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加速器による新しい Mo-99/Tc-99m 製造技術の確立に成功

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2010 年 10 月 29 日<br />

独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所<br />

加 速 器 による 新 しい <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 製 造 技 術 の 確 立 に 成 功<br />

- 我 が 国 既 存 の 施 設 の 活 用 による 核 医 学 検 査 薬 の 安 定 的 供 給 へ -<br />

独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 理 事 長 : 米 倉 義 晴 )<br />

----【 本 研 究 成 果 のポイント】----<br />

● 原 子 炉 や 高 濃 縮 ウランを 必 要 としない <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 製 造<br />

● 原 子 炉 での 従 来 製 造 に 比 較 して 放 射 性 廃 棄 物 が 非 常 に 尐 ない<br />

● 既 存 の 普 及 施 設 の 有 効 利 用 による 実 用 化 が 可 能<br />

※1<br />

がん、 脳 ・ 心 臓 疾 患 等 の 診 断 に 有 用 な 核 医 学 検 査 に 用 いられる 放 射 性 同 位 元<br />

素 の 60% 以 上 を 占 めるテクネチウム( 以 下 、<strong>Tc</strong>)<strong>99</strong>m ※2 の 原 料 であるモリブデン<br />

( 以 下 、<strong>Mo</strong>)<strong>99</strong> ※3 は、カナダ、 欧 州 等 に 設 置 された 尐 数 の 専 用 原 子 炉 ※4 で 高 濃<br />

縮 ウラン ※5 を 用 いて 製 造 されていますが、 原 子 炉 の 老 朽 化 や 火 山 噴 火 により 起 こ<br />

りうる 空 路 障 害 等 による 供 給 不 足 への 対 応 が 世 界 規 模 で 課 題 となっています。 原<br />

子 炉 の 新 設 ・ 改 造 には 多 大 の 費 用 と 時 間 、 社 会 的 理 解 が 不 可 欠 であるため、 今 後<br />

の 突 発 的 ・ 長 期 的 供 給 不 足 に 対 応 するための 新 たな 方 策 が 求 められています。<br />

放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 以 下 、 放 医 研 ) 分 子 イメージング 研 究 センターでは、<br />

国 内 の 製 薬 企 業 が 保 有 する 中 型 加 速 器 ※6 に 着 目 し、このような 装 置 を 活 用 した 実<br />

用 的 <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> 製 造 技 術 の 開 発 に 成 功 しました。また、 全 国 の 病 院 施 設 130 か 所 以 上<br />

で 稼 働 し FDG-PET ※7 診 断 に 用 いられている 超 小 型 加 速 器 にも 着 目 し、 臨 床 診 断 現<br />

場 において 簡 便 かつ 効 率 的 に 繰 り 返 し <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 直 接 製 造 できるシステムの 試 作<br />

にも 成 功 しました。 原 子 炉 を 使 う 従 来 法 では <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> 以 外 に 核 分 裂 による 放 射 性 廃<br />

棄 物 が 大 量 に 発 生 するのに 対 し、 加 速 器 を 使 う 本 法 では 放 射 性 副 生 成 物 はほとん<br />

どなく、“きれい”な <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> 製 造 技 術 ということができます。すでに 関 連 する 特<br />

許 申 請 を 終 え、 日 本 メジフィジックス 株 式 会 社 と 実 用 化 を 目 指 した 共 同 研 究 契 約<br />

を 締 結 しました。これらをもとに 今 後 臨 床 利 用 への 展 開 を 目 指 した 様 々な 試 験 を<br />

開 始 します。<br />

これらふたつの 技 術 をバランスよく 用 いる 供 給 体 制 が 確 立 できれば、 我 が 国 に<br />

既 に 存 在 する 施 設 を 活 用 することで 核 医 学 検 査 の 安 定 的 実 施 が 可 能 となること<br />

が 期 待 されます。 本 成 果 は、11 月 11 日 ~13 日 に 埼 玉 県 大 宮 市 で 開 催 される 日 本<br />

核 医 学 会 において 紹 介 する 予 定 です。<br />

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1.<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m の 供 給 不 足 と 核 医 学 診 断 への 影 響<br />

<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m は、 脳 、 心 臓 、 肝 臓 、 腎 臓 などの 疾 患 や 腫 瘍 の 診 断 に 汎 用 される 放 射 性<br />

同 位 元 素 ※8 で、 国 内 で 医 療 用 途 に 供 される 放 射 性 同 位 元 素 の 実 に 60% 以 上 (2007<br />

年 度 核 医 学 診 療 実 態 調 査 )を 占 めています。 医 療 現 場 で 使 用 されている <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m は<br />

通 常 <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> として 供 給 されていますが、この <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 生 産 は、 海 外 の 老 朽 化 した<br />

原 子 炉 に 依 存 しており、 安 定 した 供 給 への 懸 念 が 世 界 中 から 指 摘 されています。<br />

事 実 、2009 年 5 月 にカナダの 原 子 力 公 社 AECL が 運 営 していた 原 子 炉 (NRU)が 緊<br />

急 停 止 し、<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 生 産 が 中 断 され、 世 界 中 に 大 きな 影 響 を 及 ぼしました。また、<br />

今 年 4 月 のアイスランドの 火 山 噴 火 が 我 が 国 の <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 輸 入 に 影 響 するなど、<br />

<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 安 定 供 給 は 我 が 国 にとって 重 要 な 課 題 となっています。<br />

2. 我 が 国 の 現 状<br />

我 が 国 では、<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 供 給 を 100% 海 外 に 依 存 しており、また NRU からの 供 給 が<br />

70% 以 上 を 占 めていたため、 需 給 が 逼 迫 し、 昨 今 まで <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 用 いた 核 医 学 診 断<br />

に 大 きな 支 障 が 生 じていました。<br />

わが 国 の 研 究 用 原 子 炉 では、<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 市 場 供 給 を 目 的 とした 稼 動 はされていませ<br />

ん。この 原 因 には、(1) 高 効 率 で <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> を 得 るために 高 濃 度 濃 縮 したウラン 235 を<br />

原 料 に 必 要 とすること( 核 拡 散 防 止 条 約 (NPT)に 抵 触 するため、 国 内 への 持 ち 込<br />

みは 現 実 的 に 想 定 できない)、(2) 専 用 の 付 帯 処 理 施 設 が 必 要 になること、(3) 大 量<br />

に 発 生 する 放 射 性 廃 棄 物 の 処 理 問 題 等 が 考 えられます。 従 って、これは 国 内 に 留<br />

まらず、 世 界 各 国 に 共 通 する 課 題 であると 推 測 されます。またカナダ NRU が 回 復<br />

した 現 状 においても、 老 朽 化 した 原 子 炉 は、いつまた 停 止 するかわかりません。<br />

このような 状 況 に 鑑 みれば、 現 在 の 原 子 炉 による <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> 製 造 法 に 代 わる 方 法 、 特<br />

に 国 内 自 給 できる 技 術 を 早 急 に 開 発 することは、 国 民 の 健 康 維 持 、 言 わば“ 健 康<br />

の 安 全 保 障 ”のためにも 非 常 に 意 義 が 大 きいと 思 われます。<br />

3. 放 医 研 の 取 り 組 み<br />

放 医 研 は、 核 医 学 研 究 、 近 年 では 分 子 イメージング 研 究 を 通 して 放 射 性 同 位 元<br />

素 を 用 いた 研 究 に 取 り 組 んできました。 大 型 加 速 器 をはじめとする 専 用 の 施 設 を<br />

持 ち、 放 射 性 薬 剤 製 造 の 分 野 では 世 界 トップクラスの 技 術 力 を 誇 ります。 我 が 国<br />

が 直 面 している <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> 供 給 の 問 題 を 実 用 的 レベルで 解 決 するため、 放 医 研 では 加<br />

速 器 を 用 いた 製 造 に 関 する 取 り 組 みを 開 始 しました。<br />

3-1.<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> ならびに <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 製 造<br />

加 速 器 を 用 いた 放 射 性 同 位 元 素 の 製 造 では、ターゲットとよばれる 原 料 物 質 に<br />

陽 子 線 等 の 粒 子 線 を 照 射 し、 放 射 能 を 持 つ 新 しい 物 質 に 変 換 します。 本 研 究 では、<br />

まず 放 射 性 医 薬 品 製 薬 企 業 に 導 入 されている 中 型 加 速 器 を 用 いた <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> の 製 造 に<br />

ついて 検 討 を 行 い、 実 用 量 の 製 造 が 可 能 であることを 確 認 しました。<br />

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これと 並 行 して、 臨 床 利 用 される <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 直 接 製 造 する 手 法 を 検 討 しました。<br />

現 在 、FDG-PET 診 断 が 実 施 されている 全 国 各 地 の 病 院 施 設 120 か 所 以 上 に 設 置 され<br />

ている 超 小 型 加 速 器 にも 着 目 し、 臨 床 診 断 現 場 において 簡 便 かつ 効 率 的 に、 繰 り<br />

返 し <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 直 接 製 造 できるシステムの 構 築 を 目 指 しました。<br />

これらふたつの 製 造 法 には、 既 存 設 備 ・ 技 術 を 拡 張 利 用 することで 開 発 期 間 の<br />

短 縮 、 低 コストの 両 立 を 図 る 意 味 もありますが、 従 来 、 輸 入 のみに 頼 っていた 我<br />

が 国 が、<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m の 利 用 に 関 して 自 律 できることにも 繋 がります。また 加 速 器 によ<br />

る 製 法 は、 極 めて 生 産 調 整 が 行 いやすい 特 徴 があります。 需 要 にあわせた <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>、<br />

<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 製 造 することにより、 遮 蔽 設 備 など 製 造 施 設 に 対 する 追 加 投 資 を 不 要 あ<br />

るいは 最 小 とすることも 可 能 です。<br />

3-2. 実 用 化 を 可 能 にする 技 術 の 開 発<br />

このような 特 徴 がある 加 速 器 による <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>、<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m の 製 造 ではありますが、そ<br />

れらの 製 造 にはターゲットに 金 属 固 体 である <strong>Mo</strong> を 用 いる 必 要 があります。 放 射 性<br />

物 質 の 製 造 では、 作 業 者 が 被 ばくしないために 操 作 は 全 て 遠 隔 的 ・ 自 動 的 に 行 わ<br />

れます。ターゲットが 気 体 あるいは 液 体 の 場 合 には、 流 動 性 があるために 遠 隔 的<br />

操 作 をしやすい 装 置 を 組 むことができます。 一 方 、 固 体 ターゲットでは、 遠 隔 ・<br />

自 動 操 作 に 大 掛 かりな 設 備 、コストが 必 要 となります。 従 って、<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>、<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 製<br />

造 の 普 及 を 図 るためには、<strong>Mo</strong> を 容 易 に 持 ち 運 びできる 工 夫 が 必 要 でした。<br />

本 研 究 では、ターゲットである <strong>Mo</strong> を 水 溶 液 化 することで 流 動 性 を 確 保 し、 照 射<br />

用 ターゲット 容 器 の 中 で 直 前 に 乾 燥 ・ 固 体 化 させる 手 法 を 考 案 しました。その 結<br />

果 、<strong>Mo</strong> ターゲットを 遠 隔 的 に 準 備 でき、 検 査 に 十 分 な <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> や <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 製 造 する<br />

ことが 可 能 になりました。 照 射 した 後 、もう 一 度 水 溶 液 化 し、<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 取 り 出 し<br />

た 後 は、 再 び 利 用 することができます( 図 1と2)。<br />

以 上 のような 作 業 は、 放 射 性 医 薬 品 を 製 造 している 製 薬 工 場 での 作 業 に 比 較 し<br />

て 非 常 に 簡 単 であるのみでなく、 全 国 各 地 の PET 施 設 で 毎 日 行 われる 作 業 内 容 と<br />

ほぼ 同 様 です。また、 製 造 に 必 要 となる 装 置 機 器 類 の 追 加 コストは 小 さく、 作 業<br />

者 の 負 担 も 極 めて 軽 いものとなっています。それに 加 えて、これらをうまく 組 み<br />

合 わせれば、ほぼ 日 本 全 国 で 必 要 となる 量 を 得 られる 見 積 もりとなっています。<br />

現 在 のところ、 現 行 製 薬 企 業 でも 製 造 変 更 承 認 が 必 要 となるなど、いくつか 乗 り<br />

越 えるべき 点 がありますが、 日 本 全 体 での 議 論 が 始 められており(<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m<br />

安 定 供 給 のための 官 民 検 討 会 http://www.innervision.co.jp/05report/2010/<br />

05r_10_11_03.html)、 放 医 研 としても、 積 極 的 に 貢 献 していきます。<br />

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図 1<br />

<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 分 離 精 製 装 置 (プロトタイプ)の 外 観<br />

図 2 <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong>/<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m 分 離 精 製 装 置 の 構 成 図<br />

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3-3. 放 医 研 と 日 本 メジフィジックス 株 式 会 社 との 共 同 開 発 による 実 用 化 へ<br />

今 回 開 発 された 技 術 により、 原 子 炉 を 用 いることなく、 比 較 的 建 設 が 容 易 な 加<br />

速 器 で <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m ならびに <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> が 実 用 化 レベルで 製 造 できることが 示 されました。<br />

<strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m は 半 減 期 が 約 6 時 間 であり、 現 在 、 全 国 に 運 搬 されているFDG(がん 診<br />

断 用 放 射 薬 剤 、 半 減 期 約 2 時 間 )よりも 長 く、 十 分 に 運 搬 が 可 能 です。 一 方 遠 隔<br />

地 への 供 給 には 半 減 期 の 長 い <strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> を 用 いることができます。これらをうまく 組<br />

み 合 わせることにより、ゆくゆくは 国 内 ですべての 医 療 用 <strong>Tc</strong>-<strong>99</strong>m を 賄 うことも 可<br />

能 と 考 えられます。また 製 造 能 力 を 増 強 すれば 東 アジア 地 域 に 輸 出 することも 可<br />

能 であり、 当 該 地 域 への 国 際 貢 献 にもなり 得 ます。<br />

放 医 研 では、 放 射 性 医 薬 品 製 造 企 業 である 日 本 メジフィジックス 株 式 会 社 と 共<br />

同 研 究 契 約 を 締 結 し、 本 技 術 の 実 用 化 に 向 けた 共 同 開 発 に 着 手 することとなりま<br />

した。 医 療 が 高 度 化 している 我 が 国 では 放 射 性 同 位 元 素 は、 医 療 の 現 場 に 必 要 不<br />

可 欠 なもので、その 全 量 を 国 外 に 依 存 しているのは 望 ましい 状 況 ではなく、 国 民<br />

の 健 康 維 持 、すなわち 健 康 の 安 全 保 障 の 観 点 からも、 自 律 できる 体 制 を 構 築 する<br />

ことが 求 められています。 今 後 も 放 医 研 は、 放 射 線 と 医 学 を 基 盤 とする 最 先 端 技<br />

術 の 開 発 と 普 及 に 貢 献 していきます。<br />

( 用 語 解 説 )<br />

※1 核 医 学<br />

放 射 性 同 位 元 素 を 用 いて 病 気 の 検 査 や 診 断 、 治 療 を 行 う 医 学 分 野 のこと。<br />

※2 テクネチウム <strong>99</strong>m<br />

自 然 界 に 存 在 することのない、 初 めて 人 工 的 に 作 られた 放 射 性 同 位 元 素 。 放 出 さ<br />

れる 放 射 線 が 比 較 的 弱 く 半 減 期 が 短 い( 約 6 時 間 )ことから、 放 射 性 医 薬 品 の 原<br />

料 として 世 界 的 に 広 く 利 用 される。<br />

※3 モリブデン <strong>99</strong><br />

モリブデンは 原 子 番 号 42、 原 子 量 95.94 の 元 素 。 天 然 には <strong>Mo</strong>-92、<strong>Mo</strong>-94、<strong>Mo</strong>-95、<br />

<strong>Mo</strong>-96、<strong>Mo</strong>-97、<strong>Mo</strong>-98、<strong>Mo</strong>-100 の 7 種 類 の 同 位 元 素 が 存 在 する。<strong>Mo</strong>-<strong>99</strong> は 半 減 期 約<br />

66 時 間 の 放 射 性 同 位 元 素 で、 現 在 、 医 療 用 のほとんどは 原 子 炉 [※4 参 照 ]を 利<br />

用 して 製 造 されている。<br />

※4 原 子 炉<br />

核 分 裂 連 鎖 反 応 を 制 御 しながら 持 続 させてエネルギーを 作 る 装 置 。<br />

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※5 高 濃 縮 ウラン<br />

天 然 ウランから 存 在 比 約 0.7%のウラン 235 を 分 離 して 濃 縮 したもの。 一 般 の 発 電<br />

用 原 子 炉 では 低 濃 縮 ウランを 使 っており、 高 濃 縮 といった 場 合 、 核 兵 器 にも 利 用<br />

できるものを 指 す。<br />

※6 加 速 器<br />

電 場 や 磁 場 を 用 いて 陽 子 や 電 子 などを 加 速 し 高 いエネルギーをもつ 粒 子 にする 装<br />

置 。この 高 速 の 粒 子 を 原 子 核 に 衝 突 させると 不 安 定 な 原 子 核 をもつ 放 射 性 同 位 元<br />

素 ができる。<br />

※7 FDG-PET<br />

PET とは Positron emission tomography の 略 称 で、 陽 電 子 断 層 撮 像 法 のこと。 陽<br />

電 子 断 層 撮 像 (PET) 装 置 は、 画 像 診 断 装 置 の 一 種 で 陽 電 子 を 検 出 することにより<br />

様 々な 病 態 や 生 体 内 物 質 の 挙 動 をコンピューター 処 理 によって 画 像 化 する。FDG と<br />

はフルオロデオキシグルコースの 略 で、ブドウ 糖 の 中 の 水 素 原 子 を 陽 電 子 を 放 出<br />

する 放 射 性 フッ 素 に 置 き 換 えた 物 質 。ブドウ 糖 と 同 様 にがん 細 胞 により 多 く 取 り<br />

込 まれるため PET を 用 いて 体 の 中 の FDG の 分 布 を 撮 影 することで、がんの 場 所 や<br />

大 きさ、 状 態 を 診 断 することができる。<br />

( 問 い 合 わせ 先 )<br />

独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所<br />

企 画 部 広 報 課<br />

TEL:043-206-3026<br />

FAX:043-206-4062<br />

E-mail:info@nirs.go.jp<br />

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