explains the observed surface accelerogram.Key Words: KiK-net Vertical Array, Non-linearity of the Ground, Inversion Analysis, Genetic Algorithm,Seismic Response Analysis, The 2003 Tokachi-oki Earthquake-159-

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