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(第4回) -Open MRI 症例 - 日立メディコ

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ドクター KENのオープン<strong>MRI</strong>を 極 める ( 第 4 回 )<br />

— Open <strong>MRI</strong> 症 例 —<br />

大 日 方<br />

1)<br />

研 Ken Obinata<br />

吉 澤<br />

2)<br />

康 宏 Yasuhiro Yoshizawa<br />

3)<br />

田 中 祥 平 Shohei Tanaka<br />

南 雲<br />

3)<br />

隆 文 Takafumi Nagumo<br />

4)<br />

小 澤 郁 生 Ikuo Ozawa<br />

松 嶋<br />

5)<br />

民 夫 Tamio Matsushima<br />

6)<br />

本 間 寛 之 Hiroyuki Honma<br />

押 山<br />

6)<br />

香 織 Kaori Oshiyama<br />

6)<br />

船 造 寿 光 Toshimitsu Funazukuri<br />

1)<br />

大 日 方 医 院 ( 木 更 津 市 )<br />

2)<br />

圏 央 所 沢 病 院 放 射 線 科<br />

3)<br />

池 袋 病 院 放 射 線 科<br />

4)<br />

岡 村 記 念 クリニック 放 射 線 科<br />

5)<br />

彩 のクリニック 画 像 診 断 部<br />

株 式 会 社 日 立 メディコ アプリケーション 部<br />

6)<br />

この 誌 上 セミナーも2 年 間 にわたり、 今 回 で4 回 目 を 迎 えました。「オープン<strong>MRI</strong>」は 多 くのユーザーの 方 に 日 々ご 使 用 いただいて<br />

いますが、 第 3 回 まではテーマに 分 けて 実 践 的 なオープン<strong>MRI</strong>の 臨 床 応 用 につながる 基 礎 について 教 えていただきました。<br />

今 回 は、 臨 床 の「かかりつけ 医 」の 現 場 で 活 躍 するオープン<strong>MRI</strong>の 実 際 を、いくつかの 施 設 から 紹 介 していただく 企 画 としていま<br />

す。 同 じ 装 置 であれば、 異 なる 施 設 で 別 のオペレーターが 操 作 し 違 う 患 者 の 検 査 を 行 った 場 合 でも、 同 じような 部 位 ・ 症 例 であれば<br />

常 に 安 定 したコントラストが 得 られるという 医 用 画 像 診 断 装 置 としての 最 大 必 要 条 件 を 満 たした 装 置 であること、すなわちオープン<br />

<strong>MRI</strong>の 大 きな 特 長 である 安 定 性 がベースとなり、さらに 施 設 で 装 置 を 使 う 側 が 努 力 ・ 工 夫 を 重 ねることにより、それが 十 分 条 件 に<br />

なって、 臨 床 応 用 の 拡 大 につながるという 事 実 を 確 認 していただき、 読 者 の 皆 様 のモチベーションアップに 少 しでも 結 び 付 けばとの<br />

思 いを 込 めたものです。<br />

連 載 は 今 回 で 完 了 しますが、オープン<strong>MRI</strong>はますます 納 入 台 数 を 増 やし、 多 くのユーザーの 方 から 情 報 提 供 の 強 い 要 望 もありま<br />

すので、 今 後 も 最 新 情 報 ・ 追 加 情 報 の 発 信 を 続 けることはメーカーの 責 務 と 思 っております。<br />

大 日 方 先 生 には 無 理 をお 願 いし「 誌 上 セミナー」をご 執 筆 いただきました。 今 後 は 適 宜 、<strong>MRI</strong>の 活 用 方 法 や 臨 床 事 例 などで 登 場<br />

していただく 予 定 です。<br />

( 編 集 委 員 伊 藤 陽 一 )<br />

1.はじめに<br />

「ドクター KENのオープン<strong>MRI</strong>を 極 める」シリーズも 最 終<br />

回 となった。 今 回 はOpen <strong>MRI</strong>ユーザーの 方 々から 提 供 された<br />

症 例 について 検 討 する。<br />

症 例 内 容 を4つに 分 け、「 急 性 期 ・ 亜 急 性 期 脳 梗 塞 における<br />

拡 散 強 調 画 像 の 実 際 」「 動 脈 硬 化 性 変 化 へのアプローチー BBI<br />

への 期 待 」「 造 影 <strong>MRI</strong>― 四 肢 ・ 肝 ・ 前 立 腺 腫 瘤 への 造 影 検 査 」<br />

「MR hydrography-MRCPとMR myelography」について<br />

説 明 する。<br />

た 発 症 から1 ~ 2 時 間 経 過 の 超 急 性 期 脳 血 管 障 害 の 症 例 と、<br />

0.4Tオープン<strong>MRI</strong> APERTO ※2 Inspireで 撮 像 した 発 症 60 時<br />

間 後 の 亜 急 性 期 脳 梗 塞 の 症 例 を 提 示 する。<br />

2.1 症 例 1<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

90 歳 男 性 。めまいと 左 上 肢 の 違 和 感 、 歩 行 困 難 にて 救 急 搬<br />

送 となる。 急 性 期 脳 血 管 障 害 疑 いでCTと<strong>MRI</strong>を 施 行 。<br />

2. 急 性 期 ・ 亜 急 性 期 脳 梗 塞 における<br />

拡 散 調 画 像 の 実 際<br />

発 症 から1 ~ 2 時 間 経 過 した 超 急 性 期 脳 血 管 障 害 における<br />

Open <strong>MRI</strong>(0.3T&0.4T)の 拡 散 強 調 画 像 (DWI)の 実 際 につい<br />

て 考 察 する。<br />

0.3Tオープン<strong>MRI</strong> AIRIS ※1 Ⅱ Comfort Ver5.0Mで 撮 像 し<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

発 症 2 時 間 後 のCTでは 明 らかな 異 常 所 見 は 認 められず、<br />

CT 撮 影 直 後 に<strong>MRI</strong>を 施 行 した。 拡 散 強 調 画 像 でのみ 左 小 脳<br />

に 高 信 号 域 を 認 めた。FLAIR 画 像 では、 明 らかな 異 常 信 号 は<br />

認 められなかった。<br />

発 症 20 時 間 後 の<strong>MRI</strong>では、すべてのシーケンス(T2 強 調 画<br />

像 、 拡 散 強 調 画 像 、FLAIR 画 像 )で 左 小 脳 半 球 に 一 致 して 高<br />

44 〈MEDIX VOL.52〉


信 号 域 を 認 めた( 図 1)。<br />

2.2 症 例 2<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

70 歳 女 性 。 自 宅 のトイレにて 嘔 吐 、 自 力 で 歩 行 して 横 にな<br />

る。ろれつが 回 らなくなり 救 急 要 請 。 救 急 搬 送 中 に 左 上 肢 麻 痺<br />

出 現 。 急 性 期 脳 血 管 障 害 疑 いでCTと<strong>MRI</strong>を 施 行 。<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

発 症 1 時 間 後 のCTでは 異 常 所 見 は 認 められず、CT 撮 影 直<br />

後 に 施 行 した<strong>MRI</strong> 拡 散 強 調 画 像 では 右 中 大 脳 動 脈 領 域 に 高<br />

信 号 域 を 認 めた。MRA 画 像 では 明 らかな 狭 窄 や 閉 塞 は 認 め<br />

られなかった。<br />

発 症 18 時 間 後 のT2 強 調 画 像 では、 右 側 頭 部 異 常 信 号 は 不<br />

明 瞭 であった。 拡 散 強 調 画 像 とFLAIR 画 像 では 右 中 大 脳 動<br />

脈 領 域 に 明 瞭 な 高 信 号 域 を 認 めた( 図 2、 図 3)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 1と 症 例 2)<br />

Open <strong>MRI</strong>(AIRIS)による 拡 散 強 調 画 像 で、 超 急 性 期 脳 梗<br />

塞 巣 に 異 常 な 高 信 号 域 を 認 めた。<br />

図 2と 図 3より、 拡 散 強 調 画 像 では 発 症 1 時 間 と 比 較 して、<br />

発 症 18 時 間 で 信 号 強 度 が 増 強 しており、FLAIR 画 像 では 発<br />

症 18 時 間 と 比 較 して 第 5 病 日 で 信 号 強 度 の 増 強 、 高 信 号 域 の<br />

増 大 を 認 めた。 脳 梗 塞 における<strong>MRI</strong> 信 号 強 度 の 経 時 的 変 化<br />

に 一 致 している。<br />

症 例 1と 症 例 2より、0.3Tオープン<strong>MRI</strong> AIRISⅡの 拡 散 強<br />

調 画 像 では、 発 症 から1~ 2 時 間 経 過 した 超 急 性 期 脳 血 管 障 害<br />

の 梗 塞 巣 を 高 信 号 に 描 出 した。 拡 散 強 調 画 像 では、 梗 塞 巣 を<br />

発 症 後 30 分 ~ 1 時 間 頃 より 生 じる 細 胞 性 浮 腫 を 高 信 号 として<br />

描 出 可 能 であり、 超 急 性 期 脳 血 管 障 害 の 診 断 に 有 用 と 言 える。<br />

発 症 2 時 間 後 CT DWI FLAIR<br />

発 症 20 時 間 後 T2WI DWI FLAIR<br />

図 1: 発 症 2 時 間 後 と 発 症 20 時 間 後 のCTと<strong>MRI</strong><br />

2.3 症 例 3<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

80 歳 女 性 。 以 前 より 杖 で 歩 行 していたが、 約 60 時 間 前 より<br />

左 半 身 の 感 覚 障 害 と 歩 行 困 難 が 出 現 する。 脳 梗 塞 疑 いにて<br />

<strong>MRI</strong>を 施 行 。<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

T2 強 調 画 像 、 拡 散 強 調 画 像 にて 中 脳 正 中 部 に 高 信 号 域 を、<br />

発 症 1 時 間 後 CT DWI MRA<br />

発 症 18 時 間 後 T2WI DWI FLAIR<br />

図 2: 発 症 1 時 間 後 と18 時 間 後 のCT、<strong>MRI</strong><br />

DWI 1 時 間 18 時 間<br />

FLAIR 18 時 間 5 日<br />

図 3: 拡 散 強 調 画 像 とFLAIR 画 像 の 時 間 別 の 比 較<br />

〈MEDIX VOL.52〉 45


ADC 画 像 で 低 信 号 域 を 認 める。T2 強 調 画 像 では 背 側 の 信 号<br />

強 度 が 強 く、 拡 散 強 調 画 像 では 病 変 部 全 体 に 高 信 号 を 示 す。<br />

T1 強 調 画 像 では 信 号 強 度 に 変 化 はなく、FLAIR 画 像 では 明<br />

瞭 な 高 信 号 域 は 認 められない( 図 4)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 3)<br />

この 症 例 は、 図 4のT2 強 調 画 像 、 拡 散 強 調 画 像 、ADC 画 像<br />

の 信 号 強 度 の 組 み 合 わせから 急 性 期 以 降 の 中 脳 梗 塞 と 考 える<br />

ことができる( 表 1)。しかし、 拡 散 強 調 画 像 は 中 脳 正 中 部 背 側<br />

から 内 側 寄 りで 高 信 号 域 を 認 め、T2 強 調 画 像 では 中 脳 正 中 部<br />

背 側 に 特 に 高 信 号 域 を 認 める。 中 脳 内 側 と 正 中 部 背 側 で 梗 塞<br />

発 症 時 期 が 異 なっている 可 能 性 が 示 唆 される。<br />

発 症 6 日 後 のT2 強 調 画 像 ( 図 5)では 高 信 号 域 が 内 側 にまで<br />

拡 大 している。これは、 細 胞 性 浮 腫 から 血 管 性 浮 腫 に 移 行 した<br />

ことによる 高 信 号 域 の 広 がり( 変 化 )と 考 える。<br />

EPI 法 を 使 用 する 場 合 、 磁 場 の 均 一 性 とともに 撮 像 領 域 を<br />

磁 場 の 中 心 にすることが 重 要 であり、それに 注 意 をしつつ 実 施<br />

したためオープン<strong>MRI</strong>でも 拡 散 強 調 画 像 、ADC 画 像 が 明 瞭 な<br />

画 像 として 描 出 できたと 考 える。<br />

また、 磁 場 の 均 一 性 を 保 つためにも 日 常 のメンテナンスや 管<br />

理 は 重 要 である。<br />

【 拡 散 強 調 画 像 】<br />

拡 散 強 調 画 像 (DWI)は 脳 の 虚 血 領 域 の 検 出 に 非 常 に 鋭 敏<br />

であり、CT やT2 強 調 画 像 よりも 早 期 に 検 出 することが 可 能 で<br />

あるとともに、 脳 梗 塞 の 病 期 の 診 断 にも 有 用 である。 亜 急 性 期<br />

以 降 の 梗 塞 はT2 強 調 画 像 で 高 信 号 を 呈 するが、 拡 散 強 調 画 像<br />

と 併 せることで、 脳 梗 塞 の 経 過 、 病 期 を 診 断 ができる。<br />

Open <strong>MRI</strong>の 拡 散 強 調 画 像 には、 拡 散 強 調 の 傾 斜 磁 場<br />

(MPGパルス)を1 軸 のみに 印 加 する 撮 像 法 (Single)と3 軸 に<br />

MPGパルスを 印 加 する 撮 像 法 (Trace)がある。1 軸 のみ 印 加 の<br />

場 合 、 撮 像 時 間 がTraceの1/4で 済 み、 体 動 の 激 しい 患 者 には<br />

適 しているが、 画 質 的 にはS/Nが 低 くなる。また、MPGパル<br />

スを 神 経 線 維 の 走 行 に 垂 直 な 方 向 に 印 加 した 場 合 は、 拡 散 異<br />

方 性 によって 高 信 号 に 認 められることがあり、 注 意 が 必 要 にな<br />

る。3 軸 にMPGパルスを 印 加 し 撮 像 する 場 合 、 撮 像 時 間 は1 軸<br />

の 場 合 よりも 長 くなるが、 神 経 線 維 の 拡 散 異 方 性 の 影 響 を 減 ら<br />

すことができる。よって、 患 者 の 状 態 によりシーケンスの 選 択<br />

をすることも 大 切 である。<br />

【ADCmap】<br />

b=0 画 像 上 の 信 号 強 度 が 極 端 に 高 い 場 合 (T2 値 が 著 明 に 延<br />

長 している 場 合 )、 拡 散 強 調 画 像 上 に 反 映 され 急 性 期 でなくて<br />

も 高 信 号 を 呈 することがあり、これをT2 shine throughと 呼 ぶ。<br />

拡 散 強 調 画 像 ではT2 shine throughの 影 響 をうけて 亜 急 性 期<br />

後 半 まで 高 信 号 が 持 続 する。この 現 象 があるために、 拡 散 強 調<br />

像 の 高 信 号 が 真 のADC 低 下 によるものかの 判 断 には、 拡 散 係<br />

数 画 像 (ADC map)を 作 成 し、ADC 画 像 で 低 信 号 を 確 認 するこ<br />

とを 勧 める。<br />

【 拡 散 強 調 画 像 撮 像 におけるアドバイス】<br />

拡 散 強 調 画 像 を 撮 像 時 、Shimmingと 呼 ばれる 静 磁 場 調 整<br />

を 行 う。その 場 合 、 必 ず 対 象 部 位 が 磁 場 中 心 にくるように 患 者<br />

セッティングを 行 う。 通 常 、 脳 の<strong>MRI</strong> 撮 像 時 はレーザーを 眉 間<br />

に 合 わせるが、 拡 散 強 調 画 像 撮 像 時 は 眉 間 よりも1~ 2cm 上 に<br />

設 定 することを 勧 める。それにより、 空 気 領 域 ( 副 鼻 腔 )を 外 し<br />

た 位 置 でShimmingを 行 うことができ、より 歪 みの 無 い 拡 散 強<br />

調 画 像 撮 像 が 可 能 となる。<br />

T2WI T1WI FLAIR<br />

DWI<br />

ADC map<br />

図 4: 発 症 60 時 間 後 の<strong>MRI</strong> 像<br />

表 1:<strong>MRI</strong> 画 像 の 信 号 強 度 と 脳 梗 塞 の 病 期 の 関 係<br />

病 期 拡 散 強 調 画 像 ADC 画 像 T2 強 調 画 像<br />

発 症 直 後 (0〜1 時 間 ) 所 見 なし 変 化 なし 所 見 なし<br />

超 急 性 期 (1〜24 時 間 ) 高 信 号 低 下 所 見 なし<br />

急 性 期 (1〜7 日 ) 高 信 号 低 下 高 信 号<br />

亜 急 性 期 (1〜3 週 ) 高 → 低 信 号 低 下 → 上 昇 高 信 号<br />

慢 性 期 (1か 月 〜) 低 信 号 上 昇 高 信 号<br />

図 5: 発 症 6 日 後 のT2WI 像<br />

46 〈MEDIX VOL.52〉


3. 動 脈 硬 化 性 変 化 へのアプローチ<br />

-BBIへの 期 待<br />

頸 動 脈 超 音 波 検 査 における 頸 動 脈 プラークの 検 出 と 評 価 に<br />

よる 動 脈 硬 化 の 評 価 はその 成 果 を 挙 げているようである。<br />

Open <strong>MRI</strong> APERTO InspireによるBBI(Blood Black Image)<br />

の 評 価 を 試 みた。<br />

3.1 症 例 4<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

75 歳 男 性 。 病 院 送 迎 部 職 員 ドライバー。 前 年 の 検 診 にて 血<br />

圧 206/98mmHgと 高 値 。 動 脈 硬 化 精 査 目 的 で 頸 動 脈 超 音 波 検<br />

査 および<strong>MRI</strong> 検 査 BBIを 施 行 した。<br />

既 往 歴 : 高 血 圧 、 高 脂 血 症<br />

頸 動 脈 超 音 波 像 ( 以 下 US)にて 内 頸 動 脈 および 外 頸 動 脈 分<br />

岐 部 のプラークを 検 出 し( 図 8)、その 後 <strong>MRI</strong> 検 査 BBIにて 同<br />

一 部 位 におけるプラークの 存 在 を 確 認 できる( 図 6、 図 7)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 4)<br />

頸 部 プラーク 検 出 のスタンダードな 検 査 としてのUS( 図 8)と<br />

比 較 して、BBIの 精 度 を 確 認 する。そのために 双 方 のモダリ<br />

ティの 特 徴 を 理 解 したうえで 検 査 に 臨 む。<br />

プラークの 検 出 感 度 向 上 のため、 脂 肪 抑 制 を 併 用 したBBI<br />

を 撮 像 。 脂 肪 抑 制 なしでの 画 像 に 対 してより 明 瞭 にプラークを<br />

示 唆 する 病 変 を 描 出 できた。<br />

病 変 部 の 再 現 性 を 高 めるため、 可 及 的 にUSと 同 じ 断 面 で 撮<br />

像 することの 必 要 性 を 感 じた。また、USで 検 出 した 病 変 を<br />

<strong>MRI</strong>にて 描 出 できたことで、Open <strong>MRI</strong>の 可 能 性 を 再 認 識 す<br />

ることができた。<br />

Bモード<br />

カラードプラー<br />

図 8: 頸 部 超 音 波 画 像<br />

BBI double T2<br />

BBI triple T2<br />

図 6: 頸 部 <strong>MRI</strong>(BBI)<br />

BBI double T1<br />

BBI triple T1<br />

【BBI(blood black image)】<br />

BBIはIRプリパルスを 利 用 し 血 液 の 信 号 を 抑 制 すること<br />

で、 血 管 内 腔 の 信 号 を 落 として 血 管 壁 を 描 出 する 手 法 である。<br />

図 9に 示 すように、スライス 選 択 をしない 全 体 励 起 によってIR<br />

撮 像 を 行 い、 血 液 にフォーカスしたTIを 設 定 すると 血 液 の 信<br />

号 を 落 とすことができる。しかし、このままではスライス 面 内<br />

の 水 成 分 も 信 号 低 下 するので、スライス 面 内 のみの 縦 磁 化 を<br />

回 復 するIRパルスを 印 加 する(double-IR)。さらに 脂 肪 に<br />

フォーカスしたIRパルス(triple-IR)を 用 いると、 脂 肪 抑 制 も<br />

併 用 することができる。<br />

リスクの 高 いソフトプラークやリスクの 高 くないハードプ<br />

ラークの 性 状 診 断 を 行 うためには、 脂 肪 の 信 号 が 除 去 されて<br />

プラークに 対 する 感 度 が 高 いtriple-IR 法 が 有 用 であるが、<br />

double-IR 法 に 比 べてS/Nが 低 下 する。<br />

BBI double T2 BBI double T1 BBI triple T2 BBI triple T1<br />

図 7: 各 BBIの 拡 大 像<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

USにて 内 頸 動 脈 に 高 輝 度 の 病 変 を 認 める。BBIにて 同 じく<br />

内 頸 動 脈 内 にT2 強 調 画 像 とT1 強 調 画 像 ともに 淡 い 高 信 号 域<br />

の 存 在 を 認 め、 両 者 から 右 内 頸 動 脈 内 のプラークの 存 在 が 示<br />

唆 される。<br />

図 9: BBI(doble-IR)シーケンス<br />

〈MEDIX VOL.52〉 47


表 2にS/Nを 向 上 させるためのパラメータ 変 更 とそれに 伴 う<br />

トレードオフ 事 項 を 示 す。<br />

表 2:S/N 向 上 のためのパラメータ 変 更 とトレードオフ<br />

変 更 パラメータ 数 値 変 更 方 法 トレードオフ<br />

4. 造 影 <strong>MRI</strong><br />

- 四 肢 ・ 肝 ・ 前 立 腺 腫 瘤 への 造 影 検 査<br />

<strong>MRI</strong> 用 造 影 剤 (ガドリニュウム 剤 )の 静 脈 注 入 法 、 撮 像 タイ<br />

ミング 等 について 質 問 が 大 変 多 い。 上 腕 部 筋 組 織 内 腫 瘤 造 影<br />

<strong>MRI</strong> 1 例 、Dynamic <strong>MRI</strong> 2 例 ( 肝 腫 瘤 - 肝 血 管 腫 と 前 立 腺 腫<br />

瘍 - 前 立 腺 癌 )の 計 3 例 を 提 示 する。<br />

4.1 症 例 5<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

FOV 大 きくする 画 像 が 縮 小<br />

NSA 大 きくする 撮 像 時 間 の 延 長<br />

Rect.FOV Offまたは 100 に 近 づける 撮 像 時 間 の 延 長<br />

Anti.Aliasing(Res) 大 きくする 撮 像 時 間 の 延 長<br />

35 歳 男 性 。 右 上 腕 外 背 側 にシコリを 触 知 、 気 になり 受 診 。 腫<br />

瘤 部 に 盛 り 上 がりを 認 め、MFH(malignant fibrous histeocytoma)<br />

疑 いにて<strong>MRI</strong>を 施 行 。<br />

撮 影 順 序 とシーケンスを 示 す。<br />

1) 矢 状 断 :T2 強 調 画 像<br />

2) 矢 状 断 :T1 強 調 画 像<br />

3) 矢 状 断 :STIR 画 像<br />

4) 矢 状 断 :T2*(out of phase) 画 像<br />

5) 横 断 :T2 強 調 画 像<br />

6) 横 断 :T1 強 調 画 像<br />

7) 横 断 :STIR 画 像<br />

8) 矢 状 断 : 造 影 T1 強 調 画 像<br />

9) 横 断 : 造 影 T1 強 調 画 像<br />

10) 矢 状 断 :WFS 法<br />

11) 矢 状 断 :CHESS 法<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

右 上 腕 骨 三 頭 筋 部 に 大 きさ3cm 弱 の 腫 瘤 性 病 変 を 認 める。<br />

T2 強 調 画 像 、STIR 画 像 、T2* 強 調 画 像 にて 高 信 号 、T1 強 調<br />

画 像 にて 低 信 号 を 示 す。 辺 縁 はsmoothで 内 部 はやや 不 均 一 で<br />

ある。STIR 画 像 において 高 信 号 を 呈 しているため、 脂 肪 組 織<br />

ではないと 考 える( 図 10)。<br />

造 影 後 のT1 強 調 画 像 において、 境 界 明 瞭 なやや 不 均 一 に 造<br />

影 された 腫 瘤 を 認 める。WFS、CHESSにおいて 腫 瘤 内 に 脂<br />

肪 成 分 は 認 められない。<br />

サブトラクション 画 像 において、 造 影 効 果 の 確 認 のみなら<br />

ず、 腫 瘤 と 周 囲 の 組 織 間 に 明 瞭 なコントラストが 得 られており、<br />

腫 瘤 内 部 の 観 察 も 可 能 である( 図 11)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 5)<br />

脂 肪 抑 制 法 を 撮 像 することにより、 脂 肪 と 出 血 の 鑑 別 が 可<br />

能 となり、 診 断 能 の 向 上 が 見 込 まれるため、ルーチン 検 査 で 撮<br />

像 すること、あるいは 追 加 シーケンスとして 用 いることが 望 ま<br />

れる。<br />

脂 肪 抑 制 法 にはSTIR、WFS、CHESS 法 があり、それぞれ<br />

の 脂 肪 抑 制 法 には 特 徴 があるので、それらを 十 分 に 理 解 し、 適<br />

切 なシーケンスを 使 用 することが 必 要 である。(ドクター KEN<br />

の オ ー プ ン <strong>MRI</strong>を 極 め る( 第 2 回 )を 参 照 。MEDIX, 50 :<br />

41-48)<br />

腫 瘤 性 病 変 に 対 しては 造 影 剤 の 使 用 が 必 要 と 考 える。 悪 性<br />

腫 瘍 の 鑑 別 、 正 常 組 織 への 影 響 を 確 認 することが 可 能 である。<br />

T2WI T1WI STIR T2*WI(out)<br />

T2WI T1WI STIR<br />

図 10: 右 上 腕 部 <strong>MRI</strong>( 造 影 前 )<br />

T1WI WFS(T1) CHESS(T1)<br />

T1WI<br />

Subtraction<br />

図 11: 右 上 腕 部 <strong>MRI</strong>( 造 影 後 )<br />

48 〈MEDIX VOL.52〉


脂 肪 抑 制 法 を 併 用 することにより、 造 影 部 分 の 描 出 能 向 上 が<br />

見 込 まれる。STIR 法 は 造 影 には 適 さない 手 法 であるため、<br />

WFS、CHESS 法 を 用 いる。<br />

検 査 を 実 施 するにあたり、どのシーケンスを 使 用 するかは 重<br />

要 なことであるが、 撮 影 領 域 を 磁 場 の 中 心 に 合 わせること、 使<br />

用 コイルやポジショニングの 選 択 、また 患 者 の 協 力 も 検 査 を 成<br />

功 させる 重 要 な 要 素 である。<br />

検 査 前 には 十 分 に 患 者 に 説 明 し 理 解 を 得 る。また 検 査 には<br />

時 間 を 要 するため、 無 理 のないポジショニングを 行 う。Open<br />

<strong>MRI</strong>においては、 左 右 に 空 間 があり 上 肢 や 下 肢 を 広 げた 状 態<br />

で 撮 像 できるため 患 者 にかかる 負 担 が 軽 減 される。さらに、ポ<br />

ジショニングを 側 面 から 確 認 ができ、 患 者 を 観 察 しながら 撮 像<br />

できるためスムーズに 検 査 を 行 うことができる。<br />

この 症 例 では、 患 者 の 腕 を 開 き 無 理 のないポジショニングを<br />

して、 腫 瘤 の 中 心 に 関 節 用 コイルを 設 置 し、 体 動 のないように<br />

固 定 し 撮 像 した。<br />

今 回 、ポジショニングの 大 切 さと 撮 像 シーケンスの 重 要 性 を<br />

再 確 認 することができた。<br />

4.2 症 例 6<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

50 歳 女 性 。 人 間 ドック 腹 部 超 音 波 検 査 にて 肝 腫 瘤 を 指 摘 、<br />

精 査 目 的 でDynamic <strong>MRI</strong>を 施 行 。<br />

撮 影 順 序 とシーケンス、 造 影 剤 の 静 注 法 について 示 す。<br />

1) 横 断 :T2 強 調 画 像<br />

2) 横 断 :T1 強 調 画 像<br />

3) 冠 状 断 :T2 強 調 画 像<br />

4) 横 断 :Dynamic <strong>MRI</strong><br />

<strong>MRI</strong> 用 造 影 剤 15ml、 生 理 食 塩 水 20mlが 入 ったシリンジを<br />

CT 用 インジェクター 注 入 針 (21G)に 接 続 する( 図 12)。 造 影 剤<br />

を2.0ml 程 度 で 急 速 注 入 し、その 後 すみやかに 三 方 活 栓 を 切 り<br />

替 え 生 理 食 塩 水 20ml 静 注 する。<br />

造 影 剤 注 入 後 、 基 本 タイミングである15s/45s/75s/135sの4<br />

相 を 撮 像 しすべての 相 で 造 影 効 果 を 認 めたため、7min 後 を 撮<br />

像 した。<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

肝 右 葉 S7に 大 きさ25×30mm 大 の 腫 瘤 性 病 変 を 認 める。T2<br />

強 調 画 像 にて 高 信 号 、T1 強 調 画 像 にて 低 信 号 を 認 める( 図 13)。<br />

造 影 後 、 辺 縁 からの 染 まり、 後 期 相 での 造 影 剤 残 存 を 認 め<br />

る。 静 注 後 7 分 の 遅 延 相 で 造 影 効 果 残 存 を 認 める。 造 影 パター<br />

ンから 肝 血 管 腫 を 考 える( 図 14)。<br />

T1WI<br />

T2WI<br />

T2WI<br />

図 13: 肝 ルーチン 画 像<br />

造 影 前 造 影 後 15 秒 造 影 後 45 秒<br />

造 影 後 75 秒 造 影 後 135 秒 造 影 後 420 秒<br />

図 14: 肝 Dynamic <strong>MRI</strong><br />

図 12:インジェクター 外 観<br />

(3) 考 察 ( 症 例 6)<br />

Dynamic <strong>MRI</strong>の 利 点 は、Dynamic CTと 比 較 すると1 被 曝<br />

がない 2ヨード 造 影 剤 を 使 用 しない 3 管 球 による 撮 像 制 限<br />

がない、などが 挙 げられる。<br />

Dynamic 検 査 では 造 影 剤 を 塊 とし、 一 気 に 注 入 することが<br />

大 切 である。そのため 造 影 剤 の 注 入 後 に 生 理 食 塩 水 を 急 速 静<br />

注 しダイナミック 性 の 精 度 を 上 げている。<br />

Dynamic <strong>MRI</strong>では 短 時 間 で 多 時 相 撮 像 できるだけでなく、<br />

前 に 述 べた 利 点 を 有 して、Dynamic CT 同 様 、 造 影 パターンか<br />

ら 質 的 診 断 を 行 うことは 大 変 有 用 と 考 える。<br />

検 査 を 成 功 させるためには、 造 影 剤 の 注 入 も 大 切 であるが、<br />

〈MEDIX VOL.52〉 49


患 者 のポジショニング、 患 者 への 説 明 なども 重 要 な 要 素 であ<br />

る。 体 動 がないように 体 幹 をタオルなどでしっかりと 固 定 をし、<br />

時 相 間 での 画 像 のずれを 最 小 限 にするため 事 前 に 呼 吸 法 の 練<br />

習 を 行 い、 患 者 の 協 力 を 得 ることが 大 切 である。Open <strong>MRI</strong>に<br />

おいて、やや 抵 抗 のあったDynamic 検 査 も 今 後 は 積 極 的 に 活<br />

用 していきたいと 感 じた。<br />

4.3 症 例 7<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

70 歳 男 性 。 以 前 より 排 尿 困 難 と 残 尿 感 等 の 症 状 があり、 検<br />

診 にて 実 施 した 検 査 結 果 PSA 値 が 高 値 であった。 前 立 腺 精 査<br />

目 的 にてMR 検 査 施 行 。<br />

撮 影 順 序 とシーケンス、 造 影 剤 の 静 注 法 について 示 す。<br />

前 立 腺 ルーチン 検 査 方 法 ( 単 純 、 造 影 )<br />

1) 横 断 :T2 強 調 画 像<br />

2) 横 断 :STIR 画 像<br />

3) 横 断 :T1 強 調 画 像<br />

4) 矢 状 断 :T2 強 調 画 像<br />

5) 冠 状 断 :T2 強 調 画 像<br />

6) 冠 状 断 :T1 強 調 画 像<br />

7) 横 断 :Dynamic <strong>MRI</strong><br />

8) 冠 状 断 : 造 影 T1 強 調 画 像<br />

9) 横 断 : 造 影 T1 強 調 画 像<br />

10) 横 断 :T1 強 調 水 脂 肪 分 離 画 像<br />

11)サブトラクション 画 像 作 成<br />

造 影 剤 投 与 方 法 : 翼 状 針 22GにてGD-DTPA-BMA 15ml<br />

を 経 静 脈 的 に 急 速 投 与 。<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

前 立 腺 は 大 きさ52×60×62mmと 腫 大 を 認 める。 内 部 の 信<br />

号 域 は 不 均 一 で 外 腺 部 にT2 強 調 画 像 で 低 信 号 域 を 認 める。ま<br />

た、 右 内 腺 部 と 左 外 腺 部 に 数 mm 大 の 嚢 胞 を 認 める。 前 立 腺<br />

から 左 側 後 方 に 突 出 する 大 きさ40mm 大 のT2 強 調 画 像 で 淡 い<br />

高 信 号 域 を 認 める( 図 15)。 造 影 <strong>MRI</strong>で、 不 均 一 な 造 影 効 果 を<br />

認 める。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 7)<br />

造 影 剤 を 使 用 することで、 目 的 部 位 におけるコントラスト 向<br />

上 および 血 流 動 態 の 把 握 など、 画 像 情 報 の 向 上 を 目 的 に 造 影<br />

検 査 を 施 行 。 造 影 剤 の 使 用 時 における 注 意 事 項 を 認 識 するこ<br />

とは 重 要 になる。また、<strong>MRI</strong> 用 造 影 を 行 ううえで、 造 影 剤 の 特<br />

性 に 至 適 濃 度 が 関 与 することも 注 意 が 必 要 である。 至 適 濃 度<br />

に 関 しては、<strong>MRI</strong> 検 査 に 関 する 書 籍 に 記 述 されている 2) 。<br />

当 院 では 造 影 <strong>MRI</strong> 検 査 を 実 施 した 場 合 、 造 影 された 部 位 を<br />

明 確 にするためにサブトラクション 画 像 を 作 成 することをルー<br />

チン 化 している。その 際 、 画 像 処 理 時 にマスク 画 像 となる 単 純<br />

画 像 との 撮 像 位 置 に 誤 差 が 生 じる 確 率 を 低 減 するよう、 撮 像<br />

シーケンス 手 順 をルーチン 化 している。また、 体 動 、 生 理 的 変<br />

化 等 による 影 響 も 考 慮 する 必 要 がある。<br />

この 症 例 ではDynamic <strong>MRI</strong>( 図 16)を 実 施 しているが、 当 院<br />

の 前 立 腺 ルーチン 検 査 方 法 にはDynamic <strong>MRI</strong>を 設 定 してお<br />

らず、 撮 像 実 施 に 関 しては 検 査 依 頼 医 師 よりDynamic <strong>MRI</strong>の<br />

依 頼 があった 場 合 、または 放 射 線 科 医 師 よりDynamic <strong>MRI</strong>の<br />

適 応 を 示 唆 された 場 合 に 実 施 している。 当 院 では、 造 影 検 査 の<br />

実 施 において、 撮 像 に 関 するシーケンス、 方 向 、 手 順 、 時 間 等<br />

T1WI<br />

T2WI<br />

造 影 前<br />

造 影 後 30 秒<br />

T1WI(CE)<br />

STIR<br />

造 影 後 60 秒<br />

造 影 後 90 秒<br />

WFS(CE)Fatsep S<br />

Subtraction<br />

造 影 後 120 秒<br />

造 影 後 150 秒<br />

図 15: 前 立 腺 ルーチン 横 断 像<br />

図 16: 前 立 腺 Dynamic <strong>MRI</strong><br />

50 〈MEDIX VOL.52〉


を 標 準 化 することで、 検 査 の 質 の 向 上 が 実 現 できたと 考 えてい<br />

る。 標 準 化 にあたり、 読 影 医 をはじめ 画 像 診 断 全 般 に 対 しての<br />

診 断 医 、 放 射 線 科 医 の 協 力 体 制 を 確 立 することが 重 要 であり、<br />

検 査 を 実 施 する 診 療 放 射 線 技 師 の 熱 意 も 必 要 であると 考 える。<br />

当 院 での<strong>MRI</strong> 検 査 実 施 数 における 造 影 剤 使 用 比 率 は 約 3%<br />

となっている。<br />

【 軟 部 組 織 腫 瘍 における<strong>MRI</strong>】<br />

<strong>MRI</strong>は 軟 部 組 織 において 優 れたコントラスト 分 解 能 を 持 つ<br />

ため、 腫 瘍 と 正 常 組 織 の 境 界 を 明 瞭 にし、 病 変 進 展 範 囲 を 正 確<br />

に 示 す。<br />

腫 瘍 性 病 変 の 診 断 にはT1、T2 強 調 画 像 の 両 者 が 必 須 であ<br />

り、さらに 造 影 剤 を 投 与 したT1 強 調 画 像 を 撮 像 することで 腫<br />

瘍 と 正 常 組 織 との 境 界 を 明 瞭 とすることができる。<br />

造 影 を 行 う 場 合 、 造 影 効 果 を 明 瞭 にするため 脂 肪 抑 制 が 望<br />

ましいが、 造 影 される 組 織 はT1 値 の 短 縮 によりSTIRでは 逆<br />

に 信 号 低 下 をきたすことがあり、 造 影 後 には 適 さない 撮 像 法<br />

となる。<br />

撮 像 の 際 は、 腫 瘍 の 場 所 を 特 定 するためにマーカーを 貼 り、<br />

撮 像 を 行 うことで、 撮 像 したが 場 所 が 特 定 できないということ<br />

を 防 ぐことができる。また、 脂 肪 抑 制 を 行 う 場 合 、Shimming<br />

を 活 用 し 磁 場 均 一 性 を 高 めることも 必 要 である。<br />

【Dyanamic <strong>MRI</strong>】<br />

Dyanamic <strong>MRI</strong>では、 短 い 時 間 でT1 強 調 画 像 の 撮 像 が 可<br />

能 であるGREを 用 いて 撮 像 する。<br />

画 像 コントラストは 一 般 に、k 空 間 の 中 心 ( 低 周 波 数 成 分 )の<br />

エコーデータによって 支 配 されるため、k 空 間 の 埋 め 方 により<br />

撮 像 タイミングが 変 わってくる。<br />

症 例 6では、1 回 の 撮 像 が20 秒 であり、k 空 間 の 真 ん 中 が25<br />

秒 後 、55 秒 後 、85 秒 後 、145 秒 後 になるように、スキャンタイ<br />

ムの1/2である10 秒 を 引 いた15 秒 、45 秒 、75 秒 、135 秒 後 に<br />

撮 像 を 開 始 している。<br />

このようにDynamic <strong>MRI</strong>では、 撮 像 時 間 (スキャンタイム)<br />

とk 空 間 の 中 央 を 埋 めるタイミングを 考 慮 して 撮 像 開 始 時 間 を<br />

決 定 する。<br />

5.MR hydrography<br />

-MRCPとMR myelographyについて<br />

Open <strong>MRI</strong>におけるMR hydrographyの 実 際 について、 総<br />

胆 管 結 石 例 、 多 発 性 胆 石 症 (CTと<strong>MRI</strong>の 比 較 )、 腰 部 椎 間 板<br />

ヘルニアの 症 例 を 示 す。<br />

APERTO Inspire(0.4T)によるMRCP 正 常 例 ―ボースデ<br />

ル ※3 使 用 (-)とボースデル 使 用 (+)を 示 す。 総 胆 管 と 膵 管 の<br />

描 出 は 良 好 である( 図 17)。<br />

5.1 症 例 8<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

65 歳 男 性 。1 ヶ 月 前 より 胃 痛 あり、 市 販 薬 の 内 服 にて 様 子 を<br />

見 ていた。その 後 疼 痛 自 制 不 可 となり 当 院 を 受 診 。CTにて 総<br />

胆 管 結 石 が 認 められ 手 術 適 応 と 診 断 、 入 院 となる。<br />

既 往 歴 : 高 血 圧 症 、 痔<br />

発 症 時 間 : 発 症 から 約 1 ヶ 月 続 く。<br />

体 内 金 属 (-)<br />

撮 像 方 法 について 示 す。<br />

はじめに 陰 性 造 影 剤 を 投 与 しない 状 態 でMRCP 3Dを 撮 像 。<br />

その 後 経 口 にて 陰 性 造 影 剤 を 服 用 し、T2 強 調 画 像 とT1 強 調 画<br />

像 を 撮 像 。そして 胃 や 十 二 指 腸 の 信 号 を 消 したMRCP 3Dおよ<br />

びMRCP 2Dを 撮 像 した。<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

T2 強 調 画 像 とT1 強 調 画 像 にて 総 胆 管 内 に 低 信 号 域 を 認 め、<br />

総 胆 管 結 石 が 疑 われる( 図 18)。<br />

T2WI<br />

T2WI<br />

MRCPボースデル(―)<br />

MRCPボースデル(+)<br />

T1WI<br />

T1WI<br />

図 17:MRCP 正 常 例 (ボースデル 使 用 )<br />

図 18: 腹 部 <strong>MRI</strong>(T2 強 調 画 像 、T1 強 調 画 像 )<br />

〈MEDIX VOL.52〉 51


MRCP 2Dおよび 3Dにて 同 じく 総 胆 管 内 に2 箇 所 のdefect<br />

を 認 め、2 個 の 総 胆 管 結 石 が 強 く 疑 われる( 図 19)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 8)<br />

経 口 陰 性 造 影 剤 ボースデル 使 用 によりファーター 乳 頭 部 や 合<br />

流 部 癒 合 等 の 診 断 が 難 しいという 意 見 もある。そのため 陰 性 造<br />

影 剤 を 服 用 しないものと 服 用 したもの2パターンを 撮 像 した。<br />

造 影 前 後 の 体 動 は 極 力 少 なくすることが 必 要 なので、 今 回<br />

はストローを 使 用 して 同 じ 臥 位 のまま 陰 性 造 影 剤 を 服 用 した。<br />

MRCPは 胆 石 、 総 胆 管 結 石 などの 位 置 関 係 を 立 体 的 に 描 出<br />

することが 可 能 であり、2Dと3Dを 撮 像 することで 手 術 の 際 に<br />

必 要 となる 画 像 情 報 の 提 供 が 可 能 である。またこの 症 例 では<br />

DIC-CTやERCPに 比 べ、 完 全 に 閉 塞 している 状 態 において<br />

も 閉 塞 部 の 両 側 の 情 報 を 得 ることができることの 大 切 さを 再 認<br />

識 できた。そして 造 影 前 後 の 状 態 を 撮 像 することにより、<br />

ファーター 乳 頭 部 等 の 観 察 への 陰 性 造 影 剤 の 影 響 の 有 無 の 確<br />

認 ができた。<br />

5.2 症 例 9、 症 例 10<br />

(1) 撮 影 目 的<br />

60 歳 女 性 。 以 前 より 胆 石 症 にて 経 過 観 察 実 施 。 手 術 目 的 に<br />

て 術 前 腹 部 造 影 CT 検 査 、DIC-CT 検 査 を 試 行 ( 症 例 9)。 手 術<br />

後 CBD 内 結 石 の 確 認 にてMRCP 検 査 施 行 ( 症 例 10)。<br />

撮 像 方 法 について 示 す。<br />

1) 横 断 :T2 強 調 画 像<br />

2) 横 断 :T1 強 調 画 像<br />

3)2D MRCP: 冠 状 断 、LAO、RAO、 矢 状 断<br />

4)3D MRCP: 冠 状 断<br />

(2) Open <strong>MRI</strong> 所 見<br />

術 前 腹 部 造 影 CT 検 査 にて、 胆 嚢 内 に 小 粒 状 の 多 発 性 胆 石<br />

を 認 める。 壁 肥 厚 を 軽 度 認 める。MRCPでは 胆 嚢 の 描 出 は 認<br />

められない。 総 胆 管 、 肝 内 胆 管 および 膵 管 に 拡 張 は 認 められな<br />

い( 図 20)。<br />

(3) 考 察 ( 症 例 9 症 例 10)<br />

当 院 ではMRCP、MR urography、MR myelography 等 の<br />

hydrographyを 利 用 した<strong>MRI</strong> 検 査 を 実 施 している。 当 院 での<br />

MRCP 検 査 は、 膵 胆 道 系 検 査 において 超 音 波 検 査 と 同 様 に 重<br />

要 な 検 査 となっている。<br />

MRCP 検 査 を 実 施 する 際 、フェリセルツ ※4 を 使 用 すること<br />

をルーチン 化 している。 使 用 方 法 はフェリセルツ2 包 を200ml<br />

の 水 で 溶 かし 検 査 開 始 前 5 分 程 度 に 飲 用 する。また、 胃 ・ 十 二<br />

指 腸 の 手 術 歴 、 内 視 鏡 的 乳 頭 切 開 術 (EST)、 内 視 鏡 的 乳 頭 拡<br />

張 術 (EPBD) 等 の 手 術 歴 がある 場 合 は、フェリセルツ 飲 用 前<br />

にMRCP 2D 画 像 を 数 枚 撮 像 し、その 後 、フェリセルツを 飲 用<br />

させルーチン 撮 像 を 実 施 する。<br />

MR urographyを 実 施 する 際 はフェリセルツ1 包 を200mlの<br />

水 で 溶 かし、 検 査 10 分 前 程 度 に 飲 用 し 検 査 を 実 施 している。<br />

図 21は 腰 椎 椎 間 板 ヘルニア 疑 いにて 腰 椎 <strong>MRI</strong> 検 査 および<br />

MR myelographyを 実 施 した 症 例 になる。MR myelography<br />

を 撮 像 するシーケンスには2D 画 像 を 利 用 している。その 際 、<br />

冠 状 断 、 矢 状 断 の 撮 像 を 実 施 するが、 矢 状 断 を 撮 像 する 場 合 、<br />

脊 柱 管 全 体 を 含 む 撮 像 断 面 に 設 定 するほかに、 脊 柱 管 を 左 右<br />

個 別 に 撮 像 する 断 面 を 設 定 し 矢 状 断 を3 断 面 撮 像 する。L4/5<br />

MRCP 2D<br />

COR<br />

MRCP 3D Bothdel(−)<br />

図 19:MRCP<br />

MRCP 2D<br />

RAO<br />

MRCP 2D<br />

SAG<br />

MRCP 3D Bothdel(+)<br />

DIC-CT MIP DIC-CT VR<br />

MRCP 3D MRCP 2D<br />

図 20:DIC CTとMRCP<br />

52 〈MEDIX VOL.52〉


椎 間 板 右 側 優 位 に 欠 損 像 を 認 める。 椎 間 板 ヘルニアを 考 える。<br />

T2WI T2WI MR myelo.<br />

MR myelo.<br />

( 右 側 )<br />

【 MRCP(MR cholangiopancreatography)<br />

【 :MR 胆 管 膵 管 撮 像 】<br />

MRCPはT2を 極 めて 強 調 した 水 強 調 画 像 (Hydrography)<br />

の 一 例 であり、 胆 汁 や 膵 液 に 満 たされた 生 理 的 状 態 の 胆 管 、 膵<br />

管 を 画 像 化 したものになる。<br />

MR myelo.<br />

( 正 中 )<br />

図 21: 腰 部 MR myelography<br />

MRCPの 撮 像 には2D 息 止 め 法 と3D 法 があるが、それぞれ<br />

の 特 徴 を 知 って 撮 像 することが 重 要 である( 表 3)。<br />

表 3:2D、3D MRCPの 長 所 と 短 所<br />

2D<br />

3D<br />

長 所<br />

短 所<br />

長 所<br />

短 所<br />

短 時 間 撮 像 が 可 能<br />

連 続 性 のよい 膵 管 ・ 胆 管 像 が 得 られる<br />

高 信 号 の 重 なりや 結 石 等 の 欠 損 像 を 観 察 可 能<br />

MR myelo.<br />

( 左 側 )<br />

撮 像 後 に 任 意 方 向 への 投 影 はできない<br />

小 さな 結 石 等 は 部 分 体 積 効 果 の 影 響 を 受 けやすい<br />

MIP 処 理 をすることにより 任 意 方 向 の 観 察 が 可 能<br />

薄 いスライスの 元 画 像 で 詳 細 の 観 察 が 可 能<br />

撮 像 時 間 が 長 い<br />

MIP 像 は 深 さ 方 向 の 情 報 が 欠 如 し、 狭 窄 等 は 過 大 評 価 され<br />

やすい<br />

Open <strong>MRI</strong>における2D 息 止 め 法 ではSingle Shot FSE 法 で<br />

half-Fourier 変 換 (6 割 程 度 のエコーを 装 填 し、 残 りのエコーは<br />

類 推 して 埋 める 手 法 )を 使 用 することで 短 時 間 撮 像 を 実 現 して<br />

いる。Echo shiftを 操 作 することにより、コントラストを 決 める<br />

実 効 TE 値 の 変 更 が 可 能 であり、 実 効 TE 値 が 大 きくなるにつ<br />

れ 背 景 の 信 号 強 度 が 低 くできるが、その 反 面 S/Nが 低 下 して<br />

しまい 胆 管 ・ 膵 管 の 描 出 が 悪 くなることがある。また、スライ<br />

ス 厚 を 厚 くすると 背 景 の 信 号 強 度 は 上 昇 し、 胆 汁 ・ 膵 液 が 背<br />

景 に 隠 れてしまい 観 察 が 困 難 になってしまう。そのため、スラ<br />

イス 厚 に 適 した 実 効 TE 値 を 設 定 し、 冠 状 断 の 一 断 面 だけでな<br />

く 角 度 を 変 更 した 複 数 断 面 を 撮 像 し 全 体 像 を 把 握 することが<br />

重 要 である。<br />

近 年 Open <strong>MRI</strong>においても3D 計 測 が 広 く 臨 床 で 活 用 される<br />

ようになってきた。3D 法 は2D 息 止 め 法 と 比 較 すると 撮 像 時 間<br />

が 長 いというデメリットがある。しかしながら、3D 計 測 である<br />

ためS/Nを 高 く 保 つことができ、かつ2D 息 止 め 法 と 比 べると<br />

スライス 厚 が 薄 く 設 定 できるため 空 間 分 解 能 の 向 上 が 可 能 で<br />

あり、MRCPにおいては 非 常 に 有 用 な 撮 像 法 である。3D 法 で<br />

撮 像 した 画 像 はMIP 処 理 することで 立 体 的 な 位 置 関 係 の 把 握<br />

をすることが 容 易 であり、 薄 いスライス 厚 の 元 画 像 を 観 察 する<br />

ことで 部 分 体 積 効 果 の 少 ない 詳 細 の 観 察 が 可 能 である。この<br />

ようにMRCPにおいては2D 息 止 め 法 と3D 法 を 組 み 合 わせて<br />

行 うことで 死 角 の 少 ない 検 査 を 行 うことができる。<br />

2D 息 止 め 法 と3D 法 ともに、しっかりとした 被 検 者 の 呼 吸 動<br />

の 抑 制 が 重 要 となる。セッティング 時 に 被 検 者 の 呼 吸 動 の 一<br />

番 大 きな 箇 所 にバストバンドを 巻 き、できる 限 り 呼 吸 による 動<br />

きを 抑 制 することが 大 切 である。2D 息 止 め 法 の 場 合 はOpen<br />

<strong>MRI</strong>の 開 放 性 を 活 かし、ガントリ 脇 より 息 止 めの 合 図 をして、<br />

被 検 者 の 状 態 を 直 接 確 認 してスキャンすると 効 果 的 である。<br />

6. 最 後 に<br />

最 終 回 は、Open <strong>MRI</strong>ユーザー 4 施 設 から 症 例 を 提 示 しても<br />

らい 撮 像 法 や 注 意 点 などについて 意 見 を 求 め、 若 干 のコメント<br />

を 述 べた。<br />

Open <strong>MRI</strong>とともに 放 射 線 技 師 や 他 のスタッフの 方 々が<br />

ペーシェントフレンドリーの 精 神 で 日 常 熱 心 に<strong>MRI</strong> 検 査 に 向<br />

かっている 姿 勢 を 強 く 感 じた。<br />

症 例 と 意 見 を 提 供 いただいた 各 施 設 の 関 係 者 に 感 謝 する。<br />

◆ 誌 上 セミナー 資 料 提 供 一 覧<br />

2. 急 性 期 ・ 亜 急 性 期 脳 梗 塞 における 拡 散 強 調 画 像 の 実 際<br />

症 例 1、 症 例 2<br />

症 例 3<br />

圏 央 所 沢 病 院<br />

池 袋 病 院<br />

吉 澤 康 宏<br />

田 中 祥 平<br />

3. 動 脈 硬 化 性 変 化 へのアプローチー BBIへの 期 待<br />

症 例 4 岡 村 記 念 クリニック 小 澤 郁 生<br />

4. 造 影 <strong>MRI</strong>― 四 肢 ・ 肝 ・ 前 立 腺 腫 瘤 への 造 影 検 査<br />

症 例 5、 症 例 6<br />

症 例 7<br />

池 袋 病 院<br />

彩 のクリニック<br />

南 雲 隆 文<br />

松 嶋 民 夫<br />

5.MR hydrography―MRCPとMR myelographyについて<br />

症 例 8<br />

症 例 9、 症 例 10<br />

岡 村 記 念 クリニック 小 澤 郁 生<br />

彩 のクリニック 松 嶋 民 夫<br />

〈MEDIX VOL.52〉 53


◆ 撮 影 条 件 シーケンス 表<br />

使 用 機 器<br />

*1 HITACHI 0.4T Open <strong>MRI</strong> APERTO Inspire<br />

*2 HITACHI 0.3T Open <strong>MRI</strong> AIRISⅡ Comfort<br />

症 例 1、 症 例 2 * 2<br />

TR TE N Thick Time<br />

DWI EPI 4500 117.8 1 7.0 2:06<br />

FLAIR FIR 8500 120 2 7.0 4:15<br />

T2WI FSE 4000 120 2 7.0 4:16<br />

MRA TOF 30 11.0 1 1.2 10:45<br />

症 例 3 * 1<br />

TR TE N Thick Time<br />

T2WI FSE 4500 120 2 7.0 2:00<br />

T1WI SE 350 15 2 7.0 2:05<br />

FLAIR FIR 8500 119 2 7.0 3:07<br />

DWI<br />

ADC<br />

EPI 11296 131.9 2 7.0 3:01<br />

T2WI FSE 4000 120 2 7.0 4:16<br />

FLAIR FIR 8500 120 2 7.0 4:15<br />

症 例 4 * 1<br />

TR TE N Thick Time<br />

T2WI FSE 1714 120 6 6.0 5:39<br />

T1WI FSE 857 10 2 6.0 5:57<br />

症 例 7 *2<br />

TR TE N Thick Time<br />

T1WI SE 550 24.5 1 5.0 5:34<br />

T2WI FSE 3500 120 4 5.0 2:48<br />

T1WI(CE) SE 550 24.5 1 5.0 5:34<br />

STIR FIR 3500 20 4 5.0 4:40<br />

WFS(CE) FatSepS 700 25.5 2 5.0 6:01<br />

T1WI<br />

GE<br />

Dynamic<br />

120 10.5 1 5.0 0:15<br />

症 例 8 *1<br />

TR TE N Thick Time<br />

T2WI FSE 16000 104 2 7.0 7:28<br />

T1WI SE 550 13.9 4 7.0 4:06<br />

MRCP 2D DE-FSE 2000 975 1 60.0 0:06<br />

MRCP 3D DE-FSE 4000 975 3 3.0 4:00<br />

症 例 9、 症 例 10 *1<br />

TR TE N Thick Time<br />

MRCP 3D FSE 6000 760 4 3.0 8:00<br />

MRCP 2D FSE 7000 600 1 60.0 0:03<br />

T2WI<br />

SAG<br />

T2WI<br />

COR<br />

FSE 2400 125 4 5.0 3:50<br />

FSE 2400 125 4 5.0 3:02<br />

症 例 5 * 1<br />

T2WI<br />

SAG<br />

T1WI<br />

SAG<br />

STIR<br />

SAG<br />

TR TE N Thick Time<br />

FSE 3300 98 4 3.0 3:05<br />

SE 450 28 2 3.0 4:41<br />

FIR 4200 20 2 3.0 6:43<br />

MR myelo.<br />

COR<br />

MR myelo.<br />

SAG( 右 )<br />

MR myelo.<br />

SAG<br />

MR myelo.<br />

SAG( 左 )<br />

FSE 7000 500 2 50.0 0:28<br />

FSE 7000 500 2 40.0 0:28<br />

FSE 7000 500 2 50.0 0:28<br />

FSE 7000 500 2 40.0 0:28<br />

T2*WI<br />

SAG<br />

T2WI<br />

TRS<br />

GE 500 11 2 3.0 5:12<br />

FSE 3300 98 4 3.5 2:38<br />

※1 AIRIS、※2 APERTOは 株 式 会 社 日 立 メディコの 登 録 商 標 です。<br />

※3 ボースデルは 協 和 発 酵 キリン 株 式 会 社 の 登 録 商 標 です。<br />

※4 フェリセルツは 大 塚 製 薬 株 式 会 社 の 登 録 商 標 です。<br />

T1WI<br />

TRS<br />

STIR<br />

TRS<br />

WFS(T1)<br />

SAG<br />

CHESS(T1)<br />

SAG<br />

SE 450 28 2 3.5 2:53<br />

FIR 4200 20 2 3.5 6:10<br />

FatSepS 400 25 4 3.0 5:07<br />

SE 650 20 2 3.0 5:38<br />

症 例 6 * 1<br />

T2WI<br />

TRS<br />

T2WI<br />

COR<br />

T1WI<br />

TRS<br />

T1WI<br />

TRS<br />

TR TE N Thick Time<br />

FSE 4200 105 4 7.0 3:55<br />

FSE 4200 105 4 5.0 3:55<br />

SE 550 13 2 7.0 4:06<br />

GE<br />

Dynamic<br />

200 4.5 1 7.0 0:20<br />

参 考 文 献<br />

1) レイ H.ハシュミ, ほか : <strong>MRI</strong>の 基 本 パワーテキスト 第 2 版<br />

- 基 礎 理 論 から 最 新 撮 像 法 まで-. 監 訳 者 : 荒 木 力 , ㈱<br />

メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2004.<br />

2) 駒 崎 敏 郎 , 大 日 方 研 : 臨 床 家 のためのOpen <strong>MRI</strong>, デジタ<br />

ルメディスン, 2003.<br />

3) 大 日 方 研 : Open <strong>MRI</strong>の 臨 床 応 用 -かかりつけ 医 にとって<br />

身 近 になった<strong>MRI</strong> 検 査 -, ROUTINE CLINICAL <strong>MRI</strong><br />

2005 book, 映 像 情 報 Medical, 36(14): 80-87, 2004.<br />

4) 松 嶋 民 夫 , 大 日 方 研 , ほか : 当 院 の 撮 像 プロトコール-かか<br />

りつけ 医 における<strong>MRI</strong>ルーチン 検 査 法 の 撮 像 と 工 夫 -,<br />

RadFan, 3(6): 113-116, 2005.<br />

5) 青 木 茂 樹 , 相 田 典 子 , 井 田 正 博 , 大 場 洋 : 新 版 よくわかる<br />

脳 <strong>MRI</strong>, 秀 潤 社 , 2004.<br />

54 〈MEDIX VOL.52〉

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