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BTMU FX Weekly a

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1.今週のトピックス<br />

金融緩和によるデフ<br />

レ脱却にはリーダー<br />

シップが重要<br />

インフレ率が上がると、時間非整合の問題が出てくる。当初の最適な政<br />

策と、時間が経過した後の最適な政策が異なることで、途中で政策が変<br />

わってしまうと、それ以降の政策への期待が変わる弊害の問題である。特<br />

に、政治主導であると、この問題が厄介になる。インフレ率が上がる、何<br />

らかの弊害が見えると、世論を受けて、政治がインフレ率を押し上げるこ<br />

とに否定的になるだろう。そのとき、中央銀行に強い独立性があって、政<br />

治が否定的でも、インフレ率を押し上げる政策を続けられるものであろう<br />

か。もし、そこでひるめば、その後、デフレ経済に戻っても、フォワード<br />

ガイダンスによる緩和政策の効果は期待できないという問題になる。<br />

⑤ インフレは容易に抑えられるという発想への疑問<br />

仮に、緩和の度が過ぎてインフレになっても、インフレ目標を持ってい<br />

れば、インフレは容易に抑えられるという言われ方もある。しかし、これ<br />

も簡単な話ではないだろう。ECB は、毅然としたインフレファイターで、<br />

見事にインフレ率を安定させているが、失業率が上がっている。金融政策<br />

でインフレは抑えられるといっても、経済活動の減退というコストがかか<br />

るという論点である。<br />

(%)<br />

14<br />

12<br />

10<br />

8<br />

6<br />

4<br />

2<br />

0<br />

-2<br />

図: インフレ安定でも失業率の上昇が続くユーロ圏<br />

失業率<br />

インフレ率<br />

99 01 03 05 07 09 11 13 (年)<br />

(資料)Eurostatのデータより三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成<br />

マクロ経済は期待で動く。その期待形成には、リーダーシップの役割は<br />

大きい。金融緩和でデフレを脱却することは、上記の通り、簡単ではない<br />

面があるとみておいてよいであろう。それを押しのけてデフレ脱却の政策<br />

の目的を達成するとなると、経済の安定のために正しいことを行い続けて、<br />

その言動が「安定」とみなされるようになったテイートマイヤー独連銀総<br />

裁や、市場からも政治からも強い信認を得た最盛期のグリーンスパン FRB<br />

議長のような存在でなければならないということではないだろうか。<br />

4<br />

シニアマーケットエコノミスト 鈴木 敏之

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