BTMU FX Weekly a
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1.今週のトピックス<br />
問題は、為替市場の<br />
強烈な「期待」<br />
イナンスとみなされるかどうかの年限にも差があって然るべきだ。その米<br />
国においてさえも、まさに長期国債の買い入れ継続に関する様々なコスト<br />
やリスクに対する議論が始まろうとしている。さらに、政府債務危機に揺<br />
れたユーロ圏の中央銀行、ECB も、その国債買い入れプログラム(OMT)<br />
にて定めた買い入れ国債の年限は「3 年以内」だ。これらを踏まえると、<br />
日銀が年限を「5 年」に延長することは、「安易な財政ファイナンスとみ<br />
なされない」うえでの、ギリギリの選択と言えよう。<br />
問題なのが、為替市場の受け止め方だ。短期間のうちに、79 円台から<br />
94 円台までドル円が上昇した通り、為替市場の「金融緩和強化」に対す<br />
る期待は非常に強い。このため、買入資産対象年限の「5 年」への延期が、<br />
極めて重い決定であるにもかかわらず、為替市場ではそうした受け止め<br />
方がなされない可能性が決して低くない。<br />
特に、前述の通り、為替市場で期待された外債購入に関するものは、円<br />
高対策としての「官民協調外債購入ファンド」の創設ともども、すでに可<br />
能性は極めて低くなっている。今後は、新総裁の経歴や考え方、また国会<br />
での所信聴取での発言内容などが注目されよう。いずれにせよ、「金融緩<br />
和の強化」という言葉に秘められた期待が、新総裁のもとで開かれる 4<br />
月 4 日の初会合において、満たされない可能性をみておく必要があろう。<br />
2<br />
チーフアナリスト 内田 稔