Stimulating Creativity via the Exposure to Other People's Ideas 1 ...

輪 講 担 当 : 水 野 隼 輔
Stimulating Creativity via the Exposure to Other
People’s Ideas
Andreas Fink,* Karl Koschutnig,Mathias Benedek, Gernot Reishofer,
Anja Ischebeck,1Elisabeth M. Weiss, and Franz Ebner
1. Abstract
• ブレインストーミングのように 特 定 の 問 題 に 対 して 生 成 する 各 々のアイディアは 新 た
なアイディアやソリューションを 刺 激 する 可 能 性 がある
‣ ブレインストーミング… 集 団 でアイディアを 出 すことによって 発 想 の 誘 発 を 期 待
する 技 法
• 本 fMRI 研 究 では 独 創 的 な 他 者 のアイディアを 介 することによる 認 知 刺 激 の 影 響 を 調 査
‣ 実 験 参 加 者 は 短 い 認 知 刺 激 をうける
‣ その 後 , 従 来 の 日 常 用 品 の 代 替 使 用 法 の 生 成 を 要 求
• ありきたり(common)または 適 度 に 創 造 的 なアイディアを 介 した 認 知 刺 激 が 創 造 性 の 向
上 に 有 効
• 内 側 側 頭 葉 が 賦 活
‣ 既 存 の 知 識 の 検 索 と 知 識 の 再 結 合 に 関 連 する 部 位
2. Introduction
• 創 造 性 は 日 常 生 活 ( 経 済 , 産 業 , 文 化 , 科 学 , 教 育 )において 有 益 である [e.g., Flaherty,
2005; Stein, 1953;Sternberg and Lubart, 1996]
• Guilford[1950]は, 心 理 テストを 用 いて 測 定 することができる 創 造 的 な 人 々の 特 性 を 示
す
‣ 概 念 的 な 流 暢 さ, 真 新 しさ, 柔 軟 に 考 える 能 力 について 言 及
‣ 彼 によって 多 くの 創 造 性 測 定 が 開 発 され, 実 験 的 にテスト
• 創 造 性 の 分 野 における 神 経 科 学 の 研 究
‣ 創 造 性 タスクに 従 事 しているときの 脳 活 動 を 調 査 することが 目 的
‣ 発 散 的 思 考 の 基 礎 となる 潜 在 的 な 脳 のメカニズムを 調 査
‣ 洞 察 的 問 題 解 決 , 視 覚 心 像 , 芸 術 にも 関 連
• 過 去 10 年 で 創 造 性 の 分 野 の 研 究 は 大 きく 発 展
‣ 前 頭 葉 が 創 造 性 に 関 連 している[for recent reviews see Arden et al.,2010; Dietrich and
Kanso, 2010]
‣ 創 造 的 問 題 解 決 は 右 腹 部 前 頭 前 野 の 活 性 化 (Goel,Vartanian[2005])

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‣ Carlsson et al. [2000] はレンガの 異 なる 使 用 法 を 求 められたとき( 創 造 性 を 測 定 す
る 方 法 として 知 られている Alternative Uses task : AU), 前 頭 前 野 ( 前 頭 葉 の 一
部 )が 賦 活
‣ 創 造 性 が 高 い 人 は 低 い 人 と 比 較 して 前 頭 前 野 に 強 い 賦 活 が 確 認 [e.g., Cha´vez-Eakle
et al., 2007; Gibson et al.,2009; see also Heilman et al., 2003]
• ブレインストーミング[Osborn, 1957]のように, 単 一 のアイディアや 解 決 策 は 他 で 新 し
いアイディアや 解 決 策 を 刺 激 する 可 能 性
• このようなアイディアの 共 有 や 交 換 のプロセスの 結 果 として, 創 造 的 なパフォーマン
スが 向 上 [Dugosh and Paulus, 2005; Dugosh et al., 2000; Paulus andBrown, 2007; Paulus and
Nijstad, 2003]
• 本 実 験 では 独 創 性 のレベルを 操 作 したアイディアで 参 加 者 を 刺 激 することによって,
創 造 的 な 発 想 のパフォーマンスと 神 経 生 理 学 的 影 響 を 調 査 することを 目 的 とする
• パフォーマンスの 増 加 は 脳 機 能 のパターンに 反 映 されるべきである
• 本 fMRI 実 験
‣ 日 常 用 品 を 提 示
‣ 実 験 参 加 者 は 日 常 用 品 の 創 造 的 または 独 創 的 な 使 用 法 を 生 成 し, 言 語 化 する
‣ 言 語 化 されたものはfMRIセッションの 後 に 独 創 性 に 関 して 評 価
• Fink [2010] らの 報 告 に 基 づくと, 認 知 刺 激 に 特 に 敏 感 である 側 頭 頭 頂 葉 で 活 性 化 する
可 能 性
3. Method
3.1. Participants
• 32 人 の 成 人 学 生 ( 男 14 人 , 女 18 人 )
‣ 6 人 の 参 加 者 は 記 録 時 にノイズが 入 り, 分 析 から 除 外
‣ 2 人 の 参 加 者 は 閉 所 恐 怖 症 によりスキャンを 放 棄
• 最 終 的 なサンプルは21~30 歳 の24 人 (M=24.9,SD=2.9)
‣ 健 康 , 右 利 き, 正 常 な 視 力
‣ インフォームドコンセントを 記 入
‣ 倫 理 委 員 会 によって 承 認
3.2. Materials and Produce
• このfMRI 研 究 は, 他 者 のアイディアを 介 した 独 創 的 なアイディアの 生 成 とそれらの 神
経 相 関 を 調 査 するために 設 計
• fMRIの 実 験 に 先 立 ち, 刺 激 材 料 を 作 成 するためにパイロットスタディを 実 施

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‣ 男 2 人 , 女 2 人 に68 個 の 日 常 用 品 ( 缶 ,ペン, 傘 のような)について,ありきたり
(common), 高 い 独 創 的 な(highly original) 使 用 法 を 生 成 するように 要 求
‣ 5 人 の 評 価 者 が 独 創 性 を 評 価
‣ これに 基 づいて,ありきたり(common), 高 い 独 創 的 な(highly original)に 分 類
‣ 最 終 的 な 刺 激 セットは60 個 の 日 常 用 品
• 本 実 験 での3つの 実 験 条 件
(1) STIM original condition
日 常 用 品 とその 高 い 独 創 的 な 使 用 法 を2つ 表 示
(2) STIM common condition
日 常 用 品 とそのありきたりな 使 用 法 を2つ 表 示
(3) control condition
日 常 製 品 と 無 意 味 な 語 ( 疑 似 語 )を 条 件 (1)(2)と 同 程 度 の 文 字 列 で 表 示
‣ 20 個 の 刺 激 語 が 表 示 され, 計 60 試 行 を 行 った
• 実 験 の 流 れ(Figure 1)
‣ 各 試 行 は12 秒 の 注 視 点 の 表 示 から 開 始
‣ 3 条 件 のうちのいずれかの 刺 激 語 とその 使 用 法 を4 秒 間 表 示
‣ 各 条 件 において 参 加 者 は 可 能 な 限 り 創 造 的 かつ 独 創 的 な 使 用 法 を 考 える( 白 い
が 表 示 されている12 秒 間 )
‣ 12 秒 間 は 考 えを 声 に 出 さないように 指 示
‣ その 後 (が 白 から 緑 に 変 わった3 秒 間 ), 参 加 者 は 最 も 独 創 的 なアイディアを 明
確 にするように 要 求 された
‣ 口 頭 による 生 成 されたアイディアは, 後 に 分 析 するため 記 録
‣ 各 試 行 の 終 了 時 に 創 造 的 もしくは 非 創 造 的 のボタンを 押 すことによって 評 価 する
ことを 求 められた
‣ 刺 激 語 の 表 示 と 条 件 の 割 り 当 てはランダムで 実 施
‣ 課 題 の 表 示 の 合 計 時 間 は36 分 , 全 体 のfMRIセッションは 約 45 分
3.3. Behavioral Data Analysis
• fMRI 実 験 中 の 創 造 的 発 想 の 独 創 性 は 自 己 評 価 (スキャナ 内 での 試 行 後 )と 外 部 評 価 (6
人 の 独 立 した 評 価 者 )によって 評 価
• 1( 全 く 独 創 的 ではない)から5( 非 常 に 独 創 的 )までの5 段 階 評 価 で 参 加 者 それぞ
れの 単 一 のアイディアを 評 価
• その 後 , 条 件 のすべての 項 目 にわたって 平 均 化
• 自 己 評 価 と 外 部 評 価 の3 条 件 のクラス 内 の 相 関 係 数 :original: 0.80, STIM common: 0.74,
and control: 0.79
• 自 己 評 価 と 外 部 評 価 は 被 験 者 内 で 分 散 分 析

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3.4. fMRI Data Analysis
• 脳 機 能 MRIデータ 分 析 はSPM8ソフトウェアを 使 用
• 標 準 的 な 正 規 化
• 低 周 波 数 を 除 去 するために 用 いるためにハイパスフィルタを 使 用
4. Result
4.1. Behavioral Results (Figure 2)
• 3つの 実 験 条 件 について 分 散 分 析 を 行 った( 外 部 評 価 )
‣ common 条 件 とcontrol 条 件 との 間 でのみ 有 意 な 差 (P0.05)
4.2. fMRI Results ( Table 1 )
• 一 般 的 なアイディアを 介 して 参 加 者 を 刺 激 (Figure 3)
‣ 内 側 側 頭 葉 と 上 前 頭 回 を 含 む 左 側 のニューラルネットワークが 賦 活
• 逆 コントラスト(control>STIM common)(Figure4)
‣ 右 の 下 側 頭 回 、 上 側 頭 回 、 両 楔 前 部 が 賦 活
• 高 い 独 創 的 なアイディアを 介 して 参 加 者 を 刺 激
‣ 横 側 頭 回 の 領 域 で 比 較 的 強 い 賦 活 (control 条 件 と 比 較 して)
‣ 楔 前 部 ( 両 側 )において、そのような 縁 上 回 と 上 頭 頂 葉 のように 右 半 球 のいくつ
かの 頭 頂 脳 領 域 が 賦 活 (common 条 件 と 比 較 して)
‣ 左 半 球 海 馬 および 海 馬 傍 回 で 強 い 活 性 化
• 脳 の 部 位 別 の 機 能
‣ 内 側 側 頭 葉 (Middle temporal gyyus)… 側 頭 葉 の 一 部 で 言 語 , 記 憶 に 関 連
‣ 上 前 頭 回 (Superior frontal gyrus)… 前 頭 葉 の 一 部 で 自 己 認 識 に 関 連
‣ 下 側 頭 回 (Inferior temporal gyrus)… 視 覚 対 象 の 特 徴 ( 色 や 形 状 )を 認 識
‣ 上 側 頭 回 (Superior temporal gyrus)… 音 声 言 語 処 理 を 担 う 領 域
‣ 楔 前 部 (Precuneus)… 大 脳 の 内 側 面 にある 能 回 のひとつで, 感 覚 情 報 に 関 連
‣ 横 側 頭 回 (Transverse temporal gyrus)… 側 頭 葉 にあり, 聴 覚 情 報 に 関 連
‣ 海 馬 傍 回 (Parahippocampal gyrus)… 記 憶 の 符 号 化 及 び 検 索 を 担 う

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5. Discussion
• データを 分 析 することによって, 他 人 のアイディアを 介 することによって 参 加 者 がよ
り 創 造 的 になる 傾 向 が 明 らかに
• ありきたりなアイディアはポジティブな 感 情 反 応 (positive affective reaction)によって 付
随 し,アイディアについて 議 論 し,それによって 連 想 強 度 を 高 める[cf. Dugosh and
Paulus,2005, p. 319]
• 独 創 的 なアイディアを 介 する(original 条 件 )
‣ 縁 上 回 , 海 馬 傍 回 , 下 側 頭 回 などの 活 性 化 を 伴 う
‣ この 結 果 のパターンは 記 憶 や 言 語 化 に 特 化 した 幅 広 いニューラルネットワークと
して 明 らかにされている
‣ Original 条 件 で 観 察 された 海 馬 の 活 性 化 は 提 示 されたアイディアに 追 いつくことが
できるアイディアを 生 成 しようとする 試 みを 反 映
• ありきたりなアイディアを 介 する(common 条 件 )
‣ 独 創 的 なアイディアの 生 成 に 有 益 な 効 果
‣ 内 側 側 頭 葉 が 賦 活
ポジティブな 感 情 反 応 (positive affective reaction)を 支 持 した 結 果
‣ 上 前 頭 回 が 賦 活
ワーキングメモリのより 高 いレベルに 関 与
• 本 研 究 の 知 見 ではありきたりまたは 適 度 に 創 造 的 なアイディアを 介 した 認 知 刺 激 が 創
造 性 の 向 上 に 有 効
‣ パフォーマンスの 増 加 , 脳 のレベルで 反 映
• 独 創 的 なアイディアの 生 成 は,ワーキングメモリと 意 味 情 報 処 理 のニューラルネット
ワークに 関 連 [cf. Cabeza et al., 2008]

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