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論文誌テンプレート消さないでください - 長岡技術科学大学

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論 文 誌 テンプレート<br />

Ver.2009.1.16<br />

論 文<br />

直 並 列 補 償 方 式 を 用 いた DC-DC カンルトヴタの 開 発<br />

学 生 員 折 川 幸 司<br />

*<br />

正 員 伊 東朁 淳浐 一<br />

*<br />

Development of a Series-Parallel Compensation-Type DC-DC Converter<br />

Koji Orikawa * , Student Member, Jun-ichi Itoh * , Member<br />

This paper proposes a novel DC-DC converter for a hybrid power supply using both a fuel cell and battery. The output voltage<br />

is controlled by a series converter that regulates only the differential voltage between the fuel cell and the output. Although the<br />

output power changes, the variation in the fuel cell current is suppressed by using a battery for the operation of the parallel<br />

converter. The control strategy and circuit design adopted to achieve high efficiency are described in this paper. The experimental<br />

results confirm that the proposed circuit achieves a maximum efficiency of 98.8% for a small differential voltage. In addition, the<br />

power loss is analyzed to prove the validity of the proposed circuit.<br />

キーワード:DC-DC カンルトヴタ, 燃 料 電 池 , 直 列 電 圧 補 償 , 並 列 電 流泴 補 償 , 損 失 解 析<br />

Keywords:DC-DC converter, Fuel cells, Series voltage compensation, Parallel current compensation, Loss analysis<br />

1. はじめに<br />

近 年 , 携 帯 機 器 の 高 性 能 , 高 機 能 化 が 急 速 に 進 み, 電 力<br />

消洑 費 量 が 急 増 している。 加 えて,これらの 機 器 は 長 時昷 間 の<br />

動 作 が 要 求 されている。 携 帯 機 器 はトッセテリが 必 須 である<br />

が,トッセテリの 大 容 量 化 は 小 型 化 , 軽 量 化 を 妨 げる。そこ<br />

で, 従 来曹 のトッセテリよりも 長 時昷 間 運 転 が 可 能 な 燃 料 電 池 の<br />

適 用 が 検 討 されている。しかし, 燃 料 電 池 は 化 学 反 応 を 利<br />

用 しているため 負 荷 に 応 じて 高 速 に 発 電 電 力 を 制 御 するこ<br />

とが 難 しい。また, 起 動 から 発 電 開 始 までの 起 動 時昷 間 が 長<br />

い。そこで,トッセテリにより 負 荷 変 動 や 始 動 時昷 の 電 力 補 償<br />

を 行 い, 燃 料 電 池 は 定 常 的 に 電 力 を 供 給 する,トッセテリと<br />

燃 料 電 池 のハイノリッセドシケテムの 研 究 が 盛 んに 行 わわれて<br />

いる (1)(2) 。このようなシケテムに 要 求 されることとして, 高<br />

効 率 , 小 型 に 加 え, 燃 料 電 池 の 電 力 変 動 を 小 さくすること<br />

が 燃 料 電 池 の 長 寿 命 化 の 観 点 から 重 要 である。<br />

ハイノリッセドシケテムの 回 路 構 成 としては, 例 えば,2<br />

電 源 の 間 に DC-DC カンルトヴタを 接 続 し, 負 荷 に 応 じて 2 電<br />

源 間 のドワョヴネュヴを 制 御 し, 燃 料 電 池 から 直 接 負 荷 に 電<br />

力 を 供 給 する 方 式 が 簡 単 である (3) 。しかし,この 方 式 は 電 流泴<br />

平 滑 用 インルダェタが 原 因 で, 負 荷 変 動 時昷 にトッセテリの 電 流泴<br />

応 答 が 遅 れ, 燃 料 電 池 の 電 力 変 動 が 急 峻 となる 問 題 がある。<br />

一 方 , 高 効 率 を 実 現 する DC-DC カンルトヴタとして 直 列 補<br />

償 方 式 が 提 案 されている (4) 。 従 来曹 では, 入 出 力 電 圧 の 関 係 に<br />

かかわわらず 全 電 力 を 変 換 するが, 直 列 補 償 方 式 では 直 列 カ<br />

*<br />

長 岡 技 術 科 学 大 学<br />

〒940-2188 新 潟 県 長 岡 市 上 富 岡 町 1603-1<br />

Nagaoka University of Technology<br />

1603-1, Kamitomioka, Nagaoka 940-2188, Japan<br />

ンルトヴタにより 入 出 力 の 差 分 電 圧 のみを 入 力 電 圧 に 直 列 に<br />

補 償 する。この 結 果 , 直 列 カンルトヴタの 変 換 容 量 を 小 さく<br />

でき, 電 力 損 失 を 低 減浦 できる。 燃 料 電 池 は 負 荷 によって 電<br />

圧 が 変 動 するが,その 変 動 分 を 直 列 カンルトヴタで 補 償 する。<br />

しかし, 直 列 補 償 方 式 を 燃 料 電 池 のシケテムにそのまま 適<br />

用 すると, 負 荷 電 流泴 がそのまま 燃 料 電 池 に 流泴 れるので, 寿<br />

命 や 電 圧 変 動 の 問 題 が 生 じる。<br />

本曓 論 文 では, 高 効 率 でかつ, 負 荷 が 変 動 しても, 燃 料 電<br />

池 の 電 力 変 動 をゆゆるやかに 保 つことができる 電 力 シケテム<br />

を 実 現 することを 目 的 として, 直 列 補 償 方 式 に 電 力 変 動 分<br />

を 補 償 する 並 列 補 償 器 を 付 加 した 直 並 列 補 償 方 式 の 燃 料 電<br />

池 用 DC-DC カンルトヴタを 提 案 する (5) 。 直 並 列 補 償 の 考 え 方<br />

は 交 流泴 の 無 停 電 電 源 装 置 では 提 案 されている (6)(7) が 燃 料 電<br />

池 とトッセテリを 暼 する 2 電 源 の DC-DC カンルトヴタ (8) への 応<br />

用 は 著 者 らの 知 る 限 りない。<br />

ここでは,まず 提 案 回 路 の 直 列 電 圧 補 償 の 基 本曓 原 理 につ<br />

いて 述 べ, 次 に 負 荷 変 動 時昷 の 並 列 カンルトヴタによる 電 流泴 制<br />

御 について 述 べる。さらに, 提 案 回 路 の 設 計 指 針 や 適 用 範<br />

囲 を 明 確 にし, 特 に 回 路 動 作 で 重 要 となるインルダェタの 設<br />

計 方 法沵 を 明 らかにする。 最暷 後 に, 実 機 検 証 を 行 い, 発 生 損<br />

失 について 詳 細 な 解 析 を 行 い, 実 験 結 果 の 妥 当 性 と 高 効 率<br />

が 得 られるメィニゲムを 明 らかにする。 実 機 検 証 では, 期曋<br />

待 通 り 燃 料 電 池 電 圧 と 目 標 出 力 電 圧 が 近 い 領 域 で 最暷 高 効 率<br />

98.8%を 達 成 しており, 電 流泴 変 動 補 償 も 所 望曇 の 動 作 を 得 てい<br />

る。ここでは, 提 案 手 法沵 の 妥 当 性 を 確 認 し,また 損 失 解 析<br />

によって, 差 分 電 圧 が 小 さい 領 域 にて 効 率 が 上 昇 する 直 列<br />

補 償 方 式 の 原 理 を 確 認 したので 報 告 する。<br />

© 200● The Institute of Electrical Engineers of Japan. 1


2. 原 理<br />

〈2・1〉 直 列 補 償 方 式 の 概 念 図 1(a)に 従 来曹 の 昇 降 圧<br />

スョミッセド 回 路 の 概 念 図 を 示 す。 従 来曹 の 回 路 構 成 では, 入 力<br />

電 圧 と 出 力 電 圧 の 関 係 にかかわわらず 出 力 に 必 要 な 全 電 力 を<br />

変 換 する。 特 に,1 石 の 昇 降 圧 スョミッセドを 用 いた 場 合 , 入 力<br />

電 圧 V in と 目 標 出 力 電 圧 V out がほぼ 等 しいとき,デュポヴティ<br />

比 D は,オンル 時昷 間 を t on ,オネ 時昷 間 を t off とすると,(1) 式 で<br />

表 される。<br />

ton<br />

Vout<br />

D = = = 0.5 ......................................(1)<br />

t + t V + V<br />

on<br />

off<br />

in<br />

out<br />

この 場 合 , 入 力 電 圧 と 出 力 電 圧 の 関 係 に 関 わわらずケイッセ<br />

スは 動 作 しなければならない。それに 加 えて,リアェトル<br />

やキャドシタに 全 エ゠ネルウヴを 一 旦 蓄 積 しなければならな<br />

い。この 結 果 , 効 率 の 低 下 が 懸 念 される。<br />

図 1(b)に 直 列 補 償 方 式 カンルトヴタの 概 念 を 示 す。 燃 料 電 池<br />

に 直 列 にカンルトヴタを 接 続 し, 燃 料 電 池 電 圧 と 目 標 出 力 電<br />

圧 の 差 分 の 電 圧 のみをカンルトヴタが 出 力 する。そのため,<br />

特 に 燃 料 電 池 電 圧 と 目 標 出 力 電 圧 が 近 い 領 域 では, 直 列 カ<br />

ンルトヴタの 出 力 電 力 は 小 さく, 変 換 器 容 量 が 小 さくなり,<br />

たとえ 効 率 が 悪 くても 相 対 的 に 損 失 が 小 さくなるので 高 効<br />

率 が 得 られる。その 一 方 , 燃 料 電 池 と 負 荷 を 直 列 に 接 続 す<br />

るため, 負 荷 電 流泴 の 変 動 はそのまま 燃 料 電 池 電 流泴 の 変 動 と<br />

なる。その 結 果 , 燃 料 電 池 の 内 部 インルピヴダンルケにより 電<br />

圧 変 動 が 生 じる。また, 負 荷 変 動 に 伴 うリハル 電 流泴 は 燃 料<br />

電 池 の 寿 命 にも 悪 影 響 を 与 える。<br />

〈2・2〉 直 並 列 補 償 方 式 による 電 圧 電 流 補 償 図 1(c)に<br />

本曓 論 文 で 提 案 する 直 並 列 補 償 方 式 回 路 の 概 念 を 示 す。 提 案<br />

方 式 は 直 列 補 償 方 式 回 路 に, 並 列 カンルトヴタを 燃 料 電 池 と<br />

並 列 に 接 続 する。 定 常 時昷 には 並 列 カンルトヴタを 停 止 して,<br />

直 列 補 償 方 式 回 路 として 高 効 率 に 昇 降 圧 する。このとき,<br />

出 力 電 圧 は,(2) 式 で 表 される。<br />

V ±<br />

out<br />

= V<br />

fc<br />

Vconv<br />

.............................................................(2)<br />

ただし, V fc は 燃 料 電 池 電 圧 ,V conv は 直 列 カンルトヴ<br />

タの 出 力 電 圧 である。<br />

負 荷 変 動 時昷 には 燃 料 電 池 の 電 流泴 を 急 変 させないように 並<br />

列 カンルトヴタで 電 流泴 を 補 償 する。 負 荷 の 急 速 な 増 減浦 に 伴 う<br />

電 力 は,トッセテリが 補 償 する。また,トッセテリ 電 圧 が 低 下<br />

したときや, 過 充 電 となったときは 並 列 カンルトヴタを 動 作<br />

させて, 燃 料 電 池 から 充 電 するもしくは, 負 荷 へ 電 力 を 供<br />

給 する。なお, 提 案 回 路 の 始 動 時昷 の 電 力 補 償 を 考 慮 すると<br />

並 列 カンルトヴタの 容 量 は 起 動 時昷 間 に 相 当 する 短 時昷 間 定 格 で<br />

あるが, 定 格 出 力 分 必 要 となる。したがって, 提 案 回 路 全<br />

体 の 容 量 は 定 格 出 力 と 直 列 カンルトヴタの 容 量 の 総 和 とな<br />

り, 従 来曹 回 路 に 比 べて 直 列 カンルトヴタの 分 , 回 路 容 量 およ<br />

び 体 積 が 増 加 する。しかし, 提 案 方 式 では 燃 料 電 池 とトッセ<br />

テリの 電 流泴 が 制 御 できるため 燃 料 電 池 の 長 寿 命 化 の 観 点 か<br />

ら 優 れている。<br />

〈2・3〉 提 案 回 路 の 構 成 図 2 に 本曓 論 文 で 提 案 する 直 並<br />

Converter<br />

V conv<br />

V in Converter V out V in V out<br />

V sb<br />

(a) Conventional topology.<br />

(c) Proposed topology.<br />

図 1 回 路 構 成<br />

(b) Series compensation topology.<br />

Fig. 1. Construction of conventional, series compensation<br />

and proposed circuit.<br />

図 2 提 案 回 路<br />

Fig. 2. Proposed circuit.<br />

列 補 償 方 式 を 実 現 する 具 体 的 回 路 例 を 示 す。 直 列 カンルトヴ<br />

タに, 昇 圧 スョミッセドと 降 圧 スョミッセドを 用 いる。 燃 料 電 池 と<br />

並 列 に 接 続 した 並 列 カンルトヴタの 出 力 は, 燃 料 電 池 のエラ<br />

ンルドに 接 続 する。<br />

図 3(a)は 直 列 補 償 時昷 の 等 価 ノュッセェ 図 を 示 している。 定 常<br />

時昷 では 直 列 カンルトヴタのみを 動 作 させ, 差 分 電 圧 の 直 列 補<br />

償 をする。 図 3(b)に 昇 圧 時昷 ,(c)に 降 圧 時昷 の 負 荷 変 動 時昷 の 等<br />

価 ノュッセェ 図 を 示 す。 負 荷 変 動 時昷 には, 並 列 カンルトヴタを<br />

動 作 させ, 直 列 カンルトヴタで 電 圧 制 御 を 行 い, 並 列 カンルト<br />

ヴタで 電 流泴 制 御 を 行 う。なお, 燃 料 電 池 からトッセテリへの<br />

突 入 電 流泴 を 防 止 するためトッセテリ 電 圧 V sb は 燃 料 電 池 電 圧<br />

V fc および 出 力 電 圧 V out よりも 大 きい 必 要 がある。<br />

3. 提 案 回 路 の 制 御 法<br />

図 4 に, 提 案 回 路 の 制 御 ノュッセェ 図 を 示 す。 提 案 回 路 の<br />

制 御 は, 燃 料 電 池 電 流泴 制 御 と 並 列 カンルトヴタ 電 流泴 制 御 の 2<br />

つのインルナヴルヴハと 出 力 電 圧 制 御 のアウゞタヴルヴハで 構<br />

成 する。 制 御 器 には,PI 制 御 器 を 用 いる。この 提 案 手 法沵 で<br />

は, 負 荷 電 力 が 大 きく 変 化 しない 定 常 時昷 に 並 列 カンルトヴタ<br />

2 IEEJ Trans. ●●, Vol.●●, No.●, ●●●


表 題 を 簡 略 化 した 題<br />

は 動 作 しない。 直 列 カンルトヴタの 制 御 は, 燃 料 電 池 電 圧 と<br />

目 標 出 力 電 圧 の 大 小 関 係 を 求 め, 昇 降 圧 を 切 り 替暶 える。 以<br />

下 に 詳 細 を 述 べる。<br />

〈3・1〉 出 力 電 圧 制 御 直 列 カンルトヴタの 出 力 電 圧 指 令<br />

値 は, 燃 料 電 池 電 圧 と 目 標 出 力 電 圧 の 差 分 電 圧 から 求 めら<br />

れる。 図 5 に, 差 分 電 圧 と 変 調 率 αの 関 係 を 示 す。 図 5 より,<br />

MOSFET のオンル 抵 抗 やインルダェタの 抵 抗 による 電 圧 降 下 を<br />

無 視 すれば, 差 分 電 圧 は 変 調 率 αを 用 いて(3) 式 で 表 される。<br />

* Vsb<br />

Vsb<br />

V<br />

conv<br />

= Vout<br />

−V<br />

fc<br />

= α + ...................................(3)<br />

2 2<br />

したがって, 変 調 率 αは(4) 式 で 表 される。<br />

*<br />

Vout<br />

−V<br />

fc<br />

α = 2 −1<br />

.....................................................(4)<br />

V<br />

sb<br />

なお, 変 調 率 αは±1 の 振 幅 を 持 つ 三 角 波沿 キャリアと 比 較<br />

する 直 列 カンルトヴタの 電 圧 指 令 値 である。<br />

図 6 に, 出 力 電 圧 制 御 の 制 御 ノュッセェ 図 を 示 す。このと<br />

き, 電 流泴 制 御 の 応 答 が 出 力 電 圧 制 御 の 応 答 よりも 十 分 速 い<br />

とすれば, 目 標 出 力 電 圧 から 実 際 の 出 力 電 圧 までの 伝 達 関<br />

数 は,(5) 式 で 表 される。<br />

V<br />

V<br />

out<br />

*<br />

out<br />

( s)<br />

( s)<br />

K<br />

p<br />

out<br />

( 1+<br />

sT )<br />

i<br />

CoutTi<br />

=<br />

........................................(5)<br />

2<br />

K<br />

p<br />

K<br />

p<br />

s + s +<br />

C C T<br />

out<br />

i<br />

ただし, s はラハラケ 演 算 子 ,K p は PI 制 御 器 の 比<br />

例 オインル,T i は 積 分 時昷 定 数 ,C out は 出 力 キャドシタ<br />

である。<br />

このとき, 比 例 オインルおよび 積 分 時昷 定 数 はそれぞれ(6),<br />

(7) 式 で 与 えられる。<br />

(a) Series compensation mode.<br />

(b) Boost mode (Load change).<br />

(c) Step down mode (Load change).<br />

図 3 各 モヴド 時昷 の 等 価 ノュッセェ 図<br />

Fig. 3. Block diagram of proposed circuit.<br />

K<br />

p<br />

= 2ζωv<br />

_ nCout<br />

...........................................................(6)<br />

T i<br />

2ζ<br />

= ......................................................................(7)<br />

ω<br />

v _ n<br />

ただし,ζは 電 圧 制 御 系 の 制 動 係 数 ,ω v_n は 固 暼 角<br />

周 波沿 数 である。<br />

(a) 昇 圧 時昷 定 常 時昷 は, 並 列 カンルトヴタを 構 成 する 1 レ<br />

エを 常 時昷 オネとし, 直 列 カンルトヴタのみ 動 作 させる。この<br />

場 合 , 直 列 カンルトヴタは 昇 圧 スョミッセドとして 動 作 する。 昇<br />

圧 する 場 合 ,S 2 を 常 時昷 オンルとし,S 1 をケイッセスンルエして 差<br />

分 電 圧 の 直 列 補 償 を 行 う。このとき, 昇 圧 時昷 は V out >V fc とな<br />

るためトッセテリは 負 荷 へと 電 力 供 給 する。<br />

(b) 降 圧 時昷<br />

降 圧 する 場 合 , 直 列 カンルトヴタは 降 圧 スョミ<br />

ッセドとして 動 作 させる。 具 体 的 には S 1 を 常 時昷 オネとし,S 2<br />

をケイッセスンルエする。このとき, 降 圧 時昷 は V out


いて, 交 点 P について 各 電 流泴 の 関 係 を 考 えると(8) 式 で 表 さ<br />

れる。<br />

I +<br />

Lout<br />

= I<br />

fc<br />

I<br />

comp ...........................................................(8)<br />

一 方 , 燃 料 電 池 電 流泴 指 令 値 I fc * と 並 列 カンルトヴタ 電 流泴 指 令<br />

値 I comp * は 負 荷 電 流泴 指 令 I Lout * より,それぞれ(9),(10) 式 で 表<br />

される。<br />

I<br />

I<br />

= 1<br />

1 + sT<br />

........................................................(9)<br />

*<br />

*<br />

fc<br />

I Lout<br />

sT<br />

= ....................................................(10)<br />

1 + sT<br />

*<br />

*<br />

comp<br />

I Lout<br />

このとき, 電 流泴 指 令 から 電 流泴 までの 伝 達 関 数 をそれぞれ<br />

G 1 (s),G 2 (s)とおけば, 出 力 電 流泴 I Lout は(11) 式 で 求 められる。<br />

Lout<br />

*<br />

*<br />

( s) I G ( s) I<br />

I = G + .......................................(11)<br />

1 fc 2 comp<br />

燃 料 電 池 電 流泴 と 並 列 カンルトヴタ 電 流泴 の 応 答 を 同 じに 設 計<br />

すれば,G 1 (s)=G 2 (s)=G(s)となり (9),(10),(11) 式 より 出 力<br />

電 流泴 I Lout が(12) 式 で 求 められる。<br />

( )<br />

*<br />

I = G s ..........................................................(12)<br />

Lout<br />

I Lout<br />

よって, 出 力 電 流泴 応 答 は 燃 料 電 池 電 流泴 制 御 と 並 列 カンルト<br />

ヴタ 電 流泴 制 御 の 応 答 と 同 じ 応 答 が 得 られる。<br />

負 荷 変 動 後 負 荷 が 安 定 しているとき, 並 列 カンルトヴタを<br />

動 作 させると 効 率 の 悪 化 の 原 因 となる。ここでは, 並 列 カ<br />

ンルトヴタの 動 作 はュヴドケネィルタの 時昷 定 数 T に 応 じて 動<br />

作 時昷 間 を 決 定 し, 動 作 時昷 間 終 了 後 ,タイマブによって 並 列 補<br />

償 動 作 を 終 了 させる。タイマブの 時昷 間 は, 負 荷 のケテッセハ 変<br />

化 に 対 して 燃 料 電 池 電 流泴 指 令 が 出 力 電 流泴 指 令 とほぼ 一 致 す<br />

るまでの 時昷 間 とし,ュヴドケネィルタの 時昷 定 数 の 3 倍 から 5<br />

倍 程 度 に 設 定 する。<br />

図 7 に, 燃 料 電 池 電 流泴 制 御 の 制 御 ノュッセェ 図 を 示 す。 目<br />

標 燃 料 電 池 電 流泴 から 実 際 の 燃 料 電 池 までの 伝 達 関 数 は,(13)<br />

式 で 表 される。<br />

I<br />

I<br />

fc<br />

*<br />

fc<br />

( s)<br />

( s)<br />

K<br />

p<br />

LfcTi<br />

=<br />

2<br />

K<br />

p<br />

s +<br />

L<br />

fc<br />

( 1+<br />

sT )<br />

K<br />

p<br />

s +<br />

L T<br />

i<br />

fc<br />

i<br />

.........................................(13)<br />

ただし,K p は PI 制 御 器 の 比 例 オインル,T i は 積 分 時昷<br />

定 数 ,L fc は 燃 料 電 池 側 インルダェタンルケである。<br />

このとき, 比 例 オインルおよび 積 分 時昷 定 数 はそれぞれ(14),<br />

(15) 式 で 与 えられる。<br />

K<br />

T i<br />

p<br />

= 2ζωi<br />

_ nL<br />

fc ...........................................................(14)<br />

2ζ<br />

= ....................................................................(15)<br />

ω<br />

i _ n<br />

ただし,ζは 電 流泴 制 御 系 の 制 動 係 数 ,ω i_n は 固 暼 角<br />

周 波沿 数 である。<br />

燃 料 電 池 電 流泴 制 御 と 並 列 カンルトヴタ 電 流泴 制 御 の 固 暼 角 周<br />

波沿 数 は 同 じにする。また, 電 流泴 制 御 の 固 暼 角 周 波沿 数 は, 出<br />

力 電 圧 制 御 との 干 渉浟 を 防 止 するため, 出 力 電 圧 制 御 の 固 暼<br />

V fc<br />

K ⎛ ⎞<br />

⎜<br />

1 + sT<br />

i<br />

1<br />

⎟<br />

p<br />

⎝ sT<br />

i ⎠<br />

sC<br />

out<br />

図 6 出 力 電 圧 制 御 ノュッセェ 図<br />

Fig. 6. Control diagrams of the output voltage.<br />

K ⎛ ⎞<br />

⎜<br />

1 + sT<br />

1<br />

i<br />

⎟<br />

p<br />

⎝ sT<br />

i ⎠<br />

sL<br />

fc<br />

図 7 燃 料 電 池 電 流泴 制 御 ノュッセェ 図<br />

Fig. 7. Control diagrams of the fuel cell current.<br />

L fc<br />

S 2 S 2<br />

L out<br />

V fc<br />

L fc<br />

S 1 S 1<br />

V sb<br />

i 2<br />

S 3<br />

S 3<br />

S 4 i 1<br />

(a) S 1 is on.<br />

V sb<br />

S 4<br />

(b) S 1 is off.<br />

図 8 動 作 モヴド( 昇 圧 時昷 )<br />

Fig. 8. Operation mode (Boost operates).<br />

(a) S 2 is on.<br />

(b) S 2 is off.<br />

図 9 動 作 モヴド( 降 圧 時昷 )<br />

Fig. 9. Operation mode (Buck operates).<br />

角 周 波沿 数 の 10 倍 程 度 に 設 定 する。<br />

4. 提 案 回 路 の 設 計<br />

L out<br />

図 2 の 提 案 回 路 では, 燃 料 電 池 電 圧 が 変 化 すると 燃 料 電<br />

池 側 インルダェタおよび 出 力 側 インルダェタのリハル 電 流泴 が 変<br />

化 する。リハル 電 流泴 の 大 きさは,インルダェタの 最暷 適 設 計 時昷<br />

の 条曵 件 ,または 燃 料 電 池 の 寿 命 に 影 響 する。ここでは,リ<br />

ハル 電 流泴 の 上 限 を 定 めインルダェタの 設 計 指 針 を 検 討 する。<br />

提 案 回 路 において, 最暷 もリハル 電 流泴 が 大 きくなるのは 差<br />

分 電 圧 が 最暷 も 大 きいときであり,ここでは, 燃 料 電 池 電 圧<br />

4V のときである。<br />

図 8 に 提 案 回 路 の 昇 圧 時昷 の 動 作 モヴド, 図 9 に 降 圧 時昷 の<br />

動 作 モヴドを 示 す。 昇 圧 時昷 は,S 2 を 常 時昷 オンルとし,S 1 をケ<br />

イッセスンルエして 差 分 電 圧 の 直 列 補 償 を 行 う。 燃 料 電 池 電 流泴<br />

は, 出 力 側 への 電 流泴 と 並 列 カンルトヴタに 流泴 れる 電 流泴 との 和<br />

であり, 降 圧 時昷 に 比 べ, 昇 圧 時昷 ( 図 8)の 方 が 燃 料 電 池 のリハ<br />

ル 電 流泴 は 大 きくなる。ここで, 図 8(a)の 期曋 間 中 に 並 列 カンルト<br />

4 IEEJ Trans. ●●, Vol.●●, No.●, ●●●


表 題 を 簡 略 化 した 題<br />

ヴタに 流泴 れる 電 流泴 のピヴェ 値 を∆i 1 , 出 力 へのリハル 電 流泴 を<br />

∆i 2 としその 和 を 燃 料 電 池 のリハル 電 流泴 を∆i fc とすると,<br />

MOSFET のオンル 抵 抗 および 還 流泴 ダイオヴドの 順 方 向 電 圧 に<br />

よる 電 圧 降 下 を 無 視 すれば,リハル 電 流泴 は(16) 式 となる。こ<br />

のとき, 燃 料 電 池 電 流泴 のリハル 電 流泴 ∆i fc は(16) 式 となる。<br />

表 1 設 計 仕 様<br />

Table 1. Specifications for proposed circuit.<br />

∆i<br />

fc<br />

= ∆i<br />

+ ∆i2<br />

V<br />

fc<br />

V<br />

fc<br />

Vout<br />

−V<br />

fc<br />

1<br />

= ton<br />

=<br />

................(16)<br />

L L f V<br />

fc<br />

fc<br />

sw<br />

sb<br />

ただし,f sw はケイッセスンルエ 周 波沿 数 ,t ot は 昇 圧 時昷 の<br />

S 1 のオンル 時昷 間 である。<br />

(16) 式 より, 許 容 リハル 電 流泴 を 範 囲 内 に 抑 制 するのに 必 要<br />

なインルダェタンルケは(17) 式 で 求 められる。 例 えば, 表 1 の 条曵<br />

件 にて 回 路 を 設 計 するとすれば,インルダェタンルケ 値 は 下 記<br />

のように 求 められる。<br />

L<br />

V<br />

fc<br />

Vout<br />

−V<br />

fc<br />

= = 23.3 H ................................(17)<br />

∆i<br />

f V<br />

fc<br />

µ<br />

fc sw sb<br />

Efficiency [%]<br />

5. 実 機 検 証<br />

〈5・1〉 提 案 回 路 の 効 率 図 10 に 提 案 回 路 の 効 率 を 示<br />

す。ここでの 効 率 は 電 力 変 換 回 路 のみの 効 率 であり, 制 御<br />

回 路 やドライノ 回 路 の 消洑 費 電 力 は 考 慮 していない。なお,<br />

本曓 シケテムでは, 燃 料 電 池 の 燃 料 供 給 を 調 整 することによ<br />

り 燃 料 電 池 電 圧 を 制 御 し, 昇 降 圧 を 切 り 替暶 えることにより<br />

トッセテリの 充 放 電 を 行 うことを 想 定 しており, 並 列 カンルト<br />

ヴタを 停 止 させて 効 率 を 測浴 定 している。また, 実 験 条曵 件 は<br />

表 2 のとおりである。 燃 料 電 池 は, 直 流泴 電 圧 源 に 内 部 インル<br />

ピヴダンルケ 相 当 のインルダェタを 直 列 に 接 続 し,その 両 端 に<br />

電 解 カンルデンルサを 接 続 して 模 擬 している。なお, 図 2 では<br />

直 列 カンルトヴタにダイオヴドを 使 用 しているが, 高 効 率 化<br />

のため, 実 験 回 路 では MOSFET により 同 期曋 整 流泴 を 行 ってい<br />

る。 図 10 において, 最暷 高 効 率 98.8%を 達 成 した。 最暷 高 効 率<br />

達 成 時昷 は,MOSFET はケイッセスンルエしていないため,ケイ<br />

ッセスンルエ 損 失 がゼゴュになる。よって, MOSFET の 導 通 損 失<br />

およびインルダェタの 銅 損 のみであり, 今 回 は 直 列 カンルトヴ<br />

タの MOSFET(TPC8018-H: 東朁 芝 )はオンル 抵 抗 が 極 めて 小 さい<br />

(3.5mΩ)もの,インルダェタも 直 流泴 巻 線 抵 抗 が 小 さい(16.0mΩ)<br />

ものを 使 用 しているため 高 効 率 が 得 られる。<br />

〈5・2〉 並 列 補 償 動 作 の 検 証<br />

(a) 出 力 電 力 増 加 時昷 昇 圧 モヴド 図 11(a)に 並 列 カンル<br />

トヴタが 動 作 していないときの 提 案 回 路 の 出 力 電 力 増 加 時昷<br />

の 実 験 結 果 を 示 す。また, 実 験 条曵 件 は 表 2 に 示 すとおりで<br />

ある。なお, 本曓 実 験 ではュヴドケネィルタの 時昷 定 数 は 電 流泴<br />

電 圧 の 変 化 を 観 測浴 しやすくするため,2.2ms に 設 定 したが,<br />

実 際 には 燃 料 電 池 の 寿 命 を 考 慮 し, 数 百 ms から 数 s に 設 定<br />

する。また, 負 荷 は, 昇 圧 時昷 で 出 力 電 力 を 2W から 20W に<br />

増 加 させている。 図 11(a)より, 出 力 電 力 が 急 変 動 すると,<br />

燃 料 電 池 の 電 流泴 も 急 変 動 することを 確 認 できる。また, 出<br />

力 電 圧 が 約 14% 以 上 変 動 する。<br />

図 11(b)に 提 案 手 法沵 を 用 いた 提 案 回 路 の 昇 圧 時昷 の 出 力 電 力<br />

図 10 提 案 回 路 の 効 率<br />

Fig. 10. Efficiency of the proposed circuit.<br />

表 2 実 験 条曵 件<br />

Table 2. Experimental conditions.<br />

Fuel cell voltage V fc 4 to 10 [V]<br />

Battery voltage V sb 11 [V]<br />

Output voltage V out 7.2 [V]<br />

Switching frequency f sw 100 [kHz]<br />

Input inductor L fc 30 [ H]<br />

Output inductor L out 30 [ H]<br />

Output capacitor C out 800 [ F]<br />

AVR response 0.1 [kHz]<br />

ACR response 1 [kHz]<br />

LPF time constant 2.2 [ms]<br />

FET TPC8018-H (TOSHIBA)<br />

Fig. 11(a),(b) 2 to 20 [W]<br />

Load change<br />

Fig. 12(a),(b) 20 to 2 [W]<br />

増 加 時昷 の 実 験 結 果 を 示 す。 条曵 件 は, 出 力 電 力 を 2W から 20W<br />

に 増 加 させた。 図 11(a)では, 燃 料 電 池 の 電 流泴 変 動 が 急 峻 で<br />

あるのに 対 して 図 11(b)では, 燃 料 電 池 の 電 流泴 がゆゆるやかに<br />

抑 えられている。また, 出 力 電 圧 の 変 動 も 約 7% 以 内 に 抑 え<br />

られている。<br />

(b) 出 力 電 力 減浦 少 時昷 昇 圧 モヴド<br />

図 12(a)に 並 列 カンル<br />

トヴタが 動 作 していないときの 提 案 回 路 の 出 力 電 力 減浦 少 時昷<br />

の 実 験 結 果 を 示 す。 負 荷 条曵 件 は, 昇 圧 時昷 で 出 力 電 力 を 20W<br />

から 2W に 減浦 少 させた。 図 12(a)より, 出 力 電 力 増 加 時昷 同 様 ,<br />

出 力 電 力 に 応 じて, 燃 料 電 池 の 電 流泴 も 急 変 動 することを 確<br />

認 できる。<br />

図 12(b)に 提 案 手 法沵 を 用 いた 提 案 回 路 の 昇 圧 時昷 の 出 力 電 力<br />

減浦 少 時昷 の 実 験 結 果 を 示 す。 条曵 件 は, 出 力 電 力 を 20W から 2W<br />

に 減浦 少 させた。 出 力 電 力 増 加 時昷 同 様 , 提 案 手 法沵 の 良 好 な 制<br />

御 を 確 認 できる。<br />

電 学 論 ●,●● 巻 ● 号 ,●●● 年 5


6. 損 失 解 析<br />

前 章 にて 測浴 定 した 効 率 をもとに, 提 案 方 式 が, 差 分 電 圧<br />

が 小 さい 領 域 で 高 効 率 を 得 られる 理 由 について 損 失 解 析 に<br />

より 考 察 する。 提 案 回 路 では, 燃 料 電 池 電 圧 の 変 化 に 伴 い,<br />

インルダェタのリハル 電 流泴 および 電 圧 が 変 化 することによ<br />

り,インルダェタの 銅 損 および 鉄 損 が 変 化 する。ここでは,<br />

理 論 計 算 による 計 算 方 法沵 と,MOSFET の 導 通 損 失 ,ケイッセ<br />

スンルエ 損 失 も 含 めた 提 案 回 路 の 損 失 解 析 結 果 を 示 す。<br />

〈6・1〉 インダクタの 銅 損 (18) 式 に,インルダェタの 巻<br />

線 抵 抗 による 銅 損 の 計 算 式 を 示 す。ここで,R LDC はインルダ<br />

ェタの 直 流泴 抵 抗 ,R LAC は,ケイッセスンルエ 周 波沿 数 f sw における<br />

表 皮 効 果 を 考 慮 したインルダェタンルケの 交 流泴 抵 抗 ,I out は 出 力<br />

電 流泴 ,I LAC はインルダェタに 流泴 れる 電 流泴 のリハル 電 流泴 成 分 の 実<br />

効 値 である。<br />

(a) Series compensation only.<br />

P = R I + R I ....................................(18)<br />

ind _ copper<br />

2<br />

LDC out<br />

2<br />

LAC LAC<br />

インルダェタの 抵 抗 分 を 無 視 すれば,インルダェタの 電 流泴 は<br />

デュポヴティ 比 に 応 じて 傾 斜 の 異 なる 三 角 形 となり,その 実<br />

効 値 は(19) 式 で 求 められる (9) 。<br />

I<br />

LAC<br />

1<br />

=<br />

2 3<br />

V<br />

−V<br />

( L + L )<br />

fc<br />

fc<br />

out<br />

out<br />

f<br />

sw<br />

D .....................................(19)<br />

ここで,D は 直 列 カンルトヴタのデュポヴティで,(20) 式 で 表<br />

される。<br />

V<br />

fc<br />

−Vout<br />

D =1 − ........................................................(20)<br />

V<br />

sb<br />

(b) Series-parallel compensation.<br />

図 11 出 力 電 力 増 加 時昷 の 電 圧 電 流泴 波沿 形<br />

Fig. 11. Voltage waveforms and current waveforms for<br />

increasing output power.<br />

図 13 に(19) 式 で 示 されるインルダェタのリハル 電 流泴 の 実 効<br />

値 を 示 す。 図 13 より, 燃 料 電 池 電 圧 が 出 力 電 圧 に 近 いほど,<br />

リハル 電 流泴 が 小 さくなることを 確 認 できる。 最暷 終 的 にインル<br />

ダェタの 銅 損 P ind_copper は(21) 式 で 求 まる。<br />

( V<br />

fc<br />

−Vout<br />

)<br />

2<br />

( L + L )<br />

2<br />

2<br />

2<br />

ind _ copper<br />

= RLDC<br />

IOUT<br />

+ RLAC<br />

D<br />

2<br />

....(21)<br />

12<br />

fc out<br />

f<br />

sw<br />

P<br />

〈6・2〉 インダクタの 鉄 損 DC-DC カンルトヴタは 直 流泴<br />

を 扱 うので,インルダェタにかかる 電 圧 の 低 周 波沿 分 はゼゴュで<br />

あるが,PWM に 伴 う 高 周 波沿 電 圧 が 重 畳 し,インルダェタのカ<br />

アに 鉄 損 が 生 じる (10) 。<br />

図 14,15 に, 提 案 回 路 における 昇 圧 時昷 および 降 圧 時昷 の 各<br />

インルダェタンルケの 電 圧 波沿 形 を, 図 16 に 各 燃 料 電 池 電 圧 にお<br />

ける 各 インルダェタ 電 圧 のひずみ 実 効 値 を 示 す。 図 16 に 示 す<br />

ように 直 列 補 償 方 式 の 特 徴 は, 差 分 電 圧 が 小 さい 領 域 で,<br />

ひずみ 実 効 値 が 小 さく, 鉄 損 が 小 さくなることである。な<br />

お, 降 圧 時昷 においては, 燃 料 電 池 側 インルダェタの 右 端 の 電<br />

位 が 燃 料 電 池 のエランルドを 基 準 として,ケイッセスンルエによ<br />

って,(V fc +V out )/2 と V sb に 変 化 し, 出 力 側 インルダェタの 左 端<br />

の 電 位 は V sb と 0 に 変 化 する。したがって, 出 力 側 インルダェ<br />

タ 電 圧 の 変 化 は 燃 料 電 池 側 インルダェタ 電 圧 の 変 化 よりも 大<br />

きくなる。この 結 果 ,それぞれのインルダェタ 電 圧 が 大 きく<br />

(a) Series compensation only.<br />

(b) Series-parallel compensation.<br />

図 12 出 力 電 力 減浦 少 時昷 の 電 圧 電 流泴 波沿 形<br />

Fig. 12. Voltage waveforms and current waveforms for<br />

decreasing output power.<br />

6 IEEJ Trans. ●●, Vol.●●, No.●, ●●●


表 題 を 簡 略 化 した 題<br />

異 なり,ひずみ 実 効 値 が 大 きく 異 なる。なお, 図 14(a)で 発<br />

生 しているケドイェ 状 の 電 圧 は,ケイッセスオネの 瞬 間 に L fc<br />

と L out の 電 流泴 が 異 なるために 発 生 する 電 圧 であるが,V fc -V sb<br />

にェランルハされるため, 素 子 耐 圧 の 点 からは 問 題 ない。<br />

次 に,インルダェタ 電 圧 と 鉄 損 の 関 係 を 定 量 的 に 考 察 する。<br />

ただし,DC-DC カンルトヴタでは 直 流泴 電 流泴 がインルダェタに 流泴<br />

れるため, 正 確 な 鉄 損 の 算 定 は 困 難 であるが,ここでは,<br />

簡 易昒 的 にケイッセスンルエ 周 波沿 数 成 分 の 交 番 電 圧 によって 生 じ<br />

るナケテリシケ 損 とうず 電 流泴 損 のみ 評 価 する。 提 案 回 路 に<br />

おいて,インルダェタのカア 内 の 磁 束曳 変 化 は,(22) 式 によって<br />

表 される。<br />

RMS value of<br />

ripple current [A]<br />

図 13 インルダェタのリハル 電 流泴 の 実 効 値<br />

Fig. 13. RMS value of ripple current.<br />

B<br />

2V<br />

dis _ rms<br />

m<br />

= .........................................................(22)<br />

NAe<br />

f<br />

sw<br />

ここで,B m はカア 内 の 磁 束曳 密 度 [T],V dis_rms はインル<br />

ダェタ 電 圧 のひずみ 実 効 値 ,N は 巻 数 ,A e はカア<br />

の 実 効 断 面 積 である。<br />

また,カアの 材曩 料 には PC40 を 使 用 した。デヴタシヴトよ<br />

り(22) 式 の 磁 束曳 密 度 の 変 化 によって,PC40 に 発 生 する 鉄 損<br />

(うず 電 流泴 損 とナケテリシケ 損 )は(23) 式 で 表 される (11) 。<br />

−4<br />

2.5 1. 55<br />

P<br />

ind _ iron<br />

= 4 .5×<br />

10 × Bm<br />

× fsw<br />

× Vc<br />

............................(23)<br />

ここで,V c はカアの 実 効 体 積 [cm 3 ]である。<br />

〈6・3〉 損 失 解 析 結 果 図 17 に,(21) 式 で 示 されるインル<br />

ダェタの 銅 損 ,(23) 式 で 示 される 鉄 損 の 燃 料 電 池 側 および 出<br />

力 側 インルダェタの 合 計 値 を 示 す。 図 17 より, 差 分 電 圧 が 小<br />

さい 領 域 で,インルダェタの 銅 損 および 鉄 損 が 小 さくなるこ<br />

とを 確 認 できる。 図 18 に 提 案 回 路 の 損 失 の 燃 料 電 池 電 圧 に<br />

対 する 変 化 を 示 す。 図 18 より, 狙 い 通 り, 燃 料 電 池 電 圧 と<br />

目 標 出 力 電 圧 が 近 い 領 域 で, 損 失 が 最暷 小 となることを 確 認<br />

した。 直 列 補 償 回 路 の MOSFET のケイッセスンルエ 損 失 と 導 通<br />

損 失 は, 以 下 のように 求 めた。ケイッセスンルエ 損 失 は, 実 測浴<br />

した 電 流泴 と 電 圧 のケイッセスンルエ 波沿 形 から 計 算 して 求 め, 導<br />

通 損 失 は 使 用 素 子 のデヴタシヴトよりオンル 抵 抗 を 用 いて,<br />

実 測浴 電 流泴 より 求 めた。また, 配 線 抵 抗 による 損 失 をその 他<br />

とする。 損 失 計 算 の 結 果 より, 差 分 電 圧 が 大 きくなると,<br />

インルダェタの 銅 損 および 鉄 損 が 増 加 することがわわかる。こ<br />

のことより,インルダェタの 銅 損 および 鉄 損 が 支 配 的 なほど,<br />

提 案 回 路 は 暼 効 であるといえる。また, 図 18 より, 全 体 の<br />

損 失 に 対 して,インルダェタの 銅 損 および 鉄 損 ,MOSFET の<br />

ケイッセスンルエ 損 失 , 還 流泴 ダイオヴドとして 使 用 している 直<br />

列 カンルトヴタの MOSFET の 寄 生 ダイオヴドによる 損 失 が 大<br />

きな 割 合 を 占 めることがわわかる。そのうち 直 列 カンルトヴタ<br />

の 還 流泴 ダイオヴドの 損 失 は,デッセドタイム 期曋 間 中 に 発 生 す<br />

る 損 失 であり,オンル 電 圧 が 低 いダイオヴドを MOSFET と 逆<br />

並 列 に 接 続 することで, 損 失 の 低 減浦 が 可 能 である。<br />

7. まとめ<br />

本曓 論 文 では, 高 効 率 で 小 型 かつ, 燃 料 電 池 の 長 寿 命 化 を<br />

はかる 燃 料 電 池 用 DC-DC カンルトヴタを 実 現 することを 目 的<br />

Voltage [V]<br />

(a) Input inductor.<br />

Voltage [V]<br />

(b) Output inductor<br />

図 14 昇 圧 時昷 のインルダェタ 電 圧 波沿 形 (V fc =4V)<br />

Fig. 14. Voltage waveforms of the inductors (Boost operates).<br />

Voltage [V]<br />

(a) Input inductor.<br />

Voltage [V]<br />

(b) Output inductor<br />

図 15 降 圧 時昷 のインルダェタ 電 圧 波沿 形 (V fc =10V)<br />

Fig. 12. Voltage waveforms of the inductors (Buck operates).<br />

Distortion RMS value<br />

of inductor voltage<br />

Vdis_rms [V]<br />

図 16 インルダェタ 電 圧 のひずみ 実 効 値<br />

Fig. 16. Distortion RMS value of inductor voltage.<br />

として, 定 常 時昷 は 直 列 カンルトヴタのみで 直 列 電 圧 補 償 を 行<br />

い, 負 荷 変 動 時昷 は 並 列 カンルトヴタを 用 いて 負 荷 電 力 の 増 減浦<br />

に 伴 って 燃 料 電 池 の 電 流泴 を 並 列 補 償 する, 直 並 列 補 償 方 式<br />

DC-DC カンルトヴタを 提 案 した。 実 験 により 提 案 回 路 の 定 常<br />

時昷 の 直 列 補 償 動 作 , 負 荷 変 動 時昷 の 並 列 電 流泴 補 償 動 作 を 確 認<br />

した。その 結 果 , 負 荷 変 動 時昷 には, 並 列 カンルトヴタによっ<br />

て 電 流泴 を 補 償 することで, 燃 料 電 池 の 電 流泴 を 急 変 させるこ<br />

電 学 論 ●,●● 巻 ● 号 ,●●● 年 7


Power loss [W]<br />

Inductor loss [W]<br />

図 17 インルダェタの 銅 損 および 鉄 損<br />

Fig. 17. Iron loss and copper loss of the inductor.<br />

図 18 損 失 解 析 結 果<br />

Fig. 18. Loss analysis of the experimental result.<br />

となく, 出 力 電 圧 を 直 列 電 圧 補 償 で 制 御 できることを 確 認<br />

した。また, 燃 料 電 池 電 圧 と 目 標 出 力 電 圧 が 近 い 領 域 で 最暷<br />

高 効 率 98.8%を 達 成 した。 損 失 解 析 では,リハル 電 流泴 とインル<br />

ダェタ 電 圧 のインルダェタの 銅 損 および 鉄 損 への 影 響 を 明 ら<br />

かにし, 差 分 電 圧 が 小 さいほど, 銅 損 および 鉄 損 が 小 さく<br />

なることを 確 認 した。<br />

今 後 の 課 題 として, 損 失 解 析 の 精 度 向 上 , 大 容 量 化 など<br />

が 挙 げられる。<br />

( 平 成 13 年 1 月 1 日 受 付 , 平 成 14 年 1 月 1 日 再 受 付 )<br />

文<br />

(1) Kotsopoulos, J. L. Duarte, and M. A. Hendrix : “A Soft-Switched Three<br />

Port Bidirectional Converter for Fuel Cell and Supercapacitor<br />

Applications”, Proc. of IEEE-PESC05, pp.2487-2493, Recife, Brazil<br />

(2005-6)<br />

(2) Naehyuck Chang : “Fuel Cell and Battery Hybrid System for Portable<br />

Electronics Applications”, 10th Annual International Conference SMALL<br />

FUEL CELLS 2008 – Portable & Micro Fuel Cells for Commercial &<br />

Military Applications, Atlanta, USA (2008-5)<br />

(3) Zhenhua Jiang, Lijun Gao, and Rogar A. Dougal : “Flexible Multiobjective<br />

Control of Power Converter in Active Hybrid Fuel Cell/Battery Power<br />

Sources”, Proc. of IEEE-PESC04, pp.3804-3811, Aachen, Germany<br />

(2004-6)<br />

(4) T. Fujii and J. Itoh : “Circuit Configuration and Control Method of a<br />

Difference Voltage Control for Non-Isolated Buck-Boost DC/DC<br />

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献<br />

よる 昇 降 圧 形 DC-DC カンルトヴタ」, 半 導 体 電 力 変 換 /リニアドライ<br />

ノ 合 同 研 究 会 ,SPC-07-126,LD-07-53 (2007)<br />

(5) K. Orikawa and J. Itoh : “Circuit Configuration and Control Method of a<br />

Series-Parallel Compensation Type DC-DC Converter for Fuel Cell”,<br />

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(2008)<br />

(6) Y. Ito, S. Ishiguma, Y. Kanno, H. Iida, Y. Nakajima, and T. Watanabe :<br />

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伊 東朁 洋泒 一 ・ 石 隈 悟 ・ 菅 野 雄 一 郎 ・ 飯 田 英 之 ・ 中 島 康 博 ・ 渡浫 邉 敏 彦 :「 単<br />

相 無 停 電 電 源 装 置 における 新 しい 電 力 変 換 方 式 」, 電 学 論 D,122, 2,<br />

pp.169-175 (2002-2)<br />

(7) Y. Ito, S. Ishiguma, I. Takahashi, and H. Haga : “New power conversion<br />

technique to obtain high performance and high efficiency for single-phase<br />

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源 シケテムへの 適 用 」, 平 成 19 年 電 気 関 係 学 会 関 西 支 部 連 合 大 会 ,<br />

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(9) Y. Katayama, M. Edo, T. Denta, T. Kawashima, and T. Ninomiya :<br />

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IEEJ Trans. IA, Vol.124, No.10, pp.1043-1052 (2004-10) (in Japanese)<br />

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CMOS DC-DC カンルトヴタの 最暷 適 設 計 手 法沵 」, 電 学 論 D,124, 10,<br />

pp.1043-1052 (2004-10)<br />

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ュグヴ,pp.33-36 (1991)<br />

折 川 幸 司<br />

伊 東 淳 一<br />

( 学 生 員 ) 1985 年 4 月 12 日 生 。2008 年 3 月 長<br />

岡 技 術 科 学 大 学 卒 業 。 同 年 4 月 同 大 学 大 学 院 工<br />

学 研 究 科 修 士 課 程 電 気 電 子 情 報 工 学 専 攻 に 進<br />

学 。 主 に 電 力 変 換 回 路 に 関 する 研 究 に 従 事 。<br />

( 正 員 ) 1972 年 1 月 6 日 生 。1996 年 3 月 長 岡<br />

技 術 科 学 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 修 士 課 程 終 了 。<br />

同 年 4 月 , 富 士 電 機 ( 株 ) 入 社 。2004 年 4 月 長<br />

岡 技 術 科 学 大 学 電 気 系 准 教 授 。 現 在 に 至 る。 主<br />

に 電 力 変 換 回 路 , 電 動 機 制 御 の 研 究 に 従 事 。 博<br />

士 ( 工 学 )( 長 岡 技 術 科 学 大 学 )。2007 年 第 63<br />

回 電 気 学 術 振 興 賞 進 歩 賞 受 賞 。IEEE 会 員 。<br />

8 IEEJ Trans. ●●, Vol.●●, No.●, ●●●

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