なぜ消費者は流行が終わったと感じるのか - C-faculty - 中央大学

なぜ 消 費 者 は 流 行 が 終 わったと 感 じるのか
- 流 行 消 滅 要 因 についての 実 証 分 析 -
Simmel の 提 唱 したトリクルダウン・セオリーが、 現 代 においても 有 用 性 があることを、
実 証 的 に 証 明 することができた。
本 論 には、 以 下 のような 限 界 が 存 在 する。 第 1 に、 調 査 設 計 についてである。 本 論 で
は、 測 定 尺 度 についてすべて 独 自 に 開 発 した。 信 頼 性 分 析 などにより、 一 定 の 基 準 は 満
たしてはいるが、 独 自 の 尺 度 であるため、 更 にプリテストなどを 重 ね 質 問 項 目 の 精 緻 化
の 必 要 性 があると 考 えられる。また、 消 費 者 分 類 についてもサンプル 収 集 の 限 界 があり、
「 流 行 に 敏 感 な 人 / 流 行 に 鈍 感 な 人 」の 2 分 類 しかできなかったことは 悔 やまれる。こ
れについては、より 細 分 化 する 余 地 が 残 されている。
第 2 に、 消 費 者 が 流 行 の 終 わりを 知 覚 する 他 の 要 因 についてである。 本 論 では、3 つ
の 要 因 を 挙 げた。しかし 現 代 社 会 では、メディアという 社 会 的 に 大 きな 影 響 を 与 えると
考 えられる 媒 体 が 発 達 しており、この 要 因 も 考 慮 し 組 み 込 んでいくことは、 今 後 の 研 究
においての 課 題 となる。
しかし、 以 上 の 限 界 を 考 慮 しても、 本 論 が 流 行 の 終 わりのみに 焦 点 を 当 て、 消 費 者 が
流 行 の 終 わりを 知 覚 する 要 因 の 解 明 を 試 みた 数 少 ない 研 究 であるという 点 で、 意 義 のあ
るものと 主 張 できる。
( 記 ) 本 論 の 執 筆 にあたり、 中 央 大 学 商 学 部 久 保 知 一 先 生 、 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 商 学
研 究 科 修 士 課 程 白 石 秀 壽 氏 には、ご 指 導 を 頂 いたことに 厚 く 御 礼 を 申 し 上 げたい。
また、 多 くのご 助 言 を 下 さった 久 保 知 一 研 究 室 の 皆 様 にも、 感 謝 の 意 を 表 する。
参 考 文 献
Aguirre, Benigno E., Enrico L. Quarantelli, & Jorge L. Mendoza (1988), “The Collective
Behavior of Fads: The Characteristics, Effects, and Career of Streaking,” American
Sociological Review, 53(4), pp.569-584.
Blumer, Herbert. (1969), “Fashion: From Class Differentiation to Collective Selection,”
Sociological Quarterly, 10(3), pp.275-291.
Joel, Best (2006), FLAVOR OF THE MONTH Why smart people fall for fads, University of
California Press, 林 大 (2009) 訳 、『なぜ 賢 い 人 も 流 行 にはまるのか』、 白 揚 社 。
加 藤 祥 子 (2003)、「 流 行 の 波 及 と 購 買 態 度 への 影 響 - 消 費 者 の 参 加 を 促 す 2 段 階 プロセ
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川 本 勝 (1981)、『 流 行 の 社 会 心 理 』、 勁 草 書 房 。
King, Charles W. & Lawrence J. Ring (1980), “The Dynamics of Style and Taste Adoption and
Diffusion: Contributions from Fashion Theory,” Advances in Consumer Research, 7,
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