「地上アナログテレビ放送停止（停波）」の経済分析（現状と分析モデル ...

Hajime Oniki
11/22/2007
「 地 上 アナログテレビ 放 送 停 止 ( 停 波 )」の 経 済 分 析 ( 現 状 と 分 析 モデル 概 要 )
情 報 通 信 政 策 研 究 会 議 (ICPC)
第 一 部 「アナログ 停 波 事 業 」の 現 状 ( 日 本 、 米 国 )
I. 日 本
A. アナログ 停 波
2011 年 7 月 24 日 の 予 定
2007 年 1 1 月 24 日
鬼 木 甫
本 間 清 史
大 阪 学 院 大 学
B. 根 拠 法 令
電 波 法 7 条 3 項 、71 条 の 2(2001 年 改 正 分 )
放 送 用 周 波 数 使 用 計 画 (2001 年 7 月 25 日 総 務 省 告 示 476 号 )
C. デジタルテレビ 機 器 普 及 の 現 状
1. テレビ 受 信 機 総 数 : 約 1~1.2 億 台 (100%)
( 内 ) 地 上 デジタルテレビ 累 積 販 売 数 : (~2007 年 9 月 )
15,839 千 台 (13.2~15.8%)
2. 年 間 テレビ 受 信 機 販 売 数 (2006 年 ): 8,220 千 台 (100%)
( 内 ) 地 上 デジタルテレビ 受 信 機 販 売 数 : 5,485 千 台 (67%)
( 内 ) 地 上 デジタル 薄 型 テレビ 機 販 売 数 : 5,466 千 台 (66%)
( 内 ) 地 上 デジタル PDP テレビ 機 販 売 数 : 766 千 台 (9%)
( 内 ) 地 上 デジタル 液 晶 テレビ 機 販 売 数 : 4,700 千 台 (57%)
3. 当 初 試 算
DTV 用 チューナー 価 格 を 5,000 円 / 台 とし、 停 波 時 に 5,000 万 台 のチューナー
を 供 給 する 場 合 の 総 費 用 :2,500 億 円 (= 5,000 円 ×5,000 万 )
D. 経 過 ・ 予 定
2003 年 末 地 上 デジタル 放 送 開 始
2006 年 末 全 都 道 府 県 庁 所 在 地 で 放 送 開 始
2007 年 末 全 中 継 局 チャンネル 割 当 終 了 予 定
2011 年 7 月 24 日 アナログ 停 波 予 定 。 同 時 点 でのアナログ 放 送 カバー 人 口 に 対 す
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るデジタル 放 送 カバー 人 口 の 比 率 は 99%の 見 込 み(カバー
エリア 内 難 視 聴 対 応 済 地 域 のデジタル 対 応 未 確 認 ・ 未 決 定
分 を 除 く; また 衛 星 放 送 、IP マルチキャスト 等 計 画 中 の
分 を 除 く)。
E. 将 来 予 測 :
1. 条 件 :
a. 現 状 のままで 時 間 が 経 過
b. 2011 年 7 月 に 停 波 を 実 施
2. あり 得 るシナリオ
c. デジタル 受 信 機 、 同 チューナー 需 要 の 増 大 、 停 波 直 前 ( 数 ヶ 月 前 )から 急 速
増 大
d. 同 上 価 格 の 急 騰 、 品 不 足 の 発 生
e. 同 上 買 いあぶれの 発 生
f. 低 所 得 者 等 テレビ 視 聴 ができなくなる 世 帯 が 相 当 数 発 生 、 不 満 ・ 抗 議 の 表 明
II. 米 国
A. 根 拠 法 令
Digital Television Transition and Public Safety Act of 2005 (Public Law 109-171, Feb.8,
2006), Title III (Communications Act of 1934 as amended, Section 309 (j)(14);
47USC309(j)(14)):
B. アナログ 放 送 停 止 の 確 定 期 限 (firm deadline) :
2009 年 2 月 17 日 に 設 定 。
以 降 は ch.2~ch.51 のみ 放 送 用 に 使 用
前 回 設 定 期 限 は 2006 年 12 月 31 日 であった。
C. 停 波 に 関 連 する 施 策
1. 回 収 周 波 数 帯 (ch.52~ch.68 = 102MHz)のオークション
2008 年 1 月 28 日 までの 開 始 を(FCC に) 義 務 づけている。
2. DA コンバータ(チューナー) 購 入 費 用 の 一 部 償 還 (クーポン 計 画 ):
米 国 各 世 帯 につき 2 枚 までのクーポン 配 布 申 込 を 受 付 ( 管 理 は NTIA、 実 際 業
務 は U.S. Post)
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申 込 期 間 : 2008 年 1 月 1 日 ~2009 年 3 月 31 日
有 効 期 限 : 配 布 後 3 ヵ 月
チューナー1 個 購 入 時 に、クーポン 1 枚 で$40.-の 償 還 を 受 けることができる。
3. 償 還 用 財 源 :
上 記 2 のオークション 収 入 を 使 用
2009 年 度 (2008.7~2009.6) 中 に$990 百 万 まで 支 出 できる。
不 足 の 場 合 $1,500 百 万 まで 借 入 れ、 後 にオークション 収 入 より 返 済 できる。
D. デジタルテレビ 機 等 普 及 の 現 状
1. アナログ TV 機 器 の 保 有 (2006 年 末 )
a. 67.7 百 万 台 : A T Vで MVPD サービス(Cable, 衛 星 等 )を 受 けていないもの
( 内 )44.2 百 万 台 : A T Vで MVPD 非 加 入
( 内 )23.5 百 万 台 : A T Vで MVPD 加 入 しかし 非 接 続
b. 19.6 百 万 世 帯 : MVPD 非 加 入
( 内 )18.7 百 万 世 帯 : A T 保 V 有 、DTV 非 保 有
( 内 ) 0.9 百 万 世 帯 : DTV 保 有
c. 14.7 百 万 世 帯 : MVPD 加 入 だが 非 接 続 の A T Vを 保 有
d. 上 記 の 結 果 、 停 波 によって TV が 視 聴 できなくなる
世 帯 数 :33.4 百 万 世 帯 (= 18.7+14.7)
A T V 台 数 : 67.8 百 万 台 (= 44.2+23.5)
e. 上 記 A T Vのすべてにクーポン$40.-の 補 助 をおこなった 場 合 の 支 出 額 :
$2,712 mil(= $40×67.8 百 万 台 )
= 298,320 百 万 円 (= ¥110×271.2)
参 考 : 1994~95 年 PCS(A, B) 用 周 波 数 帯 60MHz の 落 札 額 合 計 :$7,721 mil.
2. デジタル TV 機 器 の 販 売
2006 年 : 23.9( 百 万 台 )( 全 テレビ 機 器 販 売 の 69%)
2007 年 : 29.2*
2008 年 : 33.4*
2009 年 : 35.2*
2010 年 : 36.4*
2006~2010 年 計 :158.1*
(* 予 測 数 )
( 上 記 は FCC:MB07-91, May 18, 2007, FCC07-70, IV.B による)
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「 地 上 アナログテレビ 放 送 停 止 時 点 」 選 択 の 経 済 分 析 PowerPoint 用 追 加 図 表
大 阪 学 院 大 学 経 済 学 部
本 間 清 史
地 上 デジタルテレビ 放 送 受 信 機 需 要 動 向 ( 累 計 )
(デジタルレコーダ、チューナ、ケーブルテレビ 用 STB、 地 上 デジタルチューナ 内 蔵 PC 含 む)
出 所 :( 社 ) 電 子 情 報 技 術 産 業 協 会 (J E I T A) A 主 V 要 品 目 世 「
界 需 要 予 測 〜2011 年 までの 需 要 展 望 〜< 概 要 >」2007 年 2
月 、5 ページ。
「Bass 型 価 格 モデル」による DTV 普 及 予 測 と A T V 保 有 数 推 移 ( 参 考 値 )
(デジタルレコーダ、チューナ、ケーブルテレビ 用 STB、 地 上 デジタルチューナ 内 蔵 PC 除 く)
当 月 値 ( 月 次 ベース)
千
1,500
累 積 値
DTV 当 期 購 入 数 (H222ma9)
1,000
500
DTV(H222ma9)
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
千
150,000
DTV/ANTV 累 積 購 入 数 (H222ma9)
100,000
50,000
ANTV(H222ma9)
DTV(H222ma9)
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
出 所 : 筆 者 にて 作 成 。
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11/22/2007
第 二 部 収 支 分 析 ( 日 本 )
I. 目 的 ・ 方 法 の 概 要
A. 目 的
アナログ TV 停 波 によって、 関 係 経 済 主 体 の 収 入 ・ 支 出 に 生 ずる 影 響 を 推 計 ・ 分 析
する。ただし 同 停 波 時 に 存 在 するすべての TV 受 信 機 について、その 視 聴 者 環 境
が 停 波 によって 悪 化 する( 停 波 後 に 視 聴 できなくなる)ことはないものとする。
B. 方 法
アナログ 停 波 を 実 施 しない(デジタル・アナログのサイマル 放 送 を 無 期 限 に 継 続 す
る) 場 合 の 収 支 状 況 を 起 点 とする。その 上 で、 特 定 時 点 でアナログ 停 波 を 実 施 し、
その 結 果 空 いた 周 波 数 帯 を 移 動 通 信 分 野 の 新 サービスに 割 り 当 てた 場 合 、 関 係 経
済 主 体 の 活 動 に 生 ずる 変 化 とそれに 伴 う 収 支 変 動 を 複 数 のケース(シナリオ)に
ついて 推 計 する。なお、アナログ 停 波 時 に 残 っているアナログ 受 信 機 保 有 者 に 対
して、 政 府 がデジタル TV 受 信 チューナーの 購 入 費 用 の 全 部 あるいは 一 部 を 補 助
するケース( 複 数 )を 考 える。
II. 関 係 経 済 主 体 のリスト
A. テレビ 関 係 :
1. 視 聴 者
個 人 住 宅
集 合 住 宅
区 分 所 有 居 住 者 、 管 理 組 合
賃 貸 居 住 者 、 所 有 ・ 管 理 者
企 業 団 体 等
2. 地 上 放 送 事 業 者
アナログ 放 送 事 業
デジタル 放 送 事 業
共 通 業 務
3. その 他 放 送 事 業 者
ケーブル 事 業 者 ( 再 送 信 業 務 )
衛 星 放 送 事 業 者
ブロードバンドサービス 事 業 者 (IP マルチキャスト 業 務 )
B. 移 動 通 信 関 係 ( 停 波 周 波 数 帯 での 新 規 事 業 者 ):
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