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ONELIFE #37 – Japanese

Land Rover’s Onelife magazine showcases stories from around the world that celebrate inner strength and the drive to go Above and Beyond. For this issue of Onelife we visited Maneybhanjang in the Indian Himalaya, where Land Rover Series Is and IIs rule the roost, we followed the north star to the Land Rover Ice Academy in Arjeplog, Sweden, which offers thrilling ice driving action and bring you the story of outdoorsman Monty Halls and his family who are out with a Discovery for a scenic escape in Ireland.

Land Rover’s Onelife magazine showcases stories from around the world that celebrate inner strength and the drive to go Above and Beyond.

For this issue of Onelife we visited Maneybhanjang in the Indian Himalaya, where Land Rover Series Is and IIs rule the roost, we followed the north star to the Land Rover Ice Academy in Arjeplog, Sweden, which offers thrilling ice driving action and bring you the story of outdoorsman Monty Halls and his family who are out with a Discovery for a scenic escape in Ireland.

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ISSUE 2 2018<br />

はるかなる 里 山<br />

ヒマラヤ 奥 地 の 小 さな 町 に<br />

半 世 紀 も 前 か ら ラ ン ド ロ ー バ ー が 息 づ い て い る


The Pioneers Of High Resolution Audio


EXPERIENCE SOUND<br />

ON THE MOVE<br />

LIKE NEVER BEFORE<br />

We are the pioneers of high resolution audio and proud partners<br />

with Jaguar Land Rover. Our shared passion for quality, luxury and<br />

innovation drives us to create the most immersive sound whilst on<br />

the move. The twists, the turns and the rhythm of the road ahead.<br />

Each album, every song, in authentic and exceptional detail.<br />

meridian-audio.com


ISSUE 2 2018<br />

CONTENTS<br />

08<br />

ランドローバーをめぐる 冒 険<br />

ラ グ ビー のスター 選 手 の 恩 送 り、0 0 7の<br />

新 しい 隠 れ 家 、この 冬 に 身 に 着 けたい 装 備<br />

など 旅 やデザイン、テクノロジーの 最 新 情 報 。<br />

20<br />

山 道 を 楽 に 走 破 する<br />

写 真 家 ・ 登 山 家 のジミー・チンが<br />

レンジローバー PHEVの 快 適 ドライブを 体 験 。<br />

52<br />

思 い 出 を 心 に 刻 む<br />

冒 険 家 の モン ティ・ホールズ 一 家 が<br />

ディスカバリーでアイルランドを 旅 する。<br />

60<br />

北 極 圏 に 魅 せられる<br />

美 しい スウェー デ ン・アリエプ ロ ー グの<br />

ランドローバー・アイスアカデミーで<br />

スリルに 満 ちた 氷 上 ドライブに 挑 む。<br />

Editor in Chief David Barnwell<br />

Senior Editor Sachin Rao<br />

Senior Art Director Dan Delaney<br />

Creative Director Michael Darling<br />

Designer Thomas Saible<br />

Designer David Klingl<br />

Photo Editor Elina Gathof<br />

Production Director Marie Bressem<br />

Account Director Nadja Göricke<br />

Business Director Moray McLaren<br />

Account Manager Adrianna Juraszek<br />

Market and Production Manager<br />

Hannah McDonald<br />

Land Rover Marketing Communications<br />

Senior Manager Ema Forster<br />

Land Rover Marketing Communications<br />

Manager Hannah Dixon<br />

MD Production Unit Dr. Markus Schönmann<br />

28<br />

魔 法 の 国 を 訪 れる<br />

シリーズI、IIが 現 役 で 活 躍 するヒマラヤ 奥 地 、<br />

インドの 町 マネバンジャンの 訪 問 記 。<br />

70<br />

歴 史 がよみがえる<br />

ランドローバークラシックワークスと<br />

70 周 年 限 定 のディフェンダー ワークスV8。<br />

広 告 に 関 するお 問 い 合 わせは 以 下 にご 連 絡 ください。<br />

Katherine Galligan<br />

Katherine@metropolist.co.uk<br />

+44 (0)20 7887 6146<br />

写 真 と 表 紙 : SAM BARKER<br />

40<br />

純 粋 な 喜 びを 目 撃 する<br />

子 供 たちがミニサイズのランドローバーの<br />

驚 くべき 能 力 を 興 奮 のうちに 味 わう。<br />

48<br />

必 要 なことを 理 解 する<br />

世 界 一 過 酷 なマウンテンバイクレース、<br />

ABSAケープエピックに 挑 戦 する 準 備 とは。<br />

76<br />

道 の 先 を 照 らす<br />

かつてなく 鮮 明 に 夜 の 道 を 照 らし 出 す<br />

ピクセルレーザーLEDヘッドライト。<br />

78<br />

沈 思 黙 考 するぜいたく<br />

せわしさが 増 す 現 代 社 会 において、 車 は<br />

落 ち 着 きを 確 保 できる 最 後 の 空 間 なのか?<br />

Vishal Raghuvanshi<br />

Vishal@metropolist.co.uk<br />

+44 (0)20 7887 6147<br />

ランドローバー の『<strong>ONELIFE</strong>』マ ガ ジ ン は 、Land Rover<br />

(Abbey Road, Whitley, Coventry CV3 4LF)の 代 理 とし<br />

て、Spark44 Ltd.(The White Collar Factory, 1 Old Street<br />

Yard, London EC1Y 8AF)が 発 行 しています。Copyright<br />

Spark44 Ltd. 2018. All rights reserved 2018. 出 版 社 の<br />

書 面 による 許 可 なく 全 体 、または 一 部 を 複 製 することは 禁 止<br />

されています。 本 誌 に 表 明 されている 意 見 などはランドロー<br />

バーのものではなく、 執 筆 者 のものとなります。『<strong>ONELIFE</strong>』<br />

マガジンに 掲 載 のコンテンツ 作 成 にあたっては 万 全 を 期 して<br />

いますが、 仕 様 、 機 能 、 装 備 が 変 更 される 場 合 や 国 によって 異<br />

なる 場 合 があります。 立 ち 入 りが 制 限 されている 区 域 でのビ<br />

デオや 写 真 の 撮 影 にあたっては 必 要 な 許 可 を 得 た 上 で 行 われ<br />

ています。また 記 載 の 情 報 は 印 刷 時 において 最 新 のものとな<br />

ります。ランドローバーの 車 両 についてのお 問 い 合 わせは、お<br />

近 くのランドローバー 正 規 ディーラーにお 願 いします。 本 誌 で<br />

は、 正 規 の 手 続 きを 踏 まない 原 稿 、 写 真 、イラストなどは 受 け<br />

付 けておりません。またそれらに 対 して 一 切 の 責 任 を 負 いか<br />

ねます。 安 全 運 転 を 心 がけましょう。<br />

本 誌 に 関 するご 質 問 やご 意 見 はeメールでお 寄 せください:<br />

<strong>ONELIFE</strong>@Spark44.com<br />

5


THE NEW LAND ROVER<br />

COLLECTION.<br />

新 しい 時 を 見 つける<br />

すべての 瞬 間 を 楽 しむために。ランドローバー 独 自 のウォッチコレクションはクラシックな<br />

時 計 から 一 歩 踏 み 出 しました。スタイリッシュ、 高 精 度 、 比 類 のない 耐 久 性 。<br />

ランドローバーエンジニアリングの 精 密 さをいつも 片 腕 に。<br />

お 近 くのジャガー. ランドローバー 販 売 店 にお 問 い 合 わせいただくか、shop.landrover.com で 全 コレクシ<br />

ョンをご 覧 ください


ON A PERSONAL NOTE<br />

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7


デザイン トラベル テクノロジー インサイト ニュース<br />

01<br />

ニュース<br />

N A V I G A T O R<br />

S P E C I A L<br />

D E L I V E R Y<br />

南 アフリカの 小 さな 町 にある<br />

ラグビーのクラブユースに、<br />

ある 人 物 がサプライズで 訪 れた。<br />

何 が 起 きようとしているのか、<br />

そのとき、ほとんどの 人 は<br />

知 る 由 もなかった。<br />

8


写 真 : ROB TILL<br />

9


N A V I G A T O R<br />

「この 町 に 住 む 子 供 たちには3つの 選 択 肢 がある。<br />

ギャングになるか、 酒 に 溺 れるか、ラグビーに 打 ち 込<br />

むかです」。 南 アフリカ 共 和 国 ポート・エリザベスのズ<br />

ウィデでこう 語 るのは 地 元 のヒーロー、シヤ・コリシ。<br />

スプリングボックスの 愛 称 で 知 られる 同 国 ラグビー 代<br />

表 チームのキャプテンだ。<br />

スポーツの 本 質 的 な 喜 びに 満 ちたラグビーが、 東<br />

ケープ 州 にあるこの 町 では 救 済 の 手 段 にもなっている。<br />

「ラグビーは 命 を 救 う。ここでは 自 明 のことです」とコ<br />

リシ。 彼 は 今 、ディスカバリーを 運 転 して、 子 供 時 代<br />

に 所 属 したクラブ、アフリカン・ボマーズに 向 かってい<br />

る。けん 引 しているのはとても 特 別 な 貨 物 だ。<br />

コリシは 現 在 、 代 表 チームでキャプテンを 務 めてい<br />

る。 黒 人 選 手 として 初 のことでもある。 貧 困 や 社 会<br />

不 安 のあるズウィデの 厳 しい 環 境 に 打 ち 勝 ち、チャン<br />

スも 限 られているなか、アフリカン・ボマーズで 並 外<br />

れた 才 能 を 発 揮 した。 若 いフランカーとして 注 目 を 集<br />

めた 彼 は、 長 年 の 覇 者 である 名 門 グレー 高 校 に 奨 学<br />

生 として 入 学 し、 第 一 選 抜 チームに。その 後 、ケープ<br />

・タウンのチーム、ストーマーズでキャプテンとなり、<br />

今 年 はスプリングボックスでキャプテンを 務 めている。<br />

このすべてを26 歳 までに 成 し 遂 げた。<br />

勇 敢 で 機 知 に 富 み、 粘 り 強 く、スタイルを 確 立 して<br />

いる。コリシがランドローバーのブランドアンバサダー<br />

にまでなったのもうなずける。これは 強 力 な 相 乗 効 果<br />

を 持 つパートナーシップだ。ランドローバーは、ラグ<br />

ビーを 市 民 レベルからエリート 選 手 まで20 年 にわたっ<br />

て 支 援 してきており、2011 年 と2015 年 のラグビーワー<br />

ルドカップではワールドワイドパートナーでもあった。<br />

2019 年 に 日 本 で 開 催 されるラグビーワールドカップで<br />

は、3 回 目 となるメインパートナーとして 戻 ってくる。<br />

ランドローバーとコリシのパートナーシップを 通 して、<br />

あるアイデアが 生 まれた。コリシが 特 別 仕 様 の 輸 送 コ<br />

ンテナにラグビーのクラブハウス 一 式 を 詰 め 込 み、そ<br />

れをランドローバーでけん 引 してズウィデに 戻 り、この<br />

設 備 をアフリカン・ボマーズに 贈 呈 するという 計 画 だ。<br />

これは 草 の 根 ラグビーと、 地 元 のクラブとのコミュニ<br />

ティを 維 持 しようと 努 力 しているボランティアたちに 対<br />

する、コリシとランドローバーの 感 謝 の 表 れなのだ。<br />

数 ヵ 月 間 にわたって、ランドローバーは 入 念 に 輸 送<br />

コンテナを 再 加 工 し、ズウィデの 競 技 場 にない 器 具<br />

や 設 備 をすべて 詰 め 込 んだ。 太 陽 光 発 電 、オフィス<br />

スペース、 作 戦 ボード、ベンチ、タックルバッグ、ボー<br />

ル、ビブス、シャツ、キックティー、 給 水 ボトル、 更<br />

衣 室 など。このクラブハウスとコーチたちが、 地 域 コ<br />

ミュニティの 社 会 的 安 定 剤 の 役 割 を 果 たすことになる。<br />

そこは、 若 い 選 手 たちがラックやモールのコツと 同 じ<br />

くらい 道 徳 的 指 導 やキャリアに 関 する 助 言 を 求 める 場<br />

所 だ。より 多 くの 若 者 をクラブでのトレーニングセッ<br />

ションに 引 き 付 け、 希 望 ある 人 生 のスタートを 切 れる<br />

ようにすることが、この 贈 り 物 の 目 的 である。<br />

ジグソーパズルの 最 後 のピースは、コリシが 目 的 地<br />

にコンテナを 届 けること。ディスカバリーの 優 れたけ<br />

ん 引 能 力 とアドバンスドトウアシストを 用 いて、ポー<br />

ト・エリザベス 南 部 から 海 岸 沿 いに 走 る。ズウィデの<br />

競 技 場 で 平 日 のトレーニングが 行 われている 最 中 に、<br />

予 告 なしに 到 着 すると、コリシと 謎 めいたトレーラー<br />

はすぐに 興 奮 を 巻 き 起 こした。コリシはアフリカン・<br />

ボマーズが 経 営 するさまざまな 男 女 ジュニアチームの<br />

選 手 たちに 取 り 囲 まれ、 自 然 と 始 まった 歓 迎 の 歌 の 輪<br />

に 加 わる。 夕 暮 れの 中 、 拍 手 、 歌 、 口 笛 、 喝 采 が 続<br />

いた。<br />

この 興 奮 が 人 を 呼 び 寄 せ、コンテナの 扉 がいよいよ<br />

開 かれるというときには、 町 の 住 民 全 員 が 集 まったか<br />

と 思 うほどだった。けん 引 可 能 なラグビー 施 設 の 全 貌<br />

が 明 らかになると、 辺 りはすぐさまお 祭 り 騒 ぎとなっ<br />

た。 子 どもたちはすぐにタックルバッグを 使 い 始 め、<br />

誇 らしげにシャツを 身 に 着 け、ボールを 投 げ 合 う。 競<br />

技 場 のあちこちでミニ 試 合 が 始 まる。コリシはその 様<br />

子 を 目 を 細 めて 眺 めながらこう 言 う。「 前 に 進 むなら、<br />

できるだけ 多 くの 人 を 一 緒 に 連 れていきたいですね」。<br />

ディスカバリーはサバンナの 中 で 輸 送 コンテナをけ<br />

ん 引 する 能 力 を 証 明 し、コリシはキャリアの 基 盤 を 築<br />

いたクラブに 対 する 愛 情 を 示 した。 伝 説 は、 永 遠 に<br />

自 らのルーツに 忠 実 であり 続 ける。<br />

動 画 を 見 る クラブハウスが 届 けられた 様 子 は<br />

「 Siya Kolisi and Land Rover」で 検 索 。<br />

10


シヤ・コリシの 突 然 の<br />

ズウィデ 訪 問 で 競 技 場 はたちまち<br />

喜 びであふれ、 子 供 たちは<br />

新 しい 設 備 をすぐに 使 い 始 めた。<br />

11


02<br />

インサイト<br />

ジェームズ・ボンドとランドローバーのタッグを<br />

がっつりと 感 じられる 新 しいインスタレーション 施 設<br />

「007エレメンツ」がオーストリアのアルプスに 登 場 。<br />

映 画 「007」シリーズの 世 界 にどっぷり 浸 かろう。<br />

12


N A V I G A T O R<br />

BONDING WITH<br />

THE ELEMENTS<br />

2015 年 の 映 画 『007 スペクター』でダニエル・クレイグ 扮 する 上 品 なスパイ、<br />

ジェームズ・ボンドがアルプス 山 頂 ホフラー・クリニックに 佇 む 美 しいガラス 張 りの 建<br />

物 に 到 着 した 後 、やや 派 手 なアクションシーンを 熱 演 した。 覚 えているだろうか。ボン<br />

ドはいつもながら 空 中 での 撃 ち 合 いに 巻 き 込 まれ、 自 らが 乗 った 航 空 機 は 森 の 中 に 墜<br />

落 。 木 造 の 別 荘 を 破 壊 しながら、 超 タフなランドローバー ディフェンダーと 真 っ 黒 な<br />

レンジローバー スポーツ SVRを 複 数 台 操 る 悪 人 たちの 行 く 手 を 阻 む。<br />

あの 見 事 なスタントシーンが 今 、ロケ 地 となった 標 高 3,050メートルのガイスラッ<br />

ハコーゲル 山 頂 の 永 久 凍 土 層 を 背 景 に 不 滅 のものになった。オーストリア・チロル 州<br />

の 渓 谷 の 町 、ゼルデンにあるこの 建 物 を 常 設 展 示 施 設 「007エレメンツ」としてオー<br />

プンし、50 年 以 上 にわたって 不 動 の 人 気 を 誇 る『007』の 印 象 的 なシーンを 再 体 験 で<br />

きるようになったのだ。デザインは 建 築 家 ヨハン・オーバーモーザー。『007』に 登 場<br />

する 悪 人 の 秘 密 基 地 のような 趣 で、 謎 めいたアンビエント 照 明 に 包 まれている。 映 画<br />

からインスピレーションを 受 けたインタラクティブな 体 験 は、『007』シリーズの『スペ<br />

クター』『スカイフォール』『 慰 めの 報 酬 』『カジノ・ロワイヤル』でアートディレクター<br />

を 務 めたニール・キャロウが 監 修 した。<br />

展 示 には『007』シリーズの 製 作 会 社 であるイオン・プロダクション、 配 給 権 を 所 有<br />

するMGM、ゼルデンのケーブルカー 会 社 、そして「007エレメンツ」のオフィシャル<br />

パートナーであるジャガー・ランドローバーが 協 力 。ボンドファンがスキー 旅 行 で「 必<br />

ず 訪 れるべき 場 所 リスト」の 上 位 に 入 るようになるだろう。 真 っ 黒 なレンジローバーや<br />

ほかのボンドカーの 製 作 秘 話 に 興 味 があるなら、「テックラボ」と「アクションホール」<br />

は 見 逃 せない。 手 に 汗 握 る『スペクター』のチェイスシーンがどのように 撮 影 されたか<br />

など、 製 作 の 舞 台 裏 を 垣 間 見 ることもできる。ボンドが 好 む「ステアでなくシェイク」<br />

したマティーニというよりも、 心 地 よいステアを 体 験 できるに 違 いない。<br />

読 者 特 典 「<strong>ONELIFE</strong>」 読 者 は「007エレメンツ」の 入 場 料 が 特 別 に15% 割 引 になる。<br />

予 約 内 容 に「JAGUARLANDROVER」と 明 記 してメールで 連 絡 を:<br />

007elements@soelden.com( 英 語 のみ)<br />

写 真 : KRISTOPHER GRUNERT<br />

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03<br />

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01 02 03<br />

06<br />

04<br />

05<br />

07 08<br />

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T O P<br />

GEAR<br />

09 10<br />

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shop.landrover.com<br />

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N A V I G A T O R<br />

10<br />

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www.relags.com<br />

11<br />

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edelrid.com<br />

12<br />

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stanley-pmi.com<br />

01<br />

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arcteryx.com<br />

musto.com<br />

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02<br />

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14<br />

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petzl.com<br />

icebreaker.com<br />

03<br />

15<br />

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platy.com<br />

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shop.landrover.com<br />

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04<br />

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oakley.com<br />

norrona.com<br />

17<br />

05<br />

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shop.landrover.com<br />

mammut.com<br />

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06<br />

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19 20<br />

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findmespot.com<br />

blackdiamond<br />

equipment.com<br />

07<br />

19<br />

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JENS UTZT/BRANDL-UTZT<br />

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haglofs.com<br />

08<br />

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fjallraven.com<br />

09<br />

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norrona.com<br />

shop.landrover.com<br />

20<br />

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hanwag.com<br />

21 <br />

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petzl.com<br />

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N A V I G A T O R<br />

04<br />

テ クノ ロ ジ ー<br />

完 璧 な ペ ン<br />

MADE OF ALL<br />

THE WRITE STUFF<br />

「ペンは 剣 よりも 強 し」というが、まさに 今 、その 通 りのペン「Above and Beyond Pen by<br />

Land Rover」が 登 場 した。このペンは “アイコニックで 耐 久 性 があり、 真 に 能 力 が 高 い” というラン<br />

ドローバーの 特 長 をそのまま 反 映 している。 技 術 者 たちはプロトタイプを 数 々の 拷 問 にさらして 耐 久 性<br />

を 試 した。 氷 の 中 で 凍 らせる、 水 に 沈 める、さらにはランドローバーでその 上 を 走 るといったテストを<br />

行 ったが、 精 密 加 工 された 航 空 機 級 のアルマイト 処 理 アルミニウムボディのおかげで、このペンは 事<br />

実 上 無 傷 で 完 璧 に 機 能 した。 耐 衝 撃 性 のゴム 製 先 端 キャップは、 落 としたときの 損 傷 を 最 小 化 する。<br />

また、 先 が 細 くなっているので 緊 急 時 にガラスを 壊 すのにも 便 利 だ。どんな 角 度 でも、 水 の 中 でも、<br />

油 の 上 でも、 極 端 な 温 度 下 でも、 無 重 力 状 態 でさえも 書 くことができる。つまりほかの 人 たちがお 手<br />

上 げの 状 況 でもしっかり 役 目 を 果 たすのだ。フィールドノートの 完 璧 なパートナーになるだろう。<br />

「Above and Beyond Pen by Land Rover」で 検 索 して、テストの 様 子 を 動 画 でチェック<br />

注 文 はお 近 くの 取 扱 店 か 右 記 オンラインショップで:shop.landrover.com( 英 語 のみ)<br />

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美 の 頂 点 を 極 めたヴェラール<br />

VELAR TAKES<br />

DESIGN CROWN<br />

05<br />

デザイン<br />

2017 年 3 月 のお 披 露 目 以 来 、レンジローバー ヴェラールは 驚 くほ<br />

どの 斬 新 さで 世 界 中 のメディアをにぎわせている。 中 でも、これまで<br />

でおそらく 最 も 重 要 な 成 果 は 2018 年 の「ワールド・カー・デザイン・<br />

オブ・ザ・イヤー」を 受 賞 したことだろう。<br />

ローンチの 舞 台 に 選 ばれたのは、 新 しくオープンした1 万 平 方 メート<br />

ルものロンドンのデザインミュージアム。 洗 練 されたヴェラールにとっ<br />

て、 実 にふさわしい 場 所 である。 発 売 直 後 から、デザインと 技 術 の 両<br />

面 について、 一 般 の 方 はもとより 批 評 家 からも 大 きく 評 価 されたが、<br />

時 を 経 ずして 同 賞 の5 候 補 の 一 つに 選 ばれた。 選 考 に 残 るには、メ<br />

ディア、 学 界 、カーデザイン 業 界 における 世 界 的 なデザインエキスパー<br />

ト 6 名 から 成 る 審 査 委 員 会 の 推 薦 がなくてはならない。その 後 、25<br />

カ 国 を 含 む 世 界 で 最 も 影 響 力 のある82 名 の 自 動 車 評 論 家 が 投 票 し、<br />

2018 年 3 月 に 開 催 されたニューヨーク 国 際 オートショーの 中 で、ヴェ<br />

ラールが 最 高 のデザインであると 発 表 された。<br />

ランドローバーのチーフデザインオフィサー、ジェリー・マクガバン<br />

はこう 語 った。「デザイナーとエンジニアの 不 断 の 努 力 が 評 価 されたこ<br />

とは 光 栄 です。デザイン、テクノロジー、イノベーションを 統 合 するこ<br />

とで、 誕 生 の 瞬 間 から 人 を 惹 きつける 車 になるよう 意 図 しました。ヴェ<br />

ラールは、レンジローバーファミリーにおいて 現 代 的 であるとはどうい<br />

う こ と か を 提 案 して い ま す」。<br />

1960 年 代 後 半 に 登 場 したレンジローバーのコンセプトカーから 名<br />

前 を 受 け 継 いだヴェラールは、レンジローバー イヴォークとレンジロー<br />

バー スポーツの 間 を 埋 めるモデルだ。 一 目 でレンジローバーだと 分 か<br />

る 見 事 なプロポーションを 持 つ 一 方 、ラインを 最 小 限 に 抑 えた 流 麗 な<br />

低 いシルエットは、マクガバンのモダニズム 哲 学 に 忠 実 に 従 ったもの。<br />

ドア 本 体 に 埋 め 込 まれたフラッシュドアハンドルから、さりげない 銅<br />

色 のアクセント、 洗 練 を 感 じさせる 仕 上 げまで、そのデザインによって<br />

すぐに 見 分 けがつくようになっている。「レス・イズ・モア(より 少 ない<br />

ほど 豊 か)」というモダニズムの 手 法 は 内 装 にまで 行 き 渡 り、 点 灯 す<br />

るまで 見 えないスイッチという 独 自 の 技 術 、 高 度 な 精 密 加 工 、 最 高 級<br />

品 質 の 素 材 とフィニッシュによって 巧 みに 実 現 されている。こうした<br />

ディテールへのこだわりと 調 和 への 注 力 こそ、マクガバンの 言 う「 心 が<br />

落 ち 着 く 聖 域 と 呼 ぶべきインテリア 環 境 」が 実 現 されているゆえんだ。<br />

インテリアにはもう 一 つ、 自 動 車 業 界 初 の 特 長 がある。デンマーク<br />

の 高 級 家 具 専 門 メーカー、クヴァドラとのコラボレーションである。<br />

ランドローバーは 量 産 モデルのファブ<br />

リック 製 作 に 高 級 家 具 メーカーと 提 携<br />

した 初 の 自 動 車 メーカーとなり、ラグ<br />

レンジローバー ヴェラール<br />

ジュアリーの 新 たな 形 を 提 示 して 自 動<br />

ワールド・カー・デ ザイン・オ<br />

車 業 界 に 新 風 を 吹 き 込 んでいる。<br />

ブ・ザ・イヤー 2018<br />

17


N A V I G A T O R<br />

06<br />

テ クノ ロ ジ ー<br />

最 強 の 通 信 能 力<br />

ROAM<br />

FREE<br />

旅 行 やライフスタイルを 専 門 とした 受 賞 歴 もあるウェールズ 人 写<br />

真 家 、フィン・ビールスは、 仕 事 中 にインターネット 接 続 を 保 つのが<br />

どれだけ 難 しくなり 得 るかを 誰 よりもよく 知 っている。 印 象 的 な 車 の<br />

ワンシーンや 秘 境 の 撮 影 まで、 人 はもとより 携 帯 電 話 会 社 の 基 地 局<br />

が 入 り 込 みづらい 場 所 に 足 を 踏 み 入 れる 機 会 が 多 いからだ。<br />

「 特 に 携 帯 が 圏 外 になったり 基 地 局 から 遠 かったりすると、インター<br />

ネットに 接 続 したままでいるのはとても 困 難 」と 語 るビールスのイン<br />

スタグラムのアカウント「@finn」は、50 万 人 以 上 にフォローされて<br />

いる。 冒 険 を 撮 影 することも 多 い 彼 はこう 続 ける。「 撮 影 機 材 の 多 く<br />

は 注 意 を 向 けていないといけないものだから、できれば 携 帯 電 話 の<br />

こ と は 心 配 し な くて 済 む 状 態 で い ら れ る と あ り が た い ね 」。<br />

ビールスのように、どんな 場 所 にいても 携 帯 電 話 が 繋 がっていて<br />

ほしいと 願 う 人 々に 満 足 してもらうため、ランドローバーは 携 帯 電 話<br />

メーカーのブリットと 提 携 し、 新 しい 携 帯 電 話 を 誕 生 させた。その<br />

名 も「ランドローバー・エクスプロール」だ。<br />

このAndroidスマートフォンは、 明 るい 日 差 しの 下 でも 読 みやす<br />

い 5 インチ HD スクリーンを 備 え、 平 均 的 な 使 用 方 法 で 2 日 持 つ<br />

4,000mAhの 大 容 量 バッテリーを 搭 載 。 追 加 機 能 のアドベンチャー<br />

パックを 使 用 すれば、バッテリー 容 量 は 倍 近 くなり、GPSの 正 確 さ<br />

はパッチアンテナによって 格 段 に 向 上 する。<br />

さらにランドローバー・エクスプロールは 便 利 な 機 能 を 満 載 してい<br />

る。 例 えば2つの 通 信 網 を 使 用 できるデュアル SIM 機 能 や、 旅 行 中<br />

に 現 地 の 目 印 を 特 定 するのに 役 立 つグレードの 高 い 地 形 図 だ。 後 者<br />

は Skyline(スカイライン)のAR( 拡 張 現 実 ) 技 術 を 使 用 したものである。<br />

そして 悪 天 候 や 厳 しい 環 境 下 でずば 抜 けた 耐 久 性 を 発 揮 する、ラ<br />

ンドローバーのデザインからインスピレーションを 受 けた IP68 準 拠<br />

のケース。1メートルの 水 深 に 最 大 1 時 間 耐 える 防 水 性 を 実 現 した。<br />

極 端 な 気 温 でも 機 能 し、 砂 塵 と 湿 度 からも 保 護 された、 本 当 に 頑 丈<br />

で 頼 れるデバイスなのだ。ビールスは 言 う。「 特 にランドローバーの<br />

撮 影 のときは 氷 点 下 になったり 濡 れたり、 暗 闇 だったりと 撮 影 条 件<br />

が 厳 しいことが 多 い。 手 が 濡 れていたり 手 袋 をはめていたりしても、<br />

問 題 な く 使 え る か ら 最 高 な ん だ 」。<br />

ランドローバー・エクスプロールという 優 れたスマートフォンを 装<br />

備 することで、ビールスは 冒 険 を 途 中 で 切 り 上 げることもなく 最 も 得<br />

意 なことに 集 中 できる。それによって58 万 4,000 人 のファンに 喜 び<br />

がもたらされるのだ。<br />

詳 細 はこちら ソーシャルメディアで「#LandRoverExplore」と 検 索 し<br />

てランドローバー・エクスプロールの 情 報 をチェック。さらなる 詳 細 や<br />

注 文 はウェブサイトで:landroverexplore.com( 英 語 のみ)<br />

写 真 : FINN BEALES<br />

18


www.icandyworld.com


PEAK PERFORMANCE<br />

C L I M B<br />

E V E R Y<br />

M O U N T A I N<br />

文 : B E N O L I V E R 写 真 : B R I T T A N Y M U M M A<br />

20


どこにでも 行 ける 走 破 性 、そして<br />

ハイブリッドならではの 高 い 静 粛 性 。<br />

新 型 レンジローバー PHEV は<br />

登 山 家 であり 写 真 家 でもある<br />

ジミー・チンにとって 理 想 の 相 棒 だ。<br />

冬 のジャクソン・ホールで 外 に 一 晩 駐 車 する 場 合 、 車 は 厳 し<br />

い 寒 さに 耐 えることになる。ジミー・チンが 新 型 レンジローバー<br />

PHEV(プラグインハイブリッドカー)を 試 すにあたって、 単 純<br />

に 自 宅 エリアを 選 んだのはそのためだ。 彼 の 場 合 、わざわざ 試<br />

験 条 件 を 見 つける 必 要 はなかった。 登 山 家 、スキーのプロとし<br />

てこの 町 を 愛 しているジミーは、 同 時 に 写 真 家 であり、アカデ<br />

ミー 賞 にノミネートされた 映 画 製 作 者 でもある。<br />

米 国 ワイオミング 州 にあるこの 町 は、スキー・リゾートである。<br />

ジミーはここで 暮 らし、 冒 険 の 合 間 にトレーニングをする。「こ<br />

この 全 天 候 に 対 応 できる 車 を 所 有 できているというのは 本 当 に<br />

ありがたいね。 天 気 がガラリと 変 わることもあるから」。<br />

普 段 と 異 なる 環 境 に 身 を 置 くことには 慣 れている。 大 学 卒 業<br />

後 、 登 山 に 夢 中 だった 彼 は、ヨセミテ 国 立 公 園 で 車 に 泊 まって<br />

過 ごした。 毎 日 登 山 ができるように。その 様 子 を 記 録 するため<br />

に、 写 真 家 、 映 画 製 作 者 としての 輝 かしいキャリアが 派 生 した<br />

ことは 予 期 せぬ 展 開 だった。<br />

卒 業 後 まもなく、 登 山 仲 間 と 一 緒 にヨセミテの 有 名 な 花 崗 岩<br />

の 一 枚 岩 、エル・キャピタンの 900メートルの 絶 壁 を 登 り、ぶ<br />

ら 下 がって 野 営 をしている 様 子 を 仲 間 のカメラで 撮 った。その<br />

写 真 は500ドルで 売 れ、 売 り 上 げを 二 人 で 分 けた 後 、ジミーは<br />

そのお 金 で 自 分 のカメラを 購 入 した。<br />

21


PEAK PERFORMANCE<br />

「 僕 は 視 覚 型 の 人 間 だから<br />

機 能 にデザインが 伴 うのは 嬉 しい」<br />

岩 と 雪 の 上 で 俊 敏 に 動 くことのできるジミーは 視 力 も 抜 群<br />

だった。 地 球 で 最 も 過 酷 な 環 境 で 撮 影 された 写 真 は、すぐに<br />

ナショナルジオグラフィック 誌 に 掲 載 されるようになった。<br />

2006 年 、ジミーはエベレストに 登 頂 しただけでなく、そこか<br />

らスキーで 下 山 する 初 の 米 国 遠 征 チームのメンバーとなった。<br />

2011 年 には、ガルワール・ヒマラヤの「シャークスフィン(サ<br />

メのヒレ)」と 呼 ばれるメルー 中 央 峰 を 初 登 頂 。その 体 験 を 記<br />

録 した『メルー』は2015 年 のサンダンス 映 画 祭 で 観 客 賞 を 受<br />

賞 し、アカデミー 賞 にもノミネートされた。<br />

ジミーがランドローバーを 好 むのも 無 理 はない。1948 年 以<br />

来 、 冒 険 家 たちが 選 んできた 車 だ。グローバル 企 業 の 広 告 写 真<br />

に 時 として 採 用 される 彼 の 作 品 は 賞 を 受 賞 したこともあり、 作<br />

品 にはランドローバーが 登 場 することもある。<br />

未 来 を 見 据 えた 挑 戦<br />

レンジローバーはランドローバーの 中 でも 高 級 感 を 極 めたモ<br />

デルではあるが、 冒 険 家 の 精 神 も 秘 めている。1972 年 にはパ<br />

ナマの 悪 名 高 いダリエンギャップを 初 めて 走 破 し、その 2 年 後<br />

にはサハラ 砂 漠 を 横 切 る1 万 2,000キロの 過 酷 なルートを 完 走<br />

した。レンジローバーは 常 にイノベーターでもある。 世 界 初 の<br />

ラグジュアリー SUV であり、アンチロックブレーキとオールア<br />

ルミニウム 製 モノコックボディを 採 用 した 初 の SUV だった。<br />

革 新 は 最 新 モデルでさらに 先 へと 進 む。レンジローバー<br />

PHEV はパワフルながらコンパクトなリチウムイオンバッテリー<br />

をラゲッジスペースのフロア 下 に 搭 載 し、 充 電 ポートをフロント<br />

グリルに 一 体 化 させている。85kWの 電 動 モーターは 軽 量 で<br />

効 率 性 の 高 い 2.0 リッターガソリンエンジンと 組 み 合 わさり、 最<br />

高 出 力 404PSを 発 揮 。これにより、0-100km/h 加 速 はわず<br />

か 6.8 秒 、 最 高 速 度 は 時 速 220 キロに 達 する。<br />

電 動 モーターのみで 走 るときは、ほぼ 無 音 であるため、じつ<br />

に 軽 快 だ。フル EVモードでの 航 続 距 離 は 最 大 51キロ *。パ<br />

ワートレインの 電 動 化 によって、レンジローバーの 環 境 パフォー<br />

マンスも 変 化 している。 燃 料 消 費 量 は 最 大 91MPG、CO2 排 出<br />

量 はわずか 72g/ k m* * からで、 高 級 SU V としては 驚 くべき 数 値<br />

だ。また 美 しくもはかない 環 境 の 現 実 を 記 録 し、 環 境 保 護 運 動<br />

を 進 めるジミーにとって、これは 心 に 響 く 点 でもある。<br />

ジミーのドライブにはランドローバーのエンジニア、ダン・<br />

フックが 同 伴 し、ドライビングモードをどのように 設 定 すると<br />

このパワートレインの 環 境 面 での 利 点 を 最 大 限 に 生 かせるかを<br />

説 明 した。EVモードでは、 可 能 な 限 りフル EV で 走 行 する。<br />

ジャクソン・ホールの 歴 史 ある 中 心 部 で CO2 排 出 量 を 抑 えるの<br />

に 理 想 的 だ。 一 方 、セーブ 機 能 を 選 ぶと、 一 般 道 ではガソリン<br />

エンジンを 使 用 して、 街 中 で EV 走 行 できるようにバッテリー 消<br />

費 を 抑 えることができる。<br />

エネルギー 最 適 化 予 測 (PEO) 機 能 では、ナビゲーションシ<br />

ステムのルートに 従 うとき、 充 電 を 使 用 または 回 生 するのに 最<br />

適 な 場 所 を 自 動 で 計 算 し、 最 高 の 燃 費 を 実 現 する。これもジャ<br />

クソン・ホール 周 辺 の 山 道 を 走 るのにピッタリの 機 能 だ。<br />

ジミーにはもう 一 つ 知 りたいことがあった。 自 宅 周 りの 山 で<br />

登 山 やスキーをする、あるいはトレーニングやインスピレーショ<br />

ン 探 しをするときに 膨 大 な 装 備 を 運 ぶので、プラグインハイブ<br />

リッドのパワートレインがレンジローバー PHEVの 実 用 性 に 影<br />

響 を 与 えていないかが 重 要 だったのだ。この 点 についてダンが<br />

説 明 する。「バッテリーは 車 の 使 い 方 に 影 響 を 与 えないように 搭<br />

載 されているから、これまでと 変 わらず 後 部 に 荷 物 ケースやス<br />

キーを 置 ける。ライフスタイルを 変 える 必 要 はないんだ」。<br />

カーブを 描 く 山 道 にジミーが 向 かうと、まるでタイミングを<br />

見 計 らったかのように 雪 が 降 り 始 めた。ジャクソン・ホールは<br />

例 年 1.7メートルの 積 雪 がある。しかし 多 くの 困 難 を 切 り 抜 け、<br />

危 険 な「 初 登 頂 」をこなしてきた 男 を 心 配 させるものは 何 もな<br />

い。この 点 についてはレンジローバー PHEVも 同 じ。すべての<br />

レンジローバー 同 様 、あらゆる 困 難 な 地 形 を 走 破 する 能 力 を 十<br />

分 に 備 えているのだから。<br />

「 運 転 していて 本 当 に 安 全 な 車 だと 感 じる。それは 僕 にとって<br />

重 要 なことだし、 家 族 のためにも 素 晴 らしいことだね。それに<br />

僕 は 視 覚 型 の 人 間 で 構 図 が 常 に 気 になるから、 機 能 にデザイン<br />

が 伴 うのは 嬉 しい。このレンジローバーはその 2 つを 見 事 に 融<br />

合 させていると 思 う」とジミー。どうやら 次 の 冒 険 の 完 璧 なパー<br />

トナーを 見 つけたようだ。<br />

* EVシリーズの 数 値 は 量 産 車 による 標 準 化 ルート 走 行 に 基 づきます。 車 両 とバッテリーの<br />

状 態 、 実 ルート、 環 境 、 運 転 方 法 によって 数 値 は 変 化 します。** 欧 州 参 考 値 であり、 実 際<br />

の 数 値 とは 異 なります。<br />

写 真 : ERIC L HU, BRITTANY MUMMA<br />

22


23


PEAK PERFORMANCE<br />

レンジローバー PHEVは<br />

フル EV モードで<br />

最 大 51キロ 走 行 可 能 。<br />

バッテリーの 充 電 または 回 生 を<br />

最 適 化 する、モードと 機 能 を 備<br />

えている。<br />

レンジローバー P H E V: 静 かなる 革 命<br />

世 界 初 の 高 級 SUVはいまなおトップ<br />

ほかならない。<br />

としてよく 知 られた 特 徴 についても 同 様<br />

に 君 臨 する。レンジローバーはランドロー<br />

プラグインハイブリッドカーとして、ガ<br />

で、 充 電 ポートはグリルに 控 えめに 隠 さ<br />

バー 全 体 のフラッグシップとして、 比 類<br />

なきパフォーマンスとオフロード 性 能 に、<br />

模 範 となる 洗 練 性 やファーストクラスその<br />

ものの 旅 の 体 験 を 提 供 するキャビンを 組<br />

み 合 わせている。これほど 幅 広 い 能 力 を<br />

持 つ 車 はほかにはない。<br />

レンジローバーはまた、 常 に 最 新 の 技<br />

術 を 搭 載 してきた。 最 新 モデルでも10<br />

インチのタッチスクリーンを2つ 備 えた<br />

Touch Pro Duo インフォテインメントシ<br />

ステム、7 つのモードを 備 えたテレイン<br />

レスポンス、オールラウンドな LED ライ<br />

トといった 高 性 能 を 実 現 している。だが、<br />

このアイコン 的 存 在 をモビリティの 新 し<br />

い 時 代 へ 突 き 進 ませるのは、レンジロー<br />

バー PHEVの 先 進 的 なパワートレインに<br />

ソリンエンジンと 電 動 モーターをシーム<br />

レスに 選 んで 使 用 を 融 合 し、 最 適 なパ<br />

フォーマンスと 効 率 性 を 実 現 するのが、<br />

この 最 新 パワートレインだ。 電 動 モー<br />

ターの 充 電 には 外 部 の 電 源 を 使 用 するが、<br />

回 生 ブレ ー キ も 活 用 していく。このパ ワー<br />

トレインはレンジローバーの 特 徴 的 な 能<br />

力 もさらに 強 化 している。<br />

航 続 距 離 は 最 大 51キロ、ほぼ 無 音 の<br />

EVの 走 りはさらなる 洗 練 性 をもたらし、<br />

暑 い 気 候 ではキャビンをあらかじめ 冷 や<br />

すこともできる。 充 電 中 であればバッテ<br />

リー 残 量 に 影 響 はない。<br />

パワートレインを 電 動 化 しても、キャ<br />

ビンスペースとオフロード 性 能 に 妥 協 は<br />

見 られない。レンジローバーのデザイン<br />

れている。 充 電 は 簡 単 。 標 準 的 な 一 般<br />

家 庭 であれば 充 電 時 間 は 一 晩 で、 急 速<br />

チャージャーを 使 用 すれば 3 時 間 未 満 で<br />

充 電 できる。スマートフォンやウェアラブ<br />

ルデバイスの「リモートプレミアム」アプ<br />

リを 使 えばリモート 操 作 も 可 能 だ。<br />

そして PHEV モデルは 当 然 ながら、レ<br />

ンジローバーで 最 も 低 いCO2 排 出 量 (EV<br />

モードのときはゼロ)と 燃 料 消 費 量 を 実<br />

現 している。<br />

1970 年 に 誕 生 し、 高 級 SUVというカ<br />

テゴリーを 生 み 出 したレンジローバーは 今 、<br />

PHEV モデルの 定 義 も 新 たにしつつある。<br />

レンジローバー PHEVの<br />

公 式 燃 料 消 費 量<br />

L/100km(カッコ 内 はMPG):<br />

複 合 3.1 (91)、CO 2 排 出 量 ( 複 合 )<br />

72 g / k m 〜。 欧 州 参 考 値 であり、<br />

実 際 の 数 値 とは 異 なります。<br />

動 画 を 見 る<br />

YouTubeで「Jimmy Chin Range Rover Plug-In Hybrid」と 検 索 。<br />

写 真 : DIRK COLLINS, BRITTANY MUMMA, ERIC L HU<br />

24


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それぞれの 分 野 のパイオニアであるクラークスとランドローバーの、 絶 え 間 ない 進 化 の 歴 史 。<br />

固 定 観 念 を 打 ち 破 り、 履 く 人 や 乗 る 人 へ 限 界 を 超 える 力 を 与 えてきた、その 蓄 積 を 活 かすこと。<br />

この 共 通 の 目 的 からLife.Limitlessコレクションは 生 まれた。 大 都 会 からそのまま 大 自 然 の 中 へ 分 け<br />

入 るための、 工 夫 が 詰 まったフットウェア。 限 界 のない 人 生 を 送 るためのコレクション。<br />

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STABILITY<br />

地 面 の 乾 湿 に 関 わらず 最 適 なグリッ<br />

プ 力 を 発 揮 。ラバーの 密 度 を 精 密<br />

に 調 整 したモジュール 構 造 のソール<br />

と、 特 徴 的 なアウトソールの 突 起 が<br />

高 い 耐 滑 性 を 実 現 。<br />

頑 丈 さ、ゴアテックス 製 ならでは<br />

の 防 水 性 、 強 化 された 通 気 性 。<br />

街 でもオフロードの 冒 険 でも 活 躍<br />

できる 設 計 。<br />

細 かく 調 整 されたミッドソールが<br />

地 形 に 合 わせてしなやかに 反 発 し、<br />

足 へとエネルギーを 還 元 。ヒールス<br />

タビライザーによりポジショニン<br />

グも 安 定 。<br />

その 世 界 は、 探 索 されるのを 待 っている。


HERITAGE<br />

28


T H E<br />

L A N D<br />

東 ヒマラヤの 奥 地 にある<br />

マネバンジャンは<br />

霧 がかった 小 さな 町 だ。<br />

インドには 同 じような 町 が<br />

ほかにもたくさんあるが、<br />

一 つだけ 違 いがある。<br />

この 町 はランドローバーの<br />

活 躍 を 知 ることのできる<br />

生 きた 博 物 館 なのだ。<br />

その 特 別 な 場 所 へ 案 内 しよう。<br />

O<br />

F<br />

文 : O U S E P H C H A C K O<br />

写 真 : S A M B A R K E R<br />

L A N D<br />

R O V E R S<br />

29


XXXXXXX LEFT<br />

インド<br />

ネパール<br />

サンダクプー<br />

マネバンジャン<br />

ブータン<br />

バッグドグラ<br />

バングラデシュ<br />

30


HERITAGE<br />

困 難 な 状 況 でも<br />

笑 顔 を 絶 やさない<br />

ペ ン バ( 中 央 )。<br />

ヘアピンカーブの 多 い<br />

狭 い 道 をシリーズ I で<br />

やすやすと 走 るのは<br />

豊 富 な 経 験 があってこそ。<br />

ペンバ・タマンは 水 を 得 た 魚 のように、 明 らかに 楽 しげな 様<br />

子 でいる。 私 はというと、そうはいかない。 私 は 今 、 風 雪 に 耐 え<br />

てきた 彼 のランドローバー シリーズ I の 助 手 席 に 乗 り、インドの<br />

山 奥 にある 小 さな 町 、マネバンジャンからトレッキングで 人 気 の<br />

サンダクプーまで、ネパール 国 境 を 蛇 行 するヒマラヤの 道 を 走 っ<br />

ている。 最 初 の 8 キロで 610メートルを 上 った。 次 の24 キロで<br />

は 3,960メートル 地 点 を 一 気 に 目 指 す。 道 中 、ギアはずっと<br />

ファーストに 入 れたままだ。ディーゼルエンジンの 大 きな 音 のせ<br />

いで 会 話 は 難 しく、 話 す 代 わりに 笑 みを 浮 かべているしかない。<br />

道 は 狭 く、 度 々ヘアピンカーブが 現 れる。ネパールは 左 に 見 え<br />

たかと 思 うと、 次 の 瞬 間 には 右 に 見 える。パワーステアリングで<br />

はないシリーズ Iを 運 転 するのが 初 心 者 であれば、ヘアピンで 判<br />

断 ミスをしてバックさせ、クラッチから 焦 げ 臭 いにおいをさせな<br />

がら 再 チャレンジするような 状 況 だ。しかしペンバは 違 う。 熟 練<br />

した 彼 の 場 合 、 操 作 を 体 が 覚 えていて、カーブを 巧 みに 切 り 抜 け<br />

る。ダッシュボードの 小 さな 釈 迦 像 を 心 から 敬 うことで、 彼 のラ<br />

ンドローバーは 安 全 に 導 かれるのだ。<br />

約 20 キロ 進 んだところで、コンクリートの 道 路 がラグビーボー<br />

ル 大 の 岩 が 散 らばった 道 に 変 わる。 私 が 乗 っているこの 旧 型 ラン<br />

ディは、 最 大 800 キロの 積 み 荷 を 運 ぶ 役 目 を 果 たすためにリー<br />

フスプリングが 強 化 されている。 積 み 荷 がないとカンガルーが 飛<br />

び 跳 ねているかのような 乗 り 心 地 になるが、ガタガタと 音 をたて<br />

ることはほとんどない。<br />

代 わりにガタガタいうのは 私 の 歯 だけだ。 道 と 呼 ばれていると<br />

ころを 弾 みながら 進 み、シャクナゲの 茂 みを 過 ぎ、うねる 霧 を<br />

抜 ける。 四 輪 駆 動 をオンにしたランドローバーは、 常 に 微 笑 んで<br />

いるドライバー 同 様 に 平 静 を 保 ちながら、 自 信 に 満 ちた 姿 で 着<br />

実 に 前 進 していく。 今 日 は 冷 たいもやに 厚 く 覆 われているため 残<br />

念 ながら 見 えないが、いつもなら 世 界 第 3 位 の 高 さを 誇 るカン<br />

チェンジュンガの 手 つかずの 自 然 を 堪 能 できる。そのもやの 中 を<br />

進 むランドローバーは、ヒマラヤで 活 躍 する 車 の 根 性 を 証 明 して<br />

余 りあった。<br />

進 めば 進 むほどシリーズ Iより 長 さのある、またはタフではな<br />

い 車 が 立 ち 往 生 する 様 子 が 目 に 入 り、 容 易 い 道 ではないことが<br />

分 かる。どうりで 何 十 年 にも 渡 ってシリーズ I、II が、この 道 を 走<br />

ることのできる 唯 一 の 車 であるはずだ。 現 在 も42 台 が 現 役 で 忠<br />

実 に 仕 事 をこなしている。 人 里 離 れたヒマラヤのこの 地 を 訪 れた<br />

理 由 は、まさにそこにある。 最 寄 りのバッグドグラ 空 港 から 車 で<br />

3 時 間 、その 小 さな 空 港 まではコルカタ 市 から 飛 行 機 で 75 分 と<br />

いう 場 所 。 私 たちは 美 しくシンプルなこの 車 が、いかにしてイン<br />

ドの 小 さな 町 の 運 命 を 永 久 に 変 えたかを 知 るために 訪 れた。<br />

31


XXXXXXX HERITAGE LEFT<br />

「シリーズ Iはハンマーのように 頑 丈 だよ。<br />

ボディにサビはこないし、<br />

シンプルだから 修 理 が 可 能 なんだ」<br />

変 化 する 生 活<br />

インドにおけるランドローバーの 起 源 は、コルカタを 拠 点 とす<br />

るローバー 社 の 地 元 販 売 店 、デュワーズ・ガレージ&エンジニア<br />

リング・ワークスが、 西 ベンガル 州 、アッサム 州 、その 他 の 北<br />

東 地 域 で 紅 茶 の 大 農 園 を 所 有 していた 英 国 企 業 のために、ラン<br />

ドローバー 車 両 を 約 1,000 台 輸 入 販 売 したことにさかのぼる。<br />

インドの 独 立 後 、 英 国 企 業 が 撤 退 したため、 多 くの 車 両 は 3 時<br />

間 ほど 離 れたシリグリの 街 で 競 売 によって 売 却 された。<br />

1958 年 、マネバンジャンに 最 初 のランドローバーがやってき<br />

た。それまでは、 生 活 は 非 常 に 困 難 だった。ヒマラヤの 高 地 に<br />

ある 人 里 離 れたコミュニティまで 生 活 必 需 品 などを 運 んでいた<br />

ポニーにとっては 特 に。 四 輪 駆 動 のランドローバーは、その 後<br />

36 年 にわたって 非 常 に 速 くて 信 頼 できることを 証 明 し、マネバ<br />

ンジャンの 人 々が 購 入 した 台 数 は 推 定 300 台 を 超 える。<br />

マネバンジャンの 狭 い 表 通 りを 歩 くと、さまざまな 日 用 品 や<br />

軽 食 、 土 産 物 を 売 る 小 さな 店 がぎっしりと 並 んでいる。すぐに<br />

シリーズ I と II が 一 列 に 並 んで 停 めてある 場 所 に 出 た。どの 車 も<br />

厳 しい 日 々を 過 ごしてきたのだろう。ほとんどの 塗 装 は 摩 耗 して<br />

金 属 がむき 出 しになり、タイヤの 多 くは 使 用 期 限 をとっくに 過 ぎ<br />

ている。だが、 明 らかによく 整 備 されていて、 色 とりどりのス<br />

テッカーを 誇 らしげに 掲 げている。ステッカーに 記 された 文 字 は<br />

「グレート・ブリテン」「イングランド・ローバー」「マンチェス<br />

ター・ルール」、あるいは 若 干 意 味 不 明 な「チョコレート・ボー<br />

イ」、 言 い 得 て 妙 の「ライフライン」と 実 にさまざまだ。<br />

人 口 2,500 人 のマネバンジャンは 観 光 の 町 である。3つのホ<br />

テル、それに 数 多 くの 家 が 宿 泊 を 提 供 し、サンダクプーからの<br />

壮 大 な 景 色 を 楽 しむ 32 キロのトレッキングに 訪 れる 人 たちを 迎<br />

え 入 れる。 何 十 年 間 もランドローバーは 町 から 町 へ 生 活 必 需 品<br />

や 乗 客 を 運 び、マネバンジャンの 商 業 の 主 動 力 となってきた。<br />

マネバンジャンで<br />

ランドローバーの 最 高 齢<br />

ドライバーの 一 人 である<br />

パサン。これほど 困 難 を<br />

極 める 仕 事 はほかの 車 では<br />

できないと 固 く 信 じている。<br />

都 市 伝 説<br />

「すべてランドローバーのおかげだよ」と 言 うのは、この 地 域<br />

で 最 高 齢 のドライバーの 一 人 、パサン・ランバだ。 彼 は1970 年<br />

代 からサンダクプーに1 日 2 回 生 活 必 需 品 を 運 び、 帰 りはジャガ<br />

イモをマネバンジャンの 市 場 に 運 ぶ 仕 事 を 続 けてきた。これは<br />

決 して 簡 単 なことではない。かつては、 往 復 64キロの 旅 は 最<br />

大 7 時 間 かかる 過 酷 なものだった。 現 在 では、3 分 の2の 道 路<br />

がアスファルトやコンクリートで 舗 装 されて 多 少 快 適 になったも<br />

のの、 道 幅 や 勾 配 の 影 響 で 平 均 速 度 に 限 界 があり、 旅 にかかる<br />

時 間 はほぼ 同 じである。<br />

「シリーズ Iはハンマーのように 頑 丈 だよ」と 彼 は 言 い、その 長<br />

32


XXXXXXX LEFT<br />

34


HERITAGE<br />

い 寿 命 は 耐 久 性 の 高 いアルミニウムボディとシンプルな 駆 動 装 置<br />

に 由 来 すると 説 明 する。「ボディはサビないから、 車 庫 に 駐 車 す<br />

る 必 要 がない。 車 庫 は、 土 地 に 余 裕 のないこの 町 では 高 額 なぜ<br />

いたくになりかねないんだ。 最 近 のスチールボディの 四 輪 駆 動<br />

のほうが、はるかに 整 備 を 必 要 とするね」。<br />

最 近 の 車 はシリーズ I のように 絶 え 間 ない 酷 使 に 耐 えられない<br />

と 彼 は 確 信 している。もちろん、 長 年 ひたすら 勤 勉 に 働 いてき<br />

たこの 情 熱 的 な 男 に 異 議 を 唱 えようなどとは 思 わない。 娘 はオッ<br />

クスフォード 大 学 で 博 士 号 を 取 り、 息 子 はオーストラリアで 修 士<br />

課 程 を 終 えようとしていて、 末 っ 子 は 近 隣 の 学 校 に 通 っていると<br />

いう。シリーズ Iがこの 町 で 人 々の 生 活 を 劇 的 に 変 えるのにどれ<br />

ほど 貢 献 してきたか、 分 かり 始 める。<br />

私 たちはある 整 備 工 場 を 訪 れ、 黒 ずんだ 木 製 スツールに 腰 掛 け<br />

る。 壁 には 旧 型 のランドローバーの 部 品 が 棚 一 面 に 並 んでいる。<br />

さまざまなピニオンやギア、 組 み 立 てたクラッチ、ガスケット、<br />

ファンベルト、そして 組 み 立 てが 完 了 した 3つのエンジンを 見 せ<br />

てくれるのは 50 代 のアクバルだ。 嬉 しそうに 説 明 し 始 めると、 顔<br />

のしわはたちまち 消 えてしまう。シリーズ I との 付 き 合 いは 30 年<br />

以 上 になり、マネバンジャンで 現 役 のランドローバーを 所 有 して<br />

いる 人 物 でもある。シリーズ I の 駆 動<br />

装 置 にインド 製 のディーゼルエンジン<br />

を 組 み 合 わせる 技 術 も 持 つ。この 地<br />

のランドローバーで 当 初 のガソリンエ<br />

「この 地 における<br />

ンジンのまま 走 っているのは、わずか<br />

3 台 だという。これは 単 純 に 経 済 的 な<br />

ランドローバーの 神 という<br />

理 由 からだ。インドではディーゼルは<br />

アイデンティティを、<br />

ガソリンよりかなり 安 価 で、ディーゼ<br />

アクバルは 誇 りに 思 っている」 ルエンジンは 高 い 回 転 数 、 低 速 での<br />

登 坂 、オフロードというこの 地 の 環 境<br />

ではより 経 済 的 なのだ。ランドロー<br />

バーで1 回 走 る 費 用 の3 分 の1が 燃 料<br />

費 なので、 大 きな 節 約 になる。<br />

「この 山 道 を 往 復 できるのはランドローバーだけだよ。とてもシ<br />

ンプルだから 修 理 もできるし」と 言 って、 歯 がほぼ 抜 けたギア<br />

シ ャ フ ト を 見 せ て く れ る 。「 標 高 の 高 い 道 で こ う な っ た ら し い ん だ<br />

けど、ドライバーは 整 備 工 場 まで 何 とか 戻 ってきたよ」。ほとん<br />

ど 凸 凹 のないそのギアシャフトを、まったく 信 じがたい 思 いで 眺<br />

める。あまりに 多 くの 歯 が 欠 けているので、しっかりゆでたジャ<br />

ガイモすら 噛 み 込 めそうにない。ましてや 積 み 荷 を 満 載 したシ<br />

リーズ I を 走 らせて 戻 るなど 想 像 もつかない。<br />

アクバルは 修 理 に 必 要 な 部 品 の 正 しい 名 前 も 知 らないが、 純<br />

粋 な 経 験 と 勘 を 頼 りに 不 具 合 を 見 極 め、どう 修 理 するかを 理 解<br />

する。「 電 子 システムを 搭 載 した 最 近 の 車 は、 人 里 離 れたこの 地<br />

域 の 人 にはほとんど 修 理 不 可 能 だよ」。 後 になって、この 地 域 に<br />

は 旧 型 のランドローバーを 修 理 できる 整 備 士 がほかにもいると 知<br />

上 : 機 械 的 な 問 題 ならほぼ 何 で るが、 複 雑 なものはすべてアクバルに 持 ち 込 まれる。この 地 域<br />

も 修 理 できると 言 うアクバル。 では、アクバルはランドローバーの 神 で、 彼 はこのアイデンティ<br />

下 : 多 種 多 様 な 部 品 を 備 えた<br />

整 備 工 場 で、 幅 広 い<br />

ティを 誇 りに 思 っている。「 生 活 は 苦 しいけれど、 遠 くからわざわ<br />

修 理 経 験 が 活 かされる。 ざ 私 の 話 を 聞 きにくる 人 がいると 深 い 満 足 感 を 覚 えるね」。<br />

35


HERITAGE<br />

36


RIGHT XXXXXX<br />

「 人 々は、この 場 所 に 冒 険 を 求 めてやってきます。 道 路 は、 冒 険 の 大 きな 一 部 です」<br />

37


HERITAGE<br />

岐 路 に 立 つ<br />

2004 年 、ドライバーたちはシンガリラ・ランドローバー 所 有<br />

者 協 会 を 結 成 した。 会 長 のチャンダン・プラダンが 営 む 雑 貨 店<br />

の 居 間 で、 彼 に 話 を 聞 く。 協 会 の 主 な 仕 事 は、ドライバーの 健<br />

康 や 安 全 に 気 を 配 ることだという。 例 えば、もしある 会 員 が 病<br />

気 になって 治 療 が 必 要 になったら、ほかの 全 会 員 がお 金 を 出 し<br />

合 って 無 利 子 融 資 を 可 能 にする。さらに、 協 会 はすべてのドライ<br />

バーに 稼 ぐチャンスを 公 正 に 与 え、あるドライバーが 山 の 上 に 運<br />

搬 したら、 次 の 出 番 はほかの 41 名 に 一 通 り 仕 事 が 回 った 後 にな<br />

る。 明 らかに 協 同 組 合 の 仕 組 みだ。ドライバーの 子 供 たちはみ<br />

な 学 校 に 通 っている。「ドライバーは 妻 たちに 贈 り 物 を 買 うこと<br />

ができます。こうしたことはすべて、 長 い 付 き 合 いになるランド<br />

ローバーが 可 能 にしてくれたのですよ」とチャンダンは 語 る。<br />

この 地 域 の 自 治 体 は、こうした 旧 型 車 がもはや 現 代 のCO2 排<br />

出 量 の 基 準 に 適 合 しないため、タクシーとしての 使 用 を 禁 止 する<br />

提 案 をした。だが 希 望 はあるとチャン<br />

ダンは 信 じている。“ 上 の 人 たち” か<br />

ら 強 力 な 支 援 があるからだ。 地 域 の<br />

国 境 警 察 さえ、 こうしたランドロー<br />

「もしランドローバーが 消 え 去 れば<br />

バーを 前 哨 基 地 への 供 給 に 使 用 して<br />

マネバンジャンのアイデンティティの<br />

いる。これほど 信 頼 できる 車 はほか<br />

大 半 も 共 に 消 失 するでしょう」<br />

にはないからだ。<br />

自 治 体 は、 道 路 の 残 りの 部 分 の 改<br />

修 工 事 を 完 了 させる 計 画 も 提 案 した。<br />

より 小 型 の 車 もサンダクプーまで 行 け<br />

るようにということだが、この 方 向 はどうやら 支 持 されていない<br />

ようだ。マネバンジャンの 最 年 少 ドライバーの 一 人 、ダワ・テン<br />

ジンが 説 明 してくれた。 大 学 出 の 話 し 上 手 な 彼 は、 父 親 の 跡 を 継<br />

いでドライバーになるため 故 郷 に 戻 った。「 確 かにインドで 最 も 遠<br />

隔 な 地 にある 村 々は、 道 路 の 改 良 のために 闘 っていますが、サン<br />

ダクプーへの 道 は 困 難 なままであるべきです。なぜなら 人 々はこ<br />

の 場 所 に 冒 険 を 求 めてやってくるから。 困 難 な 道 路 は 冒 険 の 大 き<br />

な 一 部 です。もし 改 修 されてハッチバックですら 走 れるようになっ<br />

たら、もっと 多 くの 観 光 客 が 来 ます。 観 光 客 が 増 えれば 経 済 的 に<br />

は 豊 かになるかもしれませんが、 大 気 汚 染 や 騒 音 、ゴミの 問 題<br />

が 起 きます。 町 は 魅 力 を 失 うでしょう。この 道 路 は 走 行 困 難 なま<br />

まのほうがいい。でなければランドローバーは 消 え 去 り、マネバ<br />

ンジャンのアイデンティティの 大 半 も 共 に 消 失 するでしょう」。<br />

彼 に 同 意 せざるを 得 ない。 丸 3 日 間 の 滞 在 で、 無 名 のヒマラヤ<br />

の 一 地 域 で 終 わったかもしれない 町 の 運 命 に、シリーズ Iがいか<br />

に 大 きく 貢 献 してきたかがよく 分 かった。マネバンジャンの 名 を<br />

特 別 にしているのは、この 地 で 活 躍 するランドローバーなのだ。<br />

動 画 を 見 る ヒマラヤの 奥 深 くへランドローバーと 共 に 旅 をしよう。<br />

動 画 は Yo uTu b eで「Land of Land Rovers」と 検 索 。<br />

中 央 : 町 の 個 性 を 残 すために、<br />

道 路 は 整 備 したくないと 語 る<br />

テンジン。<br />

下 :コミュニティに 利 益 を<br />

もたらすドライバー 協 会 会 長 の<br />

チャンダン。<br />

38


RIGHT XXXXXX<br />

39


EXPERIENCES<br />

C H I L D ‘ S P L A Y<br />

<br />

<br />

<br />

L U K E P O N S F O R D<br />

H A N N A H S M I L E S<br />

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EXPERIENCES


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XXXXXXX LEFT<br />

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EXPERIENCES<br />

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EXPERIENCES<br />

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landrover.com/experience<br />

47<br />

47


CAPE EPIC MOUNTAIN BIKE RACE<br />

C A P E F E A R<br />

ケープエピックは、 地 球 上 で 最 も 過 酷 なマウンテンバイクレースのひとつだ。 地 形 が<br />

変 わり 続 けているため、コース 設 計 はレースそのものと 同 じくらいの 困 難 を 伴 う。<br />

しかし 専 門 チームとランドローバーの 働 きによって、その 厳 しさは 軽 減 されている。<br />

文 : L U K E P O N S F O R D<br />

48


地 球 で 最 も 過 酷 なマウンテンバイクレース<br />

「ABSAケープエピック」に 出 場 する 選 手 たち。<br />

極 端 な 地 形 や 厳 しい 気 温 にもしばしば 直 面 する。<br />

写 真 : ABSA CAPE EPIC/ NICK MUZIK<br />

ニュージーランドの 伝 説 のラグビー 選 手 、カルロス・スペン<br />

サーが、ラグビー 同 国 代 表 チーム「オールブラックス」でプレー<br />

するよりも、はるかに 過 酷 だと 断 言 する 自 転 車 レースがある。 世<br />

界 最 大 のマウンテンバイク 耐 久 レース、ABSAケープエピックだ。<br />

このとんでもないレースの 舞 台 となるのは、 試 合 内 容 とは 対 照 的<br />

に、 日 の 光 がまだらな 影 を 作 る 天 国 のような 場 所 である。<br />

南 アフリカ 共 和 国 、 西 ケープ 州 。 山 並 みを 背 景 に 行 われるケー<br />

プエピックは、 距 離 、 登 坂 、そしてテクニカルなセクションを 組<br />

み 合 わせた 総 合 レースだ。 自 転 車 競 技 を 国 際 的 に 統 括 している<br />

団 体 、 国 際 自 転 車 競 技 連 合 (UCI)によって、 最 高 カテゴリー<br />

である HC( 超 級 )レースに 分 類 されている。<br />

意 欲 的 なアマチュア 選 手 から 世 界 トップのプロ 選 手 まで、 男<br />

女 合 計 1,300 名 のライダーたちが 二 人 一 組 のチームで 参 戦 し、<br />

650 組 が 超 人 的 な 体 力 を 求 められる 全 長 653キロのコースを8<br />

日 間 かけて 走 る。コースには 険 しい 砂 利 道 や 岩 だらけの 登 坂 、<br />

テクニカルな 下 降 があり、 選 手 たちは 美 しいブドウ 園 や 自 生 の<br />

森 の 中 、 底 なしに 見 える 渓 谷 や 壮 大 な 海 岸 線 を 縫 うように 疾 走<br />

する。もっとも、8 日 間 、 合 計 1 万 3,530メートルの 登 坂 をこ<br />

なし、 膝 が 笑 うような 疲 労 状 態 になる 選 手 たちには、 景 色 を 楽<br />

しむ 時 間 などほとんどない。<br />

ケープエピックの 初 開 催 は、2004 年 。 誰 でも 参 加 できるマ<br />

ウンテンバイクのイベントとして、 約 200 名 のライダーが 参 加 し<br />

た。 以 降 は 国 際 的 なMTBレースとして 成 長 し、 近 年 では 毎 回<br />

約 1,300 名 のライダーが 世 界 中 から 集 まる。 次 第 に 難 易 度 も 上<br />

がっていて、ライダーのやる 気 と 精 神 力 がとことん 試 される。 中<br />

でも、 百 戦 錬 磨 の 選 手 でさえ 挑 戦 者 となる、 特 別 に 設 計 された<br />

セクションと 言 えば、「ランドローバー・テクニカルテレイン」を<br />

おいて 他 にない。<br />

極 端 な 勾 配 、 目 まいがするような 下 降 、 大 きな 岩 、もろい 頁 岩<br />

(けつがん)からなるこのセクションは、ケープエピック 参 加 選 手 に<br />

とって 試 練 と 呼 ぶべきものになる。レース 主 催 者 のコース 計 画 ドラ<br />

イバーチームにとってもそれは 同 じ。このチームは 主 要 イベントの<br />

何 ヵ 月 も 前 に、 数 台 のランドローバーを 頼 りにギザギザしたこの 地<br />

形 を 偵 察 し、コースを 計 画 していく。これは 簡 単 な 仕 事 ではない。<br />

なぜなら、コースは 毎 年 変 わるからだ。 計 画 チームと 車 両 の 両 方 が<br />

能 力 を 試 される 偵 察 では、 最 適 な 道 や 登 坂 を 探 し 出 し、 試 験 走 行<br />

した 上 でコースに 追 加 しなければならない。<br />

ケープエピックの 創 設 者 、ケフィン・フェルマークはこう 語 る。<br />

「 最 近 はコースに 多 くの 制 約 があり、ケープエピックの 開 催 地 とな<br />

る 村 への 要 件 も 細 かく 規 定 されているので、レースの1 年 半 前 に<br />

は 計 画 を 立 てなければなりません。その 間 に 地 形 は 変 わり、 農<br />

場 は 売 られ、 農 地 間 に 境 界 線 が 引 かれます。まさに 動 く 標 的 です<br />

49


CAPE EPIC MOUNTAIN BIKE RACE<br />

世 界 でもっともタフなレース<br />

意 欲 的 なアマチュア 選 手 から 世 界 トップのプロ 選 手 ま<br />

で、ABSAケープエピックの 出 場 選 手 は 世 界 中 から 二<br />

人 一 組 のチームで 参 戦 し、 全 長 650 キロ 以 上 、7つ<br />

のステージを8 日 間 かけて 走 る。2,000メートル 以 上<br />

登 坂 するステージもあり、ライダーはレースの 半 年 前<br />

から 過 酷 な 訓 練 をこなす。<br />

50


地 球 上 で 最 も 過 酷 かつ 困 難<br />

な レ ー ス で あ る「 ケ ー プ エ ピ ッ<br />

ク」。そのコース 設 計 に、<br />

ランドローバーの 比 類 ない<br />

能 力 が 貢 献 している。<br />

よ。 干 ばつ、 火 事 、 川 の 洪 水 もあるので、1 年 半 の 準 備 期 間 を 通<br />

してコースを 変 更 し 続 けなければなりません」。レースコースを 偵<br />

察 するという 非 常 に 複 雑 な 仕 事 で 重 要 な 役 目 を 果 たすのは、 実 の<br />

ところはケープエピックが 保 有 する 超 有 能 なランドローバーだ。<br />

「ランドローバーの 力 がなければ、 単 純 に 仕 事 が 成 り 立 ちませ<br />

んね。 次 の 年 のコースの 状 態 を 毎 月 確 認 しに 行 かなければなら<br />

ないので。そのためには 能 力 がズバ 抜 けて 高 く、 何 よりも 信 頼<br />

できる 偵 察 車 両 が 必 要 なのです」とフェルマーク。 頭 の 中 では<br />

2019 年 のまったく 新 しいコースについて 考 えていたに 違 いない。<br />

チームは 今 、 多 忙 を 極 める 新 たな 一 年 の 準 備 ができている。<br />

今 年 のレースは15 回 目 の 開 催 で、ランドローバーが 公 式 車 両<br />

&ルートパートナーとして 協 力 するのは 3 回 目 だ。プロローグの<br />

20 キロは、 開 催 地 の 象 徴 であるテーブルマウンテン、そしてロ<br />

バートソン、ウスター、ウェリントンの 街 を 通 る 過 酷 な 7 ステー<br />

ジが 続 く。パールとフランシュフック 間 の 渓 谷 にある 美 しいヴァ<br />

ル・デ・ヴィエ・エステートでフィニッシュというコースだった。<br />

8 日 間 にわたって 自 転 車 を 漕 ぐ 選 手 たちは4 日 連 続 で 毎 日<br />

100 キロ 以 上 走 り、 死 力 を 尽 くすタイムトライアルのステージ 5<br />

を 経 て、ウェリントンからヴァル・デ・ヴィエに 至 る70 キロの 最<br />

終 ステージでは、2,000メートルの 登 坂 に 立 ち 向 かった。 完 走<br />

メダルをそう 簡 単 には 獲 得 できないようレース 主 催 者 は 意 図 し<br />

ていたのだろう。 今 年 は 出 場 選 手 の 84 パーセントしかゴールで<br />

きなかったのも 不 思 議 ではない。<br />

元 登 山 家 で、ランドローバーのケープエピック 公 式 チームのメ<br />

ンバーであるマイク・ニクソンは、「 本 当 に 集 中 力 を 要 するコース<br />

だよ」と 語 る。ランドローバー・チームは 登 録 選 手 12 名 で 複 数<br />

のカテゴリーに 参 加 している。これまでに15 回 開 催 されたケープ<br />

「 岩 や 砂 だらけの 道 。 エピックですべて 完 走 した4 選 手 のうちの 一<br />

人 として(この 4 名 は「 最 後 のライオン」と 呼<br />

あの 登 坂 では<br />

ばれる)、 今 年 59 歳 になるニクソンは 経 験<br />

ペダル を 漕 ぐことが に 基 づ い て こ う 語 っ て い る 。 「 ラ ン ド ロ ー<br />

まさに 格 闘 だった」 バー・テクニカルテレインのセクションだっ<br />

た 今 年 のステージ 4 は、 間 違 いなく 今 回 の<br />

マ イク・ニ ク ソ ン<br />

ケープエピックで 最 も 過 酷 なステージだった<br />

よ。ガウディーニ・スパに 向 かうシングルト<br />

ラックは 信 じられないほど 乾 燥 していて、 岩 や 砂 だらけの 道 だっ<br />

た。あの 登 坂 ではペダルを 漕 ぐことが、まさに 格 闘 だったね」。<br />

ランドローバー・チームについていえば、 今 年 、12 名 のライ<br />

ダー 全 員 が 完 走 した。マイク・ニクソンはパートナーのヤスパー・<br />

ファン・ダイクと 共 に 総 合 252 位 。 伝 説 の 万 能 クリケット 選 手 で<br />

元 プロテアズ( 南 アフリカのナショナルチーム)のバットマン、ゲ<br />

イリー・カーステンとパートナーのロディー・ファン・ブレダはマ<br />

スターズ(オーバー 40)のカテゴリーで 87 位 だった。そして、<br />

オールブラックスのヒーロー、カルロス・スペンサーはクリントン・<br />

マッキントッシュと 共 にマスターズのカテゴリーに 出 場 し、98 位<br />

でフィニッシュした。<br />

ランドローバー・チームのマネージャーでライダーでもあるギャ<br />

リー・カーステンはこう 語 る。「 本 当 に 信 じられないような 8 日 間<br />

だったよ。ランドローバーの 名 の 下 にこの 集 団 を 率 いたのは 光 栄<br />

だった。 過 酷 なこのレースを 終 えただけで、 本 当 に 達 成 感 がある」。<br />

どうやら、カルロス・スペンサーの 感 想 は 正 しかったようだ。<br />

自 転 車 レースに 参 加 来 年 のレースは3 月 17 日 〜 24 日 に 開 催 。<br />

ABSA ケープエピックの 詳 細 はこちらで:cape-epic.com<br />

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XXXXXXX LEFT


NEVER STOP DISCOVERING<br />

THE<br />

HILLS<br />

ARE<br />

ALIVE<br />

車 、 道 路 、 家 族 、そして 道 具 一 式 。 事 はきわ めてシンプルだ 。<br />

冒 険 家 のモンティ・ホールズ 一 家 が、<br />

アイルランド 最 北 西 のドニゴール 州 へと 赴 いた。<br />

そこは 家 族 の 絆 を 確 かめるのに、 最 高 の 環 境 だった。<br />

文 : M O N T Y H A L L S<br />

写 真 : A L E X A N D E R R H I N D<br />

53


NEVER STOP DISCOVERING<br />

旅 する 者 にとって、 国 境 には 特 別 な 何 かがある。2 つの 世 界<br />

をまたがる 瞬 間 であり、1つの 環 境 から 別 の 環 境 に 移 るのだと<br />

いう 感 覚 が 高 まる。 旅 の 意 識 が 強 まるのだ。 個 人 的 には 陸 と 海<br />

の 間 にある 国 境 ほど 高 揚 するものはないと 思 っている。 旅 と 探<br />

検 の 歴 史 において、 海 岸 線 には 常 にある 種 の 魔 法 がある。 中 で<br />

もアイルランド 北 西 部 、ドニゴール 州 の 海 岸 はどこよりも 驚 きに<br />

満 ちていると 言 わざるをえない。 入 り 組 んだ 海 岸 線 はハチの 巣<br />

のように 見 える 場 所 もあり、 絶 え 間 なく 変 化 している。<br />

アイルランド 最 北 西 にあるドニゴールは、 西 ヨーロッパの 最 果<br />

てだ。かかとの 下 に 大 陸 を 感 じながら、 爪 先 を 広 大 な 海 に 浸 け<br />

ることができる 稀 有 な 場 所 である。 私 はこの 地 に、ちょっとし<br />

たゆかりがある。アイルランドの 最 北 端 であるドニゴール 州 のマ<br />

リン・ヘッドは、 私 が 2011 年 に 人 生 で 最 も 記 憶 に 残 る 出 逢 い<br />

があった 場 所 なのだ。それは 驚 くべき1 日 だった。 岬 に 立 つと、<br />

崖 下 の 澄 んだ 海 水 の 中 を、 何 百 匹 ものウバザメが 泳 ぎ 回 ってい<br />

るのが 見 えた。そこにあるのは、 海 流 、 潮 、プランクトン、そ<br />

して 雲 一 つない 空 に 輝 く 太 陽 だけ。 地 球 上 で2 番 目 に 大 きな 魚<br />

が 集 合 した 忘 れられない 光 景 だった。<br />

7 年 後 、 私 はこの 地 に 家 族 を 連 れて 戻 ろうとしていた。そこ<br />

はアイルランドで 最 も 人 口 が 少 ない 州 の 一 つであり、 驚 異 的 な<br />

海 岸 線 、 手 つかずの 内 陸 の 自 然 を 共 に 体 験 するために。 私 自 身<br />

は 数 年 前 にBBC( 英 国 放 送 協 会 )のシリーズ「The Great<br />

Irish Escape(アイルランドへの 大 脱 出 )」の 撮 影 中 に、アイ<br />

ルランドへの 愛 情 を 育 んだ。だが、 妻 タムは 先 祖 の 中 にアイル<br />

ランドとのつながりがあり、それに 比 べると 私 の 想 いなど 色 あ<br />

せてしまう。この 先 祖 のつながりは 私 たちの 娘 、アイラとモリー<br />

にも、はっきりと 表 れている。 特 にモリーの 赤 い 髪 の 毛 は、 間<br />

違 いなくケルトの 血 筋 によるものだ。そんなわけで、アイルラン<br />

ドの 独 自 文 化 を 称 えている 州 に 娘 たちを 連 れていくのはごく 自<br />

然 なことに 思 われた。 荒 れ 狂 う 海 に 囲 まれ、 古 代 の 面 影 を 残 す<br />

大 地 への 旅 は、アイラとモリーに 対 する 私 たちからのプレゼン<br />

トになるだろう。もっとも、かなり 私 自 身 の 意 向 が 入 ったものに<br />

はなるが。<br />

長 旅 に 対 する 子 供 たちからの 要 求 (それは 却 下 できない 要 求<br />

なのだ)を 考 慮 すると、1 週 間 の 旅 のための 荷 づくりはばかに<br />

ならない。 従 って 今 回 の 小 冒 険 に 選 んだランドローバーディス<br />

カバリーの 驚 くほどの 収 納 力 が、 最 大 限 に 試 されることになっ<br />

た。 実 際 、ディスカバリーにはすべてを 詰 め 込 むスペースがあっ<br />

た。 巨 大 な4つのスーツケース、バックパック、バケツとスコッ<br />

プを 積 み 込 み、その 真 ん 中 に 私 の 小 さな 旅 行 かばんを 載 せる。<br />

さらに、ボートもけん 引 していた。1,120 キロ 以 上 続 くドニ<br />

ゴールの 海 岸 線 を 訪 れるのに、 大 西 洋 に 漕 ぎ 出 て 沖 合 の 島 々や<br />

隠 れた 入 り 江 まで 行 き 着 くための 手 段 がないというのは、あり<br />

得 ない 話 だったからだ。 私 にしては 珍 しく、けん 引 を 体 験 する<br />

のは 楽 しかった。ランドローバーでなければストレスの 多 い 旅 に<br />

なっただろう。しかしランドローバーは、あえて 言 わせてもらう<br />

と、 旅 に 完 全 な 安 全 と、 大 いなる 楽 しみを 生 み 出 すよう、 十 分<br />

な 資 源 を 注 ぎ 込 んだようだ。 実 際 のところ、 唯 一 の 問 題 は 時 々、<br />

けん 引 していることをすっかり 忘 れてしまうことだけだった。そ<br />

うこうするうちに 最 初 の 目 的 地 に 到 着 した。 目 は 冴 え、 頭 もスッ<br />

キリしていて、 危 機 的 な 夫 婦 喧 嘩 もないままに。<br />

たった1 週 間 の 探 検 では、ドニゴールの 魅 力 すべてを 体 験 す<br />

る 時 間 はない。 何 といっても、ここはナショナルジオグラフィッ<br />

クが 選 ぶ「2017 年 に 訪 れるべき 旅 行 先 」で1 位 に 輝 いた 場 所 だ。<br />

だが、 私 たちは 6 歳 と4 歳 の 目 線 で 旅 を 作 り 上 げることにした。<br />

生 涯 の 思 い 出 になるのはどのような 体 験 か。 子 供 たちの 想 像 力<br />

に 火 をつけるのは 何 か。<br />

高 級 レストランやリラックスできるブティックホテルは、 彼 女<br />

たちの 関 心 を 強 く 引 くことはない。もっともドニゴールにはこう<br />

した 場 所 がたくさんあるのだが。 私 たちがしたかったのは、 夢<br />

ディスカバリーに<br />

積 んだボディボードを<br />

降 ろし、ロスナウラー・<br />

ビーチを 満 喫 する<br />

ホールズ 一 家 。タラー<br />

・ベイでは、 彼 らは<br />

足 を 馬 に 替 え、 海 辺 を<br />

ゆっくりと 走 った。<br />

54


「 生 涯 の 思 い 出 になるのはどのような 体 験 か。<br />

子 供 たちの 想 像 力 に 火 をつけるのは 何 か?」


「 子 供 も 大 人 も 関 係 なく<br />

ドニゴール 行 きはまさに<br />

発 見 の 旅 だった」<br />

56


NEVER STOP DISCOVERING<br />

海 岸 の 砂 利 道 も 苦 にしない<br />

ディスカバリー。 幼 いながら<br />

根 気 があるアイラにとって、<br />

スリーブリーグの 崖 の 制 覇 も、<br />

冒 険 の 大 きな 楽 しみだった。<br />

中 になって、 日 に 焼 けて、 塩 と 砂 にまみれることだった。という<br />

わけでこの 旅 行 プランができあがった。それは、そこにある 自<br />

然 のあらゆる 側 面 を 探 り、 車 と 人 間 の 創 造 力 のすべてを 活 用 す<br />

る 計 画 だ。 海 と 陸 への 紛 れもない 祝 祭 と 言 っていい。 私 は 常 々<br />

子 供 は 最 高 の 探 検 家 だと 思 っているが、その 考 えを 裏 付 けるよ<br />

うに、2 人 の 子 供 たちが 周 りの 景 色 に 飛 び 出 していきたくてたま<br />

らないという 様 子 で、 車 の 後 部 で 飛 び 跳 ねていた。<br />

ドニゴールは 年 齢 に 関 係 なく 遊 べる 場 所 だ。4,861 平 方 キロ<br />

という 広 さに、 人 口 はわずか16 万 人 。 広 大 な 土 地 が 自 然 のま<br />

ま 残 り、 湖 、 古 代 の 泥 炭 湿 原 、 森 林 、 山 々が 広 がる。2つの 主<br />

な 山 脈 、デリヴェアとブルー・スタックは 高 さで 勝 ることはかな<br />

わないが、 雄 大 さで 補 って 余 りある。<br />

私 はこの 休 日 を 塩 水 に 浸 かることから 始 めたかったので、 美<br />

しい 港 、ポートナブラまで 車 を 走 らせることにする。ドニゴール<br />

全 体 で 気 が 付 いた 特 徴 は、ビーチまで 直 接 車 で 行 けることだ。<br />

私 たちも 砂 地 でのディスカバリーの 確 かな 足 取 りに、 小 声 であ<br />

りがとうとつぶやきながらビーチに 乗 り 入 れる。シーズン 最 盛<br />

期 には 潮 が 満 ちてくると 車 は 意 図 せず 水 陸 両 用 にならざるを 得<br />

ないような 状 況 だ。だから、 必 要 ならより 高 い 場 所 へ 大 急 ぎで<br />

退 散 できるという 自 信 を 持 てるのは 悪 くなかった。<br />

これはランドローバーのアクティビティキーを 試 すチャンスで<br />

もあった。 恥 ずかしながら、 旅 行 直 前 にグローブボックスの 中<br />

にあるのを 見 つけたのだ。 恥 を 重 ねることになるが、ここ 半 年<br />

間 、サーフィンやダイビングに 出 かけるたびに、メインキーを 草<br />

むらに 隠 していた。リストバンドに 取 り 付 け、 身 に 着 ければよ<br />

いだけだったのに。だが、 何 事 も 遅 すぎるということはない。<br />

トランクの 上 でリストバンドを 軽 くたたくと、 施 錠 するウィーン<br />

という 音 が 聞 こえた。 安 心 した 私 は 走 り 出 し、すでに 浅 瀬 で<br />

キャーキャー 言 いながら 水 をはね 上 げている 子 供 たちに 加 わっ<br />

た。 彼 女 たちの 後 ろから 澄 んだ 波 が 勢 いよく 追 いかけていた。<br />

人 魚 が 住 む(とアイラとモリーに 説 明 した) 近 海 に 突 き 出 た<br />

アーチ 状 の 岩 まで、カヤックで 行 ってみることにした。アーチ<br />

岩 までは、 海 岸 に 沿 って 少 し 漕 げば 着 く 距 離 。あたりは 光 がキ<br />

ラキラと 反 射 し、ささやきがこだまする 世 界 だ。カヤックの 中<br />

で 私 の 両 膝 の 間 に 座 っているモリーは、 人 魚 が 魚 を 捕 るのを 見<br />

たと 断 言 した。 私 には 見 えなかったが、「 人 魚 は 大 人 には 見 えず、<br />

少 女 だけが 目 にすることができる」という 説 は 完 全 に 理 にかなっ<br />

ている、と 私 たちは 思 った<br />

暖 かい 日 の 光 を 身 体 いっぱいに 浴 び、たくさん 思 い 出 を 作 っ<br />

た 私 たちは 夕 方 、 顔 をほてらせてその 晩 の 宿 に 向 かった。そこ<br />

は 灯 台 だった。 小 さな 子 供 にとって、いや、51 歳 の 男 にとっても、<br />

このような 宿 がどんな 気 持 ちをもたらすかお 分 かりだろう。し<br />

かも、ただの 灯 台 ではない。ファナドヘッドという 島 の 先 端 に、<br />

1817 年 という 昔 に 建 てられた 高 さ22メートルの 古 いファナド<br />

灯 台 だ。 驚 くほどの 高 さには 思 われないかもしれないが、 塔 の<br />

最 上 階 まで 79 段 の 階 段 を 上 る1 段 ごとに、いちいち 感 心 してし<br />

まう。 最 上 階 からの 景 色 はあるゆるものを 包 み 込 み、 理 屈 抜 き<br />

でとてつもなく 美 しい。 子 供 たちでさえ 声 もなくぼうぜんと 佇 ん<br />

だほどだ(もちろん、ほんの 数 秒 間 のことだが)。 灯 台 のコテー<br />

ジはかつて 灯 台 守 が 住 んでいたもので、 壁 には 歴 史 が 刻 まれて<br />

いる。ベッドに 横 になると、はるか 下 にある 入 り 江 に 打 ち 寄 せる<br />

波 の 音 が 聞 こえ、それを 子 守 唄 に 眠 りに 入 る。<br />

次 の 計 画 は、 砂 浜 での 乗 馬 だった。さて、 今 回 の 旅 行 プラン<br />

を、2 人 の 少 女 の 夢 と 願 望 から 立 てたふりをするのは、そろそ<br />

ろやめるべきだろう。 実 際 、 今 回 の 旅 のプランには、 中 年 の 男<br />

が 死 ぬまでにやりたいたくさんのことの 一 部 だって 入 っている。<br />

この 日 は、タラー・ベイ 乗 馬 センターで 過 ごした。どこまでも<br />

忍 耐 強 いスタッフが 全 力 を 尽 くし、 家 族 全 員 を 馬 の 背 に 乗 せて<br />

タラー・ビーチの 砂 丘 の 下 を 歩 かせてくれる。モリーは 見 たこ<br />

とがないほど 小 さなポニーの 背 に 座 り、そのすべてに 驚 いて、<br />

57


NEVER STOP DISCOVERING<br />

瞳 を 輝 かせる。まったく 対 照 的 に、 私 が 乗 ったのはジャックと<br />

いう 大 きな 馬 だった。この 温 和 な 動 物 は、 無 能 な 道 化 者 を 背 中<br />

に 乗 せているのが 残 念 でならないといった 様 子 で、 時 折 、 目 を<br />

回 してぶるると 鼻 を 鳴 らした。<br />

次 の 数 日 間 はドニゴール 州 をあちこち 散 策 した。グレンコル<br />

ムキルの 民 俗 村 を 訪 ね、 決 して 楽 ではなかったかつての 様 子 を<br />

垣 間 見 る。ここは 旅 行 するには 昔 も 今 も 美 しい 場 所 だが、 生 活<br />

するには 時 として 厳 しい 場 所 である。おそらくこのことはドニ<br />

ゴールのコミュニティの 結 びつきが 今 でも 非 常 に 強 く、 旅 人 の 人<br />

となりや、どこから 来 てどこへ 行 くのか、といったことに 熱 心 に<br />

興 味 を 持 つ 理 由 でもあるのだろう。<br />

今 回 の 旅 行 プランで 最 も 困 難 な 場 所 はポートだった。ポート<br />

は 岩 だらけの 長 い 道 の 行 き 止 まりにある。この 道 は、どこまで<br />

も 続 く 霧 がかった 泥 炭 湿 原 をうねり 抜 ける、 狭 い 道 路 に 続 いて<br />

いた。 道 の 終 わりにポート・コテージがある。 長 い 間 誰 も 住 ん<br />

でいなかった 集 落 にある 建 物 を 修 復 したもので、 大 西 洋 の 矛 先<br />

をまっすぐ 見 下 ろすロケーションだ。コテージは 控 えめに 言 って<br />

も 簡 素 な 建 物 だが、なかには 魔 法 がかかっていた。<br />

小 さな 簡 易 キッチンとリビングスペースを 備 えた 趣 のある 部 屋<br />

には、 海 の 生 物 の 残 骸 があちこちに 散 らばっていた。 隅 にある<br />

泥 炭 暖 炉 には 火 が 入 っていて、 炎 がエメラルド 色 をしたシーグラ<br />

スに 反 射 し、 天 井 から 吊 るされた 海 藻 を 照 らして 揺 らめく。なお、<br />

アイラはこの 近 くの 海 食 柱 で、 最 年 少 の 完 登 記 録 を 打 ち 立 てた。<br />

地 元 の 伝 説 的 ロッククライマーで、ずば 抜 けたスキルを 持 つイ<br />

アン・ミラーに 付 き 添 われ、 彼 女 は 55メートル 下 で 海 が 渦 を 巻<br />

く 中 、 崖 のてっぺんで 意 気 揚 々と 両 手 を 上 げた。カモメが 鳴 き<br />

声 を 上 げながら 旋 回 し、その 周 りに 海 霧 を 呼 び 込 んでいた。<br />

だが、 奇 跡 のような 祝 祭 はこの 後 にやってくる。<br />

私 は 自 分 にとっての 幸 運 の 場 所 、マリン・ヘッドに 家 族 を 連<br />

れていくため、 地 元 で 保 管 していたボートを 取 りに 行 った。こ<br />

こは 私 が 何 年 も 前 にウバザメに 出 逢 ったことでもわかる 通 り、<br />

船 乗 りや 野 生 動 物 愛 好 家 、 自 然 を 愛 する 誰 もが 崇 拝 する 特 別<br />

な 場 所 なのだ。<br />

ボートを 海 に 入 れるときは、ランドローバーのアドバンスドト<br />

ウアシストを 使 うチャンスだった。ディスカバリーのセンターコ<br />

ンソールにある 驚 くほど 小 さなダイヤルを 操 作 するだけで、トレ<br />

イラーを 非 常 に 狭 い 船 台 に 降 ろしてくれる。このテクノロジーの<br />

おかげで、 私 はどこから 見 ても 経 験 豊 かな 船 乗 りといった 様 子<br />

を 漂 わせ、したり 顔 でいることができる。これが 個 人 の 能 力 や<br />

ノウハウには 関 係 ないことは 私 だけの 秘 密 にしつつ、 桟 橋 に 立<br />

つ 地 元 男 性 の 笑 顔 に 対 し、 控 えめに 会 釈 して 応 じるのだった。<br />

その 日 のほとんどを 海 で 過 ごし、 少 し 離 れたイニッシュトラウ<br />

ル 島 にまで 足 を 伸 ばす。そこはしばしばアイルランドから 他 国<br />

へ 移 住 する 人 々が 最 後 に 目 にする 陸 地 となるゆえに、この 国 の<br />

どこよりも 多 く 涙 が 流 された 場 所 だと 言 える。 私 たちがドニゴー<br />

ルに 別 れを 告 げるため、 港 に 戻 ろうとしていた、そのときだった。<br />

地 元 の 船 が 無 線 で 連 絡 してきて、 大 きな 崖 の 長 い 影 の 下 で、イ<br />

ルカの 群 れが 遊 んでいると 教 えてくれた。 私 は 舵 輪 を 回 してス<br />

ピードを 上 げ、 数 百 キロも 旅 してきた 末 の 約 束 の 地 へと 向 かった。<br />

ドニゴールにやってきた 目 的 ? 子 供 たちにヨーロッパ、いや<br />

世 界 で 最 も 驚 きに 満 ちた 場 所 の 一 つを 見 せることだ。マリン・<br />

ヘッドに 着 くと、イルカの 群 れが 私 たちに 会 いに 来 た。 数 秒 の<br />

うちに、ボートはつややかなグレーの 動 物 たちに 囲 まれる。イ<br />

ルカたちは 波 に 身 をよじらせ、ボートの 後 ろでジャンプしている。<br />

アイラとモリーはその 間 ずっと 金 切 り 声 と 笑 い 声 を 上 げていた。<br />

最 果 ての 地 で 過 ごした 一 週 間 を 締 めくくるのに、これほどふ<br />

さわしい 送 別 会 があるだろうか。それは 陸 と 海 の 境 目 をいく 行<br />

程 だからこそ 味 わえた、 本 物 の 旅 だった。<br />

動 画 を 見 る ランドローバー ディスカバリーで 巡 ったアイルランド、<br />

ドニゴール 州 の 冒 険 については、こちらでチェック。<br />

youtube.com/landrover( 英 語 のみ)<br />

アドバンスドトウ<br />

アシスト 機 能 のおかげで<br />

モンティのボートを 降 ろす<br />

のは 実 に 簡 単 。 海 では 魔 法 の<br />

ようなご 褒 美 がホールズ<br />

一 家 を 待 ち 受 けていた。<br />

元 気 いっぱいに 飛 び 跳 ねる<br />

イルカの 群 れだ。<br />

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RIGHT XXXXXX<br />

「イルカの 群 れが 会 いに 来 た。<br />

彼 らは 波 に 身 をよじらせ、<br />

ボートの 後 ろで ジャンプ する」<br />

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AMAZING ARJEPLOG<br />

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ARCTIC ADVENTURE<br />

S N O W<br />

P A T R O L<br />

スウェーデン 北 部 にある<br />

ランドローバー・<br />

アイスアカデミーは<br />

氷 上 ドライブのスリルを<br />

味 わうのに 申 し 分 ない 場 所 だ。<br />

雪 に 覆 われた 見 事 な 森 林 と<br />

素 晴 らしい 地 元 の 文 化 。<br />

人 里 離 れた 地 域 だからこそ<br />

発 見 できることが 数 多 くある。<br />

文 : G E O F F P O U L T O N<br />

写 真 : D I R K B R U N I E C K I<br />

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62


ARCTIC ADVENTURE<br />

左 :ラース・ホフマンと<br />

マーリン・ストリード。<br />

下 :10 匹 の 犬 が 引 く<br />

ソリに 乗 ってアリエプローグを<br />

独 特 な 視 点 から 眺 める。<br />

「 北 極 圏 にほど 近 い<br />

アリエプローグは<br />

松 の 原 生 林 に<br />

覆 われている」<br />

午 後 3 時 。スウェーデン、ラップランド 地 方 に 位 置 するアリエ<br />

プローグは 水 色 の 冬 の 空 が 広 がり、 太 陽 がすでに 沈 みかけてい<br />

る。サラ 湖 に 向 かって 歩 くと、 雪 を 踏 みしめる 音 が 響 く。 防 寒<br />

着 を 何 枚 も 重 ね 着 しているにもかかわらず、マイナス 30℃の 寒<br />

さに 呼 吸 が 苦 しくなりそうな 気 がするほどだ。まったく 驚 異 的<br />

な 環 境 だが、 不 思 議 な 爽 やかさを 感 じる。 氷 結 した 湖 の 端 に<br />

立 っているのはラース・ホフマンとマーリン・ストリード。10 匹<br />

のアラスカン・ハスキーを2.5メートルのソリにつないでいる。<br />

しっぽを 振 りながら 興 奮 して 吠 えている 犬 もいる。 彼 らはまさに<br />

ソリを 引 くために 生 まれてきた。そろそろ 出 発 の 時 間 だ。<br />

厚 手 のウールブランケットにくるまってソリの 前 部 に 座 ると、そ<br />

の 後 ろにマーリンが 立 つ。 彼 女 が 大 声 で 指 示 を 出 すと 犬 たちは 吠<br />

えるのをやめて 走 り 出 す。ソリはどんどん 加 速 し、 湖 に 沿 って 粉<br />

雪 に 覆 われた 松 林 の 中 へと 突 き 進 む。 独 特 の 静 寂 の 中 で 聞 こえ<br />

るのは、 木 製 のランナー( 滑 走 部 )が 雪 面 に 触 れて 立 てるシューッ<br />

という 穏 やかな 音 だけだ。 深 くリラックスし、 絵 のような 冬 景 色<br />

を 楽 しむ−−これはアリエプローグのまったく 違 う 顔 なのだ。<br />

ここは 北 極 圏 にほど 近 いスウェーデン 北 部 。 松 の 原 生 林 に 覆<br />

われた 人 口 の 少 ない 町 を 訪 れる 人 の 多 くは、ほとんどの 時 間 を<br />

運 転 席 に 座 って 過 ごす。 冬 の 間 、この 地 域 の 多 くの 湖 は1メート<br />

ル 以 上 の 厚 さの 氷 で 覆 われ、ランドローバーの 極 寒 テストに 理<br />

想 的 な 環 境 になる。そして、 熱 心 なドライブ 愛 好 家 たちもここ<br />

で 自 らのスキルを 試 し、 向 上 させようとする。<br />

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「 土 地 の 美 しさは 格 別 です。<br />

森 の 中 を 静 かに 滑 り 抜 けるだけで<br />

うっとりするほどです」<br />

250 平 方 キロの 壮 大 なホルナバン 湖 を 見 下 ろすように 立 つラ<br />

ンドローバー・アイスアカデミーでは、 専 門 インストラクター<br />

の 指 導 の 下 、 氷 上 運 転 を 体 験 する 3 泊 または 4 泊 のコースを<br />

提 供 している。ゲストは 最 新 のランドローバーに 乗 って 一 連 の<br />

コースのハンドリングを 学 ぶ。 内 容 は 複 雑 なスラロームから 高<br />

揚 感 を 味 わえる 高 速 ドリフト、 雪 に 覆 われた 森 林 を 走 り 抜 ける<br />

オフロード 走 行 までさまざまだ。<br />

ゲストの 進 歩 は 目 覚 ましい。 氷 の 上 を 運 転 することは 日 頃 の<br />

道 路 対 応 とはまったく 異 なる 体 験 で、 辛 抱 強 さが 鍵 となる。こ<br />

の 点 は( 非 常 に 我 慢 強 い)インストラクターが 常 に 指 摘 すること<br />

だ。アクセル、ステアリング、ブレーキのバランスをうまく 取<br />

る 必 要 がある。 適 切 に 操 ればコーナーを 正 しい 角 度 で 浮 いて<br />

走 り 抜 けることができる。 操 作 を 誤 るとスピンしてたちまち 雪<br />

のバンクにぶつかるだろう。<br />

この 日 、ソリのツアーに 先 立 って、レンジローバー ヴェラー<br />

ルの 運 転 を 体 験 した。 湖 畔 にあるアイスアカデミーエクスペリ<br />

エンスのロッジで 説 明 を 受 けた 後 、 最 初 の 挑 戦 はシンプルに<br />

見 えるスラロームコースを 走 ることだ。インストラクターのアン<br />

ドレ・ドクルーズが、ステアリングホイール、ブレーキ、アク<br />

セルのタイミングについて 説 明 する。「バランスを 見 つけて 勢<br />

いに 身 を 任 せて。 舗 装 道 路 でやるようなとっさの 操 作 は 禁 物<br />

だよ。 急 ハンドルは 切 らないように」。 氷 上 運 転 の 経 験 がな<br />

かった 私 は、ヴェラールの 優 れたオフロード 性 能 をもってして<br />

も、アイスダンサーよろしく 何 度 もクルクルと 回 転 する。だが、<br />

数 回 走 った 後 は、アクセルをゆるめてステアリングホイールを<br />

軽 く 切 る、 適 切 なタイミングをつかめるようになった。ハリウッ<br />

ドのスタントドライバーであるアンドレの 技 術 からはまだ 程 遠<br />

いが、 確 かな 進 歩 の 兆 候 は 見 られる。<br />

コースでのスリルに 加 えて、アリエプローグのランドロー<br />

バー・エクスペリエンスではスピードとは 関 係 ないアクティビ<br />

ティも 豊 富 に 用 意 されている。 例 えば 北 極 圏 のドラマチックな<br />

美 しさを 満 喫 するドライブや、 爽 快 なスノーモービル・ツアー、<br />

静 寂 を 楽 しむハスキー 犬 ソリなどを 体 験 できる。<br />

「 土 地 の 美 しさは 格 別 です。 森 の 中 を 静 かに 滑 り 抜 けるだけで、<br />

うっとりするほどですよ」とマーリン。ソリ 体 験 の 後 、ホルナ<br />

バン 湖 を 見 晴 らすホテル・シルバーホッテンでゆっくりと 体 を<br />

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左 : 爽 快 なドライブの 後 は<br />

ホテル・シルバーホッテンの<br />

パチパチと 音 を 立 てる<br />

暖 炉 の 前 でリラックス。<br />

下 : 北 極 の 荒 野 を 駆 け 抜 ける<br />

レンジローバー ヴェラール。<br />

美 しく 機 能 的 な 車<br />

ヴェラールは 2018 年 のワールド・カー・デザイン・<br />

オブ・ザ・イヤーを 獲 得 したが、 美 しさは 外 見 だけに<br />

とどまらない。トルクオンデマンドの 全 輪 駆 動 によって<br />

卓 越 したオンロード 性 能 とオフロード 性 能 を 両 立 。<br />

最 も 困 難 な 状 況 でもテレインレスポンスが<br />

自 信 にあふれたハンドリングを 約 束 する。<br />

65


ARCTIC ADVENTURE<br />

温 める。マーリンとラースはソリ 犬 の 犬 小 屋 で 出 会 った 後 、ソリ<br />

犬 のツアー 会 社 、コールドノーズ・ハスキーズを 設 立 した。トナ<br />

カイのステーキとヘラジカのバーガーの 美 味 を 堪 能 しながら、 二<br />

人 はその 経 緯 を 語 る。スウェーデン 北 部 出 身 のマーリンは 訓 練<br />

を 受 けたウィルダネス・ガイドで、ドッグトレーナー、 動 物 飼 育<br />

者 でもある。ドイツ 人 のラースは 写 真 家 で、アラスカ、グリーン<br />

ランド、そして 北 欧 のほぼ 全 域 を 探 検 してきている。アリエプ<br />

ローグの 森 林 や 湖 でソリツアーがないときに 二 人 が 好 んでする<br />

活 動 は、 世 界 で 最 も 厳 しい 犬 ゾリのレースに 参 加 して、 究 極 の<br />

テストを 自 らに 課 すことだ。 壮 大 なコースの 中 には1,000キロ<br />

を 超 えるものもあり、 決 意 と 忍 耐 が 真 に 試 される。<br />

こうしたレースは、ソリ 犬 が 冬 季 輸 送 の 重 要 な 手 段 だった 日 々<br />

に、そして 犬 ゾリを 利 用 していた 先 住 遊 牧 民 のサーミ 人 に 敬 意<br />

を 表 している。スカンジナビアやロシアに 住 んでいたサーミ 人 の<br />

文 化 や 生 活 については、 町 のシルバー 博 物 館 で 学 ぶことができ<br />

る。 彼 らの 多 くはいまなおトナカイ 牧 夫 でもある。サーミの 子<br />

供 たちが 通 っていた 学 校 は 膨 大 な 工 芸 品 や 遺 物 を 収 蔵 する 博 物<br />

館 となり、アリエプローグでの 生 活 を 広 い 視 点 から 解 説 してい<br />

る。 南 へ 30 分 ほどの 場 所 にあるボーツォイ・センターではサー<br />

ミの 生 活 をさらに 詳 しく 紹 介 。 伝 統 的 な 住 居 見 学 、トナカイへ<br />

の 餌 やりのほか、 焚 き 火 の 周 りでサーミ 人 の 風 習 について 聞 きな<br />

がら 肉 や 魚 を 使 った 地 元 料 理 を 試 すことができる。<br />

冬 季 に 遠 隔 地 へ 行 くのに 現 在 はハスキー 犬 の 代 わりにスノー<br />

モービルが 使 われることがほとんど。スノーモービルサファリで<br />

広 大 な 松 林 を 探 検 するのもおすすめだ。アリエプローグでの 生<br />

活 は 過 酷 かもしれないが、 少 なくとも 全 力 で 生 きるとはどういう<br />

ことかがわかるだろう。<br />

参 加 する ランドローバー アイスアカデミーの 予 約 はこちら:<br />

www.landrover.co.jp/experiences<br />

「バランスを 見 つけて 勢 いに 身 を<br />

任 せて。 急 ハンドルは 禁 物 だ」<br />

ランドローバー<br />

アイスアカデミー<br />

コースで の 体 験<br />

レンジローバー スポーツや<br />

レンジローバー ヴェラールといった<br />

高 性 能 の 車 両 を 運 転 しながら、<br />

北 極 の 見 事 な 景 色 の 中 で 氷 上 運 転 の<br />

スリルを 満 喫 。 専 門 インストラクター<br />

からの 指 導 を 受 けてスキルを 新 たな<br />

レベルに 引 き 上 げることができる。<br />

氷 上 運 転 の 初 心 者 も 経 験 者 も 楽 しめる<br />

3 泊 または 4 泊 のコースを 用 意 。<br />

コース 外 で の 体 験<br />

アリエプローグ 最 大 のホテル、<br />

シルバーホッテンでは 北 欧 の 温 かい<br />

もてなしが 待 っている。ホテルからは<br />

ホルナバン 湖 や 雪 に 覆 われた 森 林 と 山 を<br />

見 渡 す 絶 景 を 満 喫 。またレストランでは<br />

地 元 料 理 や 国 際 色 豊 かな 料 理 の 両 方 を<br />

楽 しめる 。 旅 の 締 めくくりには<br />

スノーモービル・ツアーやハスキー 犬 の<br />

ソリで 地 域 の 美 しさを 再 確 認 し、<br />

ランドローバー・エクスペリエンスで<br />

北 極 圏 までドライブするのがおすすめだ。<br />

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RIGHT XXXXXX<br />

左 : 氷 上 運 転 のスリルを 体 験 。<br />

下 : 地 元 のサーミ 人 家 族<br />

を 訪 ねて 伝 統 料 理 を<br />

味 わい、 昔 ながらの<br />

生 活 様 式 について 知 る。<br />

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COOL<br />

RUNNINGS<br />

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01 <br />

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02 <br />

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05 <br />

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06 <br />

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09 <br />

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10 <br />

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<br />

gear.landrover.com/jp/ja<br />

DIRK BRUNIECKI<br />

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ランドローバーのアフターサービス<br />

遠 くまで 走 る 車 だから<br />

確 かなアフターサービスを<br />

お 客 様 がランドローバーの 車 を 修 理 ・ 整 備 に 持 ち 込 まれたとき、その 体 験 をできるだけ<br />

ストレスのないものにしようと、 私 たちは 常 に 全 力 を 尽 くします。 専 門 技 術 者 が 対 応 し、<br />

純 正 部 品 と 無 料 のビークルヘルスチェックをご 用 意 。すべて、 誰 よりも<br />

お 客 様 の 車 を 知 り 尽 くしたランドローバーだからこそ 提 供 可 能 なサービスです。<br />

アフターサービスの 詳 細 はウェブサイトで landrover.co.jp


CLASSIC WORKS<br />

D R E A M A L I<br />

70


文 : NATHANIEL HANDY<br />

写 真 : PETER GUENZEL<br />

思 いのままに 大 きな 夢 を<br />

描 いてほしい。その 夢 を<br />

ランドローバークラシック<br />

ワークスが 実 現 しよう。<br />

ディレクターのティム・<br />

ハンニグが 施 設 を 案 内 する。<br />

T T L E D R E A M<br />

71


CLASSIC WORKS<br />

72


「 叔 父 が 初 代 ディスカバリーを 持 っていたんです」と 語 るのはティ<br />

ム・ハンニグ、ランドローバークラシックのディレクターだ。「 家 族 で<br />

デンマークに 住 む 彼 をよく 訪 ねたものです。 後 部 横 の 大 きなドアから<br />

よじ 登 って、 後 ろにある 横 向 きベンチシートに 座 るのが 好 きでした。<br />

8 歳 のころの 話 です。ただもうかっこいい 車 だと 夢 中 でしたよ」。<br />

今 や70 年 の 歴 史 を 誇 るブランドだ。 誰 もがランドローバーの 物 語<br />

を 持 っており、こういったストーリーはあらゆる 大 陸 に 広 がっている<br />

(そして 海 の 道 さえも。2008 年 にベーリング 海 峡 を 陸 用 車 両 として<br />

初 めて 渡 ったのを 思 い 出 してほしい)。<br />

そして 今 、ランドローバーの 新 たな 物 語 が、 英 国 ミッドランズ 地 方<br />

の 新 しい 専 用 施 設 、クラシックワークスで 育 まれている。 同 様 の 施<br />

設 としては 世 界 最 大 で、 設 立 費 は700 万 ポンド、 広 さは1 万 4,000<br />

平 方 メートル。 販 売 、サービス、レストアのすべてを 手 掛 ける 施 設 だ。<br />

ビジターを 迎 えるショールームを 境 に、 巨 大 なガラスのドアの 向 こう<br />

には54 箇 所 の 作 業 ベイと、 解 体 、 再 製 造 、 組 み 立 ての 専 用 ゾーン<br />

が 備 わる。その 後 ろには 洋 服 だんすの 奥 に 隠 された 宝 物 のように、<br />

クラシックコレクションが 並 ぶ。この 保 管 エリアは、500 台 を 超 え<br />

る 車 両 でいっぱいだ。<br />

ハンニグは 言 う。「クラシックワークスは 博 物 館 に 近 い 役 割 も 果 た<br />

しています。ツアーではランドローバーの 歴 史 を 知 ることになります<br />

が、ここは 現 在 も 稼 働 する 場 所 です。 生 きた 歴 史 ですね」。<br />

完 璧 さの 追 求<br />

生 産 が 終 了 している 車 両 を 手 掛 ける 施 設 に、なぜそこまで 投 資 す<br />

るのか? そこにはふたつの 要 素 がある、とハンニグは 説 明 する。「ひ<br />

とつはブランドの 歴 史 を 称 え、 皆 さんに 体 験 してもらうことです」。<br />

ランドローバーほど 豊 かな 歴 史 があると、 称 えるべきものに 不 足 は<br />

ないだろう。だが、クラシックワークスを 生 み 出 したいちばんの 理 由<br />

は 他 にある。「 持 続 可 能 性 を 目 指 した 事 業 だからこその 投 資 、という<br />

点 が 第 一 義 ですね」と 彼 は 言 う。 古 いランドローバーをレストアする<br />

ことは、 多 大 なる 興 奮 を 生 んでいくのだ。<br />

クラシックワークスのエンジニア、グレッグ・キングはこう 思 い 返 す。<br />

「2015 年 に1948 年 式 のシリーズ I の 生 産 ラインを 改 めて 作 ったとき、<br />

大 きな 反 響 がありました。 最 初 は、 何 が 可 能 かを 確 かめようという<br />

ただの 研 究 の 場 でした。 後 にどれだけ 成 功 するかなんて、 分 かって<br />

いなかった」。キングは 自 ら 認 めるように、「 根 っからのランドロー<br />

バー 好 き」だ。デヴォン 州 南 部 の 農 場 で 育 った 彼 は、 子 供 のころか<br />

らランドローバーに 夢 中 で、16 歳 のときに 実 習 生 として 入 社 した。こ<br />

のようなプロジェクトに 関 わることは、 彼 の 究 極 の 挑 戦 だった。<br />

パワートレインから<br />

「1940 年 代 にまでさかのぼるオリジナルの 図 面 がすべてあります」<br />

外 観 まで、クラシック<br />

とキング。そこに 残 るノウハウを 使 えば、ランドローバーはレストアプ ワークスには、あらゆる<br />

ロジェクトを 他 の 追 随 を 許 さないレベルで 提 供 できる。だが 実 際 は、 年 代 のランドローバー<br />

車 両 を 完 璧 にレストア<br />

図 面 だけで 実 現 できるものではない。エキスパートの 存 在 が 不 可 欠 するのに 必 要 なものが<br />

なのだ。クラシックカーほど 専 門 的 な 分 野 では、 適 材 を 得 ることが すべてそろっている。<br />

右 下 :ゼネラル<br />

成 否 を 分 けるとハンニグは 信 じている。2 年 前 は 35 名 ほどの 従 業 員<br />

マネージャーの<br />

がソリハル 工 場 の 一 角 で 作 業 していた。 現 在 では、140 名 のスペシャ フェリックス・ウェルチ。<br />

「クラシックカーとオーナー<br />

は 感 情 の 結 びつきが 強 い<br />

も の 。 同 様 の 敬 意 を 持 っ て<br />

取 り 組 む 必 要 が あ る の で す」<br />

リストがクラシックワークス 専 用<br />

施 設 のベイ 全 体 でレストアに 取 り<br />

組 んでいる。<br />

ハンニグは 断 言 する。「お 客<br />

様 は 私 たちを 信 頼 して 車 を 預 け<br />

ます。クラシックカーとオーナー<br />

は 強 い 感 情 的 な 結 びつきがある<br />

ものなので、 同 様 の 敬 意 を 持 っ<br />

て 車 両 に 取 り 組 む 必 要 があるんです」。 作 業 の 性 質 上 、 品 質 管 理 は<br />

工 場 生 産 ラインと 同 じようにはいかない。「ホイールのナットが 正 し<br />

いトルクで 取 り 付 けられているかをロボットで 確 認 することはできま<br />

せん。1 台 1 台 が 異 なるので、 有 能 でスキルが 高 いだけではなく、 毎<br />

日 、 最 高 の 仕 事 をする 意 欲 のあるスタッフがどうしても 必 要 なのです」。<br />

限 界 への 取 り 組 み<br />

既 存 のレストア 産 業 は 得 てして 小 規 模 になりがちだが、クラシック<br />

ワークスではオリジナルに 忠 実 であり 続 けながら、 最 高 品 質 へのこだ<br />

わりが 付 加 価 値 をもたらしている。「クラシックワークスでは、 部 品<br />

が 不 足 することがないよう、 断 固 たる 決 意 でカタログを 改 良 していま<br />

す。 昨 年 は 部 品 を 新 たに150 点 追 加 しました。 私 たちと 一 緒 に 取 り<br />

組 んでくれる 愛 好 家 が 必 要 ですね」とハンニグは 説 明 する。<br />

ナレッジを 蓄 積 することで、 業 界 は 最 も 必 要 なコンポーネントを<br />

特 定 できる。ハンニグは 言 う。「 無 駄 のない 適 切 な 投 資 は、 業 界 全<br />

体 にメリットをもたらします。つまり、 現 場 で 培 った 経 験 と 知 識 に<br />

よって、 誰 もが 新 しい 予 備 部 品 を 入 手 できるようになる。 自 宅 の 車<br />

庫 でレストアする 人 にも、 専 門 業 者 に 委 託 する 場 合 と 同 様 に 優 良 な<br />

予 備 部 品 を 提 供 す べ き で す か ら 」。<br />

クラシックワークスは、 車 の 新 旧 を 問 わず、ランドローバー 初 のリ<br />

テールアウトレットにもなっている。ランドローバーはこれまで、メー<br />

カーであり 卸 売 業 者 だったが、ここは 一 般 ユーザーを 販 売 店 だけで<br />

はなく、 整 備 工 場 の 中 にまで 直 接 誘 い 込 むことができる 新 しい 領 域<br />

だ。クラシックワークスはそうやって、いまだかつてないお 客 様 との<br />

つながりを 築 いている。<br />

クラシックワークスのゼネラルマネージャー、フェリックス ・ウェ<br />

ルチは 語 る。「 工 場 ツアーは 開 始 以 来 、 常 に 予 約 でいっぱいです。 車<br />

は 芸 術 作 品 に 近 いので、 筋 金 入 りのファンだけではなく、クラシック<br />

カーの 世 界 に 足 を 踏 み 入 れたばかりの 人 々も 引 き 付 けているのです。<br />

先 週 の 日 曜 日 にはランドローバー 朝 食 クラブを 開 催 しました。50 周<br />

年 記 念 エディションのディフェンダーが 52 台 集 まり、これまでにな<br />

い 大 きな 規 模 の 集 いになりましたよ」。<br />

クラシックワークスは 今 、さらに 遠 くを 見 据 えている。2 番 目 の 施<br />

設 がすでにドイツのエッセン 州 にオープンし、 北 米 センターも 計 画 中<br />

だ。ハンニグはいたずらっ 子 のような 笑 みを 浮 かべて 言 う。「 需 要 の<br />

ある 場 所 ならどこでもサービスを 提 供 します。ランドローバーは 国 境<br />

で 止 まったりしません。はるか 先 まで 走 破 するのがランドローバーで<br />

す か ら 」。<br />

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CLASSIC WORKS<br />

デ ィ フ ェ ン ダ ー が 到 達 し た<br />

栄 光 の か た ち と は ?<br />

クラシックワークスのエンジニア、グレッグ・キングが、 史 上 最 もパワフルで<br />

ダイナミックなディフェンダー「ディフェンダー ワークス V8」の 開 発 秘 話 を 語 る。<br />

2018 年 は 創 業 70 周 年 があちこちで 祝 われる 華 やかな 年 だ。<br />

1948 年 、シルバーストーンでグランプリが 初 開 催 され、ロンドンオ<br />

リンピックが 開 かれ、ランドローバーの 最 初 の 車 両 が 生 まれた。す<br />

べて 進 取 の 気 性 が 台 頭 してきた 英 国 の 戦 後 を 特 徴 づける 出 来 事 だ。<br />

ディフェンダーほど、その 時 代 の 可 能 性 を 体 現 する 車 はおそらくな<br />

いだろう。 多 くの 場 面 で 現 代 の 社 会 的 事 象 となってきた 初 代 シリー<br />

ズ I、II を 引 き 継 いだモデルだ。2016 年 に 生 産 が 終 了 したときは、<br />

ひとつの 時 代 が 終 わったかのようだった。クラシックワークスは、<br />

70 周 年 というタイミングに、 究 極 の 贈 り 物 をするまたとない 機 会 を<br />

ランドローバーに 提 示 した。<br />

クラシックワークスのエンジニア、グレッグ・キングはこう 語 る。<br />

「ディフェンダー ワークス V8 は、ディフェンダーの 本 質 を 称 える 最<br />

高 の 車 です。ディフェンダーがランドローバーにとってどれほど 重 要<br />

かを 表 しています。この 車 を 運 転 することは 喜 びと 同 義 。 降 りるとき<br />

は 必 ず 笑 顔 になっていますよ」。キングは 今 回 のプロジェクトでエン<br />

ジニアチームを 率 いた 本 人 であり、ディフェンダーに 対 する 理 解 は 深<br />

い。チームは 紛 れもなくディフェンダーでありながら、ほかには 見 ら<br />

れない 幅 広 い 能 力 とダイナミックさを 備 えた 車 を 作 った。<br />

ワークス V8 は 年 式 が 2012 年 から 2016 年 までのディフェンダー<br />

を 完 全 に 作 り 直 し、 新 たに 塗 装 したもので、 最 高 出 力 405PSを 発<br />

揮 する5リッター V8 自 然 吸 気 エンジンが 搭 載 されている。その 計 り 左 上 :プロジェクトを<br />

率 いたグレッグ・キング。<br />

知 れないパワーを 補 強 するのは、8 速 オートマチックトランスミッショ<br />

パワフルなエンジンと<br />

ン、フロントとリアのヘビーデューティー・ディファレンシャル、 自 動 一 連 の 最 新 技 術 により、<br />

ワークス V8 は<br />

トルクバイアス・センター・ディファレンシャルだ。<br />

究 極 の 性 能 を 備 えた<br />

キングは 言 う。「 市 場 で 見 られるディフェンダーの 改 造 と 違 い、 ディフェンダーとなった。<br />

ワークス V8 には、トラクションコントロールやスタビリティコント<br />

ロールなどの 電 子 制 御 による 支 援 システムすべてが 完 全 に 統 合 され<br />

ています。これを 実 現 するノウハウを 持 つのは 私 たちだけです。もう<br />

ひとつの 違 いは、 厳 しいテストの 繰 り 返 しによってランドローバーの<br />

基 準 を 満 たしていることです」。あるテストでは、2 台 のプロトタイプ<br />

をクラシックワークスから 西 サハラまで 走 らせた。52℃に 至 る 高 温<br />

試 験 のためにトレーラーもけん 引 して 実 施 され、オンロードでもオフ<br />

ロードでもしっかり 持 ちこたえられることを 証 明 してみせた。<br />

通 常 、 生 産 終 了 から10 年 経 っていないモデルはクラシックワークス<br />

に 委 ねられることはない。 例 えばフリーランダーがクラシックワーク<br />

スに 渡 ったのは、ごく 最 近 のことだ。では、ディフェンダーに 対 して<br />

はなぜこんなに 早 く 手 掛 けたのか。クラシックワークスのディレク<br />

ター、ティム・ハンニグは、「 単 純 に、ディフェンダーはたちまちクラ<br />

シックカーになったからです」と 言 う。<br />

150 台 限 定 の 車 両 は、 最 初 のプレスリリースから9 日 のうちに 完<br />

売 した。 幸 運 な150 人 の 一 人 になれなかったとしても、 多 少 の 慰 め<br />

になることがある。ワークス V8の 後 に、ディフェンダーのアクセサ<br />

リーとアップグレードがたくさん 用 意 される 予 定 なのだ。<br />

ワークス V8 はクラシックワークスの 今 後 の 役 割 を 定 義 するのにも<br />

貢 献 した。ハンニグはこう 語 る。「ワークス V8 は 究 極 に 洗 練 された<br />

ディフェンダーでありながら、 本 来 のディフェンダーそのものでもあ<br />

り ま す。 ま っ た く 夢 と ビ ジ ネ ス が 同 じ と は こ の こ と で すよ 」。<br />

もっと 知 る クラシックワークスのツアーを 予 約 するには<br />

「Land Rover Classic Works」で 検 索 。<br />

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INNOVATION INSIGHTS<br />

T H E L I G H T<br />

F A N T A S T I C<br />

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LED HEADLIGHT SYSTEM<br />

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ESSAY<br />

THE SPACE BETWEEN US<br />

さまざまなことに 注 意 力 がそがれ、<br />

誰 もが 不 安 を 抱 える 現 代 に 必 要 なもの?<br />

それはマインドフルネス。<br />

練 習 に 最 適 な 場 所 は、 車 の 中 だ。<br />

文 : E R I N B A K E R<br />

イラスト: J Ö R N K A S P U H L<br />

最 大 8 兆 ドル。これは 心 の 健 康 問 題 が 要 因 で 失 われると 推 定<br />

される、 全 世 界 の 年 間 生 産 量 における 損 失 額 で、 世 界 経 済 フォー<br />

ラムがはじき 出 したものだ。うつ 病 に 対 する 社 会 的 コストは、<br />

2030 年 までに 糖 尿 病 、がん、 呼 吸 器 障 害 の 合 計 を 上 回 ると 見<br />

込 まれている。どうりで2014 年 に 登 場 した 初 心 者 向 けの 瞑 想 ア<br />

プリ「Headspace(ヘッドスペース)」のダウンロード 数 がすで<br />

に1,600 万 回 を 超 えているわけだ。<br />

その 理 由 はなぜか。 人 類 はいまだかつてないほど 豊 かになり、<br />

総 じて 健 康 的 で 長 寿 になっているにもかかわらず、 現 代 人 のスト<br />

レスはかつてないほど 大 きい。スマートフォンや SNS が 発 達 した<br />

現 代 社 会 においては、 私 たちはどこにいても 誰 かに 捕 まり、 四 六<br />

時 中 、プライバシーを 探 られる。その 結 果 、 私 たちの 脳 は 絶 え<br />

間 なく 連 絡 や 要 求 、 依 頼 、 議 論 、やりとりに 対 応 して 神 経 伝 達<br />

物 質 を 放 出 し 続 け、あらゆるノイズに 悩 まされているのである。<br />

神 経 科 学 者 でケンブリッジ 大 学 の 精 神 医 学 教 授 であるエドワー<br />

ド・ブルモアは、この 状 況 を「21 世 紀 における 慢 性 ストレス」と<br />

呼 ぶ。 医 学 において 慢 性 的 とは、 絶 えず 続 いて 解 消 できない 症<br />

状 を 意 味 する。 昔 であれば、 常 につながっていることは 最 大 の<br />

ぜいたくだった。 未 来 学 者 のゲルト・レオンハルトは、つながり<br />

を 中 断 することがやがてぜいたくになるだろうと 考 えている。<br />

そう 考 えると、 車 に 乗 る 多 くの 人 にとって、ドライブが 今 なお<br />

楽 しみであり 続 けていることは 不 思 議 ではない。 車 の 代 わりに<br />

公 共 交 通 機 関 を 利 用 することが 推 奨 される、 世 の 中 の 風 潮 に 逆<br />

らう 行 為 であるにもかかわらずだ。 車 は 真 に 個 人 的 な 空 間 であ<br />

り、 運 転 はほかのことを 一 切 中 断 して、 頭 と 体 の 両 方 を 一 つの<br />

活 動 に 集 中 させるよう 求 められる 数 少 ない 日 々の 活 動 の 一 つだ。<br />

車 の 良 いところは、 私 のように4 人 の 息 子 の 送 り 迎 えをひっき<br />

りなしにしなければならない 不 運 な 状 況 になければ、 本 質 的 に<br />

孤 独 を 味 わえる 点 である。 通 勤 手 段 を 車 から 公 共 交 通 機 関 に 替<br />

えない 人 が 多 いのは、 半 分 はこの 点 が 理 由 だろう。ドライブ 中<br />

のBGMや 室 温 、シートの 位 置 、 室 内 の 照 明 を 自 分 の 好 みに 合<br />

わせられ、 誰 の 干 渉 も 受 けずにすむ。そして、 車 のインテリア<br />

がオフィスや 自 宅 を 超 える 第 三 の 空 間 に 進 化 するにつれて、 瞑 想<br />

し、 静 寂 の 中 で 問 題 を 解 決 し、 頭 を 空 っぽにできるぜいたくな<br />

場 所 としてますます 重 要 性 を 増 してきている。 無 駄 を 削 ぎ 落 と<br />

したデザイン、 触 れる 喜 びを 生 む 滑 らかな 表 面 素 材 、 軽 量 ファ<br />

ブリックなどがあいまって、 落 ち 着 きを 感 じる 空 間 を 生 み 出 す。<br />

まさに、マインドフルネスの 練 習 にうってつけの 環 境 だ。<br />

今 後 数 年 のうちに 車 の 機 能 として 自 動 運 転 が 増 えていくので、<br />

やがて、 渋 滞 でノロノロ 進 む 間 に 罪 悪 感 を 抱 くことなく 精 神 的<br />

な 空 間 を 解 き 放 てるようになるだろう。そして、 道 路 が 空 いて、<br />

曲 がりくねる 道 が 現 れたら 運 転 する。こうしてドライブする 喜 び<br />

は 常 に 有 意 義 な 体 験 であり 続 ける。だから、 深 く 腰 掛 けてリラッ<br />

クス 運 転 するときも、 車 との 一 体 感 を 楽 しんでいる 瞬 間 も、 忘<br />

れないでほしい。ただ 呼 吸 してそこにいればいいということを。<br />

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CASTROL EDGE PROFESSIONAL<br />

ジョイントアドベンチャー<br />

ランドローバーとの 共 同 開 発 から 誕 生<br />

16 年 前 、 自 動 車 業 界 で 重 要 な 役 割 を 担 う2つの 企 業 が 冒 険 に 出 ました。 目 的 は、ランドローバーの<br />

伝 説 的 なオフロード 性 能 にかなう 一 連 のエンジンオイルを 開 発 すること。チタン FST を 採 用 して<br />

最 強 となったカストロール EDGE Professionalは、 効 率 性 と 応 答 時 間 を 向 上 し、 最 も 過 酷 な<br />

条 件 下 であってもエンジンを 守 るように 作 られています。これまでになく 強 いパートナーシップで<br />

結 ばれているランドローバーとカストロール。 両 社 による 冒 険 は、これからも 続 いていきます。<br />

カストロール EDGE Professional は<br />

お 近 くのランドローバー 正 規 ディーラーにてお 求 めいただけます。<br />

Castrol EDGE Professional はランドローバーが 推 奨 する 唯 一 のオイルです。


DEFY EL PRIMERO 21<br />

ZENITH, THE FUTURE OF SWISS WATCHMAKING<br />

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