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WMO二酸化炭素観測マニュアル - 気象庁

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3.3.2.2 ドリフトの補正<br />

較正は、分析計にすべてのガスを 12 回繰り返して流すことで行う。圧力調整器をガ<br />

スの流れに適応させ、ガス配管内のガスを十分に入れ替えるのにある程度時間がかか<br />

ることから、最初の 2 回分の測定値は使わない。測定するガスの濃度は、各較正サイ<br />

クルごとに 5 本の標準ガスから求めた二次式を使って計算する。最後に、10 回分の測<br />

定値から平均と標準偏差を求める。<br />

3.4 較正後の作業手順<br />

測定装置が較正のみに使われている場合には、次の較正を行う前にガスボンベを入れ替える必要<br />

がある。圧力調整器はガス配管に取り付けたままにし、室内の空気がガス配管や分析計に入らない<br />

ようにバルブを閉じる。測定装置をしばらく使わないような場合には、装置を乾燥させた状態で保<br />

つため、乾燥したガスを少量流し続ける。<br />

測定装置で連続的に測定を行うような場合には、制御スイッチは大気試料を測定するように切り<br />

替える。誤ってガスを失うのを防ぐため、使っていないガスボンベのバルブは閉じておくのがよい<br />

が、遠隔操作によって測定を行っている観測所ではバルブを閉じることができない場合もある。<br />

3.4.1 ガスボンベのバルブの閉鎖<br />

較正が終わったら、ガスボンベのバルブを 1 番から 12 番まで完全に閉める。バルブをき<br />

つく閉めすぎて、ねじ山をつぶさないように注意する。ガスボンベのバルブが十分に閉まっ<br />

ているかどうかは、圧力調整器の調整バルブを反時計方向に回して一次部の気圧が減少して<br />

いることを圧力計を見て確かめる。バルブが十分に閉まっている場合には、圧力調整器内に<br />

残っているガスの圧力によって二次部の圧力が増加し、一次部の圧力は減少する。<br />

1 番目のガス取り入れ配管に取り付けられたゼロガスを、乾燥空気を詰めたガスボンベに<br />

取り替え、供給圧力を 1 気圧に設定する。較正をしていない間、乾燥空気を測定装置内の配<br />

管に流し続け、室内空気が入るのを防ぐ。<br />

3.4.2 較正データの記録<br />

較正を行っている間に得られたデータは、シリアルケーブルを通じてパソコンに転送して<br />

おく。データロガーとパソコンとの間の通信を行うため、通信プログラムが必要である。<br />

3.5 観測所間の相互比較<br />

WMOは、2~3 年ごとに各観測計画の間で標準ガスの相互比較を実施している。このような計画<br />

は、ラウンドロビンと呼ばれ、各参加者の測定結果を比較する。このような相互比較の目的は、較<br />

正スケールを広めることではなく、現在行われている国際的な較正の方法がどの程度正確なものか<br />

を調べることである。さらに、各観測計画が標準ガス関連の手順においてそれまでに気づいていな<br />

かったような系統的な誤差を見つける手助けにもなる。ラウンドロビンによって、すべての観測計<br />

画で得られたデータが 0.1ppmv 以内の誤差で互いに直接比較できるようにするという国際的な目<br />

標に向かっての第一歩がしるされることになる。<br />

国際比較は、最近では 1996 年から 1997 年にかけて実施された。世界のすべての地域から合計<br />

24 の観測計画がこれに参加した。参加者は地理的に 3 つに分けられた。それぞれ濃度がおよそ<br />

345ppmv、360ppmv 及び 375ppmv の比較用ガス 3 本ずつ合計 9 本が用意され、各濃度 1 本合計 3<br />

本を 1 組にしてそれぞれの地域グループの中で巡回された。参加者には、各ボンベのおおよその濃<br />

度だけ知らされる。そして、各ボンベは濃度がわからないガスとして扱い、あたかもそれぞれの観<br />

測計画の観測用標準ガスのように濃度測定を行うよう各参加者に対して指示がなされた。参加者は、<br />

ガスの測定が終わったら 3 本のガスボンベを次の参加者に回す。参加者は測定結果を判定者に報告<br />

するが、判定者はすべての参加者から報告を受け取るまで測定結果を公表しない。ガスボンベは巡<br />

回する前後に同じ場所で濃度測定が行われ、巡回中にボンベの濃度が変化しているかどうかを調べ<br />

る。<br />

このラウンドロビン形式の国際比較の結果は、WMOの二酸化炭素専門家会議で技術的に検討さ<br />

れ、国際比較の計画担当者への助言やラウンドロビンの今後の実施計画について意見がとりまとめ<br />

られ、判定者から実施結果の報告を受ける。<br />

3.6 測定装置の点検<br />

測定装置と分析計の動作状況を常に制御がなされた状態に保つため、日常の点検と特別点検とを

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