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電気学会論文誌D Vol.130 No.11,pp.1205-1211 ... - 長岡技術科学大学

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有 用 性 を 確 認 している。 一 方 , 従 来 法 は, 発 電 機 の 端 子 電<br />

圧 から 発 電 機 電 流 指 令 を 演 算 するオープンループ 制 御 で 構<br />

成 されている。オープンループ 制 御 は 制 御 が 簡 単 であるが,<br />

フィルタコンデンサの 電 流 が 無 視 できない 軽 負 荷 や, 同 期<br />

リアクタンスによる 電 圧 降 下 が 顕 著 となる 重 負 荷 時 では,<br />

発 電 機 の 逆 起 電 力 に 対 して 力 率 1 で 運 転 することが 難 しい。<br />

本 論 文 では, 軽 負 荷 時 における 従 来 法 の 発 電 機 電 流 とフ<br />

ィルタコンデンサの 電 流 について 考 察 し, 従 来 法 における<br />

発 電 機 内 部 力 率 の 悪 化 について 議 論 する。 次 に, 従 来 法 の<br />

解 決 手 段 として,マトリックスコンバータの 発 電 機 電 流 を<br />

フィードバックし, 発 電 機 側 の 制 御 にベクトル 制 御 を 応 用<br />

した 入 力 電 流 ベクトル 制 御 (16) ( 以 下 , 提 案 法 )を 提 案 する。 提<br />

案 法 では,フィードバックした 発 電 機 電 流 を 発 電 機 の 逆 起<br />

電 力 位 相 情 報 を 元 に PID 制 御 を 適 用 することで, 入 力 フィ<br />

ルタの 共 振 を 抑 制 し,さらに, 負 荷 の 大 きさにかかわらず<br />

発 電 機 電 流 位 相 を 発 電 機 の 逆 起 電 力 と 同 相 に 制 御 する。<br />

本 稿 では,マトリックスコンバータの 入 力 に 同 期 発 電 機<br />

を 接 続 して 提 案 法 を 適 用 し,その 有 用 性 について 検 討 して<br />

いる。 提 案 法 を 用 いることによって, 発 電 機 電 源 時 の 動 作<br />

の 安 定 化 を 確 認 するとともに, 軽 負 荷 時 , 重 負 荷 時 それぞ<br />

れの 入 力 力 率 と 発 電 機 電 流 振 幅 の 関 係 について 検 証 し, 発<br />

電 機 の 銅 損 が 低 減 できることを 示 す。<br />

2. 軽 負 荷 時 の 入 力 力 率<br />

図 1 にマトリックスコンバータと 発 電 機 を 接 続 したシス<br />

テム 図 を 示 す。マトリックスコンバータの 双 方 向 スイッチ<br />

は 逆 阻 止 IGBT を 逆 並 列 に 接 続 した 構 成 を 用 いる。 本 システ<br />

ムは 発 電 機 の 同 期 リアクタンスをフィルタリアクトルとす<br />

ることで, 入 力 フィルタをフィルタコンデンサのみで 構 成<br />

できる。 一 般 的 に,マトリックスコンバータの 入 力 フィル<br />

タには 共 振 を 抑 制 するためのダンピング 抵 抗 を 挿 入 する。<br />

ダンピング 抵 抗 の 挿 入 方 式 は,フィルタリアクトルに 並 列<br />

接 続 する 方 式 と,フィルタコンデンサに 直 列 接 続 する 方 式<br />

がある。フィルタコンデンサに 直 列 接 続 する 場 合 ,コンデ<br />

ンサの 両 端 電 圧 は 振 動 が 大 きく,また,フィルタコンデン<br />

サに 流 入 する 電 流 は 多 くの 高 調 波 成 分 を 含 むため, 損 失 が<br />

大 きくなる。 従 って, 損 失 低 減 の 観 点 から,ダンピング 抵<br />

抗 はフィルタリアクトルに 並 列 接 続 するのが 望 ましい。し<br />

かし, 本 システムではフィルタリアクトルに 発 電 機 の 同 期<br />

リアクタンスを 利 用 するため,ダンピング 抵 抗 を 並 列 接 続<br />

することができない。<br />

図 2(a)に 図 1 の 入 力 一 相 分 を 抜 き 出 したマトリックスコ<br />

ンバータの 一 相 分 フィルタ 回 路 を,(b)に 一 相 分 フィルタ 回<br />

路 をラプラス 演 算 子 を 導 入 して 表 したブロック 図 を 示 す。<br />

図 2 において, 発 電 機 の 同 期 リアクタンスを L x ,フィルタ<br />

.<br />

コンデンサを C f , 発 電 機 の 逆 起 電 力 ( 相 電 圧 )を Vg, 発 電 機<br />

.<br />

.<br />

の 端 子 電 圧 ( 相 電 圧 )を Vc, 発 電 機 電 流 ( 線 電 流 )を Iin,フィル<br />

.<br />

タコンデンサに 流 入 する 電 流 を Ic,マトリックスコンバータ<br />

.<br />

の 入 力 電 流 (PWM 波 形 の 電 流 )を Imc と 定 義 する。また, 入 力<br />

Fig. 1. System configuration diagram of the matrix converter<br />

with the generator as input.<br />

V &<br />

g<br />

L x<br />

V & c<br />

I &<br />

in<br />

I & c<br />

I &<br />

mc<br />

C f<br />

(a) Single phase equivalent circuit.<br />

(b) Block diagram of input filter.<br />

Fig. 2. Configuration of input filter.<br />

Fig. 3. Conventional input current stability control.<br />

力 率 を 端 子 電 圧 と 発 電 機 電 流 の 位 相 差 より 定 義 し, 発 電 機<br />

の 逆 起 電 力 と 発 電 機 電 流 の 位 相 差 より, 発 電 機 内 部 力 率 と<br />

定 義 する。<br />

図 2(b)より,マトリックスコンバータの 入 力 電 流 I mc (s)か<br />

ら 発 電 機 電 流 I in (s)までの 伝 達 関 数 は(1) 式 となる。<br />

I<br />

I<br />

in<br />

mc<br />

() s<br />

() s<br />

1<br />

= LxC<br />

f<br />

1<br />

......................................................(1)<br />

s<br />

2 +<br />

L C<br />

x<br />

f<br />

(1) 式 には 減 衰 項 が 存 在 しないため, 本 システムでは 入 力<br />

フィルタの 共 振 が 持 続 し, 動 作 が 不 安 定 となる。<br />

図 3 に 従 来 の 入 力 電 流 安 定 化 制 御 のブロック 図 を 示 す。<br />

ただし,v cr ,v cs ,v ct は 発 電 機 各 相 の 端 子 電 圧 ,θ vc は 発 電 機<br />

の 端 子 電 圧 位 相 角 ,K d は 従 来 法 のダンピングゲイン,i * r ,i * s ,<br />

i * t はマトリックスコンバータの 各 相 の 入 力 電 流 指 令 ,θ pfc は<br />

入 力 力 率 調 整 角 である。また, 図 2(b)の 各 変 数 は 2 軸 成 分 を<br />

持 ったベクトル 量 であるが, 図 3 の 各 変 数 はスカラー 量 で<br />

2 IEEJ Trans. ●●, Vol.●●, No.●, ●●●

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