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熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System

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ある。発症における、男女差は見られない。日本人でメラノーマが発生しやすい部<br />

位は、足底が最も多く、約3割を占める。そのほか、欧米人と同様に体幹、四肢、<br />

顔面、頭部など、いずれの部位にも発生する。メラノーマの治療法としては、外科<br />

的切除、化学療法および放射線療法が実施されているが、遠隔転移を来したような<br />

進行期の患者に対する治療法として免疫療法が注目され、実際に一部の患者では奏<br />

功している。<br />

血清腫瘍マーカーの測定は、メラノーマの診断のみならず、術後症例における再<br />

発の早期発見と、進行期例の治療効果の判定に重要である。メラノーマの腫瘍マー<br />

カーとしては、これまでに血清LDHや5-S-cysteinyldopa(s-S-CD)の有用性が知られ<br />

ていたが、さらに近年、S-100β蛋白質およびmclanomainhibitoryactivity(MIA)がよ<br />

り鋭敏なマーカーとして報告されている。本邦では、S-S-CDが広く用いられている。<br />

しかしながら、これらの腫瘍マーカーは主として進行期で検出されるものが多い。<br />

そのため、診断よりも転移巣の検出や経過観察のモニターとして用いられる。メラ<br />

ノーマは再発、転移を生じやすいので、メラノーマを早期検出できる腫瘍マーカー<br />

の意義は大きく、新たな腫瘍マーカーの発見が望まれる。<br />

すでに当教室の中面らは、GPIアンカー膜蛋白であるGlypican-3(GPC3)が、メラ<br />

ノーマ及び肝細胞癌に高発現し、さらにEUSA法を用いてメラノーマ患者および肝<br />

細胞癌の共に約40%において、患者の血清中に検出され、これが、肝細胞癌および<br />

メラノーマの新しい腫瘍マーカーとして有用であることを報告した(42)(43)。<br />

5-7)本研究の目的<br />

本研究はスキルス胃癌のcDNAマイクロアレイ解析により新たな腫瘍関連抗原を<br />

同定し、その癌の診断および抗腫瘍免疫療法への応用の可能性を探ることを目的と<br />

する。<br />

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