15.06.2015 Views

患者さんへの説明文書・同意書 - 放射線医学総合研究所

患者さんへの説明文書・同意書 - 放射線医学総合研究所

患者さんへの説明文書・同意書 - 放射線医学総合研究所

SHOW MORE
SHOW LESS

You also want an ePaper? Increase the reach of your titles

YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.

承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

患 者 さんへの 説 明 文 書 ・ 同 意 書<br />

「 局 所 進 行 子 宮 頸 部 腺 癌 に 対 する 炭 素 イオン 線 治 療 と<br />

シスプラチンによる 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 に 関 する<br />

臨 床 第 I/II 相 試 験 」<br />

試 験 参 加 についてのご 説 明<br />

この 説 明 文 書 は、 局 所 進 行 子 宮 頸 部 腺 がんに 対 する 炭 素 イオン 線 治 療 とシ<br />

スプラチンによる 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 に 関 する 臨 床 試 験 について 説 明 し<br />

たものです。この 説 明 文 書 は、 担 当 医 師 による 説 明 を 補 い、 患 者 さんの 理 解<br />

を 深 めるために 用 意 されたものですので、よくお 読 みになって、この 試 験 に<br />

参 加 するかどうかご 検 討 下 さい。<br />

この 臨 床 試 験 に 参 加 されるどうかを 決 めていただくためには、あなたに 臨<br />

床 試 験 の 内 容 についてよく 理 解 していただくことが 必 要 です。 説 明 の 中 でわ<br />

かりにくい 言 葉 や 疑 問 、 質 問 等 がありましたら、どんなことでも 遠 慮 なくお<br />

尋 ねください。<br />

1


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

1.はじめに<br />

臨 床 試 験 とは、 病 気 の 予 防 法 、 診 断 法 、 及 び 治 療 法 の 改 善 や、 患 者 さんの 生 活 の 質 の 向<br />

上 などを 目 的 として、 患 者 さんのご 協 力 を 得 て 行 われる 研 究 のことです。 医 学 は 常 に 発 展<br />

していますが、 未 だに 診 断 法 や 治 療 法 が 確 立 されていない 病 気 はたくさんあります。また、<br />

治 療 方 法 があったとしても、その 効 果 に 限 界 がある 場 合 や、 副 作 用 が 問 題 となる 場 合 もあ<br />

ります。 患 者 さんのご 理 解 とご 協 力 を 頂 いた 上 で、より 良 い 医 療 のための 研 究 を 行 うこと<br />

は 研 究 所 の 使 命 です。<br />

このようなみなさんにご 協 力 いただく 研 究 にはしっかりしたルールが 必 要 です。 放 射 線<br />

医 学 総 合 研 究 所 で 行 われる 臨 床 試 験 は、 厚 生 労 働 省 「 臨 床 研 究 に 関 する 倫 理 指 針 (200<br />

8 年 改 正 )、 世 界 医 師 会 「ヘルシンキ 宣 言 」(2008 年 改 訂 )、および 放 射 線 医 学 総 合 研 究<br />

所 における 人 を 対 象 とする 倫 理 規 程 に 基 づいて 行 われます。<br />

2. 研 究 倫 理 および 倫 理 審 査 委 員 会 について<br />

ヘルシンキ 宣 言 とは、 人 間 を 対 象 とした 医 学 研 究 を 行 う 際 に 医 師 が 守 るべき 倫 理 規 範 を<br />

定 めたもので、 研 究 にご 協 力 いただく 患 者 さんの 人 権 を 最 優 先 に 考 えるべきことなどが 盛<br />

り 込 まれている 倫 理 指 針 です。 厚 生 労 働 省 の 指 針 や 研 究 所 の 規 程 は、この 精 神 に 基 づき、<br />

研 究 者 が 守 るべきルールを 明 確 にしたものです。<br />

臨 床 試 験 を 実 施 するにあたっては、 法 律 の 専 門 家 など 外 部 の 委 員 も 参 加 する 所 内 の 研 究<br />

倫 理 審 査 委 員 会 で、 研 究 計 画 書 、 説 明 文 書 、 同 意 書 などを 審 査 しています。 研 究 倫 理 審 査<br />

委 員 会 で 認 められた 研 究 だけが 実 施 されます。なお、 研 究 倫 理 審 査 員 会 の 委 員 名 簿 や 会 議<br />

の 記 録 、および 倫 理 規 程 や 手 順 書 などについては、 下 記 のホームページでご 覧 いただけま<br />

す。<br />

放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 「 研 究 倫 理 審 査 員 会 」ホームページ<br />

http://www.nirs.go.jp/research/review/<br />

3. 研 究 への 参 加 の 自 由 について<br />

この 臨 床 試 験 に 参 加 するかしないかは、あなたの 自 由 です。たとえ、 参 加 することに 同<br />

意 した 場 合 でも、 研 究 期 間 が 終 了 するまでの 間 にいつでも 同 意 を 取 り 下 げる( 撤 回 する)<br />

ことができます。 最 初 から 臨 床 試 験 に 参 加 しなかったり、 途 中 で 臨 床 試 験 への 参 加 を 取 り<br />

下 げた 場 合 でも、あなたに 不 利 益 が 生 じることはありませんし、あなたが 受 けるべき 利 益<br />

が 受 けられなくなったりすることは、 将 来 にわたってもありません。<br />

また、よくわからないことやもっと 詳 しく 知 りたいことが 出 てきた 時 には、いつでも 担<br />

当 者 に 相 談 できます。<br />

2


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

4. 臨 床 試 験 に 関 する 新 たな 情 報 の 提 供 について<br />

この 説 明 文 書 を 用 いて 説 明 をした 後 や、この 臨 床 試 験 に 参 加 することに 同 意 をいただい<br />

た 後 に 参 加 の 意 思 に 影 響 を 与 えるような 情 報 ( 新 たに 判 明 した 重 大 な 副 作 用 情 報 など)が<br />

得 られた 場 合 は、 速 やかにあなたにお 伝 えします。その 際 は、あらためて 試 験 への 参 加 、<br />

または 継 続 について、あなたの 意 思 を 確 認 させていただきます。<br />

5.あなたの 病 気 と 治 療 法 について<br />

1) 進 行 子 宮 頸 がんに 対 する 一 般 的 な 治 療 について<br />

子 宮 頸 がんは、がんの 拡 がりを 示 す 病 期 分 類 で I 期 から IV 期 までの4 段 階 に 分 けられ<br />

ます。I 期 は 子 宮 頸 部 にがんが 認 められるが 子 宮 から 外 に 出 ていない 状 態 です。II 期 はが<br />

んが 子 宮 から 周 囲 へ 浸 潤 し 始 めた 時 期 ( 特 に 子 宮 から 骨 盤 壁 方 向 に 浸 潤 しているものを<br />

IIB 期 といいます)で、 骨 盤 まで 到 達 すると III 期 になります。 膀 胱 や 直 腸 に 浸 潤 すると<br />

IVA 期 、 骨 盤 の 外 まで 拡 がると IVB 期 になります。<br />

一 般 的 にがんの 治 療 法 には、がんそのものを 切 り 取 る 外 科 療 法 、 放 射 線 をあててがん 細<br />

胞 を 死 滅 させる 放 射 線 治 療 、 抗 がん 剤 を 使 う 化 学 療 法 などがあります。これらの 治 療 法 に<br />

はそれぞれ 長 所 も 短 所 もあります。また、がんの 種 類 やがんができた 場 所 ( 病 巣 といいま<br />

す)も 人 それぞれです。そのため、 医 療 機 関 では 患 者 さん 一 人 一 人 にとって 最 も 効 果 的 で、<br />

安 全 な 方 法 を 組 み 合 わせたりしながら 治 療 をしています。<br />

子 宮 頸 がんの 場 合 、I 期 や II 期 の 小 さい 腫 瘍 では、 標 準 的 な 治 療 方 法 は 手 術 ないし 放 射<br />

線 治 療 であり、これらの 治 療 によってこれまで 良 好 な 治 療 成 績 が 得 られています。これに<br />

対 して II 期 でも 大 きな 腫 瘍 や III 期 、IVA 期 などの 局 所 進 行 がんでは、 一 般 的 に 手 術 は 難<br />

しく、これまで 主 として 放 射 線 治 療 が 行 われてきました。さらに 今 日 では 1990 年 代 に 米<br />

国 で 行 われた 大 規 模 な 臨 床 試 験 の 結 果 から、 年 齢 や 全 身 状 態 などに 問 題 がなければ、 放 射<br />

線 治 療 と 化 学 療 法 の 併 用 療 法 ( 化 学 放 射 線 治 療 )が 標 準 治 療 として 行 われるようになって<br />

います。ただし 本 治 療 をもってしても 腫 瘍 が 大 きくなるにつれて 骨 盤 内 の 病 巣 の 再 発 の 頻<br />

度 は 増 加 し、また 骨 盤 内 の 病 巣 が 制 御 されても、 骨 盤 外 への 遠 隔 転 移 をきたす 頻 度 が 高 く<br />

なるため、 必 ずしも 満 足 できる 治 療 成 績 は 得 られていないのが 現 状 です。また、 子 宮 頸 が<br />

んでは 組 織 型 ( 腫 瘍 細 胞 のタイプ)が 治 療 成 績 を 左 右 する 重 要 な 因 子 であり、 腺 がん( 腺<br />

扁 平 上 皮 がんを 含 む)というタイプでは、 扁 平 上 皮 がんというタイプ( 日 本 人 の 子 宮 頸 が<br />

んのうち 80~90%を 占 める)と 比 較 して、 治 療 成 績 は 不 良 であることが 報 告 されています。<br />

これまでの 放 射 線 治 療 および 化 学 放 射 線 治 療 の 報 告 では、 子 宮 頸 部 腺 がんの 5 年 生 存 率 ( 治<br />

療 後 5 年 間 生 存 している 人 の 割 合 )は、IIB 期 では 30~55% 程 度 、III 期 では 0~30% 程 度<br />

と 報 告 されています。( 扁 平 上 皮 がんの 場 合 は、5 年 生 存 率 は IIB 期 では 50~75% 程 度 、III<br />

期 では 45~60% 程 度 と 報 告 されています。)<br />

3


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

2)あなたの 病 気 の 進 行 状 態 と 従 来 の 治 療 法 について<br />

以 下 、 特 にあなたの 病 状 と 治 療 法 について 説 明 します。<br />

診 断 名 : (※)<br />

病 期 : 期 (※)<br />

組 織 型 : (※)<br />

あなたの 病 状 と 従 来 の 治 療 法 について(※):<br />

6. 今 回 の 臨 床 試 験 の 治 療 について<br />

進 行 した 子 宮 頸 部 腺 がんの 治 療 成 績 を 改 善 する 目 的 で、 今 回 の 臨 床 試 験 では、 重 粒 子 線<br />

治 療 と 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 を 計 画 しました。 以 下 にそれぞれの 治 療 法 について 説 明 し<br />

ます。<br />

I) 重 粒 子 線 治 療 について<br />

1) 重 粒 子 線 とは<br />

重 粒 子 線 とは、 一 般 に、 電 子 よりも 重 い 粒 子 ( 重 粒 子 )を 加 速 器 で 高 速 に 加 速 したもの<br />

をいいます。 重 粒 子 線 はさらに 速 中 性 子 線 、 陽 子 線 、 重 イオン( 炭 素 イオン、ネオンイオ<br />

ン、アルゴンイオンなど) 線 などに 分 けられ、それぞれに 特 徴 をもっています。 放 医 研 で<br />

は、この 重 粒 子 線 をがん 治 療 に 利 用 するため、 世 界 で 初 めて 医 療 を 目 的 とした 重 粒 子 加 速<br />

装 置 ( 略 称 ハイマック)を 開 発 ・ 建 設 しました。ハイマック 装 置 はこれまで 順 調 に 稼 働 し<br />

ており、 期 待 どおりの 安 定 性 と 信 頼 性 を 示 しております。<br />

臨 床 試 験 を 行 うにあたって 私 たちは、ハイマックで 得 られるいろいろな 重 粒 子 線 の 性 質<br />

を 比 較 検 討 しました。その 結 果 、 総 合 的 にみて 最 も 優 れていると 判 断 した 炭 素 イオン( 炭<br />

素 原 子 から 電 子 を 剥 ぎとったもの) 線 を 選 び、1994 年 ( 平 成 6 年 )6 月 より、その 安 全 性<br />

と 有 効 性 を 調 べるための 臨 床 試 験 を 開 始 しました。<br />

2) 重 粒 子 線 治 療 の 特 徴<br />

現 在 一 般 にがん 治 療 に 使 われている 放 射 線 (エックス 線 、ガンマ 線 、 電 子 線 )は、その<br />

量 ( 放 射 線 の 量 )を 増 やしていくと、よほど 工 夫 しない 限 りがん 周 囲 の 正 常 組 織 まで 痛 め<br />

つけてしまい、その 割 にがんには 十 分 量 の 放 射 線 を 照 射 できないという 問 題 があります。<br />

その 点 、この 臨 床 試 験 で 用 いられている 炭 素 イオン 線 は、 一 般 に 使 われている 放 射 線 に 比<br />

べて、 体 内 のがん 病 巣 を 狙 い 撃 ちしやすく、 周 囲 の 正 常 組 織 への 影 響 が 少 なく、しかもが<br />

4


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

ん 細 胞 の 増 殖 をおさえる 作 用 がより 大 きいという、がん 治 療 において 大 変 都 合 のよい 性 質<br />

を 持 っています。このため 炭 素 イオン 線 は、 一 般 の 放 射 線 治 療 では 治 癒 しにくい 種 類 のが<br />

んにも 効 果 が 期 待 されますが、この 臨 床 試 験 でそれを 具 体 的 に 明 らかにしたいと 思 ってい<br />

ます。なお、この 文 書 では 特 に 断 わらない 限 り、 重 粒 子 線 という 場 合 は 炭 素 イオン 線 のこ<br />

とを 指 します。<br />

3)これまでの 子 宮 頸 がん 重 粒 子 線 治 療 について<br />

放 医 研 の 重 粒 子 線 治 療 は 未 だ 研 究 の 段 階 であり、 様 々ながんを 対 象 に 現 在 も 臨 床 試 験 が<br />

行 われています。 今 回 の 臨 床 試 験 は 第 I/II 相 試 験 ですから、 子 宮 頸 部 腺 がんの 患 者 さんを<br />

対 象 として 初 めて 実 施 されるものです。 子 宮 頸 部 腺 がんに 対 する 炭 素 線 治 療 としては、<br />

1998 年 4 月 から 2010 年 2 月 までの 間 に、 手 術 不 能 の 局 所 進 行 子 宮 頸 部 腺 がんおよび 子 宮<br />

体 がんの 患 者 さんを 対 象 として、“ 子 宮 腺 癌 に 対 する 炭 素 イオン 線 治 療 の 第 I/II 相 臨 床 試 験 ”<br />

が 行 われました。<br />

“ 子 宮 腺 癌 に 対 する 炭 素 イオン 線 治 療 の 第 I/II 相 臨 床 試 験 ”では、70 人 の 患 者 さんが 治 療 を<br />

受 けられました(プロトコール 番 号 9704)。このプロトコールは、 重 粒 子 線 照 射 を 62.4 GyE、<br />

64.8 GyE、68.0 GyE、71.2 GyE、74.4 GyE と 段 階 的 に 増 加 しながら、 進 行 子 宮 頸 部 腺 が<br />

んおよび 子 宮 体 癌 に 対 する 重 粒 子 線 治 療 の 安 全 性 と 有 効 性 を 検 討 するために 実 施 されまし<br />

た ( 注 ) 。<br />

( 注 ) GyE(グレイ 等 価 線 量 ): 重 粒 子 線 の 照 射 量 をエックス 線 に 換 算 して 表 した 単 位 。)<br />

その 結 果 、 安 全 性 に 関 しては、1) 子 宮 から 骨 盤 リンパ 節 領 域 を 含 む 広 い 治 療 範 囲 への<br />

36.0 GyE/12 回 の 重 粒 子 線 照 射 は、 重 篤 な 急 性 反 応 ( 治 療 期 間 中 および 治 療 後 90 日 以 内 の<br />

副 作 用 )を 発 生 させることなく 安 全 に 施 行 しうること、2) 腸 管 の 重 篤 な 遅 発 性 反 応 ( 治<br />

療 後 90 日 以 降 に 発 生 する 副 作 用 )を 抑 えるためには、 腸 管 に 当 たる 線 量 を 60 GyE 未 満 に<br />

抑 える 必 要 があることが 明 らかとなりました。<br />

また 有 効 性 に 関 しては、1) 画 像 診 断 にて 明 らかにリンパ 節 が 腫 れていない 顕 微 鏡 的 病<br />

巣 に 対 しては、36 GyE 程 度 の 線 量 でリンパ 節 転 移 は 十 分 制 御 されうること、2) 子 宮 頸<br />

部 への 線 量 を 62.4-64.8 GyE から 68.0-74.4 GyE に 増 加 させることで 局 所 制 御 率 ( 子 宮 の<br />

病 巣 が 制 御 されている 割 合 )の 向 上 が 得 られることがわかりました。 腫 瘍 の 中 心 部 に<br />

68.0-74.4 GyE の 高 線 量 が 照 射 された IIIB-IVA 期 の 子 宮 頸 部 腺 がん 24 例 の 5 年 局 所 制 御<br />

率 は 69%、5 年 生 存 率 ( 治 療 後 5 年 間 生 存 している 人 の 割 合 )は 56%であり、これまでに<br />

報 告 されている 放 射 線 単 独 あるいは 化 学 放 射 線 治 療 の 成 績 と 比 較 して 良 好 な 結 果 が 得 られ<br />

ています。<br />

しかし 74.4 GyE という 高 線 量 の 照 射 をもってしても、 局 所 再 発 は 27%に 認 められ、 重<br />

粒 子 線 治 療 の 局 所 制 御 効 果 は 十 分 に 満 足 しうるものではありませんでした。また 遠 隔 転 移<br />

も 68.0-74.4 GyE 照 射 例 の 61%と 高 率 に 発 生 しており、 生 存 率 向 上 のためには、 子 宮 局 所<br />

5


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

の 腫 瘍 の 制 御 のみならず、 遠 隔 転 移 に 対 する 対 策 が 重 要 であると 考 えられました。<br />

局 所 進 行 子 宮 頸 がんに 対 する、X 線 による 放 射 線 治 療 と 化 学 療 法 の 同 時 併 用 に 関 するこ<br />

れまでの 報 告 から、 重 粒 子 線 治 療 でも 同 様 に、 化 学 療 法 を 同 時 併 用 することによって、 局<br />

所 制 御 率 のさらなる 向 上 と、 遠 隔 転 移 の 抑 制 が 得 られる 可 能 性 があり、これまでの 重 粒 子<br />

線 単 独 での 治 療 成 績 を 改 善 させる 可 能 性 があると 考 えられます。また 重 粒 子 線 治 療 は 通 常<br />

のX 線 による 放 射 線 治 療 と 比 較 して、 正 常 組 織 ( 皮 膚 、 消 化 管 など)への 照 射 線 量 を 抑 え<br />

ることが 可 能 であり、 化 学 療 法 と 併 用 した 場 合 でも、 比 較 的 安 全 に 治 療 することができる<br />

と 考 えられます。<br />

II) シスプラチン( 抗 がん 剤 )について<br />

シスプラチンは 従 来 から 用 いられている 抗 がん 剤 で、 子 宮 頸 がんを 含 む 様 々ながんに 対<br />

し 幅 広 く 高 い 効 果 を 示 しています。これまでに 行 われた 複 数 の 大 規 模 な 臨 床 試 験 の 結 果 か<br />

ら、 局 所 進 行 子 宮 頸 がんでは、 放 射 線 治 療 にシスプラチンを 用 いた 化 学 療 法 を 同 時 併 用 す<br />

ることによって、1 子 宮 頸 部 のがんに 対 する 放 射 線 治 療 の 効 果 を 高 めること、2 他 部 位 へ<br />

の 遠 隔 転 移 を 減 少 させること、が 報 告 されています。このため 現 在 では、シスプラチンは<br />

局 所 進 行 子 宮 頸 がんに 対 する 化 学 放 射 線 治 療 の 際 の 第 一 選 択 の 抗 がん 剤 として、 世 界 的 に<br />

広 く 用 いられています。(なお、 今 回 の 治 療 で 使 用 されるシスプラチンの1 回 あたりの 投 与<br />

量 は、 厚 生 労 働 省 によって 承 認 されている 範 囲 内 の 量 です。)<br />

7.この 試 験 の 目 的<br />

重 粒 子 線 治 療 と 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 の 確 立 のためには、 両 者 の 安 全 で 効 果 的 な 投 与<br />

量 を 決 定 する 必 要 があります。このためこの 試 験 では、 局 所 進 行 子 宮 頸 部 腺 がんの 患 者 さ<br />

んに、 骨 盤 部 への 重 粒 子 線 治 療 とシスプラチンの 毎 週 投 与 による 治 療 を 受 けていただき、<br />

それぞれの 治 療 の 最 大 耐 容 量 ( 安 全 に 治 療 できる 最 大 の 投 与 量 )を 明 らかにし、 本 治 療 法<br />

の 安 全 性 と 有 効 性 を 確 認 することを 目 的 とします。<br />

局 所 進 行 子 宮 頸 がんに 対 する 同 時 化 学 放 射 線 治 療 では、 抗 がん 剤 はシスプラチンの 週 1<br />

回 40mg/m 2 、5-6 週 連 続 投 与 が、 最 も 標 準 的 な 併 用 方 法 として 世 界 的 に 広 く 用 いられてい<br />

ます。したがって 今 回 の 臨 床 試 験 でも、 化 学 療 法 の 内 容 として、まずはシスプラチンの 週<br />

1 回 40mg/m 2 、5 週 間 連 続 投 与 を 用 いることとします。また 重 粒 子 線 治 療 はプロトコール<br />

9704 に 準 じて 行 い、 局 所 制 御 率 が 比 較 的 良 好 だった 68.0 GyE を 開 始 線 量 とします。<br />

8.ご 協 力 いただく 患 者 さんの 条 件<br />

試 験 をできるだけ 安 全 に 行 うため、この 試 験 に 参 加 していただく 患 者 さんの 条 件 が 以 下<br />

に 設 けられております。そのため、 試 験 参 加 の 同 意 をいただいても、ご 参 加 いただけない<br />

場 合 がありますのでご 了 承 ください。<br />

6


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

< 参 加 していただける 患 者 さんの 条 件 ><br />

(1) 子 宮 頸 部 腺 がんないし 腺 扁 平 上 皮 がんと 生 検 で 確 認 されている 方<br />

(2) 臨 床 病 期 IIB、III、ないし IVA の 方<br />

(3) 同 意 をいただく 時 点 で、 年 齢 が 20 歳 以 上 70 歳 以 下 の 方<br />

(4) 病 巣 の 状 態 、 年 齢 、 合 併 症 などの 理 由 で 手 術 不 適 、あるいは 手 術 拒 否 の 方<br />

(5) 子 宮 頸 がんに 対 して 手 術 、 化 学 療 法 の 前 治 療 歴 のない 方<br />

(6) 本 試 験 への 参 加 にあたり 十 分 な 説 明 を 受 けた 後 、 十 分 な 理 解 の 上 、 文 書 による 同 意 を<br />

いただける 方<br />

その 他 にもいくつか 参 加 していただける 条 件 があります。<br />

< 参 加 していただけない 患 者 さんの 条 件 ><br />

(1) 重 い 心 臓 病 、 高 血 圧 、 糖 尿 病 などの 合 併 症 のある 方<br />

(2) 他 臓 器 に 活 動 性 の 重 複 がんがある 方<br />

(3) 腫 瘍 の 直 腸 浸 潤 、ないし 腹 部 傍 大 動 脈 リンパ 節 転 移 のある 方<br />

(4) 骨 盤 部 に 放 射 線 治 療 の 既 往 がある 方<br />

その 他 に 参 加 をご 遠 慮 いただくいくつかの 条 件 があります。<br />

参 加 については、 診 察 や 検 査 の 結 果 をよくみた 上 で 担 当 医 が 判 断 します。 詳 しくは 担 当 医<br />

が 説 明 します。<br />

9.この 試 験 治 療 の 方 法<br />

I) 試 験 治 療 の 実 施 スケジュール<br />

1) 重 粒 子 線 治 療 について<br />

この 治 療 においては、 重 粒 子 線 をできるだけ 正 確 に 病 巣 部 に 集 中 させる 必 要 があります。<br />

そうしないとがん 細 胞 ではなく 正 常 な 組 織 を 傷 つけることになるからです。 実 際 の 照 射 の<br />

ときあなたには、 硬 いベッドの 上 でしばらくの 間 動 かないようにしていただきますが、そ<br />

7


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

のとき 体 を 固 定 するための 鋳 型 のようなもの( 固 定 具 )に 入 っていただくことになります。<br />

固 定 具 などがうまく 合 ってないため 痛 みを 感 じる 場 合 は、 我 慢 しないでお 知 らせください。<br />

実 際 の 照 射 は、 専 用 の 治 療 室 でおこなわれます。 放 射 線 が 照 射 される 時 間 は 数 分 間 ですが、<br />

あなたが 治 療 室 内 にいる 時 間 は、 照 射 前 後 の 準 備 や 処 置 などに 要 する 時 間 もいれると 合 計<br />

20~30 分 以 上 になることがあります。 照 射 中 とその 前 後 何 分 かは、 部 屋 の 中 にあなた1 人<br />

が 残 されますが、 私 たちが 部 屋 の 外 から、テレビカメラで 見 守 っていますから 心 配 ありま<br />

せん。 照 射 中 に 放 射 線 による 痛 みや 熱 さを 感 じることはありません。<br />

あなたの 重 粒 子 線 照 射 治 療 は、1 日 1 回 、2 週 に 6~8 回 の 合 計 20 回 、 総 線 量 GyE<br />

(1 回 線 量 3.0 GyE または GyE)(※)の 照 射 を 行 います。<br />

最 初 の 12 回 は 1 回 線 量 3.0 GyE で、 後 の 8 回 は 1 回 線 量 GyE(※)です。 照 射 す<br />

る 範 囲 は、 始 めの 12 回 が 原 発 巣 ( 腫 瘍 全 体 )および 骨 盤 のリンパ 節 領 域 に 対 して、 次 の 4<br />

回 が 腫 瘍 を 含 む 子 宮 全 体 に 対 して、 最 後 の 4 回 が 子 宮 頸 部 の 腫 瘍 に 対 して 計 画 されます。<br />

重 粒 子 線 照 射 に 関 連 してなされる 処 置 :<br />

照 射 の 際 には 膀 胱 内 の 尿 量 を 一 定 にするため、 膀 胱 内 に 一 定 量 の 水 を 注 入 して 治 療 を 行<br />

います。また 直 腸 への 過 照 射 を 避 けるため、 膣 内 に 綿 やガーゼを 挿 入 して 腫 瘍 と 直 腸 との<br />

距 離 を 保 持 します。<br />

2)シスプラチン( 抗 がん 剤 ) 治 療 について<br />

シスプラチンは 週 に 1 回 40mg/m 2 ( 身 長 ・ 体 重 よりあなたの 体 表 面 積 が 算 出 され、その<br />

値 にこの 量 をかけたものが 投 与 される 量 になります)で、 原 則 として 毎 週 火 曜 日 に 投 与 し、<br />

治 療 中 に 合 計 5 回 投 与 します。 投 与 方 法 は 点 滴 で、 副 作 用 を 予 防 するための 点 滴 も 一 緒 に<br />

行 います。この 投 与 方 法 は 通 常 の 化 学 放 射 線 治 療 で 用 いられているものと 同 様 です。<br />

3) 治 療 期 間<br />

すべての 治 療 は 約 5 週 間 で 終 了 する 予 定 です。ただしこの 予 定 はあなたの 体 調 や 病 気 の<br />

状 態 、 照 射 の 準 備 状 況 、あるいは 照 射 装 置 の 運 転 スケジュールなどによって 変 更 されるこ<br />

とがあり、 特 にあなたの 体 調 や 病 気 の 状 態 によっては、 化 学 療 法 や 重 粒 子 線 治 療 を 延 期 し<br />

たり、 中 止 することもあります。<br />

II) 治 療 前 ・ 中 ・ 後 の 観 察 ・ 検 査 項 目 等 について<br />

治 療 前 の 観 察 や 検 査 は 紹 介 医 の 病 院 または 放 医 研 において 行 なわれます。ただし、 造 影<br />

剤 等 の 薬 剤 にアレルギーのある 場 合 などには、 必 ずしもすべての 検 査 を 行 なう 必 要 はあり<br />

8


ませんので、 担 当 医 とご 相 談 ください。<br />

受 診 日<br />

時 期<br />

患 者 さんの 同 意<br />

a)<br />

病 歴<br />

b)<br />

臨 床 検 査<br />

−28 日 ~<br />

0 日<br />

治 療<br />

開 始 前<br />

●<br />

●<br />

心 電 図 ●(-28 日 ~)<br />

< 観 察 ・ 検 査 スケジュール><br />

1 週 ~5 週 治 療 後<br />

治 療 中 止 / 終 了<br />

期 間<br />

(1 回 / 週 )<br />

承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

90 日<br />

まで<br />

観 察<br />

期 間<br />

(1 回 / 月 )<br />

治 療 後<br />

91 日<br />

以 降<br />

追 跡<br />

期 間<br />

●(-14 日 ~) ● ● ●<br />

腫 瘍 マーカーc) ● ● ●<br />

●( 治 療 後 2 年 間 は 1<br />

自 覚 症 状<br />

d)<br />

●(-14 日 ~) ● ● ●<br />

身 体 所 見 ( 視 ・ 触<br />

診 ) e) ●(-14 日 ~) ● ● ●<br />

有 害 事 象<br />

f)<br />

骨 盤 部 MRI<br />

回 /2 ヶ 月 )<br />

●( 治 療 後 2 年 間 は 1<br />

回 /2 ヶ 月 )<br />

●( 治 療 後 2 年 間 は 1<br />

回 /2 ヶ 月 )<br />

● ● ● ● ●<br />

●( 治 療 後 6 ヶ 月 まで<br />

●(-28 日 ~) ●<br />

は、1 回 /3 ヶ 月 、2 年<br />

腹 部 ・ 骨 盤 部 CT<br />

●(-28 日 ~) ●<br />

までは 6 ヶ 月 毎 )<br />

●( 治 療 後 6 ヶ 月 まで<br />

は、1 回 /3 ヶ 月 、2 年<br />

胸 部 X-p または<br />

胸 部 CT ●(-28 日 ~)<br />

PET-CT<br />

●( 可 能 であ<br />

れば)<br />

までは 6 ヶ 月 毎 )<br />

●( 治 療 後 6 ヶ 月 まで<br />

は、1 回 /3 ヶ 月 、2 年<br />

までは 6 ヶ 月 毎 )<br />

●( 可 能 であれば 治 療 後 1 および 6 ヶ<br />

月 後 に 行 う)<br />

膀 胱 鏡 検 査 ●(-28 日 ~)<br />

直 腸 鏡 検 査 ●(-28 日 ~)<br />

a) 病 歴 : 既 往 歴 ( 昔 かかった 病 気 やケガ、 以 前 受 けた 治 療 、 以 前 使 ったお 薬 による 副 作 用 、<br />

ほかの 臨 床 試 験 に 参 加 したことがあるかどうかなど)、 家 族 歴 ( 血 縁 者 に 類 縁 疾 患 がある<br />

9


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

かどうかなど)、 現 病 歴 ( 現 在 の 病 気 の 経 過 について) 調 べます。<br />

b) 臨 床 検 査 : 以 下 の 項 目 を 調 べます。1 回 約 10 mL、 治 療 期 間 全 体 で 約 70 mL になりま<br />

す。なお 下 記 検 査 項 目 ひとつひとつについて 質 問 があれば、 担 当 医 師 にお 尋 ねください。<br />

1) 血 液 検 査 : 白 血 球 数 、 白 血 球 分 画 ( 好 中 球 、リンパ 球 、 単 球 、 好 酸 球 、 好 塩 基 球 )、<br />

赤 血 球 数 、ヘマトクリット、ヘモグロビン、 血 小 板 数 、 総 蛋 白 、アルブミン、 総 ビリル<br />

ビン、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、ALP、 血 糖 ( 空 腹 時 )、 電 解 質 (Na、K、<br />

Cl、Ca)、 尿 素 窒 素 、クレアチニン、CRP、<br />

2) 尿 検 査 : 糖 定 性 、 蛋 白 定 性 、 潜 血 反 応 、ウロビリノーゲン 定 性<br />

c) 腫 瘍 マーカー(CEA、 CA125、 CA19-9、 SCC など)<br />

d) 診 察 時 に 自 覚 症 状 に 変 化 がないかどうか 調 べます。<br />

e) 視 ・ 触 診 ( 内 診 )で、 病 状 の 変 化 を 調 べます。<br />

f) 有 害 事 象 とは、 患 者 さんにおきる 好 ましくないすべての 事 象 ( 体 調 の 悪 化 、 検 査 結 果 の<br />

悪 化 など)です。このうち 治 療 が 原 因 と 考 えられる 事 象 を 副 作 用 といいます。 毎 回 診 察<br />

時 に 詳 しく 調 べますが、 診 察 時 以 外 でも、 体 調 の 悪 化 があったら、この 説 明 書 の 最 後 の<br />

部 分 に 書 いてある 連 絡 先 にご 連 絡 ください。<br />

試 験 期 間 中 ( 同 意 をいただいてから 試 験 が 終 了 するまで)に、なんらかの 異 常 が 認 めら<br />

れた 場 合 には、あなたの 健 康 状 態 を 正 しく 判 断 するため、 追 加 の 検 査 を 受 けていただき、<br />

追 跡 調 査 をさせていただくことがあります。<br />

III) 試 験 治 療 後 の 診 察<br />

あなたの 病 気 は、 治 療 後 も 慎 重 に 経 過 をみてゆく 必 要 があります。また 臨 床 試 験 ですの<br />

で、 治 療 効 果 や 安 全 性 を 判 断 するためにも、 長 期 にわたって 定 期 的 に( 照 射 後 、12 カ 月 間<br />

は 1 カ 月 に 1 回 、その 後 は 3カ 月 に 1 回 程 度 ) 私 たちの 病 院 やあなたを 紹 介 してくださ<br />

った 医 師 の 病 院 で 診 察 を 受 けてください。 遠 隔 地 に 転 居 される 場 合 は、 前 もって 私 たちに<br />

ご 連 絡 ください。 新 しい 土 地 で 引 き 続 いて 診 察 を 受 けられるようにするため、 紹 介 状 や 必<br />

要 なアドバイスを 差 し 上 げます。<br />

10.この 試 験 の 参 加 予 定 期 間<br />

この 試 験 全 体 の 実 施 期 間 は、2010 年 4 月 1 日 から 2016 年 3 月 31 日 までです。<br />

【 登 録 期 間 】 西 暦 2010 年 4 月 1 日 ~ 西 暦 2014 年 3 月 31 日<br />

【 追 跡 調 査 期 間 】 登 録 終 了 後 2 年 間<br />

ただし、 試 験 期 間 中 に 副 作 用 などの 好 ましくないことおきた 場 合 は、 試 験 中 止 あるいは 終<br />

了 後 もその 経 過 を 調 べることがあります。<br />

10


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

11.この 試 験 に 参 加 する 患 者 さんの 人 数<br />

この 試 験 には、あなたと 同 じ 病 気 の 患 者 さん 約 30 人 に 参 加 していただく 予 定 です。<br />

12. 予 想 される 治 療 効 果 と 副 作 用<br />

I) 予 想 される 治 療 効 果<br />

重 粒 子 線 は 従 来 の 放 射 線 に 比 べると、 病 巣 に 正 確 に 高 線 量 を 集 中 でき、かつがん 細 胞 に<br />

対 しては 従 来 の 放 射 線 よりも 高 い 致 死 作 用 が 期 待 できるという 利 点 があります。さらに 腫<br />

瘍 の 形 が 複 雑 ながんにも 優 れた 照 射 手 法 により 高 い 治 療 効 果 が 期 待 されます。<br />

II) 予 想 される 副 作 用<br />

放 射 線 治 療 では、 治 療 中 に 発 生 する 副 作 用 ( 急 性 反 応 )と、 治 療 後 時 間 が 経 ってから 発<br />

生 する 副 作 用 ( 遅 発 性 反 応 )があります。 抗 癌 剤 にも 副 作 用 があり、また 両 者 を 併 用 する<br />

ことによって 副 作 用 が 増 強 されることがあります。 一 般 の 放 射 線 治 療 とシスプラチンの 同<br />

時 併 用 療 法 における 副 作 用 の 報 告 、およびこれまでの 重 粒 子 線 治 療 の 臨 床 試 験 で 得 られた<br />

知 見 から、 予 想 される 副 作 用 ( 有 害 反 応 )として 以 下 のものが 挙 げられます。<br />

1) 重 粒 子 線 治 療 による 急 性 反 応<br />

最 初 の 3 週 間 の 照 射 範 囲 には 子 宮 から 骨 盤 リンパ 節 まで 含 めるので、 骨 盤 内 にある 腸 管<br />

も 照 射 されます。このため 照 射 期 間 中 に 急 性 腸 管 粘 膜 反 応 によって 吐 き 気 、 食 欲 不 振 、 腹<br />

痛 、 下 痢 などが 起 きることがあります。 膀 胱 も 照 射 範 囲 に 含 まれるため、 急 性 膀 胱 炎 様 の<br />

症 状 ( 頻 尿 、 排 尿 時 痛 など)が 起 きることがあります。また 放 射 線 を 照 射 した 範 囲 に 急 性<br />

皮 膚 反 応 ( 発 赤 、びらんなど)が 生 じることがあります。これらの 症 状 は、シスプラチン<br />

の 併 用 によって 増 強 される 可 能 性 があります。これらの 副 作 用 のほとんどは 安 静 や 服 薬 な<br />

どで 軽 快 しますが、 極 端 に 強 い 反 応 が 出 た 場 合 には 照 射 を 休 止 したり、 照 射 を 中 止 したり<br />

することもありえます。<br />

2) 重 粒 子 線 治 療 による 遅 発 性 反 応<br />

1 消 化 管<br />

放 射 線 があたった 部 分 の 正 常 組 織 が 弱 くなるため、 放 射 線 治 療 後 に 腸 管 から 出 血 が 起 こ<br />

る 場 合 があります。 腸 管 出 血 は 子 宮 の 病 巣 が 制 御 された 場 合 、 約 20%の 確 率 で 生 じる 可 能<br />

性 があります。 発 症 時 期 は、 照 射 開 始 後 半 年 から1 年 半 までが 多 いです。ほとんどは 服 薬<br />

や 安 静 によって 症 状 が 消 失 しますが、 結 腸 、 直 腸 、あるいは 小 腸 に 潰 瘍 ができて 穴 があい<br />

たり、 癒 着 のため 腸 閉 塞 などを 生 じたりする 可 能 性 もあります。 重 粒 子 線 治 療 ではこれま<br />

での 子 宮 がんの 患 者 さんでは 約 5%(140 例 中 8 例 )で 腸 管 に 穴 があく 重 い 副 作 用 が 出 ま<br />

11


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

した。このほとんどは、 腫 瘍 が 大 きくて 腸 管 に 接 していたり、 腸 管 を 圧 迫 しているため、<br />

腸 管 を 外 して 照 射 することができなかった 症 例 です。 幸 いにこれらの 患 者 さんは 人 工 肛 門<br />

を 作 るなどの 手 術 を 受 け、その 後 の 経 過 は 良 好 です。なお 現 在 では、これまでの 経 験 をも<br />

とに 照 射 法 を 工 夫 することによって、 重 い 副 作 用 の 頻 度 は 非 常 に 少 なくなっています。<br />

2 膀 胱<br />

膀 胱 は 子 宮 のすぐ 前 方 にあり、 膀 胱 後 壁 は 腫 瘍 とほとんど 接 しているため、 放 射 線 治 療<br />

後 に 膀 胱 から 出 血 ( 血 尿 )が 生 じることがあります。ほとんどは 服 薬 や 安 静 によって 症 状<br />

が 消 失 しますが、 手 術 ( 尿 路 変 更 術 )が 必 要 となる 場 合 もあります。<br />

3 下 肢 浮 腫<br />

一 般 的 の 放 射 線 治 療 と 同 様 、 照 射 された 部 分 に 線 維 化 が 生 じるため、 硬 くなって 血 液 や<br />

リンパ 液 が 流 れにくくなり、 下 半 身 がむくみやすくなることがあります。<br />

4 骨<br />

一 般 的 の 放 射 線 治 療 と 同 様 、 照 射 された 部 分 の 骨 が 弱 くなって、 骨 折 する 場 合 がありま<br />

す。 一 般 に 骨 粗 鬆 症 のある 患 者 さんに 比 較 的 多 く 起 きるとされています。<br />

5 卵 巣 機 能<br />

子 宮 および 卵 巣 の 機 能 が 失 われるので、 治 療 後 に 妊 娠 することは 不 可 能 となります。ま<br />

た 閉 経 となり、ホルモンバランスの 変 動 に 伴 い 更 年 期 症 状 が 出 現 する 場 合 もあります。<br />

6 皮 膚<br />

照 射 範 囲 の 皮 膚 に 日 焼 け 様 の 皮 膚 反 応 ( 発 赤 ・ 色 素 沈 着 など)が 生 じる 場 合 があります。<br />

7 その 他<br />

照 射 された 部 分 の 正 常 組 織 が 弱 くなるため 予 期 せぬ 副 作 用 がおこる 可 能 性 があります。<br />

また 以 上 1~7の 遅 発 性 反 応 は、シスプラチンの 併 用 によって 増 強 される 可 能 性 がありま<br />

す。<br />

3)シスプラチンによる 副 作 用<br />

1 血 液<br />

種 々の 程 度 の 白 血 球 減 少 、 血 小 板 減 少 、 貧 血 が 出 現 する 可 能 性 があります。それぞれの<br />

治 療 に、 投 薬 や 輸 血 を 行 うことがあります。 高 度 の 白 血 球 減 少 ないし 血 小 板 減 少 が 起 きた<br />

場 合 には、シスプラチンの 投 与 を 休 止 したり、 中 止 することもありえます。またシスプラ<br />

チンの 投 与 を 休 止 しても 更 に 高 度 の 白 血 球 減 少 ないし 血 小 板 減 少 が 起 きた 場 合 には、 重 粒<br />

子 線 の 照 射 を 休 止 したり、 照 射 を 中 止 したりすることもありえます。<br />

2 消 化 器<br />

重 粒 子 線 治 療 による 急 性 反 応 のところでも 述 べましたが、シスプラチンの 投 与 によって<br />

も 種 々の 程 度 の 吐 き 気 、 嘔 吐 、 食 欲 不 振 が 出 現 する 可 能 性 があります。このためシスプラ<br />

12


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

チンの 投 与 の 前 には 吐 き 気 を 予 防 する 薬 を 点 滴 しますし、さらに 吐 き 気 止 めを 飲 んで 頂 く<br />

ことで 症 状 を 和 らげます。<br />

3 腎<br />

種 々の 程 度 の 腎 機 能 低 下 を 招 く 可 能 性 があります。その 予 防 のために、シスプラチンの<br />

投 与 の 際 には、 十 分 な 量 の 点 滴 を 行 います。ほとんどは 軽 い 症 状 ですみますが、 症 状 の 強<br />

いものでは 人 工 透 析 に 至 る 可 能 性 もあります。<br />

4 その 他<br />

シスプラチンの 投 与 に 伴 うその 他 の 副 作 用 として、 脱 毛 、 末 梢 神 経 障 害 ( 手 足 のしびれ)、<br />

聴 覚 障 害 、 味 覚 障 害 などが 起 きる 可 能 性 があります。また 稀 ですが、 薬 剤 によってショッ<br />

ク、アナフィラキシー 様 症 状 (アレルギー 性 の 呼 吸 困 難 )などが 出 現 する 可 能 性 がありま<br />

す。<br />

4)その 他<br />

治 療 後 10 年 以 上 経 過 した 場 合 に、 従 来 の 放 射 線 治 療 ではまれに 放 射 線 照 射 による 新 たな<br />

がんが 発 生 (2 次 発 がん)する 可 能 性 がありますが、 重 粒 子 線 治 療 でも 同 様 の 可 能 性 があ<br />

ります。またシスプラチンの 併 用 によって 発 がんのリスクが 増 強 される 可 能 性 もあります。<br />

上 記 の 副 作 用 は、すべての 方 に 現 れるというわけではありません。また、 今 までに 報 告<br />

されているものが、 一 度 に 出 現 するわけではなく、 患 者 さんによって 副 作 用 の 種 類 や 程 度 、<br />

発 現 の 頻 度 は 異 なります。また、これまでに 知 られていない 副 作 用 が 起 きる 可 能 性 もあり<br />

ます。<br />

副 作 用 が 出 現 してこないかどうか、 担 当 医 師 はあなたの 身 体 に 起 こることを 注 意 深 く 診<br />

察 します。もし、 試 験 期 間 中 にいつもと 違 った 体 調 の 変 化 がありましたら、すみやかに 担<br />

当 医 師 に 連 絡 してください。 担 当 医 師 が 迅 速 かつ 適 切 な 対 応 を 行 います。また、 副 作 用 の<br />

程 度 や 検 査 の 結 果 によっては、 担 当 医 師 が 試 験 治 療 を 中 止 することもあります。<br />

子 宮 がんの 重 粒 子 線 治 療 の 対 象 になる 患 者 さんは 腫 瘍 が 大 きく 進 行 した 病 状 の 方 が 多 い<br />

ため、 重 粒 子 線 をもってしても 子 宮 周 囲 の 正 常 組 織 ( 腸 管 、 膀 胱 など)を 完 全 に 外 してが<br />

んのみを 照 射 することは、 現 在 の 照 射 技 術 では 不 可 能 な 場 合 が 多 くあります。あなたには<br />

以 上 のような 副 作 用 の 可 能 性 があることを 十 分 に 納 得 の 上 で、 臨 床 試 験 の 参 加 を 了 承 して<br />

頂 きたいのです。もし 上 記 のような 副 作 用 が 出 てきた 場 合 にはその 病 状 に 応 じて 最 善 と 考<br />

えられる 処 置 を 行 います。<br />

13. 試 験 参 加 にあたって 留 意 していただきたいこと<br />

これまで 申 し 上 げた 通 り、 重 粒 子 線 治 療 はまだ 確 立 された 方 法 とはいえないため、 照 射<br />

13


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

にあたってはあなたの 安 全 性 に 細 心 の 注 意 を 払 いながら 進 めていきます。また、 科 学 的 に<br />

有 効 性 や 安 全 性 を 判 断 するために、あなたの 安 全 性 に 重 大 な 影 響 が 考 えられる 場 合 を 除 い<br />

て、 先 にのべた 臨 床 試 験 計 画 書 を 遵 守 して 照 射 を 行 います。そのため、 以 下 にお 示 しした<br />

事 項 をお 守 りいただくとともに、 入 院 中 は 医 師 、 薬 剤 師 、 看 護 婦 、 放 射 線 技 師 など 病 院 の<br />

スタッフの 指 示 に 従 ってください。<br />

(1) 治 療 前 、 治 療 中 、 治 療 後 に 異 常 な 症 状 または 著 しい 体 調 の 変 化 などがあった 場 合 は、<br />

医 師 または 看 護 婦 などに 直 ちにご 連 絡 ください。<br />

(2) 治 療 後 の 経 過 観 察 にはご 協 力 ください。もし 何 らかの 理 由 で 医 療 機 関 にかかることが<br />

できない 場 合 は、 担 当 医 師 や 以 下 の 事 務 取 扱 窓 口 にご 連 絡 ください。<br />

14.あなたに 健 康 被 害 が 発 生 した 場 合 の 補 償 について<br />

放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 では、 実 施 されるすべての 臨 床 研 究 において、 医 療 上 の 責 任 を 負<br />

う 医 師 が 指 名 されています。 万 が 一 、この 試 験 に 関 連 してあなたに 健 康 被 害 が 生 じたとき<br />

は、 通 常 の 診 療 の 際 に 生 じる 健 康 被 害 と 同 様 、 誠 意 をもって 適 切 に 対 応 します。その 際 の<br />

診 療 の 費 用 に 関 しては、 通 常 の 診 療 と 同 様 、 保 険 診 療 として 対 応 します。<br />

15.あなたの 費 用 負 担 について<br />

この 治 療 方 法 は 研 究 段 階 のものですので、まだ 健 康 保 険 の 適 用 になっていません。 従 っ<br />

て、 今 回 の 治 療 に 要 する 費 用 のうち、 重 粒 子 線 照 射 開 始 日 から 照 射 終 了 日 までの 費 用 ( 重<br />

粒 子 線 照 射 および 化 学 療 法 に 関 する 費 用 を 含 む)はすべて 放 医 研 が 負 担 します。ただし、<br />

検 査 等 そのほかの 診 療 は 全 て 保 険 診 療 の 範 囲 内 で 行 われ、あなたの 健 康 保 険 の 負 担 になり<br />

ます。<br />

16.あなたの 試 験 参 加 の 中 止<br />

あなたの 体 の 状 態 によって 臨 床 試 験 への 参 加 が 適 さないと 判 断 された 場 合 には、 臨 床 試<br />

験 への 参 加 をお 断 りすることがあります。 臨 床 試 験 中 であっても、あなたが 臨 床 試 験 で 安<br />

全 を 損 なう 恐 れがあると 医 師 が 判 断 した 場 合 、あるいは 偶 発 的 事 故 ( 機 械 の 故 障 を 含 む)、<br />

予 想 外 のがんの 進 行 、 副 作 用 が 見 られた 場 合 には 試 験 を 中 止 することがあります。<br />

いずれの 場 合 であっても、あなたに 十 分 な 説 明 を 行 い、あなたにとって 不 利 益 にならない<br />

ように 対 応 します。<br />

17.あなたのプライバシー 等 の 保 護 について<br />

私 たち 担 当 医 師 は、あなたの 個 人 情 報 に 関 係 するデータ 類 および 同 意 書 等 を 取 扱 う 際 は、<br />

以 下 を 守 ります。<br />

14


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

1)あなたの 個 人 情 報 を 含 む 書 類 あるいは 電 子 媒 体 (コンピューター 等 )は、 漏 洩 が 生 じな<br />

いように 厳 重 に 保 管 します。<br />

2) 試 験 の 結 果 を 学 会 等 で 公 表 する 際 は、あなたの 個 人 情 報 に 関 係 する 部 分 ( 名 前 、 生 年 月<br />

日 、 住 所 、 連 絡 先 、 病 院 で 使 用 する 患 者 さん 番 号 )を 全 て 匿 名 化 ( 記 号 や 番 号 などに 置<br />

き 換 えることで、 誰 の 情 報 かわからないようにすること)します。 個 人 情 報 以 外 の 情 報<br />

についても 公 表 のためには、あなたの 同 意 が 必 要 です。この 試 験 の 同 意 書 に 署 名 あるい<br />

は 記 名 捺 印 するさいは、このことについてもご 考 慮 をお 願 いします。<br />

3) この 試 験 で 得 られたあなたの 情 報 は、この 試 験 の 目 的 以 外 に 使 用 しません。<br />

4) 研 究 がルールに 基 づいて 行 われているかどうかを 確 認 するために、 放 射 線 医 学 総 合 研 究<br />

所 の 研 究 倫 理 審 査 委 員 会 、 場 合 によっては 文 部 科 学 省 や 厚 生 労 働 省 が 研 究 の 実 施 状 況 の<br />

調 査 を 行 うことがあります。 調 査 にあたっては、 研 究 倫 理 審 査 委 員 会 の 委 員 や 文 部 科 学<br />

省 や 厚 生 労 働 省 の 職 員 が 研 究 データやカルテなどを 閲 覧 する 可 能 性 があります。しかし、<br />

調 査 員 は 守 秘 義 務 を 負 っていますので、あなたのプライバシーが 外 部 にもれることはあ<br />

りません。 同 意 書 に 署 名 あるいは 記 名 捺 印 していただくことによって、これらの 調 査 に<br />

ついても 同 意 していただいたことになることをご 承 知 おきください。<br />

18.この 試 験 の 結 果 から 生 じる 知 的 財 産 権 について<br />

この 試 験 の 研 究 成 果 に 関 する 権 利 ( 特 許 権 などの 知 的 所 有 権 がこれに 含 まれます)によっ<br />

て 生 じる 利 益 を、あなたに 提 供 する 計 画 はないことをご 承 知 おきください。これらの 権 利<br />

は、 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 や 共 同 研 究 機 関 に 帰 属 することになります。<br />

19. 研 究 に 関 する 資 金 源 、 起 こりうる 利 害 の 衝 突 について<br />

本 研 究 に 要 する 費 用 は、 文 部 科 学 省 から 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 への 運 営 費<br />

交 付 金 をもって 充 てます。 尚 、 本 研 究 の 実 施 に 関 して、 利 益 相 反 ( 起 こりうる 利 害 の 衝 突 )<br />

が 存 在 しないことを 確 認 しています。<br />

( 利 益 相 反 とは)<br />

研 究 所 などの 研 究 機 関 は、 所 属 する 個 人 や 組 織 が、 企 業 から 医 薬 品 や 研 究 資 金 などの 提<br />

供 を 受 けて 共 同 研 究 を 行 うことがあります。また、 研 究 者 個 人 やその 家 族 が、 企 業 から 経<br />

済 的 利 益 等 を 得 ている 場 合 もあります。このような 場 合 、 研 究 によって 得 られる 公 の 利 益<br />

と、 個 人 あるいは 組 織 が 得 る 利 益 とが 相 反 (あいはん)する 可 能 性 が 生 じます。このように、<br />

一 方 の 利 益 が、 一 方 の 不 利 益 になる 可 能 性 のある 状 態 を 利 益 相 反 と 呼 びます。 利 益 相 反 の<br />

ために 試 験 の 公 正 さが 損 なわれることは、あってはならないことです。 利 益 相 反 はルール<br />

にもとづいた 適 正 な 取 り 扱 いと 情 報 公 開 が 必 須 で、 放 医 研 においても 適 切 な 取 り 扱 いを 行<br />

15


っています。<br />

承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

20. あなたから 得 た 試 料 と 診 療 情 報 の 保 存 ・ 保 管 について<br />

この 試 験 では、あなたから 得 た 試 料 ( 血 液 、 尿 、 画 像 診 断 結 果 等 )を 本 研 究 以 外 には 一<br />

切 用 いません。 全 ての 試 料 は 測 定 終 了 後 、 匿 名 化 ( 誰 のものであるか 特 定 できないように<br />

する)を 行 った 上 で 破 棄 します。あなたの 診 療 情 報 が 記 載 された 書 類 は、 研 究 終 了 後 5 年<br />

間 厳 重 に 保 管 し、 保 存 期 間 が 過 ぎたら、 匿 名 化 を 行 った 上 で 破 棄 します。その 情 報 は 本 試<br />

験 以 外 には 用 いません。<br />

なお 試 験 への 参 加 の 同 意 が 撤 回 された 場 合 においても、この 臨 床 試 験 のために 採 取 され<br />

たあなたから 得 た 試 料 は、 匿 名 化 されている 場 合 を 除 いて、 廃 棄 されます。<br />

病 気 の 原 因 を 探 り、より 良 い 治 療 をみつけるために、この 試 料 を 用 いて、 将 来 あなたの<br />

病 気 に 関 連 した 研 究 する 可 能 性 があります。その 研 究 を 行 う 際 は、 事 前 に 当 研 究 所 の 研 究<br />

倫 理 審 査 委 員 会 の 承 認 を 得 て 行 います。<br />

21. 問 い 合 わせ 窓 口 と 連 絡 先<br />

あなたがこの 臨 床 試 験 について 知 りたいことや、 心 配 なことがありましたら、 遠 慮 なく<br />

担 当 医 師 にご 相 談 下 さい。 他 の 被 験 者 の 個 人 情 報 保 護 や 当 該 臨 床 試 験 の 独 創 性 の 確 保 に 支<br />

障 がない 範 囲 内 で、ご 希 望 により 本 研 究 計 画 および 研 究 の 方 法 に 関 する 資 料 の 一 部 を 閲 覧<br />

することも 可 能 ですので、 必 要 な 場 合 はご 相 談 ください。<br />

放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 重 粒 子 医 科 学 センター 病 院<br />

〒263-8555 千 葉 市 稲 毛 区 穴 川 4-9-1<br />

電 話 ( 代 表 )043-251-2111<br />

所 属 : 重 粒 子 医 科 学 センター 病 院<br />

氏 名 : 加 藤 真 吾 ( 研 究 責 任 者 、 研 究 事 務 局 (この 臨 床 試 験 の 事 務 取 扱 窓 口 )、<br />

第 一 治 療 室 長 、 臨 床 治 療 高 度 化 研 究 グループ)<br />

直 通 電 話 043-206-3366<br />

(または 放 医 研 の 内 線 7050)<br />

鎌 田 正 ( 重 粒 子 臨 床 試 験 責 任 者 、 重 粒 子 医 科 学 センター 長 )<br />

直 通 電 話 043-206-3300<br />

(または 放 医 研 の 内 線 7000)<br />

16


同 意 書<br />

承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

私 は、 臨 床 試 験 「 局 所 進 行 子 宮 頸 部 腺 癌 に 対 する 炭 素 イオン 線 治 療 とシスプラチンによ<br />

る 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 に 関 する 臨 床 第 I/II 相 試 験 」の 研 究 に 参 加 するにあたり、 説 明<br />

文 書 を 受 け 取 り、 以 下 の 内 容 について 説 明 を 受 けました。 本 研 究 の 内 容 を 十 分 に 理 解 しま<br />

したので、 今 回 の 試 験 に 参 加 することについて 私 の 自 由 意 思 にもとづいて 同 意 いたします。<br />

説 明 文 書 と 同 意 書 ( 写 )を 受 け 取 りました。<br />

・ 臨 床 研 究 とは<br />

・ 研 究 倫 理 および 倫 理 審 査 員 会 について<br />

・ 研 究 への 参 加 の 自 由 について<br />

・ 臨 床 試 験 に 関 する 新 たな 情 報 の 提 供 について<br />

・あなたの 病 気 と 治 療 法 について<br />

・ 今 回 の 臨 床 試 験 の 治 療 について<br />

・この 試 験 の 目 的<br />

・ご 協 力 いただく 患 者 さんの 条 件<br />

・この 試 験 治 療 の 方 法<br />

・この 試 験 の 参 加 期 間<br />

・この 試 験 に 参 加 する 患 者 さんの 人 数<br />

・ 予 想 される 治 療 効 果 と 副 作 用<br />

・ 試 験 参 加 にあたって 留 意 していただきたいこと<br />

・あなたに 健 康 被 害 が 発 生 した 場 合 の 補 償 について<br />

・あなたの 費 用 負 担 について<br />

・あなたの 試 験 参 加 の 中 止<br />

・あなたプライバシー 等 の 保 護 について<br />

・この 試 験 の 結 果 から 生 じる 知 的 財 産 権 について<br />

・ 研 究 に 関 する 資 金 源 、 起 こりうる 利 害 の 衝 突 について<br />

・あなたから 得 た 試 料 と 診 療 情 報 の 保 存 ・ 保 管 について<br />

・ 問 い 合 わせ 窓 口 と 連 絡 先<br />

17


承 認 日 : 第 1 版 2010 年 3 月 25 日<br />

同 意 日 : 平 成 年 月 日<br />

本 人 氏 名 :( 署 名 または 記 名 捺 印 )<br />

○ 印<br />

同 意 日 : 平 成 年 月 日<br />

代 諾 者 氏 名 :( 署 名 または 記 名 捺 印 )<br />

○ 印<br />

説 明 日 : 平 成 年 月 日<br />

説 明 者 ( 研 究 担 当 者 ):( 署 名 または 記 名 捺 印 )<br />

○ 印<br />

説 明 補 助 者 :( 署 名 または 記 名 捺 印 )<br />

○ 印<br />

以 下 の 空 欄 (※) 印 についてはそれぞれの 患 者 さんに 応 じた 内 容 を 上 記 の 説 明 日 に<br />

記 載 し、 説 明 した。<br />

5.あなたの 病 気 と 治 療 法 について 2)あなたの 病 気 の 進 行 状 態 と 治 療 法 について<br />

9.この 試 験 治 療 の 方 法 1) 重 粒 子 線 治 療 について; 総 線 量 、 及 び 1 回 線 量<br />

18

Hooray! Your file is uploaded and ready to be published.

Saved successfully!

Ooh no, something went wrong!