医薬品インタビューフォーム - 医薬品医療機器情報提供ホームページ ...
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2013 年 2 月 作 成 ( 第 2 版 ) 日 本 標 準 商 品 分 類 番 号 873339<br />
医 薬 品 インタビューフォーム<br />
日 本 病 院 薬 剤 師 会 の IF 記 載 要 領 2008 に 準 拠 して 作 成<br />
剤 形 錠 剤 (フィルムコーティング 錠 )<br />
製 剤 の 規 制 区 分<br />
規 格 ・ 含 量<br />
一 般 名<br />
製 造 販 売 承 認 年 月 日<br />
薬 価 基 準 収 載 ・<br />
発 売 年 月 日<br />
開 発 ・ 製 造 販 売 ( 輸 入 )・<br />
提 携 ・ 販 売 会 社 名<br />
処 方 せん 医 薬 品<br />
注 意 ― 医 師 等 の 処 方 せんにより 使 用 すること<br />
エリキュース 錠 2.5mg:1 錠 中 アピキサバン 2.5mg を 含 有<br />
エリキュース 錠 5mg:1 錠 中 アピキサバン 5mg を 含 有<br />
和 名 :アピキサバン(JAN)<br />
洋 名 :Apixaban(JAN)<br />
製 造 販 売 承 認 年 月 日 :2012 年 12 月 25 日<br />
薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :2013 年 2 月 22 日<br />
発 売 年 月 日 :2013 年 2 月 26 日<br />
製 造 販 売 元 :ブリストル・マイヤーズ 株 式 会 社<br />
販 売 提 携 :ファイザー 株 式 会 社<br />
医 薬 情 報 担 当 者 の 連 絡 先<br />
( 電 話 番 号 ・FAX 番 号 等 )<br />
問 い 合 わ せ 窓 口<br />
ブリストル・マイヤーズ 株 式 会 社 メディカル 情 報 部<br />
TEL:0120-093-507(9:00~17:30/ 土 日 祝 日 および 当 社 休 業 日 を 除 く)<br />
FAX:03-6705-7954<br />
医 療 関 係 者 向 けホームページ:http://www.bms.co.jp/medical/index.html<br />
ファイザー 株 式 会 社 製 品 情 報 センター<br />
学 術 情 報 ダイヤル 0120-664-467 FAX 03-3379-3053<br />
医 療 用 製 品 情 報<br />
http://pfizerpro.jp/cs/sv/pfizerpro/di/Page/1259675500452<br />
本 IF は 2013 年 2 月 作 成 の 添 付 文 書 の 記 載 に 基 づき 作 成 した。<br />
最 新 の 添 付 文 書 情 報 は、 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/にてご 確 認 く<br />
ださい。
IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 - 日 本 病 院 薬 剤 師 会 -<br />
1. 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 経 緯<br />
医 療 用 医 薬 品 の 基 本 的 な 要 約 情 報 として 医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 ( 以 下 、 添 付 文 書 と 略<br />
す)がある。<br />
医 療 現 場 で 医 師 ・ 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 が 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 適 正 使 用 情 報<br />
を 活 用 する 際 には、 添 付 文 書 に 記 載 された 情 報 を 裏 付 ける 更 に 詳 細 な 情 報 が 必 要 な 場<br />
合 がある。<br />
医 療 現 場 では、 当 該 医 薬 品 について 製 薬 企 業 の 医 薬 情 報 担 当 者 等 に 情 報 の 追 加 請 求<br />
や 質 疑 をして 情 報 を 補 完 して 対 処 してきている。この 際 に 必 要 な 情 報 を 網 羅 的 に 入 手 す<br />
るための 情 報 リストとしてインタビューフォームが 誕 生 した。 昭 和 63 年 に 日 本 病 院 薬 剤 師<br />
会 ( 以 下 、 日 病 薬 と 略 す) 学 術 第 2 小 委 員 会 が「 医 薬 品 インタビューフォーム」 以 下 、IF と<br />
略 す)の 位 置 付 け 並 びに IF 記 載 様 式 を 策 定 した。その 後 、 医 療 従 事 者 向 け 並 びに 患 者<br />
向 け 医 薬 品 情 報 ニーズの 変 化 を 受 けて、 平 成 10 年 9 月 に 日 病 薬 学 術 第 3 小 委 員 会 に<br />
おいて IF 記 載 要 領 の 改 訂 が 行 われた。<br />
更 に 10 年 が 経 過 した 現 在 、 医 薬 品 情 報 の 創 り 手 である 製 薬 企 業 、 使 い 手 である 医 療 現<br />
場 の 薬 剤 師 、 双 方 にとって 薬 事 ・ 医 療 環 境 は 大 きく 変 化 したことを 受 けて、 平 成 20 年 9<br />
月 に 日 病 薬 医 薬 情 報 委 員 会 において 新 たな IF 記 載 要 領 が 策 定 された。<br />
2.IF とは<br />
IF は「 添 付 文 書 等 の 情 報 を 補 完 し、 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 にとって 日 常 業 務 に 必 要<br />
な、 医 薬 品 の 品 質 管 理 のための 情 報 、 処 方 設 計 のための 情 報 、 調 剤 のための 情 報 、 医<br />
薬 品 の 適 正 使 用 のための 情 報 、 薬 学 的 な 患 者 ケアのための 情 報 等 が 集 約 された 総 合<br />
的 な 個 別 の 医 薬 品 解 説 書 として、 日 病 薬 が 記 載 要 領 を 策 定 し、 薬 剤 師 等 のために 当 該<br />
医 薬 品 の 製 薬 企 業 に 作 成 及 び 提 供 を 依 頼 している 学 術 資 料 」と 位 置 付 けられる。<br />
ただし、 薬 事 法 ・ 製 薬 企 業 機 密 等 に 関 わるもの、 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの<br />
及 び 薬 剤 師 自 らが 評 価 ・ 判 断 ・ 提 供 すべき 事 項 等 は IF の 記 載 事 項 とはならない。 言 い<br />
換 えると、 製 薬 企 業 から 提 供 された IF は、 薬 剤 師 自 らが 評 価 ・ 判 断 ・ 臨 床 適 応 するととも<br />
に、 必 要 な 補 完 をするものという 認 識 を 持 つことを 前 提 としている。<br />
[IF の 様 式 ]<br />
1 規 格 は A4 版 、 横 書 きとし、 原 則 として 9 ポイント 以 上 の 字 体 ( 図 表 は 除 く)で 記 載 し、<br />
一 色 刷 りとする。ただし、 添 付 文 書 で 赤 枠 ・ 赤 字 を 用 いた 場 合 には、 電 子 媒 体 ではこ<br />
れに 従 うものとする。<br />
2IF 記 載 要 領 に 基 づき 作 成 し、 各 項 目 名 はゴシック 体 で 記 載 する。<br />
3 表 紙 の 記 載 は 統 一 し、 表 紙 に 続 けて 日 病 薬 作 成 の「IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 」の 全 文<br />
を 記 載 するものとし、2 頁 にまとめる。<br />
[IF の 作 成 ]<br />
1IF は 原 則 として 製 剤 の 投 与 経 路 別 ( 内 用 剤 、 注 射 剤 、 外 用 剤 )に 作 成 される。<br />
2IF に 記 載 する 項 目 及 び 配 列 は 日 病 薬 が 策 定 した IF 記 載 要 領 に 準 拠 する。<br />
3 添 付 文 書 の 内 容 を 補 完 するとの IF の 主 旨 に 沿 って 必 要 な 情 報 が 記 載 される。<br />
4 製 薬 企 業 の 機 密 等 に 関 するもの、 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの 及 び 薬 剤 師<br />
をはじめ 医 療 従 事 者 自 らが 評 価 ・ 判 断 ・ 提 供 すべき 事 項 については 記 載 されない。<br />
5「 医 薬 品 インタビューフォーム 記 載 要 領 2008」( 以 下 、「IF 記 載 要 領 2008」と 略 す)によ<br />
り 作 成 された IF は、 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 とし、 必 要 に 応 じて 薬 剤 師 が 電 子 媒 体<br />
(PDF)から 印 刷 して 使 用 する。 企 業 での 製 本 は 必 須 ではない。
[IF の 発 行 ]<br />
1「IF 記 載 要 領 2008」は、 平 成 21 年 4 月 以 降 に 承 認 された 新 医 薬 品 から 適 用 となる。<br />
2 上 記 以 外 の 医 薬 品 については、「IF 記 載 要 領 2008」による 作 成 ・ 提 供 は 強 制 されるも<br />
のではない。<br />
3 使 用 上 の 注 意 の 改 訂 、 再 審 査 結 果 又 は 再 評 価 結 果 ( 臨 床 再 評 価 )が 公 表 された 時 点<br />
並 びに 適 応 症 の 拡 大 等 がなされ、 記 載 すべき 内 容 が 大 きく 変 わった 場 合 には IF が 改<br />
訂 される。<br />
3.IF の 利 用 にあたって<br />
「IF 記 載 要 領 2008」においては、 従 来 の 主 にMRによる 紙 媒 体 での 提 供 に 替 え、PDFファ<br />
イルによる 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 としている。 情 報 を 利 用 する 薬 剤 師 は、 電 子 媒 体 か<br />
ら 印 刷 して 利 用 することが 原 則 で、 医 療 機 関 でのIT 環 境 によっては 必 要 に 応 じてMRに<br />
印 刷 物 での 提 供 を 依 頼 してよいこととした。<br />
電 子 媒 体 のIFについては、 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホー<br />
ムページに 掲 載 場 所 が 設 定 されている。<br />
製 薬 企 業 は「 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 手 引 き」 に 従 って 作 成 ・ 提 供 するが、IF<br />
の 原 点 を 踏 まえ、 医 療 現 場 に 不 足 している 情 報 やIF 作 成 時 に 記 載 し 難 い 情 報 等 につい<br />
ては 製 薬 企 業 のMR 等 へのインタビューにより 薬 剤 師 等 自 らが 内 容 を 充 実 させ、IFの 利<br />
用 性 を 高 める 必 要 がある。<br />
また、 随 時 改 訂 される 使 用 上 の 注 意 等 に 関 する 事 項 に 関 しては、IFが 改 訂 されるまでの<br />
間 は、 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 提 供 する 添 付 文 書 やお 知 らせ 文 書 等 、あるいは 医 薬<br />
品 医 療 機 器 情 報 配 信 サービス 等 により 薬 剤 師 等 自 らが 整 備 するとともに、IFの 使 用 にあ<br />
たっては、 最 新 の 添 付 文 書 を 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページで 確 認 する。<br />
なお、 適 正 使 用 や 安 全 性 の 確 保 の 点 から 記 載 されている「 臨 床 成 績 」や「 主 な 外 国 での<br />
発 売 状 況 」に 関 する 項 目 等 は 承 認 事 項 に 関 わることがあり、その 取 扱 いには 十 分 留 意 す<br />
べきである。<br />
4. 利 用 に 際 しての 留 意 点<br />
IF を 薬 剤 師 等 の 日 常 業 務 において 欠 かすことができない 医 薬 品 情 報 源 として 活 用 して<br />
頂 きたい。しかし、 薬 事 法 や 医 療 用 医 薬 品 プロモーションコード 等 による 規 制 により、 製<br />
薬 企 業 が 医 薬 品 情 報 として 提 供 できる 範 囲 には 自 ずと 限 界 がある。IF は 日 病 薬 の 記 載<br />
要 領 を 受 けて、 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 作 成 ・ 提 供 するものであることから、 記 載 ・ 表 現<br />
には 制 約 を 受 けざるを 得 ないことを 認 識 しておかなければならない。<br />
また 製 薬 企 業 は、IF があくまでも 添 付 文 書 を 補 完 する 情 報 資 材 であり、 今 後 インターネッ<br />
トでの 公 開 等 も 踏 まえ、 薬 事 法 上 の 広 告 規 制 に 抵 触 しないよう 留 意 し 作 成 されていること<br />
を 理 解 して 情 報 を 活 用 する 必 要 がある。 (2008 年 9 月 )
目 次<br />
Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目<br />
1. 開 発 の 経 緯 ····························· 1<br />
2. 製 品 の 治 療 学 的 ・ 製 剤 学 的 特 性 ············ 2<br />
Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目<br />
1. 販 売 名 ································· 3<br />
(1) 和 名 ································ 3<br />
(2) 洋 名 ································ 3<br />
(3) 名 称 の 由 来 ·························· 3<br />
2. 一 般 名 ································· 3<br />
(1) 和 名 ( 命 名 法 ) ························ 3<br />
(2) 洋 名 ( 命 名 法 ) ························ 3<br />
(3)ステム(stem) ························· 3<br />
3. 構 造 式 又 は 示 性 式 ······················· 3<br />
4. 分 子 式 及 び 分 子 量 ······················· 3<br />
5. 化 学 名 ( 命 名 法 ) ························· 3<br />
6. 慣 用 名 、 別 名 、 略 号 、 記 号 番 号 ············· 4<br />
7.CAS 登 録 番 号 ··························· 4<br />
Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目<br />
1. 物 理 化 学 的 性 質 ························· 5<br />
(1) 外 観 ・ 性 状 ··························· 5<br />
(2) 溶 解 性 ······························ 5<br />
(3) 吸 湿 性 ······························ 5<br />
(4) 融 点 ( 分 解 点 )、 沸 点 、 凝 固 点 ············ 5<br />
(5) 酸 塩 基 解 離 定 数 ······················ 5<br />
(6) 分 配 係 数 ···························· 5<br />
(7)その 他 の 主 な 示 性 値 ··················· 5<br />
2. 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 ······ 5<br />
3. 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 ··················· 5<br />
4. 有 効 成 分 の 定 量 法 ······················· 5<br />
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目<br />
1. 剤 形 ··································· 6<br />
(1) 剤 形 の 区 別 、 規 格 及 び 性 状 ············· 6<br />
(2) 製 剤 の 物 性 ·························· 6<br />
(3) 識 別 コード ··························· 6<br />
(4)pH、 浸 透 圧 比 、 粘 度 、 比 重 、 無 菌 の 旨 及 び 安<br />
定 な pH 域 等 ························· 6<br />
2. 製 剤 の 組 成 ····························· 6<br />
(1) 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量 ············ 6<br />
(2) 添 加 物 ······························ 6<br />
(3)その 他 ······························ 6<br />
3. 懸 濁 剤 、 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 ········· 6<br />
4. 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 ·········· 7<br />
5. 調 製 法 及 び 溶 解 後 の 安 定 性 ··············· 8<br />
6. 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) ········ 8<br />
7. 溶 出 性 ································· 8<br />
8. 生 物 学 的 試 験 法 ························· 8<br />
9. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 ············ 8<br />
10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 ················ 8<br />
11. 力 価 ··································· 8<br />
12. 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 ··············· 8<br />
13. 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報 ······· 8<br />
14.その 他 ·································· 8<br />
Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目<br />
1. 効 能 又 は 効 果 ···························· 9<br />
2. 用 法 及 び 用 量 ··························· 9<br />
3. 臨 床 成 績 ······························ 10<br />
(1) 臨 床 データパッケージ ················· 10<br />
(2) 臨 床 効 果 ··························· 12<br />
(3) 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験 ············· 16<br />
(4) 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験 ········· 17<br />
(5) 検 証 的 試 験 ························· 17<br />
1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験 ·········· 17<br />
2) 比 較 試 験 ·························· 19<br />
3) 安 全 性 試 験 ························ 24<br />
4) 患 者 ・ 病 態 別 試 験 ··················· 24<br />
(6) 治 療 的 使 用 ························· 27<br />
1) 使 用 成 績 調 査 ・ 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 )・<br />
製 造 販 売 後 臨 床 試 験 ( 市 販 後 臨 床 試 験 ) ·· 27<br />
2) 承 認 条 件 として 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 した<br />
試 験 の 概 要 ························ 27<br />
Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目<br />
1. 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 ···· 28<br />
2. 薬 理 作 用 ······························ 28<br />
(1) 作 用 部 位 ・ 作 用 機 序 ··················· 28<br />
(2) 薬 効 を 裏 付 ける 試 験 成 績 ·············· 29<br />
(3) 作 用 発 現 時 間 ・ 持 続 時 間 ··············· 35<br />
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目<br />
1. 血 中 濃 度 の 推 移 ・ 測 定 法 ·················· 36<br />
(1) 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度 ················ 36<br />
(2) 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間 ················ 36<br />
(3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 ········ 36<br />
(4) 中 毒 域 ····························· 41<br />
(5) 食 事 ・ 併 用 薬 の 影 響 ··················· 41<br />
(6) 母 集 団 (ポピュレーション) 解 析 により 判 明 した<br />
薬 物 体 内 動 態 変 動 要 因 ················ 42<br />
2. 薬 物 速 度 論 的 パラメータ ·················· 43<br />
(1)コンパートメントモデル ················· 43<br />
(2) 吸 収 速 度 定 数 ······················· 43<br />
(3)バイオアベイラビリティ ················· 43<br />
(4) 消 失 速 度 定 数 ······················· 43<br />
(5)クリアランス ·························· 43<br />
(6) 分 布 容 積 ··························· 43<br />
- i -
(7) 血 清 蛋 白 結 合 率 ····················· 43<br />
3. 吸 収 ·································· 43<br />
4. 分 布 ·································· 44<br />
(1) 血 液 − 脳 関 門 通 過 性 ·················· 44<br />
(2) 血 液 − 胎 盤 関 門 通 過 性 ················ 44<br />
(3) 乳 汁 への 移 行 性 ····················· 44<br />
(4) 髄 液 への 移 行 性 ····················· 44<br />
(5)その 他 の 組 織 への 移 行 性 ·············· 44<br />
5. 代 謝 ·································· 45<br />
(1) 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路 ··············· 45<br />
(2) 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種 45<br />
(3) 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合 ······ 45<br />
(4) 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率 ········· 46<br />
(5) 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ ······· 46<br />
6. 排 泄 ·································· 46<br />
(1) 排 泄 部 位 及 び 経 路 ··················· 46<br />
(2) 排 泄 率 ····························· 46<br />
(3) 排 泄 速 度 ··························· 46<br />
7. 透 析 等 による 除 去 率 ····················· 46<br />
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目<br />
1. 警 告 内 容 とその 理 由 ····················· 47<br />
2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む) ····· 47<br />
3. 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその<br />
理 由 ·································· 48<br />
4. 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその<br />
理 由 ·································· 48<br />
5. 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 ················· 48<br />
6. 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 · 49<br />
7. 相 互 作 用 ······························ 51<br />
(1) 併 用 禁 忌 とその 理 由 ·················· 51<br />
(2) 併 用 注 意 とその 理 由 ·················· 51<br />
8. 副 作 用 ································ 53<br />
(1) 副 作 用 の 概 要 ······················· 53<br />
(2) 重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状 ·············· 53<br />
(3)その 他 の 副 作 用 ····················· 54<br />
(4) 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常<br />
一 覧 ······························· 55<br />
(5) 基 礎 疾 患 、 合 併 症 、 重 症 度 及 び 手 術 の 有 無 等<br />
背 景 別 の 副 作 用 発 現 頻 度 ············· 63<br />
(6) 薬 物 アレルギーに 対 する 注 意 及 び 試 験 法 · 63<br />
9. 高 齢 者 への 投 与 ························ 63<br />
10. 妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与 ············ 64<br />
11. 小 児 等 への 投 与 ························ 64<br />
12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響 ·············· 64<br />
13. 過 量 投 与 ······························ 64<br />
14. 適 用 上 の 注 意 ·························· 65<br />
15.その 他 の 注 意 ··························· 65<br />
16.その 他 ································· 65<br />
Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目<br />
1. 薬 理 試 験 ······························ 66<br />
(1) 薬 効 薬 理 試 験 (「Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 」<br />
参 照 ) ································ 66<br />
(2) 副 次 的 薬 理 試 験 ······················· 66<br />
(3) 安 全 性 薬 理 試 験 ······················· 66<br />
(4)その 他 の 薬 理 試 験 ····················· 66<br />
2. 毒 性 試 験 ······························ 67<br />
(1) 単 回 投 与 毒 性 試 験 ····················· 67<br />
(2) 反 復 投 与 毒 性 試 験 ····················· 67<br />
(3) 生 殖 発 生 毒 性 試 験 ····················· 67<br />
(4)その 他 の 特 殊 毒 性 ····················· 68<br />
Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目<br />
1. 規 制 区 分 ······························ 70<br />
2. 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 ··················· 70<br />
3. 貯 法 ・ 保 存 条 件 ························· 70<br />
4. 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 ··················· 70<br />
(1) 薬 局 での 取 り 扱 いについて ·············· 70<br />
(2) 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須<br />
事 項 等 ) ······························ 70<br />
5. 承 認 条 件 等 ···························· 70<br />
6. 包 装 ·································· 70<br />
7. 容 器 の 材 質 ····························· 70<br />
8. 同 一 成 分 ・ 同 効 薬 ······················· 71<br />
9. 国 際 誕 生 年 月 日 ························ 71<br />
10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 ········· 71<br />
11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 ····················· 71<br />
12. 効 能 又 は 効 果 追 加 、 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の<br />
年 月 日 及 びその 内 容 ····················· 71<br />
13. 再 審 査 結 果 、 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその<br />
内 容 ·································· 71<br />
14. 再 審 査 期 間 ····························· 71<br />
15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報 ········· 71<br />
16. 各 種 コード ······························ 72<br />
17. 保 険 給 付 上 の 注 意 ······················· 72<br />
ⅩⅠ. 文 献<br />
1. 引 用 文 献 ······························ 73<br />
2.その 他 の 参 考 文 献 ······················· 74<br />
ⅩⅡ. 参 考 資 料<br />
1. 主 な 外 国 での 発 売 状 況 ··················· 75<br />
2. 海 外 における 臨 床 支 援 情 報 ··············· 76<br />
ⅩⅢ. 備 考<br />
その 他 の 関 連 資 料 ························· 77<br />
- ii -
Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目<br />
1. 開 発 の 経 緯<br />
エリキュース 錠 (アピキサバン)は、 米 国 ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS) 社 と 米 国 ファイザー 社<br />
によって 共 同 開 発 された 血 液 凝 固 活 性 化 第 X 因 子 (FXa)を 可 逆 的 に 阻 害 する 経 口 抗 凝 固 薬 であ<br />
る。<br />
FXa は 第 X 因 子 が 活 性 化 されて 生 成 されるセリンプロテアーゼの 一 種 で、フィブリノーゲンをフィブリ<br />
ンに 変 換 する 役 割 を 担 うトロンビン(FⅡa)を 生 成 する 酵 素 であり、 血 液 凝 固 の 中 心 的 役 割 を 果 たし<br />
ている。アピキサバンは、この FXa に 対 して 高 い 親 和 性 と 選 択 性 を 有 し、FXa の 阻 害 を 介 してトロンビ<br />
ン 産 生 を 抑 制 することにより、 直 接 的 な 抗 血 液 凝 固 作 用 及 び 間 接 的 な 抗 血 小 板 作 用 を 示 し、 抗 血 栓<br />
作 用 を 発 揮 する。<br />
海 外 では、2002 年 に 第 Ⅰ 相 試 験 が 開 始 され、 米 国 及 び 欧 州 連 合 (EU)においては、2011 年 9 月 に<br />
「 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 (NVAF)に 伴 う 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 」を 適 応 として 承 認 申<br />
請 を 行 い、 米 国 においては 2012 年 12 月 、EU においては 2012 年 11 月 に 承 認 を 取 得 した。<br />
日 本 では、 国 際 共 同 治 験 への 直 接 参 加 の 可 能 性 を 考 慮 し、2004 年 に 日 本 人 及 び 白 人 の 健 康 成 人<br />
被 験 者 を 直 接 比 較 した 第 Ⅰ 相 試 験 ( 単 回 投 与 試 験 )をまず 米 国 で 実 施 した。さらに NVAF を 対 象 とし<br />
た 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 に 加 え、 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )ならびに 臨 床 薬 理 試 験 ( 生 物<br />
学 的 同 等 性 、 食 事 の 影 響 、 特 別 な 集 団 における 薬 物 動 態 、QT/QTc 評 価 試 験 、 薬 物 相 互 作 用 等 )<br />
の 外 国 試 験 データ 等 を 臨 床 データパッケージとして、2011 年 12 月 21 日 に 製 造 販 売 承 認 申 請 を 行<br />
い、2012 年 12 月 25 日 に「 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 における 虚 血 性 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の<br />
発 症 抑 制 」を 効 能 又 は 効 果 として、 承 認 を 取 得 した。<br />
- 1 -
2. 製 品 の 治 療 学 的 ・ 製 剤 学 的 特 性<br />
(1) 血 液 凝 固 活 性 化 第 X 因 子 (FXa)を 可 逆 的 に 阻 害 する 経 口 抗 凝 固 薬 である。(p.28 参 照 )<br />
(2)FXa を 強 力 にかつ 選 択 的 に 阻 害 し、トロンビン 産 生 を 抑 制 することにより 直 接 的 な 抗 血 液 凝 固 作<br />
用 及 び 間 接 的 な 抗 血 小 板 作 用 を 示 し、 抗 血 栓 作 用 を 発 揮 する。(p.29~38 参 照 )<br />
(3) 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 を 対 象 とした 日 本 人 を 含 む 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 臨 床 試 験 (ARISTOTLE:アリス<br />
トテレス 試 験 )において、 有 効 性 ( 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 の 初 回 発 現 までの 期 間 、 全 死 亡 ま<br />
での 期 間 ) 及 び 安 全 性 ( 出 血 性 イベント ※1 )の 双 方 で、 対 照 薬 に 対 する 優 越 性 が 示 され、サブグ<br />
ループ 間 での 傾 向 に 差 は 認 められなかった。(p.12~14、19~22、24~26 参 照 )<br />
(4) 副 作 用 の 概 要<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 第 Ⅲ 相 国 際 共 同 試 験 ( 日 本 人 335 例 を 含 む 総 投 薬 症 例<br />
数 18,140 例 )において、9,088 例 に 本 剤 が 投 与 された。 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は 9,088 例 中<br />
2,524 例 (27.8%)であった。 主 な 副 作 用 は、 鼻 出 血 456 例 (5.0%)、 血 尿 234 例 (2.6%)、 挫 傷<br />
151 例 (1.7%)、 血 腫 129 例 (1.4%)、 貧 血 103 例 (1.1%)であった。<br />
日 本 人 335 例 中 160 例 に 本 剤 が 投 与 され、 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は45 例 (28.1%)であった。<br />
主 な 副 作 用 は、 鼻 出 血 11 例 (6.9%)、 皮 下 出 血 8 例 (5.0%)、 結 膜 出 血 4 例 (2.5%)、 挫 傷 3 例<br />
(1.9%)、 皮 下 血 腫 3 例 (1.9%)、 便 潜 血 3 例 (1.9%)、 血 尿 3 例 (1.9%)であった。<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 ( 総 症 例 218 例 )では、143 例 に 本 剤 が<br />
投 与 された。 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は 143 例 中 34 例 (23.8%)であった。 主 な 副 作 用 は、 鼻 出<br />
血 5 例 (3.5%)、 尿 中 血 陽 性 3 例 (2.1%)であった。( 承 認 時 )<br />
※2<br />
重 大 な 副 作 用 として、 頭 蓋 内 出 血 ( 頻 度 不 明 )、 消 化 管 出 血 (0.7%)、 眼 球 内 出 血 (0.3%) 等<br />
の 出 血 が 報 告 されている。(p.53~62 参 照 )<br />
※1 出 血 性 イベント:ISTH 基 準 の 大 出 血<br />
※2 国 際 共 同 臨 床 試 験 において 副 作 用 として 特 定 された 事 象 のうち、 海 外 においてのみ 認 められた 副 作 用 を 頻 度 不<br />
明 として 記 載 した。<br />
- 2 -
Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目<br />
1. 販 売 名<br />
(1) 和 名<br />
エリキュース ® 錠 2.5mg<br />
エリキュース ® 錠 5mg<br />
(2) 洋 名<br />
Eliquis ® tablets 2.5mg<br />
Eliquis ® tablets 5mg<br />
(3) 名 称 の 由 来<br />
”Elegant”と”Liquid”の 合 成 語 として 命 名 され、”Equilibrium”( 平 衡 )の 意 味 を 含 む。<br />
2. 一 般 名<br />
(1) 和 名 ( 命 名 法 )<br />
アピキサバン(JAN)<br />
(2) 洋 名 ( 命 名 法 )<br />
Apixaban(JAN)<br />
apixaban(INN)<br />
(3)ステム(stem)<br />
-xaban: 抗 凝 固 剤 ( 血 液 凝 固 活 性 化 第 X 因 子 阻 害 剤 )<br />
3. 構 造 式 又 は 示 性 式<br />
4. 分 子 式 及 び 分 子 量<br />
分 子 式 :C 25 H 25 N 5 O 4<br />
分 子 量 :459.50<br />
5. 化 学 名 ( 命 名 法 )<br />
1-(4-Methoxyphenyl)-7-oxo-6-[4-(2-oxopiperidin-1-yl)phenyl]-4,5,6,7-tetrahydro-1H-pyrazolo<br />
[3,4-c]pyridine-3-carboxamide<br />
- 3 -
6. 慣 用 名 、 別 名 、 略 号 、 記 号 番 号<br />
開 発 番 号 :BMS-562247<br />
7.CAS 登 録 番 号<br />
503612-47-3<br />
- 4 -
Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目<br />
1. 物 理 化 学 的 性 質<br />
(1) 外 観 ・ 性 状<br />
白 色 ~ 微 黄 色 の 粉 末<br />
(2) 溶 解 性<br />
ジメチルスルホキシドにやや 溶 けにくく、エタノール(99.5)に 極 めて 溶 けにくく、 水 にほとんど 溶 け<br />
ない。<br />
(3) 吸 湿 性<br />
吸 湿 性 はみられない。(25±0.5℃、 相 対 湿 度 4~95%RH)<br />
(4) 融 点 ( 分 解 点 )、 沸 点 、 凝 固 点<br />
融 点 :238~240℃( 高 温 顕 微 鏡 法 )<br />
(5) 酸 塩 基 解 離 定 数<br />
該 当 しない( 解 離 基 を 有 しない)<br />
(6) 分 配 係 数<br />
44.7〔log Po/w=1.65(1-オクタノール/ 緩 衝 液 、24±3℃、pH7.4)〕<br />
(7)その 他 の 主 な 示 性 値<br />
該 当 資 料 なし<br />
2. 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性<br />
試 験 保 存 条 件 保 存 形 態 保 存 期 間 試 験 結 果<br />
5℃ 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 36 ヵ 月<br />
長 期 保 存 試 験<br />
25℃/60%RH 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 36 ヵ 月<br />
30℃/65%RH 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 36 ヵ 月<br />
加 速 試 験 40℃/75%RH 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 6 ヵ 月<br />
40℃/75%RH、 開 放 ポリエチレン 6 ヵ 月<br />
い ず れ の 条 件 で も<br />
変 化 を 認 めなかった。<br />
苛 酷 試 験<br />
-20℃ 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 3 ヵ 月<br />
50℃ 二 重 のポリエチレン 袋 /ファイバードラム 3 ヵ 月<br />
光 ( 曝 光 、 遮 光 ) シャーレ 4 日<br />
a)<br />
測 定 項 目 : 性 状 、 含 量 、 類 縁 物 質 、 水 分 、X 線 回 折<br />
a) 光 安 定 性 試 験 ガイドラインに 従 う( 高 照 度 光 120 万 lx・hr 及 び 紫 外 線 A 200W・hr/m 2 )<br />
3. 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法<br />
赤 外 吸 収 スペクトル 測 定 法 (ATR 法 )<br />
液 体 クロマトグラフィー<br />
4. 有 効 成 分 の 定 量 法<br />
液 体 クロマトグラフィー<br />
- 5 -
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目<br />
1. 剤 形<br />
(1) 剤 形 の 区 別 、 規 格 及 び 性 状<br />
製 剤 エリキュース 錠 2.5mg エリキュース 錠 5mg<br />
性 状 黄 色 の 円 形 のフィルムコーティング 錠 桃 色 の 楕 円 形 のフィルムコーティング 錠<br />
識 別 コード 893 894<br />
外 観<br />
直 径<br />
長 径 9.7mm<br />
直 径 6.0mm<br />
長 径 ・ 短 径<br />
短 径 5.2mm<br />
厚 さ 2.7mm 3.8mm<br />
重 さ 104mg 208mg<br />
(2) 製 剤 の 物 性<br />
該 当 しない<br />
(3) 識 別 コード<br />
「Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 1. 剤 形 (1) 剤 形 の 区 別 、 規 格 及 び 性 状 」 参 照<br />
(4)pH、 浸 透 圧 比 、 粘 度 、 比 重 、 無 菌 の 旨 及 び 安 定 な pH 域 等<br />
該 当 しない<br />
2. 製 剤 の 組 成<br />
(1) 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量<br />
エリキュース 錠 2.5mg:1 錠 中 アピキサバン 2.5mg を 含 有<br />
エリキュース 錠 5mg:1 錠 中 アピキサバン 5mg を 含 有<br />
(2) 添 加 物<br />
エリキュース 錠 2.5mg: 無 水 乳 糖 、 結 晶 セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル 硫 酸 ナ<br />
トリウム、ステアリン 酸 マグネシウム、ヒプロメロース、 乳 糖 水 和 物 、 酸 化 チタン、トリアセチン、 黄 色<br />
三 二 酸 化 鉄<br />
エリキュース 錠 5mg: 無 水 乳 糖 、 結 晶 セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル 硫 酸 ナトリ<br />
ウム、ステアリン 酸 マグネシウム、ヒプロメロース、 乳 糖 水 和 物 、 酸 化 チタン、トリアセチン、 三 二 酸<br />
化 鉄<br />
(3)その 他<br />
該 当 しない<br />
3. 懸 濁 剤 、 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意<br />
該 当 しない<br />
- 6 -
4. 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性<br />
試 験<br />
長 期 保 存 試 験<br />
苛<br />
酷<br />
試<br />
験<br />
加 速 試 験<br />
温 度<br />
保 存 条 件<br />
( 温 度 / 湿 度 / 光 )<br />
5℃/-/ 暗 所<br />
25℃/60%RH/ 暗 所<br />
30℃/75%RH/ 暗 所<br />
40℃/75%RH/ 暗 所<br />
50℃/-/ 暗 所<br />
保 存 形 態 保 存 期 間 結 果<br />
ブリスター 包 装<br />
HDPE ボトル<br />
ブリスター 包 装<br />
HDPE ボトル<br />
ブリスター 包 装<br />
HDPE ボトル<br />
ブリスター 包 装<br />
HDPE ボトル<br />
ブリスター 包 装<br />
HDPE ボトル<br />
36 ヵ 月<br />
6 ヵ 月<br />
湿 度 25℃/60%RH/ 暗 所 シャーレ 開 放 12 ヵ 月<br />
温 湿 度 40℃/75%RH/ 暗 所 シャーレ 開 放 6 ヵ 月<br />
光<br />
25℃/-/ 蛍 光 灯 /<br />
紫 外 線<br />
36 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 のわずかな 増 加 及 び 硬 度 のわず<br />
かな 減 少 が 認 められたが、その 他 の 試<br />
験 項 目 については 開 始 時 から 36 ヵ 月<br />
まで 変 化 は 認 められなかった。<br />
36 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
2.5 mg 錠 では 硬 度 のわずかな 減 少 が、<br />
5 mg 錠 では 水 分 のわずかな 増 加 が 認<br />
められたが、その 他 の 試 験 項 目 につい<br />
ては 開 始 時 から 36 ヵ 月 まで 変 化 は 認<br />
められなかった。<br />
36 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 のわずかな 増 加 が 認 められたが、<br />
その 他 の 試 験 項 目 については 開 始 時<br />
から 36 ヵ 月 まで 変 化 は 認 められなかっ<br />
た。<br />
36 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 の 増 加 が 認 められたが、その 他 の<br />
試 験 項 目 については 開 始 時 から 36 ヵ<br />
月 まで 変 化 は 認 められなかった。<br />
36 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 のわずかな 増 加 が 認 められたが、<br />
その 他 の 試 験 項 目 については 開 始 時<br />
から 36 ヵ 月 まで 変 化 は 認 められなかっ<br />
た。<br />
6 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 のわずかな 増 加 並 びに 崩 壊 時 間<br />
及 び 硬 度 のわずかな 減 少 が 認 められ<br />
たが、その 他 の 試 験 項 目 については 開<br />
始 時 から 6 ヵ 月 まで 変 化 は 認 められな<br />
かった。<br />
6 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
2.5 mg 錠 では 水 分 のわずかな 増 加 及<br />
び 硬 度 のわずかな 減 少 が、5 mg 錠 で<br />
は 崩 壊 時 間 及 び 硬 度 のわずかな 減 少<br />
が 認 められたが、その 他 の 試 験 項 目 に<br />
ついては 開 始 時 から 6 ヵ 月 まで 変 化 は<br />
認 められなかった。<br />
3 ヵ 月 3 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
12 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 のわずかな 増 加 並 びに 崩 壊 時 間<br />
及 び 硬 度 の 低 下 が 認 められたが、その<br />
他 の 試 験 項 目 については 開 始 時 から<br />
12 ヵ 月 まで 変 化 は 認 められなかった。<br />
6 ヵ 月 まで 安 定 であった。<br />
水 分 の 増 加 並 びに 崩 壊 時 間 及 び 硬 度<br />
の 減 少 が 認 められたが、その 他 の 試 験<br />
項 目 については 開 始 時 から 6 ヵ 月 まで<br />
変 化 は 認 められなかった。<br />
シャーレ 開 放 6.25 日<br />
a)<br />
光 に 対 して 安 定 であった。<br />
測 定 項 目 : 性 状 ( 色 、 形 状 )、 含 量 、 類 縁 物 質 、 水 分 、 溶 出 性 、 硬 度 、 崩 壊 性 、 微 生 物 限 度<br />
ブリスター 包 装 :ポリ 塩 化 ビニル(PVC)/ポリ 塩 化 ビニリデン(PVDC) 片 面 アルミニウム 箔 、HDPE ボトル: 高 密 度 ポリエ<br />
チレンボトル<br />
a) 光 安 定 性 試 験 ガイドラインで 示 された 曝 光 量 に 相 当 する( 総 照 度 として 120 万 lx・hr 及 び 総 近 紫 外 放 射 エネルギー<br />
として 200W・h/m 2 )<br />
- 7 -
5. 調 製 法 及 び 溶 解 後 の 安 定 性<br />
該 当 しない<br />
6. 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 )<br />
該 当 しない<br />
7. 溶 出 性<br />
日 局 溶 出 試 験 法 パドル 法 による<br />
8. 生 物 学 的 試 験 法<br />
該 当 資 料 なし<br />
9. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法<br />
赤 外 吸 収 スペクトル 測 定 法 (ATR 法 )<br />
10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法<br />
・ 近 赤 外 吸 収 スペクトル 測 定 法<br />
・ 液 体 クロマトグラフィー<br />
11. 力 価<br />
該 当 しない<br />
12. 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物<br />
該 当 しない<br />
13. 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報<br />
該 当 しない<br />
14.その 他<br />
該 当 しない<br />
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Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目<br />
1. 効 能 又 は 効 果<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 における 虚 血 性 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制<br />
【 解 説 】<br />
本 剤 は、 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 (NVAF) 患 者 を 対 象 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )<br />
の 有 効 性 主 要 評 価 項 目 である 脳 卒 中 ( 虚 血 性 脳 卒 中 、 出 血 性 脳 卒 中 又 は 特 定 不 能 ) 及 び 全 身 性<br />
塞 栓 症 の 発 症 抑 制 効 果 において、 対 照 薬 に 対 する 非 劣 性 が 示 された。また、 日 本 人 NVAF 患 者 を<br />
対 象 とした 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 )の 有 効 性 評 価 項 目 である 脳 卒 中 、 全 身 性 塞 栓 症<br />
の 発 現 、さらに、 心 筋 梗 塞 又 は 全 死 亡 の 発 現 において、 本 剤 ではいずれの 発 現 も 認 められなかった。<br />
これらの 結 果 に 基 づき、 本 剤 の 効 能 又 は 効 果 を「 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 における 虚 血 性 脳 卒 中<br />
及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 」と 設 定 した。<br />
2. 用 法 及 び 用 量<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
【 解 説 】<br />
NVAF 患 者 を 対 象 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )、 及 び 国 内 第 Ⅱ 相 試 験<br />
(ARISTOTLE-J 試 験 )の 有 効 性 及 び 安 全 性 の 結 果 に 基 づき、 本 剤 の 用 法 及 び 用 量 を 設 定 した。<br />
< 用 法 ・ 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 ><br />
次 の 基 準 の 2 つ 以 上 に 該 当 する 患 者 は、 出 血 のリスクが 高 く、 本 剤 の 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれ<br />
があるため、1 回 2.5mg 1 日 2 回 経 口 投 与 する。(「 臨 床 成 績 」の 項 参 照 )<br />
・80 歳 以 上 (「 高 齢 者 への 投 与 」の 項 参 照 )<br />
・ 体 重 60kg 以 下<br />
・ 血 清 クレアチニン 1.5mg/dL 以 上<br />
【 解 説 】<br />
種 々の 臨 床 薬 理 的 検 討 から,アピキサバン 投 与 において 単 独 のリスク 因 子 による 投 与 量 の 調 整 の 必<br />
要 性 は 確 認 されていない。しかし、いくつかのリスク 因 子 が 組 み 合 わされた 患 者 では、 他 の 心 房 細 動<br />
患 者 と 比 較 して、 本 剤 の 血 中 濃 度 が 高 くなる 可 能 性 が 考 えられ、 特 に「 高 齢 」、「 低 体 重 」、「 腎 機 能<br />
障 害 」のいずれかが 重 複 した 場 合 は、これらのリスク 因 子 を 単 独 で 有 する 場 合 と 比 較 して 本 質 的 に 出<br />
血 のリスクが 高 く、 本 剤 の 薬 物 動 態 への 影 響 が 増 大 することが 予 想 される(「Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する<br />
項 目 1. 血 中 濃 度 の 推 移 ・ 測 定 法 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 」 参 照 )。NVAF 患 者 を 対 象<br />
とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )では、 本 質 的 に 出 血 リスクが 高 いと 考 えられる 集 団<br />
における 本 剤 の 血 中 濃 度 上 昇 リスクを 最 小 限 にするため、「80 歳 以 上 」、「 体 重 60kg 以 下 」、「 血 清 ク<br />
レアチニン 1.5mg/dL 以 上 」のうち 2 つ 以 上 を 満 たす 患 者 に 対 しては、 無 作 為 化 割 付 時 に 本 剤 の 用<br />
量 を 2.5mg 1 日 2 回 投 与 (BID)に 減 量 することとし、 試 験 期 間 を 通 して 同 用 量 を 継 続 した。その 結 果 、<br />
本 剤 2.5mgBID の 有 効 性 は、5mgBID と 比 較 して 大 きな 違 いはみられなかった。また、2.5mgBID の 患<br />
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者 数 は 少 ないものの、 対 照 薬 と 比 較 して 優 れた 有 効 性 及 び 安 全 性 が 示 されたことから、 前 述 の 減 量<br />
規 定 は 妥 当 であると 考 えられた。<br />
さらに、 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )の 日 本 人 部 分 集 団 における 有 効 性 主 要 評 価 項 目<br />
及 び 安 全 性 に 関 する 評 価 項 目 の 結 果 は、 試 験 全 体 の 結 果 と 一 貫 した 傾 向 が 認 められたこと 等 から、<br />
本 邦 においても 海 外 同 様 、 前 述 の 減 量 規 定 による 用 法 及 び 用 量 は 妥 当 であると 考 え、「 用 法 及 び 用<br />
量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 」に 減 量 規 定 を 設 定 した。<br />
3. 臨 床 成 績<br />
(1) 臨 床 データパッケージ<br />
評 価 資 料<br />
試 験 区 分 試 験 No 対 象 方 法 概 要<br />
第 I 相 試 験<br />
臨 床 薬 理 試 験<br />
CV185013 日 本 人 / 外 国 人 健<br />
康 男 性<br />
(32 例 )<br />
二 重 盲 検 、4 期 4 処<br />
置 、プラセボ 対 照 、<br />
遂 次 、 用 量 漸 増 、ク<br />
ロスオーバー<br />
アピキサバン 2.5、10、25 及 び 50mg を<br />
単 回 経 口 投 与 時 の 日 本 人 及 び 外 国 人<br />
における 薬 物 動 態 、 安 全 性 及 び 忍 容 性<br />
の 検 討<br />
CV185046 日 本 人 健 康 男 性<br />
(24 例 )<br />
二 重 盲 検 、プラセボ<br />
対 照 、 用 量 漸 増<br />
アピキサバン 2.5、5 及 び 10mg を 1 日 2<br />
回 7 日 間 反 復 経 口 投 与 時 の 日 本 人 に<br />
おける 薬 物 動 態 、 安 全 性 及 び 忍 容 性 の<br />
検 討<br />
B0661019 外 国 人 健 康 男 女 非 盲 検 、2 期 2 処 置 、 アピキサバン 5mg を 単 回 経 口 投 与 時 の<br />
(22 例 )<br />
クロスオーバー 薬 物 動 態 に 及 ぼす 食 事 の 影 響 の 検 討<br />
CV185002 外 国 人 健 康 男 女 二 重 盲 検 、プラセボ アピキサバン 10 及 び 25mg を 1 日 1 回<br />
A (48 例 )<br />
対 照<br />
又 は 2.5、5、10 及 び 25mg を 1 日 2 回 7<br />
日 間 反 復 経 口 投 与 時 の 安 全 性 及 び 忍<br />
容 性 の 検 討<br />
CV185006 外 国 人 健 康 男 性 非 盲 検<br />
アピキサバン 20mg を 単 回 経 口 投 与 時 の<br />
(10 例 )<br />
絶 対 的 バイオアベイラビリティの 検 討<br />
CV185007 外 国 人 健 康 男 女 非 盲 検 、4 群 4 期 4<br />
アピキサバン 2.5mg を 単 回 経 口 投 与 時<br />
(12 例 )<br />
処 置 、クロスオーバ<br />
の 薬 剤 局 所 送 達 による 薬 物 動 態 の 検 討<br />
ー<br />
CV185020 外 国 人 健 康 男 女 二 重 盲 検 、プラセボ アピキサバン 0.5、1.25、2.5、3.75 及 び<br />
(40 例 )<br />
対 照 、 逐 次 漸 増 5 mg を 単 回 静 脈 内 投 与 又 は 5mg を 単<br />
回 経 口 投 与 し、アピキサバン 単 回 静 脈<br />
内 投 与 時 の 安 全 性 及 び 忍 容 性 の 検 討<br />
CV185058 中 国 人 健 康 男 女 二 重 盲 検 、プラセボ アピキサバン 10mg を 単 回 経 口 投 与 後 、<br />
(18 例 )<br />
対 照<br />
10mg を 1 日 2 回 6 日 間 反 復 投 与 し、 中<br />
国 人 における 薬 物 動 態 の 検 討<br />
CV185074 外 国 人 健 康 男 女 非 盲 検 、2 期 2 剤 、ク アピキサバン 2.5mg を 12 時 間 毎 4 日 間<br />
(14 例 )<br />
ロスオーバー 反 復 投 与 時 の 薬 物 動 態 の 検 討<br />
CV185018 外 国 人 健 康 男 女 / 非 盲 検 アピキサバン 10mg を 単 回 経 口 投 与 時 、<br />
腎 機 能 低 下 者<br />
腎 機 能 障 害 が 薬 物 動 態 に 及 ぼす 影 響<br />
(8 例 /24 例 )<br />
の 検 討<br />
CV185022 外 国 人 健 康 男 女 非 盲 検 、2×2 要 因 試 アピキサバン 20mg を 単 回 経 口 投 与 時 、<br />
(79 例 )<br />
験<br />
年 齢 及 び 性 別 が 薬 物 動 態 に 及 ぼす 影<br />
響 の 検 討<br />
CV185059 外 国 人 健 康 男 女 非 盲 検 、 並 行 群 間 アピキサバン 10mg を 単 回 経 口 投 与 時 、<br />
(55 例 )<br />
体 重 が 薬 物 動 態 に 及 ぼす 影 響 の 検 討<br />
- 10 -
CV185026 外 国 人 健 康 男 女<br />
(20 例 )<br />
非 盲 検 、1 投 与 順<br />
序 、クロスオーバー<br />
ケトコナゾール 反 復 併 用 下 、アピキサバ<br />
ン 10mg を 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 相 互<br />
作 用 の 検 討<br />
CV185032 外 国 人 健 康 男 女<br />
(18 例 )<br />
非 盲 検 、1 投 与 順 序 ジルチアゼム 反 復 併 用 下 、アピキサバ<br />
ン 10mg を 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 相 互<br />
作 用 の 検 討<br />
CV185045 外 国 人 健 康 男 女<br />
(20 例 )<br />
非 盲 検 、 逐 次 クロス<br />
オーバー<br />
リファンピシン 反 復 併 用 下 、アピキサバ<br />
ン 5mg を 単 回 静 脈 内 投 与 又 は 10mg を<br />
単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 相 互 作 用 の 検<br />
討<br />
CV185055 外 国 人 健 康 男 女<br />
(20 例 )<br />
非 盲 検 、4 処 置 4 期 、<br />
4 投 与 順 序 、クロスオ<br />
ーバー<br />
エノキサパリン 単 回 併 用 下 、アピキサバ<br />
ン 5mg を 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 相 互<br />
作 用 の 検 討<br />
CV185025 外 国 人 健 康 男 女 /<br />
肝 機 能 低 下 者<br />
(16 例 /16 例 )<br />
非 盲 検 、 多 施 設 共 同 アピキサバン 5mg を 単 回 経 口 投 与 時 、<br />
肝 機 能 障 害 が 薬 物 動 態 に 及 ぼす 影 響<br />
の 検 討<br />
CV185054 外 国 人 健 康 男 女<br />
(21 例 )<br />
非 盲 検 、3 期 2 投 与<br />
順 序<br />
ナプロキセン 単 回 併 用 下 、アピキサバ<br />
ン 10mg を 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 相 互<br />
作 用 の 検 討<br />
第 Ⅱ 相 試 験 CV185067 日 本 人 NVAF 患 者 無 作 為 化 、 二 重 盲 検 アピキサバン 2.5 及 び 5mg を 1 日 2 回<br />
(222 例 )<br />
(ARISTOTLE-J 試<br />
験 )<br />
(アピキサバン)、 非<br />
盲 検 (ワルファリン)<br />
12 週 間 経 口 投 与 時 の 日 本 人 NVAF 患<br />
者 における 安 全 性 及 び 有 効 性 に 関 する<br />
ワルファリン( 用 量 調 整 )との 比 較<br />
第 Ⅲ 相 試 験 CV185030 日 本 人 / 外 国 人<br />
NVAF 患 者<br />
(18,201 例 )<br />
(ARISTOTLE 試 験 )<br />
実 薬 対 照 (ワルファリ<br />
ン)、 無 作 為 化 、 国 際<br />
共 同 、 二 重 盲 検 、ダ<br />
ブルダミー、 並 行 群<br />
アピキサバン 5mg a) を 1 日 2 回 経 口 投 与<br />
時 の NVAF 患 者 におけるワルファリン<br />
( 用 量 調 整 )に 対 する 非 劣 性 の 検 証 ( 平<br />
b)<br />
均 1.7 年 投 与 )<br />
間<br />
CV185048 外 国 人 NVAF 患 者 無 作 為 化 、 国 際 共 ビタミン K 拮 抗 薬 無 効 あるいは 不 適 応<br />
(5,598 例 ) 同 、 二 重 盲 検 、ダブ NVAF 患 者 におけるアピキサバン 5mg a)<br />
(AVERROES 試 験 ) ルダミー、 並 行 群 間 を 1 日 2 回 経 口 投 与 時 のアスピリン(81<br />
~324mg)に 対 する 優 越 性 の 検 証 ( 平 均<br />
b)<br />
59 週 投 与 )<br />
NVAF: 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動<br />
a) 出 血 リスクが 高 く、アピキサバンの 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれがある 被 験 者 は、アピキサバン 2.5mg を 1 日 2<br />
回 経 口 投 与 とした。<br />
b)イベント 試 験 のため、 投 与 期 間 は 平 均 値 を 示 した。<br />
- 11 -
(2) 臨 床 効 果<br />
1) 第 Ⅲ 相 試 験 成 績<br />
(ARISTOTLE 試 験 ) 1)<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 18,201 例 ( 日 本 人 336 例 を 含 む)を 対 象 に、アピキサバン 5mg1 日<br />
2 回 (ただし、 年 齢 80 歳 以 上 、 体 重 60kg 以 下 、 血 清 クレアチニン 1.5mg/dL 以 上 の 3 項 目 のう<br />
ち 2 項 目 以 上 を 満 たす 患 者 は 2.5mg1 日 2 回 )、または 対 照 薬 としてワルファリン(INR2.0~3.0<br />
となるように 適 宜 調 節 )を 投 与 した 二 重 盲 検 群 間 比 較 試 験 を 実 施 し、 脳 卒 中 または 全 身 性 塞<br />
栓 症 の 複 合 評 価 項 目 におけるワルファリンに 対 する 非 劣 性 の 検 証 を 主 要 目 的 とし、これが 満<br />
たされた 場 合 は 優 越 性 の 検 証 が 行 われた( 事 前 に 規 定 した 閉 検 定 手 順 : 有 効 性 の 主 要 評 価<br />
項 目 、 安 全 性 の 主 要 評 価 項 目 、 全 死 亡 における 優 越 性 )。 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 の 発<br />
症 率 は、アピキサバン 群 1.27%/ 年 、ワルファリン 群 1.60%/ 年 であった。ワルファリンに 対 し<br />
21%の 発 現 リスクの 抑 制 [ハザード 比 :0.79(95% 信 頼 区 間 :0.66~0.95)、Cox 比 例 ハザードモ<br />
デル]が 認 められ、アピキサバンのワルファリンに 対 する 非 劣 性 が 検 証 された[ 非 劣 性 マージン<br />
=1.38 及 び 有 意 水 準 0.025( 片 側 )]。さらに、アピキサバンのワルファリンに 対 する 優 越 性 が 示<br />
された(p=0.0114)( 表 1)。 大 出 血 (ISTH 基 準 の 大 出 血 )の 発 現 率 は、アピキサバン 群 2.13%/<br />
年 、ワルファリン 群 3.09%/ 年 であった。ワルファリンに 対 し 31%の 発 現 リスクの 抑 制 が 認 められ、<br />
アピキサバンのワルファリンに 対 する 優 越 性 が 示 された[ハザード 比 :0.69(95% 信 頼 区 間 :<br />
0.60~0.80)、Cox 比 例 ハザードモデル、p
表 1 有 効 性 評 価 ( 試 験 全 体 )〔 平 均 投 与 期 間 :アピキサバン 群 1.71 年 、ワルファリン 群 1.68 年 〕<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞<br />
栓 症<br />
虚 血 性 または 特 定<br />
不 能 の 脳 卒 中<br />
年 間 イベント 発 症 率 (イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
ハザード 比 、p 値<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
1.27%/ 年 (212/9,120) 1.60%/ 年 (265/9,081) 0.79、p=0.0114(0.66、0.95)<br />
0.97%/ 年 (162/9,120) 1.05%/ 年 (175/9,081) 0.92、p=0.4220(0.74、1.13)<br />
出 血 性 脳 卒 中 0.24%/ 年 (40/9,120) 0.47%/ 年 (78/9,081) 0.51、p=0.0006(0.35、0.75)<br />
全 身 性 塞 栓 症 0.09%/ 年 (15/9,120) 0.10%/ 年 (17/9,081) 0.87、p=0.7020(0.44、1.75)<br />
心 筋 梗 塞 0.53%/ 年 (90/9,120) 0.61%/ 年 (102/9,081) 0.88、p=0.3720(0.66、1.17)<br />
全 死 亡 3.52%/ 年 (603/9,120) 3.94%/ 年 (669/9,081) 0.89、p=0.0465(0.80、1.00)<br />
心 血 管 死 1.80%/ 年 (308/9,120) 2.02%/ 年 (344/9,081) 0.89、- (0.76、1.04)<br />
非 心 血 管 死 1.14%/ 年 (196/9,120) 1.22%/ 年 (208/9,081) 0.93、- (0.77、1.13)<br />
死 因 不 明 0.58%/ 年 (99/9,120) 0.69%/ 年 (117/9,081) 0.84、- (0.64、1.09)<br />
表 2 安 全 性 評 価 ( 試 験 全 体 )〔 平 均 投 与 期 間 :アピキサバン 群 1.71 年 、ワルファリン 群 1.68 年 〕<br />
有 害 事 象 ( 試 験 全 体 )<br />
有 害 事 象 等 発 現 率 ( 有 害 事 象 等 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
全 有 害 事 象 81.5%(7,406/9,088) 83.1%(7,521/9,052)<br />
因 果 関 係 を 否 定 できない 有 害 事 象 27.8%(2,524/9,088) 34.2%(3,092/9,052)<br />
重 篤 な 有 害 事 象 35.0%(3,182/9,088) 36.5%(3,302/9,052)<br />
出 血 に 関 連 した 有 害 事 象 25.2%(2,288/9,088) 32.7%(2,961/9,052)<br />
有 害 事 象 による 中 止 7.6%(688/9,088) 8.4%(758/9,052)<br />
死 亡 4.7%(429/9,088) 5.2%(468/9,052)<br />
出 血 イベント( 試 験 全 体 )<br />
年 間 イベント 発 現 率 (イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
ハザード 比 、p 値<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 2.13%/ 年 (327/9,088) 3.09%/ 年 (462/9,052) 0.69、p
表 3 有 効 性 評 価 ( 日 本 人 部 分 集 団 )〔 平 均 投 与 期 間 :アピキサバン 群 2.00 年 、ワルファリン 群<br />
1.75 年 〕<br />
年 間 イベント 発 症 率 (イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞 栓 症 0.87%/ 年 (3/161) 1.67%/ 年 (6/175)<br />
虚 血 性 または 特 定 不 能 の 脳 卒 中 0.87%/ 年 (3/161) 1.11%/ 年 (4/175)<br />
出 血 性 脳 卒 中 0%/ 年 (0/161) 0.55%/ 年 (2/175)<br />
全 身 性 塞 栓 症 0%/ 年 (0/161) 0%/ 年 (0/175)<br />
全 死 亡 1.74%/ 年 (6/161) 3.02%/ 年 (11/175)<br />
心 血 管 死 0.58%/ 年 (2/161) 0.55%/ 年 (2/175)<br />
非 心 血 管 死 0.87%/ 年 (3/161) 1.65%/ 年 (6/175)<br />
死 因 不 明 0.29%/ 年 (1/161) 0.82%/ 年 (3/175)<br />
表 4 安 全 性 評 価 ( 日 本 人 部 分 集 団 )〔 平 均 投 与 期 間 :アピキサバン 群 2.00 年 、ワルファリン 群<br />
1.75 年 〕<br />
有 害 事 象 ( 日 本 人 部 分 集 団 )<br />
有 害 事 象 等 発 現 率 ( 有 害 事 象 等 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
全 有 害 事 象 96.3%(154/160) 96.6%(169/175)<br />
因 果 関 係 を 否 定 できない 有 害 事 象 28.1%(45/160) 42.9%(75/175)<br />
重 篤 な 有 害 事 象 31.9%(51/160) 34.3%(60/175)<br />
出 血 に 関 連 した 有 害 事 象 38.1%(61/160) 51.4%(90/175)<br />
有 害 事 象 による 中 止 10.6%(17/160) 17.7%(31/175)<br />
死 亡 3.1%(5/160) 2.3%(4/175)<br />
出 血 イベント( 日 本 人 部 分 集 団 )<br />
年 間 イベント 発 現 率 (イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
ハザード 比<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 1.26%/ 年 (4/160) 5.99%/ 年 (18/175) -<br />
致 死 性 出 血 0.0%/ 年 (0/160) 0.65%/ 年 (2/175) -<br />
頭 蓋 内 出 血 0.0%/ 年 (0/160) 1.97%/ 年 (6/175) -<br />
消 化 管 出 血 0.63%/ 年 (2/160) 1.97%/ 年 (6/175) -<br />
大 出 血 +CRNM 1.90%/ 年 (6/160) 7.86%/ 年 (23/175) -<br />
全 出 血 20.95%/ 年 (51/160) 40.13%/ 年 (82/175) 0.60(0.42、0.85)<br />
ISTH 基 準 : 国 際 血 栓 止 血 学 会 (International Society on Thrombosis and Haemostasis)による 出 血 基 準<br />
CRNM: 臨 床 的 に 重 要 な 非 大 出 血<br />
- 14 -
(AVERROES 試 験 ) 2)<br />
ワルファリン 不 適 応 の 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 (5,598 例 )を 対 象 に、アピキサバン(5mg1 日 2<br />
回 :ただし、 年 齢 80 歳 以 上 、 体 重 60kg 以 下 、 血 清 クレアチニン1.5mg/dL 以 上 の3 項 目 のうち2<br />
項 目 以 上 を 満 たす 患 者 は2.5mg1 日 2 回 )、または 対 照 薬 としてアスピリン(81~324mg/ 日 )を 投<br />
与 した 二 重 盲 検 群 間 比 較 試 験 における 有 効 性 イベント( 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 )の 発 症<br />
率 を 解 析 した 結 果 、 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 率 は、アピキサバン 群 1.62%/ 年 、アス<br />
ピリン 群 3.63%/ 年 であった。アスピリンに 対 し55%の 抑 制 が 認 められ、アピキサバンのアスピリ<br />
ンに 対 する 優 越 性 が 示 された[ハザード 比 :0.45(95% 信 頼 区 間 :0.32~0.62)、Cox 比 例 ハザ<br />
ードモデル、p
2) 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 ) 3)<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 としてアピキサバン〔2.5mg1 日 2 回 ( 以 下 、2.5mg BID)、ある<br />
いは5mg1 日 2 回 ( 以 下 、5mg BID)〕についてワルファリン(INR2.0~3.0となるように 適 宜 調 節 )<br />
を 対 照 薬 として12 週 間 投 与 で 行 われた 部 分 盲 検 比 較 試 験 (ワルファリン 群 は 非 盲 検 、アピキサ<br />
バン 群 の2 用 量 は 盲 検 下 )(222 例 )で、 安 全 性 主 要 評 価 項 目 である 大 出 血 (ISTH 基 準 ) 又 は 臨<br />
床 的 に 重 要 な 非 大 出 血 の 複 合 評 価 項 目 の 発 現 率 を 解 析 したところ、アピキサバン2.5mg<br />
BID1.4%(1/72 例 )、アピキサバン5mg BID1.4%(1/71 例 )で、ワルファリン5.3%(4/75 例 )と 比<br />
較 して 本 剤 で 低 かった。なお、 全 ての 有 害 事 象 の 発 現 率 は 各 群 間 で 差 は 認 められなかった。<br />
また、 有 効 性 に 関 して、 脳 卒 中 は、ワルファリン 群 で4.1%(3/74 例 )に 対 してアピキサバン 群 で<br />
発 症 しなかった。 全 身 性 塞 栓 症 、 心 筋 梗 塞 、 全 死 亡 イベントに 関 しては、アピキサバン 群 、ワ<br />
ルファリン 群 ともに 発 症 しなかった。<br />
〔 社 内 資 料 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 内 第 2 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 )〕<br />
表 主 要 有 効 性 ・ 安 全 性 評 価 ( 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 )<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞<br />
栓 症<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞<br />
栓 症 / 全 死 亡<br />
イベント 発 症 ( 現 ) 率 〔イベント 発 症 ( 現 ) 例 数 / 被 験 者 数 〕<br />
アピキサバン 2.5mg 群 アピキサバン 5mg 群 ワルファリン 群<br />
0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 4.1%(3/74)<br />
0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 4.1%(3/74)<br />
心 筋 梗 塞 / 全 死 亡 0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 0.0%(0/74)<br />
大 出 血 ( ISTH 基<br />
準 )/CRNM<br />
1.4%(1/72) 1.4%(1/71) 5.3%(4/75)<br />
ISTH 基 準 : 国 際 血 栓 止 血 学 会 (International Society on Thrombosis and Haemostasis)による 出 血 基 準<br />
CRNM: 臨 床 的 に 重 要 な 非 大 出 血<br />
(3) 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験<br />
< 単 回 投 与 試 験 > 4)<br />
日 本 人 及 び 白 人 の 健 康 男 性 16 例 を 対 象 に、 本 剤 2.5、10、25 及 び 50mg 又 はプラセボを 単 回 経<br />
口 投 与 した( 本 剤 は 逐 次 的 に 低 用 量 から 高 用 量 に 増 量 し、 各 投 与 間 には5 日 間 の 休 薬 期 間 を 設<br />
定 し、4 用 量 を 全 て 投 与 )。 本 試 験 での 用 量 範 囲 において 本 剤 の 忍 容 性 は 良 好 であり、 最 大 耐<br />
量 は 確 認 されなかった。<br />
社 内 資 料 日 本 人 及 び 外 国 人 健 康 成 人 被 験 者 における 単 回 投 与 試 験<br />
注 意 : 本 邦 において、 本 剤 の 承 認 されている 用 法 及 び 用 量 は「 通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして1 回 5mgを1 日 2<br />
回 経 口 投 与 する。なお、 必 要 に 応 じて、アピキサバンとして1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。」である。<br />
< 反 復 投 与 試 験 > 5)<br />
日 本 人 健 康 男 性 24 例 を 対 象 に、 本 剤 2.5、5 及 び 10mg 又 はプラセボを 1 日 2 回 7 日 間 空 腹 時<br />
に 反 復 経 口 投 与 した。 本 試 験 での 用 量 範 囲 において 本 剤 の 忍 容 性 は 良 好 であった。<br />
社 内 資 料 日 本 人 健 康 成 人 被 験 者 における 反 復 投 与 試 験<br />
注 意 : 本 邦 において、 本 剤 の 承 認 されている 用 法 及 び 用 量 は「 通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして1 回 5mgを1 日 2<br />
回 経 口 投 与 する。なお、 必 要 に 応 じて、アピキサバンとして1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。」である。<br />
- 16 -
(4) 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験<br />
該 当 資 料 なし<br />
【 解 説 】<br />
心 房 細 動 を 対 象 とした 用 量 設 定 試 験 はイベントの 発 現 数 が 少 ないこと 等 から、 安 全 性 及 び 有 効<br />
性 の 検 討 に 必 要 な 十 分 な 症 例 数 を 組 み 入 れる 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )に 参 加<br />
することにより、 日 本 人 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンとの 有 効 性 及 び 安 全 性 の 比 較 、なら<br />
びに 用 量 の 妥 当 性 の 検 証 が 可 能 であると 考 え、 当 該 試 験 に 参 加 した(「V. 治 療 に 関 する 項 目 3.<br />
臨 床 成 績 (5) 検 証 的 試 験 2) 比 較 試 験 」 参 照 )。<br />
また、 国 内 においては 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 )を 計<br />
画 ・ 実 施 した(「V. 治 療 に 関 する 項 目 3. 臨 床 成 績 (5) 検 証 的 試 験 1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応<br />
試 験 」 参 照 )。<br />
(5) 検 証 的 試 験<br />
1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験<br />
< 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 >(ARISTOTLE-J 試 験 ) 3)<br />
日 本 人 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 (NVAF) 患 者 を 対 象 に、 本 剤 2 用 量 (2.5mg 又 は 5mg)を 1 日 2<br />
回 、12 週 間 投 与 した。その 結 果 、 安 全 性 主 要 評 価 項 目 である 大 出 血 (ISTH 基 準 ) 又 は 臨 床 的<br />
に 重 要 な 非 大 出 血 (CRNM)の 複 合 評 価 項 目 は、アピキサバン 2.5mg 群 1.4%(1/72 例 )、5mg<br />
群 1.4%(1/71 例 )であり、ワルファリン 群 5.3%(4/75 例 )と 比 較 してアピキサバン 群 はいずれも<br />
低 かった。なお、 全 ての 有 害 事 象 の 発 現 率 は、 各 投 与 群 間 で 差 は 認 められなかった。また、 有<br />
効 性 ( 脳 卒 中 、 全 身 性 塞 栓 症 、 心 筋 梗 塞 又 は 全 死 亡 )に 関 しては、ワルファリン 群 では 4.1%<br />
(3/74 例 )で 脳 卒 中 イベント(くも 膜 下 出 血 :1 例 、 虚 血 性 脳 卒 中 :2 例 )を 発 症 したが、アピキサ<br />
バン 各 群 では 認 められなかった。<br />
社 内 資 料 : 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 内 第 2 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 )<br />
試 験 デザイン<br />
対 象<br />
主 な 組 み 入<br />
れ 基 準<br />
試 験 方 法<br />
主 要 評 価 項 目<br />
副 次 評 価 項 目<br />
多 施 設 共 同 無 作 為 化 実 薬 (ワルファリン) 対 照 部 分 二 重 盲 検 比 較 試 験<br />
[ワルファリン 群 (PT-INR2.0~3.0 となるように 適 宜 調 節 )のみ 非 盲 検 ]<br />
日 本 人 NVAF 患 者 222 例<br />
・ 20 歳 以 上 の NVAF と 診 断 された 外 来 患 者 ( 性 別 は 問 わない)<br />
・ 観 察 期 の 心 電 図 で 可 逆 的 な 原 因 によるものではない 心 房 細 動 が 認 められるか、 又 は 観 察<br />
期 開 始 日 より 過 去 12ヵ 月 間 に 心 房 細 動 が2 週 間 以 上 の 間 隔 をあけて2 回 以 上 認 められる<br />
・ 脳 卒 中 リスク 因 子 [うっ 血 性 心 不 全 、 薬 物 治 療 を 必 要 とする 高 血 圧 症 、75 歳 以 上 、 糖 尿<br />
病 、 脳 梗 塞 ( 一 過 性 脳 虚 血 発 作 を 含 む)の 既 往 ]のうち 1 つ 以 上 を 有 する<br />
被 験 者 をアピキサバン 2.5mg 群 、5mg 群 、ワルファリン 群 に 1:1:1 に 割 りつけた。アピキサ<br />
バン 2.5mg 群 は 本 剤 2.5mg を、5mg 群 は 本 剤 5mg を 1 日 2 回 朝 夕 食 後 に 12±2 時 間 の<br />
間 隔 をあけて 12 週 間 投 与 した。ワルファリン 群 は、 適 正 な PT-INR が 得 られる 用 量 の 治 験<br />
用 ワルファリン 錠 を 1 日 1 回 朝 食 後 に 12 週 間 投 与 した。<br />
治 療 期 間 中 に 発 現 した 大 出 血 (ISTH 基 準 ) 又 は CRNM イベントの 複 合 評 価 項 目<br />
・ 治 療 期 間 中 の 脳 卒 中 又 は 全 身 性 塞 栓 症 からなる 複 合 評 価 項 目<br />
・ 治 療 期 間 中 の 脳 卒 中 、 全 身 性 塞 栓 症 又 は 全 死 亡 からなる 複 合 評 価 項 目<br />
治 療 期 間 中 の 心 筋 梗 塞 又 は 全 死 亡 からなる 複 合 評 価 項 目<br />
・ 治 療 期 間 中 に 発 現 した 全 出 血 イベント[ 大 出 血 (ISTH 基 準 )、CRNM 又 は 小 出 血 ]、 大<br />
出 血 ならびに CRNM イベント 等<br />
- 17 -
結 果<br />
・ 有 効 性 : 解 析 対 象 222 例<br />
脳 卒 中 は、ワルファリン 群 で 4.1%(3/74 例 )に 発 症 し、アピキサバン 各 群 ( 各 74 例 )で<br />
は 発 症 はなかった。また、 全 身 性 塞 栓 症 、 心 筋 梗 塞 、 全 死 亡 に 関 しては、アピキサバン<br />
各 群 、ワルファリン 群 ともに 発 症 しなかった。<br />
有 効 性 評 価<br />
イベント 発 症 率 (イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群 アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
2.5mg<br />
5mg<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞 栓 症 0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 4.1%(3/74)<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞 栓 症 / 全 死 亡 0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 4.1%(3/74)<br />
心 筋 梗 塞 / 全 死 亡 0.0%(0/74) 0.0%(0/74) 0.0%(0/74)<br />
・ 安 全 性 : 解 析 対 象 218 例<br />
因 果 関 係 を 問 わない 有 害 事 象 の 発 現 率 に 差 は 認 められなかった。 因 果 関 係 を 否 定 で<br />
きない 有 害 事 象 の 発 現 率 は、アピキサバン 群 と 比 較 してワルファリン 群 で 低 かった。 大<br />
出 血 イベント(ISTH 基 準 )はアピキサバン 各 群 では 認 められなかったが、ワルファリン 群<br />
では 1 例 に 認 められた。<br />
有 害 事 象<br />
有 害 事 象 発 現 率 ( 有 害 事 象 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
2.5mg<br />
アピキサバン 群<br />
5mg<br />
ワルファリン 群<br />
全 有 害 事 象 51.4%(37/72) 59.2%(42/71) 46.7%(35/75)<br />
因 果 関 係 を 否 定 でき<br />
ない 有 害 事 象<br />
23.6%(17/72) 23.9%(17/71) 13.3%(10/75)<br />
重 篤 な 有 害 事 象 1.4%(1/72) 7.0%(5/71) 5.3%(4/75)<br />
出 血 に 関 連 した 有 害<br />
事 象<br />
12.5%(9/72) 23.9%(17/71) 17.3%(13/75)<br />
有 害 事 象 による 中 止 5.6%(4/72) 5.6%(4/71) 5.3%(4/75)<br />
死 亡 0.0%(0/72) 0.0%(0/71) 0.0%(0/75)<br />
出 血 イベント<br />
イベント 発 現 率 (イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
2.5mg<br />
アピキサバン 群<br />
5mg<br />
ワルファリン 群<br />
大 出 血 ( ISTH 基 準 )<br />
/CRNM<br />
1.4%(1/72) 1.4%(1/71) 5.3%(4/75)<br />
大 出 血 0.0%(0/72) 0.0%(0/71) 1.3%(1/75)<br />
CRNM ※2 1.4%(1/72) 1.4%(1/71) 4.0%(3/75)<br />
ISTH 基 準 : 国 際 血 栓 止 血 学 会 (International Society on Thrombosis and Haemostasis)による 出<br />
血 基 準<br />
CRNM: 臨 床 的 に 重 要 な 非 大 出 血<br />
- 18 -
2) 比 較 試 験<br />
< 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 >(ARISTOTLE 試 験 ) 1)<br />
主 要 目 的 : 脳 卒 中 のリスク 因 子 を 1 つ 以 上 有 する 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 (NVAF) 患 者 を 対 象 に、<br />
脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 ) 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の 複 合 評 価 項 目 において、 本 剤<br />
のワルファリン〔 国 際 標 準 比 (INR)の 目 標 範 囲 2.0~3.0〕に 対 する 非 劣 性 を 検 証 する。<br />
本 治 験 は 国 際 共 同 治 験 であり、41 ヵ 国 の 医 療 機 関 1,053 施 設 で 実 施 された。<br />
社 内 資 料 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 3 相 試 験 (ARISTOTLE 試<br />
験 )<br />
試 験 デザイン<br />
対 象<br />
主 な 組 み 入 れ<br />
基 準<br />
試 験 方 法<br />
主 要 評 価 項 目<br />
主 な 副 次 評 価<br />
項 目<br />
国 際 多 施 設 共 同 無 作 為 化 実 薬 (ワルファリン) 対 照 二 重 盲 検 ダブルダミー 並 行 群 間 比 較 試 験<br />
脳 卒 中 のリスク 因 子 を 1 つ 以 上 有 する NVAF 患 者 18,201 例<br />
心 房 細 動 又 は 心 房 粗 動 の 他 、 以 下 に 示 す 脳 卒 中 のリスク 因 子 を 1 つ 以 上 有 する 18 歳 以 上<br />
の 男 女<br />
・75 歳 以 上<br />
・ 脳 卒 中 、 一 過 性 脳 虚 血 発 作 、 全 身 性 塞 栓 症 のいずれかの 病 歴<br />
・ 症 候 性 うっ 血 性 心 不 全 又 は 左 室 駆 出 率 40% 以 下 の 左 室 機 能 不 全<br />
・ 糖 尿 病<br />
・ 薬 物 治 療 を 要 する 高 血 圧<br />
被 験 者 をアピキサバン 群 とワルファリン 群 に 1:1 に 割 り 付 けした。アピキサバン 群 は 本 剤<br />
5mg を 1 日 2 回 、 平 均 約 89 週 間 経 口 投 与 した。ワルファリン 群 はワルファリン 2mg 錠<br />
(INR の 目 標 範 囲 を 2.0~3.0 として 用 量 を 調 節 )を 平 均 約 88 週 間 経 口 投 与 した。<br />
※ 年 齢 80 歳 以 上 、 体 重 60kg 以 下 、 血 清 クレアチニン 1.5mg/dL 以 上 の 3 項 目 のうち 2<br />
項 目 以 上 を 満 たした 場 合 は 2.5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 。<br />
・ 脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 ) 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の 初 発 までの 期 間<br />
・ 国 際 血 栓 止 血 学 会 (ISTH) 基 準 による 大 出 血 の 初 発 までの 期 間<br />
・ 以 下 の 項 目 の 初 発 までの 期 間<br />
脳 卒 中 ( 出 血 性 、 虚 血 性 又 は 特 定 不 能 )<br />
全 身 性 塞 栓 症<br />
全 死 亡<br />
脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身 性 塞 栓 症 又 は 大 出 血 の 複 合 評 価 項 目<br />
脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身 性 塞 栓 症 又 は 全 死 亡 の 複 合 評 価 項 目<br />
脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身 性 塞 栓 症 、 大 出 血 又 は 全 死 亡 の 複 合 評 価 項 目<br />
脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身 性 塞 栓 症 、 心 筋 梗 塞 又 は 全 死 亡 の 複 合 評 価 項 目<br />
ワルファリン 投 与 歴 がない 被 験 者 での 脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身<br />
性 塞 栓 症 又 は 大 出 血 の 複 合 評 価 項 目<br />
・ 以 下 の 事 象 の 初 発 までの 期 間<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 又 は 非 大 出 血 イベントの 複 合 事 象<br />
全 ての 出 血 イベント<br />
- 19 -
結 果<br />
・ 有 効 性 ( 試 験 全 体 ): 解 析 対 象 18,201 例<br />
アピキサバン 群 は、 脳 卒 中 ( 出 血 性 又 は 虚 血 性 ) 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 率 におい<br />
てワルファリン 群 に 対 し 21%の 抑 制 が 認 められ、ワルファリン 群 に 対 する 非 劣 性 が 検 証<br />
され〔 非 劣 性 マージン=1.38 及 び 有 意 水 準 0.025( 片 側 )〕、さらに 優 越 性 が 示 された<br />
(p=0.0114)。また、 全 死 亡 の 発 現 率 においてもアピキサバン 群 はワルファリン 群 に 対 し<br />
11%の 抑 制 が 認 められ、ワルファリン 群 にする 優 越 性 が 示 された(p=0.0465)。<br />
有 効 性 評 価 ( 試 験 全 体 )<br />
年 間 イベント 発 症 率<br />
(イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群 ワルファリン 群<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞 1.27%/ 年 1.60%/ 年<br />
栓 症<br />
(212/9,120) (265/9,081)<br />
全 死 亡<br />
3.52%/ 年 3.94%/ 年<br />
(603/9,120) (669/9,081)<br />
心 血 管 死<br />
1.80%/ 年 2.02%/ 年<br />
(308/9,120) (344/9,081)<br />
非 心 血 管 死 1.14%/ 年 1.22%/ 年<br />
(196/9,120) (208/9,081)<br />
虚 血 性 又 は 特 定 不 0.97%/ 年 1.05%/ 年<br />
能 の 脳 卒 中<br />
(162/9,120) (175/9,081)<br />
出 血 性 脳 卒 中 0.24%/ 年 0.47%/ 年<br />
(40/9,120) (78/9,081)<br />
全 身 性 塞 栓 症 0.09%/ 年 0.10%/ 年<br />
(15/9,120) (17/9,081)<br />
心 筋 梗 塞<br />
0.53%/ 年 0.61%/ 年<br />
(90/9,120) (102/9,081)<br />
ハザード 比 、p 値<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
0.79、p=0.0114<br />
(0.66、0.95)<br />
0.89、p=0.0465<br />
(0.80、1.00)<br />
0.89、-<br />
(0.76、1.04)<br />
0.93、-<br />
(0.77、1.13)<br />
0.92、-<br />
(0.74、1.13)<br />
0.51、p=0.0006<br />
(0.35、0.75)<br />
0.87、p=0.7020<br />
(0.44、1.75)<br />
0.88、p=0.3720<br />
(0.66、1.17)<br />
図 脳 卒 中 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の Kaplan-Meier 曲 線 ( 試 験 全 体 )<br />
- 20 -
・ 有 効 性 ( 日 本 人 部 分 集 団 ): 解 析 対 象 集 団 336 例<br />
有 効 性 評 価 項 目 ( 日 本 人 部 分 集 団 )<br />
年 間 イベント 発 症 率 (イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
脳 卒 中 / 全 身 性 塞<br />
栓 症<br />
0.87%/ 年 (3/161) 1.67%/ 年 (6/175)<br />
全 死 亡 1.74%/ 年 (6/161) 3.02%/ 年 (11/175)<br />
心 血 管 死 0.58%/ 年 (2/161) 0.55%/ 年 (2/175)<br />
非 心 血 管 死 0.87%/ 年 (3/161) 1.65%/ 年 (6/175)<br />
原 因 不 明 0.29%/ 年 (1/161) 0.82%/ 年 (3/175)<br />
・ 安 全 性 ( 試 験 全 体 ): 解 析 対 象 18,140 例<br />
アピキサバン 群 の 全 般 的 な 安 全 性 プロファイルはワルファリン 群 と 同 様 であった。<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 )の 発 現 率 において、アピキサバン 群 はワルファリン 群 に 対 し 31%<br />
の 抑 制 が 認 められ、ワルファリン 群 に 対 する 優 越 性 が 示 された(p
・ 安 全 性 ( 日 本 人 部 分 集 団 ): 解 析 対 象 335 例<br />
有 害 事 象 ( 日 本 人 部 分 集 団 )<br />
有 害 事 象 等 発 現 率 ( 有 害 事 象 等 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
全 有 害 事 象 96.3%(154/160) 96.6%(169/175)<br />
因 果 関 係 を 否 定 できない<br />
有 害 事 象<br />
28.1%(45/160) 42.9%(75/175)<br />
重 篤 な 有 害 事 象 31.9%(51/160) 34.3%(60/175)<br />
出 血 に 関 連 した 有 害 事 象 38.1%(61/160) 51.4%(90/175)<br />
有 害 事 象 による 中 止 10.6%(17/160) 17.7%(31/175)<br />
死 亡 3.1%(5/160) 2.3%(4/175)<br />
出 血 イベント( 日 本 人 部 分 集 団 )<br />
年 間 イベント 発 現 率 (イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
ワルファリン 群<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 1.26%/ 年 (4/160) 5.99%/ 年 (18/175)<br />
致 死 性 出 血 0.0%/ 年 (0/160) 0.65%/ 年 (2/175)<br />
頭 蓋 内 出 血 0.0%/ 年 (0/160) 1.97%/ 年 (6/160)<br />
消 化 管 出 血 0.63%/ 年 (2/160) 1.97%/ 年 (6/160)<br />
ISTH 基 準 : 国 際 血 栓 止 血 学 会 (International Society on Thrombosis and Haemostasis)によ<br />
る 出 血 基 準<br />
< 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 >(AVERROES 試 験 ) 2)<br />
主 要 目 的 : 脳 卒 中 のリスク 因 子 を 1 つ 以 上 有 し、ビタミン K 拮 抗 薬 (ワルファリン) 療 法 が 無 効 又<br />
は 不 適 応 な 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 (NVAF) 患 者 を 対 象 に、 脳 卒 中 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の 複 合<br />
評 価 項 目 において 本 剤 のアスピリンに 対 する 優 越 性 を 検 証 する。<br />
本 治 験 は 国 際 共 同 治 験 であり、36 ヵ 国 の 医 療 機 関 526 施 設 で 実 施 された。<br />
社 内 資 料 ワルファリン 不 適 応 な 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるアスピリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 3 相 試<br />
験 (AVERROES 試 験 )<br />
試 験 デザイン<br />
対 象<br />
主 な 組 み 入 れ<br />
基 準<br />
試 験 方 法<br />
国 際 多 施 設 共 同 無 作 為 化 実 薬 (アスピリン) 対 照 二 重 盲 検 ダブルダミー 並 行 群 間 比 較 試 験<br />
脳 卒 中 のリスク 因 子 を 1 つ 以 上 有 するワルファリン 不 適 応 な NVAF 患 者 5,598 例<br />
発 作 性 、 持 続 性 又 は 永 続 性 心 房 細 動 が 確 認 され(スクリーニング 時 又 は 組 み 入 れ 前 6 ヵ 月<br />
以 内 )、 脳 卒 中 のリスク 因 子 が 1 つ 以 上 認 められ、 組 み 入 れ 時 にビタミン K 拮 抗 薬 の 投 与 が<br />
ない 50 歳 以 上 の 男 女 ( 妊 娠 可 能 な 女 性 を 含 む)<br />
被 験 者 をアピキサバン 群 とアスピリン 群 に 1:1 に 割 り 付 けした。アピキサバン 群 は、 本 剤<br />
5mg ※ を 1 日 2 回 、 平 均 約 59.5 週 間 経 口 投 与 した。アスピリン 群 は、アスピリンを 1 日 1<br />
回 (81~324mg)、 平 均 約 59.1 週 間 経 口 投 与 した。<br />
※ベースライン 時 に「80 歳 以 上 」、「 体 重 60kg 以 下 」、「 血 清 クレアチニン 1.5mg/dL 以 上 」<br />
の 基 準 のうち 2 つ 以 上 を 満 たした 場 合 は 2.5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 。<br />
- 22 -
主 要 評 価 項 目<br />
副 次 評 価 項 目<br />
結 果<br />
・ 脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 ) 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の 初 発 までの 期 間<br />
・ 大 出 血 の 初 発 までの 期 間<br />
・ 脳 卒 中 ( 虚 血 性 、 出 血 性 又 は 特 定 不 能 )、 全 身 性 塞 栓 症 、 心 筋 梗 塞 又 は 血 管 死 の 初 発<br />
までの 期 間<br />
・ 以 下 のイベントの 初 発 までの 期 間<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 又 は 臨 床 的 に 重 要 な 非 大 出 血<br />
全 出 血<br />
※1<br />
・ 有 効 性 : 解 析 対 象 5,598 例<br />
アピキサバン 群 は、 脳 卒 中 又 は 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 率 においてアスピリン 群 に 対 し<br />
55%の 抑 制 が 認 められ、アスピリン 群 に 対 する 優 越 性 が 示 された(p
有 害 事 象<br />
有 害 事 象 等 発 現 率 ( 有 害 事 象 等 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
アスピリン 群<br />
全 有 害 事 象 65.5%<br />
(1,833/2,798)<br />
69.2%<br />
(1,925/2,780)<br />
因 果 関 係 を 否 定 できない<br />
有 害 事 象<br />
16.6%<br />
(465/2,798)<br />
重 篤 な 有 害 事 象 23.5%<br />
(657/2,798)<br />
出 血 に 関 連 した 有 害 事 象 10.0%<br />
(281/2,798)<br />
有 害 事 象 による 中 止 9.5%<br />
(266/2,798)<br />
死 亡 3.3%<br />
(91/2,798)<br />
出 血 イベント<br />
年 間 イベント 発 現 率 又 はイベント 発 現 率<br />
(イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群 アスピリン 群<br />
大 出 血 (ISTH 基 準 ) 1.41%/ 年 0.92%/ 年<br />
(45/2,798) (29/2,780)<br />
致 死 性 出 血<br />
0.16%/ 年 0.16%/ 年<br />
(5/2,798) (5/2,780)<br />
16.7%<br />
(464/2,780)<br />
28.9%<br />
(804/2,780)<br />
9.3%<br />
(259/2,780)<br />
13.0%<br />
(362/2,780)<br />
4.1%<br />
(115/2,780)<br />
ハザード 比 、p 値<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
1.54、p=0.0716<br />
(0.96、2.45)<br />
-<br />
ISTH 基 準 : 国 際 血 栓 止 血 学 会 (International Society on Thrombosis and Haemostasis)による<br />
出 血 基 準<br />
※1 中 間 解 析 により、アピキサバンはアスピリンと 比 較 して 有 効 性 に 有 意 差 が 認 められ、 許 容<br />
可 能 な 安 全 性 プロファイルも 認 められたことから、 本 試 験 は 早 期 に 有 効 中 止 となった。<br />
※2 試 験 の 早 期 中 止 により 有 意 水 準 を 調 整 したため、 統 計 学 的 有 意 差 はなかった( 調 整 後 の<br />
有 意 水 準 :0.00003)。また、 早 期 中 止 のため 死 亡 イベント 数 が 想 定 イベント 数 に 比 べて<br />
少 なかったため、 統 計 学 的 有 意 差 は 示 されなかった。<br />
3) 安 全 性 試 験<br />
「V. 治 療 に 関 する 項 目 3. 臨 床 成 績 (5) 検 証 的 試 験 2) 比 較 試 験 」 参 照<br />
【 解 説 】<br />
2つの 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 、AVERROES 試 験 )は、 共 に 大 規 模 且 つイベ<br />
ント 試 験 であったため、 治 験 薬 投 与 期 間 は 長 期 であった(ARISTOTLE 試 験 : 平 均 投 与 期 間 ;<br />
約 1.7 年 、AVERROES 試 験 : 平 均 投 与 期 間 ; 約 1.1 年 )。<br />
4) 患 者 ・ 病 態 別 試 験<br />
該 当 資 料 なし<br />
< 参 考 > 1)、2)<br />
国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 、AVERROES 試 験 )における 部 分 集 団 解 析 において、<br />
アピキサバンの 有 効 性 プロファイルを 部 分 集 団 で 検 討 したところ、アピキサバンの 有 効 性 プロ<br />
ファイルは、ワルファリン(ARISTOTLE 試 験 )またはアスピリン(AVERROES 試 験 )と 比 較 して、<br />
各 試 験 の 全 体 集 団 で 認 められたものと 差 はなかった。<br />
- 24 -
表 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 に 対 する 層 別 解 析 ( 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 )<br />
ワルファリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )<br />
試 験 全 体 ( 全 症 例 )<br />
日 本 人 部 分 集 団<br />
年<br />
齢<br />
体<br />
重<br />
腎<br />
機<br />
能<br />
65 歳 未 満<br />
65~74 歳<br />
75 歳 以 上<br />
50kg 以 下<br />
50kg 超<br />
60kg 以 下<br />
60kg 超<br />
重 度 ま た<br />
は 中 等 度<br />
軽 度<br />
正 常<br />
年 間 イベント 発 症 率<br />
(イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
(n=9,120)<br />
1.00%/ 年<br />
(51/2,731)<br />
1.25%/ 年<br />
(82/3,539)<br />
1.56%/ 年<br />
(79/2,850)<br />
2.75%/ 年<br />
(12/274)<br />
1.23%/ 年<br />
(199/8,814)<br />
2.01%/ 年<br />
(34/1,018)<br />
1.18%/ 年<br />
(177/8,070)<br />
2.11%/ 年<br />
(54/1,502)<br />
1.24%/ 年<br />
(87/3,817)<br />
0.99%/ 年<br />
(70/3,761)<br />
ワルファリン 群<br />
(n=9,081)<br />
0.86%/ 年<br />
(44/2,740)<br />
1.73%/ 年<br />
(112/3,513)<br />
2.19%/ 年<br />
(109/2,828)<br />
4.54%/ 年<br />
(17/239)<br />
1.53%/ 年<br />
(247/8,812)<br />
3.20%/ 年<br />
(52/967)<br />
1.42%/ 年<br />
(212/8,084)<br />
2.67%/ 年<br />
(69/1,515)<br />
1.69%/ 年<br />
(116/3,770)<br />
1.12%/ 年<br />
(79/3,757)<br />
ハザード 比<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
1.16<br />
(0.77、1.73)<br />
0.72<br />
(0.54、0.96)<br />
0.71<br />
(0.53、0.95)<br />
-<br />
-<br />
0.63<br />
(0.41、0.97)<br />
0.83<br />
(0.68、1.01)<br />
0.79<br />
(0.56、1.13)<br />
0.74<br />
(0.56、0.97)<br />
0.88<br />
(0.64、1.21)<br />
年 間 イベント 発 症 率<br />
(イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
(n=161)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/41)<br />
1.41%/ 年<br />
(2/67)<br />
0.89%/ 年<br />
(1/53)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/14)<br />
0.96%/ 年<br />
(3/147)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/58)<br />
1.35%/ 年<br />
(3/103)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/41)<br />
1.69%/ 年<br />
(3/85)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/35)<br />
アスピリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (AVERROES 試 験 )<br />
ワルファリン 群<br />
(n=175)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/44)<br />
2.07%/ 年<br />
(3/71)<br />
2.47%/ 年<br />
(3/60)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/16)<br />
1.84%/ 年<br />
(6/159)<br />
2.28%/ 年<br />
(3/67)<br />
1.32%/ 年<br />
(3/108)<br />
4.94%/ 年<br />
(4/44)<br />
0.93%/ 年<br />
(2/101)<br />
0.00%/ 年<br />
(0/30)<br />
年 間 イベント 発 症 率 (イベント 発 症 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群 (n=2,807)<br />
アスピリン 群 (n=2,791)<br />
ハザード 比 (95% 信 頼 区 間 )<br />
年<br />
齢<br />
体<br />
重<br />
腎<br />
機<br />
能<br />
65 歳 未 満 0.73%/ 年 (7/855) 1.93%/ 年 (19/865) 0.38(0.16、0.89)<br />
65~74 歳 2.02%/ 年 (24/1,049) 2.78%/ 年 (29/938) 0.73(0.43、1.25)<br />
75 歳 以 上 2.00%/ 年 (20/903) 6.00%/ 年 (65/988) 0.34(0.20、0.56)<br />
60kg 以 下 3.88%/ 年 (18/459) 4.61%/ 年 (20/422) 0.84(0.44、1.58)<br />
60kg 超 1.23%/ 年 (33/2,348) 3.48%/ 年 (93/2,367) 0.36(0.24、0.53)<br />
重 度 ま た<br />
は 中 等 度<br />
2.25%/ 年 (13/545) 5.61%/ 年 (32/539) 0.40(0.21、0.76)<br />
軽 度 1.83%/ 年 (22/1,074) 4.95%/ 年 (58/1,075) 0.37(0.23、0.61)<br />
正 常 1.09%/ 年 (12/955) 1.48%/ 年 (16/923) 0.74(0.35、1.57)<br />
- 25 -
表 大 出 血 (ISTH 基 準 )に 対 する 層 別 解 析 ( 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 )<br />
ワルファリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )<br />
試 験 全 体 ( 全 症 例 )<br />
日 本 人 部 分 集 団<br />
年<br />
齢<br />
体<br />
重<br />
腎<br />
機<br />
能<br />
65 歳 未 満<br />
65~74 歳<br />
75 歳 以 上<br />
50kg 以 下<br />
50kg 超<br />
60kg 以 下<br />
60kg 超<br />
重 度 ま た<br />
は 中 等 度<br />
軽 度<br />
正 常<br />
年 間 イベント 発 現 率<br />
(イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
(n=9,088)<br />
1.17%/ 年<br />
(56/2,723)<br />
1.99%/ 年<br />
(120/3,529)<br />
3.33%/ 年<br />
(151/2,836)<br />
3.22%/ 年<br />
(13/271)<br />
2.11%/ 年<br />
(313/8,785)<br />
2.33%/ 年<br />
(36/1,013)<br />
2.11%/ 年<br />
(290/8,043)<br />
3.21%/ 年<br />
(73/1,493)<br />
2.45%/ 年<br />
(157/3,807)<br />
1.46%/ 年<br />
(96/3,750)<br />
ワルファリン 群<br />
(n=9,052)<br />
1.51%/ 年<br />
(72/2,732)<br />
2.82%/ 年<br />
(166/3,501)<br />
5.19%/ 年<br />
(224/2,819)<br />
3.77%/ 年<br />
(13/239)<br />
3.07%/ 年<br />
(447/8,785)<br />
4.28%/ 年<br />
(62/965)<br />
2.96%/ 年<br />
(398/8,059)<br />
6.44%/ 年<br />
(142/1,512)<br />
3.21%/ 年<br />
(199/3,758)<br />
1.84%/ 年<br />
(119/3,746)<br />
ハザード 比<br />
(95% 信 頼 区 間 )<br />
0.78<br />
(0.55、1.11)<br />
0.71<br />
(0.56、0.89)<br />
0.64<br />
(0.52、0.79)<br />
-<br />
-<br />
0.55<br />
(0.36、0.83)<br />
0.72<br />
(0.62、0.83)<br />
0.50<br />
(0.38、0.67)<br />
0.76<br />
(0.62、0.94)<br />
0.79<br />
(0.61、1.04)<br />
年 間 イベント 発 現 率<br />
(イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群<br />
(n=160)<br />
1.12%/ 年<br />
(1/41)<br />
0.79%/ 年<br />
(1/66)<br />
1.96%/ 年<br />
(2/53)<br />
3.51%/ 年<br />
(1/14)<br />
1.04%/ 年<br />
(3/146)<br />
1.88%/ 年<br />
(2/58)<br />
0.95%/ 年<br />
(2/102)<br />
1.21%/ 年<br />
(1/41)<br />
1.25%/ 年<br />
(2/85)<br />
1.33%/ 年<br />
(1/34)<br />
アスピリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (AVERROES 試 験 )<br />
ワルファリン 群<br />
(n=175)<br />
2.31%/ 年<br />
(2/44)<br />
4.94%/ 年<br />
(6/71)<br />
10.82%/ 年<br />
(10/60)<br />
3.24%/ 年<br />
(1/16)<br />
6.30%/ 年<br />
(17/159)<br />
7.90%/ 年<br />
(9/67)<br />
4.82%/ 年<br />
(9/108)<br />
13.79%/ 年<br />
(8/44)<br />
4.16%/ 年<br />
(8/101)<br />
3.96%/ 年<br />
(2/30)<br />
年 間 イベント 発 現 率 (イベント 発 現 例 数 / 被 験 者 数 )<br />
アピキサバン 群 (n=2,798)<br />
アスピリン 群 (n=2,780)<br />
ハザード 比 (95% 信 頼 区 間 )<br />
年<br />
齢<br />
体<br />
重<br />
65 歳 未 満 0.81%/ 年 (8/855) 0.49%/ 年 (5/862) 1.67(0.55、5.11)<br />
65~74 歳 0.90%/ 年 (11/1,044) 0.56%/ 年 (6/935) 1.61(0.60、4.36)<br />
75 歳 以 上 2.65%/ 年 (26/899) 1.70%/ 年 (18/983) 1.57(0.86、2.86)<br />
60kg 以 下 1.94%/ 年 (9/456) 0.91%/ 年 (4/420) 2.21(0.68、7.21)<br />
60kg 超 1.32%/ 年 (36/2,342) 0.92%/ 年 (25/2,359) 1.44(0.86、2.40)<br />
腎<br />
機<br />
能<br />
重 度 ま た<br />
は 中 等 度<br />
3.54%/ 年 (20/544) 1.60%/ 年 (9/536) 2.21(1.01、4.86)<br />
軽 度 0.98%/ 年 (12/1,068) 1.09%/ 年 (13/1,072) 0.90(0.41、1.98)<br />
正 常 0.71%/ 年 (8/953) 0.36%/ 年 (4/919) 2.01(0.60、6.67)<br />
〔 社 内 資 料 ワルファリン 不 適 応 な 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるアスピリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 3 相 試 験<br />
(AVERROES 試 験 )〕<br />
〔 社 内 資 料 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 3 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )〕<br />
- 26 -
(6) 治 療 的 使 用<br />
1) 使 用 成 績 調 査 ・ 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 )・ 製 造 販 売 後 臨 床 試 験 ( 市 販 後 臨 床 試 験 )<br />
該 当 資 料 なし<br />
2) 承 認 条 件 として 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 した 試 験 の 概 要<br />
該 当 しない<br />
- 27 -
Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目<br />
1. 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群<br />
ワルファリンカリウム、エノキサパリンナトリウム、フォンダパリヌクスナトリウム、ダビガトランエテキシラ<br />
ートメタンスルホン 酸 塩 、エドキサバントシル 酸 塩 水 和 物 、リバーロキサバン<br />
2. 薬 理 作 用<br />
(1) 作 用 部 位 ・ 作 用 機 序<br />
アピキサバンは、 血 液 凝 固 カスケードにおける 外 因 性 及 び 内 因 性 血 液 凝 固 経 路 の 合 流 点 である<br />
第 Xa 因 子 (FXa)を 強 力 かつ 可 逆 的 に 直 接 阻 害 し、プロトロンビンからトロンビンへの 変 換 を 抑 制<br />
することによってトロンビン 産 生 を 減 少 させ、 直 接 的 な 抗 血 液 凝 固 作 用 及 び 間 接 的 な 抗 血 小 板<br />
作 用 を 示 し、 抗 血 栓 作 用 を 発 揮 する。<br />
図 アピキサバンの 作 用 機 序<br />
矢 坂 正 弘 : 医 薬 ジャーナル 47:106, 2011[L20120410122]より 作 成<br />
- 28 -
(2) 薬 効 を 裏 付 ける 試 験 成 績<br />
1)FXa に 対 する 阻 害 作 用<br />
アピキサバンの 各 種 ヒトプロテアーゼに 対 する 親 和 性 、ヒト FXa の 生 理 的 基 質 であるプロトロン<br />
ビンに 対 する 阻 害 能 、 動 物 種 由 来 FXa に 対 する 阻 害 作 用 を 検 討 した。<br />
1ヒト 酵 素 に 対 する 親 和 性 (in vitro) 6)、7)<br />
アピキサバンは、ヒト FXa の 活 性 部 位 に 対 する 強 力 且 つ 直 接 的 な 阻 害 作 用 を 示 し、 阻 害 定<br />
数 (K i ) 値 は 25℃で 0.08nmol/L であり、 他 のヒトプロテアーゼと 比 較 して FXa に 対 する 高 い<br />
選 択 性 を 示 した。また、 酵 素 反 応 速 度 論 的 な 解 析 の 結 果 、アピキサバンの FXa 阻 害 作 用<br />
は 急 速 に 発 現 し( 結 合 速 度 定 数 :12μmol/L -1 s -1 )、 可 逆 的 である( 解 離 速 度 定 数 :<br />
0.0034s -1 )ことが 明 らかになった。<br />
表 各 種 ヒトプロテアーゼ 阻 害 作 用 における Ki 値 (25℃)<br />
酵 素<br />
Ki(nmol/L)<br />
FXa 0.08<br />
活 性 化 プロテイン C >37,600<br />
カテプシン B >25,000<br />
カテプシン D >25,000<br />
カテプシン G >25,000<br />
カテプシン L >25,000<br />
補 体 因 子 I IC 50 >30,000<br />
キマーゼ >25,000<br />
キモトリプシン 3,500<br />
FIXa >15,000<br />
FVIIa >15,000<br />
FXIa >12,000<br />
MT-SP1 マトリプターゼ >25,000<br />
好 中 球 エラスターゼ 24,000<br />
血 漿 カリクレイン 3,700<br />
プラスミン >25,400<br />
トロンビン 3,100<br />
組 織 カリクレイン-1 >30,000<br />
組 織 プラスミノーゲン 活 性 化 因 子 >40,000<br />
トリプシン >20,000<br />
ウロキナーゼ >13,000<br />
IC 50 :50% 阻 害 濃 度<br />
【 方 法 】 阻 害 薬 の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で、 合 成 基 質 を 含 有 する 緩 衝 液 に 酵 素 を 添 加 することで 反 応 を 開 始<br />
させた。 合 成 基 質 の 分 解 に 伴 う 吸 光 度 又 は 蛍 光 光 度 の 変 化 から 酵 素 活 性 を 測 定 し、 複 数 濃 度 のアピ<br />
キサバンによるヒト FXa 及 び 各 種 ヒトプロテアーゼの 阻 害 活 性 を 観 察 し、Ki 値 を 算 出 した。また、 急 速<br />
混 合 ストップドフロー 法 を 用 い、 反 応 速 度 を 経 時 的 に 検 討 し、アピキサバンの 結 合 速 度 定 数 を 算 出 し<br />
た。さらに、 予 め 調 製 した FXa とアピキサバンの 複 合 体 を 基 質 中 で 100 倍 希 釈 することで 解 離 速 度 定<br />
数 を 求 めた。<br />
Ki=IC 50 /(1+S/Km) S: 基 質 濃 度 、Km: 基 質 のミカエリス 定 数<br />
2プロトロンビナーゼ 活 性 の 阻 害 (in vitro) 6)<br />
アピキサバンは、プロトロンビナーゼ 複 合 体 において、プロトロンビンに 対 する FXa 活 性 を<br />
非 競 合 的 に 阻 害 し、K i 値 は 25℃で 0.63nmol/L、37℃で 0.62nmol/L であった。<br />
【 方 法 】リン 脂 質 小 胞 の 膜 表 面 に FXa、FVa、カルシウムイオン 及 びリン 脂 質 からなるプロトロンビナーゼ 複 合<br />
体 を 作 成 した。25℃ 又 は 37℃の 条 件 において、FVa、カルシウムイオン 及 びトロンビン 合 成 基 質 をイン<br />
キュベーションし、FXa 及 びプロトロンビナーゼを 添 加 することによって 反 応 を 開 始 した。トロンビン 合 成<br />
基 質 の 分 解 を 各 濃 度 triplicate で 測 定 することでプロトロンビナーゼ 活 性 を 測 定 し、アピキサバンの 阻<br />
害 作 用 (Ki 値 )を 検 討 した。<br />
- 29 -
3 動 物 種 由 来 の FXa に 対 する 親 和 性 (in vitro) 8)<br />
アピキサバンは、ラット、ウサギ 及 びイヌ 由 来 の FXa を 直 接 阻 害 し、K i 値 はそれぞれ 1.4、<br />
0.16 及 び 1.8nmol/L であった。<br />
【 方 法 】 各 動 物 種 血 漿 から FX を 分 離 し、ラッセルクサリヘビの 蛇 毒 で 活 性 化 後 、 精 製 した FXa を 用 いた。FXa、<br />
アピキサバン 及 び 合 成 基 質 を 緩 衝 液 中 で 混 和 後 、 合 成 基 質 から 発 色 基 遊 離 による 吸 光 度 変 化 を 各<br />
濃 度 triplicate で 測 定 して 各 動 物 由 来 の FXa に 対 するアピキサバンの Ki 値 を 測 定 した。<br />
2) 血 液 凝 固 系 に 対 する 作 用<br />
ヒト 血 漿 を 用 い、アピキサバンのトロンビン 産 生 及 び 血 液 凝 固 への 作 用 を 検 討 した。<br />
1トロンビン 産 生 に 対 する 作 用 (in vitro) 6)<br />
アピキサバンは、ヒト 乏 血 小 板 血 漿 における 組 織 因 子 誘 発 性 トロンビン 産 生 を 濃 度 依 存 的<br />
に 抑 制 し、アピキサバンの 50nmol/L ではトロンビン 産 生 速 度 が 約 50% 抑 制 され、<br />
100nmol/L ではトロンビン 産 生 の 最 大 値 が 約 50% 抑 制 された。<br />
図 ヒト 乏 血 小 板 血 漿 における 組 織 因 子 誘 発 性 トロンビン 産 生 に 対 する 作 用<br />
【 方 法 】アピキサバン 存 在 下 又 は 非 存 在 下 のヒト 乏 血 小 板 血 漿 に 組 織 因 子 を 加 えてトロンビン 産 生 を 誘 発 し<br />
た。 組 織 因 子 誘 発 性 トロンビン 産 生 に 対 するアピキサバンの 阻 害 能 を、トロンボグラム 法 9) を 用 いて 評<br />
価 した。 実 験 は 各 濃 度 quadruplicate で 測 定 した。<br />
- 30 -
2 血 液 凝 固 パラメータへの 影 響 (in vitro) 10)<br />
プロトロンビン 時 間 国 際 標 準 比 (PT-INR)、 活 性 化 部 分 トロンボプラスチン 時 間 (aPTT) 及<br />
び HEPTEST ® 試 験 の 凝 固 時 間 が 2 倍 に 延 長 する 血 漿 中 アピキサバン 濃 度 は、それぞれ<br />
1.9、7.6 及 び 0.19μmol/L であった。 一 方 、20μmol/L までの 血 漿 中 アピキサバン 濃 度 で<br />
は、トロンビン 時 間 の 延 長 は 認 められなかった。<br />
【 方 法 】 健 康 被 験 者 から 得 た 血 漿 にアピキサバンを 加 え、プロトロンビン 時 間 、aPTT 及 び HEPTEST R 試 験 の 凝<br />
固 時 間 を、それぞれの 分 析 キットを 用 いて 測 定 した。 得 られたプロトロンビン 時 間 より 国 際 標 準 比 を 算 出<br />
した。また、プールしたヒト 血 漿 にアピキサバンを 加 え、トロンビン 時 間 を 測 定 した。<br />
3) 血 小 板 凝 集 に 対 する 作 用<br />
ヒト 血 小 板 凝 集 に 対 するアピキサバンの 作 用 を 検 討 した。<br />
1 組 織 因 子 誘 発 性 ヒト 血 小 板 凝 集 の 抑 制 (in vitro) 11)<br />
アピキサバンは、 組 織 因 子 誘 発 性 の 血 液 凝 固 経 路 に 由 来 するトロンビンによる 血 小 板 凝<br />
集 を 濃 度 依 存 的 に 抑 制 し、IC 50 は 3.5nmol/L であった。 一 方 、 直 接 的 な 凝 集 惹 起 剤 である<br />
アデノシン 二 リン 酸 、α-トロンビン、トロンビン 受 容 体 活 性 化 ペプチド(SFLLRN-NH 2 ) 及 び<br />
コラーゲンによる 血 小 板 凝 集 に 対 して、アピキサバンの 作 用 は 認 められなかった。<br />
図 組 織 因 子 誘 発 性 ヒト 血 小 板 凝 集 に 対 する 作 用<br />
【 方 法 】ヒト 多 血 小 板 血 漿 に、アピキサバンの 存 在 下 又 は 非 存 在 下 に 組 織 因 子 を 添 加 して、 外 因 性 凝 固 経 路<br />
から 生 成 されるトロンビンによる 血 小 板 凝 集 を 測 定 した。また、ヒトの 多 血 小 板 血 漿 を 用 い、アピキサバ<br />
ンの 存 在 下 又 は 非 存 在 下 にアデノシン 二 リン 酸 、α‐トロンビン、SFLLRN‐NH 2 及 びコラーゲンを 添 加<br />
して、これらにより 惹 起 される 血 小 板 凝 集 に 対 する 影 響 を 検 討 した。<br />
- 31 -
4) 血 栓 及 び 出 血 モデルにおける 作 用<br />
各 動 物 種 の 血 栓 及 び 出 血 モデルを 用 いて、 血 栓 形 成 への 影 響 を 検 討 した。アピキサバンは、<br />
止 血 能 を 維 持 した 用 量 で 用 量 依 存 的 な 抗 血 栓 作 用 を 示 し、これらの 試 験 での 血 漿 中 アピキサ<br />
バン 濃 度 を 測 定 した 結 果 、 血 栓 形 成 に 対 する IC 50 は 0.1~7.57μmol/L であった。<br />
1 糖 尿 病 / 肥 満 (db/db)マウスにおける 血 栓 バイオマーカーの 発 現 に 対 する 作 用 (マウス) 12)<br />
アピキサバンを 1 日 2 回 に 分 けて 投 与 することにより、1 日 1 回 の 投 与 と 比 べより 効 果 的 に、<br />
db/db マウスにおけるトロンビン-アンチトロンビンⅢ 複 合 体 (T-AT) 及 び 可 溶 性 CD40 リガ<br />
ンド(sCD40L)の 血 漿 中 濃 度 を 低 下 させ、 野 生 型 C57BL/6 マウスと 同 等 レベルまで 正 常 化<br />
させた。<br />
【 方 法 】 試 験 開 始 時 の 血 漿 中 グルコース 濃 度 が 250±50mg/dL の 範 囲 にある 雄 性 db/db マウスを 用 いた。アピ<br />
キサバンの 5、50mg/kg の 用 量 を 1 日 2 回 、 又 は 10、100mg/kg の 用 量 を 1 日 1 回 、 対 照 群 には 溶 媒<br />
をいずれも 3 日 間 経 口 投 与 した 後 、 採 血 を 行 い、 酵 素 免 疫 測 定 法 により 血 漿 中 T-AT 及 び sCD40L 濃<br />
度 を 測 定 した。また、 比 較 のため 正 常 マウスとして 野 生 型 C57BL/6 マウスのデータも 取 得 した。<br />
2 血 栓 及 び 出 血 モデルにおける 作 用 (ラット) 13)<br />
血 栓 重 量 を50% 抑 制 するアピキサバンの 血 漿 中 濃 度 (IC 50 )は、 動 静 脈 シャント 血 栓 、 組 織<br />
因 子 誘 発 うっ 滞 性 静 脈 血 栓 、 塩 化 鉄 誘 発 大 静 脈 血 栓 及 び 塩 化 鉄 誘 発 頚 動 脈 血 栓 モデル<br />
でそれぞれ 5.71、7.57、1.84 及 び 3.23μmol/L であった( 表 1)。また、 表 皮 、 腎 皮 質 及 び<br />
腸 間 膜 の 出 血 モデルにおいて、アピキサバン 3mg/kg/ 時 では 出 血 時 間 を 溶 媒 対 照 の 1.9<br />
~3.0 倍 に 延 長 させ、1mg/kg/ 時 では 腸 間 膜 出 血 時 間 の 延 長 を 示 したものの、 表 皮 出 血 時<br />
間 及 び 腎 皮 質 出 血 時 間 の 延 長 はみられず、0.1 及 び 0.3mg/kg/ 時 ではいずれのモデルに<br />
おいても 出 血 時 間 の 延 長 は 認 められなかった( 表 2)。アピキサバンは、 出 血 時 間 に 延 長 を<br />
来 さない 用 量 範 囲 で 抗 血 栓 作 用 を 示 した。<br />
表 1 各 種 血 栓 モデルにおける 効 力<br />
モデル<br />
動 静 脈 シャント 血 栓<br />
モデル<br />
組 織 因 子 誘 発 うっ 滞 性<br />
静 脈 血 栓 モデル<br />
塩 化 鉄 誘 発 大 静 脈<br />
血 栓 モデル<br />
塩 化 鉄 誘 発 頚 動 脈<br />
血 栓 モデル<br />
アピキサバン<br />
0.1 mg/kg/ 時<br />
測 定 せず<br />
測 定 せず<br />
抑 制 率 (%) ※1<br />
アピキサバン アピキサバン<br />
0.3 mg/kg/ 時 1 mg/kg/ 時<br />
アピキサバン<br />
3 mg/kg/ 時<br />
16.3±2.4 * 42.7±1.2 * 78.1±2.4 *<br />
13.7±3.7 * 39.2±2.9 * 61.4±2.0 *<br />
12.1±13.0 47.5±8.4 * 68.9±6.4 * 90.3±2.0 *<br />
11.8±13.3 47.4±7.3 * 58.1±7.1 * 61.9±4.4 *<br />
ID 50<br />
(mg/kg/ 時 ) ※2<br />
1.20<br />
(1.05~1.38)<br />
1.55<br />
(1.27~1.90)<br />
0.39<br />
(0.18~0.85)<br />
0.72<br />
(0.22~2.33)<br />
ID 50 :50% 阻 害 用 量 、IC 50 :50% 阻 害 濃 度 、※1: 平 均 値 ±SEM、※2: 平 均 値 (95% 信 頼 区 間 )、<br />
*:p
表 2 出 血 時 間 への 影 響<br />
※<br />
溶 媒 対 照 との 比<br />
アピキサバンの 用 量 表 皮 出 血 時 間 腎 皮 質 出 血 時 間 腸 管 膜 出 血 時 間<br />
0.1mg/kg/ 時 1.18±0.16 1.25±0.10 1.34±0.25<br />
0.3 mg/kg/ 時 0.89±0.09 1.23±0.06 1.62±0.25<br />
1 mg/kg/ 時 1.03±0.18 1.34±0.12 2.43±0.48 *<br />
3 mg/kg/ 時 1.92±0.53 * 2.13±0.17 * 2.98±0.58 *<br />
※: 平 均 値 ±SEM、*:p
図 2 電 気 刺 激 頚 動 脈 血 栓 モデルにおける 頚 動 脈 血 流 量 低 下 に 対 する 作 用<br />
図 3 絹 糸 誘 発 大 静 脈 血 栓 モデルにおける 抗 血 栓 作 用 ( 治 療 効 果 の 検 討 )<br />
【 方 法 】 麻 酔 下 の 雄 性 NZW ウサギ(13 週 齢 、2~4kg)を 用 いた。<br />
抗 血 栓 作 用 については、 以 下 のモデルにおいて 評 価 した。 動 静 脈 シャント 血 栓 モデル:8cm の 絹 糸 を<br />
含 む 動 静 脈 シャントデバイスを 大 腿 動 脈 と 大 腿 静 脈 間 に 接 続 し、40 分 間 の 血 液 灌 流 後 に 絹 糸 に 付<br />
着 した 血 栓 の 重 量 を 測 定 した。 電 気 刺 激 頚 動 脈 血 栓 モデル: 頚 動 脈 に 電 磁 血 流 計 プローブ 及 び 双<br />
極 型 フック 電 極 を 装 着 し、 電 気 刺 激 (4mA、3 分 間 ) 後 の 閉 塞 性 血 栓 の 形 成 を 血 流 量 のモニタリングに<br />
より 観 察 した。90 分 の 観 察 の 後 、 血 栓 を 摘 出 して 重 量 を 測 定 した。 絹 糸 誘 発 大 静 脈 血 栓 モデル: 銅 線<br />
の 先 に 取 り 付 けた 絹 糸 を、 大 腿 静 脈 を 介 して 腹 部 大 静 脈 に 留 置 し、 絹 糸 に 付 着 した 血 栓 の 重 量 を 測<br />
定 した。 血 栓 形 成 の 抑 制 作 用 の 検 討 では、 薬 物 を 絹 糸 留 置 1 時 間 前 より 静 脈 内 持 続 投 与 し、 絹 糸 留<br />
置 90 分 後 の 血 栓 重 量 に 対 する 効 果 を 検 討 した。 血 栓 の 治 療 効 果 の 検 討 では、 絹 糸 留 置 30 分 後 から<br />
薬 物 を 投 与 し、その 2 時 間 後 の 血 栓 重 量 に 対 する 効 果 を 検 討 した。<br />
出 血 への 影 響 については、 表 皮 出 血 のモデルを 用 い 出 血 時 間 を 評 価 した。すなわち 後 肢 の 爪 上 皮<br />
の 先 端 を 切 断 し、 止 血 するまでの 時 間 を 測 定 した。<br />
- 34 -
4 血 栓 及 び 出 血 モデルにおける 作 用 (イヌ) 15)<br />
アピキサバンは、 動 静 脈 シャント 血 栓 モデルにおける 血 栓 形 成 抑 制 の IC 50 は 3.3μmol/L<br />
であり、 電 気 刺 激 大 腿 動 脈 血 栓 モデルにおいて 開 存 時 間 を 2 倍 に 延 長 する 濃 度 は 1.2μ<br />
mol/L であった( 図 )。また、これら 両 モデルで 抗 血 栓 作 用 が 認 められた 血 漿 中 アピキサバ<br />
ン 濃 度 において、 凝 固 及 び 出 血 時 間 は 軽 度 の 延 長 しかみられなかった( 表 )。<br />
図 血 栓 モデルにおける 濃 度 依 存 的 な 抗 血 栓 作 用<br />
表 血 漿 中 濃 度 及 び 血 液 凝 固 への 影 響<br />
用 量<br />
(mg/kg+mg/kg/ 時 ) a<br />
血 漿 中 アピキサバン 濃 度<br />
(μmol/L)<br />
投 与 前 との 比 較<br />
PT aPTT 出 血 時 間<br />
溶 媒 測 定 せず 1.0±0.01 1.1±0.02 1.1±0.13<br />
0.14+0.014 0.71±0.07 1.2±0.02 * 1.2±0.07 * 1.2±0.23<br />
0.28+0.028 1.51±0.11 1.3±0.03 * 1.2±0.04 * 1.2±0.21<br />
0.56+0.056 3.54±0.20 1.6±0.05 * 1.2±0.01 * 1.2±0.16<br />
1.12+0.112 7.61±0.30 2.0±0.04 * 1.5±0.05 * 1.8±0.41<br />
2.24+0.224 15.32±1.82 2.4±0.12 * 1.6±0.1 * 1.7±0.30<br />
4.48+0.448 31.6±1.26 3.5±0.14 * 2.3±0.08 * 5.2±1.38 *<br />
平 均 値 ±SEM、n=6~14、 * p
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目<br />
1. 血 中 濃 度 の 推 移 ・ 測 定 法<br />
(1) 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度<br />
該 当 資 料 なし<br />
4)<br />
(2) 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間<br />
日 本 人 健 康 成 人 12 例 に、アピキサバン 2.5 及 び 10 mg を 空 腹 時 に 単 回 経 口 投 与 したときの 最<br />
高 血 漿 中 濃 度 到 達 時 間 (T max )は 投 与 後 3~3.5 時 間 であった(「VII. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 1.<br />
血 中 濃 度 の 推 移 ・ 測 定 法 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 」 参 照 )。<br />
(3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度<br />
いずれの 試 験 も、 液 体 クロマトグラフィー/タンデム 質 量 分 析 法 (LC-MS/MS)を 用 いて、 血 漿 中<br />
アピキサバンの 分 析 を 実 施 した。<br />
1 単 回 投 与 (CV185013) 4)<br />
日 本 人 健 康 成 人 男 性 (12 例 )に、アピキサバン 2.5 及 び 10 mg を 空 腹 時 に 単 回 経 口 投 与 し<br />
たときの 血 漿 中 濃 度 推 移 及 び 薬 物 動 態 パラメータを 以 下 に 示 す。 単 回 経 口 投 与 後 、 日 本 人<br />
における T max は 投 与 後 3~3.5 時 間 であり、 消 失 半 減 期 (T 1/2 )は 6~8 時 間 であった。<br />
図 単 回 経 口 投 与 時 の 血 漿 中 濃 度 推 移<br />
表 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータ<br />
投 与 量 C a max (ng/mL) AUC a 0-∞ (ng・h/mL) T b max (h) T c 1/2 (h) CLR c (L/h) %UR c<br />
2.5mg(n=12) 52.5(16) 466(17) * 3.50(1.5,6.0) 6.12(1.21) * 1.11(0.31) 19.56(6.19)<br />
10 mg(n=12) 175.7(22) 1,628(18) 3.00(1.0,6.0) 8.11(4.18) 1.15(0.33) 18.46(5.60)<br />
* n=10 a 幾 何 平 均 値 ( 変 動 係 数 %)、b 中 央 値 ( 最 小 値 、 最 大 値 )、c 算 術 平 均 値 ( 標 準 偏 差 )、<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC 0-∞ : 無 限 大 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積 、T max : 最 高 血 漿 中 濃 度 到 達 時 間 、<br />
T 1/2 : 消 失 半 減 期 、CLR: 腎 クリアランス、%UR: 尿 中 回 収 率<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 36 -
2 反 復 投 与 (CV185046) 5)<br />
※)<br />
日 本 人 健 康 成 人 男 性 6 例 に、アピキサバン 1 回 2.5 及 び 5mg を 1 日 2 回 朝 夕 空 腹 時 に 7<br />
日 間 反 復 投 与 したときの 7 日 目 ( 午 前 投 与 後 )の 血 漿 中 濃 度 推 移 及 び 薬 物 動 態 パラメータを<br />
以 下 に 示 す。 血 漿 中 濃 度 はアピキサバン 投 与 3 日 目 に 定 常 状 態 に 到 達 し、 累 積 係 数 は 1.7<br />
~1.9 であった。7 日 間 投 与 後 のアピキサバンの T 1/2 は 8~10 時 間 であった。<br />
※) 朝 夕 投 与 は 12 時 間 毎 に 行 い、 朝 投 与 は 10 時 間 の 絶 食 後 、 夕 投 与 は 3 時 間 の 絶 食 後 に 実 施 した。<br />
図 反 復 経 口 投 与 時 の 平 均 血 漿 中 濃 度 推 移<br />
表 反 復 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータ(7 日 目 の 午 前 投 与 後 )<br />
投 与 量 及 び<br />
投 与 方 法<br />
2.5mg 1 日 2 回<br />
(n=6)<br />
5mg 1 日 2 回<br />
(n=6)<br />
C max<br />
a<br />
(ng/mL)<br />
83.6<br />
(21)<br />
205.1<br />
(13)<br />
AUC(TAU) a<br />
(ng・h/mL)<br />
592.5<br />
(17)<br />
1,548.8(11)<br />
T max<br />
b<br />
(h)<br />
2.0<br />
(1.0,4.0)<br />
3.5<br />
(3.0,4.0)<br />
T 1/2<br />
c<br />
(h)<br />
8.4<br />
(2.9)<br />
10.1<br />
(4.1)<br />
a 幾 何 平 均 値 ( 変 動 係 数 %)、b 中 央 値 ( 最 小 値 、 最 大 値 )、c 算 術 平 均 値 ( 標 準 偏 差 )、<br />
AI a<br />
1.7<br />
(12)<br />
1.9<br />
(19)<br />
CLR<br />
(L/h)<br />
0.94<br />
(0.34)<br />
1.07<br />
(0.28)<br />
Cmin a<br />
(ng/mL)<br />
19.7<br />
(18)<br />
63.0<br />
(11)<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC(TAU):1 投 与 区 間 における 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積 、T max : 最 高 血 漿 中 濃 度 到 達 時 間 、<br />
T 1/2 : 消 失 半 減 期 、AI: 累 積 係 数 、CLR: 腎 クリアランス、Cmin:トラフ 血 漿 中 濃 度 値<br />
- 37 -
3 腎 機 能 障 害 者 における 薬 物 動 態 (CV185018) 16) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 成 人 腎 機 能 障 害 者 〔 軽 度 (クレアチニンクリアランス[CLcr]51~80 mL/min:10 例 )、 中<br />
等 度 (CLcr 30~50 mL/min:7 例 )、 重 度 (CLcr 15~29 mL/min:7 例 )〕 及 び 腎 機 能 正 常 成 人<br />
(CLcr>80 mL/min:8 例 )に、アピキサバン10mgを 単 回 経 口 投 与 したときの 血 漿 中 濃 度 推 移<br />
及 び 薬 物 動 態 パラメータを 以 下 に 示 す。 回 帰 モデルによる 推 定 結 果 から、 腎 機 能 障 害 が 軽<br />
度 (24 時 間 のCLcr = 65 mL/min)、 中 等 度 (24 時 間 のCLcr = 40 mL/min) 及 び 重 度 (24 時 間<br />
のCLcr = 25 mL/min)の 被 験 者 で、 腎 機 能 が 正 常 な 被 験 者 (24 時 間 のCLcr = 100 mL/min)<br />
と 比 較 して、アピキサバンのC max の 幾 何 平 均 値 はそれぞれ2%、3% 及 び4% 高 く、AUC 0-∞ の<br />
幾 何 平 均 値 はそれぞれ16%、29% 及 び38% 高 かった。24 時 間 のCLcrが15 mL/minと、 非 常<br />
に 低 い 場 合 でも、 腎 機 能 が 正 常 な 被 験 者 からのAUCの 増 加 率 は 約 44%と 推 定 された。<br />
図 単 回 経 口 投 与 時 の 血 中 濃 度 ( 腎 機 能 別 )<br />
表 回 帰 モデルに 基 づくアピキサバン C max 、AUC 0-∞ の 統 計 解 析 結 果<br />
薬 物 動 態 パラメータ<br />
C max (ng/mL)<br />
AUC 0-∞<br />
(ng・h/mL)<br />
24 時 間 CLcr 調 整 済 み<br />
(mL/min) 幾 何 平 均 値<br />
幾 何 平 均 値 の 比 点 推 定 値 (90% 信 頼 区 間 )<br />
100 230 ― ―<br />
65 234 65/100 1.020(0.914~1.138)<br />
40 238 40/100 1.034(0.857~1.249)<br />
25 240 25/100 1.043(0.824~1.320)<br />
15 241 15/100 1.049(0.803~1.370)<br />
100 2749 ― ―<br />
65 3193 65/100 1.161(1.017~1.325)<br />
40 3552 40/100 1.292(1.030~1.621)<br />
25 3788 25/100 1.378(1.038~1.829)<br />
15 3953 15/100 1.438(1.043~1.982)<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 38 -
4 肝 機 能 障 害 者 における 薬 物 動 態 (CV185025) 17) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 成 人 肝 機 能 障 害 者 〔 軽 度 (Child-Pugh A) 及 び 中 等 度 (Child-Pugh B): 各 8 例 〕 及 び<br />
健 康 成 人 ( 肝 機 能 正 常 被 験 者 :16 例 )に、アピキサバン 5mg を 単 回 経 口 投 与 したときの 血 漿<br />
中 濃 度 推 移 及 び 薬 物 動 態 パラメータを 以 下 に 示 す。 肝 機 能 障 害 者 及 び 健 康 成 人 の 薬 物<br />
動 態 は 類 似 していた。<br />
図 単 回 経 口 投 与 時 の 血 中 濃 度 ( 肝 機 能 別 )<br />
表 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータ( 肝 機 能 別 )<br />
肝 機 能 障 害 の<br />
程 度<br />
C max<br />
a<br />
(ng/mL)<br />
AUC 0-∞<br />
a<br />
(ng・h/mL)<br />
T max<br />
b<br />
(h)<br />
T 1/2<br />
c<br />
(h)<br />
CLR a<br />
(mL/min)<br />
%UR c<br />
正 常 (n=16) 123(26) 1,054(35) 2.5(1.00,4.00) 14.8(10.2) 0.59(41) 12.8(4.6)<br />
軽 度 (Child-Pugh A:n=8) 104(29) 1,083(30) 3.25(2.00,4.00) 14.7(7.0) 0.89(29) 19.4(4.8)<br />
中 等 度 (Child-Pugh B:n=8) 115(25) 1,152(28) 3.00(2.00,4.00) 17.1(16.8) 0.56(49) 13.8(5.5)<br />
a 幾 何 平 均 値 ( 変 動 係 数 %)、b 中 央 値 ( 最 小 値 、 最 大 値 )、c 算 術 平 均 値 ( 標 準 偏 差 )、<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC 0-∞ : 無 限 大 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積 、T max : 最 高 血 漿 中 濃 度 到 達 時 間 、<br />
T 1/2 : 消 失 半 減 期 、CLR: 腎 クリアランス、%UR: 尿 中 回 収 率<br />
- 39 -
5 年 齢 及 び 性 別 による 薬 物 動 態 への 影 響 (CV185022) 18) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 男 女 〔 若 年 (21~40 歳 ):40 例 、 高 齢 (65~79 歳 ):39 例 〕に、アピキサバン<br />
20mg を 単 回 経 口 投 与 したときの 薬 物 動 態 パラメータの 統 計 解 析 の 要 約 を 以 下 に 示 す。C max<br />
に 年 齢 の 影 響 は 認 められなかった(90% 信 頼 区 間 が 基 準 範 囲 80~125% 内 )が、AUC 0-∞ は<br />
高 齢 者 でやや 高 い 値 (32%)を 示 した。また、 女 性 の C max 及 び AUC 0-∞ は 男 性 と 比 較 して、<br />
18% 及 び 15% 高 かった。<br />
表 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータの 統 計 解 析 の 要 約 ( 年 齢 及 び 性 別 群 別 )<br />
年 齢<br />
薬 物 動 態<br />
パラメータ<br />
C max<br />
(ng/mL)<br />
AUC 0-∞<br />
(ng・h/mL)<br />
年 齢 層<br />
調 整 済 み<br />
幾 何 平 均<br />
若 年 (18~40 歳 )(n=40) 315.4<br />
高 齢 (65 歳 以 上 )(n=39) 337.6<br />
若 年 (18~40 歳 )(n=40) 3,433<br />
高 齢 (65 歳 以 上 )(n=39) 4,541<br />
幾 何 平 均 値<br />
の 比<br />
高 齢 / 若 年<br />
高 齢 / 若 年<br />
点 推 定 値<br />
(90% 信 頼 区 間 )<br />
1.07<br />
(0.96~1.19)<br />
1.32<br />
(1.20~1.46)<br />
性 別<br />
C max<br />
(ng/mL)<br />
AUC 0-∞<br />
(ng・h/mL)<br />
男 性 (n=40) 301.0<br />
女 性 (n=39) 353.7<br />
男 性 (n=40) 3,680<br />
女 性 (n=39) 4,235<br />
女 性 / 男 性<br />
女 性 / 男 性<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC 0-∞ : 無 限 大 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積<br />
1.18<br />
(1.06~1.31)<br />
1.15<br />
(1.04~1.27)<br />
6 体 重 による 薬 物 動 態 への 影 響 (CV185059) 19) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 55 例 〔 低 体 重 (≦50 kg:18 例 )、 標 準 体 重 (65~85 kg:18 例 ) 及 び 高 体 重<br />
(≧120 kg:19 例 )〕に、アピキサバン 10 mg を 空 腹 時 に 単 回 経 口 投 与 したときの 薬 物 動 態 パ<br />
ラメータの 統 計 解 析 の 要 約 を 以 下 に 示 す。アピキサバンの 曝 露 量 には 体 重 の 影 響 が 認 めら<br />
れ、 標 準 体 重 群 と 比 較 して 低 体 重 群 の C max 及 び AUC 0-∞ はそれぞれ 27% 及 び 20% 増 加 し、<br />
高 体 重 群 ではそれぞれ 31% 及 び 23% 低 下 した。 低 体 重 群 では 女 性 (89%)が 多 く、 高 体 重<br />
群 では 男 性 (84%)が 多 かったので、 観 察 された 差 が 体 重 ではなく 性 別 に 関 連 している 可 能<br />
性 が 考 えられた。そこで、 用 量 および 体 重 で 基 準 化 したアピキサバンの C max と AUC 0-∞ を 比 較<br />
した 結 果 、 各 体 重 群 内 で 男 性 と 女 性 は 同 様 の 曝 露 量 であり、 性 別 の 影 響 はないと 考 えられ<br />
た。<br />
表 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータの 統 計 解 析 の 要 約 ( 体 重 群 別 )<br />
薬 物 動 態<br />
パラメータ<br />
体 重 群<br />
調 整 済 み<br />
幾 何 平 均<br />
幾 何 平 均 値 の 比<br />
点 推 定 値<br />
(90% 信 頼 区 間 )<br />
低 体 重 (50 kg 以 下 )(n=18) 264 低 体 重 / 標 準 体 重 1.272(1.075~1.506)<br />
C max<br />
(ng/mL)<br />
高 体 重 (120 kg 以 上 )(n=19) 144 高 体 重 / 標 準 体 重 0.692(0.586~0.818)<br />
標 準 体 重 (65~85 kg)(n=16 a) ) 207 - -<br />
AUC 0-∞<br />
(ng・h/mL)<br />
低 体 重 (50 kg 以 下 )(n=18) 2,424 低 体 重 / 標 準 体 重 1.198(1.011~1.419)<br />
高 体 重 (120 kg 以 上 )(n=19) 1,561 高 体 重 / 標 準 体 重 0.771(0.652~0.912)<br />
標 準 体 重 (65~85 kg)(n=16 a) ) 2,024 - -<br />
a) 標 準 体 重 群 の2 例 はデータ 解 析 から 除 外 した。<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC 0-∞ : 無 限 大 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 40 -
(4) 中 毒 域<br />
該 当 資 料 なし<br />
(5) 食 事 ・ 併 用 薬 の 影 響<br />
(B0661019) 20) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 22 例 に、アピキサバン 5 mg を 空 腹 時 及 び 食 後<br />
※)<br />
に 単 回 経 口 投 与 したときの 薬<br />
物 動 態 パラメータを 以 下 に 示 す。アピキサバン 食 後 投 与 における C max 及 び AUC 0-∞ は 空 腹 時 と<br />
比 較 して、それぞれ 約 15% 及 び 約 20% 減 少 した。<br />
※) 食 事 は 標 準 的 な 高 脂 肪 高 カロリー 食<br />
表 単 回 経 口 投 与 時 の 薬 物 動 態 パラメータ( 食 事 の 有 無 別 )<br />
薬 物 動 態<br />
パラメータ<br />
アピキサバン5 mg<br />
空 腹 時 投 与 (n=22)<br />
調 整 済 み 幾 何 平 均 値 幾 何 平 均 値 の 比 ( 食 後 投 与 / 空 腹 時 投 与 )<br />
アピキサバン5 mg<br />
食 後 投 与 (n=22)<br />
点 推 定 値 (90% 信 頼 区 間 )<br />
C max (ng/mL) 121.3 103.2 0.85(0.79, 0.91)<br />
AUC 0-∞ (ng・h/mL) 1229 982.3 * 0.80(0.75, 0.85)<br />
C max : 最 高 血 漿 中 濃 度 、AUC 0-∞ : 無 限 大 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 - 時 間 曲 線 下 面 積 、* n=21<br />
<br />
非 臨 床 試 験 により、アピキサバンの 曝 露 量 が 影 響 を 受 ける 可 能 性 がある 薬 物 相 互 作 用 は、 主 とし<br />
て CYP3A4 及 び CYP3A5 による 代 謝 あるいは P- 糖 蛋 白 (P-gp)を 介 する 排 出 の 阻 害 又 は 誘 導<br />
に 関 連 していることが 予 想 されたことから、CYP3A4 及 び P-gp を 阻 害 又 は 誘 導 する 薬 剤 によるア<br />
ピキサバンの 薬 物 動 態 に 及 ぼす 影 響 について 検 討 した。また、 同 効 薬 であるエノキサパリンとの<br />
薬 力 学 的 な 相 互 作 用 についても 検 討 を 行 った。<br />
1ケトコナゾール ※ (CV185026) 21) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 18 例 を 対 象 に、CYP3A4 及 び P-gp の 強 力 な 阻 害 剤 であるケトコナゾール<br />
(1 回 400 mg 1 日 1 回 経 口 投 与 )とアピキサバン(10 mg 単 回 経 口 投 与 )を 併 用 投 与 したとき、<br />
アピキサバンの C max 及 び AUC の 平 均 値 はアピキサバン 単 独 投 与 と 比 較 して、それぞれ 約<br />
1.6 及 び 約 2 倍 に 増 加 した。<br />
※)アゾール 系 抗 真 菌 剤 ( 経 口 剤 、 国 内 未 発 売 )<br />
2ジルチアゼム(CV185032) 22) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 18 例 を 対 象 に、ケトコナゾールより 弱 い CYP3A4 及 び P-gp 阻 害 剤 であるジ<br />
ルチアゼム(1 回 360 mg 1 日 1 回 経 口 投 与 )とアピキサバン(10 mg 単 回 経 口 投 与 )を 併 用 し<br />
たとき、アピキサバンの C max 及 び AUC の 平 均 値 はアピキサバン 単 独 投 与 と 比 較 して、それぞ<br />
れ 約 1.3 及 び 約 1.4 倍 に 増 加 した。<br />
3ナプロキセン(CV185054) 23) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 21 例 を 対 象 に、P-gp 阻 害 剤 であるナプロキセン(500 mg 単 回 経 口 投 与 )と<br />
アピキサバン(10 mg 単 回 経 口 投 与 )を 併 用 投 与 したとき、アピキサバンの C max 及 び AUC の<br />
平 均 値 はアピキサバン 単 独 投 与 と 比 較 して、それぞれ 約 1.6 及 び 約 1.5 倍 に 増 加 した。<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 41 -
4リファンピシン(CV185045) 24) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 20 例 を 対 象 に、 強 力 な CYP3A4 及 び P-gp 誘 導 剤 であるリファンピシン(1<br />
回 600 mg 1 日 1 回 経 口 投 与 )とアピキサバン(10 mg 単 回 経 口 投 与 )を 併 用 投 与 したとき、ア<br />
ピキサバンの C max 及 び AUC の 平 均 値 はアピキサバン 単 独 投 与 と 比 較 して、それぞれ 42 及<br />
び 54% 減 少 した。<br />
5エノキサパリン(CV185055) 25) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 20 例 を 対 象 に、エノキサパリン(40 mg 単 回 皮 下 投 与 )とアピキサバン(5 mg<br />
単 回 経 口 投 与 )を 併 用 投 与 したとき、FXa の 阻 害 は 相 加 的 であった。<br />
26)<br />
(6) 母 集 団 (ポピュレーション) 解 析 により 判 明 した 薬 物 体 内 動 態 変 動 要 因<br />
※)<br />
母 集 団 薬 物 動 態 解 析 において、 体 重 、 腎 機 能 、 性 別 及 び 年 齢 などの 内 因 性 因 子 がアピキサ<br />
バンの 曝 露 量 に 及 ぼす 影 響 の 大 きさについて 推 定 を 行 い、これらの 因 子 による 典 型 的 な 患 者<br />
( 体 重 70 kg、CLcr 80 mL/min、65 歳 の 非 アジア 人 AF 男 性 患 者 )からの 変 化 は 概 ね 25% 未 満<br />
と 推 定 された。また、 母 集 団 薬 物 動 態 解 析 結 果 より 推 定 したアピキサバンの 曝 露 量 (1 日 あたりの<br />
AUC)に 対 する 安 全 性 評 価 項 目 ( 大 出 血 及 び 複 合 出 血 )との 関 係 を 解 析 した 結 果 、アピキサバン<br />
の 曝 露 量 の 増 加 にともない 大 出 血 のリスク 及 び 大 出 血 または CRNM のリスクが 上 昇 する 傾 向 が<br />
認 められた。<br />
患 者 が 服 薬 を 忘 れた 場 合 、 次 の 服 薬 予 定 時 に 飲 み 忘 れたものを 同 時 に 服 用 した 場 合 、 予 定 ど<br />
おりに 服 薬 した 場 合 と 比 較 し、 服 薬 後 24 時 間 の AUC 及 び C max は 19% 及 び 32% 上 昇 すると 予<br />
測 された。さらに、 服 薬 を 忘 れた 後 に 次 の 服 薬 予 定 時 の 6 時 間 前 に 飲 み 忘 れたものを 服 用 した<br />
場 合 、 予 定 どおりに 服 薬 した 場 合 と 比 較 して AUC 及 び C max は 10% 及 び 17% 上 昇 すると 予 測 さ<br />
れた ※※) 。このような 服 薬 パターンでの 曝 露 量 の 変 化 は 比 較 的 軽 微 であった。<br />
※) 第 I 相 試 験 8 試 験 (CV185002A、CV185013、CV185022、CV185046、CV185058、CV185059、CV185018、<br />
CV185074)、NVAF 患 者 を 対 象 とした 第 II 相 試 験 1 試 験 ( ARISTOTLE-J 試 験 ) 及 び 第 III 相 試 験 1 試 験<br />
(ARISTOTLE 試 験 )のデータに、ACS 患 者 を 対 象 とした 第 II 相 試 験 2 試 験 (CV185070、CV185023)のデータを<br />
加 え、 最 終 的 な 解 析 には 被 験 者 4,385 例 から 採 取 した 薬 物 動 態 データを 使 用 した。<br />
※※) 体 重 70 kg、CLcr 80 mL/min、65 歳 の 非 アジア 人 AF 男 性 患 者 がアピキサバン5 mg 1 日 2 回 投 与 を 受 け、<br />
CYP3A4/P-gp 阻 害 薬 は 併 用 していない 条 件 での 血 漿 中 濃 度 - 時 間 プロファイルを 母 集 団 薬 物 動 態 モデ<br />
ルを 用 いて 予 測 した。<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 42 -
2. 薬 物 速 度 論 的 パラメータ<br />
(1)コンパートメントモデル<br />
単 回 投 与 時 及 び 定 常 状 態 における 薬 物 動 態 パラメータは、バリデーションがとられた 解 析 ソフト<br />
を 用 いて、ノンコンパートメント 法 により 算 出 した。<br />
母 集 団 薬 物 動 態 解 析 におけるアピキサバンの 薬 物 動 態 は、 一 次 吸 収 及 び 一 次 消 失 を 伴 う 2 コン<br />
パートメントモデルにより 記 述 された。<br />
(2) 吸 収 速 度 定 数<br />
該 当 資 料 なし<br />
(3)バイオアベイラビリティ 24)、27) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 を 対 象 とした 2 試 験 (CV185020、CV185045)において、アピキサバンの 投 与 量<br />
10 mg までの 絶 対 バイオアベイラビリティは 約 50%であった。<br />
(4) 消 失 速 度 定 数<br />
該 当 資 料 なし<br />
(5)クリアランス 27)、28) 「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 6 例 に、アピキサバン 0.5~5 mg を 静 脈 内 単 回 投 与 したときの 全 身 クリアランス<br />
(CLT)は 約 3.3 L/h(55 mL/min)であり、 腎 クリアランス(CLR)は CLT の 27%に 相 当 する。<br />
(6) 分 布 容 積<br />
27)、28)<br />
「 外 国 人 データ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 6 例 に、アピキサバン 0.5~5 mg を 静 脈 内 単 回 投 与 したときの 分 布 容 積 (Vss)<br />
は、 約 21 L であった。<br />
29)<br />
(7) 血 清 蛋 白 結 合 率<br />
ヒト 血 清 を 用 いた in vitro 試 験 では、アピキサバン 濃 度 0.46 μg/mL における 血 清 蛋 白 結 合 率 は<br />
約 87%であり、 主 としてアルブミンと 結 合 する。 一 方 、アピキサバン 投 与 後 のヒト 血 清 (アピキサバ<br />
ン 濃 度 0.034~0.11 μg/mL)を 用 いた 試 験 では 約 93%であった。<br />
3. 吸 収<br />
30)<br />
主 として、 消 化 管 上 部 から 吸 収 されると 考 えられる。<br />
承 認 された【 用 法 及 び 用 量 】<br />
通 常 、 成 人 にはアピキサバンとして 1 回 5mg を 1 日 2 回 経 口 投 与 する。<br />
なお、 年 齢 、 体 重 、 腎 機 能 に 応 じて、アピキサバンとして 1 回 2.5mg 1 日 2 回 投 与 へ 減 量 する。<br />
- 43 -
4. 分 布<br />
(1) 血 液 ‐ 脳 関 門 通 過 性<br />
該 当 資 料 なし<br />
< 参 考 >ラット 31)<br />
ラット(Long Evans、 雄 n=3/ 時 点 )に[ 14 C]アピキサバンを 20 mg/kg の 用 量 で 単 回 経 口 投 与 したと<br />
きの 組 織 分 布 を 組 織 摘 出 法 によって 検 討 したところ、 投 与 後 12 時 間 までの 組 織 対 血 漿 比 は 脳<br />
及 び 骨 髄 で 最 も 低 く、0.1 未 満 であった。<br />
(2) 血 液 ‐ 胎 盤 関 門 通 過 性<br />
該 当 資 料 なし<br />
< 参 考 >ラット 32)<br />
妊 娠 18 日 のラット(SD、n=1/ 時 点 )に[ 14 C]アピキサバンを 5 mg/kg の 用 量 で 単 回 経 口 投 与 したと<br />
きの 組 織 分 布 を 定 量 的 全 身 オートラジオグラフィーにより 検 討 したところ、 放 射 能 は 胎 盤 及 び 羊<br />
膜 並 びに 胎 児 の 血 液 、 脳 、 腎 臓 及 び 肝 臓 に 速 やかに 分 布 し、T max は 4 時 間 であった。 胎 児 血 中<br />
C max は 0.509 μg eq./g( 母 体 血 中 C max の 36%)であり、 放 射 能 は 投 与 後 8 時 間 でも 検 出 可 能 で<br />
あった(0.072 μg eq./g)。 投 与 後 8 時 間 では 胎 児 脳 の 放 射 能 が 定 量 下 限 未 満 となり、 投 与 後 24<br />
時 間 では 羊 膜 (3.52 μg eq./g)を 除 く 組 織 で 定 量 下 限 未 満 であった。 投 与 後 48 時 間 では 胎 児<br />
の 全 組 織 で 定 量 下 限 未 満 となった。<br />
(3) 乳 汁 への 移 行 性<br />
該 当 資 料 なし<br />
< 参 考 >ラット 33)<br />
哺 育 ラット(SD、n=3/ 時 点 )に[ 14 C]アピキサバンを5 mg/kgの 用 量 で 哺 育 10または11 日 に 単 回 経<br />
口 投 与 し、 液 体 シンチレーション 計 測 法 により 血 液 、 血 漿 及 び 乳 汁 中 の 放 射 能 を 測 定 したところ、<br />
乳 汁 中 放 射 能 は 投 与 後 6 時 間 でC max に 達 し、その 後 の 推 移 は 血 漿 中 放 射 能 の 経 時 変 化 と 類 似<br />
し、 乳 汁 中 のT 1/2 (3.7 時 間 )は 血 漿 中 のT 1/2 (4.3 時 間 )と 同 程 度 であった。また、 乳 汁 中 濃 度 は 血<br />
漿 中 濃 度 よりも 高 く、C max 及 びAUCの 乳 汁 対 血 漿 比 はそれぞれ8.6 及 び30であった。アピキサバ<br />
ンの 未 変 化 体 は 乳 汁 中 放 射 能 の96.0~99.4%を 占 め、 代 謝 物 は 検 出 されなかった。<br />
(4) 髄 液 への 移 行 性<br />
該 当 資 料 なし<br />
(5)その 他 の 組 織 への 移 行 性<br />
該 当 資 料 なし<br />
< 参 考 >ラット 31)<br />
ラット(Long Evans、 雄 n=3/ 時 点 )に[ 14 C]アピキサバンを 20 mg/kg の 用 量 で 単 回 経 口 投 与 したと<br />
きの 組 織 分 布 を 組 織 摘 出 法 によって 検 討 したところ、 薬 物 由 来 の 放 射 能 は 広 く 組 織 に 分 布 し、<br />
投 与 後 12 時 間 までに 放 射 能 の 組 織 対 血 漿 中 濃 度 比 が 10 を 超 えた 組 織 は、 膀 胱 、 消 化 管 及 び<br />
甲 状 腺 であった。 放 射 能 の 組 織 AUC は 胃 で 最 も 高 く、 以 下 、 小 腸 、 膀 胱 及 び 甲 状 腺 の 順 であっ<br />
た。 心 臓 、 骨 髄 及 び 脳 の 組 織 AUC は 最 も 低 値 であった。<br />
- 44 -
5. 代 謝<br />
28)<br />
(1) 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路<br />
3-オキソピペリジニル 基 の O- 脱 メチル 化 及 び 水 酸 化 がアピキサバンの 主 な 代 謝 部 位 である。<br />
循 環 血 液 中 に 存 在 するアピキサバンの 主 要 代 謝 物 は、 薬 理 活 性 を 有 しない O- 脱 メチルアピキ<br />
サバン 硫 酸 抱 合 体 (M1)であり、AUC 0-48 は 未 変 化 体 の 約 25%であった。なお、ヒトに 特 有 な 代 謝<br />
物 は 認 められなかった。<br />
確 認 されているアピキサバンの 代 謝 経 路 は、O- 脱 メチル 化 、 硫 酸 化 及 び/ 又 は 水 酸 化 を 伴 う O-<br />
脱 メチル 化 、モノ 酸 化 等 である。<br />
図 アピキサバンの 推 定 代 謝 経 路<br />
(2) 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種<br />
主 として、CYP3A4/5 を 介 して 代 謝 され、CYP1A2、2C8、2C9、2C19 及 び 2J2 の 寄 与 は 小 さい。<br />
(3) 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合<br />
該 当 資 料 なし<br />
- 45 -
(4) 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率<br />
ヒト 血 中 主 代 謝 物 であるO- 脱 メチルアピキサバン 硫 酸 抱 合 体 (M1)に 薬 理 活 性 は 認 められて<br />
いない。<br />
(5) 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ<br />
該 当 しない<br />
6. 排 泄<br />
(1) 排 泄 部 位 及 び 経 路<br />
アピキサバンとその 代 謝 物 は、 尿 中 及 び 糞 中 にほとんどが 回 収 される。 腎 排 泄 及 び 胆 汁 排 泄 等<br />
の 複 数 の 排 泄 経 路 を 有 し、さらに 消 化 管 分 泌 が 関 与 している 可 能 性 も 考 えられる。なお、アピキ<br />
サバンは P- 糖 蛋 白 (P-gp) 及 び 乳 癌 耐 性 蛋 白 (BCRP)の 基 質 である。<br />
27)<br />
(2) 排 泄 率<br />
14<br />
C-アピキサバンを 健 康 成 人 に 経 口 投 与 した 時 、 投 与 された 放 射 能 の 約 25%が 代 謝 物 として 主<br />
として 糞 中 に 回 収 された。 未 変 化 体 の 尿 中 排 泄 は、 全 身 クリアランスの 約 27%を 占 め、 胆 汁 中 排<br />
泄 及 び 腸 での 分 泌 の 寄 与 も 観 察 されている。<br />
(3) 排 泄 速 度<br />
該 当 資 料 なし<br />
7. 透 析 等 による 除 去 率<br />
該 当 資 料 なし<br />
【 解 説 】<br />
透 析 患 者 への 投 与 は 使 用 経 験 がないため、 推 奨 されない(「V. 治 療 に 関 する 項 目 2. 用 法 及 び 用<br />
量 」 参 照 )。<br />
- 46 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目<br />
1. 警 告 内 容 とその 理 由<br />
【 警 告 】<br />
本 剤 の 投 与 により 出 血 が 発 現 し、 重 篤 な 出 血 の 場 合 には、 死 亡 に 至 るおそれがある。 本 剤 の 使<br />
用 にあたっては、 出 血 の 危 険 性 を 考 慮 し、 本 剤 投 与 の 適 否 を 慎 重 に 判 断 すること。 本 剤 による 出<br />
血 リスクを 正 確 に 評 価 できる 指 標 は 確 立 されておらず、 本 剤 の 抗 凝 固 作 用 を 中 和 する 薬 剤 はない<br />
ため、 本 剤 投 与 中 は、 血 液 凝 固 に 関 する 検 査 値 のみならず、 出 血 や 貧 血 等 の 徴 候 を 十 分 に 観 察<br />
すること。これらの 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 直 ちに 適 切 な 処 置 を 行 うこと。(「 禁 忌 」、「 用 法 ・<br />
用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 」、「 慎 重 投 与 」、「 重 要 な 基 本 的 注 意 」、「 過 量 投 与 」の 項 参 照 )<br />
【 解 説 】<br />
本 剤 の 投 与 により 出 血 が 発 現 し、その 出 血 が 重 篤 な 場 合 には、 死 亡 に 至 るおそれがある。したがっ<br />
て、 本 剤 の 使 用 にあたっては、 本 剤 投 与 の 適 否 を 慎 重 に 判 断 すること。 本 剤 による 出 血 リスクを 正 確<br />
に 評 価 できる 指 標 は 確 立 されておらず、 本 剤 の 抗 凝 固 作 用 を 中 和 する 薬 剤 がないことから、 本 剤 投<br />
与 中 は 血 液 凝 固 に 関 する 検 査 値 のみならず、 出 血 や 貧 血 等 の 徴 候 を 十 分 に 観 察 すること。また、こ<br />
れらの 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 直 ちに 適 切 な 処 置 を 行 うこと。なお、 患 者 には 鼻 出 血 、 歯 肉 出<br />
血 、 血 尿 、 喀 血 、 吐 血 及 び 血 便 等 の 異 常 な 出 血 の 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 医 師 に 連 絡 するよう<br />
指 導 すること。<br />
2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む)<br />
【 禁 忌 ( 次 の 患 者 には 投 与 しないこと)】<br />
(1) 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者<br />
(2) 臨 床 的 に 問 題 となる 出 血 症 状 のある 患 者 [ 出 血 を 助 長 するおそれがある。](「 重 要 な 基 本 的<br />
注 意 」の 項 参 照 )<br />
(3) 血 液 凝 固 異 常 及 び 臨 床 的 に 重 要 な 出 血 リスクを 有 する 肝 疾 患 患 者 [ 出 血 の 危 険 性 が 増 大 す<br />
るおそれがある。]<br />
(4) 腎 不 全 (クレアチニンクリアランス 15mL/min 未 満 )の 患 者 [ 使 用 経 験 がない。]<br />
【 解 説 】<br />
(1) 医 薬 品 の 一 般 的 な 注 意 事 項 として 設 定 した。 本 剤 には 以 下 の 成 分 が 含 まれている。<br />
主 成 分 :アピキサバン<br />
添 加 剤 : 無 水 乳 糖 、 結 晶 セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル 硫 酸 ナトリウム、ステア<br />
リン 酸 マグネシウム、ヒプロメロース、 乳 糖 水 和 物 、 酸 化 チタン、トリアセチン、 黄 色 三 二<br />
酸 化 鉄 (2.5mg 錠 のみ)、 三 二 酸 化 鉄 (5mg 錠 のみ)<br />
これらの 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 には、 本 剤 を 投 与 しないこと。<br />
(2) 本 剤 は 抗 凝 固 剤 であるため、 臨 床 的 に 問 題 となる 出 血 のある 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると、 出 血 を<br />
助 長 するおそれがあることから、 設 定 した。<br />
(3) 臨 床 的 に 重 要 な 出 血 リスクとは、 出 血 した 場 合 に 迅 速 な 止 血 が 困 難 で 重 度 の 出 血 を 生 じる 可 能<br />
性 のある 疾 患 や 状 態 を 指 す。<br />
例 ) 食 道 静 脈 瘤 、 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 、 動 脈 瘤 、 著 明 な 血 小 板 減 少 等<br />
- 47 -
臨 床 的 に 重 要 な 出 血 リスクを 有 する 肝 疾 患 患 者 がさらに 血 液 凝 固 異 常 を 伴 う 場 合 、 極 めて 出 血<br />
リスクが 高 くなる 可 能 性 がある。このため、「 血 液 凝 固 異 常 及 び 臨 床 的 に 重 要 な 出 血 リスクを 有<br />
する 肝 疾 患 患 者 」への 本 剤 の 投 与 は、 許 容 できない 出 血 リスクを 伴 う 可 能 性 があることから、 設<br />
定 した。<br />
(4) 腎 不 全 (クレアチニンクリアランス 15mL/min 未 満 )の 患 者 に 対 する 使 用 経 験 がないため、<br />
設 定 した。]<br />
3. 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由<br />
該 当 しない<br />
4. 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由<br />
「V. 治 療 に 関 する 項 目 2. 用 法 及 び 用 量 」 参 照<br />
5. 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由<br />
慎 重 投 与 ( 次 の 患 者 には 慎 重 に 投 与 すること)<br />
(1) 出 血 のリスクが 高 い 患 者 ( 先 天 性 あるいは 後 天 性 出 血 性 疾 患 、 活 動 性 の 潰 瘍 性 消 化 管 疾 患 、<br />
細 菌 性 心 内 膜 炎 、 血 小 板 減 少 症 、 血 小 板 疾 患 、 出 血 性 脳 卒 中 の 既 往 、コントロール 不 良 の<br />
重 度 の 高 血 圧 症 、 脳 ・ 脊 髄 ・ 眼 科 領 域 の 最 近 の 手 術 歴 等 を 有 する 患 者 )[ 出 血 の 危 険 性 が 増<br />
大 するおそれがある。]<br />
(2) 重 度 の 肝 障 害 のある 患 者 [ 使 用 経 験 がない。]<br />
(3) 腎 障 害 (クレアチニンクリアランス 15~50mL/min)のある 患 者 [ 出 血 の 危 険 性 が 増 大 する<br />
おそれがある。]<br />
(4) 高 齢 者 (「 高 齢 者 への 投 与 」の 項 参 照 )<br />
(5) 低 体 重 の 患 者 [ 低 体 重 の 患 者 では 出 血 の 危 険 性 が 増 大 するおそれがある。]<br />
【 解 説 】<br />
(1) 本 剤 は 抗 凝 固 剤 であるため、 出 血 のリスクが 高 い 患 者 では 出 血 のリスクが 増 大 する 可 能 性 がある<br />
ため、 慎 重 投 与 とした。<br />
(2) 重 度 の 肝 障 害 患 者 に 対 し 使 用 経 験 はないため、 慎 重 投 与 とした。なお、 軽 度 及 び 中 等 度 の 肝 機<br />
能 障 害 被 験 者 と 健 康 成 人 の 薬 物 動 態 は 類 似 していた(「Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 1. 血 中 濃<br />
度 の 推 移 ・ 測 定 法 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 」 参 照 )。<br />
(3) 腎 障 害 (クレアチニンクリアランス15~50mL/min)のある 患 者 に 投 与 した 場 合 、 腎 障 害 の 程 度 に<br />
応 じて 全 出 血 イベントの 発 現 率 は 上 昇 する 傾 向 がみられた。また、 腎 機 能 低 下 自 体 が 出 血 リス<br />
クを 上 昇 させる 可 能 性 があるため、 慎 重 投 与 とした。<br />
(4) 本 剤 20mgを 単 回 経 口 投 与 した 場 合 、 若 年 者 (21~40 歳 )と 比 較 して 高 齢 者 (65~79 歳 )の<br />
AUC 0-∞ はやや 高 い 値 (32%)を 示 しました 19) 。また、 一 般 に、 高 齢 者 では 腎 機 能 が 低 下 し、 本 剤<br />
の 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれがあるため、 慎 重 投 与 とした。<br />
(5) 本 剤 10mgを 単 回 経 口 投 与 した 場 合 、 標 準 体 重 群 (65~85kg)と 比 較 して 低 体 重 群 (≦50kg)の<br />
C max 及 びAUC 0-∞ はそれぞれ27% 及 び20% 増 加 した。また、 低 体 重 の 患 者 では 本 剤 の 血 中 濃 度<br />
が 上 昇 する 可 能 性 があり、 出 血 の 危 険 性 が 増 大 するおそれがあるため、 慎 重 投 与 とした。<br />
- 48 -
6. 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法<br />
重 要 な 基 本 的 注 意<br />
(1) 凝 固 能 検 査 (プロトロンビン 時 間 (PT)、 国 際 標 準 比 (INR)、 活 性 化 部 分 トロンボプラスチン 時<br />
間 (aPTT) 等 )は、 本 剤 の 抗 凝 固 能 をモニタリングする 指 標 とはならないため、 本 剤 投 与 中 は<br />
出 血 や 貧 血 等 の 徴 候 を 十 分 に 観 察 すること。また、 必 要 に 応 じて、 血 算 値 (ヘモグロビン 値 )、<br />
便 潜 血 等 の 検 査 を 実 施 し、 急 激 なヘモグロビン 値 や 血 圧 の 低 下 等 の 出 血 徴 候 を 確 認 するこ<br />
と。 臨 床 的 に 問 題 となる 出 血 や 貧 血 の 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 本 剤 の 投 与 を 中 止 し、<br />
出 血 の 原 因 を 確 認 すること。また、 症 状 に 応 じて、 適 切 な 処 置 を 行 うこと。<br />
(2) 患 者 には、 鼻 出 血 、 皮 下 出 血 、 歯 肉 出 血 、 血 尿 、 喀 血 、 吐 血 及 び 血 便 等 、 異 常 な 出 血 の 徴<br />
候 が 認 められた 場 合 、 医 師 に 連 絡 するよう 指 導 すること。<br />
(3) 他 の 抗 凝 固 剤 と 併 用 する 場 合 には、 出 血 の 徴 候 を 十 分 に 観 察 しながら 本 剤 を 投 与 すること。<br />
(「 相 互 作 用 」の 項 参 照 )<br />
(4) 抗 血 小 板 薬 との 併 用 療 法 を 必 要 とする 患 者 においては、 出 血 リスクが 増 大 することに 注 意 す<br />
ること。これらの 薬 剤 と 本 剤 の 併 用 の 可 否 については、 本 剤 との 併 用 を 開 始 する 前 に、リスク<br />
ベネフィットを 考 慮 して 慎 重 に 判 断 すること。 抗 血 小 板 薬 2 剤 との 併 用 時 には、 出 血 リスクが<br />
特 に 増 大 するおそれがあるため、 本 剤 との 併 用 についてはさらに 慎 重 に 検 討 し、 治 療 上 の<br />
有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 判 断 された 場 合 のみ、これらの 薬 剤 と 併 用 すること。(「 相 互 作<br />
用 」、「その 他 の 注 意 」の 項 参 照 )<br />
(5)ビタミン K 拮 抗 剤 (ワルファリン)から 本 剤 へ 切 り 替 える 際 には、ビタミン K 拮 抗 剤 の 投 与 を 中<br />
止 し、PT-INR が 2.0 未 満 となってから 本 剤 の 投 与 を 開 始 すること。<br />
(6) 本 剤 からビタミン K 拮 抗 剤 (ワルファリン)に 切 り 替 える 際 には、PT-INR が 治 療 域 の 下 限 を 超<br />
えるまでは、 本 剤 とワルファリンを 併 用 すること。<br />
(7) 他 の 抗 凝 固 剤 ( 注 射 剤 )から 本 剤 に 切 り 替 える 場 合 、 次 回 に 投 与 を 予 定 していた 時 間 まで 間<br />
隔 をあけて、 本 剤 の 投 与 を 開 始 すること。ただし、 抗 凝 固 剤 (ヘパリン 等 )の 持 続 静 注 から 切 り<br />
替 える 場 合 は、 持 続 静 注 中 止 と 同 時 に 本 剤 の 投 与 を 開 始 すること。<br />
(8) 本 剤 から 他 の 抗 凝 固 剤 ( 注 射 剤 )へ 切 り 替 える 場 合 は、 次 回 に 投 与 を 予 定 していた 時 間 まで<br />
間 隔 をあけて、 切 り 替 える 薬 剤 の 投 与 を 開 始 すること。<br />
(9) 待 機 的 手 術 、 侵 襲 的 手 技 を 実 施 する 患 者 では、 患 者 の 出 血 リスクと 血 栓 リスクに 応 じて、 処<br />
置 日 の 2~4 日 前 に 本 剤 の 投 与 を 中 止 し、 代 替 療 法 (ヘパリン 等 )の 使 用 を 考 慮 すること。 緊<br />
急 を 要 する 手 術 、 侵 襲 的 手 技 の 場 合 は、 緊 急 性 と 出 血 リスクが 増 大 していることを 十 分 に 比<br />
較 考 慮 すること。<br />
(10) 待 機 的 手 術 、 侵 襲 的 手 技 等 による 抗 凝 固 療 法 ( 本 剤 を 含 む)の 一 時 的 な 中 止 は、 塞 栓 症 の<br />
リスクを 増 大 させる。 手 術 後 は、 患 者 の 臨 床 状 態 に 問 題 がなく 出 血 がないことを 確 認 してから、<br />
可 及 的 速 やかに 再 開 すること。<br />
(11) 患 者 の 判 断 で 本 剤 の 服 用 を 中 止 することのないよう 十 分 な 服 薬 指 導 をすること。 本 剤 を 服 用<br />
【 解 説 】<br />
し 忘 れた 場 合 には、 気 づいたときにすぐに 1 回 量 を 服 用 し、その 後 通 常 どおり 1 日 2 回 服 用<br />
するよう 指 導 すること。 服 用 し 忘 れた 場 合 でも 一 度 に 2 回 量 を 服 用 しないよう 指 導 すること。<br />
(1) 本 剤 を 投 与 する 際 に 最 も 注 意 しなければならない 副 作 用 は 出 血 である。プロトロンビン 時 間<br />
(PT)、 国 際 標 準 比 (INR)、 活 性 化 部 分 トロンボプラスチン 時 間 (aPTT) 等 の 各 種 凝 固 パラメータ<br />
は、 本 剤 の 抗 凝 固 能 を 測 定 するのに 十 分 な 感 度 を 有 していないため、 出 血 リスクの 正 確 な 評 価<br />
に 適 していない。 本 剤 投 与 中 は 出 血 や 貧 血 等 の 徴 候 を 十 分 に 観 察 すること。また、 必 要 に 応 じ<br />
- 49 -
て、 血 算 値 等 の 検 査 を 実 施 し、 急 激 なヘモグロビン 値 や 血 圧 の 低 下 が 認 められた 場 合 には、 本<br />
剤 の 投 与 を 中 止 し、 出 血 の 原 因 を 確 認 するとともに、 症 状 に 応 じて 外 科 的 止 血 や 新 鮮 凍 結 血<br />
漿 の 輸 注 等 の 適 切 な 処 置 の 開 始 を 考 慮 する 必 要 がある。<br />
(2)ARISTOTLE 試 験 、ARISTOTLE-J 試 験 において、 本 剤 が 投 与 された 症 例 に、 鼻 出 血 、 皮 下 出<br />
血 、 結 膜 出 血 、 便 潜 血 、 血 尿 等 の 出 血 の 発 現 が 認 められた。 出 血 の 重 篤 化 を 未 然 に 防 ぐため<br />
に、 出 血 やその 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 医 師 に 連 絡 するよう 指 導 することが 必 要 である。<br />
(3) 本 剤 は 抗 凝 固 剤 であり、 他 の 抗 凝 固 剤 と 併 用 することにより 出 血 リスクが 増 大 する 可 能 性 がある<br />
ため、 併 用 時 には 出 血 の 徴 候 を 十 分 に 観 察 する 必 要 がある。<br />
(4) 本 剤 と 抗 血 小 板 剤 はともに 抗 血 栓 作 用 を 有 しており、 併 用 により 出 血 リスクが 増 大 する 可 能 性 が<br />
あるため、 本 剤 との 併 用 を 開 始 する 前 に、リスクベネフィットを 慎 重 に 検 討 する 必 要 がある。<br />
(5)ARISTOTLE 試 験 では、ワルファリンから 本 剤 に 切 り 替 える 際 、INR が 2.0 を 下 回 るまで 本 剤 を 投<br />
与 しておらず、その 結 果 、 主 要 評 価 項 目 、 大 出 血 、 大 出 血 又 は 臨 床 的 に 重 要 な 非 大 出 血 の 複<br />
合 評 価 項 目 、 全 出 血 のそれぞれの 年 間 イベント 発 現 率 は、 全 体 集 団 及 び 日 本 人 部 分 集 団 のい<br />
ずれにおいても、ワルファリン 群 に 比 べ 本 剤 群 の 方 が 低 かった。この 結 果 より、ビタミン K 拮 抗 剤<br />
(ワルファリン)から 本 剤 へ 切 り 替 える 際 には、ビタミン K 拮 抗 剤 の 投 与 を 中 止 した 後 、INR が 2.0<br />
未 満 (ビタミン K 拮 抗 剤 の 治 療 域 の 下 限 )となってから 本 剤 の 投 与 を 開 始 する 必 要 がある。<br />
(6)ARISTOTLE 試 験 では 本 剤 からワルファリンに 切 り 替 える 際 、ワルファリンの 初 回 投 与 後 48 時 間<br />
まで 本 剤 の 投 与 を 継 続 することを 認 めた。 結 果 、 本 剤 からワルファリンに 切 り 替 えた 群 では、ワル<br />
ファリンを 継 続 した 群 と 比 較 し 脳 卒 中 または 全 身 性 塞 栓 症 のイベント 数 の 増 加 が 認 められた。そ<br />
の 原 因 の 一 つとして、 十 分 な 抗 凝 固 療 法 に 移 行 できなかった 可 能 性 が 考 えられた。ワルファリン<br />
の 治 療 開 始 初 期 においては 抗 凝 固 作 用 が 安 定 していない。 十 分 な 抗 凝 固 作 用 の 発 現 が 得 ら<br />
れていることを 確 認 した 上 で 本 剤 を 中 止 することにより、 継 続 的 に 抗 凝 固 作 用 を 得 ることができ<br />
るため、 本 剤 からビタミン K 拮 抗 剤 (ワルファリン)に 切 り 替 える 際 には、INR が 治 療 域 の 下 限 を<br />
超 えるまでは、 本 剤 とワルファリンを 併 用 する 必 要 がある。<br />
(7) 他 の 抗 凝 固 剤 ( 注 射 剤 )から 本 剤 に 切 り 替 える 場 合 は、 他 の 抗 凝 固 剤 の 薬 物 動 態 を 考 慮 し、 次<br />
回 に 投 与 を 予 定 していた 時 間 に 本 剤 を 投 与 すること。 持 続 投 与 される 主 な 抗 凝 固 薬 (ヘパリン<br />
等 )は、 定 速 静 注 中 止 後 急 速 に 血 中 濃 度 は 低 下 し、 投 与 終 了 3 時 間 後 には 消 失 する。 一 方 、<br />
本 剤 は 投 与 後 3~3.5 時 間 で 最 高 血 漿 中 濃 度 に 達 し、 抗 Ⅹa 因 子 活 性 は 本 剤 の 血 漿 中 濃 度 に<br />
比 例 する。 持 続 静 注 中 止 時 に 本 剤 を 投 与 することにより、 抗 凝 固 状 態 を 維 持 しつつ、かつ 過 剰<br />
な 抗 凝 固 状 態 を 生 じることなく 本 剤 治 療 に 移 行 できると 考 えられる。<br />
(8) 本 剤 から 他 の 抗 凝 固 剤 ( 注 射 剤 )への 切 り 替 えを 行 う 場 合 は、 次 回 に 投 与 を 予 定 していた 時 間<br />
まで 間 隔 をあけ、 切 り 替 える 薬 剤 を 投 与 すること。<br />
(9) 手 術 、 侵 襲 的 手 技 を 実 施 する 患 者 に 対 する 本 剤 に 起 因 する 出 血 リスクを 減 らすために、 設 定<br />
した。 本 剤 の 投 与 を 中 止 した 場 合 、 最 終 投 与 後 24 時 間 (1 日 )、48 時 間 (2 日 )、72 時 間 (3 日 )<br />
の 時 点 で、 朝 の 投 与 後 の 定 常 状 態 のトラフ 濃 度 と 比 較 して、 本 剤 の 濃 度 はそれぞれ 49%、<br />
80%、92% 低 下 すると 推 定 されている。 本 剤 の 抗 Ⅹa 因 子 活 性 は 血 漿 中 濃 度 と 比 例 すること<br />
を 考 慮 すると、 手 術 や 侵 襲 的 手 技 を 行 う 2~4 日 前 に 投 与 を 中 止 することにより、 本 剤 に 起 因<br />
する 出 血 のリスクを 低 下 させることができると 考 えられている。 臨 床 試 験 において 手 術 、 侵 襲 的<br />
手 技 の 際 に 本 剤 の 中 止 が 必 要 になった 症 例 は 限 定 されており、さらに 日 本 人 部 分 集 団 の 該<br />
当 症 例 は 極 めて 少 なく、 明 確 な 基 準 を 設 ける 事 は 困 難 であることから 安 全 性 を 考 慮 した 規 定 と<br />
した。 本 剤 投 与 中 の 患 者 において、 緊 急 を 要 する 手 術 、 侵 襲 的 手 技 が 必 要 になった 場 合 は、<br />
緊 急 性 と 出 血 リスクを 十 分 に 比 較 考 慮 すること。<br />
(10) 待 機 的 手 術 、 侵 襲 的 手 技 等 による 抗 凝 固 療 法 ( 本 剤 を 含 む)の 一 時 的 な 中 止 は、 塞 栓 症 のリ<br />
スクを 増 大 させる。 何 らかの 理 由 により 本 剤 の 投 与 を 一 時 的 に 中 止 した 場 合 には、 患 者 の 状<br />
態 に 問 題 がなく、 出 血 がないことを 確 認 してから、 可 及 的 速 やかに 再 開 すること。<br />
(11) 患 者 の 判 断 で 本 剤 の 服 用 を 中 止 すると 血 栓 塞 栓 症 の 発 症 リスクが 高 まるため、 十 分 な 服 薬 指<br />
導 をすること。 本 剤 を 服 用 し 忘 れた 場 合 には、 気 づいたときにすぐに 1 回 量 を 服 用 し、その 後<br />
通 常 どおり 1 日 2 回 服 用 し、 一 度 に 2 回 量 を 服 用 しないよう 指 導 すること。<br />
- 50 -
7. 相 互 作 用<br />
相 互 作 用<br />
本 剤 は、 主 に CYP3A4/5 によって 代 謝 される。また、 本 剤 は P- 糖 蛋 白 及 び 乳 癌 耐 性 蛋 白<br />
(BCRP)の 基 質 となる。(「 薬 物 動 態 」の 項 参 照 )<br />
(1) 併 用 禁 忌 とその 理 由<br />
該 当 しない<br />
(2) 併 用 注 意 とその 理 由<br />
併 用 注 意 ( 併 用 に 注 意 すること)<br />
薬 剤 名 等 臨 床 症 状 ・ 措 置 方 法 機 序 ・ 危 険 因 子<br />
本 剤 の 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれがあ<br />
るため、 本 剤 2.5mg 1 日 2 回 投 与 を 考 慮<br />
すること、あるいは、 治 療 上 の 有 益 性 と<br />
危 険 性 を 十 分 に 考 慮 し、 本 剤 との 併 用<br />
が 適 切 と 考 えられない 患 者 には 併 用 し<br />
ないこと。(「 薬 物 動 態 」の 項 参 照 )<br />
アゾール 系 抗 真 菌 剤 (フルコナ<br />
ゾールを 除 く)<br />
イトラコナゾール<br />
ボリコナゾール 等<br />
HIV プロテアーゼ 阻 害 剤<br />
リトナビル 等<br />
マクロライド 系 抗 菌 薬<br />
クラリスロマイシン<br />
エリスロマイシン 等<br />
フルコナゾール<br />
ナプロキセン<br />
ジルチアゼム<br />
リファンピシン<br />
フェニトイン<br />
カルバマゼピン<br />
フェノバルビタール<br />
セイヨウオトギリソウ(St. John's<br />
Wort、セント・ジョーンズ・ワート)<br />
含 有 食 品<br />
血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 を 有 する 薬 剤<br />
アスピリン<br />
クロピドグレル 硫 酸 塩<br />
ジピリダモール<br />
チクロピジン 塩 酸 塩<br />
シロスタゾール<br />
オザグレルナトリウム 等<br />
抗 凝 固 剤<br />
ワルファリンカリウム<br />
未 分 画 ヘパリン<br />
へパリン 誘 導 体<br />
低 分 子 ヘパリン<br />
エノキサパリンナトリウム<br />
フォンダパリヌクスナトリウム<br />
ダビガトランエテキシラートメタ<br />
ンスルホン 酸 塩<br />
アルガトロバン 水 和 物 等<br />
血 栓 溶 解 剤<br />
ウロキナーゼ<br />
t-PA 等<br />
非 ステロイド 性 消 炎 鎮 痛 剤<br />
ジクロフェナクナトリウム<br />
ナプロキセン 等<br />
本 剤 の 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれが<br />
あるため、 患 者 の 状 態 を 十 分 に 観 察<br />
するなど 注 意 すること。(「 薬 物 動 態 」<br />
の 項 参 照 )<br />
本 剤 の 血 中 濃 度 が 減 少 するおそれが<br />
ある。(「 薬 物 動 態 」の 項 参 照 )<br />
抗 血 小 板 薬 との 併 用 は、 出 血 リスクが<br />
増 大 することに 注 意 すること。 特 に 抗<br />
血 小 板 薬 2 剤 との 併 用 は、 治 療 上 の<br />
有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 判 断 され<br />
た 場 合 のみ、 併 用 すること。(「 重 要 な<br />
基 本 的 注 意 」、「その 他 の 注 意 」の 項<br />
参 照 )<br />
これらの 薬 剤 との 併 用 により、 出 血 の<br />
危 険 性 が 増 大 する 可 能 性 がある。この<br />
ような 場 合 には、 患 者 の 状 態 を 十 分 に<br />
観 察 するなど 注 意 すること。(「 薬 物 動<br />
態 」の 項 参 照 )<br />
これらの 薬 剤 の 強 力 な CYP3A4<br />
及 び P- 糖 蛋 白 の 阻 害 作 用 によ<br />
り、 本 剤 の 代 謝 及 び 排 出 が 阻 害<br />
されると 考 えられる。<br />
これらの 薬 剤 の CYP3A4 及 び P-<br />
糖 蛋 白 の 阻 害 作 用 により、 本 剤<br />
の 代 謝 及 び 排 出 が 阻 害 されると<br />
考 えられる。<br />
これらの 薬 剤 又 はセイヨウオトギ<br />
リソウの 強 力 な CYP3A4 及 び P-<br />
糖 蛋 白 の 誘 導 作 用 により、 本 剤<br />
の 代 謝 及 び 排 出 が 促 進 されると<br />
考 えられる。<br />
本 剤 は 抗 凝 固 作 用 を 有 するた<br />
め、これら 薬 剤 と 併 用 すると 出 血<br />
を 助 長 するおそれがある。<br />
- 51 -
【 解 説 】<br />
< 薬 物 相 互 作 用 ><br />
(1) 海 外 臨 床 薬 理 試 験 において、 強 力 な CYP3A4 及 び P- 糖 蛋 白 の 阻 害 剤 であるケトコナゾールとア<br />
ピキサバンの 併 用 投 与 により、アピキサバンの Cmax ならびに AUC が 増 加 し、 強 力 な CYP3A4 及<br />
び P- 糖 蛋 白 の 誘 導 剤 であるリファンピシンとアピキサバンの 併 用 投 与 により、Cmax ならびに AUC<br />
が 減 少 したことから、 併 用 注 意 とした。(「Ⅶ.1.(5)2. 併 用 薬 の 影 響 」の 項 参 照 )<br />
(2) 血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 を 有 する 薬 剤 、 抗 凝 固 剤 、 血 栓 溶 解 剤 、 非 ステロイド 性 消 炎 鎮 痛 剤 とアピキ<br />
サバンとの 併 用 投 与 は、 出 血 のリスクが 増 大 する 可 能 性 がある。ARISTOTLE 試 験 では、 抗 血 小<br />
板 薬 を 併 用 した 部 分 集 団 において、 全 体 集 団 及 び 日 本 人 部 分 集 団 の 出 血 イベントの 発 現 率 はワ<br />
ルファリン 群 と 比 較 して 本 剤 群 で 低 かったものの、 出 血 リスクは 高 まった。また、 海 外 臨 床 試 験 に<br />
おいて 抗 凝 固 剤 であるエノキサパリンとアピキサバンの 併 用 投 与 により、FXa 阻 害 作 用 は 相 加 的<br />
であったことから、 併 用 注 意 とした(「Ⅶ.1.(5)2. 併 用 薬 の 影 響 」の 項 参 照 )。<br />
- 52 -
8. 副 作 用<br />
(1) 副 作 用 の 概 要<br />
副 作 用<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 第 3 相 国 際 共 同 試 験 ( 日 本 人 335 例 を 含 む 総 投 薬 症<br />
例 数 18,140 例 )において、9,088 例 に 本 剤 が 投 与 された。 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は 9,088<br />
例 中 2,524 例 (27.8%)であった。 主 な 副 作 用 は、 鼻 出 血 456 例 (5.0%)、 血 尿 234 例 (2.6%)、<br />
挫 傷 151 例 (1.7%)、 血 腫 129 例 (1.4%)、 貧 血 103 例 (1.1%)であった。<br />
日 本 人 335 例 中 160 例 に 本 剤 が 投 与 され、 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は 45 例 (28.1%)であっ<br />
た。 主 な 副 作 用 は、 鼻 出 血 11 例 (6.9%)、 皮 下 出 血 8 例 (5.0%)、 結 膜 出 血 4 例 (2.5%)、 挫<br />
傷 3 例 (1.9%)、 皮 下 血 腫 3 例 (1.9%)、 便 潜 血 3 例 (1.9%)、 血 尿 3 例 (1.9%)であった。<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 国 内 第 2 相 試 験 ( 総 症 例 218 例 )では、143 例 に 本 剤<br />
が 投 与 された。 副 作 用 が 報 告 された 症 例 は 143 例 中 34 例 (23.8%)であった。 主 な 副 作 用 は、<br />
鼻 出 血 5 例 (3.5%)、 尿 中 血 陽 性 3 例 (2.1%)であった。 ( 承 認 時 )<br />
【 解 説 】<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 ) 及 び 国 内 第 Ⅱ<br />
相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 )における 主 な 副 作 用 発 現 頻 度 を 記 載 した。<br />
(2) 重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状<br />
重 大 な 副 作 用<br />
出 血 : 頭 蓋 内 出 血 ( 頻 度 不 明<br />
注 )<br />
)、 消 化 管 出 血 (0.7%)、 眼 球 内 出 血 (0.3%) 等 の 出 血 があら<br />
われることがあるので、 観 察 を 十 分 に 行 い、 異 常 が 認 められた 場 合 には、 投 与 を 中 止 するな<br />
ど 適 切 な 処 置 を 行 うこと。<br />
注 ) 国 際 共 同 臨 床 試 験 において 副 作 用 として 特 定 された 事 象 のうち、 海 外 においてのみ 認 められた 副 作 用<br />
【 解 説 】<br />
を 頻 度 不 明 として 記 載 した。<br />
安 全 性 主 要 評 価 項 目 において 大 出 血 (ISTH 基 準 )と 判 断 された 副 作 用 を「 重 大 な 副 作 用 」として<br />
記 載 した。いずれも 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )の 日 本 人 症 例 で 認 められ、その 発<br />
現 頻 度 は、 消 化 管 出 血 2 例 (0.7%) 及 び 眼 球 内 出 血 1 例 (0.3%)であった。<br />
表 「 大 出 血 」と 判 断 された 副 作 用 の 内 訳 ( 日 本 人 被 験 者 )<br />
年 齢 / 性 別 / 体 重 /<br />
血 清 クレアチニン<br />
60 歳 代 / 男 性 /60.0kg/<br />
1.14mg/dL<br />
70 歳 代 / 男 性 /61.5kg/<br />
1.39mg/dL<br />
70 歳 代 / 女 性 /64.5kg/<br />
0.76mg/dL<br />
出 血 事 象 名<br />
下 部 消 化 管 出 血<br />
*<br />
直 腸 出 血<br />
眼 底 出 血<br />
重 篤 度<br />
重 症 度<br />
非 重 篤<br />
重 度<br />
重 篤<br />
中 等 度<br />
非 重 篤<br />
中 等 度<br />
* 本 症 例 は、 出 血 事 象 確 認 後 大 腸 がんと 診 断 された。<br />
** 治 験 終 了 時 継 続 中 。<br />
投 与 量 発 現 日 転 帰<br />
5mg<br />
1 日 2 回 投 与<br />
5mg<br />
1 日 2 回 投 与<br />
5mg<br />
1 日 2 回 投 与<br />
52 日 目 回 復<br />
549 日 目 回 復<br />
864 日 目 継 続<br />
**<br />
- 53 -
(3)その 他 の 副 作 用<br />
その 他 の 副 作 用<br />
次 のような 副 作 用 があらわれた 場 合 には、 症 状 に 応 じて 適 切 な 処 置 を 行 うこと。<br />
種 類<br />
頻 度 1% 以 上 1% 未 満<br />
注 )<br />
頻 度 不 明<br />
免 疫 系 障 害 過 敏 症 ( 皮 疹 等 の 薬 物 過 敏 症 、ア<br />
レルギー 性 浮 腫 等 のアナフィラキ<br />
シー 反 応 等 )<br />
神 経 系 障 害 味 覚 異 常 、くも 膜 下 出 血 、<br />
三 叉 神 経 痛<br />
脳 出 血 、 頭 蓋 内 又 は 脊 髄 内 出 血<br />
( 硬 膜 下 血 腫 及 び 脊 髄 血 腫 等 )<br />
眼 障 害 眼 出 血 眼 充 血<br />
血 管 障 害<br />
血 腫 、 腹 腔 内 出 血<br />
呼 吸 器 、 胸 郭 及<br />
び 縦 隔 障 害<br />
鼻 出 血 喀 血 、 咳 嗽 気 道 出 血 ( 肺 胞 出 血 、 喉 頭 出 血 、<br />
及 び 咽 頭 出 血 等 )<br />
胃 腸 障 害 歯 肉 出 血 、 口 腔 内 出 血 、 便 秘 、 腹 部 不 直 腸 出 血 、 痔 出 血 、 後 腹 膜 出 血<br />
胃 腸 出 血 、<br />
消 化 不 良 、<br />
便 潜 血 陽 性<br />
快 感 、 上 腹 部 痛 、 血 便 排<br />
泄 、 下 痢 、 逆 流 性 食 道 炎<br />
肝 胆 道 系 障 害<br />
血 中 ビリルビン 増 加 、γ-GTP 肝 機 能 異 常<br />
増 加<br />
腎 及 び 尿 路 障 害 血 尿 、 尿 中 尿 中 蛋 白 陽 性<br />
血 陽 性<br />
生 殖 系 及 び 乳 房<br />
前 立 腺 炎 、 膣 出 血<br />
不 正 出 血 、 尿 生 殖 器 出 血<br />
障 害<br />
傷 害 、 中 毒 及 び 挫 傷 処 置 後 出 血 外 傷 性 出 血 、 切 開 部 位 出 血<br />
処 置 合 併 症<br />
皮 膚 及 び 皮 下 組<br />
織 障 害<br />
円 形 脱 毛 症 、そう 痒 症 、 紫<br />
斑 、 膿 疱 性 乾 癬 、 顔 面 腫 脹<br />
その 他<br />
初 期 不 眠 症 、 疲 労 、 血 小 板 適 用 部 位 出 血<br />
減 少 症 、 血 中 ブ ド ウ 糖 変<br />
動 、 高 尿 酸 血 症 、 血 中 ブド<br />
ウ 糖 増 加 、 血 中 CK(CPK)<br />
増 加<br />
副 作 用 発 現 頻 度 は、 承 認 時 までの 国 内 臨 床 試 験 及 び 国 際 共 同 臨 床 試 験 の 日 本 人 被 験 者 の 成 績 に 基 づ<br />
き 算 出 した。<br />
注 ) 国 際 共 同 臨 床 試 験 において 副 作 用 として 特 定 された 事 象 のうち、 海 外 においてのみ 認 められた 副 作<br />
用 を 頻 度 不 明 として 記 載 した。<br />
【 解 説 】<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 を 対 象 とした 国 内 第 Ⅱ 相 試 験 (ARISTOTLE-J 試 験 ) 及 び 国 際 共 同 第<br />
Ⅲ 相 試 験 (ARISTOTLE 試 験 )において、 本 剤 が 投 与 された 日 本 人 被 験 者 計 303 例 より 報 告 された<br />
副 作 用 を、その 発 現 頻 度 と 共 に 記 載 した。<br />
- 54 -
(4) 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧<br />
表 1 副 作 用 の 発 現 頻 度 (ARISTOTLE 試 験 )( 承 認 時 )<br />
試 験 全 体<br />
日 本 人 症 例<br />
安 全 性 評 価 対 象 例 数 9,088 例 160 例<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 2,524 例 (27.8%) 45 例 (28.1%)<br />
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
感 染 症 および 寄 生 虫 症 56(0.6) - 転 移 性 結 腸 癌 1(
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
高 ナトリウム 血 症 1(
副 作 用<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
片 耳 難 聴 1(
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
胃 食 道 逆 流 性 疾 患 7(
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
血 性 水 疱 2(
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
胃 腸 管 動 静 脈 奇 形 1(
副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 副 作 用<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 )<br />
器 官 別 大 分 類<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例 基 本 語<br />
試 験 全 体 日 本 人 症 例<br />
凝 固 検 査 異 常 1(
表 2 副 作 用 の 発 現 頻 度 (ARISTOTLE-J 試 験 )( 承 認 時 )<br />
安 全 性 評 価 対 象 例 数<br />
アピキサバン 投 与 全 症 例<br />
143 例<br />
副 作 用 発 現 例 数 ( 発 現 率 ) 34 例 (23.8%)<br />
副 作 用<br />
器 官 別 大 分 類<br />
基 本 語<br />
副 作 用 発 現 例 数<br />
( 発 現 率 )<br />
代 謝 および 栄 養 障 害 2(1.4)<br />
コントロール 不 良 の 糖 尿 病 1(0.7)<br />
高 尿 酸 血 症 1(0.7)<br />
精 神 障 害 1(0.7)<br />
初 期 不 眠 症 1(0.7)<br />
神 経 系 障 害 1(0.7)<br />
三 叉 神 経 痛 1(0.7)<br />
眼 障 害 1(0.7)<br />
結 膜 出 血 1(0.7)<br />
呼 吸 器 , 胸 郭 および 縦 隔 障 害 6(4.2)<br />
鼻 出 血 5(3.5)<br />
咳 嗽 1(0.7)<br />
胃 腸 障 害 10(7.0)<br />
歯 肉 出 血 2(1.4)<br />
腹 部 不 快 感 1(0.7)<br />
上 腹 部 痛 1(0.7)<br />
便 秘 1(0.7)<br />
下 痢 1(0.7)<br />
消 化 不 良 1(0.7)<br />
逆 流 性 食 道 炎 1(0.7)<br />
血 便 排 泄 1(0.7)<br />
胃 腸 出 血 1(0.7)<br />
皮 膚 および 皮 下 組 織 障 害 3(2.1)<br />
皮 下 出 血 1(0.7)<br />
そう 痒 症 1(0.7)<br />
紫 斑 1(0.7)<br />
腎 および 尿 路 障 害 2(1.4)<br />
血 尿 2(1.4)<br />
一 般 ・ 全 身 障 害 および 投 与 部 位 の 状 態 1(0.7)<br />
疲 労 1(0.7)<br />
臨 床 検 査 10(7.0)<br />
尿 中 血 陽 性 3(2.1)<br />
血 中 ビリルビン 増 加 2(1.4)<br />
尿 中 蛋 白 陽 性 1(0.7)<br />
血 中 クレアチンホスホキナーゼ 増 加 1(0.7)<br />
血 中 ブドウ 糖 増 加 1(0.7)<br />
γ-グルタミルトランスフェラーゼ 1(0.7)<br />
便 潜 血 1(0.7)<br />
傷 害 , 中 毒 および 処 置 合 併 症 1(0.7)<br />
挫 傷 1(0.7)<br />
MedDRA Version 12.0<br />
- 62 -
(5) 基 礎 疾 患 、 合 併 症 、 重 症 度 及 び 手 術 の 有 無 等 背 景 別 の 副 作 用 発 現 頻 度<br />
該 当 資 料 なし<br />
(6) 薬 物 アレルギーに 対 する 注 意 及 び 試 験 法<br />
【 禁 忌 】( 次 の 患 者 には 投 与 しないこと)<br />
(1) 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者<br />
副 作 用 (2)その 他 の 副 作 用<br />
頻 度 不 明 : 過 敏 症 ( 皮 疹 等 の 薬 物 過 敏 症 、アレルギー 性 浮 腫 等 のアナフィラキシー 反 応 等 )<br />
【 解 説 】<br />
「Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 」、「 同 8. 副 作 用 (3)その<br />
他 の 副 作 用 」 参 照<br />
9. 高 齢 者 への 投 与<br />
高 齢 者 への 投 与<br />
一 般 に 高 齢 者 では 腎 機 能 が 低 下 し 本 剤 の 血 中 濃 度 が 上 昇 するおそれがあるので、 患 者 の 状 態<br />
を 観 察 しながら 慎 重 に 投 与 すること。 特 に 80 歳 以 上 の 患 者 に 対 しては、 腎 機 能 低 下 ( 血 清 クレア<br />
チニン 1.5mg/dL 以 上 ) 及 び 体 重 (60kg 以 下 )に 応 じて 本 剤 を 減 量 すること。(「 用 法 ・ 用 量 に 関 連<br />
する 使 用 上 の 注 意 」、「 薬 物 動 態 」の 項 参 照 )<br />
【 解 説 】<br />
高 齢 者 は 一 般 的 に 腎 機 能 が 低 下 していることが 多 いため、 本 剤 の 血 中 濃 度 が 上 昇 する 可 能 性 があ<br />
る。また、80 歳 以 上 の 高 齢 者 で、 重 度 の 腎 機 能 低 下 あるいは 低 体 重 があれば、 本 剤 の 減 量 を 考 慮<br />
する 必 要 がある(「V. 治 療 に 関 する 項 目 2. 用 法 及 び 用 量 」 参 照 )。<br />
- 63 -
10. 妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与<br />
妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与<br />
(1) 妊 婦 又 は 妊 娠 している 可 能 性 のある 婦 人 には、 治 療 上 の 有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 判 断 さ<br />
れる 場 合 にのみ 投 与 すること。[ 妊 娠 中 の 投 与 に 関 する 安 全 性 は 確 立 していない。 動 物 実 験<br />
(マウス 34) 、ラット 32)、35) 及 びウサギ 36) )で 胎 児 への 移 行 が 認 められている。]<br />
(2) 授 乳 中 の 婦 人 に 投 与 することを 避 け、やむを 得 ず 投 与 する 場 合 には 授 乳 を 中 止 させること。<br />
[ 動 物 実 験 (ラット)で 乳 汁 中 への 移 行 が 認 められている 33) 。]<br />
【 解 説 】<br />
(1) 母 動 物 の 血 漿 中 アピキサバン 濃 度 (C max )に 対 する 胎 児 中 濃 度 (C max )は、マウスで 10%、ラットで<br />
9~36%であった。 一 方 、ウサギでは 1 検 体 (2.9ng/mL) 以 外 、 定 量 下 限 (2ng/mL) 未 満 であった。<br />
また、 妊 娠 中 の 婦 人 に 対 し 使 用 経 験 がなく、 本 剤 の 安 全 性 は 確 立 していない。<br />
(2) 本 剤 のヒトでの 乳 汁 移 行 は 不 明 である。 動 物 実 験 (ラット)では 乳 汁 中 に 移 行 することが 報 告 され<br />
ている。<br />
11. 小 児 等 への 投 与<br />
小 児 等 への 投 与<br />
低 出 生 体 重 児 、 新 生 児 、 乳 児 、 幼 児 又 は 小 児 に 対 する 安 全 性 及 び 有 効 性 は 確 立 していない。<br />
[ 使 用 経 験 がない。]<br />
【 解 説 】<br />
小 児 等 に 対 し 使 用 経 験 がなく、 本 剤 の 安 全 性 は 確 立 していない。<br />
12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響<br />
該 当 しない<br />
13. 過 量 投 与<br />
過 量 投 与<br />
(1) 症 状 : 本 剤 の 過 量 投 与 により、 出 血 リスクが 増 大 する。<br />
(2) 処 置 : 本 剤 の 抗 凝 固 作 用 を 中 和 する 薬 剤 はない。 出 血 の 徴 候 が 認 められた 場 合 には、 適 切<br />
な 処 置 を 行 うこと。また、 活 性 炭 による 処 置 を 考 慮 すること。[ 外 国 人 健 康 成 人 において、 本 剤<br />
20 mg を 経 口 投 与 後 2 及 び 6 時 間 に 活 性 炭 を 経 口 投 与 したとき、アピキサバンの C max は 変 化<br />
しなかったが、AUC は 約 50% 及 び 27% 低 下 し、 消 失 半 減 期 は 活 性 炭 非 投 与 時 の 13.4 時 間<br />
から 5.3 及 び 4.9 時 間 に 短 縮 した 37) 。]<br />
出 血 した 場 合 には、 症 状 に 応 じて 外 科 的 止 血 や 新 鮮 凍 結 血 漿 の 輸 注 等 も 考 慮 すること。<br />
【 解 説 】<br />
過 量 投 与 時 の 症 状 、 処 置 について 記 載 した。 過 量 投 与 時 には 活 性 炭 投 与 により AUC の 低 下 及 び<br />
消 失 半 減 期 が 短 縮 するため、 処 置 方 法 として 有 効 である 可 能 性 がある。<br />
- 64 -
14. 適 用 上 の 注 意<br />
適 用 上 の 注 意<br />
薬 剤 交 付 時 :<br />
PTP 包 装 の 薬 剤 は PTP シートから 取 り 出 して 服 用 するよう 指 導 すること。[PTP シートの 誤 飲 によ<br />
り、 硬 い 鋭 角 部 が 食 道 粘 膜 へ 刺 入 し、 更 には 穿 孔 をおこして 縦 隔 洞 炎 等 の 重 篤 な 合 併 症 を 併 発<br />
することが 報 告 されている。]<br />
【 解 説 】<br />
PTP 包 装 の 薬 剤 に 共 通 の 注 意 事 項 である。<br />
1.「PTPの 誤 飲 対 策 について」( 日 薬 連 発 第 240 号 平 成 8 年 3 月 27 日 )<br />
2.「PTPの 誤 飲 対 策 について( 改 定 )」( 日 薬 連 発 第 304 号 平 成 8 年 4 月 18 日 )<br />
上 記 に 基 づき 設 定 した。<br />
15.その 他 の 注 意<br />
日 本 人 を 含 む 急 性 冠 症 候 群 の 患 者 ( 承 認 外 効 能 ・ 効 果 )を 対 象 とした 国 際 共 同 臨 床 試 験 において、<br />
本 剤 5mg1 日 2 回 群 とプラセボ 群 の 比 較 が 行 われたが、 本 剤 群 で 臨 床 的 に 重 要 な 出 血 の 増 加 が 認 め<br />
られたこと 等 から、 試 験 は 早 期 に 中 止 となった。この 試 験 ではほとんどの 患 者 でアスピリン 及 びチエノ<br />
ピリジン 系 抗 血 小 板 薬 の2 剤 との 併 用 が 行 われていた 39) 。<br />
【 解 説 】<br />
抗 血 小 板 薬 を 併 用 している、 複 数 の 心 血 管 系 、 非 心 血 管 系 合 併 症 を 有 するハイリスクな 急 性 冠 症 候<br />
群 発 症 後 患 者 を 対 象 とした 国 際 共 同 第 Ⅲ 相 試 験 では、 多 くの 患 者 でアスピリンとチエノピリジン 系 抗<br />
血 小 板 薬 の2 剤 との 併 用 療 法 ( 日 本 人 被 験 者 は、ほぼ 全 ての 患 者 が2 剤 併 用 症 例 )を 受 けており、プラ<br />
セボ 群 に 比 べてアピキサバン 群 において、 出 血 イベントの 増 加 がみられたことから、 試 験 中 断 された。<br />
16.その 他<br />
(CV185031) 39) 「 外 国 人 のデータ」<br />
外 国 人 健 康 成 人 40 例 を 対 象 に、アピキサバン 1 回 50mg 1 日 1 回 3 日 間 経 口 投 与 したとき、プラセ<br />
ボで 補 正 した QTc 間 隔 は 延 長 しなかった。<br />
- 65 -
Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目<br />
1. 薬 理 試 験<br />
(1) 薬 効 薬 理 試 験 (「Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 」 参 照 )<br />
(2) 副 次 的 薬 理 試 験<br />
40)<br />
評 価 対 象<br />
動 物 種 /<br />
系 統<br />
投 与 方 法<br />
用 量<br />
(mg/kg)<br />
性 別 /<br />
例 数<br />
特 記 すべき 所 見<br />
受 容 体 / イ<br />
オ ン チ ャ ネ<br />
ル 結 合 能 又<br />
は 酵 素 活 性<br />
63 種 の 受 容<br />
体 及 びイオ<br />
ンチャネル、<br />
酵 素<br />
in vitro 1、10<br />
μmol/L<br />
該 当<br />
なし<br />
・いずれに 対 する 作 用 も 認 められなかった。<br />
(3) 安 全 性 薬 理 試 験<br />
41)~49)<br />
評 価 対 象<br />
動 物 種 /<br />
系 統<br />
投 与 方 法<br />
用 量<br />
(mg/kg)<br />
性 別 /<br />
例 数<br />
特 記 すべき 所 見<br />
心 血 管 系<br />
( 電 気 生 理<br />
学 )<br />
hERG チャ<br />
ネル 発 現 細<br />
胞<br />
ウサギ 摘 出<br />
プルキンエ<br />
線 維<br />
in vitro 3 、 10 、 30<br />
μmol/L<br />
in vitro 30μmol/L<br />
該 当<br />
なし<br />
・hERG カリウム 電 流 に 及 ぼす 作 用 、またプ<br />
ルキンエ 線 維 を 用 いた 心 筋 活 動 電 位 に 対<br />
する 作 用 を 示 さず、QT 間 隔 延 長 及 び 活<br />
動 電 位 持 続 時 間 延 長 を 引 き 起 こす 可 能<br />
性 は 低 いと 考 えられた。<br />
心 血 管 系<br />
( テ レ メ ト リ<br />
ー)<br />
イヌ/ ビー<br />
グル<br />
( 無 麻 酔 )<br />
経 口<br />
単 回<br />
0、50 雄 2<br />
雌 2<br />
・ 心 電 図 パラメータ 及 び 血 行 動 態 に 対 する<br />
影 響 は 認 められなかった。<br />
静 脈 内<br />
単 回<br />
0、1.25、<br />
4.0<br />
雄 3<br />
雌 3<br />
心 血 管 系<br />
中 枢 神 経 系<br />
呼 吸 系<br />
イヌ/ ビー<br />
グル<br />
経 口<br />
3 ヵ 月<br />
0、5、10、<br />
20 ※<br />
(1 日 1 回 )<br />
雄 6<br />
雌 6<br />
・ 心 血 管 系 、 中 枢 神 経 系 及 び 呼 吸 系 への<br />
影 響 は 認 められなかった。<br />
(4)その 他 の 薬 理 試 験<br />
該 当 資 料 なし<br />
- 66 -
2. 毒 性 試 験<br />
50)~53)<br />
(1) 単 回 投 与 毒 性 試 験<br />
マウス( 最 高 用 量 4,000mg/kg)、ラット( 同 4,510mg/kg) 及 びイヌ( 同 1,500mg/kg)において 死 亡 例<br />
はみられず、 忍 容 性 は 良 好 であった。サル 2 例 が 死 亡 し、1 例 を 状 態 悪 化 により 切 迫 屠 殺 したが、<br />
死 因 は 採 血 部 位 からの 重 篤 な 出 血 と 考 えられ、 採 血 時 の 不 慮 の 大 腿 動 脈 損 傷 及 びアピキサバン<br />
の FXa 阻 害 作 用 によるものと 推 察 された。なお、サルは O- 脱 メチルアピキサバン 硫 酸 抱 合 体 の 曝<br />
露 量 が 非 常 に 低 く、 毒 性 評 価 に 用 いる 非 げっ 歯 類 として 適 切 でないと 考 えられたことから 毒 性 試<br />
験 に 用 いる 非 げっ 歯 類 としてイヌを 選 択 した。<br />
(2) 反 復 投 与 毒 性 試 験<br />
48)、49)、54)、55)<br />
ラット 及 びイヌを 用 い、それぞれ 最 長 6 ヵ 月 間 及 び 1 年 間 反 復 経 口 投 与 した。いずれの 動 物 種 で<br />
も 忍 容 性 は 良 好 であり、 標 的 器 官 毒 性 及 びアピキサバン 投 与 に 関 連 した 明 らかな 出 血 は 認 めら<br />
れなかった。PT 及 び aPTT の 延 長 ならびに 出 血 時 間 の 延 長 が 認 められたが、 薬 理 作 用 に 基 づく<br />
変 化 と 考 えられ、 明 らかな 出 血 性 病 変 は 伴 わなかったことから、 毒 性 所 見 と 判 断 しなかった。 無<br />
毒 性 量 における 曝 露 量 と 臨 床 推 奨 用 量 におけるヒト 曝 露 量 との 比 (AUC)は、ラット 6 ヵ 月 間 経 口<br />
投 与 毒 性 試 験 で 11 倍 、イヌ 1 年 間 経 口 投 与 毒 性 試 験 で 44 倍 であった。<br />
動 物 種 / 系 統<br />
投 与 経 路 / 投 与 期 間<br />
投 与 量<br />
(mg/kg/ 日 )<br />
無 毒 性 量<br />
(mg/kg/ 日 )<br />
SD ラット 経 口 /3 ヵ 月 間 0、75、150、300 300<br />
SD ラット 経 口 /6 ヵ 月 間 0、50、200、600 600<br />
ビーグル 犬 経 口 /3 ヵ 月 間 0、5、10、20 20<br />
ビーグル 犬 経 口 /1 年 間 0、10、30、100 100<br />
(3) 生 殖 発 生 毒 性 試 験<br />
56)<br />
1 受 胎 能 及 び 着 床 までの 初 期 胚 発 生 に 関 する 試 験<br />
ラット 雌 雄 親 動 物 生 殖 能 及 び 初 期 胚 発 生 にアピキサバン 投 与 による 影 響 は 認 められなかった。<br />
無 毒 性 量 の 600 mg/kg/ 日 における 雄 及 び 雌 の AUC は、 臨 床 推 奨 用 量 でのヒト AUC のそれ<br />
ぞれ 9 倍 及 び 12 倍 であった。<br />
動 物 種 / 系 統<br />
SD ラット<br />
投 与 経 路 / 投 与 時 期<br />
経 口 / 雄 : 交 配 2 週 前 ~ 計 画 剖<br />
検 前 日<br />
雌 : 交 配 15 日 前 ~ 妊 娠 7 日<br />
( 妊 娠 16 日 に 帝 王 切 開 )<br />
投 与 量<br />
(mg/kg/ 日 )<br />
0、50、200、600<br />
無 毒 性 量 (mg/kg/ 日 )<br />
親 動 物<br />
一 般 毒 性 :600<br />
生 殖 毒 性 :600<br />
胚 ・ 胎 児<br />
発 生 毒 性 :600<br />
34)~36)、57)<br />
2 胚 ・ 胎 児 発 生 に 関 する 試 験<br />
マウス、ラット 及 びウサギを 用 いた 各 試 験 の 最 高 用 量 において、アピキサバン 投 与 による 胚 ・ 胎<br />
児 発 生 への 影 響 及 び 奇 形 の 発 生 は 認 められなかった。 母 動 物 ではアピキサバンの 薬 理 作 用<br />
による PT 延 長 が 認 められたが、 胚 ・ 胎 児 発 生 には 影 響 を 及 ぼさなかった。また、 各 動 物 種 に<br />
おいて(ウサギ 経 口 投 与 試 験 を 除 く)、 胎 児 へのアピキサバンの 曝 露 が 確 認 された。なお、ウサ<br />
ギの 経 口 投 与 では 十 分 なアピキサバンの 曝 露 量 が 得 られなかったため、ウサギの 静 脈 内 投 与<br />
及 びマウスの 経 口 投 与 試 験 を 実 施 した。ラット 及 びマウス 試 験 の 無 毒 性 量 における 母 動 物 の<br />
AUC は、 臨 床 推 奨 用 量 でのヒト AUC のそれぞれ 5 倍 及 び 12 倍 であった。<br />
- 67 -
動 物 種 / 系 統<br />
投 与 経 路 / 投 与 時 期<br />
投 与 量<br />
(mg/kg/ 日 )<br />
無 毒 性 量 (mg/kg/ 日 )<br />
親 動 物 胚 ・ 胎 児<br />
CD-1 マウス<br />
経 口 / 妊 娠 6~15 日<br />
( 妊 娠 18 日 に 帝 王 切 開 )<br />
0、600、900、1,500<br />
一 般 毒 性 :1,500<br />
生 殖 毒 性 :1,500<br />
発 生 毒 性 :1,500<br />
SD ラット<br />
経 口 / 妊 娠 6~15 日<br />
( 妊 娠 20 日 に 帝 王 切 開 )<br />
0、100、300、1,000、<br />
3,000<br />
一 般 毒 性 :3,000<br />
生 殖 毒 性 :3,000<br />
発 生 毒 性 :3,000<br />
NZW ウサギ<br />
経 口 / 妊 娠 7~19 日<br />
( 妊 娠 29 日 に 帝 王 切 開 )<br />
0 、 60 、 180 、 500 、<br />
1,500<br />
一 般 毒 性 :1,500<br />
生 殖 毒 性 :1,500<br />
発 生 毒 性 :1,500<br />
NZW ウサギ<br />
静 脈 内 ( 次 回 静 脈 )/<br />
妊 娠 7~19 日<br />
( 妊 娠 29 日 に 帝 王 切 開 )<br />
0、1.25、2.5、5<br />
一 般 毒 性 :5<br />
生 殖 毒 性 :5<br />
発 生 毒 性 :5<br />
58)<br />
3 出 生 前 及 び 出 生 後 の 発 生 ならびに 母 体 の 機 能 に 関 する 試 験<br />
ラットを 用 いた 試 験 において、 母 動 物 毒 性 がみられなかった 200mg/kg/ 日 以 上 の 用 量 で F 1 世<br />
代 の 雌 に 交 尾 率 の 低 下 及 びそれに 伴 う 妊 娠 率 の 低 下 が 軽 度 に 認 められたが、 施 設 背 景 値 の<br />
範 囲 内 又 は 背 景 値 をわずかに 下 回 る 程 度 であり、 母 動 物 の AUC が 臨 床 推 奨 用 量 におけるヒ<br />
ト AUC の 14 倍 以 上 に 相 当 する 高 曝 露 量 でのみ 認 められた 所 見 であることから、ヒトへの 外 挿<br />
性 は 低 いと 考 えられた。 母 動 物 及 び 雄 出 生 児 の 無 毒 性 量 における AUC は 臨 床 推 奨 用 量 での<br />
ヒト AUC の 15 倍 、 雌 出 生 児 の 無 毒 性 量 における AUC はヒト AUC の 4 倍 であった。<br />
動 物 種 / 系 統 投 与 経 路 / 投 与 時 期<br />
投 与 量<br />
無 毒 性 量 (mg/kg/ 日 )<br />
(mg/kg/ 日 ) 親 動 物 出 生 児 (F 1 )<br />
一 般 毒 性 :1,000<br />
SD ラット 経 口 / 妊 娠 6 日 ~ 哺 育 20 日 0、25、200、1,000 一 般 毒 性 :1,000 生 殖 毒 性 : 雄 1,000<br />
雌 25<br />
(4)その 他 の 特 殊 毒 性<br />
59)~63)<br />
1 遺 伝 毒 性 試 験<br />
細 菌 を 用 いる 復 帰 突 然 変 異 試 験 及 び、チャイニーズハムスター 卵 巣 細 胞 (CHO)を 用 いる 染<br />
色 体 異 常 試 験 (in vitro 試 験 )、ラット 小 核 試 験 及 び、ラット 1 ヵ 月 間 経 口 投 与 による 末 梢 血 リン<br />
パ 球 染 色 体 異 常 試 験 (in vivo 試 験 )の 結 果 、いずれも 陰 性 であった。これらの 結 果 から、アピ<br />
キサバンは 遺 伝 毒 性 を 有 さないと 結 論 された。<br />
64)、65)<br />
2がん 原 性 試 験<br />
CD-1 マウス 及 び SD ラットを 用 いた 2 年 間 (104 週 間 ) 混 餌 投 与 試 験 の 結 果 、いずれの 動 物 種<br />
でも、 投 与 に 関 連 した 腫 瘍 発 生 は 最 高 用 量 まで 認 められず、アピキサバンにがん 原 性 はない<br />
と 結 論 した。マウスにおける 最 高 用 量 の 1,500mg/kg/ 日 ( 雄 ) 及 び 3,000mg/kg/ 日 ( 雌 )は、 体<br />
重 60kg のヒトにおける 臨 床 推 奨 用 量 のそれぞれ 9,000 及 び 18,000 倍 に 相 当 し、AUC はヒト<br />
AUC のそれぞれ 2 及 び 5 倍 であった。また、ラットにおける 最 高 用 量 の 600mg/kg/ 日 は、 臨 床<br />
推 奨 用 量 の 3,600 倍 に 相 当 し、AUC はヒト AUC の 最 大 11 倍 であった。<br />
- 68 -
3 光 毒 性 試 験<br />
66)<br />
Balb/c 3T3 マウス 線 維 芽 細 胞 を 用 いた in vitro 光 毒 性 試 験 の 結 果 、UVA 照 射 下 及 び 非 照 射<br />
下 で 細 胞 生 存 率 の 減 少 はみられず、アピキサバンは 光 毒 性 を 有 さないと 考 えられた。<br />
4 依 存 性 試 験<br />
中 枢 神 経 系 への 影 響 を 示 唆 する 変 化 がみられず、アピキサバンの 脳 への 移 行 は 低 いことから<br />
実 施 しなかった。<br />
5 抗 原 性 試 験<br />
免 疫 系 への 影 響 を 示 唆 する 変 化 が 認 められなかったことから 実 施 しなかった。<br />
6 局 所 刺 激 性 試 験<br />
臨 床 投 与 経 路 が 経 口 であるため、 局 所 刺 激 性 試 験 は 実 施 しなかった。<br />
- 69 -
Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目<br />
1. 規 制 区 分<br />
製 剤 : 処 方 せん 医 薬 品<br />
注 意 - 医 師 等 の 処 方 せんにより 使 用 すること<br />
有 効 成 分 : 該 当 しない<br />
2. 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限<br />
使 用 期 限 :3 年 ( 使 用 期 限 の 年 月 は 外 箱 に 記 載 されている)<br />
3. 貯 法 ・ 保 存 条 件<br />
貯 法 : 室 温 保 存<br />
4. 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点<br />
(1) 薬 局 での 取 り 扱 いについて<br />
該 当 しない<br />
(2) 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 )<br />
「VIII. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 14. 適 用 上 の 注 意 」 参 照<br />
5. 承 認 条 件 等<br />
該 当 しない<br />
6. 包 装<br />
エリキュース 錠 2.5mg:100 錠 (10 錠 ×10)PTP<br />
140 錠 (14 錠 ×10)PTP<br />
500 錠 瓶 入 り<br />
エリキュース 錠 5mg :100 錠 (10 錠 ×10)PTP<br />
140 錠 (14 錠 ×10)PTP<br />
500 錠 瓶 入 り<br />
7. 容 器 の 材 質<br />
包 装 形 態<br />
ブリスターシート<br />
瓶 (ボトル)<br />
外 箱<br />
材 質<br />
片 面 二 層 フィルム〔ポリ 塩 化 ビニル(PVC)/ポリ 塩 化 ビニリデン(PVDC)〕<br />
片 面 アルミニウム 箔<br />
ボトル: 高 密 度 ポリエチレン(HDPE)<br />
キャップ:ポリプロピレン<br />
紙<br />
- 70 -
8. 同 一 成 分 ・ 同 効 薬<br />
同 効 薬 :ワルファリンカリウム、アスピリン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン 酸 塩 、エドキサバ<br />
ントシル 酸 塩 水 和 物 、リバーロキサバン<br />
9. 国 際 誕 生 年 月 日<br />
2011 年 5 月 18 日 ( 欧 州 連 合 )<br />
【 解 説 】<br />
「 股 関 節 全 置 換 術 、 膝 関 節 全 置 換 術 施 行 患 者 における 静 脈 血 栓 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 (VTEp)」を 適<br />
応 として、 承 認 を 取 得 した。<br />
10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号<br />
販 売 名 製 造 販 売 承 認 年 月 日 承 認 番 号<br />
エリキュース 錠 2.5mg 2012 年 12 月 25 日 22400AMX01496000<br />
エリキュース 錠 5mg 2012 年 12 月 25 日 22400AMX01497000<br />
11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日<br />
販 売 名<br />
エリキュース 錠 2.5mg<br />
エリキュース 錠 5mg<br />
薬 価 基 準 収 載 年 月 日<br />
2013 年 2 月 22 日<br />
2013 年 2 月 22 日<br />
12. 効 能 又 は 効 果 追 加 、 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容<br />
該 当 しない<br />
13. 再 審 査 結 果 、 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容<br />
該 当 しない<br />
14. 再 審 査 期 間<br />
8 年 間 (2012 年 12 月 25 日 ~2020 年 12 月 24 日 )<br />
15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報<br />
本 剤 は 新 医 薬 品 であるため、 厚 生 労 働 省 告 示 第 107 号 ( 平 成 18 年 3 月 6 日 付 )に 基 づき、2014 年<br />
2 月 末 日 までは、1 回 14 日 分 を 限 度 とされている。<br />
- 71 -
16. 各 種 コード<br />
販 売 名<br />
包 装<br />
厚 生 労 働 省 薬 価 基 準<br />
収 載 医 薬 品 コード<br />
HOT(9 桁 ) 番 号<br />
レセプト 電 算 コード<br />
100 錠<br />
(10 錠 ×10)<br />
1222494010101<br />
エ リ キ ュ ー ス 錠<br />
2.5mg<br />
140 錠<br />
(14 錠 ×10)<br />
3339004F1029<br />
1222494010201<br />
622224901<br />
500 錠<br />
( 瓶 )<br />
1222494010301<br />
100 錠<br />
(10 錠 ×10)<br />
1222500010101<br />
エ リ キ ュ ー ス 錠<br />
5mg<br />
140 錠<br />
(14 錠 ×10)<br />
3339004F2025<br />
1222500010201<br />
622225001<br />
500 錠<br />
( 瓶 )<br />
1222500010301<br />
17. 保 険 給 付 上 の 注 意<br />
該 当 しない<br />
- 72 -
ⅩⅠ. 文 献<br />
1. 引 用 文 献<br />
1) 社 内 資 料 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 際 共 同 第 3 相 試 験<br />
(ARISTOTLE 試 験 ):[EQ201231/L20120626026]<br />
2) 社 内 資 料 ワルファリン 不 適 応 な 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるアスピリンを 対 照 とした 国 際 共<br />
同 第 3 相 試 験 (AVERROES 試 験 ):[EQ201239/L20120626028]<br />
3) 社 内 資 料 非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 におけるワルファリンを 対 照 とした 国 内 第 2 相 試 験<br />
(ARISTOTLE-J 試 験 ):[EQ201232/L20120626027]<br />
4) 社 内 資 料 日 本 人 及 び 外 国 人 健 康 成 人 被 験 者 における 単 回 投 与 試 験 :[EQ201208/L20120626006]<br />
5) 社 内 資 料 日 本 人 健 康 成 人 被 験 者 における 反 復 投 与 試 験 :[EQ201209/L20120626007]<br />
6) 社 内 資 料 トロンビン 産 生 に 対 する 作 用 [930028745/L20120626005]<br />
7) 社 内 資 料 [930028744/L20121108011]<br />
8) 社 内 資 料 [930037330/L20121108012]<br />
9)Hemker, H.C., et al.: Pathophysiol Haemost Thromb., 33(1), 4(2003) :[EQA3-0005/L20121009286]<br />
10) 社 内 資 料 血 液 凝 固 に 対 する 作 用 [930028747/L20121217005]<br />
11) 社 内 資 料 血 小 板 凝 集 に 対 する 作 用 [930028741/L20121217006]<br />
12) 社 内 資 料 [930028753/L20121108013]<br />
13) 社 内 資 料 血 栓 及 び 出 血 モデルラットにおける 作 用 [930028752/L20121217007]<br />
14) 社 内 資 料 血 栓 及 び 出 血 モデルウサギにおける 作 用 [930028738/L20121217008]<br />
15) 社 内 資 料 血 栓 及 び 出 血 モデルイヌにおける 作 用 [930028749(amendment 1)/L20121217009]<br />
16) 社 内 資 料 腎 機 能 の 影 響 試 験 :[EQ201222/L20120626009]<br />
17) 社 内 資 料 肝 機 能 の 影 響 試 験 :[EQ201223/L20120626010]<br />
18) 社 内 資 料 年 齢 及 び 性 別 の 影 響 試 験 :[EQ201224/L20120626011]<br />
19) 社 内 資 料 体 重 の 影 響 試 験 :[EQ201225/L20120626012]<br />
20) 社 内 資 料 食 事 の 影 響 試 験 :[EQ201210/L20120626008]<br />
21) 社 内 資 料 ケトコナゾールとの 相 互 作 用 試 験 :[EQ201226/L20121108003]<br />
22) 社 内 資 料 ジルチアゼムとの 相 互 作 用 試 験 :[EQ201227/L20121108008]<br />
23) 社 内 資 料 ナプロキセンとの 相 互 作 用 試 験 :[EQ201228/L20121108009]<br />
24) 社 内 資 料 アピキサバン 静 脈 内 投 与 を 含 むリファンピシンとの 相 互 作 用 :[EQ201211/L20121108004]<br />
25) 社 内 資 料 エノキサパリンとの 相 互 作 用 試 験 :[EQ201229/L20121108005]<br />
26) 社 内 資 料 服 用 忘 れ 及 び 休 薬 時 の 曝 露 量 の 推 定 :[EQ201240/L20121108014]<br />
27) 社 内 資 料 静 脈 内 投 与 試 験 :[EQ201212/L20120626014]<br />
28) 社 内 資 料 マスバランス 試 験 :[EQ201213/L20120626015]<br />
29) 社 内 資 料 ヒトでの 蛋 白 結 合 率 :[EQ201214/L20120626016]<br />
30) 社 内 資 料 局 所 消 化 管 吸 収 試 験 :[EQ201241/L20121108015]<br />
31) 社 内 資 料 [930005742/L20121108016]<br />
32) 社 内 資 料 妊 娠 ラットを 用 いた 組 織 分 布 試 験 :[EQ201202/L20121108006]<br />
- 73 -
33) 社 内 資 料 授 乳 ラットを 用 いた 組 織 分 布 試 験 :[EQ201205/L20121108007]<br />
34) 社 内 資 料 マウスを 用 いた 生 殖 発 生 毒 性 試 験 :[EQ201201/L20121217001]<br />
35) 社 内 資 料 ラットを 用 いた 生 殖 発 生 毒 性 試 験 :[EQ201203/L20121217002]<br />
36) 社 内 資 料 ウサギを 用 いた 生 殖 発 生 毒 性 試 験 :[EQ201204/L20121217003]<br />
37) 社 内 資 料 外 国 人 健 康 成 人 被 験 者 における 活 性 炭 投 与 試 験 :[EQ201206/L20120705001]<br />
38) 社 内 資 料 急 性 冠 症 候 群 患 者 を 対 象 とした 国 際 共 同 第 3 相 試 験 (APPRAISE-2 試 験 ):<br />
[EQ201207/L20121113008]<br />
39) 社 内 資 料 綿 密 な QT 試 験 :[EQ201230/L20121108010]<br />
40) 社 内 資 料 [930002531 /L20121108017]<br />
41) 社 内 資 料 [930002567 /L20121108018]<br />
42) 社 内 資 料 [930015526 /L20121108019]<br />
43) 社 内 資 料 [930036572 /L20121108020]<br />
44) 社 内 資 料 [930036574/L20121108021]<br />
45) 社 内 資 料 [930002541/L20121108022]<br />
46) 社 内 資 料 [930010808/L20121108023]<br />
47) 社 内 資 料 [930002540/L20121108024]<br />
48) 社 内 資 料 [930004221/L20121108025]<br />
49) 社 内 資 料 [930012966/L20121108026]<br />
50) 社 内 資 料 [930002397/L20121108027]<br />
51) 社 内 資 料 [930002410/L20121108028]<br />
52) 社 内 資 料 [930016135/L20121108029]<br />
53) 社 内 資 料 [930015741/L20121108030]<br />
54) 社 内 資 料 [930005268/L20121108031]<br />
55) 社 内 資 料 [930012967/L20121108032]<br />
56) 社 内 資 料 [930016567/L20121108033]<br />
57) 社 内 資 料 [930016662/L20121108034]<br />
58) 社 内 資 料 [930036745/L20121108035]<br />
59) 社 内 資 料 [930002536/L20121108036]<br />
60) 社 内 資 料 [930006384/L20121108037]<br />
61) 社 内 資 料 [930015541/L20121108038]<br />
62) 社 内 資 料 [930002539/L20121108039]<br />
63) 社 内 資 料 [930015561/L20121108040]<br />
64) 社 内 資 料 [930031442/L20121108041]<br />
65) 社 内 資 料 [930031443/L20121108042]<br />
66) 社 内 資 料 [930021524/L20121108043]<br />
2.その 他 の 参 考 文 献<br />
該 当 資 料 なし<br />
- 74 -
ⅩⅡ. 参 考 資 料<br />
1. 主 な 外 国 での 発 売 状 況<br />
アピキサバンは、 海 外 において「 静 脈 血 栓 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 」、「 静 脈 血 栓 塞 栓 症 の 治 療 ( 急 性 深<br />
部 静 脈 血 栓 / 肺 塞 栓 症 )」、「 心 房 細 動 に 伴 う 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 (SPAF)」を 予 定<br />
適 応 症 として、ブリストル・マイヤーズ スクイブ 社 とファイザー 社 によって 共 同 開 発 が 進 められてい<br />
る。<br />
股 関 節 全 置 換 術 、 膝 関 節 全 置 換 術 施 行 患 者 における 静 脈 血 栓 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 (VTEp)の 適 応<br />
については、 欧 州 連 合 (EU)にて、 欧 州 医 薬 品 庁 (EMA)に 対 し 中 央 審 査 方 式 による 承 認 申 請 がなさ<br />
れ、2011 年 5 月 に 承 認 されている。2013 年 2 月 現 在 EU 諸 国 、カナダをはじめとして、20 の 国 と 地<br />
域 で 承 認 されている。<br />
一 方 、SPAF の 適 応 については、 米 国 及 び EU では 2011 年 9 月 に 承 認 申 請 されており、 米 国 におい<br />
ては 2012 年 12 月 、EU においては 2012 年 11 月 に 承 認 を 取 得 した。<br />
EU における 添 付 文 書 内 容<br />
国 名<br />
会 社 名<br />
販 売 名<br />
剤 形 ・ 規 格<br />
承 認 年<br />
欧 州 連 合 (EU)<br />
ブリストル・マイヤーズスクイブ 社 、ファイザー 社<br />
ELIQUIS 2.5mg、5mg フィルムコート 錠<br />
フィルムコート 錠 ・1 錠 中 アピキサバン 2.5mg 及 び 5mg 含 有<br />
2011 年<br />
効 能 又 は 効 果<br />
※<br />
待 機 的 股 関 節 又 は 膝 関 節 置 換 術 後 の 成 人 患 者 における 静 脈 血 栓 塞 栓 症 (VTE)の 予 防 ・<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 に 伴 う 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制<br />
※ 日 本 における「 効 能 又 は 効 果 」は 以 下 の 通 りであり、 日 本 の 承 認 事 項 とは 異 なる。<br />
【 効 能 又 は 効 果 】<br />
非 弁 膜 症 性 心 房 細 動 患 者 における 虚 血 性 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制<br />
- 75 -
2. 海 外 における 臨 床 支 援 情 報<br />
妊 婦 への 投 与 に 関 する 海 外 情 報<br />
分 類 カテゴリー 概 要<br />
[ 英 語 ] [ 日 本 語 ]<br />
オーストラリア C Drugs which, owing to their<br />
pharmacological effects, have<br />
caused or may be suspected of<br />
causing, harmful effects on the<br />
human fetus or neonate without<br />
causing malformations. These<br />
本 邦 における 使 用 上 の 注 意 「 妊<br />
婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与 」<br />
の 項 の 記 載 は 以 下 の 通 りである<br />
が、オーストラリアの 分 類 では<br />
「Category C」に 位 置 付 けられ<br />
ている(2011 年 12 月 )<br />
effects may be reversible.<br />
Accompanying texts should be<br />
consulted for further details.<br />
FDA B There are no adequate and<br />
well-controlled studies of<br />
ELIQUIS in pregnant women.<br />
Treatment is likely to increase<br />
the risk of hemorrhage during<br />
pregnancy and delivery.<br />
ELIQUIS should be used during<br />
pregnancy only if the potential<br />
benefit outweighs the potential<br />
risk to the mother and fetus.<br />
本 邦 における 使 用 上 の 注 意 「 妊<br />
婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与 」<br />
の 項 の 記 載 は 以 下 の 通 りである<br />
が 、 米 国 FDA の 分 類 で は<br />
「Category B」に 位 置 付 けられて<br />
いる(2013 年 2 月 )。<br />
※ 日 本 における 使 用 上 の 注 意 「 妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与 」は 以 下 の 通 りである。<br />
【 使 用 上 の 注 意 】( 抜 粋 )<br />
6. 妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 への 投 与<br />
(1) 妊 婦 又 は 妊 娠 している 可 能 性 のある 婦 人 には、 治 療 上 の 有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 判 断<br />
される 場 合 にのみ 投 与 すること。[ 妊 娠 中 の 投 与 に 関 する 安 全 性 は 確 立 していない。 動 物<br />
実 験 (マウス、ラット 及 びウサギ)で 胎 児 への 移 行 が 認 められている。]<br />
(2) 授 乳 中 の 婦 人 に 投 与 することを 避 け、やむを 得 ず 投 与 する 場 合 には 授 乳 を 中 止 させること。<br />
[ 動 物 実 験 (ラット)で 乳 汁 中 への 移 行 が 認 められている。]<br />
- 76 -
ⅩⅢ. 備 考<br />
その 他 の 関 連 資 料<br />
【 治 療 に 関 するガイドライン】<br />
・ESC Guidelines:http://www.escardio.org/guidelines<br />
・AHA/ASA Science Advisory: http://stroke.ahajournals.org/content/43/12/3442<br />
・ 循 環 器 病 の 診 断 と 治 療 に 関 するガイドライン:http://www.j-circ.or.jp/guideline/index.htm<br />
- 77 -
- 78 -
製 造 販 売 元<br />
ブリストル・マイヤーズ 株 式 会 社<br />
〒163-1328<br />
東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 6-5-1<br />
販 売 提 携<br />
ファイザー 株 式 会 社<br />
〒151-8589<br />
東 京 都 渋 谷 区 代 々 木 3-22-7<br />
資 料 請 求 先<br />
ブリストル・マイヤーズ 株 式 会 社 メディカル 情 報 部<br />
( 住 所 ) 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 6-5-1<br />
(TEL)0120-093-507<br />
ファイザー 株 式 会 社 製 品 情 報 センター<br />
( 住 所 ) 東 京 都 渋 谷 区 代 々 木 3-22-7<br />
(TEL)0120-664-467<br />
2013 年 2 月 作 成<br />
EQ/13-02/0059/15-01<br />
MIF13D002B