水 平 方 向 から 右 上 がり 方 向 の 叩 き 目 が 残 存 する。 体 部 最 大 径 付 近 で 分 割 成 形 される。 下 半 の 一 部 は,叩 き 調 整 後 ,ミガキ 調 整 が 疎 らに 施 される。 口 縁 部 は 叩 き 調 整 後 , 縦 方 向 のハケメ 調 整 を 施 す。 口 縁部 内 面 は 粗 いハケメ 調 整 を 施 し, 体 部 には 工 具 によるナデ 調 整 の 痕 跡 が 認 められる。 内 外 面 に 煤 が付 着 するが, 建 物 の 焼 失 時 に 付 着 した 可 能 性 がある。15の 体 部 は 長 胴 であり, 最 大 径 を 中 位 付 近 に 持つ。 底 部 は 丸 底 である。 口 縁 部 はやや 内 湾 気 味 であり, 短 い。 体 部 外 面 には 右 上 がり 方 向 の 叩 き 目 が残 存 し, 二 分 割 あるいは 三 分 割 で 成 形 される。 下 半 部 は 叩 き 調 整 後 ,ハケメ 調 整 を 疎 らに 施 す。 口 縁部 は 叩 き 調 整 後 ,ナデ 調 整 を 施 す。また, 口 縁 部 上 端 には 粘 土 紐 の 接 合 痕 跡 が 残 存 している。 内 面 上半 部 はハケメ 調 整 , 下 半 部 はナデ 調 整 である。16・17は 底 部 片 である。16の 内 面 には 尖 底 化 に 伴 う 絞り 目 が 認 められる。 外 面 はハケメ 調 整 を 密 に 施 す。 内 面 はハケメ 調 整 後 ,ナデ 調 整 である。 被 熱 により 変 色 する。17は 大 型 壺 の 底 部 である。 劣 化 が 激 しいが, 外 面 はハケメ 調 整 , 内 面 はナデ 調 整 である。18〜25は 鉢 である。18は 中 央 ピット1 上 面 から 出 土 したものである。 体 部 は 底 部 から 外 上 方 へのび,口 縁 部 は 直 立 気 味 に 立 ち 上 がり, 口 唇 部 は 尖 らせる。 底 部 はやや 平 らな 部 分 を 残 している。 不 明 瞭 ながら 若 干 直 立 した 底 端 部 を 持 つ。 外 面 は 水 平 方 向 から 右 上 がりの 叩 き 調 整 後 ,ナデ 調 整 を 施 す。ナデ調 整 は 比 較 的 丁 寧 に 施 される。 内 面 底 部 付 近 には 不 定 方 向 に 工 具 の 静 止 痕 跡 が 認 められ, 口 縁 部 付近 には 粗 いハケメが 残 存 している。 建 物 焼 失 時 に 付 着 したと 考 えられる 煤 が 認 められる。19 の 体 部は 平 底 から 内 湾 気 味 に 立 ち 上 がり, 口 唇 部 は 尖 らせる。 外 面 はナデ 調 整 であり, 内 面 には 斜 め 方 向 のハケメ 調 整 を 密 に 施 す。 建 物 焼 失 時 に 付 着 したと 考 えられる 煤 が 認 められる。20は 口 径 が 大 きく, 体部 は 丸 みを 帯 びる。 底 部 はハケ 状 原 体 を 不 定 方 向 に 施 すことで 丸 く 仕 上 げる。 外 面 はナデ 調 整 , 内 面上 半 部 はハケメ 調 整 , 下 半 部 はナデ 調 整 である。21 の 体 部 は 丸 みを 持 ち, 口 唇 部 は 尖 らせる。 外 面 は叩 き 調 整 後 , 丁 寧 にナデ 調 整 を 施 す。 内 面 はハケメ 調 整 を 密 に 施 す。 内 面 の 一 部 には 赤 色 顔 料 が 付 着し, 外 面 には 煤 が 付 着 している。22は 中 央 ピット1から 出 土 したものである。 体 部 は 半 球 形 を 呈 する。内 面 のハケメは 螺 旋 状 に 施 される。 内 底 面 から 押 し 出 すことで 丸 底 とする。 外 面 はハケメ 調 整 後 , 丁寧 にナデ 調 整 を 施 す。23 は 中 央 ピット 1 から 出 土 したものである。 口 縁 部 は 内 湾 気 味 にわずかに 外反 し, 口 唇 部 は 丸 くおさめる。 体 部 下 半 部 は 丸 みを 帯 び, 体 部 の 上 胴 部 に 最 大 径 を 持 つ。 体 部 外 面 の下 半 部 には 指 頭 圧 痕 が 認 められ, 上 半 部 はハケメ 調 整 である。 内 底 面 中 心 部 からハケメ 調 整 を 施 す。建 物 焼 失 時 の 煤 が 付 着 している。24は 上 胴 部 に 最 大 径 を 持 ち, 口 縁 部 は 短 く 外 反 し, 口 唇 部 は 丸 くおさめる。 底 部 は 尖 底 状 を 呈 する。 内 外 面 ともナデ 調 整 で 仕 上 げられているが, 部 分 的 にミガキ,あるいはケズリ 状 にみえる 部 分 がある。 内 面 には 赤 色 顔 料 が, 外 面 には 煤 が 付 着 している。 煤 は 胴 部 最 大径 付 近 に 帯 状 に 多 く 付 着 する。 一 方 , 内 面 の 赤 色 顔 料 は 体 部 最 大 径 より 上 部 , 特 に 口 縁 部 に 多 く 付 着する。ほぼ 完 形 にまで 復 原 することができた。25 は 上 胴 部 に 最 大 径 を 持 ち, 外 反 する 口 縁 部 が 付 く。内 面 には 主 としてナデ 調 整 を 施 すが, 光 沢 を 持 つ 部 分 ,ハケメがみられる 部 分 がある。 外 面 は 荒 れており, 調 整 不 明 である。 内 面 の 底 部 から 頸 部 にかけて 赤 色 顔 料 が 付 着 している。 外 面 には 煤 が 付 着 する。26 は 中 央 ピット 1 の 北 東 部 , 建 物 床 直 上 から 出 土 した 砥 石 である。 脆 く 剥 片 状 に 剥 離 していくため, 使 用 面 はほとんど 残 存 していない。27 は 台 石 である。ベッド 直 上 から 出 土 しており, 原 位 置 を 保持 していると 考 えられる。 赤 色 顔 料 がうっすらと 付 着 しており,その 部 分 は 平 滑 となっている。24の出 土 位 置 と 関 連 する。28は 鉇 の 先 端 部 である。18
第 Ⅲ 章 調 査 成 果1113121617141518192021222324 2527赤 色 顔 料 付 着 範 囲0 10 20 30cm(S=1/8)26280 5 10 20cm(S=1/4)図 13 ST4 出 土 遺 物 実 測 図0 3cm(S=1/2)19